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1951/05/12 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第30号
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1951/05/12 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第30号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第30号
昭和二十七年五月十二日(月曜日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
           中田 吉雄君
           岩木 哲夫君
   委員
           石村 幸作君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           岩男 仁藏君
  衆議院議員
           河原伊三郎君
  政府委員
   国家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
   国家地方警察本
   部警備部長   柏村 信雄君
   地方財政委員会
   財務部長    武岡 憲一君
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       福永與一郎君
   常任委員会專門
   員       武井 群嗣君
  説明員
   国家地方警察本
   部総務部長   柴田 達夫君
   国家地方警察本
   部企画課長   桐山 隆彦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○議員派遣に関する件
○本委員会の運営に関する件
○町村の警察維持に関する責任転移の
 時期の特例に関する法律案(衆議院
 送付)
○市の警察維持の特例に関する法律案
 (衆議院送付)
○道路交通取締法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは委員会を開会いたします。
 最初に理事会に諮りました点について御報告申上げます。
 第一には先般のメーデーにおきまして京都で騒擾事件が起きておりますので、その現地調査のため京都に三日間委員を派遣することに決定いたしました。人員は四名でありまして、自由党、緑風会からおのおの一名、両社会党並びに改進党は、その六人の中から二名、合計四名三日間京都に派遣することに理事会で決定いたしましたからさよう決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
#3
○中田吉雄君 三日間では少いことはないですか。往復に二日かかるでしよう。
#4
○委員長(西郷吉之助君) 京郷の問題だけでございますからもう一日くらい殖やしても構いませんが、四日にしますか……それでは期間はもう一日殖やしまして四日間にいたします。日にちは委員が決定してから随時決定したいと思いますが、でき得べくんば早いほうがいいと思います。今月中くらいに……。
 次に本日の理事会で決定いたしましたことにつきまして御報告申上げますが、お手許に行つております町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案並びに市の警察維持の特例に関する法律案、この二法案が衆議院議員の提出で出ておりまして、前者は先週の土曜日に委員会の採決が終了いたしまして本日の本会議に上程される予定でございますが、この法案は御承知のごとく先般の警察法の改正に伴いまして、町村の警察を、自治体警察を廃止したものは、昨年の十月までに廃止したものは、来年の四月から国警に移管されるということになつておりまして、その期間が余り長いので、それ以後に廃止を決定した分についてはなおこの法案によれば五月二十日までに自治体の廃止を決定した分は、来る六月一日から国警に移管するというふうな臨時立法でございます。それでこれは御承知の通りこの法案にある通り、五月二十日までということになつておりますから、日がございませんので、この法案を早く審議しないと間に合いませんが、理事会に諮りましたところ、本日よりこの二法案については説明を聴取することになりました。
 もう一つの、市の警察維持に関する特例案は、御承知の通りこれも先般の警察法で町村の自治体を廃止できることになつておりますが、この廃止を決定した町村が市に昇格いたしました際は、自動的に現在では自治警を持つことになつております。この特例によりますと、廃止を決定した町村が市になつた場合は、その議会の議決によつて依然として市になつても自治体警察を持たぬことができる、そういう法案でございます。この法案については、本日これから提案理由の説明を聞き、なおもう一つ警察関係の道路交通取締法の一部を改正する法律案が出ておりますからこれの説明を聞くことにいたします。
 更に御承知のごとく明日は内閣委員会との警察予隊の連合審査になつておりますが、もう一方地方財政法を従来審議して参りまして、もう一回くらいで次回には採決に入りたい予定でございますので、この財政法の審議は水曜日にいたしまして、質疑が終了次第討論採決に入つて参りたいと考えておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
 更に十四日には地方自治法の改正法案がございますので、その提案理由の説明だけを聞きまして、そのあとに午後は本日の町村関係及び市関係の両法案の質疑を続行して参りたいと考えます。
 なお地方自治法につきましては衆議院では公聽会を十九日やることになつておりますが、こちらといたしましても公聽会を開くことに本日の理事会で決定いたしました。
 なお土曜日には破防法について第一回の連合審査をいたしましたが、来る二十八日の午前中は連合審査で内閣委員会が質疑をいたしますが、二十八日の午後並びに二十九日の午前午後は地方行政委員会の質疑に決定しておりますから、御質疑なさるかたはその両日お願いしたいと思います。三十、三十一は労働委員会の質疑になつておりますから、一応そういうふうにきめてございます。若し破防法のこちらの質疑がそれでも終了しない場合は、四委員長によつて更に残つた質疑について相談をいたしたいと考えております。
 以上御報告申上げます。
 それでは只今より今申上げました町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案並びに市の警察維持の特例に関する法律案、この両法案につきまして衆議院議員河原伊三郎君より提案理由の説明を求めます。
#5
○衆議院議員(河原伊三郎君) 今般提案いたしました町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案の提案の理由並びに法案の概要を申上げます。
 御承知の通り、昨年の警察法の一部改正に伴いまして、警察を維持する町村は、住民投票の結果警察を維持しないこととし、又、維持しないこととした後両び警察を維持することができることとなつたのであります。
 而して警察法第四十条の三第八項の規定によりますと、十月三十一日までに警察維持に関する住民投票の結果の報告が内閣総理大臣に対してなされたときは翌年四月一日に警察維持の責任の転移が行われることとなるのであります。然るところ、十月三十一日までに住民投票を行い、その結果を確定することと予定していたもののうち、手続上その他の都合により、住民投票が遅れました町村もあります。これらの町村で住民投票の結果警察を維持しないことと決定したものは、只今のところ明年四月一日までは引続き自治体警察が維持せられることになるのであります。当該町村の件民投票の結果が確定しているのにかかわらず、かかる長期間その実現を見ないでいることは種々障害のあることも予想せられます。そこでこれらの町村が希望しますにおいては、この警察責任の転移の時期を繰上げることのできる途を設けることが適当であると存ずるのであります。
 次に法案の内容について説明申上げます。本法律案は、本則及び附則の各一項からなつておりますが、本則におきましては昨年十一月一日以降に住民投票の結果警察を維持しないことと決定し、その旨警察法第四十条の三第六項の規定によりまして内閣総理大臣に本年五月二十日までに報告のありました町村について適用されるのであります。これらの町村のうち、警察維持の責任の転移の時期を繰上げることとすることを希望する町村につきましては町村長が議会の同意を得て五月二十日までに国家公安委員会を経て内閣総理大臣に申請することを要することにいたしたのでございます。この申請のあつたときに五月三十一日までに内閣総理大臣が承認をいたしましたときには、当該町村は來年四月一日まで待つことなく、本年六月一日に警察を維持しないこととなることにいたしました。
 次に附則といたしまして、この法律は、公布の日から施行することとしたのであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び説明であります。何とぞ御審議のほどをお願いたします。
 次に今般提案されました市の警察維持の特例に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 多数の町村においては、町村財政、警察人事、警察活動の諾面から自治体警察を国家地方警察に移管しようという希望が強く、そのため、昨年警察法の一部を改正し、若し住民の多数が希望するなら、一定の手続を審でこれを実現し得る途を開いたのであります。ところが、かかる町村が市になりますと、住民多数の意思は依然として、国家警察の維持を欲していても警察法第四十条第一項の規定によつて、当然又自治体警察に復帰しなければならないのであります。これは、警察法の右の規定が住民多数の意思に逆行するものでありまして、民主的法規と称することを得ません。そこでこの不都合を除去するため、今回この特例法を設けた次第であります。
 次に本案の内容につき、概略を御説明申上げます。
 警察法第四十条第三項の規定によりまして、警察維持の責任転移が行われた町村が、当該町村の区域を以て市を設置した場合、或いは他の警察を維持しない町村の区域を含めて市を設置した場合においては、警察法第四十条第一項が一市は全部自治体警察を持つべきものときめておりましても、その規定にかかわらず、当該市は市議会の議決を経て警察の維持は、国家に任せて自治体警察を持たないことができるものといたしたのが第一条第一項であります。又同条第二項は、右の市議会の議決は、当該市の設置の日から五十日以内にこれを行うべきこと、及び、この場合当該市長は、議決の結果を国家公安委員会を経て内閣総理大臣に報告すべきものといたしたのであります。
 元來本案の趣旨とするところは、伴民多数の意思を以て、警察維持の責任転移を決定するということが、その狙いであります。若し、逆に、前述の手続によつて自治体警察を持たなくなつた市が、再び自治体警察を持ちたいと欲するときに、住民投票によつて、これを維持することができることといたしたのが、本案第二条第一項の規定であります。併し、警察維持の責任転移を時間的に無制限に放任して置きますと、安定を欠くこととなりますので、前の決定から二年間は転移の手段をとることを得ないものとし、又その他右の住民投票に関しては、警察法第四十条の三の規定を準用することとしたのが本案第二条第二項の規定であります。
 以上が、本案の提出理由及び内容の概略であります。何とぞ速かに御審議あらんことを望みます。
#6
○委員長(西郷吉之助君) それではこの議員提出の二法案の提案説明はこれで終りますが、更に警察関係の道路交通取締法の一部を改正する法律案の提出理由を聴取いたします。
#7
○政府委員(斎藤昇君) 今般提案いたしました道路交通取締法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその内容について御説明申上げます。
 現行の道路交通取締法は、昭和二十二年十一月に制定、翌二十三年一月一日から施行され、昭和二十四年十一月に一部改正を加えられたのでありますが、その後の実情に鑑みまして、交叉点における自動車の右折方法の例外規定、原動機付自転車の運転資格に関する規制の簡易化、無軌条電車の運転用法に関する規定の新設、その他現行の道路交通取締法の規定に所要の改正を加える必要を認めましたので、本改正法律案を提出いたした次第であります。
 その内容について御説明申上げますと先ず交叉点に瞬ける交通の円滑を図るため、自動車又は無軌条電車の右折方法の原則である「外心回り」に対して公安委員会が交叉点の状況により特に必要があると認めて指定した場所においては、例外的に「内小回り」をしなければならないことといたし、次に交通機関に対する規制を実情に即せしめるため、現在の自動車の中で、命令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機を用いる小型のものを「原動機付自転車」として自動車の範囲より分離し、その運転資格の附與についても許可申請があれば、運転者試験を行わないで許可証を與える等運転資格の規制を簡易化いたしました。
 又無軌条電車が各地に運行せられるようになつて参りましたので、交叉点における左折、右折の方法、追越の方法等の運転用法の規定を新たに設けました。なお、軌道車一般についても運転用法の規定を若干加えたのであります。
 次に都道府県公安委員会の行う自動車の運転免許及び原動機付自転車の運転許可に関する事務並びに施設が地方の実情に即して円滑に行われるようにするため、これらの手数料收入と関係事務に必要な経費とを当該都道府県に移管することに改め、その他細部の点について若干の技術的改正を加えたのであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の大要であります。何とぞ御幕議のほどをお願いいたします。
#8
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日理事会でお諮りしました通り、町村の警察維持の特例法案並びに市の警察維持の特例法案について時間がございますから御質疑をお願いいたしたいと存じます。
#9
○岩木哲夫君 町村警察の維持転移に関する改正案に対してちよつとお尋ねいたしたいのです。が、これは私うつかり聞き漏らしたのですが、希望する町村に限つてのものでありますかどうか。希望しなかつたら別にこの法律は適用しないのですか、希望する町村だけに関する法律案ですね。
#10
○委員長(西郷吉之助君) それじや提案者の河原衆議院議員からお答えを願います。
#11
○衆議院議員(河原伊三郎君) お答えいたします。御質問の点が或いは私の答弁が的外れになるかも知れませんが私の了解するところでは希望するものはどうかというその希望というのは、例えばすでに住民投票が終つておつても、議会の議決を経て早く移管したいという希望を申出たものに限るかどうかというお尋ねと、まあこういうふうに了解してお答えいたしますれば、希望したものだけでございます。
#12
○岩木哲夫君 それはそれでわかりました。そうするとその自治体の財政というものはこの法律案通過によつて、もうかねて町村議会で決定したものがこの法律案通過によつて地方自治体の財政上の余裕が生じて來る。で、現在町村財政としての警察費は非常に多いのですが、そうすると町村のいわゆる財政というものは組替えを要するのかどうか。それから平衡交付金は従つてそれだけ減額されるようにちやんとスライドされるのかどうか。それから平衡交付金だけでない、国が持つということになるならば、平衡交付金の恐らく倍以上上の金が要ると思うのですが、そういつたようなものの予算連絡というか、措置は完備しておるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#13
○衆議院議員(河原伊三郎君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。四月一日から明年の二月三十一日までの予算は各町村とも一応でき上つておるはずでありますから自治体警察が国家警察に移管せられますれば、自然更正予算ができるものと存じます。なお平衡交付金がそれだけ減ることになりはしないのかというお尋ねに対しましては、平衡交付金の性質上警察を置かないことになりますれば、それだけは平衡交付金が減ずることになるはずであると存じます。なお自治体警察を国家警察に返上することになれば、その分だけ国費が多く要するという点につきましては仰せ誠に御尤もでございまして、その点につきましては予算の範囲内において運用できるという大体の見通しがつき、且つ大蔵当局との話合いもできているのでありますが、その関係がございまするので、内閣総理大臣の承認が要る。内閣総理大臣というのは、国としていろいろな面において差支えないかどうかということが必要であるためにその一項が書いてある次第でございます。
#14
○岩木哲夫君 それからもう一つお尋ねいたしたいのは、こういつたようなことは私は長所もあるし、又いろいろな短所も生ずると思う節もあると思うのです。そこで、聞けばこういつた希望町村と言いますか、町村に対して自由党が選挙対策としてこうした問題を取上げて、特に俺のところが努力してやろうという噂も專らなんですが、考えようによるとなかなか巧妙な自由党でありますから、そういうこともあり得ることと私は思うので不思議には思わないのですが、そういつた噂は否定できますか。
#15
○衆院院議員(河原伊三郎君) この対象となりまする町村は、相当多いようでありますが、併し私の感じておりまするところでは、一つの町村は自由党の議員がやつてもらいたいということ―を言うて来たところがありまするし、一つの町村はやつてもらつては困るというので、これに非常に反対しておつたものもあります。併しながらその二つの町村以外には党の所属議員から特段の話を聞いているところはございません。
#16
○岩木哲夫君 ちよつと提案者じやない、これは地財委に聞こうと思つたのですが、地財委のかた来ておりませんか。
#17
○委員長(西郷吉之助君) 地財委は来ておりませんが、国家警察の総務部長が來ております。
#18
○岩木哲夫君 国家警察に聞くのはちよつと筋違いかと思いますが、まあ関連があるから、それじや国警にお聞きしたいのですが、先般国警に限つてかどうか知らないのだが、共産党や不逞外人、朝鮮人と申しますか、そういつた者の破壊活動等に対する、危險に対する傷害或いは死亡保險的な方法として、国警は最高百万円ですか、それぞれずつと段階をつけて傷害者とか死亡した場合に報いる方法を講じたことを新聞で見たのですが、それは事実でありますか。その場合には国警のみがそういつたようなことをやるということは、警察法の本来の趣旨から申しましても、自治体警察も国警も同様に危險に立つ警察官の立場としては平等に取扱わにやならんと思うのですが、国警のみがそういつたようなことの手段を講ぜられたというような事実があるのかどうか、或いは又そういうようなことは決定しなくても計画しておるのかどうか、計画される場合には国警のみじやなく自警も同様に取扱わにやならんと思うのですが、そういつたことはどういうことになつているのかお聞きしたい。
#19
○説明員(柴田達夫君) お答えいたします。只今のお話の、警察官が今お話がありましたような場合におきまして、死んだり不具廃疾になりました場合の賞恤制度というような名前で、国警のほうにおきましては、国家地方警察の公安委員会の一つの基本規定と申しております、が、基本規定の改正によりまして、今お話のありましたような賞恤制度を先月の二十六日から公布いたしまして実行いたしております。但し、お話がございましたように、これは国警も自警も同様に当然扱うべき趣旨のものであると、かように考えております。特にその賞恤制度を設けるに当りましては、閣僚の間において要綱の御決定を願つた。その要綱の中に、国警は取りあえずそういうふうにするが、自治体警察に対してもこの趣旨に基いてこれを行わしめるように慫慂するということを入れて御決定を頂いたわけでございます。費用の出所の関係上国警といたしましては国警だけの規則を整備いたし(おりますが、そのような御決定を見ておりますので、併せまして自治体警察のほうにも十分に連絡をいたしまして、そのような趣旨に準じた措置を講じて頂くように連絡をいたして、現在は自治体警察のほうもその趣旨に準じてこの措置を講じつつあるやに聞いておる次第であります。
#20
○岩木哲夫君 これは国警当局に聞くのは筋も違うし、地財及び大蔵省に聞こうと思うのですが、今総務部長は、自治体警察にもそういつたような賞恤制度の方法について慫慂するということでありますが、これは非常におかしいことで、東京でも大阪でも大都市においてすべてこういつた問題がよく起きる。現在の国警は地方警察である町村警察が主になつておる。そういつた暴動とか何とかいろいろな危險が起るのは、都市警察に起るのです。この都市警察に起るというのは、即ち自治体警察官内に起るのです。そういつた場合に国が何ら補償もせず、町村警察に起るようなものに国が十分やるというようなことは、まあ非常事態は町村警察即ち国警が応援することにもなろうが、応援する前に咄嗟に起る第一の防波は自治体警察、都市警察である。そういつたものにそういつた方法もとらずにそういうことをすることは、非常にこれはおかしいので、そういつた話は国警がやる前に、国警は併せて自治体警察と連絡をとつて、自治体警察も共にそういつた賞恤制度は国家補償による方途を講ずるように連繋すべきではないかという点がやや問題になつておるのではないか。それで自治体警察はもう財政上困難だから、国家補給金は少いし、たまらんような状態に追詰めて、全般的に国警に集めて行こうという方途はわかるのですが、やはりそういつたことは筋を立ててやらないというと、自治体警察はこの問題で非常に不満があるし、問題があつて、財政上もどうにも方法がつかんと、こう言つておるようですが、これは一つ国警当局も共に併せて御考慮願うべきだと思う。
 今回町村が市になつた場合にはこの法律を適用することができる範囲に入れるということは一応わかりますが、市が自治体警察を持つべき原則に相当これは一つの斧鉞を加えたことだという解釈もできる。それから持たざる町村が市に合併した場合には、その持つておる市は議会の承認を経てでないといけないというように今御説明を聞きましたが、一体こうした制度は私は地方自治財政の弱小町村の財政措置からのみの純正な場合口におきましては賛成できるのですが、そういう派生的ないろいろな問題というものが相当広範囲に波及する点も考慮されるので、この法案の取扱については、国警も地財も大蔵省も、併せて提案者においても、相当これは総合的な。解決の一途をやはり按配してからやつてもらいたいという点を持つのですが、これはまあ質問する当が違つて、筋が違うかも知れませんが、そういつた問題は特に提出者としてどういう配慮を持つておるかということをお聞きしたい。
#21
○衆議院議員(河原伊三郎君) 先ず第一点について御答弁申上げますが、本案は、自治体警察を持つておるところへ自治体警察を持たない町村が合併いたしました場合には、議会の議決がありましようと、何がありましようと、自治体警察を廃止することはできないことになつておるのであります。零のものだけが寄つた場合と、こういうことになつておりますので、その点御了承願いたいと存じます。
 なお、国又は自治庁、或は警察、そういうものの連絡の関係でございますが、これらの連絡につきましては、提案前にもよく連絡調整をとりまして、折角この案が各位の御賛成を得て成立いたしましても、死文と化して実現ができないようなことでは効果がございませんので、幸いに成立いたしますれば、実際の効果を結び得るように事前の連絡はとつてある次第でございます。
#22
○石村幸作君 提案者にちよつと御伺いしますが、この法案を御提案なさる以上は、こういう希望をする町村、これが全国で大よそどのくらいあるかという点はお調べになつたことと思います。が、それの数ですね。それからできれば、主としてどういう町村か、その町村名、そういうようなものもおわかりになつたらちよつとお教え願いたいと思います。
#23
○衆議院議員(河原伊三郎君) その点につきましては、国警側から詳細な説明をして頂きたいと思います。
#24
○中田吉雄君 ちよつとそれに関連いたしまして決議をした年月日も一つ知りたいと思います。これはもうすでに御存じのように、この法律が通つたつて今後公聽会を開いたり、その他議決はできないわけです。いつどの県で、どの村というように一つ町村をはつきりして……。
#25
○説明員(柴田達夫君) 便宜私から資料に基いてお答えをいたします。
 これは昨年の十一月一日以降町村が議決をし、従つて住民投票を行うことになつておるものの調べでございます。現在までに住民投票を行いまして、昨年の十一月一日以降、つまりこの法案の対象になるべき町村で住民投票が終つておりますものが五カ町村ございます。名前を申上げますと大阪府の國分町、愛知県の守山町、これは日にちをという今のお話がございましたので、大阪府の國分町は二十六年の十二月十日に住民投票、愛知県の守山町は、これは住民の直接請求によりまして住民投票を行なつておるのでありますが、これが本年の一月四日に住民投票をしまして廃止と決定いたしております。三番目は北海道の森町であります。これは本年の三月の二十日に住民投票をやりまして廃止の決定をいたしました。四番目は岡山県の茶屋町、これが本年の四月二十六日に住民投票をやりまして廃止に決定いたしております。五番目は北海道の遠軽町、これが四月の二十七日に住民投票をやりまして廃止に決定しております。
 以上の五つの町村がつまりこの法案の対象となる十一月一日以降すでに住民投票を行いまして廃止ときまつている町村でございます。それ以外に議決をその後いたしましたり、住民投票を今行いつつある町村がかなりこちらのほうへ申告をして参つておりますが、その正確なる数、日にちというものは現在まだわかつておりません。住民投票を行います日にちがきまつておるものもあれば、きまつておらないものもあるようなわけでございまして、正確なる御報告はいたしかねるのであります。御承知と存じますが、議決をいたしました後二十日間の住民投票まで余裕がございます。すでに今月に入りましてからも住民投票を行いつつあるものがあつて、まだ報告の参つておらないものがあるようなわけでありまして、大体の見通しといたしましては今までの五つのほかに同様な事情にありましたような町村が十か二十ぐらいの数は併行的に議決が進んでおるようであります。いずれこれは又御要求がありますれば資料を差上げたいと思い出す。
#26
○中田吉雄君 逗子なんかは決定しておりませんか。
#27
○説明員(柴田達夫君) 逗子は報告が参つております。
#28
○中田吉雄君 あなた報告されなんがでしよう。
#29
○説明員(柴田達夫君) 議決の報告だけが参つております。これは四月の二十六日に議決の報告が参つておりまして、住民投票の日にちはまだ報告を受けておりません。
#30
○中田吉雄君 まだやつていない。
#31
○説明員(柴田達夫君) はあ。
#32
○岡本愛祐君 河原さんにお尋ねいたしますが、市の警察維持の特例に関する法律案、これはなぜ警察法の本文に入れられなかつたのか、これはこれからずつと続く法律でありますが、町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案と性質が違うと思うのです。これをなぜ警察法で改正しないか、それをお尋ねしたい。
#33
○衆議院議員(河原伊三郎君) 市になりますれば自治体警察を置くのが本義となつております。本義でない特別な道を行くのでありまするから、その大義とするものと、特別な特別なものだという性格をはつきりとして、どうでもよいというのでなく、置くのが本体であるが特別な事情にあるものは置かんでもよいという、そういう精神をはつきりするために特例案として提案いたした次第でございます。
#34
○岡本愛祐君 只今の御答弁では少し不完全じやないかと思うのです。置くのが当り前だというのならば「市及び人口五千以上の市街的町村は、その反域内において警察を維持し法律及び秩序の執行の責に任ずる。」とあるのでありまして、而も人口五千以上の市街地的町村も同様である、それでただ市街的町村についてはどうこうということをこの間の改正でやつたのでありまして、今度又市についてはこういう改正をするのでありまして、而も恒久、これからずつと将来に向つて続けて行く規定である、今の御答弁じや不完全がと思うのですが、何かはかに御事情がありますか。
#35
○衆議院議員(河原伊三郎君) 只今申上げました通り、以外のいわゆる他意はないわけでございます。
#36
○岡本愛祐君 只今お述べになつただけの事情であるとすれば私少しおかしいと思う。警察法で警察の基本法の中にやはり恒久的な規定というものは織込まなければならない建前じやないかと思うのです。この町村のほうはよろしうございます。これは一時的なものですからこれは問題ありません。併しながら警察維持の特例には違いありませんけれども、特例であつても恒久的な規定は警察法の中に織込むべきであ
 る。こういうふうに考えるのでありまして、殊に新聞紙の報道するところによると政府のほうで近く警察法の相当大きな改正を考えられておるようであります。そのときに一緒にやるつもりじやなかろうか、まあ急ぐ事情もあるかも知れません。泥からまあ取りあえずこの特例でやつておいて、そうして政府の警察法の大改正の場合には一緒に織込んでしまうという、こういうおつもりであるというのならば話はわか
 ると思うのですが、そうでもないようでありまして、ただ漫然とこう出しておられるようでありますからその点をはつきりもう一度お答え願いたいと思います。
#37
○衆議院議員(河原伊三郎君) その後の情勢の変化と申しますか、そういうふうな点よりいたしまして、政府におきましては急速に警察法の改正を、治安対策の確立という観点から警察法の改正を企図しておるやに聞くのでありますが、併しこの立案者と、そうして政府とは何ら無関係の下に、無連絡の下にこれを立案いたした次第でございます。
#38
○岡本愛祐君 私の御質問している要点は、まあ取りあえず單独の特例法律としてやつておいて、そういう警察法の大きな改正のあるときにはこれを改正して織込んでしまうのだというような御意味ではないの売ろうか、それをお尋ねしておるのです。
#39
○衆議院議員(河原伊三郎君) そういうやがて行かれるであろう警察法の改正のところへ織込んでしまうという意図の下でしたものではございません。併しながら警察法が改正されることになりまして、この特例案に影響のある改正が行われますれば、おのずからその場合にその改正の御審議の際に影響のあることと存じます。
#40
○岡本愛祐君 岩木君が質問されたことに関連して政府委員のかたにお尋ねしておきたい。岩木君の御質問は、国家地方警察の警察吏員に対する公務災実補償の場合の基準を、最近に国家地方警察のほうできめられたということであろうと思うのです。而してこの自治体警察のほうにもそれと同じような公務災害補償の規定をきめておいたらいいじやないかという、その連絡のことにあつたかと思います。地方公務員つまり地方警察吏員のほうは、国家地方公務員の災実補償の規定によつて補償を受けるということになるんですが、小さな市町村においてはそれが自治体警察を持つているとしますれば、なかなか百万円という補償は、予算の都合上なかなか出しにくい。殊にそれが国からそういう費用が出ないときにはとても弱る。そこで消防団員なんかにつきましては、そういう場合に特別平衡交付金のほうでそれに応じて国家から町村に渡すということに話がついておる。で、そこまで国家地方警察のほうでもよくやつておいてもらわなければ困る、それが一つであります。
 それからこの警察法の第七章の国家非常事態の特別措置の場合に、内閣総理大臣が自治体警察のほうも統轄をする。そういう場合に自治体の警察吏員のほうが、公務で災害を受けた、そういう場合には国家のほうから当然出ると思うのですが、その点はどうなんですか、その点が第二点。
 それからこの消防団なんかも法律に上りまして、そういう場合に警察に協力をしなきやならんことになつております。で、国家非常事態のときに、消防団員が命によつて協力をした。そうして公務災害を受けたという場合に、その消防団員まで国家で当然補償すべきであると思う。それはどうなんですか。どういうふうにお考えでしようか、それが第三点。これを先ず伺つておきたいと思います。
#41
○説明員(柴田達夫君) お答えいたします。只今のお話便宜二番目からお答えいたします。先ほど岩木さんの御質問にお答えいたしましたように、一応国家地方警察の職員だけを対象といたしておりますが、その際詳しく申上げることを落したのでありますが、国家非常事態の場合等におきまして、町村警察の吏員が出動したという場合は、自治体警察の職員も先ほどの賞恤制度の中に国から費用、が出せるようにいたしております。なお国家非常事態ばかりでありませんで、警察法の中で国家地方警察の要求によつて、自治体警察が国家地方警察に応援をいたしましたり、或いは他の自治体警察を応援いたします場合もございます。つまり国の要求というものに基いて出ました場合は、自治体警察の職員も先ほど申上げました賞恤の対象にいたすようにしております。そこで第一の御質問の点になるわけでございますが、現在も自治体警察の経費というものを、自治体が支弁するという鉄則的な建前からいたしまして、自治体警察の吏員に対しまして、国がそのような補償をいたしますのは、今申しましたような何らかの意味において、国の要求とか、国の統制下に入るというような、国の息がかかつておる限度にとどめざるを得ない形になつておりますので、その限度にとどめまして、制度をきめまして、大体自治体警察側において、できる限りこの趣旨に準じて措置をとつて頂くように連絡もし、お願いもいたしております。実際問題としてに小さい自治体警察では困るようなこともあると思いますが、その場合も只今申上げました通り、國の要求というものによつて救済される場合も多いのではないかと思います。純粋の財政的の問題といたしましては、これが特別平衡交付金の対象となるかどうかというと、先ほどもお話もございました通り、地方財政のほうの当局にも十分に連絡いたしておりますので、そのほうで措置をとつて頂きたいと思います。
 それから第三番目の点は、今の特別な場合に賞恤制度として政府が百万円まで出すという制度の問題といたしましては、一般の民間のものは対象といたしておらないのであります。警察側に協力をした民間の人というものに対しては公務員に対する災害補償と同じような制度については、現在はないわけでございます。但し、これは現に衆議院のほうで、議員提案としてこのような法案をお考えになつておるということを私は伺つておる次第であります。
#42
○岡本愛祐君 第三点ですが、今民間の人というお話がありましたけれども、民間の人には違いありませんけれども、公務員であります。市町村の公務員である。それが法律の規定によつて、警官にそういう場合に協力しなければならんことになつておる、要求が、あれば……。で、更に國家側の警察力の建前から消防団に協力しろという要求がありまして、法律の規定によつて出動した、そうして公務災害にかかつたという場合に……民間の人ではないのです。
#43
○説明員(柴田達夫君) 今の第三番目のお尋ねで、民間と申しましたが、これは警察に対する協力者の意味であります。警察官又は警察吏員はこの災害の場合関係はなく、その他の消防団、民間の方を網羅した意味でございます。現在はその制度は、ございませんのですが、衆議院のほうでさような警察に対する協力者に対しても、災害補償制度を設けようということを、現在御發案中であるということを伺つておる次第であります。
#44
○岡本愛祐君 第一点、即ち町村におきまして暴動やその他のことが起つて、警察吏員が公務災害にかかつた場合には、今お話のありましたように、勿論第一次はその町村がその公務災害の補償の処置をしなければならん。それは当然であります。併し小さい自治体においては、大きな公務災害の場合に負担しきれない。そこで消防の場合において、もうすでに先例ができておりますが、二十人も、小さな村で難破船を助けに行こうというので助けに行つた。ところが顛覆して全部死んでしまつたと、そういう場合には特別平衡交付金で村の財政が立ち行くようにしてもらつた。そうして今度は警察の場合も同様であつて、そういう場合が起つたならば、特別平衡交付金でそういうふうにしてやらなければならんと思うのですが、それはどういうふうに考えておられるか。地財委のほうから……。
#45
○政府委員(武岡憲一君) 警察吏員の測定におきましては、只今御指摘のような災害補償等に関しまする経費も一応基準としては負担費用の算定に用いておりまするが、お示しになりましたように、その団体の財政規模等からいたしまして、非常に大規模な特別な財政需要と考えなければならないような経費の負担を生じましたような場合におきましては、特別平衡交付金で以てこれが調整を図るということは、これまでも実際そういう取扱をしておりますし、今後もそういう方法をとつて行きたいと考えております。
#46
○中田吉雄君 河原議員にお尋ねいたしますが、市の警察維持の特例に関する法律案を只今提案されたにつきまして、今廃止を決議しているような所で市制をとろうというような所があるのですか。そういう差迫つた今必要があるからですか。将來廃止を決議してそれがやがて市になるかも知れないというような場合に備えられるためですか。現実的に必要が起きてできているのですか、その点……。
#47
○衆議院議員(河原伊三郎君) これは二つの点からでございますが、主とした狙いといたしましては、警察のない所が集まつて自治体警察を置く。それから極く最近に一旦警察の廃止を決議して、そうして警察を持たなくなつた、それが又はかのものと集つて市になつたからというて、又自治体警察を置く。つまり継いだり引いたりということが行われるというのは、本來警察を維持しないことにきめたものは、その後二年間は警察を維持する気持がありましても、それはできないことになつている規定もあります関係もございまするし、それを財政力の弱いものが集まつて市になつたから又警察を持たなければならんというふうなことを義務付けるということは、どうか。住民の多数が欲しないならば、一応持たなくてもいい途を開くことがいいのじやないかというような点が主なる狙いでございますが、副産物的な考え方といたしましては、これは今警察当局もおられますのにどうかと思いまするけれども、警察の一面を端的に表現した或る市長の言葉としまして、警察を置くのは泥棒を飼つておくようなものだ、何ら生産的なことがなくて、金が要るばかりだ、表向き金を取られるばかりだというようなことを言つたということも聞くのでありますが、要するに財政面から考えまして、警察というものは誠に有難くない存在である。そこで財政力の豊かな面でありますれば、そういうふうなことは大して気にもなりませんが、財政の貧弱なる場合には非生産的な警察を持つか持たないかということが非常な大きな問題になる。そこで今自治体の規模を大きくして自治体の基盤を強固にするというふうなことが考えられておりまする際に、警察を持たなければならないことになつておる場合と、まあ持たなくても済む場合とでは、自治体の基礎を強固にするという行き方の十一に相当な影響があるのじやないか。こういうふうなことも第二義的な狙いとしてこの発案をいたした次第でございます。
#48
○中田吉雄君 国警のほうにお尋ねしますが、今廃止を決議し、そうした議会でやつているような所で、それぞれ市になりそうな所で、人口どれくらいあるかすぐわかりますか。
#49
○説明員(柴田達夫君) 廃止をしたばかりで市になつてしまつたという所だけはわかつております。市になつたわけでございますから、いろいろ合併いたしまして、人口は詳細わかりませんが、まあ三万以上になつておるわけであります。廃止は、御承知の通り、昨年の十月にいずれも住民投票をやりまして廃止をしたばかりの所でありますが、この四月から市を作つております所は、岡山県の笠岡市、鹿児島県の阿久根市、岩手県の大船渡市、富山県の魚津市、この四つが町村警察を住民投票によりまして去年の十月に廃止をいたしまして、すでに国警になつておるものがそのままの市場になつて、今や市警を置くべきか否かということの岐路にあるわけであります。今の本法によりますれば、市警を置かなければならず、この特例ができますれば、その意思によつては国警のままで行けるという対象になる市でございます。このほかに今までに廃止せられたところの町村が将来市をどの程度作るかどうかということにつきましては、ちよつと予想がつきかねる次第であります。一般的に市を作れば市警を置かなければならないというようなことから、右を作ることを躊躇しているような所もあるやに聞いている向きはございます。若干はそういう所が出るであろうと思いますけれども。今それをつまびらかにいたしておらない次第であります。
#50
○中田吉雄君 国警のほうにお尋ねいたしますが、去年の十月三十一日までに住民投票をやつて自治体警察を廃止した数は幾らで、なお町村で置いておるものが幾らか、わかりますか。
#51
○説明員(柴田達夫君) 昨年の十月から住民投票の結果参廃止いたしました町村は、その当時千三百十四の町村のうちで、千二十四が十月一日から廃止いたしました町村であります。十月三十一日までに更に住民投票で廃止を決定いたしまして本年の四月から更に国警に責任が転移いたしております町村が、そのほか四十九町村でございます。合せまして千七十三町村が廃止をいたした統計になつております。そこで現在は自警をなお維持している町村の数は二百三十七、この二百三十七の中で、先ほどここでちよつと資料に基いて御説明いたしましたように、すでに住説明票の結果廃止を決定いたし、繰上の時期をこの特例によつ左右されるものが五つございます。二百三十七現在自警矛維持している町村があるが、そのうち更に五つは廃止を決定しておるというふうに御承知を願います。
#52
○中田吉雄君 この廃止をいたしましたいろいろな理由を御調査されたと思いますが、財政難とか、合併の問題とか、いろいろあると思うのですが、大体大量観察をされてどういうふうな理由で廃止しておる、そうして町村当局は議会にどういう理由で廃止したがいいというような説明をしていますか。そういう御調査はできていますか。
#53
○説明員(柴田達夫君) 大体の、統計的に理由を挙げたものが幾つあつて、何%という数字は現在持ち合しておりませんが、大乗的に見まして財政上の理由というもの、が第一に大きな理由であります。この理由を挙げているものが多いだろうと思います。併せて町村の警察を維持する單位としての規模の問題、能率の問題が第二の理由である。そのほか警察の行政管理上のいろいろの不便、人事の形体とか、そのような理由も副次的にあると思います。大体以上の三つの理由が廃止の理由の主なものであると思います。
#54
○中田吉雄君 国警一人当りの大体国家予算で組まれた一八当りに割つてどれだけの費用になつているか。予算單価です。それから自治体のは十九万幾らですが、その点等も一つ、両方お伺いしたい。
#55
○説明員(柴田達夫君) 国警の予算は一人当りの額が三十一万円ばかりになつています。これは装備等も入れました額でございます。
#56
○政府委員(武岡憲一君) 平衝交付金の算定の基礎となりまする財政需要額の測定に用います單位費用でありますが、これは警察人員一名当り十九万五百円と、こういう数字を見ております。
#57
○中田吉雄君 河原議員にお尋ねいたしますが、警察としては自治体警察がいいとお思いでありますか。国家警察がいいと思いますか。警察制度のどういうあり方が適当であるかと、そういう見方についてお伺いしたい。
#58
○衆議院議員(河原伊三郎君) 国家地方警察と、自治体警察と、どちらがいいかという点から申上げますれば、それはおのおの一長一短でありましてどちらも或る点については優劣がある。併ながら制度といたしましては現在の状況にありましては相当な規模を持ち得るものは自治体警察である。又はそうでないものは国家警察である。いわゆる国家地方警察と、自治体警察の二本建の現状が今の場合には適していると考えております。
#59
○中田吉雄君 それで大体の警察制度に対する御見解はわかりましたが、只今説明のありましたように、国警におきましては装備を含めて一人当り單価が三十一万、自治体では十九万、こういう圧迫を加えておいて、そうして如何にも民主的のような手続を踏んでやりますれば、これはもうだんだん私なくなつて行くんじやないかというふうに考えるわけであります。廃止の理由といたしまして財政需要の理由、適正規模の問題、管理上の問題等がありまして、明らかに弱小町村に置くということは問題であります、が、只今提案になつているような、市になつてもなお置かないというようなことから行きますと、明らかに警察を維持いたしますためには一人で十九万ではやれませんからだんだん市のほうとしても財政難にかこつけて、そういうこのたびの特例によつて開かれたものが楔になつて全面的にやはり国警に移管するような橋頭堡になりはしないか。まあ総司令部の方が言われたのでは、日本のいろいろな民主的な改革をやつたものが最初に根本的に骨抜きになるのは警察制度であろうというふうにも言われたやに聞いているんですが、私は六月一日から施行するという案については了承できるといたしましても、やはり自治体に特例を開くということは、これが特例ではなしに、実は警察制度を根本的に変える一つのきつかけになるではないかということを憂慮いたしまして、むしろ私はこの予算單価について財政難の面から廃止しなくてもいいというような手を打つことが、やはり民主的な警察制度を残す上に必要ではなかと思うんです。その点どう考えられますか。
#60
○衆議院議員(河原伊三郎君) 私の考えといたしましては、自治体警察であれば自治体が独自の財力を以て置くのが本義であつて、従つてその財政力の足りない分を国家が補う。国家が持つのであればこれは国家地方警察であつてその費用を国が全部持つというのでありますならば名は自治体警察で、案は国家警察だということになる。これは單に警察の場合でなくても、例えば教育の場合におきましても、学校の教育費用、やはり施設それらの費用は市町村で、その自治体で持つているというので、單に警察だけが非常に少い費用しか渡つておらんというのでなく、ほかの面におきましても人件費は義務教育であれば国が持つ、併し施設費は町村が持つという建前になつておりますので、別に警察だけが特段の財政上圧迫を受けているというふうには私どもは考えておらない次第でございます。
#61
○中田吉雄君 私はその点はそういう形で行くと、これは非常に問題だと思うんですが、例えばそういう形から言うと、地方自治体では自分のところの地方自治体を維持するためにどんな税を起してもいい、そういうふうになるかも知れませんが、やはり法定税というものはきまつていまして、独立税なんかというものでは到底やれない、そうたくさん起しても税は入らんようになつていますし、固定資産税と住民税ということだけで限定されておるようなことで、そういう面からも自治体というものは非常に制限されておるわけで、私は財政上中央に依存しておるからということで、自治体警察が、やはり自治体というものが自治体警察を維持できん、そういう所は返したがいい。例えば鳥取県のごときは県の予算は三十億ですが、そのうち県税は僅かに三億、そういう所でもそれはそれだつたらまあ直轄で何か地方事務所のような出先機関にするような理論も成立つわけでありまして、私はその点は非常に異論を持つておるわけなんです。とにかくこれが橋頭堡として私は自治体警察の、特に市の警察を廃止する一つの大きなきつかけになるのじやないかというふうにまあ考えるわけですが、これは意見になりますから差控えておきましよう。
#62
○政府委員(武岡憲一君) 先ほど平衡交付金の算定の基礎になる單位費用について十九万丁百円と申上げましたが、更に言葉が足りませんから補足しておきますが、これは二十六年度の交付金の算定に用いた数字であるということと、それからこの單位費用の算出の根拠は、御承知のように、大体人口十万の都市というものを基礎におきまして、計算いたしております。それで先ほど国警のほうからお話の、ございましたのは、二十七年度の予算額についての御説明でありまするし、又国警と自治警との間のいろいろな全国的な施設その他に要しまする経費の差等がございまするから、その差の点を調整いたしまして、お聞取りを願いたいと思うのでございます。私が申上げましたのは、そういう意味で二十六年度に人口十万の都市を基礎にいたしまして算定した單位費用について申上げたわけであります。
#63
○委員長(西郷吉之助君) 二十七年度は……。
#64
○政府委員(武岡憲一君) 二十七年度は、交付金法改正法案を御審議願つておりまするが、来年度はこの單位費用測定單位の取り方を変えたいと思つておるわけであります。二十六年度までは警察人員の測定單位をとつておりましたが、二十七年度からは人口單位にいたしたいと、こういうことでございまするので、計算をいたしておりまする測定單位は人口單位でございまして、只今比較直れますような吏員單位で、ございませんから、ちよつと参考までに申上げておきます。
#65
○中田吉雄君 これは部長さんにお尋ねいたしますが、十九万五百円出しておつたのです、が、それでは足らんというので特別交付金のときにはそういう自治体があつたのはやはり考慮されているのですか。それは全然考慮の外に置いてありますか。特別交付金の配分の場合に自治体警察がある所は十九万五百円では足らんというので考慮されているのですか、いないのですか、その点……。
#66
○政府委員(武岡憲一君) この單位費用が実際の支出額より多い少いということで特別交付金に加減をしておるということはございません。ただ特別交付金におきましては、先ほどちよつと申上げましたように、例えば傷害等によりまする特別な補償の金額が多かつたとか、或いは特に大きな騒擾事件等がありまして、そのために特に捜査費その他がかかつたとかいうようなものを特別の事情として算定をいたしましてこれを配分いたしております、か、一般的に自治警を持つておるが、その自治警の測定單位が低いからというだけの理由で交付金を配分しておるということはございません。
#67
○中田吉雄君 今度は警察職員一人当りでなしに人口数でやるという計算ですが、いろいろな係数を掛けて出すわけですが、それは今より有利になりますか、不利になりますか。大体の目安があると思うのですが、小さい町村は余計不利になりやしませんか。この平衡交付金の單位費用の補正係数を見ると、大体そうなつているのですが、どうなんですか。
#68
○政府委員(武岡憲一君) 警察に関しまする財政需要額の全体の計算は別に測定單位を変えることによつて基本的な変化はないわけであります。これは各団体に対する配分の基礎として吏員数を基礎に配分をするか、或いは人口單位で配分をするか、こういうことのために特にその測定單位を変えたわけであります。ということは、これは警察吏員でおるわけでありますけれども、今度は吏員の定数は各団体が任意にきめることになります。そういたしますると、客観的な要素でなくて、或る団体でその定員数を殖やしまするとそこの財政需要が殖える、こういうようなことで困りまするので、警察吏員の数というものを測定單位にとるということは非常に困難になつて参ります。そういう意味でこの測定單位を人口に置換えただけでありまして、財政計画上における算定の数が多くなるか、少くなるかという問題には直接の関係はないと、こういうことでございます。
#69
○中田吉雄君 それは私はあると思う。小さい人口の少い所ほど人口に比例して役場の職員や学校の先生やそういうものは減らないのですよ。人口に或る意味では逆比例とは言いませんがやはりそれは少い人口数場に比べては割合多いのですよ。そういう意味では人口を基準にするとやはり自治体に今よりは私は單位費用は不利になるというふうに睨んでいるのです。それはそうならざるを得ないんですよ。補正係数でどう補正されるか知らんが、そうなるんですよ。
#70
○政府委員(武岡憲一君) それは実際の計算の場合の第一号補正の関係になつて來るのです。御指摘のような場合人口が殖える割に割安になるという部面は一号補正で加減をするわけでありまするから、その実際の調整にどういう係数を用いるかということによつて場合によつては御指摘のような数字が出て來るかも知れませんが、基本的な考え方としましては、警察に要する財政需要の全体の需要額というものはどれだけかということの考え方は、これは従卒と同じような考え方で以て計算をいたしているつもりであります。
#71
○中田吉雄君 まあこれはあとの委員会で、ほかでやりますが、非常に影響するのです。
#72
○岡本愛祐君 河原さんにもう一点伺つておきますが、これは少し揚足取りみたいになるようで工合が悪いのですが、これは実際問題としてはそういう問題はないと思いますが、それだけの前提で申上げますが、これは警察をずつと放つておいてもう維持しないことにしたものが一度も持たないものと合併して、そのときに、合併して市になつた後市の議決で警察を持たないことができるということになるのでありまして、その合併した全部の町村が警察を持たなかつたようなものを集めたというときには、これはどうしても警察を持たなけばならんということになるのでしようか、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#73
○衆議院議員(河原伊三郎君) 今までの自治体警察を持つておらないものばかりの集まりによる市、及び一旦持つたことはありましたが、すでに返上してしまつておつて現在ないものばかり若しくは前からなかつたものとなくしたものとの、要するに現在において零ばかりのものの集まりの場合だけに限るわけでございます。
#74
○岡本愛祐君 そういうふうに今一条がなつていないのですが、どれかが一つ持つている。持つていなかつた以上はそういうことはできないので、零ばかり、今まで持つていなかつたものばかり集まつて市になつたときにはどうしても持たなければならんということになるのです。実際問題には差支えないと思いますけれども、もう一度揚足取りに出して、甚だ恐縮だがそういうことになりはしないかと思います。
#75
○衆議院議員(河原伊三郎君) 趣旨は私の申した通りでありますが、法文はそうなつておりませんですが、併し今まで町でなかつたものばかりが市を作るということはまあ大体ないと思いますので、そういうようなことになつている次第であります。
#76
○中田吉雄君 それはあるのですよ、鳥取県に……これは倉吉というのは市でないのです。國警なんです。それが今関係町村を集めて市になるのですよ。
#77
○岡本愛祐君 私はまあ仮定の場合として申上げたのですが、現にそういうことがあるとすると、これはもう少し書き直さんと工合が悪いので……まあよく調べることにして……。そういう今お話が出たような実例があるとすると、この法律案について字句の点について少し考えなければならんことがある。國警のかたもそういうような事実がほかにもあるかどうか調べてもらいたい。倉吉の場合……。
#78
○委員長(西郷吉之助君) それでは説明員でありますが、国警の桐山企画課長。
#79
○説明員(桐山隆彦君) 只今倉吉の例が出ましたのでございますが、倉吉は私の記憶しておりまするところでは一度は自治体警察を持ちました。その後返上いたしまして市になるというような話が出ているように記憶いたしております。岡本委員から御指摘になりました、従来から全然自治警を一度も持たなかつたような町村だけが集まりまして市を作るというような事例は私どもはまだ聞き及んでおりませんので、この点申上げたいと存じます。
#80
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日はこの程度にいたしますが、明日は内閣委員会との警察予備隊令の連合委員会でございまして、明後日は従來質疑をやつておりました地方財政法の質疑の残り、並びに終り次第討論採決をいたします。その後において本二法案の質疑を継続して参りたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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