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1947/02/27 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 治安及び地方制度委員会 第11号
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1947/02/27 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 治安及び地方制度委員会 第11号

#1
第002回国会 治安及び地方制度委員会 第11号
昭和二十三年二月二十七日(金曜日)
    午後零時三分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 松野 頼三君
   理事 酒井 俊雄君
      大石ヨシエ君    菊池 重作君
      松谷天光光君    大澤嘉平治君
      佐藤 通吉君    坂口 主税君
      千賀 康治君    小暮藤三郎君
      石田 一松君    外崎千代吉君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 西尾 末廣君
 出席政府委員
        建設院総務長官 阿部美樹志君
        総理廳事務官  岩永 賢一君
        総理廳事務官  久山 秀雄君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  原 文兵衞君
        專門調査員   有松  昇君
    ―――――――――――――
二月二十七日
 警察法の施行に伴う関係法律の整理に関する法
 律案(内閣提出)(第一二号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 警察法の施行に伴う関係法律の整理に関する法
 律案(内閣提出)(第一二号)
 消防法案起草に関する件
 総理廳焼失状況に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は消防法案起草に関する件でありますが、日程にはいるに先立ちましてお諮りする事項がございます。それは競馬法並びに競大法に関する小委員会のうち、中垣國男君から小委員辞任の申出がありましたから、その補欠として坂口主税君を小委員に選任することをお諮りいたします。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○坂東委員長 御異議なきものと認めます。
    ―――――――――――――
#4
○坂東委員長 なお政府から警察法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の緊急上程の要求がありましたから、いかがいたしましようか、お諮りいたします。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○坂東委員長 御異議なきものと認めます。よつて緊急上程いたします。警察法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対しまして、総理廳事務官原君の御説明があります。
#6
○原説明員 提案の理由を御説明いたします。
 この法律は警察法が近く実施になりますので、これに伴いまして関係法令の一部を改正せんとするものであります。すなわち従来の警察の権限で、警察法の趣旨に照し警察の責務として警察に残すべきものにつきましては、警察法によるどの機関の事務とすべきかを定めますとともに、この際警察から他に移譲すべきものはこれを移譲せんとするものであります。さらに改正のおもなる点を申しますと、その第一点は、從前これらの警察関係法律中主務大臣と申しますのは、警察の主務大臣としてかつての内務大臣、現在の内閣総理大臣をいうのでありますが、警察法施行後は主務大臣では不明確でありますので、これを内閣総理大臣と明記せんとするものであります。第二点は、これらの法律中從来警視総監または道府縣知事の権限に属しておりました事項は、これも警察法の趣旨に從つて新たに警察の運営監理の責任者と定められております都道府縣公安委員会、特別区公安委員会、市町村公安委員会の権限に改めんとするものであり、第三点は、これらの法令中警察官署とありますのを、國家警察及び自治体警察の双方において取扱うごととなりますため、これを警察署長とし、また警察官吏は、警察官または警察吏員となそうとするものであります。すなわち第一條ないし第三條は、従来警察で担当してまいつた銃砲等所持禁止令、廣告物取締法、道路交通取締法に関する事務について、新警察制度のもとにおいても、なお従前と同様にその執行に当り得るために、それらの法令中從來都道府縣知事の扱つて来た権限を、今後は都道府縣または市町村の各公安委員会をして取扱わしめるようにし、その他必要なる字句を改めようとするものであります。第四條ないし第八條は、從來警察になおその職務権限の留保されていた狩猟法その他の関係法律中の一部の事務を、警察法第一條の規定の趣旨に鑑み、今後は完全に警察の手を離して、それぞれ主務官廳に移すために必要なる字句の訂正を行おうとするものであります。第九條は、遺失物法、銃砲火薬類取締法施行規則その他の法令について、警察法施行後もなお從來通り各警察署において、その執行に当り得るため必要な読み替えをなそうとするものであります。
 以上をもつて本改正法案提案の理由とそのおもな点を申し述べた次第であります。何とぞよろしく御審議を願う次第であります。
#7
○坂東委員長 昨日お手もとに配布したごとくであります。この法律案は第一條から第九條までありまして、附則もあります。この法律はすなわち警察法施行の日からとなつておりますから、三月七日施行することになりますか。
#8
○原説明員 その予定であります。
#9
○坂東委員長 すなわちこの法律は、警察法施行の期日は三月七日でありますから、三月七日から施行することに相なる次第であります。質疑はありませんか――質疑はないようでありますから、質疑は終了いたしました。原案に御異議ありませんか。――それでは原案通り可決決定いたしました。
    ―――――――――――――
#10
○坂東委員長 次に日程にはいりまして消防法起草に関する件でありますが、本日は小委員長川橋君が欠席でありますから、有松専門調査員から委員長に代つて報告があります。
#11
○有松専門調査員 消防法案は、去る二月四日の消防法案起草小委員会におきまして一應の起草を了し、翌二日五日本委員会におきまして、川橋小委員長からその中間報告をいたしたのでありますが、その後も檢討を継続中のところ二、三誤植脱漏等を発見し、また字句の修正等の箇所を生じましたので、さらに二月二十四日小委員会を開きまして、右の点を審議可決をいたしたのであります。よつてこれよりその結果を簡単に御報告申し上げます。
 五点あります。第一点は法案の第三條中「占有者または管理者」とありますのは「管理者または占有者」の誤植であります。第二点は法案第七條中に「消防署長は」とありますのは、「消防長または消防署長は」の誤りでありまして、「消防長または」という字が脱落をしております。それを入れます。第三点に第七條第二項中に「損失に対しては」、その次に「時價により」という字が脱落してはおりますから、それを入れます。第四点は法案第四十一條第二号の中に「第十六條第二項の規定により云々」とありますが、これは「第十六條の規定に違反した者」と訂正をいたします。それから、從いまして第四十三條を全部削除いたします。その結果第四十四條以下は各條一條ずつ繰上げることになります。第五点は法案第四十六條中「第十一條第一項、第二項、第三項」とありますが、これは「第十一條第一項ないし第三項」の誤植であります。それから同じくその條文の中に「第十六條第一項及び第二項」とあるのは、單に「第十六條」といたしまして、「第一項及び第二項」という字を削るのであります。以上御報告申し上げます。
#12
○坂東委員長 御承知の通り消防法案は当委員会で審議しておつたのでありますが、まだ議決はいたしておりません。これを英訳して関係方面と打合せをするつもりでありましたが、英訳の定成前に、字句を少し檢計いたしました結果、ただいま有松君の申しました通り、誤植あるいは文句の点について違いがありまして、今有松君の報告のように直しました。これがきまりますれば英訳して関係方面と打合せをし、それが決定しましたら本委員会に正式にかけて議決する予定であります。さよう御承知を願います。
 なおちよつと御報告いたしますが、昨日はこの前に大火がありまして、この大火に対する質問もありますし、またあの中には重要な書類がたくさん焼けましたので、それに対する処置も聽きたいし、またこれに伴いまして、常任委員会会館も焼けましたので、焼けたまま放つておくことはできないし、早く建てなければならぬ。それに対する政府の方針を聽くこともあります。またきようの新聞に、国家公安委員の選挙に対しまして、政府の意見を聽きたい点もありますから、政府に対して西尾長官と木村建設院総裁を呼んでおつたのでありますが、これは閣議の都合で来られません。今少し経つたら来るかもしれませんから、それまで暫時休憩したいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○坂東委員長 それでは暫時休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十三分開議
#14
○坂東委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
 代憩前に宣告しました通り、総理廳廳舎等の火災につきましての緊急質問並びに公安委員に関しまする緊急質問、この二件であります。最初私から質問しまして、それに対する西尾官房長官の御答弁を伺い、諸君より十分なる御質問をお願いいたします。
 昨日は不幸にして総理廳の廳舎等が焼けましたにつきまして、火災の原因等は別としまして、それによりまして多くの重要書類が焼けたのでありますが、それに対して政府はどういうような対策をとられますかということを、第一にお伺いいたします。
 次は公安委員のことでありますが、公安委員につきまして、市井では種々なる議論があります。それにつきましてわが委員会におきましても、その内容を承知する必要がありますので、西尾官房長官から簡単に御説明をお願いいたします。
#15
○西尾國務大臣 昨日総理廳が類焼に遭いまして、諸君に御心配をかけましたにつきまして、責任を感じておる次第であります。委員長のお尋ねによりまして、大要をお答え申し上げたいと思います。
 委員長も申されましたように、この出火の原因等につきましては、まだ十分はつきりしたものがありませんが、火事の被害について大体申し上げますと、総理官邸の方はさいわいに免れたのでありますが、総理廳官房の方々の人事課の履歴書等の約一割が焼失いたしました。最も大きな被害を受けましたのは、公職適否審査委員会事務局関係のものでありまして、これは調査表の約三十万部が焼失いたしました。できる限り搬出に努めたのでありましたが、御承知のごとき烈風のために十分なことができなかつたのは、まことに遺憾であります。しかしながらこれにつきましては、この調査表は該当非該当がおおむね決定しましたものであるので、この点について事務の上におきましては、大きな支障がないということが言えるのであります。またこの調査表は各人について三通ずつありまして正本は司令部にありまするし、控えの一つは各府縣廳にそれぞれ分散して保管してありますから、必要に應じてこれらを利用することができると思いますので、事実上事務についてはそう重大な支障はないと考えておるのであります。なお追放に関するすでに決定しました過去のものの重要な書類及び一般的な資料は、ほとんど全部搬出いたしましたから、今後の審査についてはさしたる差支えはないと思いますので、来週から支障なく審査は続ける予定になつております。
 次に從来調査済みになつておりましたカードが百万以上あつたのでありますが、これは大部分焼失いたしました。しかしこれについてはそれぞれ記録がありますので、その記録によりまして再製するつもりであります。先に申しましたように、資格審査の方はほとんど九十九%程度終了いたしておりますので、これらの大部分のものが焼失しましたけれども、実害についてはあまりないと考えております。
 次に行政調査部の関係でありますが、これは大部分搬出いたしまして、執務上においては差支えないと考えております。
 次に臨時人事委員会の事務局に関するもの、これも同じく大部分搬出いたしまして、執務には差支えございません。
 次に新聞出版用紙割当事務局でありますが、これは新聞の部門については大部分搬出いたしましたので、執務に差支えはありません。ただ出版部門につきましては、申請書の資料がほとんど焼失いたしましたので、この点については善後措置を講じなければならぬと考えております。
 次には訴願委員会の事務局、これは全部搬出いたしました。なほにれらの部局につきましては、総理官邸の中にあります大廣間であるとか、あるいはその他の部屋を、すべてこれを事務的なものに充当するようにいだしまして、今後執務に支障ないようにいたしたいと考えております。
 それから公安委員の問題でありますが、このことについては、私自身の関係ではございません。鈴木國務大臣の関係でありますから、鈴木國務大臣からお答えいたしたいと思います。
#16
○坂東委員長 あの焼けた中には常任委員会というのがあつたはずですが、現在衆議院の常任委員会の事務所は非常に狭いので、あの竣工を待つておつたのですが、それが焼けたとするならば非常に困るわけでありますが、すぐに建築の見込はあるかないか。もしなければ他に適当なところを見つけて、それで常任委員会の仕事を完全に行われるようにするお考えがあるかどうか、お伺いいたします。
#17
○岩永政府委員 それは國会の方の建物でございますか。
#18
○坂東委員長 そうです。
#19
○岩永政府委員 そういたしますと、國会の方で直接御計画をお立てになるわけでございます。
#20
○坂東委員長 それで政府側の建物ですが、やはり建物がすぐできなければ困るということはないですか。
#21
○西尾國務大臣 これは予算の関係もございますので、本年度はいたし方ありませんので、來年度予算においてこれを要求したいと考えております。
#22
○坂東委員長 皆さん、御質疑がありましたならばお願いいたします。御質問はありませんか。――鈴木國務大臣が見えるまでしばらく待ちます。――ただいま報告しました通り、総理廳廳舎が焼けたことにつきまして、西尾長官から焼けた書類の点のことを聽きましたが、その復旧工事のことは聽きませんから、今建設院の総務長官の阿部美樹志君から、その説明を求めます。
#23
○阿部(美)政府委員 ただいまお尋ねの竣工期間のことでございますが、火災に遭いましたことは、まことに遺憾千万でありまして、そのために委員各位に御不便をかけるということについても、きわめて遺憾に存じておる次第でございます。この改築と申しますか、復旧工事につきましては、極力急いで完成するようにいたしたいと思うのでありますが、資材及び資金の関係上相当時間を要することであり、急ぎましても大体六箇月間くらいかかると思われるのであります。できるだけ資材を急速に用意して、入札その他の手続もむろん非常な速度をもつてやりたいと思うのでありますが、何分にも四百四十八坪にわたる建物でありますので、完成には、いろいろ事務当局との打合せその他の期間を加えまして確実に申し上げることにいたしますと、どうしても六箇月を要することと思うのであります。
#24
○坂東委員長 御質問ございませんか。
#25
○松野委員 復興院の復興計画にはいろいろな点がありましようが、殊に防火という方面に関しては種々宣博あるいは御演説、御講演においてしばしば耳にしておりますが、実際的に防火的措置をどの程度までとり入れて、のど程度まで考案されておるか。現在の進行状況、あるいは模範的な建築を設計されておるかどうか。また、これは話が多少昨日の火災とははずれるかもしれませんけれども、住宅難は全國的な大きな問題でありますが、不都合なことには、建設院に対する建築の許可申請が、ある所においては十何通の書類を出さなければできない。はなはだ複難きわまる建設院だというのが、一般の世論の集中するところであろうと思います。こういう権限は、建設院一本に全國的に集中することなしに、地方別に地方長官にすべてを任される御準備があるかどうか。殊に私の申しますのは、山林を主体とする縣において、その地元において木材その他の材料を手に入れられるにかかわらず、その許可は建設院で行うという点について、非常に世論の反撃を買つておると見られるのであります。建設院があればこそ、かえつて復興が阻害されておるという現状が多々見られるのであります。ひとつそういう点は考え直してもらわなければ、日本の復興は進まないと思う。たまたまお役所の建築が防火的でないという事例があるようでありますが、それに関連して建設院の頭を根本的に切りかえていただきたいということを、私の意見として申し述べておきます。
#26
○阿部(美)政府委員 きわめて適切な御意見を承りまして、非常に私どもも意を強うしておる次第であります。というのは、私がしばしば申しております通り、わが國の建築は主として木材に依存しておりますために、非常に火災の率が高いのであります。昨年は、建設された戸数と焼失しました戸数を統計にとりますと、焼けた方が全体の約四二%ほどに当つておる次第でありまして、このために失われる資材も莫大でありますが、資金の点においても百億以上に上ると思うのであります。それでこれはできるだけ耐火構造、あるいは耐火建築にしなければならぬことは、ただいま私から喋々申し上げるまでもないと思うのでありますが、ただいままで実現できなかつたのは、主要資材であるセメントの生産がこれに伴わなかつたということであります。來年度以降は、総理大臣の施政方針にも、相当増額されるようになつておりますので、相当な量において耐火建築を施工し得ると思うのであります。現在日本的ではありますが、東京高輪におきまして総合住宅、アパートを鉄筋コンクリートによつてつくつております。こういうものを漸次都道府縣、特に六大都市においては十分に普及できるように推進していきたいと考えておる次第であります。
 それから、建設院があるために復興建築が阻止されるのではないかというお説でありますが、これはまことにわれわれにとつても遺憾なことでありますけれども、そういうことではないと私は思うておるのであります。今日まで復興建築が進まなかつたのは、主として資材の面であつたのであります。今お話の認可、許可が非常に複雑であるというようなお話もありますが、これは使用資材そのものが物調法による切符制になつておりますために、どうしてもああいうような多小複雑ではありますが、資材表をつけて出願するということになりますので、一般にはまことに手数に感ずる次第でありますが、十七品目の中に木材が入つております関係上、ああいうことが必要であります。原則としては、これは私個人の意見になりますが、十二坪以下の小住宅は、できるだけ認可許可からはずしていきたいのでありますが、今申し上げましたように、木材その他の使用資材が十七重要資材の中にはいつております関係上、どうしても切符を切らなければならない。從つて認可許可が要るようなことになるのであります。しかし手続の問題については、できるだけこれを簡素にしていきたいというので、ただいまたとえば東京のごとき大量の出願がありますところでは窓口、つまり区役所で小住宅、あるいは手持のものについては窓口において速かに認可ができるように、できれば一週間以内に処理ができるようにする方法を立てて、これを近く実行することになつております。そういうような次第でありまして、ただいままで進まなかつたのはまことに遺憾でありますが、今後はそういうことのないように、十分処理いたしたいと思うのであります。
 地方出先の方に権限を委譲するということにつきましても、われわれはその趣旨に副うようにいたしたいと存じておるのでありますが、先ほども申し上げましたように、十七品目の中にはいつております関係上、今のところこれを自由に許可なしにやるということにはできないようになつております。その点御了承を願いたいと思います。
#27
○松野委員 ただいまの御答弁は、ある程度私も非常に心強く感じましたが、もう一息、もう一歩あなたのお考えを進めていただくと私の意見も通り、國民の大多数も喜ぶと思うのであります。もう一歩だけ頭を進めていただきたいと思います。ただいまのお話のように、区役所へもつていけば一週間の内に許可するということはいいことでありますが、設計図というまことに技術者でなければできないめんどうな書類をつけなければ認可されない、これは私自身経験しましたが、非常にめんどうな話で、設計図は一週間も十日も、あるいは一箇月もかかつて、その設計図を出さないと受付けていただけない、こういうことに非常に手数がかかるのであります。私どもの技術において、あるいは高等教育を受けた者ででもなければできないような特殊の技術のいる見取図は、われわれにはできるものではない。なおかつ、予定設計のために木材の石数からその種類まで、何十種類も一々書き上げて申請をしなければならない。どうかこの手続をもう少し簡略にするように、もう一歩進めていただきたいことを切にお願いいたしておきます。
 それから、なるほどいろいろのお話もありましたが、必要は発明の母だと思いますが、電力の不足問題につきましても、ローソク送電とか、線香送電とかいうことになつておりますが、不思議なことに、必要に迫られると、わずかな電力の中からでも、あかあかと電燈がつく特殊の電燈が氾濫し、それぞれ各家庭で明るく暮せるようになつている。これはまだお尋ねになつたこともないが、不思議にそういう点については自然に要求を充たし得る。この努力についての総力が國民にはある。だからあながち、お役所が何もかも指導しなければならないというのは、大きな間違いであります。殊に資材の話に至りますれば、できるならば自給自足し得る縣におきましては、何とか今の許可認可の申請方法をもう少し緩和していただきたい。殊に自分の家の物置小屋一つ、あるいは風呂場一つつくるにも、面倒な書類を一箇月もかかつてつくらねばならぬという現状でありますから、資材を自給自足し得る縣、あるいはそれのできる地域においては、この点を何とかひとつ考慮していただきたい。また極端に申し上げますならば、自分の家の庭木を伐つてもある程度のものはできるのでありますが、それも建築法規にひつかかるという現状でありますから、その点をどうか、そこまでもう一歩頭を進めていただきたいことを切に希望しておきます。
#28
○阿部(美)政府委員 御説の点は私もまつたく同感であります。ただいま申し上げました小住宅につきましては、必ずしも技術者でなくてもできると思うのでありますが、その方が資材その他の計算にらくでございますので、そういう図面はやはり添付しなければならぬということになるのであります。非常にむずかしい図面を要するというような規定ではありませんから、大体こういう形にできるのだという平面図のものと、一見高さや何かのわかるようなものさえあればいいのであります。図面という点から申しますと、そのくらいの物は添付しないと申請書にならぬと思います。もう一つ、そのほかの資材の点は、これはまつたく、しろうとではできないのでありますが、何もかも書き込まなければならぬという必要もなかろうと思いますから、これは御希望に副うように一應考えまして実行いたしたいと思います。
 それから手持資材というものを、ただいまは認めております。この点につきましては、安定本部方面でも相当問題になつたのであります。と言うのは、手持資材といいましても、やみになるということを恐れまして、昨年の夏ころまではその実行ができなかつたのであります。從つて認可許可が遅れるということになりましたのですが、昨年後半期から手持資材を認めるということになりました結果、資材問題としましては、それ以前の倍ほどの家が建つてまいりました。そういうことにいたしますと、今お話の庭先の木を伐つてもできるんじやないか。手持にもいろいろありましようが、自分の持山から伐つた木材も使えますし、いろいろ便利がありまして、結果においては必要な住宅が相当大量に建設し得るようになりますから、こういうことは今後もなるべく持続して、國民諸君の要望に副うようにいたしたいと思うのであります。現在これは実行しでおります。
 なお庶民住宅を大量に建てるということにつきましては、総司令部の方でも非常な関心をもつておりまして、われわれの計画以上に、総司令部ではやれというふうな考えをもつております。われわれの考え以上と申しますと、少し説明を要するのでありますが、これは全体の建築資材の量の関係上、われわれが希望するだけはなかなかその資材が割当てられないために、予定計画通りには、從來家が建つていないのでありましたが、きわめてこれは遺憾なことでありまして、建てたいという希望の地方に対しまして、家が建てられぬというようなことは、あり得べきことではないのでありまして、その目的を達するためには、十分便利なあるいは可能な方法を講じまして、今申し上げたように、できるだけ家が多く建ちますように処置いたしたいと私は考え、かつそれを実行しておる次第であります。
#29
○坂東委員長 私がお伺いしますが、れんが建築につきましてどういうお考えをもつておられますか。
#30
○阿部(美)政府委員 耐火建築ということから申しまして、私は國民の考えを直していきたいと思います。日本では古来、木材というものがすなわち家である。家を建てるには木材に限るというような観念をもつておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、失火による損害が莫大な量に上ります関係上、私どもは木材以外の耐火材料によつて建築されることを指導し、かつ希望しておる次第であります。從つて今お尋ねのれんがなども、むろんその中にはいるのでありまして、われわれといたしましては、れんが造及びコンクリート・ブロック造と申しますか、そういうものに向くように指導していつております。ただ、れんがにつきましては、これを製造する燃料が非常に不足しております関係上、大量に生産ができないでおる次第であります。燃料が多少その方面にまわるということになりますれば、れんが造可なりと思つておるのであります。ただ日本は地震国であります関係上、それによつて三階、四階というものを建てるには、相当な考慮を要する次第でありますけれども、まあ二階程度のものであれば、安全にこのれんが造によつて建築の遂行ができるはずであります。
#31
○坂東委員長 なお一点お伺いしますが、日本の木材、在積六十億石として、内地と北海道とでは事情が違いますが、どのくらい伐るのが科学的の限度でありますか、その点をお伺いいたします。
#32
○阿部(美)政府委員 この点については、私から御答弁申し上げることはできないような次第でありまして、農林省の専門の局に御要求願いたいと思うのであります。従来私どもの聞いておる範囲では、ここ数年來伐採されて建築その他これに類似の目的に使う木材は、六千万石ないし七千石でありますが、薪炭その他燃料を加えますと、年間四億石くらいを伐採しておるということを聞いております。これもまだ私からはつきり申し上げるわけにいきません。ただ聞いておる程度であります。
#33
○坂東委員長 なお一点お伺いしますが、たとえば昭和二十三年度一箇年間に、復興に要する木材の石数は大体どのくらいに見ておられますか。
#34
○阿部(美)政府委員 来年度の計画といたしまして、建設院において計画しておりますのは、庶民住宅として三十五万戸を予定しておつたのであります。三十五万戸と申しますと、平均十坪といたしますて三百五十万坪になりまして、それが素材において約四石ほど要りますから、千三百五十万石になります。千四百万石ぐらいの数量に上るはずであります。これは庶民住宅であります。しかしそのほかに、工場その他の建築及び官廳建築もございますから、概算二千万石以上は建築方面に使われることと思うのであります。今申し上げました三十五万戸に対しまして、大体從來が千百万石ないし千二百万石程度の配給でありますが、実際問題としては三十五万戸は建ち得ないのであります。これは非公式でありますが、先日司令部からの話が、記者談として出ましたところを御参考に申し上げますと、来年度は六十万戸やつたらどうかというような意見が出ておるのであります。これをどうして遂行するか。多々ますます弁ずるのでありますから、われわれとしては多きを望むわけであります。かりに小さい単位のもので六十万戸といたしますと、十坪にいたしましても六百万坪、從つて坪四石にいたしまして二千四百万石の木材が、大体庶民住宅用として必要である。こういうことになるのであります。従来の経験から申しますと、二千四百万石は割当てられていないのであります。昨年度は大体千二百万石、約半分程度であります。この建築用木材をいかにして配給量を殖やしてもらうかということについて、目下事務当局においてそれぞれ折衝中であります。
#35
○坂東委員長 御質問ございませんか。――なお一言申し上げておきますが、農林省で言う六千万石というのは、百分の一に計算して百年経てば木は成長する、そいうような、ごく科学的な、狭義な解釈でありますけれども、しかし日本の國家政策といたしましては、相当程度伐つてもよいと思うのであります。それは植林の方法さえ立てばよいのでありますから、そういう点を農林省とも十分協議せられまして、目的の達せられるように十分努力をせられるように、特に希望いたします。
 なお休憩前に火災につきまして、すでに説明があつたのであります。すなわち建設院の方から建築に関する竣功期間の関係、また西尾官房長官からは、焼失しました書類の善後策等の説明がありましたが、今久山内事局長が來られましたから、火災に関する内容の説明をお伺いいたします。
#36
○久山政府委員 昨日の火災につきましては、まだ詳細な状況は取調べ中でありましてその発火の原因なり、その他大体焼失しました建物の坪数等はわかつておりまするが、それ以外の詳細な内容につきましては、まだ警視廳の方から報告になつておりませんので、ただいま特に私から申し上げるような材料はまだもつておらぬのであります。
#37
○坂東委員長 皆さんから何か御質問はございませんか。あるいは局長に対する希望でもよろしゆうございます。公安委員の関係は、鈴木國務大臣がまだ來られませんから、これを次会に譲りますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○坂東委員長 それでは火災の関係はこれで終ります。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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