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1951/03/28 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第23号
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1951/03/28 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第23号

#1
第013回国会 水産委員会 第23号
昭和二十七年三月二十八日(金曜日)
   午後一時三十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           松浦 清一君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           玉柳  實君
           藤野 繁雄君
  政府委員
   水産庁長官   塩見友之助君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁次長   永野 正二君
   水産庁漁政部漁
  業調整第一課長  尾中  悟君
   水産庁漁政部漁
  業協同組合課長  浜田  正君
  参考人
   瀬戸内海水産開
  発協議会理事長  江熊 哲翁君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小型機船底びき網漁業整理特別措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)(第
 十二回国会継続)
○水産物増産対策に関する調査の件
 (北洋漁業に関する件)
 (水産関係法律の改廃に関する件)
 (瀬戸内海水産開発法制定に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
 小型機船底びき網漁業整理特別措置法案を議題に供します。この前の委員会に引続いて御質問を願いますその前に水産庁長官から発言を求められておりますから許します。
#3
○政府委員(塩見友之助君) 昨日は乗組員の対策につきまして、いろいろと御質疑がありましたのですけれども、準備不十分で申訳ないと思つております。早速大蔵省方面とも折衝をいたしまして、それで二十七年度のものは、これは失業保險に加入する措置をとつて処理ができるわけでございますけれども、二十六年度のものにつきまして、一カ月分の給料に相当する額を船主のほうに追加払いいたしまして、それで以て乗組員に支給する措置をとりたいと思います。これは大蔵省のほうとも話を今日付けまして、あとの処置のほうは一つ私の責任で処理したいと思いますから、お任せ願うようにして頂けば幸いです。この月額、月の報酬その他についての問題も、昨日御指摘を受けました通りに、まあ数字等において不備な点も相当ございますので、今後至急調査をいたしまして、それで乗組員の失業対策の一助として十分ではないかとも思いますけれども、できるだけの努力はやつて参りたいと、こう存じます。昨日の折角の御質問に対する準備が十分でなかつた点をお詫びいたしますと同時に、そういうふうな御了解で一つ法案のほうをお通し願うようにお願い申上げる次第であります。
#4
○委員長(木下辰雄君) 何か御質問なり、御意見がありましたら……。
#5
○玉柳實君 只今水産庁長官のお話になりましたこと、昨日来の各委員の質疑に対しまして、早速御研究の上適切なる御措置をおとり頂きましたことは感謝に堪えないところでございますが、その予算の財源はどうなんでございますか。
#6
○政府委員(塩見友之助君) 速記をちよつととめて……。
#7
○委員長(木下辰雄君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて……。
#9
○政府委員(塩見友之助君) それらの点について、あと又先ほども申上げました乗組員のその給料等に関する調査、それらの点については、昨日いろいろと御熱心なお話もありましたし、私もそういう点は十分水産庁として考えるべきだ、こういう考え方を持つておりますので、一つお任せをお願いいたしたい。責任を以て処理いたしますから、お任せをお願いいたしたいと、こういうことに了解をお願いいたしたいと思います。
#10
○玉柳實君 昨日来の各委員の質問が主として雇用労務者の失業対策についてでございましたが、家族労務者に対しましても、船を十ぱいなり、或いは二十ぱいなり組合せまして、生産組合或いは協同組合のようなものを結成せしめて、そこに何か法律的な雇用関係を成立せしめて失業保險を適用するように目下研究中であるが、三月中ぐらいに関係各省との話合いを付けたい、かような意味の御答弁が先月の委員会において、松浦委員でございましたか、どなたかの質問に対してお答えがあつたかと存じますが、その点は如何ようにお取計らいになつておられましようか。
#11
○政府委員(塩見友之助君) これは三月の初旬に関係省のほうとの話も付きまして、それで三月十四日に私からの通牒で、又三月十八日に職業安定局長の通牒で、その家族乗組員についてもそういう形式をとればできるというふうなことで、県のほうにそれぞれ手配をしてもらうように通牒済でございます。
#12
○松浦清一君 大蔵省と折衝された結果の一カ月分の手当というものは、これは雇用契約のある船員だけでございますか、それとも家族の船員も含まれておりますか。
#13
○政府委員(塩見友之助君) これは家族労力につきましても、そういう事実上失業するような形のものへは出すようにいたしたい、こう存じます。
#14
○松浦清一君 小型漁船の減船整理計画、昭和三十一年までに一万六千隻を整理するという計画なんですが、二十七年度の分は大体わかりますけれども、二十八年度以降の年度別の整理計画はわかつておりますでしようか。
#15
○説明員(尾中悟君) 二十七年度におきましては、大体予算面におきまして千二百十隻の整理をいたすことになつております。二十九年以降の問題でございますが、これは整理特別措置法によりまして、毎年度その年度が始まります前にその当該年度に整理する隻数を決定するようになつております。そこで今後予算の折衝とも睨み合せまして、二十八年度以降につきましては、その整理隻数を年度内に決定して参りたい、こう思つております。と申しますのは、金額の関係と相当密接な関係がございますし、それに小型底曳の実情が末端においていろいろ異つた事情もございますので、今後各県並びに末端の漁業者の意向も十分尊重いたしまして、二十八年度以降整理隻数を年度ごとに決定して参りたいと思つております。
#16
○松浦清一君 二十七年度の千二百十隻の整理の割振りですね、どこで何隻整理するかというようなことは、どういう方法で二十七年度の整理すべき分と、二十八年度に残すべき区別を付ける御方針なんですか。
#17
○説明員(尾中悟君) 三十七年度に整理いたしますものは、瀬戸内海を初めいわゆる我々のほうで特殊海区と呼んでおります紀伊水道、伊勢湾、三河湾、東京湾、有明海、こういつた所では大臣が告示を出しまして、或る馬力以上のものは禁止するということに相成つております。その関係上二十七年度の整理の予定といたしましては、瀬戸内海においては十五馬力以上のもの、それから紀伊水道におきましては三十一馬力以上のものでございます。それから三河湾につきましては二十一馬力以上のもの、東京湾は十一馬力以上のもの、それから有明海におきましても十一馬力以上のもの、この隻数を合計いたしますと、八百六十六隻に相成つております。金額にいたしまして全部築磯にするという計算で、参りますと、二億四千三百万円になるわけでございます。あと約七千五百万円残りますが、この金額を以ちまして、今すでに広島県の中部海区とか、或いは愛媛県の宇和海区その他二三の海区において海区漁業調整委員会の決議を以ちまして、小型底曳を全廃したいというような要望を持つておるわけでございますが、こういつた海区につきまして、その優先順位を勘案して、先ほど申しました或る馬力以上の八百六十六隻のほかに三百隻程度のものは整理できるのではないか、こういうふうに考えております。
#18
○秋山俊一郎君 噴火湾は入つてないですね。
#19
○説明員(尾中悟君) 噴火湾につきましても制限馬力の告示を出す予定になつておりますが、まだ調査が十分できておりませんが、これも数は非常に少くございます。これも同時に二十七年度にやつて参りたいと思つております。
#20
○委員長(木下辰雄君) ほかに御質問ありませんか。御質問なければ、御質問は終了したと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。本案に対して賛否を明らかにして御意見を御発表願います。
#22
○松浦清一君 大分長い間水産庁の係りのかたがたに小言を申上げまして、いろいろ御努力を願つて、二十六年度分に整理したものに対しましては一カ月分の手当を補償する、こういうことに相成つた由でありまして、その御努力の結果に対しましては感謝の意を表するのでありますが、私ども現地に参りまして意見を聞きました折に、現地で申しておりましたのは、二十七年度に整理される分も失業保險に加入することができるということにきまつた以上は、二十六年度分に整理される分をやりつ放すということはないであろう、何らかの適当な処置を講じて、やはり失業手当をもらえるのだというふうに考えておるわけであります。そういうふうに考えておる現地の人々に一カ月分の手当だけで失業保險には入ることができないのだ、こういうことになりますと、整理される船員諸君も、このことを通して私どもに要望いたしました地区の漁業協同組合の諸君もがつかりするであろうと思います。併しながら失業保險に加盟せしめるような措置を講じたことと言い、保險の建前から行きますと、遡及することはできない、こういう建前になつておりますから、別途に一カ月分の手当を補償するということに考慮された、こういうことに対しては一応私どもは納得せざるを得ない。こういう現実に対する我我は直視をしたわけであります。併しながら現実は申上げたようでありますから、一カ月分の手当を補償すれば、それでいいわけだ、こういうことでなしに、やはり昨日だんだんお話がございましたように失業救済を対象とする事業を起すとか、或いは二十六年度に整理された船に対して支出をする補償金の中から船主が若干見てやるとか、こういうような方法に対して格段の御努力を願いたい。
 それからこの法案の審議の過程を通して私の感じましたことは、水産庁の長官初め各係官のかたがたが大量に更迭されたということも非常に原因でありましようけれども、提出をされました資料が甚だ正確を欠いておつた。勿論こういうふうな小型底曳漁業の船の実体というものを的確につかむということはなかなか困難であろうとは思いますけれども、法律を作るということは厳密な調査の上に立つて、厳密な資料に基いて法律というものは作らるべきであるということは申上げるまでもないのでありますから、国会で法律案の審議をする場合には、漠然たる資料によつて法律を我々は制定することはできない。提出された資料の正確を欠いている点がしばしばあつたということを御注意申上げ、今後はどうか非常に御苦労ではありましようけれども、この種の法律案を御提出になります場合には、国民が納得のできるような資料の上に立つて御提案なさるべきであるということを希望いたしまして、私は本案に賛成をいたします。
#23
○秋山俊一郎君 私の希望するところも松浦委員と同じことでございますが、私はもう一つ、小型底曳を整理しなければならんということになりましたことは、戦時中に無統制、無秩序になつておつた水産行政と言いますか、そういうものを、締め直す、そうしてむやみに増加しておつた違反船をここで整理して行く。そうして資源の培養保護を図ろうというのがこの法律の趣旨でございますが、往々にしてその整理の対象の数字から漏れるものがあるのであります。大きなものでありますと、そうでもありませんが、あちらこちらに点々と行われているこの無許可の漁船は、本来許可なしにやつているので、現在であつても取締るならば取締り得るものであります。それを数字的に調べ上げまして、それに補償金を割当てましてそうして、一応整理をしたとしましても、その網から漏れたものが何がしかあるということはよくある例であります。昨年私は北海道を旅行いたしまして調査した際にも、北海道が先ず手を付けて、それを実施した際にも相当の悪いものでも漏れておつて、相変らず補償金が出せないので、そのまま続けてやつているというようなことも伺いました。この法律を施行して整理をするに当りましても、そういうようなことがないとは言えないと思うのであります。若しそういうことがあつたとするならば、折角整理をせられた人たちの気分も変になつて参ります。又ぞろ無許可のものが出て来る、本来無許可というものは承知しておつてやるのでありますから、折角国が経費を出して整理したものが、又ぼつぼつ芽を吹いて来るのでは何もならないのみならず、民心にも悪影響を及ぼしますので、この整理につきましては十分調査を厳重にせられまして、そうして本当に整理の実を挙げられるように、この法の運用と取締りの実績を挙げてもらうことを御当局に要望いたしまして、この法案に賛成するものであります。
#24
○玉柳實君 昨今の行詰りました沿岸漁業における実情に処して、将来長く漁民生活の安定に資するために、今回の小型機船底曳網漁業の整理減船は誠に止むを得ざるに出でた措置であると考えまして、本案に賛成をいたす次第でございます。
 ただ今後整理を見ます船の中にも、恐らくは戦時中食糧の不足した時代におきまして、国家の要請に従いまして大いに漁獲物の増産に努力し、国民生活の安定に寄与したというものも少くないと考えるわけでございまするが、これらのうち不幸にして現在整理されるものの救済につきましては、各委員におきましても、深き関心を以て要望せられた次第でございまするが、今後これらの人の失業救済、職業の斡旋等につきましては、先ほど長官のお答えになりましたことを忠実に御履行を願いたいと存じます。なお同時に秋山委員から只今お話がございました通り、この整理につきましては、ややもいたしますれば、数年後には、いつとはなしに元の木阿弥に返りまして、何のために国家の経費を投じて整理をしたかわからないといつたような現象が起り勝ちでございまするが、かようなことのないように十分に指導と取締りに実を挙げられまして、本法案の趣旨を十二分に、且つ又長く維持せられまするように念願をいたしまして、賛成の意を表する次第であります。
#25
○委員長(木下辰雄君) ほかに御意見は、ございませんか。
#26
○千田正君 政府提案の場合、政府といたしましても、勿論こうした問題を再び繰返すようなことはないだろうと思いますが、苟くも社会問題というような問題に抵触するような問題が附随するような法案であつた場合においては、十分にその対策を考えられて、そうして法の全きを期せられることを私は要望いたします。幸いにこの法案の通過する事前に、当委員会での論議が、多少なりともこうしたことによつて不幸を見ないで済むような、一応の段階においての対策が講ぜられたことを多といたしまして、今後はかような不備な対策を伴うような法案を実施されないように特に御注意申上げまして、このたびの法案に対しては賛成の意を表します。
#27
○青山正一君 本案に対して只今の水産庁長官の弁明によりまして、そのお言葉を多といたしまして本案に賛成するものであります。
 ただ問題は、昨年衆議院の川村水産常任委員長から、この底曳の整理を受ける各府県へ参りまして、政府のほうの意見として、つまり水産庁の意見といたしまして、大体の構想は、乗組員に対して国家補償が三分の一であり、地方財政より三分の一を補助し、残りの三分の一は残存漁船、漁民から三分の一を補助するのだというふうな建前の下に、各府県へ参りまして言明しておられるように聞いているのであります。で、こういつたお言葉は、恐らく現在水産庁に関係しているところの水産長官なり、或いは各課長は御承知はなかろうとは思つておりますが、こういつたその水産庁の行き方がこうであるというふうな構想を各府県へ行つて、例えば兵庫県へ行つたり、或いは和歌山県へ行つて、こういつた言明をなすつておられる結果、そういうふうな建前のものなれば、喜んで自分たちも整理を受けようというふうなことで進んで行つたようにも聞き及んでいるわけなんであります。これは現在御関係の各係官には全然これは御承知でないかも知れませんが、そういつた全然空想的な建前のものを少くとも国会にお示しにならんように、これはそういつたその空想的なものを、お示しになつた結果、少くともいろいろな問題が起きて来るのじやなかろうかと、こういうふうに考えております。その点十分一つ御注意をなすつて今後進んで行つて頂きたいと、こういうふうに考えております、原案には賛成いたしたいと思います。
#28
○委員長(木下辰雄君) 全員意見が出ましたので、意見はもう終了したと認めます。それでは本案を採決いたします。本案に賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#29
○委員長(木下辰雄君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。なおこの法案についての委員長の本会議における報告は、先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないものと認めます。それではさよう取計らいます。それから例によりまして、多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    松浦 清一  藤野 繁雄
    千田  正  玉柳  實
    秋山俊一郎  青山 正一
  ―――――――――――――
#31
○委員長(木下辰雄君) それからちよつと御相談いたしますが、瀬戸内海水産開発協議会理事長江熊哲翁君が見え陳情いたしたいという今お申出がありますが、如何いたしましようか。委員会が終了してやりましようか、委員会中にやりましようか、お諮りいたします。
#32
○千田正君 陳情の趣旨はどういうものでありますか。
#33
○委員長(木下辰雄君) 瀬戸内海の開発問題らしうございます。この法案に関係があるか、ないかわかりませんが……。
#34
○松浦清一君 この法案とは関係がないですよ。瀬戸内海漁業開発協議会というのを作つて、一府十県ですか、そうして将来相当大きな国家予算で、そうして瀬戸内海を魚の池のようにして、どんどん養殖をやろうという、そういう計画を立ててやつているのです。その問題だろうと思います。
#35
○千田正君 結構ですけれども、そのほか今日の会議でいろいろの質問がありますので、それを終られてから陳情を聞くことにいたしたい。ということは、我々の質問するのは、今の差当つての問題について、水産庁の方針をお聞きしたいと思うのであります。
#36
○委員長(木下辰雄君) それでは御異議ないと認めますので、後刻陳情を許可することにいたします。
  ―――――――――――――
#37
○委員長(木下辰雄君) 水産庁長官に対して御質問がありましたら、お願いいたします。
#38
○千田正君 昨日北洋漁業の進出に際しまして、それの割当許可に関する問題につきまして、長官に質問いたしたのでありまするが、その点につきまして、一応は長官からの御答弁がありましたが、現実に当つた各部長さんか、課長さんに、当時の状況と今後のあれを聞きたいと思うのであります。もう一つ……。長官はお忙しいですか。
#39
○政府委員(塩見友之助君) まだ大丈夫です。三時過ぎにちよつと緊急のことがありますので……。
#40
○千田正君 若しお急ぎでしたら、その前にポツダム政令の改廃に関する水産庁の意見を聞きたいのですが。
#41
○委員長(木下辰雄君) まだいいです。
#42
○千田正君 それでは今の北洋の問題につきまして、昨日長官から縷々御説明がありましたが、その中にどうも我我が腑に落ちないので、当委員会といたしましては、委員長から特に農林大臣及び長官宛てに、この配分の数についてもう一度十分考えて見るようにという申入れをしたのであります。そのお答えはまだ私は承わつておりませんが、ただここに大きな問題になるのは、ここに適格船や或いは出漁実績数を標準にして割当てたということ、そこに例えば秋田のような問題、或いは秋田を許可するような場合においては、北海道におけるところの実績数の中には、秋田県の漁夫或いは秋田県の漁業者も入つているから、これを秋田県としては実績がなかつたけれども、一隻やつたというような御答弁があるので、甚だこの実績数の観点から言うと、何も秋田ばかりが北海道へ行つて、北海道の漁業としてやつているのじやなくして、岩手も青森もその他の県も行つているのでありまして、そういうふうな割り振りについて甚だ不明瞭な点がある。そういうことはいろいろ今後の問題に支障を来たすから、十分にこの点においては、当時その衝に当られたかたの説明を承わりたいと思つておるのであります。もう一つ、恐らく適格船のない、或いは出漁実績数も十分じやない県が割当を頂いても、相当の今後のいわゆるこれに対する資金の調達或いは資材の割当の買付けの資金と、こういう問題に対しては一体どこがそれに対する責任を持つて、農林省或いは水産庁が中金から金を借りてやるとか、或いは将来の赤字補填に対してはどうするかという点まで十分考慮して、これを勿論割当てられると思いますが、その点におけるところの実際の説明についても、若し次長おわかりになつているとするならば、その点を聞きたい。昨日は長官に御質問申上げておつたのでありまするが、この水産庁の資材の割当が早く手廻しが付かなかつたために、暗躍するところのブローカーその他のために、当時の割当の実際数を上廻つて、すでに数倍の値段をしている。こういうのはあなたがたの監督が不十分である。殊にその割当の先に対して十分なる考慮をいたしてないために、その損害をこうむつた場合に一体どこが補填をするか、およそ今後の北洋進出によつて恐らく、前に長官が申された通り、決してこれは黒字にならないであろう、赤字であろう、赤字の更にそれの内容を検討して行つた場合に、その資材の買付けの場合において、思わざるところの高価なところの資材を買入れたというのも、赤字の大きな原因になつて来るであろう。そういうときにどこが一体責任を負うか。そういう点について私は十分な説明を承わりたい。最終段階において、長官がその割り振りに対してはタツチしなくても、その報告を聞いて、長官としての責任の上において立つておられるのでありますが、実際にその立場に立つた人たちも、私はどういうためにこういうはつきりしないところの割当をされたのか、もう一度実際立会つた人の御説明を承わりたいと思うのであります。今日は次長が御説明になるとすれば、次長から一応この問題についての説明を頂きたい。
#43
○説明員(永野正二君) 本年の北洋におきまする母船式鮭鱒漁業の計画につきまして、水産庁といたしまして、一月の末に方針を立てまして、本年の漁場が、一方ここの間仮調印になりました日米加漁業条約案の点から考えて、又他面ソ連の動向がなかなか明らかでないというような点から考えまして、国際的にいろいろと慎重に考慮しなければならない点がございますので、成るべく手堅く関係諸国を刺戟しないようにというような計画を立てる必要があるかと思いまして、大体独航船の数は五十以内、母船の数は三隻以内ということで全体のスケールを水産庁としてきめたわけでございます。そこで当時いろいろと水産庁に出願が参つておつたのでございますが、一応これを全部白紙に返しまして、この独航船の出漁について、北海道及び内地の過去に北洋漁業に縁故の深い太平洋方面は千葉県以北、日本海方面は石川県以北という十一県、この十一県のかたがたの業者としても御協議を願うと共に、又この北海道及び十一県の県庁と私ども連絡をとりまして、どういうふうにしてこの独航船をきめて参るかということについて御相談をいたして参つたわけであります。で、この五十ぱいの割当の基準につきましては、いろいろな立場からいろいろな議論が行われたのでございまして、私どもといたしましても、これをきめるにつきましては非常に実は困難をいたしたのでございます。お手許に数字で概要が差上げてございますが、結局私どもが最終的に到達いたしました結論は過去における母船式漁業の出漁の実績というものを一つの要素とし、それからもう一つの側に現在の各県の今度の北洋漁業に出られる適格船の勢力というものを一方の要素に置いて、この二つの要素を組合せることによりまして、大体道府県別の割当の基準にして置こう、併しながらこの数字は勿論はしたもございますし、この全体の五十ぱいの基準のみによりまして機械的に割振るわけにも参らないわけであります。そこで一つ問題が出ましたのは、これは業者の間のいろいろな業者間の話合でも出たわけでございますが、北海道庁といたしましても出た話でございますが、要するに北海道の漁場というものが、北洋漁業が閉されておつた間、内地の漁業者に相当貢献をしておる、又恐らく本年以降におきましても、東北方面の底曳漁業その他の漁業が北海道の漁場に入り合うという必要があるのではないか、従いまして、こういう事実も隻数の割当の調整の要素として取り入れる必要があるのではないか、こういう議論があつたのでございました。私どもも北海道と内地のこの底曳漁業者の関係を、将来に亘りまして平和に且つ均衡のとれた状態におきますためには、こういう考慮も必要ではないかと思つたわけでございます。それから先ほど御指摘のように、我々の考えましたような標準で参りますと、例えば秋田県は昭和十年から十八年までの間、秋田県の漁業者の単独の名前では母船式漁業の独航船として参つた実績はないのでございます。又適格船の線として引きました五十トン乃至七十トン級のデイーゼル船の以東の底曳の許可を持つておる船というものも秋田県を根拠としてはないのでございます。これは裏日本方面に通有の現象でございますが、あの方面には底曳の漁場としてこういう大型の船を入れるだけの漁場がございませんので、各裏日本方面の県の以東の底曳の許可として、こういう大型船があるのは非常に少くなつているのでございます。ところが我々も最初はこういう見地に立ちまして、秋田県は今度の独航船は割当てないという考え方も一時は持つておつたのでございます。その後県庁から私どものほうに水産課長以下おいでになりまして、いろいろ実情を調べましたところ、秋田県としては過去において独航船を共同経営とかいうような隠れた形で出している事実がある。それから県としての過去における北洋漁業に対する依存度と申しますか、秋田県の関係者が北洋漁業に非常に依存をしておつたという事実があるということを主張されたのでございます。そこで我々のほうもいろいろその点を調査いたしたのでございますが、過去における北洋漁業は勿論この母船式鮭鱒漁業もありますし、或いは北千島根拠の流し網漁業、或いは北千島に立てます建網の鮭鱒漁業というようないろいろの形があつたのでありますが、これらのあらゆる漁業に通じての各北海道府県別の北洋漁業に対する依存度というものは、これは私ども早急の間でもございますし、又これは相当時間をかけましても、こういうものを数字で正確に反映することはなかなか困難なことでございますが、私どもが急いで収集しました資料の中に、少なくともこういう数字ははつきりしたのでございます。過去におきまする北洋漁業の最も大きなウエイトを占めましたカムチヤツカ方面の漁場に対する漁業従事者が、この北海道附近からどういう割合で出ておつたかという数字を調べて見ますと、北海道が四四・四%になつております。それからその次が秋田県でございまして二〇・四%になつております。その次が青森県でございまして、一九・九%になつております。それ以外の県はいずれも多いところで六%、少ないところでは零点何パーセントというような数字になつているのでございまして、大体北海道、秋田、青森というのが、こういう方面に非常に依存をしておつたという数字が明らかに出て参るのでございます。それからもう一つの考慮といたしまして、秋田県におきまして、過去におけるこういう北洋漁業への依存度、北洋を知つておるという人が大勢おられる関係で、県としても非常にこの計画について強い熱意を持つておられまして、県庁で責任を以て指導して、本年の北洋漁業へ出かける適格船を選んで、是非独航船の割当を一ぱいでもいいから受けたいという強い御希望の開陳があつたのでございます。これに対して私どもは当時出席いたしました北海道及び関東北、北陸の水産課長の御意見も聞いたのでございますが、いずれも過去における北洋漁業についての数字を、ただこういう許可の名義が一ぱいもなかつたということで、秋田県だけを除外するのは酷でないかということがほかの県の課長から、これは五、六県あつたと思いますが、そういう御意見も出たのでございます。従いまして我々としては、一応こういう形式的な数字からは秋田県は零になつておるということで割当てまいというようなお話も最初はいたしたのでございますが、こういうふうにいろいろ調査が進み、県の計画を十分伺つております間に、どうしてもこれはやはり秋田だけを全然今回の北洋の出漁から除外するということは非常に酷な結果になるというようなことを恐れまして、この問題は将来の北洋漁業に対しての問題は別といたしまして、本年は第一年であります関係で、各県から非常に出漁の熱意が盛り上つておる際、秋田県だけを除外するということはちよつと如何かと思いまして、最終的に只今お手許に差上げましたような各道府県別の割当の数字を、案を作りまして、決裁を得ましてこういうふうに決定した次第でございます。
#44
○千田正君 今の次長のお話によるというと、まあ秋田のようにこの表には零になつておるけれども、過去において北海道において隠れた共同の仕事をやつておつたのだから、これを割当てようじやないか、まあそれも一応は考えられるでしよう。併しそれは秋田ばかりじやない、先ほど申上げたように、岩手だつて、青森だつて、宮城だつてやはり北海道の四百五十八隻の中には相当北海道自体の問題でなく、各県から行つて共同経営しているものは相当あるのです。大体千五百十隻という過去の隻数の中に今度のようないわゆるカムチヤツカとか、アリユーシヤン群島方面において活動できる船がどれだけあるかということの適格を調べておられますか、この実績隻数の千五百十隻の中に……。
#45
○説明員(永野正二君) 過去における母船式鮭鱒漁業につきましては、割合に岸近かなところで操業が行われたのでございまして、只今御指摘のアリユーシヤン群島の北、本年の漁場と考えますところで操業いたしたという実績は、これは調査船、一部の試験調査を除きましては、それはございませんのでございます。
#46
○千田正君 だから私はこの数字をいわゆる根本として、この数字に頼つて、而もこれを五〇%とるということについては私は反対の意思を表明いたすのでありまして而も北海道が、何故に五〇%を北海道に割当てなければならないというようなばかな話はどこにあるかと我々は考えざるを得ないのであります。而も今度いわゆる適格船が零になつたところに割当てなければならない。一体そういうような場合に、適格船は新造するか、或いはチヤーターするかしなければならないだろうし、それを資金の面から言つても、或いは将来これが赤字になつた場合におけるところの責任や何かにおいても十分検討した上で割当てたものとは思うけれども、私から言えば誠にこれは、甚だこの提出された資料は不満足なものであります。そこで昨日も委員長からこの点について考慮するかどうかという……。もう一つ私は的確にお伺いしたいのは、これを以てあなたがたは十分なる資料と思つて、これによつて今年は一応割当した、併しこれは来年もこの割当の基準になると思うが、今後もやはりこれを基準にしてやるつもりかどうか。
#47
○説明員(永野正二君) 来年度の割当の問題でございますが、これは本年の操業の結果によりまして、漁場価値、それから又漁場の広さといたしましても、十分慎重に再検討をいたさなければならないと思います。従いまして来年度の独航船の大体のスケールがきまりました場合に、これの割当基準をどうするかということにつきましては、なお本年の経験を基といたしまして、いろいろほかに考慮をすべき要素もあるかと思いますので、なお慎重に検討の上新らしい方針で参りたいと、こういうふうに考えております。
#48
○千田正君 更にここに割当てられた数のうちで、実際この数は割当てられたが、いよいよスタートする場合において間に合わない、金も資材も間に合わないというようなことができたら、どういうふうな配分をやりますか。
#49
○説明員(永野正二君) 本年の五十ぱいの独航船というものは、私どもは北海道及び関東北、北陸の漁業者のかたがたが非常に強い北洋への出漁の熱意を持つておられるので、本来ならばもう少し内輪にしたがつたのでございますが、それらも睨み合せて決定した船の数でございます。従いまして、これにつきましては、各道県から至急に具体的な船名及びこれに乗りまするかたがたのリストをもらうことになつておりますが、それらにつきまして準備が遅れたといたしますならば、できればこの五十ぱいの内輪の船でもよろしいから準備の整つた完全な船だけを出漁させたい、こういうふうに考えます。
#50
○千田正君 だから私は聞くのであつて、そういうふうに不準備なところが出て来るかも知れない。そういうような場合には、初めから熱望を持つているようなところへ今から勘案しておく必要がないかということを私はあなたに聞くのであります。例えば秋田のように、何回もあなたがおつしやるけれども、ここにおいては適格船もなければ過去の実績も表には載つておらない。恐らくどこからか借りて来ることになるのでしよう。いざスタートができないと、そういうような場合において、それじやスタートができないから、秋田はこれで御免こうむるというようなことになつた場合にはどうするかというと、四十九隻でスタートする、そういうような場合に、今までほかに要望しておつたものも一隻しか当つていない。殊にその他の、富山なら富山も一隻しか当つていないのですが、我々はこれだけの準備があるのだから、これを割当ててもらいたいということを言うときには、いわゆる補助的に割当てるところの準備もこれはやつて差支えないと思います。この点において何も考えていないということは私は甚だ不準備だと思いますが、そういう点について考えるだけの余地があるかどうか、この点もお聞きしたいと思います。
#51
○説明員(永野正二君) このリストにおきまして、適格船のないところにおきましては、特に私どもはその点を実は注意して県庁からの御計画を聞いているのでございますが、秋田県におきましても、この表が、要するに底曳の許可を持つている五十トン以上のデイーゼル船と五十トンから七十トンの底曳船、こういうことになりますが、これ以外のラインから、而も鮭鱒流網漁業に適する船の大体計画ができているということを確認いたしましたので、この割当をいたした次第でございます。
#52
○千田正君 今秋田が一つのモデル・ケースになりましたが、然らばほかの県でここに載つている適格船隻数を持つていない県も、これはあなたが確信を以て全部スタートができるというふうに言い切れますか。
#53
○説明員(永野正二君) そのとき一番心配になりますのは、北陸方面の諸県につきましては、大体適格船の候補というものを出して頂きまして、それを私のほうで調べておる途中でございます。必ず適格船が出て来るということを、ここで引受けられるかどうかというお話でございますが、大体現状までの検討の結果では、船の数がそう多くないのでございまして、而も候補船を二、三ぱい持つておられますので、そのうちから適格船が出て来るのではないか、こういうふうに考えております。
#54
○千田正君 そこで私は考えるのは、いわゆる適格船ばかりでなく、船だけあつても、それに対する資材の用意、一切の資金の準備をしなければならない、船だけを用意したつて、あとの資材も何も積あないのじや何にもならない。さつきも申上げた通り、船から資材から何倍か上つておるような場合において、これを買取ることができなかつたら、船だけ用意したつてスタートができない、そういうような場合に、前に希望を持つておるようなところに、或いは漏れたようなところに、行政的に一つの方法を考える方式を考えてやつたらどうか、そういうような補助的な準備も考えたらどうか。こういうことを私は質問しておるのであつて、それだけの考えを以て今後のスタトに十分な準備を持つてかかれるかどうか。その点を伺つておるのであります。あなたのほうでは十分に行政的な意味において、割当が少いためにスタートができないのだというところに補助的に廻してやれるかどうか。その点を聞いておるのであります。
#55
○説明員(永野正二君) これはまだ各道府県から五十ぱいの船が全部各県から出揃つておりませんので、そういう場合が或いは起る危険性もあるわけでございますが、私どもの方針といたしましては、すでに早くからこの適格船の線は、各県の県庁及び各県の漁業者にお示しがしてございますので、それによりまして、遺漏のない準備をしておられると思いますが、最後の五十ばいの審査におきまして、不適格船である、或いは準備が整わないというようなものがあつた場合には、その際の措置として、上司とも相談いたしまして方針をきめたい、こう思つております。
#56
○千田正君 五十隻を標準として割当てましたが、今の次長のお話によるというと、必らずしも完璧な割当では勿論ないし、準備も完備しておるわけでもない、漁期も目前に迫つておる。網の買入から一切の油の準備ということになると、この適格船のないところの各府県の漁業者は相当苦労をして集めなければならないと思います。いよいよ間に会わなかつた場合において、そのときから上司に相談してやるというようなことでは、私はどうかと思う。だから私から考えれば、適格船を持つて十分準備のできる場合は、今年は一応そういう県があるならば、ほかの県は一応割当はもらつたけれども、出漁ができない、併し我々の権利だけは飽くまで確保するのだ、こういうようなことであつては私はいかんと思うのであります。今年は飽くまで試験的に行くというならば、この大臣が許可した割当というものは、飽くまで実績でなく試験的なものであるとして公表できるかどうか。どこまでもこれを標準として、将来もこれを基礎としてやるということになると、私は相当な問題を今後発生する虞れがあるから、前以て次長のお考えを聞いておきたいと思うのであります。
#57
○説明員(永野正二君) 本当に北洋の「さけ」、「ます」の漁業に出られる適格船がないにもかかわらず、この割当を、割当として権利を主張するというようなことには絶対にいたさせないようにいたします。
#58
○青山正一君 長官か次長に承わりたいと思いますが、長官なり次長は、今度の「さけ」、「ます」の北洋進出問題につきまして、いろいろな観点から、同連の関係者であり、衆議院の水産委員長である川村さん或いは大蔵委員長であるところの青森県の夏堀さん、勿論これは「さけ」、「ます」とは関係ないとしましても、一応これは漁業者の立場におるわけなんですが、こういつた衆議院の建前の下に進んでおられる、このお二人の一方は北海道のほうの最高責任者、一方は内地側の最高責任者として、斡旋者に依頼したところが、再三再四これに対する質問に対しまして、水産長官は、これは飽くまで斡旋者であるというふうなことで再三お答えがあつたように思われるのでありますが、この問題のこの結論的な建前の上において、水産長官なり或いは次長は、今までの折衝過程において、こういつたお二人のおかたを斡旋者的建前に置いたために非常な損を来たした、いわゆる非常に工合が悪かつた、こういうふうにお考えになりますかならんか、その点について承わりたいと思います。水産長官からどうぞ。
#59
○政府委員(塩見友之助君) お二人について私のほうからお願い申したという事実は全然ございません。関係者のほうで選ばれて、それで代表者としてそれで審議に加わるような形でお引受けになつたわけであります。私のほうは別にそれが国会議員であるからどうとかいうことではなくつて、又独航船側の団体が、独航船が未決定のままであるからというふうな意味において、斡旋者として、一方母船側のほうとの話合いと、或いは独航船の資格とか、それを割当と並行的に進めざるを得ないような時間的な関係にあつたものですから、そういうふうな意味において斡旋者としてともかく発言してもらいたい、こういう条件は付けましたけれども、それ以上に触れてないわけであります。
#60
○青山正一君 只今水産長官から斡旋者としてと、こういうふうなお話がありましたのですが、その割当てた結果というものは、この表にも書いてありますけれども、北海道が昨日私からお話申上げました通り、大体三〇%、内地側が七〇%、それがまあいろいろ適格船があるがために、北海道は四五・三%、あと残り六四・七%というものが内地側に決定したと、こういうふうにおつしやつたわけでありますが、結局この北海道側におきましては、斡旋者であるところの川村氏がいたために、こういうふうな結果になつた。青森におきましては斡旋者の夏堀氏がいたために四倍にまでなつた。これは表を見てもはつきりわかりますが、宮城県と青森県との違い、或いは岩手県と青森県との違い、或いは新潟県と青森県との違い。こういつた面を見れば、少くとも正直者はばかを見ると、而も川村さんは、前回におきまして冨永氏が水産委員長になつた、今度は私が水産委員長になつた。前後二回に亘つて引続いて、この北海道から水産委員長になつたのは、これは北洋問題が非常に大事だというような結果、自分が選ばれて水産委員長になつたのだ。而もこれは廣川なり、水産長官の或る委託を受けて、自分は入り込んで来たのだ。こういうふうなことをおつしやつておられますし、夏堀さんも同様のことをおつしやつておるように見受けられます。若しそういつた点について、私の言うておることが若し真実を欠くというようなことならば、又改めてそういつた言質のことは私調べて提出いたしたいと思いますが、初めからこれは廣川農林大臣の命令だと、或いは水産庁長官の話合いできまつたんだと、こういうようなことで出て来たために、ほかの業者も止むを得ず、仕方なしになつたというような恰好になつておりますから、その点一つ十分に、私のほうも調べますけれども、あなたのほうもお調べ願いたいと思いますが、そういつた問題はさておきまして、昨日私から長官に大体お話なり、お願いを申上げておきましたのですが、こういつた斡旋者を、来年度は飽くまで斡旋者としての建前で持つて行きますかどうですか、その点一つ承わりたいと思います。
#61
○政府委員(塩見友之助君) 先ほどお答えいたしましたように、水産庁のほうからお頼みした事実は全然ございません。大臣のほうのは、私は詳細には存じませんが、恐らくなかつたと思います。これは直接大臣に確かめているわけじやございませんけれども、なかつたと思います。関係者のほうでやはり推薦をして来ている、こういう形だと、こう存じております。で、来年度の問題でございまするけれども、できるだけ、来年度は時間的な余裕もございますので、まあ先ほど次長からお答え申上げましたように、今年の調査の結果で、又来年の漁場の範囲もどの程度にしたらいいかという問題も残るとは思いまするけれども、大体調査の結果を見まして、来年度はどのくらいの隻数が行くのが適当だというふうな判定が付きますれば、これは時間的な余裕は十分にあるわけでございまするから、その上で、又今年のように母船と独航船との経営上の話合いとか、隻数割当とかいうふうなものを並行的に進めるようなことなしに、先ずやはりその隻数の問題のほうをできるだけ今年年は、資料不十分でございますし、一部資料を戦時中に北洋のものを疎開しておりましたものが、今紛失をしておつて発見できないものもありますので、それで必ずしも皆さんが納得できるような数字的な基礎で弾くというふうなわけにも行かない、このくらいの数字しか一応基準になるものがなかつたわけですけれども、まあそういう点も十分それまでの間に適当な数字というふうなものがあれば、そういうふうなものも併せまして、それで割当をやつて行く、その上で出漁する現実の漁業者が決定しました上で、それらの人々によつて団体を構成してもらつて、それでやつて行くというふうな形がいいのではないか、こう考えておるわけです。今年はそういうふうな点について資料は十分にとれないということと、それから併しながらやはり何らかの基準がないと数字をきめる基礎ができない。政治的な力の関係だけできまるとか、或いは各種の事情を勘案する基準が付かないままで、まあとにかく話合で行く、これは時間的にも非常に遅れまするし、するので、不十分ではあるのですけれども、何か基準になるような数字をとらざるを得ないで、こういう形をとつたわけなんであります。そういう点については、なお十分検討の余地はあると思います。来年度はそういう形で、進め方としましては先ず隻数をきめて、それでそれによつて現実にその出漁する漁業者を十分、資格の点その他の点を検討した上できめまして、それで団体を構成してもらつて、それで出漁の事業上の問題等については話合を付けてもらうのがいいと、こう考えております。今年もそういうふうな形で進みたいと思つておつたわけですけれども、時間的にどうしてもそれが並行的に進めざるを得なかつた関係で、そういう形になつたわけでございます。ただその場合の代表者として、どういうかたがたをというふうなことも問題になりまするけれども、それはそういうふうな形で出漁するようにきまつた人たちによつて代表者が選ばれ、その代表者に話合いの中心になつてもらうという形が適当じやないか、こう思つております。
#62
○青山正一君 本年度の実績を以て来年度にこれを実績として進んで行きますか、どうですか。この点はこの前の衆議院水産委員会において、私傍聴しておりましたが、たしか長官におきましては、今年度の実績を以て来年度の実績としない、そういうふうなものを考えてやつて行かないというような御返答があつたかのように僕は聞いておりますが、それからもう一点は先ほど千田さんからもいろいろ話が出ておりましたが、こういつた母船の関係は、非常な資本家であります日水にしても、日魯にしても、大洋にいたしましてもこれは自分のほうで金融の途は講ずることができようと思いますが各府県において、岩手県はこれはともかくできると、こういうふうにおつしやつておりますけれども、北海道にしましても、或いは青森も、夏堀さんはすると、こういうふうにおつしやつておりますが、その他の県においても、これはなかなか県議会で決議したり、或いは県のほうで何とか考えるというふうにいたしましても、一隻当りどうしても五百万円の金が要ろうと思いますのですが、そういつた点について、これはなかなか中金あたりに渡りを附けてもむずかしかろうと思いますのですが、水産庁のほうで積極的にお骨折りになるお気持がありますか。現在金融の点について、どういうふうにお進めになつておりますか。この点についてお伺いいたします。
#63
○説明員(永野正二君) この話が持ち上ります当時から、この関係の漁業者のかたがたからは異口同音に、これは将来の北洋漁業の再開というために、我々本年はたとえ犠牲を忍んでも是非この仕事に乗り出して漁場に行つて見たいと、こういうお話でございまして、その当時から資金的にもいろいろと御準備があるように私どもはまあ聞いて参つておつたわけであります。そこでこの五十ぱいの割当は、実は希望者に対しては非常に少い数ではないか、こういうふうにずつと考えて参つた次第でございます。そういう点から考えましても、恐らく数人のかたが一ぱいの独航船に対して共同して出資をすると、資金の面倒を見るとかいうような形が各県とも多いのではないかと思います。そういう点から考えまして、現在まで水産庁で是非この資金を面倒を見てくれというお話も実はなかつたのでございますし、我々としては、今のところこういう問題につきまして、水産庁で資金の斡旋をするということは考えておりません。
#64
○青山正一君 その元を探れば、いろいろ独航船が割当になるときに、例えば三社側と、それから北海道なり或いは内地側の独航船の団体が折衝をする過程において、いろいろ自分のほうで資金の工面をするから何ばい寄越せとか、或いは自分のほうを根拠地にすればその資金の心配もしてやろうというふうなことで、いろいろそういつた面について話合はあるのだけれども、併し事実いろいろ探つて見ますと、例えば富山にしましても、或いは山形とか、或いは福島、宮城あたりにしましても、いずれその資金の工面をするというようなことになるとすれば、それはまあ熱意には燃えておりますけれども、事実はまあ母船に頼つて行こうというようなことが、或いは本当は内心の気持がそこに行つておるのではないかと、私はそういうふうに思つているわけなんです。ただいろいろな今までの折衝の過程においてそういうことが言われなかつたというところに難点があるわけで、まあ探りを入れますと、各県とも皆資金に悩んでおるのではないかと、こういうふうに思つております。そうした場合には、いろいろ母船との間に共同経営というようなふうな形で進んで行くにしましても、第一そいつが難点になつておりまするからして、自分のほうで資金を出さなければ共同経営というようなことになつて行きません。やはり昔のように、一つの仕込制度、或いは大洋、日水、日替のほうに資材も背負わすのだ、或いはいろいろのかかり、費用なども皆背負わすのだ。ところが五社限りにおいて協同経営というような一応形で作られたがために、全然自分のほうで資金はできないというようなことは言われないのだ、恐らく本心はそこにあるのじやないかと思いますが、そういつた建前にある際に、例えば先ほど千田さんのおつしやつたような、秋田が操業不可能というふうな問題も出て来ようし、或いはその他の県においても操業不可能というような問題も出て来よう。そうした場合において岩手県のように少いところにそれを補いを付けるというような問題にもなろうと思いますが、そういうようなことはともかくとして、そういつた独航船を各県から二隻とか、或いは三隻、或いは五隻とか、八隻とが出すという数は、独航船のほうで若し資金の融通がどうしてもできない場合においては、水産庁のほうから中金なり、或いはその他の方面に対してお世話するところがあるかどうか、或いは資材の面も先ほど千田さんがおつしやつたように非常にそういうふうな……、北洋再開というようなことから、むしろ資材の値上りがあるというふうにも僕は聞いておりますが、なかなか資材の入手も困難であろうと思います。母船に頼ればそれはすぐにでも都合ができようと思いますが、母船に頼ることができない今の協定、その面子のために恐らく内心はそういうふうなところに悩みがあるだろうと思うのです。その点についてお伺いしたい。
#65
○説明員(永野正二君) 私ども漁業者の関係の内懐ろの工合はよくわからないのでございまして、只今御指摘のような話が或いはあるのかも知れませんが、私どもといたしましては、本年度の漁期の関係がございますので、この計画が支障なく進行するように何回も業者のほうには念を押しておる次第でございます。大体四月の末には全部根拠地である函館に独航船が集結をするということになりますが、それより大分前に、四月草々に資金的にどうなつておるかということを、この母船の責任者である側と独航船の責任者である側とがお集まりになつて、四月草々にその点を確認されるということにお話合ができておるように聞いておるのでございます。それからこの点は先ほどの千田委員のお話に対しまして申落しましたのでございますが、資材のうち最も問題になります漁網につきましては、私どもがこの計画のスケールをきめました直後に、どうせこの仕事は誰がやるにしても、この五十ぱいの独航船がおのおの百五十反なり、二百反なりの網を持つておるわけでございます。その網の製造能力というものにつきましては、今内地でどこが幾ら、どこが幾らとはつきりわかつておりますので、そういう事前の手当を漁業者のほうでなすつておられるというふうに私どもは承知をしておる次第でございます。
#66
○千田正君 今次長は机上の上のお話を……。尤もあなたのほうに来ているお話はそうかもわからんが、実情は、資材はすべて二倍の値上りであります。この点は十分研究して頂きたい。それからもう一つ二つお伺いするのですが、今の函館なら函館の基地にいざ出漁という場合に集まらなかつた場合においては、この割当はどうなるかということを一つ聞いておきたいと思うのであります。もう一点、これは長官にお伺いするのですが、これは飽くまでも日米加の漁業条約に基いて、日本が果して国際信用を保持し得るかどうかという重大なる一つの試験的ないわゆる日本の水産界においては、或いは日本の、言換えれば独立後におけるところの海区進出の唯一の一つの試験台でありますが、こういう場合にこの船が若しも不幸にして反則を犯すというような場合においては、一体どうするか、この点につきましては、農林大臣が許可を与える際に、この点に対する明文をはつきりと書いて、そうして渡してあるかどうか、若しも違反を犯した場合にはどうなるか、違反を犯した県は割当を取消すとか、或いはその罰則についてはどういうふうにやつて行つて、そうして信用を保持するような措置を考えておられるか、この点について長官からお伺いしたいと思うのであります。
#67
○説明員(永野正二君) この漁船が船出をしますまでに準備が間に合わないというような事情は、それは成るべく早くはつきりさせなければならないと思いますので、その意味で本日一ぱいに何とかして独航船を具体的にきめたいと思つて、今各県と協力をして調査をしている次第であります。それから本年の漁業は、これが関係各国と摩擦を起さず円滑に行われるか、或いは非常に問題を起すかという点は、非常に将来に亘つて重要な影響のある問題だと思います。従いまして我々は本年の漁業については、その取締上も非常に綿密な措置をいたしたい、こう考えておりますが、これに対する違反、操業上の規制に対する違反に対しましては、これはこの違反の性質にもよるわけでございますが、万一一時の利慾のために非常に大きな国際的なマイナスを起すような違反をしたということになれば、これは厳重に処分をいたさなければならない、こう思いまして、この処分の方針につきましても、今そういう趣旨におきまして案を練つておるのでございます。
#68
○政府委員(塩見友之助君) 只今私にお尋ねの趣旨は次長よりも答えられましたわけですけれども、これは吉田総理からダレス大使宛の書簡、昨年の二月十三日のものでございますけれども、この書簡の約束の下で出漁させるわけでありまして、それにも明瞭に書いてございまするが、これに違反するようなことがありますれば、政府及び業界両者の代表者で構成したところの委員会というようなもので、その違反に対する処罰をやる。その処罰には漁業免許の取消も含めておるという工合になつておりまして、それに関係するような違反につきましては、私のほうはそれによつて処罰をいたしますし、その吉田総理からダレス大使宛の書簡に触れないような部分についても、勿論こちらのほうで条件、制限を附しまして、それで国際的に問題の起らないような形で出漁させるわけですから、それに関連する部分は農林大臣の責任において、やはりその違反に対しては厳重な処置をとるつもりでございます。
#69
○千田正君 今準備中という話ですが、これはやはり国会議員としましては、少くとも日本の国の信用の問題でありますので、許可を決定するに当りましても、むしろこれは事前に割当てられた県なり、或いは組合なりというものに守る方式をとつてもらいたいと思うのであります。間に合わないから只今そういう問題について慎重に案を練つておる、こういう答弁でありますが、我々参議院といたしましては、長い間占領下においてマツカーサー・ラインの縮められた範囲内において出漁ができなかつた日本の水産のために十分考えて来ておるのでありますから、この際そういうことに不幸な事態が生じてはいけない。而もそれを厳重に守らせるためには、一体どういう事前的な方法をとつておるのかという点につきましては、我々として十分知りたいと思います。でありますから、案ができましたならば、必らず当委員会においてその説明をして頂きたい、これを特に要請しておきます。私は先ほど青山委員からのお話の中に、この割当に関して少くとも現在の衆議院議員の中の二、五名の人たちがこの斡旋の労に当つておる。而もそれが廣川農林大臣の命令である、或いは塩見長官の内示によつて動いているのだというようなことを公言して憚らないとするならば、こういうような方式によつて割当てられたものは何らの価値がないということを重ねて申上げまして、この次の割当に対しては、少くともそういう政治的な暗影をその背後に漂わすような方式を以て割当をするということは絶対やめてもらいたい。飽くまでも公正にして、そして如何なる問題が起きて来ても、あなたがたが政府の立場においても国民から指弾を受けないような方途に向つて進んでもらいたいということを強く要請しまして、この問題については私はこれだけにしておきます。
#70
○委員長(木下辰雄君) ちよつと私から一言お尋ねしますが、母船に附随する調査船、これは採算を度外視して専ら調査に従事するというような御答弁がありましたが、それには農林水産庁関係官でも乗りますか、どうですか。
#71
○説明員(永野正二君) 調査船と申しますのは二種類ございまして、これは先ず我々役所といたしまして、直接の政府としての調査船を出したいと考えております。そのほかに各母船におのおの附属いたしまして、その母船のためのその母船の全体の操業の統制をとる、操業区域の違反とか、そういうことのないように、操業の統制をとり、又漁場を発見するという意味におきまして、おのおのの母船から調査船を出す計画をしておるのであります。これは一応独航漁船の許可とは別に、そういう意味におきまして、母船に附属して出て参るわけでございますが、これらの操業を監督いたしますための我々の監督官といたしましては、三隻の母船におのおの権限を持つておるものを一人ずつ乗せます。それからそのほかに役所で調査船のほかに監視船も出しますので、この監視船を二はい出す計画でございますが、この上にもおのおの権限を持つた監視官を一人ずつ、合計五名の監督官を出したいと、こういうふうに思います。
#72
○委員長(木下辰雄君) 母船に附随する調査船に対しては調査項目を設けてありますか。
#73
○説明員(永野正二君) その点につきましても、この方面の権威者をいろいろお願いをいたしまして、どういう要綱で調査をするかということを農林省としてきめます。そのきめました調査項目を政府の調査船及び民間の母船に附属する調査船がおのおの適当な分担を持つて調査を施行する、こういうふうにいたすつもりで今検討をいたしております。
#74
○千田正君 もう一点お聞きしておきたいのはアリユーシヤン群島に行くまでの航程は相当のマイル数であると同時に、その間は恐らく日本と未だ条約を結ばない、平和条約を結ばない曾つての交戦状態にあるところの国の権力も或いは及ぶかも知れない。再三再四以西におきまして、或いは北海道の周辺におきまして拿捕船の問題が起つておりまするが、今度の鮭鱒の北洋進出に際しましても、必ずしも安全じやないと思う。安全じやないと思うが、同時に又拿捕される危険も私は絶対にそれがないと言い切れないと思います。そうした場合のいわゆる損害は一体どういうふうにやつて行くか、こういう点も勿論考慮されておるでしようが、念のためにお伺いしておきたいと思います。
#75
○政府委員(塩見友之助君) これは先日こちらのほうで御審議願つておりました漁船災害補償法によりまして、船のほうは救われるわけであります。それから乗組員に対しましては、現在支那海におけるトロール及び底曳網漁業のほうも十分なことができておらないので、これは大体私参りましてから非常に大きい問題でもございますので、関係省のほうとも打合せまして、乗組員のほうにも何らかの国として救済の措置をとる必要があると認めておりまして今大蔵省と事務的に折衝を続けておりまして、それがうまく参りますれば、やはりこれはどうしても法律案とならざるを得ない性質のものでございますので、それでそれを国会のほうで諮つて頂いて、財源的な裏打ちもして頂くように持つて行きたいと、こう思つておるわけでございまするけれども、それがございませんと、乗組員に対しては、政府のほうとして直接救済のほうに手を延ばすというふうなことはできないわけでございまして、それをも考慮して、できるだけ経営者側と乗組員の側との間の給与の支払いの問題に対しても、斡旋が必要とあらば斡旋をして行きたい。それが十分に行くようにするためには、先ほど申上げましたような漁船だけでなくて、それで乗組員に対しても救済の手が延べられるような措置を、どうしてもこれは法律が必要なのでございます。労働省のほうも、それから運輸省のほうの船員法関係のほうも、どうしても向うのほうでは処置ができないということなので、水産庁のほうでそれを今打合中でございますから、現在の段階はそういうことでございます。
#76
○千田正君 非常にそれは重大な問題であまりして、戦争中のいわゆる戦争によつて捕虜になつて未だ帰らないものに対しては、いわゆる軍人軍属に対しては未帰還者に対するところの法律が出ております。軍人軍属にあらざるもので捕虜になつて帰らざるものに対しては特別未帰還者給与法案が出ております。併しこのたびの漁船が進出した場合においては、不幸にして捕虜になつたという場合におけるところの法案がどういう方式になつているかこれは仮に交戦国と……未だ平和条約を結ばない国との間によつて拿捕され、そして帰らないという場合には、先にこの国会で制定されておつたところの特別未帰還者給与法案が適用されるか、或いはされないか、こういう観点も重大な問題でありますので、これは出漁する前にこの問題は相当はつきりしておかんというと、仮に不幸な場合が起きた場合に、単なる船員の、いわゆる先般出ました一ケ月も二ケ月もの期間の給与支給の問題だけでは解決できな
 い問題であつて留守家族その他の問題に影響を及ぼす問題でありまするから、これは早急に且つ慎重に作らなければならない問題であると思います。これを作る法案があるとするならば一日も速かに例示してもらいたい、この点を要望いたします。
#77
○委員長(木下辰雄君) 本問題は又後日に譲りまして、本日はこの程度で本問題を打切りまして……。
#78
○千田正君 簡単ですが、長官が帰られない前にもう一つお伺いしますが、ポツダム宣言によるところの法案の、独立後における日本の法案の改廃に関しまして、水産庁関係の法案で改廃すべきところの法律があるかないか、あるとするならば、どういう法案であるかということを一応簡単に名前だけでよろしうございます、お考えがあるならばおつしやつて頂きたい。
#79
○政府委員(塩見友之助君) 差当りのところは先般御審議頂きましたところのマツカーサー・ラインの撤廃の法案のみでございます。なお細かい問題については、その法律を改正したほうがいいと思われるものも逐次出て来るかも知れませんが、差当りあれは一番決定的なものでございます。
#80
○千田正君 占領下におけるところの強制的な慫慂によつて作られた法案、例えば「らつこ」、「おつとせい」の猟獲禁止法案というようなものは、日本の領土でないところの海獣に対する法律である。占領治下において強制された法律でありますが、これは一体今の問題とはどういうふうに関連されるか、その辺の見解を承わりたいと思います。
#81
○説明員(永野正二君) 「らつこ」、「おつとせい」の猟獲につきましては、これは現在関係国のアメリカ、カナダ、ソヴィエト連邦及び日本がこの北太平洋の「らつこ」、「おつとせい」の関係国でございますが、そのうちのアメリカ合衆国及びカナダと共同をいたしまして、これは条約によつて措置することに考えております。そこで我が国が講和条約が発効いたしましてから、その「らつこ」、「おつとせい」に関する国際的な取りきめができますまでの間につきましては、これは先般講和条約の案を作ります際に、吉田総理からダレス大使宛の書簡で、それまでの間海獣猟獲は我がほうの自発的な措置として行わないということを約束いたしておる次第でございますので、その点につきまして、特に今すぐ法律を改廃するということは考えておらない次第でございます。
#82
○千田正君 この問題は頗る重要でありまして、同時に外交政策から言いましても、我々は日米カナダの条約においても、アメリカの沿岸及びアラスカの沿岸或いはカナダの沿岸において、日本の講和発効後における海洋の自由の権利の原則のいわゆる放棄ではありませんが、自粛を止むなくされたところの条約であると同時に、我々はやはり飽くまで日本の海域を守ると同時に、海域におけるところの沿岸漁民のいわゆる漁獲であるところの、こういう海獣によつて阻害されるところの水産資源の確保を我々は要求しなければならない。そういう立場から申しまするというと、この問題は慎重に研究して、一応今後の平和条約発効後におけるところの日本の態度を明らかにするためには我々としても研究したいと思います。今日はその問題にはこれで触れないことにいたします。後日皆さんから一応あなたがたの見解を聞くと同時に、我々の研究の態度を発表したいと思いますから、今日は言いません。
#83
○委員長(木下辰雄君) ほかに御発言がなければ、瀬戸内海水産開発協議会の陳情をどなたか代表者からお願いします。
#84
○参考人(江熊哲翁君) 瀬戸内海水産開発協議会というものがあるのでありますが、この構成は瀬戸内海関係の海区調整員、それから各県の漁連、それから府県議会の水産常任委員といつたような人を以て組織しておるものでありますが、県議会の議長、それから知事、衆参両院議員で特に沿岸から出席されておるかた、こういうかたがたが顧問の関係で御協力を願つておる、こういつたような官民一体化した一つの団体であります。専ら瀬戸内海の水産の開発を図るための一つの推進機関としての仕事をしておるということになつておるのでありますが、この協議会が昨日東京において理事会を開きました結果、瀬戸内海の今日の実情から判断して、御承知のような小さな水面に二十六万の漁民がひしめき合つておる。戦前には三百五十貫以上の生産を挙げておつたものが、現在では僅かに二百貫ぐらいの生産しか挙げていない。漁業者二十六万は大体戦前の約倍に近い数になつております。そこ
へ持つて来て、御承知のように新らしい漁業法が、この漁業調整という重大な仕事を実施することにきめられまして、このことは沿岸漁民のためには誠に私はいい仕事であるとは思うのでありますが、そういうふうなことが重なり合つて、実際瀬戸内海の二十六万漁民というものは、瀬戸内海の今日の資源状態から見ましても、それはいろいろ数の問題もありましよう、或いは又非常に違反漁業が跋巵しているといつたようなこともあると思います。その他資材は高いが、その割合に魚が引つかからないといつたいろいろな条件があると思いますが、いずれにしても窮乏のどん底に落ちておる。私たちは漁業調整という重大な仕事をやるについて痛切に感ずることは今日、食えないところの漁業者を、漁業調整はやらなければならないが、それではただ痩馬をぶつ叩いて、結局は打殺してしまうというようなことになるのじやないか。ここで何とかして私は瀬戸内海の漁業者が食えるようにしてやらなければならない。それにはどうしたらいいか。そこで資源の培養の問題というものがいろいろ考えられておりますし、国会におきましても、資源保護法を作つて頂く等の御心配を頂きまして、沿岸業者は非常に感謝いたしておるのでありますが、併し私どもとしては、総合的に漁村というものをどうしたらいいかという総合的な計画というものが実際急速に立てられなければ、漁村即ち漁民の今日明日の生活をよくすることはできないだろうという結論に到達して、そこでいろいろ考えて見ますというと、資源保護法の中に保護水域の問題も取上げられておりましようし、又開発の面をも考えている点もないではないと思うのでありますが、併しこの水産というものは御承知の通り非常に力が弱い。いろいろな結構な法律ができて、仮に水産というものが考えられたにしたところで、いつもどこか隅つこのほうに押込まれて、水産はいつも無視せられている状態に置かれていることは御承知の通りであります。そこで私どもは水産だけを一応別途に取上げて御心配をして頂くことができるならば、この特別な水域にひしめき合つている二十六万漁民の生活が私は救われるのじやないか、そういうふうに考えるのであります。そこで瀬戸内海水産開発法というような特別法を考えて、これをバツク・ボーンとして今後の漁村の総合的な仕事を一つ充実して行きたい、こういうふうに考えて、この名前はどういうふうに付けたらいいかというようなことについては、いろいろ御議論があろうと思うが、私たちとしては瀬戸内海水産開発法という名前にいたしまして、その法律を早急に作つて頂き、それを基礎として予算化してもらいたいということを切に請願してお願い申上げるわけであります。
 非常に国務御多端の際でありますから、水産常任委員のかたがたは常に特別な水域としての瀬戸内海の水産に対して深い関心を持たれておると思いますが、百尺竿頭一歩を進めて、この際この特別法の立案に全幅の御支援を頂きたい、かように考える次第であります。よろしくお願いいたします。今日集まつておるのは、各県から代表の理事が全員出席いたしております。どうぞよろしくお願いいたします。
#85
○委員長(木下辰雄君) 別に陳情者に対して御質問ありませんか。
#86
○青山正一君 只今江熊さんから陳情があつた問題につきましては、先般松浦議員と同道しまして、林専門員も一緒でありましたが、その節いろいろ話を承わつたわけでありますが、結局瀬戸内海の水産開発の問題としまして、いろいろ浅海利用に対する計画とか、或いは施設の拡充に対する計画とかいうようなものを織込んであるらしいのですが、これについて江熊さん、何か陳情書なり、請願書を出しておりますですか。
#87
○参考人(江熊哲翁君) 今日請願書を持つておりまして、大体概要はこれに書いてあります。併し資料としてはまだ不徹底であると思いますから、今後引続いて調査研究をし、立派な資料を整えて行きたいとは思つておりますが、一応窮状に訴えて、そういう特別な立法に対して願わくは議員提案をしてでも早急に御支援して頂きたい、かように考えるわけであります。各県の水産試験所、県庁、農林省では水産庁の出先機関などにも非常な協力をお願いして資料の収集に当り、大体のものは今整つておりますが、なお現在いろいろ調査を進めておりますし、いずれ余り遠くないうちに相当詳しい資料もお手許にお送りできるだろうと、さように考えております。
#88
○委員長(木下辰雄君) ちよつと今資料収集中とのことなんですが、それならば私から一つお願いいたしますが、瀬戸内海に対して水質を汚濁するというような工場数、工場の種類、それから浅海増殖の面積、それから適地、例えば「のり」とか或いは「かき」とか、貝とかいうものの適地の面積、そういうものもついでに資料としてお出し願つたら大変参考になります。
#89
○参考人(江熊哲翁君) その程度でしたら、私のほうではすでに大体整つております。いずれ近くまとめてお送りいたします。
#90
○千田正君 ちよつと一点だけ伺つておきたいのですが、とかく特別法とか、そういうようなものを作る場合において、利害の衝突等によつていろいろな問題を起すような場合があるわけであります。瀬戸内海は数県の漁民が漁獲する所でありますので、一応の今後の資源の保護というような問題、或いはそういう面から考えまして魚種或いは漁獲に対するところの自粛とか、或いは抑制というような問題が起きて来ると思いますが、そういうことによつて紛争というような問題は起らないようにやつて行けるという、勿論そのつもりでございましようが、そういう確信があるわけでございますか。
#91
○参考人(江熊哲翁君) 御承知のように、現在日本で最も困難な水域として瀬戸内海が漁業調整の面では非常に重要視され、まあ農林省等においても重く考えられておることは、御承知の通りでありまして、先般来常に御迷惑をかけておる点もあるのでありますが、今回のこの問題は、そういつたような仕事をすると共に、しなくちやならない線があつてするが、併しその際に私どもとして考えなくちやならないことは、こういうことをするが故に、開発という面において国が積極的なる手を打たなければならないという結論を、非常にいろいろな経験を通じてこの結論を得て、その結果が結局この開発法というようなもの、これはまあ仮の名前でありますが、なお適当な名前なり、或いは又内容をも含めたものができることによつて非常にいいものができて来る、つまりこれによつて漁民が救われる、それでなければ、漁業調整という仕事は沿岸漁業としては重要な問題であり、やらなくちやならないが、それをやることによつて今日の漁村の窮状状態は却つて逆効果を来たすような面もあるというように考え、それから第一食えない漁民をどうしてやるかという問題は非常に重大な問題である、そこで調整という大事な仕事をやるが、同時に半面こういつたどんどん増産をしてやるという面、併し単に増産というと非常に漠としておりますが、瀬戸内海の場合におきましては、今日僅かに二百貫ですが、二百貫の生産を四百貫にしようとかいうようなことで特別な手品式の技術なり、方法があろうとは思われない。そこで私は他の産業との組合せ、それから労務の配置、そういうようなことも併せた総合的な考え方を持つた一つの対策を立てなければいけないのだ、こういうことになつたわけであります。何か瀬戸内海だけが特別なということが、瀬戸内海の特殊事情にお通じにならないかたは非常に異様に、地域的に単なる利益擁護、我利的な考えで言つておるようにお考えになる点がありはせんかという懸念を持ち得るわけですが、これは瀬戸内海は御承知のように非常に小さい水域で、狭い出入口があつて、その中におる。他の海域では見られない特殊水域を対象とし、而もそこにいろいろな工場排水がどんどん流れ込ででいる、ダイナマイトの利用も、大型底曳漁業といつたようなものもどんどん行われておる。漁業者の数も戦前に比べると倍に近いような数になつておる、食うや食えないから、皆よく言えば一生懸命に働くというような点からして、ここに何か特別に国として考えてやらなければ、結局その関係者は滅亡せざるを得ないじやないか、そういうふうに考えられるわけであります。どうぞよろしくお願いいたします。
#92
○秋山俊一郎君 今お話を伺つて見ました程度では、どういう御計画があるかということもはつきりわかりませんし、陳情書も拝見すれば、あるかも知れませんが、元来瀬戸内海は非常に狭い水域に向つて取巻いておる、各県の沿岸の漁業者が盛んに漁獲をする。むしろ今から開発じやなくて、開発し過ぎた恰好にあるのじやないかというふうに我々は感じるわけです。あの瀬戸内海でとれる魚を見ましても、極めて小さい稚魚をとつて、それが商品になつているということも、最も瀬戸内海の特産と言われるくらいになつておる。ただ瀬戸内海は京阪神のような非常な大きな消費地を控えているために、他よりも魚価が非常にいいことによつて比較的漁獲が少くても幾らかの漁獲高を挙げているという程度であつて、今お話のように、これを増産して大いにとつて行こうということについては、もはや満限を過ぎておるのではないか、この頃言われておる満限という言葉から言えば、満限に達しておつてどうにもならんということであろうと思いまするが、これを更に開発をして沿岸に何かをやろうということになりますと、養殖等の方法を考えるということの以外にないが、そうすれば結局漁民の現在の仕事を或る程度相当に制限しなければいけないのじやないか、私はこういうふうな感じが出て来るわけでありますが、あの狭い海域に戦前の倍に達するような漁民がひしめき合つているということになるならば、そこの調整ということは最も必要であると同時にこれを瀬戸内海に抑えるということでなしに、瀬戸内海は瀬戸内海として、他にこれを転換して行くという方法を講じて行くことが最も肝腎じやないか、あそこに現在の人を入れて、而もそれが十分な生活をして行くためには少しく海は狭過ぎるじやないか、こういう感じがしますので、今後の名前はまだ付けないということですが、開発という言葉はむしろ当らないと思うのですが、その処置を講ずる上においても、今私の申上げたような、他方面に向うという点も一つ考慮を願いたい。徳島県のかたもお見えになつておるかと思いますが、曾つて徳島県のかたがたが殆んど行詰つたものが、今日福岡、長崎、山口において遠洋漁業のいわゆる以西底曳網或いは延繩というようなもので大きな成功を収めております。これらは結局食えないから飛び出したということによつて先鞭を付けたもので、あの方面の九州の人たちより数歩進んで開発をし、支那東海を開発された勇士でありますので、そういつた面も十分一つ瀬戸内海の人たちも考えられたらいいのじやないか、かように考えます。昨日実は小型底曳網の整理という問題を可決したのでありますが、この際にもそこに相当の失業者が出る、それを如何にするかという問題が出まして、沖合漁業或いは遠洋漁業に転換させたいという当局の話もございました。同じような性格になつて来ると思います。単に政府が金をつぎ込んで救済をするということでなしに、そういうかたがたの生業を余り圧迫しない、むしろそれを引伸ばすというような方面に行かれないと、あそこにいろいろなものを生産する設備をすることになりますと、一時とは言え、現在の業者が自分の生業を大きく圧迫されるということを非常に私は恐れるわけでありますが、そういう意味において一つ今後の御計画をお考え願いたいと思います。
#93
○青山正一君 結局江熊さんのおつしやることは、非常に漁民が戦前に比べて二倍にもなつておる、それから漁獲数量も三百貫なり或いは三百五十貫のものが、二百五十貫から二百貫に非常に下つて、殆んど食われん、そこへ以て来ていろいろ小型の底曳とか、何とかいういろいろな問題があるからして、この際瀬戸内海の水産開発というようなことに進んで行こうじやないか、それには魚類の増殖の設備を図らなければいかんし、或いは貝類の増殖或いは海藻類の増殖或いは水産動植物の増殖、こういつた施設なんかも考えなくちやいかんじやないか、又漁港の修理も考えて行かなければいかんじやないか、或いは市場とか、附属の建物なども考えて行かなければならんじやないか、それによつてできるだけ漁民が年を逐うて少しでも裕福になり得るように、そういつた水産の開発の計画を立てて行こうじやないか、こういう御意見なんだろうと思いますが、そうなんですか。
#94
○参考人(江熊哲翁君) その通りでありまして、今秋山委員からいろいろ御注意がございましたですが、そういうようなことも全面的に取上げてありまして、瀬戸内海に対しましては、外洋、遠洋に進出する問題については非常に大きな問題として今後行きたいというので、それぞれ計画中ではあります。日韓の漁業問題なども一日も早く打開せられることを、そういう意味においても私たちは希望しておるようなわけでありますし、又更に他府県にもいろいろ進出する計画もどうしても取入れなければならんのじやないかというふうに考えておるわけであります。それから開発の字句の問題はとにかくとしまして、瀬戸内海の生産性の問題でありますが、これはその点はそれぞれの立場がありまして、御意見もあろうと思いますが、私どもの今日まで集めている資料によりますと、貝類や「のり」などの問題については、今の数倍の生産を挙げるということはあえて困難ではないという結論は科学的にも実際的にも資料を整えておるのでありまして、そういう意味合から言うと、むしろ非常な開発がこの際要求されるのではないか。それからもう一つ農村と言いますか、農業との組合せの問題、労務配置の問題については、まだここに開発の余地が相当にあるという私どもは解釈をとつておるような次第でございます。併しどうも開発という言葉は秋山委員も言われるように、従来の観念からすると、少しどうかと思う点もあることは、私ども自身もそういうふうに考えておりますから、どうかこちらのほうで適当なお名前なりを取上げて決定して頂ければ、それでもう結構でありまして、その点は開発という文字はいつでも訂正いたして差支えございません。どうか瀬戸内海のこういつた気の毒な漁業者の生活が少しでも楽になるような何か格別な御処置をして頂けばいいのでありますから、よろしくお願いいたします。
#95
○委員長(木下辰雄君) 何か御意見ございますか。
#96
○玉柳實君 江熊さんにちよつと伺いますが、まだそれほど具体化した問題ではないのですけれども、瀬戸内海沿岸の各県の間におきまして、国土開発法に基く特殊開発地帯としての指定を受けて総合的な開発計画を推進したい、かような動きがあるわけでございますが、今回の水産関係者のかたがたのお考えになつておりまする水産開発計画は、こうした動きと何らかの御交渉、御関係を持たれましたか。全くそれとは関係なく独自にお考えになつておられるのでございましようか、如何でしようか。
#97
○参考人(江熊哲翁君) その話は十分耳にいたしておりましたし、それから九州、四国、中国の知事会議が山口県にあつた際にも、瀬戸内海開発審議会を中央に設けてくれというような知事からの要求もあつて、これは特に山口県から提案されたようです。いろいろそれらのことも耳にいたしておりましたのですが、実は甚だその点は不勉強でありまして、その後いろいろ折衝したということはありませんですが、私自身が県の総合開発の審議会に列席をいたしておりまして、海岸部の仕事をやつておりますが、いろいろ水産ということはやはり取上げてもらえないのであります。丁度港湾法があるにもかかわらず、どうしても漁港法を作らなければならなかつたという気持は、やつぱりこういつた場合にも起るのじやないか。どこかの大きな部の中に一部そういうことを考える部門があるからということになつては、もう所詮芽は出せないのであります。それでむしろ私どもは独自の考えで、もう少し強くお互いの力を中央に反映するようにして別個にお考えして頂きたい。併しそれが国の政治の都合上、それが更に何かのいろいろ御心配、御配慮を以て一本にされることは、これは確かなことだと思います。一応私どもの考えとして、現在私ども水産業者一同の気持を盛り上げたものを御陳情申上げたわけであります。
#98
○委員長(木下辰雄君) 御趣旨は十分わかりましたので、なお資料が集まりましたらお出し願いまして、更に一つ協議して陳情の御趣旨に副うようにしたいと存じます。
#99
○参考人(江熊哲翁君) どうかよろしくお願いいたします。
#100
○委員長(木下辰雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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