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1951/05/12 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第21号
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1951/05/12 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第21号

#1
第013回国会 内閣委員会 第21号
昭和二十七年五月十二日(月曜日)
   午前十一時二十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月九日委員玉柳實君辞任につき、そ
の補欠として鈴木安孝君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           鈴木 直人君
           山花 秀雄君
   委員
           横尾  龍君
           楠見 義男君
           竹下 豐次君
           上條 愛一君
           三好  始君
           松原 一彦君
  国務大臣
   建 設 大 臣 野田 卯一君
  政府委員
   統計委員会常任
   委員      美濃部亮吉君
   行政管理庁管理
   部長      中川  融君
   法務政務次官  龍野喜一郎君
   法務府法制意見
   第二局長    林  修三君
   文部大臣官房総
   務課長     相良 惟一君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会專門
   員       藤田 友作君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○行政機構の整備に関する調査の件
 (行政機構改革一般に関する件)
○行政管理庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○法制局設置法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。本日は文部省設置法の一部を改正する法律案、これについて質問をいたすこととなつております。又予備審査の件、二件が予定されておりました。即ち法制局設置法案、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案、この二件であります。都合によりまして、この際野田行政管理庁長官からこの予備審査でありまするこの二案の提案理由の説明を求めまする前に、今回の行政機構改革一般につきまして説明を求めたいと思いますが御異存ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決します。野田行政管理庁長官。
#4
○国務大臣(野田卯一君) ではこれより今回の行政機構改革一般に関する御説明を申上げます。
 我が国の行政機構は戦争中及び戰後を通じて驚くべきほど複雑厖大化したのでありますが、これを整理合理化し、我が国現在の国力にふさわしい簡素且つ能率的なものとすることは、現内閣成立以来その基本政策の一つとして鋭意努力して来たところであります。前国会において、政府は官庁職員の大幅縮減を提案し、約十万に及ぶ定員の削減が行われたのでありますが、右に引続き今国会には、行政機構の簡素化を提案することといたしました。
 今回の機構改革は、先に政府の諮問に応じて提出されました行政制度審議会の答申及び政令改正諮問のための委員会の答申並びに公私各種の意見を参考としつつ、政府において愼重研究を重ねた結果立案されたものでありまして、單に機構の簡素化を図るのみでなく、各行政機関における責任体制を明確ならしめ、行政機構をして全体としてまとまりのある活動をなさしめる等の点に留意し、且つ又平和條約発効後の新事態に即応せしめることをも考慮に入れているのであります。この見地から、機構改革の立案に当つては、次の諸点をその主要な基準といたしたのであります。
 第一に、各種行政委員会は、審判的機能を主とするものを除き、これを廃止し、その事務は関係各省に分属せしめることであります。
 第二に、総理府は別とし、各省の外局たる「庁」は、審判的機能を主とするもののほか、原則としてこれを廃止し、各省の内局又は附属機関とすることであります。
 第三に、各府省の官房及び局中に置かれる部の制度を廃止することであります。
 第四に、総理府は、内閣の首長として行政各部を指揮監督する総理大臣の補佐機関たるにふさわしい内容のものとし、現存の各種行政事務は、できるだけこれを各省に分属せしめることでおります。
 第五に、行政監察制度を整備強化することであります。
 第六に、治安関係の機構を整備することであります。
 第七に、電気通信事業は、企業経営の原則に則り、これを公共企業体とすることであります。
 第八に、以上のほか、各府省の内部機構及び地方出先機関を、できるだけ簡素化することであります。
 以上の諸基準に基いて立案された各府省別の機構改革案は、それぞれ各府省庁等の設置法改正案として国会に提出されますが、これを総括して申上げますと、現在府省の数は、経済安定本部を含めて十四でありますが、新機構においてはこれが十二となります。又、いわゆる行政委員会の数は、現在二十三あるものが、十四となり、外局たる庁は、同じく現在の二十三が十一となります。各府省を通じて、局の数は現在の九十二が十八を減じて七十四となり、部の数においては現在百二十九あるものが大幅に減少して四十五となります。即ち、府省の数では約一割五分、委員会及び庁の数では約五割、局及び部の数でも同じく約五割に近い縮減であります。
 次に、改革の内容について主要なものを申上げますと、委員会で廃止されるものは、統計、全国選挙管理、公益事業、地方財政、外国為替管理、電波監理、中央更生保護、証券取引、公認会計士管理及び外資の十委員会であり、又、庁で廃止されるのは、入国管理庁、国税庁、引揚援護庁、食糧庁、林野庁、資源庁、中小企業庁、海上保安庁、航空庁、経済調査庁等であり、印刷庁、造幣庁及び工業技術庁は附属機関となります。従来内閣法による機関として国家行政組織法の適用外に置かれていた人事院は、総理府の外局たる国家人事委員会となり、又警察予備隊と海上保安庁とを統合した組織として新に総理府に保安庁が設置されます。経済安定本部は廃止され、別に総理府に経済審議庁が設置されますがこれは主として重要経済問題について調査企画をする機関であります。法務府は各省と同じく法務省となり、法務総裁は法務大臣となり、又現在の三長官制を廃止して事務次官を置くこととなります。なお法務府の法制意見各局はこれを内閣に移して法制局とし、名実共に内閣の法律顧問的役割を果させることといたしました。電気通信省は公共企業体となりますが、国際電気通信部門は分離して、別に政府出資の特殊会社となります。
 冒頭に申述べました通り、人員の整理についてはすでに前国会において相当数の縮減を行なつておりますので、今回の機構改革に伴なつて更に第二次の人員縮減を行う考えはないのでありますが、調達庁、経済調査庁、経済安定本部のように事務が廃止又は減少されるところにおきましては相当数の人員減が必要となります。その他石油統制の解除に伴うもの等を加算致しますと約三千五百の人員縮減が行われることとなります。これらの要退職者に対する措置といたしましては、多数人員の整理を必要とする官庁については明年三月末まで、その他の官庁については本年十二月末まで、それぞれ定員外の制度を設けて、整理の円滑化を図りますと共に、本年十二月までに退職する者に対しては、前回の行政整理の場合と同様、八割増の退職手当を支給することといたしております。
 今回の改革は行政機構の全般に亘つて行われますため、現行の各府省庁の設置法等の改正を要するもの十八件、新たに設置法の制定を要するもの十一件、関係法令の整理のための立法四件、その他国家行政組織法、定員法及び退職手当に関する法律の改正を必要といたしますので、合計三十六の法律案が国会に提案されるごととなつております。これらの法律案はいずれも本年七月一日から施行される予定でありますが、機構改正の実施に伴い。すでに成立施行されております本年度予算との調整の問題が起ります。この点につきましては、行政機関相互間において事務の移動の行われるものについては予算総則の定める移用の手続により、又、新設の官庁又は純増になる事務については予備費の使用により賄うこととなります。廃官廃庁等による予算の節約額については、目下大蔵省当局において計算中でありますので、その結果を待つて御報告いたしたいと存じます。なお、新設日本電信電話公社の予算については、今年度を限り、すでに成立した電気通信特別会計予算によることとし、この限度においては同公社を行政機関として取扱う措置をとることといたしております。
 以上が今回政府で決定しました行政機構改革案の大要でありますが、複雑厖大化した現行機構を簡素合理化するためには是非ともなし遂げなければならない措置であります。機構改革の具体的構想については、先に申上げましたこと各方面にいろいろの案があり、政府におきましても、各種の案につき愼重に検討致しました結果、現実の事態に照して最も妥当と考えられる案を決定いたしたのであります。
 何とぞ政府の意とするところを御諒察の上、関係各法律案につき十分の御審議あらんことをお願いいたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(河井彌八君) 只今野田行政管理庁長官から今回の行政機構改革一般に対する説明があつたのでありますが、次に、お諮りを申上げますが、この際行政管理庁設置法の一部を改正する法律案、これは予備審査でありますが、これの提案の理由の説明を伺いたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
#7
○国務大臣(野田卯一君) 只今議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案の提案の理由について御説明申上げます。
 今般政府においては現行の行政機構を整理簡素化する方針を決定したのでありますが、その一環として統計委員会及び経済調査庁を廃止し、前者についてはその所掌事務の全部を、後者についてはその一部をそれぞれ行政管理庁に統合すると共に、行政監察機能を整備強化し、以て能率的且つ合理的な行政運営の確立を図ることといたしましたので、これがために現行の行政管理庁設置法に所要の改正を加える必要があります。これがこの法律案を提出する理由でありますが、以下この法律案の内容につきましてその大要を御説明申上げます。
 第一に、今次の行政機構改革の方針として各種行政委員会は審判的機能をまするものを除き、他は廃止することになつておりますが、この方針に従いまして、現在総理府の外局として置かれている統計委員会はこれを廃止することとし、同委員会が統計法に基いて所掌する統計及び統計制度の基本的事項の企画、統計調査の審査、基準の設定及び総合調整等の事務と権限の全部はこれを行政管理庁に統合してその所掌事務及び権限とし、これを掌る内部部局として従来の管理部及び監察部のほかに新たに統計基準部を加えることといたしました。
 なお、右に伴い統計法に基く指定統計の指定及び指定統計調査の承認並びに統計報告調整法に基く統計報告の徴集の承認及び中止等に関する統計委員会の権限は行政管理庁長官の権限となるのでありますが、統計技術上の便宜を考慮いたしまして、長官は政令で定めるところにより、これらの権限を統計基準部長に委任して行使させることができることといたしております。
 第二に、経済統制の撤廃に伴い、従来主として経済法令違反行為の調査を行なつていた経済調査庁を廃止することといたしましたが、その所掌事務のうち行政機関及び各公共企業体の監督又は調査に関する部分のみを行政管理庁に吸收統合することとし、新たに行政管理庁の所掌事務及び権限として各行政機関の業務運営の監察に関連する限りにおいて公共企業体の業務と国の委任又は補助にかかわる業務との実施状況を、関係各行政機関と協力して調査することができることといたしました。又これらの監察乃至調査に関する事項の処理に当る内部部局は監察部とし、更にこの事務を分掌させるため行政管理庁の地方支分部局として、全国八カ所に地方監察局を設置し、各局に内部部局として二部を置くことにいたしました。このほかに監察上必要がある場合には、行政管理庁長官は公私の団体、その他の関係者の協力を得て所要の資料の提出を求めることができるようにいたしました。
 第三に、行政管理庁に新たに行政審議会及び統計審議会の二つの附属機関を置くことといたしました。行政審議会は、行政制度及び行政運営に関する重要事項と、監察の結果に基く重要な勧告事項を調査審議する諮問機関であつて、この委員は長官の委嘱に基いて、各行政機関の業務運営の実施状況を監察することができることといたしました。なおこれに伴い、現在行政管理庁に置かれている監察委員は廃止することといたしました。
 統計審議会は、統計調査の審査、基準の設定及び総合調整並びに統計報告の調整に関する重要事項について調整審議し、及びこれらの事項に関して長官に建議する機関であります。
 第四に、経済調査庁法を廃止すると共に、同法の規定により、七月一日以前に経済調査官等が行なつた証明、証拠の提出等の行為は、同法廃止後もなお効力を持つものとし、又現に府県段階の機関として設置されている地方経済調査局は、残務処理のため昭和二十八年三月三十一日までの間、新設地方監察局に附置することができるものとし、それ以前でもその残務処理が終了すれば、政令で定めるところにより廃止する措置をとることにいたしました。
 以上が本改正法案の目的及び主要な内容でありますが、何とぞ愼重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#8
○委員長(河井彌八君) なお諸君にお諮りを申上げます。行政管理庁設置法の一部を改正する法律案についての審議は本日はこの程度にとどめておきます。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(河井彌八君) 次に法制局設置法案、これも予備審査でありますが、これについて政府の説明を伺うことにいたしたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決します。ついては法制局設置法案を議題といたします。
#11
○政府委員(龍野喜一郎君) 只今議題となりました法制局設置法案についてその提案の理由を説明いたします。
 本法律案は、今回の行政機構改革の、一環として、内閣における法制の整備統一に関する機能を強化するため、これまで法務府の所掌事務となつておりました内閣提出の法律案及び政令案の審議立案、條約案の審議、法律問題に関する意見の陳述並びに内外及び国際法制に関する調査研究等の事務を内閣に移して法制局を設置せんとするものであります。
 以下、この法律案の内容について御説明いたしますと、まず第一にその所掌事務でありますが、これは先ほど申上げました通り、内閣提出の法律案及び政令案の審議及び立案、條約案の審議、法律問題に関する意見の陳述並びに内外及び国際法制に関する調査研究等であります。その仕事の範囲は、現在の法務府において法制意見長官の下にある法制意見第一局、法制意見第二局及び法制意見第三局の全部並びに法制意見第四局の一部の所掌事務に相当しております。
 なお、この機関は総理府の所属とせず、内閣の直属機関といたしておるのでありますが、これはこの機関の任務が法制に関し直接に内閣を補佐するものであることによるのでありまして、この点は、元の法制局も同様になつていたのであります。
 次に、組織と致しましては、その長は内閣が任命する法制局長官とし、その下に次長を置き、更にその下に意見部、第一部及び第二部の三部並びに長官総務室を置いております。この部及び長官総務室の事務分掌は、その事務の性質上繁閑に応じて機動的運営をなす必要がありますし、直接国民と接触する機関でもありませんので、政令で定めることになつておりますが、大体において意見部においては意見の陳述及び法制に関する調査研究等の事務を、第一部及び第二部においては法律案及び政令案の審議立案並びに條約案の審議に関する事務を、長官総務室においては人事、会計その他の庶務を分掌いたすこととなるわけであります。なお、法制局には長官、次長のほか、その職員として参事官、事務官等が置かれ、部長は、参事官を以て充てること一にいたしております。その定員は、現在の法務府における相当部局の定員を基礎としてこれを定め、長官、次長を含め、全部で六十一人と相成つております。
 最後に、法制局長官は、内閣官房長官と並んで法律問題に関し内閣を補佐する職でありますので、その地位に鑑み、これを特別職とすることにいたしました。これに関する他の法律についての所要の改正は附則に規定されております。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#12
○委員長(河井彌八君) 諸君にお諮りをいたします。法制局設置法案の説明を龍野政府委員から伺つたのでありますが、本日はこの新機構に関する審査はこの程度にとどめまして、午後は文部省設置法の一部を改正する法律案の審議に入りたいと思いますが、御異存ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決定いたします。午後は一時半に開会いたします。それまで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時三十一分開会
#14
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開きます。
 先刻来長時間に亘りまして本案の問題点につきまして十分御研究を頂いたのであります。それ故に大体の結論に一達したものと考えますが、この決定は明日の委員会においていたしたいと考えます。
 本日はこれで散会いたします。
   午後三時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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