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1951/03/03 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第16号
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1951/03/03 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第16号

#1
第013回国会 水産委員会 第16号
昭和二十七年三月三日(月曜日)
   午後二時一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           藤野 繁雄君
          小笠原二三男君
  政府委員
   水産庁長官   塩見友之助君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁漁政部長 伊東 正義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産物増産対策に関する調査の件
 (水産業協同組合法に関する件)
 (干拓に関する件)
 (拿捕された漁船の船員に対する補
 償及び未帰還者に関する件)
 (石油に関する件)
 (海区に関する件)
 (北洋漁業等の問題に関する件)
○漁港法第十七條第二項の規定によ
 り、漁港整備計画の一部改正につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆
 議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。法案に移る前に水産庁に対していろいろ御質問があると思いますが、水産庁長官がまだ見えませんので、漁政部長に対して何か御質問ありますればお願いいたします。若しございませんければ、私から二、三お伺いいたしたいと思います。
 漁業法によりますと、水産業協同組合法によると、水産業協同組合は配当が五分以内ということに限定されておりますか、今回組合が漁業を自営する、例えば大謀網を経営するとか、或いは製永冷蔵を経営するとかいうような場合において、相当利潤がある、こういう場合において五分に配当を制限するということになれば、出資意欲も減退するし、会社のごときは、或いは任意の大敷組合のごときは何十倍も配当しておるのに、協同組合の場合は五分に制限するということになれば、組合としての事業の発展性も少く、又出資意欲も非常に減退すると思うが、これについて何か水産庁としてお考えになつておりますか、伺いたい。
#3
○説明員(伊東正義君) その点はまだ私のほうで事務的な十分な検討はいたしておりません。お説のようにほかのほうは何十割の配当にもなる、組合だけは法律で抑えられる、その間の矛盾ですが、これは若干私見になるかも知れませんが、その配当を高めて出資意欲を増すということも一つの手ではありますが、或いはその利益金で組合の施設を擴充して行くとか、そういう個人に対する配当という形でなくて、組合の基礎を強固にして行くということも、これは当然考えるべきことでありますので、これは我々のほうとしましても早急に事務的に検討いたしまして、又お答えいたしたいと思います。
#4
○委員長(木下辰雄君) 昨年の京都府の伊根の漁業協同組合が持つております権利は大敷組合というものを、別に任意組合を作つて、それによつて大敷組合を経営しておる、そうして一人に対して何百万かの配当をしたということを聞いております。最近においては漁業権を漁業協同組合が取りまして、そうして非常にいい漁場は組合の自営に持つて行こうというような方針でやつておるようであります。任意組合を作れば何十割、何百割の配当ができ、協同組合みずからやれば配当ができない、こうなると自然的に脱法といいますか、協同組合以外のものを作つてやるということになると私は思う。漁業協同組合が生産部面に進出した今日は、或る事業に対しては別に特別会計か何かで出資制度を作つて、それに対しては配当制限を撤廃するとか、或いはもう少し高い配当を認めるとかいうようなことは、是非今後の組合の事業発展上必要だと思う。このことについては一つ水産庁で十分御検討願いたいと思います。
 何か漁政部長に対して御質問ありませんか。
#5
○青山正一君 先般も御質問いたしたのですが、干拓の問題です。今年度の全国の干拓事業は十二カ所というふうに承わつておるわけなんですが、主管庁が農地局である関係上、殆んど水産庁とは話合いせずに、一方的に、農地局の独断で補償の関係とかその他の関係をきめて行つておるように承わつておるわけなんですが、先般のこの委員会の席上におきまして、米国軍の演習地に対する補償というふうなものが、非常に大きく、僅か一年、二年の操業不能によるいわゆる補償というものが非常に大きく算定されておるわけなんですが、この干拓の問題、今年は十二カ所あるわけなんですが、その問題について水産庁あたりは力を霊しておるかいないか殆んどわからないような状態におりますが、現状においてどういうふうな注意を拂つておるか、その点について漁政部長から承わりたいと思いますが……。
#6
○説明員(伊東正義君) この前も御質問がありまして、今まで水産庁あたり余り熱がなかつたじやないかというお話があつたのであります。これは今青山委員のお話になりました十二カ所というのは、恐らく国営干拓であろうと思います。そのほかにまだ府県営干拓というものは個所数が相当ございます。水産庁としましては、ずつと前に農地局と、昭和二十二年頃でありますが、干拓についてやる場合には漁業権の補償等は一緒に算定してやろうじやないかというようなことで、一回相談いたしましたあとにつきまして、これは御指摘の通り余り進駐軍の演習による被害の損失ほどは熱は入れてなかつた、これはもうはつきり申上げます。これにつきまして特に水産庁で予算を組んでやつたこともなし、大体県当局に任していたという形になつておりますので、これはこの前も御指摘がありましたので、我々としましてはよく農地局と連絡を新らしくとつてやりたいと思つております。それで私、この前答弁いたしましたときに、できました土地等については、優先的に漁業者に割当ててそこで耕作さしたらどうかということを申上げたのでありますが、やはりそのときからそういう方針でやつておるそうでありますが、この点もなかなか関係の農村との都合上、思うようには行つておらんようであります。これは私どもとしましては、單に今度駐留軍の演習による被害だけでなくて、国策として食糧増産の面から干拓をやる場合につきましては、沿岸の漁業者の権利のことにつきましては、十分農地局と連絡をしてやりたいと思います。確かに御指摘の通り余り力が入つてなかつたということは率直に認めます。
#7
○千田正君 中共その他において拿捕された漁船の船員に対する補償及び未だ帰らないところの未帰還者に対する留守家族の人たちが非常に困窮状態に陥つて、生活保護法その他についての要望が最近頻りに当委員会においても陳情を受けておるわけですが、水産庁としましては、こうした方面に対してどういうふうな関心を持つておるか、漁政部長において若し所信をお答え願えれば結構と思います。
#8
○説明員(伊東正義君) お答えいたします。これは最近急に中共地区等で、特に以西の底曳等の拿捕が殖えておりますことは御承知の通りでありまして、これにつきまして、私、長官……、私ども参りましてから、特に経営者のかたがた並びに海員組合のほうから話がありまして、何とかこの対策を考えてくれというようなことであつたのであります。その際長官からも我々としても案は考えるが、何か経営者と船員の乗組員との間で何か新らしい組織のようなものを考えて、そこで持つて来てもらつたらどうかというようなことを申上げておりました。ところがつい最近海員の組合と経営者のかたがたから一案を持つて実は見えたのであります。これは雇主とそれから雇われるほうと両方で積立金を出す、そうして国はその再保険をしてくれというような案を持つておられます。それで水産庁といたしましてもいろいろこれは専務的に検討いたしまして船員法でありますとか、船員保険法とか、或いは失業保険法とかいろいろな法律があるのでありまして、そういうような法律改正で行けるか、或いは新らしく今申上げましたような形の保険ということを、これはそういうような形になりますと軍に以西底曳関係だけでなくて北洋についても同じような問題を考える必要があるかと思うのでありますが、そういう新らしい制度で行くかについて今検討しております。新らしい制度で若し行くというようなことになりますと、これはやはり保険の特別会計というものを作らなければいけませんので、補正予算なり何なりの機会に予算を組まなければならんというような措置をとる必要がありますので、水産庁としましてはどういう方法が一番いいかということを今検討しております。これは私自身はなぜ今までこういうことが問題にならなかつたのかというようなことを海員組合のかたに冗談に冷かしておるのでありますが、当然前から考えられることではないかというようなことを言つておりますが、我々としましても遅ればせながらどういう形で行つたのが一番操業する乗組員として安心して操業できるというような形に持つて行けるかということを今真剣に検討いたしております。
#9
○千田正君 今水産庁で考えておることは一つの特別立法としてやられる考えでありますか、それと現在未復員者給與法若しくは特別未帰還者給與法としまして、曾つての戦争の犠牲者として未だ帰らざるところの留守家族に対する救援方法を法律で以て定めて現在支給しておりますが、その範疇に入れべきものであるか、それとも全然別個のあとからできた問題として取扱うつもりでありますか、どちらの適用方法についてお考えになつておられるか、その点も承わりたいと思います。
#10
○説明員(伊東正義君) その点は大体これは水産庁としましてはつきり結論は出しておりません。結論は出しておりませんが、どうも今まで相談しておりますところでは、従来の法律の改正やなんかでは、従来の法律の適用では十分じやないじやなかろうか、或いはやるとすれば、併し新らしく制度でもやらなければこの対策としては十分なことはできんじやなかろうかというようなふうに今考えております。併しこれもまだ水産庁の最後の意見として結論を出したわけではなくて、実は海員組合のかたがたから案をもらいましたのも実は土曜の朝なんであります。我々これはもう少し検討してからはつきりした結論を申上げたいというように考えます。
#11
○千田正君 そうしますというと、現在のこの帰らないところの、大体四百六十六名くらいになつておりますが、陳情書によりますと……。こういう人たちの留守家族に対してはその自治体、町村、或いはその他においてはこの留守家族に対して生活保護、その他によつての救援をやつておるかどうか、その点はお調べになつておられますか。
#12
○説明員(伊東正義君) お答えします。今のところは大体まだ帰つて来ぬ人々につきましては船主側が出しております。中にはこれは本当に小さい船につきましても、船も全部取られちやつて抑えないというような実態のものもございます。それで大体は出すとすれば船主が出しているというような形になつております。
#13
○秋山俊一郎君 これは水産庁の所管ではございませんが、例の石油の問題でありますが、これは一年間関税の賦課を見合わせまして今日に至つているのでございますが、その間統制を撤廃するという問題が頻りに伝えられて四月頃撤廃するのじやないかというような感じを持つておつたのでありますか、その後統制撤廃の問題はどういうふうになつておりますか、若し水産庁でおわかりでしたら御答弁を願いたいと思います。
#14
○説明員(伊東正義君) お答えいたします。石油の問題は関税の問題とそれから統制の問題と二つあるのでありますが、関税につきましては又来年も、もう一年経過規定として従来通りの方針でやつて行く、関税をかけんで従来通りの方針でやつて行くというような考えでおります。これは安本、大蔵省とも殆んど話合済みであります。それから統制撤廃の問題でございますが、これは実は去年の定員法をやります場合にもこれは非常に問題になつたわけであります。甚だ形式論をやつて恐縮なんでありますが、昨年は結局あの定員法をやります場合には統制は継続するのだというような前提で来年度の予算におきましても石油関係の定員は残つております。まあ予算その他から行けば今そういうことになつているのでありますが、これは農林省といいますか、農林省として今統制を外すとか、外さんとかいう問題じやなくて、まあ安本なり、或いはもつとこれは統制令全般の最高の政策のほうの問題になるのかも知れませんが、我々のほうとして事務的には予算的にも何も統制は継続されるという前提で今考えております。
#15
○委員長(木下辰雄君) 私からもお伺いいたしますが、最近において長崎県の知事が、対馬方面における海区を決定して、そうしていわゆる西岡ラインというものを作つて、他県の船を排除したということを聞いておりますが、その真相はどういうことか、御存じならば御説明を願いたいと思います。
#16
○説明員(伊東正義君) 御説明いたします。長崎県知事の真意は私はよくわかりませんが、私の知つている表面に現われたことだけ御説明いたします。これは私甚だ不勉強でありまして一月下旬でありますか、そういう問題があるということを初めて知りましたのは長崎県のいわし揚繰或いはさば巾着のかたがたが東京へ来られまして、自分らのほうはそういう線でやつているのだ、その他の県はその対馬漁場には入れないのだというような話を同業者のかたから私聞きまして、それが私の聞きました最初でございます。それで何かさばの巾着の長崎県知事の出しております許可が昨年一ぱいで切れるのだそうであります。それで長崎県といたしましては大体自県船にその許可をするのだという方針をとられまして、あれは大体長崎が三十四、五杯、ほかの県が六十四。五船程度で約百杯になるのでありますが、ほかの県の入会が多いのであります、それで自分の県以外のものには操業させんというような方針をとられて、従来許可をもらつていた人々が入れなくなつたというような事態に立至つたのであります。で私どもとしましては、こういう問題は最初から水産庁が中へ入つてどうするというのじやなくて、賢明な知事さんも、たくさん関係知事さんもおられるのでありますからして、知事さん同士で、県同士で話合いをされて、当初話合いをされて円満に解決するのが一番いいんじやないかということで、静観いたしておりました。その後長崎県では、何か山に県の船が七隻、福岡県の般が二隻長崎へ移籍したそうであります。その九隻についは許可を與えておる、そのほかは許可はやらんというようなことで、他県船は九杯は許可をもらつたそうであります。それで様子を見ておりましたが、各関係の知事さんがお集まりの九州の知事会議、或いは山口の知事が行きました会議等におきましてもなかなか話合いがつかん。それから漁区も非常に盛漁期が切迫しているというようなことで、実は関係の知事さんから農林省が中に入つて調停といいますか、話合いのつくようにしてくれんかということがありまして、実は先週四日間に亘つて話合いをいたしました。集まりましたのは関係県の県当局のかたがたと、それからいわゆる当業者のかたがたであります。それでまとまりました県もあり、まとまらん県もあるというようなことで、実は別れましたのですが、内容を申上げますと、長崎県と佐賀、福岡県の間は大体円満に話合いがつきました。これは長崎県も佐賀、福岡のいわしこれは問題の発端はさばなんでありますが、いわしの揚繰も若干入れてくれというような話で、これは話合いがつきました。佐賀、福岡の実績船は対馬沖へ行つて円満裡に操業するということに話合いがついております。
 それからもう一つの問題は島根、鳥取なんでございますが、島根、鳥取が自分の県の沿岸漁業との関係からいたしまして、他県船が島根、鳥取の管轄区域に来ていわし揚繰をやることは困るというので、実は島根、鳥取が長崎の船を断わつているのであります。これが問題の発端だとも言われるのでありますが、これにつきましては島根、鳥取に話したのでありますが、農林省も案を出しまして、去年入つていた長崎の船は入れたらどうかとというので話をしたのでありますが、どうしてもこれは話合いがつきませんで、長崎は農林省の案を呑んだのでありますが、島根、鳥取は呑まんということで一応これは物別れになつております。これにつきましては、私ども機会あるごとに島根、鳥取にはそういう態度はいかんというので極力話もしたし、決裂の際にもその点は強く言つてあります。それから一番問題は山口、長崎なんでありますが、従来入漁しておりました船の一番多いのは山口県なんであります。それでこれにつきましては、長崎のほうから意見が出まして、山口県には従来いわしの夜焚の揚繰は許可しておらんのであります。これは沿岸漁業者との関係もあり戦争前から許可をいたしておりません。長崎県は山口県も一つ自分のところでいわしの夜焚を認めてくれということで強く主張しているわけなんでありますが、山口県といたしましては、電探操業等で夜間やるのはいいけれども、夜焚の関係は沿岸漁業者との関係があつて早急にはいかんというような話であります。我々といたしましては、山口県につきましては、これは沿岸漁業者と成るべく早く話合いをつけてやつてくれ、これは強制的にやりますと、又去年の新潟のような問題にも沿岸との関係で相成りますので、海区調整委員会とか、そういうところに相談して、何とか話会いのつくようにして欲しいというようなことで案を出しまして、山口県は呑んだのでありますが、長崎県は即答いたしかねるということで、農林省の案には即答はもらつておりません。これはさばの盛漁期の問題もあり、前提が三、四、五、三カ月間のさばの入会ということに限定いたしまして、大体暫定的な考え方ということで調停案を出しておるのでありますが、即答はもらえませんで、結局三月十日までにこれを持ち帰つて山口と長崎は話合つてくれ、その話合いがつかなければ、農林省としてはどうしても或る措置をとらなければいかんということを申しまして、山口、長崎両県は帰つております。これは三月十日までに返答をもらおうと思つております。農林省としましては、丁度朝鮮との今漁業交渉をやつておりますが、朝鮮の目と鼻のところで漁業の秩序を非常に乱すというような事態が出ますことは、甚だ協定の前途にも悪影響を及ぼしますので、山口県に対しましては、話合いのつくまでは操業することはやめてくれ、これは話合いをつけてから操業するように、或いは農林省が措置をとつてから操業するように、それまでは厳重に……、操業をしまして長崎県と漁場で鎬を削ると言つちや語弊がありますが、騒ぎを起すことがないようにと山口へ要望いたしまして、三月十日までに返事をもらうということでやつております。大体今までの経過はそんなふうにやつております。
#17
○委員長(木下辰雄君) それじやなんですね、鳥取、島根は長崎県のいわしを断わつたんで、長崎も断わつたというわけなんですね。それから山口と長崎のほうは、長崎はよしと言つたけれども、山口はよしと言わない。自分か入ろうと思うもんだから、長崎としても困るというわけですね。
#18
○説明員(伊東正義君) 島根、鳥取の関係は、要するに現在の段階では島根、鳥取として長崎の夜焚のいわし揚繰を入れることは、どうしても県内事情で困る。但し自分のほうも対馬には行かない。それからちよつと両方とも待つてくれというような形になつて自分のほうとしても行かんという形になつております。それから山口の関係は、山口の船が向うへ行つて操業をすることは長崎としましてもちよつと待つてくれ。話合いが若しつけば、長崎としましても帰つて長崎の県当局、知事さんなり或いは地元に相談して見ていいということになれば、円満に入れよう。それまでは即答いたしかねるということで持ち帰つております。
#19
○委員長(木下辰雄君) もう一つ違う問題ですが、この間委員会に都道府県の会長会の代表者が来られて、是非、水産業協同組合法を改正して全漁連ができるようにしてもらいたいという陳情に見えました。全漁連ができるまでの具体的な事業まで挙げられて陳情された。この前までに全漁連を作つてくれという請願陳情は数回本会議をパスしております。それで若し水産業協同組合法の改正を政府で企画されるならば、漁民の関係も非常に円滑に行くと思いますが、水産庁のお考えをお聞きしたいと思います。
#20
○説明員(伊東正義君) 水産業協同組合法を改正いたしまして、全国の單位の全漁連を作るということにつきまして、我々の考え方はあの法律改正をいたすということにつきましては賛成なんでありますが、それでただこれをどつちの提案にしてやるかとかということは、これは甚だ恐縮なんですが、むしろあの法律を作つた経緯から行けば、国会の提案のほうがよりベターではなかろうかというつもりで、あれは政府提案であの法律を改正するということはやつておりません。あれはああいう形になりました最も大きな原因は、私は独禁法なり事業者団体法の関係だと思うのであります。事業者団体法、独禁法の改正につきましては、相当政府から向らへ案を出したり何かしているのでありますが、これは殆んど大きな問題は皆切られております。むしいそういう精神からして、あの法律ができたとしますれば、政府がやりますよりも、今までの経緯から見ますれば、むしろ国会提案であれを直してもらつたほうが、手続としてはよりベターではなかろうかというふうに我々は考えております。法律の改正については、私どもとしては決して反対ではなくて賛成なんであります。ただ法律を改正しまして全漁連を作つただけけでは、これは実は意味ないのでありまして、本当は全漁連ができたら何をなすべきかという方針をはつきり掴んで、どういう事業をやつて行くというようなことをはつきりして、作る場合には作つたらいいじやなかろうか。これは法律改正になつたあとの問題でありますが、そういう気はいたしておりますが、法律改正そのものについては決して反対じやございません。
#21
○委員長(木下辰雄君) ちよつと御紹介いたします。今回水産委員になられた小笠原君を御紹介いたします。
#22
○小笠原二三男君 どうぞよろしく……。
#23
○委員長(木下辰雄君) 水産庁長官が見えるまで……。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#24
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。水産庁長官が農林大臣と懇談中で暫らくお見えになれんそうですから、長官に対する質問はあとに譲りまして、漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画の一部改正について承認を求めるの件を議題に供します。
 この案に対しましては、提案理由の説明に引続いて農林当局から詳細な説明がありまして、もう委員の質問応答もほぼ盡きておると思いますが、なお御質問がありましたらお願いいたします。……別に御発言がございませんければ質疑は終了したと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入りますが、若し御討論をされる場合には賛否を明らかにしてお述べを願います…。御発言がないようでございますから、討論を打切りまして直ちに採決に入りたいと存じます。
 この案を原案通り承認することに賛成のおかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#26
○委員長(木下辰雄君) 満場一致と認めます。本案は原案通り承認すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によりまして、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、この本案を可とせられたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    秋山俊一郎  藤野 繁雄
    千田  正  青山 正一
   小笠原二三男
  ―――――――――――――
#28
○委員長(木下辰雄君) それからちよつと申上げますが、本日は水産庁長官がなかなか見えないのであります。水産庁長官に対してはいろいろ重要なる質問をしたいという委員も多数あるようであります。というのは、先月来衆議院において北洋漁業問題についていろいろ討論をされております。又水産庁長官その他に対して相当突進んだ質問もされておるようであります。併し参議院の委員会といたしましては、今日まで北洋問題に対しては今ありまする会社に許すということについては皆反対のようであります。新たな会社を作つて、或いは各会社が共同経営し、そして一般水産業者も加えてオール水産の体制でやるべきものだという意見が多数でありまして、特定の一会社にやらすとかいうような問題についてはこの参議院の委員会としては一緒に承知したことはありません。往々にして参議院も衆議院と同様の意見であるというように流布されております。参議院の水産委員会としては甚だ迷惑であります。このことについて水産庁長官が見えましたら皆さんから十分質問なり意見を述べて頂きたいと思いますけれども、本日お見えになりませんので、遺憾ながらその問題は次の委員会に讓りたいと思います。
#29
○千田正君 その北洋進出に関しまして時期が相当切迫しておると思いますが、水産庁長官に対する各議員の質問はいつやられるつもりでございますか。
#30
○委員長(木下辰雄君) 水産庁長官が見えますなら本日でもやりたいと思いますけれども、農林大臣と懇談中でなかなか見えられませんので、見えるならば成るべく早い機会においてお願いしたいと思います。
#31
○千田正君 衆議院におけるところの論争が相当深刻になつたというのだそうでありますが、一体衆議院側の意向というものはどういうものであるかということについては我々関知しておりませんので、その点若し御存じであるならば委員長からでも大体の様子なり、或いは漁政部長がおられますから長官から若し聞いておつたならば御説明願いたい。
#32
○委員長(木下辰雄君) お答えいたします。一昨日の衆議院の委員会に青山委員が列席されまして詳細に聞かれたそうであります。今青山委員から説明を伺いたいと思います。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#33
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて下さい。今千田委員から衆議院においていろいろ論争をした経過についてお述べを願いたいというお話でありましたから、その委員会に列席されました青山委員から一つお述べを願いたいと思います。
#34
○青山正一君 今日は肝心なその面を担当しておる長官なり或いは次長が御列席なさつていないので、ここでは伊東漁政部長のみ列席をしておるわけなのですが、一昨日の衆議院の委員会の席上で大体日水の鈴木社長、それから日魯の小林社長、それから大洋の山崎代表取締役、この三人が参考人としてそれに水産庁長官も出席なさつておられたわけですが、午前十時から三時までの間、この当面の問題である北洋漁業問題についていろいろお話がありましたが、その席上各委員、具体的に申上げますと松田議員、永田議員、石原議員、それから共産党の木村議員、この四人のおかた、それに鈴木善幸氏、この五人のおかたからいろいろその問題についてお話がありましたが、その席上各議員からの発言は、水産議員連盟が決議したとかいうことで一社の名前を挙げましてこれを攻撃し、一社の名前を挙げてこれを支持するがごとき言辞を弄しておつた、こういう事実があるわけであります。そういつた問題についてこの水産議員連盟のその会議に出席しておられました木下委員長なり或いは水産議員連盟の常務役員であつたところの秋山委員とか、或いは千田委員がその話を御承知かどうか、そういつた問題について私いろいろお伺いしたいのでありまするが、この問題についてははつきりと、その席上に出ておられました水産長官なり、或いはこの問題に関連のある次長なり、そういつたおかたを是非ともこの次の委員会に御列席願つて、この問題についてはつきりとした参議院の態度を示して頂いたほうが、非常に御都合がよかろうと思いますからして、あえてこの問題について御提言する次第であります。
#35
○委員長(木下辰雄君) ちよつと申上げます。いつでしたか、突然電話で水産議員連盟の協議会を開くから出てくれというような申出がありました。私は水産議員連盟が協議会を開くならば、参議院、衆議院に常務理事がおるから、あらかじめ諮つて、そうして数日前にみんなに通知せんけりや出席できないじやないか、こう申しましたところが、いや、急に開いたからとにかく顔だけ出してくれというお話がありました。じや、と言つて私はちよつと顔だけ出したのです。出しましたところが五、六名の衆議院の水産委員、及び専門員その他がお集まりでした。それで石原理事長から開会を述べられまして、北洋漁業問題について一つ協議したいというようなお話がありましたので、それで私は立ちまして、参議院の水産委員会においてもこの北洋漁業問題が討議された経過を述べまして、私どもは飽くまでも一会社、現在の既設の一会社、一企業体に委任すべきものじやない、飽くまでも三会社が共同し、オール水産の立場をとつてやるべきだ、と私は今個人として思つている、併し今日は水産委員会があるからこれで失礼すると言つて帰つた。あとどういう結果になつたかは知りませんでしたが、そのあとでタイプで打つた一つの書類が参りました。それによりますと、水産議員連盟において参衆両院議員が出席の上、その通り決定した、こうなつております。こう決定したうちに、一会社、一企業体に許すべきものだというようなことがあつたのです。それから私はすぐ鈴木善幸君に……、石原委員長に電話をかけましたところがいなかつたので、鈴木善幸君に電話をかけまして、一体一企業体、一会社というのは何だ、これは新たに作るべきオール水産会社かと言うと、そうだと言う。併しそれならば僕の意見と同じだが、併しこの決定事項に参議院が加わつていないからして、そこだけははつきりしておくぞ、と言つて私は電話を切つたのであります。その席上には参議院の人は誰も委員は来ていませんでした。幸い今長官も見えましたので、この問題について長官に御質問ありましたら、お願いいたします。
#36
○青山正一君 その前に秋山議員なり、千田議員は、水産議員連盟常務理事の重任に当られるおかたでありますが、こういつた問題について話を受けられたかどうか。その点について一つ承わりたいと思います。
#37
○秋山俊一郎君 私は丁度水産常任委員会のある日であつたと思います。正午に近くなつて、委員会を開くから……、正午を過ぎておりました。委員会じやない、議員連盟の会議を開くから出席してくれという話がございました。私はもともと御承知のようにあの議員連盟の常任理事をいたしておりますが、その日の会合については前以て何らの予告も受けておりませんし、相談もなかつた。突然にそういう話がありましたので、すでに委員会の開会の時間も迫つておりましたので、出席をするわけに行かないからということを断わつたのでありますが、その後新聞等によつて聞きますというと、参議院も列席しておつたというようなことがありまして、私も自分で出なかつたことを済まなく思つたのでありますが、そういう事情で全然私は出ておりませんし、内容も新聞で見た程度であつて、勿論決議に加わつたことはないわけでございますから、その点御承知を願いたいと思います。
#38
○千田正君 只今秋山議員から御説明かあつた通り、私も水産議員連盟の理事の一人として、なつておることになつておりますが、当日は只今の秋山議員と同じように、当委員会が開催されるので……、電話で十二時頃でしたかね、連絡があつた始末なので、私は出席もいたしませんし、同時に又こうした決議事項にかかわつたこともありませんので、この点についてははつきり衆議院の諸君によつて決定された事項であると私は認定しております。
#39
○青山正一君 それならば委員長にお伺いしたいと思いますが、水産議員連盟は勿論私どもも関係しておりますし、只今御発言を求められましたお二人も常務の役員として御関係なすつておられますが、水産議員連盟のいわゆる決議と称する、先ほどからお話申上げました、一社を挙げて攻撃し、一社を挙げてこれを支持し、つまり一企業体というような意味合いじやなしに、つまり廣川さんなり、或いは水産長官かかねてより希望しておるような意とは全然違いまして、一社によつて認定するというふうな建前で進んでおるこの水産議員連盟の決議に対して、委員長はどういうふうなお考えをお持ちなさいますか。その点について承わりたいと思います。
#40
○委員長(木下辰雄君) 私は最初から意見をはつきり申上げておきました。これは水産長官にも再々申上げました。その要旨は、マツカーサー・ラインを撤廃した曉における海洋漁業に対しては、既設の会社に許してはいかん、オール水産体制をとつた新会社に許すべきである。その意味において北洋、北のほうのカニ工船も既設の会社一社に許しちやいかん、協定して、そうして希望者も全部加わつて一企業体を組織して、そうしてやるべきものだという意見を述べましたが、今もその通りであります。
#41
○青山正一君 塩見長官に承わりたいと思いますが、塩見長官はこの問題に関する限り従来の快刀乱麻的な手腕を発揮していないと思うのであります。で、いろいろ国会議員の圧力があつて非常にやりにくい、例えば水産庁では一企業体等を考えていても、いわゆる議員連盟の決議と称するものは、広く一企業体と考えるべきものも、特定の一会社のごとく考えて主張している。勿論この実績とか、或いは適格性を論ずべき筋合いがありましても、立法府の立場として、行政府のやる点まで制肘を加えて、一会社として指定するがごときことは、これは行過ぎだと私どもは考えておるわけです。で、最近いろいろ次長名でいろいろな通牒も出ておりますが、こういつた点が間違いの因だと、私はそういうふうに考えております。それで私どもの希望することは、従来の斡旋的な態度を捨てて頂いて、行政府的な立場に戻りまして、水産長官という名前ではなく、或いは次長通牒というような立場を捨てて頂いて、もう大体の筋道も、木下委員長のおつしやつたようなふうに、ヤマが見えたようですからして、大臣の断の一事を望みたいと、こういうふうに考えておるわけなのです。徒らにこの水産長官は、恐らくこの衆議院の議員諸公の圧力によつてまとめようとする……又この衆議院の某議員が言うように、前の三長官は馘にしたのだ、今度はお前の番だというような失言的な言葉も出る。そういうことを言うようでは、立法府と行政府の協調的な立場がなくなる。それを私どもは、この参議院の委員会は非常に心配しておるわけですから、もうあなたの手を離しまして農林大臣の責任下に問題を持つて行つて欲しいと思うのでありますが、長官の御意向は如何なものですか、その点について承わりたいと思います。
#42
○政府委員(塩見友之助君) 決定は飽くまで大臣の決定でやることは当初から変化はありません。衆議院のほうでいろいろと御意見がありまするが、参考にはいたしまするが、決定は大臣の権限でする、そういうことは何ら影響を受けません。それからもう一つ、大臣の断をここで下したらというふうなお話でありまするなれども、問題はカニ工船の問題だと思いまするけれども、これは三社の飽くまで協議に待つという態度を当初からとにかく堅持しておるわけであります。三社のほうは利害相反するというような関係からしていろいろな意見を持つて、それで意見が一致しないまんま、根本的な意見も合致しないままで、それで水産庁のほうに然るべく裁定してくれというふうなことを申して参りました、二、三回……。併しながら我々としましては、これは業者の考え方が戦時中とまるで変つてないということを申しておるわけであります。戦時中であれば物が不足しておるというふうな関係からして、物価というふうなものはかなり低目に統制されているわけであります、そういうふうな関係からも、又金融その他あらゆる関係から見まして、それで業者のほうで赤字が出るというふうなときには、或る程度政府のほうにおいても調整をすることが可能であつたわけでありまするけれども、現在の経済情勢下においてはそういうことは可能性はございません。殊に今般のカニ工船のごときに至つては飽くまで試験操業という性格が強いわけで、ここ十年余りというものは出漁しておらないわけでありまするし、カニ罐詰の価格等においてもどういうふうな変動が起るか測ることが今からできないわけでありまして、そういうふうな点については今操業上、一つの工船の中で以で指揮命令糸紡が一体になつておるというふうなことは当然必要であろうと思いまするけれども、そこのところに、とにかく細かいところで各社の関係をどういうふうに規制して行くかというふうな点に至つては、これは企業の経験のある業者の意見というふうなものは一番尊ばるべきものであつて、我々行政官庁において、そういう企業を直接やつた経験のないところに、方針がきまらないままで、それでどれがいいかというふなことを、とにかくばらばらに意見を持ち出したままで決定を求めると言われても、まあそれは適当な決定はなかなかいたしかねるというふうな関係からして、これはそういうふうな責任のない要求というふうなものは、業界の態度としてとるべき態度ではあるまい、飽くまで早く話合つて、それでそういう大綱を決定すべきものである。こういうふうな態度を堅持しているわけでありまして、それで現在もその態度に変りはございません。
#43
○青山正一君 それならば最近共同出願の形で、日水、日魯、大洋の責任者の名前で、明日まとまるとか、明後日まとまるとかいうような形で、数人で少くとも委員長なり、参議院の委員会の空気と同じような行き方で、これは勿論水産長官の意思でもあり、又農林大臣の意思でもあるわけですが、その通り進んで行くというように、二、三日中にまとまる、カニの場合はまとまるというふうなお話を承わつているわけでありますが、その成立する前に四、五点伺いたいと思いますが、第一点は新会社の形ではなくて、共同経営でやろうというのは、一体どういう形のものか、一つ御説明願いたいと思います。それから第二点は、果して共同経営というふうな形でやつても、立派な見通しができるかどうか、その点についてお考えを承わりたいと思います。それから第三点は、今年やろうとする共同経営と、それからこれから生まれて来る、つまり来年あたりできようとする新会社との結び付きは、これは別個のものか、或いはどらか、つまり関連性は、どういうふうにして結び付けて行くのか、その点について一つ承わりたい。
 それから第四点は、農林当局は今でもカニとさけ、ますの関係の共同体を別々の組織におく、つまりカニとさけと別々の組織体にするというお考えを今までお持ちなすつておられたのですが、又それを別六にするとか、せんとかいう噂も立つているのでありますが、その点について従来のお気持に変りはないかどうか、その点について承わりたい。それから来年できようとする新会社は三社のみを対象とするか、それとも三社以外の、例えば独航船の実績あるものとか、或いは岩手とか、富山のように、最近その希望に燃えている、そういつたいわゆる漁業者をも加入せしめるかどうか、そういつた点について一つ……。以上五点について承わりたいと思います。
#44
○政府委員(塩見友之助君) 第一点の共同経営の型でございまするけれども、これについては当面私の談話で発表しましたような線で、やはり日本の水産界全体の支持の下で国際漁場に進出するというふうな必要がございまするし、又繁殖保護、その他国際的に要請される重要な点を守つて行くという必要もありまするが、一方先ほど申しましたように、これは試験操業であり、又企業的にも或る程度成立つような形で、能率をよく、企業の創意というふうなものを生かしてやつて参る必要があるだろうと存じます。そういうふうな点で、具体的な細部に亘りましては、これは企業をやる経営者が最もよく知つているはずでございますので、できるだけそういう経験者の円満なる協調によつて最もいい方法をとればいいと、こういうふうに考えておりまして、その形についはいろいろの方法が考えられると、こう存じております。母船式漁業取締規則の第三條に、「二人以上共同シテ許可ヲ受ケントスルトキハ事業二関スル各共同者ノ出資額及権利義務ノ関係ヲ記載シタル書類」というふうなものを許可の申請を受ける場合に提出する必要がございますので、当初年度においてはこの條項に応じまして、各共同者の出資額及び権利義務の関係を記載する必要がございまするが、その細部に至りましては、これは先ほども申上げましたような各種の要請を満たして、最も能率のいい形を関係業者のほうに協議した上できめるように要請しておるわけであります。第二点として、そういうふうな形でうまく行くかというふうな話でありまするけれども、これはその内部関係のきめ方はいろいろとあると思います。それで十分にうまく行くという形もあると私は信じております。それから本年度そういうふうな形で出漁した後、来年度、一年あとのことでございまするけれども、新会社を設立した場合の関係はどうなるか、これはなお今後今年度の経験等を十分検討しました上で決定する必要があると思いますので、勿論細部に亘つて決定をしておるわけではございません。
 四点のカニとさけとは一本の経営で行くか、別の経営で行くかという点でありまするが、これは当初年度においては、カニは或る程度黒字が出る可能性はあり、さけのほうは恐らく赤字が出る可能性が強い、こういうふうに考えておりまするし、さけのほうは、殊にその試験操業という性格が非常に強いわけでございまするので、又さけのほうは、これは沿岸の独航船のほうが多数加わりまするので、そういうふうな関係からして、企業の危険を調整できれば、これは最もいい方法であろう、こう考えて、成るべく一本に調整できるようにというふうな希望を持つておつたわけでありまするが、それは必ずしも一本の機関でやらなくても、目的が達成できれば、必ずしも無理に一本で行く必要はない、こう考えておりまして、現在では調整ができるような見込もありまするので、別建でも差支えない、別個の共同申請として差支えない、こう考えております。それに対して現在ところ、変更をする意思は持つておりません。それから第五点、将来の新会社は、三社のみでやるのかどうかというふうな点でありまするが、これも今後のこの問題に対する取り進め方、及び出漁した結果等を十分考えた上で決定する必要があると思つております。それについてはまだ勿論政府のほうも確定しておる段階には至つておりません。
#45
○青山正一君 今度はさけ、ますの問題について、私の疑問とするところをお聞きしたいと思いますが、二月十四日永野水産庁次長の関係府県知事宛通牒を以て、つまり全独航船の全国団体を作るように指示しているのでありますが、どういうふうに進んでおられますか、その状況を一つこちらに御報告願いたいと思います。それから第二点は、いわゆる五社連盟と称する覚書は、当局の指導によつたものであるかどうか、その点について承わりたいと思うのです。この覚書は私衆議院の委員会からもらつて来たわけなんですか、いわゆる川村さんの関係の団体と、それから夏堀さんの関係の団体と、それから先ほど申上げました日魯、日水、大洋の、この五つの団体なり、会社なりの覚書でありまするが、これはどういうふうにして当局の指導によつてできたものであるか、その点について承わりたいのです。それからこの覚書の中に北海道北洋出漁組合というのがあります、これは川村代議士の作られた組合なんでありますが、つまり北海道漁連の斡旋によつて北洋漁業ができたものであるかどうか。それからもう一つは北洋漁業組合、これは以東底曳網協会の斡旋によつて生まれたものと推定しておるのでありますが、その内容は当局のかねて主張しておりますところの実績のある経験者なり、或いは適格性の経験者、こういつたものの組合であるかどうか、或いはこれら斡旋団体の看板を塗り替えた程度のものであるかどうか。当局は検討するかどうか。その点について一つ承わりたいと思います。
 それから第四点は、果してこの実績経験者の団体であるとすれば、なぜこれらを一本化しなかつたのか、二本建とした理由はどこにあるか、その点について一つ承わりたいと思うのであります。それから第五点は、この覚書は一読して母船は三大会社が提供するような印象を與えているわけなんですが、新聞紙上にもその解釈で発表されておるのでありますが、この点についてどういうふうにお考えになすつておられますか。先般の委員会におきまして、私の質問に対しまして、水産庁長官から三社以外の業者でも持ち得るとのお答えもあつたわけでありますし、或いは衆議院の鈴木委員からの御質問にも、そういうふうに三社以外のものでも母船は持ち得るという御返答もあつたように思われます。第六点は、以上いろいろの状況融合すると、かねての当局の方針と何らか変更あるように感ぜられまして、釈然としないものがありますが、ここにおいていわゆる政治的な取引が、暗い政治的な取引が潜在しておるんじやなかろうか、例えば夏堀の線にしましても然り、或いは川村の線にしましても然り、何か政治的な取引が潜在するかのように風評されておるのでありますが、その点について承わりたいと思います。
 以上六点について承わりたいと思います。
#46
○政府委員(塩見友之助君) 独航船の団体、全国一つの団体を希望しておるという点については、今も変りはありません。次長からの通牒の通りであります。それから五つの企業者の連盟での覚書というふうなものについては、なおまだ確定はされておらんという段階であります。これは農林省は斡旋はしておりまするけれども、業者間のお互いの協議というふうなものに中心を置いて進めておるわけであります。それから二つの団体を当初一本と言つたにもかかわらず、認めておるのはどらかというふうなお話でありまするけれども、その点につきましては、一本の団体を要望しておるわけでありまするけれども、時間的に北海道の側と関東北、北陸の関係とは話合いが十分にできておらないということと、ついておらないにもかかわらず、一方北洋出漁の各種の準備というものは急速に進めなければならないと、こういう状態に判断しましたので、この二つの団体の一本化は勿論並行して進めてもらいながら、独航船の資格、基準その他についての方針というふうなものを関係者の協議によつて、急速に会議の上で決定してもらう必要がありましたので、それを斡旋者として二つの団体をそのまま中に入れて協議するように当局としては進めたわけであります。
 それからこれらの団体かそのまま出漁の場合の申請者としての適格者であるかどうかというふうな点に関しましては、これは適格者である経営者が具体的にきまつた上で、その上で初めて決定を見るわけでありまして、現在の北海道北洋出漁組合と北洋漁業組合というふうなものは、現在の段階では斡旋者として、それでさけ、ますにおける北海出漁の各種の方針を協議するために入つている、こういうふうな関係にあるわけであります。母船は三者だけでやるのかというようなことでありますけれども、これは勿論政府のほうとしてそういう方針で推進しているというわけではありません。関係者の間での協議で決定してもらうことにいたしております。勿論非常に不適当な決定があれば、我々のほうとしてはそれに対して許可できない場合には許可しないというふうなことも考えられまするが、そのいう点は十分関係者のほうでも頭に入れた上で協議を進めて行くべきものと、こう考えております。それからそういうふうな点で政治的な介入があつて方針が変つていやしないかということは、以上のお答えではつきりしていると思いますが、何ら変更は見ておりません。
#47
○青山正一君 もう一点……。これは問題は別になるかも知れませんが、先ほどからの御説明によつて、北海道とそれから内地側との二つの組合についていろいろお聞きしたわけなんですが、今度はこの二つの組合においていろいろ折衝している問題について一つお伺いしたいと思うのですが、例えば問題は昭和十五年度に二百二十三隻のさけ、ますの独航船がおつた。そのうち内地側が百六十八隻で、北海道側はあとの二百二十三マイナス百六十八の僅かな数量、これを割合から申上げますと、内地側が七割二分で、北海道側が二割八分、こういうふうな状態であつた。ところがこの折衝過程において、独航船を北海道側が何隻持つか、或いは内地側が何隻持つかというような折衝段階に至つているわけでありますが、北海道側が北千島の流し網、これは一〇〇%北海道側で経営していたのだ、内地側は零%である、殊に現在北海道側の底曳或いは巾着或いはいか、こういつた入会権を認めている、この流し網の実績を認めなければ北海道側も覚悟がある、入会権を認めないというふうなことで、衆議院の水産委員長である川村氏あたりが北海道側を代表してそういうふうな発言をしているようにも見受けられるわけなんでありますが、とにかくそういう現状の下にこの独航船の割合をきめて行こうということで折衝しているわけでありますが、先ほどおつしやつた水産庁長官のこの二つの組合によつて斡旋機関としてできるというようなことになるならば、こういつた問題が非常にぶつかつて来るに違いないと私はこういうふうに解釈しているのであります。果してそういうふうな建前で若し内地側とか、或いは北海道側がいろいろ折衝しておつて、そうして結局北海道側がこの独航船の中に七割なり八割認めろ、内地側は二割しか認められないというようなことになつたりしますと、結局この二つの組合を認めたということが非常にあとに悔を残すような結果になりはせんかと考えているのであります。そういう意味合いからして、これは水産庁が独自にこの組合なり、或いは適格性を考えてこういうものを裁定して行く、或いはそういうものをきめて行くというふうに新規に一つお気持を変えて頂いたほうが僕はいいのではないかと考えておりますが、その点について一つ御説明願いたいと思います
#48
○政府委員(塩見友之助君) 只今のお話の点につきましては、昭和十五年一年の実績をとるか、それともそれに前後する何ヵ年かの実績をとるか、或いは北千島出漁の実績をどういうふうに見るか見ないかというふうな点につきましては、なお関係者において協議中でありまして、これらの問題はやはり国際漁場進出というふうな点から言つて、先ほど委員長の御意見としてありましたように、日本の水産界が一致協力した形をとつて出て参りたいと思うので、現在関係者の十分な協議によつて円満に解決するように取進めることを希望しているわけであります。それから船の資格條件等について、政府のほうで責任をとつたらどうかというふうなお話でありまするけれども、それらにつきましても、これは経営的に見て必ず独航船のほうの採算関係というのは母船のほうにも間接には影響をして来るわけでありまするし、母船のほらのいい悪いというふうな点が又独航船にも採算上影響して来るというふうな関係からして、戦時中であればともかく、そういうふうな採算に相当関係する、如何に試験操業とは言え、これは政府がやるのではなくて業界がやるわけでありますから、企業的な採算というふうな関係は無視できない、そういうふうな関係からして業界のほうでも十分検討した上で方針をきめてもらう必要があると思つて業界の円満なる協議に問題を委ねたわけであります。政府としては、但し国際漁場であるということと、日米加漁業協定においても相当問題な漁場であるというふうな関係、なおソ連等の国際関係も考慮しなければならんというふうな関係からして、どうしても船団組織で行くというようなことと、母船と十分な連絡かとれるというようなこと、途中事故等を起して非常に連絡上の不便が起るとか、或いは採算関係に大きい影響があつては困るという点、そういう点を考慮しまして、政府のほうとしての意見としましては、ディーゼル機関を備える、無電を備えるということと、方向探知機を備えるということ、又トン数はできれば五十トン以上というふうな優秀な船であるというふうなこと、これらを提案しまして、それらの点はすべて関係者のほうで結論的にそれらの條件はいいという結果を得たわけであります。政府のほうとしてはそういう繁殖保護上、或いは漁業取締上必要だと思われる條件は勿論提出するつもりでありまするけれども、これは強制するのではなくて、十分企業採算というふうな点も考慮した上で業界の円満な協調の下で出漁をさせたいというふうな意図からしまして、細かい採算に非常な関連のあるようなことについては十分業界の間で協議をしてもらう、それを政府のほらとしてはできるだけ促進して参りたい。こういう態度を持続けておるわけであります。いろいろな点から見てなおその戦時中の統制の頭の切替えができておらない点、或いは占領下において自主的なものを決定するというふうな、そういう気持の足りない点等については、我々も非常に不満には思つております。我々もそういう点を考慮しながらもできるだけそういうふうな方向に進めるのがいいのではないかと思つておりまするが、まあ関係者及びその直接関係はないかたがたもいろいろ御心配をなすつて、政府のほうで早く決定してというふうなお話も各方面に出てはおりまするが、政府としては、戰時中の統制下における、各種の経済全体が統制下に置かれておる状態とはまるで方向も違うわけでありまして、新らしい時代に即応した業界のそういう体制の成立を一日も早く待つておるわけでありまして、これは單に北洋漁業の問題だけではなく或このほかに今後国際協定により、或いはマッカーサー・ラインの撤廃によつてそれで出漁可能になつた漁場については同じような問題を生ずることとも存じますので、そういう点は同様な気持で以て処理をして行くのが適当ではないかと信じておるわけであります
#49
○委員長(木下辰雄君) ほかにございませんか。水産長官が御出席になる前に私から申上げましたように、水産議員連盟の決議に参議院が加わつておるという問題は全く事実無根でありますから、そのつもりで皆さん御了解願いたいと思います。
 本日はこれを以て閉会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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