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1951/02/18 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第11号
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1951/02/18 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第11号

#1
第013回国会 水産委員会 第11号
昭和二十七年二月十八日(月曜日)
   午後一時五十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           松浦 清一君
           千田  正君
   委員
           秋山俊一郎君
           藤野 繁雄君
  政府委員
   水産庁長官   鹽見友之助君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       岡  尊信君
   常任委員会專門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁漁業調整
   第一課長    尾中  悟君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小型機船底びき網漁業整理特別措置
 法案(内閣提出衆議院送付)(第十
 二回国会継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
 小型機船底びき網漁業整理特別措置法案を議題に供します。水産庁からこれに関する取締規則の案が提出されておりますので、一応この案について、極く要領よく簡單に御説明願います。
#3
○説明員(尾中悟君) それでは小型機船底びき網漁業の取締規則につきまして簡單に御説明申上げます。
 この規則は小型機船底びき網漁業処理要綱というのがございまして、この要綱のうち省令で規定しなければならない事項を取上げまして、今度取締規則として出す予定にしておるものでございます。内容は第一条におきまして、小型機船底びき網漁業の分類をやつておるわけでございまして、これは手繰漁業につきましては第一種かち第四種まで、打瀬漁業につきましては第一種から第四種まで、それからそれ以外の漁業も一部予想されますので、第九号としまして、その他の小型機船底びき網漁業ということになつております。この小型機船底びき網漁業につきましては、地方によつて相当地方的な名称がございますので、関係漁民にも周知徹底させるために、地方名称をはつきりさすということも考えております。
 それから第二条の関係でございますが、今後小型機船底びき網漁業につきましては、それぞれ禁止海域なり、或いは禁止期間を設けまして、他の沿岸漁業との調整を計つて参ることになるわけでございますが、原則といたしまして、こういつた禁止海域だとか、或いは禁止期間は、各都道府県知事が具体的に関係業者なり、或いは海区漁業調整委員会等の意見を聞きまして、県知事が決定をして告示するということになつております。ただ瀬戸内海のように県と県との管轄海面が非常に錯綜しておりますような場合には、特に農林大臣がみずからこの小型機船底びき網漁業についての禁止海域なり、或いは禁止期間を設けることもできるという必要が出て参りますので、その関係上第二条において、大臣もこういつた禁止海域なり、或いは禁止期間を設けることができるという規定をしておるわけでございます。
 次に第三条の関係でございますが、これは農林大臣が指定しました海域で、或る種の小型機船底びき網漁業を営んではならないということを規定しております。只今考えておりますのは北海道のうち噴火湾を除外しまして、それ以外の北海道海面については、手操の第一種漁業はこれを禁止する、こういう予定にしております。第四条は禁止漁具、禁止漁法の問題でございますが、ここに書いてございますように、二そうびきの小型底びきにつきましては原則としてこれを禁止する。ただ一部農林大臣が指定しましたものについては除外例を設ける、こういうことになつております。只今考えておりますのは、福島県の一部の海区において、この二そうびきの除外例を設けたいと思つております。それから第四条の第二項の関係でございますか、これは従来から問題になつておりましたいわゆる能率的な漁法ではあるけれども、資源に対して相当悪影響かある、又その他の沿岸漁業者との間に、その漁具を使うことによつて摩擦か非常に出ている、こういつたものにつきましては、この第二項の規定のように、例えば滑走装置を備えた桁、これはいわゆるまんがというような名称で呼ばれているものでございますが、そういつたものとか、或いは網口開口板を使用するというようなことについては、これを禁止することになるわけでございます。
 それから第五条は、許可船舶に対しまして、違反があつた場合に碇泊命令を下すとか或いは検査をするといつた関係でございます。
 六条はそういつた取締上必要がある場合には、その船舶に乗つている船長等の乗組の禁止を命令するといつた関係でございます。第七条は、無許可船が規則に違反しまして業した場合には、やはり碇泊命令が下せるという規定でございます。第八条は、この無許可船がいろいろな漁ろう装置を持つているわけでございますが、そういつたものの陸揚命令ができる、こういう規定でございます。第九条は停船命令で、ございまして、漁業法に基きまして検査をしたり、或いは質問をするといつた場合には、船長なり或いはその職務執行者に対しまして停船を命ずる。その命ずる場合には、こういつた信号を用いてやるのだというようなことを規定してあるわけでございます。第十条は、今度御承知のように小型機船底びき網漁船につきましては、都道府県知事がそれぞれ農林大臣が決定しました枠の範囲内で許可するということに相成つておりますが、都道府県知事が許可した許可の状況につきましては、大臣に報告するということになりております。その報告の場合には、瀬戸内海の漁業調整事務局なり、或いは現在地方に出先としてありますところの水産駐在所を経由して大臣に報告する、こういう規定になつております。
 第十一条、第十二条、第十三条は罰則の関係でございまして、これは漁業法の罰則とも睨み合せまして、違反船に対する罰則の根拠を書いておるわけでございます。
 附則につきましては、施行の期日と、それからこの省令の施行に伴いまして、例えば瀬戸内海漁業取締規則等の関係もございますので、その経過的は規定を書いたものでございます。
 最後に一言申上げますが、この省令は前々から御審議願つております小型の処理要綱の一部につきまして、大臣が特に規定しなければならない事項だけを取上げたものでございまして、その他の事項につきましては、今各県で作つております小型の取締規則において規定されることになつておりまして、現在各県から大臣に対する認可申請が出ておりますので、そのほうとの調整をいたしまして今後の小型の全般の調整が行われて行くという結果になるわけでございます。
#4
○委員長(木下辰雄君) 何か御質問ございましたらどうぞ……。
#5
○千田正君 この取締規則に基くところの取締に当るものはどういうものが当ることになりますか。
#6
○説明員(尾中悟君) 小型の許可につきましては都道府県知事がやることに相成つておりますので、原則といたしましては、各県においてそれぞれの取締船を使うなり、或いは陸上における取締員を配置いたしましてやることになるわけでございますが、特に瀬戸内海だとか、或いは有明海だとか、伊勢湾、東京湾等で数府県が相関連しておりますような海区、又従来小型機船底びき網漁船が非常に多くて問題になつておるような海区につきましては、水産庁が直接取締船を配置いたしまして、それによつて取締をやつて参りたいと思つております。只今この小型関係といたしまして配置して締ります取締船は、瀬戸内海に四隻、有明海に一隻、伊勢湾に一隻ございまして、将来瀬戸内海に配置する予定の新造船の建造にかかつております。多分この四月頃には完成いたしますので、瀬戸内海に新船が更に一隻増強できるだろうと思つております。
#7
○秋山俊一郎君 只今の御説明の中に第四条の、二そうびき小型機船底びき網漁業を許すのは福島県の一部の海域と思いますが、これはどういう方面であるか、そうして又どういう事情で、どの程度の二そうびきのものであるか、御説明願いたいと思います。
#8
○説明員(尾中悟君) これは福島県の相馬海区にあるわけでございますが、対象魚種は「しらうを」「こうなご」等でございます。で、どうしてこういつた特例を設けるかと言いますと、しらうをを取る場合に、従来からの漁法によりますと、二そうびきをやらなければならんということが考えられますので、そういつた関係上特に特例を設けたい。で、この場合にも資源との関係が問題になるわけでございますが、こういつた特例を設けましても資源上大して悪影響はないだろうという実態でございますので、特にこういつた場合には特例を考えて参りたいと、こういうふうに考えております。
#9
○秋山俊一郎君 この「しらうを」と
 「こうなご」の漁獲について二そうびきを使つておるということですが、これは相馬海区だけでありますか、その他のこういつたような例が起つた場合にはそれは許すのですか。
#10
○説明員(尾中悟君) 只今水産庁で調査いたしました結果、「しらうを」につきまして、こういつた漁法でやつておりますのは相馬海区だけでございます。で、これと同じような実情にあります場合が今後出て参りますれば、同様な基準で以て処理して参りたいと、こう思つております。
#11
○秋山俊一郎君 それは「しらうを」及び「こうなご」に限るわけでありますか魚種は……。そうでなしに二そうびきというものに対しても考えられるのでありますか、その点をもう一度御説明願いたい。
#12
○説明員(尾中悟君) 只今のところこういつた対象魚種なり、漁法を使つておるもののみに限定されております。
#13
○秋山俊一郎君 それからついでにもう一つ、第一条の第一種の、網口開口装置を有しない網具を使用しているもの、この第一種の機船底びき綱が噴火湾以外の海域ではいけない、こういうことなんでございますね。北海道で、というのは、これはどういうわけでございますか。噴火湾だけはよろしい、噴火湾以外はよくないというのは…。
#14
○説明員(尾中悟君) これは御承知のように北海道におきましては、今度の小型の減船をやります前に北海道だけの特例を用いまして、昭和二十五年に小手繰の整理をやつたわけでございます。その際に噴火湾だけは除外いたしましてその他の北海道の海区につきましては全部小手繰を整理してしまう、こういうことで作業を始めまして、今一部残つておりますけれども、その船舶につきましても本年の三月三十一日で以て全部小手繰の転換が完了することになつておりますので、その関係上特にこういつた措置になつたわけであります。
#15
○千田正君 第十一条でありますが、「左の各号の一に該当する者は、二年以下の懲役若しくは五万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」、そうして条項が出ておりますが、現場において、その場で監視船が捉えて、直ちにこういう懲役又は罰金に対する処分方法を講ずるわけですか。それともこれは裁判権においてなされるものでありますか。その点を聞いておきたいと思います。
#16
○説明員(尾中悟君) これは現場で違反船を捕まえました場合には、司法権を持つております監督官がその場におりますれば調書を作りまして、検事局に送付し、そこで更に検事局で以て検討いたしまして、裁判にかけまして、司法的に決定する、こういうことになるわけであります。
#17
○千田正君 その場合そういう行き方をするというと第十一条の第二項の「前項の場合においては、犯人が所有し、」とありますが、犯人という字句は穏当じやないと思います。恐らくこれははつきり犯罪が確定して、そうしてこういう懲役若しくは罰金というような形に処せられた者に対して犯人という言葉を使うのであつて、この際ここに現す言葉としては適当でないと思いますので、むしろこれは「前項の場合においては、違反者が所有し、又は所持する漁獲物」と改めるのが適当と思いますが、あなた方はどういうふうに考えておりますか。
#18
○説明員(尾中悟君) ここで犯人が所有しておりまする漁獲物だとか、或いは製品、漁船、漁具等を没收するというような規定がございますが、これは勿論刑が確定いたしまして、犯人であるということが明確になりまして、その後にこういつた没收措置をとるわけでありまして、まだ犯人であるかどうか不確定である場合には、持つているものを一時適当な所に保管させるというような処置はとりますけれども、ここに書いてあるような没收処置については、勿論犯人であるということが明確化してから措置する、こういうことに相成るわけでございます。
#19
○千田正君 そうなるというと、漁獲物のような、いわゆる腐敗性を持つたものは直ちに対象にならないというふうに考えますが、そういう意味からしても、勿論私は現在のような民主主義の場合においては、犯人という言葉は、第十一条の二項に現わす言葉には適当ではないと私はさように考えますので、むしろこれは違反者が所有し、又は所持するというふうに直したほうが妥当ではないか。その点について私は疑義があると思います。もう少し研究さして頂きたいと思います。
#20
○説明員(尾中悟君) これは違反の嫌義者の持つておるものを没收するということは穏当ではないのではないかと思いますし、今御質問になりました漁獲物の問題でございますが、これは従来の例から見て参りますと、大体相当こういつた事犯が確定するまでには時間の経過も必要でございますので、これを価格に換算いたしまして追徴するというような措置が具体的にはとられておるようでございます。で、違反者の嫌疑があるからと言つて、その人の持つておるものを直ちにこの規定で以て没收するということはおかしいのでございまして、やはり違反者であるということが確定した後に、こういつた規定を実行するということが今の司法処分としては正しいのではないかと思います。
#21
○千田正君 それならば、今の御説明は御尤もですが、現在押えられておるものは、こういう、あなたの今のお答えのような状況にはなつておりません。そこで違反者と認めた場合において直ちにそれを逮捕若しくは逮捕する令状を発するとか、或いはそのままそこで水産庁の監視船がその漁獲物若しくは漁具その他を押えて置いて、一応検事局に送付するというのが現在とられておるところの立場であります。でありますから、あなたの御説明のように、押えて、そうして犯人として決定されて罰金なり、或いは懲役とかいうものを決定してから、そういうものを没收したり、押えるのではなくて、飽くまで現在やつておることは、現場主義でやつておると私は考えておりますか、その点についてはどうお考えになりますか。
#22
○説明員(尾中悟君) その場合はこの十一条第二項といつたような条項に基きまして没收しておるわけではございませんで、一時これを保管するということでやつておるのではないかと思います。ただ実際問題といたしまして、現場において、或る程度こういつたことを相手によく納得せしめずに実施している面があるのではないかということを私自体としても考えられるわけでありますが、飽くまでも没收ではなくて、一時保管という形で現場では処理しておるのではないかと思つております。
#23
○千田正君 今の御説明であるとするならば、この条文にもう一項差し加えなければ、本当のこの条文が生きて来ないと思うのであります。現場において違反船若しくは違反した行為と認めた場合には、一応それを保管し、或いはその犯罪が確定するまで水産庁若しくは都道府県の監視舶がそれを保管し、そうして犯罪の確定した後においてこれを没收、或いは没收することができるというふうに書き替えられなければ法文の完備はなされないと思いますが、その点はどうでありますか。
#24
○説明員(尾中悟君) そこで今問題になりました保管の問題でございますが、これは確かに御指摘のように或る、こういつた条項に基いてやつておるわけではないのでございますので、その点問題になり得ると思いますが、実際問題といたしまして、現場においては相手方にその点をよく納得せしめまして、一時証拠物件といたしまして保管するという、別の立場から保管をやつておることになつておると考えております。
#25
○千田正君 どうも御答弁ははつきりしないのですが、これはもう少し御研究になつてお答え願いたいと思います。というのは、私何も挙げ足を取るわけではありませんで、若しもこの条文によつて実際実行されるとするならば、一応保管して、そうして犯罪と決定して後においてこれを没收の処分をするというふうに、この項を十分に効果あらしめるような方法を考えてもらいたいというのが私の述べることであつて、現実においてはそうでない。丁度濁酒の密造者を捕まえたみたいに、その場で直ちに密造のかめを捕まえて、そうして密造だと言つて、それを検査官が密封して保管して行つて、そうして犯罪が確定して裁判所において罰金若しくは懲役の刑に処せられた後においてこれを没收するというのが、現在の日本の行き方のように我々には考えられる。そこで無知な漁民が多いのでありまして、常に納得さして押えるということはなかなか容易でないと思いますので、この点を一応考えられたらどうか。私のほうはそういうふうに考えるのでありますが、一応何か又その点について御参考になるようなものがありましたら、御返事を願いたいと思います。
#26
○委員長(木下辰雄君) ほかに御質問ありませんか。
 それでは小型機艦底びき漁業取締規則に対する御意見、御質問は又後日に譲りまして、ここに皆さんに御配付してあります昭和二十六年度小型底びき減船整理予算の行使計画というのがありますが、これについて水産庁から簡單に御説明を願います。
#27
○説明員(尾中悟君) 一枚目の紙は、これは昭和二十六年度の小型の減船予算の行使計画の順位でございます。方針といたしましては、本年度の補正予算によりまして御承認を受けました約二億円の減船整理費の使い方につきましては、先ず第一に、総トン数十五トン以上の小型漁船でございまして、この船を制限以下船に改造することが非常にむずかしい、こういつた場合には、このものを先ず最優先的に減船整理の対象とする。そこで第一順位としましては、今言つた十五トン以上の小型機艦、こういうことになつております。第二順位以下は、それぞれ瀬戸内海とか或いは伊勢湾その他の特殊海域におきまして、或る制限馬力以上船につきまして、小型底びきの廃業を希望するようなもの、こういうものを順位として挙げておるわけであります。
 その次の頁を御覧頂きたいと思いますが、ここで具体的に県別の築磯漁業に転換するもの、或いは他種漁業に転換するもの、或いは運搬船に改造するものといつたものが載つております。がここに載つておりますのはいずれも十五トン以上のものでございまして、これが大体一億九千万円で、予算の殆んどがかかつてしまうわけでございます。当初予算面では、本年度の補正予算におきまして八百五十八隻の整理を予定しておつたのでございますが、十五トン以上だけに限定しました関係上、転換費用も相当多額にかかりましたので、結局只今のところ十五トン以上の船二百十五隻を整理いたしますと一億九千五百万円かかる、あとの約六百五十二万円につきましては、瀬戸内海における特に高馬力のもの、このものの転換に充当したい、こういうふうに思つております。隻数はこういつたふうに非常に減つて参りましたのは、昨年の漁船の検認の結果トン数が相当殖えて参りましたし、又我々が当初予想しておりました船齢等も若干食い違いがございまして、比較的最近にできた船も相当ございました関係上、こういつた結果になつたわけでございます。各県別に見て参りますと一番多いのはやはり伊勢湾の関係でございまして、愛知県が築磯にするもの六十九隻、それから他種漁業に転換するものが二隻、三重県が三十七隻でございます。それから瀬戸内海関係では徳島の七十隻、岡山の二十五隻その他若干、こういうふうになつております。それから築磯漁業に転換するものが殆んど大部分でございまして二百十五隻、それから他種漁業に転換するものは三隻、それから運搬船に変りますものが二はい、こういつた計画になつております。これはいずれも各県におきましてそれぞれ具体的に船別に当りまして県知事から大臣宛にこの転換の計画が出て参つておりますので、それに従いまして各県別の転換費用の配賦をやつたわけでございまして、近く正式に各県のほうにも通知して参りたいと思つております。
 それから二十七年度の減船整理の予算の行使方法でございますが、二十六年度の補正予算で十五トン以上の大型艦につきましては全部整理転換を完了いたしますので、第二段階といたしまして、二十七年度においては瀬戸内海とか紀伊水道、東京湾、有明海等において、今度漁業法に基きまして告示を出すことになつておりますいわゆる制限馬力を超ゆるもの、これを対象にして参りたいと思つております。最後の表を御覧になるとおわかりになりますが瀬戸内海につきましては十五馬力以上の船につきまして転換を進めて参りたい。この関係の経費が一億二千七百万円ということになつております。それから紀伊水道の関係でございますが、これは一応三十馬力で制限馬力を押えることになつておりますので三十一馬力以上の船につきまして転換を進めて参りたい。この関係の経費が約千三百万円ということになつております。それからその次に伊勢湾、三河湾の制限馬力以上船の整理でございますが、これは二十一馬力以上の船が対象になるわけでございます。この経費は約一億円ということに相成つております。そのほか東京湾、有明海等につきましても、それぞれ制限馬力以上の船について整理を進めて参りたいと思います。こういつた制限馬力を超ゆるものにつきまして減船整理をしまして、金額は若干残るわけでございまして、これは一番最後の所の四の所に書いてございますが、大体予想されますのは七千五百万円程度は、残つて来ると思います。で、この金の使い方の問題でございますが、只今各県から減船整理を早くやつてくれという希望が相当出ております。今まで集一計いたしましたものでも約十六県分で二千五百隻程度のものが減船を希望して参つております。この中にもちよつと書いてございますが、例えば広島県の中部海区だとか、或いは青森県の陸奥湾関係だとか、或いは愛媛県の宇和海区といつた所では、海区漁業調整委員会がその海区内における小型底びきの全廃を決議いたしまして、成るべく早く国庫からの補助を期待しておるような現状でございまして、今後こういつた十五制限馬力以上船の整理が済みますれば、そういつた自発的に減船を希望する、又その海域の状況から見て当然減船すべきであるといつた場合には、優先的に取上げまして減船を更に進めて参りたい、こういうふうに考えております。
#28
○委員長(木下辰雄君) 何か御質問ありませんか。
#29
○秋山俊一郎君 この十五トン以上の船は本年度で全部減船されるはずなのに、二十七年度で又……これは馬力ですね、十五トン未満の船の馬力でございますね。
#30
○説明員(尾中悟君) そうでございます。
#31
○秋山俊一郎君 やはり瀬戸内海方面のもそうでございますか。
#32
○説明員(尾中悟君) そうでございます。
#33
○千田正君 大体よくわかりましたが、これとは別に、ちよつとこれと関連して伺いたいと思いますが、長官もお見えになつておりますからちよつとお伺いいたします。聞くところによると、有明海におけるところの海区の問題がなお紛糾を続けて、はつきりしたところまで結論が行つていないように承わつておりますが、果してそうでありますかどうか、その点について伺いたいと思います。
#34
○政府委員(鹽見友之助君) 有明の問題というのは、この問題でなくて、共同漁業権の関係で佐賀県と福岡県が過去からずつと入り合いになつておりまして、それで紛争をずつと続けておるという問題がございますが、その問題じやございませんか。
#35
○千田正君 そうでございます。
#36
○政府委員(鹽見友之助君) その問題は只今漁政部長が両県と連絡に行つて、できるだけ早く解決するという方針で、今現地で以て両県と折衝中でございます。
#37
○千田正君 現地のほうからもいろいろなこと高くというと、なかなか見通しがつかないと、やはり最後には水産庁のほうからはつきりした線を引いてもらわなければならないだろうというようなふうに承わつておりますが、そこまで行かないでも漁政課長等が現地で十分納得の行くような線が出そうであるかという点なんですが、今の長官の御説明によつてやや希望の観測をしてよろしいわけでございますか。
#38
○政府委員(鹽見友之助君) 漁政部長が行つておるのでございますけれども、大体今度の会談でまとめを付ける決意で行つております。併しまだその見通しについては現地のほうから確たる連絡はございませんけれども、肚組みとしては、漁政部長が付けて参る、こういう決心で行つております。
#39
○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#40
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#41
○秋山俊一郎君 この減船の案によりますというと大体築磯に転換する、或いは運搬船に転換するといつたようなふうに大体十五トン以上のものはさまつているようでありますが、こういう船が中には十五トン以上の、先ほどもお話を聞きますと、比較的新らしい船がある。従つて補償金額が高くなるというようなお話でありましたが、そういうふうな新らしい船を築磯に落してしまうということは、誠にもつたいないような気がするのでありますが、こういうものを県内、或いは県外で希望するものに譲渡するというようなことはできないのでありますか。それはその県においてもう外に売らないで築磯に落してしまうというふうなことになつているのでありましようか。現在長崎県等におきまして漁業の転換をやろう、内湾で以て、例えば有明あたりでも早小型でやつてもしようがないから、鯖の一本釣に転換しようという空気が非常に濃厚であります。県も非常に援助を與えるような情勢にありますが、そういう場合に、現在なお三年なり四年なり使えるような船を買つて来るということは非常に仕事を早める上に工合がいいと思いますし、又資材の面からも非常に工合がいいのではないかと思いますが、そういつた減船の場合、農林省で、そういう船ならこういう艦に転換さして一つ使つたらどうかというふうなサゼツシヨンといいますか、そういうふうなことはできないものでございましようか。この際伺つて見たいと思います。
#42
○説明員(尾中悟君) 只今の御質問でございますが、これは小型以外の他の漁業で代船として、この小型の整理の対象になつております十五トン以上を越えるものを欲しがつているといつたような面がございますれば、当然、その船が相当使えるものであります限り、そちらに転用するということが国家経済的に見ましても正しい方向じやないかと思つております。で、我々のほうで今考えておりますのは、各県のほうで例えば救難船に使うとか、いろんな関係で地元の漁業協同組合等が欲しがつているような例があるわけでございます。そういつた方面にもこれを希望があれば廻すというふうなことも考えております。いろいろそういつた関係もございますが、一応各県のほうで今作業を進めておりますので、その上で、若しもいい船につきまして他に転用するなにがあればそちらの手を取らして参りたい。若しそうでない場合、結局止むを得ず築磯にせざるを得ないというような場合も相当出て来るのじやないか、こういうふうに予想しております。
#43
○秋山俊一郎君 そうしますと、これはその県に直接相談をしたほうがよろしいのでございましようか。それとも水産庁を通じてそういうふうな相談をした住うがいいのでありましようか。それからもう一つは、そういつたような場合に築磯にすべき計画のものを更に活用するといつたような、漁業に活用するといつた場合に補償金の問題なるものは同じような状態で行けるものかどうか。それが漁船に転用するということになつたために補償金額が減少するというようなことになりますれば、それを手離す人はそうしないと思いますが、それは同じように、築磯にしても、転用しても同じように補償金は行くものであるかどうか、その点、二点を伺います。
#44
○説明員(尾中悟君) 他種漁業への転換の場合でございますが、これは予算の面から申しましても、築磯にする場合と他種漁業に転換する場合と、それから運搬船に改造する場合と、それぞれ異なつた取扱をやつているわけでございますが、その船が実際に他の漁業にも転用できるということでございますれば、大部分の場合、他種漁業への転換ということで処理されて行く。ただ我々のほうで、先任どもちよつと触れましたように救難船等に使います場合は、これは築磯にする場合と同じような補償を考えて参りたい、こういうことで大蔵当局のほうとも打合せは進めておりますが、今御質問がありました、特に他県の地種漁業の代船に使うといつたような場合は、具体的にはなかなかこういつた船型の船につきましてはむずかしいのじやないか。それで築礎として現地から計画が出ている、こういうふうに我々のほうは了解しております。何かこれについて是非そういつた艦を買いたいというようななにがございますれば、水産庁としましても各県と連絡をとりまして、そういつた方向に進めて参りたいと思います。
#45
○秋山俊一郎君 大体わかりましたが、今私のほうの知つております範囲では、長崎県では相当に希望している向きがあるように最近聞いております。従つてこの点は長崎県の県庁と連絡をとりまして、必要な向きがどの程度、どのくらい欲しがつているかということを具体的に調査いたしまして、後日御連絡申上げることにいたしたいと思います。
#46
○千田正君 ちよつと簡單に。これは恐らくこの法案が通つた場合に、或いは青森県の陸奥湾とか、その他のように希望して転換したいというのが相当或いは出て来るかも知れない。そういう場合に、ここに載せられた七千五百万円の範囲でできるかどうか。若しそれをオーバーした場合はどうなるかという点もお考えになつているかどうか、その点聞いておきたいと思います。
#47
○説明員(尾中悟君) 先ほどもちよつと触れましたように、現在各海区で小型底びきを全廃したいというようなことを言つて参つておるのを集計いたしますと大体二千五百隻くらいになつております。来年度の制限馬力以上船を整理いたしまして、その差が七千五百万円程度残るということを申上げましたが、これでは到底足りないと思います。従いましてこれは御承知の通り、昭和三十一年の三月末まで継続して減船整理をやるということになつておりますので、更に次年度において考慮して参りたい、こういうふうに思つております。
#48
○委員長(木下辰雄君) ちよつと私から申しますが、この法案審議の際に、各委員から補償金に対して課税されはしないか。若し課税されたら補償金の目的を達しないが、是非課税せぬようにお願いいたしたいということを皆申されましたが、その経過がわかつておりますならば聞かせて欲しいと思います。
#49
○説明員(尾中悟君) 課税の問題につきましては、大蔵当局ともいろいろ折衝を重ねて参つておるのでありますが、只今の現状を申上げますと、他種漁業に転換いたします場合と、運搬船に改造する場合は、これは補助金をもらいまして、その当該事業年度内に今度転換する先の漁業種類の漁具を買うとか、或いはその他の器具を買う或いは又船を改造いたしまして運搬船にするといつた場合には、一応資本的な支出に充当されるということで補助金をまるくそういつた方面に使いますれば、そこに剰余が出ないわけでございますので、課税の対象にはならない、こういうことに相成つております。ただ問題は築磯にした場合でございますが、この場合には、税法上はやはり一種の譲渡とみなされることになる関係上、そこにもらつた補助金とその船の帳簿価格との間に差額が出て参りますれば、譲渡所得として、課税の対象になる、こういうことが考えられるわけでございます。そこでこの船舶を再評価いたしまして、少くとも政府からもらう補助金の額までは船価を再評価する、こういうことにいたしますと、例の漁業権証券において考えられましたように、再評価税の六%だけで済むという関係になるわけでございまして、そうなりますと、租税関係の特別措置法の改正という問題も当然出て参るのでございますが、この関係につきましては、只今大蔵当局のほうと打合せ中で、近く特別措置法の改正を考慮する、こういう話合いの段階まで参つております。
#50
○秋山俊一郎君 それに関連しまして、そういたしますと、築磯にする場合と他に売買する場合と同じような結果になると思うのでありますが、比較的新らしい船でありますれば、その再評価額もそう大して違わないと思うのです。現在の再評価額と最初建造したときの価格と余り変らないと思いますが、それでも幾分差はあるのじやないか。そうすると築磯にしても、売つても同じというような恰好になると思いますので、そういう点も考慮して買うほうは考えなければならんと思います。やはり租税特別措置法を改正しなければ、今言つたような再評価税だけで行くということにならないわけでございますね。租税特別措置法を改正して初めて再評価だけで行くのであつて、何と言いますか、超過所得と言いますか、そういう税金というものは、若し特別措置法が改正されなければかかつて来るということになるわけでございますか。
#51
○説明員(尾中悟君) 我々のほうでデータ集めましていろいろ計算して見たわけでございますが、極く最近できた船につきましては、今度の補助が五割補助ということになつておりますものでございますから、大体譲渡所得は出ないようでございます。ただ古い船につきましては、当時の建造価格も相当低うございますし、その後の減価償却等を考えますと、相当程度の差額ができるというふうに考えられますので、比較的最近できました船につきましては、今の法律改正を待たなくても譲渡所得としては大して出て来ない、こう思つております。ただ古い船についてだけは、特別措置法の改正をやりませんと、そこに相当の差額が出るものでございますから、譲渡所得も課税の対象になる、こういう実情になつております。
#52
○委員長(木下辰雄君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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