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1951/06/16 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 本会議 第52号
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1951/06/16 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 本会議 第52号

#1
第013回国会 本会議 第52号
昭和二十七年六月十六日(月曜日)
   午前十時四十三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第五十一号
  昭和二十七年六月十六日
   午前十時開議
 第一 自転車競技法等の一部を改正する法律案(境野清雄君外五十七名発議)(委員長報告)
 第二 外資に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 国土総合開発法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、自転車競技法等の一部を改正する法律案(境野清雄君外五十七名発議)を議題といたします。
   〔結城安次君登壇、拍手〕
#4
○結城安次君 只今議題となりました自転車競技法等の一部を改正する法律案について、通商産業委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 現行の自転車競技法は、御承知の通り、昭和二十三年第二回国会におきまして、時の民自、民主、社会、国協の四党共同提案として提出せられ、成立したものでありますが、現在競輪の実況は、競輪場数六十カ所、一ヵ月の入場者約百五十万人、一ヵ月の車券売上高約五十億円に及び、法制定当時何人も予想し得なかつたところの発展を遂げて今日に至つたのであります。自転車競技法の目的とするところは、その第一條に規定しております通り、自転車産業の振興と地方財政の増収とにあるわけでありますが、右に述べましたような競輪の盛況に伴いまして、競輪の収益から自転車産業振興費として支出を見ました金額は、昭和二十四年度以降昨年度までで合計約七億二千万円に達し、商工中金その他の金融機関を通じましての自転車産業に対する貸付金、中小自転車企業の共同施設費、自転車工業研究補助金、或いは自転車の輸出振興費等として極めて有効に使用されているわけであります。又、競輪施行者としての地方自治体の収益は、昭和二十六年度までで実に八十億円に達しております。これらは、それぞれ地方における住宅又は学校の建設、保健衛生その他公共事業に活用せられ、地方財政収入に寄與していることは、御承知の通りであります。
 併しながら競輪は、その運営に当を得ない場合におきましては、例えば一昨年の兵庫県下の騒擾事件でありまするとか、その他、社会風教上にも憂慮すべき結果を来たす虞れがありますることも又否定し得ないところであります。従いまして、これに対する対策といたしまして、競輪施行者その他の運営関係者、選手等の監督指導に努めることは勿論、運営方法につきましても、車券の発売方法、開催方法等、諸般の点に細心の注意を拂う必要がありますると共に、多数の観衆の理解自制に待つところも又極めて大きいのであります。併しこれがためには法規上相当の監督規定を設けることが是非とも必要であることは申すまでもないことであります。然るに、現行自転車競技法は、以上のような見地からこれを見まするときは、極めて不備と申しますよりも車券発売の停止等のほかは殆んどこれらの監督規定を欠いておるというのが実情であります。思いをここにいたしまして、我が通商産業委員会におきましては、早くより自転車競技法の改正を企図し、去る第十二国会において競輪に関する小委員会を設け、本法の改正に着手したのでありますが、引続き今期第十三国会におきましても同小委員会を設置し、鋭意改正案を練つて参つたのであります。前後会を重ねること約三十回、その間、小委員には相当の異動がありましたが、自由党からは小林英三君、重宗雄三君、中川以良君、松平勇雄君、社会党第二控室からは島清君、社会党第四控室からは栗山良夫君、民主クラブからは境野清雄君、改進党からは石川清一君、緑風会からは私結城安次等が小委員として参加いたしおまして、おのおのの立場におきまして極めて熱心に検討を加えて参りましたが、なかんずく競輪選手の地位向上、待遇改善問題の解決策といたしまして、島委員が選手会の法制化を企図し、これに関連いたしまして、競輪法運営の直接担当者たる通産省の指導方針、自転車振興会並びに連合会のあり方等につきまして痛烈な批判を行なつたのでありまするが、小委員会の大勢は、選手会の法制化は時期尚早といたしまして、実質的にこれを育成して行くべきであるとの論が支配的となりまして、漸くにいたしましてこのほど一つの成案を得るに至つたのであります。即ち境野清雄君外五十七名の発議にかかる自転車競技法等の一部を改正する法律案がこれであります。
 本改正法律案の内容の主な点は、第一点は、競輪場及び場外車券売場の新設につきましては通商産業大臣の許可を要すること、第二点は、競輪の開催回数につきましては所要の調整を加え得るようにしたこと、第三は、未成年者及び競輪運営関係者の車券購入禁止の範囲を拡大したこと、第四は、競輪場内の秩序の維持並びに競輪施行者及び自転車振興会並びに競輪場所有者に対する監督に関する規定を明確にいたしましたこと、第五点は、国庫納付金に関する規定を整備いたしましたこと、第六点は、本法運用に関する通商産業大臣の諮問機関として競輪運営審議会を設けることにいたしましたこと、第七点は、いわゆる呑み屋、取次業者等の車券購入に絡まる不正行為の取締に関する規定を整備いたしましたこと、以上の通りでありまして、これらはいずれも競輪の弊害を防止し、その運営の健全化を期待するため極めて緊要な改正であります。
 通商産業委員会においては、本法律案が正式に付託されますると共に、最も密接な関係のある地方行政委員会と連合審査を行い、岡本、吉川、岩木三委員より種々質問、希望意見等がありました。その詳細の事項は速記録に譲りたいと思います。
 連合委員会終了後、再び通商産業委員会において愼重審議の上、質疑を終了、討論に入りましたところ、社会党第四控室を代表いたしまして栗山委員より、一、今後における競輪場の新増設には反対であり、公益に反するごとき事態を発生せしめた競輪場には閉鎖廃止の処置を断行すべきである。二、競輪開催回数の調整等の措置により可及的地方財政の均衡化を図るべきこと。三、監督官庁たる通産省は責任の所在を明確にすると共に、当面の諸問題解決のために抜本的対策を以て臨むべきであり、呑み屋行為の取締は即時断行すべきであると、強く要望しまして、賛成の意を表されました。又社会党第二控室を代表いたしまして島委員より、自転車競技法の運営担当者である通産省当局並びに自転車振興会、同連合会関係者の現状を痛烈に批判しつつ、これが真剣な反省を求めると共に、選手会の育成について強く要望して賛成。かくて採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右御報告申上げます。(拍手)
#5
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
   〔荒木正三郎君発言の許可を求む〕
#7
○議長(佐藤尚武君) 荒木正三郎君。
#8
○荒木正三郎君 私はこの際、教育政策振興会に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#9
○松浦清一君 私は只今の荒木君の動議に賛成をいたします。
#10
○議長(佐藤尚武君) 荒木君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。荒木正三郎君。
   〔荒木正三郎君登壇、拍手〕
#12
○荒木正三郎君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、政府の文教政策に関連をいたしまして若干の質問をいたしたいと思います。
 文教関係の重要法案で本国会で審議されているものは、義務教育費国庫負担法案と教育委員会法等の一部を改正する法律案があることはすでに御承知のことであります。前者は議員提出になつており、後者は政府提出になるものでありまするが、この両法案とも国会における審議は誠に澁滯いたしておるのでありまして、或いは本会期中に成立するかどうかも危ぶまれている現状であります。この原因が、義務教育費国庫負担法案においては政府部内の意見の対立に基いておるということであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)教育委員会法等の一部を改正する法律案においては、政府と與党である自由党との間に意見の不統一を来たしているというところに原因があることは明白でありまして、我々の甚だ遺憾に堪えないところであります。この両法案の成否は教育界に與える影響が極めて大きいものがありますので、本会期も切迫している今日、特に私は政府に善処を要望する意味で総理並びに文部大臣に所信を質したいと考えているのであります。
 質問の第一点は、義務教育費国庫負担法案の問題でありますが、総理は施政演説においても義務教育の振興を力説しておられるのでありますが、そのためには教育財政を確立することが先ず急務と言わなければならないと思うのであります。本参議院は第七回国会におきまして義務教育費確保に関する決議を採択いたしまして、政府を鞭撻いたしておるのであります。政府はこの参議院の決議に応えるためにもこの法案の成立のために積極的な努力を拂うべきであると私は考えるのであります。この法案が政府部内の意見の対立或いは官僚の縄張り争いからその成立が危ぶまれている実情を思うとき、総理は少くとも原案の成立を図るために政府部内の意見の統一を図る必要があると考えるのでありまするが、首相の所信を伺いたいのであります。
 質問の第二点は、文相にお伺いするのでありますが、新聞紙によると、文相は、義務教育費国庫負担法の原案から文教施設費及び災害復旧費の項目を削除し、更に重要部分を政令に委ねる等の大幅な修正に同意したと報じておるのであります。かくてはこの法案も全く骨抜きとなり、文相の日頃の構想が崩れることとなると思うのでありますが、この際、文相の確固たる所信を承わりたいのでございます。
 次に教育委員会法等の一部を改正する法律案でありますが、この法案は五月七日参議院において政府提案の通り全会一致を以て可決し、即日衆議院に送付されたものでありまするが、衆議院においては殆んど一ヵ月に亘つて審議もされず、六月四日に至つて漸く提案理由の説明が行われたような次第であります。この法案の成否は教育行政並びに教職員が組織する教員組合に與える影響の大きい点から考えても、義務教育費国庫負担法案に劣らない重要法案であると思うのであります。五月十日までに成立すべきはずの法案が、今日なお、その成否すらわからない状態にあるのは、初めに指摘いたしましたように、政府と自由党の間に意見の調整が見られないことから起つていることは明らかな事実であります。吉田首相は政府の首班であると同時に、自由党の総裁でもあるのでありまするから、党内に対して積極的に説得に努め、法案の成立を図るべきであると思うのでありますが、かような努力が携われておるかどうか。この点について明らかにして頂きたいのであります。
 天野文部大臣にお尋ねいたしたい第一点は、若しこの法案が成立しない場合、今年の秋には全国一万有余の市町村に教育委員会を設置しなければならないことになるのでありまするが、教育委員会を町村にまで設置した場合、教員の人事交流が困難となり、給與のでこぼこが甚だしくなることが予想せられるのでありますが、教育委員会を全国の市町村に設置することについて文相は如何ような考えを持つておられるか。この際、明らかにして頂きたいのであります。
 第二点は、教員組合に関することでありますが、この法案が成立しない場合は、地方公務員法の規定がそのまま適用されることになるのであります。これによりますと、地方の教職員は市町村條例の定めるところに基いて組合を結成することになるのでありまするが、現在全国の市町村においてこの條例が作られておらないのであります。今後作るといたしましても、全国一万有余の市町村がこの條例を作るということは、到底短期間にはなし得ないところであると思うのであります。この結果は組合結成の保証さえ得られないという事態が起つて来るのであります。この点につきましては文部大臣は如何ように対策を講じようと考えておられるのか。お伺いしたいのであります。
 第三点は、仮に市町村ごとに組合を作つたとしても、誰を相手として何を交渉するかという問題であります。申すまでもなぐ、組合は給與並びに労働條件の維持改善のため当局と交渉するために作られるものでありますが、市町村にはこの交渉に応ずる当局というものが存在しないのであります。教育委員会が市町村にできることになつたといたしましても、それは今年の秋を待たなければならないのであります。従つてこの間、全国五十万のり教職員は、給與並びに労働條件の維持改善を図る方途を法的には失うという結果を招来するのであります。私はかかる事態は誠に重大であると思うのであります。この事態をこのまま放置すれば、今後重大なる紛争が起つて来ることも予想せられるところであります。この点について文教の責任者である文部大臣はどういう所見を持つておられるか。この際、明らかにして頂きたいと思うのであります。
 以上を以て一応質問を終りますが、答弁の内容によりましては再質問いたしたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣天野貞祐君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(天野貞祐君) 国庫負担法の問題につきましては、私は今の事情において許され得るだけの線を維持するつもりでございます。
 それから第二の教育委員会のことでございますが、市町村事で作るということには無理はないかということでございますが、市町村に作るといつても、一々の市町村に全部作らにやならないということではないので、市町村が連合して作るということもできますと思います。が、いずれにしても、この点に問題があるから、それで私はこれを一年間延ばして研究しようとしたわけでございます。それから次に、この市町村まで作るということになるというと、組合のほうに非常な障害ができるということでございましたが、これは現在そういう必要がないから、町村に別段條例というものはございませんけれども、申請があれば條例ができるわけでございます。又その際に事が円滑に行くように、適当の配慮を文部省においていたしたいと思つております。
 それから第三番目に、空白ができるというような一つのお考えでございますが、これは取急いで連合会を作れば、私はそういう点についても大した差支えは起らないという所見でございます。(拍手)
   〔政府委員保利茂君登壇、拍手〕
#14
○政府委員(保利茂君) 総理大臣に対して御質問のございました点につきまして、一応私からお答え申上げたいと思います。(荒木正三郎君「首相はどうした、首相に聞いているのだ」と述ぶ)
 義務教育費国庫負担法について政府の意見が不一致であるために、この法案の審議が非常に障害を受けておるではないか。――義務教育費の国庫負担の問題は、御承知の通りに、平衡交付金の制度及び中央、地方を通じまする税制の問題と関連した広汎な複雑な問題となつておりまするので、この間における意見を調整いたしますために各種の意見がございますことは、これはもう当然のことでございますが、只今提出せられております国庫負担法をめぐりまして政府の意見は完全に一致をいたしておりまして、そのことはすでに国会側にも連絡をとつておりまするから、私は急速に審議が進行せられつるものと考えております。従いまして、この法案が成立いたしましたならば、政府といたしましては、或いは平衡交付金制度、或いは税制の問題を深く検討いたしまして、実施上差支えのない方途を構じたいという考えでおります。
 教育委員会法の改正案について、すでに本院で五月七日に議決せられているにかかわらず、政府がこの法案の成立に努力をいたしていない、しているのか、いないのかというお尋ねでございますが、政府といたしましては、こういう処置をとりますことが今日の段階としては最も適切であるという考えを以て法案を提出いたしておりますわけでございますから、自由党の諸機関を通じまして速かに審議が進行せられるように極力努力をいたしておりますということを申上げます。(拍手)
   〔荒木正三郎君発言の許可を求む〕
#15
○議長(佐藤尚武君) 荒木正三郎君、何でしよう。
#16
○荒木正三郎君 今の答弁について再質問いたしたいと思いますが……。
#17
○議長(佐藤尚武君) 時間の余裕がありますので、再質問を許可いたします。荒木正三郎君。
   〔荒木正三郎君登壇〕
#18
○荒木正三郎君 只今の官房長官の答弁でございますが、教育委員会法等の一部改正の法律案については衆議院においても成立をするように努力いたす考えであると、こういうことでございました。併しこれは衆議院に送付されてからすでに一カ月半に近い日月をもう経過いたしておるのでございまして、單にそういう努力をするということだけでは私は満足できないのであります。この法案は、前にも申上げましたように、極めて影響するところが大きいのであります。私は、先には触れませんでしたが、教科書の問題等についても非常に重要な問題が起つて来るのでありまして、かかる重要な法案が政府與党によつて反対せられ、遂に成立を見ないというふうな場合、政府はどういう責任をとろうとせられるか。その点にまで明白に私は答えて頂きたいと思うのであります。
 更に天野文部大臣の答弁をお聞きいたしましたが、殆んど私が質問をいたしました内容については触れておられないと私は受取らざるを得なかつたのであります。即ち義務教育費国庫負担法におきまして、新聞紙は、文相が日頃本院においても或いは文部委員会においてもその所信を述べられたものを大幅に譲歩し、退却して、それに同意せられたような報道が行われておるのであります。こういう私は新聞報道が事実であるかどうか、そういう点について、はつきりお述べを願いたいと思うのであります。
 それから教員組合の問題でございますが、文相は空白については連合体を組織してやればいいじやないか、こういう答弁をしておられますけれども、あの地方公務員法によると、市町村に組合を設置することが趣旨になつておるのであります。ところがこの市町村に設置することが今日では條例等の関係でできない実情にある。これから市町村に急いで條例を作るだろう、こういう安易なことを言つておられまするが、このことについて、それでは文部大臣はいついつまでにできると、こういう責任を持つた答弁をして頂かなければ、これは私どもとしても了承しがたいのであります。できるだろうと言われるが、全国一万有余の市町村にこういつた條例が簡単にできるとは私は思わないのであります。そういたしますと、法的保護を受けた組合活動というものができないという事態が起つて来るのでありまして、そういう点について、若しこの法律が通らない場合においてどういう措置をするかという具体的な方途を私は示して頂きたいのであります。そういう点についてもう少し詳しい説明を私は求める次第であります。
  以上再質問をいたしまして答弁を求める次第であります。(拍手)
   〔政府委員保利茂君登壇、拍手〕
#19
○政府委員(保利茂君) お答えいたします。
 教育委員会法の一部改正案が衆議院において、特に文部委員会におきまして只今審議せられておりますが、非常にいろいろな御意見があるということは私どももよく承知いたしております。併しながら今日の場合といたしましては、この法案を成立さして頂くことが最も適切な措置であるということを以て今日までも努力をいたしておりますが、今後も努力をいたして参るつもりであります。なお若し万一、それでもこれが成立しなかつた場合にどうするかというお尋ねでございますが、これ以上その点まで突き進みますことは如何かと存じまするけれども、万一不成立になるというようなことになりまするならば、その事後措置につきましては、先ほど文部大臣も申されておりまするように、過まちなきように十分に措置して参りたいと考えます。(拍手)
   〔国務大臣天野貞祐君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(天野貞祐君) 新聞紙がどれだけのことを報道しておりますか、私はそれをつまびらかにいたしておりませんから、ここで、これだけだけということを申上げることはできませんが、提案によつて御承知を頂きたいと思います。
 それから第二の点につきましては、いろいろ御尤もな点もございますが、併し私は今まで必要がないから町村が何も條例を作つておらないのだ、申請があればすぐ條例ができるというように思いますが、併し私は教育委員会法に関する提案が通過することを期待しておるのですから、この場合のことは事務当局にはよく研究させておりますが、そういうことは起らないだろうという考えでございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#21
○議長(佐藤尚武君) 日程第二、外資に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、国土総合開発法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長佐々木良作君。
   〔佐々木良作君登壇一、拍手〕
#23
○佐々木良作君 只今議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案及び国土総合開発法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におきます審議の経過と結果につきまして御報告申上げます。
 先ず外資に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、政府の提案理由と、それから質疑応答の際述べられました政府の考え方を骨子にいたしまして、その法案の概要を申上げたいと思います
 提案理由によりますと、外資法は、日本経済の自立発展、国際収支の改善に寄與する外資に限つて投下を認めると共に、海外送金の保証をする制度を設けたものでありますが、最近対日投資の活溌化が予測されるので、この際、外国投資家の投資を容易にして、外資導入の促進を図るため、以下一、二、三とありまして、その一が、外国投資家による株式等の取得の制限を大幅に緩和し、二、且つ外国投資家が取得した株式の売却代金その他の元本の回収金についてその海外送金を保証し得る途を開くと共に、三、新たに株式等について指定及び確認によつても送金の保証を與える制度を設けるなどの措置によつて、現行の制度による制限を緩和すべき時期になつたと言うのであります。
 本改正案の内容の骨子を四点に要約して申上げますと、
 第一点は認可制度の改正であります。株式、持分の取得について、無償交付新株等の取得は認可を要しないこととして、更に株式、持分に限らず、すべての場合に、外国投資家間の讓渡や、相続、合併等による取得は認可を要しないこととすると共に、その認可基準をも緩和し、海外送金が保証されている株式、持分の売却代金による他の株式等への再投資を認可し得ることとなるのであります。受益証券につきましては、新たに認可制度を設けまして送金保証を受け得るようにし、他方、技術援助契約の締結、受益証券、社債、貸付金債権の取得につきましては、海外送金を希望する場合にだけ認可を要することとなつております。
 第二点は送金保証制度の拡大の問題であります。従来は、技術援助の対価、株式、持分の配当金、社債、貸付金債権の利子、元本の償還金だけが海外送金を認められておつたものでありますが、株式、持分の売却代金についも海外送金をし得るように改め、受益証券についての認可制度の採用に伴いまして、その果実及び元本の償還金の海外送金を認めることとつなつております。即ち株式、持分の売却代金は、株式、持分取得後三年経過後の売却によつて得られた代金は毎年二〇%ずつ海外送金し得るようになり、受益証券の果実は全額を、元本の償還金は毎年二〇%ずつを海外送金できるように改正されております。
 第三点は、株式等の指定及び果実又は元本の回収金などの確認の制度を設けたことであります。外資法による海外送金の保証は、投資が行われる際に認可を受ければ、爾後これに伴う海外送金について為替管理法の許可を要しないこととなつておるのでありますが、無償交付新株など及び外国投資家間の譲渡や相続、合併等による株式などの取得は、本改正案で許可を要しないこととなりましたので、認可に代るものとして指定を受けさせて、その果実又は元本の回収金などの海外送金を認め得ることとなつております。又海外送金が認められている果実又は元本の回収金などを相続、合併等によつて取得しましたときにも、これにつきまして確認を受けることによつて海外送金を認めることとなつております。第四点は外国投資家預金勘定の設定であります。株式、持分の売却代金などや受益証券の元本の償還金は即座に全額を海外送金し得ないで、一定額が円貨として本邦内にとどまることになりますので、元本が円貨で回収されてから現実に送金されるまでの間、その勘定を明確にして、海外送金額の把握に便ならしめると共に、経済に悪影響を與える虞れを防止するために、外国投資家預金勘定という特別の預金勘定を外国為替銀行に開設し、これに預け入れさせることになつたのであります。
 以上が本改正案の内容の骨子でありますが、これらの内容の改正案につきまして、経済安定委員会におきましては大蔵委員会とも数回の連合委員会を開きまして愼重な審議を行なつたわけであります。御承知のように、この外資法というのは誕生のときから現在までいろいろな状態を経て来ておりますので、従いましてその條文等も非常にわかりにくい條文になつております。従いまいて、そういう意味も含めまして相当慎重な審議をしたわけでありますが、その質疑応答の内容につきましては速記録に譲ることをお許し願いたいと思います。ただこの法案の審議に当りまして大体質疑応答された要点が三点あつたと思いますが、それは、これは外資を導入することを促進する意味を持つておるのであるけれども、このぐらいの改正案では予期し得るような外資が入り得ないのではなかろうかという心配及び質問等の、まあ一つの質問の種類に属するものであります。それから二番目は、これは本質的に問題のある点でありまして、外国投資家の持株保有率を法文上無制限にしておきますと、将来日本の産業がそういう外国投資家の手によつて実質的に支配されてしまう虞れがある、無制限の支配が特定産業別に外資によつて行われる危険性がある、これに対して政府はどういうふうに考えており、その防衛策を考えておるかというような点が第二点であります。それから第三点といたしましては、これは実際上の問題といたしまして、現在それほどでもないのにその外資を入れるためにいろいろな日本経済にとつて不利な條件を作つておるのであるけれども、それほど大きな不利な、日本経済にとつての不利な條件を付けてまでやつても、それほどいい外賓は入つて来ないのじやないかという、外資導入政策一般に対する質疑応答でありまして、以上の三点が大体この外資法案をめぐりまして外資の本質と共に論議された点であります。なお、そのほかに、先ほど申上げましたように、こういう法律でありますので、條文が非常に読みにくい、普通読んでも全然わからんような條文になつておりますので、その点がたびたび指摘されておつたわけであります。そのほかの質疑応答は一つ速記録によりまして十分御承知おきを願いたいと思います。
 討論におきましては各委員からいろいろ意見が述べられたのでありますが、これらを整理して申上げますと、
 先ず杉山委員から、外資の受入態勢を整え、外資導入を促進することに賛成であるけれども、本改正法案ではまだその点が非常に不十分であるからという意味で、以下大体三点に亘つての修正意見が述べられたのであります。第一は、株式等の元本の送金保証を與えるための据置期間を、現行のは三年になつておりますが、それを二年に短縮することが必要であろうということ、それから二番目は、外国投資家がその本国法などの関係で新株割当を受けることが困難な場合、これを救済するために、外国投資家に対し新株引受権の譲渡を認め、その譲渡の対価を以て株式、社債等の購入を認めること、更に外国投資家が新株引受の権利附の親株を売却し、その対価を以て権利落の株式を購入した場合、買替後の株式のうち売却した株数と同数については、買替前後を通じて据置期間の通算を認めること、それから三番目は、貸付信託法の施行に伴い、貸付信託の受益証券を証券投資信託の受益証券と同様に取扱うこと、以上大体三点の修正案が提出されました。
 次いで須藤、永井各委員から修正案を含めての反対意見が述べられましたが、その反対意見の要点は、原案の据置期間を三年としていることすら短か過ぎるという考えがあるのにかかわらず、これを二年に短縮するということには賛成しがたいということ、それから先ほどの質疑応答の御説明に申上げましたように、外資導入の目的は日本経済の自立にあるのであるけれども、その線に沿つているかどうかということに対して非常に疑問があること、更に三番目には、基礎産業が外資によつて支配されてはならないのに、この改正案及び修正案ではこの外資によつて基礎産業が支配されるかも知れない危険についての防衛がないという点、外国投資家の持株保有率及び送金保証制度等を諸外国並みに整理して、その実行を行政庁の裁量に任すべきものもあるのではないかというような意見が、中心的な反対意見で述べられたわけであります。
 最後に愛知委員から、この外資法案に対する運営上の希望といたしまして、外資法上では認可された契約が、その後において公正取引委員会から独禁法違反の疑いで審判開始されたり、或いは又技術援助契約の締結に伴う機械等の輸入のための外貨予算が十分に計上されていないがために、折角の契約の実行が遅れる場合があり得るので、かようなことのないよう、政府において運営上十分注意してもらいたいということ、及び据置期間についてはむしろ消極的に賛成であるという程度の意見が述べられました。
 このようにいたしまして、討論を終局いたしまして採決の結果、多数を以ちまして先ほどの修正案を可と認めまして、修正可決すべきものと決定した次第であります。
 次に、国土総合開発法の一部を改正する法律案につきまして御説明を申上げます。
 この法律も頗る厄介な法律なんでありますけれども、現行の国土総合開発法が單なる計画組織法でありまして、実施に関する規定を殆んど欠いているのに対して、国土総合開発の進捗に伴つて計画の実施に必要な規定を整備するため次のような改正を行おうとするものであるというのが提案理由の中心であります。それを三、四点列挙いたします。第一に、国土総合開発計画を国の行政に移す手続が現行法には殆んど規定がないので、特に国家的要請の強い特定地域総合開発計画を閣議決定すると共に、これに必要な予算の計上及び資金の確保に努めることとしたというのが第一点です。第二点に、国土総合開発審議会の組織及び所掌事務を拡充強化したことであります。国土総合開発審議会委員として衆参両院の議員を新たに加え、その所掌事務についても、国土総合開発計画にとどまらず、その実施に関して必要な事項についても調査審議することとして、国土総合開発計画の実施の促進を図ることとしたというのが第二点。第三点は、国土総合開発計画は強度の総合性を確保する必要があり、そのためには計画段階のほかに実施段階における調整をも欠くことができないので、このために、特定地域の総合開発計画のみならず、その他の開発計画についても新たにこれが実施の調整規定を設けたというのであります。第四点が、全国総合開発計画を内閣総理大臣が作成した場合には、これを国土総合開発計画の基本とする旨の規定を設け、これによりまして当該各計画を一貫した方針の下に推進して行くというふうにしたこと。
 この以上四点の改正案でありますが、それに対しまして衆議院の審議中に修正が加えられました。その第一点は、第十條第二項を修正いたしまして、建設大臣も又関係行政機関の長としての立場にあることを明らかにしておること。二番目に、第十二條に一項を追加いたしまして、事業計画の調整に必要な範囲において各省予算要求を含む資金計画全般の調整を行うことを明確にする。こういう意味の修正が衆議院で附加されて修正可決をされておるわけであります。
 本法案につきまして経済安定委員会としましては、建設委員会と数度連合委員会を開き、又必要に応じまして農林委員の委員外発言或いはその他の方法を以ちまして数次に亘る相当愼重な審議をしたわけであります。これらの審議におきましての詳細な質疑応答につきましては省略をいたしたいと思いますが、ただ問題点らしいものが言われましたのを、その点をざつと列挙しておきます。
 第一は、全国開発計画が立案されなければ各地域の計画が進捗しないということであつては時間的に非常にズレが生ずるが、この点を一体どう調整するのかというような点。二番目には、都道府県総合開発計画その他に関し建設大臣の権限についてであるが、当該計画の内容は各省に亘つていて、総合性が極めて濃厚であり、関係各省が共同で推進しなければならないのに、窓口を一省に置くとはどういう意味か。むしろ安本一本に統一するよう改正するのが本当ではなかろうかというような点。更に第三番目に、特定地域総合開発計画につきまして、先ず現在の十九地域の選定の根拠は一体何だろうか。更に十九地域間の開発の順序があるだろうか。特定地域開発に対する具体的な計画の有無に対する疑惑。最後に、都府県で作成する計画は原案的なものであり、閣議で決定した計画が国の計画となり得るだろうかというような点を、特定地域総合開発計画について先ず明瞭にする必要があるというような点が述べられた。四番目に、国土総合開発審議会と電源開発調整審議会との法制上及び実際上の関連問題について質疑が行われたわけであります。
 これらに対しまして関係大臣からおのおの答弁があつたわけでありますが、先ず全国総合開発計画の対象は広汎多岐に亘り、この計画の作成は容易なことではない。現在すでにこの計画の作成方法等についても各省と協議しておるのだ。できれば今年の下期には一応の案を作成したいと目下準備中であるという点が明らかにされた。二番目には、建設省はその設置法の中に国土計画、地方計画の事務を処理し得る規定があるので、都道府県の意向をとりまとめ、そうして安本は都道府県に直接接触せずに、中央各省の意向をとりまとめて、この両者を調整するものだということが説明されております。三番目の特定地域問題につきましては、十九カ所の特定地域は厳重審査の上、五十有余カ所の中から選んで決定したものであつて、目下のところはこれを殖やすべきではないと考えているが、更に調査の上その十九地域の内容についても検討したい。特定地域は、地区ごとに特色があるので、十九地点のうちのどれから始めるか、第一、第二、第三という順序は目下のところ付けがたいということ、併しながら電源開発、防災、農地改良等、各別に最も重要と見られるものから順次取上げて行くつもりであるということが述べられております。なお特定地域は、日本の国土のうちの相当大きな面積を占め、且つ重要な地域を含んでいるので、公共事業は安定本部が計画して、これに基いて進めることが望ましいということ、又特定地域総合開発計画の性格は国の計画であつて、立案は都府県でするが、閣議決定されたものが国の行政方針として確定し、国の責任で実施されて行くのだということが答弁されています。なお、二つの審議会の問題につきましては、法制的には重複その他の矛盾はなく解釈できるだろうということ、併し実際問題としましては非常に密接不可分の関係を持つのでありまして、電源開発は国土総合開発の中の重要部分を占めるという実質上の扱いをこの審議会の扱いにも応用して行きたいという考え方が述べられております。大体質疑応答の主な点はそういう点でありますが、詳細は全部速記録に譲りたいと思います。
 討論につきましては、質疑応答の中に述べられておりましたので、別に討論といつたお話があつたわけではありませんが、その討論に入ります際に、郡委員から、本案改正によりその施行準備期間が必要であり、又行政機構がこの七月一日から発足するからという等の事情から考えまして、この改正法案の中の附則の第一項中、六月の十日というのを大月の三十日に修正することが適当と思われる、そのほかは原案に賛成するという意味の修正案が出されたわけであります。附則の第一項というのは、本法の施行期日をきめた附則でありまして、「六月十日」を「六月三十日」に修正するという修正案であります。この一部の修正を含めまして採決の結果、全会一致を以ちまして郡委員の意見通り修正可決すべきものと決定した次第であります。
 長くなりましたが、以上御報告を終ります。(拍手)
#24
○議長(佐藤尚武君) 外資に関する法律の一部を改正する法律案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。永井純一郎君。
   〔永井純一郎君登壇、拍手〕
#25
○永井純一郎君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして反対をいたします。
 私どもは外資の導入につきましては頭からこれを軍に否定せんとするものでは決してないのであります。面して外資の導入は、その方法とその外資の質の如何によりましては、却つて我が国の経済を混乱せしむる危険があり、又場合によりましては禍根を長く将来に残す危険もあると考えます。即ち私どもは外資導入につきまして基本的に重要な二つの事項があると考えます。その一つは、外資の導入が我が国の企業の合理化、自立経済の確立にどのように役立つかであります。その二つは、我が国に外資を投入するものは主として米国でありまするから、その米国の外資投入の方向、方策が如何なるものであるかという点であります。かくのごとき見地から今次の改正法律案を検討いたしまするときに、私どもは遺憾ながらこれに賛意を表するわけには参らないのであります。即ち、先ず現在までに導入いたされました外資について見まするに、本年四月末総計におきまして、技術援助契約が百四十二件、株式、持分の取得七千五百五十三万八千株で六十億五千七百万円に達しております。右のうち市場経由の株式取得は約五百六十万株で六億円の多きに達して、この分が順次増加する傾向にあります。三番目に、貸付金債権の取得が十一件で約九十一億円になつております。その内容において株式、持分の取得について見ますると、その業種は、石油を筆頭に、化学、紡織、コム、皮革、商事貿易、不動産等にまで及びまして、国籍別に見てみますると米国が八二%を占めて圧倒的であります。更にその外資が、外資を導入している産業会社をどのように支配しているかという実情を見てみますると、ゴムにおいて五三%、皮革で四八%、食糧品で六八%、紡織関係で五九%、石油四五%、化学工業におきまして四〇%、金属三六%等々となつており、更に個々の会社につきまして五〇%以上を占めておりまするものの主なるものを拾つて見ましても、東亜燃料工業を初めといたしまして各石油会社、並びに帝国製糸、富士漁網、東洋アルミ、信興綿花、旭光通商等がありまするし、更にこれに次いで三菱電機、横浜ゴム、北海道興発、日活国際会館等々枚挙にいとまがないほどであります。まさにこれらは外資の支配するところであります。面して又これら導入外資のうち技術援助の対価等は相当に高率であります。一割以上のものも多々ある実情であります。従つて業界におきましても、機械工業製品の売上利潤はせいぜい一割前後であるのに、この中から一割程度の使用料を取られるのは大きな打撃であるという点、次に技術援助契約には通常坂路協定が附随しておりまして、米国はみずからの市場を守ろうとしております。従つて日本て市場開拓の大きな障害となつておる点、三番目には、通信機、工作機械等の最も我が国の技術が立ち遅れておる部面につきましては、技術導入を非常に期待しておりまするのに、導入が非常に少いといつたような点を、業界におきましても指摘いたしております。更にこれらの対価に課せられる日本の所得税につきましては、契約によつて一切日本の会社が負担することになつており、日本の企業に過重な圧迫を與えておるのが実情であります。
 以上のごとく、今日までに導入されて来た外資について検討して見ますると、あり余つておる石油を現物で米国が持つて来て完全にその支配権を牛アつているのを初めといたしまして、あとのものも、支配権を握りつつ、且つ成るべく短期間に多くの利潤を持つて行こうとしているところの、我が国から言うならば余り質のよくない投機的商業的外資であつたと言えるのであります。マーカツトが言つたいわゆるコンマーシヤル・べースはまさにこのことでありましよう。米国のこの傾向は、第二次大戦後、国際政治、国際経済が極めて不安定な状況の下においては当然のことであり、特に完全なる軍事基地化された日本に対する米国の民間投資が短期の商業利潤を狙うものに過ぎない傾向を持つておるのも見やすい理であると言わなければならんと考えます。面して技術援助は一応右の例外をなす恒久的なもののごとく見えますが、これでも、その本質をよく検討して見ますと決して有難いものでも何でもないのであります。即ち日本に持ち込まれている援助技術の多くは最新式のものではなく、むしろ多くは使い古された青写真に過ぎぬものであり、かくのごとき青写真一枚を持ち込むことによりまして、前に述べましたような莫大な対価を取得し、日本産業を支配しているのは、御承知の通りであります。尤も日本の会社にとりましては、この古い青写真一枚が国内競争土においては或る程度の意義を持つものがあるかも知れませんが、貿易振興のための外国との競争には間に合わぬものであり、真の我が国の企業合理化には何ら役立たないと思われるのであります。ここにおいて、外資のこの改正案が成立いたしました結果として如何なる事態が生ずるかということを考えてみますると、先ず株式の乗り替えを認めた結果といたしまして、極めて投機的な外資が入つて来るでありましようし、且つ又、例えば当初百万ドル投下されたものが百五十万ドルにも膨れ上つて、それらの膨れ上り分をも含めての元本の送金を認むる結果となりまするので、日本の対外支拂額は一層増加する傾向が出て参ると考えます。従つてこの緩和政策によつて年間の対外送金額は一千万ドル以上に達するものと推定され、且つその額は年を追うことに倍加されて行くものと予想され、二、三年後には恐らく三千万ドルに達すると推算されるのであります。面して、これらに加うるに、外債処理に伴う返済金年間約三千万ドル見当を加えてみますると、確定債務は実に年間六千万ドルの多きに達することが予想されるのであります。更にこれに加うるに、我々国民が援助を受けたと思い込んでいたガリオア資金の返済金をも考慮するならば、年間およそ一億ドル以上に達し、日本としては容易ならざる負担となりまして、而も外資導入により生ずる対外支拂は優先的に取扱われておりまするから、その結果といたしまして、日本の国際収支を悪化させ、必要な輸入をも削減せねばならんという逆の結果が生ずる危険さてあると考えます。而も昨今、特需の減少、輸入関税の引上げ傾向、輸出の不振の結果といたしまして、ドル不足はいよいよ差迫つた問題となりつつある今日におきまして、かくのごとき改正を意図する政府の無定見さは誠に了解に苦しむところであります。
 これを要しまするに、我々が望むところの長期低利の良質の外資が入らない根本の理由は、かくのごとき一片の手続的法律の不完全なるためではなくして、一つには、日本が完全なる軍事基地であるという点であり、二つには、政府の独立後の諸政策が反民主的反動的であるという点であります。即ち政府の反動政策は必然に労働運動を激化せしめ、従つて産業経済或いは社会を不安定ならしめております。こういう国に投下される外資は、まさに改正案の狙うごとく、二年矛三年で可及的多くの利潤を持ち逃げせんとする悪質の技機的資本以外にはないのが当然であります。(拍手)即ち政府が作り出した今日の我が国の状態というものは、再軍備乃至は治安関係費におきまして二千億余の厖大な資金を浪費する半面、電源開発及び食糧増産、施設の改善等を犠牲にせしめられておるのであります。即ち日本が課せられた国防費の重荷に喘いでいる間に、悪質の外資によつて企業の支配権と利潤を奪われて、永久に自立経済の達成を不能ならしめ、隷属経済、基地経済への転落の道を歩かされる危険なしとせずと言わなければならないと心配をいたすののであります。
 即ち本改正案は、真の日本の利益のために提案されたものとは考えられず、実に不安定な経済の中にある日本におきまして目先の利潤を追わんとする米国業者及び日本証券業界のかねてよりの要望に応えまして、池田大蔵大臣が斡旋役となつて、要望のままを法文化したものに過ぎないと私どもは考えるのであります。かかる商業的投機的外資の無秩序無計画の導入を助長せんとする本改正案並びに修正案には、絶対に賛意を表するわけには参らないのであります。
 以上を申述べまして、私の反対討論を終ります。(拍手)
#26
○議長(佐藤尚武君) 須藤五郎君。
   〔須藤五郎君登壇、拍手〕
#27
○須藤五郎君 私は日本共産党を代表しまして、外資に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案並びに修正部分を除く原案に対しまして反対の意見を述べます。
 本改正案の主な改正点は、外国投資家に対して、外資導入の促進を図るために、株式投機の自由を完全に認め、更に元金並びに利子の外貨送金を保証し、そうして外貨を保護することが目的となつているのであります。このことをわかりやすく言いますと、それはアメリカの貧慾な資本家の言うがままに日本国民が血と汗を流して努力した上前を捧げ奉るということであります。アメリカの投資家は、日本国民に深い愛情があるから投資するのでは断じてありません。ドルからドルを生むためにこそ投資するのであります。彼らアメリカ資本家が儲けるのであつて、我が国の労働者や中小企業家には何らの利益にもなりません。それどころか、まるまる損をしておるのであります。これを自由党の諸君は、決して損をしていない、両者とも利益になつておる、これこそ和解と信頼の現われであると言う。それなら私は、自分の意見を申します前に、アメリカ業者自身の言葉を借りて申したいと存じます。昨年十月末、アメリカの外国貿易全国評議会の三十八回大会の宣言の文句から見ますと、「大会は、アメリカ政府がその手中にある厖大な外交、政治、経済的手段を断固として利用することが必要だと考える。これは、アメリカ政府が対外経済政策で直接侵略的行動をとることによつてのみ解決される」と言つているのであります。これによりましても、彼らの言う後進地開発計画の本質がはつきりしているのであります。更に六月八日、経団連においてのマーフイー大使の言葉の中でも、「外資を最も厚遇し、保証する国に対してのみ資本は流れて行くものである。又外資は妥当な報償なしに強制収用されないという保証を求めるのみならず、その投資によつて得られた利潤を、投資家の住居の如何にかかわらず、投資家が享受し得ることを要求している」と、はつきりと日本経済のためにドル資本を投資するのではないと言つておるではありませんか。一体このどこに平等の態度が出でおるでしようか。日本への投資は、アメリカの軍事計画のために日本の資源を最大に利用することで、決してアメリカにとつて損になるような危険な投資は絶対やらぬというのが対日政策の根本であります。ドル資本は、他国の経済的貧困に乗じて、領土と資源を略奪し、国民を奴隷にし、全世界の富を掌中に収めようとしておるのであります。このように国民生活の犠牲の上に入つて来る外資導入政策に対して、三月四日附日本経済新聞でさえ、「こんなに外資を優遇する措置をとる外資法の改正は世界にも稀だ」と言つておるのであります。外資法の改正になつていない今日でさえ、日米経済協力、行政協定によつてすでに日本経済はドル資本の飽くなき搾取のために崩壊に瀕している状態であります。
 その二、三の例を挙げてみますと、第一に、日本へ戰後一番早く入つて来た資本は石油であります。この石油資本は、戰争前は三菱石油一社だけに入つていたのでありますが、戦後今日では石油精製八社のうち五社に石油資本の七八%のドルが入つております。又生産能力百万トン、日本石油精製の二五%を占める生産設備を持つ四日市燃料廠は、ドル資本に完全に握られようとしているのであります。更にアルミの場合を見ますと、現在問題となつているカナダ・アルミニウム・リミテツド社と日本最大のアルミ会社日本軽金属との合併の真の意図は、日本航空機産業の基礎であるアルミ産業を完全に支配すると共に、コスト引下げを狙つた軍需的なものであります。アメリカの投資対象が、軍需的見地から、鉱業、非鉄金属、化学、鉄鋼、海運、造船、アルミ等、重要産業の殆んど大半に、資本の形で、或いは技術援助の形で入つているのであります。現在程度の規定でさえ、こんなにあらゆる面から入つている外資によつて日本経済は混乱しているのに、更にこれ以上の外資を優遇するため、世界に稀な改正を行うとは、何ということでありましようか。あの汪精衛政権時代の中国でさえ、四九%以上の外資は民族資本を守る立場から絶対に禁止していたのであります。全くこの改正は行政協定の経済版と言われるほどひどいもので、吉田自由党政権の買弁振りを遺憾なく現わしたのもであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)提案理由の説明には、白々しくも、日本経済の自立とその健全な発達を図るためと言つておりますが、(「その通りだ」と呼ぶ者あり)それなら、なぜ日本国民が民族を挙げて要望しているところの中国、ソ同盟との貿易を禁止しているのか。ダレスやマーフイーが中国貿易は必要なしと言えば、同じことを日本政府は日本語で復調し、日本経済の正常なる発展を阻害し、アメリカ資本に頼らざるを得なくすることによつてアメリカの軍事計画の一端を担わせて、侵略の片棒を担がせているのであります。日本の工場が、朝鮮、中国を初めとするアジアの諸民族の民族解放鬪争に対してナバーム爆彈を落し、爆彈を造るアメリカの兵器廠に、乃至は兵器修理廠に成り下つているのであります。このようにアメリカ侵略政策の重要な一端を担わせるのは、AP通信が報じているように、アメリカ陸軍省でさえ信用しないほど安上りに兵器を修理しているのであります。更に、朝鮮戦争で使われている全装備の九〇%は日本の修理工場で造られたものであります。アメリカ陸軍極東軍の修理課長モースは、修理費はアメリカ国内の二十分の一程度で十分であると、アメリカが日本の修理工場と奴隷労働によつて朝鮮戦争をしていることを暴露しているのであります。最後に同僚諸君に伺いたい。外資というものが一片の法案によつて希望通り入つて来るものでしようか。良質の外資というものはその国の信用によつて入つて来るものであります。今日、日本の置かれている状態が果して信用される状態だろうか。いつ第三次大戦の糸口になるかも知れない危険区域に良質の外資の入るわけがない。だからこそ、正常なる投資ではなく、植民地的搾取の性格を持つた、日本の資本を盗み去るごとき投資しか入つて来ないのであります。その外資は日本産業を前述のごとく戦争のための兵器廠と化し、日本の労働者を奴隷化せしめているのであります。なお、この改正案によつて外資の無制限なる株の取得は、やがては日本の重要産業の支配権をすら独占し、日本を挙げてドルの隷属化せしめるものであります。私は、この法案が大きな禍根を日本の将来に残すことを警告するものであります。
 日本共産党は、日本経済のドル資本への身売りと闘い、日本経済の自立と発展を国民の力によつて築き上げ、安心して平和的な外資の入つて来る国際関係を作るために、日本民族の解放と平和のために闘うことを誓つて、ドル貿本導入の外資法改正に断固反対するものであります。(拍手)
#28
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより両案の採決をいたします。
 先ず外資に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#30
○議長(佐藤尚武君) 次に国土総合開発法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#32
○議長(佐藤尚武君) 日程第四、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、
 日程第五、緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長平沼彌太郎君。
   〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕
#34
○平沼彌太郎君 只今上程されました日本開発銀行法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず本案の内容の主な点について申上げますと、第一に、日本開発銀行の資本金は現在百七十億でありますが、これを三百億に増加すると共に、復興金融金庫から承継した資産に見合う政府借入金八百五十二億二千万円を出資金に振替えることとしようとするものであります、この措置によりまして、日本開発銀行の資本金は現金出資と法定出資を合せた金額即ち千百五十二億三千万円と相成るのであります。第二に、興信業務を拡充しようとすることでありまして、債務保証業務と従来の融資肩替り業務を行い得ることとしようとするものであります。第三に、日本開発銀行は資金の借入れをすることは法律に禁じられているのでありますが、
   〔議長退席、副議長着席〕
 今回その業務の拡充に即応し、資力の充実を図るために、政府からの資金の借入れ及び外国からの外貨資金の借入れを行い得るようにしようとするものでありますが、二十七年度におきましては米国対日援助見返資金特別会計から四十億円の借入れをすることになつているのであります。第四は、政府資金の統一的効率的運用を図るために、将来適当な時期に米国対日援助見返資金特別会計から、その私企業に対する区貸付債券及びこれに附随する権利義務を承継しようとするものでありまして、その際、承継債権に相当する金額が同特別計から日本開発銀行に対して貸付けられ、将来更に適当な時期にこれを出資金に振替えることができるようにしようとするものであります。第五に、利益金の一定割合を国庫に納付させることといたし、これに伴い、法人税等の非課税の取扱をしようとするものであります。
 本案は、通商産業委員会と連合審査をする等、愼蚕審議をしたのでありますが、その詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、小林委員より修正意見が提出されましたが、その要旨は、第一に、日本開発銀行の資本金の規定を明確にすること。第二に、日本開発銀行の総裁、副総裁及び監事の任命については、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命すること。第三に、日本開発銀行が外貨資金の借入れをなす場合は、政府保証ができることとしようとするものであります。次に油井委員より、日本開発銀行は復興金融金庫の業務を承継して、資本金は厖大となり、又将来見返資金の私企業融資が承継されるが、その中には見返資金中小企業融質残高が三十億円あるが、開発銀行において中小企業融資に十分留意して欲しい旨の希望を附して、修正案並びに原案に賛成する意見が述べられ、下條委員より、日本開発銀行が復興金融金庫の業務を承継したが、中小工業に対する貸付金の回收について十分考慮して欲しい。又、日本開発銀行の融資は国民の血税であるので、その運用に当つては厳重にせられたいとの希望を附して、修正案並びに原案に賛成する意見が述べられ、江田委員より、日本開発銀行の貸付資金が軍需産業に使用されないよう、今後の運営おいて十分留意されたいとの希望を附して、修正案並びに原案に賛成の意見が述べられ、次に大矢委員より、修正案のうち、資本金についての修正には賛成するが、役員の任命及び日本開発銀行の外貨借入れについての政府保証についての修正には反対であるとの意見が述べられ、討論を終局し、採決の結果、小林委員の修正案については多数を以て可決せられ、次いで修正部分を除く原案については全会一致を以て可決せられ、本案を修正議決すべきものと決定した次第であります。
 次に、緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。
 本案は、昨年四月、緊要物資輸入基金を設置し、特殊の需要に応ずるため、政府において緊急に取得を要する物資の輸入に運用して参つたのでありますが、今回その運用する物資の範囲を明確にするため、所要の規定を設けようとするものであります。
 即ち国際的な取極に基いて割当てられました物資、例えばニツケル、タングステン、コバルト等、いわゆるIMC物資でありますが、これら重要物資は輸入後の使途について規制する必要がありますので、本基金の運用により政府において取得することといたし、次に外国における輸出統制物資、その他国際的に稀少物資で、政府以外の者が取得困難なもの、又は政府において輸入することが有利なものについても、本基金の運用により政府において取得することとしようとするものであります。
 本案は、愼重に審議の後、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#35
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 先ず日本開発銀行法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に対する委員会修正案全部を先ず問題に供します。委員会修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#36
○副議員(三木治朗君) 過半数と認めます。(拍手)よつて委員会修正案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#37
○副議長(三木治朗君) 次に只今可決せられました修正の部分を除く残り全部を問題に供します。残り全部に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。残り全部は全会一致を以て可決せられました。よつて本案は修正議決せられました。
     ―――――・―――――
#39
○副議長(三木治朗君) 次に緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#40
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
#41
○副議長(三木治朗君) 日程第六、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。法務委員長小野義夫君。
   〔小野義夫君登壇、拍手〕
   〔副議長退席、議長着席〕
#42
○小野義夫君 只今上程の犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案の委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。
 先ず政府が提出し衆議院において修正せられたる本改正法案の要旨を簡單に御説明いたします。
 改正点は五つでありますが、その第一点は、刑務所、労役場又は少年院に收容せられたる者の仮釈放の審理に関する規定を改正したことであります。現行法によりますれば、仮釈放の審理におきましては、原則として審理をする者が本人に面接した上で決定しなければならないことになつているのでありますが、この面接を省略することができる場合の範囲を拡め、審理に弾力性を持たせることにしたものであります。第二点は、引致に関する規定の改正でありまして、現行法では引致状による引致は仮出獄中の者に対してのみ行うことができるのでありますが、これを、少年院仮退院中の者、家庭裁判所で保護観察の処分を受けた者等をも一定の場合には引致することができるように改正したのであります。第三点は、現行法の仮出獄の停止に関する規定を削除し、新たに保護観察の停止に関する規定を設けたことであります。これは現行法の規定については解釈上誤解を生ずる虞れがある点もありますので、これを明確にし、運用上疑義が生じないようにするためのものであります。第四点は、引致された者の留置に関する規定を改めたことであります。即ち現行法では留置の対象は仮出獄中の者だけに限られているのでありますが、これを少年院仮退院中の者に対しても適用することができるようにしたのであります。第五点は、中央更生保護委員会、地方少年保護委員会及び地方成人保護委員会の決定の告知に関する規定を新設し、その手続を明確にしたことであります。以上が本改正案の大体の要点であります。
 委員会におきましては愼重に審議を重ね、特に宮城委員よりは熱心且つ適切な幾多の質疑が行われたのでありますが、その詳細は速記録によつて御了承を願いたいと存じます。討論終結の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て本法案を可決すべきものと決定いたした次第であります。以上報告いたします。(拍手)
#43
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
 本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いします。
   午後零時十九分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 自転車競技法等の一部を改正する法律案
 一、教育政策振興に関する緊急質問
 一、日程第二 外資に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第三 国土総合開発法の一部を改正する法律案
 一、日程第四 日本開発銀行法の一部を改正する法律案
 一、日程第五 緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案
 一、日程第六 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案
ソース: 国立国会図書館
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