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1951/02/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 予算委員会 第6号
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1951/02/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 予算委員会 第6号

#1
第013回国会 予算委員会 第6号
昭和二十七年二月十九日(火曜日)
   午後一時四十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月十八日委員山田佐一君及び山崎恒
君辞任につき、その補欠として山本米
治君及び岩木哲夫君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           小林 政夫君
           石坂 豊一君
           杉山 昌作君
           佐多 忠隆君
           東   隆君
           木村禧八郎君
           岩間 正男君
   委員
           愛知 揆一君
          池田宇右衞門君
           泉山 三六君
           左藤 義詮君
           白波瀬米吉君
           杉原 荒太君
           中川 幸平君
           宮本 邦彦君
           岡本 愛祐君
           小野  哲君
           加藤 正人君
           楠見 義男君
           高良 とみ君
           新谷寅三郎君
           内村 清次君
           松永 義雄君
           松浦 清一君
           山田 節男君
           吉川末次郎君
           駒井 藤平君
           西田 隆男君
           深川タマヱ君
           堀木 鎌三君
  政府委員
   公益事業委員会
   事務総長    松田 太郎君
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   大蔵省主計局次
   長       東條 猛猪君
   経済安定本部総
   裁官房長    平井冨三郎君
   経済安定本部財
   政金融局長   阪田 泰二君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       野津高次郎君
   常任委員会專門
   員       長谷川喜作君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公聽会開会に関する件
○昭和二十七年度一般会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十七年度特別会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十七年度政府関係機関予算
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(小林政夫君) それではこれから開会いたします。
 本日は委員長所要のため私が代理を勤めます。先ず公聽会開催の件についてお諮りいたします。只今本委員会で審議中の昭和二十七年度総予算は、国会法第五十一條により公聽会を開くことになつております。つきましては本予算について三月四日、五日の両日公聽会を開くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(小林政夫君) 御異議ないと認めます。なお公述人の選定手続等については委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(小林政夫君) 御異議ないと認め、さよう取計らいます。
  ―――――――――――――
#5
○理事(小林政夫君) それでは日程に従いまして二十七年度日本経済の見通しについて安定本部の官房長平井君から事情を聽取します。
#6
○政府委員(平井冨三郎君) 昭和二十七年度の日本経済の見通しにつきまして大略御説明申上げます。資料が若干遅れておりまして恐縮でございますが、後ほど御配付いたしますから御了承を願いたいと思います。
 二十六年度におきまする生産、貿易その他の経済活動につきましては、すでにいろいろの機会において御説明申上げておるわけでありますが、二十七年度の経済見通しを申上げる前に若干主な経済事情につきまして御説明申上げておきます。昭和二十六年度におきまする鉱工業の生産指数は、朝鮮動乱の後を受けまして大体におきまして上昇をたどつて参りました。昨年の秋電力の異状渇水が二月程度ございましたけれども、その後電力状況は平年度に比しましていわゆる豊水でございまして、二十六年度中の生産の見込といたしましては二十五年度を一〇〇にいたしまして約二割八分程度の増加を見込んでおります。指数にいたしまして一二八・七というふうになつておるわけであります。農林、水産の生産につきましては、米の平年作程度の生産が若干影響いたしまして昨年に比しまして大体同様の指数であります。十一年の基準年次に対しまして九八・八、昨年二十五年度が九八・九、大体同様の数字でございます。物価につきましては、CPIにおきまして全部市が昭和二十六年度におきましては二十五年度に比しまして一九%の上昇に相成つております。東京の卸売物価指数でこれを見ますと約四割一分の上昇でございます。賃金につきましては、名目賃金についてこれを見ますると、昭和二十五年度を一〇〇にいたしまして約二割三分七厘という上昇でございます。国民所得は二十五年度の三兆五千八百五十一億に対しまして四兆六千五百六十億、約三割の上昇でございます。国際收支につきましては、昭和二十六年の受取が輸出、特需、貿易外の收入を含みまして二十四億ドルでございます。二十五年度の十六億ドルに対しまして五割二分の増加に相成つております。そのうち輸出につきましては二十五年度の九億二千万ドルに対しまして十三億九千万ドル、約五割一分の増加を示しております。これに対しまする支払勘定におきましては十八億五千二百万ドルでございまして、昨年度の十三億ドルに対しまして四割一分の増加に相成つております。この支払勘定のうちの輸入関係を見ますると、商業輸入のみでございまするが、昨年度が九億六千万ドルに対しまして十六億ドルの輸入を見ておる次第でございます。差引いたしまして受取勘定といたしましては昭和二十六年度においては五億八千万ドルでございます。こういうような経済循環を通じまして生活水準といたしましては、昭和二十六年度を通じまして大体昭和二十五年度と同様の水準にある、昭和二十五年度は九一十一年度に比べまして八二%であります。二十六年度も大体八二%程度の水準を維持し得るものと、かように考えております。
 昭和二十七年度の問題でございまするが、先ず当初申上げました鉱工業生産について見ますると、本年度の鉱工生産の基礎をなします電力の事情等から見まして、特に朝鮮動乱後急激に生産の殖えました時期と違いまして、いろいろな関係から昭和二十七年度における増加の割合は、二十六年度におきまする増加の割合ほど強い上昇の度合というものは当然困難であろうということで、只今の見通しにおきましては大体約九%程度の増を見込んでおるわけであります。これを基準年次に対しますると一四〇程度でございます。二十六年度に比しまして約九%程度を見込んでおります。
 主要物資について見ますると、石炭は本年度の四千五百五十万トン生産が見込まれました。これが四千九百万トン程度は可能であろうというふうに考えられております。電力につきましても需用端におきまして、本年度が三百四十億キロワット程度のものが約七・八%の増加は見込み得るのではないかというふうに考えている次第であります。特に鉱工業の生産につきましては本年度におきまする或いは日米経済協力というような問題が進展して参るわけでありますが、最大の課題は電力の増強を図るという点について、昭和二十七年度の鉱工業生産におきまする一番の問題があるのではないかというふうに考えられる次第であります。
 物価につきましては最近の状況は御承知のように加工的なものは横ばいを続けているわけでありますが、基礎的な物資の値上りもございますし、大体昭和二十六年度に対しましては横ばい程度を予想いたしましてこれに若干の上昇の点を附け加えまして、昭和二十六年度を一〇〇にいたしまして大体約CPIにいたしまして四%程度の増加を来たすのではなかろうか。卸売物価指数につきましても最近の横ばい状況からいたしまして大体昭和二十六年度の線を横にはつて行くというふうに考えております。
 次に賃金でございますが、生産の上昇等に伴いまして又一般的な物価が若干ながら横ばいとは申せ若干まあ上昇するというような気運にございまするし、大体生産の伸びと同様な約一〇%程度は名目賃金として上昇し得るのではないか、かように見込んでおります。こういうような生産なり物価なり、あとで申上げます貿易の関係等を見込みまして国民所得といたしましては、二十六年度の四兆六千億に対しまして、五兆三百四十億程度を見込んでおるわけであります。前年二十六年度の国民所得に対しまして約八%の増加でございます。雇用につきましては昭和二十六年度に対しまして大体横すべりの状況ではなかろうか、生産は若干上昇いたしますが、それはむしろ労働の生産性の向上という点にまあ多く支払われるのではなかろうか、併し若干ながら雇用としては増加いたすのであります。昭和二十六年度の雇用数の千四百四十六万に対しまして、千四百六十三万、約二十万程度の雇用増を見込んでおります。
 国際收支でございますが、現在の見通しにおきましては、受取勘定といたしまして二十三億八千万ドルを受取勘定に見込んでおります。輸出の関係におきましては十六億ドルでございまして、前年度に比較いたしまして約一六%の増加を見込んでおります。支払勘定につきましては二十二億八千万ドルでございまして、前年度に比較いたしまして約二三%の増を見込んでおります。そのうち輸入が前年度が十六億ドルに対しまして二十一億ドルというものを見込んでいるわけであります。前年度に比較いたしまして約二七%増の輸入を見込んでおります。差引いたしまして約九千七百万ドル、約一億ドルの受取勘定という予想をいたしているわけでございます。
 かような状況を通じまして生活水準といたしましては、昭和二十七年度におきましては物価の関係の横ばいの状況、生産、貿易の上昇等を見込みまして若干上昇し得るのではないか、かように考えている次第であります。非常に大まかな説明でございますが、以上これで。
#7
○理事(小林政夫君) 御質疑はございませんか。
#8
○木村禧八郎君 大体御説明は伺いましたが、前提條件として一つ伺いたいのがあるのですが、それは国際経済の影響をどういうふうに考えたかということが一つ。それからもう一つはこの二十七年度予算を実施した結果どういう影響が現れるか。特に物価なんかについてこの点第二。第三は先ほどお話がありましたが、いわゆる日米経済協力これはどういう形をとつて来るかわかりませんが、最近新聞を見ますと兵器増産が中心になつて来ますね。アメリカの国防生産の一環に日本が組み入れられてそういうものが中心になつて来る、この三つです。この三つをどういうふうにお考えになつてそうして今御説明になつたようなこういう見通しになつているか伺いたいのです。
#9
○政府委員(平井冨三郎君) 第一の国際経済の見方でございますが、私どもの昭和二十七年度におきまする国際的な政治情勢というものは大体現状のような環境において推移をいたすということを前提にいたしております。従いまして国際的な経済関係につきましても、大体現状のような推移を以て進んで行くのではないか、かように考えられる次第であります。なおこれに関連いたしまして世界的な基礎物資等につきましては、その入手或いはその使用につきまして必要な措置をとることは勿論でありまするが、大体におきまする先ほど申しました大量的な輸入の物資につきましては、現在のところ大体計画通りの輸入も可能であろう、又輸出も可能であろう、かような考えでおります。
 予算の関係でありまするが、予算を実施いたしました際におけるこれが物価に対する影響でございますが、本年度の予算を通じましても大体收支均衡の原則を貫いておりますし、又金融関係を含めました全体的な資金の需給の見通しにおきましても、大きな払超を予定いたしておりませんので、大体物価に対しまして予算の面から大きな影響が来るということは考えられておりません。
 それから日米経済協力の関係でございまするが、日米経済協力はこれは安本長官の経済演説にもございましたように、アメリカその他の民主主義国家との経済協力こういう線を進めて行くわけであります。現在の日米経済協力の段階といたしましては特需の発注という点が具体的に起つているわけであります。今後の問題といたしまして、いわゆる素材的なものから逐次生産品的な発注に移つて行くことも予想されまするし、又日本の経済から申しましても、素材よりはむしろ機械類の形においてアメリカその他の諸国に協力して行くということが、必要であり、又適当であろうかと考えられる次第であります。この日米経済協力の進展が国民生活にどう響いて来るかこういう御質問の御趣旨かと存じまするが、現在のところ日米経済協力によつて国民の生活水準が低下しているというふうには考えておりませんし、又この二十七年度において見通されておりまずる国際收支において、予定いたされました貿易外收入等の程度において生活水準を圧迫して参るということは先ず考えられないのではないか、かように考えておる次第であります。
#10
○木村禧八郎君 なんですか、ばかにお座なりな答弁でしたが、国際物価も保合い、国内物価も保合い、そうして生活水準も下らないこういう話でしたが、随分杜撰な前提でお作りになつたと思うのですが、先ず第一に私もう一つ突込んで伺いたいのは、今度の予算が均衡予算であると言いますが、そうですか。それは実際には交付公債八百八十億も出るのですからこれを含めて考えれば必ずしも均衡予算とは言われない。もう一つはこの仮に均衡がとれても、不生産支出が非常に大きいことは御承知の通りですが、いわゆる防衛費千八百二十億も出るのですから、それでそれが全然影響がないということもおかしいと思うのです。ですからこの予算を実行した結果、どういう影響があるかということは、もう少しこれはもつと検討される必要があると思うのです。私は恐らくこの予算を実行した結果どうなるかということはちつとも考えていないんじやないかと思います。こういう推定が、どうしてもこの予算を実行したらどうなるかという影響も一つ盛り込み、どうしてもそれを織込まなければならない。それは今の御答弁では余りにお座なりですからもう少しこれを突込んで聞きたいのです。やつてなければ、そういう作業をやつてもらいたいと思うのです。
 それからもう一つ。これは私は、生活水準が日米経済協力によつて低下していないということの今のお話では、これは余り子供だましみたいな御説明です。朝鮮動乱一カ年後生活水準は五%下つているんじやないんですか、安本の調査によつても、はつきり出ているんじやないですか。それだのに下らないというのは私はおかしいと思いますし、それから今拝見しました二十七年度のこの生活水準についても、これは昭和九―十年の生活水準、これを一〇〇として八四%です。最初前に三カ年計画を立てられたときは二十六年度を戦前の八五%としたはずであります。それよりもまあこれは却つて二十七年度は下つている、下つたその水準に持つて行くことになつているわけです、朝鮮動乱の影響を見ても生活水準は下つておりますから。なるほど計算は殖えました、殖えましたけれども生活水準は下つているんです。今のお話によると日米経済協力をこれから積極的にやりますと、生産は殖えるかも知れないけれども生活水準は更に下るんじやないか、現に下るというような作業になつておる。それでも生活水準が上るということが言えるかどうか。特に二十六年度、これは八二%となつておりますから、周東安本長官は生活水準を下げないようにするということをあれほど強調したのに、最初の作業八五%が八二%になる。これは私は重大な問題だと思うのですが、その三点ですね。この予算の実行の結果と、それからそれが実質的には均衡予算ではないんですから物価に相当私は影響を及ぼすと思うんですが、その点を生活水準の今の問題です。これはむしろ現在より私は下ると思う、上りつこないと思う、常識から考えたつて上りつこないんです。
 そこで最後にお伺いしたいのは、若しも上げるように持つて来るには、恐らくアメリカからの何か借金を前提にしているんじやないか、外資導入というもの、外資どいうものを前提にしてこういうものを立つているのではないかと思うのです。その外資の関係はどうなつておるか。アメリカから来年度は全然援助を受けないでやつて行くのかどうか、それで援助を受けないでこういうような作業をされているのかどうか、援助なしの作業であるかどうか、この点一つ伺いたい。
#11
○政府委員(平井冨三郎君) 予算の点につきましてはいろいろ御意見も出るところかと存じますが、私どもといたしましても三十七年度の経済見通しを立てるに当りまして、今年度の予算の実施につきまして十分検討いたした次第であります。結論といたしまして全体として資金の需給というものが全体的に均衡がとれておるか。こういう点におきまして又国内費的なものにつきまして、講和関係費のために非常に削減を行なつたということも現実にないわけであります。従いましてその面から非常に国民生活が圧迫されるということは考えられておりません。
 それから日米経済協力をやつたために、殊に朝鮮動乱後の結果によつて国民生活が低下したではないか、こういうお話でございますが、朝鮮動乱が勃発いたしました以後、国際的ないろいろな物価の値上りによつて国内の物価も上昇したという点から、国民生活が朝鮮動乱勃発後一時低下いたしたことは事実であります。併しながらその朝鮮動乱後の日本経済における変動ということがすでに逐次平常化されているわけであります。そのために今後も国民生活が逐次低下して行くんだというふうには考えられないわけであります。勿論日米経済協力を推進して参る際に当りましても、国民生活との調整
 という問題については十分意を用いて行く方針でありまして、そのために非常な国民生活に或いは低下を来す、或
 いは非常に障害を與えるということのないように日米経済協力を推進して参りたい、かように考えているわけであります。で、特需を請負つたがために非常な国民の生活水準が落ちている、こういうことはむしろあの朝鮮動乱勃発による世界的な経済の余波を受けたわけであります。必ずしも特需を請負つたがためになつたということでもないんではないかというふうに考えられます。自立経済におきましては、大体都市生活者について平均化しまして八三程度と記憶いたしている次第であります。生産が殖えまして国民生活の水準が比較的に上らなかつたということにつきましては、いろいろな見方もあるわけでありますが、一つは動乱後の日本の各企業における蓄積に相当金が廻つたのではないか、工場の、整備、合理化その他資本の充実に金が廻つたんではあるまいかということであります。これは長い目で見ますれば日本の経済の堅実化に、非常に役立つているのではないか、かように考えております。
#12
○木村禧八郎君 まあこれは議論はや場めることにしまして、只今の伺いましたのは二十七年度の経済の見通しでありましたが、このほかに安本としては前にまあ自立経済三カ年計画というものを立てたのですが、今度その講和後の日本経済何ヵ年計画とかいうような作業ですね、二十七年だけでなくいわゆる自立経済計画ですか、そういうものがあつたら資料として出して頂きたいんですが、恐らくそういうものがなきやならないはずでありまして、その一環としての二十七年度の予算だろうと思う。若しありましたらそれを出して頂きたい。
#13
○政府委員(平井冨三郎君) 最近の経済状況に照し合わしまして、前回設定いたしました自立三カ年計画、これに続くもの、或いは自立計画の内容を検討いたしまして新らしい形に持つて行くということは私どもとしても考えておる次第であります。まだいろいろな点において検討中ではございますが、当面の問題といたしまして、電力の拡充計画を如何にして遂行するかという点に関連いたしまして、電力の拡充のもとをどういたすか、それには大体生産の規模をどの程度に置くべきか、又目標として置くべきかというような点について検討をいたした次第であります。それによりまして大体現在の未稼働設備等によつて、これは勿論一部補修を含む分はありますが、それによりますれば大体二〇〇程度の生産は可能であろうと、こういうまあ前提に立ちまして電力の需用をはじき、それによつて拡充計画を立てておるわけであります。それに関連いたしまして、当然その場合における生産或いは貿易或いは国民生活水準というような点につきまして検討を行うわけでありますが、現在いろいろとそれらの点について検討を重ねておる次第でございまして、経済循環全体といたしまして例えば昭和三十年度においてこういう姿になると、こういうことをまだ申上げる段階に至つておらないわけでありまして、私どもといたしまして検討は開始いたしております。
#14
○木村禧八郎君 最近新聞に載つているところによりますと、アメリカからいろいろ調査団が来まして、その結果又鉄鋼とかその他の重要物資の輸出余力とか、或いは又生産水準の限度、こういうものを調べているのですが、そういうような結果、又更に今度前にされたよりも重要産業において生産水準を引上げられるというようなことがあるかどうか。
 それからもう一つ、これは最近工作機械の調査団が来ているのですが、あの調査団は賠償指定になつている工作機械などをアメリカへ持つて行くやに聞いているのですがそういうことになるのかどうか。この工作機械調査団の、最近来られていろいろ調査されておりますが、その関係もあなたのほうでわかる限度において伺いたいと思うのです。
#15
○政府委員(平井冨三郎君) 今後の経済協力の進展に伴つて只今見通されておる生産に非常な影響が来るんじやないかと、そういう虞れは、或いはそういう可能性はないか、こういう御質問でございますが、私どもといたしましてはこれに大きな変更はあるまいと、大体この線で昭和二十七年度は推移をいたすものというふうに考えておる次第であります。
 それから工作機械の調査団でありますが、これは日本の工作機械等の調査に参つておると、こういうことでありまして、まだその使命の内容につきまして、調査団といたしましてもただ調査することの使命を受けておるだけだと、こういうことでございまして、只今のような話を公式に聞いていることはございません。
#16
○佐多忠隆君 先ほどの御説明、鉱工業生産指数の問題でありますが、九―十一年を一〇〇とした指数というと、三十六年度は一二八・七というような御報告でしたが、私たちがこの予算専門員室の調べとしてもらつているところによりますと、最近の見通し、安本の調べでは、一二八・七が補正されて一三八と、或いはものと正確に最近の見通しとしては一三六・七というような見通しになつているというような資料を頂いているのですが、それはそういうことになつているのかどうか。
#17
○政府委員(平井冨三郎君) 只今申しました数字は、昭和九―十一年を一〇〇にいたしました指数でございます。それから従来七―十一年でございましたか、その指数が出ておりますが、それとの違いかと思いますが、手許にちよつとございませんのでわかりません。その基準年次の違いではないかと思います。
#18
○佐多忠隆君 これはこつちの専門員のほうの間違いなのか、専門員のほうの指数は七―十一年を一〇〇として当「初の見通しは一二八・七だつたが最近一三六に上つたというような数字になつております。これはそういうふうにお変えになつたようなことはないのですか、最近の電力の事情その他の実績で。
#19
○政府委員(平井冨三郎君) その数字は基準年次の違いのようであります。そういたしますと、七―十一年にいたしますと一三六……。
#20
○佐多忠隆君 それから先ほど国際情勢をどう見るかという木村委員の質問に対して、現状のまま推移する、従つて物価その他は大体横ばいの状態であるというようなふうに御答弁になつているのでありますが、国際情勢の現状のままの推移というのは、例えば第三次世界大戦とか或いは朝鮮動乱を契機とした全面戦争への展開等々のことがなくて、現在のままで情勢が推移するというような御判断であればその通りだと思うのですが、併しそういう意味で現状のまま推移するにしても、今後の国際経済特に物価の問題等々から考えれば、アメリカの軍備拡張その他を中心にして相当インフレ的な事情が出て来るのではないか。そうだとすれば物価はむしろ現状のまま推移するというふうに考えるよりも、相当上るというふうにも世界的には、少くとも特にアメリカあたりでは若干上昇すると考えなければならないだろうし、それを日本が受ける場合に、この間の経験からするともつとそこらあたり日本は幅を広く受けて相当な物価上昇ということも経験しなければならんではないかというような感じもするのですが、それらの点においてははつきりと御検討になつたのかどうか。
#21
○政府委員(平井冨三郎君) 今後の世界情勢の推移によりまして、日本経済に対する影響ということはいろいろ愼重に検討をいたした次第でありまするが、大体におきまして現在の貿易の状況その他から見まして、現在計画或いは見通しと申しますか、見通しを立てる上におきまして強含みの横ばいという程度が妥当であろうとかように考えております。
#22
○佐多忠隆君 この国内への影響の問題を別にして、そうすると世界的にも、更にはアメリカにおいても物価の上昇はないものと、現在計画されておるようないろいろな軍拡が本格化した場合にも、物価の騰貴はないものであるというふうに御判定になつておるのかどうか。
#23
○政府委員(平井冨三郎君) 日本の物価水準に非常に大きな影響を與えるような物価騰貴がアメリカにおいて起るというふうには考えておりません。軍拡の進行によりまして世界各地ともそれぞれ又インフレに対する抑止策等も講ぜられているような状況でございまして、朝鮮動乱直後におきまするような大きな変動が起つて来る、こういうことを前提としていろいろな見通し、対策を立てて行くことも如何かと、かように考えております。
#24
○佐多忠隆君 その点については相当議論があると思いますが議論はやめにしたいと思いますので、一応その問題はそのままにしておきますが、第二点は、やつぱりこれも木村委員から問題にされました二十七年度予算を実施した結果どうなるかという影響の問題でありますが、これも收支均衡がとれておるので大体そう大した予算の影響としての物価上昇はないだろうというようなお話であつたと思うのですが、その点について一つはつきりしておいて頂きたいのは、大蔵省の数字によりますと、国庫金対民間収支の数字は、二十二年五百九十二億の撒超、二十三年二百十三億の撒超、二十四年が振り返りまして、二百六億の揚超、二十五年が四百五十九億の揚超になつております。二十六年の実績見通しをどういうふうにお考えになつておるかという点が第一、それから先ずお聞きいたしたいと思います。
#25
○政府委員(平井冨三郎君) 昭和二十六年度におきましては、実際の政府資金対民間収支といたしましては、とんとんに近い実績になるのではないかというふうに考えております。
#26
○佐多忠隆君 二十六年度の実績ですよ。これは理財局から頂いた資料でその点がよくわからないもので実はお尋ねしておるのですけれども。
#27
○政府委員(東條猛猪君) 便宜私からお答え申上げます。この点につきましては、財政法第二十八條によりまするところの予算の参考書類といたしまして、お手許で御覧を頂いておりまする。書類にも掲載をいたしておいたのでございまするが、安定本部から今御説明がございましたように、実質的には国庫金対民間収支においてはほぼとんとんと考えております。御承知のように対民間収支は日本銀行関係を拔いて算定いたしておりまするし、御承知のように昨年の十一月一月から日銀のニーザンスの乙種の分を貿手の金融のほうに切替えております。その切替えが行われましたに伴いまして国庫の引揚増が約八百十億となつております。その関係で一応安定本部からお手許に差出してあります資料には、そういう技術的の関係を調整をいたしまして、八百四十五億というところの揚超という数字が出ておるんではなかろうかと思うのでございまするが、只今申上げましたように乙種ユーザンスの関係を従来通りの国庫対民間収支の関係というふうに考慮いたしますれば、八百四十五億が三十五億程度に減りまして、只今安定本部から御答弁がありましたようにほぼとんとん、こういうのが昭和二十六年度の国庫対民間收支の見通しになつております。
#28
○佐多忠隆君 その点更にどうも疑問でありますが、その数字の問題は大蔵省の場合に奥にお尋ねしたいのですが、どうも数字としてはむしろやはり三十六年度も、二十四年度、二十五年度と同じように揚超になるんじやないかという気がするのですが、仮に揚超になつたとすれば、昭和二十五年度、二十六年度あたりは揚超であるにもかかわらず相当に物価騰貴を来たしている。例えば二十六年度で仮に揚超でなくてとんとんであつたとしても、今お示しのように二十六年度一年間に相当な物価騰貴を来たしておる。従つて二十七年度に仮に数字がとんとんになるとしてもそのことからすぐに物価騰貴はないだろうというような結論にはならないのじやないか。過去一、二年の結果を考えてみるのに、そういう結論は出ないんじやないかということが考えられるし、さらにはその問題を内容的に言えば、さき木村委員がおつしやつたように数字としてはとんとんになつていても、消費の内容から考えてそれが非常にインフレ的なものを含んでおるが故に、相当な物価騰貴を結果するんじやないかというようなご意見も出て来るわけだと思うので、それらの問題を安定本部としてはどういうふうに御検討になりどう判定しておられるかという点をもう少しお聞きしたい。
#29
○政府委員(平井冨三郎君) インフレの問題につきまして、予算の実施もこれも非常に大きな問題でありますし、同時に一般の資金の需給の見通しもどうなるか、総合的な資金の需給がどうなるかというところに現実の問題としてはかかつて来るであろうと思うのであります。従来は予算の面におきまして揚超でありますが、片方日銀から金を出しておつた、或いはユーザンスのほうへ金が出て行つたこういうことが実際であつたかと思うのであります。来年度におきましては、全体の総合資金需給におきまして若干の払超程度でありまして、全体的の総合資金といたしましては大体とんとんになるというふうに考えております。併し又講和関係費が或る程度増額いたされたことはこれは勿論事実でありまするが、それに対応いたしまする政策につきましても、或いは貿易規模につきましても、経済規模全体も先ほど申上げましたように上昇しておるわけであります。その他講和関係費の増額ということが直接物価に響くということなしに吸收されて行くんではないかというふうに考えておるのであります。
#30
○木村禧八郎君 ちよつと来年度の国庫対民間收支、大体とんとんで、若干の支払超過程度だというお話ですがね、見返り資金においてはどの程度支払超過になるか、見返り資金が支出超過になるはずだと思う。その額はどのくらいお見込になつておるんですか。
#31
○政府委員(平井冨三郎君) 只今詳しい表がございませんので、結論だけ申しますと、見返り資金は約百六十五億撒超であります。預金部資金のほうがその尻を拭いまして大体預金部資金、見返り資金通じましては、とんとんになる、ういう仕組になつております。
#32
○木村禧八郎君 見返り資金が百何億ですか。四百いくらになるんじやないですか。支払超過四百五十億ぐらいじやないですか。
#33
○政府委員(平井冨三郎君) 私の今申上げた数字は間違いであります。四百何十億であります。それと預金部資金を併せまして全体としてはとんとんに
 いたすような仕組になつております。
#34
○木村禧八郎君 預金部資金と併せてとんとんにするという意味は具体的にどういうことですか。
#35
○政府委員(平井冨三郎君) ちよつと資料がありませんので少し間違つた数字になるかも知れませんが、預金部資金のほうは預金の増加というものを見込みまして、見返資金で撤超になりました分を預金部で受ける、全部を預金の増加で賄う、こういうことを当初からそういう計画にいたすことは如何かということで、昨年度と違いまして金融債の引受け三百億は一応預金の増加と見合つてから考慮する、こういういろいろな操作もございまして、預金の増加と一部預金部資金の使途につきまして調整を行いまして、全体的の資金尻としてはとんとんに相成るというようになつております。
#36
○木村禧八郎君 三百億の金融債引受けをするはずであつたがそれを一応見合わして、最初の計画よりも更に三百億預金が殖えたら引受けるということ
 にする、こういうお話しですが、更にでは預金が計画よりも殖えない場合には金融債というものは引受けない、そういうことにして見返り資金のほうの支払超過を調整するということなんですか。金融債の引受けは全然やらないのですか、二十七年度は。
#37
○政府委員(平井冨三郎君) これは只今申上げましたように預金の吸收につきましては、金利の引上でありますとかいろいろな手を打つておるわけであります。現実に預金部の預金というものは相当増加するであろう、或いはその他一般の一般会計における收入の状況もございましようし、或いは又そのときの一般的の資金の需要、或いは供給の状況から見まして、必要に応じて金融債を預金部において引受けるということを考慮いたしておるのであります。一応預金部の現在立つております運用計画からは預金部で引受ける国債三百億というのが昨年度と違つておる点でありますが、今後の預金増強の措置等と見合つて、必要に応じて金融債を預金部で引受けるというような考え方であります。
#38
○木村禧八郎君 そうしますと我々に提出された資料、預金部資金の運用計画、それから見返り資金の運用計画、この点についてはとんとんになつて行くわけですね。それはこの計画においては金融債三百億は引受けないという前提に立つておるわけですね。それプラス、その三百億の仮に預金の増加があつたら引受けるこういうことなんですか。
#39
○政府委員(平井冨三郎君) 預金部で金融債を引受けます際には、資金の全体的な均衡を維持いたすという建前で、それが例えば預金部におきまする預金の増加ということが一番有力な原因でありまして、そういうような状況を見まして預金部における金融債の引受を実施して行きたい、一応現在の運用計画としてはこういうふうに考えております。
#40
○木村禧八郎君 そこがどうもあいまいですね。一応さつき説明用としてはその国庫対民間收支がとんとんでバランスがとれておるというようにしないと来年はインフレ的にならないという説明がつかないので計数的にはそうなつておると思うのですが、今お話を聞くと金融債を預金部で引受けないというのか、引受けるというのか、それがはつきりしないのです。それで今後は実際を見なければわからないだろうけれども、あとになつてから我々がほら実質的に計画よりも預金が殖えないのに金融債を引受けたではないかこういうことになると支払超過になるのですね。支払超過になるのですよ。併しあとで指摘してみてもこれは又始まらないわけなんですが、どうもそこのところがあいまいになつておると思うのです。実際は支払超過になつておるのではないですか。そこのところを。
#41
○政府委員(東條猛猪君) 予算の收支の関係と対民間收支の関係と多少入り組んだ点がございますので、私から便宜補足的に御説明申上げますが、私どもからお手許へ差上げました昭和二十七年度予算の説明という印刷物を御覧頂いたのでありまするが、それの二十四頁に資金運用部特別会計と、いわゆる見返り資金特別会計との收支の関係が掲げてありますが、それで見返り資金特別会計におきましては先ほど来お話の出ておりまするように二十七年度におきましては支払超過になります。と申しまするのはごの二十四頁から二十五頁にかけて掲げてございまするように、見返り資金特別会計の歳出の総額と歳入のほうとは勿論七百億で見合つておるのでありまするが、その歳入の分におきまして国債の売却三百億というのを掲げてございます。その意味におきまして対民間收支の関係を暫らく離れて申上げまするが、收支計画全体におきましてここに三百億の、この会計だけを切り離して考えますれば支払超過に相成ります。併しながらこの国債売却の三百億はその前の資金運用部特別会計の国債買入、運用の面の六番に国債買入というのが挙げてございますがこの三百億と見合つているわけであります。従いまして收支計画全体といたしますると、この対日援助見返り資金におきましては收支のいわば赤は預金部の黒によつて消されている。現状におきましては我々といたしましてはこれは預託金の増加千五百五億という原資の蓄積は可能であるという見通しを持つておるのであります。この現在の見通し以上に更に三百億殖えなければ赤字になるのではないか、インフレになるのではないかということは、さように相成つて参らないというふうに存じております。
 それから先ほど見返り資金特別会計におきまして四百五十八億の赤字になる、支払超過になるということを申上げましたい実は、この收支計画は御承知のように必ずしも対民間收支だけには限定せられないのであります。そこでこのうちから国庫と対民間の関係だけをしぼつてみますると、見返り資金におきましては四百五十八億の支払超過に相成ります。相成りまするが、今度はその観点から見ましてこの国庫対民間の関係を広く一般会計、特別会計、外資特別会計、資金運用部の資金とい百うのを又別に対民間だけを切り離してみればどうなるかということをしぼつて計算をいたしてみますると、この見返り資金四百五十八億の撒布超過を消しまして、一般、特別、資金運用部併せますれば收支とんとんになるということになります。この資料はすでにお手許に予算委員会の要求資料として御配付申上げてあると、かように承知いたしております。
#42
○木村禧八郎君 その説明はわかつたんですが、今の資金運用部の運用計画の中の国債三百億買入、ところが金融債はゼロになつているわけですね。この計画で金融債は全然引受けないというような話ではないわけなんです。ですから金融債をここで引受けるとすると、この国債三百億買入れましたけれども、この国債を又どつかに売るか、或いは又その原資蓄積を新たに殖すか何かしなければそれが支払超過になるのじやないですか。そこのところなんですよ。
#43
○政府委員(東條猛猪君) お答え申上げます政府の現在の資金運用部特別会計の資金の運用におきましては、今お手許で御覧願つておりまするように、金融債については適用を考えないということで計画を組んでおるわけでございます。お説の通りにこのほかに更に金融債を何巨億か引受けたい、又引受けるのが適当であるという方針を立てまするならば、お話のように、若しこの原資がこれ以上伸びないということであるならばお話のごとき結果になろうと思います。
#44
○佐多忠隆君 なおさつきの問題ですが、今その国庫対民間收支の差額の問題としてはつきりなつたことは、外為の操作の問題を除かなければ、去年は八百四十五億の揚超になつておる。それからその前年度二十五年度もさつき申上げましたように四百五十九億の揚超になつておる。そういうふうに揚超になつているにかかわらず、二十五年度も二十六年度も物価は騰貴している。で、それを八百四十五億の揚超は外為の操作の問題があつたからそうなつたのだとおつしやるので、それならその数字を引いたものは先ほどのお話のように三十五億の揚超になる。三十五億の揚超があるにかかわらず、仮に外為の計算を除いて、三十五億の揚超だけとしても、それだけの揚超があつたにかかわらずなお且つ物価は相当上つている。そうだとすれば、仮に收支が二十七年度にとんとんになつている、或いは正確に言えば二十億の撒布超過とお見通しになつておるようですが、こういう状況であれば、これは收支がとんとんになつているから物価には何ら影響がないのだという結論は、二十五年度、二十六年度の実績から見れば出て来ないはずなんだが、それにもかかわらず、二十五年度なり二十六年度に比べてあのときはああだつたけれども、二十七年度こそはそういうことがないのだという結論はどこからお出しになつているのか、その点がはつきりしないので更にお答えを願いたい。
#45
○政府委員(平井冨三郎君) 昭和三十六年度が外為関係を含めまして大体收支とんとんであります。来年度の予算の実施に当つても收支がとんとんであります。清和関係費の増額という点を考えても、これがために内政費において非常な穴ができたという事実もございません。全体の資金計画といたしまして、若干の払超、こういう程度であります。一方、生産なり貿易なりの経済規模自体も約一割程度は上昇するわけであります。直ちにこのことが物価に直接に影響を持つて来る、こういうふうには只今考えておりません。
#46
○佐多忠隆君 いや、私のお聞きしているのは去年、例えば二十六年度は牧支の均衡が取れていたにかかわらず、今お話の資料によりますと、CPIで一九%、卸売物価指数で四一%の騰貴をしている。そこで同じことを考えれば、二十七年度も仮に資金の需給は收支とんとんになつても、なお且つ物価騰貴を避けられないという問題が出て来るのじやないか。それに対するお答えが何らないじやないかということをお聞きしているわけなんです。で、それに対してはお答えらしいものは、いや来年は増産も行われるのたから、相当生産も上るのだからその心配はないのだとおつしやるけれども、生産が上つた面から言えば昨年度のほうが遥かに生産は上つている。今おつしやつたように、二八%とか三〇%とかいうような程度、去年一年間は上つておる、生産が。で、来年度は一割程度、一割弱しか上らないというようなお話なんだから、生産が殖えるから物価は上らないのだというような議論は少くとも去年、一昨年の実績から判断する限りは出て来ないわけです。こういうふうに見るのです。それにもかかわらずなお且つ物価は抑えられるのたとおつしやるとすれば、何か別途な非常な強力な対策なり何なりが別途来年度新しく出て来てそれだから今までの失敗は繰返さないのだという御意見がなければならないと思うのですが、その点はどうですか。
#47
○政府委員(平井冨三郎君) 私の申上げましたのは、予算の実施なりそういう面からインフレは起つて来ないという点を申上げた次第であります。昨年度物価が上昇いたしましたのは、国内の予算の実施の仕方より、むしろ朝鮮の動乱を契機といたしまする世界的な買漁りに基く物価の変動ということの影響が多かつたのじやないかというふうに考えておる次第であります。
#48
○佐多忠隆君 朝鮮動乱直後の問題はそうでありましようが、昨年一カ年をとつてみる場合は、世界物価水準も今おつしやつたようには私は上つていないのじやないか、正確な資料は今手許に持つておりませんが、正確には更に数字を見てから申上げたいと思います。今お話のことが朝鮮動乱直後のことをおつしやつておるのならば当りましようけれども、少くとも二十六年度のこと、特に二十六年四月以降のことをおつしやつておるのであれば、全然当らないのじやないかとこう思う。併しそれらの点は議論になりますので、これ以上述べませんが、ただ私たちがどうも今の御説明で納得行かないのは、予算の面から見ても、世界情勢の判断の問題から見ても物価に対する認識、物価が現状のままで推移するということに対する説明としては少しも納得が行かないので、もう一遍改めて今問題を提起したような問題と関連しながらもう少し正確な詳しい御説明を是非煩わしたい。別な機会でも結構だと思いますが一つ要望しておきたい。
 それから次の問題になりますが、今いろいろ官房長からお話を伺つたのですが、その今お話を伺つた程度のことは、実は安本長官の本会議における経済演説で大体伺つたことでありますので、我々がここで改めて事務当局に是非お聞きしたいのは、今おつしやつたような項目に対する内容の問題のことを具体的に資料で詳しくお示しを願つて御説明願いたい。そういう意味で事務的な報告の補足説明をお願いしたいということを言つておるわけなんです。そういう説明としてもう少し説明をお願いしなければならんと思うのですが、一般的に言つてもはつきりしないと思いますので、特に三、三の項目についてお願いをいたしますと、安本長官の経済演説の中で、いろいろお述べになつた結果、こういうようなことを言われた。経済の運営に当り、自由経済の基盤の上に重要物資の需給の適合、資金の調整、輸出入の調整等について総合的且つ計画的な施策を講ずることであります、というようなまあお話があつた。そこでここで考えられておる、重要物資の需給の適合、或いは資金の調整、輸出入の調整等についての総合的な、計画的な施策なるものをもつと具体的に、内容的に事務当局的に一つ資料についてお示し願つて御説明を願いたい、こういうことを希望しておるわけなんですが、そいつを一つお願いしたい。或いは一番重要な、御説明になつた今後の日米経済協力の問題でありますが、その問題については、例えばアメリカの国防生産の進展に伴い供給の不足する緊要物資について我が国からの輸出を増加することであります、例えば鉄鋼アルミ等の米国において特に不足しておる物資につきましては、原材料の輸入が確保されれば、相当この輸出力が存するものであります、又機械類等につきましても輸出を増進したいと存じます、等々のようなことを挙げております。或いは東南アジア諸国の開発に対する協力についても文句だけは一応おつしやつておるので、それらの点をもつと数字的に具体的に事務当局の案なり構想なりをお聞きしたい。その説明を是非一つお願いしたい、こういうふうに思うわけであります。
#49
○政府委員(平井冨三郎君) 日米経済協力の、或いは東南アジア開発の問題につきまして、具体的な例について明をしろとこういうお話でございます。現在日米経済協力につきましては特需という形において行われているわけであります。今後の日本の経済の自立という点から申しまして、これをまあ国際收支の面から見ましても、日本のドル收入を安定化して行く、こういうことが先ず第一に考えられなければならん点であろうかと思うのであります。現在安本長官の演説におきまして、鉄鉱その他についても十分の余力がある、こういうことでありますが、例えば鉄について考えてみますれば、現在の生産が約四百六十万トン程度であります。ポンド地域その他全地域に対しまする輸出が大体八、九十万トンの輸出をいたしております。内需が大体三百万トン程度あれば十分でございます。最近の内需の状況は御承知のようにむしろ荷もだれぎみでありましてストツクだけ考えましても二月分以上のストツクを持つ、こういう状況でございますし、その間鉄鉱につきましてアメリカに対して相当の余力は持つておる、こういうことで御説明申上げたかと思います。そういうふうにアメリカに対する協力ということが同時に日本のドル收入を安定化して行く、こういう面から見ますれば、是非ともこれはその線を強く進めて参らなければならんのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。各物資につきましていろいろそういう問題がございますが、ここで私どもとしてそういう線を全面的に進めて参りますには、やはり電力の問題を解決する必要があるのではないか、こういう点を国内的な問題としては一番重点に考えておるわけであります。そういう点が解決して参りますれば、或いは肥料にいたしましても、そういうようなものにつきましても東南アジア地域に対して相当の輸出の余力が出て参るというふうに考えておる次第であります。で先ほど冒頭において申上げましたように、日米経済協力は單に基礎材を輸出するということでなく、できれば成るべく製品的なものでドルの收入を有利な形にして参ることが日本のためにも必要かと考えられますので、そういう面におきまして日本の機械工業なんかが又そういう線を通じて近代化して行くチヤンスも又あるわけでありまして、そういう方向に進んで参りたいと考えておる次第であります。ただこういう問題は一応註文といたしましてはいわゆるコマーシヤル・ベースの線に乗つておるわけであります。日本側としてこういう計画を立ててこれで行くのだということではなく、これはやはりアメリカ政府なり或いはアメリカの業界なりの註文に基いて行なつて行く筋合いのものでございますので、そういう点でいわゆる何々計画という形においてお示しすることは困難ではないかと思います。又東南アジアの問題にいたしましても、ドル圏からの輸入を逐次ポンド圏に切替えるという意味から申しましても、又日本に近い地域において原材料を確保して参るという点からいいましても、東南アジア諸国の経済の繁栄ということに協力するという意味と同時に日本の経済も非常に安定したものになるわけであります。そういう意味で東南アジア諸国の開発には日本としてはできるだけ協力して参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。でこれも日本におきまする東南アジア開発計画という形で行くべきものではございません。主導はやはり東南アジア諸国自体が持つ、それに対してイギリスなり或いはアメリカなりの援助は勿論加わるし、これに参加協力して参るという形になるだろうと思います。いわゆる東南アジア開発計画という性格のものではなくて、現地におきまするいろいろな開発に個々の問題として処理して参る、こういうような取扱になるのではないか。そういう関係で最近までに、例えばインドのゴアの鉱石であるとか或いはフィリピンのララツプの鉄鉱石或いは現在話の進行しておるものについては、インドのラプラプの銅鉱石の輸入の問題、その他タイ、仏印等に対する塩田の開発に関する調査、そういうような面で各界におきまして調査団が派遣され、或いはコマーシヤルに話が進みつつある状況でございます。特に先般来朝しましたインドネシアの賠償団との折衝においても、インドネシアの経済発展という面から日本に対する経済協力の要請は非常に強いものがございます。技術の援助或いはその他設備資材その他の協力という形において今後は相当これが具体化して参るものと予想しておるわけであります。大体以上のような状況でございまして、いわゆる新聞等におきまして何々計画というような表現で書かれておりますが、そういうような進み方は考えられておりませんし、又筋合から申してもそういう関係のものではないのであります。コマーシヤル・ベース、或いはそれに対して日本政府が援助して参るということは今申上げましたような事例についてとつておるわけであります。東南アジア諸国における考え方からしても、大いに日本の技術、設備というようなものを活用して参りたい、こういう気持が強いようです。この点を今後進めて参りたい、こういうふうな考え方であります。
#50
○佐多忠隆君 鉄鉱その他のことについて若干断片的なお話を聞いたのですが、そういうふうに断片的にお聞きするのではなくて、この演説にもある通り総合的に計画的に施策をするのだというふうに誰つておられるので、それを一つ、その内容を具体的に総合的に計画的にお示しを願いたい。鉄鋼の問題にしましても、今四百五十万トンの生産のうちに内需の三百万トン、ドル、ポンド圏輸出八、九十万トン等々若干のお示しがありましたが、これらが今一番問題になつておる。どこに一体どういう形で輸出をしたらいいかというような重要な問題とも関連をいたしますし、それらの問題をもう少し根本的に検討もしなければならない。或いは機械類の輸出にしましてもどういうものを一体出そうとしておられるのか。更に今新聞その他によれば兵器生産まで進むというようなことも伝えられておるし、或いは同じ工作機械の問題にしても一体新らしく工作機械を造つてそれを出すのか、或いは現在現存しておるところの工作機械を何らかの形において利用しようとしておるのか。それらの問題等々にも関係をいたしますし、更には原材料の輸入が確保されればそれができるのだというようなお考えのようですから、その原材料の輸入というものをばどういうふうに確保しようとしておるのか。或いは更にアルミの問題にしても幾らぐらいの余力があり、或いは幾らぐらい出すからには電力との関連をどういうふうに考えておるのかというようなこととか、或いは東南アジア諸国の開発に対する協力の問題でもこれをどういう方式にするか等々のことについては、政府の御意見も聞きましたが、私たちには私たちの意見もあるし、それを正確に判断をした上で大臣その他とも質疑討論もしなければならないと思い、除す。その討論の準備に今いろいろなことをお聞きしておるわけであるから、例えば東南アジア諸国の開発に対する協力の問題にしても工作機械器具、化学肥料等の供給をどういうふうにお考えになつているか、特に内地との関連においてどういうふうにお考えになつているか。更には今技術的な援助の問題、二、三ゴアの問題その他をお話になりましたが、こういう問題も一つまとめて正確に総合的に計画的に資料として御提出を願つて御説明を願いたい。一つ一つの問題にしては成るほど通産委員会その他でいろいろお聞きはしておるのでありますから、それを総合的に計画的に判定をしなければならないので、そういう資料として正確に準備をして頂いて、その資料に基いてもう少し具体的な総合的な御説明を願いたい。
#51
○政府委員(平井冨三郎君) 安本長官が自由経済の基盤の上に総合的及び計画的な施策を講じて行くということは、これは安本長官として従来からもしばしば申上げているところと存ずるのでありますが、いわゆる野放し自由経済で今後の経済を運営して参るということを考えていないというのが根本の趣旨だろうかとも思います。従いまして、一つの予算の收支の均衡を図る、或いは全体的な資金の調整適合を図つて行くという面も一つの計画性を持つた或いは総合的な施策であろうかと思います。又政府資金等の使用の仕方につきましても、今の日本経済に対して一番緊要な産業にその資金を使つて参るという面から、開発銀行等の資金の使用の仕方或いは見返資金の配分につきまして、常に重点を置いておるということもこの計画性の一つの現われであろうし、又輸出入の問題にしましても、できるだけドル圏に対する輸出を殖やす、或いは日米経済協力の形においてドル收入というものを安定化して行くということもこれも一つの政府の施策であります。それらの考え方をまとめましたものが一つの国際收支の見通しであります。こういう線に二十七年度としては経済を持つて行きたいという根本の結果的なものを先ほど経済指標の結果として申上げたわけであります。個々の問題になりましてはそれぞれその問題の特性に応じて行われるわけであります。例えば東南アジアの計画にしても、これは個々の問題が累積されて一つの結果が得られるわけでありますし、日本側の希望する開発というものを現地に押付けるというようなことは考えられないのであります。現地における経済の繁栄、或いは経済の自立という点から立てられる計画と漸次これに接近して参るという点が主流になるわけであります。今後東南アジア諸国と政府間の或いは話会いもございましようし、或いは民間のコマーシヤルベースで話もまとまつて行くものもございましようし、これをあらかじめ、いわゆる計画の形にすることもむずかしいのではないかというように考えられる次第であります。この東南アジア諸国におきます資源の状況等につきましては、皆様方よく御承知の通りであります。問題はこれを如何にしてこの開発に協力して参るか、こういうことであろうかと思います。そういう意味で具体的なことを二、三申上げて見ますと、こういう話が逐次最近において増加して来る傾向にあります。従来は東南アジアの開発をしたいという、すべきだという意見或いは希望等が多かつたわけであります。最近の状況から見ますると、そういう希望的な事項が逐次現実に移されているような状況等でありまして、そういう点とこういう点を併せまして推進して参りたい、或る程度これがまとまつて参りますれば、その開発によつてどれだけのドル圏からの輸入が節約ができるかという節もまとまつて来るわけであります。今丁度その途中にある過渡的な期間でありますし、私どもとしてはできるだけやはり東南アジア諸国からの原料の輸入によつてドルの節約なり、同時に日本経済の恒久的な安定という点を図つて参りたいというふうに考えております。只今直ちに、例えば東南アジア諸国に現在ドル圏から輸入しておつた物資をこれだけ置き替え得るのだということを総括的にお話申上げる時期にまだ達しておりません。この点は一つ御了承を願いたいと思います。
#52
○佐多忠隆君 今お話になつた程度のことは、或いはもつと詳しくはすでに安本長官から経済演説のときに聞いているので、私たちはもう少し具体的に聞きたい。特に事務当局に審議の準備として聞きたいというのは、さつきから申しておりますように、大臣が言われたこの線に副つてもつと具体的に、もつと総合的にそれらの計画を、或いは見通しを持つておられるわけであります。そういうものを資料に提示して、それに基いて総合的に、計画的に御説明を願いたい。單にその一、三のものを、又單に大臣のお話の抽象的な繰返しを願つたり、その中の一、二のただ断片的なことをお話し願うということを要求しているわけではないので、その点もう少し御考慮を願つておきたい。資料を整えてもう一ぺん他の機会に御説明を願いたい。
#53
○木村禧八郎君 今佐多さんが要求されているのは私も要求しようと思つたんですが、ただ鉱工業生産指数が三十七年度どの程度になるか。それから農林水産生産指数、或いは貿易、国際牧支、雇用、そういうようなものについて一応その指標を作られる基礎資料はあると思うんです。そういうものをあつたら出して頂きたい、こういうことだと思うんですね。それなんです。それからもう一つ、私はやはりそれと関連して資料として御提出願いたいのはですね。さつきこの二十七年度の見通しの作業は、外資援助というものを前提としていない、こういう答弁であつたと思うのです。ところがこれはあとで総理大臣に質問しなければならないのですが、総理大臣は施政方針演説の中でこう言つておるのですね、平和條約発効により独立回復するも、かかる脆弱な経済財政の基礎においては、自立経済の達成は困難なりと、はつきりこう言つているのです。そうして外資を導入しなければ日本の自立経済はできないと総理は言つている。そこでなぜ外資を導入しなければ日本の自立ができないか、こういう結論に到達するに至つたには必ず資料があると思うわけです。そこで又外資を導入しないでどうしてこういうような結果になるか、その点を資料的に、政治的には総理に質問いたしますから……。総理が、こんな脆弱な財政経済の基礎では自立経済の達成は困難だ、困難だと言いながらこの作業を見るとどうも困難でもなさそうな作業が出て来ているのです。その食い違いを我々は具体的に質したいと思うのです。そこで或いは電力計画にしましても、それからその他の開発計画にしましても、具体的な資料に基いて外資を当てにしない場合にこうなるのだ、そうすると外資を当てにしないと、又その影響が出て来る。殊に例えば電源開発でも、資材、セメントなり木材、その他たくさん投入するから、物資不足になつて行くから上つて来る。そうすると、この作業に現われたことと違つて物価は正面から上つて来るのですから、そういうような関係についての資料が欲しい。外資を導入しないとこういうふうに物価が上がるのだ、外資導入すればこういうふうに物価が上がらないのだ、こういう具体的にいろいろな資料があるに違いない。そういう作業はおありになると思う。断片的には新聞等に安本の御調査のようなものが断片的に現われています。我々はそれをただ切り拔きによつてかすかに推定している程度なんですから、そういう資料がありましたら、たくさんでもいいんですから、そういうものをお出し願いたいと思うのです。それによつて我々又いろいろ勉強して行きたいと思いますから、そういう資料がございましたら全部揃えて一つお出し願いたい。
#54
○佐多忠隆君 議事進行について。いろいろ要望なり資料のことについてもお話合いがあつたと思うのですが、どうも今の安本の御説明を聞いていると、大臣の説明を補足する事務当局の説明になつていないと思われるのです。特に資料の提出等についても余りにイージーにお考えになつているので、改めて一つ資料を整えて、もう一ぺん他の機会に御説明を願うように委員長から要請をして頂きたい。そうしてこの問題を一応打切つて、次の電力の問題にお移りを願いたい。
#55
○理事(小林政夫君) 委員長も佐多、木村両委員の要求は尤もと思います。安本においても十分検討をして納得の行く資料を整えて、いずれ日程については理事会において打合せしてきめますから、準備の上御説明願いたい。
#56
○左藤義詮君 只今の安本の計画に具体性がないというお話でありまして、特にその中で輸出の今ここに計数が出ておりますけれども、品目別にどういう本年の見通しを持つておられるか、これも詳細の資料を是非お配り頂きたいと思います。
#57
○山田節男君 今日の日本経済の見通し、二十七年度の経済の見通しについて私重大な一つの落度があるのじやないかと思う。それには何ら触れておりませんから、私は注意を喚起すると同時に資料を一つ出してもらいたいし、それから又責任ある立場の人が一つその方針を究明して頂きたいと思います。これは要するに賠償の問題であります。御承知のようにもうすでにインドネシアとは賠償問題について原則的な一つの了解ができておる。それからフイリピンにおきましても、八十億ドルという賠償の目安を出して、而も向う側としては條約の批准前にその一割の八億ドルくらいの賠償を完了しろと言つている。その後にはビルマとか、インドシナ、或いはオランダ政府、いろいろなものが出て来ると我々は推測するのであります。この講和條約に基きまして、日本としては日本の経済と、この貧弱な経済をつぶすような賠償はしなくてもいい、こういう建前になつておる。そういたしますと、インドネシアとの賠償の問題についても、いろいろ協議の経過を見ましても、結局役務賠償、或いは向うからのいろいろな原料を持つて来て、そうして日本で加工してそれを向うへ持つて行く、こういうようなことになりますと、これはインドネシア、フイリピン、インドシナ、ビルマ、その他の国が一様にそういうようなことになつたといたしますと、日本の今ここに示されておる例えば鉱工業の生産指数、金額が金額でありますだけにこれは重大な影響を持つている。これは二十七年度の経済に重大なエレメントを成しておる。こういうものに対して勿論今具体的にはなつておりませんけれども、併しやがては具体的になり、而もこれは日本の鉱工業方面におきましてこれはもう非常に大きなパーセンテージを占めるのじやないかということがはつきりしている。そういうようなことを果して要素に入れて、そうして二十七年度の経済の見通しというものを立てているのか、今の説明によりますと、そういうものも加えた計画である。今配られた一片の資料を以てしては、そういうことに注意が何ら払われていないように見えるのですが、この点に関しまして今日出ておられる政府委員が明言できなければ、次の機会でもよろしうございますが、この点についてやはりこれも総理大臣以下関係当局の人は十分研究しておられるだろうと思う。これも私は併せて一つ我々に十分納得の行くようなプランに対する骨子を示して頂きたいと思います。
#58
○理事(小林政夫君) 山田委員に申上げますが、只今佐多、木村両委員並びに左藤三委員の要求を合せまして、次回に山田委員の要望も入れた詳細な説明を聞くことにいたしたいと思います。
#59
○山田節男君 それで私は異議ありませんが、今私は若しできれば、今後の見通しに対してそういうことが全然考慮に入つていない数字かどうかということだけでもはつきりお聞きしたい。
#60
○政府委員(平井冨三郎君) 二十七年度の賠償の関係につきましては、一応予算の講和関係費の申に賠償その他の経費として一応の枠が設定してあるわけです。これは日本政府側におきまして設定したわけであります。日本政府の一応の財政的な限界がきめられておるわけであります。その前提で日本経済の見通しが編成されておるわけであります。賠償関係につきましては、外務省のほうで専ら考えておるわけであります。インドネシアとの交渉の経過、或いはフイリピン等々の関係については、それぞれの責任当局からお聞き取り願いたいと存ずる次第であります。二十七年度におきましては、予算を標準にいたしましてこの計画が組まれている、こういう状況でございます。
 それから先ほど資料の御要求が、ございましたが、例えば鉱工業生産の百四十%の内訳、或いは鉄がどのくらい、その他重要物資についての指数等については勿論これは表で御説明したほうがいいので、一々口頭で申上げてもただ数字を羅列するだけになると思いまして差控えたわけであります。貿易計画の内訳についても、輸出輸入の基礎になるべきデータ、その他につきましては資料を御配付申上げたいと思つております。それからその他の今後の経済の見通しに関しまするデータ、或いは外資がなぜ必要かということにつきましては、これは一つの数字にまとめ上げるということのためには、冒頭において申上げましたように、例えば三十一年度においてかくかくになるのだといういろいろな前提、いろいろな数字を組合せましてできるわけであります。そういう意味のものはまだ検討中であるという点を申上げた次第であります。日本経済が脆弱である、今後の国際收支の面から言いましても、或いは設備自体の面から言いましても、或いは技術の輸入の点から言いましても、外資の導入が日本経済の自立に非常に必要であるということは、この数字でお示しする前に、大体了解されておるところじやないかと考えられるわけであります。これを数字的に説明するということになりますれば、先ほど申上げましたような経済自立三カ年計画というものを先に延した更に総合的なものが必要になつて来ると思うのであります。これらの問題につきましては、いろいろな観点から検討中でございますので、この点に関する資料は今すぐ御要求に応じて出すという段階になつておりません。二十七年度における生産なり或いは貿易なり、或いはその他のこの指数が拠つて生れました基礎的なデータ、こういうものにつきましては、御要求によつて御配付御説明申上げたいと思います。
#61
○堀木鎌三君 私はもう簡單なんでありますが、実はさつき財政資金の要求についてお話があつたが、主として請求したんですが、安本長官が国会で演説しましたうちの十三頁の三以下に産業資金の問題を挙げておるんです。この問題も民間資本、例えば電源開発のために千二百億、それから石炭の増産及び合理化のために二百億、外航船舶増強のために五百億、農林、水産資源の開発のために七百億等、設備資金で四千四百億くらい要る、そのほか設備資金と運転資金を合して一兆一千億くらいのものが要る、こう言つておるわけです。そうするとこれは実際民間資金としても例の問題になつておるオーバー・ローンの解消の問題等と睨み合すと大した事業資金計画が要るんだ、こう考えられるのでありますが、單純に国庫対民間收支の関係だけでなしに、資料なり御説明の際には民間の資金、自己資金及び財政資金その他のいろいろな資金需要を事業別に分けて表を作つて、そしてこの次に、御説明願いたい。
#62
○木村禧八郎君 それに関連して簡單なことなんですが、国民生活水準ですね、八二%とか八四%、これは農業者と勤労者と平均したものだと思うのですが、農業者が幾らで勤労者が幾らということを簡單でいいのですが、これも資料で願いたい。
#63
○理事(小林政夫君) お諮りいたしますが、只今公益事業委員会事務総長の松田君が来ております。本日の日程で電力問題について聞くことになつております。木村委員の要求もいずれ先ほどの要求と合せて後日日を改めて安本当局から聞きますから……。
#64
○木村禧八郎君 それからもう一つ要求があります。先ほど講和後の日本の経済の自立計画はこれからの作業である、こういうお話ですが、実は今度の講和を結ぶに当つては、こういう清和を結べば日本の経済が大体こうなるであろうという一つの作業があつたはずであります。そういうものがあつたら参考に出してもらいたい。これは新聞には断片的に出ておりますが、それと非常に又いろいろな事情の違いが出て来たと思いますけれども、その事情の違いは我々が又それで判定しますから、国会で審議する場合、そういうものの参考資料ぐらい非常な国費を使つて作つておられるのですから、そういうものを一つ参考に出して頂きたい。サンフランシスコ調印前にそういう作業をやつたはずであります。新聞にも断片的に出ております。それで一応こういう講和を結んだら講和後の日本経済はこうなるのであるという自立経済的な作業があるはずでありますから、それも合せて参考のために御提出願いたいと思います。
#65
○政府委員(平井冨三郎君) 資料につきましては、できるだけ国会審議の御参考のために私どもとしては勉強しておるつもりなんであります。ただまだ部内においていろいろ検討をしておる事項に、きましては、外部にまだ出す段階に立至つておらないものもございますので、できるだけ国会の審議の御参考に供するという気持でやりますが、ただ資料その他につきまして御要求の全部御提出するということも困難かと思いますが、できるだけ勉強いたします。その点御了承願いたいと思います。
#66
○理事(小林政夫君) それでは電力問題につきまして公益事業委員会事務総長松田太郎君から説明を聞くことにいたします。
#67
○政府委員(松田太郎君) 電力の全般の問題につきまして、只今公益事業委員会といたしましていろいろ検討いたしておりますことをあらまし申上げたいと思いますが、御承知のごとく本年度におきましては、昨年の秋以来相当電力の需給のバランスの上において非常な不足を来しまして、各方面に御迷惑をかけましたことにつきましては誠に遺憾に思つておりますが、その後石炭の供給の問題につきましては安定本部、通商産業省その他各方面の非常な御努力によりまして漸次石炭の貯えも殖えて参りました。只今のところ大体前期におきまして五十数万トンの貯炭ができております。又関西においては特に石炭の問題が強く叫ばれておるのでありますが、この点につきましても、最近におきましては三十万トン近くの貯炭ができつつあるような状況でございます。そういうようなことで、それに加えまして水の状況も勿論現在二月でございますので、年間を通じて最も渇水の時期でありますが、大体最近は過失九カ年平均と同じような率を示しておりまして、先般北海道を除きましては、その他の地区においてはいわゆる小口電力、大口電力、特別大口電力というような、いわゆる工業方面の電力の需用に対しましては、一応何段階の制限というような段階制限ははずしまして、週一日の休日を設ける、又それぞれの地区の情勢によりましていろいろの情勢の変化に応じては各支局長のほうから電力の需用者のほうにお願いを申上げることもございますが、大体そういうような状況で、一時非常に憂えられましたようなことは今後はなしにこの渇水期は何とか切り拔け得るのではないか、かように考えておるのであります。
 それから昭和二十七年度の電力の需給計画をどう立てるかということにつきましては経済安定本部のほうからもお話があつたことと思いますが、いわゆるこの二十七年度においては日米経済協力等の線からいたしまして、需用の激増いたしますことは誠に明らかなことでありますが、他方この供給の面につきましても、例えば二十六年度におきまして水火力を通じて約四十二万キロワツト程度の出力の増加を見ました。又石炭等につきましても、経済安定本郷、通商産業省等と打合せをしましてできるだけ多くの石炭を焚く。重油等も換算いたしましてそういうものも入れまして、大体八百万トン、或いはそれを多少上廻る程度の石炭を焚きたいというようなことから、できるだけ供給力につきましては、これが増加方を計画いたしているのであります。経済安定本部のほうの御主張ともほぼ近ずき得る供給力を見出し得るのじやないかと思つておりますが、昨年度に比べますれば、或る程度上廻つた供給力を出し得るのじやないか、かように考えております。問題は更にそれを地区別にどういう工合にその供給力を配分して参るかということが更に大きな問題であると思いますが、この点につきましては、或いはアルミニウムでありますとか、或いは化学肥料でありますとか、そういうようないわゆる特定産業の需用と睨み合せて、又併せて他産業との影響を考えつつ経済安定本部のいろいろ検討せられた線にできるだけこの電力の供給の面につきましては沿つて参りたい、かような意味で只今委員会におきましても計画を進めているのであります。
 それからなお今後の電源開発の上におきまして、いろいろ問題はあると思いますが、要するにできるだけ開発を速かにして参ることが一番大事な点でありまして、これには何と申しましても、先ほどお話のように電源開発をいたします上においての一番の隘路は資金の問題でございますので、これについては各電力会社におきましても、いわゆる自己資金と申しますか、民間方面からの資金の獲得についてはできるだけの努力はいたすように各社ともそのつもりでおりますが、どうしても国の資金を相当程度援助を願わなければ到底今後の計画を進めて参るわけに行かんということで、資金面については先般安定本部からも御説明があつたと思いますが、その国家資金だけでもまだ足らないのじやないかというような危惧の念を持つておりますが、これについてはいろいろの財政面の関係もございますので、あと自己資金など需用者のほうともいろいろ打合せをして御協力願うというような、需用者負担金制度というようないろいろの制度も併せ考えまして、資金面の獲得をして参りたいと思つております。
 まあ電源開発の計画につきましては、経済安定本部のほうにおいても五ヵ年計画等についていろいろ検討しておられ、又委員会のほうにしましても、各電力会社の経験と従来の体験に徴していろいろ策定いたしました資料を基礎にいたしまして、その上での総合調整等も勘案いたし、又最近におけるような化学工業或いは金属鉱業等の発達の急速な状況に対して、それに即応ずるような態勢の下に計画を一部変える必要も認めまして、只今一応の本年度から五ヵ年計画というものを立てているのであります。これは一つの芯として考えております。勿論今後における先ほど申しましたような資金計画その他からした制約も受けるでありましようし、従つて実施計画といたしましては、更に毎年度毎年度検討して行かなくちやならないと思つております。
 大体五ヵ年間を前期といたしまし、て、水力におきましては、最大出力といたしまして昭和三十一年度までに完成する計画について五百六十万キロワツト程度、それから又火力につきましては百五十二万キロワツト程度、それから又後期計画といたしまして、昭和三十二年度以降に完成する分につきましては、水力二百三十四万キロワツト火力二十四万キロワツトというような計画も立ててございます。併しこれは先ほど申しましたように、これを全部完成いたしますためには、前期におきまして約一兆程度の資金を必要とし、文後期の今申しました数字を一応完成いたしますためには、一兆三千億程度の資金も必要といたしますので、従つてこれらの点については年度々々のあらゆる国家資金、民間資金等を基礎にいたしまして、それから又先ほど来お話のような外資等の問題についても目鼻がついて参れば、それをどういう工合に織込んで参るかというようなことも合せ考えられることでありまして、そういうような点を考えて今後の具体的な実施計画は年度ごとにいたさなければならんと思つておりますが、そういうような計画も実は構想を描いておるのであります。
 なおこれらの計画の更に具体的な調整等につきましては、経済安定本部との間の連絡会議もございますので、そういう点で今後再検討をして頂かなければならんと思いますが、一応一つの芯として申しましたような計画を立てて、先ずそのうち本年度の計画といたしまして、先ほど安定本部からも御説明があつたような資金計画について差当り進めて参りたいとかように考えておるのであります。
 以上が大体の電力の最近の事情でございますが、なお御質問に応じましていろいろお答えをさせて頂くほうが便宜かと思いますので、一応の御説明はこの程度でお許しを願いたいと思います。
#68
○理事(小林政夫君) 御質疑のあるかたはどうぞ。
#69
○木村禧八郎君 あの公益事業委員会では今の計画を実施する場合の企業形態ですね、これについては随分いろいろ議論があると思うのですが、どういうふうにお考えになつておりますか。
#70
○政府委員(松田太郎君) 企業形態のお話が出たのでありますが、この点につきましては、経済安定本部のほうでもいろいろ案について具体的な研究をしておいでになりますし、又委員会といたしましても、率直に申上げまして、委員会としてはこういう考え方のほうがいいんではないかというような考えを持つておるのであります。併しながら安定本部とせられましても、又公益事業委員会といたしましても、要は将来外資を導入し得るためにはどういう機構がいいかという意味で検討をされておることであります。従つて、何分外資を出してくれるほうの側でどういう見方をするかというところにまあ結局は帰するのじやないかと思うのでありますが、委員会といたしましては、この電気事業を再編成いたしました本来の趣旨から考えまして、できることであれば、先ほど来申しましたように、電源開発をいたします上で最も隘路であります点は資金の問題でございまするので、その国家資金を出してもらえる意味での金融的な性格を持つた機関、そういうものが本来必要じやないか、例えば現在の開発銀行等でもそれはいいのじやないかと思いますが、そういつた一つの電源開発のための資金を蓄えておく機関、又それを必要に応じて放出してもらえる機関が必要じやないか。そうして実際の運用につきましては、各電力会社なり、或いは公共企業体としての県営なり、或いは自家発等も結構と思うのでありますが、そういうそれぞれの分野において、それぞれの的確性を持つたところが開発を行なつて行けばいいのじやないかという考えが、むしろ再編成の本来の趣旨から言えば、率直に言つてそうじやないかと思うのであります。ただ只見川でありますとか、或いは熊野川でありますとか、天龍川でありますとか、そういつたようないわゆる大規模の電源開発地点等につきましては、従来の電力会社にそのままこれもやれ、あれもやれということは実際において適切を欠くのじやないか。そういう意味からいたしまして、特に早急に開発をしなければならないような大電源地帶については、それぞれの関係の電力会社、或いは化学工業とか、金属工業とかいうような非常な電力の大口の消費者等の御援助を得て、いわゆる民営的な会社を作つて、それに先ほど申しましたような国の資金を貸してもらう。又それだけの規模の計画を進めます場合に、どうしても国のほうで貸すということがまずければ、これは国のほうで出資をせられるということも止むを得んかとも思いますが、要するに運用につきましては、民営的な行き方で進んで参るということがこの電気事業再編成と申しますか、従来の日本発送電なり配電会社というものを縦に発電から送電、配電を一貫して経営して、而もそれを純然たる民営事業として進めるようになりましたその経緯から申しまして、筋が立つのではないか、又それがアメリカ等の希望にも副うのではないかというふうに考えておるのであります。併しながら又、これが只今経済安定本部のほうで考えられておるような線で行くことが外資を導入する上において最もよい線であり、又それで外資等の導入の見通しがつくということであれば、何もそれであつてはいかんとか、これでなければいかんとかいう議論をすべきではないのでありまして、ただ委員会といたしましては、この従来の経緯等からいたして、今申しましたような行き方がまあ適切でないだろうかという気持で、そういう考え方を持つておるわけであります。今後も、先ほど申しましたような連絡会議等におきましても、公益事業委員会の委員長も委員として入つておりますので、いずれそういう点について十分の御連絡があることと思つておりまするが、従つて只今この席でそういうことを申上げるのも如何かと思つたのでありまするが、まあ御質問もございましたので、率直なお答えを申した次第であります。
#71
○西田隆男君 松田さんにお尋ねいたしますが、電力の料金の値上問題が大分問題にされておるようですが、公益事業委員会は電力料金の値上げに対してはどういうお考えを持つておられますか。
#72
○政府委員(松田太郎君) 電気料金の値上げの問題につきましては、率直に申しまして、委員会といたしましても、先般の料金改訂をいたしました際におきましても、一挙に料金の改訂をすることは不適切である、徐々にやはり段階を経て改訂をする必要があれば改訂をして行くべきであり、それから又、そういう期間を置いて各電力会社としてもできるだけのいろいろな面で合理化その他の点についての努力をして、なお且つどうしても経理面において適切な経理を行うことができない、又そういうことであれば今後の資金を獲得して参る上においても不都合であるというような場合には、やはり時を異にして順次料金改訂も止むを得ないのではないかと、併し先ずこの前は再編成をいたしましてからの第一回のことでもございまして、この前はあの程、度の改訂をいたしたのでありますが、その後御承知のように石炭等を焚きます量につきましても、又炭価等につきましても、当時に比べて相当の開きもあるようでありますし、それから又何分にも今後の、特に三十七年度の資金計画等におきましても、実は増資等のことも含めて資金計画が立てられておりまして、そういうような点で、電気事業のいわゆるフエヤー・リターンと申しますか、そういうような点についても将来どうあるべきかというような点については、これはよほど考えて行かなければならんと思つております。電気事業会社のほうにおきましても、それらの点をいろいろ考慮いたしまして、電気料金の改訂の申請を遠からずするのではないかと思つております。併しながら、まだ何ら正式に料金改訂の申請もございません。従つてその申請がありますれば十分愼重に検討しなければならんと思つておりまするが、その際におきましても、やはり今のような点は相当考慮して参らなければならんではないかと、かように考えております。
#73
○西田隆男君 もう一つお伺いしますが、水火力の調整料金が各事業者間に大分問題になつておるように聞いておりますが、これに対する公益事業委員会側の考え方を一つお伺いしたい。
#74
○政府委員(松田太郎君) 水火力の調整の問題につきましては、これは電気事業の再編成をいたしました本来の趣旨から申しますならば、いわゆる各地区ごとに独立採算制で早く参ることが理想でございますので、そういう意味から申しまするならば、この地域差の問題についても或る程度の開きというものが、むしろだんだんと或る意味ではこのままで置くなら殖えて行くということも止むを得んじやないかという考え方も理屈としてはあり得るわけであります。又そういうことを調整するために、早く各地域ごとの電源開発を急がなければならんということも、確かに再編成の本来の趣旨から申しますならば考えられるのでありますが、何分にも今日日米経済協力の線でありますとか、いろいろそういう大きな問題が出て参りまして、従つて各地域におけるそれぞれの工場の活躍、いわゆる産業の進展ということが何にも優先して必要なときと思いますので、この地域差の問題につきましては、成るべく現状に近い、言え換えればこの際、最初申述べましたような理想の線に沿つて地域差をだんだん付けて行くということにすることは、あらゆる諸般の情勢から見まして困難ではないかと考えておるのでありますが、これら等につきましても、結局申請がありました上で、委員会といたしましては決定しなければならん点でありますので、私から必ずこうだということを断定的に申上げるわけには行きませんけれども、そういうようなことはやはり私は十分頭に入れて地域差の点は考慮しなければならんじやないか、かように考えております。
#75
○西田隆男君 今の問題は大変重大な問題なので、もう一ぺん伺いますが、水火力の調整料金と、電力の水の問題は電力再編成の根幹をなすものであると私は考えております。従つて電力再編成の問題を論議された当時においても、公益事業委員会側の考え方としては、三年なり五年なり水火力の調整料金を維持するという基本的な考え方によつてやつておられるように私は承知しておりますが、今のあなたの言葉を聞くと、だんだんなくして行くのが大体いいんだという、各電力会社の独立採算制に任して行くべきだということが基本的な考え方のように私にはとれたのですが、公益事業委員会としては、水火力調整料金の問題は若し事業者から出講があれば、本年度にでもそれをなくするとか、或いはその差を小さくするとかということをやろうというお考えでしようか、どうですか、もう一ぺん伺います。
#76
○政府委員(松田太郎君) その点につきましての最後的なお答えは、今の段階においてはできんと思いますが、先ほど申上げましたのは、つまりそういう意味でだんだんと地域差が或る程度開いて行くということも止むを得んじやないか、それはお話のように、三年とか四年とかやはり期間というものは、経過的な措置として十分考えなくちやならんと思つておりますが、なお今日の事態において、然らば従来の地域差を更にこの際その理想通りに開いて行く、差を更に大きく付けて行くことがいいかどうかということにつきましては、むしろ私としましてはこの際消極的に考えておりますということをお答えいたしたのであります。従つてその点は言い換えますならば、今日のような日米経済協力の線も強く出まして、いろいろな意味で各地方々々の重要産業の発達を図つて行かなければならんというときに、一概にいわゆる理想通りの地域差の開き方を強くして参るということは、この際は当を得ておらんのじやないかという工合に私は考えているのであります。
#77
○西田隆男君 もう一点、松田さんの御答弁を聞いておりますと、電力料金の改訂は止むなしというお考え方でありますが、新聞紙の報道によりますと、三割の値上げとか、或いはそれ以上の値上げを新聞に響いているようでありますが、さつき安本から説明を聞いた説明によりますと、二十七年の物価指数の上昇は僅か二%しか安本のほうでは見込んでないようであります。若し電力料金が新聞の伝うるように三割以上も値上りすると、安本の資料というものは私は数字が変つて来ると思うのでありますが、三割仮に電力料金を値上げした場合の日本の諸物価に及ぼす影響を公益事業委員会ではどの程度に考えているか、的確な数字でなくてもいいですから御説明願いたい。
#78
○政府委員(松田太郎君) 只今申しましたように、料金改訂の点については或る程度止むを得ない点があるのじやないかと思つておりますが、今日まだ申請も出て参つておりません。従つて各社のほうでどれたけの要求を仮にするのかもわからんのであります。従つて私のほうとして、ここで何割にしたいとかというような考えはまだ全然ございません。従つて若しも申請がありました場合に、いろいろな点を見て、どの程度が仮に止むを得んとなりました場合にも、その際はそれによつてどういう影響が来るかという点も十分それぞれの専門の官庁のほうとも打合せをいたしまして、考えなければならんと思つております。今ここでお話のように三割なら三割として、どういう影響が来るかということについては、まだお答えをするわけには参らんかと思います。
#79
○西田隆男君 無理でしようから、これでいいです。
#80
○深川タマヱ君 昭和二十七年度の鉱工業の生産指数を見てみますと、一四〇・六となつております。それに要する資金計画はあらゆる貸金の回收、それから民間資金の徴発、外資の導入ということになつておりますけれども、今後の資金計画の都合ではこの事業は相当制約を受けるかも知れないというような御説明があつたと存じますので、誠に不安に存じます。又齟齬を来しますと、今年度の夏のように鉱工業が五五%まで生産が下つたり、今おつしやつたように物価の値上りとか、生活費の増加とかということになりますと、大変国民のかたがたに迷惑をかけると思いますが、一体今年度におきまする資金計画だけは、すでにとつた狸の皮なのか、まだとつていない皮算用なのか。
#81
○政府委員(松田太郎君) 只今の資金計画につきまして、現在のところ直接公益事業委員会として最も深い関係を持つて考えております点は、各電力会社の資金計画の問題だと思うのでありますが、これにつきましては、いわゆる自己資金も含みまして借入金或いは社債の発行等で考えておりますのが五百四十億だと記憶しております。それに先ほどちよつと触れましたような需用者あたりの御協力も得て、いわゆる需用者負担金というような名目で、この制度も相当今後検討しなければいかんと思つておりますが、そういう意味での資金を三十億、それから見返資金で三百億、合せまして八百七十億ということになつております。それから電源開発会社のほうといたしまして、百十億の資金計画になつておると思います。それから又いわゆる公営事業のほうといたしまして、たしかこれが六十四、五億でありましたか、九十四、五億でありましたか、ちよつとはつきりいたしませんが、それから公共事業費等から数十億が出る、それからいわゆる自家発のほうに対して、いわゆる自己資金と開発銀行から出ますのを合せまして、これが約百五十億ぐらいになつておると思います。そのうちで、現在の電力会社といたしましては、五百四十億前後の自己資金を調達するということについては、又社債、借入等をいたしますということにつきましては、相当これは私は骨が折れる計画だと思つておるのであります。そういう意味で、当初見返資金等につきましても、もう百億程度の増加ができないかということについては、この資金計画のきまります場合には、いろいろ経済安定本部なり、或いは大蔵省ともお打合せをいたしたのですが、いろいろの関係からしまして見返資金は二十七年度は三百億である、従つて残りの五百四、五十億というものはこれはどうしても自己資金の調達を待たなければならないのですが、まあ大体いわゆる本年度におきましても三百七、八十億のところは自己資金としてまあ調達ができたのであります。更に先ほど申しましたような増資等の計画も入つておりますので、それらについても増資可能なような別途措置も講じなければならんと思つております。いずれにいたしましても、この電源開発を二十七年度に計画の分といたしまして、少くとも電力会社にとりましては八百七、八十億というものは最低見ましてもこれは必要なんでありますので、これらの資金の獲得につきましては、今後民間資金としての調達につきましても、関係政府機関の非常な御援助も願いまして、これが獲得に努めて、少くとも二十七年度の電力会社の計画、それから先ほど来の電源開発会社のまあ計画、これは実際出力が出ますのは、二十七年度には出ないと思いますが、あと公共事業関係の電源開発、それから自家発の問題、又そういう意味で極力電力の供給力を殖やします意味では、自家発等につきましても、世間でよく言われまする自家発を殖やしましたために従来の電力の割当が減るというようなことは極力避けるようにいたしまして、自家発の奨励も十分やつて参りたいと思つております。そういう意味で資金的には率直に申しまして相当苦労は要ると思いますけれども、今申しましたような電力事情でございますので、あらゆる協力を得、又国民全体の御協力を得まして、この資金計画の実行に遺憾ないようにして参りたい、かように考えております。
#82
○深川タマヱ君 もう一つ。只今フィリピンとか、インドネシアその他と、役務賠償の交渉があつておりますけれども、このお示しになつている鉱工業二十七年度一四〇・六という中にはこの役務賠償は入つていないのでございましようか。そして若し今後役務賠償のこの交渉が成立いたすとしますと、その実行は当然翌年度に廻されるのか、それとも本年度にするといたしますると、その資金計画はどういたしますか。
#83
○理事(小林政夫君) 深川君に申上げますが、松田君は公益事業委員会でございまして、安本のかたはもう帰りましたから、次回安本関係をもう一度やりますから、そのとき御質問願います。
#84
○佐多忠隆君 電力の需給の問題ですが、用電力量二十六年度推定実績はどれくらいとお考えになつておりますですか。
#85
○政府委員(松田太郎君) 二十六年度と申しますとまだ資料の足りぬ点がありますようですが、二十六年の一月から十二月までで約二百九十九億キロワツトアワーであります。
#86
○佐多忠隆君 年度推定実績ではどのくらいですか。
#87
○政府委員(松田太郎君) 推定実績はまだ出しておりませんそうでありますが、計画では二十六年度が二百八十五億になつておるようでありますが、最近水の出、その他もいいようでございますから、その問題は年間の数字にそう離れないような実績が推定されるのじやないかと思いますが、ここで正確な推定数字は持合わせませんので、又それを検討いたしました上で、御必要だとあらば提出いたしたいと思います。
#88
○佐多忠隆君 それでは正確な二十六年度の推定実績と、それから二十七年度の計画をどういうふうにお考えになつているか、その数字をお示し願いたいと思います。
 それからそれに関連しまして、石炭の獲得の実績のほうですが、これが大体二十六年度はどのくらいとお考えになつているか、それから二十七年度はどのくらいに予定されているか、その点も今おわかりでしたら今お示し願いたいし、わからなかつたら、これものちほど資料で一つ御提出を願いたい。で、それを一応聞きました上でお尋ねいたしたいことは、問題はこの来年度になりますと、電力の需給の問題で生産が余り伸びないと言つておりますが、今安本が考えている程度の生産増加を電力の需給とちやんとバランスをとつて、公益事業委員会のほうでも了承しておられる調整ができているのかどうかという点が一つと、若しそうだとすれば、その場合に日米経済協力の一つの重要な内容になるアルミニウムの増産をどういうふうに委員会としてはお考えになつており、それに関連する電力増加をどのくらいとお考えになつているか。それはアルミニウムについて特にお尋ねしたいのですが、更に化学肥料についても同じような問題があると思いますが、その点を特にお示し願いたいと思います。
#89
○政府委員(松田太郎君) 只今の点につきましては、目下経済安定本部と詳細に連絡をとつておりまして、大体二十七年度の需給計画というものも遠からずここ数日中には大体の荒見当は経済安定本部のほうとも意見の一致を見るのじやないかと思つております。とになつておる電力の五ヵ年計画、需給並びに開発の関係の資料をおできになつていたら御提出願いたいと思います。申しますのは、先ほど申しましたような意味で、公益事業委員会といたしましても、特に供給力の面につきましては、できるだけ経済安定本部と申しますか、産業政策全体を握つておられるほうの要求に近ずけたいと思つております。そういうことで遠からずその辺の数字も出ると思います。又それに連れまして是非お話のような資料も提出できると思いますが、只今のこのアルミニウムでありますとか、或いは化学肥料等の問題につきましては、余ほどの全般から見ました特別な事情がない限りは、委員会といたしましては経済安定本部の施策というものに従つて参りたいかように考えておりますので、経済安定本部のほうと全体の供給力がきまりますと同時に、そういう内容的なものがわかつて参るのでありますので、その上で共同的と申しますか、資料を提出いたしたい、かように考えます。
#90
○理事(小林政夫君) ほかに御質疑ございませんか。
#91
○堀木鎌三君 資料要求ですが、大体要点がきまりましたら会社別に、そうして工程がどれくらいな工程でできるのか、それから資金計画がどうなつているのか、そういうことを併せまして一覧表にして頂きたいと思つております。
#92
○佐多忠隆君 同じことになると思いますが、この公益事業委員会でお考え
#93
○理事(小林政夫君) ほかに御質疑ございませんか……御質疑ないようでございますから、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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