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1951/02/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第6号
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1951/02/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第6号
昭和二十七年二月十九日(火曜日)
   午後一時五十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           中田 吉雄君
   委員
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           岡本 愛祐君
           原  虎一君
           林屋亀次郎君
  国務大臣
   法 務 総 裁 木村篤太郎君
   国 務 大 臣 大橋 武夫君
  政府委員
   国家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       福永與一郎君
   常任委員会專門
   員       武井 群嗣君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (治安機構に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) 只今より本委員会を開会いたします。
 本日は治安機構の問題について政府の説明を聞きたいと存じます。只今大橋国務大臣が御出席になりましたので、防衛機構の問題について御説明を頂きたいと思います。
#3
○国務大臣(大橋武夫君) 御質問によりまして、防衛に関しまする行政機構につきまして、只今政府の調査いたしておりまする内容について御説明を申上げたいと存じます。
 この行政機構の全般の改革につきましては、政府といたしまして現在調査研究を進めておるのでございまするが、この行政機構改革の一環といたしまして、国内治安に関しまする面につきましてもやはり調査を進めておるのでございます。特に国内治安の画におきまして特殊な性格を持つと考えられまするものは、第一には警察予備隊でございます。警察予備隊は一昨年の八月に創立せられたのでございまするが、現在の機構は、内閣総理大臣の下に総理府の機関といたしまして、警察予備隊本部を置いておるのでございます。この本部は認証官の長官の下に次長を置きまして、その下に五人の局長を置いております。これが警察予備隊を管理する行政面を担当いたすということに相成つておる次第でございます。もとより警察予備隊は全面的に内閣総理大臣の指導によつて動いておるのでございまするが、特に行政的管理のために、只今申上げましたような警察予備隊本部というものを置いておるのでございます。この本部の下にありまする警察予備隊の部隊、即ち制服の塚員の組織といたしましては、中央に総隊総監部を置き、総隊総監がその主宰者となつております。この下に幕僚並びに必要な課長を置きまして、ここで警察予備隊の全国の組織を管理指揮するという機構に相成つておるわけでございます。
 これに対しまして海上保安庁は、運輸大臣の管理の下に運輸省の外局として設けられておるのでございましてこのほうは現在海上保安庁長官の下に総務部長、次長及び警備救難監、こういうものを置きまして、そうして所管の行政事務をそれぞれ分担せしめております。同時に地方機構といたしましては必要な地方機関を各地に置いておる、こういう状況でございます。
 そこでこの二つのものを考えて見まするというと、警察予備隊は地上におきまする国内治安のための保安的作用を営む機関であり、又海上保安庁所轄の組織といたしましては、海上におきまする警備、警察等の仕事を受持つておるのでございまするから、これ又やはり保安的な面を持つておるわけでございます。で安全保障條約によりまして日本の自衛力の強化ということが、当然我が国においても自主的にそういう措置をとらなければならぬ段階になつておるのでございまするが、来年度におきましては警察予備隊は現在の七万五千を十一万に増員いたしたい、又海上保安庁におきましても六千名の増員をいたしたい、こういう状況と相成つておるのでございます。而もその二つのものは性格的に見ましても機能的に見ましても極めて近似いたしておりまするので、且つ又両者両々相待つて治安の全きを期するような面もございまるから、かたがたこの際にこの二つのものを一元的に統合するということが望ましいのではなかろうか、こういうふうに政府といたしては考えておるような次第でございます。でこの両者を一元的に統合いたしまするといたしますと、方式といたしましては二通りが考え得ると存じます。一つは現在の予備隊及び現在の保安庁をおおむね原型において二つを並べる。そうしてこれを管理する一人の大臣の下に結び付ける、そうして必要があればこの間の連絡調整のための小さな機構を考えて行く、こういう方式も考え得ると思うのでございます。と同時に他の方式を考えて見まするというと、この警察予備隊にいたしましても又海上保安庁にいたしましても、よくその仕事の内容を検討いたしてみまするというと、実動部隊的なものと、そうしてこれを管理する機構とがあるわけでございまして、この双方の実動部隊的なものを一つに合わせる、そうして管理機構的なものは又その面において一つに合せる、そうなりますというと、只今警察予備隊と海上保安庁とがどちらも別々の管理機構を持ち、別々の実動組織を持つておりまするが、これを一つの管理組織によるところの一つの実動部隊と、こういうふうな組織に作り上げることもできると思うのでございます。又第二のやりかたを採用いたす場合におきましても、管理的な機構はこれを一元的に統合いたしましても、実動的な部隊につきましては陸上の組織と海上の組織を別箇に編成いたしまして両建にして、おのおの独自の指揮系統に属せしめる、そうしてこれを一つの管理機構の下に置くと、こういうやり方も考え得ると思うのでございます。これを砕いて申しまするというと、大臣の下に警察予備隊と海保安庁とこう二つ並べて二人の大臣に結び付ける、これが第一の方式でございます。それから第二の方式は、警察予備隊と海上保安庁との行政管理画を統合いたしまして、大臣の下に内局的な機構を設ける、そうして実動部隊は一人の指揮官の下に陸上海上両方を指揮させる、こういう行き方、そうして第三の場合は、管理機構は一つであるが、併し実動部隊は陸上の警察予備隊と海上の保安隊とは別々の指揮官の下に置くと、こういう三つのやり方、こういうふうなものが考え得ると思うのでございます。勿論これは大雑把なことを申上げたわけでございまして、実はこれを実施いたしまする場合になりまするともう少し複雑になつて参ります。と申しますのは、現在の海上保安庁のほうは警察予備隊と違いまして、その事務の範囲というものが非常に広汎でございまして、單なる実動部隊の編成組織、そうしてこれを管理する、そういう仕事のほかに、例えば船舶の安全に関する検査でありまするとか、或いは航路標識、燈台その他航路の安全のための行政でありますとか、それから水難、海上災害、こういうものに対しまする応急救助といつたようないろいろな行政的な仕事を持つておるのでございまして、單に取締のための実力組織ばかりではございませんからして、さつき申上げました三通りの機構のいずれに当てはめる場合におきましても、特に海上保安庁の仕事につきましては実動部隊的な仕事と今申しました行政管理的な仕事とを如何に区分し、如何なる機構に分けてこれをやつて行くか、或いはそれを一元的に、部隊と共にそういう行政事務をも行わせるか、この点については相当技術的に検討すべき面があると思つております。
 いずれにいたしましても、やり方といたしましては第一に申上げました方式はこの際好ましくないと思つております。即ちただ算術的に警察予備隊と海上保安庁の二つを並べ併せまして、それをただ一人の大臣が統轄すると、そういうやり方は今後の管理面から申しまして好ましくないと思つております。いずれにいたしましても、少くとも行政管理の面については保安庁及び予備隊双方を一元的に統制管理するような行政機構を作り上げる、こういうことが必要ではなかろうか。そうしてその場合において警察予備隊と海上保安庁の船舶部隊とを一つの指揮官の下に置くか、二つの指揮官の下に置くか、この問題を只今検討いたしております。私個人といたしましては、これは必ずしも一人の指揮官の下に置くことは、一元的な操作が可能なるがごとくして部内統制上実際的には困難が多いのではなかろうか。できれば別箇の指揮系統に属せしめるということがよろしいのではなかろうかと考えておるのでございますが、併しこれはまだ中間的な考えでございまして、結論を得るに至つてはおりません。かような機構につきましては、只今閣議の決定によりまして私の手許で現在原案を考えておるところでございますから、実際の段取りといたしましては、昨日から警察予備隊並びに海上保安庁の事務当局と相談をいたしながら、先ずこれに関連しまするいろいろな問題を検討をしてもらい、かねて両者統合の一つの行政機構案について案ができれば、今週中に相談の結果を私の手許に提出してもらいたい、こういうふうに頼んでおるわけなんであります。現在さような状況の下に立案作業をいたし、いろいろな問題のことを研究いたしております。こういう状況であります。
#4
○委員長(西郷吉之助君) この際御質問がございますれば御質問を願います。
#5
○中田吉雄君 只今警察予備隊の所管についていろいろ構想をお話になつたのですが、大体そういう案はいつ頃でき上つて国会にお諮りになりますか、大体の見透し、それからもう一つは、やはりこういう治安その他重大な権限を持つものは、権力を一ヵ所に集中せずに、できるだけ分散するということが必要ではないかというふうに考えるのですが、併しそれで又治安上の能率化を害してもいけないのですが、その権力の集中を防ぐということと、能率化とをどういう工合に調整されますかという問題、それから講和條約が発効いたしますと、一応独立ということになるんですが、これについても総司令部の了解を得なくてはこれは内閣の案として提案できないものですか、もう近く独立するというので、挙げて日本政府の自主性に任されているものであるかというような点をお伺いしたい。
#6
○国務大臣(大橋武夫君) 法案をいつ出すかという第一の御質問でございまするが、政府といたしましては準備のでき次第できるだけ早く出したいという考えを持つておるわけでございます。その準備がそれではいつ頃できるであろうかという点になるわけでございますが、私現在の心づもりといたしましては、今週中に事務当局において案を出してもらいたい、そうして来週私の手許でそれを検討いたしたいと存じます。そしてその後において行政管理庁その他政府関係の他の機関との打合せもいたさなければなりませんし、又現在総司令部の監督下にあるわけでございまするから、総司令部との打合せもいたさなければならんということになりまするので、なおその間一、二週間を必要とするのではなかろうかと存じます。
 それから第二の、権力というものは分散させることがよろしいが、併しそれでは能率化という面からいつて矛盾した面もあるので、その間の調整についてはどういう考えであるか、こういう御質問でございまするが、只今のところ、政府といたしましてはこの警察予備隊並びに海上保安庁を統合いたしました機構、これは国内治安のための機構ではございまするが、併しいわゆる警察等とは又違いました実力的な面を多分に持つておりまする機構でございまするから、それでこれは両方合せて一つの機構の下に管理することが能率的でもあり又よろしいと、こう考えておるわけでございます。で、国の治安関係の権力といたしましては、なおこれらの機構のほかに国家警察、自治体警察等によりまするところの一般警察権でありますとか、或いは又特別な警察権でありますとか、或いは又治安のための行政権でありまするとか、或いは検察権でありまするとか、こうした権力的な仕事を担当する一面もあるわけでございまするが、この予備隊及び保安庁の統合という場合におきましては、これ以外の他の仕事は一応この機構からは全然切り離して考えて参りたい。こういうような考えを持つておるのでございます。
#7
○中田吉雄君 一般の自治体警察と国警がこれから離れるように大体伝えられておるのですが、それはどういう関係ですか。やはり実力的なものと、そうでないものとを分けるという立場ですか、その点を。
#8
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊と一般警察とは、組織といたしましても、又機能といたしましても非常に異つた面が多いのでございまするから、従来からも政府といたしましては別箇の機関においてこれを管理する。こういうやり方をとつて参つたわけでございます。たまたま私が創設当時から一般警察の事務を担当し、又法務総裁としてその権限を行いながら併せて警察予備隊の仕事をやつておりましたので、組織上においても本来一本になつておるような感じを或いは一般に與えておつたかも知れませんが、併し法制上或いは機構上といたしましては、警察予備隊と警察というものは前々から別箇の系統の行政事務と、こういうふうな形になり、又機構としても全然別箇になつておつたわけでございます。
#9
○中田吉雄君 この警察予備隊に関しまする機構が成案を得るにはなお一、二週間を要するであろうということでありまするが、木村、野田両相が主宰されておる行政機構改革とは別箇に……そのほうと一緒にお出しになるわけでありますか。そのほうができねばいけないのですか。それとは別箇にこちらのほうだけお出しでありますか。その辺の関係はどうなりますか。
#10
○国務大臣(大橋武夫君) 実は政府部内におきましてもまだその辺のところまでは細かく相談をいたしておらないのでございます。勿論折角行政機構全体として改革案を出しますのでございまするから、できれば同時に出すことがいろいろな面からよろしいのではなかろうかと思いまするが、併しこの警察予備隊関係の機構改正というものは、差当り予備隊並びに海上保安庁の拡充強化という問題を控えておる状況でございまするから、これだけはできるだけ早く、若しほかのものが遅れれば、これだけでもどうしてもこの国会に少しでも早く出さなければならん、こう思つております。併し実際の他の行政機構の運び方がどうなつておりますか、私もよく承知いたしておりませんので、的確なことは申上げかねます。でございまするから、一緒に出すのが望ましいとは思いますが、併しほかが若し遅れるようであつたならばこれだけでも早く出したいと、こういう考えを以つて私といたしましては準備いたしておる次第であります。
#11
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質問ございませんか。
#12
○中田吉雄君 これは総理府の外局として置くのですか。その点と、それから巷間伝えられるところによりますと、そういう治安機構その他を総理府に一切集中し、そうしてそれを総理大臣が全部握つて、そして今後は総司令部が講和後におきましても、ボタン一つ押せば、実際は独立したような形に置きながら、全部日本が把握できるような形になるというように外電なんか伝えておりますが、そういうような関係はどうなりますか。
#13
○国務大臣(大橋武夫君) 行政機構全体の改革案はまだ決定いたしておりませんからはつきりしたことを申上げることはできませんが、只今私の承知いたしておりまするところでは、いわゆる治安関係の機構といたしましては、現在総理府にありまするところの公安委員会はこのまま引続き手を触れないというふうなことを行政管理庁としては考えておられるというふうに聞いております。それから、なおそのほかの治安関係機構として一般に言われておりまするものは、現在法務府にありまするところの検察庁並びに特審局、それから外務省にありまするところの出入国管理庁、それから警察予備隊及び海上保安庁、こういうものを一口に治安関係機構、こう言つているのでございます。これらの最終的な帰属について今なお政府として決定的な意見は申上げかねますが、只今までに中間的に考えておりまするところでは、検察庁及び特審局というものは現状通り法務府にとどまるであろう。それから出入国管理庁は現在外務省にありまするが、これも総理府に来るようなことはないと思つております。従いますると、現在総理府に所属しておりまする警察予備隊の機構に現在運輸省所轄になつておりまするところの海上保安庁が統合せられるという、これだけがこの治安機構の各省の所属の変更として今度予定されている事柄であります。そうなりますると、総理府といたしましては、直接総理六百の指揮下にありまする治安関係の機構は、結局この海上保安庁を統合いたしました警察予備隊一本になるわけでございます。そのほか現在公安委員会が内閣総理大臣の所轄になつてはおりまするが、併しこれは御承知のように警察法の規定によりまして、單に内閣総理大臣の所轄に属しているだけでありまして、総理大臣の指揮監督下にその命令によつて活動し得るような機構にはなつておらないわけでございます。従いまして総理大臣があらゆる治安関係の機構を一元的に自分の手許に握るというようなことは只今機構改革としては考えられておらないということに相成ると存じます。
#14
○中田吉雄君 それから法案の審議のためにお伺いしておきたいのですが、この警察予備隊は一昨年の八月ですか、ポ勅によつてできたのですが、講和後になりましたら立法措置が必要だと思うのですが、そういうものは機構改革と絡んで一緒にお出しでありますか、その辺はどうなつていますか。
#15
○国務大臣(大橋武夫君) 只今この警察予備隊の問題は一応二段に考えております。それは講和條約発効の際に直ちにこれを直ちにこれを法律化する必要がございまするので、その関係といたしましては現在予算が、審議せられているこの予算によりまするというと、警察予備隊においては現在の七万五千の定員を十一万に増加いたすことになつております。従いまして従来の慣例によりまして予算案に当然附随するところの法律案でございまするから、予算案の審議中に法律案を提案する必要があるというので、この増員の点につきましては只今ボ勅の改正法律案を提案いたしたい、こう考えております。そうして残ります問題は、機構改革並びに現在の予備隊の任期が丁度この秋に参りまするから、その際を時期といたしまして予備隊に関しまする現在の法制を整備いたしたい。又名称についても保安隊というような名称に改めてはどうかというようなことを只今調査いたしております。これにつきましては別途に準備の整い次第法案を提出いたしたいと考えている次第でございます。でこれは機構、それから隊員の身分、それから給與、こうしたいろいろな問題が包括されておりまするので、三つくらいの法律案に分けて御審議願いたい。併しできるだげこれは一括して提案したいと思つております。
#16
○中田吉雄君 先般新聞で十一万幾らにするという予算が出ているのですが、すでにそれが通つたものとして募集されているような記事が出ていたのですが、あれは欠員の補充なんですか。すでに通ると見通してやられているのですか、そういうことが出ておつたものですからその関係と、それから現在七万五千でありますと、そうすると全部の人じやないと思うが、この八月任期が来ますが、大体そのうちどれぐらい残つてどれぐらいがやめそうで、どれぐらいが動揺しているかという点、それから警察予備隊は物資の発注関係で汚職が非常に多いようでありますが、その件数は大体どれくらいでありますか、その関係をお伺いしたい。
#17
○国務大臣(大橋武夫君) 丁度只今大学その他の卒業の機会になつておりますので、来年度において募集いたしまする幹部要員を只今若干募集をいたしております。これは増員が行われましても行われませんでも、或る程度の幹部の募集ということは必要でございまするから今募集をいたしたようなわけであります。
 それから秋の切替のときにどれくらいやめてどのくらい残るかという点でございますが、これは全くの概数でございまするが、一般に伝えられておりますところでは三分の一程度のかたがやめて行かれるのではなかろうか、こういうふうな観察をいたしております。
 それから汚職による事件の数につきましては、いずれ調査をしてお知らせいたします。
#18
○原虎一君 来年度増員する数をちよつともう一度……。
#19
○国務大臣(大橋武夫君) 一般隊員といたしましては現在の七万五千を十一万にする。ただ管理面において約千名の増員をする。これは制服の人でなく、制服を着ない行政管理の面に当るのが約一千名でございます。
#20
○原虎君 募集され増員される中で、曾つての軍人を何人ぐらい募集され増員されるか、その点を……。
#21
○国務大臣(大橋武夫君) まだこの十一万の増員につきましての具体的な内容につきましては計画は定まつておりません。
#22
○原虎一君 増員される理由をもう一度お伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊の増員の理由でございまするが、これは警察予備隊といたしましては、国内治安の確保をその使命といたしておるのでございます。講和の発効に伴いまして内外の情勢を考えまするというと、警察予備隊の必要性がますます大きくなる。こういう見込のために、これに応ずるために増員をいたしたい。この増員につきましては併し莫大な費用を要する事柄でございますから、国内の財政上の負担能力と考え併せて一応この程度の増員をいたしたいという次第であります。
#24
○原虎一君 国内治安上の必要はこれはあるのですが、そうすると講和條約が発効して日本がまあ独立の道を迫るということになるために、これだけの治安の、国内の治安の不安が生じて来るということでありますが、その点がただ、独立すればアメリカ軍は行政協定で当分残つておるわけであります。そういたしますと一遂に四万以上も増員しなければならんという、国内治安の維持が現在の数では足りない、不備だという具体約な問題を御説明願いたい。
#25
○国務大臣(大橋武夫君) 独立によりまして、現在日本の治安は占領軍が維持いたしておるのでございまするが、今度は全く日本政府の責任によつて維持して行かなければならない。日本政府といたしましては武装解除せられておるのでございまするから、この空白を埋めるためにアメリカ軍の駐留を希望いたしておるわけでございます。併しアメリカは幸いにこれに対して応諾をいたしておるのでございますが、併しながらアメリカといたしましても、日本ができるだけその自己の防衛の責任というものを自分でとり得るような状態を早く整備するということを期待しておるわけでございまして、この期待がすでに昨年の安全保障條約の中にも明文によつて明らかにされておるのでございます。もとよりこれに対して日本政府はその期待に応ずる当然の法律的の義務を負うておるわけではございませんが、併し世界の情勢等から考えまして、日本といたしましても自主的判断の下に、この期待に副うような線で国内態勢を整備して行かなければならない。これは当然の事柄であると、こういうふうに政府としては考えておるのであります。
#26
○原虎一君 そうしますと、その自己の防衛力の強化の必要で増員するということになるのでありますが、日本の自衛というものに対して予備隊を十一万に増員するということによつて足れりとはお考えになつていないのでありますか、然らば日本の防衛についてどれだけの警察予備隊を必要とお考えになつておるか、将来どういうふうに増員されるものか、どういうふうな強化をされるものか、この点をお伺いしたい。
#27
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊といたしましては、これを或る程度増加いたしましても、なかなか警察予備隊だけで一切の直接間接の侵略に対して国内治安を確保するというようなことは到底困難なことであろうと、こう考えております。併しながらできるだけ日本国民といたしましても、自分の力でできる程度の増強をいたすことによりまして、この治安上の空白を埋める努力が必要である、こう考えておるわけでございまして、差当り二十七年度におきましては、財政の都合その他等を見合いまして三万五千だけの増員を計画いたしたわけであります。その後におきましても引続きできれば増加をして行くということが望ましいとは考えておりまするが、併しそれについてはまだ具体的な計画を立てるまでに至つておりません。又それでは時期は別として、最終的に警察予備隊をどのくらいまで増大すれば防衛上よかろうか、こういう問題でございまするが、今後の日本の防衛というものは十万や二十万の警察予備隊というようなものの増員をいたしましても、それだけで絶対国防上安全であるというような、そういう態勢を期待するということは不可能でございまして、どうしてもアメリカ軍その他国際連合の集団安全保障によらなければならない、こういうふうに考えるわけでございます。そうしてかような本格的なアメリカとの安全保障條約、或いは国連との集団安全保障、そういう友好的な安全保障條約を締結し、これらの集団安全保障によつて日本を守つてもらうのにどの程度日本として自己の責任において施設を持つ必要があるかという問題でございまするが、この点につきましてはなおいろいろ未確定の條件がございまするので、政府といたしましても最終的な目標を立てかねておるような実情でございます。
#28
○中田吉雄君 その問題なんですが、政府は憲法の第九條を改正して、はつきり国民の意思に問うて再軍備をするという形をとられずに、自衛力漸増という形を再軍備に切替えておられるわけなんですが、そういうふうにして自衛力を漸増されて行つて、一体いつアメリカが日本からこれなら大丈夫だからというので撤退する、およそ政府としてはそれくらいの見通しがあるはずだと思うわけですが、一体どの程度自衛力を漸増いたしましたら国連の或いは地域的取極、その他によつて安全が保障されると政府は考えられ、そういう少くとも年次計画があると思うのでありますが、そういう関係とアメリカ軍の撤退とはどういう関係になるか。更にアメリカで先般両條約が国会にかけられました際に、日本には原爆を持たせるか持たせないかという論争がなされまして、日本には原子爆彈を持たせないという問題がアメリカ国会で言明されて、少くとも政府が自衛力漸増という形で実力的なものによつて日本の安全保障をいたそうとするなら、艦隊はもとより海空軍並びに原爆等を持たんと、ソヴイエトからの力による安全保障はできないと思うが、アメリカは日本に原爆を持たせないというような形なら、アメリカ軍隊は永久に駐兵をせざるを得ないという恰好になると思いまするが、その自衛力漸増とアメリカ軍の撤退の関係、特にいつ頃撤退すると予想されておりますか、そういう関係についてお伺いします。
#29
○国務大臣(大橋武夫君) 安全保障條約によつてアメリカ軍が駐留をいたすわけでございまするが、その根拠となつておりまする安全保障條約によりますると、日本の防衛に十分な実効のあるところの安全保障條約、その他單独或いは隻団的の安全保障が確立をしたと認められるときにアメリカが撤退する、まあこうした抽象的な原則が掲げてあるわけでございます。でこの抽象的な原則が如何なるときに実現できるかという問題でございまするが、もとより政府といたしましては、そうした態勢に早く持つて行きたいという希望は内々持つておりまするが、併し国内の財政の都合或いは憲法上の関係その他の問題もありまするし、又日本がこの自衛力の漸増をいたす際においてどの程度まで外国の援助が期待できるか、いろいろなまだ未確定な條件が多うございまするから、従いまして、只今どういうふうなところまで殖やせば撤退が可能になるかというような具体的な計画、又それに至るところの年次計画、そういつたようなものについての見通しを立てかねておる状況でございます。
#30
○委員長(西郷吉之助君) ちよつと中田君待つて下さい。今木村法務総裁がお見えになりましたが、衆議院の予算委員会に出席なさる予定がありますので、今質疑中でありまするけれども、この際木村法務総裁の御説明を一旦伺つて置きたいと思いますが……。ちよつとそのあとにこの質問の継続をお願いしたいと思います。
 木村法務総裁から一般治安機構についての御説明を願いたいと思います。
#31
○国務大臣(木村篤太郎君) 御説明申上げます。
 もとより治安機構の改革はいたすにいたしましても、御承知の通りこれを極めて民主的にやらなきやならんということは我々考えておる次第であります。現在の警察制度はアメリカの制度に倣いまして、国警と自治警と御承知の通り併存しておるわけであります。この間の運営を如何に密接にやるかということが我々先ず考えなきやならんことであります。そこでいろいろ我々は機構の問題について考えたのでありまするが、その考え方として、アメリカのFBIのような一つの機構を設けることが筋として考えられるのでありまするが、このFBIを仮に作るとして、どの所管に持つて来るかということは先ず考慮すべき一つの考え方として、これは法務府に持つて来るという考え方があるのでありまするが、併し一面において法務総裁は検察庁も所管しております。一方においてさようなFBIのようなものを所管するということになると、余りに権力の集中に過ぎないかという虞れもあるのでございます。又これを国警側に持つて行くという考え方もありまするが、これも一面においていろいろ弊害を伴うことが感ぜられるのであります。いずれにいたしましても根本的の機構を改革するということになりますると、いろいろの弊害の面も現われて来るわけであります。この講和條約発効後の時局に対処して、ここで果して全面的の機構の改革をすることが果してよいのであるかどうかということが相当考慮すべき問題と私は考える。そこで一番の問題は、現存の国警、自治警並びに法務府所管の特審局、これらの関係を極めて密接に連絡調整をして行きます。殊に今国警本部で持つております各施設、即ち通信その他万般の施設の拡充強化をいたしまして、そうして一面に又警察官の訓練、教育、これに重点を注いで行きまして、人的方面と施設の方面と両々相待つてこの三新互いに連絡調整をすることが差当りの問題として一番いいのじやないか、こう考えております。現在の段階におきましては、さような方面に意を注いで実効を挙げて行きたいと、こう考えております。いろいろ根本的の考え方も浮んで来るのでありますが、これをよく検討いたしまして、これは後日の問題としたいと、こう考えております。
#32
○委員長(西郷吉之助君) では御質問をお願いいたします。只今大橋国務大臣は衆議院の予算委員会に行かれましたが、三十分ほどで又戻られますから、念のために申上げておきます。
#33
○岡本愛祐君 只今木村法務総裁から御説明がありましたが、輓近新聞紙上で大きく報道されておる治安機構の改正について、結局は改惡になると惡いから愼重に根本的改革をしよう、暫く現状のままで行こうというふうな結論にお達しになつたように承わるのでありますが、果してそうでありますか、先ずそれから伺います。
#34
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。申上げました通り根本的の改革というものは、今早急にこれは実現をやろうと思つても私は実現は可能ではないと思う。やるにしても相当の日時がかかるのじやないかと思う。この間に空白状態を生ずることがありますると、これこそ申訳がない。この根本的の改革というものはよく検討して後日に護りたい。差当りの問題といたしまして今申上げました通り、各方面の連絡調整を極めて緊密にしたい、そうして施設の改善、警官の教育という方面に重点を注いでやりたい、こう考えております。
#35
○岡本愛祐君 法務総裁のお考えは、現下治安の状況から鑑みて非常に大事な時であるから、徒らに機構をいじつて間隙ができると惡い、だから現在の機構でその間の連絡をよほどよくしてそうして対処して行こう、こういうふうなお考えのように承わります。併し私考えますのに、現在の機構が余りよくないから、徳田球一君初め共産党の被疑者の連中が一年、二年近くなつてもつかまらないというようなことになつておるのじやないか、そのほうがよほど弊害が大きいのじやないか、こう思うのでありまして、特審局とそれから国警のそういうふうな情報網、これを一本にしてお互いの反撥をなくし、これを強力にやつて行くということは非常に早急を要する問題ではないか、こういうふうに思うのでありますが、その点はどうお考えになりますか。
#36
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。
 只今仰せの通り、これまでの連絡調整が甚だうまく行つていなかつたのも一つの原因であろうと私は考えております。機構を改革いたしませんでも、この方面の連絡調整は十分とり得るものと考えております。従来も連絡調整も無論やつておつたでありましようが、これが不十分の点が相当あつたろうと私は考えます。そこで今特審局と国警との両方のお互いに集りをやつて、そこに摩擦を生ずるとか或いは二重になつているというような御懸念、これは御尤もなことでございますが、私はこの方面において力を盡して、いわゆる情報網なんかを事実上において一本にして、そういう重複を避けることを考えている次第であります。
#37
○岡本愛祐君 次にお伺いいたしたいのは自治体警察の問題であります。小さい自治体警察が犯罪の予防並びに犯罪人の逮捕、検挙というような面におきまして非常な無力であるということは証明済みであります。本家本元のアメリカでも小自治体警察については弱り切つているのでありますが、木村法務総裁も御承知の通り、その弊害をなくするために一九一〇年以来州警察というものを新たに設けた。そうして小さい自治体警察の犯罪捜査の力の非常に弱いものを補う、こういうふうになつているのであります。で日本の自治体警察、町村の自治体警察につきましては、最近の警察法の改正によりまして、その町村の住民投票によつてこれは廃止することができるようになつたのは一つの進歩であります。併し市になればすぐ自治体警察を作らなければならん、こういうふうなことになつておりまして、未だに小さい自治体警察が数多くありまして、その間の連絡協調、犯罪の検挙というような面において大いに欠くるところがあります。でこれを国警にすることによつて、国家警察、警察国家という面に逆戻りをするというような慮れもあるのでありますが、これは逆戻りしないような方策をとりまして、これを何とか強化して行かなければならんというふうに我々は考えるのでありますが、それにつきましての法務総裁の御意見を伺います。
#38
○国務大臣(木村篤太郎君) 御尤もであります。これまでの自治体警察の活動が十分でなかつたということであります。これを如何に張力なものにして行くかということの考え方は私は至極同感であります。これは私はこれまでは人的交流とかいうことが甚だ不十分であつたと考えております。多少の警察法の改正も、これは予想しなくちやならんのでありますが、今の警察機構を根本的に改革いたしませんでも、いろいろな面から今申上げまする人的交流とかいう面からも一つの考え方がありますが、将来は国警と自警とを互に緊密な連絡の方法をとりたいと考えておりまして、今その構想を練つておるところであります。
#39
○岡本愛祐君 それではお伺いいたしますが、警察法の改正、第二次改正と申しますか、それはこの国会において政府提案としておやりになるおつもりがありますか、その点を伺います。
#40
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今いつこれを提出するかということは、予定はついておりません。おりませんが、十分に検討いたしましてこれを出さなくちやならんという結論を得ますれば、出しまして十分な御審議を願いたい、こう考えております。
#41
○岡本愛祐君 自由党のほうの政調会の案でありますか、では、国家公安委員会というものをやめたほうがいい、こういうような案があるようにも聞いておるのであります。併し私は国家公安委員会というものはどうしてもなければいけない、内閣総理大臣の所轄の下に国家公安委員会をおきましてその所轄の下にというのは、総理大臣の指導監督の権限の最も薄い内容を言うのでありましてそこに政治警察の幣に陥らないような保障がつけてある、警察国家にならないような保障がつけてあるのであります。国家公安委員会というものは警察法の精神上から言つてもどうしても存置しなければならんものと私は思うのであります。この点につきまして法務総裁はどういうようにお考えになつておりますか。
#42
○国務大臣(木村篤太郎君) お説の通り国家公安委員、これは極めて民主的な形でありまして、今の段階におきましても相当の働きを私はしておるものと考えております。そこでこれを今急に国家公安委員制度を廃止するというような考えは、今の段階においては持つておりません。
#43
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質問ございませんか。
#44
○岡本愛祐君 もう一つ法務総裁がおいでになりましたのでお尋ねしておきたいと思うのであります。それはこの間特番局長に質問をしたのでありまするが、共産党の地下運動というものがだんだん激しくなつておるように聞いております。武装蜂起の綱領みたいなものまで作つてある。そういうふうになつて参りますと、私が心配いたしますことは、内乱罪ということにだんだん近寄つて来るのじやないかと思うのであります。内乱罪は、御承知の通り予備も罰することになつておるのでありまして、現在法務府のほうで手を著けられないところによると、まだ内乱罪は構成していない、こういうことになる。併し一歩々々そのほうに近寄つて来るということは私は言い得ると思うのであります。そういたしまして、それが深みに入つて来るまで、入つて来て初めて手を著け得られる、それまでは手を著け得られないというふうな状態になつておるのじやないか。ここらに何か法の欠陥があるかも知れないと思うが、その点法務総裁の御意見を伺つておきたい。
#45
○国務大臣(木村篤太郎君) 非常に破壊的な文書を流布されておることはこれは事実であります。併しその文書が果して共産党から出たものであるかどうかということの実証はまだ挙つていないのであります。もとより反乱罪を企図するようなことの実証が挙りますれば、これは刑法の規定によつて処断することは当然のことと考えております。
 そこで私は講和條約発効後の日本の時局に鑑みまして、破壊的暴力的行動をするような団体は、これは是非とも規正して行かなければならんと考えております。これは申すまでもなく、極右たると極左たるとを問わず、いずれの団体といえどもさような破壊的暴力主義的活動を現になし又はなさんとする目的を以て結成されておるものならば、国家治安の上におきましてこれは当然規正して行かなければならんと、こう考えております。目下その法案について作成準備中であるということを申上げておきます。
#46
○岡本愛祐君 そこでこれは団体等規正令というものがあつて、それでも防げることになつておるのでありますが、平和條約が効力を発生いたしますれば団体等規正令はなくならざるを得ない。そこでそれに代る治安の立法というものを政府はお考えになつておる、こういうふうに私は了解をするのであります。この間その点を特審局長にお尋ねをしたのでありますが、その点が非常にあいまいであつたのでありまして、そういう意味において私は治安立法は必要である。こういうふうに見ておるのであります。只今法務総裁からお話がありましたが、その大体のお考え、只今の御構想についてこの際御意見を聞いておきたいと思います。
#47
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。大体の構想は今申上げたようなものでありまして、いわゆる破壊的暴力主義団体を規正して行くという考えであります。申すまでもなくこの破壊活動をしようという団体は、国家治安上どうしてもそのままに置くことはできないのであります。それらの活動を将来において封ずるということを目的としておるのであります。なお、さような団体員がいわゆる殺人、叛乱、騒擾というような行為を行うことは勿論でありますが、行わんと企図し或いは煽動したりするような行為に出たものであつて、その証拠が瀝然たるものに対してはもとよりこれらを処罰して行かなくてばならない。それに関する処罰についてもこれに折込む考えであります。
#48
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日はこれにて散会いたしますが、明日午前十時から本日の質問の継続並びに地方財政についてやります。
   午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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