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1951/03/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第20号
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1951/03/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第20号

#1
第013回国会 水産委員会 第20号
昭和二十七年三月十九日(水曜日)
   午後一時四十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           玉柳  實君
           藤野 繁雄君
  委員外議員
           鈴木 直人君
  政府委員
   文部省大学学術
   局長      稻田 清助君
   水産庁長官   塩見友之助君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁生産部漁
   港課長     林  真治君
  参考人
   福島県中村町漁
  業協同組合理事  立谷 勝治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く水産関係諸命令
 の廃止に関する法律案(内閣提出・
 衆議院送付)
○水産物増産対策に関する調査の件
 (水産大学の大学院設置に関する
 件)
 (漁港問題に関する件)
 (北洋漁業に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く水産関係諸命令の廃止に関する法律案を議題に供します。この法律案に対しましては、提案理由の説明並びに法案の内容についての説明がありましたが、なお御質問がありましたらお願いいたしたいと思いますけれども、今日は政府がたも見えていませんが、質問がありますか、どうですか。内容は極めて簡単で、いろいろこの罰則の特例及びマッカーサーライン廃止の二件でありますが、御質問がありますれば少々延期いたしますか……。別に御質問がありませんければ、質問は終了したと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。御意見がありましたらお述べ願います。ありませんければ、直ちに採決に移りますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(木下辰雄君) それでは直ちに採決に移ります。本法律案全部に対しまして、原案通り御賛成のかたは挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(木下辰雄君) 全会一致と認めます。よつて本法律案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十三条によりまし委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
   青山 正一  秋山俊一郎
   玉柳  實  藤野 繁雄
  ―――――――――――――
#7
○委員長(木下辰雄君) 只今文部省の大学学術局長の稲田さんがお見えになりましたが、水産大学の件について御質問がありましたらお願いいたします。
#8
○青山正一君 国立東京水産大学について二つの事柄に関しましてお伺いいたしたいと思うのであります。その第一点は、最近旧制の大学は大学院を設置することができると承わつたのでありますが、東京水産大学は新制大学であるがため、大学院の設置が許されないかというような疑問があるのであります。御承知の通り、同大学の前身でありますところの農林省水産講習所は、明治三十年創立せられました我が国水産教育機関中の長老であるのであります。当初は専門学校に準じたものでありましたが、後には四カ年の本科のほかに二カ年の専攻科を備えた、実質的には旧制大学と異るところがなかつたのであります。のみならず、その教授陣には学位を有する者も、承わるところによりますると十余人、その他この水産業界におきましては相当著名な人々がおられ、現にこの当委員会におきましても、木下委員長なり、或いは秋山委員は同校出身であり、又前の長官の飯山、或いは家坂長官も同校の出身であり、或いは京都府知事の蜷川さんなり、或いは満業総裁であつたところの高碕達之助、そういつた著名な人人がおられ、新設の京都大学農学部水産科の教授のうち大体七割近く、つまり七人までが水産講習所の出身であると聞いているのであります。又大学の基礎的設備とも言うべき内外の水産関係の文献のごときものも、その収蔵の多い点では、他の旧制の大学の追従を許さんものがあると言われているので、あります。校舎こそ、後ほど申上げたいと思うのでありますが、仮校舎であるのでありますが、ほかの施設において何ら遺憾がないと考えるのでありますが、いろいろお聞き及んでいるところによりますると、なぜにこのような伝統の古い、或いは功績の非常に多い大学に、ほかの大学と同様に大学院の設置ができないのであるか、これは私ども誠に納得の行きかねるところであります。で、この際文部当局の御見解を是非とも承わりたいと思うのであります。で、この問題は委員長なり、或いは秋山委員が同校の出身であるがために、これは非常に聞きにくいところであるのでありまして、これは私が是非お聞きしなければならんという理由もそこにあるわけであります。
 それから第二点の問題は、同大学はこの講習所時代に、これは局長もよく御承知の通り、東京の深川の越中島に校舎がありましたが、進駐軍の接収によりまして、横須賀市久里浜の旧陸軍施設を仮校舎としておりましたところ、御承知の通り警察予備隊の設置に伴なつてそれを明渡し、廃屋同様の一隅に授業を授けておるのであります。本校を予備隊本部に占拠せられ、仮校舎をも横須賀の予備隊のために大部分のものが占拠されたのであります。この現状については文部大臣なり、或いは法務総裁も親しく現地を視察せられ、十分に御承知のはずであります。又水産と文部の両連合委員会の席上におきましても、速かに適当の処置をとられるというような言明がありましたにもかかわらず、今以て何ら解決せられていないことは、これは誠に遺憾の極みであります。目下進駐軍関係の接収建造物の返還等、着々実現を見ておられる際、特に本件の解決につい特に熱意を以て処理せられることを信じますが、文部当局のはつきりした御見解を承わりたいのであります。この問題はり本日の本会議の席上におきまして、総員一致で決議されたものであります。文部当局もその意味で、しかとした御意思のほどを御表示願いたいと思うのであります。
#9
○政府委員(稻田清助君) 只今お尋ねの第一点の大学院でございますが、御承知のように国立新制大学も昭和二十七年度を以て完成いたしますので、二十八年度から大学院を設置するという問題が起つて参ります。で、これにつきましては、実はまだ文部省におきまして設置の基本方針がきまつていないのであります。と申上げますのは、最近文部省に中央教育審議会という教育全般に対する基本方針について再検討を加えるまあ機関が設置せられる予定でありますが、この機関ができますれば、成るべく速かにこれとお諮りいたしまして、設置方針を決定したい。こういう状態になつておるわけでございます。従いまして只今お言葉にありましたように、或る大学に限り設置して他を顧みないというような事実の決定はいたしてないのであります。ただ自然想像せられますることは、従来博士号を授与する学部に関係ありまする新設の学部は、まあ第一にその候補に数えられるであろうという見通しであります。我々といたしましても、決してこれに限る気持はないのでありまして、学部が充実しているものについて、又全国的に考えまして、それぞれ特色ある学部は設置することとして、文部省もこれから充実して、その上に大学院を考慮したいという気持でおるわけでございます。そういう場合におきましては、歴史も古く、内容も相当充実いたしておりまする水産大学等も十分問題に供される性質のものだと考えております。
 それから第二点の校舎の問題でございます。お言葉のように水産大学が越中島から久里浜に移りまして、移りました先において今日非常に気の毒な状況にあるわけでありまして、これにつきましては、文部省といたしましても非常に心を痛め、又何とかその解決をいたしたいと焦つております。これにつきましては、警察予備隊当局も非常に理解せられまして、できるだけ速かに今の越中島の警察予備隊を適当な場所に移すことによつて、あの跡に水産大学を入れることを促進したいと、こういう意向を常に漏らしておられます。極く最近の機会におきましても、文部大臣から大橋国務大臣或いは岡崎国務大臣等々とも、この問題でお話合があつたようにも伺つております。大橋国務大臣も十分考慮しよう、こういうお話であつたと聞いておりますので、警察予備隊の移転先が見つかり次第、この問題は解決し得ることと思いまするし、又その点につきまして、更に警察予備隊当局において御尽力願うように我々としても希いたいと思つております。
#10
○青山正一君 第一点の大学院の問題でありますが、この大学院の問題は、これは聞き及ぶところによりますと、文部委員会あたりは、水産大学は設備が十分でないから、例えば図書館の設備或いはその他校舎の設備、いろいろな施設の上において非常に足らんところがある、こういうふうに申して、それで大学院になるのも非常にむずかしいのじやないか、その候補に入るのも非常にむずかしいのじやないかというふうにおつしやつておるわけですね。然らば申上げたいのですが、これは第二点に関係しておるわけです。校舎を進駐軍の接収によつて取上げられ、而も進駐軍があちらから立退いてから、それが全部いわゆる予備隊に使われておる、使われておるがためにまあ廃屋同様のところにおるのだ、そのためにいわゆる図書はうんとありますけれども、図書館の設備も全然できないんだ、こういうような状態になつておりまして、これは一連の関連性がありますからして、その点十分にお考えを願つて、是非ともその候補の中に入れるように、一つ局長としても格段のお力添えを願いたいということ。それから第二点の問題について、これはまあ委員長に一つ特にお願い申したいわけなんですが、只今の局長のお話によりますと、大橋国務大臣、それから岡崎国務大臣、両方何か話があつたというようなふうなことを、今局長のお言葉によりますと、その点はつきりしたわけでありますが、一つ参議院の委員会の総意として、どういうふうにお話しになつたものか、その点を一つ後ほどお伺いして頂いて、そうしてこの委員会に一つ御報告願いたいと、こういうふうに考えております。
#11
○委員長(木下辰雄君) 承知しました。
#12
○政府委員(稻田清助君) 前段の問題につきましては、誠にお言葉の通り、我々といたしましても、この水産大学学部の充実につきまして、この上とも尽力をいたしたいと考えております。
#13
○委員長(木下辰雄君) 他に御質問ありませんか……。それでは速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて下さい。
 漁港問題につきまして、福島県の松川港の関係業者のかたから陳情いたしたいという申出がありますが、許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。陳情を許します。どなたか陳情の要旨をお述べ願います。
#16
○参考人(立谷勝治君) 私どもは福島県の中村の松川港におるものであります。陳情の要旨を簡単にここで説明したいと思います。
 松川港は昭和七年度に第一期の工事が始められまして、昭和十一年に第一期の工事が終つたのであります。その後二十一年度において第二期の工事が施行されたのであります。国庫負担におきましては、すでに今年度に至り六年間になつて一千五百万ばかり国庫の負担を受けまして、その他県と町村或いは漁業組合において負担をして漸く今日に至つて、まだ現在は工事中であるのであります。私らの松川港は福島県相馬郡の中村町にありまして、本当に福島県の県北にあるのであります。従いまして宮城県の塩釜港と福島県の小名浜港の中心に位しておるのであります。その他漁場地といたしましては、金華山の漁場を間近かに控えておる関係上非常に有利な地点にあるのでありますが、この港は誠に今日の状態は非常に小さい港であつて、現在船の数も大型や小型を含めまして百五十艘以上あります。水揚高も相当数量があつて百万貫以上の実績を持つておるような状態であります。こういうような港でありまするが、現在のところ第二種港である関係上、誠に地元としてもこの点を憂慮しておるような状態で、これを第三種港に昇格せられまして、一段と国家においてもこの点に対し熱意を入れてもらいたいと思うのであります。その他非常に塩釜、小名浜の航行の船舶に対しましても中心であるというような関係上、避難港というような方面においても非常に相当な役割をしておるというような状態であります。故に今日におきましては、燈台の設置もお認め下さいまして、本年着工の域に達するというような重要な漁港なんであります。何とぞ水産の委員のかたがたにおかれましても、この点をお汲み上げ下さいまして、第三種港に昇格されるようお願いする次第であります。以上。
#17
○委員長(木下辰雄君) 今陳情されたかたは中村町の漁業協同組合理事で町会の副議長をしておられる立谷勝治君であります。何か陳情者に対して委員から御質問がありましたらお願いいたします。御質問がありませんければ、私からちよつと水産当局に質問いたします。現在松川港を第三種漁港に指定してもらいたいという陳情のようでありますが、水産庁としてはどういうお考えでありますか。
#18
○説明員(林真治君) この問題につきましては、私から便宜お答えいたしたいと思います。御承知のように漁港の指定という問題につきましては、第一種、第二種、第三種、第四種という区別があるのであります。これらの区別をいたしまするにつきましては、一定の標準を設けまして、これに照し合せまして漁港審議会等にも諮問いたしまして決定を見ておるわけであります。従いまして只今お話がございましたのでありますが、直ちにこれを変更するとかしないとかいうことは、私どもとしてはちよつと申上げかねるのであります。将来これらの基準に該当するような事態になりました場合には、漁港の性格を定める問題でありまするから、当然考慮が払わるべきであると考えますが、今直ちにどうこうということは、お答え申上げかねる次第であります。
#19
○青山正一君 福島県における第三種港はどことどこですか。
#20
○説明員(林真治君) 福島県におきまする漁港の指定は実はまだ小名浜でありますとか、重要なところが漁港に指定されていないわけであります。従つて只今のところ四倉漁港が第三種に指定されておるのでございます。そのほかにはないと記憶しております。
#21
○委員長(木下辰雄君) 委員外議員の御発言ございますが、委員外議員の御発言を許すことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(木下辰雄君) 異議ないと認めます。鈴木君。
#23
○委員外議員(鈴木直人君) 松川港という港は天然の漁港でございまして、松川浦という浦にあるのでありますが、その川口は相当波が高くて船の出入りが非常に困難であります。若しそれが解決されれば、もう四倉とか、小名浜というような漁港よりももつと良港になつておるわけです。即ち港の中が非常に大きいのでございまして、その浦の中に今漁港を作つておるのですが、その浦は先ほど申しましたように非常に狭くなつておるわけです。併しながらそういう関係で、従来はそこにいわゆる漁村は別のところにあつたわけなんですが、だんだん大型漁船になりまして、機船底曳やその他がどんどん入るようになりまして、従来のような浜辺では到底できないので、その天然の良港の松川浦という浦に漁港ができまして、そうしてそれに順応し、日に日に船が増加いたしつつあるわけであります。ただ問題はその浦に入る口が非常に狭いのでありまして、東北方面の海は波が荒いわけでありますから、そこの漁港に入る、いわゆる浦に入る口が狭い。そこのところを船が出入りするのに非常に困難を来たしておる関係からして、従来は第二種港として指定されまして、そうしてそこに出入りをしておるわけなんです。その出入りの口に堤防をずつと作りまして、そうして波をよけるというのが現在の工事進行中のものでありまして、全体といたしましては、数年前には二百億程度の予算で継続的に毎年、昨年は一千万円というふうに毎年年度別に築港をして防波堤を作つておるわけなんです。これが完成しましたならば、当然これは第三種港となることは資格上も明らかなことなのでありますが、今完成途上にあります関係上、第二種というふうに指定されておるわけなんですが、ただ問題は、そういう港でありますから、地元の漁民が非常に比較的少いわけなんです。従つて勿論その中村という町は三万近くの町でありまして、相当離れた所にあります。そこで全体で地元負担をしておるわけですが、仮に一千万円といたしましても、その三分の一を負担するということは非常に困難だという経済実情によりまして、この漁港の完成があの地方の産業開発のために根本問題になつて従来から来ておるわけなのでございます。従つて福島県にたつた一つ今第三種として指定されております四倉港よりも漁港としては優秀な漁港でありますが、先ほど申上げましたように未完成であります。そういう関係にあるわけです。それで今までに何回も陳情いたしておるのでありますが、もう少しのところで第三種というようなところに入つておるわけでありまして、この県におきましても、たくさんの漁港がございますが、第三種が一つ、それから第二種が五つ六つありますけれども、その第一番になつておることは間違いないわけでありまして、従つて着々とその方向に進んでおるわけでありますが、地元としては成るたけ早く昇格して頂きたいと熱望して毎年陳情いたしておるような実情でありますので、十分一つ農林省等におきましても研究されまして、その整備並びに資格をよく研究されまして、成るたけ早く第三種に指定して頂くように一つお願いするわけであります。
#24
○委員長(木下辰雄君) 陳情者のかたに申上げます。只今漁港課長からのお答えで、松川港も近く完成次第第三種漁港に指定することは決してやぶさかでないというお話がありました。なお只今鈴木議員のお話もございましたし、委員会としては慎重に取扱います。さよう御承知願います。これで一つ御退場願います。
  ―――――――――――――
#25
○委員長(木下辰雄君) 只今長官がお見えになりましたから、何か御質問があつたらお願いします。
#26
○青山正一君 相変らずの問題でありますが、北洋漁業の問題については一応事態が明らかになつたようでありますが、その後の推移を見て参りますと、この機会にお伺いしたい点があるのであります。第一の問題は、やはり一旦中止になつた問題であります「かに」漁業の問題であります。「かに」漁業は本年は一応中止に決したのでありまするが、本当の内面的の理由として、三社間の紛争を口実としておるやに思われるのでありますが、国際情勢の見通しなど、それからこの水産外交の面において遺憾の点がないと断じがたい。政府関係当局の責任もこれは蔽うべくもないと、私はこういうふうに信じておるのであります。伝えられるところによりますと、ヘリングトン氏は昨年ですか、帰国後、日本における刺網漁具を米国に持帰つて相当の漁獲成績を挙げたということでありますが、又本年もブリストル湾において三船団を作つて、そのほかに冷凍船も配属させまして出動せしめ、前年以上の成績を収めたということで、若しこれが本当に事実だとすれば、来年の我が国の「かに」工船の出漁事情は本年以上に困難な情勢にならんと、これは何人も断言できないと思うのであります。このような観点から、政府としてこの際速かに三社関係を今からでも遅くないから、中止なら中止でも結構ですが、この三社の関係を調整せしめて確固たる方針を定めて、来年の出漁について完全な措置を講じておくべきではないか、ただ単に一応の中止を声明したまま放任しておいて、来年の出漁に際して本年同様のことを繰返すことのなきよう準備を進め、今まで欠けておりましたところの、いわゆる外務省を通じて遠からず設置せらるべきいわゆる三国合同委員会に持込んで、その課題にする用意が肝要であると、私はそういうふうに考えておるのでありますが、この点について現在そういつた準備をしておるかどうか、又どのような成案を持つておられるかどうか、その点について伺いたいのであります。
 それから第二の問題は、「さけ」、「ます」の問題であります。「さけ」、「ます」漁業については、その覚書によりまして、三社とそれから北海道及び内地の関係者のいわゆる五社会談が進められいるようであります。併し今日まで私の承わつている限りではやはり具体的な話合いが付かない。このままでは恐らく「かに」漁業と同様の運命に陥いるのではないかと、こういうふうに心配しておるのであります。現在のこの北海道及び内地側の組合は、元来長官の毎々説明のあるように、斡旋役として現われておる、その進退には私どもが始終心配しておるのでありますが、何か政治的に暗い場面などもありはしないか、そういつた問題はとにかくといたしまして、問題の輪郭が解決した今日となつては、斡旋団体の役割はもう終つたと見られるのであります。今後は各県に何隻々々と割当てている関係がありますからして、今後はその実務機関であるところの独航船団を一本化せしめて、これと三社との話合いで折衝せしめる方向に持つて行くべきではないか、こういうふうに私どもは考えておりますが、この点について農林当局、特に水産庁長官としての御見解を伺いたいと思うのであります。
#27
○政府委員(塩見友之助君) 「かに」の問題につきましては、これは政府としては結果としては判断を誤まつたわけです。その判断をするにつきましては、私も日米加協定の協議にあずかつた人人及び前水産庁長官から、法律上だけの問題ではなくて、事実上の問題についても行けるかどうかという点について確かめましたわけでありますけれども、その点において結果としては誤まつておつたということになつておるわけです。それでネヴイル氏からの話としましては、三社の調整が付かないからというふうな理由は勿論申されておりませんし、それから経緯としましても、やはり太平洋岸の漁民というふうなものが、とにかく一応平和条約、安保条約等に賛成するについて日米加協定のような、とにかく漁業協定と結んでというようなことがもう前々からの要望であつたために、法律上は勿論別別な条約なわけなんですけれども、太平洋岸の漁業者の気持としては、これはやはり一本に考えておるようなところが強いわけでありまして、それでやはり日米加協定の成立というふうなことを条件にしないと納得させにくいというふうな状態は強かつたようでございますけれども、そこらについての我我の誤診があつた、こう考えております。それからヘリングトンさんが刺網を持つて帰つた、これは帰られるときであるか、或いはその前であるかわかりませんけれども、そうだそうです。これは我々もパブリック・フイッシヤマンその他いろいろな資料を関係者のほうとも連絡して確めておつたわけですけれども、はつきりしたものがつかめなかつたわけです。昨年四船くらいが行つておる、一船は小さいけれども、あとは五百トン級のものが行つておる。こういうふうな記事が出ておりましたけれども、それははつきりと刺網でやつておるか、トローラーかはつきりしなかつた。トローラーならば過去の日本の経験から言つてこれは成功しまい、こういうことだつたけれども、それは平塚さんが「まぐろ」関税問題で行かれての結論としましては、その際に向うで得ました情報としましては、これは刺網に変つておる、その資料はまだ拝見しておりませんが、近く手に入つて内容はよくわかると思います。それらの資料によりますと、大体二十五万ポンドくらいという話です。恐らく足だけをとつておられるだろうと見られるわけで、半ポンドの四ダース入で、箱数にしますと先ず七、八千箱、ですから我々が考えておりまするブリストル湾の「かに」の生産量の一割ちよつとというくらいのところですから、その点については三社ともこれが大きな障害になつて出られなくなるということはないだろう、こう認めておるわけです。刺網につきましては、御存じのように、やはり日本の漁夫の経験と、それから生活程度は向うより幾らか低いために賃金が安い、いろいろな強みはあるわけですし、アメリカのほうでやつておりますのは罐詰にしたのでは分が合わない。冷凍肉が非常に高いので冷凍でなければ売れない。この冷凍技術においてはあちらのほうが急速冷凍、その他進んだあれを持つておるために、そういう形もとれるのだと思いますけれども、そういう状態の下におりますので、勿論三社のほうとしては、その点については来年は自信を持つて出られる、こういうふうな大体考え方をとつております。それから三社の調整については当初から非常にうまく行かなかつたわけですけれども、これは今後とも極力努めたい、こう考えております。そのやり方、時期等における過去の行きがかり等をできるだけなくして参る必要がある、こう思つておりまするので、あの直後から、すぐにも始めようかという意見もあつたわけですけれども、それは却つて結果としては面白くなかろう、こういうふうな大体判断になりましたので、今直ちに手を着けてはおりませんけれども、これは来年度の問題と関連しまして、できるだけ早く調整には努めたいと、こう考えておるわけであります。それから鮭鱒につきましては、独航船のほう二団体と三社と相談を続けてもらつておりまするが、昨夜までのあれではかなり進んで来ておる、従来のような三社に対して、母船側に対して独航船が非常に従属的な関係になつておるというのを、新らしい事態に対応しまして、それで大体平等な立場で共同的に本当に相談もし、経営できるような形で大体下相談までまとまりつつあるように昨晩までは聞いておるわけなんでございますが、これも極力そういう形で円満にできるだけ早く進めたいと、こう考えております。その上では内地と北海道のほうの独航船の団体、これは斡旋団体として作つたわけでありまして、それでいろいろその船の府県別の配分なり、或いは府県によつて具体的な船主、船名等はきまり、それを農林大臣の責任において大体決定するような段階に至れば、やはりこれはできるだけは一本化させて、それで進めるということが一番いいわけでありまするけれども、水産庁の希望通りにうまくできるかどうかという点についてはなお問題もあるかもわかりませんので、その点はできるだけその方向で進めたいとは存じます。
#28
○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記をとめて……。
   午後二時四十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十三分速記開始
#29
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて……。
#30
○青山正一君 大体御答弁によりまして一応の見通しがわかりましたが、私どもが先般来お尋ねしたというのは、答弁の言葉ではない。そういうものではないのです。その実行なんです。言葉のやりとりが決して目的ではないのです。それで今日までの推移から考えまして私が忌憚なく申上げますると、本年は恐らく「かに」工船は勿論ですが、鮭鱒も結局は私は流産に終りはしないか、こういうように私は考えておる。そういう関係から若し流産するようならば、むしろこれは本件については水産庁自体が、ほんの試験的な意味合いから、来年の用意としてこれは「かに」工船も同様でありますが、例えば水産研究所あたりとか、これは木下委員長あたりも同意見だと思いますが、そういうような試験的な意味合いから、現地調査を遂げた上で、どの方面から押しても無理のない方針を立てるべきではないか。国際関係なども非常に考慮に入れまして、そうしてただ出漁を急ぐの余り、後日取返えしの付かないようなことでは困りますから、これは確固たる方針をとるように私どもはそればかりを望んでおるわけです。そういつた意味合いで、平生の塩見さんに似合わないと思う。先般来の話は話合いができるよとか、或いは強制すると悪いとか、或いは戦時中だからとか、今は統制経済だからとかいうふうなことで、いつもこれは逃げを打つておられます。逃げを打つと言うと語弊がありますが、在来の塩見さんの立場に立つて、そこまでは私は恐れる必要はないと思うのですが、若し或いは水産庁の威厳という上においても私はいいのじやないかと思つております。
#31
○委員長(木下辰雄君) ちよつと……。できなければ、おれのほうで試験をやるのだというような建前で、やはり進んで行かれるほうが業界のためにも……。速記をとめて下さい。
   午後二時五十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時十一分速記開始
#32
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて……。本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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