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1951/03/20 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 経済安定委員会 第5号
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1951/03/20 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 経済安定委員会 第5号

#1
第013回国会 経済安定委員会 第5号
昭和二十七年三月二十日(木曜日)
   午後三時五十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           郡  祐一君
           永井純一郎君
   委員
           小滝  彬君
           須藤 五郎君
  政府委員
   外資委員会事務
   局長      賀屋 正雄君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       渡邊 一郎君
  説明員
   外務省条約局第
   一課長兼第二課
   長       藤崎 萬里君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く経済安定本部関
 係諸命令の措置に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木良作君) それでは経済安定委員会を開会いたします。前回は一昨日十八日に開かれまして、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律案につきまして質疑を行いました。本日の議題も上述の法律案につきまして質疑を続行したいと思います。前回の要請がありましたので、本日は外務省の条約局第一課長第二課長兼務の藤崎君、それから外国人関係もあるというので、法務府の民事局第三課長、両者の説明員に出席して頂いております。質問のありますかたから順次御発言を願います。
#3
○須藤五郎君 先ず外務省のかたにお伺いしたいと思いますが、この前外国人という言葉がこの中に出て参りまして、外国人の認定で非常に困るような場合が考えられましたので、外国人の認定をどういうふうにきめるか、特に朝鮮人、沖縄人、中国人、こういう場合に北鮮系の人と南鮮系の人とをどこで区別されるか、どういうふうなところで区別するかということが問題になると思いますが、これをどういうふうに認定するのでしようか。日本に六、七十万の朝鮮のかたがいると思いますが、どこでどういうふうにして分けるのですか。
#4
○説明員(藤崎萬里君) 御指摘のように非常に従来の国際法の一般原則から簡単にこれは割切つてしまうことが事実上できないような状況でございます。従いまして現在交渉中でございます国民政府との間の条約、或いは大韓民国のほうとも交渉中であります基本関係に関する条約、そういうようなもので在留の韓国人をどういうふうにして色分けするかというようなことも、或る程度の準則が明らかにされるようになることと存じます。現在のところはまだ具体的にどういうことを以て区分けするということをはつきり申上げることができる段階に至つておりません。沖縄のほうにつきましても、御指摘のように日本に主権が残り、而も立法、司法、行政の三権は合衆国が行使するという複雑な関係になつておりますので、理論上困難な問題でございますが、併しこのほうにつきましても、平和条約の草案が発表された当時の国会で吉田総理から、このほうについては日本と、内地と南方諸島との間の関係を円滑にするために実際的な取極が行われることを希望すると言つておられます。この実際的な取極の中にはいろいろな日常の交通の問題も当然入つて来るわけでございますが、身分関係のことについても明らかにされるような規定が設けられることだろうと想像いたしております。
#5
○須藤五郎君 そうすると現在のところでは何らはつきりしたものはできていない、片一方に何もはつきりしたものができてないときに、こういう法案を作つて、そうしてうまくこの法案が運営して行けるのかどうか。沖縄の主権が日本にあるというようなことは一つの幻想に過ぎなくて、曾つて南方諸島が委任統治であつたときに、そこに住んでいる人たちは皆日本人である。恐らく今日沖縄が曾つてのサイパン、パラオと同じような状態になるのだ、実際的にはそういうことになるので、日本に主権があつて日本人だという幻想を持たせているのは、どうも私は僞りのように思うのだが、そういうときにこの法案がどうしてやつて行けるか、実際運営のできないようなことになるのではないか。沖縄人は相当日本におります。それからこれも中国の問題でも一緒だと思うのです。台湾人も日本におりますし、台湾人以外の中国人も日本にたくさんおる。それをどういうふうに規定して行くか。北鮮、南鮮の関係等非常にむずかしい問題もたくさん未解決に残したままで、この法案を慌ててやつて、果してこれは運営できるのかどうか。そこに僕は非常に疑問があるのです。どういうふうに運営して行くつもりですか、それを伺いたい。実際の問題が起つたときに……。
#6
○政府委員(賀屋正雄君) 今度の改正によりますと、外国人の定義がこの第二条に書いてございます。日本の国籍を有しない者、これがすべて外国人になるわけであります。従いましてそれを対象としてこの規定を適用するということになつております。
#7
○須藤五郎君 そう簡単には解決できないと思いますね。じやあ、日本の国籍を有しない者が皆外国人……そこで今度は日本と国交の回復したときにこの法案が適用されるわけでしよう。
#8
○政府委員(賀屋正雄君) 反対で、逆でございます。
#9
○須藤五郎君 それじや、北鮮系の人にも、北鮮は日本と講和条約に入つておりませんね、平和条約がなくてもやはり南鮮系の韓国人と同じような権利を北鮮系の人たちにも與えるわけですか。台湾人に與えるのと同じ内国人待遇をいわゆる中共系の人たちにも與えるわけですか、どうなんです。
#10
○政府委員(賀屋正雄君) 朝鮮の問題になりますと、多少ややこしい問題が入つて参りますが……。
#11
○須藤五郎君 そのややこしい問題が問題だと思いますね。
#12
○政府委員(賀屋正雄君) 現在のところを説明しますと、現在のところはこの政令の関係では朝鮮人は外国人でなくて日本人の扱いになつております。従いまして土地の取得については認可も要らない、こういうことになつております。ところが今度改正いたしまして、日本の国籍を有しない者、これが外国人ということになりますと、平和条約の効力が発生しまして、日本が朝鮮に対する領土権をなくしますと、朝鮮人は外国人になるわけでございます。日本の国籍を持たないものになるわけでございます。従いまして指定ということを別の問題にいたしますれば、この政令がそのまま適用されるということになるわけでございます。で、今度そうした場合に朝鮮の政府として、どういう政府と日本が相手方とするかという問題は、今後の日韓会談等によつていずれ条約がきまると思うのでありますが、その場合に大韓民国ができた場合に、北鮮人がどういうふうに大韓民国の国民と違う国民になるのかどうかという点については、これは外務省の問題で、私は今明答をいたしかねまするが、とにかく仮に大韓民国というものができ上ると仮定いたします、そうすると大韓民国の国民は外国人になるわけであります。ところが大韓民国につきましても、平和条約の二条によつて内国民待遇を與えなければならないということになりますれば、相互主義の原則によりまして、朝鮮において日本人に対して土地の取得を制限しないときには、日本におきましても、大韓民国の国民に土地の取得を制限してはならないということになりますので、そうするためには、今度新らしく設けます二十三条に大韓民国を指定する、こういうことになるわけであります。台湾人と中国人につきましても、同じような関係になると思います。
#13
○須藤五郎君 そこまではわかるのですが、そうすると日本に、大韓民国人でもなし、日本人でもないといういわゆる朝鮮の人がたくさんできると思う。恐らく今北鮮系の人は大韓民国に国籍を持たないだろうと思うのです。そういう人たちを外国人として扱うのか、どういうふうに扱うかということなんです。同じ朝鮮人であつて、韓国の国籍を持つた朝鮮の人と、韓国の国籍を持たない朝鮮の人と二通りおる。それをどういうふうに扱うかということです。
#14
○政府委員(賀屋正雄君) それは当然この政令の扱いから申しますと、指定されてない、普通の一般の外国人ということになります。それは「日本の国籍々有しない者」ということで、外国人ということが明瞭になると思います。
#15
○須藤五郎君 そうすると大韓民国の国籍を持たない北鮮系の人たちは内国人待遇を許されないということになりますか。
#16
○政府委員(賀屋正雄君) そうです。
#17
○須藤五郎君 そこで台湾人と中国人との間にもそういう関係が起るわけですね。そうすると沖縄の人はどういうふうになりますか。沖縄人は二重国籍を持つことになるのですか、どうなんですか。
#18
○説明員(藤崎萬里君) 国籍は日本の国籍でございます。それからさつき申上げましたのは、沖縄諸島と日本との間の往き来荘とか、細かい国籍というよりもう少し下の身分関係、戸籍泥とかそういうものについての細かい取極を将来するということで、国籍が日本にあるということはもう明瞭容ございます。
#19
○須藤五郎君 併し沖縄は日本政府と関係のない政府を作るのじやないですか。
#20
○説明員(藤崎萬里君) 日本の平和条約が効力発生後にどういう形の行政機関がアメリカ側で設けられるか存じませんけれども、併しその土地が一時的に日本の立法、司法、行政の権力の行使の圏外に置かれても、そこにおる人が日本人で自動的になくなるというわけにはならないわけでございます。
#21
○須藤五郎君 それは何だか私たちにちよつと了解できないと思うのですがれ。日本の政府と別の政府を作つて、そうして別の国の管轄下にある人たちが日本人と同じだ、日本人だと言つたつてそれはおかしいと思うのです、がね。どういうふうな法的根拠からそういうことが言えるのですか。
#22
○説明員(藤崎萬里君) 今の南方諸島の場合にぴつたり当てはまるというわけではございませんが、昔から例えば租借地だとか、租界だとかそういうところが従来中国に多くあつたわけでございますが、そういうところに住んでおる中国人が当然に英国の租界地におれば、イギリス国籍を取得するというわけではありませんで、国籍と地域の所属との関係とは別のものとして従来からも取扱われて参つておる次第であります。
#23
○須藤五郎君 僕は法律家じやないですから、詳しいことはわかりませんが、たとえ沖縄がアメリカにとられていても、そこの政府が、沖縄の行政機関が日本の行政機関と密着しておつて、日本の行政府の意思によつてその政治がやられて行くならばそこに住んでいる人たちも日本人だということができると思うのです。ところがそれがぶつつと切れてしまつて何ら関係がない、而もアメリカの意思によつて作られた政府ができて、そうして統治の下にいろいろなことをやつて行く。それならば日本人ということはできないのじやないですか。何の繋りがあるのですか。我々にそれは血の繋りはあるかもわからない。併し今日何の繋りもなくなつてしまつたと思うのです、政治、経済すべて……。そういう人を日本人ということはちよつと強弁過ぎやしませんか。そんな例がどこかにありますか。
#24
○説明員(藤崎萬里君) 信託統治の制度は第二次世界大戰後にできましたわけで、余り先例は確立しておる、帰一したものがあるということは申せませんけれども、併し今度果して南方諸島が、例えばハワイ群島みたいなことにされてしまう、或いは実際上の交通、人の往き来でも、もののいわゆるやりとりでも又実際上日本の内地との郵便関係でもあるわけでございます、そういうものを我々としてはできるだけ潜在主権があるという以上は、向うが権限を持つおつても、その権限の行使のやり方は日本と従来とできるだけ変らないような密接な関係を持続して行くように、さつき申上げました実際上の取極というのをやつて行きたいというふうに考えております。
#25
○委員長(佐々木良作君) ちよつと今の問題は補足的に質問したいと思いますが、要するにこの法律との関係におきましてま、沖縄人は日本人だということでありますから、そうすると財産権の取得に対しては、日本国内における財産権の取得に対しては、制限ないということになりますね。そういうことですね。
#26
○政府委員(賀屋正雄君) そうです。
#27
○委員長(佐々木良作君) その場合に須藤君の心配されるのは、どういつたところで沖縄には実質的な独立政権ができる可能性がある、そうしてこの沖縄に実質的な独立政権ができて、若し仮にこれが丁度これに相当するような日本人が向うの財産を取得することを非常に制限するような措置を沖縄政府がやつた場合においては、日本側との関係どうなつて来るのか、向う側でそういう措置をとられても日本との関係においては飽くまで日本人でありながら制限を課することができなくなるという心配もあるわけですね、そういうことはあり得ますか。
#28
○永井純一郎君 ちよつと関連して、根本的な問題になるのだが、沖縄には日本の憲法初め諸法規が通用されるのですかそれが根本の問題だと思うのだが……。
#29
○説明員(藤崎萬里君) 立法、司法、行政の三権が行使されませんから適用ないわけです。
#30
○永井純一郎君 そうしたら財産の取得の問題に具体的になつて来ると、先ほどからあなたが言われたことは、全然問題にならないことになりますね。そういう説明はできなくなりますね。
#31
○説明員(藤崎萬里君) 私ははつきり……、法律上どうなるべき、どうならざるを得ないものであるということではなくて、すべて今後できる実際上の取極の内容にかかつておるわけでございますが、併しこれについては沖縄に現におる日本人の希望もありまして、実際に日本の法律が適用あるわけではないけれども、それと一字一句違わないように法律を向うで制定しまして、例えば学校の制度ですが、日本の内地の学校に進学するという場合に向うの学校の卒業の資格を認めてもらいたいというようなことがありまして、さういうようなことは、ほかの部面でも行われる見込が多分にあるだろうという工合に考えております。
#32
○永井純一郎君 そこであなたが言われることは、法律論としては日本の法律は、立法、司法、行政の権限はアメリカにあるのですから施行されない、従つてこういう関係の具体的な法律も沖縄においては、例えばアメリカ人が、或いはアメリカの政府が内国人待遇を受けるというようなこともない、又沖縄における沖縄人も自分たちが取得する日本における財産の取得も向うの法律によつて行われるのじやない、法律的にはそうなんでしようが、併し実際上同じようなことをアメリカの政府と、或いは向うに作られる政府とかも知れませんが、同じようなことになるような取極は別にするのだ、こういうことなんですね。
#33
○説明員(藤崎萬里君) 私の言い方がどうも希望的なものを混乱して申して誤解を招いたかも知れませんが、立法、司法、行政の三権がある以上は何でもできるわけでございます。ただ我我の希望としても、又現実の見通しとしても、アメリカが日本から完全に切離してしまつて、完全な外国として取扱わざるを得ないような実際的な取極をしようとはしないだろうという希望といいますか、見通しであると思いますが、それに立脚して申上げているわけなんです。
#34
○永井純一郎君 見通しは見通しとしていいけれども、今法律論として、これは条約特別委員会でも我々が何遍も質したところなんだけれども、最後まではつきりして来なかつた、西村君が答弁しましたけれども、併し技術的に、法律的には、私が先ほど言つたようなことなんですね。あなたのは見通しであり、実際上はあなたの言われるようなふうに取運ばれるだろうという見通しはわかるのですがね。
#35
○説明員(藤崎萬里君) 先ほどどういうことをおつしやつているか存じませんが、私も申上げましたように、立法司法、行政の三権で如何ようにもできるということをはつきり申上げてよろしいと思います。
#36
○永井純一郎君 そこで例えば具体的には国籍法というようなものも日本の法律が適用されない、財産関係のものも実際は適用されない、という法律的にはそうであるわけでしよう。
#37
○説明員(藤崎萬里君) その点はちよつと違うのでございまして、やはり国籍といいますと主権ということと直接繋がつて参りますから、日本の残存主権を向うではつきり認めております以上は、国籍には触れられないということになるわけでございます。
#38
○永井純一郎君 それは実際は国籍法が沖縄の住民に適用されるのではなく、同じような何かの取極によつて、あなたの先ほど言う取極によつて日本の国籍はあるものと同一に扱うこと、みなすというようなことであつて、日本の法律そのものが、国籍法が適用され、そのことによつて日本の国籍を持つということには法律的にはならない。又財産の取得等においても、それからアメリカ人の沖縄の中における待遇も、この平和条約による内国民待遇というようなことによる待遇ではない、法律的に……。そういうことなんでしよう。国籍法そのものを適用されますか。
#39
○説明員(藤崎萬里君) 今さつきおつしやいましたように、国籍の問題も取極の中で明らかにされるだろうと思います。ただ取極の中では当然私がさつき申上げましたように方向に明らかにされざるを得ないだろう、つまり日本の潜在主権を認めている以上は……。
#40
○委員長(佐々木良作君) そこで先ほどの問題に関連して、この法案に問題を戻したいと思いますが、今永井君や須藤君から質問されていることの、特にこの法案と関係する部分ですが、先ほど言いましたように、一応とにかく沖縄人は今のところ日本人だということになつているから、従つてこの法律が施行されても外国人の財産取得に関する政令は沖縄人には適用されないことになるわけですね。日本人と全然同様な取扱になるわけですね。
#41
○政府委員(賀屋正雄君) その通りでございます。
#42
○委員長(佐々木良作君) そうでしよう。その場合に、それにもかかわらず沖縄には実質的には三権を持つた独立政権ができるのだから、その実質的な独立政権に従つて、例えば内地の日本人が沖縄政権の中で財産を取得する場合の制限措置等々をやる可能性はないことはないわけですね。その場合に若しそういうことがされた場合には、全然日本の中で日本人が沖縄人に対して取扱つていることと、それから沖縄政府の沖縄政権下において日本人が扱われることと全然違つた状態が出て来る可能性はあり得るのですか、どうなんですか。
#43
○政府委員(賀屋正雄君) 可能性の問題で、あり得ると思いますが、その点になりますと、只今藤崎課長から御説明いたしましたように実際的な取極において、事実上内地の日本人が沖縄でそうした制限をされるといつたようなことがないように、今後交渉いたしたいと思いまして、そういうふうにいたしたいと思います。こう考えておるということだけ附加えて申上げます。
#44
○委員長(佐々木良作君) そうすると、今の問題は考えられるケースであるけれども、実際問題として今後の取極によつて日本の国内において沖縄人に対して制限を課さない限り、それと同様な立法措置、或いは行政措置が沖縄政府においてもとられるように今後取計らうと、それによつてその矛盾をなくしようと希望しておる、こういうことですね、大体。
#45
○政府委員(賀屋正雄君) その通りでございます。
#46
○須藤五郎君 沖縄に関しては大体了解できたのですが、そうすると、今度は、日本本土に在住する沖縄人と朝鮮人とを区別する法的根拠はどこにあるのですか。
#47
○小滝彬君 ちよつとそれに関連して……。その前に根本的にそれに関連して申上げたいと思います。この外資委員会の提案を帰つて読んで見ると、相互主義ということが少しも出ていない。そこで先般の委員会においては、外務省としては一人も来ておられないから、平和条約の十二条に関する質問があつたとき、これは相互主義だということを、私の承知しておるところを申上げたのでありますが、併しこの原案を読むと、少しも相互主義ということが出ていない。どうも私の判断では、外資委員会の考え方は平和条約十二条を基礎にして十二条以上の待遇を先ず日本側から與えようという趣旨のように見受けられます。(「そうです」と呼ぶ者あり)殊に二十三条の二項には如何なるものをこの適用外に置くかということも書いてない。ただこの説明書に大体の趣旨が謳われておるだけであつて、どうも私の想像ではこれは相互主義でないであろうというように見える。で、これについては賀屋君からはつきりした、お答えを受けたいのですが、今後通商条約の交渉に当るにしても、そういう内国民待遇を最初から與えて、相互主義でなしに先ず與えて置くことは実際上いいかどうか、この点非常に疑問に思つておるので、先ずその点から判断してかからないと、頻りに相互主義の問題が出るとき、根本的にそういう趣旨でなくやつておつたらこの趣旨はどうもこうもなくなるので、はつきりしたこの立案の趣旨を賀屋君からお答え願いたいと思います。
#48
○政府委員(賀屋正雄君) 小瀧委員の御質問にお答えいたします。只今まで相互主義によつてやつて行くのだということを御説明いたしましたが、その趣旨が、この政令五十一号の点だけを見ますと、成るほど全然表には出ておりません。併しながらこれは別に外国人土地法という法律が前々からございまして、この外国人土地法によりまして、外国人に対して土地に関する権利の享有について条件をつけましたり、或いは制限をつけたりすることができるような法令がすでにできております。一応政令五十一号のほうからはこの内国民待遇という原則によつて外しまして、相互主義によつて制限をする必要が起つた場合には外国人土地法のほうで以て制限して行く、こういう考えで今度の改正をいたそうというわけでございます。
#49
○小滝彬君 一体この財産取得は必ずしも土地だけではないと私は存ずるのですが、その点が不思議なことが一つ、もう一つは、今土地法は事実上効力を停止しておるということがもう一つの疑問でありまして、それを根拠にしてそのような説明をされるのは非常におかしいと思います。もう一つは、この外資委員会からお出しになつた説明書には何らそういう点が謳つてないので、或いは私はこの前の会議のときに外務省の委員が来ていないで説明したために却つてこの審議をこんがらかせて、そうしてそういう考えを賀屋局長にお與えしたのじやないかというような点で非常に不思議に思つているのですが只今の外国人土地法があるから当然相互主義だという説明は、私はどうも納得できないので、もう一度恐縮ですが御説明願いたいと思います。
#50
○政府委員(賀屋正雄君) 相互主義に基いて制限の必要がある場合には外国人土地法によつて縛る考えであるということは、実はこの法案が本委員会に付託されましたときに提案理由の説明がございました後補足的に私が御説明いたしたときにも申述べたと思いますし、それからお配りいたしました法律案の説明の中にもちよつと触れてあると思うのであります。ただ土地だけについてしかこの外国人土地法は適用されないという点につきましては、戦前においてこの相互主義によつて取得を制限しようとする財産権は一応土地だけに限られておるということで、まあ今度の平和条約の発効によつて戦前の状態に戻るのでありますので、一応この土地だけを縛るのでいいのではないかという考え方から外国人土地法のほうで縛つて行くと、こういうことになります。
#51
○小滝彬君 ほかに質問があるようですから、私はこれで一応打切ります。
#52
○須藤五郎君 私は沖縄の人も皆日本人として待遇されることを一〇〇%希望している、そのために心配してこういうことをお尋ねしているのですが、次には、日本国土において沖縄人は日本人として待遇すると、ところが朝鮮の人は今まで日本人だつた、それをなぜ急に外国人として待遇するのか、それはどこから原因が来ておるのですか。
#53
○政府委員(賀屋正雄君) それは朝鮮が独立の国家になりまして、日本の領土権も及ばないということであります以上は、当然そうならざるを得ないだろうと思います。
#54
○須藤五郎君 そこで沖縄も日本と違つた政府ができて三権分立が分れて、そうして国土も日本の国土ではない、まあ潜在的というような言葉を使つておるが、実際は日本が使われないということで、客観的に言えば朝鮮も沖縄も同じ状態だと思うのですよ。実際は日本だけでそんなことを言つておるので、第三国人が見たら沖縄も朝鮮も同じなんですよ。ところが片方の沖縄の人は日本人として待遇し、そうして朝鮮の人はそうする。ところが日本におる朝鮮の人が韓国民としての国籍を持たない人が日本人としての国籍を持ちたいのだとしたら、これは無条件で日本人としての国籍を持てるのですか、どうですか。
#55
○説明員(藤崎萬里君) 私も今日韓交渉の具体的な点はよく承知いたしておりませんが、日本国民になりたいという在住韓国人は、日本の帰化の手続をとり、それぞれの資格があることが認められれば、日本国民になれることになるだろうと存じます。
#56
○須藤五郎君 資格というのはどういうことですか。
#57
○説明員(藤崎萬里君) 帰化法をよく存じておりませんが、何か在住の年限だとか、それから素行がよろしいことだとかいうような条件がありまして、それから主務大臣がそれを認可するとか何とかいう手続になつておるようであります。
#58
○委員長(佐々木良作君) ちよつと今の小瀧さんの質問に関連して、もう少し僕ははつきりしておきたいのですが、今外国人土地法の問題が出ましたが、外国人土地法の問題も聞きたいのですが、その前に、まあ土地関係は外国人土地法の改正によつて適当に考えるというお話でしたが、ここに例えば鉱業権という問題がありますがね。鉱業権の場合には、常識的にこれは条約優先か何かの原則があつたはずなんで、それはどういう始末になりますか。
#59
○政府委員(賀屋正雄君) 鉱業権につきましては、鉱業法の第十七条に、日大国民又は目大国法人でなければ鉱業権者となることができないと、但し条約に別段の定めがあるときはこの限りではないということで、条約が優先いたしますが、原則といたしましては日本人でなければ鉱業権は持てないと、こういうことになつておりますので、差支えないかと思つております。
#60
○小滝彬君 それに関連して、私も非常に不思議に感ずる点が多いのですが、例えば第三条には、事業の利益に対する権利であるとか、土地建物、工場、事業場、若しくはこれらに属する設備又は鉱業権云々というように、非常にたくさんのものが織込まれて飾るわけなんです。而も、こうしたものは通商条約の対象になるのであつて、通商条約を調べて見ますというと、或るものに対しては内国民待遇を與え、或るものに対しては最恵国待遇を與える。先般專門員のかたがお聞きになりますと、日本とスイスとの今までの条約ではどうなつておるかというのに対して、その後調べて見ますと、元の日本、スイスの通商条約第一条第四項には、この財産権に対する内国民待遇の規定があります。でありますから、專門員のかたが心配されたように、最悪国約款でやられるということでなしに、先方もこの条約を復活したなら内国民待遇を與えなければならんということになる。これは財産の種類とか事項によつて内国民待遇を與える場合と最恵国待遇を與える場合とが、大体国際慣行によつてきまつておるわけです。そういうわけで、この第三条に列記されておるような事項は内国民待遇の規定を適用するに相当する事項であるわけなんです。然るにこちらのほうでただ土地の点を重要視したからというので、このまま外国人を指定して内国民待遇の特権を與えるということになれば、鉱業権のような場合は別だけれども、その他の場合においてはそういう規定がないと私は了解しておりますので、国内法にはそういうことを制限する規定はないと了解しておりますので、こういう措置をとられると、実際問題としては、こちらのほうが先ずこうした特権を条約を批准した諸国に対しては與えるということになる。これは私は政策として或いはよいことかも知れませんが、少くとも今の御説明ではどうしても納得できない点があるので、その辺は政策的にむしろ日本のほうから内国民待遇を条約を批准してしまつた国、中立国には先ず以て與えようというお考えか、或いは一一向うの国内措置を調べるということは手続上面倒だから、だからこういう措置をとろうという御意向なのか、その辺本当の肚をお聞きしたいと思います。
#61
○委員長(佐々木良作君) これは外務大臣か何かじやないとちよつと答弁できないのじやないですか……別にいずれいろいろな問題、政策的な問題も含みますから、適当のときに外務大臣も来てもらつて考え方或いは政策の拠点も聞かなければならんと思つておりますが、如何なものですか。
#62
○小滝彬君 これは一体外務省が主としてやられたのか、或いは外資委員会が主としてやられたのか。私の想像では相互の連絡がこれは不充分であつたかの感があるので、外務大臣に聞くよりもむしろ外資委員会と外務省がもう少し真剣にこれを御協議になつたら、こうした疑問の点、特に專門員のかたが準備なすつたいろいろな疑問の点はだんだんわかつて来るだろう。而もここで時間を費していろいろ議論を上下するよりも、むしろその場の条約局のかたのその場当りの返事でなしに、これを差上げて、そしてこれに対する簡單な回答を頂いたほうが議事進行の上にもいいのじやないかと思いますが、どうでありますか。
#63
○委員長(佐々木良作君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて下さい。
#65
○須藤五郎君 外資関係のかたが見えていると思いますので、二、三の点をちよつと御質問申上げたいと思います。今外資の日本の株式取得額は総額どれだけになつているかということを伺いたい。それからそれを終戦後年愛別に、何年にはどれだけの取得があつたかというふうに示されたいことが一つ、それからどういう産業に外資が入つたかということを産業別に示されたいこと。それからできれば何々会社にどれだけ入つたかということと、その会社の資本金と比較して何%の外資が入つたか、この四点を一つ今おわかりでしたら知らして頂きたいし、わからなければ来週伺いたいと思います。
#66
○委員長(佐々木良作君) 今の御質問は資料要求ですね。これは今国会に出かかつておる外資法改正の問題がありますので、今の問題は外資法の改正問題と直接関係があると思いますので、従つてこの外資法関係の審議の中の資料要求として扱つたほうがよろしいかと委員長は考えますが……そういうふうに一つ御了解願います。今のような状態でありますというと時間も大分参りましたし、月曜日か火曜日には一応の事務的な疑問点を整理してもらつて、外務省のほうとそれから外資委員会のほうとで連絡をとられた上の御返事も頂くことになつておりますので、それを参考にしながら次の質疑を行うほうが便宜かと思います。従いまして今日はこの辺で質疑を一応打切つたら如何かと思いますが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(佐々木良作君) なお今申しましたこの文書質問の中に、今日折角来て頂いております法務府関係の外国人土地法関係も実は質問したいと思つておりましたけれども、今申しました我々の一応事務的な質疑事項の中に入つておりますので、若しそれが法務府の関係でありましたならば、法務府とも十分連絡をとられて、法務府としての御返事も一つ一緒にお願いしたいと思います。
 それでは特別に御発言なければ委員会を打切りたいと思います。よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(佐々木良作君) 委員会を散会いたします。
   午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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