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1951/03/26 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第11号
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1951/03/26 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第11号

#1
第013回国会 内閣委員会 第11号
昭和二十七年三月二十六日(水曜日)
   午後一時四十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           山田 佐一君
           鈴木 直人君
   委員
           石原幹市郎君
           横尾  龍君
           楠見 義男君
           竹下 豐次君
           上條 愛一君
  国務大臣
   文 部 大 臣 天野 貞祐君
  政府委員
   内閣官房副長官 菅野 義丸君
   文化財保護委員
   会事務局長   森田  孝君
   農林政務次官  野原 正勝君
   農林大臣官房長 渡部 伍良君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会專門
   員       藤田 友作君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○文部省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○農林省設置法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○総理府設置法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) それではこれより内閣委員会を開会いたします。本日は文部省設置法の一部を改正する法律案、農林省設置法等の一部を改正する法律案、総理府設置法等の一部を改正する法律案につきまして主として提案の理由の説明を求めます。いずれもこれは予備審査であります。先ず以て文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○国務大臣(天野貞祐君) 只今上程になりました文部省設置法の一部を改正する法律案について御説明申上げます。
 この改正案におきましては、文部省設置法中他の法律の施行に伴ない必要な事項及び早急に実施を要する事項についてのみ規定したのでありまして、いわゆる行政機構改革の一環としての文部省機構の全面的改革の問題には触れておらないのであります。後者の問題につきましてはいずれ決定次第改めて上程御審議をお願いしたいと存じます。従いまして、今回の改正は、当面の事項に限られていることについてあらかじめ御了解を願いたいと存じます。さて今回の改正の主要点は次の六点に要約されるかと存じます。
 第一点は、既に御審議をお願いいたしておりますユネスコ活動に関する法律案が制定施行されます場合に、国内におけるユネスコ活動に関する事務で、文部省の内部部局で処理すべき事務を規定したことであります。ユネスコ活動に関する法律案によつて設置されることとなつております日本ユネスコ国内委員会は、国家行政組織法第八條による文部省の所轄機関であり一種の事業機関たる性格を有しているわけであります。従いまして同委員会においては、その機関の性質上純然たる行政事務はこれを執行しない建前になつております。そこで、文部省の内部部局たる大臣官房において予算案の準備、国庫補助金の配分を行い、又、国内におけるユネスコ活動に関する法人の設立の認可につきましては、他局における法人の設立の認可の場合と同様に管理局に対し、勧告することを規定いたしましたわけであります。もとよりできるだけ新しく設立される日本ユネスコ国内委員会において処理するよう運営いたしたいと存じております。
 第二点は、政府より今国会に提出を予定しております教職員の除去、就職禁止等に関する政令を廃止する法律が施行される場合におきまして、現在文部省内部部局たる大臣官房で処理しております教職員の適格審査に関する事務の所掌並びに文部大臣の所轄の下に置かれております教職員適格審査会及び教職員適格再審査会に関する事項を削除いたしましたことであります。
 第三点は、文部省の附属機関として国立近代美術館を設置することにいたした点であります。国立近代美術館は、東京都に置き、近代美術に関する作品その他の資料を收集、保管して公衆の観覧に供し、あわせてこれに関連する調査研究及び事業を行う機関といたしました。
 第四点は、文部大臣の所轄の下に中央教育審議会を設置することにいたした点であります。現在、総理府所管の下に教育刷新審議会が設置され、教育に関する重要事項を調査審議する機関とされておりますが、教育刷新審議会は、終戰後の我が国における教育改革方策の樹立に多大の貢献をしてきたのであります。併し今日におきましては、一応その使命を終了したものと考えられます。又一方、平和條約効力発生後の新事態に処してわが国における教育が如何にあるべぎかについては、全く新たな広く且つ高い見地において愼重に検討すべき必要を痛感いたします。このために、教育に関する基本的な重要施策について調査審議するための強力なる審議会を設置いたしたいと考え、今般中央教育審議会を設置することとしたわけであります。中央教育審議会は、人格が高潔で教育に関し広く且つ高い識見を有する者のうちから、文部大臣が内閣の承認を経て任命する二十人以内の委員で組織し、別に特別の事項を調査審議するため又は專門の事項を調査するため、必要であるときは、臨時委員又は專門委員を置くことができることにいたしました。
 第五点は、現行十八の審議会等の整理及び整備であります。教職員適格審査会、教職員適格再審査会の外、通信教育審議会を廃止し、又教育職員免許等審議会を教育職員養成審議会に、著作権審査会を著作権審議会にそれぞれ名称を改めました。よつて審議会の数は中央教育審議会の新設分を加え十六となるわけであります。通信教育審議会は、終戰後のわが国にとつては新しい、学校教育及び社会教育を通じての通信教育制度の確立に資するために設けられたものでありますが、現在におきましては、一応その設置の目的を達成したものとしてこの審議会を廃止し、社会教育としての通信教育については社会教育審議会において学校通信教育については教育課程審議会及び大学設置審議会等でそれぞれ処理することにいたしました。又教育職員免許等審議会は、その所掌となつております教員検定に関する事務が既に終了いたしましたので、これを削り、教育職員の免許、養成制度等に関する事項を調査審議する機関としたのであります。著作権審議会につきましては、日本国との平和條約の発効以後におきまして事務が増加すると考えられる著作権に関する仲介業務に関する法律に規定されております著作物使用料規程の認可に関する事項の外、著作権の一般的事項についても調査審議することができるように改めたわけであります。
 最後には附則の改正であります。先ず昭和二十三年度において編修を計画した社会科、理科、国史、習字の教科用図書の編修が終るまで、初等中等教育局においてこれらの教科書の編修を継続する旨の規定は、現在その事務が終了いたしましたので削除いたしました。又高等学校の職業に関する教科用図書の編修及び改訂を文部省においてもでき得るようにいたしました。その理由は、高等学校の職業に関する教科の教科用図書は、現在商業及び工業を除いては、発行部数が極度に少いため、文部省においてその編修及び改訂を行う必要が認められるからであります。
 以上が本法律案の要旨であります。何とぞよろしく御審議の上速かに御可決下さるようお願いいたします。
#4
○楠見義男君 先ほど委員長からお話がありましたように、本日は大体文部省関係ではこの設置法の一部改正案の提案の理由を伺う程度にとどめるということでございますが、幸い文部大臣御出席の際でありますから、私は二つの事柄について、直接この法律には関係がありませんが、文教行政の上から見ますと必ずしも小さくない問題だと思いますのでお伺いするのでありますが、一つは教科書の問題でありますが、実は昨年小学校及び中学校、特に小学校におきまして新らしい年度が始まつて一月或いは甚だしきは二月、三月たつてもなお教科書が普及されないという事実があつたのであります。その際にも私は文部省の当局のかたにその事情等についていろいろ伺つたのでありますが、いろいろ事情もあつたようでありますけれども、翌年度以降はそういうことは絶対にないようにということをかたくお話があつたのでありますが、丁度旧学年もこの三月で終つて四月から新らしい学年に入るわけでありますが、本年は大体義務教育について教科書の配付と申しましようか、生徒に確実に年度初めに入るようなふうにお手配がついておるのでありましようかどうか、この点をお伺いしたいと思います。尤も私ども家庭に子供を持つておる者から見ますと、昨年に比べて本年度は大体いいようでありますけれども、全般的に見てその辺がどういうふうになつておるかということが一つ。
 それからもう一つは、先ほどちよつと休憩中にも申上げたことでありますが、幸い農林省の政務次官もお見えになつておる際でありますのでいずれからも結構でありますが、学校給食の問題について本年から制度が改まるようでありますから、一般の父兄の負担の点においてこの制度の変革がどういうふうになるお見通しであるか、この以上二点について御説明を煩わしたいと思います。
#5
○国務大臣(天野貞祐君) 第一の点につきましては御注意のございましたことで、事務当局によく言つてありますのでそういう心配はないつもりで私はおります。
 それから第二の点につきましては、一体給食ということは教育上非常に重要なことで、本来ならばこれは文部省でやるべきことなんですが、併し又子供の食糧ということから考えて最も重要なものでありますからこれを農林省のほうにお願いをいたしたわけでありますけれども、文部省に依然として給食課というものがございまして取扱においては何ら変つておりません。ただ遺憾ながら値段が高くなる、今まではただもらつておつたものを今度は買わなきやなりませんから、私の記憶が間違はなければ百二十円程度高くなる。これは非常に遺憾なことでございますが、今のところ止むを得ないけれども給食は決してこれを強いているわけではございませんので、それでもやることがよいと考えるところでやつてもらう。ただ値段の高くなるのは私も非常に残念なことだと思つております。私のほうからはそれだけ……。
#6
○楠見義男君 ちよつと、文部大臣の今のお話の百二十円というのは、今まで従来も百二十円でこれからも百二十円で引続いてやろうというところで、おやり願いたい、やつてもいいと、こういう御趣旨ですか。
#7
○国務大臣(天野貞祐君) 只今までは私は二百五十円ぐらいかかつておると思つております。二百円ぐらいでありましようか、それぐらいかかつている。百二十円、それだけ増すわけでございます。百二十円増すわけでございます。
#8
○政府委員(野原正勝君) 農林省としましてはいわゆる食糧政策の一環といたしまして、現在の食糧事情等から考えましても、御承知の通り非常にこの米に対する国民の要求が強いのでありますが、もう少しこの小麦いわゆる粉食に対する国民の食生活に対する考え方を切り換えるようなことが必要であるというふうに考えておるわけであります。でそういつた問題から考えましても、先ず以て学校兒童等から粉食に対する考え方が徹底されることが非常に好ましいことでありますが、いろいろ事情を考えましたあげくこれは一つの食糧政策の一環として、義務教育の過程にある学校兒童にできるだけ粉食に改めてもらうという必要があるというふうに考えまして、実は食生活を改善する意味合いにおきまして学校の兒童が必要とする政府手持の食糧を供給する。而もそれは大いに食生活の改善に役立つというような大きな意味を考えましたときに、できるだけ価格の面におきまして安く、端的に言うならば大体学校に給食としてお使いになる食糧は半値ぐらいで売るということにいたしたいということを考えておるわけでございます。そういたしますと食管特別会計といたしましては大体年間を通じまして約二十五億円ほどの実は赤字が生まれて参るのでありますが、その赤字につきましては御承知の通り食管特別会計は総額におきまして約五千億円の厖大な歳入歳出の特別会計でありますので、仮に二十五億円の赤字と申しても全体から見ますとまあ〇・五%、千分の五程度の違いであるのでありまして、その程度ならば食管特別会計の内部で操作ができるのではないかというふうに考えております。
 なおこの食生活の改善のためには單に麦を半値で売るというだけではどうも食生活改善を徹底できないという点で、実はミルクその他を相当やはり使う必要があろう、これはもとより国内における酪農の現状からいたしましてはその要求の全部を満すことは困難であろうと思いますので、できるだけ酪農業の振興と密接不可分の関係にあります畜産の振興、酪農の奨励といつたような問題を考え合せまして、牛乳代、ミルク代等をこの際農林省予算で以て大体年間を通じまして四十億円程度のミルク代が必要であるというふうに考えております。それを四半期に分けまして一・四半期十六億円ぐらいの資金が必要である。それに対して特別融資をいたしましてその融資に対する利子補給の全額を農林省の予算でこれを持つということに二十七年度の予算案に計上しているわけでありまして、その分の予算が大体九千五百万円と承知しておりますが、大体その程度の予算で予算的には措置できるというふうに考えております。で、これを行います食生活改善の実施の場合におきましては、もとよりこれは従来いろいろと御経験を積んで来られました文部御当局、学校側の創意と工夫御努力に待つことによつて、我々の意図する農林省の考えておりまする食生活改善の仕事が理想のように行くことを我々は衷心から切望している次第であります。
#9
○楠見義男君 そうしますと、結局文部省では従来の学校給食に関する仕事は依然としてお持ちになつておつて、そこで今野原政務次官のお話になつた、麦の例えば半額に当る拂下げとかいう問題は、結局文部省のほうで学校給食計画というものをお立てになつてその計画に基いて所要の例えば小麦粉なら小麦粉を希望する、その計画に即応した例えばメーカーなり、或いはパンの製造者というものに対する原料割当といいましようか、そういうものを農林省のほうに指図といいますか、言つてその連絡の下によう何してと、こういうふうに動いて行くのでしようか。
#10
○国務大臣(天野貞祐君) そうだろうと思います。
#11
○楠見義男君 これは私は多少意見になり又希望に亘るのですが、農林当局に希望を申上げておきたいことは、今もお話がありましたように食管特別会計は二十五億の赤字であるというお話ですけれども、実は学校給食の費用としては前年度は国の予算として二十五億程度を組んであつたのです。従つて一方で食管特別会計が赤字になるというけれども一方では前年度においてはそれだけの予算計上がしてあり、而も本来ならば物の値段が上つて来たのだからその金額も今年当然続けているとすれば或いは三十億なり三十五億、或いは四十億、特に食糧政策の観点からこの内容があつたということは私は非常に結構なことだと思つております。従つてそういう意味から行くとむしろこの赤字は二十五億じやなくて五十億になつても六十億になつてもその決定された計画を遂行するという上から行けば当然のことであり、又そうあるべきじやないかと思います。ただ一つの問題として私は懸念を持つていることは、今の食糧政策の観点からお取上げになつたということとも関連をするのですが、一方政府のほうでは麦の統制撤廃のこともお考えになつている。そうすると米の生産地における配給状況と消費地における配給状況は、御承知のように生産地は二十日分とか消費地は五日分とか、ここに麦の統制撤廃自体に関連した非常に大きな又深刻な問題が出て来る。それを農林大臣はできるだけ平均化するということをまあ予算委員会あたりでも言つておられるのですが、これはなかなか困難な問題だと思います。農林大臣は実は成るべく答弁を求められるような委員会にはなかなか出席して来られない。そこで政務次官のほうがこの方面にはお詳しいようだから特に政務次官にお願いしておきたいのですが、そういうことになつて来るとおのずから生活改善という観点から行けば、特に単作地帶のような所にこの学校給食というものは一層普及して子供から食生活の改善ということをやつて行かなければならん。ところが従来と違つて今度は結局その父兄の負担が重くなつて来る。而もそういう単作地帯は経済的に最も恵まれない地帯なんです。政務次官も岩手でよく御承知なんですが、東北地帯は余計比較的恵まれない地帯です。だから例えば東京のような所はまあ父兄の負担というところもありますけれども、同時に放つておいても従来の経緯に徴してもパン食というようなものはどんどんやつぱり普及されて行くのです。ところが食生活の観点から行けば普及してもらいたいというのはむしろそういう農村ですね。特に単作地帶が一方申しますように経済は決して豊かじやない。そういう所に負担が殖えて行くということは実はまあ皮肉な言葉を以てすれば羊頭を掲げて狗肉を売るようなことで、食生活改善のためにこれを取上げたという狙いは非常にいいが、これはもう空宣伝で目的を達成しないということを非常に懸念するのです。従つてそういう意味から行けば、特にこの学校給食というものの普及ということについては、普通の手放しのと言うと語弊がありますが普通のやり方でやつたのでは私は普及できないのじやないか、而もその狙いとするところの目的は達せられないのじやないかといううことを懸念するので、そうかといつて具体的に私は今こうしたほうがいいという具体案は持ち合せておりませんからこの点は特に留意して頂きたいという希望を述べておきたいと思います。
#12
○政府委員(野原正勝君) 楠見さんの御主張は私も実は非常に同感なんでありまして、食生活の改善と又学校の教育という問題から考えますれば、それには相当の予算を割いて然るべきものであるというふうにも考えているのでありますが、只今の予算的措置におきましては先ほど申しましたような実情でございます。この食生活の改善をして最も効果的に又父兄の負担をできるだけ軽くすることにつきましても実はいろいろと創意と工夫とがあろうと思うのでありますが、例えば北海道、東北でありますが特に山村における酪農地帶、相当に農家が牛を飼つている地帶等では牛乳を市場に出すのに非常に高い運賃になつているために、これは生産者、牛乳を搾つております農民の懐に入るものは一升にいたしましてせいぜい四十円そこそこでありますが、これをむしろ学校給食の方面に振向けるとか、或いは又この酪農工場が十分整備されていないというふうな地帶では、バターを取りましてあとは脱脂乳としてこれをいろいろと処理をしているわけでありますが、この脱脂乳の処理等にも困つている地帯も相当あるのであります。こういつたものを学童に栄養改善を一緒に合せて考えて行くということになりますると、いわゆるパン代としてのコストは相当に下げることができるのじやないか、従来のように單なる菓子を作つているメーカー等に請負わしてやるという單純な考え方でなしに、この農村の学童に対する給食という問題は、その地区における協同組合等の育成強化といつたような面とも合せて考えて行く、又その地帶の酪農の振興、現在やつている出ている乳を利用するというような点においても、いろいろと現地々々でその創意と工夫をいたして行くならば、私はかなり安いおいしいパンを食わせることができるのじやないかということを考えている一人であります。現に相当進んだ地帶では単作地帶におきましても相当程度のパンを現在食べている農村もございます。只今お話の單作地帯、米作地帶等において成るべく多く粉食に慣れさせるというようなことは、政策としましては非常に大事なことであると考えておりますから、我々もこれはひとり文部省にお願いしつ放しということではなしに、そういつた食生活改善といつたような問題を農林省としましても進んで御協力を申上げて、このことに意義あらしめるように努力をいたしたいと思います。
#13
○竹下豐次君 この案に直接関係ございませんけれども、文部大垣にちよつとお尋ねしてよろしうございますか。長くは……。
#14
○委員長(河井彌八君) よろしうございますか……竹下君どうぞ。
#15
○竹下豐次君 実は大学の経営の問題につきまして、もう古いことになりますけれども帝国議会時代に私、政府当局にちよつと意見を申述べなおお答えも願つたのでありまするが、もとより私の希望は容れられないで今日まで来ているわけであります。時世も変りましたので又そろそろ考えて頂いていいのじやないかと平生思つております。今日は丁度いい機会ではなかなか大臣にめつたに申上げる機会もありませんからちよつと申上げて御答弁願いたいと思います。
 これは現在官学と違う私学の学生の学力の程度が先に比べて大分接近して来ている。学校の先生もいい人が私学のほうに大分殖えたと想像されますが、それを未だにやはり親も子もやつぱり官学というものがいいと、私学というものは官学に入れなかつた者が廻つて行くのだという傾向が遺憾ながら残つているように思うのです。これを私は根本的に改める必要があるのじやないか、まあ言い換えれば官学私学の区別なく学生が進んで行くということにしなければならないはずのものじやないかと思う。併し今の制度で官私をはつきり分けてやつて行くということになるといつまでもやはり従来の傾向が続いて行くだろう。そうするとどうしたらいいかということになりますが、医科とか理科とかいうような科目で、いろんな設備その他の費用が莫大な金額を要するものは私学でなかなかやれない事情があるだろうと思います。慶応のような立派な医科の大学におきましても一般から申しますると、それはなかなか容易なことではない。法科とか文科とかいうようなふうの系統の学科はもう立派に私学でもつてやれるのであつて、現に昨年の司法科でしたか、行政科でしたか、試験の結果を聞きましても私の聞いたことは間違じやないと思つておりますが、或る私立大学のごときは東京大学の卒業生よりも二%も多く合格した。こちらも御存じの通り我々の時代から相当に長い間そういう試験というのは殆んど全部が東京帝大で独占しておつたというようなことになつておつたのが今もそれまで私学が進んで来ておる。これは一方が下つて来たのかどうかわかりませんけれどもそうでもないだろうと思つております。私学が私は進んだと見るのが適当だと思つておりますが、このほうだつたらとにかくそう莫大な経費をかけないでも、医科やら工科のごとき莫大な経費をかけないで私学で事実やつておるのであります。だんだんと成績が進んで来ております。成るべく早い機会にこの国立の大学をその方面のものはやめる、そうして私立の方にできるだけやらせる、尤もどうしてもやらなければならない事情があるならば別ですけれども、私の考えではそんな理由はないんじやないか。もう現に外国あたりでも御存じの通りでありまして私立大学で立派なものがいくらでもあるわけでもう日本でも少数のものはいいのである。これはできることじやないか。そのために国家の費用が省けるということもあるだろうと思います。併しそれよりも私の考えまするのは、この私学というものと官学の差別をつけないというふうの考え方を日本人が広く持つということは学校時代だけの問題でなくして卒業して各方面において就職したのちにおきましても相当に大きな影響がある、こういうふうに考えておるのであります。これは先申しましたようにもとの議会で言つたこともありますけれども問題はかなりむずかしい問題でありまするし、まあそのときも私は今急にできようと思つて質問したわけじやありませんでしたけれども、その後又戰争が激しくなつたりしてますます工合が惡くなりそのままになつておつたわけであります。近頃大臣は私学の振興につきましては特別に関心を寄せられておるように伺つておりますので何とかお考えがおありじやないだろうか、こういうふうに私平生思つておるわけであります。なかなかいろんなこの波動も多い問題でありまして簡單にお答えのできにくいことかともお察しいたしますけれども、若し差支えのない程度でお考えを承ることができたら仕合せと存じます。
#16
○国務大臣(天野貞祐君) いわゆる大学に学校差というようなものをこうなくなすということは私も非常に賛成でして、そういう点は例えばドイツの大学などは二十以上ありますけれども全然学校差というものがない。どの教授が優れていると言つてその教授の所へ集まるのであつてどこの学校が優れていると言つて集まることがない。学生がみんなそういう意味では非常に晴れ晴れとやつている。日本の学生は気が進まないのだけれどもよんどころないから学校へ入るというようなことは実に残念なことだ。これを打破する工夫があるなら私はそれは非常に必要なことだと思いますけれども、併し今おつしやるようなことはいろいろのことから非常にむずかしいと、それよりもむしろ私はやはり私学を振興して特色のある大学をだんだんに作つて行くということになりますと、現在この地方の大学よりは中央の私学のほうが遥かに法科などでは人が望んでおる。教授陣も整備しておるのでございます。だから将来そういうお考えも私は一つの考えかとは思いますが、只今私の考えていることは私学をもつと振興して、そうして国立とは違いましてそれぞれ特色のある一つの学園にするということも必ずしも不可能ではない。現に慶応とか早稻田とかいうのならば地方の大学よりももつとみんなが重んじているのですからそういう方向に只今は考えておりますが、お説のようなことは前からもう人も考えておることでございますからなおよく考えをいたしますが、差当つては私はそういう考えでございます。
#17
○竹下豐次君 この教授の交換乃至官私の交換とかいうようなふうのことなども考えられるだろうと思つております。大体に申しまするとまだ官学のほうが私学よりも優れておると見ていいだろうと思います。特殊の私立を除きましては。併し今のような制度になつておると東大の教授に或る私立大学の先生になつてくれと言つたところでこれは承知されるはずがない。初めからなくなつてしまうということになればこれはもうその問題は根本的に消えるのでありまして、私立の大学の先生だから格下げだというような観念は初めから起り得ないことになる。もう立派な先生たちが本当に自分の欲する私立の大学へ自由に行けて、世間からもやはり今の東大の教授あたりに敬意を拂うと同じように拂うだろう。それで私学の振興の方法にいろいろ手はあるわけですけれどもそれが非常に大きな手になるのではないか。一般の考え方が、医科やら工科というのはこれはもう費用がたくさんかかるから国立でやらなくちやしようがないけれども、私学にも官学にないものが私学でやつておるのだということになつたら、私学に対する世間の認識というものは、私は格段に違つて来るのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。まあ併しこれはもう人事の関係からいろいろな問題がからまりますから、今余り深く私はお尋ね申上げたいとも思つておりませんけれども、なおお考え下さいまして。
#18
○委員長(河井彌八君) 本日は文部省設置法の一部を改正する法律案についての御審議はこの程度にとどめておきたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#20
○委員長(河井彌八君) それでは次に農林省設置法等の一部を改正する法律案、これを議題といたします。政府委員から御説明を願います。
#21
○政府委員(野原正勝君) 農林省設置法等の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申上げます。
 今回提案いたしました農林省設置法等の一部を改正する法律案は農林省設置法の一部改正と、水産庁設置法の一部改正との二つの部分から成立つておりまして前者を第一條、後者を第二條といたしております。
 先ず第一條の農林省設置法の一部改正から御説明をいたしますと、その要点は農業改良局の統計調査部の所管所掌事務の中に農林漁業に関する予測事業を加えたことと、次に動植物検疫所を植物防疫所と動物防疫所に分離したこと及び中国種畜牧場を新設したこと、それからかんがい排水審議会を設けたことの四点でございます。第一の統計調査部の所掌事務の改正についてでありますが、新たに所掌事務に加えられるべき農林漁業に関する予測事業は、農林漁業の現況を正確に把握分析してその分析の上に立つて将来の農林漁業の動向の見通しを行い、個別的に分散しておる農林漁業者にその見通しを提供して各自が経営計画を立てる上の指針とする、いわゆるアウトルツク・サービスに関する事務でありまして、その農林行政上の重要性に鑑み昭和二十七年度から予算措置が講ぜられることになつたのでありまして、これに即応して設置法にも明文を以てその事項を追加することといたしたのであります。第二の動植物検疫所の分離につきましては、最近における輸出入検疫事務の増大、植物防疫法の改正等による植物防疫事務の追加、家畜伝染病予防法の全面改正による動物検疫事務の拡大、更には防疫に関する国際的條約への加入等によりまして、本来機能的にも異なつた性格の植物防疫と動物検疫の事務を分離いたしまして、別個の機関によりまして処理させることが必要と存じますので、昭和二十七年度予算とも関連し設置法にもこれが改正の措置を講ずることにいたしたわけでございます。第三の中国種畜牧場の新設につきましては、中国地方における農業経営の現状と種畜牧場の合理的配置という見地からいたしまして、広島県に国の種畜牧場を新設することが適当と考えられますので、昭和二十七年度予算に計上いたしますと共に設置法の改正を行うわけであります。第四のかんがい排水審議会の新設についてでありますが、先に政府が加入の手続をとりました国際かんがい排水委員会に関する事務は農林省において所掌することと相成りました関係上、これらの事務に更にかんがい排水一般に関する重要事項をも併せて調査審議する機関が必要となりましたので、今回附属機関としてかんがい排水審議会を設置することにいたした次第であります。
 次に第二條関係即ち水産庁設置法の一部改正について御説明いたしますが、その要点は日本海区水産研究所の位置を七尾市から新潟市に移し、十和田湖ふ化場及び北海道さけ、ますふ化場を附属機関として設置することの二点であります。第一の日本海区水産研究所の位置の移転につきましては、旧位置が日本海区における水産研究所としては不適当と相成りましたので新潟市に移すことにいたしたわけであります。第二の十和田湖ふ化場及び北海道さけ、ますふ化場の附属機関としての設置についてでありますが、最近におけるさけ、ます類の資源の枯渇の状況及び国際的な関係をも考慮いたしまして、さけ、ます類のふ化場、ふ化放流等の事業を国において行うことが特に必要とされるに至りましたので、昭和二十七年度におきましてその予算的措置を講じますると共に、これら二つの機関を水産庁の附属機関として設置法に加えることといたした次第であります。以上申述べましたところが本法案提案理由の大要でありますが、これらはいずれも昭和二十七年度予算と関連いたしまして四月一日から施行いたす必要がございますので何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
#22
○竹下豐次君 ちよつとお尋ねいたします。今御説明の提案理由を承わりますと、水産庁設置法の一部の改正もこの農林省設置法の改正によつて行わんとしておるように承わつたのでありますが、水産庁設置法は又別にそれに関する水産庁法の改正案がこれは出ているわけなんですか。
#23
○委員長(河井彌八君) 竹下君に申上げますが、議員提出案としては出ております。併し政府提出案にはまだその点は出ていないと思います。
#24
○竹下豐次君 そうすると政府のほうじやどういうお考えでしようか。私ちよつと頭に浮びまするのは、二つの法律があるのに水産庁法の関係までも農林省の設置法案でお改めになるのはちよつとどうだろうということ、別々にやはり関係のあるほうは改正されるという手をおとりになるはずのものじやないか。こういう疑問を持ちましたので、それでまあ若し今私の言つた前提が正しいとするならば、政府は半分手を打つておかれて、そして足りなかつた分を議員提案で補うのだというような形になるんじやないかというような気もしますが、そこはどういう関係になつておりますでしようか。
#25
○政府委員(野原正勝君) この提案の法案の名称が農林省設置法等の一部を改正すると、等といたしておりまして内容としましては只今提案理由で申上げましたようなことでございますが、法律案の体裁はすでに御審議されておる通り農林省設置法の一部改正というのと、もう一つは水産庁設置法の一部改正という二つに分けまして扱つておるわけでございまして、ただ便宜上同じ農林省の内部の問題でございますので、ここにまとめて農林省設置法等の一部ということにまとめたわけでございまして、それぞれ異なつた法案でございますので内容的には別に扱つておる次第でございます。
#26
○竹下豐次君 等の字が加わつておりますね。
#27
○政府委員(野原正勝君) 等という字が加わつておるのでございます。
#28
○竹下豐次君 この関係で定員法のほうもやはり定員の変更があることに案が別に出ておるんでしようね。これは見ればわかるんでしようが。
#29
○政府委員(野原正勝君) この今回の設置法等の一部を改正する分に関しましては、これは定員法は殆んど殖えておりません。すべて現状のままで仕事をするということになつておるわけであります。
#30
○竹下豐次君 この提案理由に頂きましたものの二頁の第二でございますね、第二の「植物検疫所の分離については」、これを見ますると相当に事務が増大しているというように御説明になつているわけでありますが、このほうもやはり人は増さないでいるわけなんですか。
#31
○政府委員(野原正勝君) 先ほどちよつと読み違えましたがこの方面は実は少く殖えておるのであります。検疫所のほうは植えておりません。この第二のほうほ殖えておりませんが、水産関の十和田ふ化場、北海道のさけ、ますふ化場というのは殖えておるそれから改良局の統計調査所のほうは、これも相当アウトルツクの状況は仕事としては大きくなつたのでありますが、人間は現在おる人間によつて仕事はするということになつております。全体としまして殆んど人間のほうは殖えておりません。極く僅か殖えておるということになつております。
#32
○竹下豐次君 それから最近における輸出入検疫防疫法の改正等による植物防疫事務の追加等々拡大増加ということが列挙してありますが、まあ実際こんなふうになつているのだろうと思いますが、それを疑うわけではありませんけれども、その内容がさつぱりわかりませんからもう少し詳しく聞かして頂きたいと思います。
#33
○政府委員(野原正勝君) 詳しいことはここに官房長が来ておりますから官房長のほうから一つお聞き願いたいと思います。
#34
○政府委員(渡部伍良君) 御承知のように戦争の前には動物検疫所と植物検疫所と二つあつたわけです。それが例の太平洋戦争の関係で防疫関係が減りまして終戦の直前には殆んどなくなつたのです。そこで一本にしておつたのです。それが終戦と同時に又防疫が拡大しまして、動物なんか殆んど来なかつたのでありますが最近は家畜導入とかいろいろな関係で動物も入れる、毛も相当入れている、それから農産物も入るし、それから又出るのもこれはもうやはり相当出るわけなんです。そこで量が殖えると同時に質も又だんだんよくなつて来る、戦前以上にかえつて来た、それから検疫のやり方が更に進歩して来たので、そういう関係で戦前の状態にかえして行くとこういうことなんです。
#35
○竹下豐次君 それから大変細かいお尋ねになりますけれども、中国に種畜牧場を新設されることになつた、これは適当と認めるか如何ということですが、これも少し詳しくどういう特徴がありますのか。中国に、ほかになくてここにあるというのか、それともその地方のいろいろな條件がよほどいいというのか、そういう点を少し御説明願いたい。
#36
○政府委員(渡部伍良君) 現在、中国に置きますほかにここにちよつと出ておりますが鳥取に種畜牧場があるわけです。それからたしか兵庫にもあると思います。それから四国にもあるわけです。それから丁度中国山脈の中で昔から種畜事業が盛んであつたわけであります。今後もますます盛んにして行きたい、こういうので広島に種畜牧場を作つた、こういうのです。
#37
○竹下豐次君 それから第四の国際かんがい排水委員会に関する事務を農林省で所管することとなつた。そこでその委員会のほかに又別にかんがい排水審議会というものができるわけですね、かんがい排水審議会というものが。私の疑問は似寄つたことを取扱われるので両方の委員会に重複する部分が相当に起つて来るのじやないかというのが私の疑問なんです。
#38
○政府委員(渡部伍良君) それはそうでありませんで、国際かんがい排水委員会という国際的な委員会があるのであります。それの日本における中の事務、その委員会との連携、そういうものを調査審議するために国内的な機関として国際的機関に対応する機関を持つと、こういうのであります。これは例えばユネスコの国際の連合会とそれに対して日本のユネスコ協会がある……。
#39
○竹下豐次君 ちよつと私の疑問を。国際関係の仕事だと、併し国際関係の委員会であるが、その国際団体に入つておる関係でいろいろ日本の内部関係も調査したり研究したり計画したりして、そうしてほかの国と連携をとるような義務を負わされるというようなことがないならば重複する心配はな、そういう疑問があるとすれば、やはりあとに書いてあるかんがい排水委員会というものと仕事が重複するようなことがありはしないかと思うのです。これからこれまではかんがい排水審議会の仕事だと……。
#40
○政府委員(渡部伍良君) これは今度初めて作るのでありまして、今のお話にありましたように国際のかんがい排水委員会でこういうことをやつたらいいということをきめるということになれば、それをとつて来て日本に適用するようにする、それから国際排水委員会からどういうことをやつているかということを照会があれば、ここでそれをとり上げると、或いは東南アジアの援助なら援助の日本のかんがい排水関係の人をどういうようにして出すかということを審議する国内的な機関を持つ。これは今までは全然そういうものがなかつた、今度新たに設置するのであります。
#41
○竹下豐次君 それからもう一つ。水産関係の第一、水産研究所として旧位置が不適当となつた。これは潮流の関係か何か。どういう関係なんですか。
#42
○政府委員(渡部伍良君) 七尾を新潟に移すと、こういう問題ですね、これは漁法が変るとか、出て行く範囲が違うとかということで研究のやり方がいろいろ変つて来るわけです。それに対応して七尾では今までの設備で十分でなくなつたというので新しい適地として新潟に移すと、こういうのであります。
#43
○竹下豐次君 七尾が不適地であるという理由……。
#44
○政府委員(渡部伍良君) 殊に細かい問題になりますが、例えば試験のために水を相当必要とする、真水ですね。ところが七尾の試験場ではそれが簡単に得られないというようなのは致命的といいますか非常に事務的に差支えるということになりまして新潟に移すと、こういうことであります。その真水、井戸水が足りないのです。そういうことです。
#45
○竹下豐次君 それから十和田湖のふ化場と国際的な関係も考慮して、これはどういうことですか。何か條約でも……。
#46
○政府委員(渡部伍良君) ちよつと聞きとれませんが……。
#47
○竹下豐次君 第二の十和田湖ふ化場及び北海道さけ云々ですね、と書いて行つて、最近におけるさけ、ます類の資源の枯渇の状況及び国際的の関係も考慮して何か国際條約か何かこういうものに関する……。
#48
○政府委員(渡部伍良君) これは少し説明が舌足らずかと思いますが、さけ、ますの漁場は北のほうにずつとあつたのですが、それが今お説のように制限されておるということと、だんだん資源が減つて来ている。そこでこれを人工的にふ化して資源を増大して行きたい。国際的に現在出漁範囲が制限されているのです。漁に出て行く範囲が制限されておるから、それを国内の例えば十和田のますであるとかこつちで確保するという、こういう意味なんです。国際的のというのは。
#49
○竹下豐次君 私の質問は一応終ります。
#50
○委員長(河井彌八君) 本日は大体の質疑はこれでとどめておきたいと思います。農林省設置法等の一部改正する法律案につきましてはこの程度の審議にとどめておきたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(河井彌八君) 御異議なしと認めます。
  ―――――――――――――
#52
○委員長(河井彌八君) それでは次に総理府設置法等の一部を改正する法律案につきまして政府の説明を求めます。
#53
○政府委員(菅野義丸君) 只今議題となりました総理府設置法等の一部を改正する等の法律案についてその提案理由を御説明いたします。
 先ず賠償庁に関係ある事項でありますが、日本国との平和條約の発効と共に、占領軍は我国から撤退いたすこととなつており、従つて、連合軍最高司令部も廃止されることとなりますので、従来の賠償施設の管理並びに連合国最高司令官の管理にかかるいわゆる特殊財産の管理及び処理に関する同司令部との連絡の事務は、全く終了することとなります。従いまして、この連絡の事務を処理する目的のために設置されておりました賠償庁もその使命を終了することになりますので、平和條約の発効と共にこれを廃止することといたしたいと存じます。
 なお従来の賠償指定施設に関する残務処理事務及び平和條約第十五條以下の各規定に基きまして引続き措置する必要のあるいわゆる特殊財産については、その実施事務は大蔵省で所掌することとし、これがため関係両省の設置法その他関係法律につき所要の改正を加えることとした次第であります。
 次に地方行政調査委員会議に関する事項でありますが、同会議は、国と地方公共団体との間の事務の配分の調整等につきまして、内閣及び内閣を経由して国会に勧告することを目的として臨時に総理府に設置されたものであります。同会議はその設置以来約二年間にわたり、その目的とする諸問題につきまして十分なる検討を加え、その結果をすでに三回に亘り、内閣及び国会に勧告いたしました。ここに同会議はすでに十分その目的を果したものと認められるに至りましたので、この際これを廃止することといたし、同会議設置法を廃止するほか、関係法律に所要の改正を加えることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提案いたしました主なる理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。
#54
○楠見義男君 副長官にこれは事のついでに伺うのですが、今の後段の行政調査委員会議の勧告の問題ですね、実は昨年に北海道開発庁を設置する時に、折角地方行政調査委員会議において、近く調査をするのであるからその調査の結果を待つてこの問題は解決したらいいんじやないかという意見が内閣委員会でも相当有力な意見でもあつたわけなんです。併し半ば政治的な意味も加わつて問題が紛糾し大きくなると同時に、御承知のようなことであの法律は内閣の面子問題にもなつて通つたようなわけなんですが、実はその後勧告について私はまだ見てないのですが、行政調査委員会議における勧告の結果はどういうふうであつたかこの機会に若し、遅ればせでありますけれども伺つておきますと締めくくりになつていいと思うのですが。
#55
○政府委員(菅野義丸君) お答え申し上げます。三回に亘る勧告につきましては、政府はこの調査委員会議の趣旨を十分尊重する建前でいろいろな法律の改正等に非常に参考にいたしております。東京都とか或いは北海道等につきましても最後に勧告があつたのでございますが、これは地方と国の事務の再配分のことでありまして、先般問題になりました北海道開発庁を作つてその出先機関である国の機関を作るというようなこととは直接の関係はないのでありまして、それは一定の仕事を国と地方に分けてそのあとの仕事のやり方の問題になると思いますので直接の関係はございませんで、私の記憶の間違いがなければその機関の問題等につきましては、たしか具体的には指示はなかつたように記憶しております。で、ただ地方公共団体と国の事務の配分の調整につきましては、いまだ現状におきましてもこの調査委員会議の勧告しているところとはかなり違つておりますので、逐次その趣旨を取入れて地方に仕事をだんだん分けて行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#56
○楠見義男君 私の記憶に間違いなければ、殆んど全額に近い国庫補助をやつておるんだからその仕事は国に取り上げてやつたほうがいいんじやないかという考え方で北海道開発庁ですかができたわけなんです。ところがその時の北海道庁側の意向はそういうふうになかなか区別できないんだ、例えば資材の面からいつても人の面からいつても共通的に使う必要があるので、従つて従来のような国と地方庁との行政配分のほうがむしろ能率的なんだとこういうことで議論が分れたわけです。その問題について行政調査委員会議がたしか七月でありましたか、に行つて調査をしてその結果を勧告することになつているんだから、その勧告まで待つてもらいたい、その結果どういうふうになつてもそれは止むを得ぬが勧告を待つてもらいたいというのがこれ又北海道庁側の意向であつたわけなんです。そこで実はこれは法律がああいうふうにできちやつたものだから実は我々は跡始末をつけずにそのまま見過しちやつておるのですが、幸いといいましようか丁度調査委員会議を今回も廃止しようということであつたのですが、一体どういうことであつたかということを伺いたいのですが、今のお話のようにそういう勧告がなかつたとすれば結構です。
#57
○竹下豐次君 新聞で見ますといろいろな委員会議が廃止されるという考えを内閣のほうで持つておいでのように見えるのでありますが、これもやはりその中の一つじやないかと思うのです。そうすると、総理府の設置法の改正をされるならば、いろいろまとめて一緒にやられたほらが都合がいいのじやないか。一つやめた、又改正、又できたと、なんでも十や二十ぐらいはやるんじやないかと思いますが、そういうふうなやり方をおやりになるつもりでしようか。何か特別にこれだけ引抜いてやらなければならない理由がおありでしようか。何かおありだろうと思いますけれども御説明願いたいと思います。
#58
○政府委員(菅野義丸君) 新聞等に出ております委員会とか協議会の廃止というような二とは、恐らく、行政機構の全面的の改正を今考えておりまするのでその一つの方法として委員会なり協議会なりの廃止ということが伝えられておるのであろうと思います。この点につきましては確かに政府も今行政機構全般につきまして検討を進めておりまして、その中には委員会或いは協議会というようなものも存廃を考慮中でございます。併しながらこの成案はまだ実はできておりませんで、実施の時期も今のところで考えておりまするのは多分七月頃からというふうに考えております。これいろいろな準備もございまするし又国会に対しまして法案の提出も遅れておる次第でありますから、早急にこれを実行するわけには行かないと考えておる次第であります。この地方行政調査委員会議の廃止はそれとは全く別な理由でございまして、これは一定の職務を持つて臨時に総理府にできましたものでございますので、その仕事がなくなりました以上なるべく速かにこれは廃止して然るべきものと考えまして、一応今回は特別にこれを取上げて速かに廃止したいと、こういう考えで提案したのでございまして、いわばこれは存続しましてもその仕事は一応終つておりますので意味がございませんので廃止するのでございます。行政機構のほうのものはいずれ文案を出しまして国会に御審議を願うということになると思いますのでこれらは一括して提案いたしたいと考えております。
#59
○竹下豐次君 御説明わかりましたが、そうすると、この地方行政調査委員会議と同じような、何といいますか理由で近いうちにやめなければならない委員会、審議会というのはほかにはございませんか。
#60
○政府委員(菅野義丸君) 総理府に関する限りはもう使命を終えたという委員会、協議会は記憶しておりません。その他には政府部内といたしまして一定の目的を持つて作られたこの種の委員会に非常に稀な例でございまして、勿論そういうものがあれば早急にやめなければならないと思いますが、私の今記憶ではほかには例がないようでございます。
#61
○委員長(河井彌八君) 如何ですか、本日はこの程度に質疑をとどめておきたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(河井彌八君) それではさようにいたします。本日はこれで散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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