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1951/06/06 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 本会議 第48号
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1951/06/06 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 本会議 第48号

#1
第013回国会 本会議 第48号
昭和二十七年六月六日(金曜日)
   午前十時四十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第四十七号
  昭和二十七年六月六日
   午前十時開議
 第一 会期延長の件
 第二 一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案両院協議会成案(衆議院送付)(協議委員議長報告)
 第三 道路交通事業抵当法案(植竹春彦君外十三名発議)(委員長報告)
 第四農産物検査法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第五 外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 国際植物防疫條約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第七 千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際條約及び署名議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第八 国際復興開発銀行協定への加入について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第九 国際通貨基金協定への加入について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○副議長(三木治朗君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○副議長(三木治朗君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、会期延長の件を議題といたします。議長は、衆議院議長と協議の結果、国会の会期を六月二十日まで十四日間延長することに協定いたしました。議長が協定いたしました通り決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#4
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて会期は全会一致を以て六月二十日まで十四日間延長することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#5
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、日本国有鉄道監理委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。
 五月三十日、内閣総理大臣から、日本国有鉄道法第十二條の規定により、佐藤喜一郎君、工藤義男君を日本国有鉄道監理委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に関し同意を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て同意することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#8
○副議長(三木治朗君) 日程第二、一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案両院協議会成案(衆議院送付)を議題といたします。
 先ず両院協議会協議委員議長の報告を求めます。協議委員議長草葉隆圓君。
   〔草葉隆圓君登壇拍手〕
#9
○草葉隆圓君 只今議題となりました一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案両院協議会成案につきまして、その協議会の経過並びに結果について御報告申上げます。
 協議会は五月二十九日、五月三十一日、六月二日並びに六月四日の四回に亘りまして開かれ、愼重且つ熱心に協議が行われたのであります。先ず衆議院側を代表して田中不破三君は、衆議院議決の理由につきまして、「一、参議院の修正は、衆議院議決の原案について部分的地域的には不均衡の是正が行われたのであるが、これを全国的に見た場合、なお不均衡が残つている。二、参議院修正は予算措置の確たる見通しもなく行われたものであり、到底実施は困難である。」という趣旨の説明をされたのでありまするが、これに対しまして我が参議院側は、カニエ邦彦君が本院を代表して、修正議決に至るまでの経過について次のように説明を行われたのであります。即ち、「勤務地手当支給地域指定に関しては、その影響するところが甚だ大きく、今日まで多数の要望が国会になされておりまするが、それらについて従来加えられた審議、現地調査、人事院勧告後の情勢の変化等に考慮を加えた結果、この際、政府原案の不均衡をできるだけ合理化すべきであるという点に人事委員会全員の意見が一致し、財源措置等に関しても非公式に政府関係当局と種々懇談を行い、或る程度の見通しを付けて作業に取りかかつたのである。併しながら財源や審議日数を考えて、又できるだけ早く実現させなければならない点をも慮つて、可能な限り修正意見の圧縮調整を図り、漸くでき上つたのが参議院修正であり、これを以て完全とは称しがたいが、勤務地手当制度に関する拔本的改革を行い得ない今日、止むを得ない最低限度の措置である」と述べられたのであります。
 両院の右のような主張に対しまして双方から種々の熱心なる質疑が行われたのでありまするが、その間、本問題に対する政府の見解を求めましたところ、官房長官より「この際、本修正案を実施することは極めて困難であるが、政府としては今後速かな機会に、参議院修正を尊重し、その内容においても人事院と十分連絡して善処したい」旨の答弁がありましたが、その後種々協議の結集、均衡、不均衡の問題は相対的なものでありまして、この際は一応論議から外すことにいたし、又本修正案を実施いたしますには予算の補正を要するという一致した見解から、予算措置の可能性を中心といたしまして協議が続けられたのであります。その結果、衆議院といたしましては、参議院修正は尊重しなければならないし、單に財源の点のみから見れば必ずしも絶対に不可能とは言えないが、二十七年度予算が成立して実施に移されたばかりであり、今日、本件に関してのみ予算の補正を考えることは妥当を欠き、又参議院要望のごとく、実施期日は暫らく別としても、今日参議院修正を法律化することは予算補正を拘束することになり、これも面白くない状態であるから、従つて、政府言明にあるように、できるだけ早い機会に人事院をして科学的合理的な研究をなさしめ、その勧告に併せて、参議院修正及び衆議院の修正意見をも加えて法律改正を実施させたいという意向を表明されたのであります。
 併しながら参議院側協議委員といたしましては、参議院議決を尊重する立場から、如何にすれば参議院修正を早急に実現することができるかと、その具体的な方法と保障の点について強硬に主張いたし、いろいろな案が出され、種々検討の結果、回を重ねますること四回、漸く次の結論に到達いたしまして、成案を得るに至つたのであります。その成案を朗読いたします。
  別表第六の備考に次の一項を加える。
  本表は暫定的なものであつて、なるべくすみやかに昭和二十七年五月六日行つた参議院の修正議決の趣旨をしんしやくして改訂するものとする。
 附則は参議院議決の通りとする。
 その他は衆議院議決の通りとする。
 以上であります。
 次にその内容について概略御説明申上げます。
 第一の問題は、参議院修正部分を如何に取扱うかという点であります。この点につきましては、参議院全会一致の修正議決を尊重するという立場から、修正部分の実施期日は別に定めることといたしましても、この際、絶対に法律化すべきであるという趣旨を強調したのでありまするが、衆議院といたしましでは、これに対して、参議院の修正のみを法律化することは、不均衡の点、予算補正を強制する点、衆議院の立場等より、了解することはできないが、両院協議会において約束し、記録にとどめるのみならず、各議院の議長報告においてそれぞれ明らかにされるならば、実質的には参議院修正が尊重されたことになると主張して讓らず、この案につきましては遂に意見の一致を見ることができなかつたのであります。次いで本院側より、参議院修正部分を今法律化することが不可能であるとするならば、如何なる方法によれば参議院修正議決を確保することができるかという点から、先ずこの際は政府原案を成立せしめ、その施行期日を仮に昭和二十七年十月一日とし、それまでの間に、参議院の修正を基とし、必要ならば衆議院の修正意見をも加えて法律改正を行い、実施期日を四月一日に遡るという案を出したのでありまするが、一つには政府原案を成るべく早く実施したいということ、二つには改正部分については四月一日に適用を遡ることは応じがたいというのが衆議院側の意見であつたのであります。結局、種々論議を重ねまして協議をいたしました結果、参議院修正議決の実施を法律上明記することに漸く意見の一致を見ることになつたのであります。この際、特に申上げておきたいと存じますることは、備考の追加部分中「参議院の修正決議をしんしやくして」という点は、「参議院の修正議決を尊重して」という意味であることが確認されておることであります。
 第二の問題は、参議院の修正を尊重した改訂がいつ行われ、いつから適用されるかという点であります。先ず改訂の時期でありまするが、これにつきましては、「次期国会、それもできるだけ早く人事院の勧告に併せて町会に提案する。人事院の勧告は七月末から八月初め頃までに行われると考えるが、万一人事院が勧告しなかつた場合は、両院で協議して勧告せしめ、法律改正を実施する」との衆議院の申入れに応じた次第でありまして、次期国会には必ず改訂されると予定いたしておるのであります。又改訂部分の適用期日でありまするが、参議院側の四月一日遡及意見に対しまして、衆議院は改訂された時期を主張し続けたのでありまして、双方この点につきましては譲り合いまして、補正予算等の措置により、財源の許す範囲内で、でき得る限り四月一日に近く遡及して適用するということに両方の意見が一致いたしたのであります。
 最後に申上げておきたいと存じますることは、参議院則といたしましては、公務員諸君の意向を酌んで、終始、最初から終りまで成案を得ることに懸命の努力を拂つたということであります。従いまして、この点に関しましては、次期国会に如何なる情勢の変化がありましようとも、衆議院は誠心誠意を以て成案の実現に努力するとたびたび言明されたことを申上げて、私の報告を終りたいと存じます。(拍手)
#10
○副議長(三木治朗君) 成案に対し質疑の通告がございます。発言を許します。相馬助治君。
   〔相馬助治君登壇、拍手〕
#11
○相馬助治君 只今議題となりました一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案両院協議会成案に対しましてなされました議長の草葉君の報告に対しまして、数点に亘つて私は不明確なる点を質し、その答弁を頂きたいと思うのでございます。御案内のように両院協議会は傍聴を国会法九十七條によつて禁ぜられておりまする関係を以ちまして、その審議の過程におきましても、我々として明確にこの耳を以て聞くわけに参らない点がありますので、それらの点をも考慮されて、一つ親切なる答弁を期待するものでございます。
 この地域給の問題は、今日生活に困つておりまする全国の公務員にとりましては重要な問題でありまして、この規定に照らしまするならば、公正にして而も迅速なる対策を樹立すべきことは、政府並びに国会の当然の責務であろうと思うのであります。先に衆議院は政府原案を無修正を以て通過し、これが参議院に送付せられまするや、参議院においては人事委員会の諸君を中心として、全会一致、極めて熱心なる討議を繰返し、いわゆる参議院修正案なるものを得て、これを全会一致本院は決定し、これが衆議院に回付されたのでありまして、当然我々は衆議院の同意を期待したのであります。然るにもかかわらず、不幸にいたしまして衆議院の同意するところとならず、両院協議会に持ち込まれましたることは、誠に不幸の極みであつたと思うのでありまして、その衆議院則の不同意の理由なるものが、只今の議長の報告を聞きますれば、参議院の修正が不公正である。即ち全国的規模において眺めた場合に不公正である。このことでございまするが、国会の自主権の上から眺めましても、国会が自主的にこの問題を考えて行くならば、あの程度の修正というものは、ベストでないとしても、よりベターであつたということだけは疑い得ない事実であろうと思うのであります。而も衆議院側が主張いたしまするように、公正であるとか公正でないとかいう問題は相対的なものであると、その通りであります。次に予算上の難点でありまするが、現在の日本の公務員の生活に対しまして、一片の理解と同情があるならば、そうして政府みずからが公務員の生活を改善せんとするところの積極的意思があるならば、本問題は当然いわゆる予算上の障害を克服して成立せらるべき性質のものであろうと思うのであります。従いまして、参議院が與党自由党の諸君をも含めて全会一致を以て通過いたしましたるこの法律案が、不幸にして両院協議会においては殆んど我々の主張が容れられなかつたということは、参議院の私は面目とか何とかということは申しません。ただ参議院の権威上、これは極めて問題は重要であろうということを諸君と共に確認しておく必要があろうと思うのであります。而も又参議院の修正に対しまして拍手を送つておりました全国の公務員は、如何ほどこの両院協議会の成案に対して失望したかということを、我々は十分考えてみなければならないと思うのであります。
 従いまして私は、以下お聞きいたしたいその第一点は、結局、参議院側の主張が通らなかつたことが財政関係であるとの報告でございまするが、政府はこれに対してどのような責任ある答弁を両院協議会においてなされているのであるかどうか。即ち、いつの日に、どのような方法で、参議院側のいわゆる趣旨なるものを活かさんとする、その裏付けともなるべき答弁を政府は如何ように発表せられ、議長は如何に了解されたのであるか。この一点を伺いたいと思うのであります。而も問題でありますることは、衆議院の議決に対して修正いたしましたる参議院の議決なるものが、国家財政を一顧だにせず、いわば、ほしいままなる意思を以てこの修正をしたかのごとき印象を今日持つていると言うに至りましては、我々としては、その政治的責任の立場からも問題を重視しなければなりません。
 御案内のように衆議院を通過いたしましたのは三月三十一日であります。本参議院を通過いたしましたのは五月六日であります。而もその間におきまして、四月の会計年度が終る際に、即ち四月三十日に、政府は昭和二十六年度税収入に関しまして、自然増四百十億という数字を我々に報告しております。而も税収を眺めてみますときに、申告税は七三%の納税率であつたが、源泉課税に至りまするや、実に一一三・四%の納税成績であると報告しておるのであります。この四百十億というただ一つの自然増の財源を考えただけでも、七億円の増加を見まするところの参議院側のこの修正が、財政的に見ても何ら無謀なものでないということが、政治的な立場からも当然これは立証し得られる問題であろうと思いますと共に、地域給の問題は、実は、貧しい公務員に対する給與でありまするが故に、源泉課税が実に一二三%納まつているというこの理由からいたしましても、当然これは補正予算を早急にすることを前提として、この参議院の修正は、政府においても又衆議院においても呑んで頂けるものと我々は期待したことは、あながち無理なことではないと思うのであります。
 従いまして、この財政的な見通しについて、先ほど来伺つておりまする御答弁を頂くことを第一点として、第二点は、本表は暫定的なものであつて、成るべく速かに改訂すると謳つておりまするが、成るべく速かにということを説明して、これは次期国会において改訂せられると説明を附加えておるようでありますが、一体、両院協議会におきまして、未だ私はその前例を知らないのでありまするが、衆議院側を明らかに拘束するようなこのような議決というものが果してどれだけこれは有効なものであるのであるか。次期国会において、これが即ち参議院の修正を飽くまで正しいとして我々が主張する場合に、どれだけのこれは足がかりとなるものであるか。即ち衆議院側に対する拘束力の程度について私は草葉議長に嚴粛に質しておきたいと思うのであります。
 次に、五月六日参議院の修正議決の趣旨を斟酌して改訂すると申しておりまするが、斟酌ということの具体的な事項は何であるか。即ち我々の解釈するところによりますれば、修正の基礎の上に立つて、更にそれによつて生ずるアンバランスを是正して追加改訂せられるものであると了解するのでありまするが、その了解で差支えないかどうか。即ち趣旨を斟酌して改訂すると申しましても、参議院側が要求したもののうちの七分か八分を容れるという考え方と、この趣旨のようにです……より生じたアンバランスを補正して、より大幅な改訂をするという二つの途があろうと思うので、これに対して一つ明確なる答弁を承わつておきたいと思うのであります。
 次に、昨日衆議院側において我が党の松澤君の質問に対し、衆議院における両院協議会の議長は、人事院が勧告したらばそれに従つて改訂すると明確に答弁をされております。只今の草葉議長の報告は、人事院の勧告と並行してこれを行うと、極めて微妙なる含みある報告をなされております。いずれがこれは正当なのですか。仮に衆議院側が申しまするように、人事院の勧告を待つて初めて改訂するというに至りましては、立法府としての責任、立法府としての権威の上から見逃し得ない問題であろうと存じますると同時に、これは人事院の拘束を受けまするその下において立法しなければならないという、いささかの筋合いもないものであるということをここに強調いたしまして、私は草葉議長の明快なる答弁を期待するものでございます。
 次に、仮りにです、次期国会において、参議院修正部分及び新追加分の議決があつた場合には、これらの地域の国家公務員に対しまして、いつから適用されるかという問題が起きて参ります。これは予算上の関係もありまするが、当然我々の了解といたしましては、原案部分の公務員と同様に遡及して四月一日から適用されるのが当然であろうと思うのでありまするが、只今の報告を聞きますと、四月一日にできるだけ近ずけて云々、これ又極めて微妙なる報告でありまして、これらについては両院協議会においては如何なる話合いと了解が付いているのであるか。私どもとしては当然四月一日から遡及適用されるものと了解するのでありまするが、さような了解において間違つていないかどうか。この点を承わりたいと思うのであります。
 要しまするに、この参議院側の修正によりまして、全国的に見ますと実に三百二十二地域、公務員の数にいたしまして実に十二万四千九百五十人が恩恵を受けるはずであつたのに、これらの人々に我々は実に多大なる失望を今日與えたということを重々考えまして、これらの者に対しましても、より明るい希望と勇気を與えますがためにも、一つ私がお尋ねいたしました。諸点に対しまして、明快なる御答弁を賜わらんことを期待いたしまして、質問を終る次第であります。(拍手)
#12
○副議長(三木治朗君) 両院協議会協議委員議長草葉隆圓君。
   〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
#13
○草葉隆圓君 只今の相馬君のお尋ねに対しまして、協議会におきまする論議を中心にいたしまして御答弁を申上げたいと存じます。
 第一の問題は、均衡、不均衡の問題につきましては全くお話の通りだと存じます。本院は全会一致を以てこの案が最もベターなりと決議をいたしました。従いまして、私どもは参議院の案は決して不均衡とは存じておりません。この点は強く主張いたして参り、従つて先の報告の中にも申上げました通り、均衡、に不均衡の問題、或いは公正か公正にあらざるかという問題は、結局相対的の問題である、この制度の抜本的処置を講じない限りには、いつまでも起つて来る問題であるという点につきましては、意見が両院とも一致いたしたのでありました。従いまして、この均衡、不均衡の問題は、これは別にいたしながら論議を進めて来るという段階で進んで参つたのでございます。従いまして、次のお尋ねの予算的措置の問題ということに相成るのでございまするが、本院の修正案の結果起ります予算上の措置についての財源の見通しでありまするが、この点につきましても、我が人事委員会は予算的措置をなし得るという見通しを以ていたし、従つて本院も又この見通しを以て進んで参つたのであります。この点につきましては、衆議院側も参議院の意見を諒といたしております。ただ問題は、いわゆる予算上の措置が問題であつて、従つて補正予算を組むという問題に結論が集約されて参つたわけであります。この補正予算をこの給與地の問題に限つてのみ組むということは、諸般の情勢から、今予算を執行したばかりの時期であるから困難でありはしないか。従つて補正予算を組む場合には当然この問題に対する補正も加えながら進んで来るということにつきましては、衆議院も十分了解をいたしておるのでございます。
 次に、この暫定的であり、成るべく速かと言うが、これは誠に表現の上においては十分なものではないのではないか、暫定的であり、成るべく速かというのはどういう意味であるかというお尋ねであつたと了承いたしまするが、今回衆議院の一応のいわゆる別表をとりましたのは、これは暫定的な処置として参議院は承認をする。従つてこれが本質的なものとしては、成るべく速かな機会、次期国会というのが、先に申上げました報告で明瞭に御報告申上げましたように、成るべく速かな機会というのは、私どもの協議の内容におきましては次期国会を指しておるのでございまするが、その次期国会においてこの暫定的なものを、本質的なものに、参議院の修正を加えて作り上げて来るというのが、附表の備考に一項を加えました趣旨でございます。又「斟酌して」という文句を使つておるが、これは参議院の意見を或いは七分、八分に削ることも斟酌であり、或いはそのままにして、他を、不十分なものと思われる点を十分にするためにプラスをするということも斟酌である、どちらかという御意見であつたと承知をいたします。これは御意見の後者の通りに、参議院の議決をそのまま尊重しながら、これに衆議院の希望を加えるという意見を以て協議を進めて参りましたことをお答えを申上げます。
 又人事院の勧告との問題はどうであるか、殊に昨日はこの問題について衆議院で質疑応答がなされたが、その質疑応答では不十分ではないかという意味の御質問であつたと承知をいたします。御案内のように、一般職の職員の給與に関する法律の第二十四條によりますると、「国会は、給與の額又は割合の改訂が必要であるかどうかを決定するために、この法律の制定又は改正の基礎とされた経済的諸要素の変化を考慮して人事院の行つた調査に基き、定期的に給與の額及び割合の検討を行うものとする。」とあるのであります。この條文を非常に窮屈に解釈いたしますると、或いは説をなされるような、人事院の勧告がなかつたならば次の国会においてもこれは処置はできないのではないかということも或いは解釈上出るかも知れませんが、これは、むしろ、そうではなしに、本條は、むしろ、人事院のこうした調査の義務に対応して、国会が定期的に給與に関する検討を行うべきごとを規定した條文でありまして、この定期的検討のほかに別に国会が給與に関して審議をすることを毫も制限する趣旨のものではないと解釈いたしておるのであります。この点につきましては衆議院側も同意見であると了承いたしております。
 次に時期の問題でございます。然らば、この成案によつて実施され、補正予算に組まれていよいよ実施する場合に、願わくば四月一日からこれを実施するようにして行くべきものではないか、又さように解釈してよいかという問題でございまするが、参議院側といたしましては、我々全会一致の御推薦による十人の全委員は、お話の趣旨の通りに強調をいたしたのでございます。併しこれは今後の補正予算の関係、当時の人員の状態、これらを勘案して考えるべき問題でございまするので、衆議院側も、予算その他を考えながら、成るべく参議院の趣旨に副うように、言葉を換えて申しますると、成るべく四月一日に近く寄るような努力をお互いにして行こう。然らばどうして行くかという問題につきましては、これは両院の人事委員会において今後十分連絡をしながら成案を作り上げることに努力をして行くという申合せ、協定を含んでのことでございまするから、以上お答えを申上げまして御了解を頂きたいと存じます。(拍手)
#14
○副議長(三木治朗君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。
 成案に対し討論の通告がございます。発言を許します。千葉信君。
   〔千葉信君登壇、拍手〕
#15
○千葉信君 私は労農党を代表いたしまして本案に反対いたします。勿論、私は両院協議委員諸君の連日の御努力に対しては敬意を表するにやぶさかではないのでありまするが、併しながら、この成案そのものは断じて賛同するわけには参らないのであります。
 先ず第一にその理由としなければならないのは、成案の具体的な内容なるものが、両院協議委員の選任以前すでに政府の方針として我々が内交渉を受けたものと寸分変らないものだからであります。いや、むしろ「参議院の修正を尊重して」というのが、「修正の趣旨を斟酌して」と改められたことは、衆議院側、與党側の一歩前進であり、参議院側の一歩後退、譲歩だとさえ言い得るものであります。これでは、政府並びに與党が三分の二を以て否決し去るという勇断を欠いたために、言い換えるならば、與党が自己の責任において参議院案を否決し去つた場合の影響を恐れて、早く言えば選挙対策上の考慮から両院協議会に持込み、責任の片棒を担がせる作戦をとつたと言つても過言ではないのであります。勿論或る人は、ここに一応の成果を見たと言つて、この成果を誇られる人もないことはありません。次の機会まで待てば参議院の修正がきつと物を言うであろうと考えているようであります。果してそうでありましようか。物を言う部分も成るほどあるにはあるでありましよう。併し当初において予算措置を講ずるまで待てという場合に考えられた、全面的に参議院の修正部分を尊重するという態度から見るならば、今度の成案では、斟酌して改訂する、只今草葉議長から斟酌という言葉と尊重という言葉は同じ意味だという答弁がありましたが、私どもは、梵語の場合ならばいざ知らず、日本語の場合においてこの言葉が同一であるとは考えられないのであります。(拍手)斟酌して人事院が検討し勧告すると変更されております。別表の備考に一項を加えるという立法上の珍妙な形式もさることながら、かかる備考なぞあつてもなくとも、本法律第二條第一項第二号にちやんと同じ意味の明文があるではありませんか。「勤務地手当の支給地域及び支給割合の適正な改訂につき、国会並び内閣に同時に勧告するため、常に全国の各地における生計費の科学的研調査を行うこと。」こうあるのであります。而も我々には、これの勧告に当るということになつた人事院が今改組の運命にあるということも、この問題に対する影響という点において無関心ではあり得ません。今審議中の機構改革案、或いは国家公務員法の一部を改正する法律案によるところの人事院の改組が不幸にして実現いたしますならば、今度は人事院は国家人事委員会として総理府に統轄されます。今までよりも権限が縮小し、総理大臣の監督と容喙が行われる。政府と国会に対する勧告は一々許可を受けてからということでは、今まででも本来の立場に立てず、改組の運命に至つても輿論すら沸いて来ないほど愛想をつかされている人事院に、果して毅然とした態度で今後給與引上げの勧告や地域給の速かなる勧告を期待できるかどうか。両院協議会ではこの点にまで触れた愼重な審議があつたかどうか疑問でございます。給與は本年一月ですでに改訂の必要を生じた。その後、條件はますます悪く、七月給與引上げ勧告説さえあります。補正予算編成、八月国会開会説等、情勢の見通しからは、十月には給與の引上げを行わなければならない條件が成熟しつつあります。給與引上げをやつてからでなくては選挙は不利だという考慮も加わるでありましよう。地域給改訂問題がその中に巻き込まれて焦点のぼける虞れがありやなしや。両院協議委員諸君は如才もないこととは思うが、そこまで分析して頂けたかどうか。考えると私は頗る憂欝にならざるを得ません。そうして又私は、この成案について最も嘆かわしく思うことは、この成案は全会一致だつたということであります。参議院の権威と名誉のために、いわんや全会一致だつた参議院修正案のために、私はこれを深く悲しむものであります。
 以上を以て私の反対討論を終ります。(拍手)
#16
○副議長(三木治朗君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。両院協議会成案全部を問題に供します。成案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#17
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて成案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#18
○副議長(三木治朗君) 日程第三、道路交通事業抵当法案(植竹春彦君外十三名発議)を議題といたしまする
 先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長山縣勝見君。
 (財団の設定)
   〔山縣勝見君登壇、拍手〕
#19
○山縣勝見君 只今議題となりました道路交通事業抵当法案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 この法律案の要旨は、道路運送事業及び通運事業につきまして財団抵当制度を創立せんとするものであります。而もこの法案におきまするいわゆる財団と申しますのは、一又は二以上の事業単位につきまして設定されるものでありまして、道路交通事業財団登記簿に所有権保存の登記をなすことにより行われます。なお、この事業単位と申しまするのは独立して運営されまする事業の規模を申すのであります。なお財団の組成物件としましては、土地建物の不動産のほか、自動車その他事業経営に必要なもので同一事業者に属しまするもの全部に及ぶのでありますが、ただ他人の権利の目的となりますものや、なお、仮差押え、仮処分の目的でありまするものは当然財団には属しません。なお又不動産若しくは自動車が存しない場合におきましては、これ又財団を組成することはできないのは当然であります。この財団にかように全部いわゆる所属主義をとつておりますほか、後日取得いたしましたものにつきましては当然に所属する建前をとりまして、以て担保力の充実維持を図つておるのであります。次にこの事業財団の性質でありまするが、一個の不動産とみなされておるのであります。従つて当然に工場抵当法が準用されるのであります。
 最後に抵当権の実行でありまするが、一般抵当権の実行の場合のほか、この法律におきましては免許の取消及び失効の場合におきましても抵当権の実行ができることに相成つておるのであります。而して又競落人には免許が承継されることとして、これによつて、抵当権の実行によりまして事業の中絶を来たし、それによつて一般交通の便益を阻害することのないように配慮されておるのであります。これは当然にそれだけ担保価値を高めることに相成るわけであります。
 以上でこの法律案の要旨を御説明申上げましたが、運輸委員会におきましては、法案の性質上、法務委員会とも連合委員会を開催いたし、愼重に審議をいたした次第でありまするが、以下運輸委員会及び法務、運輸の連合委員会におきまする審議の経過について御報告申上げます。
 詳細につきましては速記録によつて御承知願いたいのでありますが、主なる質疑の第一は、財団を設定する事業単位の認定についてでありまするが、この点に関する質疑の要点は、事業単位認定の基準等認定の方針と、かかる認定制度をとることによつて、折角かような法案を作つても金融の自由を行政官庁が制約するというような結果にならないかというような質疑であつたのであります。これに対しまする提案者及びこの法律案成立後における実施担当官庁でありまする政府委員の答弁におきましては、「事業の単位は、通常の運営において独立して経営可能な規模のものを認定することになるのであるが、元来事業単位は客観的にその事実を認定確認いたすものであるのであつて、従つて行政官庁の任意の裁量によつて認定を左右するというようなことはしない」という答弁であつたのであります。又「事業單位の認定は、財団の範囲とその所属を明確にいたして、且つ事業の細分化を防ぎ、担保力を高める趣旨で行うつもりであるから、融資に当つては当事者の意思を尊重し、これを制約することはあり得ない」という答弁であつたのであります。第二は、財団の組成物件にいわゆる営業権をなぜ含ませなかつたかという質問であつたのであります。これにつきましては、「財団の組成物件としては、特定されることを要するのであるが、世上、取引において評価される営業権なるものは、かかる物権性に乏しいものであるし、なお又安定性に乏しいものであるから、この際はこれを加えていない」という答弁であつたのであります。「併しこの事業抵当では抵当権の実行の場合におきまして競落人に当然免許権が承継されるのでありまするから、事実上は営業権を組成物件に入れたと同じ効果を来たす」という答弁であつたのであります。第三は融資に対する法律上の措置は、本案によつて一歩前進いたしたものであるけれども、政府は道路交通事業に対して、果して現在金融上の措置において如何なる措置をとつておるかという質問に対しましては、「これらの事業は中小企業としては規模は大である。併しながら、さればと言つて、みずから借入れをいたしてやるほどの信用能力を持つていない。従つて政府といたしましては、さような事業の性質に鑑みて、機会あるごとに、これらの事業の育成発展のために、その融資上の措置に対して万全の努力を拂つておる」という答弁であつたのであります。その他、財団組成物件の各内容につき、なお又それが欠けた場合の抵当権の効力等、多岐に亘つて質疑が行われたのでありますが、それらの詳細につきましては委員会速記録によつて御承知を願いたいと思います。
 これにより委員会におきましては、討論に入りましたのでありまするが、討論省略の動議が出まして、全会一致でこれを承認いたしまして、討論を省略いたしまして、直ちに採決に入りましたるところ、全会一致を以て本法案は原案通り可決すべきものと決定をいたした次第であります。
 以上御報告を申上げます。(拍手)
#20
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#21
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#22
○副議長(三木治朗君) 日程第四、農産物検査法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長羽生三七君。
   〔羽生三七君登壇、拍手〕
#23
○羽生三七君 只今議題となりました農産物検査法の一部を改正する法律案について、農林委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
 主要な農産物について国営検査を行い、これが公正且つ円滑な取引とその品質の改善とを助長し、併せて農家経済の発展と農産物の消費の合理化とに寄與する目的を以て、過ぐる第十回国会において農産物検査法が制定せられたのでありますが、現行法においては、その検査の対象となつている農産物は「もみ」等二十品目でありますが、これに対して新たに「あわ」等十二品目を追加しようとするのが、本改正法律案の骨子であります。而してこれらの新たに追加せられる農産物の検査は、米麦等に見るような強制検査を避けて、希望検査として、所有者又は占有者の希望に応じて行うこととなし、検査規格は「あわ」、「ひえ」、「そば」及び澱粉は、本法によつてこれを定め、その他の農産物は、日本農林規格が制定せられておりますので、その規格によることとなさんとするものであります。
 委員会におきましては政府当局に対して農産物に関する検査機構の調整刷新並びにこれが確立、米麦の種子の検査について、本農産物検査法と先に成立した主要農作物種子法との間の調整、検査手数料の是正、麦類の統制廃止に伴う麦類検査の改善、農産物検査法による検査規格の決定方法の改正等の問題について質疑が行われたのでありましてこれが詳細については、会議録に譲ることをお許し願いたいのでありますが、とりわけ検査手数料の問題について格別の関心が拂われ、現行農産物検査手数料は、物価水準から見ても又農家経済から見ても高きに過ぎ、而も米の手数料と麦の検査手数料が、いずれも一包装二十円であることは、米と麦との価格の比率から見て均衡を失しており、かような不均衡は麦と「なたね」の間においても見られるから、速かにこれを引下げ、是正すべきであり、更に、農産物検査が公益的な目的を持ち、米麦は強制検査の建前になつておるところに鑑み、検査に要する経費は全額国庫において負担して、無手数料とすべきであるとの主張さえ行われたのでありまして、これらの問題について廣川農林大臣から、「現行農産物検査法が施行せられてから一カ年余、その間、手数料引下げのため努力したにもかかわらず、未だ実現を見るに至つていないが、今後諸般の事情を検討して、要望に副うようにいたしたい」旨の答弁があり、更に、検査手数料を引下げるとしても、検査機構を縮小し、或いは国営検査を地方移讓するがごときことは、これは絶対に避け、特に麦の統制廃止に伴い、麦の公正な取引を前提として本法の趣旨にもとることのないようにとの注意が促され、これに対して善処したい趣旨が述べられたのであります。
 かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、島村軍次委員から、検査手数料を減額して農民負担を軽減すること、国営検査をますます強化し、地方移譲を避けること、検査経費を国庫において負担すること等の條件を附して、原案に賛成があり、小林亦治委員から、法の趣旨から見て、検査手数料や検査を行うため必要な諸費用を受検者たる農民の負担とすることは反対であるが、農林大臣の答弁に信頼し、誠意ある努力を期待し、且つ現在起り得べきトラブルを避けるためとの趣旨を以て賛成があり、続いて三橋八次郎委員から、検査手数料を農民に負担させることは不合理であつて、引下げの要望があるのは当然であつて検査機構を独立せしめ、必要な経費は国庫において負担して、農民の声に副うべきである旨要望せられて賛成があり、討論を終り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右御報告いたします。(拍手)
#24
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#26
○副議長(三木治朗君) 農林大臣かから、過日の松浦清一君の緊急質問に対する答弁のため発言を求められました。この際発言を許します。廣川農林大臣。
   〔国務大臣廣川弘禪君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(廣川弘禪君) 過日松浦議員より質問を受けました際、病気のため欠席いたしましたので、この機会にお答えしたいと思います。
 すでに外務大臣等から御説明もあつたと思いますが、「まぐろ」の関税問題につきましては、我が国の実績を十分説明いたし、双方の利益の調整を図り得るよう、輸出数量調整措置をも実施し、円満な解決を期待していたのでございますが、この問題につきましては、五月の十四日にアチソン国務長官の反対声明も行われておりまするので、米国国務省の善処方を期待いたしておるわけであります。更に又新木駐米大使の赴任と共に、一層折衝の実を挙げることを考えておる次第であります。「まぐろ」漁業は、その漁場から申しましても、今後大いに発展を期待し得る漁業でありまするので、その漁獲物の販路の確保には政府におきましても万全の努力をいたす所存でございます。
 韓国の問題でございますが、この韓国との交渉の経過につきましては、すでに外務大臣よりお答えいたした通りでございまして、濠洲との協定につきましても目下外務省と連絡して準備中でございます。
 講和発効後の我が国漁業の発展の方向といたしまして、国際法上確立せられた公海自由の原則の上に立ちつつ、資源保護のための国際協力について十分考慮しなければならないと存じておる次第であります。差当りは、現在の国際情勢を考慮いたし、愼重なる操業を行う必要がありますが、関係各国との協議の進展に応じまして、逐次適当な措置を講ずる所存でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#28
○副議長(三木治朗君) 日程第五、外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第六、国際植物防疫條約の締結について承認を求めるの件、
 日程第七、千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際條約及び署名議定書の締結について承認を求めるの件、
 日程第八、国際復興開発銀行協定への加入について承認を求めるの件、
 日程第九、国際通貨基金協定への加入について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)
 以上五件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。外務委員長有馬英二君。
   〔有馬英二君登壇、拍手〕
#30
○有馬英二君 只今議題となりました外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律案につき、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。
 日本国との平和條約の効力発生に伴い、現在までに我が国と二十四カ国との間に外交関係が回復いたしましたが、相互に大公使等の外交使節を交換いたすのみならず、これらの国から在外国民の保護や通商航海上の利益の保護増進に従事する領事官が我が国に派遣されて来ることも当然のことであります。この領事官の派遣につきましては、各領事官が本国の元首や政府から委任状を持つて参り、これを我が国の政府に提出し、我が国の政府からこの領事官に認可状又は認証状を交付することによつて、正式に我が国における領事官としての地位を獲得するというのが国際慣例となつているのでありますが、相手国元首の委任状を提出した領事官に交付する認可状に対しては元首の認証を必要とすることが慣例となつているのであります。
 日本国憲法第七條第八号によれば、かくのごとく国際慣例によつて認証を必要とする外交文書に対する天皇の認証については、法律によつてこれを定めることを予想しております。先に本院において可決いたし、施行されました外務公務員法は、第九條において我が国から派遣される大使及び公使の信任状等及び領事官の委任状には天皇の認証を要する旨を定めておりますが、外国の領事官の認可状については定めておりません。そこで外国の領事官に交付する認可状の認証について立法措置が要求されるわけであります。
 本法律案は一カ條から成り、外国の領事官に交付する認可状は天皇が認証するということを定めております。
 外務委員会は、五月十六日、予備審査において政府側より説明を聽取いたし、六月三日に質疑、同五日に討論を経て採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り可決いたした次第であります。
 右御報告申上げます。
 次に外務委員会に付託せられました国際植物防疫條約の締結について国会の承認を求めるの件につき、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 この條約は、一九五一年十一月に開かれた国際連合食糧農業機関の第六回総会に上程され、同年十二月六日関係各国の署名を得て成立いたし、当時我が国代表もこれに署名済のものであります。
 この條約の趣旨とするところは、近年植物に対する病害虫が世界的に蔓延するので、一国の孤立的国策だけではこれを防除することができませんので、国際協力により目的を達せんとするものであります。そのために、国際取引に関連する植物及び植物生産物に対する防疫事業の強化、植物検疫証明書様式の統一、植物の病害虫の発生状況に関する情報の交換等を規定したものがこの條約の内容であります。
 これに加入いたしますれば、我が国は外国における病害虫の発生状況等が早急に通報され、輸入検疫上又は国内における防除対策上、種々便益を受けることになるのでありますし、又締約国の植物防疫関係法令や検疫の実施状況等も明らかになり、安んじて農産物の捻出を行い得るのであるとの政府の説明でありました。
 外務委員会は、五月十六日、六月三日及び六月五日の三回に亘り、本件を審議いたしましたが、別段の問題もなく、全会一致を以て本件は承認すべきものと決定いたした次第であります。
 次に、只今議題となりました千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際條約及び署名議定書の締結について承認を求めるの件につき、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。
 政府側の説明によりますと、この條約及び署名議定書は、税関手続の簡易化を図ることが通商の衡平な待遇を実現する重要な手段であることに鑑み、税関手続の簡易化及び衡平な適用並びに関税率及び関税規則の公表について、国際的に協力することを目的として作成されたものでありまして、一九二三年十一月三日にジユネーヴで署名され、その加盟国は三十六国に上つております。我が国は一九二四年三月十七日にこの條約に署名いたし、その後歴代の内閣はしばしば條約の批准方を奏請したのでありますが、その都度、内閣更迭等の事情により、その奏請は返戻され、続いて満州事変を契機として我が国と連盟との関係悪化等あり、遂に今日まで批准されるに至らなかつたのであります。我が国は昨年九月八日にサンフランシスコにおいて、この條約及び署名議定書に加入することを宣言しておりますから、これに一日も早く加入することは我が国の国際信用を高めるゆえんであるというのであります。この條約は、前文、本文三十カ條及び議定書から成つており、前文において先に申上げました目的を謳い、本文は、税関手続の衡平簡易化及び公開の三原則に関する規定、税関制度の専門的事項に関する規定を骨子といたしております。
 外務委員会は、五月十六日予備審査において、政府側より説明を聽取した後、同二十九日及び六月四日の両日に亘つて大蔵委員会との連合審査を行いましたが、質疑応答の詳細は議事録に譲りまして、一、二の点を申述べますると、次の通りであります。即ち、この條約の第三條は、締約国が輸出入の禁止及び制限を事情の許す限り速かに最低限とする措置をとることを約束しておりますが、我が国の批准が遅れたのは、單なる内閣更迭等の事情のみならず、この條項を我が国にとつて不利と考えたためではなかつたかとの疑点に対し、そのような理由に基いて批准が遅れた関係はない旨の答弁があり、
   〔副議長退席、議長着席〕
 又同じく第三條の規定する約束に他の締約国が違反したときは、我が国として十分抗議が行える旨の答弁がありました。更に我が国が現に中共に対してとつておる通商政策は、第三條とは正反対ではないかとの趣旨の問いに対しては、それは侵略に対する防止措置であつて、第三條とは別問題である旨の答弁がなされました。又米国がこの條約に加入していないのは、同国が国際連盟に加盟していなかつたためである旨が明らかとなりました。なお米国は税関手続の簡易化に反する傾向をとつているから、これが是正に努力すべきである趣旨の要望が政府に対してなされました。
 かくして六月五日質疑を終り、討論を経て採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り承認すべきものと決定いたしました。
 更に、只今議題となりました国際通貨基金協定及び国際復興開発銀行協定への加入について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 政府当局の説明によりますと、第二次世界戰争中から、戰後の国際経済の秩序ある発展を図るためのいろいろの案が研究されていましたが、一九四四年七月に、米国政府の招請によつて、米国ニユーハンプシヤー州ブレトン・ウツヅに四十四万国の代表が参加する連合国通貨金融会議が開かれました。この会議において国際通貨基金協定及び国際復興開発銀行協定が採択され、一九四五年十二月二十七日に、基金は二十九カ国、銀行は二十八カ国によつて署名され、同日に効力を発生いたしました。
 基金が主として経常的な国際決済に関する比較的短期の国際金融操作を目的とするのに対して、銀行は比較的長期に亘る国際投資を促進しようとするものであつて、特に戰争によつて破壊せられた世界経済の復興及び戰時経済から平和経済への円滑な移行をその主たる目的としているのであります。我が国といたしましては、国際通貨基金への加盟によつて、我が国の必要とする特定の外資を一定限度内で基金から買入れることによつて、対外収支の一時的不均衡を調節し、我が国の対外信用を高め、他の国際機関、特に国際復興開発銀行への加盟を容易にすることを期待できるのであります。なお、我が国は国際復興開発銀行への加盟によつて、復興開発のため必要な外貨資金を直接同銀行から借入れ、又同銀行の保証を受けて民間の外貨の導入を容易とすることを期待することができるのであります。
 この内容について今暫らく説明いたしますと、基金は、我が国の加盟條件をきめるため、オランダ、英国、濠洲、ブラジル、米国、中国の六カ国の代表から成る委員会を設け、我が国の過去の貿易額、国民所得、金、ドルの保有額を参考とし、加盟條件として割当額二億五千万ドル、拂込額六千二百五十万ドルと定められました。なお、銀行に対する株式応募額は基金の割当額と等しい額であり、その二%を金で拂込むことになつています。銀行の場合には、銀行の融資額と株式応募額とは関係なく、銀行融資の総現在高に一定の制限あるほか、各国別の制限はありません。右の金による拂込以外の拂込は円でするわけでありますが、これは公債で差支えないので、これについては別途立法措置をなす必要があるとのことでありました。政府は昨年八月九日に加盟を申請いたしておりましたところ、最近その加入の見通しが付きましたので、両協定への加入について承認を求めるということであります。
 本案件は、去る五月三十一日、本委員会に付託されましたので、本委員会は五月十五日予備審査、六月五日と、二回に亘り審議いたしたのでありますが、質疑応答の詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくて質疑を終了の後、討論を経て採決をいたしましたところ、全会一致を以て政府提案通り承認すべきものと決定いたした次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#31
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 先ず外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#33
○議長(佐藤尚武君) 次に国際植物防疫條約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り承認を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(佐藤尚武君) 次に、千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際條約及び署名議定書の締結について承認を求めるの件、国際復興開発銀行協定への加入について承認を求めるの件、国際通貨基金協定への加入について承認を求めるの件、以上三件全部を問題に供します。委員長報告の通り承認を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#36
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて三件は全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#37
○議長(佐藤尚武君) 参事に朗読させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律等の一部を改正する法律案可決報告書
     ―――――・―――――
#38
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長梅津錦一君。
   〔梅津錦一君登壇、拍手〕
#40
○梅津錦一君 只今議題となりました医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律等の一部を改正する法律案に関しまする厚生委員会の審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
 本法案は衆議院より提出されたものでありまして、提案理由の概要について申上げますと、従前満州方面向けの医師養成を目的とした学校の卒業者と、日本の正規の学校を出てはいないが、朝鮮、中華民国、蒙疆、マライ、シンガポール等の現地で免許を受けて医業を営んでいて終戦により引揚げた者に対しましては、国民医療法の特例による試験によりまして救済策が講ぜられたのでありますが、この試験に二度とも合格しなかつた者、又は朝鮮、満州において医師又は歯科医師試験の第一部の試験に合格した者等に対しましては、それぞれ医師国家試験予備試験又は歯科医師国家試験予備試験に合格して、更に実地修練を行なつた上で、国家試験を受けて、医師又は歯科医師になる途が開かれているのであります。併しながら医師国家試験予備試験、歯科医師国家試験予備試験の受験回数は、現在では二回に限られており、この試験に二回とも合格しなかつた者は永久に受験することができないのであります。これでは、これらの者の多くは引揚者であり、年齢的に転業も困難であり、且つ経済的に同情すべき者が少くないので、これらの人々のために、医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律及び歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律による国家試験予備試験の実施期間中は、その受験回数の限度を撤廃しようとする点でございます。
 本法案は、本日厚生委員会において審議せられたのでありますが、質疑応答の内容は速記録により御覧願いたいと存じます。かくて質疑を終り、討論を省略いたしまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました次第でございます。(拍手)
#41
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#43
○議長(佐藤尚武君) この際お諮りいたします。椿繁夫君から海外旅行のため会期中、尾崎行輝君から病気のため九日間、それぞれ請暇の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつていずれも許可することに決しました。
 本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 会期延長の件
 一、日本国有鉄道監理委員会委員の任命に関する件
 一、日程第二 一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案両院協議会成案
 一、日程第三 道路交通事業抵当法案
 一、日程第四 農産物検査法の一部を改正する法律案
 一、日程第五 外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律案
 一、日程第六 国際植物防疫條約の締結について承認を求めるの件
 一、日程第七 千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際條約及び署名議定書の締結について承認を求めるの件
 一、日程第八 国際復興開発銀行協定への加入について承認を求めるの件
 一、日程第九 国際通貨基金協定への加入について承認を求めるの件
 一、医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律等の一部を改正する法律案
 一、議員の請暇
ソース: 国立国会図書館
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