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1951/03/04 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第15号
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1951/03/04 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第15号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第15号
昭和二十七年三月四日(火曜日)
   午後二時二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     竹中 七郎君
   理事
           古池 信三君
           中川 以良君
           結城 安次君
           栗山 良夫君
   委員
           松本  昇君
           山田 佐一君
           加藤 正人君
           小林 孝平君
           島   清君
           西田 隆男君
  衆議院議員
           中村 純一君
  国務大臣
   通商産業大臣  高橋龍太郎君
  政府委員
   大蔵省主税局税
   制課長     泉 美之松君
   通商産業省通商
   振興局長    井上 尚一君
   通商産業省通商
   企業局長    石原 武夫君
   通商産業省通商
   機械局長    玉置 敬三君
   工業技術庁長官 井上 春成君
   中小企業庁長官 小笠 公韶君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
  説明員
   通商産業省通商
   局次長     松尾泰一郎君
   資源庁次長   岡田 秀男君
   資源庁炭政局長 中島 征帆君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○企業合理化促進法案(衆議院提出)
 (第十二回国会継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中七郎君) 只今より通商産業委員会を開きます。
 議題は企業合理化促進法案を議題といたします。委員のかたの御質問をお願いいたします。
#3
○栗山良夫君 以下主として大臣にお尋ねをいたしたいと思います。最近政府の行なつておられる産業政策と申しますか、そういうような流れを私どもが横から拜見いたしておりますと、いわゆる日本の産業全体の安定を図りまして、そして国民経済に寄與をして行くという方針とは若干ずれつつあるように私は思うわけであります。従つてこの際大臣から、通産省が只今お考えになつておる講和発効後における産業政策というものはどういうところに重点を置いてやつて行かれようとしておるのか、その点を本法案の審議に関連して先ずお尋ねをいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(高橋龍太郎君) 只今の御質問のずれつつあるのじやないかというなには、どういう点でしよう。
#5
○栗山良夫君 一口に申しますと、例えば我が国の、こういう分類の仕方が妥当であるかどうかは別といたしまして、平和産業的ないろいろな企業というものは非常な、内外の情勢の推移もありますけれども、圧迫を受けまして、そして相当に苦しい状態に追込められつつあるわけでありまして、そういうものに対しては国として特別な補助育成の積極的な政策を講じられておりまするように私どもは見受けることができないのであります。半面特殊の企業等につきましては、いろんな角度から相当な国としての指導、育成の方針がとられつつあるのでありまして、こういうような点を考えて見ました場合には、国全体の経済を保つて行きまするために、甚だ跛行的な現象が方々に出まして、頗る困難になるのではないかということを考えておるわけであります。従つて私が只今お伺いいたしました点は、今申上げましたような点について、抽象的ではございますけれども、大臣としての御抱負を承わりたいと、こういうことなんであります。
#6
○国務大臣(高橋龍太郎君) 通産省としては別段産業の方針を切り換えると言いますか、転換するということは考えておりません。今のお言葉の中にありました平和産業云々というお言葉でありましたが、平和産業に対しても通産省としてはこれまで通り重要に第一に考えております。別段ちよつと意味がわかりませんが、転換をするという方針ではないのであります。
#7
○栗山良夫君 いや、転換する方針でないというお言葉でありますが、現実の問題がそういう工合になつておるように、私はこの委員会の過日来のいろいろな質疑応答を通じても感ずるわけであります。余り抽象的に申しておつても核心に触れませんから、それでは以下申述べまするような点について、大臣の御回答を得て行きたいと思います。この企業合理化促進法案の指定を受けまする業種、或いはその業種がこの法案の実施によりまして減税措置を受けまする額等を政府提出の資料によつて調査をいたしますと、例えば二十七年度におきましては、十三億円の予定に対しまして、製鉄業は六億四千万円、石炭鉱業は二億九千七百万円余でありまして、この両事業だけで総額の七二%に及ぶわけであります。即ち十三億の減税額の過半数のものが、この二事業に集中をせられ、而もその大部分は大企業に集中をせられるように統計ではなつております。そのほかの企業はぐつと比率が下りまして、減税総額の五%を超える指定業種というものは僅かに二つあるだけであります。あとは五%以下であります。一%に満たない企業が九つございます。こういう状態でありますから、結局企業合理化促進によりまして減税措置等を講じて、非常に国家的な育成をして行かれようとする企業の実態がさようになつておることをお認めになりますかどうか。
#8
○国務大臣(高橋龍太郎君) それは非常に誤解があるように思うのですが、その通産省が先日差出しました数字は、二十七年度にこういうふうになるだろうかという見込なのですが、決して業種別にそういうふうに割当てたのではない。ただあの指定されております業種のものは、業者から通産省に申出でますれば、それによつて調査いたしまして、それを採用する方針なんであるので、ただ現在のところ、製鉄業者は、石炭のほうもそうですが、製鉄業者は、これは非常に設備が老朽化しておるので、業者自体が一昨年頃から企業合理化に非常に熱意があり、いろんな調査をして予備行動をとつておつたのが現状でありますから、こういう法案が出れば二十七年度には真先に製鉄業者がこの要求を申出るだろう。二十七年度は或いは半数というものが一、二の業種に出ると仮定いたしましても、二十八年度は今度又新らしい業者は、こういう法案が出れば準備をして要求が出るわけなんでありまして、政府の方針で、我々の方針でああいう数字で業種別に割当てたというのではないのでございます。御了承願います。
#9
○栗山良夫君 そうしますと今の大臣のお言葉ですと、結局二十七年度に予定をされたまあ十五億程度ということでありましたが、そういう減税の総額にはかかわりなく、業者がこの企業合理化法を身を以て実施をしたいという熱意ある企業に対しては幾らでも減税を認めて行く、こういう御方針でありますか。
#10
○国務大臣(高橋龍太郎君) 予算の大体総額がきまつておりまするからして、幾らでもというわけにも行きませんけれども、今度指定しました業種のうちでは甲乙をつける考えはないのです、通産省としては。
#11
○栗山良夫君 そうしますと総額は大体これで押える。総額で予定されたものが一応表になつておるわけでありますが、そのうちで今大臣のお言葉によりますと製鉄業と石炭、まあ石炭鉱業のことはお触れになりませんでしたが、製鉄業は前々以て調査をして出しておるものである、他のほうはそこまで及んでいないものもあるので、そういうことになつたんだとおつしやるのでありますが、そういう正確度の高い製鉄業を入れて十三億円になる。而もその五〇%に近いものははつきりしたものであるということになれば、外の企業がこの合理化のためにすぐやりたいと思つてもできないことになるのじやないですか。
#12
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつと局長に説明させますが、細かいところは私にはわかりませんが、今製鉄業者といえども通産省に申出ているものはないのでございますよ。通産省として一年前からの働きで製鉄業者は進んで真先に相当の額を申出るだろうと考えております。尤もこの法案は考えずに、製鉄業者のそういう計画は、企業合理化の計画は始終私ども聞いております。併しこの法案に関して何か要求を出しているとか申出をしているとかいうことではないので、そういうものが出て来ますれば、予算の範囲内で各業種について指定して行かなければならんと思つております。
#13
○政府委員(石原武夫君) ちよつと補足して御説明をさして頂きますが、当初この業種を指定いたしますにつきまして、これは前々から御説明を申上げておりますが、税の城收の見通しとも睨み合せる必要がございますので、現在各業種に互りまして、会社が現に計画をしているものを取上げまして、それをこの対象にいたしました際に、どの程度税の減收に響くかということで睨み合せて業種をきめたわけでございます。従いまして我々の見通しでは、お手許に資料として差上げました通りのままの工事が進み、従つて減收がその予定くらいのものが一応起るだろうという見通しでございます。いずれにいたしましても見通しでございますので、現実に各企業がそうした計画をどこまでやるかという問題は将来の問題にもかかりますが、多少の語差は起るかと思います。苦し各社の計画が我々の見通しよりも少くしか進行しなかつた場合には、予定の減收額にとどまる場合があるかも知れませんし、或いは各社の計画の進行が速く、而も收益状況もよければ、或いは今の予定を多少上廻るという場合もこれはあり得るだろうと思います。なお先ほど大臣のお話のございました他の業種につきましても、今後かような措置のために設備の近代化を図ろうというようなものが或いは出て参るかとも思いますが、主としてさようなものにつきましては二十七年度の税收には直接影響が殆んどないだろうと思います。従つて二十八年度におきまする減收額が今の業種別の場合は如何なる形態になるか、これはもう少し時間を頂いてよく検討いたしませんとよくわかりませんが、大臣からお話がありましたように、他の業種等につきましても、今後の各企業の計画如何によりまして、二十八年度の減收の場合につきましては、業種の比率は或いは多少変つて来るのじやないかというふうにも考えられる次第でございます。
#14
○栗山良夫君 まあ表現は別としまして、結局通産省として各産業を常に指導しておられる立場からそういう目標を一応立てられたわけであります。特に大臣が先ほど製鉄業者が非常に非能率的な生産設備を持つておつて、而もそれの改善意欲が非常に強いことも承知をしている、こういうようなお話もございましたので、この提出された十三億の各業態に対する減税額の比率というものは、二十八年度は別でありますが、二十七年度としては、当初予定された通りに近いところで落着くものと、こういう工合にお考えになつてこの表を御提出願つたわけではないのですか。
   〔委員長退席、理事結城安次君委員長席に着く〕
 これはたた一応議員のほうから質問をいたし、資料提出をいたしましたので、結局実施はどうなるかわからんけれども、数字を埋めて見よう、こういうことでお出しになつたものでありますか。
#15
○国務大臣(高橋龍太郎君) 先刻申しましたように、例えば製鉄業者については、この法案にかかわらず企業の合理化を計画しておりまして、恐らく或る種の機械はもう海外へ発注をしたものもあると聞いております。で、そういうようなことを睨み合して大体二十七年度はこんなことになるのでないだろうかという見込に過ぎないのです。通産省はこういう数字を各業者に割当てるという計画ではないのであります。
#16
○栗山良夫君 私が通産省の産業政策如何という工合にしてお問いをいたしましたので、結局政策指導をしたのではないと、業者が自主的にやつた結果を集計するとこういう工合になるであろうという工合に、盛んに大臣も答弁に努められております点はわかりますが、私はその指導するしないは別として、結果論から申しまして、こういう傾向になるのである、或いはならんのであるということを私ははつきりさせて頂きたい、それをお願いしておるわけなんです。
#17
○国務大臣(高橋龍太郎君) 現在の模様では、大体我々の見込ではこういうふうになるのじやないかと、その見込を提出したわけなのであります。
#18
○栗山良夫君 はい、わかりました。そうすればこれは結局先ほどから繰返しておりまするように、重点としては、製鉄、石炭のところへ参るということが大体明らかになつたと思うわけであります。そこで更にお伺いをいたしますが、この十三億とか十五億とかいう減税額の規模というものは、これは通産省のほうで御決定になつたものでありますか、或いは大蔵省で国の財政の面から決定をされたものでありますか、どちらでこれをおやりになつたのでありますか。
#19
○国務大臣(高橋龍太郎君) 私はこの合理化ができるだけ速かな速度で進むことを希望しまするし、又合理化の必要を深く感じておりますので、この予算はこういう十数億というようなものでなくて、もつと大きなものを希望したわけなんです。それで財政上の都合などもあつて大体二十七年度に十七億くらいなものなら大蔵省でも認める余地があるというような話合いできまつたように聞いております。
#20
○栗山良夫君 そういたしますと、通産省といたしましては、言われておるような企業の合理化を各事業に行おうといたしまする場合には、総額どの程度の減税額を予定しなければならないとお考えになつておりますか。
#21
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつと私お答えができませんが、なお只今の私の答弁に附加えておきたいと思いますのは、この業者関係の状態を見ますというと、大体本年は十七億くらいな程度でよろしいかと思います。非常に私どもが希望するような大きな要求は業者のほうから出て来ないのであろうかと思います。従つて私は二十八年度からは業者諸君がもつと合理化に熱意を持つて、もつと大きな予算を要求するようになるだろうということを望んでおります。
#22
○栗山良夫君 それはあなたのお考えですけれども、通産省としまして、アリメカの生産効率程度まで日本の生産効率を引上げるのを目標にして、産業設備の合理化促進を図ろうとすれば、そうして而もこの法案による援助を国がしようとした場合には、大体減税額の総額はどれくらいになるのであろうか、又今年はないでもかまわないのでありますが、来年なり、今大臣が言われたように業者が熱意を出して始めたとするならば、どれくらいの額に大体なるとお考えになつておるのでありましようか。今年は十七億程度で先ず行けるという一応のお見込を伺つたわけでありますが、もつと進んだときはどれくらいに行くものとお考えになるか。
#23
○政府委員(石原武夫君) 只今のお尋ねにお答えいたします。産業の立場から申しますと、さような特別償却、従つてそれによりまして、社内保留が当然殖えることに相成りますので、産業の合理化を進めます建前から申しますと、多ければ多いほどいいということにも言えるかと思いますが、これは一般の税制の問題とも関連いたします。例えば法人税をどの程度にするかということも、当然社内保留ということで関連をいたしますし、はつきりこの程度の特別償却を認めれば合理化の計画が完成する、こういう点につきましては、この特別償却だけでは論じられないと思います。やはり設備を近代化いたしますためには非常に莫大な資金が要りますので、一般の金融政策とも関連いたしますし、従つてこの金利がどの程度であればでき、どの程度であればそれができないというような結論はちよつとできかねるかと思います。合理化を進めます上にかような方法も講じますし、その他金融の面その他あらゆる面で、できるだけ早く通産省としては企業合理化を促進したいということで、この本法によりますような制度による短期償却の制度につきましても、その他一般的な財政の問題、或いは税制全体の問題との兼合いもございますし、その辺を関係省とも相談をして、今後の推進をして行きたいというふうに考えております。
#24
○栗山良夫君 設備更新のための財政的な問題があると、こういう工合におつしやつたわけでありますが、そうすると政府はこの促進法による法人税の軽減等の問題だけでなくて、設備更新のための金融的な特別な措置を講ずるようなお考えになつておるわけでございますか。
#25
○政府委員(石原武夫君) お答えをいたします。金融的な措置につきましては、御承知のように開発銀行等を主としてあれをいたしまするし、それから一般の市中金融機関の貸出につきましても、いろいろ日銀当局等とも連絡をいたしまして合理化資金の供給を促進するように進めておるわけでございまして、なお只今お尋ねの財政的な方法によつて合理化を進めるという点につきましては、本年度、二十七年度でございますが、二十七年度予算に通産省の関係といたしまして、二億五千万円、これは工作機械を中心とした機械設備でございますが、それの更新について補助金を計上いたしております。
#26
○栗山良夫君 私がお伺いいたしましたのは、大体自力で以て設備更新のできるもの、例えば先ほど大臣は製鉄業においてはすでに機械を発注しておる所もあるというようなことをおつしやつたのでありますが、そういうような工合に自力で以て設備の更新、合理化を行い得るのは別としまして、会社の経営状態が芳しくないというので、自力ではできない、いわゆる信用の規模が非常に小さい、こういうものについて国が何らかのことを考えておいでになるかどうかということなのでありまして、恐らく開発銀行にいたしましても、その他の金融金庫にしても、信用状態の劣弱なものについては考慮外に私はなるのじやないかと思うのであります。その点に対する考え方を伺つておるわけであります。
   〔理事結城安次君退席、委員長着席〕
#27
○国務大臣(高橋龍太郎君) この法案の趣意が、自力で、或いは借金をするか何か知らんけれども、自力で合理化を図り、それでその一部分を減税措置で保護して行こうという趣意であつて、全然自力がないというものについては、その金融措置で通産省でそれを援助するということは原則的には考えておりません、場合によつては産業別に、ケース・バイ・ケースによつて多少援助をやる場合もありますけれども、援助をすると言いましても、開発銀行に推薦をするとか何とかいう程度しか通産省ではできないのでありまして、中小企業はちよつと別でざいますよ。今のこの法案に関する合理化促進の問題ですよ。
#28
○栗山良夫君 私は中小企業全体、全部引くるめて御質問をしておるわけでありますが、それは違うのでございますか。
#29
○国務大臣(高橋龍太郎君) いや、私は最初合理化促進法案に対する御質問だというお言葉であつたから、この取扱についてお答えしておるのです。
#30
○栗山良夫君 先ほど大臣は企業合理化促進については、大企業だけを考えているのじやない、中小企業も同じように考えているのだとこういうことをおつしやつたから、私は本当は企業合理化促進法は大企業だけの問題として質問をしたいのですけれども、あなたがそういうふうにおつしやつたからそういう工合に了解をしつつ質問をいたしておるわけであります。
#31
○国務大臣(高橋龍太郎君) それではちよつと私誤解があつたのですが、中小企業といえども、合理化促進法の恩典に浴したいといつて、金額はまあ小さくても新らしい機械を輸入するとかいうものはこの法案の恩典に浴するわけでありますから、それはもう大企業も変りはないのです。今の金融措置の援助云々のお言葉は、これはこの法案と別に、中小企業については別の観点から金融の便宜を図ることは当然通産省でしなくてはいけないが、先刻申しましたのは非常に多額の金額を要する大企業の場合について私申したのであります。中小企業の方は又企業庁などで、ほかの観点からこれは金融措置の援助をするということは当然起る問題だと思います。
#32
○栗山良夫君 私の質問申上げたことはそれでわかりました。大体この企業合理化法の対象にしておるのは大企業であるということをお認めになつておるわけでありますが、然らば大企業の中で信用程度の非常に少い企業、そういうものについては自力で更新することができないのではなかい。自力という言葉の中には当然信用融資を含んでおるわけであります。信用融資を含めて自力で更新ができないというものには、如何に開発銀行といえども信用の薄いものについては私はこれは資融はされないだろうと思う。従つてそういうものについて格段の措置を通産省としてはおとりになる用意があるかどうかということをお尋ねしておるわけです。
#33
○国務大臣(高橋龍太郎君) 大きな金額については、通産省としてはどうすることもできません。そういう力がありません。
#34
○栗山良夫君 そうしますと、まあこの問題について一応締め括りをいたしたいと思いますが、今のいろいろな御答弁を通じて私が受けました印象は、企業合理化促進法案の目指しておりまするものは相当広い分野に亘つておりますけれども、結局その効力を挙げて行くものは大企業が中心になる、而も大企業の中で信用状態の良好であつて、自力で設備の更新のでき得るような優秀企業体が中心になる、こういう工合に解釈してよろしうございますか。
#35
○国務大臣(高橋龍太郎君) この法案の趣意は、政府が指導するというのではなくて、業者が合理化をやろうという計画を立て、そのほうへ進んで行く、それを助けて行こうという趣意でありますから、実際結果としてはあなたの御指摘になつたような方向に向うことは免れんと思います。
#36
○栗山良夫君 そういたしまするというと、私はここに一つ大きな問題が起きて来ると思うのであります。それはほかにも問題がありまするからもう少しあとに締め括りをいたしたいと思いますが、大企業、而も優秀企業が中心である、そうしてそういう工合に大体結果論としてなるということになりますると、この法案を実施したために、結局総体的には中小企業というものは圧迫をせられて、そうして大企業の中の劣弱企業、こういうものが圧迫をせられて、その経営状態なり生産状態というものに、現在よりも優秀大企業と中小企業或いは劣弱企業との間には開きが大きくなる、こういう工合になると思いますがそれでよろしうございますか。
#37
○国務大臣(高橋龍太郎君) 私はこの大企業が合理化され盛んになつたために中小企業が圧迫されるとは考えません。私はむしろ反対に大企業が盛んになれば、中小企業もそれにつれて盛んになるのが本筋だと思います。
#38
○栗山良夫君 そうなれば甚だ仕合せな話でありますが、そうするためにはこういうような国家の特別な措置を受ける指定事業に対しましては、いわゆる生産量の保証とか、或いは又それに基くところの価格政策の安定とか、こういうものをどういう工合にお考えになりますか。いわゆる基礎産業であるものが企業を合理化することによりまして、量も殖やし、価格も低く安定するということでなければ中小企業には何ら恩典はなくなる、こういう工合に思いますが、それに対して具体的にどういう工合に基礎産業、而もこういうような企業について、国家が今促進しようとしておられる業種についてはどういうような態度で臨まれようとしておりますか、それを伺いたい。
#39
○国務大臣(高橋龍太郎君) この基礎産業が合理化を促進して何といいますか、コストが下るとか、利益が殖えて行く、その場合には通産省としては当然それらの製品を、例えば鉄のごときも、鉄は基礎産業で建築にも機械ににも造船にも影響があるのですから、そういう値段はできるだけ圧縮するように勧告するということは、通産省で当然とるべきことだと私は考えております。
#40
○栗山良夫君 その方法は県体的にどういう工合におやりになろうとしておりましようか。今まで現政府が仕事をして来られましたことは、全部資本主義経済の原則に則つておられます。昨年の秋のこの国会において例のインフレ論をやりましたときに、周東安定本部長官は、極力そういうような統制的なことは行わないということもはつきり言われたのでありますが、いわゆる鉄の合理化による成果を、中小企業なり、更に延いては国民に均霑させるためには価格を圧縮すべきであると考えたとおつしやるのでありますが、それは実際にどういう工合におやりになろうとするのですか。
#41
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今大部分のものがそれらの、鉄にしましても自由価格であるのですから、政府の力で値段をきめるということはできぬわけで、政府の力では勧告するに過ぎないのでありまして、併し勧告するとなれば、業者がそれに応じなければしようがないのじやないか、こういう考えになるかも知れませんが、業者がどうしてもそれに応じないならば、方法はないのです。ないが、現に鉄のごときも昨年でしたか、造船、プラント輸出、そういうものに使う鉄は、三割でしたか特別価格で配給するというような勧告をしまして、業者がそれを承諾して実行して参つております。まあそういう方法をとるよりほかに政府としてはし方がないと思います。
#42
○栗山良夫君 この問題は私ちよつとここで中断しまして、次に移ります。今企業合理化の促進に対しては、こういうような方法で大企業の設備更新を図りたいということはわかりましたが、更に私の聞いておるところによりますると、政府筋においては、このたびのRBが経済安定本部と協議を進めておりまする電力料金の引上げの原価計算におきましても、特に三千キロワツト以上の大口需用に対しましては、十億キロワツトという電力を余分に割安の電力を割当をいたしまして、そうして生産原価の引下げに努めたい、こういう工合に熱心な努力をせられているやに伺うのでありますが、そういう事実がありますかどうかをお伺いしたい。
#43
○国務大臣(高橋龍太郎君) 三千キロワツト云々の話はときどき耳に入りますが、通産省としては一向そういう方針をきめているのではないのです。
#44
○栗山良夫君 こういう重要な政策を大臣は御存じにならないわけですか。
#45
○国務大臣(高橋龍太郎君) いや、まだ電力の料金、配電の問題は非常に重要な問題で今検討しております。いろいろな案が省内でも出ておりますけれども、まだ結論は得ていないのであります。
#46
○栗山良夫君 結論は出てないことは私も承知しておりますが、とにかく料金の大体原案はできて、その後この問題が起きてなかなかうまく進まないように聞いているのでありまして、そういうことは経済安定本部だけでやつているのか、通産省の意見というものが若干聽取されているのか、安定本部の長官は通産大臣にそういうものを協議されているのかどうか、この点を承わりたいのです。
#47
○国務大臣(高橋龍太郎君) 私は協議を受けておりません、まだ周東大臣からは。無論通産省はいろいろな資料を出しておりますし、その協議に通産省はあずかつております。あずかつておりますが、その途中の経過を、一たそういう問題を私の耳に入れておりません。で、いよいよ結論に達する前には私が……
#48
○栗山良夫君 そうすると何ですか、まあ率直に申しますと、通産省としては三千キロワツト以上の大口需用家のほかに電力の特別割当を増加するとかしないとかいうようなことについては、大臣はそういうものをこうすべきであるというような御方針を持つておられない、それほど重要に考えておられないと考えていいわけですか。
#49
○国務大臣(高橋龍太郎君) いや、それは重要に考えているし、今の三千キロ以上のものをどうとかいうことはですね、簡單に一律に扱うべき問題じやないと私は思うのです。いい面もあるでしようが、惡い面もありましてですね、その構想はまだ結論に達していないということはそのために言つているわけです。私としてはもつと細かく検討しなければいかん問題だと思つております。
#50
○栗山良夫君 そうしますと、この問題については大体もう今日あすのうちに何だか結論が出るやに聞いておりますが、今の大臣の話では一律に扱うべきでないと、利害得失があるので更に研究しなければならんと言つておられますが、通産省としてほぼ決定されたものについて研究されて、更にそれについて修正か何かを加えられるところまでおやりになるわけでございますか。
#51
○国務大臣(高橋龍太郎君) それは私は今日明日中に決定されて発表せられるというようなことは信じませんがね、そういう問題を私が同意をせぬうちに政府が決定することは私は考えません。まだそんなには、二、三日中にきまるというような問題じやないですよ。これは私にもいろいろ意見があるのです。
#52
○栗山良夫君 きまるのではなくて、今折衝をされておつて、いわゆるそれがきまらなければ料金の最後の仕上げというか、仕上げをするだけでも相当時間的にかかるでしよう、計数を整理いたしますから……。今のこの問題は電気料金の原価計算の基礎をなすものである、一番最後のイントロダクシヨン、これがきまらなければ料金の原価計算はきまらないことは御承知だと思いますが、従つてこれがきめられて初めて細かい細部のものに入つて行く、だから恐らくこういうものは、今RBが声明しているところによりますると、緊急に決定して、そうして成るべく早く次の料金改訂の原案を完成したい、作業を完成したい、こういう工合に申しておるようでありますから、従つて私は、先ほどからお聞きしておるわけですが、もう一遍お尋ねをいたしますが、RBと安定本部との間で種々協議をして、そして一つの案ができて、できてから初めてこれでよろしうございますかというので、通商産業大臣に一応相談をする、こういう状態になつておるわけでありますか。
#53
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今安本のほうとその問題で協力し交渉をしておる者が来ておりますから、それから御説明いたします。
#54
○説明員(松尾泰一郎君) 勿論権限といたしましては、御存じのように、RBがきめるわけでありますし、又三千キロワツト以上のものにつきましては、産業別配分は安本が決定権を持つておることは御存じの通りでございます。従いまして、権限的には通産省としてはないと申上げたほうがよかろうと思います。併しながら産業に重要な関係がございますので、今安本を中心としましてRBと安本が折角二十七年度の電力の供給量と、それから需用量配分ということを盛んにやつておりますが、その中へ我々も入りまして、通産省の意見をできるだけ取入れてもらうようにやつておる最中でございます。今日、明日中に結論が出るというところまではまだ至つておりません。従いまして細かく大臣に申上げておらんような段階でございます。さよう御了承願います。
#55
○栗山良夫君 要するに、百二十五億キロワツトアワーに対して、十億キロワツト殖やしたほうがいいと、こういうお考えはお持ちでございますか。
#56
○説明員(松尾泰一郎君) まあ、十億キロワツト・アワーは、今ちよつと資料を持つて参つておりませんので、若干供給力の見方につきまして、通産省としてはもう少し多く見るべきではないかという考え方を持つております。それは十億でありましたかどうか、私今はつきり覚えておらんのでありますが、RB等の考え方よりも、もう少し供給力を殖やすべきでないかということで折衝をしておることは事実でございます。
#57
○栗山良夫君 わかりました。十億より多く通産省としてはしたい、こういうお話でありますが、そういう工合にいたしますと、年間の発生電力量というものは、これはリミツトがあるわけでありまして、その枠の中で十億キロワツト・アワー、或いはそれ以上の電力を三千キロワツト・アワー以上の所へ、余計持つて行くということになりますと、それだけ結局料金面においては、中企業なり小企業なり、家庭のほうへはね返りが来まして、そうして、それを一口で申しますならば、三千キロワツトの大企業に対しては、電力、生産においても非常に恩典を與えた、こういうことに結論としてなるが、そう理解してよろしうございますか。
#58
○説明員(松尾泰一郎君) いや、今申上げましたように、供給力を殖やすという方向で、いろいろまあ話をしおることは事実でございますが何でも十億キロと、こうきめたわけではないわけでありまして、従つて又、そいつを全部三千キロのほうに持つて行くときまつておるわけじやありません。三千キロワツト以上の工場につきまして、電力需用が非常に多いということは、これは事実でございますが、そうかといつて、三千キロワツト以下の企業につきましても、不公平にならんように、そこは実情において考えなければならんわけであります。何もそう十億をそのまま三千キロのほうに持つて行くときめて、いろいろ作業をしておるわけではございませんから、その点一つ誤解のないように。
#59
○栗山良夫君 いや、それは誤解はしませんけれども、私は料金の原価計算のやり方を知つているんですがね、あなたのおつしやるようにそういう工合に巧妙に行かないんです。十億キロワツトで絞れば必ず下に出て来るんです。去年の八月の料金値上げがそうだつたんですから。私はあれはいつも言つておるんですが、あの時の値上げは個別原価主義の線を離れて、これは料金算定基準の線がありますが、その個別原価主義の考え方を離れて、途中で政策的になつて、そうして結論として生まれたものは何かと言いますと、家庭電力とか或いは小口の動力については、これは公益事業の枠を離れて非常に割高になつた、そうして大企業については割安になつて、公益事業が曲げられた形が理論的に大きくなつたという結果が出て来たと言つておつたのでありますが、今度もそれと同じような結果が出そうでありますが、結局私はまあその内容の問題でなくて、ものの考え方をお聞きしておるわけでありまして、大企業については、ともかく電力量も特定の枠以上に殖やして安く供給してやりたい、そういうお考えが通産省にもおありかどうかということを伺つておるわけです。私は内容の具体的の数字のことを今日お聞きいたそうと思つておりません。そういう考え方をお聞かせ願いたいというわけです。
#60
○説明員(松尾泰一郎君) できますれば三千キロワツト以上にも若干そういう増配のできるように考えたいというのは、これは御議論はなかろうかと思いますが、これは程度によりましては又三千キロワツト以下のほうへ相当響きまするので、そこは今申しますように非常に抽象的でございますが、実情に副うように目下協議をしておるという段階でございます。
#61
○栗山良夫君 わかりました。それはそのくらいでいいです。そうしますと、結局大企業については、こういう設備更新の面においても国が相当の面倒を見る、それから電力のようなものについても面倒を見る、こういうことになりますと、先ほど大臣は御説明せられたわけでありますが、そういう工合にして自由経済界において、少くとも自由経済界においてそれぞれ自力で競争をして行かなければならんというふうに現政府がきめられておる経済の方針をいささか離れたような恰好で、こういう特殊なものの保護政策をとられるような形においてその企業がやつて参りまする場合には、やはりその効果というものは、中小企業に、更に申しますならば国民全部に均霑させる責任を持つと、こういう工合に私は思う。その均霑をさせるのはどうさせるかというと、今おつしやつたように価格の安定の勧告程度ではよくないので、更にもう一段と強い何らかの私は方途を講じなければならんと思いますが、そういうようなお考えは全然お持ちになつていないかどうか。即ちまあ価格の勧告ということも、先ほど大臣は業者にこれを示せば効果があるとおつしやつたわけでありますが、効果があるということならば、その勧告価格を決定されまする場合には、そういうような国家の特別な補助、有形、無形の補助を受ける企業につきましては、どういうような経済状態にあるのが正しいか、例えば企業合理化によつて資本蓄積をいたすと言いますけれども、その資本蓄積もただ株に配当を余計やつたというだけでは、私は資本蓄積にならんと思います。又企業体内部において放漫経営による冗費がどんどん出て来るということでも資本蓄積になりません。従つてそういうものをどういう工合にして監督、指導をせられようとしておるか、この点を明瞭にして頂きたいと思います。
#62
○国務大臣(高橋龍太郎君) それは非常にむずかしいお尋ねで、一企業の経が営合理化しているかどうか一々調べるということは、通産省としてできませず、あなたの御質問の趣意が、やはり幾らか統制の傾向に向く必要があるんでないかというお尋ねに帰着するかと思うのですが、これは一つ安本長官にお尋ねを願いたいと存じます。
#63
○栗山良夫君 私は統制を主張しているわけではないのですよ、統制を主張しているわけではございませんが、今の政府のおやりになろうとしておることがそういう臭いが相当するではございませんかということを申上げておるわけです。完全に自由経済下にあつて現政府の唱道せられておるように行くならば、企業合理化法というようなものを作りまして、内容を見れば一定の優秀企業だけしかまあ実際問題として恩典に浴さない、又電力の料金で言えば個別原価主義でそれぞれ、まあ昔の言葉で言えば、分に応じてその消費量を拂つて行くというシステムでなくて、そういう計数作業で出て来たものについてそういう政策的な考えを加えて、これが松尾次長がそういう意思があるということをおつしやつたのでありますが、そういうようにすることが、これは或る意味におけるやつぱり企業の統制管理に属する私は事項だと思う。そういうことをおやりになるならば、そういうような特別な国家の管理、育成によつておる企業については、国民に対して、その経理のあり方についても政府が勧告される私は責任が生じて来るのじやないか。従つて国の援助だけでその会社がどういう経営をしようとただ資本蓄積になるだろうという見通しだけでこれを見送るということは、これはできない話だ、こういうことを私は考え方として伺つておるわけです。で、安本長官に聞けとおつしやつたわけでおりますから、それは聞かないことはありませんけれども、そういうものについて通商産業省としてどういうふうにお考えになつておるか、これを伺いたい。
#64
○国務大臣(高橋龍太郎君) 通産省としては別にそういう考えを持つておりません。ただ個々の場合に応じて、先刻申しましたように、この鉄の二重価格を勧告するとかいうようなことはいたしますけれども、個々の場合にそういうことが必要だと感じましたものを取上げて考えるので、こういう方針で、ああいう方針でというものはまだ考えておりません。
#65
○栗山良夫君 そうすると、必要であると考えたものについては措置をするとおつしやつたのでありますが、必要であると考えるためには、やはり国の行政でありますから、方針がなければならんと思うわけでありますが、そういう必要であるということはどういう工合にしてお考えになるのですか。
#66
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつとむずかしい御質問で、私にはお答えできません。そういう抽象的に今の方針をきめる考えはないのですからして。
#67
○栗山良夫君 それでは一つ具体的に、鉄はどうする、肥料はどうすると、そういう工合に私承わつても結構であります。
#68
○国務大臣(高橋龍太郎君) どうか一つ具体的の御質問を願いたいのです。
#69
○栗山良夫君 それでは一つお伺いいたしますが、鉄については、只今申上げました勧告価格を設定する場合にはどういうような要素を入れて勧告価格を設定されるか。例えば国の方針でこれだけの利益を受けた、電力の面でも受けた、その他いろいろな面で受けた場合においては、それだけはその企業体内部で一時自主的に合理化して価格の低下を図り得る部分と睨み合せまして、製品価格を安くしまして国民に供給をする義務を私は生じて来ると思うのでありますが、そういう義務を鉄鋼業者にさせるためには、勧告価格制度というようなことも一つの方法として考えられると思いますが、そういう点までも触れて勧告価格というものを決定される用意があるかということなんです。
#70
○国務大臣(高橋龍太郎君) 製鉄業者に勧告したのは、あなたが今御指摘になつたような、或いはこういう点で恩典を受けておる、ああいう点でも恩典を受けておるというところから発足しておるのではなくて、船のほうについて言いますと、船のほうでは今日本の船が非常に減つておる、どうしても船を増さなくちやいけない、まあ理想としてせめて日本の輸出入の貨物の半数くらいは日本の船で運びたいけれども、今二割くらいですか、二割少し現在では上廻つておりますが、そのほかは非常に高い外国の船を使わなくちやいけない、ところが船価が非常に上がりまして、一トン十五万円とか十七万円とかいうような現状でありますから、船の造船費を引下げるために造船用の鉄の値下げをすることを勧告したのであります。又一方プラトン輸出などで海外へ出します場合は、いろいろな鉄を使う製品が、現在例外はありますけれども、一割或いは三割くらい国際価格より高くて競争ができない、そのためにそれらに鉄の価格を一割或いは三割程度引下げることはできんかという勧告をしたのであります。
#71
○栗山良夫君 そうしますと、只今の私が御質問申上げておる、先ほど大臣が、栗山の質問のような疑点があるならば、将来勧告価格というような、今までやつたと同じようなものを設けてやつて行けば弊害が除かれるとおつしやつたのでありますが、そのこととはちよつと食い違いがありまして、今までやつて来られたのは、一定の生産物資に、生産品に貢献するために鉄鋼業なら鉄鋼業の経営状態とは離れて、国の考え方として割安な勧告価格を設けて実施をして来た、効率を挙げたと、こういうことでありましたが、先ほどあなたは国のこういうような恩典を浴したのだからつて、従つて今までやつて来たような勧告価格と同じようなことを今後やればいいじやないか、こういうことをおつしやつたわけでありまして、従つて今までおやりになつたことを私は繰返してお聞きをしておるわけではないのであつて、これから先、こういう新らしい事態に処して行くために勧告価格を設定されるとするならば、どういうような内容で行われるのか、こういうことを伺つておるわけなんです。
#72
○国務大臣(高橋龍太郎君) それはまだ具体的な案はできておりません。できておりませんが、この合理化の研究の狂いは、コストを下げるということでありますから、で、合理化のために或はそうでないくても生産コストが下つて来れば、そうして不当な価格であると思えば、私は当然その会社の生産コスト或いは收益状態を見て、或る程度の価格を一時引下げることについては懇談をしたいと思います。
#73
○栗山良夫君 いや、私は抽象的な問いをしておるわけですけれども、大臣のほうも一番大事なところを抽象的にお答えになるものですから私もわかりにくいのですが、例えば不当なこういうよ企業合理化法をやつたり、電力の割安なものを供給して当然單価が下げられるものが下げられない不当価格である、そういうものについては勧告をやる具体的な案はないけれども、方針としてそういうことをやるとおつしやつたのですが、然らば不当な価格というものは、不当であろうという価格はどうしてどういうエレメントを持つて考えられておるか、こういうような不当な価格と認定されるためにはどういうようなことを見て不当な価格であると断定するのか、そういうような考え方を伺つておるわけであります。
#74
○国務大臣(高橋龍太郎君) 不当な価格であるかどうかということは非常にむずかしい問題で、いよいよ勧告するときに、その前にこれが不当な価格であるかどうかは初めて仔細にその製品、会社の経営などを調査して結論を得るわけで軽々しくすることはできない。今何も問題も起つていないのにどういう方針で、どういう案を持つているかというお尋ねがありましても、それは私はお答えはできません。
#75
○栗山良夫君 それはちよつと私の質問に対して親切が少し足らないと思う。別にAの会社があつてこれだけ恩典を浴したから、それで営業状態がこうだからこういう工合にするという具体的なことをお聞きしておるのでなくて、非常にむずかしい問題だとおつしやる。従つてむずかしい問題であればあるほどこの合理化法案の審議には最も私は中心的な問題であろうと思う。従つて今日これをお答えして頂けないということでありますならば、今申上げましたような点について、次回に私の理解の行きまするように改めて御答弁を一つ頂きたい。これは通産省といたしましては、すでに私だけでなくて、二、三の同委員からも質問が出て、私は速記録を拜見しておるんでありますが、決して完全な御答弁は頂けていない。従つてその点を一つ是非とも明らかにして頂きたい、これをお願いするわけであります。
#76
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今のその点は仮に一カ月、二カ月余裕を頂けばあなたの御満足の行くような御答弁ができるというお約束をいたしかねます。
#77
○栗山良夫君  そうしますと、あれですか、まあ国会はとにかく何でもいいから合理化促進法案を呑めと、そうすれば一応特定の企業に対して援助を與えて、非常にむずかしいけれども、不当価格、誰がどういう要素で断定するか知りませんが、そういうものについては勧告価格を設定してやる、すべて通産省に任せて置け、こういうようなことなんですか。
#78
○国務大臣(高橋龍太郎君) いやしくもこの法案は私どもの提案じやありませんけれども、あなたがたの御審議を頂いておるんですから、私はこれを簡單にあなたがたに呑んで頂きたいということは私として言えるべきものじやないのですから、十分御審議を願いたいと思います。私はこの法案に賛成ですからして、できれば御通過を願いたい、それ以上あながたに対して、それ以上の私は呑めとかどうとかいうようなことは申上げることは失礼千万だと思います。
#79
○栗山良夫君 これは一つ提案者に伺いますが、先ほど通産大臣に伺つておりますと、この法案は、あなたの一番最初提案理由の説明のときは、大企業も中小企業もまあ区別なしにやるのだ、こういうお話を聞いておつたのでありますが、いよいよ、いろいろな資料で研究しておりますと、結論としてははつきり出て参りました。通産大臣或いは企業局長のお話を承わつておりますと、そういう方針を通産省がとつておるわけではないが、結果においては大企業の中の、而も優秀企業が集中的にこの恩典に浴することになる、こういうことをお認めになりました。そこで私は更に最近の電力料金の、只今盛んに作業しておりますものを見ましても、三千キロワツト以上のものについては格段の割安料金を設定し、そうして中企業、小企業、家庭の需用に対してそのはね返りも止むを得ないというようなことになりつつある。そうしてこれが陰に陽に大企業について、而も優良企業について国が集中的に産業合理化の名を以て育成指導して行こうということであれば、その企業は当然生まれたところの効果は国民に私は均霑する義務を持つと思う。従つてそういう企業が放漫な経営をいたし、或いは資本蓄積の名を借りてあるべからざる配当をするとか、或いは使用すべからざるところに経費を使うというようなことがあつて、そうして依然として価格を低廉に安定すべきものを吊上げて行くというようなことがあれば由々しいことである。従つてそういうものについて、具体的にどうするのだということを通産大臣にお伺いしましたところが、それは勧告価格というものを設定してやつて行けばできる、こうおつしやつた。勧告価格というのはどういう基準でおやりになるのか。これは不当な価格と見たときに、不当な価格というのは一体何を基準にされるのかと言つたところが、不当な価格というのは非常にむずかしい問題であると、これは答えられた、こうおつしやつたわけでありますが、一体それは提案者としてはこの問題をどうお考えになるか。企業合理化促進法の私は一番中心点だろうと思う。やはり国から恩典を受ければ義務が私はここに生ずると思う。これをどういう工合に考えるか。ただ恩典だけをやるならば、日本の産業が、基礎産業の一部が興隆して行くから、これでいいのだ、こういうふうに簡單にお考えになつておるが、この点を一つ明瞭にして頂きたい。
#80
○衆議院議員(中村純一君) この法律の建前といたしましては、企業の大小にかかわらず適用する建前であるということにつきましては繰返し申上げましたわけでありまして、又実際この政令等において業種を選定し、機械を選定いたしましたものについて見ます場合に、無論中小企業でやつておるものも入つておると思うのでありまするが、結果的に大企業が多くなつておるということはこれ又私も否定はいたしません。併しながらこの種のものに恩典を與える、成るほどまあ恩典かも知れません、確かに一面から見れば恩典ではございまするが、この総額において約十七億に近い一時的な租税の猶予という形になつて現われて参るのでありまするが、このまあ恩典と申しますか、言葉は必ずしも適当でありませんが、仮に恩典という言葉を使いまするならば、この恩典を受けまするためには、たしか百五十億ぐらいの資本投下を、それに該当する設備を改善し、新らしい施設をやらなければ、それだけの企業努力を拙い、又それによつてその企業が合理化されるという実質が上るということが確認できなければ、このいわゆる恩典と申しますか、これに浴することはできない関係に相成つておるのでありまして、いわばこのいわゆる恩典と称するものは、まあ合理化という大きな魚を釣り上げる餌に等しいような関係にあるものと私は了解をいたしておるのでございます。而して又中小企業に対する措置が不十分であるという御意見を先般来承わつておるのでございます。これももとよりこの企業合理化そのもの全部をこの法律で以て盡すという建前で初めから考えていないのでございまして、この法律といたしましては、主として機械設備の面に関する合理化促進の面だけを取上げておりまするので、その他この法律以外の面において、この法律の施行と相関連していろいろと措置を講じなければならないことは多々あるのでございます。中小企業の育成強化に関しましては、ここに通産省の関係官も参つておりまするから、そのほうからいろいろ申上げるべき具体案もあるようでございまするので、申上げさせたほうが適当かと思うので御了承を願いたいと思います。
#81
○栗山良夫君 まだ中小企業のほうまで行かないのです。(笑声)そう早く結論が出ない。今の問題をですね、まああなたの説を要約すると、こういうふうに理解してよろしうございますか。看板は相当大きく掲げて見たけれども、実際は大企業の優良企業に集中的に、これは能力から言つても行くものは止むを得ない、従つて止むを得ないのであつて、その問題について私は勧告価格ということまでも含めてあなたに御質問したのでありますが、一言もお触れになつておりませんが、そういう工合にして恩典的なものを與える、それだけでまあ今の産業は一部のものでも生産効率が高くなるからそれでいいじやないか、何もやらんよりそのほうがいいじやないか、こういうことに理解してよろしいですね。
#82
○衆議院議員(中村純一君) 私申上げましたのは、ただ棚からぼた餅式に恩典を與えるのでなく、数字的に申しますると、今の十七億弱の、いわゆる恩典を受けまするためには、これに数倍する企業努力を拂わなければならない関係にあるのでございまして、この企業努力をいたさせますることによつて、基本産業なり又それに繋がるところの一連の重要産業が合理化せられて良質低廉なるものが製造せられるということは、延いては国全般に良好な影響を與えるものと、かように考えている次第でございます。
#83
○栗山良夫君 私が申上げているのは、企業努力の熱意のあるものは企業合理化をするのがいいのじやないかとおつしやるのですが、先ほど大臣も言われたように、製鉄業のごときは、もうすでに機械を発注しているところもある。それはこの法律案で以て減税をしてもらうことを予定をして、これは発注されたものばかりじやないと思うのです。そういう工合に、自己能力で以て合理化のできる人はどんどんやられたらいい。これは恐らく放つといても企業家でありますからやられましよう。そういうものでなくて、本当に国がやるというならば、相当重要な産業であるけれども、経営状態が惡くてうまく行かない、そういうようなものについて集中的に軽減措置を講ぜられるべきものである。ところが先ほどの大臣のお話によりますと、法人税の軽減は軽減としまして、これは実際行うためには財政、金融の問題も伴う、それをどういう工合におやりになるのですかという質問をいたしますると、開発銀行をやる……。開発銀行はやはりあれは銀行でありますから、従つて信用状態の惡い企業などには恐らく合理化の資金、長期資金なんか出ない。従つてそれでは放つといてもやれるような企業にはますます国が援助をして、そうして今当面やりたいけれどもできない、能力がなくてできないというようなものは依然として据置かれる、中小企業然り、ということになりますれば、これはあなたが一番最初大きく看析を挙げられました産業の生産効率のレベルを挙げるということにならないので、一部の企業と中小企業との生産効率の幅を更に広くするだけであります。こういう工合に私は結論せざるを得ない、こういう工合に申上げたのであります。そこで、いや、そうじやない、そういう一部の企業をよくしてやれば一連の産業が更によくたるとおつしやるのですけれども、一連の産業がよくなるためには、こういう基礎産業が造つた製品が安くならなければならん。ところが最近の事情を考えて見ればわかる、安くならない。石炭にいたしましても、昨年の夏には、電力企業が渇水のために消費規制が強化せられて随分石炭の値段は上がつてしまつた。鉄も金へんの当時は、御承知の通りどんどん上つております。いわゆる私どもが言う企業家の良心に訴えて国にサービスをするという考え方で製品は決して安くなつておりません。そういう意味でそれをどうして国が指導するか。大臣は勧告価格だけをおつしやつたのですけれども、あなたはそこまではお触れになりませんが、提案者としてその点はどうお考えになつているか、こういうことをお伺いしたい。
#84
○衆議院議員(中村純一君) 高くなつておるというお話でございまして、無論そういうものも現われて来ておると思うのでございまするが、これは今御指摘のように、電力不足その他の事情がありまして、製品高になつて来ておるものもあるように考えられるのでございます。私どもこの法律案によつて取上げました産業は、基礎産業と言うべきものは一応全部取上げられたように考えられます。又二次、三次製品の面におきましても、広く国民経済に影響を及ぼすであろうと思われるような種類のものは、できるだけこれは、無論盡してはおらんと思いますけれども、できるだけ取上げられたように考えるのでございまして、この法案に盡していないところの我が国の産業、自立経済回復の上で一番大事な問題は電力の問題であろうと思うのでありますが、これにつきましては別途電力の新規の開発等に関する方法等を目下私どもといたしましても研究しておる次第でございまして、速かに又これを御審議を仰ぐ機会があろうかと思います。
#85
○栗山良夫君 余り間口を広くされては困るのですが、今の電源開発は自由党の構想でおやりになつても電力代が安くなるか高くなるかということは疑問があると思われる。私は安くならんと思う。そういうことでなく企業合理化促進そのものについての審議を申上げでおるので、そういう意味で一つお答えを願いたいと思います。どうも私まだ了解するところまで只今の問題は行つておりません。従つて通産大臣も又これ以上一月や二月では勉強しても答えられん、こうおつしやつたのですから、併し審議はしてくれということであります。これは非常に私は困るわけであります。この問題は一つお預けにしておきます。まだ質問を打切らない。もう少し何かいい言い廻しを具体的にしたらばお答えを願えるかも知れませんが、もう少し研究をいたします。併し通産省にくれぐれもお願いをしておきますが、只今のような御答弁だけでは、恐らく中小企業者も、大企業の中でも非常に困難を極めておる企業者は了承しないであろうということだけは私は附加えておきたいと思います。もう少し産業政策を指導せられる通産省としましては、只今私が申上げたことを、反対のための反対とか、ものを申さんためのものではないのでありますから、真劍に考えて次回までに何とかして了解の行くように御答弁を願いたいと思います。この前私は大変大臣に失礼なことを申上げたのでありますが、大臣だけでおきめ願えないものは閣議にかけてでも御返事を願いたい。こういう工合に申上げたのは、実はこれが一点であります。この点を一つはつきり是非ともさして頂きたいということであります。まあ率直に申上げますならば、現在の通産省の産業政策というものが、製鉄、石炭中心主義であると私は申して差支えないと思う。従つてこの点を是非とも私は納得の行くように御説明を願いたい、こういうことであります。ちよつとよろしゆうございますね、保留して通産省へ一つ下駄を預けておきますから。(笑声)
 それから第二点は、この指定事業者でありますが、これは大体どういう御方針でこういうものを御選定になつたか、その御方針を一つ承わりたい。
#86
○政府委員(石原武夫君) 只今のお尋ねは指定事業だと思いますが、さよう……。
#87
○栗山良夫君 指定事業ですか。
#88
○政府委員(石原武夫君) その業種でございますか。
#89
○栗山良夫君 はあ。
#90
○政府委員(石原武夫君) 六條の業種を指定いたしますにつきましては、先般来お話を申上げた通りでありますが、一つは産業の合理化を促進する必要性の点と、それからもう一つは、税收に影響をいたしますその程度を両方睨み合せまして主として大蔵省その他通産省以外の関係省がありますので、その辺集りまして決定をいたしたわけでございますが、その業種を選びました基準と申しますか、につきまして申上げますと、第一点は設備の近代化たすることによりまして当該産業の合理化がどの程度行われるか、相当の効果がその産業に現われて来るかどうか。それは量的な問題もありますけれども、或いは質的な問題、或いはコストの面から言いまして相当の効果があるかどうかという点が第一点と、それから第二点は、業種を選びますに際して、できるだけ当該業種の合理化による好影響が産業に広く行渡る。別の言葉で申しますと、基準的な産業を優先して考えて行く。それから第三点は、貿易の收支の改善と申しますか、そうした面から見ましての重要性、それから四番目には、本法を適用いたしました際の当該企業が受ける実際上の効果と申しますか、本法の適用によりまして相当短期の償却を実行でき得るかどうかという四点を考えまして、関係省で打合せてかような業種に一応決定したわけであります。
#91
○栗山良夫君 この指定事業名があり、而も指定の機械設備があるわけでありますが、恐らく該当者は能力のある人は競つてこの法律の恩典に浴するために更に指定業種に指定せられたいという運動、或いは又産業設備を新たに追加せられたいという運動が、これは熾列に起きて来ると思いますが、その点はもうないとお考えになりますか、あるとお考えになりますか。
#92
○政府委員(石原武夫君) 業種につきましては、この法案が提出になりまして以降、この六條の業種の指定をしてもらいたいという希望は各産業から相当起る、相当数一応政令の対象として政府できめておりますが、これ以外にも幾つか更に追加をしてもらいたいという業者の希望はございます。それから次に機械のほうにつきましては、これは現在御承知のように租税特別措置法で三カ月間五割増の償却をかような近代的な機械設備についてやつておりますので、原則としてその中から当該業種に必要なものをピツク・アツプする予定になつておりますが、これが昨年から施行になつておりますので、その後の状況で多少追加があると思われるのでございますので、これは数から申上げますれば非常に少数だと思いますが、その辺も機械設備の指定のときに併せて考えて行くというふうに考えております。
#93
○栗山良夫君 これは大臣にお尋ねいたしますが、今企業局長からお話がありました通りに、この法律を実施いたしますと、この法律案に基くところの規則に入らない業態も、産業設備のほうから熱心な参加運動が起るのではないかということが言われたのでありますが、そういう場合には、どういう工合にしてこれを処理せられようとしておりますか、それを伺いたい。
#94
○政府委員(石原武夫君) 先ほど申しましたように、他に指定になりたいという業界は或る程度ございますが、政府といたしましては、いろいろ税收減の問題も考えまして閣議で正式にきめて頂いたわけであります。従いまして差当りのところは、追加する意思はございません。将来又いろいろ業界の事情も違つて来る場合もあり得るかと思いますし、或いは財政面等の裕りと申しますか、さような面でもう少し広めることが可能だという状況が或いは将来起るかも知れませんが、将来の問題としては、そうした際には再検討いたしたいと思いますが、差当りといたしましては、政府としてお手許にございますような業種を指定するつもりでございまして、それ以外のものは一応この際としては追加をいたさないつもりにしております。
#95
○栗山良夫君 この調査表に載つておる企業、これは合計数は出ておりませんけれども、大体これ以上に業種が適当であり、そうして産業設備が適当であつた場合には、恐らくその合理化をやれば当然減税等の恩典に浴するわけでありますけれども、その場合に一応予定は十三億となつておりますが、これは業者の熱意が非常に盛り上つて幾らになつてもかまわないわけですか。その点は何か監督せられて予定の額を超えるようなことになりましたならば、それについては減税の措置は講じられないのですか、その点伺いたい。
#96
○政府委員(石原武夫君) その点は大蔵当局からお答え頂いたほうが結構だと思いますが、一応私からお答え申上げますと、政令で指定をいたしますと、その短期特別償却の制度は自動的に適用になるようになつております。別に政府でこれをチエツクするような形になつておりませんので、お尋ねのようにここにありますものは、我々官庁内部で見ました一応の見込でございますので、業種は或いは変る場合もあり得るだろうと思いますが、その場合には別にチエツクをせずに、若し非常に特別短期償却となる機械設備が殖えれば、従つて減收額が一応予定よりも上廻るという場合もあり得るというふうに考えております。
#97
○栗山良夫君 上廻つても、それは大蔵省は異存がないわけですか。上廻つたから今度はその指定業種を来年度は削ろうというようなことはないわけですか。
#98
○政府委員(泉美之松君) その点につきましては、先ほど企業局長からお答えした通りでございまして、来年それではどうなるかという問題は来年の財政計画の際のことでございますので、只今お答えいたしかねる次第でございます。
#99
○栗山良夫君 私の伺つているのは、先ほども通産大臣が言われたように、これは予定であつて、業者が申請して来たものを取り集めてこうしたのじやない、大体通産省のほうの見込はこうだということをおつしやつた。ところが法律の実施をいたしますと、それは自動的に、何らチエツクする必要はない、こういうことでありますからいわゆる見込違いで十五億が更に二十億になり、二十五億になつても、大蔵省はそのまま認めて行かれますかどうかということです。これは年に関係ないわけですか。
#100
○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。減收額の十七億円と申しますのは、二十七年度の予想でございまして、来年いよいよ年度が経過して見まして二十七年度十七億で予想しておつた数字に狂いが生じましても、それで直ちに指定業種を取消す、或いは機械を取消すということをするつもりはないのであります。その際には来年の歳入歳出の財政計画全般からいたしまして、こういう業種をそのまま続けて行くのがいいのか、或いは新たに追加したほうがいいのか落したほうがいいのか、いろいろな見地から検討するのが適当であるというふうに考えておるのでありまして、歳入で一応見積りました減收額より変更があつたからそれで直ちに変更するというつもりはないのでございます。
#101
○栗山良夫君 そうするとその年度の財政計画を立案するときに枠をきめて、そうしてそれで予定を立てて、合わないものは全部整理する、調整をする、こういうことと理解していいわけですね。
#102
○政府委員(泉美之松君) それはいささか私の申上げた点を誤解されておられると思うのでございますが、来年の際におきましては、来年の財政計画におきまして歳入歳出の尻がどうなるかという見地から、新たに追加するかどうかということを検討するということを申上げたのでございまして、現在指定しておるものを来年の財政計画上直ちに認めがたいから削つてしまうというようなことはとるべき手段ではなくて、このほかの措置によつて財政の辻褄を合せて行くのが適当であるわけでございまして、直ちに税收入の面からのみ取消すという見地はとらないのでございます。それは飽くまでもこの法律の趣旨といたしております企業合理化の促進という見地と、税收面の見地と両方をからみ合せて検討すべき問題でございまして、税收面からのみそのような措置をとるというつもりは毛頭ございません。
#103
○栗山良夫君 今のようなお話でありますが、私は通産行政の立場からやはりそういうような工合にして、この法律の適用に枠をはめるのはいささか私は筋違いじやないか。やはり通商産業省といたしまして、将来の日本の産業の規模或いは産業の業態等を国内需要或いは海外需要を睨み合せて診断しまして、そうしてその結果こういう業種はほかの業種に大変気の毒だけれども、国の保護の下に規制しなければならない、こういう方針が立てられて、そうして立てられたものにつきましては、大蔵省は暫らく黙つておつて頂いて、法人税は幾ら減つても、まあ大いにやれということで通産省を激励せられるのが、これは私は建前じやないかと思うのですが如何でしようか。
#104
○政府委員(泉美之松君) 栗山委員のお言葉でございますが、政府といたしましてはやはり租税收入が確保されることによつて健全財政が維持されるということが一つの大きな財政政策の根幹になつておりますので、通産省に幾らでもいいから税收入におかまいなく合理化を進めて頂くというわけには参りかねる点は御了承願いたいと思います。
#105
○栗山良夫君 そこで更にお伺いをいたしますが、大蔵省としては、やはり先ほど通産大臣は、あなたも聞いておられましたように、独力ででも今何とかして合理化をやりたいという熱意に燃えて、すでに着手しているような優秀企業もあるわけです。その優秀企業というのは、片方の企業はもう破産状態にあるとか、或いは又賃金ベースも拂えないとか、上げられないとか、四苦八苦しているような企業が相当あります。配当もよその会社が五割、六割しているのに、一割やつとだとかいうように企業が種々雑多であるわけです。従つてそういうような優秀企業からはやはり相当に税收を確保せられて、そうしてこういうところへ原資を持つて来られれば、私は十分に調整ができると思いますが、そういう御意思はございませんか。いわゆる税源の確保の構想は如何でございましようか。
#106
○政府委員(泉美之松君) この点につきましてはしばしばお話がございましたように、この法律案によりまして指定業種とされました企業の合理化が促進されることによつて、延いて日本産業全体の合理化が促進される。それによつて税源が涵養されるというふうに考えておるのでございまして、この措置を、大企業で、自分の力で收益が相当あつて、自分の力で設備の獲得ができるものには停止して行くというような考えは持つておらないのでございます。この法律案によります特別償却の恩典は、申上げるまでもなく收益が相当あつて特別償却ができ得るような事業でないと恩典に実は浴し得ないのでございます。栗山委員のおつしやつておられるような、收益がなくて特別償却もできないという事業につきましては、こういつた方策では恩典を與えることはむずかしいということを御了承願いたいと思います。
#107
○栗山良夫君 だからそこの矛盾点を先ほどから繰返し繰返し言つておるわけなんです。そういうことをやれば、要するに優秀なのはますます優秀になり、弱小なのはますます弱小になつて行くということになるので、それが今の政府の方針であるということならこれ以上追及しても、或いは疑つても無駄なことだからやめますが、そういう工合に理解しておいてよいわけですか。よいものはどんどん伸ばそう、惡いものは落ちぶれても止むを得ん、こういう方針だということならばそれでよいわけです。
#108
○政府委員(泉美之松君) それは極端な議論ではないかと思うのでございますが、いいのをますますよくする、惡いのはそのまま放つて置くという趣旨ではないのでございまして、先ず基礎産業の部面から合理化を図つて行く、その基礎産業の部面から合理化を図ることによつて他の産業に広く合理化が及んで、日本経済全体がよくなるという見地で考えておるのでございます。ただ栗山委員も御承知のように基礎産業の中には比較的大企業のものが多うございます。そこで基礎産業の方面から合理化して行こうといたしますると、差当り大企業にかなりの恩典が與えられるという事情になるのでございまして、それだからといつて将来中小企業の相当部分が占めておりまする産業につきまして恩典が及ばないということにはならないのでございます。その点は誤解のないようにお願いしたいと存じます。
#109
○栗山良夫君 大企業の合理化をやると関連産業にも恩典が行つて合理化になると言われることは、先ほどから私が質問しておるように、そこまでまだちよつと飛躍私はできないわけなんです。大企業を合理化してその大企業が行う生産効率の高められた部分が関連産業に還元されれば、初めて私はあなたのお説のようなことが言えると思うのです。従つてこの法律の施行によつて、枠の中へ入れてもらうことのできた大企業が合理化をした、その合理化生産の効率の高められた影響を関連産業へ及ぼして行くためにはどうしたらよいかという具体的な方策を、私は先ほどからお伺いをしておるのだけれども、どうも納得の行く御説明が頂けないわけです。従つて、あなたが今そういう工合にはつきりと、関連産業に及んで行くのだからいいとおつしやつたのですが、どうして及んで行くのか、どういう工合にして及んで行くのか、その点を一つ詳しくお聞かせを願いたい。
#110
○政府委員(泉美之松君) 私は大蔵省主税局におきまして租税を担当いたしておりますので、産業行政全般のことはよくわかりかねるのでございますが、私先ほど申上げましたのは、大企業の合理化を先に図ると申上げたのではないのでございまして、先ず基礎産業の方面から企業の合理化を図つて行く。ただ基礎産業の中には比軽的大企業の多いものがございますので、差当り大企業に恩典が行くというような関係にありますが、将来は基礎産業の合理化によつて、その必要がなくなりますれば漸次それ以外の産業にも及ぶことになりましようし、又基礎産業合理化によつて製鉄価格が下るということになれば、その恩典は他の産業がすべて受けることになるということを申上げたのでございまして、それでは具体的に鉄の値段をどのように下げるかどうかということにつきましては、私から申上げることは適当でないと考えますので、この点は通産省のほうで適当に措置されるものと考えておる次第であります。
#111
○栗山良夫君 それからその次に、先ほどの問題がちよつと枝道へ逸れて参りましたが、その新業種の追加運動、或いは新産業設備の追加運動が起きましたときに、これは通産省といたしましてはどういうような手続によつてこれを決定して行かれようとしておりますか、その手続を伺いたい。
#112
○政府委員(石原武夫君) 今回きめました業種、或いは今後きめます機械設備が一応きまりました際に、その他の業種或いは機械設備等に業界から追加を希望されて来る手続というお話でございましたが、これは業界の希望は業界のほうからそれぞれ担当の官庁にお話があるということだけでございますが、そうした要望が出て来た場合にどうするかというお尋ねかと思いまするが、その際いろいろその業界の希望、その理由をよく詳細に承わりまして、例えば通産省で申しますれば、各原局その他で十分検討いたしまして、上司の御決裁を頂いて、通産省としての態度をきめる、若し追加というような場合が通産省として態度がきまれば、それは大蔵省に御相談を申上げるということになるわけでございます。ただ先ほども御答弁申上げましたが、差当りは一応この程度の業種で行くということをきめておるわけでございます。
#113
○栗山良夫君 只今実際にこの指定事業になつていないもので、具体的に追加運動がありますのはどういうものですか。
#114
○政府委員(石原武夫君) 私のほうは通産省関係だけの業界と接触がございますので、例えば農林省その他の関係各省のほうの所管にされておる産業についてはちよつとお答えをいたしかねまするが、通産省との関係といたしまして、油脂の加工というのを入れてもらいたいという御希望を承わつております。それ以外に当初、例えばセメントでございますとか、石油の原油の生産、それから硫黄の精製というようなものを、業界としての御希望も我々承わつておりましたのですが、これらは通産省内部で十分検討いたしました結果、それぞれの事由でこの際は見合すことにいたしましたので、その後は我々の手許には特に御要望はございません。
#115
○栗山良夫君 大臣に伺いますが、こういうようなまあ政府の今までとつてこられたいわゆる経済指導の考え方と、若干逸れて、まあ管理と申しますか、統制とはちよつと意味が違うと思いますが、特定の事業に対して管理をするような構想のものについては、やはりその決定をせられるときは、広く民意を反映するために、こういう業種査定について適当な審議会とかいうようなもので、万遺憾のないような態勢をとられる御意思はございませんかどうか、その点を伺いたいと思います。
#116
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今そういうことについて考えておりませんが、御参考に承わつておきます。
#117
○栗山良夫君 今まで通産関係でも、この種の問題につきまして各界の意見をまとめて公正に決定するために審議会等を設けられた例がございますが、そういうような運用の面からして、その成果はどういう工合になつておりますか、それを承わりたいと思います。
#118
○政府委員(石原武夫君) 只今栗山委員のお話で、従来あるというようなお話がございましたが、かような業種を選定するに近いような委員会は、ちよつとどういう具体的な例のお尋ねかわかりませんが、ちよつと私今記憶しておりませんが、例えば合理化審議会というようなものを、各業種に亘りまして、重要業種に亘りまして通産省で設けておりまするが、それはその業界の合理化を如何にしてやるべきかというような点について審議をして頂いておるし、又一般的共通問題で、生産管理とか、経営管理とか、そうした共通問題はございまするが、おのおの特定の問題について御審議願つて、これはそれぞれ尊重すべきいい意見を頂いておりまするが、今お尋ねのような今の業種選定に該当する委員会というのはちよつと記憶いたしておりません。
#119
○委員長(竹中七郎君) ちよつと、栗山君、大臣がちよつと病院に行かれますが、西田さん如何ですか、大臣は……。
#120
○西田隆男君 大臣はいいですよ、中小企業庁の長官がおられますれば…。資源庁関係の人が大分見えておられるようで、資料がまだ出ておりませんが、今日出ております資料のことについて一つ二つ聞きましよう。この前出ました資料の中に、法の適用を受ける企業数とあつて、大企業石炭鉱業十八、中小企業石炭鉱業七十六という数字が出ております。私はこれは恐らく間違いだろうと思うのですが、岡田次長から一つ御答弁を願います。
#121
○説明員(岡田秀男君) その数字はいわゆる大手筋石炭協会のメンバーになつております会社の数が十八でありまして、それから七十六と申しまするのは、五万トン以上の炭鉱の数が七十六に相成つておるのであります。実は今度の法律の適用を受けます炭鉱が具体的に何ぼの数かということの調査が早急の間にいたしかねまして、手許に資料がございませなんだ関係上、先ず五万トン以上くらいの炭鉱でありまするならば、この法律で指定せんといたしておりまする機械を使用し得る炭鉱であり、恐らくやはり二十七年度の中に出て来るものであろうというふうな見地から出しました数でございまして、本当にこの法律が適用になるものだという確信のある数字ではございません。
#122
○西田隆男君 それでは何万トン以上が大企業か、何万トン以下が中小企業かということはこの際議論することはやめますが、この数字は間違つておる数字であるということだけは間違いありませんな。中小企業の数が七十六個あるのだということではないということで間違いありませんな。
#123
○説明員(岡田秀男君) ええ、そういう意味から言えば、私が申しましたように、五万トン以上の炭鉱の数が七十六でありまして、恐らくそれには少くともこの法律の適用があろうという数字でございますから、的確にこの法律の適用されるべき炭鉱の数が七十六、中小企業にあるのだという意味から申しますれば、確信のない数字でございます。
#124
○西田隆男君 その次にお尋ねしますが、この通産省から出ております資料の中に、大手五社ということが書いてあつて、たくさんこの控えの中に書いてあります。今さつきも栗山君との間に大分議論があつたようですが、私の尋ねまずるのは少し観点が違うので、そのつもりでお答え願いたいのであります。ここに書いてあります、機械の名前がたくさん書いてありまするが、この機械は今考えられておるような法律ができなければ各社とも設備用として設備をしない機械ではないように私には考えられる。であなたがたはどういうふうにお考えになつているか、それを一つお尋ねしたい。
#125
○説明員(岡田秀男君) 只今の御質問でございますが、恐らくここに掲げてあります機械等は放つて置きましても相当の力のある炭鉱におきましてはぼつぼつは設備して行くであろうと想像せられるのでございますが、何分現在の炭鉱の坑内の状況その他、一刻も早く合理化のほうへ持つて行きまして、生産性を向上するようにいたしたいと念願いたしまする見地から申しますれば、これの採用を助長するような方向に持つて行きたい、こういう見地からこの法律の適用をして頂くようにこの機械を掲げたわけであります。
#126
○西田隆男君 それがもう最初から提案者と我々との議論の違う点なので、今考えられている企業合理化法案の内容は、全く無意味ではない、が併し提案者なり、通産省なりがお考えになつているほど、絶対不可欠の要件ではない。というのは炭鉱の経営の内容は、私よりも岡田次長のほうが詳しいと思うのですが、とにかく日本初まつて以来の景気のいいときであります。各社の資産内容はどうであるか知りません。知りませんが少くともこの設備は今日や明日にしてしまえる設備ではない。持続的な年次計画で進めて行くんであろうと思われる設備だ。そうして出された資料によると、大手五社の施設では相当額以上の利益を上げている。而も設備が減税の対象になるのは八千九百万円くらいになつておりますが、設備される金額も十四億一千万円程度の金額だ。大手五位の利益を合せると、そんなものはへつちやらだというような利潤が上つている。それにもかかわらず、ここに書いてある機械は日常どうしても使わざるを得ない機械である。政府が促進しようがしまいが、経営者としては今後の事業を考える場合には必ず設備しなければならない必要不可欠の機械の名前を書いてあるのだから、そういう法律案に盛られているようなことはやらなくても、各社は当然これはすべきである。こういう給論を私は持つわけであります。それが若しそうでないと次長が言われるならば、このうちの機械のどれと、どれだけは、とてもあの連中なんぼしてもやらないのだという機械の名前を一つ御指摘願いたいと、それだけの機械を使うことによつて果して、これは大手五社のことが出ておりますが、大手五社が二十七年度に幾ら増産するか、その見通しがついているならば、その見通しを一つ一緒にお述べ願いたい。
#127
○説明員(岡田秀男君) 一番簡單な点から申上げるのでございますが、この機械を、大手の五社の例でございますけれども、使えばどれだけ増産するかという数字につきましては、これはわかりませんので、又御指摘になりましたように現在石炭がかなり高い値段で引張りだこのように売れております関係上、従来の例のない好況を呈していることにつきましては私も同感でございます。ただ戰争中並びに戰後を通じまして、初めて景気が出たようなわけでありますが、或いは統制中におきまする低物価政策の関係や、或いは統制が解除になりましたときにおきます資金の援助の関係等の問題やら、或いは坑道の掘進費がいわゆる固定資産というふうな形で計上されておりますような関係から、資産内容でかなり固定資産の水ぶくれがあるのでございますし、自己資本と拂込資本との関係から申しましても、私ども、経済雑誌を見たり或いは業界から提出されまする資料等を見てみましても、他の産業に比較しまして何か石炭鉱業は非常に惡い部分に属しているように思うのでございます。従つてこの好況時代に一日も早くこの資産内容の惡い点を直しまして、健全な姿において能率よく石炭を掘つて、安い石炭を他の業界に提供するように持つて行かすことが、私どもとして最も希望すべき点であろうとまあ考えるわけであります。そう意味から申しますれば、今の能率向上の点に相当役立つであろうと思われまするこの機械を少しでも使いやすくさしてやりまして、そうして償却を初年度にまあ半分というふうな形におきまして、荷を軽く、採用しやすいようにいたしますことは、この石炭鉱業を合理化いたしまして、今の高炭価を合理的な値段に早く持つて行かす方法から見まして関連して必要なことじやないかと、かように存じております。
#128
○西田隆男君 まあ観念論的に陳弁されたらそういうことになりましよう。それでは具体的に聞きますが、あなた方がたは二十七年度石炭の生産目標を四千九百万トンとしておられる。二十六年度は四千五百何十万トンの出炭になる、一割に満たない増産である、その増産される数字をあなたがたは安本と、御協議されておりましようが、石炭の消費の量をきめる際には何千カロリー以上の出炭がなんぼとおきめになつて、いるはずだと私は了解しております。従つて問題になつて来るのは、それではこの大手五社、或いは大手十八社というものの二十七年度の生産総量は幾らに見込まれているか、これを一つ伺いたい。
#129
○説明員(中島征帆君) 来年度の出炭目標はまだ確定いたしておりませんので、従つてその内訳、炭種別の内訳乃至は大手、中小別の内訳も正確な数字は持つておらないのであります。ただ一応従来の実績その他から推算いたしまして四千九百万トンと出されました場合には、大手十八社で六九・三%、残りがその他、こういうふうに結論は一応なつております。
#130
○西田隆男君 ちよつとその数字は、今大手五社が問題になつているから、大手五社と、十三社と、その他に分に分けて、二十六年度に対してどういうパーセンテージになるか、それを一つ伺いたい。
#131
○説明員(中島征帆君) 五社の数字は出ていないのでありますが、十八社で数量といたしまして三千四百万トン、その他が千五百万トン、こういう数字であります。
#132
○西田隆男君 二十六年度の予想される実績のパーセンテージはどうですか。
#133
○説明員(中島征帆君) 二十六年度の見込をここでは四千六百九万トンと、こう抑えております。
#134
○西田隆男君 だからその十八社と、その他に分けて……。
#135
○説明員(中島征帆君) その内訳といたしまして、十八社で三千百六十七万トン、その他が千四百四十二万トン。
#136
○西田隆男君 そうするとこれだけの合理化をされて、結局大手十八社で二百三十七万トン殖えるというと、パーセンテージは僅かですね。何パーセントになりますか。これで三千四百万トン、二百三十七万トンと言うと、六%幾らですね。六%幾らの増産しかならんわけですね。四千九百万トンでは……。
#137
○説明員(中島征帆君) これは合理化による増産と、その増産と合理化と結び付けて考えておりませんので、四千九百万トンを掘るのに大手の数字がどうなるか、こういうふうな筋道から出した数字であります。従つて仮に四千九百万トンが更に五千万トン乃至は五千百万トン要るという場合にはどうなるか、その場合に合理化のための、或いは増産のための機械化がどうなるかということは又別問題でありまして、その点につきましては、例えば現在予定しておりますような機械化乃至合理化の程度で例えば五千万トン以上出ないかという問題になりますと、必ずしもそうではないと、こう考えております。従つて増産目標というものは今のところ山の実際から申しますと、すでに四千九百万トンと、五千万トンとの差額というものは特別に、過去においていたしましたような強力な増産措置をしないでも、これは目標の取り方で以て、相当できる素地ができておるということを考えておりますので、従つて三千四百万トンという大手の筋が、丁度現在考えられております。機械化の数字にマツチしておるというふうに考える必要はないと思います。
#138
○西田隆男君 一番大事なことなんですが、あなたがたは企業の合理化ということをお考えにならなくても、四千九百万トンは一応推定されるということを言われる。それでは合理化をやつて、二十七年度になんぼ出るかということを言つて御覧なさい。
#139
○説明員(中島征帆君) 合理化は、実はむしろ数量よりも生産費に重点を置くことになると思いますが、従つて増産のために合理化をするということよりも、コストを引下げるために合理化をする、この見地から合理化を推進するわけでありますから、従つて、若し増産をする必要があるということになりますと、又別の見地で考えなければならんと思います。
#140
○西田隆男君 大変面白いお話で、あなたの議論を敷衍して行くと、生産数量は減つても、生産原価は下るという結論になる。どういう方面からそういう結論が出て来ますか。
#141
○説明員(中島征帆君) これは、議論になりますが、單に生産数量が殖えたために單価が下るということは、これは一応は当然でありまして、その程度は勿論問題でありますけれども、そういうふうな増産による原価引下げということ以外に、実質的には内容を合理化をいたしまして、仮に生産数量が同じでありましても、コストを下げる、これが合理化の大きな目標だと考えておりますが、そういう意味で合理化の施策を進めておるわけであります。
#142
○西田隆男君 それは具体的に言つたらどうなるのですか。どうしたらそういう結論が出るのですか。
#143
○説明員(中島征帆君) これは一昨年の合理化審議会のときにもその点が問題になつたのでありますが、増産をしてコストを下げるということは、これはもう生産者といたしましては安易な方法でありまして、勿論それによつてコストが下れば結構でありますけれども、それ以外に、更に企業の内部を合理化して引下げるという努力をしなければ、本当の企業努力でない、こういう意味におきまして、先般の合理化審議会の結論といたしましては、増産期待分というものを除いての合理化効果ということを期待いたしまして、それでは何かと申しますと、これは結局機械化でありますとか、内部の経営の合理化でありますとか、技術乃至は経理上の措置が考えられております。
#144
○西田隆男君 ますます問題が大きくなつて行くので困つてしまうが、あなたの御議論を聞いておると、生産数量は殖えないでも、生産原価が下るのが本当の企業の合理化だと。成るほど一面の理窟はあると思いますが、それでお尋ねしますが、ここに書かれておる機械の一切を設備することによつて労働力をなんぼ減らされますか。
#145
○説明員(中島征帆君) その点はわかりませんが、併し当然に機械を入れて又古い機械と代替する面もございますし、出炭の傾向といたしましては、上向きにありますから、プラスされる労働力を考えれば、現実に労働力が減るということは、心配する必要はないのじやないかと思います。
#146
○西田隆男君 ますますおかしいので、私にはどうもわかりかねるのですが、私は炭鉱の経営をやつておるのですから、あなたの言われることは、全然間違いとは思つておりませんが、余りそれを強弁されておるとおかしなことになるのです。ここに書かれておる機械を一つ見て御覧なさい。機械のことはさておいて、現在二十六年度の大手筋の十八社の大企業の現在あたりの出炭量は幾らかということ、それからあなたがたが技術的に考えられて、今の日本の労働者で、こういう機械を据付けて来たら、大手十八社の労働條件で何トンまでは出せるという目安を持つておいでになるか。
#147
○説明員(中島征帆君) 十八社の能率の数字は、今持ち合わせておりませんが、ここに挙げられましたこの機械を入れますと、確かに能率は上ることは勿論でありますけれども、併しこれは機械化の促進のために入れるものでありますから、従つてこれだけのもので、全体の能率が急に上昇するということを期待するのは、これは行き過ぎであろうと思います。勿論一部は上りますけれども、これが普及して初めて全体の能率が上るということになるので、いわば資金的に使われる部分もございますので、現実に例えば大手五社にいたしましてもどれくらいに響くかということは、プラスになるにいたしましても、そう大きな数字にならないんじやないかと思います。
#148
○西田隆男君 中島さんを数字的にいじめて見ても始まりませんけれども、そういうお考え方は正しくないと思うのです。炭鉱の経営の実態というものは、資材の面、経営の面もあるし、労働賃金、これが大部分を占めておる、従つて一人当りの生産量が殖えるか、或いはこの機械を据付けることによつて、石炭生産に必要な他の資材は極度に少い資材で済むか、いずれかにならざる限り、石炭の生産原価というものは下るものじやありません。従つてあなたの言われる能率化が行われるとすれば、結局労働賃金の面に響いて、労働者を減らさなければならん、或いは減らさなくても一人当りの労働量というものが殖えない限り、今の機械を据付けて合理化をやつて見ても生産量は殖えないという結論になる。従つて現在の炭鉱のやつておるようなことから考えて、あなたがたがこういうものを入れてやつたら生産原価が少くなると、そういうふうに強弁される材料に使つてはお困りになるような現象が起きて来ると思う。私があなたを責めているのでなくて、実情を聞くと同時に、委員諸君にこういうことを本当にやつたほうが効果があるかどうかということを認識を深めてもらいたいという意味から、あなたに質問しておるんですから、あとに尾を引かないように御答弁になつたほうがいいと思うんです。これをやらなくちや炭鉱はやつて行けはしませんよ。そういう機械が出ておるんです。それからもう一つお尋ねしたいことは、何度も言つたんですが、なぜこの炭鉱の合理化とか、或いは近代化というものを取上げておる際に、機械だけ資料を出されて、そうして主要坑道というものを考えぬか、これは合理化坑道ということで出ておるので、通産省も大蔵省も話がついておると思いますが、大分時日がたつたから、合理化坑道の定義ができたと思いますが、合理化坑道の定義を一つ。
#149
○説明員(中島征帆君) 合理化坑道が入るということは、これはこの点につきましては完全に了解がついておりますが、どういう定義で持つて行かれるかということにつきましては、実はまだ折衝中でございます。従つて定義をはつきり申上げる段階にないのでありますけれども、我々の気持といたしましては、まあ簡單に言えば合理化するための坑道ということで、広く一般に入れてもらいたいのでありますますけれども、一応今度の法律の立案の趣旨から言いまして、機械設備の合理化ということに重点が置かれておりますので、それと関連のある坑道、機械を合理化するために必要なる坑道乃至は坑道の改善と、こういつたものについて合理化坑道という定義をつけたいという気持で協議いたしておる次第でございますが、まだその点につきまして確実な結論は出て参つておりません。
#150
○西田隆男君 あなたの説明と同じな説明を泉税制課長から聞いたんです。それを考えて見ると、主要坑道が抜けてしまつて、運搬坑道が入りそうに考えられる。運搬坑道に一々合理化坑道を取入れたら、この償却が莫大なものになります。日本全国で運搬坑道が何万メーター作られておるかは、あなたのほうが詳しいと思つておりますが……。
#151
○説明員(中島征帆君) 片盤の短期間だけ用いる坑道は、これは現在の税制で経費として落すような部分が相当ございますので、そういうものにつきましては今度の合理化坑道としての適用対象にはならんわけでございますが、それは別といたしまして、主要坑道につきましても、私どもの気持としては、主要坑道がこの合理的な機械を使うために、何らかの改善乃至は擴張を必要とした場合には、これらを入れる、又そのために直接必要な新らしい坑道を新設するという場合もこれを入れるという趣旨で交渉いたしておりますので、主要坑道につきましては、全然入らないというところまではまだ行つておりませんから、その点御了承願います。
#152
○西田隆男君 この前請求した資料はいつ頃できますか。
#153
○説明員(中島征帆君) この前の資料は昨年度の特別措置法に基く実績の資料というふうに承知いたしておりますが、これは十一月分まで実績を今聽取しておりますが、北海道の分がまだ到着いたしておりませんので、それが参りましたら早速集計いたしたいと思つております。従つてこれは電話等で催促いたしておりますが、あと幾日かかりますか、三、四日中にできるだろうと期待いたしております。
#154
○西田隆男君 法律案が通つてしまつてから資料が来たのでは間に合わん。法律の審査の過程において資料を頂きたいと思います。
 もう一つ資料ですが、設備される額が十四億一千万円とこうなつておりますが、これは租税特別措置法の適用を受ける金額だけだと考えておりますが、その中から抜かれた金額と考えておりますが、鉄鋼は無理でしようけれども、石炭のほうの二十六年度上期の償却の対象になる資産は大体大手五社でどれくらいあるのですか、これを抜いて来ておられるからわかるはずです。
#155
○説明員(中島征帆君) 私ちよつと資料がなくて申上げかねるのですが…。
#156
○西田隆男君 御記憶もありませんか。それでは石原さんに聞きますが、十四億一千万円というのは租税特別措置法の適用を受ける中から特に企業合理化促進法の適用を受けられるものを抜かれた金額でしよう、これは……。
#157
○政府委員(石原武夫君) これは資源庁のほうと御連絡いたしまして二十七年度の税收に影響する程度に早く、その時期までにかような機械を取得するだろうという数字を出して頂きまして、それと租税特別措置法と今回の法案との償却の違いを基礎にして税收の減を彈いた。従いまして本になつておる数字は資源庁のほうの、各炭鉱で、二十七年度中というわけには参りませんが、二十七年度の税收に影響すると申しますか、原則としては九月頃までに取得するということになるわけでございますが、さようなところで切りまして機械設備等を集計してその減收額を逆算したわけでございます。
#158
○西田隆男君 大手十八社でもいいのですが、大手五社のやつで二十六年度上期の償却の対象になつておる資産がわかれば、これはわかるでしよう、直ぐ大蔵省で……。それを至急に一つ調べて下さい。
 それから税制課長に一つお尋ねしますが、この合理化促進法案に関する経費がいろいろ予定されて出されておりますが、二十七年度の予算の歳入の面においてはどういうふうになつておりますか。
#159
○政府委員(泉美之松君) その点につきましては、法人税におきまして増減税措置をとつたわけでございますが、増收によりまする部分三百億余に対しまして減收額百十七億を掲げておるのでございます。この百十七億円は退職給與引当金の損金算入、或いは価格変動準備金の損金算入等を入れたのでございまして、この百十七億の中には、先ほど申上げましたように企業合理化促進法による減收額が十七億五千万円一応予定しております。そのうちで第三條関係によります試験研究費の関係が約九千万円、そうして特別償却によりまする分が十六億六千万円、一応このように予定いたしておるのでございます。
#160
○西田隆男君 二十七年度予算の中には、もう法律は通つていないけれども予定して財源が見てあるわけですね。
#161
○政府委員(泉美之松君) お説の通りでございます。
#162
○西田隆男君 これは中小企業庁長官にちよつとお伺いしたいのですが、我々この法案を今まで審議して来たんですが、その過程においてどうも提案者の言われるように、中小企業に対する合理化、近代化の考え方と、大企業に対する合理化、近代化の考え方とは一緒にこの法案の中に織込んであつたのが、たまたまこういうふうになつたのだという提案者の説明ですが、私は最初からそう考えられないのです。いろいろ資料を求めて見たんですが、炭鉱のさつき質問しました大手十八社、中小七十六炭鉱ということも数字が間違つているという話ですが、この大きな数字を取つてしまうと、出された資料では、この三十二業種の中で中小企業に属するものはもう極めて少い、全くないと言つていいような状態のように考えられますし、いつも中小企業庁長官でも、通産大臣でも、或いは総理大臣でも中小企業の重要性はしよつちゆう口に狹まれておるようですが、実際問題としては中小企業はいつも置きざりにされておる。そうして経済のしわ寄せというものは皆中小企業が引つ被つてしまう、こういうのが大体現在までの中小企業に対する政府の考え方による結論はそういうふうになつておると思うのですが、中小企業庁長官として、中小企業の合理化の必要を認めながらなぜもう少し積極的にそういう方法を講じられなかつたか。特にこういう企業合理化法案なんというような法案が出される場合に、もう少し強く中小企業庁長官の考え方をこの法案の中に織込むようになぜ努力されなかつたか。今この法案の内容はもうすでに御承知と思いますが、こういうことで大体中小企業はこれでよろしいと考えておられるか。こういう点について先ず最初に一つ久振りに小笠さんの御答弁を承わりたい。
#163
○政府委員(小笠公韶君) お答えいたします。中小企業の合理化の持つて行き方でありまするが、私はこういうふうにざつくばらんに実は考えておるのであります。中小企業の合理化をどこから解いて行くかという問題の一番大事なことは、現在の日本の中小企業、特に中小工業というようなものを取つて考えて見ますると、それ自体の経営それ自体が非常に微弱だ、弱いということにあると思うのであります。この弱さをできるだけ強めて行く。その強めて行く一つの方法としまして組織化なり、或いは経営單位をできるだけ引上げて行くというふうな線を先ず取上げて行くことが大事であろうと思うのであります。即ち経営の個々の内部の合理化の問題も非常に大切でございまするが、それよりも経営の外に向つての合理化を一つ考えて行くという線が先ず大事だというふうに考えておるのであります。その面から考えますと、一つの問題は、具体的な問題として、これは非常に陳腐でありまするが、結局組織化を強力に進めて行く。その進めて行くに当りましての誘因というものをどこに求めて行くかということになると思うのであります。それにつきましてはこれはいろんな意味において何らかの援助措置といふものを強めて行くというふうな形に持つて行きたいというふうに考えておるのであります。これが第一点だと思うのであります。
 それから第二の合理化の進め方の考え方といたしましては、日本の今日の中小企業の現状は大企業よりも比較的に困難なのは、安定した資金がない、安定した長期の資金が入りにくいというところに私は一つの欠点があるのじやないかというふうに考えておるのでありまして、この面を今日の経済情勢から見まして困難ではありまするが、できるだけ捧げて行く、増加して行くという線で考えて参りたいと考えるのでございます。もとより長期資金のみに限りませず、差当りの資金問題というものが非常に大事であるということは十分承知いたしておるのでありまするが、真に中小工業の経営基盤の安定を図つて行くという上におきましては、いわゆる底溜りの運転資金というふうなものの供給にできるだけの努力を重ねて行くということが、合理化、私はいわゆる合理化というよりも、経営の安定へというような意味においての出発点であろうというふうに考えておるわけであります。
 それから、第三点といたしまして、中小企業の問題は、設備の近代化、いわゆる近代化という問題がございまするが、この設備の近代化の線と並びまして、正直に申上げまして、技術の立遅れという問題が私は最も日本の中小企業における弱点だと思うのです。この技術の立ち遅れをどうして少しでも引上げて行くか、向上さして行くかというようなことに重点を置いた施策を考えて行くということになろうかと思うのであります。そういうふうな考え方を基本にいたしまして、中小企業の経営の安定と申しまするかを図つて行きたいというふうに考えておるわけであります。ところが、実際の問題に当りますると、御承知の通りに、非常に業種が多種多様になつておりまするので、十分な効果が非常に出にくいというふうな状況になつておるのでありまするが、私どもといたしましては、先ず中小企業の問題の合理化というふうな考え方の基本というものを、只今申上げましたような三つの点に重点を置いて、ここに一つの総合的な一つ政策を進めて行くということに努力しなければならんというふうに考えておるのであります。
 それともう一つの問題は、只今西田さんも御指摘の通りに、中小企業の一つの問題は、経済的ないろいろな弱さの問題、合理化、不合理性を直して行くという問題のほかに、これは言葉は適当でないかも知れませんが、いろいろな意味において、社会的に弱いという問題が、私は一つの中小企業を取巻く弱さの原因だと実は思うのであります。例えば、いろいろな場合におきまする自分の意思の表明すらなかなか自由にできないという業界も多々あるのであります。そういうふうな意味において、この中小企業自体の、そういうふうな、今申上げましたような、弱い中小企業に対する発言も代つてやると、或いは代弁するというふうな組織をできるだけ強めて行くということでないといかんのではないかというふうに考えておるのであります。この問題は、経済政策というふうな立場でなしに、しわ寄せという言葉がよく使われるのでありますが、しわ寄せをできるだけ未然に防ぐというような立場におきましても、そういうふうな線からの中小企業対策というふうなものがどうしても強く進められなければならんのではないかというふうに考えておるわけであります。
 以上抽象的に申上げたわけでありまするが、そういうふうな考え方に従つて、然らば中小企業庁は何をして来たの泥と次にお叱りがあるだろうと私は思うのでありまするが、中小企業の対策の一つの問題といたしまして、私は、今申上げました組合の健全化、経営基盤のどうしても擴大というふうな線において、これを金融政策と関連をつけつつ進めて行くという方向にできるだけ努力をいたしておるのであります。勿論中小企業庁でやつております個々の企業に対する診断制度というふうな問題があるのでありまするが、現在まで、昨年の十一月末現在でありまするが、七千工場くらいしかまだ実はできておりません。非常に手のかかるものでありまするが、こういうふうな個々の企業自体をできるだけ診断して行くという手を講じつつ、一方において先ほど申上げましたような組織化に重点をおいて進めて実は参つておるような状況であります。非常に抽象的な話でございまするが、私どもはそういうふうな趣旨でできるだけの中小企業の振興と言いまするか、そういう方向に力を続けたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#164
○西田隆男君 今の長官の中小企業に対する基本的な考え方に対しては私も反対するものではありません。そういうふうな方法が然るべきであろうと考えております。然るに実際政治の面に現われて来ました中小企業に対する政府のやり方を考えて見ると、二十七年度の予算でも、企業診断をやるのに一億一千万円が要求されたのに、千何百万円しか予算に計上されていない。企業合理化促進法案を見ても、七千万円そこそこの金しか中小企業の診断の資金としては使えない。而も中小企業というのは、日本全国では、その総数は知りませんが、恐らく莫大な数に上るだろう。その莫大な数を、あなたの言われるように、企業診断をやつて、新らしい技術を導入して、そうして設備を近代化して行く第一歩を踏出す経費すらも僅少な経費しか見ておられないということでは、只今長官が基本的に、概念的にあなたのお考え方を述べられたが、それを実行に移そうとしたところで、実際の面においては到底これは実行されがたい状態におかれておる。私たちは企業合理化促進法案の審議を慎重にやつているのも原因はそこにある。月本の対外輸出するものでも、国内消費の物資でも、生産された物資は、大部分が中小企業が作つておる。大企業が作つておるパーセンテージというものはそう大したものではないと考えておる。その大部分を作つておる中小企業に対する政府の施策というものが、予算の面にも、実際行政の面にも何にも現われていない。従つて中小企業庁長官が如何に立派な考え方を持つておられても、実際に末端において何にも行われないということでは困るじやないか。あなたは今協同組合云々ということを言われました。これは勿論私は必要と思います。理想も必要ではあるが、現実の問題を一つ一つ片附けて行くという行き方もこれはしてもらわなければならんと思う。今あなたがおつしやつたように、金融問題も中小企業にとつては本当に重大な問題です。例えば、商工中金等には、去年、一昨年ですか、には、大体貸出の三割程度は中小企業の設備資金として貸しておつた。それが現実を見てみると、三割貸しておつたものが一割になつておる。こういう実際の場合の数字が出ておる。これで中小企業庁長官が幾ら金融のことを私は心配しておりますとおつしやつても、商工中金から中小企業に貸出しておる設備資金そのものがすでに三割から一割に減つておるという実情、それからもう一つ申上げると、中小企業の預金が、大体大銀行の中にある中小企業專門店と言いますか、これに対する預金が昨年の十月末ぐらいまでは百九十億か二百億くらい近い預金がある。が併し、中小企業への貸出は七十三億しかあつてない。あと百何十億というものは、根行がただ金を握つておるというわけはない。外の方面へ流れて貸出されておるという状態であります。中小企業の預金している預金さえこういう実情である。特に商工中金のごとき、中小企業に対して資金の斡旋、心配をしてやらねばならない公的な機関と申しますか、そういう金融機関でさえも、今言う通り三割の設備資金が一割くらいしか貸していない。この実情を見ると、長官が言われるよりもつともつと中小企業の金融の状態は逼迫の状態にあると私は痛切に感じるのです。こういうことに対して、具体的に一つ一つの問題を解消して行かれるような方法を一つ長官に考えてもらつて、それを急速に政府のほうで実施してもらうという段階に行かないというと、講和條約発効後の、これは昨日の予算委員会で通産大臣が言つておられましたが、ポンド過剰の解決策はないと、ドル圏に対する輸出は四千五百万ドルもう割れそうだというような対外收支、言い換えれば、対外貿易の状態ですよ、このしわ寄せが必然的に今紡績に来ておるわけです。紡績だけでなくして、ほかの産業、一般産業にかかつて来る、来たやつは又中小企業にしわ寄せをされる、そうして中小企業の存立ができなくなるというような実態が私たちには予測される。今長官の言われた診断技術の導入、それから設備の近代化、それからそれを充足する、実行するための金融措置というものについては、もう少し積極的に長官のほうで、一つ政府に働きかけて何とか具体策を早急に講じてもらいたい。この法案の審議に当つてなぜ私がそういうことを申上げるかという一例を申上げますれば、先日この委員会に岐阜と三重と名古屋ですか、愛知ですか、この三県の輸出陶器業者が陳情に参りました。金の使用の問題に関して大蔵省が金を値上げするということで、一割ぐらいならまだしも二割じやもう我々はやつて行けないのだ、本当に涙をこぼしての陳情がありました。金額を考えて見ますと三千万円足らず、それなら輸出業者に保証をしてやる必要があり、産金業者に保証してやるという何か政府が特別手段を講ずれば、年百何十億の外貨を獲得しておる二十万の労働者を擁するという、いわゆる家庭工業の部に属する陶器産業ですよ、それが成り立つて行くという現実の問題が一つこの国会にあつた。その問題に対しては中小企業庁長官は初めてなんですが、雑貨局長が見えておつた、雑貨局長の答弁も大した答弁ではない。大臣なんか勿論お考えになつておらんようです。それにもかかわらずこの企業合理化促進法案では何十億の利益を挙げている会社、今資源庁或いは企業局長、或いは提案者から説明があつたように合理化、近代化を促進するという名目の下に何十億の利益を挙げている会社に、これは年間僅かに二千万円、一千万円、或いはそれに満たない金額ですら減税の対象にしてやろうということで一生懸命にみんななつておられるときに、この実情を見て私たちはもう暗然たらざるを得ない。もう少し真劍に中小企業の実態を把握しておられたならば、何とか対策が講じられるべきだと、私は率直に申上げますが、この中小企業に対する対策が、納得の行くように急速に実行に移されるということになつてなきやこんな法律案は通す必要がない、この法案を通さない。若し日本の企業、大企業がですよ、予定されておる生産を挙げないということならば整理でも何でもやつたほうがいい。それくらいに私は真劍に考えておる。これは單に中小企業と大企業という企業間の問題だけでなくて、日本の経済構造の実態から考えて、これは慎重に考えて急速に解決をしてやらなきやならない非常に重要な問題だと私は思つておる。長官に一つ、大臣に聞きたいつもりだつたのですが、大臣に聞いたつてのらりくらりで駄目ですから、長官に一つ聞いておきたい。あなたのほうでもう少し真劍になつて、今も真劍になつておられるとは思いますが、中小企業対策を急速に樹立するように一つ御努力を願いたい。
#165
○政府委員(小笠公韶君) お話の御趣旨は御尤もだと思うのでございますが、ただ私は簡單に、弁明がましい趣旨ではございませんが、金融の問題につきまして、両三年前の商工中金の貸出のうちで設備資金が三割、これはお話の通りだと思います。一昨々年末の貸出総額が二十八億、一昨年の三月三十一日現在三十八億円、二十五年の十二月末日が百十億、こういう数字でございます。で、一昨年の暮に百二十億の貸出残がございまして、昨年の暮は二百十二億まで実は持つて参つておるのであります。この二百十二億のうちで長期資金に貸出されたのは一割二、三分というのが現状でございます。パーセンテージとして非常に少いのでありますが、全体的な絶対額としては徐々ながらもまあ進めておるということを御報告申上げたいと思います。
 それからもう一つは、一昨年の暮に施行いたしましたこの長期の資金、いわゆる設備にいたしましても、運転にいたしましても長期の底溜り資金というような意味におきまして長期資金の供給を助成するというような趣旨で作りました信用保険法の関係でございますが、これは当初月十二億というものをベースにおいて予算を組んだのでございます。ところがこれの利用率が実は惡くて非常に弱つておつたのでございますが、最近の状況は昨年の下期から漸次向上して参りまして、大体予定の十二億ベースの四割見当までの信用保險の長期六カ月以上五年以内というふうな資金の利用率が殖えて参つて来ました。これは要するに制度の周知徹底の問題があるほかに、長期資金の供給、資金源の供給というものがこれに伴つておらなかつた、こういうことであるのでありまするが、資金源の問題は十分には解決しておりませんので、制度の周知徹底に伴いまして順次長期の金が中小企業の面へ投入されかかつているということを御報告申上げておきたいと思います。いずれにいたしましても、私どものやつております仕事は効果が非常に出ておらんじやないかとのお叱り私は御尤もだと思つております、そうでありまするが、結局お話のように日本の産業全体の均衡のある発展性という点から考えると、中小企業の政策というものをより強く出して行かなければならんということは私どもも考えておるわけでありまして、できるだけそういう方向に努力を重ねて参りたい。遺憾ながら微力でありまして十分なる効果が出ませんが、できるだけそういう方向で一つ努力を重ねて参りたいと、こういうふうに考えております。
#166
○栗山良夫君 中小企業の問題は私は他日に讓るんですが、今西田委員からの質問の中で私一つだけ抜き出してお尋ねしておきます。長官は税金の問題に一つもお触れにならなかつたのですが、これはどういうわけなんですか、今中小企業は税金で非常に困つているということを私はしばしば街へ出ると聞くのであります。全く以て政府はけしからんという声を聞くのですが、中小企業庁長官はさようにお考えになつていないだろうか。更に現在中小企業が一番困つているのは過年度の滞納金の追つかけ、追求が非常に嚴しいためにこれで以て四苦八苦しているという現状があるわけです。これはまあその業態がいい惡いは別として、何故業態が過年度に正直に納めなかつたということもあるんですけれども、現在の問題としてこういう激しい変動期でありまして、今年の営業成績をどうするかということで四苦八苦しているときに、過年度の税金を中小企業が背負つて、而も追求されたのでは全くやり切れないと思うんです、いわゆるそういう過年度の滞納のものをどうするか。伺うところによりますと、やはり税金というのは大体予定歳入よりも上廻つているはずなんです。二百億とか三百億とか上廻つているのでありますが、そういう関係からするならば、こういう滞納税等も特別の大企業にすら減税をするくらいのことでありますならば、何らかの私は措置を必要とするだろうと思うのです。そういうことについて中小企業庁長官はお考えになつていないか。或いは若し税金の問題に長官が御興味がないということにならば、これは中小企業庁長官たるの資格なし、こう言わなくちやならん、こう私はう思のです。これはどうです。
#167
○政府委員(小笠公韶君) お答えいたします。興味がないというわけではないのでありますが、これは中小企業問題の現象的な苦しみというのは金と税金だということはこれは私から申上げるまでもないと思うのです。ただ税の問題について率直に申上げますと、私ども努力が足りない、能力がないということはこれは事実です。その点お叱りがあれば私はし方ありませんが、そう思うのであります。そこで私どもが中小企業の税の問題につきましての考え方というか、手の打ち方というものをどういうふうにいたしておるかということをお話申上げて見たいと思います。私は中小企業の税の問題の一番問題は税の制度の問題が一つあると思うのであります。例えば、これはまあ大蔵省の專門家が見えておりますから何でありますが、特に中小企業と中の零細企業というようなもの、いわゆる経営者といいながら実際は労力を売つていると同じに近いようないわゆる零細企業面に対する税の制度というものを、できるだけ勤労者に近いような扱いにして欲しいということは私の年来の主張であるのであります。これはこの前のシヤウプ博士が見えましたときにも意見書としては出したのでありますが、いろんな事情でそこまで参つておりません。この線が制度の問題としてどうしても改正を急ぐという、これは中小企業の立場からいつて、私は急ぐ問題ではないかというふうに考えております。それからもう一つの問題は、中小企業の立場からざつくばらんに申上げますと、税の制度が簡易であるということを、どうしてもいろんな意味において国税、地方税等の関係からいつて、簡易であるということを希望しておる向きが非常に多いようであります。これなんかも今後の税制の改革の際に関係方面にお願いしたいというふうに考えておるわけであります。そういうふうな税の問題につきましての、中小企業の実態から見た、立場から見た改正をできるだけやつて行きたい、関係当局にお願いして参りたいと、こう考えておるのであります。勿論今日の日本の置かれた財政経済の状態でありますので、その調和の問題というものが当然あるのでありまして、その調和点を考えながら中小企業の税制度におきまする扱いをよりよくして参りたい、こういうふうな考え方でおるわけであります。私どもといたしましては税の実態については税務署長を喚んだりいろんなことをして話を伺つて勉強をいたしておるのでありますが、できるだけ実態を捕まえて、その線から機会あるごとに直してもらうような方向に努力を続けて行くという考え方が一つであります。それからもう一つの問題は、きめられた制度に基きまして個々の中小企業の所得の認定の問題が実はあるわけであります。この所得の認定如何によりまして、税率の問題もいろいろ具体的に中小企業の負担する重さというものが違つて参るのであります。これは非常にむずかしい問題でありまして、個々のケースによつて違うのでありまするが、これをはつきりさせるという意味におきまして、私は中小企業の側における一つの体制の不備というものを率直に認めなければならんと思うのです。今日の中小企業、特に小企業の多くの場合におきまするどんぶり勘定の考え方というものを整理して、簡易な帳簿組織といいますか、いわゆる記帳をやらせるという方向に指導面を強力に私は進めなければいかんのじやないかというふうに考えておるのであります。これは一昨年来各業種につきまして国税庁とも御相談して、魚屋には魚屋、或いは薬屋には薬屋に適当した一つの記帳様式というものを作つてこれの普及を図つておるのであります。それからもう一つの問題はそういうふうな形と同時に青色申告制度のいわゆる指導奨励というような形で努力をいたしておるわけであります。ただ具体的な問題、個々の経営者、事業者の所得をどうするか、所得の見方の問題につきましては、私どもとして率直に申上げまして十分な手が届いていないというのが実は現状であります。
 なお過年度の滞納分をどうするかというふうな問題につきましては、これは私どもといたしましてはその状況によりまして分納或いは延納ということを希望いたしたいのでありますが、財政一般の問題もございますので、これは大蔵省のほうから是非一つお考えを願いたい、こういうように実は考えておるわけであります。
#168
○委員長(竹中七郎君) 泉さんにお答え願いますか。
#169
○栗山良夫君 一番大事な問題ですから……。
#170
○政府委員(泉美之松君) 過年度の滞納税金の整理の問題でございますが、実はこれは国税庁のほうで指導いたしておりまして、私は租税法規の企画立案に従事しておりますので、詳しいことは国税庁から聞いて頂いたほうが結構かと思いますが、私の存じておりまする範囲でお答えいたしますと、この滞納税金の整理につきましては、その滞納の生じた原因に遡つて検討しなければならないのでございます。それに応じて又整理の対策も違つて来るということになるのでございます。先ず第一は、栗山委員も御承知かと思いますが、所得税の滞納が現在約四百五十億円ほどございます。その大部分は勿論申告所得税の滞納でございますが、その申告所得税の滞納になりました原因をいろいろ調べて参りますと、二十三年、二十四年当時課税のがどちらかと言いますと正確を欠いたために、納税者の実際の担税力に適合しない課税が行われて、延いてそれが滞納になつたという面がかなりあるのでございます。これにつきましては納税者のほうから審査の請求も出ておりますので、その審査の請求に基きまして課税の実案をいろいろ調べまして、そうして課税が聞違つておりまする場合にはそれを訂正するという措置を講じておるのでございます。それから課税は間違つていないのでありますが、その当時は所得があつたけれども、その後本人が病気したとか或いは事業が思わしくなくなつて来た、こういつた事情のために止むを得ない事由で滞納になつておるような場合があるのでございます。そういつた場合におきましては、現在国税徴收法の第七條の規定によりまして、一年間徴收猶予をいたしまして、その間に納税者が立直つて納税をし得るような状態になるように分納計画を出させまして、そうして納めてもらうということにいたしておるのでございます。なおそういつた場合におきまして、一年以内にそういう分納計画で納付することができず、むしろその税については納める能力がないというような状態のものもございますが、それらにつきましては国税徴收法によりまする滞納処分の執行の停止或いは執行の猶予という措置によりまして、それぞれ救済を図つておるのでございます。それからそのほかの、当時の課税も間違つていないし、又事業が破綻に瀕して納税が困難であるというわけではないのであるけれども、自分の事業を継続して行くために必要な資金を納税のために奪われるのは困るというわけで滞納しておるというような向きにつきましては、税務署のほうからおいでも願つて、そうして納税について誠実な納付計画を出して頂きまして、その納付計画に従つて納付して頂く、このようにいろいろの手を用いまして、それぞれ納税しやすいように又課税が間違つているものは取消すというような方法で整理いたしておるのでございます。その結果、最近におきましては、相当滞納税額は整理されて参つておるのでございます。ただそういつた整理をやつて行きます過程におきまして、納税者にこれだけの税金の納付計画を出してもらいたいというようなことを税務署のほうから申上げますと、まま税務署のほうから非常にきつい要求を受けたような気をされて、いろいろと不安にかられるという向もあるようでございますが、そういつたことにつきましては、税務官吏のほうで十分懇切丁寧に指導申上げて間違いのないようにいたさせておるのでございますので、そういう点は起らないのではないか。最近におきましてはむしろ税務署の態度が生ぬるい、もう少し課税を十分適正にやつて税金を取立てたほうがいいじやないかというような意見すらあるのでございます。栗山委員のおつしやるほどのことはないと考えております。
#171
○栗山良夫君 これはまあ見方の相違ですが、我々の現地で業者から聞くのは全く深刻なものでありますし、それから新聞によく一家心中の出ることを御覧になれば大体わかると思います。僕はまあその率は非常に少いだろうと思いますが、併しあなたが今非常にたやすく税務署が指導するようにお話になりましたが、これはちよつと実情と違うように私は思うわけです。で、僕はまあ改めて又大臣にも伺いますけれども、この間の各政党の政治献金を見ましても、百万円とか、五十万円とか、大企業が政党に献金しておりますが、あれをとにかく中小企業のほうへ取つて廻してやるならば、五万円の家であるならば二十軒救えますよ、私はそこのところを、大企業のところを一番問題にしているわけです。二十軒救えますよ、某政党が一千四百万円……それだけで今の中小企業の困つておるものを全部、首をくくるような状態に陷つておるのを救つて御覧なさい、相当救えますよ。だから大企業でそういう放漫な経営をやつておるものについては、中小企業と同じ態度を僕はやられるべきだと思います。そういうところを税制課長はどういう工合に始末されようとしているか、その点私は今一つ承わつておきたい。
#172
○政府委員(泉美之松君) 先ず最初に先ほど一家心中のお話がございましたが、これは二十三年及び二十四年当時におきましてかなり新聞面なんかに現われまして騒がれたのでございますが、栗山委員御承知だろうと思いますが、最近におきましてはそういう新聞記事が出ないほど、滑らかに税務行政の執行が行われておるのでございます。その点はよく御認識頂きたいと思うのでございます。それからこの栗山委員のお話でございますと、大企業から政党に相当多額の献金が行われておる、それを中小企業に廻したらいいじやないかというようなお話でございますが、この大企業から政党に献金いたしました金額につきましては、これは別段免税の措置を講じておらないのでございます。法人税を課税しました後の利益から政党に献金いたしましたものをいけないというわけには参らない。又税の課税に当りましてすでにそれは課税済みの所得でございますので、それに更に重ねて課税するということはいたしかねるのでございます。ただお話のように、大企業におきましては所得の把握を正確にするかどうかということによりまして、税收が非常に大きくなつたり、或いは把握が少なければ税收が少いというような点がございます。従いまして税務行政の重点といたしましては、できるだけ税收の多い所から担税力に応じて税金を納めて頂くように調査を十分やつて頂かなければなりません。そういつた場合におきましては、どうしても大企業を中心に調べて行くということになるのはこれは当然でございます。従いまして税務行政におきましても、資本金二百万円以上の法人につきましては調査課を設けまして、非常に優秀な税務官吏を当らせまして特別に調査いたしておるのでございます。従いまして御懸念のような点は相当取計らつておるつもりでございますが、なお御指摘のような点もございますので、今後なお一層そういう方面に努力いたしたい、かように考えております。
#173
○栗山良夫君 それから私質問は明日に讓りますが、この前通産省のほうへお願いいたしました金鉱山の経営状態を実数を以て現わした資料を提出願いたいと申しておきましたが、まだ出ておりませんが、あれを一つ緊急にお願いしたいと思います。それで、これは西田委員も盛んに言つておられたのですが、私自身も実はそれを必要だからお願いしておつたのでありまして、二重価格制の法案審議の上でも勿論必要ですけれども、これにも私は必要だと思つてお願いしておるわけなんです。特にこの全国に産金業者というのは殆んどないはずでありまして、非鉄金属でもいろいろなものが入つています。そこでそういうものを全部からめて、どこの金山はどれだけの收入があつて、どれだけの支出があつて、どれだけの赤字だ、現在の状態でその総額はどれだけか、これは山の数もそうたくさんはないわけでありますから一つ全部お願いしたいと思います。こう言つておいたのであります。
#174
○説明員(岡田秀男君) それは代表的なものを数個選んでもよろしいのですか。全国の全部の金山でございますか。
#175
○栗山良夫君 内容はですね、代表的ないい山、惡い山を数個選んで頂いて、それから総額はわかりましよう。どれだけ赤字が出て、ここに差引きしまして、それは国のほうが仮に金山に補助金を出すとすれば、総額幾らあつたら足りるのかということをつかみたいわけです。それを一つ成るべく早くお願いしたいと思います。
#176
○説明員(岡田秀男君) そういたしますと、金を出しておる山のあれを一応全体を見て山々の内訳を別に作るわけですか。
#177
○栗山良夫君 その金を出しておる山と申しますけれども、一応金が副業であるというような所、そういうものは私は必要はないと思います。例えば別子の銅山というようなものですね、あれは金が主体にはなつていない、あそこはが銅が主体だろうと思います。或いは神岡の鉱山、あそこからは金が出るわけですが、出るけれども金は完全な副産物ですから、そういうものを私は申しておるのではなくて、いわゆる金山という看板をかけて、或いは金が出ますという看板を相当大きくかけておるという意味です。
#178
○委員長(竹中七郎君) 本日はこの程度で散会いたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないと認めます。
 散会いたします。
   午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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