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1951/03/26 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第23号
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1951/03/26 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第23号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第23号
昭和二十七年三月二十六日(水曜日)
   午後一時四十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     竹中 七郎君
   理事
           古池 信三君
           小林 英三君
           結城 安次君
           栗山 良夫君
   委員
           松本  昇君
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           小松 正雄君
           島   清君
           境野 清雄君
           西田 隆男君
 衆議院議員
           神田  博君
  政府委員
   公益事業委員会
   委員     松永安左エ門君
   公益事業委員会
   委員      宮原  清君
   公益事業委員会
   事務総長    松田 太郎君
   公益事業委員会
   経理課長    中川 哲郎君
   経済安定本部産
   業局次長    岩武 照彦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君
  参考人
   電気事業経営者
   会議事務局   福田 勝治君
   電気事業経営者
   会議事務局   清水金次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公益事業令の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (昭和二十七年度電力需給計画に関
 する件)
  ―――――――――――――
○証人喚問に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中七郎君) 只今から通産委員会を開会いたします。
 本日は公報にてお知らせしてありまする通り、公益事業令の一部を改正する法律案と昭和二十七年度電力需給計画とを議題といたします。最初に公益事業令の一部を改正する法律案を議題といたします。本法案に対しましては、二十四日に提案理由の説明を聽取いたしましたが、総括的の御質疑がありましたら先ずお願いいたしたいと思います。
#3
○栗山良夫君 私から提案者であられる神田君に二、三御質問を申上げたいと思いますが、先ず第一は、衆議院における本会議の委員長報告におきまして、今年度末を以て期限到来する公納金の納付期間を延長せんとするものであつて、その期間は各地方公共団体に配電事業が復元せられ、立法措置が講ぜられるまでである、こういう工合に言われておるのであります。併しこの公納金の制度は御承知のように当時の被統合者に対しまして電気事業者が公納金を交付するわけでありますけれども、と同時に法律によりまして法人税を以て相殺をし、軽減をするという措置が講ぜられていたわけであります。只今提案になつております法律案を拜見いたしますと、公納金の期限延長のほうは法律の改正の中にはつきり謳われておるのでございますが、従来ありました法人税を以ちまして相殺、軽減をするという措置については何ら言及をせられていないのであります。この点はどういう工合になつておりますのか、お聞かせを願いたいと思います。
#4
○衆議院議員(神田博君) 只今栗山委員からお尋ねございました公納金の改正の問題でございまするが、お聞き及びのことと思いますが、第一の提案の理由は今お述べになられた通りでありますが、今までの公納金は政府が法人税を以て補つておつた、言い換えれば政府補償であつた、それを今度の改正法にはそのことがないようだが、これはどういう意味か、こういうようなお尋ねのように私承わつたのでありますが、その通りでございまして、特に法人税を免税しなかつたということは、御承知のように所得税のほうでこれは必要な経費として落しておるわけでありまして、法人税のほうで全額政府が補償すれば、それは会社の税負担は零でありまして、今度の改正案によりまして、若干の会社のほうの負担は殖えることと思つております。もともとこの公納金を取つたという趣旨は、昭和十七年の戰争中におきまして、総動員法に基いたいわば強制供出に該当する制度でございまして、戰争が終つたならば返してもらいたい、又十年間の間に戰争の見通しもつくであろうというようなことで、当時国策として配当保証もし、又公納金の政府補償もした。その後戰争の終結によつて配当の保証は御承知のように司令部から差止められて、公納金の関係だけが残つておつたのでありますが、今日これを公共団体がやはり復元を願つておられるようであります。全部願つているかどうかということは別問題でありますが、そこでそれらの立法措置がなされるまで延長して行きたい、こういう趣旨でございます。
#5
○栗山良夫君 そうしますと、只今提案になつております法律の改正によりましては、法人税の軽減措置は考えていない、こういうお話でありましたが、それは提案者はあらかじめ従来の権利義務と申しますか、電気事業者の負うべき義務それから権利、その二つを共に延長するような工合に、言い換えるならば、公納金の納付の期限を延長すると同時に、それを法人税のほうも又軽減の措置を引続いてとるというような工合に努力をせられたのか、提案者としてはもう初めからさようなことは努力せられないで、公納金の交付期限の延長だけを考えられたのか、この点を明らかにして頂きたい。
#6
○衆議院議員(神田博君) お答えいたします。初めはそのまま延ばしてもいいんじやないかという考えであつたのでありますが、大蔵当局からこういうようなことは戰時中の異例中の異例で、これだけが一つ残つておつたのだ、いつかはとりたいということだつたというその御要望がございまして筋が立つておる、こういうふうに考えましてとつたわけであります。
#7
○栗山良夫君 戰時中の異例であるということでありまするならば、神田君が先ほど述べられた総動員法云々以下のこと、全部これは異例であろうと私は思うわけであります。従つて今日は細部に亘つての議論は私申上げません。申上げませんが、公共団体のほうからは公納金に関する陳情書といたしまして、先ほど神田君が述べられたようなことが細かく約四頁に亘つて陳情せられておるのであります。又電気事業者のほうからもその立場を以て陳情をせられております。併しこの両者の中で私は純法律問題として、立法府である国会の権威において明らかにしなければならん重要な点が一点あろうかと思うのであります。それはこの公納金の性格でありまして、公益事業委員会の監理課が出しておりまする公納金制度についてという意見のうちにも、例えて申しますと、この公納金の性格について、「被統合者としては出資又は讓渡の対価決定上、従来利益が反映されており、且つ実質的に決済が完了した以上は、補償等の問題は何等残るべき余地はないのである。」というようなことを述べ、又「公共団体の財政上の問題の解決策として従来における利益を公納金の形式で配電会社をして保証させたのである。しかしながら配電会社としては、かかる負担を自ら負うべき根拠もなければ又余裕もないので令第三十四條第二項において支拂つた金額については所得に対する法人税で軽減を受けさせ実質的に国家が補償することにしたのである。」、こういう工合に最近のものに述べておるのであります。又話は古いのでありますが、この公納金の交付金に関する制度ができました当時、昭和十八年の五月二十九日でありますが、当時の逓信省電気局の会議室におきまして電気局の係官並びに利害関係人が出席いたしました所で、公納金に対する説明が行われておりますが、その説明の中にも、これは速記の抜萃でありますが、読み上げますと、「総合の対価を支拂つた以上被統合者と配電株式会社の間に決済は完了するのであるから、後に補償等の関係は残るべき余地はないのである。」「配電会社としては斯る負担を自から負うべき財政的余裕もなければ理論的根拠もないことは上述の通りである。従つてその支拂つた金額については所得に対する法人税で軽減を受けさせ、実質的には支拂つた公納金及び交付金は国家が補償して配電会社には之が為に特別の負担をかけないこととなつたのである。」、こういう工合にも述べております。そうして又一部分には国家が補償する建前であつて、政策的に決定された問題で、配電株式会社に義務を課するという建前では到底説明のできない性格のものである、こういう工合に言つておるのであります。この古い当時の資料、或いは最近公益事業委員会の出しました資料或いは電気事業者が出ました資料等は、只今申上げました通りでありますが、更に公共団体のほうといたしましては、電気事業者とか公益事業委員会、或いは当時の電力局でありますか、そこがさようなことを言つておるけれども、十年間たてば統合の目的も失われ、再び元の姿において地方公共団体が当該事業の経営ができるのであろうという期待があつたことと考えられるが、それが実現せられない今日、未だ出資又は讓渡に基く財政負担を負つておる地方公共団体に対し、公納金制度を存続して行く必要は当然のことであると、こういう工合に述べておるわけであります。意見が対立をいたしております。併し先ほども申上げました通り、その意見の対立の中には、公納金を義務付けると同時に、法人税で軽減をいたすという一つの権利、義務が設定をせられておりましてそのうちの権利だけがなくなつて、義務だけが課せられるということは、電気事業者がその陳情において指摘しておりまするように、憲法第二十九條による財産権の侵害の疑いがある、こういうことを言つておりますが、そういうような点が若しありといたしますならば、私は立法の府といたしまして十分にその疑いを明らかにいたしまして、そうして全然疑いのない形においてこの問題を処理しなければならんと考えるわけであります。そこで私は動議を提出いたしたいと思います。この法律案の審議に当りましては、先ほど神田君が言われました通りに、私が一番最初に指摘した公納金は政府の補償ではない、政府の行うべき補償ではない、全くその通りである、こう、いう工合に言われたのでありますが、そういうような点から類推いたしまして、愼重にこの委員会で審議をいたしまして、少くとも憲法を中心にした法律上の手続において、いささかでも疑惑を残さないところの態勢をとらなければならんと思うわけであります。私は電気事業者が負担が重くなるとか、軽くなるとか、そういうことを問題にしておるわけではありません。若しこれが電気事業者の当然の負担であるということでありまするならば、これは電力原価の中に当然織込まれるべきものであります。それで消費者がこれを負担すればいいわけであります。従つてさようなことを申しておるわけではございません。そこでこの問題の審議をいたします順序の問題でありまするが、私は先ず最初に、当委員会におきまして証人の喚問を是非ともお願いしたいと思うわけであります。それは昭和十七年、十八年当時、この配電統制会によりまして配電統合を実施せられました、総動員法に基いて実施をせられました当時の直接関係者、これは当時の逓信省の人を指すわけであります。それを是非とも呼んで、当時の事情を、立法の精神を明らかにして頂きたい。それから更に利害関係人、これは地方公共団体の代表、電気事業者の代表、それから大蔵当局、公益事業委員会等の代表を証人として喚問いたしたい。更にこれは憲法問題にも波及する問題でありまするから、学識経験者として、こういうような補償の問題に関する権威者、或いは法人の合併、統合等の取扱に対しましての権威者、或いは商法、民法等の権威者等を是非とも緊急に招致せられまして、そうしてそういうような権威者の意見を十分に参酌いたしまして、そうして我々はこの法律案の審議に遺憾なきを期して参りたい、こう考えるわけであります。その証人の個人的な指名につきましては、委員長に御一任をいたしたいと私は考えるのでありますが、一応選ばれました際には、理事会を開かれまして、そうして理事会に御相談をせられて、そうして御決定を頂きたい、こう考えるわけであります。以上動議を提出いたす次第であります。
#8
○委員長(竹中七郎君) 只今の栗山君の動議に対しまして御意見ありますか。
#9
○小林英三君 ちよつとその前に、議事進行について発言をしたいのでありますが、先ほど委員会を開会する前に、理事と委員長打合会があつた。私はちよつと遅れて来ましたが、そのときに、公納金に関する公益事業令の一部を改正する法律案の取扱につきまして、林專門員から、三月三十一日を以て時間切れにならないという法制局の御意見であるという発言があつた、だろうという発言があつた。だろうか本当かということを突つ込んだら、これは本当にそうです、こういう発言であつた。それで理事の中の栗山君からも、この問題は十分に愼重審議をしたいから、急いでやることはない、こういうような御発言があつたように思う。私はだろうかどうかということを言つたら、だろうじやない。こういうことで、それじやそれだけの余裕が十分あるなら、これは愼重に審議するのがよかろう。併し若し時間切れであるならば、これを採択するかどうかは、これは委員会の意思であるから自由でありますが、これはとにかく委員会としては、時間切れになるから早く審議するのが適当である、こういう考え方で突つ込んで聞いたのですけれども、時間切れにならんというお話があつた。先ほど提案者の神田君から聞くと、確かに時間切れになる。時間切れになるなら、早く審議をしなければならん、そういう意味におきまして、委員長、もう一遍法制局を呼んで、この問題についてはつきりして頂きたい。それによつて先ほど理事会で決定したことが違つて来る。これを議事進行上申上げておきます。それによつて又違つて来ると思います。
#10
○栗山良夫君 只今小林君のおつしやつたことは御尤もだと思います。ただ三月三十一日までに審議を盡すか盡さないかということの、時間的な問題をおつしやつたわけでありますが、私の動議はそういう時間的なことに触れておりません、明日から証人を喚問せられまして、三十一日までに盡されても結構であります。そこで私の動議は動議でありますから、お取上げ願つてそうして御決定願いたいと、こう思います。
#11
○委員長(竹中七郎君) 只今の栗山君の動議に対しまして、小林君からもちよつと取扱に対する御意見があつたのであります。如何取計らいましよう。動議の通りでよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(竹中七郎君) それならば、小林さんのほうの問題も、法制局と委員長におきまして、よく打合せて……。
#13
○小林英三君 ここへ呼んで頂きた
い。
#14
○委員長(竹中七郎君) それも取上げまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○栗山良夫君 私は動議を出して、愼重審議をしたいというのですが、これは今皆さんの御賛成を得ているのでありますが、仮に三月三十一日までに審議を盡すべきだと決定しても、私の提出いたしました動議は、最小限度愼重審議するものとして是非ともやらなければならん、こういうことを申上げたのであつて、その点は一つ誤解のないようにお願いしたいと思います。ですから私の動議はお取上げになつて、御決定願つておいて、それからあとで、今小林君が御心配になつたような点があれば、これは法制局の意見を十分お聞きになることは結構だと思います。そういう順序でお願いしたい。
#16
○委員長(竹中七郎君) 先ず第一に、栗山君の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めます。さよう取計らいます。
 次に、小林君の御提案の、法制局を呼ぶことにつきまして、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(竹中七郎君) ではさよう取計らいます。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて下さい。質疑をお願いいたします。
#20
○西田隆男君 今小林君の憲法第二十九條の問題が出たのですが、神田君に聞きますが、衆議院の委員会では憲法第二十九條に関連している問題は検討されたかどうか。
#21
○衆議院議員(神田博君) 只今御質疑のございました憲法違反の問題は、衆議院の法制局においては御心配ないということで進んでおりますから、御了承願いたいと思います。
#22
○西田隆男君 これはまあ衆議院の通産委員会の進み方ですが、参議院では今言つたような愼重な態度をとりたいと考えておるのですが、衆議院では証人とか参考人とかを呼ばれて、両方の意見を通産委員会で聞かれたことがございますか。
#23
○衆議院議員(神田博君) そういうような手続はとりませんでしたが、この機会でございまするから議員立法いたしました理由を簡単に一つ申上げまして御参考に供したいと思います。この公納金の期限が参りますに連れまして、切れますれば地方財政に相当な影響を及ぼすと、こういうことでございまして、政府側におきましてもこの延長につきまして御熱心に御検討なされたことでございます。特にこの問題につきましては、地方財政を担当いたしておりまする地方財政委員会、更に一方電気事業を担当いたしております公益事業委員会、それから税の関係から大蔵省と、この三者が十分練つたのでありまするが、この三者の意見が一致をしなかつた。そこでどこが一致しなかつたと言いますと、公益事業委員会におきましては、今までのような方法で期限を延長するというならばこれは一つ延長してもよろしい、こういうような説明を承わつております。然るに大蔵省におきましては、もともとこの戰時立法に無理があるのだと、そこで戰争を終つてすぐ、これは復元の措置を希望しておるのだから、するべきものは……御承知のように電力会社は集中排除法に引掛つたが、これは復元ができなかつた。その復元ができなかつたのが、御承知のようにポツダム政令によつて再編成をさせられた。それが今日になつておる状態でありまして、復元をさせるという状態に、戰争後ずつと今日までその段階に到達しておらない。そこでそういうような状態であるから、やがてそれは復元を希望するものには返すべきものでないか。財産を取つておいて、公納金を十年も先に政府に拂へということは、大蔵省としては納得いかん、こういう説明であります。もともと当時の総動員法によりまして、御承知のように戰時立法で他人の財産権を取りましたものは、戰後殆んど返しておる。恐らく返つてないのは電気事業だけであると思います。電気事業の返らなかつたことは、今申上げましたように、占領管理下に置かれまして分断を禁止された、集中排除を受けてポツダム政令によつて再編成が行われた。そういうような関係によつて復元できなかつた、そういうような関係もございますので、大蔵省としてはあるべき姿に、希望によつて、これはやるべきものではないか、そのほうをやらずにおいて、なお且つ今後政府に依存するということは、大蔵省としては納得できない、殊に所得税の関係においては、必要な経費として引くのだから、成るほど全額は引かんかも知らんが、半分以上引いておるのだから、若干のことは電気会社で持つのは当り前じやないか、こういうような関係で政府部内がまとまらなかつたわけであります。然るに期限はまあ地方財政委員会のほうからも要望があり、政府の次官会議におきましても、このまま放置できないというようなことで、結局政府と公益事業委員会との意見が合わなかつたということが、これが根本の原因になりまして、議員立法したのであります。而もこの議員立法は、自由党だけの議員立法だけでなくて、通産委員会におきまして、改進党、それから日本社会党の三党の共同提案でありまして、この共同提案に対しましては、社会党の左派と申しましようか、第二十三室と申しましようか、それから日本共産党も挙げてこの案には賛成された。この日本共産党と社会党左派は、共同提案はお断りするが、その案自体については、もうすでに数年来からの懸案になつていることだから、当然の措置だと思いますから、案には賛成する、ただ共同提案はお断りすると、こういうようないきさつで議員立法されたわけであります。御参考までに申上げておきます。
#24
○結城安次君 ちよつと提案者にお伺いするのですが、大体この民間の鉄道その他に対するこういう補助金は五年、それから公共団体に対しては十年ということをきめた原因、理由は御承知でございますか。
#25
○衆議院議員(神田博君) 私当時のことは関係しておりませんから詳しくは承知いたしておりません。ただ公共事業の、この電気事業につきましては、公共団体が非常に反対をされた、而もこの代価は、好まないところの株式を以て強制交付のような措置をとられた、御承知のように財産を出して株式を交付されたという例は恐らくこのことだけだろうと私は思つております。株式は任意に持つべきものだ、然るにこの電気事業については株式を強制的に持たせられて、而も譲渡を禁止せられた、而もその半面六分の補償の配当を政府がした、更に当時の地方財政に非常に貢献しておつたという事情がありますので、その益金を九五%十カ年間政府が一つ補償してやろうと、戰争の終つたときには。ただどういう形で終るか十年というものは相当長い期間だから、その間に何とかなるだろうということを説明され納得させて、無理に行なつた。それが今日まあこういうふうになつておると私ども承知しております。
#26
○結城安次君 只今の御説明によると戰争中というようなお言葉がありましたが、この配電統制令及び電気管理令ですか、これは戰時中に限る、限定するというお考えでありますか。
#27
○衆議院議員(神田博君) 総動員法が出て、準戰時態勢以降のものはこういうような考えを私ども持つております
#28
○結城安次君 私の記憶するところでは、電気事業の権益、その電源、つまり日発に併合されるものは、日発に対する国の補償がある、配当保証がある、それだけの配当は確保できるからこれには補償しない、併し配電会社に行つたものに対しては国の配電会社に対する補償がないから、若しかの場合には配電会社から足りんところは出さなきやならないというように言つた、これはもう古いことですからはつきり覚えておりませんが、何かそういう気かするのであります。それで当時目先、配電等に出資した民間の会社のものは全部何らあとの補償はありません。ただ電鉄会社とか、まだほかにもあつたかと思いますが、民間企業、これには五年間の確か補償はあつたと記憶します。それから公共団体が十年、ところが民間のほうはすでに五年たつてしまつた。これには何ら補償がない。公共団体だけ特に特別の扱いをするという理由がどこにあるかと思うのであります。殊にこれがただ現状のまま維持するのだ、国が配当のなかつた場合に補償するのだというならばそれはわかりますが、今度国はやらない。会社にたしか出させるのだと思いますが、全部そういうことが勝手に、一方的に何の法律を何年延期する、而も無期限に復元までと、復元ということは、これはできるかできんか、この国民の総意によることですが、私はアンビギユアスなものだと思う。若しこの復元ということが可能ならば、去年、一昨年から盛んに騒がれて、今年はもう諦めたようですが、私鉄の買上げに対する復元問題、これもむずかしいだろうということで今年は手紙が来ておりますが、もうあらゆる戰時中の施策に対して、復元はむずかしいのじやないかと思うから、我々はこの運動はやめますという手紙をあの期成同盟ですか、もらつておりますが、特に公共団体だけこの際やらなくちやならんというのは、地方財政の窮乏はわかつております。それを電力会社にだけ持たせるという何か根拠はございますですか。
#29
○衆議院議員(神田博君) 只今結城委員のお尋ねでございますが、どうなんでしようか、この復元の問題は、只今提案になつております法律條文をよく御覧になつて頂きますればおわかりになりますように、復元させるとは書いてない。復元に関する立法措置を講じよう、その場合に復元を希望したものに復元させようという含みは持つておりますが、必ずしもその全部復元させるとは書いてない。復元に関する立法措置が講ぜられるまで公納金は一つ負担せい、譲渡を受けたいわゆる公共団体の財産を引継いだ会社が抑えというふうに書いておるわけであります。それからもう一つ、今復元の問題が出ましたから申上げたいと思いますが、この公共団体の復元と、それから当時電力を原料として使つておる会社の電力が強制接収されたこの発電所等については、政府も閣議によつてこれを返すということをきめているはずであります。それから政府は閣議によつて一応きめております。稻垣通産大臣の際に閣議できめております。それからもう一つは、公共団体の請願、それから関係会社等の請願等がございまして、これは両院をしばしば通過しております。そういうことを考えましても、これは今結城さんのお尋ねのことは、少し私どもの考えと違つているのではないか。ただ御承知のようにポツダム政令が出ましたものですから、それらが途中で皆一応ストツプになつた、こういう形なんです。ポツダム政令が出る前には、再編成の際にそういうことをやるということは、吉田内閣も閣議できめておりましたし、両院も請願が通過しております。どの程度するかということは具体的にきまつておりませんでございましたが、希望の者に対しては公益に反しない限り返してやるということは閣議でもきまり、それから両院の、請願も可決になつておるようなわけでありまして私どもその趣旨を体してやつておるわけであります。
#30
○結城安次君 只今の神田さんの御説明でよくわかりますが、この電力企業の復元の閣議決定ということですが、それならばなぜ政府は早く提案せんか、ということが一つ、それから請願で両院を通つたということならば、これは無論通つていますが、鉄道も通つております、通つたものはたくさんあるんですな、それにこれだけが特に取上げられて、而も一方電力会社だけの負担で行くというその私は根拠がよくわからん。
#31
○衆議院議員(神田博君) 只今電力のほうをお持込みになつたんでありまして、他のほうは又別の機会にお尋ねになつて頂きたいと思います。
#32
○島清君 神田さんにちよつとお聞きしますが、昭和七年から二十六年度までに大体公納金が一億八千万円程度のようでございますが、何か地財委側のほうの要求を、というから、私資料に基きますと、七十九億の地財委側の要求がありまして、仄聞するところによりますと、提案者側におかれましては大体この線も肯定されたやに聞いておりまするし、後日この法案と地財委側の増額要求に対しては日の目を見るであろうというようなことを言われておりまするが、この問題の関係はどういうふうになつておるんですか。
#33
○衆議院議員(神田博君) 島委員にお答えいたしますが、現在まで支拂いました公納金の額につきましては、一億八千四百万余になつております。お尋ねの通りでございます。なお今日までの間御承知のように非常に経済界の変動がございまして、物価にスライドしてもらいたい、こういうような御意見がございまして、その額が小さいほうの町村はまだ計算されておりませんようですが、十二都市でございます、それに四県の分を加えますると、今お話がございましたように約八十億弱というような金額に相成つております。この法案を提出するに当りまして、スライドの問題も解決するかどうかということにつきまして、非常に私どものほうにも議論がございました。多くはこのスライド制もこの際に一挙に解決して、地方公共団体の多年の念願をかなえてやつたらどうかということでございましたが、私ども提案者といたしまして、期日もございませんので、そこまで入りますと三月三十一日に切れまする公納金の態勢に非常に支障になるのではないかと考えまして、今回はここのスライド制を一応外しまして、期限の延長を現状のままにする、こういうような考えで提案いたしております。
#34
○島清君 そうすると今神田君の御答弁の趣旨から見ますると、一応は期限の延長を努力されまして、その次にはこの地財委側のほうの妥当性に基いて適当な時期においてはこの問題も増額の件もお取上げになりたい、こういう趣旨に御了解してよろしうございますか。
#35
○衆議院議員(神田博君) 大体そのように御了承願つて結構だと思います。ただ額の算定等は、私どもこれはもうのぞいたままでございまして、生のままになつておりますので、どういう基準でどうするかという具体案は考えてございませんが、これは個人の意見に相成ろうかと思いますが、将来これらの問題も解決して上げなければ地方財政というものはやはり立つて行かないのじやないか、地方財政委員会の意見をこのまま、大ざつぱな気持としては何とかして協力してやりたい、こういうように考えております。
#36
○委員長(竹中七郎君) では先ほど小林委員からの御請求の、参議院の法制局長奥野君並びに第三部長第一課長、村田君が来ておられますから小林君からもう一度質問を願いたいと思います。
#37
○小林英三君 先ほど委員会の始まります前に、委員長理事打合会をやりまして、いろいろこの通産委員会における議案の運営の問題について、取扱の問題について協議いたしましたそのときに、この公益事業令の一部を改正する法律案に対するこの時間切れの問題について、林專門員から法制局のほうの意見として三月三十一日までにこの案が仮に上らなくても時間切れにならんという法制局の御意見だとそれならばこの問題は何も急いでやることはない、こういうことで大体まとまつたのでありますが、併し提案者の御意見を聞きますと、時間切れになる、こういうことでありましたので、もう一遍法制局側のはつきりした御意見を拜聴して、それが時間切れにならんならば、この採択の如何は別問題としまして、できるだけ早くこれを審議するということが委員会として親切ではないか、こういうつもりで質問いたします。
#38
○法制局長(奧野健一君) 結論から申上げますと、只今小林さんの言われた通りと考えます。と申しますのは、公益事業令の附則で以て、電気事業法の一部を改正する法律案の附則第九項という規定はなおその効力を有するということにされておりますので、その形で現在効力を持つているわけであります。ただその附則九項の内容になつている配電統制令第三十四條というものがそのうちに引用されておりまして、その三十四條の中におきまして、十年の期間を越えざる期間云々ということになつて、その十年の期間が三月三十一日に切れるということでありますので、その内容といたしましては、一応十年たちますと、その規定の実行と言いますか、その内容の実現ということは十年を経過することによつてできなくなりますが、その全体の附則九項というものは依然として生きているわけであります。ただ九項に盛られている内容が十年を経過すれば、そこに三十四條にある規定の実規ができないという状態のまま九項自身はなお効力があるという状態であります。そこでその後といえども、生きている九項のうちの内容の十年というのを延長するというようなことであれば、少くともそれからあとはやはり実現ができて行くのではないか。ただ三月三十一日と、それから今度改正されるものとの間に或るギヤツプができる。このギヤツプといえども、或いは遡及的に効力を持たすこともできないことはないと考えますが、そのままであれば改正された法律の施行をされるのと、三月三十一日との間に多少のギヤツプができまするが、いずれにいたしましても、九項というものが形式的に残つているのでありますから、その内容を変更するということ戰によつて、その実現ができるものと考えます。
#39
○小林英三君 そうすると、奥野法制局長の御意見としては、九項が残るから、三月三十一日が切れて、その後ギヤツプを置いて、これが仮に可決されたとしても、取扱上に対しては何らの齟齬は来たさない、こういう御意見ですか。
#40
○法制局長(奧野健一君) そのギヤツプのある間だけはギヤツプがあります。尤もそれを遡及効を持たすこともできようかと思います。そういたしますと、何ら支障なく継続して行けるんじやないかと思います。
#41
○島清君 今奥野局長の御答弁はそうでなかろうかと思いますというあやふやな御答弁でございまするが、そうでないというあなたの見解を否定するような理論も成り立つということがあなたのほうにおかれまして予想できますか。
#42
○法制局長(奧野健一君) ちよつと予想できないと思います。
#43
○委員長(竹中七郎君) では次に御質問願います。
#44
○栗山良夫君 私はまだこの案件について賛成とか、反対とか申上げていないのでありますが、ただ法律的に将来国会の権威を傷つけるようなことがあつてはならんので、愼重に審議をしたいという一念から出ているわけであります。そこで先ほど提案者が言われた財産権の問題でありますけれども、これは衆議院の法制局の意見を聞くと、憲法違反にはならんというふうに言つている、こういうことでありましたが、提案者御自身はどうお考えになつているか、お伺いいたしたいと思うわけでありますというのは、先ほどから繰返して申上げておりますように、あなた自身も、これは公納金の性格は政府が補償すべきもであつたということは私どもと同意見であるように述べられたわけでありますが、従つて、そういうようなものがありましても、従来公納金の、その結果は別といたしましても、今度は公納金だけが残りまして、処理して来たけでありますが、公納金の軽減、即ち国家補償というものが打切られるということになりますと、憲法の二十九條には「財産権は、これを侵してはならない。」ということ、それから二十九條の第三項には「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。」、こういうことがあります。「正当な補償の下に、」……補償を何ら行わないでそういうことがどうしてできるのか、余りにも議論の飛躍ではないかと私は考えるわけであります。そこでその点を一つ是非明らかにして頂きたいと思います。又いずれ証言等によつて明らかになると思いますが、ここが一番この法案のポイントであろうと私は考えます。若しそういうことが明らかになつて、憲法違反でも法律違反でもないということであれば、如何に経済界の変動によつてスライドして多額になりましようとも、国家においてそういう金は負担すべきであるということになれば、当然それは跳返つて電気料金の値上げということになり、そうして大衆がこれを負担しなければならんということになるわけであります。そこまでもお考えになつておるかどうかということが第一点、それから第二点の質問は、先ほど総動員法に基くいろいろな矛盾の一つのこれは落し子であるということをおつしやつたのでありますが、殆んど全部復元ができておる、こう言われましたが、復元は日通、私鉄を初め、まだできていないのがたくさんあります。そうしてなお且つ同じ電気事業の中でも、私鉄、それから私鉄で持つていた電気事業、一般法人の持つておつた電気事業、当分何ら復元の見込もないそういうようなものは、あなたが先ほど述べられたことと大分事実が違うように私は思うのでありますが、自由党として将来、そういつたような総動員法、これはフアツシヨ法である、従つてこれの犯した過ちは全部復元するのである、こういうような大方針の下に施策をせられるのか、この点も伺つて置きたい。
#45
○衆議院議員(神田博君) 栗山委員の質問にお答えいたします。先ず第一点の、この改正案は憲法に違反すると思わないかといようなお尋ねでございました。これは先ほど来お答え申上げておりますように、又この改正法律案を提案いたしました理由書にも述べておりますように、沿革のあるとこでありまして、突如として公納金が生まれて来たわけじやないのでありまして、もともと地方公共団体が事業に専念して財産権として利益を挙げておつた、それを戰争完遂上政府が必要だというので強制取上げをいたしたことと関連すると私は考えております。それらの関係が今日までずつと持続しておる、そういうことを先ず一つ根拠に置かなければならんのじやないかと思います。因縁も関係もないものを突如として負担を命ずることは、お述べになりましたような憲法第二十九條の私有財産に対するそれは憲法違反と断ぜざるを得ないでありましようが、この問題につきましては、交付金の問題につきましては、その根本にもうすでに無理があつて、そうしてその当時からずつと今日に及んでおる。十年の一応のめども立てて、その間に何らかの施策をせなければならなかつたものがなされないで残つておる、私はそこに一つの重要なポイントがあると思う。これはおのおの解釈も違うことでありまするから、御議論は別といたしまして、私どもそういう観点に立ちまして、憲法違反ではない、衆議院の法制局の意見といたしましても、そういう根拠のあるものであるから、これはもう憲法違反ではない、こういうふうに申上げておるわけであります。それからもう一つ、あとでお尋ねでございました総動員法で取上げたものに日通もあれば私鉄もある、その他あるように思われるが、これらもみんな返しておるかどうかというお尋ねで、ございましたが、私ども、日通なり私鉄なりにどうしようということの私は今構想を持つておりません。日通も併し分割をされておつても、大分あるように承知いたしております。大体戰時立法したものは、常態になるならば元に戻してやるということは親心であつて、我々国会としては当然やることではないか、少くとも私ども衆議院においてはそういうような観点で満場一致可決してこちらの御審議を願つておると、こういうように御承知を願いたいと思います。
#46
○栗山良夫君 私の質問いたしました第一点は、総動員法で誤りがあつたらば直していけないと言つているのではないのであります。直すのはそれでよろしいでしよう。ただ直す場合にあなたの今言われておるように、これは国が取上げた、国が補償する、公納金も長くやつておつた、国で補償して来た。国が補償して来たにもかかわらず、今度それを直すのに、義務者でない電気事業者の負担においてやるということが私有財産の侵害になりやしないかと、こういうことを申上げているんですよ。若しおやりになるならば、それは国がおやりになる、国が法人税の軽減なりその他のことでおやりになる、そうすれば電気料金に跳返りにならないわけです。もつと広く国民が負担をすることになる、そういう工合におやりになるのが妥当ではないか、こういうことを申上げておるので、質問をちよつと取違えられたようだからもう一度お尋ねいたします。
#47
○衆議院議員(神田博君) 取違えたとは思つておりませんが、先ほどお答えした通りでございまして、沿革もあることでありまするし、それから十年後の今日誰が受益しておるか、国が受益しておるか、電力会社が受益しておるかと、こういうようなことも大きな問題だと思います。更に又一般大衆の負担になるというお言葉もございましたが、これは今お手許に御審議願つております年額にいたしましては僅かの額でありまして、企業合理化等によつても十分捻出できる額でありまして、これらによつて電気料金を上げなければならんというようなことは私ども想像いたしておりません。
#48
○栗山良夫君 私質問は保留いたして置きます。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(竹中七郎君) では、この問題は本日はこれで打切りまして、次の議題に移ります。昭和二十七年度電力需給計画の調査に移ります。途中に質問打切りがありましたから、御質問を続けて頂きたいと思います。ちよつと委員各位に申上げますが、松永委員長代理さんはお風邪を召しておりますから、先ず第一に松永君に対する御質問をお願いいたしまして、それから事務総長、その他が出ておられますから、その方に御質問願いたいと思います。
#50
○栗山良夫君 私、前回お話しました資料が全部届いておるかどうか、ちよつと御説明願いたいと思います。松永委員長代理に質問する前に、今日御提出になつた資料をちよつと御説明願いたいと思います。
#51
○参考人(福田勝次君) 先日の当委員会で資料を要求されました二つの事項、二十六年度の実績と二十七年度との想定比較、これについて資料をナンバー一とナンバー二二つの資料を差上げてあります。それからもう一つは、個別原価計算と改訂料金收入との比較というのを一枚、それからそれの比較図表の一枚、これだけ差上げております。私らのほうとして出す資料はその二つであります。先ず第一に、二十六年度の実績と二十七年度の想定比較につきまして……。標準電力量及び追加電力量予想実績比較その三部であります。先ず第一に、二十六年度の実績と二十七年度の予想比較を簡単に御説明申し上げます。第一にナンバー一でありますが、ナンバー一の所には供給力の比較が出ております。一番上の欄が可能発電電力量でありまして、実績と予想と、その増加或いは減少が全国の各社ごとに出ておりまして、全国集計が一番右の欄に出ております。これで見て頂きますと、発電力は二十七年度想定は二十六年度の実績予想に比べまして、二億三千五百万キロワツト・アワーほど減つております。これは二十六年度が多少豊水であつた影響であります。それからその下に利用率と停止率と余剰率とこの三つのものの比較がここに出ております。ずつと右の方に全国平均値が出ております。利用率で申上げますというと、実績では九四・三でありますが、想定では九三・二で、多少一・一だけ少くなつております。こういう比較になつております。それから停止率、余剰率はおのおのその通りであります。従つてそれから流れ込む発電力で申しますと、全国集計では、予想が実績に比較いたしまして五億八千八百万キロワツト・アワーほど減つておるようなことに相成ります。それから貯水式の発電電力量でも同じく一億八千七百万ほど日本全国では減つております。従つて水力の計では七億七千五百万キロワツト・アワーほど減つております。ここにこの集計も少し問題がありますが、三角の印が抜けております。七億七千五百万が三角印が落ちております。それから他社受電がやはり一億五百万キロワツト・アワーほど減つております。それから委託火力が全国で七千七百万、これは殖えております。それから自社計の火力発電力量におきましては、十三億二千百万キロワツト・アワーほど殖えております。即ち実績に比べまして非常に火力発電量が多くなつたということであります。以上発電力、合計いたしまして五億一千七百万キロワツト・アワーほど殖えた、これは火力で以て殖えたのだ、こういうことに相成つております。それからその下に地帶間融通が出ておりまして、その下に損失電力量が出ております。この損失電力量二十七年度予想は、二一十六年度実績に比べまして四億九千八百万キロワツト・アワーほど殖えております。従いまして一番最後の欄に出ておりますように、需用端の供給力におきましては、合計で十億二千万キロワツト・アワーほど殖えておる、こういうことであります。即ち発電力において五億一千七百万キロワツト・アワーほど殖え、電力損失において四億九千八百万キロワツトアワーほど殖え、合計で十億二千万キロワツト・アワーほど殖えておる、こういう結果に相成つております。この十億二千万キロワツト・アワーがどこへどう流れたかということは次の頁に出ております。やはりずつと右の全国計の数字を見て頂きたいのであります。進駐軍需用といたしましては、二十七年度想定は、二十六年度の実績に比べまして、極く僅かでありますが、四百万キロワツト・アワーほど殖えております。それから定額電燈は減つております。これは従量が足りておりまして、だんだん従量が足りるために定額が減つております。減つたトータルのキロワツト・アワーは三億五千百万キロワツト・アワーほどであります。従量電燈が四億一千百万キロワツト・アワー殖えております。大口電燈が八千四百万キロワツト・アワー殖えておる。臨時電燈は百八十万ほど減つております。従つて電燈計におきましては、約一億四千二百万キロワツトアワーほど電燈計では実績に比べて殖えておる、こういうことに相成ります、それから業務用では三千三百万殖えております。小口動力におきましては三千八百万減つております。大口(甲)におきましては六千二万減つております。大口(乙)では極く僅かでありますが二千四百万殖えております。大口(丙)におきましては、ここにあります通り、全国で十億一千八百万キロワツト・アワーほど殖えておる、こういうことに相成ります。それから特殊電力におきましては一億五千九百万減つております。その他において六千四百万殖えております。電力計において八億八千二百万殖えておる、こういうことでありまして、結局電力においで八億八千二百万キロワツト・アワー殖え、電燈において一億四千万殖え、進駐軍において四百万キロワツト・アワー殖え、この合計が先ほど申上げました十億二千万キロワツトアワーに相成る、こういうことでありまして、結局十億の電力の大部分は大口のほうに行つておるというようなふうに相成つております。以上がどこで殖えて、殖えた電力がどこへ流れたかという大体の全国の数字であります。
 それからその次に、二番目に標準電力量及び追加電力量予想実績比較表というのがございます。これは、二十六年度想定と書いておりますのは、これは最初の計画の青本の数でありまして、現行料金算定の時に使つた予想であります。その次に一月―十二月の実績を書いておりますのが、それがこの期間の一年間の実績であります。二十七年度想定が今回料金修正に使いました電力量であります。で、想定の標準と、追加と、合計と出ておりますが、そのおのおのの内訳は見て頂きますとわかりますので、合計欄につきまして少しお話申上げます。合計欄で今回の二十七年度想定が、二十六年度の最初の予想に比べましてどういうことになつておるかということは、その最後の合計欄の、ずつと左の、合計欄三段ありますが、この一番左の行を見て頂きますと出ておりますが、二十七年度想定いたしましたものに比べまして八九%に減るということに相成ります。従量電灯は一一〇%で多少殖えております。それから大口電灯は一〇六%、臨時電灯は一一七%、電灯計におきまして一〇一%という数であります。即ち二十七年度想定は、二十六年度想定とほぼ同じくらいであるということでありまして、実績で見て頂きますと、その右の欄にありますように一〇三%、実績に比べては三%、想定に比べまして二十七年度想定は一%の増ということに相成ります。それから電力でありますが、電力はその下の方にずつと書いてありますが、やはり二十六年度想定と比較したパーセンテージが、そこを御覧願いたいと思いますが、業務用電力は九七%、小口電力は一〇七%、大口電力は一〇二%、大口(乙)は九六%、この大口乙はやはり大口丙に相当変つておりますので大口(乙)が九六%に減つております。それから大口(丙)が一一八%、結局大口丙が非常に二十七年度想定は二十六年度想定に比べて伸びておるということであります。それから小計におきましては一一〇%、つまり電力小計におきまして一一〇%ということになつております。で、その下に特殊電力が三四二%、その他が一二八%、電力計において一一一%、結局電力計におきましては一一一%ということに相成つておるのであります。合計におきましては一〇九%ということに相成ります。それで、その一つ手前の追加率の所をちよつと御覧願いますと、従量電灯の追加率は、二十七年度想定は二十六年度想定に比べまして一〇九%であります。実績が一一〇%ということでありまして、大体実績と同じ程度の追加率が二十七年度従量電灯については考えられております。それからその下の方を御覧願いますと、大口(丙)におきましては追加率は、二十七年度想定は二十六年度の実績に比べましては下つておるのであります。却つて少いのであります。併し二十六年度想定に比べますればかなり大きなものになつております。即ち大口丙につきましては二十六年度想定に比べたらかなり追加率をたくさんに取つて頂くような配分にはなつておりますが、二十六年度の実績に比べますればそうでもないんだと、こういうことでありまして、結局大口(丙)につきましては、そう追加率をたくさんに、非常に必ずしも多く頂くという想定にはなつてないと、こういうことを示しておると思います。それであとはこれを御覧願いたいと思います。
 次に個別原価計算と改訂料金收入との比較……。
#52
○小林英三君 ちよつと伺いますが、今御説明になりましたね、合計の所ですね、二十六年度の想定というのが一番左側にありますね、それば何ですか、二十七年度を一〇〇としての二十六年度のパーセンテージが八九ということですか。
#53
○参考人(福田勝治君) そうではないんです。
#54
○小林英三君 そのように聞きましたが。
#55
○参考人(福田勝治君) 二十六年度を一〇〇としました二十七年度のものであります。
#56
○小林英三君 二十六年度を一〇〇として二十七年度という意味ですか。
#57
○参考人(福田勝治君) そうです。
#58
○小林英三君 二十六年度の想定の下に書いてある……。
#59
○参考人(福田勝治君) そうです。
#60
○小林英三君 それならわかりましたけれども。
#61
○参考人(福田勝治君) その次の個別原価計算と改訂料金收入との比較でありますが、御承知のように、電気料金の総括原価を個別、各供給種別に応じた個別原価計算方式という方式が電気事業では確立いたしております。その方式によりまして個別原価を計算いたしまして、その計算した値と、それから今回、実際我々が当局に申請いたしました電気料金のレートとの比較であります。つまり、原価計算ではこうなつておるが、今回のレートでは、申請したレートではどうなつておるかということなのであります。御承知のように、現在の料金算定基準では、個別原価計算によつて配分することになつておりますので、極力そういう方針に従つてレートを開いた次第であります。その今回開きましたレートと原価計算でやつたものとの比率であります。一番上の欄が、上の数字が個別原価計算によつた原価であります。これをAといたしております。その次は、今回の改訂を、申請いたしました改訂料金の收入がBとしたおのおの各社の下に欄が出ております。その下のほうにBをAで割つた値、つまり現在の料金率が、原価に比べて何%になつておるかというその比率であります。比率だけ説明いたしますが、合計欄を見て頂きますとわかりますように、特別高圧の電力につきましては九三%であるということは、今回のレートは原価計算のレートに対しまして九三%のレートになつておると、こういうことであります。高圧電力は九三・二、低圧電力は一〇七・五、結局低圧電力は原価計算によつたよりもちよつと高目である。電力計においては九六・二という数字になつております。従量電灯は一〇九・三、定額電灯は九九・二、電灯計におきまして一〇五・七、特殊電力は一〇二・一、こういうような数字に相成ります。これを図表で表わしましたのがこの図表でありまして、この図表は、今のパーセンテージをただ図表にしただけに過ぎませんが、この横軸の方ではこの幅が、特別高圧、高圧、低圧というこの幅が大体の個別收入の大きさを現わしておるものと御覧願いたいのでございます。それから縦の高さが比率でございまして、結局特別高圧は九三%、高圧が九三・二%低圧が一〇七・五%、従量電灯が一〇九・三%、定額が九九・二%ということであつて、結局特別高圧と高圧とが少し原価よりは下になつておる、それに相当する部分は定額と従量で以てカバーしておる、こういうような図面であります。大体殆んど一〇〇%でありますが、多少特別高圧と高圧が低目になつておりまして、低圧と従量電灯が高目になつておる、こういう図表であります。以上差し上げました資料の説明を終ります。
#62
○栗山良夫君 松永委員長代理が何かお急ぎのようでありますから、最初に一点だけ御質問申し上げておきます。それは今日の案件とは直接関係ないのでありますが、只今頂きました御説明をして頂きました個別原価計算と改訂料金收入との比較、この内容に関することでございます。この表を見ますと、個別原価計算によつて出された原価と、それから今回改正料金として申請せられた料金との比率が、合計におきましては今福田さんから御説明頂いた通りに特高が九三、以下特殊電力の一〇二・一%ということに相成つております。併し各社別の内容を見ますと、電灯、電力総計の一〇〇%に各内容別、に殆んど一致しておりますのは、九州、四国、中国、それから北海道、この四社であります。そして東北、東京、中部、北陸、関西、これだけは、一口に申しますと従量電灯等の料金を原価で計算して出ました料金よりも約一〇%程度割高にいたしましてそしてそれで生れた收入で以て特高電力等を割安にした、こういう現象が現われておるわけであります。
 そこで松永委員長代理にお尋ねいたしたい。これはあとで経済安定本部の方へもお尋ねしたいと思いますが、こういうような一つの方針、方針と申しますと委員会でも論議されたのであります。今度の料金のこの改訂に当りましては、電気事業者が申請をしたということに形式はなつておりますけれども、実質的には経済安定本部、公益事業委員会、通商産業省が協議をせられて、そうして相当意のあるところをこの中へ織込まれておる、こういうことが明らかになつたわけでありますが、そういう見地からいたしまして、少くとも全国的に料金構成の内容というものは、これは公平にやらなければならんと思うのであります。中国、四国、九州、北海道のみが原価計算の結果がほぼ尊重せられてそのまま載せられる。そうして東京、東北、中部、北陸、関西、こういうものが著しくその線を離れておるということは一体どういうことであるか。そうしてこれは修正をせられるおつもりであるか、この点を伺いたいと思うわけであります。で、念のために申しておきますが、従量電燈が一一〇%になつておる。パーセンテージは一〇%ではないかとおつしやるかも知れませんけれども、この一〇%というのは、数字上はそうでありますが、使用電力は非常に少く、そうして而も料金の額は非常に割高であることは別の資料で我々承知しておる通りでありまして、少い消費量をうんと割高に使わせましてそうしてたくさん使う特高なり、高圧のほうにこれを流して割安にしておるということがあります。この全国的な二つの傾向は軽視することが私はできないと思うわけであります。その点をお尋ねします。
#63
○政府委員(松永安左エ門君) 私から御答弁申し上げる前に、或いは聞き違い或いは考え違い等もあることを恐れますので、経理の大体において見ておられまする中川君に簡単に説明して頂きまして、私それを補足したいと思います。
#64
○政府委員(中川哲郎君) 個別原価計算と比較いたしまして、今回の申請料金がなお数地区の会社におきましては原価計算通りに行つておらない。こういう点の御指摘でございまして、数字的に見まして、或る程度それは事実であろうと存じます。それで別途経営者会議の方から配付いたされておりまする各社の新料金を適用した場合の値上げ倍率表というものがございまするが、この値上げ倍率を御覧頂きますると、今回の値上げは前回の値上げ傾向とは反対にいたしまして、原価計算に印した値上げの線で申請を一応出しております。即ち電燈におきましては、平均的な値上げ倍率よりも低い線を維持し、電力方面におきまして、殊に大口電力方面におきまして大幅の値上げを、電燈よりは大幅の値上げになつておるわけでございまして、御指摘の点は、私どもも或る程度事実だと存じまするが、前回の改訂があの際の事情からいたしまして、電燈に重点を置いたことのために、その開きがよほど大きくなつておる現状でございまして、一遍にこれを原価計算通りに持つて行きますことも、一面大口電力方面におきまする倍率が急激に増加するという点もございますので、この点を兼ね合せまして或る程度各社で見まして申請されたものと存じます。勿論委員会におきましても算定基準に即しまして、個別原価計算の数字を基準といたしまして、認可の際十分審査はいたしまするが、かような事情からいたしまして、すべて一〇〇%に原価計算通りに行き得ないという事情は或る程度委員会といたしましてもあろうかと存じますが、できるだけ御趣旨の線に沿いまして、その方向に近づけて参りたい、かように存じております。
#65
○政府委員(松永安左エ門君) 只今中川君の説明申されたので大体は盡きておると思いまするが、この大口(丙)への割当を増加しまするために地方的に電力の融通をし、そしてその料金を又取引しまする関係で、各社に、その協定の線に沿うて、原価より離れない線を申請されることを申しておるのでありまするが、目下は三月十五日に、土曜日に出ましたものを、その後引続き想定電力表及び追加で加つた電力及びこれが原価に及ぼしている状態等につきましては、多少各社間でこぼこがまだありまするので、目下調査をしております。その調査している方向等について、差支えない限り、当局が是正すると思つて、大体において是正することを期待して目下やつておりますが……。
#66
○栗山良夫君 私はこれの細かい質問は保留いたしまして、又いずれ他日にいたしたいと思いますが、考え方について伺つておるわけであります。それで只今各社において、若干数字的な差等を設けるのは止むを得ないとおつしやつたのでありますが、これは単価のことを私言つておるのではないんで、原価に対しての比率のことを申しておるわけであります。それで北海道とか中国とか四国或いは九州とかは、御承知のように地域差によりまして単価が非常に高くなつておることは御承知の通りであります。そういう高い所に対して、なお且つ原価主義を貫きまして、そして特別高圧、高圧等の電力も、原価の上からいつても、割高になつておる、こういう現象が出ているのですね。そして電力が割合に豊富であり、而も電力の単価も安い所の東北とか、東京、中部、北陸、関西というような所は、原価主義からもなお且つ相当に離れた割当てにせられておるということは、これは産業用電力の料金の設定上甚だしく不公平な取扱をするものではないか、こういうことを私は痛切に感じるわけであります。そこで地域差を今にわかにやめるということはできないことは私は承知いたしておりますが、少くともこういう工合に火力料金の負担率、或いはこの原価主義から見たところの差、或いは料金の単価における差というものを、それぞれしわ寄せをいたしまして、そして特定の地区に、他の地区と競争のできないような差等を設けるということは、これは非常に行過ぎではないか。曾つて、そういうことがあつても、急激に直すことができないとおつしやいまするけれども、これは九州等は地域差の撤廃を叫んでおるわけであります。今まですら相当不当な扱いを、若しこの例によつてなされておるということが事実でありまするならば、この際一挙に改めまして、そうして東北なり、東京なり、中部、北陸、関西は別に私はすべきだと思います。併し私が主張するのはそれとは逆でありまして、東北、東京、中部、北陸、関西のやり方、これは間違いでありまして、やはり公益事業という電気事業の安定点を見出しますために、やはり理論的に個別原価主義を貫くのが妥当であろうと思います。従つて北海道とか中国、四国、九州のように東北、東京、中部、北陸、関西をすべきである、こういうふうに私は考えるわけであります。従つてそういうような考え方で今まで行なつて来た料金制度の矛盾がここに出ておりますから、それを一挙に改正をせられる意思がおありかどうか、こういうことを伺つておるわけであります。
 それからもう一つ重ねて伺つたわけでありますが、これに対しまして経済安定本部のほうは特高或いは高圧等の大口需用家に対して格段の考えをておられるようでありますが、こういうような結果が今出ておりますが、それでよろしいかどうか。どういう工合にお考えになるか、その点をお伺いいたします。
#67
○政府委員(松永安左エ門君) 今の栗山さんのお問い御尤もと思います。もう一度中川君より説明をお願いしまして……。
#68
○政府委員(中川哲郎君) 重ねて御指摘のございました点は、今申上げた通りでございますが、今回経営者会議のほうの申請案を作られますに際しまして、大体の方向として地域差の問題と関連いたしまして、各部門別の個別原価計算に適応しての料率のきめ方につきましては、電力のほうに原価計算数値に即して成るべく持つて行くことと、それから一面地域差におきましては、殊に電燈の地域差よりも電力の面の地域差が相当現実の問題としては問題でございますので、水力地帶と火力地帯との地域差を見まするに際しましても、成るべく電力についての地域差の拡大を成るべくセーヴして行くと、こういう意味合いからいたしましても、北海道とか、九州地区におきまする電力の値上げ倍率よりも水力地帯におきまする値上げ倍率のほうが比較的高く出るように工夫をされておるように伺つておるのであります。従つて水力地帯におきましては、東北とか、東京とか、北陸とかいうような、いわゆる現在でも電力のほうが安い地区につきましては、電燈よりも電力の値上げ倍率のほうを比較的大きく持つて行つておるわけでございまして、逆に北海道、九州等につきましては、電燈、電力の値上げ倍率がほかの地区ほどそう大きくない開きをもつて操作したように聞いております。従つて個別原価計算自身につきましても、内容的には相当いろいろチエツクいたしませんと、正確には把握できませんのですが、大体ここに出されておりまする個別原価計算を一応是といたしましたならば、割合北海道、九州等は早く個別計算の数値に近づいたのでございますが、その他の地区についてはやや漸進的に歩まなければならん、これが現実の事態であろうかと思います。さような意味合いで或る程度御指摘のような方向に、各社の申請案もその方向は間違つておらないと思いまするが、個々の具体的なものにつきまして、具体的な業種別につきまして、委員会は委員会と
いたしまして十分聽聞会等の意見も見まして、その不適正な点は、中心点に
つきましてはできるだけ是正の方法は考究して見たいと存じます。
#69
○栗山良夫君 是正はどちらのほうへ是正をされるわけですか。
   〔委員長退席、理事小林英三君委員長席に着く〕
#70
○政府委員(中川哲郎君) 特別原価計算の方に成るべく即応するような方向で是正するわけであります。
#71
○政府委員(岩武照彦君) 料金の問題につきましては、電力であると電燈であるとを問わず、原価計算に示されたるところに近づいたほうがいいと思つております。ただこの表に現われております個別原価計算が本当にこうであるのかどうなのか、これはまだ安定本部といたしましてチエツクをいたしておりませんし、今の表を見ただけのことでございますから、従つて御指摘ありましたよう各地における電力と電燈との比較等の関係は果してこの程度であるかどうか、ちよつと判断する余裕がありません。ただ我々安定本部としましては、特定大品等につきまして個別の割当をやつておりますけれども、それは何も特別に安い料金、殊に政策的に安くした料金で電力を供給するということじやなくて、必要なアワーを確保するということでございますので、料金はできるだけ個別原価計算に示されたところに従つたほうがいいだろうと考えております。従つて政策料金等を主張する考えを持つておりません。
#72
○理事(小林英三君) 委員長代理の松永さんは今日お体の工合が悪いそうですからして、一つ先に松永さんに対する質問があつたら御質問願いたいと思います。なければお帰りを願つてよろしうございます。
#73
○古池信三君 やや関連しておるのですが、只今お示しを願つた電気事業経営者会議でお作りになつた個別原価計算の資料は、非常に面白い資料だと思つて拜見したのです。そこでこの資料によりますと、今度考えておられます改訂料金と個別原価計算との比較になつておるわけですが、なお望むならば現在の料金と、現在の個別原価計算との割合がどんなふうになつておるか、それが出ておると今度の改訂される料金のやり方と比較して非常にはつきりすると思うのですが、そういうものはお作りになつておりませんですか。
#74
○参考人(福田勝治君) 事務局に帰りますれば大体できると思いますので、帰つて次回にでも提出いたしたいと思つております。
#75
○古池信三君 それでは次回に一つ御提出願つて、それと今度の改訂されんとする料金とを比較しますと、はつきり制度上のお考えがわかるかと思いますからお願いいたしたいと思います。それからもう一つお尋ねしたいのですが、これは私の意見も多少含むかも知れませんけれども、電気料金というものは申すまでもなく産業の面からいつても、或いは国民生活からいつても非常に基本的な料金だと思うのです。従つてあるべき理想の姿は姿として考えるべきでありますけれども、料金の改訂に当つて余りに急激に変えるということは、その影響するところは非常に私は大きいのじやないかと思います。でありますから、こういう公益的な性質のある料金の改正に当りましては、そういう点も考慮に入れて或る程度影響を緩和するような線に沿つてやるべきではないか、かように私ども考えておるわけであります。従つて只今要求したような資料を拝見すれば、そういう変遷の度合がよくわかるだろうと思います。かように考えたわけです。そこで只今拜見しましたこの資料によりますと、大体大きく六つの部門に分けて電力のほうは高圧、低圧、それから電燈のほうは定額電燈と従量電燈、小口電燈、臨時電燈、この六つになつておるわけですが、料金のほうは一遍きめられると、或る程度長期に亘つてこれは固定しておりますので、原価のほうは年々変つて行くと思う。従つて今のお見込ではこの六つの部類に分けてそれぞれのカテゴリーの個別原価計算というものの将来の趨勢というものはどんなふうになるか、個別原価が高くなるものもあれば、安くなるものもあると思う、そういうことはどんなふうに考えておられるか、この原案者のほうに対してお尋ねしたいと思います。
#76
○参考人(清水金次郎君) 只今の御質問は大変重要な問題でございますが、過去のいろいろな経験から考えまして今回それの措置といたしまして、昨年八月十三日料金の改訂を実施して頂いてまだ半年もたたないうちにこうなつた原因をよく考えますのに、大体石炭費が主に高騰したという原因が多いのでございます。この石炭費の配分されます追加料金並びに標準料金に一応石炭費のクローズというものを附けたのであります。更にもう一点は、石炭が今の火力発電設備でなお余計に焚き得るかどうか、ここでは石炭に換算いたしまして八百三十数万トン入つてございますが、これが更に九百万トンなり、一千万トンになるかと申しますと、もはやこの辺が限度であろう、この程度から考えまして、この原価計算も過去数回やつておりまするし、昔もやつた例もございますので、大体現在が配分の最高段階であろうと思います。大体ここにございます個別原価計算のおのおのを一〇〇%にとるというところが、大体ここ一両年の原価であり、同時に望ましき料金であろう、こういうふうに考えるのでございます。
#77
○古池信三君 大体わかりましたが、もう一つ繰返してお尋ねをいたしたいのは、石炭のことはそれでわかつたとしましても、その他の資材、或いは人件費、或いは総体的な経費、こういうようなものは適当に配分なさつておると思うのでありますが、そういう点から見まして、これから特に負荷に比して電力の原価は個別的に見ればだんだん比例して安くなつて行くとか、或いは従量電燈なり、定額電燈は高くなつて行くとか、そういうような傾向について何か、見通しの問題ですが、お考えがあるかどうか、これを一つお尋ねしたい。
#78
○参考人(清水金次郎君) 只今の御質問は、大体私石炭費について主に申上げましたが、その他将来高騰するような原価と申しますのは、何と申しましても人件費並びに資材費でございます。そのほか資本に対するリターンという問題もございますが、更に新設発電所の負担というものが相当重なつて参りますが、これは主として固定費のほうにかかつて来るのだと思います。現在では火力の石炭を非常に増しておりますので、最大よりも負荷率が高くなるという方面に主力を注いだのでございますが、だんだん新設の水力発電所ができて参りますと、最大電力が殖えますので、主に基本料金の面において相当今後高くなる余地がある。それは大体に申しますならば、現在では割当制度でございますので、これが或る程度自由になるといたしますと、主に電力の基本料金が高くなる段階にあるのではないかと思います。電燈並びに小口電力につきましては、ダイバシテー・フアクターその他が相当見込んでございますし、又将来も相当そういう点は調整が可能でございますので、主として電力の大きいほうの容量の供給に対して制限がとれますと同時にその基本料金が割高になる、こう考えるのであります。
#79
○古池信三君 この原価計算の場合にロスとはどういうふうにお考えになつておりますか。
#80
○参考人(清水金次郎君) 先般お手許に差上げましたロス・擅用を含めまして二五・七%で織込んであります。
#81
○古池信三君 今のロス・擅用を加えて二〇数%というものをこの特高電力或いは高圧電力、低圧電力にそれぞれ分けられておると思いますが、その分けられた度合はどんなふうでございますか。
#82
○参考人(清水金次郎君) これは大体理論的に一定の法式がございまして、一番電源に近い特別高圧のごときは、発電所全体から見て大体一二、三%くらいであろうと思います。一番発電所から遠い定額電燈並びに従量電燈の擅用を除きましたロスが約三〇%弱であろうと思います。それに特に定額と申しますか、そういう分のロスが加わつて出て来るわけでございます。
#83
○理事(小林英三君) では私からちよつとお伺いしたいと思うのですが、先ほどから個別原価計算と改訂料金收入との比較表という資料を頂戴したのですが、個別原価計算による原価の計算の基礎というものは、これは電気事業経営者会議でおまとめになつたのでしようから、十分な資料の下にこういう数字が出たのだろうと信じております。ところが電気料の値上げの問題は、これは民間では非常な大問題でありまして、この表による査定をいずれ公益事業委員会でなさるものと思いますが、公益事業委員会においてはどういう基礎の下に、これが正しいか正しくないかという査定をなさるのでありましようか。業者から出た資料のみによつてなさるのでありましようか。或いは別の方向においてこれらの基礎を査定なさるのでありましようか。物価庁等におきまして物価の値上げをするときには、その業者から出したほかに、十分厳密な資料の下に独自の立場で以て査定されておるのでありましようが、なかなかこの個別の電力の持つたくさんな方向がございまして、これを一々査定なさるということは容易ならざる問題だろうと思いますが、全国民に十分納得の行くように、委員会が査定なさるのは、どういう方法で査定なさるのでありますか、ちよつと御参考にお伺いしたいと思います。
#84
○政府委員(中川哲郎君) 会社の申請につきましては、総務課を経て各方面の御意見によりまして委員会の査定と申しますか、審査をいたすわけでございますが、これの基礎をなしますものは一つの需給計画でございますが、この点につきましては、現在までのところ関係官庁といろいろ御連絡いたしまして、一応の線を以て、大体その線に即しまして会社の計画の基礎ができておるわけでございますので、需給計画のほうの審査は一応進んでおるわけであります。次に会社の申請によりまする総括原価額でございまして、これにつきましては各費目別に昨年の原価査定をいたしましたとき以後の状況がどういうふうに変化しておるかという点を、会社の申請によりまして原価内容の審査をいたします。これにつきましては或る程度の実績等の参酌もされる予定でございます。それで総括原価が一応きまりますると、これを配分いたしまする需用問題でございます。この需用につきましても、会社の申請は結局需給計画が基本でございまするが、需給計画に即しまして標準電力量で販売するものが幾らか、又追加電力量で販売されるものが幾らかという計算値がついておるわけでありますが、これにつきましても、内容を昨年度の実績等と比べまして、又新らしく改正いたそうといたしまする需給調整規則の改正等とからみまして、その需用の想定が的確であるかどうかという点につきまして十分審査をするつもりでございます。更にそれを個別の料金に当てはめます場合におきましては、電気料金の算定基準は個別原価計算を基準として定めることにいたしております。これは個別原価計算通りという趣旨では勿論ございませんで、或る程度現在までの料金の推移というものも関係いたしますので、急激に個別料金通りのところへ具体的な料金を持つて行くということができない場合も勿論あるわけでございますので、この点は結局は各種類別の値上げの倍率ということになるわけでありましてこの点は一応具体的な尺度と申しますよりは、値上げ倍率の影響する程度等を勘案されるわけでありますが、同時に又地区相互間の問題につきましても、その間の権衡ということは、経営者当局といたしましても勿論或る程度の疑問があるわけでございまして、すぐ隣り合つた地区同士に著しく差ができるということは、実際の適用面においてまずい点もございますので、その点の勘案も必要であろうと存じます。更にもう一つの問題といたしましては地域差の問題がございます。こういう点につきましても、或る程度それの検討をして見る必要もあろうと存じます。さような意味合いで個別原価計算値につきましても、会社の申請の基礎につきましては、これは一応経営者会議でまとめられました個別原価計算様式というものがきまつております。それに即されまして各社で出されておるのでありますが、個別原価計算の配分につきましても、その計算方式と照し合せまして、妥当に計算をされているかどうかという点をチエツクはいたします。さようにしてチエツクいたしました個別原価計算数値と具体的な料金率との適用の問題につきましては、只今申上げましたようないろいろの情勢がございますので、こういうようなものを勘案いたしまして、結局委員会の認可の度合をきめるほかはないのであります。大体のそのときの方法というものにつきましては、先ほど栗山委員からの御質疑につきまして説明いたしましたような趣旨で、漸進的に而も個別原価計算の措置に近い方法で以て行く、こういうような所存で作業いたしております。
#85
○理事(小林英三君) 重ねてお伺いしたいと思いますが、最後に決定される公益事業委員というのは、五人のかたがなされるわけでありますが、これについてはかなり広範囲な作業が公益事業委員会においてなされるものと私は信じますが、原単位と申しますか、原価の計算をする事業者のほうから出されたものを検討するときに、ただその事業者から、出された基礎に基いてなされるのでありますか。或いは別個にどのくらいな作業員が、どういうふうな手段によつて、この原価計算されたものを再検討されるのであるか、つまり公益事業委員の五人の人が自分でやるということはできますまいから、相当広範囲な人数の人が作業なさるのでしよう。作業なさるについては、どういう方法によつて作業され、又検討されるかということ、これを一つお伺いしたいと思います。
#86
○政府委員(中川哲郎君) 公益事業委員会といたしましては、委員会の事務局がございまして、事務局の中に電気料金関係の審査をいたします職能を持つております課といたしましては、総括原価額の点につきましては監理課という課がございまして、そこで審査をいたすわけでございます。又具体的な料金或いは個別原価計算の問題につきましては、料金課という課がございまして、ここで事務的な審査をいたすわけでございます。総括原価額につきましては、会社の申請と前後いたしまして申請書が出ましてから、その前にも或る程度の計算数値は正式、略式に聞いてはおりますが、申請書が提出されましてから、すでに今日まで各社別に細かく会社の申請せられました基礎につきましてヒアリングをいたして来ております。従つて総括原価額に関する限り、一応会社の計算基礎というものを現在把握いたしつつございますので、それに基きまして今までの会社の会計監査等に照らしまして、又昨年度の料金改訂の際の原価計算の数値等に照らしまして個々の費目を検討いたすわけでございまして、現在の陣容を以て十分事務的には操作ができる予定でございます。又個々の料金の度合につきましては、これは個別原価計算の数個につきましては、会社の申請書に基きまして、この配分の審査をいたしておりまするが、最後に委員会の委員のかたがたの御意見によりまして、如何なる程度の査定が適当であるかという点につきましては、聽聞会等におきまして成規の委員会を開いて頂きまして、各位の御意見によつてどの点を査定すべきか、是正すべきかという点を決定して頂く予定でございまして、人員的には十分この間の審査ができるつもりでおります。
#87
○理事(小林英三君) 人員についてお伺いしたいのですが、その事務局の審査に当られる人員ですね。
#88
○政府委員(中川哲郎君) 監理課、料金課合せまして三十名でございます。なお審査の過程におきましては、勿論国内の問題といたしまして、行政官庁相互間の問題といたしまして、経済安定本部或いは物価庁とは協議をいたして行く予定でございまして、今までの会社の計算値の内容等を聞きます際におきましても、或る程度事業官庁から立会つて頂いて審査をしております。
#89
○理事(小林英三君) そういたしますと、今の三十人の事務局で以て、公益事業委員会に提出する事務局の案については、国民の納得の行く程度の十分な審査ができる、こういうお見通しがあるわけですね。
#90
○政府委員(中川哲郎君) さようでございます。
#91
○栗山良夫君 経済安定本部にちよつとお伺いしますが、この前の委員会のときに大口(丙)の割当増に対するそれのみの引当先の資料のお話をしておきましたが、あれはその後どういう工合になりましたか。
#92
○政府委員(岩武照彦君) その節お答えいたしましたように、大口丙の該当項につきましては、現在四百五、六十ございます。それに対する昨年の一月から十二月までの実績と、それからこちらに提出しました百五十三億キロワツト・アワーの需用量との引当でございます。この個々の工場実績につきましては、目下通産省並びに事業官庁であります運輸省その他関係官庁にまとめさせております。なお若干時間がかかるかと見ております。
#93
○栗山良夫君 大体いつ頃になりましようか。
#94
○政府委員(岩武照彦君) はつきりしたことを御返答できかねるのを残念に思つておりますが、十日くらい頂けばできるだろうと思つております。
#95
○栗山良夫君 では公益事業委員会の宮原さんにちよつとお尋ねするわけでありますが、今度REから御提出を願いました、これはナンバー六收入計算書となつておりますが、この中に需用高というのがありまして、電力の需用量が標準と追加に分けて書かれております。これを見ますと、火力の負担率が業種によつて非常に違うのでありますが、公益委員会としては火力の負担率は業種によつて差等を設けるのが正しいとお考えになつておりますか、差等を設けないのが正しいとお考えになつておりますか、これを伺いたい。
#96
○政府委員(宮原清君) 私からすぐ御返事を申上げるだけの確信を持つておりませんから、従来與えられた指示によつてそれぞれ処理をしておる経理長から一応御返事をいたして、なお私が感じておることをその上で補足いたしたいと思います。
#97
○政府委員(中川哲郎君) 今のお尋ねの点でございまするが、これは先ほどの経営者会議から提出されました支拂料金の総額で、個別原価額と支拂料金との対照をいたしたものでありますが、追加料金、標準料金、両方とも入つた数字でございます。従つて具体的に標準料金と追加料金との割合を見ます場合には、結局標準料金に成るべく大幅のものを與えて、或いは追加料金の幅を小さくする、こういう行き方で中の振合いの問題になるわけでございますが、この点につきましては電力方面、特に大口方面は追加使用率が少いのでありまして、逆に電燈方面には追加の使用率が多い実績を示しておるわけでございます。これは昭和二十四年度料金改訂後或る程度こういうことが既成の事実としてできたわけでございまして、あの料金制度は或る程度需用家の負担力と申しますか、そういう点と見合いまして、電力の需用を調整するという実際上の狙いもございます点からいたしまして、電燈方面におきましては消費の性質が区々でございます関係上、或る程度追加料金を拂いますればよいように、その消費に或る幅を持たせる、こういうことになつておるわけでございます。今までの実績から見ました追加率というものを急激に変更した結果は、或る程度消費の工合が部門別に変つて参る、即ち電燈方面で標準料の幅を大きくいたしまして、追加の幅を小さくいたしますると、個別原価計算に即応した範囲では、結局は標準料を殖やしまして、それの料率を高める、追加料金のほうが出張つただけのものが標準料率の料金に入ればいいわけでございますが、さような料金の操作は、結果においては電燈方面の需用が全体に殖えるという傾向も否めないと存じます。そういう点からいたしまして需給の全体のバランスの問題にも関係いたしまするし、又標準料値上げの倍率が大きくなるという点につきましては、例えば小口電力等につきましては、各業種において相当いろいろの料金の値上げの影響が現在のものと変つて参るわけでございまして、事業間にいろいろ却つて摩擦が生ずる点もあろうかと思います。さような意味合いでいろいろ問題もあろうかと思いますが、現在の段階では今までの追加料金の使用の実績等も或る程度勘案いたしまして、現実に出ております傾向は一応是認して参る、こういうことは止むを得ない状況ではないかと、かように存じております。
#98
○栗山良夫君 最近の経済界の非常に激しい動きによつて、いわゆる割当電力というものが現在の操業の状況と著しく違いを生ずるような傾向が相当出て参つております。そういうことに対処するために何らかの考えを持つておられるか、それを有機的に能動的にいたしませんと、結局、当然これは一定の分野に応じて火力の負担をしなければならんのでありましようが、そういうところは負担をしない、そうして特定のところはずつと負担をするというようなことになろうかと思います。そういうような経済界の非常な変動の時期に対して、どういう対処をせられるか。例えば最近紡績界は四割の操短をいたしております。割当のほうが依然として変らないということでありますれば、これは仮にその紡績が相当の火力料金を毎月負担しておつたとしますと、それは負担しないことになる。そして電力会社の收支にも影響するでありましようし、こういつた点もやはり現在の経済界の動きと睨み合せまして、何らかの方策を講じておかないことには工合が悪かろうと存じますが、それはどういう工合にお考えになりますか。
#99
○政府委員(宮原清君) 大変むずかしい、而もそれを実行する上についての問題を考えますと、御趣旨は誠に尤もでありまして、さように臨機応変に伸縮できるという制度のほうが望ましいのでありますが、今のところでは少くとも私の感じておるところでは、そういうふうに何らかの対策を考えて行かなければならんということを、今後むしろ研究して行かなければならないことではないか、こう考えております。何か御名案がございましたら、一つむしろ御指示を頂きたい。
#100
○栗山良夫君 それはこの間うちから私が主張しておるのですが、火力の負担率というのは、消費電力量に対しまして、一定の割合を設けて、そうして丁度只今進駐軍の料金を算定していると同じ方法でおやりになつたならば立ちどころに解決する、使用量に応じて一定の分野の火力料金を徴収することになり、いわゆる事後清算料金のような形になり、或いは一本レートのような恰好にもなる、むしろこれが一番合理的である。ただ一つ欠点として認められることは、火力の負担の額が恐らくれそうしますと狭ばまりますから、家庭等の消費の規正が若干できないということが、今中川さんの言われたような点は出ると思う。そういう点は火力料金の負担率を、若干操作する段階を設けて操作をするとか何とかすれば、十分できるじやないか、やらないよりどれだけましであるかわからない。又或る方面では若しそういうことをすると、電力会社は火力を焚かないであろう、こういう説もあります。併しこれはやはり考えが少しまだ足りないのでありまして、火力料金で調整いたしました金額については、これはちやんと紐付きに電気事業者にさせておきますれば、それによつて渇水準備金の黒字部分と合して石炭手当は十分できるはずであります。これは経理が直ちにできることになり、従つて何ら躊躇することなく、極めて公平に電燈から始まりまして大口まで行えると考えております。
 ただ急激な変動をさせちやいかんということでありますならば、従量電燈の火力の負担率を、大口に至るまでの各業種の負担率に適当なその差等を設けておけばいいのでありまして、使用実績を基礎にして、一定の比率を以て火力料金を徴收する、これはもう立ちどころに、明日からでも行われる一番いい案だと私は考えるのであります。現に進駐軍はそれを行なつておるわけであります。それがどうしてできないのか、非常に大きな矛盾を今感じておるわけでありますが、如何ですか。
#101
○政府委員(宮原清君) 御説を承わつて、私ここですぐこれがどうと返事することを、いささか自分で確信を持つてないからお許しを頂きたいのですが、ただ今のようなお話につきましても、これを実行に移す場合における、監督の立場における委員会と、それに対応した処置をする電力会社というものとの関連が、電力会社自身がそ
れをあえてすることにかなりの困難があるのではないかという、単なる想像を私はしておるのであります。併しお説の通り、そういう急変に対する対応というものは、いやしくも事業をしておる者にとつては、非常に人事なことでありまして、考えとしては非常に妙案とも考えられないこともないのでありますが、暫らくこれは研究課題として許して頂きたいと思います。なおこの機会に先刻委員長から御質問がございました査定に当つての人数と、事務局の充実の点について御質問がございましたことを、私から一言お答えしておかなければならん立場にあろうかと存じますので、この機会に申上げたいのですが、御承知の通り委員会自身が、当時出発した時分に思つたほどよりはその後の分量が非常に多いのでありまして、人数を増さなければいけないという考え方も、委員の間にもあつたのであります。併し時節柄いわゆる人を増さないでという結果、そのままになつたのであります。従つてこの頃の行政整理や何かについても、殆んど人減らしをすることができないような事情にあつたほどの窮屈なことであります。併し実に涙ぐましいほど、僅かの人々が晝夜を分たず作業して、期間的な問題があるものですから、非常に苦労をかけております。委員はそういう人々の動作並びに作業ができましたもののことについての報告を受けまして、その問いろいろ問題点となること
の申出を同時に受取りまして、そうしてそれについての個々の質問をして、
決定までについては、相当苦心をしたのがこの前の事例であります。今回とても同じことであります。一応そのことだけお含み願います。
#102
○栗山良夫君 只今の私が強く質問いたしましたのは、これは私の意見も勿論それに賛成だから申上げておるわけでありますが、私だけの意見ではございません。最近例えば特別大口の或る業者などは、やはり業者の名前を以て料金の値上げになることについては、これは公正妥当なものであるならば止むを得ないだろう、併し火力の負担率を操作されて、そうして差等をつけられることについては、全く忍びない。負担率というものは、やはり公平にせられるべきだということを、大口の丙の業者の中で強く述べております。このことは大口の丙の理論の中で成り立つならば、大口の甲にも及ぶ、乙にも及ぶ、小品にも及ぶ、又は家庭の需用にも、その理窟は普及、普遍して行くと思います。従つて今までもそうでありますが、今年或いは来年の見通しは、相当産業界に起伏があることは先ず想像せられるのであります。従つてそれを一年前の古い実績で以て配給をしておるということは、誠にどうも古臭いと申しますか、それ以上に悪弊を残すものと思います。従つて恐らく今度の料金改訂に当つては、聴聞会でもそういう意見が相当出るのじやないか、こう考えますので、一つ聞き置く程度でなくて、公益事業委員会としては、緊急にそういつた線に沿うように一つ実行についてお考えを願いたいことを要望いたしますが、その点は如何ですか。
#103
○政府委員(宮原清君) しかと承わりました。今後の委員会にも相談いたします。御趣旨に副うようになることのできます見通しがつきましたら、又改めて御返事を申上げます。御了承願います。
#104
○理事(小林英三君) 如何ですか、資料も全部集まつていないようでありますから、電力関係の調査は、この次の機会にいたしましよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○理事(小林英三君) それでは、明二十七日は中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、参考人を呼んでございます。二十八日は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案を審議願います。それから輸出信用保険法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。
 なお先ほど栗山委員から出ました動議が成立いたしまして、公益事業令の一部を改正する法律案の審議につきまして、証人の喚問をいたすことになりますが、栗山君の御意見では、証人の喚問については委員長に一任をしたいという御意見であつたのですが、どういたしましようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#106
○理事(小林英三君) それでは時期並びに証人の選任の件につきましては、委員長において然るべく取計らうということにしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○理事(小林英三君) 御異議ないものと認めます。
 では本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
   ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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