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1951/02/25 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第14号
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1951/02/25 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第14号

#1
第013回国会 水産委員会 第14号
昭和二十七年二月二十五日(月曜日)
   午後一時五十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月二十二日委員門田定藏君辞任につ
き、その補欠として小笠原二三男君を
議長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           玉柳  實君
           藤野 繁雄君
  政府委員
   水産庁長官   塩見友之助君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁漁政部長 伊東 正義君
   水産庁経理課長 高橋 泰彦君
   水産庁協同組合
   課長      浜田  正君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産物増産対策に関する調査の件
 (連合軍の演習等による漁業者の被
 る損失補償金交付要綱に関する件)
 (昭和二十六年十月の台風による漁
 業災害の復旧資金の融通に関する特
 別措置法案に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) それでは只今から委員会を開会いたします。
 先ず最初に連合国軍の演習等により漁業者の蒙る損失補償金交付要綱ができましたので、この要綱について農林省からの御説明を求めます。
#3
○説明員(高橋泰彦君) 連合国軍の演習等により漁業者の蒙る損害補償の件について御報告申上げます。先ず従来の経過を御説明いたします。
 昭和二十一年以来連合国軍の演習区域が設定されまして、その演習海区におきましては、演習中に立入りが禁止されておりまするので、関係者の生産は減少し生活に脅威を與えるに至つたのでございます。政府はこれら漁業者の蒙る損害を補償し、その生計を維持させるために、この場合は国費を以て演習により制限された漁業の損害を補償することを決定いたしまして、昭和二十五年度におきましては、昭和二十一年より昭和二十四年までを一括いたしまして約一億二千四百万円、これは昭和二十五年度一般会計補正予算の終戦処理費によつたわけでありますがを計上いたしまして、関係漁業者に交付したわけでございます。
 以上がこれまでの経過でございます。昭和二十六年度の当初予算では、この関係の経費が五千万円計上されておつたのでございますが、それは私どもといたしましては不十分であると思いましたので、関係当局にいろいろと折衝中でありましたが、過日大体解決いたしまして、二十六年度の補正予算を以て総額二億八千八百万円を支出する了解を得たのでございます。
 この内容について申上げます。これは昭和二十五年度と昭和二十六年度におきまする連合国軍の演習による損害補償であります。次は従来措置しなかつたのでございましたが、一定水面の立入禁止、又は敷設による船舶の航行禁止のために漁場の使用を制限されたことによりまする損害につきましても、今度新らしく補償の道を開きました。従いましてこの点につきましては昭和二十一年度から昭和二十六年度に至る期間におけるものをも計上したのでございます。以上のような内容を以て総額二億八千八百万円というふうに関係当局と打合せが済みました。
 そこで去る二十二日特別調達庁及び水産庁が主催いたしまして、各関係府県の係官と会議を開きまして、この配分方法について協議いたしましたが、お手許に配付いたしました通りに決定したわけでございます。それを読みますと北海道で百三十万円、門別、勇払でございます。青森県千六百六万円、関根、三沢、高館。茨城県三千六百万円、水戸、中部本州、片貝。千葉県九千七百三万円、片貝、富津。東京八百二方円、大野原島。神奈川県九百四十二万円、長井、茅ケ崎。静岡県百三十二万円、大野原島。大阪府、百四十万円、浜寺。兵庫県二百二十四万円、神戸。鳥取県百五十一万円、美保二ヵ所。それから島根県、千七百、六十三万円、美保、米子二区。山口県千九万円、姫小島、徳山。福岡県三千百六十七万円、築城、芦屋、粕屋。佐賀県八十二万円、唐津。長崎県五千二百三十六万円、大村、鳥島、佐世保、海栗島、豆酸崎。鹿児島県百十三万円、鳥島。合計二億八千八百万円。以上でございます。
#4
○委員長(木下辰雄君) 何かこのことについて御質問ありませんか。
#5
○千田正君 これは過去の連合国軍の我が領土内における演習その他による損害の補償の問題でありまするが、今後いわゆるポ勅の廃止により、且つ又日本が独立国としての条約制定に際しまして、いわゆる行政協定の内容に立ち至ることになりますが、今後一体こういう問題が起きた場合には、どういうふうな方法によつてやつて行くつもりであるかということと、いわゆる駐留軍というふうな外国の軍隊が日本に駐留するのでありますが、その場合の演習によつて同じような損害を受けた場合におけるところの日本側の主張、並びに行政協定の内容におきましてはどういうような方法によつてこうした損害に対する補償をやつて行くか、この点につきまして一応水産当局の御意見を承わりたいと思います。
#6
○説明員(伊東正義君) お答えいたします。今の第一点のどういう方法でやるかというお話でございますが、これは今高橋課長から今年の、二十五年、二十六年の損失補償の予算の説明をいたしたのでありますが、その際我々も大蔵省当局に、来年度以降はこれはまあ終戦処理費という形のものは一応なくなるので、どういうような具体的な要求の仕方でやつて行くのだということをいろいろ聞いたのでありますが、これはまだ大蔵省としても説明いたしかねるというようなことで、我々外務省にもいろいろな要望は出しておりますが、どういう手続でどうなるということは実は今のところ水産庁当局としてはわかつておりません。ただ行政協定が結ばれるであろう際に、水産当局としてはこういうふうなことを希望するというような、いろいろな具体的問題、例えば演習区域の問題でありますとかいうような、或いは演習をやります場合の手続の問題というようなものは、こういうふうにして欲しいということをいろいろ細かい点に亘りまして外務省に要望はいたしております。要望はいたしておりますが、まだ内容はここで御説明するようないろいろなことは我々わかつておりません。
 それから駐留軍が演習する際の、第二点の問題にも触れますが、これは我我としましては今申上げましたように内容は実はわかつておりません。新聞等で見るだけでありますが、新聞によく合同委員会というような名前で出ているようでありますが、恐らくそういうようなところで相談をして、どういうところで演習をするとか、その場合の被害に対する損失はどういうふうにしてやるのだというようなことは、新聞に出ますところを見ますと、合同委員会というようなことがよく出ておりますが、そういうところできまるのであろうというふうな気がしております。我々としましでは予算的にはやはり従来通り大蔵省に話して、それから先はそつちで交渉してもらうというような形になると思います。
#7
○千田正君 どうも誠に積極性を欠いたお答えであつて、私から考えれば非常に不満に存ずるわけであります。将来ともここに掲げられたところのいわゆる算定方式によつて、或いは外務省、或いは大蔵省に向つて同じような要望をするのかどうか。果してこの算定をしたことが、この算定様式が実際働く漁民にとつて満足の行くものであるかどうかということは、我々は、必ずしもこれで満足が行くということは首肯できない。殊に独立国としての立場から、外国の軍隊によつて蒙つた損害に対する要求というものは、或る程度その国の十分なる要求権であると思いますので、これは水産当局といたしましても、この算定方式が必ずしも妥当を欠いておるとか欠いておらないということは別問題として、いわゆる独立国家の対面から言つても、その漁民或いはその他の蒙つた損害の立場から言つても、私は当然な要求はしてもいいと思うのでありまして、この点は水産行政に携つておるところの皆さんから強く外務省並びに大蔵省に漁民を代表した立場において要望して欲しいと思いますので、消極的でなく、もつと積極的に外務省なり或いは大蔵省に向つて今後行われるであろう、或いは起るであろうところの問題に対して研究し、且つ又要求して欲しいということを強く要望いたします。
#8
○説明員(伊東正義君) 私の御答弁で非常に消極的だというお叱りを受けたのでありますが、今御質問になりました強く要望せいというお話でありますが、私どもとしましてもできればもうこういう、金は全然問題にせんでいいような事態であることを希望しておるのであります。それでどうしても演習等があるという場合には、これは区域も非常に、こちらから申しますと非常に狭く限つて向うへ注文を出しておるのでありますが、成るべく非常に狭い範囲で、成るべく漁業の操業に影響のないようにして欲しい。どうしてもやるという場合には、こういう手続きでやつて欲しいというようなことを、かなり詳細なものを外務省等に出しております。今後とも今お話のありましたような態度で我々としましては強く外務省を通して要望は常にいたそうと思つております。
#9
○秋山俊一郎君 この算定式の説明をお願いいたします。
#10
○説明員(高橋泰彦君) 算定式について御説明いたします。これは演習等によりまして漁業者に損害があつた場合に、その当該年度の漁業者の所得が平年の所得の二〇%以下のときには第一の式を使うのであります。この計算の仕方は、魚の価格掛ける平年漁獲数量掛ける百分の四十二、この百分の四十二というのが大体被害者の所得ということであります。これは御承知のようにいろいろと資材その他の経費がかかりまするので、補償する対象となる所得が大体全国を平均いたしまして四二%というふうに概算いたしまして、百分の四十二を掛けたのであります。次にそれに百分の六十を掛けた点について御説明いたしますと、この補償する場合には、実際損害のあつた所得を全部補償するのではなくて、そのうちの六〇%まで補償するという性質のものでございます。これは失業保険のほうでもおよそこういうような算定方式を使つておりまするので、それを参酌してこの算定方式を使いました。なおこの算定方式は、すでに済みました、昨年度やりました分についてもこの算定方式を使つたのでございます。
 その次の第二の式について御説明いたします。これは損害を受けた漁業者の所得が平年の所得の二〇%を超えるときの算式であります。この大体の考え方は、その漁業者が損害は勿論あるにしても、何らかの収入が相当あつた場合の算式でございます。二〇%を超えるというのはそういう意味でございまするが、その場合は魚の値段に平年の漁獲数量を掛けまして、第一の式と同じようなふうに所得としては百分の四十二を掛けまして、それへこの場合には百分の八十を掛けます。これは相当収入がある場合においては八割まで見るというような考え方でございます。それから更にその収入のあつた点を差引きます。この差引の式が魚価掛ける当該年度の漁獲数量に掛ける百分の三十八ということに相成つております。この差引くのは収入があつた所得を差引くという意味でございまして、これは本来ならば百分の四十二というふうにあるべきかとも思いまするけれども、演習などによりまして損害があつた場合には相当な経費の増加が考えられますので、例えば具体的に申しますと、或る区域について立入りが禁止されますと、その他の収入をあげますためには相当遠廻りをして出て行かなくちやならない。演習をやつていない場所に行きますためには相当の経費増を見込む必要があるというので、本来ならば四十二というところを百分の三十八ということで考えております。従いまして大体一割程度の経費増があるというふうに考えた式でございます。以上。
#11
○秋山俊一郎君 そうしますと、この四割二分というものは、その年の業者の利益というふうに見ておるのでございますか。所得経費を差引いたものであつて、利益とまではならない程度のものでしようか。
#12
○説明員(高橋泰彦君) お答えいたします。この所得の四十二といいます内訳は、これは大体の平均した考え方でございまして、なお安本の国民所得の調査を参考にして見たのでありまするが、大体利潤が二一%、労賃が二一%と見まして、それが四十二というふうに大体見たのでございます。それからその他の経費といたしましては漁船、漁具の償却費が一九%、それから資材費がいろいろございまするが、綿糸及びマニラが一四・四%、燃油が七・五%、その他の資材が五%ほどを見込んでございます。そのほかに税金その他の経費が七%、以上で百分比を考えまして、所得を四二%というふうに推定したのでございます。
#13
○秋山俊一郎君 一九%というのは何ですか。
#14
○説明員(高橋泰彦君) お答えいたします。その一九%の内訳は漁船の償却費が大体八%、それから漁船修理及び船具費が一一%と見てございます。
#15
○秋山俊一郎君 次に先般来しばしば演習地域が設定せられましたについて業者から変更なり、或いは中止取やめといつたような陳情がしばしばあつたように思いますが、それはその後どういうふうに解決したものでありますか。業者の意向を取入れたものもあるやに聞いておりますし、その辺の全国に互つての演習区域の実態がどういうふうに落ちついておるかということを若しおわかりなら、ここで御説明頂きたいのですが、今日わからなければ次の機会でもよろしうございます。
#16
○説明員(高橋泰彦君) その連合国軍の海軍の演習に対しまする申入れの件につきましては、昨年の十月頃に外務省連絡局あてにいろいろと折衝したのでございます。これにはなお私どものほうの意見も具体的に申入れをしたのでございまするが、その後関係方面でいろいろと研究されまして、ほぼ私どものほうの意見も大体取入れられまして、本年の一月の二十八日に、こちらに正式に答えを受取つたわけでございまするが、大体水産庁といたしましては、ほぼ目的を達したのではないかというふうに考えております。なお目下これについての状況をいろいろと調査中でございます。
#17
○秋山俊一郎君 今水産庁の御意見が大体通つたというお話でありますが、どういう御意見が出ておつたか。当時の水産庁の意見に対しては業者は承服しがたいというので、更に直接に関係筋のほうに折衝して、更にそういうことならば変えて欲しいというような意向があつたように私は聞いておりますが、その水産庁からの要望というものはどういうものであつたか。又業者の要望がどういうものであつたか。業者の要望が即ち水産庁の要望であつたというふうになつておりますかどうか。それらの点も併せて伺いたい。
#18
○説明員(高橋泰彦君) 勿論この要望を出す場合には、関係県御当局とよく連絡をしたのでございます。で関係県といたしましては直接に御意見あります漁業者とよく連絡した上で、私どもに意見を申して来ておるのでございまするので、その点関係県とよく打合せた上で出したのでございまするが、なお具体的な問題がかなり残されている個所もあるように聞いておりまするので、この点は調査した上で必要があれば更に考究を続けて参りたいというふうに考えております。
#19
○秋山俊一郎君 今後の演習区域とか、或いば爆撃区域とかいうようなものは今後の……、今後でありません、今やつております行政協定の内容に織込んであるのでございますか。それとも行政協定とは別個に軍当局が設定するのでありますか。それからこの行政協定に織込んでないとすればこれは軍単独で、米軍単独で、或いは日本との今後の合同委員会といつたようなものができるということでありますが、そういうところできめられることになるのでありますか。勝手にきめて日本に通達して、前のようなふうになると又問題が起ると思うのですが、その点はどうなんでありますか。
#20
○説明員(伊東正義君) 私からお答えいたします。その前に先ほどの高橋課長から御答弁いたしました水産庁の意見が大体通つたという話でありますが、これは今御説明しましたように、一月二十八日にスキヤツピンが参つたのであります。こちらから出しました点で、実はいろいろ注文を出したのでありますが、通らなかつたところが二つあります。それは九州の側の甑島と鳥島ですが、あそこの関係は省いて欲しいという注文を出したのでありますが、これは通つておりません。こつちの意見はこの二つだけは通つておりません。それからその他はこちらの、犬吠、三陸方面、或いは相模湾の問題とかいろいろ非常に広い区域の問題があるのであります。これは半分にするとか、或いは操業に差支えない外のほうへ出すとか、大体こちらの意見が通つております。今申上げましたように若干通らん点もございます。
 それから後ほどの御質問の行政協定の中に入つておるかどうか、或いはやる場合には米軍が勝手にやるか、途中で勝手にやるかという御質問でございますが、これは実は先ほど私が御答弁いたしましたように、行政協定の内容はわかつておりません。全然事務当局の我々は聞いておりません。先ほど申しましたように農林省としましては、これは農地、山林も、勿論水産を含めまして次官名で外務省、それから金の面等につきましては大蔵省というようなところの省に、具体的な問題について実は注文を出しております。それが行政協定の中に織込まれておるのかどうかということは、実はわからないのでありますが、我々の想像といたしましても、勝手に駐留軍が演習地域を設定して演習をするというようなことは、これは想像ができんじやないか。やはりきめる場合には、恐らく両方で相談してやるのだろうと思うのでありますが、先ほど申上げましたように内容はわかつておりません。ただ注文だけは我々としまして具体的に出してあるというような状態でございます。
#21
○千田正君 あの国内法の関係から言つても、損害を受けた者に対する課税の減免という点においてはどういう程度に考えておられますか。
#22
○説明員(伊東正義君) お答えいたします。二十五年度にたしか二十一年から二十四年までの演習の被害によります損失補償金を出したのでありますが、そのときには税法上の問題はあるのでありますが、実際上の取扱いとしてこの損失補償金に対しては課税せんというような取扱いをしたそうであります。二十五年度までの分につきましては、これはまあ丁度供米と同じような、超過供出と同じような問題になりますが、表向きからじやなくて、実際上の具体的な問題の取扱いとして、そう取扱つたそうであります。で今度の分につきましても、やはり我々としましては従来通りの取扱いをしてもらうように話すつもりでおります。
#23
○千田正君 これは今度のいわゆる行政協定に基く国内法の改正というような点が当然出て来ると思いますので、その際こうした問題によつて損害を受けた場合におけるところの課税の対象の研究をこれは十分やつてもらいたい。そうしてそれがやはり損害を受けた人たちに対する国の方針としてはつきりすべきものでないかと我々は考えますので、この点を特に考えて頂きたいということを今から注文申上げておきます。
#24
○青山正一君 この問題じやないのですが、この補償金にからんでいろいろお聞きしたいと思いますが、大体国の計画といたしまして、今年度十二ヵ所の海岸なり或いは潟、湖、こういつたところを干拓しようというふうなことで、国家の方針が進んでおり、現に実施しつつあるところが相当あろうと思いますが、私の聞き及んでおるところでは、大体今年度は十二ヵ所の湖なり或いは海岸を干拓するというふうに聞いておりますが、そういつた場合に、例えば算定方式とかいうものはできておるかどうか、何か絶えず農地局とその漁業者側との間において、いろいろ折衝しておられるかどうか。それからこういつた面の補償金はやはり課税の対象になるかどうか。そういつた点について一つ長官なり部長からお聞きしたいと思います。
#25
○説明員(伊東正義君) 今の御質問の点は、県で実際問題として取扱つておるそうであります。それでその場合の算定式等につきましては、当時開拓局と水産局とで打合せて方式は作つておるそうです。その場合の干拓の問題はこれは私の私見になるかも知れませんが、成るべく干拓した土地はその漁業をやつていた漁業者に優先的に割当ててやるとかいうことをやつて、そうしてそこの沿岸を今までそこで増殖をやつたりなんかしておつた漁業者に優先的に干拓地を割当ててもらうということによつて補償して行くというのがこれが方針としていいのじやないか。これは私の私見に亘るかも知れませんが、そういうつもりでおります。
#26
○青山正一君  只今伊東さんのおつしやつた干拓した土地の配分というようなことは、これは皆さんそういうふうにおつしやつておるのですが、一カ所としてそういうものが実際的に行われておるところはないのです。例えばはつきり言えば秋田県の八郎潟といい、或いは岡山県の、或いは滋賀県の琵琶湖、或いは石川県の邑知潟といい、これは相当魚の漁があるのであります。ところが別にこれは補償しなくともいいのだ、補償しなくとも、作つた田圃をお前たちにやれば、それで結構だというような建前で皆進んでおられるようですが、殆んどそれが実際的にそういつた土地の補償とかいうことは殆んど、ただ口に言うだけであつて実際行われていない。アメリカ軍の今度の演習などによつてこういつた損失補償の途が立派に講ぜられておるのに、一方においては漁業者の建前が殆んどもう漁業で以て立つて行くことができないのだという場合において、もう漁業とは縁切りだという場合において、何らこれを開拓局を主体としてそれを任せて置く、こういつた立派な算定方式というものは出ておらない。そういつた点をもう少しこの水産庁のほうで熱意を持つて進んで行かなければ、例えば岡山県の児島湾といい或いは千葉県の館山、これなども非常に漁業者は泣きの涙で提供して行かなければならん、補償なども十分に考えていられない。今年度は国家の方針として、こういつたところをどしどし干拓して行くのだというふうな建前に進んでおるようにも見受けられるし、北海道なども同様だろうと思います。そういつた点十分に一つ御留意を願つて、はつきりとした算定方式、而も農地局或いは開拓局とはつきり折合いのついた算定方式はどういうものか、ただ一時的の損害じやないのだ、永劫末代漁業に従事できないものを建前として、ただ単に作つた土地をやるのだ、そういうことはこれは全然行われておりません。今までの状態においては、その点を一つ十分御留意願つて今後はつきりとした方式を立て、例えば補償金などを受けた場合において、それが課税の対象にならんように一つ格段の御努力を願いたいと思います。以上であります。
#27
○玉柳實君 水産庁のかたにお尋ねをいたしますが、この損失補償金の交付、の相手方は、直接被害を受けた漁業者ということになつておりますが、その漁業の実態が経営者と雇用労務者によつて行われるような場合に、この補償金の交付はやはり経営者に対してのみ交付せられるものでありまするか。そうしてこの雇用労務者に対して配分するとかしないとかというようなことが、経営者の全くの一存に任せられるわけでございますかどうか。それから従来かようなことに関連いたしまして経営者と労務者との間にトラブル等が起つた事例がございますでしようかどうか。この点をちよつとお伺いいたします。
#28
○説明員(高橋泰彦君) この損失の補償金の交付は要綱に漁業者と書いてありまするが、この場合は経営者及び労務者というふうに御解釈願いたいと思います。この点はなお通達にははつきり書いてございます。それから第二番の御質問は、経営者に対する補償金と労務者に対する補償金との分け合いの問題で、何か問題が起きたことがないかという御質問ですが、これは大した問題ではございませんけれども、幾らか問題があつた場合もございます。殊にこれらの漁業の特質から来る問題でございまするが、労務者がほかの地区から来ておる場合、例えば千葉県でございますと、経営者は地元におるのでございまするが、労務者が他県から来ておる場合に、その他県から季節的に入つて来る労務者に対しても補償するかどうか。補償するとすればどういう手続でやるかといつたような点が具体的に問題になつた場合がございます。この場合も他県から来る労務者でありましても、それだけの損失がある場合には、補償すべきであるというふうに指導しておりまするが、実際の事務的の問題といたしましては、毎年入つて来る労務者が一定していない所から来る場合、この場合には実際問題として交付したくてもしようがなかつたという事例がございます。併し趣旨としては実際損害を蒙つたならば、居住者以外の者でも補償するようにというふうに指導はしてございます。そういう点について多少事務的な問題があつたことを申上げます。
#29
○玉柳實君 そうしますと、これはやはり事務的な問題になりますが、この補償金は経営者或いは該当労務者があります場合に、それぞれ直接に算定されるわけでございますか。即ち雇用労務者については経営者を通じて算定交付するということでなくして、府県知事等におきまして直接雇用労務者の分も算定し、所定の手続を通して直接交付するといつたようなことになるわけでありますかどうか。
#30
○説明員(高橋泰彦君) さようでございます。これはやり方として、事務的には成るべくなら経営者に一括して渡すというようにしてもらいたいという要望もないわけではございませんが、併し問題が問題だけに、多少の事務的な不便があつても、労務者個人ごとに申請するように指導してあります。
  ―――――――――――――
#31
○委員長(木下辰雄君) 他に御意見ありませんければ、次に移ります。
 昭和二十六年十月の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案というものがやがて当院に提案さるるようでございます。あらかじめこの内容について御説明申上げたいという申出がございますので、これからその説明を求めます。
#32
○説明員(浜田正君) 昭和二十六年十月のいわゆるルース台風によります水産の被害の復旧につきまして、この復旧資金の融資を円滑にする目的を以ちましてこの法案が作られているわけであります。農林中央金庫又はその他の金融機関が総額十五億円を限度にしまして、この台風による被害の復旧資金の融資をするときは、この融資のために損害が起つた場合は、融資額の三割を最高限度にして政府が金融機関に対して損失補償をする。それからその融資額の残額に対しまして利子の補給を金融機関に対してする、こういう建前の法律であります。
 これをもう少し詳しく説明をいたしますと、この融資の対象になるものは、先ず十月のルース台風による被害のものであるということであり、この対象になるものは漁船、漁具及び養殖施設と、この三つのものを対象にしてこれに対する融資を円滑にするという目的であります。そして政府はこの中央金庫その他の金融機関が融資をする場合は、政府がその金融機関と、融資によつて起きた損害を補償すること、それから金利を補給すること、こういう契約を結ぶということであります。そして政府がそういう契約を結ぶことのできる限度は、十五億円が限度であるということであります。
 そこでこの損害のほうは今直ちに出て来るわけではありませんので、融資対象の融資の償還期限が来てからあとの問題でありますので、直ちに予算の問題にはなりませんが、利子は当初から予算の問題になりますので、その利子は三千万円を今年の会計に組んであります。そしてその融資総額の個々の融資でなくて、中央金庫なら中央金庫がA、B、C、Dに融資した個々ではなくして、その総額の百分の三十、こういうふうにしております。それから更に利子につきましては普通中央金庫が貸している金利、例えば長期資金につきましては、一割一分で貸しておれば、それを四分下げた利子で貸せ、つまり七分で貸してやれ、四分は政府から中央金庫のほうに補給してやる、こういう建前のものであります。そうして最後に今度は金融機関は、そういうふうに損害が起つた場合、政府から最高三割を限度とする補償をされたが、その後金融機関が債権の回収に当つて補償された額以上の回収がついたということになれば、その分は政府に返せ、こういうような体系であります。最後にこの法律はルース台風の起つたときまで遡りまして適用をして行くという建前でございます。
 以上が法律の大体の筋書でありますが、現在までこの関係で貸しております金は約三億二千万円、一月末現在で三億二千万円という金が出ております。大体そういうことであります。
#33
○千田正君 表題を見ると昭和二十六年十月の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案ということになつておりますが、勿論昨年のルース台風は非常な損害であつたのでありますが、更にその前にはアイオン、カザリンというような台風が相当の被害をもたらしておる。その復旧もまだ完全に復旧しておらない。そこで私の特にお尋ねしたいのは、過去のそういう同じような災害を蒙つたものに対してもこれに準拠するような方法によつて復旧して行くような考えがあるかどうかということと、それから今後恐らく日本の周辺はしよつちゆう台風に見舞われますが、今後とも同じような、台風による損害を受けた場合においては、その都度にこういうことを、措置法を講ずるつもりでおられるのかどうか。昭和二十六年十月の台風にのみ特別措置法を作るという考えでおられるかどうか。その点をはつきりして頂きたいと思いまするが、水産庁御当局の御所信を承わりたいと思います。
#34
○説明員(浜田正君) 過去の災害につきましては、しばしば水産庁も交渉したのでありますが、こういうふうにならなくてそういう災害が頻繁に起つて来るということであり、且つルース台風の被害状況を見ていよいよ何とかせざるを得ないという段階になつてこういう法案ができたのでありまして、過去の災害まで遡つて行くということは困難だろうと思います。
 それから将来の災害につきましては、我々は一つのこれはきつかけだと考えております。そもそも大体水産の災害補償制度というものは当然考えて何らかの対策を打立てなくてはならんというのでありますが、そういう意味からしましても、これはきつかけであります、きつかけにしようと考えております。それで更に大蔵省あたりと私らが交渉したときの行きがかりも、こういうふうに表題を二十六年十月の台風による災害と書きましたが、何かこの表題のところをちよつと直せば修正ができ上るというように、きつかけにしながらだんだんと災害に対する補償制度というものを制度的に出して行きたい。かように考えております。
#35
○青山正一君 只今の浜田さんの御意見御尤も至極です。そこで水産庁長官にちよつとお伺いしたいと存じます。昨年度のあの災害復旧費ですね、大体災害復旧費として、これは何台風による問題かそれは私知りませんが、大体一千万円ならば一千万円の三カ年で、大体災害復旧費というものを渡さなければならんという建前になつておるのですが、昨年度は三分の一渡つたきりです。今年度は大体一〇%か一二%というふうなことで大体規定しておるかのように私承わつておるのですがその点は真実ですか、どうですか。その点について承わりたい。漁港などの関係ですね。
#36
○政府委員(塩見友之助君) 只今の青山さんのお尋ねは、恐らくこれではなくて公共事業費に関連した部分だろうと思いまするけれども、大体過去の異積した数字の二〇%と来年度の予算では大体概算されるそうでございます。その前、前年度即ち今年度については率はもつと低かつたと思います。それからその他のほうの公共事業費についても、やはり大体率からいうと似たようなところに行つていはしないかと、こう思います。
 それからちよつと速記をとめて頂きます。
#37
○委員長(木下辰雄君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#38
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
 ほかにありませんか。
#39
○千田正君 これはやはり今御説明になつた長官並びに次長の御説明もよくわかりますが、一応我々に研究さして頂きたい。
#40
○委員長(木下辰雄君) ほかに御意見がありませんければ、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午後二時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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