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1951/06/20 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第47号
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1951/06/20 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第47号

#1
第013回国会 内閣委員会 第47号
昭和二十七年六月二十日(金曜日)
   午前十時十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事      鈴木 直人君
           中川 幸平君
           成瀬 幡治君
   委員
           楠瀬 常猪君
           横尾  龍君
           楠見 義男君
           竹下 豐次君
           和田 博雄君
           上條 愛一君
           波多野 鼎君
           栗栖 赳夫君
           松原 一彦君
           三好  始君
  衆議院議員
           青木  正君
  国務大臣
   建 設 大 臣 野田 卯一君
  政府委員
   総理府恩給局長 三橋 則雄君
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   行政管理庁管理
   部長      中川  融君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会専門
   員       藤田 友作君
  説明員
   大蔵省主計局給
   与課長補佐   穗川 誠一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
 等の施行に伴う関係法令の整理に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和二十三年六月三十日以前に給与
 事由の生じた恩給の特別措置に関す
 る法律案(衆議院提出)
○国家行政組織法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○行政機関職員定員法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
 大蔵省設置法の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。本日は参考人として日本銀行総裁一万田君、経済安定本部顧問向井君、帝国銀行社長佐藤君の御意見を伺うことにいたしました。この御意見を伺うために、国会法第五十二条第一項但書によりまして、この委員会の決議によりまして秘密会といたしたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(河井彌八君) それでは秘密会といたします。
   午前十時十二分秘密会に移る
#4
○委員長(河井彌八君) 速記をとめて。
   午前十時十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時四十八分速記開始
#5
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。これで秘密会を終ります。
   午前十一時四十九分秘密会を終
   る
#6
○委員長(河井彌八君) それでは委員会は休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
   ―――――・―――――
   
   午後一時三十八分開会
#7
○理事(中川幸平君) それでは休憩前に引続いて委員会を開会いたします。昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給の特別措置に関する法律案を議題といたします。
 先ず発議者衆議院議員青木正君から提案理由の説明を承わりたいと思います。
#8
○衆議院議員(青木正君) 本法案につきましては先にその提案理由を御説明申上げましたが、衆議院におきまして修正議決をいたしましたのでその修正の理由並びに要旨を改めて御説明申上げます。
 本法案の原案は先に御説明申上げましたごとく昭和二十一年七月の給与改定及び昭和二十二年十月の給与凸凹調整等の原因によつて生じた不均衡を是正するため在職年を基礎として恩給額を改定しようとするものでありますが、これを実施する上におきまして予算その他の点において相当困難がありますので、修正案は原則として在職年による改定を行わないで旧俸給制度の俸給額に大体対応すると認められる現行制度の俸給額を仮定定俸給年額として恩給額を改定しようとするものであります。即ち現在恩給計算の基礎となつている仮定俸給年額は最低が四級一号、最高が十四級職、最高俸給相当額となつておりますのを、それぞれ五級一号、十五級職最高俸に引上げ、中間においては四号乃至六号を引上げんとするものであります。ただ旧俸給制度下の教育職員、警察、監獄職員、その他地方の官吏等は永年勤続にもかかわらず俸給が比較的低くなつておりますので、これらのもの、即ち奏任官程度以下のもので在職二十五年以上、警察、監獄職員で在職二十年以上のものについては一段階、即ちおよそ二号俸上位の仮定俸給年額に更に引上げて規定することといたしたのであります。これによりまして従来の恩給は大体一割五分乃至三割五分の増加となるのであります。
 なお昭和二十二年七月から昭和二十三年六月までに給与事由の生じた恩給については昭和二十一年七月の改定俸給額に応じて恩給額が計算されていますので、その給与改定前の俸給額に適当な調整を加えて別表を適用し改定することとし、若しこれによつて改定前の恩給より低くなる場合は従来の恩給額のままとすることにいたしているのであります。
 次にこの恩給改定の時期につきましては、本年十月を目途といたしておるのでありますが、予算編成との関係もありまするので、政令に委ねることとし、少くとも昭和二十八年一月より遅れてはならないことといたしたのであります。
 以上簡単でありますが、衆議院における修正の理由並びに要旨を御説明申上げました。
 何とぞ皆さまの御賛同をお願いする次第であります。
#9
○理事(中川幸平君) 恩給局長がお見えになつておりますからどうぞ御質疑をお願いします。
#10
○楠見義男君 提案者のほうから只今衆議院における修正の理由についての御説明を頂いたのでありますが、その御説明の中にあつた予算の関係、経費の関係等についてお触れになつたと思うのでありますが、その原案における所要総額と、それから修正案による年間増加所要額と言いますか、そういう予算、金額的の御説明を煩わしたいと思います。
#11
○衆議院議員(青木正君) 当初私どもで各派共同提案といたしまして提出いたしました原案におきましては、私どもは率直に申上げまして議員提出でいたしますので、どれくらいの予算がかかるかということについて一応人事院で作りました資料等に基いて、つまりこの幾つかの場合を取上げまして、それから類推した経費、これで類推いたしまして大体国費が十七億というような数字で私ども了解しておつたのであります。さて提案いたしまして、なお大蔵省の主計局等について詳細にあの案による経費関係を調べさせましたところが、大体国費が二十三、四億かかるということがほぼ明瞭になつて参つたのであります。又府県知事裁定分も大体その程度まあ合せて四十数億の予算が要るということが明瞭になつたのであります。そこで財政の都合等もいろいろ政府とも折衝いたし勘案いたしまして、今度の案をその面からも調整したのでありますが、今回の修正案によりますと大体年間国費十二億程度というふうに主計局等で調べた結果はそうなつております。府県知事裁定分もほぼ同額というように了解しております。
#12
○楠見義男君 実は私どももちよつと常識的というと言葉は適当じやありませんが、奇異に打たれましたが、衆議院の各派、与党も含めた各派で御提案になつたものは、御提案になつたその各派自身が修正をせられたという点がちよつと不思議に思えてしようがないのでありますが、その辺の事情も少し御説明を煩わしたい。
#13
○衆議院議員(青木正君) 誠に御尤もでありまして、私どもみずから提案してみずから修正するという不見識な話でありますが、あの法案を出します場合に私ども何とかしてこの問題を解決しなければならんということで、私どもといたしましてはまあ力の及ぶ限り二、三カ月を要しましてあの案を作り上げたのであります。ところが作り上げまして、実際私ども素人でありますので、恩給局長なり或いは主計局のかたなりに来てもらいまして、詳細にあの案につきまして政府側の専門的な意見も徴して見たのであります。そういたし事と、あの案についていろいろ問題もありますが、私どもが提案者として専門家の話を聞いて考えさせられました問題は、第一点といたしましては、原案が在職年数というものに余りに重きを置き過ぎておる。その結果としまして、例えば非常に卑近な例で恐縮でございますが、現在やめておるかた、課長さんがおつてその下に係長さんがおる、この場合課長さんのほうが当然俸給が高かつたので恩給は高いわけでありますが、ところが在職年数に余りに重きを置き過ぎますと、課長は高文を通つて割合短かい年数で俸給も高くなつておる、係長のほうは長い年数かかつてそこまで行つたのでありますか、俸給は少かつたので恩給も少い。ところが在職年数だけに余りに重きを置き過ぎますと、結果といたしまして課長よりも係長のほうが遙かに上になつてしまう。そういつたようなことが例えば一つの例でありますが、事例がしばしば出て来る。そうしますと前の恩給の秩序と申しますか、現在の秩序を非常に阻害するようなことになるのじやないか。それから又現行の給与制度から見ましても、勿論この前に在職に伴う諸手当を本俸に入れることにいたしましたけれども、そういたしますと、あの案のように余りに在職年数に重きを置き過ぎることになりますと、現行の給与制度そのものの秩序に対しても面白くない結果が起きるのじやないかということが一つ考えられるのであります。それからもう一つ、あの案によりますと、つまり先ず在職年数によつて改定しようとするのでありますが、地方になりますと、先ず在職年数と加算の年数とは必ずしも明確でないものがあるのであります。勿論詳細に調べればわかるのでありますが、事務的に見ますと、それを調べるのには非常に手数も要りますし、なかなかうまくいかんという点も、事務的の支障があるということも私どもわかつて来たのであります。そうした点。それから先ほど申上げました予算の点であります。これは勿論不均衡是正のためにも私ども相当の予算を組んで頂かなければならんことは当然でありますが、一面におきましては国家財政の現状も考えなければいけませんし、又他面他の軍人恩給等の問題もこれは直接の関連はありませんが、考える必要もあるのじやないかというような見地。そうしたことから実際の事務的にも、或いは又予算の面からも又現在の給与制度なり恩給制度の秩序を乱すような結果になつてもというような考慮から、これを修正するほかないのじやないかということで、いろいろお話申上げまして、お話申上げたというか自由党、社会党、改進党皆さんしていろいろ検討しまして、各派ともそうしようということで、意見一致してあの修正になつた。こういう結果になつております。
#14
○楠見義男君 そういたしますと、大体不均衡是正の問題は、これで一応は是正されたと、こういう御見解に基く案でございますか。
#15
○衆議院議員(青木正君) 不均衡の是正問題につきまして私ども当初調べたところによると、極端な場合は四割程度の差がある、二十三年六月を前後といたしまして……。できればそれら全部を解決したいということを考えたのであります。ところが完全に不均衡是正を図るためには、まあやかましく言うと、殆んど個人々々について、実際に個人々々の場合を考えてその格付をしなければ、本当の意味の不均衡は是
 正できない。そうしますと、現実の問題として、これは言うべくして殆んど実行困難であるということから、或る程度の線を引いて、それによつて御不満もありましようが、大体こういうことで不均衡を是正してもらうよりほかないのではないかということで、考え方をそこに置いたわけであります。そこで最初にこの修正案を作りまする場合に、恩給局等の御意見を承わりますと、前の俸給制度に対する現在の俸給制度に大体対応すると認められるところを仮定俸給とするという一本の線がいいのじやないかというのが、役所のほうの実際の専門家の諸君の御意見であつたのであります。併し私どもは原案の趣旨にありますように、とにかく在職年数というものによる不均衡というものが大きいのでありますから、それをどうしても加味しなければならないということで、只今提案いたしましたように、二十五年以上の在職者については特に一段階上げるということを取入れまして、政府側の事務的な考え方に私どもの不均衡是正の考え方を取入れまして、折衷してこの案を作つたということになるのであります。必ずしも私どもこれで満足とは考えないのでありますが、併しまあ国家の現在の財政状況から見まして、先ず先ずこの程度で一つ御我慢をお願いするほかないのじやないか。勿論これによつて非常に不均衡がなお残るということになりますれば、おのずから別問題でありますが、先ず先ず私どもはこれによつて或る程度不均衡の是正ができる、又これによつて一つの御不満があつても御満足をお願いするよりほかないのじやないか、かように考えておる次第であります。
#16
○楠見義男君 そうしますと、こういうように理解していいですか。不均衡是正の問題は完全には是正されないけれども、少くとも従来問題になつておつた不均衡の一部分はこれによつて是正された、併し残されたものはなおある。こういうふうに理解していいですか。
#17
○衆議院議員(青木正君) 大体においてその通りであります。これによつて完全に是正できたとは私どもも考えられません。併しながら先ず先ずこの程度で一つ或る程度の是正はできたというふうに考えておるわけであります。
#18
○楠見義男君 これは多少意見を混えての質問で、或いは別の意見をほかの委員もお持ちになつておるかも知れませんが、私は御説明を伺つておつて、大蔵省の何と言いますか、予算的な制約と申しますか、そういうことが本来完全に均衡をとり是正すべきものが歪められておるのじやないかという感じを持つておるのでありますが、そこで本来ならば、不均衡是正が一番問題であれば、客観的に不均衡だと思われる点を完全に是正するということが、本来不均衡是正の問題じやないか。ただそれが本年度予算には計上されておらない、或いは金額的に仮に予備金なら予備金を出すとしても、その予備金の余裕がないということであるならば、建前としては不均衡是正の問題は完全に是正をして、そうして金が出せる、即ち来年度仮に三カ月原案より遅れても、完全に是正すべきじやないか。それを或る程度不十分であるということを自覚しながら、それをそのまま通すということは、問題をそこで一応解決したような恰好になり、将来に対する完全是正の努力の熱意が失われるのじやないか。こういうことを、先ほど申上げましたように意見にも亘ることでありますが、そういう気がしてならないのでありますが、その点は衆議院としてはどういうふうにお考えになつておられましようか。
#19
○衆議院議員(青木正君) 御尤もの点もあるのでありますが、ただ私どもも財政の点勿論考慮した結果ではありますが、必ずしもそればかりではないのでありまして、この案によりましても、恩給局あたりにいろいろ意見を聞いて見ますると、これでも場合によりますと、現在の人よりも何と申しまするか、これは途中の極く低いところを一段階上げておる結果といたしまして、その後のかたとの均衡を失するのではないかという問題も、場合によつては考えられないでもないということが出て来るのであります。つまり完全にやる余り、先ほど申上げましたように、個々について格付いたしますれば別問題でありますが、そうでなしに、或る程度の線を引いてやることになりますと、その線の引き方如何によりまして、つまり線をちよつと高く上げますと、不均衡是正の結果又不均衡を生ずる。こういう問題も出て来ますので、どうも思い切つたところまで線が引けないということも実際の問題として出て来るのでありますが、予算の問題と言いますか、その問題も相当考慮しなければならんのじやないか。不均衡是正の結果又不均衡が出てもいけないということで、二三カ月、私素人でよくわからなかつたのでありますが、いろいろ検討して見ますと、そこに非常な困難な点がありますので、甚だ不満足な是正方式になるかも知れませんが、先ずこの程度よりないのじやないかという結論に到達したのであります。
#20
○上條愛一君 そうすると衆議院においては、当分はこの修正案で行こうということで、近き将来においてなお更に不均衡を是正するという御意向があるかどうか。
#21
○衆議院議員(青木正君) 私どもといたしましては、これを修正案として最善のものとして出しました以上、現在のところ自分たちとしてはこれをどうという考えはないのであります。とにかく現段階におきましては、この修正案によつて不均衡を是正して行こう、かように考えるのであります。
#22
○松原一彦君 私は申上げたいこともたくさんありますが、沿革的に見まして、昭和二十三年七月に恩給の非常に低い、釘付になつておつた低いものをば引上げるために仮定法を設けた。
   〔理事中川幸平君退席、委員長着席〕
そのときの責任者は、実は私どもが提案者であつた。素人であるために恩給局その他の専門家につきまして仮定法を作つて出しましたが、そこに誤りがありまして、その結果として累年ベース・アツプに伴うスライド・アツプするごとに不均衡が顕著に現われまして、今日まで何年かの間に旧恩給受給者のかたがたの不満を買つて参つたのであります。でありますからして、こういう是正のときには正確なるベース、あとに禍いを残さないようなベースを定めませんというと、なかなか不満も直らず、請願も続けざまに出て来るし、非常に無駄なことをしなければなりませんから、今回は幸いにして先般お出しになりましたものが、衆議院諸公の御尽力により実現するといたしますれば、これによつて一応不均衡問題はなくなると信じておつたのでありますが、今回お出しになりましたものは、どうも一面から見ますというと、不均衡を完全に是正する基準をおきめになつたのではなくして、如何にも今楠見委員の言われましたように、予算を十億ほどやるからこれに合せて適当に段階を作れといつたような感じがしてならないのであります。そういうことを論争すると長くなりますから、こ、の辺でとどめておきますが、その後衆議院では二十日以上も御研究に御研究を重ねられまして、御苦心の結果二億何千万円の追加をして、十二億四千万円ぐらいなところで以て一応ここに表ができた。併しこれもなかなか窒な不均衡是正というものにはならない。一つのステツプを踏んだことに過ぎないということになつたのは、私は非常に遺憾だと思います。併しこれによつて一応の急場も救われましようし、無きにまさること万々だと思いますから、私は異議はございませんが、ただこれが一つの恩恵的に取扱われて、低い恩給者に若干のものを配るということになりますと非常に困る。というのは、受恩給者というのは、古い人たちが多いのでありますから、非常に一種の何か理論を持つております。こり人々は単なる増額ならば我々は頂かない。権利としての、不均衡を是正するならば、それは当然のことだから受ける。恩恵的に幾らか恵んでやるから黙つておれと言われたのではどうも我々そう快く頂けないという潔癖な人が相当数ある。現に私のところに申込んでおる。こういうことから今回はできる限りあとに禍いの残らない基準的なものが欲しかつたのでありますけれども、こういうようなことに今なりまして、一応の階段を踏むということを了承いたしたいと思うのでありますが、ここに不可解なのは、この法律の第一項に、二の実施の期日をば「政令で定める年月分」とあつて、括弧があつて「(遅くとも昭和二十八年一月分)以降、」云々とありますのが、どうも不安定な感じであるのであります。これは今の御説明によりますというと、十月一日から実施したいと思つておる、かようなお話であります。若し十月一日から施行するとしまするというど、四分の三半期分が一月払いとなりますから、今年度補正予算に五億円以上の経費をば計上しなければならないのであります。又「遅くとも」とありますので、二十八年一月分以降にこれを実施するとすれば、本年度の予算には計上は要らない。四月の新年度からの分で支払ができるのでありますが、この点につきましてどのような御了解がおありになるのでありましようか。これは非常に不安定な感じを与えるのであります。この点につきまして御提案者の側から記録に残るような一つ御証言を願つておきたいと思います。
#23
○衆議院議員(青木正君) お話誠に御尤もでありまして、私どもも原案にもありますように、十月から実施ということを考えておつたのであります。そこでいよいよ法案を作るときになりまして、政府当局と、或いは又法制局側といろいろ折衝いたしましたところ、補正予算を組まなければならんような規定を、つまり政府の予算編成権を拘束するような規定を、はつきりと時期が補正予算でなければならんというようなことを規定しておくことはどうかと思うのであります。他の立案例をいろいろ調べてもらつたのでありますが、ほかの同様なものにおきましても、私どもの調べました範囲におきましては、そうしたものは政令に譲つて、政令に時期を譲つておりますので、そうした立法例によりまして、これも同じような表現のいたし方をしたのであります。併しながら私どものもともとの狙いは、十月からということでありますので、表現の形式はこういたしましたが、提案者としての狙いは、今旦毫も変つておりません。又私どもは飽くまでもその趣旨で、この法律が通過いたしました以上は、政府に向つて十分十月から実施ができますように、補正予算を組みます機会がありましたら、そのことを強く要求する、かような考えでおるわけであります。
#24
○松原一彦君 大蔵当局に伺いますが、今の衆議院の提案者からのお話の通りに、こう書いてはあるけれども、実は趣旨は十月から実施して一月分から増額を支給することをば意味しておるのだと、これに対する大蔵省の側の御用意を伺いたいのであります。
#25
○委員長(河井彌八君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
 大蔵省主計局長はこの席に御出席ができないようであります。そこで説明員として主計局の給与課長補佐の穂川事務官が来ておられますが、一応聞こうと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは……。
#28
○説明員(穗川誠一君) 只今の質問に対するお答えを申上げますが、来年度の予算に計上いたしますことは大蔵省では一応予定いたしておりますが、本年度の十月から実施いたしますといたしますと、当然補正予算も組まなければならん。で、補正予算を組みましてもいろいろの財政的の見地か、優先的にこのほうに予算が出るかということも問題があるかも知れませんが、一応来年度の四月からは確実に組むという点で御了承願います。
#29
○松原一彦君 それはどうも心得ぬことであります。今まで衆議院の提案者から御丁寧な御説明があつて、十月一日を予定しておる、ただ表面上下らせないということであつたから、我々もこれを信じたのですけれどもが、念のために大蔵当局の責任ある答弁をお聞きしようと思つたのですが、一体この不均衡というようなことが現にあるという事実が認められて、確認せられて衆議院がお出しになつて、正当なる恩給を基準によつて支給しようとせらるるのであります。若しこれが正しい批判であつたならば、三年以前からすでにこの人々は不均衡に泣いておるのであります。恩給権は即ち憲法上の財産権でありまして、これが理由なく不均衡のままに泣かされるとしたならば、それは政府の怠慢であります。然るに今ここに大蔵大臣も承認して、不均衡を直すということになり、衆議院では二百七十余名のかたがたが一つの基準を持つて大蔵省に迫つて、その了解を得られたと私どもは信じておつたのでありまするが、併し予算操作の面から止むを得ず本年はこれほどには出さないと、一応の措置としてステツプを踏んでおくというので、それならばと私どもは了解いたしまして、本年度の窮屈な予算の中から、更に若干の補正をして十月分から支給すると言われることに、我々は賛成の意を表したいと思つたのでありますが、只今の大蔵省の説明員のお話によるというと、そういう予定はないということであつて、それは随分心得ぬことでありますが、提案者のほうのもう一度一つ当局との御交渉の経過をばお話願いたい。
#30
○衆議院議員(青木正君) 大蔵省といたしましては、恐らく私の考えでは補正予算を組むかどうかということは、補正予算を組む機会があるかどうか、大蔵大臣もそういう言明は恐らくできかねるので、そう申したのじやないかと思うのです。私どもといたしましては、一初めからまあ十月ということで交渉をし、又その気持で今日まで毛頭変つていないのであります。ただ先ほど申上げましたように、法文の表現の形式といたしましては、補正予算を必ず組むような、政府にそいう拘束を与えるようなやり方は避くべきであるということで、こうした形にしたのであります。そこで私どもは十月から実施ということを今日も強く期一待しておるのでありますが、ただ現実問題といたしまして、軍人恩給との関連が出て来た場合に、それがどうなるかという点につきましては、提案者といたしましても若干の疑問なきを得ないのであります。併しこれはそのときの問題でありまして、私どもは現段階におきましては飽くまでも当初の考え通り十月から実施ということを深く期待し、又そう信じております。
#31
○楠見義男君 提案者の御希望の点は先ほども申上げたように、私どもはよく了解しておるのです。ところがそれが来年度予算の場合は、これはもう確実に組まれるけれども、本年度は組まれるか組まれないかわからないとおつしやるように、政府の予算編成権を拘束するということについては、特に与党のかたの立場からすれば、これは非常に問題として重要視されておることだと思うのです。併し今年度補正予算に組むとなれば、臨時国会があり、又仮になくとも通常国会が、普通の状況で行けば十二月の上旬には開かれることなんですから、当然それは了解せられてあつて然るべき問題だと思うのです。ところがその御提案の、再三申上げるように提案者の御希望はよくわかりますが、大蔵当局の御説明が今申上げたような、お聞きになつたようなあの程度であるとするならば、何もこの際この忙しいときにこの法律を作る必要はないじやないかと、でこれはまあ提案者はそういうお気持はありませんけれども、何だか解散を控えて選挙運動的にこういう問題を取上げたという、そういうことを考えられても、今申上げたように提案者がそういうお気持がないということはよくわかつておりますが、そう言われても仕方がないような結果になつて来るのですね。だから私はそういうこと、ならば、その点をもう少し明らかにせられる必要があるのじやないかと、そこで提案者とせられては、最悪の場合は今年度補正予算に組まれなくとも、これは止むを得んと、こういうお気持でこの法案を参議院にお送りになつておるのかどうか、その点を甚だ恐縮ですが、もう一遍伺いたいのです。
#32
○衆議院議員(青木正君) 楠見さんのお話、誠にそういうふうな考えも出て来ると思うのでありますが、なお私決してそれに対してどうと申上げるのでありませんが、選挙対策というような考えでないことは……、やはりとにかくいろいろ熱心な御運動がありますので、そこで私どもは自由党だけの考えでなしに、改進党のかたや社会党のかたに、皆さんでとにかくこれをやらなければならんという信念に立つてやつたことであります。(〔楠見義男君「その点はよくわかります」と述ぶ)その点は御了解頂きたいと思うのであります。
 それから予算の問題になりますが、私ども政府に、しばしば財政当局とも折衝いたしたのでありますが、はつきりと十月に出すとは、先ほど申上げましたいろいろな関連において、どうしても工合が悪いのだということでありますので、その立場も了承いたしまして、こういう形をとつたのであります。併し最悪の場合は一月でもいいのじやないかというような、あらかじめそういう下心というか、含みがあつて出したかとおつしやいますと、私どもはそういつたような駈引をして出したのではないのでありまして、どこまでも十月から出したいという希望を持つております。従いましてそのときになりまして補正予算を組む場合に、政府側がそれを先ほど大蔵当局も言明したように、補正予算が駄目だということで若し計上しないというような態度が見えましたら、私どもは提案者といたしまして、提案者としての責任上その機会に飽くまでも補正予算を組むように最善の努力を尽したいということを、お互いにまあ申合せいたしておるような次第でございます。ただ大蔵省としてはここでやるということは恐らくそういう点で言明できないかも知れませんが、我々としてはその機会に飽くまでも当初の方針通り強く政府を鞭撻し、実現さすように努力する、こう考えております。
#33
○三好始君 提案者側の御意向と、それからさつきの大蔵省の説明員の説明との間には誰が聞いてもちよつと食い違いがあるという印象を否定できないと思うのです。ところで提案者のほうでは法律案の表面には現わせないけれども、十月から、十月分から実施することを期待し、且つそうなることを信じておられるようなお話なのでありますが、そういうことを信じられるような根拠になつた交渉は、大蔵当局の誰を相手にされて、そういう確信をお持ちになるような交渉ができたのか。専ら交渉相手にされた大蔵当局というのはどなただつたか。それをちよつと伺いたいと思います。
#34
○衆議院議員(青木正君) この案を作りますについて、事務的にいろいろ折衝いたしましたのは主計局長、それから給与課長お二人です。そのお二人といろいろ折衝して参つたのであります。
#35
○三好始君 そういたしますと、やはりこれは予算措置が非常に重大な問題であることは申すまでもない法律案でありますので、提案者が専ら折衝された主計局長なり、給与課長に一応この委員会に出て頂いて意向を質すのが委員会として正当な態度ではないかと思いますが、そういう機会を委員長のほうでお作り頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#36
○委員長(河井彌八君) 三好君にお答えしますが、今穂川事務官の御説明だけでは、その説明が食い違うのであります。どうしたつて責任のある政府委員が出てはつきりすることが必要だと委員長は考えております。それ故に主計局長に出席を要求しておりますが、この席には今はいつ来るかわかりません。それを努めております。
 委員諸君についでに申しますが、それがはつきりしないとちよつとすぐきめかねるだろうと考えます。
#37
○中川幸平君 この程度にして明日にでも主計局長の出席の時間を見計らつて説明してもらうことにお願いします。
#38
○委員長(河井彌八君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。それではこの際議題といたしますのは、国家行政組織法の一部を改正する法律案及び行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 国家行政組織法の改正案につきまして御質疑があればこの際願います。
#40
○中川幸平君 行政簡素化というと、すぐ局、部を対象として言いますけれども、私どもの考えでは、その下の課というものが必要以上に余計あるということをよく見るのでございますね。ところが行政組織法には課ということを一つも謳つてないわけなんです。これは省庁の都合によつて自由に課ができることになつている。こういうことについて何か束縛をしたほうがいいんじやなかろうか。例えば各省庁において課を新設又は廃合するときには総理大臣とでも言えんから、行政管理庁の承認を受けるとか、認可を受けるとか、協議をするとかいうようなことを謳つても、今後のためにいいのではなかろうかというふうに考えますのですが、管理庁のお考えはどうでございますか。
#41
○政府委員(大野木克彦君) この問題につきましては、或いは長官からお答えするほうが適当かと存じますが、一応事務的な面から申上げますと、お話の通り、課の設置につきましては、省令によります組織規程で以て設けられますので、只今のところ部長の意向によつて組織規程ができますので、従つて課もそれによつて設けられることになつておるわけでございます。ただこれに対して何らかの審査を加えるほうがいいかどうかということにはかねがね問題になつておるところでございますが、法律によりまして、御承知の通り局部等は法律によらなければならないことになつておりますので、それ以上更に細部まで何らかの審査を加えますることがよろしいかどうか、それらの点は或る程度所掌の大臣の政策によつて設けられるようにしたほうがいいのではないかという点が問題なのでございまして、私ども従来はそれらの、その点までは入らないほうがいいのではないかという立場をとつておりました。ただ前回の、昭和二十四年の行政整理のあとでも、たしか閣議了解だつたと思いますが、それに基きまして今回の機構改正の趣旨に則つて課の設置等も成るべく簡素化するようにという了解があつたように存じておりますが、希望としては成るべく各省においてそれぞれ全体の意向を体せられて、簡素化せられることを希望しておるというような只今の状況でございます。
#42
○中川幸平君 必要あつて課をこしらえるのでありましようけれども、とかく一つの局ができますと、主課、四課なければ体裁が悪いからというようなつもりから課をこしらえたように第三者から見えるところがあるのです。必要以上に課を分けるということは国民としてどういう方向に、どの課へ行つたほうがいいのであるか、課を二つも廻らなければならんというような実情がままあるけれども、例えば法務府の人権擁護局に行きますと、二十人にも満たんところで、これは必要あつてのことでございましようけれども、一課、二課、三課とある。事によると、局の下に三課もなくちやどうも体裁が悪いというためにこしらえたのでなかろうかというような感じ。いま一つは総階制の関係があるかも知れませんけれども、或る程度どこかと相談をする、承認を受けるという一項を組織法に入れてもよいのじやなかろうかと、かように思つて質問したような意味であります。
#43
○政府委員(大野木克彦君) 私どもといたしましては、課の殖えますことにつきましては、先だつて来いろいろ意見もございまして、いろいろ拝承しておるわけでございますので、長官も成るべく課は今後大きな課にして行きた
 いという気持を持つておられますので、私どもといたしましても、成るべく将来は課が殖えませんようにやつて行きたいと存じております。
#44
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
#46
○中川幸平君 今長官がお見えになる前に発言しましたけれども、御返事を聞くことができなかつたので重ねて発言をいたします。行政簡素化と言いますと、部局を対象にして言われますけれども、私どもの言うのには各省庁の課の整理も必要じやないか。と言いますことは、局ができると無理に三課や四課がなくては体裁が悪いというように思われるようなやり方をしておることは、国民として非常に迷惑なのです。のみならず非常に事務の簡素化の上にも悪影響を来たす。少くとも各省庁において課を新設又は廃合する場合は、行政管理庁長官の承認を受けるとか、何とかというように、これに一項を付けたらどうかと思いますが、どういうお考えでございますか。
#47
○国務大臣(野田卯一君) 只今の御意見でありますが、課の数が我々のほうから見ると非常に多過ぎるように思うのであります。御承知のように、課の設置というものは各省に任せてあるために、その省の都合次第でどんどん作る或いは給与が課長となると上る。いろいろな観点てん…から課がやや乱に流れるのじやないかと思われる節もあるのでありまして、今後は何とか、その課の設置というものにつきましては政府としては調整を図つて行く必要もあるわけであります。省によつては課の設置を非常に慎重にやつておるところもあるし、案外ルーズにやつておるところも見受けられます。で、今回は行政整理には直接触れなかつたのでありますが、引続いて政府の方針に基き、各省の課の状況を十分調べまして、そうして課を課らしいものにして行く。そして各省のバランスのとれたものにして行きたい、こういう考えを持つておる次第であります。
#48
○楠見義男君 中川さんの質問に対しての今の管理庁長官の御答弁で、私は一般論としては必ずしも反対するものではないのです。ただそれを規整するところが、仮に行政管理庁なら行政管理庁、その他の機関ならその他の機関、これはいわゆる官庁の官庁なんですが、それが課の問題になりますと、私は実は、これはかねて言つていることなんですが、便宜の問題だろうと思うのです。如何にすれば局の、或いは課の仕事がうまくやつて行けるかという行政機構運営の便宜の問題も相当重要視しなければいかんと思う。そこで一般論としては、先ほど申上げましたように必ずしも反対ではありませんが、そういうことをお考えになる場合は、いわゆる角を矯めて牛を殺すことのないように気を付けて頂かないと、得てしてそれをやるところは、実際に行政をやつていないところなのですから、従つて例えば野田さんなら野田さんが、建設省なり大蔵省をおやりになる場合は、大体今までの御経験から大体の見当がつく。それから又、他の大臣なら大臣で、曾つて自分で経験しておつたところならば大体の見当がつくが、見当のつかないところを、実情をよくつかまずに、いわゆる規律のための規律ということになつて来ますと、先ほど申上げましたように、本来の私の考え方からすれば便宜の問題、如何に能率的にやつて行くかという観点からやられるものが、変なところでチエツクされるということで、却つてぎこちなくなる。抽象的に一つ言いますと、極端なことを言えば、現在部制度が一番問題になつているのでありますが、私は別の機会でも言つておりますが、その部が課になれば一番いいと思う。ところが、その下の課が、みな係になる。それで部の問題は解決すると思うのです。職階制の問題とか、いろいろそれ以外の問題があるから、それが現在の問題になつて来ておると同時に、根本的には私はやはり便宜の問題だろうと思うので、おやりになることについて必ずしも反対いたしませんけれども、たまたまそういう話が出たものですから申上げたのですが、私が只今申上げた点をよく気を付けて頂きた
 い。これだけの希望を申上げておきます。
#49
○竹下豐次君 課の配分の問題につきましては、私はたびたび野田さん申上げたのでございますが、今楠見君のお話もありましたように、実際これに着手されますというと骨の折れる問題だろうと思つております。今までの定員法改正の場合でも、今度でも、役人たちは相当の強い、根強い反対をしておるのが実際の実情であります。課の廃合ということになりますと、又一層強い運動が起つて来るのではないか。それだけあなたのお立場としてはやりにくいだろうと考えます。そう考えますと、次の国会に間に合うだろうかという懸念が起きるのです。まあこれは整理されるという長官のお気持は相当強いように私は信じておるのでありますが、来国会でもお出しになるだけの御用意がありますか。
#50
○国務大臣(野田卯一君) 課の問題は、今回の行政機構改革が一応成立ちましたらすぐに引続いて検討に入りたいと思つております。で、これは楠見委員も言われましたように、いろいろな事情があるわけです。ただこの行政機構ばかりの問題ではなしに、いわゆる職階制の問題であるとか、いろいろそれにからんで来るところがたくさんあると思います。そういうところもよく併せて考究いたしまして、課が一つの行政機構の単位として十分あるべき姿になるように、特に配慮してやらなければならない。こういうように考えておりまして、成案を得ればできるだけ早く実行したいと考えております。
#51
○竹下豐次君 この前も申上げましたように、余りだらだらと期間を長くするということは非常に罪だと思います。一つ重ねてお急ぎになるように願います。
#52
○楠見義男君 国家行政組織法、それから行政機関職員定員法の質疑は、一応本日はこの程度にして、他の議案にお入り頂きたいと思います。
#53
○委員長(河井彌八君) 楠見君の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決定いたします。速記をとめて。
   午後二時五十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時二十一分速記開始
#55
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
 昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給の特別措置に関する法律案、これを議題といたします。
#56
○栗栖赳夫君 この問題については衆議院側の青木さんからの御説明はよく承わつたのでありますが、施行の時期がいつからかということによつて、来年度予算の問題でなしに、本年度の予算の問題になるというと、補正予算を組まなければならんという問題があります。大蔵省ではどういうような交渉に入り、どういうようなお考えであるかを承わつた上でこの賛否をきめたいと思いますので、お尋ねしたいと思います。
#57
○政府委員(河野一之君) この恩給不均衡是正の法律につきまして、施行の期日を政令で定めるようになつておるのであります。この政令をいつから施行するように定めるかというお尋ねのように拝聴したのでありますが、これを十月ということにいたしますと、今年度の補正予算に相成ります。一月ということになりますると明年度の問題になるわけであります。御承知のように、これは、この問題は一つはまあ補正予算の問題でありますると同時に、又軍人の恩給等にも関連する問題でございます。軍人の恩給の問題につきましては、目下真剣に検討いたしておる段階でございますが、そういつたような関連も考え、又補正予算の問題につきましては、只今直ちに補正予算を組むというような考え方になつてはおらないのでございますが、そういつたような関連を考えまして、起案者の意図されるところにつきまして十分考慮し、適当に善処いたしたいと考えておる次第であります
#58
○栗栖赳夫君 そういたしますと、提案の趣意、法案に盛つてある趣意は私どもよくわかりますが、軍人に関する恩給の問題、その他が割合に早く進捗して十月からこれを発足しても差支えないと、こういうように事情が判明いたしますというと、十月から発足するためには補正予算を組まなければならないのですが、補正予算はあれは臨時の国会が開かれるか、それでなくとも通常国会でも初頭にこれを出すならばできると思うのでありますが、予算をお組みになると、こう我々は解して差支えないものですか。
#59
○政府委員(河野一之君) 栗栖さんの御承知のように、軍人恩給の問題は非常に大きな問題でございまして、どういうふうにいたすかということは、明年度予算においては非常に大きな問題であろうと存じております。その見通しを立てながら、今年度の補正及び来年度のを一体としたような考え方で、この問題がきめられると思うのであります。従つてその際において併せて考慮いたすということに相成ろうと存じます。軍人の恩給の問題につきましても、早急に案を作りたい。恩給制度の審議会も最近漸くスタートいたしたような次第でありまして、そこで見当を早くつけられまして、案の一刻も早くでき上らんことを我々として希望いたしておる次第でございますので、よろしく御了承願いたいと思います。
#60
○栗栖赳夫君 そうしますと、財源的の措置というものについての考慮が十分立たんというのでなしに、むしろ他の軍人に対する恩給とか、その他の点を見合せて、この際ははつきりは申されないけれども、善処はしたい、こういう趣意に解釈して差支えございませんか。
#61
○政府委員(河野一之君) 大体その通りでございます。
#62
○楠見義男君 只今の栗栖さんの質問に対する答弁、それの質疑応答から得た感じは、軍人恩給のほうがきまらなければ、このほうもきまらないような印象を受けたのでありますが、私は軍人恩給とこのほうとは全然別の問題だと思うのです。勿論両方が実現する場合には、これは、全体としての財政上の問題はあると思いますけれども、併し事柄自体は軍人恩給とは一応別の関係になると思つておるのに、今の質疑応答を承わつておりますと、軍人恩給のめどがつかなければ、或いはそれと関連しなければこの問題は取扱えないと、こういうふうに聞えたのですが、実は提案者から伺つた理由は、そういつた軍人恩給というような問題も一面にはある、併し根本の問題は、政府の予算編成権というものを制約するようなことになるので、特にその点は遠慮して政令ということにした。勿論政府のほうにおいては軍人恩給等のこともお考えになつておるようだけれども、併しできるだけ、口でははつきりと言えないが、併しできれば補正予算に組むように最善の努力をしたいと、こういうようなふうに提案者は了承せられ、そして又それを先ほどのこの委員会でもお述べになつたのであります。私はそういうふうに了解しておつたのですが、今の質疑応答を聞いて少し変になつて来たのですが、もう一度伺いますが、軍人恩給と同時でなければこの問題が解決できないのか。それが一つと、それから提案者が、今私が申上げたふうに言つておられるのですが、そういうふうに我々は了解していいかどうか。この二点を……。
#63
○政府委員(河野一之君) 私の申上げようが少し誤解をお招きしたかと思うのでありますが、この問題が他の恩給制度、軍人ばかりでありません、いろいろな問題にこれが関連して、この趣旨において措置すべきことが相当あろうと思うのであります。そういう問題の関連も、現在恩給制度審議会において軍人恩給のみならず、ほかのこともいろいろ審議される建前になつております。従つてできるだけこの案とマツチしたと言いますか、均衡を得たような案を至急に作る必要があるかと思うのであります。そのうちの軍人恩給というのは一番大きな問題であろうというような意味合いで申上げたわけであります。これは大蔵大臣も成る機会において申上げたのでありまして、軍人恩給の問題につきましても、できるだけ速かにやりたいのだということをたびたび言われておるのであります。あえて二十八年度を待つまでもなく、できるだけ早い機会にやりたいということを、たしかこの委員会でおつしやつているだろうと思います。そういうような意味におきまして、この補正予算の機会もございましようし、いろいろな機会においてできるだけこの国会で御起案になりました趣旨に副うてやりたい、こういう意味合いにほかならな
 いわけであります。
#64
○三好始君 楠見委員と同じような疑問を私も持つたわけでございますが、若し軍人恩給その他の問題とからみ合つた問題として、併せて考えて行かなければならないという結果になりますと、これは昭和二十八年一月分以降についても考えられるものではないのですが、これは恐らく本委員会の意向としては、一月以降については、全然予算措置については問題ないのであります。提案者が信じられておるところの十月から十二月にかけての三カ月分について、提案者と大蔵当局の間で、どの程度の了解ができておるのか、それを質す要かある。こういう気持が恐らく大多数の人の考え方でなかつたろうかと思うのであります。ところが只今主計局長の説明を伺つておりますと、一月分以降についてもちよつと疑問を感ずるような気持になつて来たのですが、その点どうなんですか。
#65
○政府委員(河野一之君) 一月分以降ということになりますと、明年度の本予算に出る問題でありますが、私どもとしてはそれが最終の期限じやないか、軍人恩給の問題につきましても、明年の四月以降は、少くとも、遅くともその頃までには皆さまのお手許に渡るように考えなければならんのじやないか、我々としてはそう考えております。従つてこの問題についても同様の考え方をいたしておる次第であります。
#66
○成瀬幡治君 どうも私もはつきりしないのですが、端的にお伺いしますと、とにかく軍人恩給のこととは一応切り離しても、一応財源というものは主計局としては用意ができておる、併しそれをここではつきり言うということは補正予算と関係があるからできないのだ、それでそれを言わんがために、一応ぼやかすために、軍人恩給の問題を出しておられるのか、本当に軍人恩給のことと関連をしてやつて行こうとしておられるのか、そのところを明確にしておいて頂きたいと思います。
#67
○政府委員(河野一之君) 財源として用意があるというふうにこの際は私としては申上げかねると思うのであります。つまり補正予算を、今後年度内においてどういうことになりますか、只今のところといたしましては、事務的に補正予算を組まなければならんというふうな段階を只今のところは考えてもおらないわけでありまして、今後どういうことになりますか、そのことについては事務当局のあずかり知るところではございませんが、少くともこの問題について、それだけの財源の用意があるかということでなしに、今後においてこの問題を一応可能の時期においては考慮して、政令を施行ずることにいたしたい。こういうことで御起案者の当局と御話合いをいたした次第であります。
#68
○成瀬幡治君 提案者にもお伺いいたしますが、相当私は折衝されたと思うのですよ。ですからそういうことは言えないのだけれども、ここの公式の文書では私はないと思うのですが、これを見ますと、予算獲得のため、数回に亘つてあらゆる方法を以て大蔵省との、大蔵省当局との間に折衝を行なつたが、政府と交渉の余地を残したまま会議を開き、さつきの通り原案を修正可決し、本会議に提出することとなつた、こう報告されておるですね。こう読めば何だか私はやはりあなたの言つておられることと全然食い違つておるように実は受取れてしようがないわけですから、そごのところをもう少し、まあ形式的のところは私たちはどうでもよいのです。ですから実際問題として十月からやれるのか、そこのところをざつくばらんにお伺いしたいと思います。
#69
○衆議院議員(青木正君) 私のほうもざつくばらんにお答えいたしますが、政府との交渉を残したまま本会議に上程可決したという問題はその問題ではないのでありまして、例の二十五年、最初二十五年以上のものについて一段階上げるという問題につきまして、大蔵大臣といま多少の折衝は残つておりましたのでありますが、それは大体御了承を頂けるだろうということで、本会議に上程したわけでありまして、その問題とは全然関係はないわけであります。それから只今の問題につきましては、私どもといたしましては当初の原案通り十月から是非とも実施してもらいたいということを始終変らずに大蔵当局と折衝いたして参つたのであります。但し大蔵当局のお話を承わりますと、財源があるとかないとかという問題に限らず、只今主計局長のお話がありましたような関連もありますので、これはそのときになつて政府として又考えなければならん問題も出ると思うのであります。そこではつきりと政府としては我々に対しまして、十月から然らばやるのだということを政府は恐らく言明せよと言つても無理ではないかということで、我々の気持も十分政府も了解しておると私も考えまして、納得をしたわけであります。
#70
○成瀬幡治君 そうすると、あなたは大体十月から実施ができるという何かの、あなたがそういう了承のりできるような答弁を、あなたが折衝されたところの主計局長や給与課長があなたに与えておるわけですね。
#71
○衆議院議員(青木正君) 実施ができるという言明と申しますか、そうしたはつきりした、お前の言う通り十月からやるぞというような言明は大蔵当局は恐らくできないことでありましよう。それから私どもも、そうしたはつきりと十月からということで必ずやるということで言明を頂いたわけではありません。併し私どもの気持は十分大蔵当局も了解して頂いておりますので、補正予算を組みまする場合は、単に口先でなく、誠意を持つて私たちの気持を考えて、考慮して下さるということを、いろいろ折衝間において私ども自身として了解いたした、こういうことであります。
#72
○成瀬幡治君 どうもあなたのおつしやるのは、向うが了承をしたというわけなんですね、大蔵省が……。そうでなくて、あなたが大体十月からやれるというような、了承を受けるようなことをあなたは主計局長或いは給与課長から受けておられるかということを聞きたい。向うはいい、あなたがそういうことができるかできないかというふうに、大体十月から実施ができるということにあなたが自信を持てるような折衝の過程、いろいろな言明でなくて、そういうようにあなたは察知しておられるかどうかということをお伺いする。
#73
○衆議院議員(青木正君) 私どもの誠意と言いますか、努力に対しりましては大蔵当局も十分わかつておるということを私ども自身も了解しておるのであります。その了解の程度について、或いは了解の内容についてどういう具体的な事実があるか、こういうことになりますと、具体的にこう言つたというようなことは申上げかねるわけであります。私どもは我々の気持を十分大蔵当局はわかつてもらつておるという確信を持つております。
#74
○竹下豐次君 主計局長にお尋ねいたします。旧軍人の恩給の問題とこの問題とをからましてお考えになつておるようでありますが、先ほどの御説明を伺いましても、それはどういう理由なんですか。旧軍人のかたも非常に、成るべく早く、一時でも早く恩給をもらいたいという念願がある。併しそれがきまらないのだ、きまらないうちにこちらのほうを上げて行くということは、ちよつと面白くないというような考え方に基くのでありますか。それともそうでなくして、旧軍人の恩給の問題についてはそれはどうせ支給されることになりましようけれども、その金額等についてまだきまらないのだ、或いはどのくらい大きな金額になるかわからない、そういうことを考えて見るというと、予算全体との関係で、ここにこの法案に規定してある金額も支給されないような場合が生ずるかも知れないのだ、それだからこの際はつきりした返事をすることはできないのだと、こういう意味でありますか、その点を御説明願いたい。
#75
○政府委員(河野一之君) 竹下先生は十分その間の御事情を御承知でお聞きになるのだと思うのでありますか……。
#76
○竹下豐次君 ちつとも知らないのです。
#77
○政府委員(河野一之君) この恩給と言いまするものは一つの問題でなしに、他に非常に波及するところが多いのでございます。共済組合もそうであ、りますし、社会保険もそうでありますし、例として軍人恩給は何したのでありますが、一つの例を挙げましても、ここにありますが、俸給の作り方というものはすべてにこれは関係するのでございます。又この二十五年以上という問題も一つは問題になります。若しそういうようなことと同じ処理をやるということになりますと、ほかの者にどういうような影響が来るかということは勿論考えなければならんのであります。その前提の下に、これが一応与えられたる前提といたしまして、それならばほかのほうにおいてどういうふうな工夫をこらすかということをやはり考えぬことにはならんと思うのであります。これは国庫当局として当然なんであります。まあ一つの例を挙げたのでありますが、そういう意味においてこの問題を考えておるので、決してこれをその関係から分離するというような御提案者の意思を無視するというようなことは決して考えているのじやないということを確言申上げたいと思います。
#78
○三好始君 只今の御答弁によりますと、先ほど私がお尋ねしたことが私は依然として氷解できないのでありますが、そういうお考えでありますと十月から十二月の三カ月分の問題でなくして、むしろこの不均衡是正の一部の是正かと思います。この是正の本質的の問題になつて来ると思います。この法律案によつて是正された恩給を支給することが、例えば軍人恩給のごとき他の方面に影響するところが大きいから問題があるということであれば、法律案に規定している遅くも昭和二十八年一月分以降、その一月分以降についても問題がある。そういう本質的の問題だということになつて来ると思います。一月分以降この法律案に掲げている仮定俸給金額に基いた恩給を支給することに対して、大蔵当局のほうではまだはつきりした了解を与えていないのですか。
#79
○政府委員(河野一之君) 一月分以降については是非実施いたしたいというふうに私どもとしては考えております。
#80
○三好始君 一月分以降についてこの仮定俸給年額を完全に了承された上で、この法律案が衆議院を通過してこちらへ送られているものとすれば、十月から十二月にかけての三カ月分については軍人恩給との関連と言うよりはむしろ財源の問題が本質的な問題じやないか。こういうふうに私は理解するのであります。でありますから、先ほど来なされている御説明は恐らく内閣委員のかたがたに誤解を与えるような結果になつておつたのじやないかと思いますが、若しそう私の了解した点が果して間違いないのかどうかお答え頂きたいと思います。
#81
○政府委員(河野一之君) できるだけ早くやりたいことについては私が何回も申上げた通りであります。ただ十月ということに相成りますと、本年度の補正予算の問題になりまして、補正予算については全体を検討いたしませんと、そのことについてそれがいいとか悪いとかこの際において、まだ補正予算が具体的な問題になつていない段階においてはなかなかそれを確信申上げかねる、こういうふうに言つているわけであります。
#82
○竹下豐次君 同じようなことを申しますけれども、問題は二通りで、時期の問題だけに了解することができるのですが、この表にも掲げてある金額、恩給の金額ですね、そういうところの内容にも関係して行くのか。内容に関係して行くのだということになりましたらば、予算の伴わない法律を今きめてしまうということがどうだ。今までは予算と法律は一緒に、予算に関係がある法律は一緒に審議しておつたのであります。近頃は乱れているようであります。その点があとなんだとするとちよつと心配になつて来るのです。又法律を改めなければ支給ができないというようなことになりますと困るのであります。こういう心配があるのでお尋ねしたわけなのであります。
#83
○政府委員(河野一之君) この法律に関していろいろないきさつがあつたことはよく御存知だと思います。併し国会において御可決になりましたものを政府においてそう殊更に軽々に変更すべき筋合いのものではないだろうと私は考えております。
#84
○楠見義男君 問題を整理したいのですが、ばらばらに質問をする、そうしてそれに対するばらばらの答えあるから、例えば一つの例として明年度予算を組むか組まないか、それは組みます、こういう答弁があるのであります。これは法律でそういうことははつきりしているのだから、政府が両院を通過した法律を忠実に守ろうということであれば、又そうしなければならないのですが、憲法の規定によつて……その場合には当然法律上課せられた義務としては、明年度予算を組まなければならないことは当然なんであります。そこで問題は、明年度予算を組むか組まないかということは問題じやなく、御承知のようにその前の、本年度内に補正予算が組めるか組めないかということが問題だ。ところが政府委員の答弁は、明年度予算を組みますということは、提案者もそういうことを言われるのですが、提案者は明年度組むことは当然だ、本年度において提案者が希望するがごとく、政府もできるだけ善処する、最善の努力を、提案者の希望をかなえるようにしたいと思つている。こういう答弁を我々実は期待しておるのであります。ところがそういうものに対して、それは全然抜いて、明年度予算を組みますということは、そのこと自体は、実は今私どもの聞いている本年度補正予算に、政府は提案者の希望を容れることに最善の努力をしますということを言わないことよりも、逆のことを否定するような響きを与える、そういうことばかりでなしに一連のこととしてお答えにならないと、非常に聞いているほうも誤解を生じて来るのであります。
#85
○楠瀬常猪君 今のに関連して同じようなことでありますけれども、結局補正予算の問題になつておりますが、補正予算をすぐ組むということはほかの関係もあるから、あなたはつきりおつしやることできんでしよう。補正予算を組むというようにきまれば、政府でそのときは最善の一つ考慮をするということになるのじやないですか。
#86
○政府委員(河野一之君) 提案者の御趣旨もそこにあると私も思うのでありまして、私もできるだけ提案者の御趣旨を酌みまして、でぎるだけの努力をいたしたいと考えております。
#87
○栗栖赳夫君 私もこの補正予算を組むというようなことを突つこまれたこともあるのですが、今の御誠意はわかると思うのです。これ以上はもう、我我が委員会でどうしたがいいかということを、一つきめて頂けばいいのじやないかと思います。
#88
○委員長(河井彌八君) それでは諸君にお諮りいたします。本案につきましては、質疑は終了したものと認めてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(河井彌八君) それでは質疑は終了したものと決します。つきましては本案について討論に入ろうと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。御意見のあるかたは御発言を願います。
#91
○中川幸平君 私は本案に賛成の意を表したいと思います。恩給不均衡是正の問題は、不均衡該当の全国七万の声であります。一日も早くこの是正をせんければならんということは、我々の痛感いたしておるところであります。今回本案の提出を認められましたが、本当に十分な是正を見ることができないことは遺憾でありますが、国家の財政の現状からいたしまして、これでも従前よりは非常な是正の実を挙げているのではないか、これによつて該当者の辛抱を願わなければならんと思います。ただ施行期日が明年一月になるかも知れんという点につきましては誠にお気の毒でありまして、何とかして補正予算を組まれる際には、是非とも一日も早くこの法案の実施ができますように、格段の尽力を要望いたしまして、賛成の意を表する次第であります。
#92
○楠見義男君 私も只今議題になつている、いわゆる恩給不均衡是正に関する法律案につきまして、賛成の意見を述べたいと思うのでありますが、先ず最初に意見を申上げる前に、この恩給不均衡是正の問題について長い間提案者である衆議院の提案者のかたがたを初めとして各派のかたがたが非常な御尽力をせられましたことに対して、深く敬意を表するものであります。ただこの恩給不均衡是正の問題につきましては、先ほどもいろいろ論議がございましたように、完全な是正とは我々も考えられません。なおかすに十分の時日を以てすれば、我々一層この問題を徹底的に、十分の完全な是正をいたしたいと思うのでありますが、その時間的の余裕のないこともつの理由でありますが、更にこのここまでに至る間における、先ほど申上げた衆議院の各派のかたがたの非常な努力を多といたしまして、又それに敬意を表しまして、この法案に賛成をしたいと思うものであります。ただそれに附加えて、只今も中川委員からお述べになりましたように、施行の期日の問題であります。私はこの点については提案者が了解せられているところ、並びに只今大蔵省の主計局長がこれについて政府としても最善の、最大の努力を払うという言明も信頼いたしまして、賛成したいと思うものであります。なおついででありますが、先ほども主計局長が述べられたように、恩給問題についでは及ぼすところ非常に大きく、又同時に考えなければならん旧軍人の恩給、その他いろいろの問題があろうと思うのであります。従つてこれらの点につきましても、政府は同時に最善の努力を払い、でき得る限り早くこれが成案を得られますように、これ又強く希望いたしまして、本案に賛成をいたしたいと思います。
#93
○成瀬幡治君 私も只今議題になつておりますこの法律案に賛成をするものございます。併しですね、この審議の過程或いは質問によつて明らかにされたことく、何か予算があつて、そうしてその範囲内において割当てたような感じがしてならないのであります。問題は何と申しましても恩給の不均衡があるということは事実でございます。これで私は是正されたものではないと思います。従つて今後もこうした問題について努力すると申しますか、当然私は再修正がなされるものと、こういうふうに期待もいたしますし、なお先ほど楠見委員も言われましたように、施行期日は提案者は了解されているように、この十月から確実に施行されるものであると、こういうふうに了解をいたしまして本案に賛成するものでございます。
#94
○上條愛一君 私も同様に本案に賛意を表するものであります。私どものといたしましては、この問題は衆議院において取上げられて、衆議院が議会に最初提出された案が私どもが妥当と考えておつたものであります。それが今申上げたような事情で、予算の関係から修正を余儀なくされたという感じがいたすのであります。我々参議院といたしましても、近き将来において十分に不均衡是正の問題については私どもみずからも検討を加えて、成るべく早い機会になお是正の余地があるといたしますならば、その是正をいたしたいと考えるわけであります。なお楠見さんのおつしやるように、この実施の時期に関しましては、十分大蔵当局の言を信じまして、十月から実施されるように希望を申上げる次第であります。
#95
○栗栖赳夫君 もう多く附加える必要はありませんが、私も賛成いたします。殊に衆議院のほうが予算は先議権がありますけれども、衆議院と参議院と一緒になつて、早く施行実施ができるように予算的措置をするということに、一緒にともども尽力をいたしたいと、こう思つております。
#96
○松原一彦君 改進党を代表しまして、本案に賛成の意を表します。それにつけましても、私は曾つて昭和二十三年にこの恩給仮定法を定める当時の提案者として私は責任を持つ者でありまして、その当時の仮定法が低きに過ぎたと、正しいものでなかつたという事実が、その後歴々として現われまして、ベース・アツプに伴うスライドアツプが常に非常な大きな格差を持つて、不均衡の声を天下に高からしめ、数十万の一時恩給者の手厳しい要求となつて参つたのであります。決して燐みを求めるものではございません。適正なるものを等しく与えられたいという要求であります。但しこの要求の中には相当誤解もありますし、適正な標準を出すということにつきましても、幾多の計数がありまして、なかなか困難であつたということは、私も十二分に承知いたしておりますけれどもが、併し正しい正当額が権利として与えられないということは、政治上の一つの失態だと思うのであります。で、今回政府が遂に提案せられないために、衆議院の有志諸君が二百七十名の名を以て一つの標準を定めて、是正しようという積極的な行動に出られましたことは、私は心から感謝を申上げます。ただこれが予算面における一定額を先ずきめて、これに合せたかのような一夜ずけの仮定法ができたかの感を我々に与えしめられましたことは、誠に遺憾でありまして、提案者は御自身からすでにこれは完全なる是正ではない。なお空白を残されている。将来に是正の余地があるという一つの階段であることをばお述べになつているのでありますが、それだとしまするというと、これは将来非常に禍いを残すのであります。かような場合におきましては、私は禍いを残さないような案を出さなければいけない。これがたびたびかように全国の人々の要求を次々に促して参るようなことがあつたのでは、非常な大きな不備となると思うのであります。又もう一つは今回定められましたる仮定法が、これは非常に大きい影響を持つのであります。若しこれが一万円ベースの適正なる仮定法だとするならば、今回七、八百万人に及ぶところの軍人、百幾万の、その中には遺家族も含んでおりますが、その恩給や遺族の扶助料を算定する仮定法がここに標準をとるということになりますと、及ぼすところが非常に大きいんで、基準は正当なものでなくちやならん、主計局その他大蔵省の側が、大蔵大臣の了解があつたのにもかかわらず、その仮定法をば極力下げようとしたところには、私は一つの意図があると思う。それが一万円ベースの適正の仮定法とするならば、数百万に及ぶ軍人恩給の復活に際しまして、これが非常な減額となるのであります。これは私はいわれなき政治的な操作を以て、適正なる基本的権利財産権を侵害するものだと私は思う。そういうような禍いを残してはならん。従つて衆議院におきましては多数のかたがたが提案者と共に適正な基準を出すことに御努力になつたのでありますけれどもが、遂に及ばなかつたことを如何にも遺憾に思うのであります。かようなものを定める場合においては各方面の影響を勿論考慮しなくちやなりません。その点におきまして幾多の遺憾を残しますけれどもが、併し地方における窮乏している人々が一つの救いを持つことにおきまして止むを得ず私は一応この案に賛成し、成立すると同時に、実施が実は数年前に遡るべきほどの空白があつたのであります、それを十月一日からやりましたことは止むを得んとしましても、それも一つの期待であつて、この法律の表面から行けば一月以降になる虞れが多分にあります。どうか提案者、政府当局におきましても十二分に御考慮の上に十月一日から実施せられますように御努力を御期待申上げまして私の賛成の言葉といたします。
#97
○竹下豐次君 私は緑風会の代表として楠見君にお話を願うつもりで、私の申しましたことが聞えなかつたせいか、楠見君の代表的なお話になつておりませんので、一言私の考えを申添えまして賛成の意を表したいと思います。この問題がこの委員会に取上げられました当時におきましては、政府当局の御説明では不均衡はないのだということを強く主張しておつたのであります。従いまして私はこの問題が解決するまでには相当に困難な道を迫るであろうということを心から心配しておりました。その後幸いにして政府当局もよくおわかりになり、衆議院の諸君初め我々同僚におきましていろいろ御相談申上げましたところ、幸いにしてそう長くかからない期間におきましてそこまで進みまして、本日これがこの委員会におきまして採決されるということになりましたのは、本当に私は感謝に堪えない次第でありまして、心から賛成の意を表するものであります。なお青木さん初め、衆議院の内閣委員の皆さんに対しては心からお札を申上げます。
#98
○委員長(河井彌八君) 他に御発言ないと認めますから本案について採決をいたします。本案に同意の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(河井彌八君) 全員一致であります。よつて本案は全員一致を以て可決すべきものと議決せられました。つきましては賛成者の諸君の御署名を願います。
  多数意見者署名
    松原 一彦  三好  始
    竹下 豐次  栗栖 赳夫
    横尾  龍  楠見 義男
    楠瀬 常猪  上條 愛一
    成瀬 幡治  鈴木 直人
    中川 幸平
#100
○委員長(河井彌八君) 御署名漏れはございませんか。
 なお本会議における委員長報告は委員長に御一任願いたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決します。
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#102
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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