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1951/06/04 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 内閣・経済安定連合委員会 第2号
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1951/06/04 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 内閣・経済安定連合委員会 第2号

#1
第013回国会 内閣・経済安定連合委員会 第2号
昭和二十七年六月四日(水曜日)
   午後二時九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
  内閣委員
   委員長     河井 彌八君
   理事
           中川 幸平君
           成瀬 幡治君
   委員
           横尾  龍君
           竹下 豐次君
           和田 博雄君
           楠見 義男君
           上條 愛一君
           栗栖 赳夫君
           松原 一彦君
           三好  始君
  経済安定委員
   委員長     佐々木良作君
   理事
           郡  祐一君
           永井純一郎君
   委員
           古池 信三君
           奥 むめお君
  国務大臣
   建 設 大 臣 野田 卯一君
   国 務 大 臣 周東 英雄君
  政府委員
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   行政管理庁管理
   部長      中川  融君
   行政管理庁監察
   部長      柳下 昌男君
   経済安定本部総
   裁官房長    平井冨三郎君
   経済調査庁査察
   部長      吉田 龍雄君
   資源調査会事務
   局長      大野 數雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会専門
   員       藤田 友作君
   常任委員会専門
   員       桑野  仁君
   常任委員会専門
   員       渡邊 一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○経済安定本部設置法の廃止及びこれ
 に伴う関係法令の整理等に関する法
 律案(内閣提出・衆議院送付)
○経済審議庁設置法案(内閣提出・衆
 議院送付)
○資源調査会設置法案(内閣提出・衆
 議院送付)
○総理府設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出・衆議院送付)
○行政管理庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出・衆議院送付)
○行政機関職員定員法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出・衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣、経済安定両委員会の連合委員会を開会いたします。経済安定本部設置法の廃止及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律案、経済審議庁設置法案、資源調査会設置法案、総理府設置法の一部を改正する法律案、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案、及び行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。通告がありますから、通告に従いまして御質疑を願います。
#3
○佐々木良作君 問題が非常に広汎でありますのでどこから質問していいかちよつと整理に困つているわけでありますが、先ず根本的な考え方から一つ質したいと考えます。従いまして、今度の機構改革の全般に亘つて、その責任を持つておられますところの野田大臣に対して先ず質問を行いたいと思います。法案の別にかかわらず、経済安定本部及びこれに関係する諸官庁を廃止しまして、そして今提案になつておるような経済審議庁及び行政管理庁の構成になつておりますが、この問題につきまして御質問を申上げたいと思います。
 先ず提案理由を見ますというと、提案理由によりますると、経済安定本部は企画官庁として作つたのであるけれども、もう国の経済の安定のために大きな役割を果してその任務が完了した、従つてこれを廃止するのだということになつておりますが、それは実質的に我が国の国民生活が安定した、従つて今後総合企画官庁というものを必要とせずに、実質的にまあ現業官庁だけでもつて仕事がやられる段階まで来たという認識に立つておられるかどうか。引続いて、それであるのにもかかわらず又総合的な経済政策をやる必要があるので経済審議庁を作るのだというふうになつておりますが、この二つの問題はどうも私には実質的に矛盾をしておるように感ぜられて仕方がないわけであります。従いまして、若しでき得るならば具体的な事情に基いてかくかくこういう目的を持つた官庁の任務が終了した、併しながらかくかくこういう仕事をまだしなければならんから、こういう経済審議庁を作るのだということを、特に我が国の現在の経済情勢を具体的に裏付けとしながら一つ御説明をお願いしたいのだ。建設大臣に御答弁を願います。
#4
○国務大臣(野田卯一君) 経済安定本部を今回の行政機構改革において廃止することにいたしました理由につきまして、只今お話がございましたが、経済安定本部ができました当時の情勢と今日の情勢とを比較いたしてみますると、経済はその当時に比べまして相当安定をいたしまして、今日におきましては経済安定本部、ああいう機構の組織を以て経済安定を図るという必要は消滅をして来たと、こういうふうに政府は認めておるのであります。而して現在の国家行政組織におきましては、御承知のように内閣が中心となりまして重要国策は内閣において細部的に調整決定する、その間におきましては各省がそれぞれの所管に応じまして基本的な政策を樹立をする、こういうようなことにその国家行政機構の状態において今後国政を処理して行きたい、こういうふうに考えている次第であります。併しながら従来経済安定本部を営んでいました仕事の中におきまして、例えば長期経済計画のごときものがありますが、或いは国民所得の調査、分析というふうなものがありますが、そういう仕事は今後も引続いてやつて行きたい、そういうことをする役所を作りたい、こういうふうに考えておりますし、且つ又各省間に仕事が分属いたしまして各省において経済基本政策を立てますが、その間において問題がいろいろとありまして必ずしも円滑に行かないとか、或いは意見の対立があるとかというような調整を要する場合があり得るのであります。そういう場合にはその調整を引受けてやるところを設けることが適当である、又いろいろな新らしい事態が次から次に起つて参りますが、それにつきましては各省に関連があるけれども、どの省がその主管かということが言えないような仕事があろうと思われるのでありますが、そういう問題につきましてこれを坂上げ、これをいろいろ企画立案し、推進して行くような役所も必要だというようないろいろな観点からいたしまして、今回の行政機構改革に当りましては経済審議庁を設けることにいたした、こういうような事情であります。
#5
○佐々木良作君 私は今日本の現在の経済事情、特に国際的な環境をバツクにしておる日本のおかれておる経済事情を基にして、果して経済安定本部の従来の任務が達成できたという段階にあるかどうか、従つて又新たに作られるところの経済調査庁の任務が具体的に何であるかということを御質問したわけでありますけれども、今の答弁ではその内容に触れられなかつたと思います。従いましてもう少し突込んでお話をお聞きしたいと思うのでありますが、終戰後のあの普通のノーマルな経済状態でないところにいろいろな問題が起つたことは御承知の通りでありまして、併しながらあのときの状態は今度の状態とは経済事情におきましては相当な相違がありますけれども、事情の相違にもかかわらず或る意味では総合的な経済政策を立案し、それを総合的なバランスにおいて実施するためには、むしろあのときよりも現在のほうがなお必要になつて来ておる状態にあるのではなかろうかと私は思うわけでありまして、これがばらばらな官庁で行われて、そうしてそれが話合の付かんところだけを適当なところから第三者みたいな恰好で調整をして行くというようなことでは、恐らく不可能ではなかろうかと考えるわけであります。現在の国内の経済状態を見ましても、例えば現在の輸出の停滞乃至国内の大衆購買力の低下によりますところの不況が次第に拡大しつつあるかの状況、(委員長退席、内閣委員会理事中
  川幸平君委員長席に着く〕
これは一時的のものではなくて、相当継続的なものという見方が十分に成り立ち得ると思います。こういう問題に対して恐らく輸出の関係ならば通産省、或いは大衆購買力の問題であるならば例えば労働省であるとか、或いは通産省であるとかいうふうに普通の状態と見てやられるのには、余りに総合的な継続的な問題だろうと思うわけであります。同様な意味におきまして現在の経済の状態からドルの輸入、ポンドの輸出という形で出ておる現在の日本経済の矛盾は、日本経済の構造的な矛盾にさへも発展しつつある危険性を持つておるわけでありまして、それがこうばらばらな見方によつて政策が立てられ、或いはそれが推進されるということでは、むしろその各個に持つております矛盾を増大する危険性が非常に多いと思われるわけであります。又同様にして、政府としてもたびたび言つておられますところの東南アジア開発というような問題をとつてみましても、これを一体具体的にやるとするならばどこでやるのか、さつぱりこれ見当が付かん。東南アジア開発という問題の中でこれを又部分に分けて、その何か見通しというようなものは、例えばこの新らしい経済審議庁で或る程度の見通しをつけるとか、或いは具体的な特定の資源の開発なり、或いはそれに関連するところの貿易政策なり貿易の具体的な問題なりというものは、通産省の又適当なところでやるとかいうことでは、東南アジア開発という問題をとりましても私は包括的な仕事が非常にしにくい状態になるんじやなかろうか、こう思うわけであります。なお、その上におきまして現在の日本経済の持つておりまする非常に大きな特徴としてはだんだんと資本の集中が行われ、経済の変動がこれに伴いまして、むしろそういう傾向が中小企業及び一般の国民生活をだんだんと圧迫する結果になつて来て、むしろ国民の福祉向上を図るというためには、そういう経済活動の中に国家権力といいますか、或いは国家自身が積極的に介入して行つて合理的な調節をしなければならんような状態が次第に増大しつつあると思います。同じような意味におきまして国際経済がだんだんと高度化して来るに伴いまして、この国際経済の中に日本経済が打ち込む打ち込み方も今のと同じような矛盾を持つて来まして、包括的な或いは総合的な経済施策を推進し実施して行かなければならん状態が、むしろ現在こそ一番深まりつつある状態じやなかろうかと思います。こういう状態であるのにもかかわらず、まあ実質的に各官庁にばらばらにしまして話合いのつかんものだけを第三者が入つて来るというような形でやることに対しましては、私は非常に危険を感ずるわけでありますが、今私が述べましたような国際的な経済状態或いは見方におきまして、十分にやり得るという見解がありますならば先ず承わりたいと思います。
#6
○国務大臣(野田卯一君) 佐々木委員から各省がそれぞれの所管をする事柄につきまして、経済問題の基本の政策を立てて行く、そうしてそれを閣議において総合して行くというのが現在の国家行政組織の建前になつておりますが、その建前に従つて各省においてそれぞれ、例えば金融問題或いは金融政策であれば大蔵省であるとか、或いは貿易政策であれば通商産業省であるとか或いは交通政策であれば運輸省であるとかいうふうに立てることがそれが即ちばらばらであるということにはならんと思ううのであります。ばらばらになるかならんかということは各省の連絡、内閣の統一という問題でありまして、この点につきましては各省それぞれに緊密な連絡をとり、又閣議或いは次官会議というようなものによりまして横の連絡を十分にとつて行けば私は統一した政策がとれると、こういうふうに考えておる次第であります。各省だからばらばらだということは必ずしも当らないと私はこう思うのであります。それから東南アジアの開発の問題についてのお話がありましたが、私は東南アジア開発の問題は、どこの省の主管とも言い難いものでありまして、いろいろな省と関係いたしておりまするけれども、この省に特に関係が深くて、この省の主管だということは言えないものだと思います。こういう問題につきましては今後新らしく設けられます経済審議庁におきまして企画立案に当ることと相成るだろうと、こういうふうに考えております。中小企業の問題につきましては私は現在中小企業の問題は通商産業省が中心になつてやつておられますので、今後この中小企業の対策はやはり通商産業省が中心になりまして関係各庁と緊密なる連絡をとりまして対策を立てるのが適当ではないかとこういうふうに考えておる次第であります。
#7
○佐々木良作君 各省に分属しても閣議等において調節を行うのであるから、ばらばらな政策にはならんというお考えらしいのでありますけれども、それはまあ今の内閣の一つ実力と現状を照らし合せてお答えになつたほうがいいと思うのでありまして、そこで非常な強力な内閣を持ちまして総合的な調整ができる場合とできない場合とありまして、現在はむしろ各省と言いますか、各省の協調ができないどころか今後は内部の調節さえもむしろ不可能になつて来てむしろばらばらの傾向を、今の内閣の内部においてばらばらな傾向を助長されつつあるのが私は現状だろうと思います。まあそれはちやんとするとして、そうでないと言われるに違いないと思いますけれども、現実に今辿りつつあるところの今の内閣の運営の方向から見ましても、逆向きにばらばらの方向が辿られつつあるのでありまして、気持とし、希望としては閣議でそれを調整して行くという考えは成立つと思いますけれども、実情と照らしまして非常に困難であろうと思うわけであります。むしろ私は逆向きに戰勝国であり且つ又経済力の状態から見ましてもはるかに我が国よりも強力な基盤に立つておる欧米諸国におきましても、最近の経済事情及び国際情勢に基きまして、これを反映いたしまして経済に関する総合的な政策の企画立案或いは調査分析というようなことを行う機関がむしろ最近において強力にでき、或いは従来あつたものを強化しつつあるのが世界の大勢であります。そのような状態に対しまして丁度日本だけがその逆行を示すような考えがしてならないのでありまして、まあこの点につきましては御答弁を要求いたしましても今以上には出られないと思いますが、私の考え方からするならば、希望は今野田さんの言われます通り内閣で総合して行けばいいと言われますが、実情は恐らく不可能であるであろうかと、及び最近の国際情勢から見ましてむしろ時代の逆行ではなかろうかということを特に申上げておきたいと思います。
 次の質問に入りますが、それであるのにもかかわらず、先ほど野田ざんからお答えがありましたように、総合的な経済政策を計画的に推進して行くという必要は感じておられるらしくて、この必要に基いてこの審議庁案を出したのだと、こういうことになつております。先ほどの野田さんの答弁によりますというと、何か総合的な経済政策を計画的に立案し、推進して行くというようなことは、もう殆んど捨てたような御答弁でありましたけれども、提案理由の説明書にもはつきりと、こうこうこういう必要があるから、総合的経済政策を計画的に推進して行く必要があるのだ、だからこれが設置法を出した理由だ、こういうふうになつておるわけでありまして、その点におきましては、野田さんもまあ総合的経済政策を立て、それを推進して行く必要は感じておられる、その一部の要請を担つて審議庁案を出されたのだと思いますが、その点は如何ですか。
#8
○国務大臣(野田卯一君) 例えば国民所得の調査研究、これの分析というもの或いは総合国力の測定というような問題につきましては、私は今度新らしくできる経済審議庁においてこれを掌つて行くという考え方を持つております。又長期の経済計画等の策定というようなことも、新らしくできる経済審議庁で取扱つて行きたい、こういうことを考えておるのでありまして、この点におきましては、断えず国民所得の状況とか、或いは国家の総合的な経済力というものを念頭に置きつついろんな政策を立てて行く必要がある、こういうことを考えておるのであります。
#9
○佐々木良作君 そうしますと、具体的な話になつて参りますが、設置法の三條に「審議庁は、左に掲げる事務をつかさどる。」と書いてあります。その第一によりますというと、「経済に関する基本的な政策の総合調整」、二番目には「他の行政機関の所掌に属さない総合的経済政策の企画立案」ということになつておりますけれども、この二つが意味する内容は、今のような長期の計画の策定ということは別に項目が上つておりますから、その長期経済計画の策定と、或いは国力の分析或いは測定という問題とは別だと思いますけれども、先ほど言われたような意味で、この総合調整及び他の行政機関の所掌に属さない総合的経済政策の企画立案というのは、具体的にどういうことを指すわけですか。
#10
○国務大臣(野田卯一君) 経済基本政策に関する総合調整という意味合は、我々といたしましては、例えば金融政策は大蔵省が中心となりまして、関係各省と十分緊密なる連絡をとつて、これを企画立案をし、これを推進して行くということになるのであります。又食糧政策であれば、農林省が中心となりまして、やはり関係各方面と連絡をとつて企画立案推進をいたして行く、中小企業対策であれば、通商産業省が行う或いは運輸政策であれば運輸省が行う、こういうことになるのでありますが、併しながらその間におきまして各省間で意見が合わないとか、なかなか事がまとまらないというような場合も想定せられるのでありまして、そういう場合におきましてはその仲裁、斡旋と申しますか、それの調停と申しますか、そういうような役割をこの経済審議庁で引受けてもらうという考えが一つであります。それから又先ほど例に挙げられましたけれども、東南アジア開発というような問題は、これが外務省にも関係あるし、或いは通産省にも関係あるし、農林省にも関係あるし、大蔵省にも関係がある。どこにも相当多面的に関係を持つておりまして、どの省が最も大きな部面を占めておるというようなことが言えないようなものがあるのであります。こういう問題につきまして経済審議庁におきましてこれを取上げ、みずから積極的に企画立案をして推進して行く、勿論関係各庁と緊密なる連絡をとることは当然でありますが、経済審議庁が中心になつて企画立案を推進して行く、こういう事柄を意味しておるのであります。
#11
○佐々木良作君 そうしますと、この総合調整というのは第三者的な立場に立つて仲裁するというくらいな意味に理解してよろしうございますか。
#12
○国務大臣(野田卯一君) 経済基本政策の総合調整という言葉を使つた意味合いはそういう意味に我々は解しておるのであります。
#13
○佐々木良作君 仲裁するというような、而もこれは御承知のようにそういう立場になる場合には、例えば大蔵省と通産省との意見がうまく行かない、そいつを調整するのに大蔵省よりも通産省よりも、実質的にはもつともつと弱い力しかない第三者が入つて、どういう調整が実質的に可能と考えられますか。恐らくそれは調整ということじやなくて、話合いの、まあ世話役くらいな仕事しか私はできんと思いますけれども、実際に能動的な、総合的な経済政策を進めるための総合能力を持ち得るや否や、お答えを願いたいと思います。
#14
○国務大臣(野田卯一君) 私はそういう場合はなるべく少くしたいと思うのであります。大蔵省と通産省で話合つてきめて行くのが常則でありまして、それが合わない場合には調停役的な取まとめを役所がやるということになりまして、そういう場合はむしろ少いことを望んでおります。やはり金融政策は何と言つても大蔵省が一番陣容も充実しておりまして、あらゆる資料を持つておるのでありますから、それが中心になるが、同時に通産省にも関係があるから通産省にも相談する、その場合にはお互いによく話合い、よく理解し合つて行けば、私は当然相当程度までその間に妥結がつくと思う。でありますからなるべく、話がつかなくて経済審議庁に持込んでいろいろと、第三者的な立場から斡旋をする、或いは話合をつけるというようなことは少いほうがいいというふうに考えております。
#15
○佐々木良作君 そうすると、それは経済に関する基本的な政策の総合調整という意味ではないことになりますね。つまり経済に関する基本的な政策は、適当に各官庁が出てその話のつかんのを何か適当に何とかせよということになるだけであつて、総合的な基本的な政策を立てるということにはならなくなるんじやないですか。
#16
○国務大臣(野田卯一君) 経済の基本的な政策はそれぞれの所管省において立てるという建前であります。
#17
○佐々木良作君 そうしますと、先ほど言いましたようにこの設置法の提案理由に基きますと、総合的経済政策を計画的に推進して行く必要があるから設置法を作つたということになつておる、どういうことになりますか。
#18
○国務大臣(野田卯一君) 国全体としてはいろんな政策を十分統一的に計画的に推進することは必要であると思います。それは勿論考えてやつて行くのでありまして、そういう意味において今の点は各省がそれぞれ例えば大蔵省は金融政策をやつておる、金融政策は何と言つても大蔵省が中心ですべきだという考え方なんです。それが農林省とか或いは商工省、いろいろな方面に関係がありますのでそれと話合をつけて行く、話合はつくと思う。つかないときにはこれは経済審議庁が中に入つて取まとめをする、こういうことであります。なおそのほかに各省の主管に属しないような大きな経済総合政策があります。それは経済審議庁が中心になつてやつて行く、こういう考え方であります。
#19
○佐々木良作君 どうもそれは話がおかしいのであつて、むしろこうじやないですか。端的に言つて本当ならば御承知のようにこれは問題があつたことは私も知つておりますが、経済審議庁なんというものは、本来作りたくなかつたのでしよう。だから総合的な経済政策の基本政策を樹立してそれを推進して行こうという御意思はないのじやないですか。なかつたならばこれはやめるべきであつて、この提案理由に書いてあるような総合的な経済政策を計画的に推進して行く必要があるということを政府が認められるならば、それに対してそれに必要な官庁を作らなければならんというふうに考えるわけであります。如何ですか、これは。
#20
○国務大臣(野田卯一君) 只今申しましたようにだんだんいろいろな政策を実行して行く場合に、各省が例えば金融政策なら金融政策という一つの政策がありますが、挙げれば私は皆挙げられると思います。金融政策なら金融政策、或いは食糧政策なら食糧政策、交通政策なら交通政策というものになつて行くわけであります。それをやつて行く場合に、運輸省なら運輸省というものが中心になつて各省と連絡してやつて行く、私はそれでできると思います。併し実際問題として話が付きにくいところがある。最後的にはこれは閣議できめる。最後的に閣議できめますが、その前の事務的な段階におきまして、やはりそれを取まとめる役所が要る。話合えば問題ないのですが、合わないときにとりまとめる役所があつたほうがよろしい、こういう考え方があるわけであります。それにはこの経済審議庁が当る、そういう意味に解釈しております。
#21
○佐々木良作君 大体野田さんの考え方は、私はわかるのですが、それをつき詰めて行きますと、野田さんの考え方によると、要するに名前が操めたりしたくらいな問題でありますが、経済審議庁というものはむしろ要らないのだというふうにしか私は感ぜられないのです。今言われたことをそのまま見ましても、それは各省の所管する事項につきまして各省が責任を以て企画立案して、そうしてどうしても各省間で調整がつかんようなときに、初めて審議庁が調整すればいい、こういう御意見なのでありまして、その御意見の元になつておりますのは、各省の所管事項についてはそれぞれの省が最もよくこれに精通しておつて、従つてそのためにこれが責任を以てやるべきであるのだということが元になつておるだろうと思うのです。併しながらこの設置法の根本になつておる総合的な政策、基本的な政策を立案して、而もこれを計画的に推進するのだということが必要なためには、それが必要なのは各省の権限に属する事項、内容的には成るほど精通しておりますが、そこだけに任しておいたのでは本格的なバランスをとつた政策が実行できないから、従つて大蔵省なり、通産省なり、その所管に属しておることでも、例えば一つの貿易政策ということを立てる場合に、基本的な貿易政策を立てます場合には、その面の金融面及びその面の、具体的に言えば物資面というような問題がありますが、それを調節する。もう一つ広義な立場に立つて調節する必要があるから、この審議庁というやつを設置したということになつておるのに違いないと私は思うのであります。でありますから、専門の所が一番よく知つておるから、専門の所にやらせるのだということであれば、これは初めからこの経済審議庁というものを作るという積極的な理由にはならないのでありまして、安本廃止の理由にはなり得るかも知れないけれども、この審議庁を設置するという積極的な理由にはどうしたつて私はなり得ないように思うのであります。
#22
○国務大臣(野田卯一君) 私、先ほども申しましたように、国策の最後的な調整というものは、これは閣議でなされるものであつて、そこで国策の大木は調整するべきものである、こういう建前には変りないのでありまして、今も申しましたように、どこの省に属するかわからないような仕事もあります。どれでも関係がある、どこを主管となし得ないというようなものにつきましては、積極的に経済審議庁にやつてもらう。即ち大きな立場から長期経済計画を立てるとか、或いは国家の総合、国全体の経済力の測定であるとか、国民所得の判定であるとかという大きなものは経済審議庁でやつてもらいたい。それは同時に発表もされますし、又各省大臣にも通報されるわけであります。それを睨み合せながら各省で十分それぞれの政策をやつて行く、こういうことは可能であろうと思います。
#23
○佐々木良作君 これはまあ意見の相違になるらしいですから、この問題についてはもつと述べたいと思いますが、
   〔委員長代理中川幸平君退席、委員長着席〕
今の御答弁によると要するにこの審議庁という仕事の第一、「経済に関する基本的な政策の総合調整、」第二番目の「他の行政機関の所掌に属さない総合的経済政策の企画立案」、こう書いてあるだけであつて内容は伴わん、こういうふうに思わざるを得ないわけであります。
 なお今の話の中に、例えば東南アジアの開発というようなことはどの官庁にも属さないから今の審議庁でやるのだというお話でありますが、そういうふうにやつて行くのならば東南アジアの開発ということはどこにも属さないとは言い得ないのであります。それならば東南アジア開発の仕事の一部は通産省ですし、一部は大蔵省であります。同じように外貨の予算の問題にしましてもすべての問題が現在ある官庁に分属せしめ得ないということはないのであつて、より広義なる総合的な立場に立とうとすれば抽出できるものを、そうでなくて第二号に書いてあるように他の行政機関の所属に属さない政策というものは、私は割つて見ればこれは存在し得ないと思います。東南アジア開発が、今のあなたのお考えであるならば、通産省なり大蔵省の権限外ということがどういうわけで言えるのですか。
#24
○国務大臣(野田卯一君) お答えします。大分私のさつきの答弁を誤解されているようであります。私はどこの省にも主管にならないということを言つたのであります。私は例えば東南アジア開発という問題は外務省にも関係がある。農林省にも関係がある。通産省にも大蔵省にも関係があるのでありますが、どこの省がその主管である、或いはどの省に最も大きく関係しているというようなことははつきりしない問題がある。そういう問題を問題として経済審議庁で取上げて企画立案し、勿論各省と連絡も取らなければならんということを申上げたのであります。
#25
○佐々木良作君 これも押問答になりますが、「他の行政機関の所掌に属さない」という意味が主たる官庁でないという意味だと言われるようでありますけれども、この解釈について、つまり主たる仕事でないというふうに見れば、総合性を以て見れば大概の政策がその中に入りまするし、それから分けようとすれば、これはどこでも全部くつ付けられることであります。そういう立場から総合的な経済政策の特に企画立案ということになつているのですが、とても企画立案なんかできつこない。同時に又第一号に戻りまして「基本的な政策の総合調整」というようなものは、恐らく私は不可能だというふうにまあ思うわけであります。併し今の問題はもう大体そういうふうに意見の相違と言いますか、この審議庁を設置しようとする意図が私には全然わからんわけでありまして、今の野田さんの言われることは、その限りであるならば、これは安本廃止法の内容以外を一歩も出ない、審議庁を設置するという理由には私はならんと思うのであります。従いましてこれからの質問はこれはもう設置法ではなくて廃止法だという建前を取られるならばこれはまあちよつと問答無用みたいなことになつて参りますけれども、併しこの法律にははつきりと設置法となつておりますから、そういう建前で私はこの設置法の内容だというふうに理解して質問を継続するより仕方がないと思います。従いましてこの條文通りに、又提案理由の説明書に掲げております通りに、総合的な経済政策を計画的に推進して行く必要があるからこの審議庁を作るのだというふうに理解せざるを得ないわけであります。従つてこの理解の下に立つて以下質問を続けたいと思いますが、よろしうございますか。
#26
○国務大臣(野田卯一君) どうぞ。
#27
○佐々木良作君 今申しましたように、若しこの官庁をして本当に総合企画官庁に、この名前の通りの総合審議庁ということにし、その内容が、本当に今日本の置かれている経済情勢並びに国内の経済事情から考えまして、総合的な経済政策を計画的に推進して行く必要があることは、あなたの出された提案理由の説明書にちやんと書いてあるのですよはつきりと……。だからこれはどうにも私撤回するわけに行きませんから、あなたのほうで撤回でもなさらん限り……。総合的な経済政策を計画的に推進して行く必要があると考えられるのでこの審議庁を作るのだというふうに書いてありますので、その立場から質問をせざるを得ないわけであります。こういう立場に立ちますならば、先ほどから繰返されておりますように、これは第一には、この経済に関する基本的な政策の総合調整及び総合的経済政策の企画立案になつております第一第二の号などは最も必要で、そうしてこれがこの仕事をするために作ろうとする審議庁であるというふうに考えるわけです。従いましてその立場を取るならば、むしろ一番根本的なものはお話にも出ていると思いますが、この建前を取れば、むしろ当然に予算の基本的な編成権こそ、こういう基本的な政策の総合調整や総合的経済政策の企画立案の大本になるものだというふうに考えます。従いましてこの建前を取られるならば、むしろ予算の本質的な、基本的な編成権をこの官庁に持たすべきだというふうに思いますけれども、お考えは如何でしようか。
#28
○国務大臣(野田卯一君) 今のお話はさつき三遍ばかり繰返したと同じことでありまして、各官庁のそれぞれ所管に属することはその官庁でやるのだ、そうしてまとまらないものを受身に、受動的にと言いますか、受動的に総合調整するという意味で一貫しているわけでございます。これは閣議決定そのものと繋がつていると思いますが、そういう趣旨であると御答弁申上げます。
#29
○佐々木良作君 そういう建前でありますると、実は私これは非常に感違いしておりまして、これは設置法だと思つたものでありますから、先ほどから繰返しますようにこれを積極的に読んでおつたわけであります。従つて今の野田さんの御答弁にありました通り、経済審議庁設置法というものは、これはむしろ安定本部廃止法だというふうに思わざるを得ないのでありまして、それであるならばそれに関する質問を先にやつてみたところで処置ないことでありますから、まあ必要があれば別の機会に譲つて、これは省略したいと思います。
 ただ私が申上げて置きたいことは、これはこの建前を取る限り本当ならば予算の基本的編成権がなけらねばならないし、それからこういう建前を取られるなら、今の審議庁のやりかたではなくて、実質的に各省に対する指示権を持つているような相当強力な権限のものでなければ、政策の遂行も不可能であるという意味におきまして、物価の問題から電力の問題につきましても、開発の問題につきましても、それから外貨予算の問題、或いは公共事業費の問題等々も具体的に聞こうと思いましたけれども、建前が全然違つているらしいので、その内容につきましては省略いたします。若しほかのかたの御質問がないようでしたら、私は設置法じやなくつて行管のほうへ質問さして頂きたいと思います。
#30
○永井純一郎君 今の佐々木君の質問の補足のような形になるかも知れませんが、大臣にお尋ねしたいと思うのですが、私どもも今佐々木委員長から申しましたように、今度の経済安定本部を廃止するというような行き方には全然賛成をしておらないのでありますが、先ほど来佐々木君から申されましたが、今日の我が国の実情は貿易の矛盾なり、或いは国内的には農民や中小企業者に対する不況というものがだんだん拡大しつつありまして、国民生活はだんだん不安定な状態が増大しつつあると思います。いろいろなこういう問題が国民生活の不安の問題が社会不安となつて面白からざる事態が現に相当頻繁に行われつつあるときでありますから、提案理由に書いてあるように総合的な経済政策を計画的に推進して行くことこそ私どもは今日やつぱり必要だ、そういう考え方に立つと、今度の政府が出しておる案というものは、実際は、その内容は……、看板だけはそういうふうに謳つておるが、内容は実際はそうなつておらないというふうに受け取つておるのであります。これらの点につきましては、只今の大臣からの答弁で考え方が非常におかしいと思うのでありまするが、更に細かく少し入つて突きつめたい、こう思うわけですが、今度のこの提案の中で総合調整するという言葉がたくさんあるわけですが、先ほど来長官の答弁では斡旋をする程度だ、その通りにとつてしまえばそれまでかも知れませんが、もう少し法律的にと申しまするか、お尋ねしたいのですが、この総合調整する必要がある場合には、この審議庁が総合調整をしなければならん、その協議を受けなければならんという積極的な規定がないと思うのでありまするが、それは任意に向うが総合調整の話を持ちかけて来ればまあするという程度で、実際問題はやるのかどうかお伺いいたします。
#31
○国務大臣(野田卯一君) これは行政運営の実行上の問題になると思いますが、恐らくそういうときには、Aという役所と、例えば大蔵省とすれば、大蔵省を例に挙げて相済みませんが、大蔵省と通産省とが金融政策について意見が合わんというときに、恐らく大蔵省が通産省のいうことを聞かん。そういう場合には恐らく通産省のほうから経済審議庁に向つてこういう問題が片ずかんから一つ総合調整してくれ、こういうことになるだろうと思います。
#32
○永井純一郎君 そういうことが予想されるのであれば、やはり立法の技術としては、審議庁にそういう場合協議をすることというふうにしたほうが、私はいいと思います。そういう意向であれば。その点どうです。
#33
○国務大臣(野田卯一君) 私は法制上の詳しいことは存じませんが、総合調整というのはそういう意味で初め我々は使つたのであります。そういうふうに御了解を願います。
#34
○永井純一郎君 そういう意味で使つたのを、もつと的確に、実際の事務の運営上的確になるように私はそういうふうな條文にしたほうがいい。こういう意味。私はまあそういうふうに、むしろ審議庁を作ることに賛成ではないですが、一歩譲るならば、そういうふうにはつきりしたほうがいい。この点を今伺つたわけなのであります。それからこれはやはり予算編成方針のことをもう一つ補足的に伺いたいのですが、先ほど来大臣は、金融は金融の専門の省、食糧は食糧の専門の省がやる、そういつたふうなことを原則として今度の場合やるのだ、こういう話ですが、それであれば予算というものは決して大蔵省の専門でも何でもないのであります。食糧に関する限り農林省がやる。中小企業に関する限りは通産省がその予算を作ることが一番いい。そのまとめを金融だとか税金の専門であるところの大蔵省がやるということは、あなたの御説明と矛盾すると思う。ただ事務的に長い間経験があるからということは、これは理窟にも何もならないと思う。従つてそういう建前から行きまするならば、折角この基本的な国民所得の調査等をやり、これに基いて総合的な政策を企画立案しまして、それを計画的に推進して行く機能を弱いながらも審議庁が持つのでありますから、そこの予算編成の方針くらいはここでやらせるということが、私は当然統一ある議論として生まれて来ると思うのでありますが、なぜ大蔵省が従来通り予算編成の方針まできめて、実際の編成の事務をやるという必要があるのか、その点をお尋ねいたします。
#35
○国務大臣(野田卯一君) 予算編成の取まとめは、御承知のように現在の行政機構におきましては大蔵大臣がやることになつておるのでありまするが、併しながら予算編成の方針であるとか、予算編成に関する手続というものは、大蔵省だけではきめておらないのでありまして、いずれも正式の閣議決定を経てやつておるのであります。
#36
○永井純一郎君 その閣議決定について、その他の問題と関連しますので、同じような性質の問題かと思いまするので、併せてお尋ねしますが、例えば先ほど来総合調整ということの意味を大臣から答弁されたのでありまするが、これは例えば電気料金をとつて考えて見ますると、電気料金の具体的な値段をきめるということ。これは個々の価額の形成についてきめるということは、各省がやるというふうな意味だろうと思います。併し物価の基本的な政策というようなことは、審議庁がやるというようなふうに書いてあるように思います。ところが食糧の値段でありますとか、電気料金の値段というような、この具体的な基本的な、国民生活の基本になるようなこういう問題の値段をきめることは、その具体的な値段をきめることそれ自体が重大な経済政策の基本的な問題になつて来るわけであります。従来は例えば公益事業委員会と安本がいがみあつて料金がきまらん。結局公益事業委員会があの値段をきめる主務行政庁というようなことできめたようでしたが、実際問題としては公益事業委員会と安本とが論議をした。ところが今度の行政機構改革後は、恐らくやはり通産省と今度できるという経済審議庁とがこれらの問題について具体的な問題として私は論議することになろうと思います。必ず問題が食い違つて来て議論があると思います。こういつたようなときに閣議で以てそれをきめて行くということにするのだということをいわれると思います。ところがこういつたような数字に亘る具体的な問題を閣議なんかで三十分や四十分でがたがたやつてきめるということ自体がおかしいのであります。やはり審議庁のようなところがありまして、ここに権限を持たして、高い立場から、全体の立場から、閣議なんかにかける前に、具体的に研究をして、その企画立案をやつて行く。産業経済の全般のこれが基本になるわけでありますから、閣議できめるよりも、行政の機構の問題としては、審議庁でやらしたほうがよりいいという問題。機構をどう作るかということは、そういう問題なのであります。そういう場合に、実際に電気料金をきめる場合には、閣議のようなぼやけたところで大まかに扱うということで、私は、実際問題としては行かないという支障が必ず出て来る。又いい加減に政治的にただ閣議あたりできめますと、その実行においていろいろな不円滑或いは障害が起きて来るというようなことになると思いまするから、こういつたような食糧の値段の問題、電気料金というようなことは、基礎的な調査をし研究をする機関である審議庁が、私は審議庁そのものを実は認めるものではないのですが一歩譲つて、ここで閣議できめてしまう前にやるというような機構こそ行政機構としてはよりいいのではないか、こういうふうに思いますが、一つの例で電気事業のような場合、通産大臣と審議庁の国務大臣が閣議で論議する、それを聞いておつて適当にきめるというふうに行われるのかどうか、お聞きしたい。
#37
○国務大臣(野田卯一君) 具体的な電気料金の問題についてのお話が出ましたのでそれについて申上げますと、今回の行政機構の改革では、お示しのように通産省でこの問題を取扱うことになりますが、通産省では厖大なるところの人員を擁してそのほうを専門的に御研究になると思います。又その結論を出されるまでに通産省におきましては勿論大蔵省とも或いは審議庁とも農林省とも或いは運輸省とも十分なる連絡をとつて、そうして慎重審議して、又場合によれば外部の人の意見も聞き、或いは各方面の意見も聞いて慎重に考えておやりになる。通産省でやる、ちよこちよこ自分だけでやるというような前提に立つておると思いますが、私はそう考えないのでありまして、通産省が電力料金をどうきめるかと考える場合には、全智全能を盡してあらゆる資料を集めてやると思います。厖大なる機構を持つております。出て来たものについて各省スタツフを持つておることでありますから、それを検討してきめる、そこに国策がいろいろな点で調整されて行くというふうに考えております。
#38
○永井純一郎君 非常に常識的と言いまするか、のお答えですが、実際の行政各省はそういうふうでないのでありまして、これは御承知の通り、例えば通産省がやつておりますと特別の大口の、或いは大きな企業者に都合がよいような電気料金の決定が……、そういうようなことがありましたり、その場合農林省は極力農業用電力のためにそのほうが軽くなることを主張するのはこれはもう実際上今日まで行われて来ておるのであります。おつしやるように十分に関係各省が連絡をしていつも円満に行くということであるならばもう問題はないのでありまするが、十分に連絡をとつて円満に行き、且つ産業経済全般の立場からきめなければならない食糧の値段とか、電気料金というものは特別に取扱う、第三者の立場と言いまするか、の立場に立つて特別に取扱う機構が行政機構としては望ましいということが私は少くとも言える、こう思うわけであります、が併しこれはまあ同じような答弁を又されると思いまするから、私はそれでは更にもう一歩進んで、閣議でこれが問題になつて来るといつたような場合に、なかなか閣議でまとまりがつかない。通産大臣と審議庁の所管の国務大臣が対立していろいろ議論をやる。これは始終やつておるようでありますが、そういうことを閣議でする場合に、これは内閣法の第六條に、総理は閣議にかけて決定した方針に基いて行政各部を指揮監督するというような條文が内閣法にありまするが、これは通産大臣と審議庁の所管の国務大臣との議論が相半ばしてなかなかまとまらぬ。その場合に閣議全体として大体意向がまとまると総理がそれを通産大臣に幾らでやれというようなふうにすることになる。私はむしろ審議庁があつて、審議庁にそういつたような権限を持たして置く必要があると思うのです。国民生活に直接関係を持ち、諸産業経済の基本になるような問題を取扱う場合にそういう必要がある、こういうふうに考えておりまするが、今度の機構の改革の中にはそういうものがない。で、先ほどから大臣は閣議々々と言われまするから、最後にはそういうことで総理大臣が電気料金を幾らにすべきだということをきめて、これを指揮することがこの内閣法ではできるのか、この点をお伺いしたい。
#39
○国務大臣(野田卯一君) 内閣法の建前並びに国家行政組織法におきましては、閣議でそういうことは決定する。閣議においてどういうふうにして決定するかということにつきましては、これはまあ現在の内閣と或いは前の内閣といろいろやり方は違うかも知れませんが、私は閣議でよく相談をしまして、こういうふうにきめるというふうに、二人の大臣が主として発言されておりましても、他に十何人の有能なる大臣が揃つておられまして、勉強されておられますから、種々な角度から検討されまして、そうして全体の智能を持ち寄りまして、最後にはこういうふうにしたほうがいいじやないか、こういうことになつて最後に断が下りていつもきまつておるわけであります。今まででもそういうふうにきまつております。将来も必ずそういうふうにきまるのだと思います。
#40
○楠見義男君 ちよつと議事進行について。実は先ほど佐々木経済安定委員長から、或いは又永井君からいろいろ御質問になつており、それから又これに対する野田大臣の御答弁があつたわけでありますが、どうも質問なり或いは答弁のスタンド・ポイントと言いますか、立脚点が違うような気がするのです。例えばこの経済審議庁設置法案の提案の理由の説明で、これは我々のほうにも配付されておりますが、今、これからの経済は大変困難だ、そこで総合的見地に立つた目標を樹立し、これに基いて総合的経済政策を計画的に推進して行く必要があると考える。今回の経済安定本部の廃止に際しては、右の趣旨に基いて経済に関する重要な政策及び計画の企画立案及び総合調整を行う行政機関として新たに経済審議庁を設ける、こういうような提案理由になつておりますので、これを基礎にして佐々木委員長から或いは永井委員は御質疑せられておるのだろうと思うのです。ところが答弁のなには違うように思いますから、これは経済審議庁の提案理由をどなたが説明されたか私今は記憶はありませんが、もう一度この提案理由を説明して頂いて、その理由に基いて審議を、質疑をして頂きたいと思います。そばで聞いておりましてもどうも違うようなのだから、そういうようにお取計らい願いたいと思います。
#41
○委員長(河井彌八君) 只今楠見委員の御発議がありまして御尤もだと考えます。つきましては一応これは提案理由の説明は聞いたのでありまするが、もう一度改めて政府の説明を求めます。
#42
○奥むめお君 それに関連して如何でございましよう。これの提案の理由の御説明ということになりますと、今日安本のかたどなたか来ていらつしやるのでございましようか。機構として伺うよりも、その奥の背景についても聞こうとなれば、野田さんから伺うだけでは私たち欠けやせぬかと思つておりますから、両方お揃いのときに伺いたい。
#43
○委員長(河井彌八君) 奥さんにお答えします。たしか五月二十日に周東大臣から説明があつたと思います。今周東長官はちよつと用事があるから退出いたしまして、ほどなく帰つて来るということを申して出て行つたのであります。で今この席におられますのは安定本部総裁官房長の平井君がおられます。でありまするから、平井君からでも説明を聞いたらどうかと思いますが。
#44
○佐々木良作君 議事進行について。若しそうでありますならば、一つ政府のほうでもう一遍よく持合せしてもらわんと、話が出遅うから、打合せしてもらつて、提案理由をもつとはつきりと聞かせて頂きたいと思う。
#45
○国務大臣(野田卯一君) 今の点はこれは平井君では無理なんでありまして、国務大臣がやることになつております。又よく安本長官と打合せまして……。
#46
○委員長(河井彌八君) そうですか、それでは……。
#47
○永井純一郎君 只今楠見君からのお話もありますが、例えばこの提案理由を一応聞いて、で、こういう建前からこうこうこうだという、説明があつても、それを前提としてその範囲だけで質問をすればいいということには私はならんと思う。そういうことに対する質問が一つと、それから我々のように基本的に行政機構の問題としてこうしたらいいのだ、審議庁というものを一応認める前提に立つてのみの質問ではなくして、我が国の経済の状態なり、貿易の状態なりからいつて、提案理由とは全然逆な見地に立つての質問も当然あるのです。そういうことを前提にすることは一つもないとこう思うのであります。
#48
○松原一彦君 議事進行について、私も先日安本長官からこの説明を聞いて、誠に御尤もと思つてここにアンダーラインを引いているのですが、この御尤もと思つて聞いておつたことと野田さんの御説明は全く違うのです。で総合調整をするとかいうことにしましても、基本がなくしての調整のありようがない。基本計画という一つの基準があつて、これによつて各省からばらばらに出るものをば総合調整をしなくてはならん、その基本を立てる、これは審議庁だとばかり信じて私どもは今日までおりましたが、その基本は野田さんの御説明によるというと各省で立てるのである。その総合調整をするというのは單なる走り廻り役の世話人といつたようなことであるならば全然我我の今まで考えておつた審議庁の説明とは矛盾するのです。これは一つ政府のほうでもよくお打合せになつて、さような我々を惑わせるようなことでなしに一本の御説明を得たいと思う。で、これは今日は一つ審議を中止して、矛盾のない御説明のあるように希望します。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#49
○委員長(河井彌八君) 如何でしようか。一時休憩しようかとも考えておつたのですが、本日はこれで散会するのは惜しいと思いますが……。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(河井彌八君) 速記をつけて……。それでは諸君にお諮りいたします。本日はこれでとどめまして散会しようと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決定いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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