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1951/06/16 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第43号
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1951/06/16 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第43号

#1
第013回国会 水産委員会 第43号
昭和二十七年六月十六日(月曜日)
   午後一時五十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           松浦 清一君
           千田  正君
   委員
           秋山俊一郎君
           入交 太藏君
           藤野 繁雄君
  政府委員
   水産庁長官   塩見友之助君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○漁船乗組員給与保険法案(衆議院提
 出)
○参考人の出頭に関する件
○水産物増産対策に関する調査の件
 (濠洲との漁業條約に関する件)
 (まぐろ関税問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
 先ず漁船乗組員給与保険法案を議題に供します。前回に引続いて御質問がありましたらお願いいたします。大概逐條審議して参りましたし、殆んど御質問は尽きたと思いますがほかにありませんか……。ありませんければ質問は終了したと認めてこれから討論に入ります。賛否を明らかにして御意見の御発表を願います。
#3
○千田正君 この漁船乗組員給与保険法は、今まで逐條審議をいたしまして相当疑義があつたのでありまするが、一日も速かにこの法案を通して、問題の、この乗組員の窮状を多少でも救い、緩和するという意味におきまして、多少不満な点がありますがいずれ修正点につきましては今後の機会に譲るといたしまして、この際は賛成の意を表します。
#4
○松浦清一君 私はこの法律案に対して賛成をいたします。ただ、今までの逐條審議の過程におきましていろいろ問題になり、又それが立案者のほうから解明された点等に鑑みまして、第六條、第七條、第八條等に関連いたしまする契約の保険金額、給与額等という問題がいろいろからみ合つておりまするので、省令を出される場合には、混乱が起らないように明確にして頂きたいという希望を申述べておきます。
 それから第二十條の「抑留が、国際法規、法令又は法令に基く命令に違反して航行し」というふうにある国際法規とは、どのような法規であるか、法令というのはどのようなものであるかということが質疑応答されたわけなんですが、その点については中共、台湾、韓国、ソ連等、おのおの領海に対する考え方に相違がある。ソ連は十二浬を主張しておりますし、中共は東支那海が全部領海だと申しておりますし、韓国は李承晩ラインを宣言しているという点で、どの点が一体「国際法規」に違反し、或いは「法令又は法令に基く命令」に違反した区域であるかということが明瞭になつておりませんが、そういう明瞭になつていない区域等において拿捕された場合に間違いが起らないように、この保険の責めがこのことによつて免れると、こういうことができるだけ少いように配意をしてもらいたいと思います。
 それから附則の「法律施行の期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内にとございますが、逐條審議の際に希望を申上げましたように、六カ月間は施行しないでもいいのだというお考えでなしに、速かに予算等の措置を講じ、速かに省令の制定等をされまして、できるだけ短期間内に施行ができるように御努力を願いたいということを申上げておきましたが、今再びそのことを繰返し関係御当局にお願いを申上げておきたいと思います。
 以上の希望を附して本案に賛成し、且つ今まで前例のない拿捕船員の給与が保障されるという法律案の作成に当られました衆議院の水産委員の諸君並びに法制局、水産庁の諸君に感謝の意思を表示して、省令をお作りになる場合には、あらかじめ本委員会にも御相談を願いまして、遺憾のない省令を作られて、保険関係の人たちが事務上支障の起らないように措置をせられることを希望します。
#5
○秋山俊一郎君 私も本案に賛成をするものでありますが、希望の点につきましては、只今千田、松浦両委員から述べられましたと同様の意見を持つております。更に松浦委員から述べられました施行期日の問題でありますが、御承知のようにもうすでに最近に拿捕の事実も出ておりますし、極めてこの施行を必要とし、又その早からんことを希望する者でありまして、先日来の応答によりまして、施行については予算措置というものが講ぜられなければならない。即ち補正予算等が実現されなければというような御意見もございましたが、この法律の施行に当りましての予算というものは、極めて僅少な額で事足りるはずであります。従いまして補正予算等の手続を経なくても、予備費その他において措置が講ぜられるのではないかと私は感ぜられます。仮にその予算措置が正式に講ぜられないといたしましても、その額は極めて僅少でもありますし、差当つての問題は、この法案の施行ということが急務でございますので、その点を水産当局におかれまして十分考慮せられまして、仮に予算措置がまだ決定しなくても、大蔵当局その他関係当局と十分御連絡の上に、この施行期日は一日も早くして頂くということの希望を附しまして本案に賛成いたします。
#6
○委員長(木下辰雄君) 討論は終結したものと認めます。これから採決いたします。本案全部を議題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#7
○委員長(木下辰雄君) 満場一致を以て本案は原案通り可決せられました。
 なお、本会議における委員長の報告等は、例によつて委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    松浦清一   千田  正
    秋山俊一郎  入交 太藏
    藤野 繁雄
#9
○委員長(木下辰雄君) 次に日本国
アメリカ合衆国、との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案を議題に供します。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#10
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。それではこの法案は次の委員会に譲ります。
  ―――――――――――――
#11
○委員長(木下辰雄君) 先般外務委員会から、水産委員会の日米加漁業條約の件について水産委員の意見を求めて来ましたので、それに対して只今懇談中、千田委員からこの問題は重大問題であるからして、慎重を期する意味において専門家を参考人として招致して十分意見を徴したいという御発言がありました。皆様御同意でありましたからさように決したいと思いますが、その方法はあの條約に最も終始関係いたしておりました前の水産庁長官の藤田嚴君とそれから最もあの條約に関係のある海洋漁業協議会の代表者と日魯、大洋、日水、極洋、日冷が加わつておる五社会というのがあるようですから、その五社会から一名推薦して頂き、この三人を参考人といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○秋山俊一郎君 ありませんが、ただ問題点を解明しておきたいと思うのであります。
 日米加漁業條約の批准に関する審査の付託は、当水産委員会にはされていないわけなんですね。
#13
○委員長(木下辰雄君) そうであります。
#14
○秋山俊一郎君 そうであつても、参考人を喚んでやるということには支障ないわけですか。その点はどうですか。
#15
○委員長(木下辰雄君) そういう点は水産物の調査に入つているようでありますから……。御意見がなければさよう決定をいたします。明後日の委員会において参考人を喚問するということにして、それから只今水産庁長官がお見えになりましたから、松浦君から御質問するわけでありましたから、この際御質問を願います。
#16
○松浦清一君 北濠洲沖のアラフラ海における日本船による真珠の採取について、濠洲との漁業條約の締結について、日本政府がどのような態度をとつておられるかということについての質問をいたしたいと存じます。長官非常に時間が制約されているようでありますからその事由については申上げませんが、戦争前には大体百隻に余る日本の真珠貝の採取船が向うに参りまして、年間三千トン以上の真珠貝を採取して、これをアメリカに輸出をいたしておつた。戦後においても、講和條約が発効して濠洲との漁業條約ができるならば、速かに戦前のような大規模な採取事業はやれなくても、できる限り多数の経験のある業者が向うに行つて真珠貝を採取したい、こういう希望を持ちまして、四月二十八日にアラフラ海真珠貝採取業の懇談会の会長名を以て本水産委員長宛てに、早く真珠貝の採取ができるように濠洲政府との漁業條約を結んでもらいたいという陳情書面が参つております。その後業界ではすでにアメリカ方面のバイヤーともいろいろ非公式に連絡をとりまして、大体一年に一千トンぐらい日本船による真珠貝の採取があつても、これをアメリカが購入する能力がある。そのくらいの需要はある。こういうことを表明しているわけなんです。現在伝えられている真珠貝の相場というものは、一トン五十万円ということでありますから、一千トンにしても五億円の真珠貝が採取される。而も戦争前から技術的に申しましても、濠洲の船より日本の採取船の船のほうが非常に優れた技術を持つておつたのですが、殆んどアラフラ海では全域における真珠貝というものは十年間は取つていない。行けば確実に二十隻ぐらいの採取船を差向ければ、千トンぐらいの採取は可能である。こういう見込を立てて非常に努力が払われているのですが、如何せん、濠洲との漁業條約が締結されませんために未だに出て行かれない。而もこの採取の最盛期というものは、六月から九月にかけてが最もいい時期であつて、それが過ぎると全然取れないということはありませんが、非常に採取量が減少する。こういうことであせつているわけなんです。濠洲の連邦議会で、過日真珠貝等の採取に関する法律が通りまして、そうして濠洲のアラフラ海全域というわけではないでしようが、できるだけ外国の採取船が入つて来ないようにしよう、濠洲政府の許可がなかつたらば、どこの国の採取船も入つて来てはならないという意味の内容を持つた法律が通過をした、こういうことなんです。又最近の新聞紙の伝えるところによりまするというと、潜水夫二十四名とかを向うのほうから、一つ日本の優秀な潜水夫を雇いたい、こういう申入れがあつて、神戸の某商社が仲に入つて、そうしてその人集めめをやつている。こういうことが新聞に伝えられているわけなんであります。若し日本の真珠貝採取の、優秀な技術を持つている潜水夫が、二十四名も濠洲に雇われて行くということになれば、向うのほうの技術が優れて来て、アメリカにおける需要量というものは限界があるのですから、濠洲方面から輸出される真珠貝が向うに買われても、日本の取るものは向うに行かない。向うに入つて行く余地が少くなる。こういうことで非常に圧迫を受けるという傾向にあるわけなんであります。そういう状況なんでありますから、いろいろむずかしい問題はありましようけれども、過日の本会議における、この問題についての私の質問に対して、岡崎外務大臣の答弁は、まだ濠洲との漁業條約については、向うから何にも言つて来ておりませんというような答弁であつて、甚だ不満足なわけですが、向うは漁業條約を締結しなくても何の損害もないし、戦前における真珠貝採取の実績のほうから考えて、早くやらなければ、その損をするのは日本である。こういう立場に置かれておりまするので、こちらが焦燥気味で、濠州の漁業條約締結方を促進するということは、なかなか技術上むずかしい問題ではあろうかと思いますが、最善の努力を払つて濠洲との漁業條約を締結される御意思があるかどうか。むろん長官は、それはあつて、努力中であるとおつしやるかも知れませんが、若し努力中であれば、具体的にその努力をされた経過についての御説明を承わりたいと思います。
#17
○政府委員(塩見友之助君) 只今松浦さんからの非常に要点を突込んだ御質疑がありましたが、私どもの考え方も全く同様で、できるだけ早く、この問題につきましては濠洲と交渉をいたしまして、それで日本の漁業者が統制ある態度で出漁できるような態度を望んでおります。戦前のように濫獲になる、値を売りますというような、二重の意味で弊害のあるような無統制の状態はできるだけ避けて進まなければならないと、こう考えております。それらの点につきましては外務省のほうに、我我のほうからはできるだけ早くというふうなことは、たびたび私ども交渉はしておりますけれども、今までのところでは、まだ具体的なその期日、その他についての話合いは進んでおらない状態でございます。
#18
○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#20
○松浦清一君 水産庁長官は、どうもいつものくせですぐに速記をとめられる性癖がおありになる。今おつしやつたことぐらいなら、別に速記をとめなければならんという必要もないので、そういうことを希望しておるやはり関係者が、水産庁長官がどのようなお考えでおられるかということを知りたがつているのだから、今おつしやつたくらいのことは速記につけて皆に知らせてやる必要があると思う。甚だ遺憾だと思う。こういう事柄は、條約を結ぶ話合いをする機関というのは外務省でありましようけれども、やはりこれを推進するということは、水産庁が主役になつてやつて頂かないと進まんと思いますので、別に今までのやつて来られたことをどうのこうのと申上げませんけれども、一層努力を一つして頂きたい。御同意を下さいましたように、日本の経済自立というものは、ドルを稼いでくるという以外に途はないのでありますから、アメリカ向けに輸出する水産関係の品物というものが殖えるということは、やはりドル、外貨獲得の一番いい手段でありますから、曾つて問題になりましたまぐろのアメリカにおける関税障壁と同様、いろいろ難問題もありましようけれども、一層の努力を願いまして、できるだけ早く実現するように御配慮を願いたい、こう思うのであります。
#21
○秋山俊一郎君 丁度長官見えた機会でありますから、私も簡単にお尋ねしたいのですが、御承知のように最近関税問題が了メリカで非常に、アメリカというよりも日本で非常に関心を持ち、アメリカにおいても相当関心を持つて取扱われておるようでありますが、丁度その際に昨今日本のまぐろが非常に大漁だ、非常な漁獲があつて、どんどん値が下つ来ている。というのは、一に日本から輸出が向うに行かない。従つて国内にストツクになり、だんだんそれが殖えて来て冷蔵庫なんかも混み会つてくるといつたような、状態で、日々に漁獲は増すし漁価は下つて来る。従つて業者としては政府がとつておりますところの三百ドルというチエツク・プライスというものでは、到底向うに輸出はできないし、又もつと低くても輸出ができるから、更にチエツク・プライスを下げて輸出をしたいという意向を持つて当局と折衝しているが、この問題は今の関税問題等とも睨合せて重大な問題であるので、政府のほうではそれに対してなかなか承認もむずかしいような状態にある。併しながら一方業者のほうはそういう漁価の暴落、漁獲の漸増といつたようなことから経済的にも非常に苦心しているといつたような実情を耳にし、又新聞等にも見るのでありますが、水産庁当局としては、或いは輸出の問題は通産省の問題かも知れませんが、実際その業態を管理している水産庁といたしましてはどういう御意図を以てこの難局を切り抜けらせるか、これについての長官のお考えを一つ伺いたいと思います。
#22
○政府委員(塩見友之助君) これは今お話のあつた通りに通産省の所管の問題でありまして、一方文外務省のほうにも深い関係があるわけでございます。水産庁のほうとしましては、業界の要望というふうなものは商機を逸しては非常に危険があるというような状態にまでなつておるというふうな点を十分考慮しまして、通産省及び外務省のほうに至急善処方を申入れつつあるわけでございます。ずつと続けておるのであります。ただ問題としましては、それが現在上院のほうに提案になつておりまして、財務委員会のほうだけは一月十五日で可決を見た、その冷凍まぐろの関税問題と関連があるわけでございまして、それに対してどういうふうな影響があるかというふうな点についてはつきりした或る程度の見通しを持ちたいというのが通産及び外務の意見でございまして、それに対してはそう長くは関係業者のほうとしては待切れないというふうな実情にあるわけでございます。期日をきめて至急それをはつきりさせるという処置を在外公館その他の間でとるように、その上でその理由を明瞭にした上で、それで関税の問題と、それから現実の日本の業界の各種の困難の打開というふうな問題を睨み合してきめるのは、至急きめる必要があるというふうな意味で通産と外務のほうに申入をやり、それを至急固めるように督促をしているというふうな状態でございます。
#23
○秋山俊一郎君 通産、外務省に対しての申入れというのは善処方の申入れというのでありますが、単なる善処方の申入れでは、我々もわからないのでありますが、水産庁としてはどういうふうな意向の申入れをなすつたのか。チエツク・プライスを下げて輸出させるというのであるか、或いはそのほかに融資問題等も考えるのであるか、その点どういう意味ですか。ただ善処方を要望して見たところで、これは向うでも処置がつかないのではないか、これを具体的に一つ伺いたい。
#24
○政府委員(塩見友之助君) 融資をやつても商機を逸して値が崩れた場合には、それでは片付かない問題がありますので、水産庁のほうとしてはチエツク・プライスのほうでございます。
#25
○松浦清一君 今日はこの前の委員会で農林大臣の出席を希望いたしておきましたが、今日御出席がないのはどういう理由でしようか御説明を願いたいと思います。この前にも申上げましたように、第十三国会始つて以来私の記憶に間違いがなければ、農林大臣がこの水産委員会に出席をされたのは、ただの一回であつたと思う。
#26
○委員長(木下辰雄君) 本委員会としては今度は正式に申込みましたけれども、只今は農地法案の問題で衆議院の農林委員会に出ておるそうです。重ねて談判はしておりますけれども、どうもなかなか手が離せんようなことで……。
#27
○松浦清一君 今日そういう理由で出席がないことは了解いたしますが、今後当委員会にとつても非常に重要な法律案の審議、殊に将来の日本の漁業対策、未だ條約の締結されていない国々との漁業條約の、緊急迫られておるという状況から鑑みて、いつ農林大臣の御出席を要求するかわかりませんが、その際には努めて優先的に本委員会に出席をされるより重ねて申入れをしておいて頂きたいと思います。
#28
○委員長(木下辰雄君) 明日の委員会に必ず出席するように只今から要求いたします。
 ほかに御質問ありませんか。ほかに御質問ありませんければ、本日の委員会はこれを以て散会いたします。
   午後二時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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