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1951/05/14 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第31号
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1951/05/14 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第31号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第31号
昭和二十七年五月十四日(水曜日)
   午前十一時二十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
           中田 吉雄君
           岩木 哲夫君
   委員
           愛知 揆一君
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           林屋亀次郎君
           岩男 仁藏君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方財政委員会
   事務局長    荻田  保君
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
   地方自治庁行政
   課長      長野 士郎君
   地方自治庁財政
   課長      奧野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合委員会開会の件
○地方財政法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○公聽会開会に関する件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開きます。
 連合委員会の件につきまして最初にお諮りいたします。自治庁設置法案並びに自治庁設置法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対しまして、内閣委員会と連合委員会を開くことに昨日ちよつと触れておきましたがいろいろ明確を欠いておりましたので、改めて内閣委員会との連合をいたすこと並びに保安庁法案につきましては、同じく内閣委員会と連合いたす点、並びに地方公営企業労働関係法案に対しましては労働委員会と連合いたす件、並びに義務教育費国庫負担法については文部委員会と連合委員会をいたしますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(西郷吉之助君) 更に本委員会に付託されております地方公営企業法案に対しましては労働委員会から、又集団示威運動等の秩序保持に関する法律案につきましては、労働委員会並びに法務委員会から連合を申込まれておりますので、これにつきまして承諾をすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日は先般来御質疑を継続しております地方財政法の一部を改正する法律案につきまして質疑を続行いたしまして、質疑の終了次第討論採決に入りたいと存じます。この法案につきまして御質疑をお願いいたします。
#6
○岡本愛祐君 地方財政法の一部を改正する法律案につきまして第四条の二国が地方公共団体又はその住民に対して、又地方公共団体がその他の地方公共団体及びその住民に対して、直接であると間接であるとを問わず、寄附金を割当てて強制的に徴収するようなことをしてはいけないというはつきりした規定があるのでありますが、この間私が問題を出しておきましたように、兵庫県の寄附金の調査集計表というのがあります。これはずつと各委員にもお手許に配つたはずであります。そこで兵庫県のほうでは昭和二十五年度、二十六年度の見込と二つに分けまして、兵庫県の町村が町村予算から支出した国及び国の機関に対する寄附金はどれだけであるか、又町村民への割当方法によつて国及び国の機関に寄附したのはどれだけであるか、その他特殊の寄附が幾らであるか、こういうことを分けまして集計をいたしておるのであります。そこで今度の法律案の第四条の二によりますと、そのうちのどれが禁止されるかということをこの表で御答弁願いたいと思います。当然町村民への割当方法によるものは禁ぜられるということになるのではないかと思いますが、その点明確にお答え願つておきたいと思います。
#7
○政府委員(奧野誠亮君) 第四条の二に規定いたしましたところで「直接であると間接であるとを問わず」ということを書いておりまするのは、いろいろな後援団体等を組織いたしまして後援団体名義で寄附金を募集するような場合がございますので、こういうような意味の規定を設けたわけであります。且つ又行政的に徴収するというようなことは、間接的に威迫を伴うような行為をも含めまする趣旨において規定したのであります。且つ具体的な例で申上げますと、私は県の側から聞きましたので、或いは多少間違いがあるかも知れませんけれども、警察隊長から町村に寄附を求めて行きたいから県も協力してもらいたいというようなお話があつた。併しながら地方財政法の規定に基けば国家地方警察に要する経費は全額国が持つことになつておつて、地方団体に負担さすようなことをしてはならないというようなことが書いてあると言いましたら、それではそれらの町村における保安秩序の責任は自分は持たないというようなことを言われたということを私は聞いておるのであります。そういうような種類の行動が現になお行われておりますので、そういうような意味を含めまして、このような規定を設けたわけであります。
 そこで今お話になつておりまする兵庫県の実例で申しますと、検察庁でありますとか、法務庁であるとか、或いは裁判所、税務署、食糧事務所、統計事務所、国警というような関係のものは、町村予算から支出したものでありましても、町村民への割当方法によつて寄附いたしたものでありましても、いずれも大体私は四条の二の趣旨に反する種類のものだろうと考えておるのであります。現に国の庁舎等の建築に当りましても、国は最小限度の庁舎で間に合せようとする、併しながら現実にそれを使用しておる人たちは少しでもゆとりのある庁舎にしたい、こういうようなところから或いは後援団体名義を以ちまして、或いは間接的な威迫の言動を弄しまして寄附を求める場合が多いのでありまして、そういうようなことはやはり禁じて行きたいというような考え方を持つておりますので、自然今申上げたような種類のものは将来やめて行かなければならないものではなかろうかというふうに考えております。
#8
○岡本愛祐君 この間の奥野政府委員からの御答弁では割当基準というものは四条の二で禁じられてある、割当てて徴収するようなことをしてはならないというのであつて、割当てて強制的にと、こう強制的に割当にかかるというのでなくて割当というものはすでに禁じてある、こういうような御答弁があつたのですが、それは今次長もおられますが具体的に確認しておいて頂きたいと思います。
#9
○政府委員(鈴木俊一君) 只今のお尋ねの点でございますが、寄附金を割当てて徴収することと、強制的に徴収するということとは、いずれも両方が禁ぜられておるように了解いたします。
#10
○岡本愛祐君 それでは只今奥野政府委員から御答弁のありましたほかにおきましても、この表にあります町村民への割当方法による分、これは国及び国の機関に対する寄附金であると、又県及び県の機関に対する寄附金であるとそれは今後は四条の二で禁じるのだ、こういう趣旨に解してよいと思うのでありますが、それで間違いございませんか。
#11
○政府委員(鈴木俊一君) 御趣旨の通りと考えます。
#12
○委員長(西郷吉之助君) ほかに御質疑ございませんか。
#13
○中田吉雄君 この点、割当てて強制的ではないが事実上強制のようなことになる場合が非常に多いのです。私もまあ数々体験しているのですが、例えば労働省の基準監督局をどこの県に置いてくれと、こういうふうに申しますと、各地方から非常に要請が多いのでなかなか面倒なのです。あなたのところが土地を負担すればなんとかしようと、警察でもそうですし、検察庁でもそうなんです。そういう場合は、実際割当てて強制的にはされていないですが、なかなか巧妙なこの規定をうまくそれることになるのですが、少くとも私は権力を伴う警察、検察庁、裁判所、それから労働法規の適用を監督するようなああいう局というようなものは、やはりどういう形体であろうが寄附を取つてはいかんというふうにされんと、この規定が本当に生きて来んではないかというふうに考えるわけであります。私なんかも、国警の建物ができるので予定地に人家があるからあれを立退かさなければならん、その立退料を一つ県が負担してくれとそう言われると、県が財政難だからと言うとなかなか面倒なことになるものですから、公安委員会の費用としてしぶしぶ組まざるを得ん。それが成立する場合には、やはり表面的には割当てて強制的ということにはならんのですが事実上の強制になるわけです。ですから、先に挙げましたような権力を伴つてやはり威圧によつてできるようなものだけは……、私は病院なんかは、これはやはり国家財政の関係もありますし、その受ける利益というものが非常に来るわけですから、保健所とか病院なんかについてはそういうふうな寄附があつてもまあ弊害は少いと思うのですが、先に申しましたような労働法適用の監督局、裁判所、検察庁というようなものは、やはり如何なる形体であろうとも寄附を取つてはいかんというふうにしたほうが、財政面から地方自治を守られようとするこの第四条の二によく当るのではないかと思うのですが、どうでしようこの点については。
#14
○政府委員(鈴木俊一君) 御指摘のような事態は、私どもも各地において承知いたしておるのでございますが、如何せんお話のような権力的な国家行政機関或いは国家司法機関でございましても、やはりそういうものが自分の地元にありますことが地元の地位を高め、或いは発展に資するというような一つの考え方がありまして、若干負担はしても来てもらいたい、こういうような又一部に考えがあることも事実でございます。従いまして、この改正法律案の規定も、もつぱら当該地方団体の住民なり議会或いは当局の人たちがそのつもりで運営することになりませんと実益を生じないわけでございまして、こういうような規定を設けますることによりまして、今御指摘のような、極く形式的に解釈いたしまするならば、強制的な徴収ではない、併し実質的には強制的な徴収であるというような事態をも間接に防止することができるのではないかと、かように考えておるわけでございまして、御指摘のような点、私どもも遺憾には存じておるのでございまするが、それを頭から禁止するというようなところまで書き上げるのは如何であろうかというようなところで、このような規定の間接的な効果に期待をいたした次第でございます。
#15
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか、中田さん御質疑はいいですか。
#16
○中田吉雄君 そういう関係が国と府県市町村との関係であるばかりでなく、例えば林道とか災害復旧等にも非常に多いわけなんです。この関係は私は戦後におきまして工事が非常に粗雑になる大きな理由だと思うのです。それぞれその負担率が一覧表で頂きましたようにあるのですが、各地方の要求もよいし、そういう要求に応えるためにこの負担率で一応は下ろして行くが、かなりの寄附の形で……、そうぜんと林道をつけてやらん、砂防工事をしてやらん、堰堤をやつてやらんというふうに非常になつて行くのです。併しそういう寄附を一応受けたことにするが、地元はそういう負担率を実際負うことができない。そこで結局工事の内容を粗雑にして、皆戦後における工事が非常によくこわれるというような形は、私はやはり地元のこの負担率以上のものを寄附の形で受けて、それだけこつちは負担をするからやらしてくれというような形で、実際は工事の内容を落してしまつてそうして皆やつておるのです。これは現実にどの土木工事を見たつて大半そうなんです。そういう関係がやはりあるのですが、この規定で十分そういう現実が防止できて行くと思われますか。
#17
○政府委員(鈴木俊一君) 只今御指摘のような事実も確かに間々私ども承知いたしておるのでありますが、(「間々ではない、とても多いのです。」と呼ぶ者あり)この規定が万能薬のごとく御懸念されまするようなあらゆる事態にすべてこれで事が解決できるというところまでの力を私どももまあ期待はできないのでありまするが、とにかくこの規定をおきますることによつて只今のような事態が若干でも防遏できるのではないかというようなところに期待いたしておるわけでございまして、予算の中央における査定の際におきましても、或いは地方財政委員会がこれに対して意見を述べるというようなそういう際等を通しまして、又地方の当該団体の自覚というものと相待ちまして初めて効力を生ずると思うのでありまして、そういうような意味において若干なりともこの規定は効果があるのではないかというように考えておるような次第であります。
#18
○原虎一君 重複するようになりますけれどももう一度お伺いしたいのですが、今中田委員からも指摘された監督権を行使する立場に立つ国の機関、そういうものに対する寄附は如何なる形においても求めてはならんということを規定する結果、国民が受ける不便といいますかそれと、逆に今の本案の第四条二項から来ますいわゆる中田委員が指摘されたような欠点というようなものと比較して結論的にはどうなりますか。そういう点を比較検討されてみたものが資料的にも出ておりますか。
#19
○政府委員(鈴木俊一君) この権力的な国家機関の設置等に当りましての強制割当寄附というような事態でございましても、ものによりましては地元に若干の利益を与えるというものと、全然もう地元にはむしろ迷惑であるという式のものと、まあ両種類があろうと思います。後者のような種類のものにつきましては、これは先ずこの第四条の二のような規定がございましても、若干地元の格が上りますとか或いはその他目に見えないいろいろの利益があるというような場合におきましては、当該地元といたしまして、それのむしろ誘致、来てもらうことを以て若干負担してもやろうというようなことは、実際に地方の実情としては一概に否定はできないのであります。ただその当時の当局者が誘致をいたしましたにかかわらず、爾後その町村なり地方団体の財政に多年に亙り重圧を加えるというようなことに関しては、非常に困るわけでございまして、そういう意味でこの四条の二という規定もあるわけでございますが、要はこの規定はこれによつて違反をいたしました者は処罰しようというような、そういうことではないわけでありまして、何と申しますか、地方財政の運営の基本方針、運営の衝に当ります者がこれを一つの精神として考えて行つてもらいたい、こういうようなものでございまするので、やはり根本には当該地方公共団体住民の自覚というものに待たざるを得ない、それに一助でもでき得まするならばこの規定としては十分価値があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#20
○原虎一君 これは見解の相違になるのでございますが、実際は非常に効果が薄いのではないかというふうに我々は考えるのですね。権力的な国の機関設置のたびに、如何なる場合においても、形は任意寄附の形であるが、半ば強制的である、行きすぎたところは権力を以て威圧を加えるというような所もありますけれども、半ば強制的の所があつたのではないかと思う。そこで禁止しても、明らかにそれを禁止した条項がありましても別な手段でやれる方法があるのではないですか。例えば今国警の中にも地方自治警の中にも自主的なものと称して作られたものに何らかの間接的援助をやるというようなことが行われておるわけです。これは労働基準監督局の関係においても、地域の事業者団体が協力会のごときものを作つてやつて行くという、その程度でも弊害はあるんでして、ですから権力的な国家機関に対する寄附というものは禁止されたほうが目的を達するということの上においてウエイトが重いのではないかな。見解の相違になるけれども、そうするためには国家機関の活動に多少不便が来る、不便であるかも知れませんが弊害が非常に少いということが常識的に判断できるのではないですかな。我々の判断はそこにあるのですが、当局は同じ御答弁になるかも知れませんが、どうもこれは何か言訳に作つておく程度の法律条項に失するのではないかと思うのです。どうですか。
#21
○政府委員(鈴木俊一君) 御心配の点は誠に御尤もでございまして、国が裁判所なり検察庁なり或いはその他の国の機関を作ります場合には、そういう地元には一切迷惑をかけないように予算を必要なるだけ計上するようにしてもらうということが絶対に必要であろうと思うのであります。そういうことはかねて大蔵省当局にもお願いいたしておりまするし、地方財政委員会におきましてもそういうことは機会あるごとに大蔵当局のほうに意見を述べておるようでありますが、そういうことでできるだけ地方に寄附をお願いする必要がないと、こういうふうになることが一番理想であります。ただ遺憾ながらそれが必ずしもそのような完全な結果になつておりません場合におきまして、それを任意の寄附にまつかどうか、こういうことが問題の分れ道であろうと思うのであります。そういう場合の任意の寄附というものは全然許さない、こういうことにいたしますことが、半面国が十分予算を計上する一つの保証にもなり得ると思うのでございますが何分目に見えないいろいろな問題が新らしい機関を作ります場合にあるわけでございまして、そういうような若干のものを多少利益のありまする地元が任意的に負担をするということは、これを禁止するというところまで行きますのは如何であるかというふうに考えておる次第であります。
#22
○中田吉雄君 それから先に私が質問し、原委員も申されましたそういう権力的な問題と、もう一つは第十条の十七の繭検定所に要する経費というのがあるわけでございます。このような繭の検定成績如何によつてこの繭価が非常に違うようなものについて、御承知のように繭の値段をどう決定するかというのは糸量を解じよをしてとつて見てその糸歩と掛目を掛けて出すわけで、そのために県立の繭検定所というものを作つて極めて公平な糸歩を出してやるわけなんでずが、これが非常に製糸会社がこの繭検定所の設立維持なんかに多大な寄附をいたしまして、そのためになかなか糸歩百匁が幾らであるというようなことは養蚕家にわかりませんから、この点が非常に問題になつてそうして繭検定所の権威が疑われる、県庁の役人がそれと関係しておるというようなことで非常に疑われる。私はやはりまあこの改正法案というものは訓辞的な教訓的な規定では余り意味がないので、本当に地方自治体の財政を防衛し、そうして権力的なああいうものの権威を高める、そういうような経済的に重大な影響を及ぼす繭検定所、或いは警察、検察庁というものはやはりできるだけ取らんというふうに改めねばこれは事実余り意味がない。まあこういう立案をされたことによつて国家財政のしわ寄せが地方財政に来てそれを辛くも防衛されようとする苦衷はよくわかるんですが、私は余り意味がないと思うんです。そこで繭検定所のような問題についてはどういうことがあるか、自治庁ではよく御調査されたことがありますか。
#23
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政法で国と地方団体との負担区分というものを明確に律するようになつて参りましてから、国が実際必要額をどの程度分担するかというその原則に従つて予算が編成されるように漸次変つて参つておると思います。第二には地方財政平衡交付金制度が生れましてから、基準財政需要額の算定におきまして、個個の経費につきましてはどちらがどの程度負担するものであるかということがかなり明確になつて参つて来ております。例えて申上げますと、県道に要します経費、或いは府県立高等学校に要しますような経費は全額府県の財政需要の中に測定いたして参つております。ところが従来これらの県費につきましても市町村に相当の寄附を押付けて参つたわけであります。併しながら現実において基準財政需要額の測定は府県の財政需要額に見込まれておるはずではないかというような意見が市町村側から持ち上つて参つておりまして、こういうような面からかなり合理的な負担がなされるように変つて参つて来ておると思います。第三には従来この規定の前身といたしまして、地方公共団体は住民に寄附金を割当るようなことをしてはならないというようなことを書いておつたのでありますけれども、更にこの第四条の二の改正規定が生れるようになつて参りますにつれまして、漸次住民の側におきましても、或いは地方公共団体の側におきましても、負担に対しましては権力者に向いましても公正な意見を堂々と表明して言えるというふうな慣習が生れつつあると考えているのであります。具体的な例で申上げますと、町村が国の機関やその他から寄附金を求められまする場合には、個々にその寄附金に応じませんで先ず町村会で相談をしよう、その相談を経たものでなければ寄附金に応じないというようなことを行なつておりまする県が若干ございまして、かような態度が全国的に広がつて行きそうな情勢にあるわけであります。今申上げましたように、一面には予算を編成する際に合理的に予算が作られようとして来ている。他面に寄附を求められる側におきましては、公正にその見解を表面するような慣習が生れつつある。こういうふうなことで、漸次この趣旨の規定が適正に実施されるようになつて来るだろうというふうに期待しているわけであります。で気早に禁止してしまう、或いは制裁を設けるというのも一つでありましようけれども、こういうような精神的な規定を設けますことにも非常に意義があるというふうに、過去の経過に鑑みましても考えているわけであります。
#24
○岡本愛祐君 二、三事務区分の問題で質問したいのですが、新たに法律ができ又は法律が改正されましていろいろの地方公共団体のやる事務が殖えて来る。でそのたびにこの地方財政法をいじらなければ私ならないだろうと思うのです。それでそういう新法律が、政府が提案されるときはよく連絡が比較的とれるでしようが、議員提案が多くなりますとこれはなかなかとりにくい。で国会のほうでも十分それは注意をしなければなりませんが、政府のほうでも十分連絡をとつて頂いて、そうしてこの九条、十条、十条の二、十条の三、そのどれに当るか、それによつて改正されるべきだと思うのです。でまあ例を言いますと十条の十八なんか、これは私ども議員立法の建前でやつたのでありますが、「民有林の森林計画、保安林の整備その他森林の保続培養に要する経費」、去年の森林法の改正によりまして、地方が民有林の林業計画をやらなければならないことになりましてそれだけ費用がかかる。それでこういうふうに盛るようになつております、これは結構なんです。ところが法律が改正するたびにいろいろな問題が起つて参りますからそれを十分連絡をとつて洩れないようにやつて頂きたい。国会のほうでもこれは注意をしなければなりませんがそれだけ希望を申上げておきます。
 それで今度はお尋ねするのですが、昨年にできました住民登録法というものによる登録、あれはどれに当るのですか、これを一つ聞いておきたい。
#25
○政府委員(鈴木俊一君) 政府提案或いは国会の御発議に基きまして法律ができました場合に、地方負担に関係がございますもので国がそれの全部或いは一部を負担するというような式のものがございますれば、十条の各号に該当しません限り、これを調整して行かなければならないと考えております。
 それから住民登録法の施行に要しまする経費、これは九条の「地方公共団体がその全額を負担する経費」、これに入る種類のものと考えております。
#26
○岡本愛祐君 そういたしますと、新たに法律ができましてそうしてそれが解釈上当然九条に当るのだということになりますと、それだけ費用が殖える、そのときは必ず予算が伴うようになつておりますか。
#27
○政府委員(鈴木俊一君) これは財政法の十三条に、「あらたな事務に伴う財源措置」の規定がございまして、新たに国が義務を負わせて事務を行わしめまする場合におきましては、その財源について必要な措置をしなければならない、この規定がございますので、それに従つて措置をするわけであります。
#28
○岡本愛祐君 次にお尋ねするのですが、自治体警察の事務の中で治安維持のの事務、これもたしか財政法では自治体の事務というふうになつておつて、十条には当らないから書いてないと思うのですが、ところが昨日も内閣との連合委員会におきまして議論をしたのでありますが、大橋国務大臣の個人的意見でありますが、やはり自治体警察のやつている治安を維持の事務というものは国家事務だ、国家事務の一部を国家が市町村にやらせているのだ、こういうふうに思うという答弁をはつきりしているのです。私は個人的意見では困る、その答弁は重大な答弁だからよく政府で意見をきめてお答え下さいというので答えるようになつているのです。そういたしますと、これまでの考え方ではいけないのだ、つまり九条によるのでなくて十条によらなければならんじやないか。そいうふうになつて来るから、警視庁についても警視総監を総理大臣の任命にするということも、国家事務の委任であるからこそそれができるのであり、又費用を出すということ、少し補助をするというようなことも、つまり国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務であるからこそこれができる、こういうふうに解釈しなければならん。そうすると、この十条の自治体警案の事務の中で治安維持の事務ということが入らなければならんように思うのですがその点どういうふうにお考えになりますか。
#29
○政府委員(鈴木俊一君) 治安維持に関しまする事務を国家事務と見るか或いは自治事務と見るか、或いは国有事務というか、委任事務というか、これはまあいろいろ見方があろうと思いますが、地方財政法の建前といたしましては、改正案におきましてはおよそ地方団体が、或いは団体の機関が行いまする事務は、国家事務として観念せられまするものであつても、自治事務として一般に観念せられまするものでございましても、およそ団体又は団体の機関の事務を行うために要する経費は地方機関が全額負担する、こういう建前にいたしておるわけであります。従いまして、警察に関しまする事務は、地方団体の機関が行いまする以上は、これを特に十条以下に例外的に規定を設けません限りは、地方団体がその全額を負担する経費になる、かように考えておるのであります。将来警察に対しまして国が全部或いはその一部を負担をするというような負担方式を考えるということになりまするならば、そのことは一つの新しい事柄でございまして、そのように地方財政法上調整の規定を設ける必要があると、かように考えております。
#30
○岡本愛祐君 そこで申上げますがもうすでに警察法の一部を改正する法律案というものが提案になつて当委員会にもかかつておる。その中でも、今議案を持つておりませんが東京都の治安維持のために国費から一部を補助することができるという規定がある。五十二条の三というものを設けまして、「特別区の存する区域における自治体警察に要する経費は、都の負担とする。但し、国庫は、予算の範囲内においてその一部を負担することができる。」こういうふうにあるのです。まあこの警察法についてよく担当の国務大臣と質疑応答をするということになりますが、私の議論としては警察予備隊というものが前にはポツダム政令でできておつたのでありますが、それを法律に振り替えてしまう、そうしてそれが今度保安庁設置法によつて純然たる国家の制度となつて来るということになると、警察法の従来の治安維持の事務というものがまあ委任とか固有とかいうことは言わないにしても、町村の事務であるということはどうしても言えなくなつて来るのだろうと思うのです。治安維持の第一は何と言つたつて国家である、私の議論ですれば、委任の範囲で東京都とかその他の大中都市において治安維持の事務を市に委任はしてある、併しいよいよとなれば最後の責任者の警察予備隊というものが出て行つて、つまり国が出て行つて鎮圧をするということになる。そういうふうになつて来ると、今までの治安維持の責任というものは大都市では市の事務であるということがどうも言い切れなくなつて来る。そこでやはりその立て方もこういうふうに変つて来るのでありまして、その点をよく地方自治庁のほうでお考え願いたいと思うのですが、この点について岡野国務大臣にお答え願つておきたいと思います。
#31
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。我々といたしまして、自治体警察というものはやはり自治体の固有事務と考えております。併しながら日本の憲法の精神から申しましても、国家全体の治安の責任はやはり内閣総理大臣にあるのですから、そこに制度上幾らか間隙があるのじやないか、こう思つております。でございますから、今後我々といたしましても国家の治安を維持するのに一体只今の警察制度でいいか悪いかということは、長らく研究をしつつ経て来ておるのでございますが、まだその結論に到達しておりませんものでございますから、我々只今断定的な結論を申上げるわけに参りません。只今の建前といたしましては自治体警察というものはやはり自治体本来の固有事務でございます。併しながらそれに任せ切りでおいて、そうして国家の最高責任者たる総理大臣が治安の維持に対して責任を持つております以上は、その地方における治安が乱れることに対してはやはり責任は内閣総理大臣にあるわけでありますから、その点においてここに調整をしなければならん、そのためには警察法も根本的によく検討しなければならん、こう考えておりますが、併し只今のところまだ結論を得ておらんという状態でございます。
#32
○岡本愛祐君 要するに十条の「国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務」に入ることは疑いなくなつて来ておると思うのです。これは十条は「国が、その経費の全部又は一部を負担する。とはつきりここに書いてある。そうなると、首都のみならずほかの市について、ここに自治体警察の行う治安維持の事務ということを書くと、ほかの所にも影響して来るということになりますから、今直ぐここに入れようという意味ではありませんが、そういうふうに今まで考えておつた事務内容もだんだん法律の改正によつて変つて来るということを十分お考えを願つておきたい。そのために御質問したのであります。
#33
○委員長(西郷吉之助君) ほかに御質疑ございませんか。
#34
○岩木哲夫君 大変遅れて失礼ですが、私は昨日の警察予備隊令の一部改正の問題の委員会でも大橋国務大臣にも申上げたんですが、丁度自治庁大臣もおられまするししますのでお尋ねいたしたいことは、先般国警すなわち町村警察に対しまして、その警察官か非常の場合に死んだ或いは不具になつた場合には七十万円とか八十万円とか百万円とか賞恤制度をやつて、要するに補償を与えておる、こういうことを閣議で決定したそうですが、それは事実かどうか。
 それから大橋国務大臣はそれを決定したと申しておるわけですから、決定したと思つておるのですが、それならば町村警察の警察官がそういつた非常事態に生じた不具だとか死んだ場合にはそういうことをしているのに、東京たとか大阪だとかいうような大きな都市警察、つまり自治警察の警察官が非常事態によつて生じたそういう死亡、不具とかいうそういつた場合に対する賞恤制度がないのでありますが、それは現在の官吏に準じた法は適用されることかと思いますけれども、実際問題は町村警察にそういう制度が布かれて、大都市警察、自治警察に布かれないということは片手落ちどころじやない、もう問題にならんことだと私は思う。そういつた自治体警察官が国家目的のために、或いは国家非常事態に遭遇して、そういつた身の危険を超えて敢闘して生じた死亡だとかそういうけがだとかいつたものに対しては、自治体の現在の財政状態はそれを見ておられない、見る余地がない、平衡交付金の振合いにおいても見る余地がない。いわんや市の財政というものは大臣御案内の通りに非常な赤字である、いずこも同じ赤字である。そういつた国家目的のためにそういつた被害を受けた者に対する補償、見舞金或いはその遺族の生活保障の問題等は国が挙げてやらなきやならんと、こう思うわけですが、従つて国家財政においてこれは行わなければならんと思うのでずが、そういつた考えは政府においては考えられないのかどうかといつた質問に対して、大橋国務大臣は、成るべくそういつたことは自治体の財政において賄つてもらいたいという勧奨をするというか、何か奬励すると申しますか、勧誘するというような言葉を使われたと思うのですが、そんなことは現在の自治体の財政状態ではとてもやれないのであつて、当然国家警察に行うと同様の補償は国家がたとえ自治体警察の警察官の場合であつてもやらなければならんとこう思うのですが、どうでございましようか。
#35
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。只今岡本委員の御質問に答えました通りに、私の考えといたしましては、自治体警察の只今のあり方は、御承知の通りでございます。併しながら国家の治安の全責任は総理大臣が持つておる。同時に只今お説のように、国家的の治安維持のために尽したという者は、自治体警察の警察官であろうが予備隊の職員であろうがこれは同じことでありまして、国家の治安に殉じたということでありますから、当然に予備隊のほうでそういうことをすれば自治体警察にしてもこれはそうしなければならんと思います。そういう点におきまして私は問題を将来の検討に任せなければならん、これは即ち警察法の根本的な再検討をするという場合に、自治体警察に対して只今のお説のようなことはもうお説当然でございましてそうやらなければならん。併し御承知の通りに市の財政は赤字続きでございまして、そういうことが只今のところはできる筋合のものではございませんし、又趣旨から申しましてもやはりお説の通りに、国家的な治安を維持するために殉じたという者に対しては国家が報いることは、それは自治庁といたしましてはそういう問題をよく検討いたしまして、お説の趣旨に副うよう我々財政的に裏付けをして行く方法で研究して行きたい、こう思います。
#36
○岩木哲夫君 その一番最初の私のお尋ねに対して御回答がないのですが、国家警察についてはそういう制度を政府は閣議か或いは法律案できめられたのですか。
#37
○国務大臣(岡野清豪君) 只今のところつい私はうつかりしておつたのかも知れないけれどもちよつと記憶に残つておりませんから、それは後刻調べましてお答え申上げます。只今不確かでございますから。
#38
○委員長(西郷吉之助君) ほかに御質疑はございませんか。
#39
○原虎一君 第四条の二項、くどいようでありますが、訓示規定のようなものになつてしまうのじやないかと思いますが、この末尾には「強制的に徴収するようなことをしてはならない。」という、きめた以上は万一あつた場合に対する罰則規定というものが考えられなければならんと思うのですが、それがまあ考えられていないようでありますし、それからこういう場合はどうなるかという問題で、誰かが、国の機関と地方自治体の有志なら有志が交渉して寄附金の募集にかかります、そうすると、これは先ほども懸念して各委員から言われておりますように半ば強制されるものなんです。その結果まあこれは政争なんかになる場合があると思いますが、これは強制をしたのだからというので、一応相当納めてもそれは強制したのだから訴訟が起きないとも限らんですね、そういう場合は予想されていますか。そういう場合にどうなつて行くかということが考えられるのですね、一つその点について御答弁願います。
#40
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように第四条の二に違反するような行為をいたしました者に対しまする罰則もございませんし、又これは訓令的な規定でございまして、能力規定じやございませんので、これに違反するようなことをしたらその行為自体無効になるというふうな性質のものでもございません。併しもとより原さんが御心配になつておりまするような実情というものも我々も知らないわけじやないわけでありまするけれども、自発的にいろいろな行政行為に協力するというふうな行為をしようといたしまする場合にも、常におつかなびつくりでしなければならん、受ける場合も常に不安に駈られながら受けなければならんというふうなことになりますのも又一つの問題がございますので、差当りはこういうようなところから漸次改善を図つて行きたいというような考え方を政府としてはしているわけであります。
#41
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか。なければ御質疑は尽きたものと考えまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(西郷吉之助君) それでは御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見等がございましたら討論中にお述べをお願いいたします。
#43
○若木勝藏君 私は党を代表いたしましてこの法案に反対の意見を申上げます。この法案は一見簡単なように見えまするけれども、これは地方財政の確立の上から極めて重要な部面についての改正だろうと思うのであります。以下私は三点につきまして反対の意見を述べてみたいと思います。
 反対の第一点は、本日も非常に各委員から御質疑があつたように割当的な寄附金の禁止規定であります。これは実際において我々が考えてみますると、拘束力を持たない、大した意味のないような規定に見えるのであります。従来といえども第四条にこういうふうな規定があつたにもかかわらず、依然としてこれは寄附金の徴収が行われておるのであります。ただ今回はまあ国の地方団体に対する関係を明らかに規定したということが加えられただけで、弊害の除去ということに対しては、やはり従来と同じような効力がそう大して望み得ない。特に注意を要しまする点は、只今もいろいろお話がありました通り、警察とか検察庁、こういう方面のいわゆる権力関係の寄附がかなり根強く行われておる。これは先ほど政府委員からの御答弁でも明らかな通りであります。結局これは権力に伴うところの部面を利用いたしまして、いろいろ将来に幾多の弊害を醸すものであつて、如何なる名目においてもこれは寄附を徴してはならないというふうな規定をはつきりつけたほうがよいと思うのであります。結局この問題はこういう一つの訓令的な規定によつて気休めをやるということよりも、この国の負担するところの事務の部面の負担率の引上、こういうふうなことによつて、地方財政の確立の立場から抜本的に解決する方向に行かなければならないものである、こう私は考えるのであります。その点からこの規定に対しては賛意を表するわけに行かない。
 反対の第二点は、国が全部又は一部の負担の経費の中から義務教育費関係を削除をしたということであります。これはこの改正の中でも極めて私は重要な部面であると思うのでありまするが、昭和二十五年度におきまして半額国庫負担がこの平衡交付金関係に切替えられた、それ以来国の予算等によつて平衡交付金が非常に不十分の結果のために、義務教育の標準適正規模というものが縮小されておるのでありまして、半額国庫負担当時に比べまして、教職員の定員におきましても又給与関係におきましても著しく低下しておるのであります。このパーセンテージもありまするけれども詳細は省きます。低下すると同時に地方化の差というものが非常に大きくなつておる。そこで重要なこの教育の機会均等というふうなものが次第に崩壊しつつある状況にある。こういうふうに見られるのであります。政府は二年間のこの実情に鑑みてむしろ今回国庫負担法に帰るべきである、私はこの実態からそう考えます。ところが逆に交付金制度にはつきり切替えた、在来の一時停止を削除によつてはつきりさした。これは私は全く無定見と言わなければならん、こういうふうに考えるのであります。
 第三の点は、この法案が非常に期限がない。本法案が上程されて間もない今日、いわゆるこの国と地方団体の経費の負担区分に最も重要な部面を占めておるところのこの本法案とは全く矛盾の立場をとつた義務教育国庫負担法案が、而も与党から今や提案されて審議に移されておるのであります。若しこの負担法が成立されるということになれば、本法案のこの重要な部面が直ちに修正されなければならない羽目になる。かくのごとく存在の理由の不確定な権威のない法案に我々は反対せざるを得ない。
 詳細につきましては更に本会議において私は申述べたいと思いますので、以上簡単に申上げて反対の意見といたす次第であります。
#44
○委員長(西郷吉之助君) 他に御意見はございませんか。
#45
○岩木哲夫君 誰も賛成討論がなかつたら私は賛成討論をいたしたいと思いますが、ちよつといささか文句はつくのですがよろしいですか。
 私はこの法案には次の条件を附して賛成します。それは今の若木君の特に義務教育の国庫負担の問題の矛盾の点も私は指摘いたしたいと思う。首尾一貫しない無定見の法律案であるということを特に与党各位にも注意を喚起いたしたいと思います。かようなジグザク法律案を政府が出すということは国会を翻弄しておるものである。こういうことを私は申上げたいと思います。(「それなら反対じやないか」と呼ぶ者あり)
 もう一つは、今私が国務大臣にお尋ねいたしたのに対して、国務大臣が、国家治安の必要上自治警察体において必要なる経費、特に死亡或いは不具その他の事態に対する救恤方法のことは当然すべきことであるということの保証、確言を今得ておるのでありますが、その確言は言葉だけにとどまらず実現実行されるものであるという権威ある大臣の言葉を信頼いたしまして内容はいささか不備でありますが賛成いたします。
 但し賛成には、言葉を繰返しますが、前段の二つの点においては政府において責任を持つて解決されたいことを、条件といたしますことはもとよりであります。
#46
○原虎一君 賛成をするものではありますが、誠に不備な点と不満の点が先ほど質疑の中において明らかになつておる。併しまあなきに勝ると言えば言えるのであつて将来完璧を期する第一歩になることを希望しまして賛成しておきます。
#47
○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言がなければ討論は終局したものと認めまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本法律案について採決いたします。地方財政法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに御賛成のかたの挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#49
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて本法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によりましてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本法律案を可とせられるかたは順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    堀  末治  岩木 哲夫
    石村 幸作  岩沢 忠恭
    高橋進太郎  愛知 揆一
    原  虎一  岡本 愛祐
    館  哲二  林屋亀次郎
    岩男 仁藏
#51
○委員長(西郷吉之助君) 御署名洩れはございませんか。ないと認めます。
 なおこの際お諮りいたしまするが、先般地方自治法の一部を改正する法律案につきまして公聽会の件を御決定願いましたが、日取につきましては来る二十三日金曜日にいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(西郷吉之助君) それでは公聽会は二十三日に決定いたします。
 なお本日は引続いて地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を聞く予定でございますが、時間も経過しておりますし、なお本日の午後は内閣との、地方自治法設置法案ほか一件の連合審査の予定でごさいましたが、内閣委員会からこの連合は来る土曜日に延期を申出て参りましたから連合委員会はございませんから、午後一時半から地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を聞きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
 午前中はこの程度で休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時八分開会
#54
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を午前中に引続きまして開きます。
 本日は地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の説明を求めます。
#55
○国務大臣(岡野清豪君) 只今本委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な改正事項の概略を御説明申上げます。
 新憲法の精神に基き地方自治の本旨を実現するため、憲法と共に地方自治が施行になりましてから本年で丁度五カ年を迎えることになりました。この間終戦後の悪条件が山積する中におきまして、地方自治確立の途上には幾多の障害が横たわつていたのでありますが、地方自治関係者の不断の努力と協調とによりまして、これらの障害はなお今後の努力に待つべきものも少くないとはいえ次第に解決に向つて参つておりますことは、近く国民待望の独立の日を迎えようとしております際、誠に御同慶に堪えないところであります。私はわが国民主化の基礎を確立し、独立を迎える上に果した地方自治関係者のこの五カ年に亙る努力の功績は極めて大きいものがあると信じて疑わない者であります。併しながら我が国の民主主義はまだ漸くその基礎を確立したばかりであり、地方自治のよつて立つ基盤も未だ甚だ脆弱であることは率直にこれを認めざるを得ないところであります。政府は深くこれらの点に鑑みまして、この際地方自治法の一部を改正いたしまして地方公共団体の事務処理の自主性を可及的に保障することにより、地方自治の基盤をいよいよ確実にすると共に、独立後の国民負担を少しでも軽減するため、極力地方公共団体の組織及び運営の簡素化及び能率化に努め、以て今後の新情勢に対処することとし、更に地方自治法運用の実情に徴しまして地方公共団体の組織及び運営を真に合理的ならしめて地方自治運営の不合理、不経済等に名をかつて、地方自治に対する不信の声が擡頭して参りますようなことをできるだけ避けるようにいたしたいと存ずるのであります。これが今回地方自治法の一部を改正する法律案を提案し、御審議をお願いすることとした理由の大要であります。
 次に改正案の主要な事項につきましてその概略を御説明申上げたいと存じます。その第一点は、地方公共団体の自主的な事務処理を保障することにより、地方自治の強化を図ると共に、その運営の合理化に資しようとした点であります。明治以来地方公共団体に委任される国の事務はおびただしい数に達しており、地方公共団体はいわゆる委任事務の処理に追われて、その創意と工夫とにより地方の実情に適合した自治行政を行うことができないという実情にあることは御承知の通りであります。終戦後地方自治の強化のため行政の各分野に目覚ましい改革がなされたのでありますが、地方公共団体に対するいわゆる委任事務を整理して地方公共団体が自主的にその事務を処理することができる範囲を拡大するという点につきましては、殆んど見るべき改善がなされずして今日に至つたのであります。ここにおいて地方行政調査委員会議は先に地方自治を確立するために行政事務を再配分することを勧告すると共に、「機関委任の認められる事務の範囲は地方自治法等において明記し、将来無制限に増されることのないようにすべきである」と述べ「地方公共団体の事務とされたものについてはその義務的処理を建前とするものは極力これを限定しなければならない」と勧告したのであります。政府としても近く地方制度調査会を設け、地方行政調査委員会議の勧告実現の具体的な方法その他地方制度の根本に関する事項について諮問する方針でありますが、その結論が得られますまでの間におきましても、地方公共団体に委任される国の事務はいよいよ多きを加えて行く実情にありますので、この際地方公共団体及び地方公共団体の執行機関に処理を義務づけている事務、並びに地方公共団体に設置を義務ずけている行政機関及び職員等をすべて別表として地方自治法中に掲げることとし、以て地方公共団体の自主的な事務処理の確保に資することとしたのであります。もとより今回別表に掲げました事務、行政機関及び職員等は、現在法律又は政令によつて地方公共団体に義務ずけられているものをすべてそのまま掲げたものでありまして、何らこれに整理の手を加えておりませんため、おびただしい数に上つておりますので、直ちに地方公共団体の自主性の保障に役立つとは申せないかもわかりませんが、このような措置により、将来地方公共団体に処理を義務ずける事務等を増加しようとする際には、常に地方自治法の改正を伴うこととなりますので、その際国会におかれましても十分各種の行政について地方自治の見地から御検討を願う機会もあることとなりましようし、政府としても地方行政簡素化の折柄慎重にこれを抑制して参る方針でありますから、地方公共団体が義務的に処理し又は設置しなければならない事務、行政機関及び職員等を現在以上に法令によつて増加して行くことはかなり反省されるに至ることを期待しているわけであります。又地方自治法の別表を一見することによつて如何に多くの、又特にその義務ずけについて疑問のあるような種類の事務、行政機関及び職員等の処理又は設置までが地方公共団体に義務ずけられているかが明白となりますので、これを簡素合理化しようとする世論も喚起されまして、将来地方公共団体の事務の処理、行政機関及び職員等の設置について、その自主性を強化すると共に、その事務の配分を合理化する上に役立つであろうと信ずるものであります。一方地方公共団体の側におきましても、地方自治法を見るだけで地方公共団体として義務的処理を負わされている事務及びその組織を系統的に把握できることとなり、地方自治の現状に対する住民の認識を高める自治教育上の意義も決して少くないと考えられますし、更に地方公共団体の当局者に対しましては、今後ますます必要となつて参ります地方行政の総合的な運営について合理的な計画を樹てる際にも、又はこれらの事務について検討する機会を与える上にも役立たしめることができるものと存ずるのであります。
 又地方公共団体又は地方公共団体の機関に事務を委任し又は経費を負担させるには、必ず法律又はこれに基く政令によらなければならないこととし、従来総理府令、法務府令、省令その他の政令以外の命令によつて委任し又は負担させておりましたものにつきましては、この法律施行後一年以内に法律については必要な改正の措置をとらなければならないこととし、総理府令、法務府令、省令その他の政令以外の命令については、法律又はこれに基く政令によらなければならないことといたしまして、地方自治の保障を更に厚くすることとしたのであります。
 更に議員定数その他地方公共団体の組織につきましても、今回の改正法案におきましては地方公共団体の組織及び運営の簡素化に努めつつ、制度としては地方公共団体の組織及び運営に関して地方公共団体の自主的に決定し得る建前を基本とすることに改め、その自主性の確保を図ることができるよう配慮を加えた次第であります。
 次に改正の第二点は、地方公共団体の組織及び運営の簡素化及び能率化を図つた点であります。地方公共団体の組織及び運営の簡素化及び能率化については地方行政調査委員会議の勧告の次第もあり、政府は昨秋以来行政簡素化本部を設けて検討を続けて来たのでありますが、今回はおおむね地方行政調査委員会議の勧告を中心とし、これに各方面の意見等をも参酌して立案をいたしたものであります。
 先ず地方公共団体の議会につきましては、第一に議員の定数の法定主義を改めて、法律には議員定数決定の場合の基準のみを定めることとし、議員定数は地方公共団体か条例で自主的に定めることができるようにすると共に、その決定の基準として、法律に掲げる定数はおおむね戦前の定数を参考として定めたのであります。
 次に議会制度の合理化を図る措置として、定例会制度を通常会制度に改めることとするとともに、議員より臨時会の招集の請求のあつた場合には都道府県にあつては三十日、市町村にあつては二十日以内に必ずこれを招集しなければならないものとし、更に議員全員の改選又は長の更迭のあつた場合には必ず臨時会を招集しなければならないものとしたのであります。
 地方公共団体の執行機関につきましては、先ず都道府県の局部につきましては、現在必置の局が七、部が六で、実際には六乃至十二の局部が設けられておりますのを、人口段階別に最低四部、最高八局部の基準を法定することに改め、都道府県知事は条例で局部の数を増減し、局部の名称又は所掌事務を変更することができることとしたのであります。
 次に都道府県の副知事及び副出納長並びに市の助役の設置を任意制に改め、選挙管理委員は都道府県及び五大市にあつては四人、その他の市及び町村にあつては三人とし、四人の監査委員を置くことができる市は政令で指定する市に限ることとしたのであります。又各種委員会の委員及び監査委員は非常勤を建前とすることに改め、地方公共団体の長と委員会との協力関係に関する規定を整備して、委員会の事務局又は出先機関等の簡素化に資することとしたのであります。
 次に地方公共団体がその事務を共同処理し、若しくは他の地方公共団体に委託し、又は行政機関若しくは職員等を共同設置することによつてその組織及び運営の簡素化及び能率化を図ることができるようにするため、新たに地方公共団体の協議会、地方公共団体の機関又は職員の共同設置及び地方公共団体の事務の委託に関する手続その他の規定を設けることとしたのであります。
 更に大都市における行政の簡素且つ能率的な処理を図るため、区の組織につき所要の改革を行うこととし、特別市の行政区及び都の特別区の区長の公選制を廃止するほか、都については更に特別区の性格、都区の間における事務の配分、都区の関係の調整の方法等に改正を加え、大都市における行政の統一的且つ能率的な処理をできるだけ確保しようとしたのであります。即ち特別区の存する区域におきましては、現行制度上は都も特別区もともに市としての事務を分割して処理することとなつており、その間の調整がなかなか困難であり、多くの事務について勢い二重機構、二重行政的な取扱がなされているのでありますが、今回これを改め、特別区はその実体に即するように大都市の内部的部分団体としてその性格に変更を加え、都と特別区の一体的関係を明確にすると共に特別区の区域内の都民に身近かな事務は原則として特別区が処理することとし、実質的には特別区の権能に属する事務を増加することといたしたのであります。而してこれらの事務の合理的、能率的処理を図るためには、都及び特別区間並びに特別区相互間の事務処理の一体化をできるだけ確保することが必要でありますが、同時に特別区の性格に鑑みこれらの要請とその自治権との間の調和を図る必要がありますので、区長の公選制度を改めて、都知事が、特別区の議会の議員の選挙権を有する年齢満二十五年以上の者について、特別区の議会の同意を得て選任し得るものと改めた次第であります。
 第三は、地方公共団体の組織及び運営の合理化を図る点であります。先ず市町村の規模の合理化につきましては、地方行政調査委員会議の勧告もあり、政府も早くから勧奨しているところでありますが、これまでの実績に鑑み都道府県及び国の関係行政機関の協力がなければ十分効果を挙げることができませんので、このたび都道府県知事に市町村の廃置分合又は境界変更の計画を立て、これを関係市町村に勧告する権限を認めることとし、この勧告に基く市町村の廃置分合又は境界変更につきましては、国の関係行政機関にこれを促進するため必要な措置を講ずべき義務を課することとしたのであります。
 次に市町村の境界に関する争論その他地方公共団体相互の間又は地方公共団体の機関相互の間における紛争を、成るべく当事者の互譲により円満且つ迅速に解決するため、地方行政調査委員会議の勧告に基いて自治紛争調停委員を設けることとしたのでありますが、地方行政簡素化の趣旨から自治紛争調停委員は常置の制はとらず、事件ごとに任命する臨時の機関とすることといたしました。
 最後に、地方公共団体が住民の福祉の増進に寄与すると共に、最小の経費で最大の効果を挙げるようにする等、地方公共団体の組織及び運営の合理化を図り、地方自治の内容を更に質的にも向上するためには、地方公共団体の自主性をできるだけ尊重しつつ、国又は都道府県がその有する技術、知識、経験等をもつてできるだけ協力して参る体制を確立する必要があると認められますので、地方行政調査委員会議の勧告に従い、主務大臣並びに都道府県知事及び都道府県の委員会等に技術的な助言、勧告、情報提供等非権力的な関与を認めることとし、国と地方公共団体との間の合理的な協力関係の確立を図ることとしたのであります。
 以上がこの委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及び改正の主要な事項の概要であります。何とぞ御審議のほどをお願いいたします。これを以て提案理由の説明といたします。
#56
○委員長(西郷吉之助君) では次に事務当局より逐条説明をお願いいたします。
#57
○政府委員(長野士郎君) それでは引続きまして改正法案の説明をいたします。地方自治法の一部改正案と現行法との対照というのを御覧下さい。
 先ず今回の改正法案の一応の組立てについてお話を申上げますが、第一頁でございますが、目次のところをお開きを願いまして御覧頂きますと、第四章を削除となつておりますところに、選挙の規定をおくことになつております。これは選挙の根本規定をおくことにいたしたわけであります。それからその次には行政の簡素化、能率化の趣旨に鑑みまして、現在地方公共団体の他の執行機関が各法律によりまして、時を異にし目的を異にして設けられておりますが、これらの機関が地方公共団体の機関であることを明確にいたしますると共に、各地方公共団体相互間の関係を明らかにいたしますために、次の頁の七章に執行機関とありますところに第一節、通則を加えることにいたしました。それから第二節を地方公共団体の長という節に改めまして、その中に一つ款を加えまして、他の執行機関との関係、即ち地方団体の長と他の執行機関との関係という款を新たに加えることにいたしたのであります。次に第三節といたしまして、委員会及び委員というので、他の執行機関の通則以下の規定をおくことにいたしておるわけであります。それから次の頁につきまして、第八章給与というのを給与その他の給付ということに改めましたが、これは地方公務員法の給与という観念と現在の地方自治法の現行法における給与の観念とがやや合わないものがございますので広げたわけでございます。それから第十章は監督という章でございますが、これを国と地方団体及び地方団体相互間の関係ということに置き換えたわけでありまして、そのような章の趣旨を改めまして規定を追加いたしたわけであります。
 七頁のところから逐条に御説明を申上げます。第一条は、そのようにいたしまして地方自治法が地方公共団体の組織運営に関する基本的な事項の大綱を定めるものであるということを明らかにいたしますために、第一条といたしまして新たに目的を掲げることにいたしたのであります。従いまして第一条でありましたものが第一条の二に移つたわけであります。
 第二条の第二項の改正部分は提案理由の説明にもございましたが、従来法令によりまして、即ち総理府令なり各省の省令によりまして地方団体に事務委任ができておりました建前を改めまして、法律又はこれに基く政令によらなければ事務委任ができないということにいたしました改正の部分でございます。第三項はそれに応じまして、規定を法令とありますのを法律又はこれに基く政令というふうに整理をいたしたのであります。次の頁に参りますと、第三項の第五号でございますが、これらは地方団体が任意に行いますところの事務を例示いたしておる条項でございますが、この中にやや規定を整備いたしまして新たに加えることにいたしました。即ち公民館というところに博物館、体育館というものを加えましたし、それ以外に教育、学芸というふうな言葉になつておりましたが、こういう言葉は最近の法制上は使わないそうでありますのでこれを教育、学術、文化というふうに改めたわけであります。第六号はやはり同様でございまして、厚生行政関係の施設の名称その他を新しいものに整備をいたしたわけであります。第九号も同様でございます。第十号は労働組合、労働争議の調整、労働教育その他労働関係に関する事務というものも、基本的には地方団体が公共の福祉という観点から行うべき事務と観念すべきであるという意見がございますので、第十号を加えたわけでございます。それに伴いまして以下号の番号を整理をいたしました。次の頁に参りまして四項を新たに加えましたが、法律又はこれに基く政令によりまして地方公共団体に義務ずけられておりますところの事務を別表に掲げることにいたしましたので、第四項はその中の都道府県が義務的に処理しなければならないものを掲げるという基本規定でございます。これを別表第一として掲げることにいたしたわけであります。五項は市町村の義務的処理に属するものを別表第二として掲げることにいたしました。次の頁の八項は、地方公共団体に関する法令の規定につきましては、各種のいろいろな法令がございますが、これらはすべてそれぞれの行政の目的によつて地方公共団体を動かすというような考え方のために、地方公共団体そのものの運営につきましての考え方がやや足りないような点がございますが、これらもすべて法令を解釈し運用するのは地方自治の本旨に基いて行うべきであるという基本的な建前を八項において明らかにしたわけであります。第九項は地方公共団体が事務を処理するに当りまして、住民の福祉の増進に努めると共に、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。今回の改正法の目的が地方団体の組織運営の合理化、能率化ということを主眼といたしておりますので、その運営の基本的な建前を規定をいたしたのであります。十項は、組織及び運営の合理化に努めるということを地方団体の運営の基本的な方針とするために加えた次第であります。十一項は整備の規定でございます。
 次に第三条に参りまして、第四項、第五項でございますが、地方団体の名称、特に市町村等の名称の変更につきましては条例で行うことになつておりますが、その場合に知事が許可を与えております。この名称変更等の場合の措置が政府において容易に把握できませんために、例えば郵便局の管轄区域を改めますとか、集配区域を変えますという場合に、予算上の措置その他において適切を欠くというようなことがありますので、爾後名称変更につきましては、これを報告を求めまして、報告を求めましたときには総理大臣は直ちに国の関係行政機関に通知をするということにいたしたのであります。
 第四条は地方団体の役場とか県庁、市役所等の位置を定める場合につきまして、住民の利用に最も便利であるように適当な考慮を払わなければならないという基本的な規定をおいたのでございます。すべて能率的或いは合理的な運営という点に着目をいたしまして、新たに規定を加えた次第でございます。
 第六条は、従来地方公共団体の区域に属しませんでした地域というものを、新たに地方公共団体の区域に加えますための法的手続が現在欠けておりますので、所属未定地と同様なものというふうにも考えられますが、新しい手続を加えることにいたしたのであります。これは第七条の二というところで御説明を申上げます。
 第七条は市町村の廃置分合や市町村の境界変更に関する規定でございますが、市の廃置分合につきましては調査委員会議の勧告では人口五万以上に引上げるというようになつておりますが、この際それをいたすことは控えまして、ただ勧告のもう一つの点である、国に協議をいたしまして市にいたします場合の手続を慎重ならしめる点についての規定を第二項に加えたわけでございます。第七項は、市町村の廃置分合や境界変更につきまして都道府県の知事の処分によつて直ちに効力を生じておりますが、最近これらの処分につきまして種々問題が起つておりますので、やはり総理大臣が告示をいたしましたときに処分の効力が発するというふうにいたしたいというのが第七項の改正規定でございます。第七条の二は先ほど申上げました従来地方団体の区域に属しなかつた地域を府県又は市町村の区域に編入をいたす手続を定めたものでありまして、内閣が利害関係があると認められる都道府県又は市町村の意見をあらかじめ聞きましてこれを定めるという手続を加えたわけでございます。
 次に第八条に参りますが、第八条の三項の改正部分は、町村を市といたします場合、或いは市を町村といたします場合の規定でございますが、市の廃置分合についてあらかじめ協議を内閣総理大臣にするということにいたしましたので、規定を重ねて書くことにいたしまして、市を町村とする処分と町を村とする処分が同一でなくなりましたので規定を改めた次第でございます。第八条の二は、都道府県知事が市町村の廃置分合や境界変更の計画を定めまして関係市町村に勧告をする、そうして市町村の規模の適正化を促進するための規定を新たに加えたのであります。第二項におきまして、このような計画を定めます場合には、関係市町村或いは当該都道府県の議会及び当該都道府県の区域内の市町村の議会、又は長の連合組織その他の関係のある機関及び学識経験を有する者等の意見を聞いて定めるということにいたしておるのであります。第四項におきましては、内閣総理大臣がその報告を受けました場合には、第五項の規定によりまして国の関係行政機関の長に対しましてその旨を通知いたします。国の関係行政機関の長はそのような計画に基きます廃置分合や境界変更につきましては、これを促進するために必要な措置を講じなければならないという規定を第六項においたわけであります。これによりまして廃置分合、境界変更をやりましたけれども、それに伴ういろいろな関係の国の機関の措置が遅れて困るというような点を防止しようといたしたいのであります。
 第九条は、市町村の境界に関する争論に関する改正規定でございます。現在その黒い部分に書いてございますように、市町村の境界に関して争論があります場合には、裁判所に確定の訴えを提起するということになつております。裁判所で司法的に解決をいたします前に、先ず行政的に或る程度これを解決する途がないか、それによつて現在の境界に関する争論を早期に解決をしたいというのが現在の市町村の境界に関する争論の実態に徴しまして考えられます点でございます。従いまして第九条を全文改正をいたしまして、先ず境界に関しまして争論がありますときには、府県知事は関係市町村の申請に基きましてこれを調停に付することができるようにいたしたいのであります。調停に付しましても境界が確定しない、即ち調停案をのまないという場合に、すべての関係市町村の申請に基いております場合には、これは府県知事は裁定ができるということにいたしております。これらの申請につきましては第四項の規定によりまして関係市町村の議会の議決を経なければならないことにいたしております。これらの規定によりまして市町村の境界が確定をいたしましたときには、市町村の境界変更、廃置分合の手続と同様に、内閣総理大臣に届出でまして、内閣総理大臣がこれを告示し、国の関係行政機関の長に通知するという規定を以下においておるわけであります。併しながら調停をのまない、或いは裁定もうまく行かないというような場合がございます。裁定に不服である場合がございますので、第八項以下にその後の解決方法といたしまして関係市町村が裁判所に出訴する途を開いておるのであります。特に第九項におきましては、調停或いは裁定に適しないと都道府県知事が認めた場合でありますとか、或いは折角申請を関係市町村がいたしましても一定の日までに、即ち申請をいたしました日から九十日以内に何らの措置が講ぜられないというような場合にも、同様に早期に紛争を解決する必要がございますので、裁判所に出訴する途を開いたのであります。第九条の二は市町村の境界が判明ではない、まあ争論はないが判明ではないという場合の境界の確定の手続を規定をいたしました。現行法では第九条の中に一緒に規定をしておりますのを、今度は第九条の二として新たに加えたわけでございます。争論がない場合には県知事が関係の市町村の意見を聞いてこれを決定することができるということにいたしておるのであります。勿論この場合にも第四項の規定にございますように、その決定に不服がありますときには関係市町村は裁判所に出訴することができる途を開いております。
 次に第十三条は地方公共団体の住民の基本的権利を規定をしておるところでございますが、この際この中に更に教育委員会の委員の解職の請求の権利というものを書き加えることにいたしたのであります。地方自治法としてはこの規定が欠けておりましたので、この規定を基本規定として書き加えることにいたしました。
 第四章は選挙の章でありましたものが公職選挙法の施行に伴いまして削除されておりましたが、やはり地方自治法が地方団体の組織運営の基本法であるという建前を貫きますために、第四章選挙という規定を置きまして、基本的な規定を四カ条だけ加えることにいたしたのであります。即ち第十七条を読んでみますと、「普通地方団体の議会の議員及び長は、別に法律の定めるところにより、選挙人が投票によりこれを選挙する。」別に法律に定めるところによりとは勿論公職選挙法のことを指しておるのでありますが、そのようにいたしまして議員、長の選挙の基本規定、第十八条は選挙権の基本規定、十九条は被選挙権の基本規定、二十条は教育委員の選挙に関する基本規定というものを入れたわけであります。第七十五条は、今度改正法によりまして各種の委員会を明確に地方自治法中に基本的な規定を入れることにいたしましたので、これに従いましてこれらの関係の規定のありますところは明確に教育拳員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、地方労働委員会、農業委員会等の規定を整備をして加えた次第であります。七十五条の三項の改正部分も同様であります。八十四条は公職選挙法という名前が出ます最初の条文になりますのでここに番号を入れることにいたしました。第九十条が都道府県の議会の議員の定数に関する規定でございます。現在の規定によりますと画一的に法定されておりますが、今回は先ほどの提案理由の説明にもございましたように基準を掲げるのみといたしまして、そうして当該都道府県の人口に応じて条例で自主的にこれを決定するということにいたしたのであります。ただその基準として掲げます数はおおむね調査委員会議の勧告及び戦前の定数等を検討いたしまして、現在の数より基準を下げて規定をいたしております。即ち第一、都につきましては百一人、道は八十三人というふうに規定をいたしました。都、道は別に一号づつ掲げまして、あとの府県につきましては百万未満、百万以上二百五十万未満、二百五十万以上、こういう三段階にいたしたのであります。この基準数によりますと、おおむね現行定員より平均いたしまして十名内外の下げた基準になつておるわけであります。第二項はこのような条例で議員定数を定めることにいたしましたが、その場合には第二条第九項、第十項と申しますのは、常に最小の経費で最大の効果を挙げるとか、或いは地方団体の組織運営の合理化に常に留意をしなければならないという、地方団体の運営の基本的な規定の趣旨に適合するようにこれを定めなければならないという基本規定、この条例で議員の定数を定める場合にも基本的な建前としなければならないという規定を入れたわけでございます。第三項、第四項はこの条例で議員定数を定めます場合にも、あらかじめ公聽会を開きまして広く住民の意見を聞いてその定数条例を設けましたり、或いは改正することを期待をしておるわけであり、勿論この議員定数は一般選挙を行う場合でなければこれを増減することができないというようにいたしております。
 第九十一条は市町村の議会の議員定数に関する規定でございますが、やはり根本の建前といたしましては現行法が法定制度でございますのを改めまして、基準を掲げることにいたしまして、市町村の人口に応じて条例で定められるようにいたしたのであります。段階は百五十万以上の市、五十万以上百五十万未満、二十万以上五十万未満、五万以上二十万未満、一万以上の町村、人口五万未満の市、人口一万未満の町村こういう六段階に分けまして、これに従いましてそれぞれの数を参酌をいたしまして決定をいたしました。二項はやはり同様な趣旨でございましてこの定数を定める場合には組織運営の合理化、住民の福祉の実現というような基本的な精神でこれを定めるべきであるということと、その次は公聽会を開いてその数を決定する場合には、広く住民の意見をあらかじめ聞かなければならないという規定でございます。勿論これらの議員定数は基準でございますので、ここに掲げておりますように必ずしも奇数をとるとか偶数をとるとかいう必要はありませんが、今回は奇数主義をとることにいたしております。これは同数の議員が選ばれました場合に、即ち与党、野党と申しますか、そういうような関係にあります場合に、偶然にも同数選ばれました場合には議会運営が非常に困難になる実情でございますので、あらかじめ奇数を基準にしてこの弊害を避けようという趣旨に出ずるものでありますが、もとよりこれは基準でございますので、条例で偶数にも勿論定められます。或いはこれらの基準をこえて定めることも可能でございます。ただ基本的な建前として奇数主義を一応とつたということでございます。第六項の但書を削除いたしましたのは、市町村の議員定数につきましても同様に一般選挙の場合でなければ議員定数の増減ができないというのが原則でございますけれども、市町村につきましては廃置分合、境界変更等によりまして著しく人口の増減がありました場合には、任期中におきましても議員定数の増減を認める必要がございます。併しながら現行法におきましては新たに合併をいたしました場合の新しい人口に基く定数までしか増減ができないということになつておつたのでございますが、基準主義をとります関係と、市町村の合併等の促進に便利に役立たしめるために、そういう基準をこえて定数を定めることも可能にいたしますために但書を削除いたしたのであります。
 第九十六条の改正部分はこれは規定の整理でございます。九十七条も同様に規定の整理でございます。九十八条も委員会関係の規定の整理でございます。第九十九条も同様であります。九十九条の条文はこの改正法によりますると、九十八条と全く同様でございまして、「選挙管理委員会、監査委員、公安委員会又は教育委員会」とありますのを、各委員会の規定を具体的に定めましたので「教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、地方労働委員会、農業委員会又は監査委員」に改める規定でございます。委員会関係の整理の規定でございます。
 次に第百一条は地方団体の議会の開会に関する規定でございますが、先ず百二条の改正との関連におきまして、従来臨時会の招集につきましては議員定数の四分の一以上のものから請求がありました場合に、単に当該普通地方公共団体の長はこれを招集しなければならないということのみでございましたが、今回の改正におきましては、請求のあつた日から都道府県にあつては三十日以内、市町村にあつては二十日以内に招集しなければならないという規定に改めまして、招集義務の発生の日を確定することにいたしましたのであります。
 第百二条は定例会制度を改めまして通常会と臨時会にいたしました。そうして通常会につきましては、毎年二月又は三月にこれを招集しなければならないということにいたしたのであります。これは提案理由の説明にもございましたように、議会の開催を議会の付議事件というものとの関連なしに毎年何回以上招集するというような開催の方法というものは少くとも合理的ではないという考え方で改正を加えられたものであります。通常会におきましてはその会期は府県にあつては三十日、市にあつては十日を例とするという規定になつております。従いまして通常会がそういうことになりますと臨時会の性格を変える必要がございます。従いまして臨時会につきましては先ず第一に通常会以外の場合にはすべて臨時会になるわけでございますので、前の条文のところで御説明申上げましたように、四分の一以上の請求がありました場合には必ず三十日以内、二十日以内にこれを招集しなければならないということにいたしましたのが臨時会についての改正の第一点でございますが、この第三項におきまして議員の一般選挙がございました場合、或いは長が更迭をいたしました場合には、やはり同様に選挙の日から府県にあつては三十日以内、市町村にあつては二十日以内に臨時会を招集しなければならないことにいたしました。なお第五項の改正におきまして、従来臨時会に付議いたします事件はあらかじめ告示をいたしました事件に限られるのが原則でございまして、それ以外には臨時会の開会中に急施事件というもののみについて付議することができるようになつておりましたが、今回改正を加えまして、告示いたしました事件のほか急施事件のみならず、臨時会の開会中に付議事件があればすべてこれを付議することができるというふうに改めたのであります。第百十八条に参りますがこれは字句の整理でございます。
 第百二十一条は委員会関係の字句の整理でございます。第百二十五条も同様であります。第百三十八条は定数条例は常勤の職員に限るというのが原則であるということを明らかにいたしますために、職員とありますのを常勤の職員ということに改めた次第であります。
 第七章、執行機関通則に入ります。第百三十八条の二は、各種の執行機関を通じまして先ず執行機関が執行いたします際の心がまえと申しますか、そういう基本規定を入れたのであります。即ち普通地方団体の執行機関が、現在でも他の委員会等におきましては、あたかも国の機関のごとき観念によつて運営をされております。この点を改めますために、普通地方団体の執行機関は先ず当該地方団体の条例なり予算その他議会の議決に基く事務を第一に執行すべきである、同時にその次には法令、規則その他の規定に基く当該地方団体の事務が第二番目に規定をされております。それの次に国、他の地方団体その他公共団体の事務を処理するのであるという原則を明らかにいたしたのであります。
 第百三十八条の三は、執行機関の組織が系統的に組織されなければならない、すべての執行機関は普通地方団体の長の所轄の下に属するということを明らかにする規定として第一項を加えたのであります。
 第二項におきましては、先ず地方団体の一体的な行政機能の発揮に努めなければならないという点でございます。第三項は執行機関相互の間の権限について疑義が生じました場合には、普通地方団体の長がこれを調整するように努めなければならないという規定を置いたのでございます。
 第百三十八条の四は、執行機関として地方団体の長のほかに委員会、委員を法律の定めるところによつて置くという基本規定でございます。第二項は、委員会は法律の定めるところによりまして法令や当該地方団体の条例、規則に違反しない限り、権限に属する事務に関しまして規則その他の規程を定めることができる。即ち各種の委員会の規則なり規程というものの位置を明らかにいたして関係ずけたわけでございます。第三項は、執行機関の附属機関として各種の審議会なり調査会の規定がどのような位置にあるのかということを明らかにいたしますために、その基本的な規定として入れたわけでございます。
 第一節地方団体の長とありましたのが、第一節通則を加えましたので第二節と改まつたわけでありますが、百四十八条の一項の改正規定は、普通地方団体の長の機関委任の事務につきまして、従来は省令等によりましても行われたのでございますが、地方団体自体の事務委任につきまして法律又は政令でしなければならないということにいたしましたのと同様に、機関委任事務につきましても法律又はこれに基く政令によらなければならないことに改めた次第であります。第二項は先ず都道府県知事の機関委任事務につきまして、事務的な処理に属すべきものを別表第三として掲げることにいたしたのであります。第三項は、市町村長の機関委任事務につきまして別表第四として掲げることにいたした規定でございます。第百四十九条は整理の規定でございます’。
 第百五十二条は副知事或いは助役も条例で置かないことができるという定めをするようにいたしましたので、副知事や助役を置かない地方団体におけるところの職務代理者の規定を加えますために、従来は助役を置かない市町村の場合のみの規定でございましたところを加えまして、副知事若しくは助役を置かない地方団体というふうに改正を加えたわけであります。第百五十五条の第三項もこれは改正に基く整理の規定でございます。第五項は支庁、地方事務所、支所、出張所、区の事務所等の地方団体のそういう基本部局と申しますか、そういう出先機関につきましてもやはり第四条第二項の規定を準用いたしまして、その位置を定めます場合には住民の便利を図り、且つ他の官公署等との関係や交通の事情等について適当な考慮が払われなければならないということを明らかにいたしたのであります。
 第百五十六条第三項は、地方団体の行政機関につきましてもその位置を定めます場合には、そういう住民の便利を図り他の官公署との関係を考えなければならないという規定として第三項に第四条第二項の規定を準用することといたしました。第四項は法律によりまして地方団体が行政機関を義務的に設置しなければならないことに定めておりますものにつきまして、別表第五としてこれを掲げることにいたしたのであります。第五項は警察機関の下に新たに検疫機関という字句を挿入することにいたしましたが、これは国の地方行政機関を設置いたします場合には国会の承認を経なければならないことになつておりまして、第五項はその例外の規定でございます。検疫機関と申しますのは、先ず人につきましては外国から入つてやつて来る人についての検疫でございます。それから植物、動物につきましては農林省関係の輸入動植物についての検疫がございますが、このような機関は地方行政に直接影響するというようなわけでもありませんので、関係省の要求に基きましてこれを除外例のほうに加えることにいたしたのであります。
 第百五十八条は都道府県の局部に関する規定でございます。局部につきましても条例でこれを定めることにいたしまして、従来の必置部或いは随意部という制度を改めたわけであります。分類といたしましては第一に都でございます。都は八局にいたしております。第二に道であります。道は八部であります。第三が人口二百五十万以上の府県、二百五十万以上の府県になりますと、民生部、衛生部それから労働部、商工部、農林部というように分れております。第四に百万以上二百五十万未満の府県におきましては、民生、労働が一緒になりまして民生労働部になつております。従いまして部が六部に縮まるわけであります。第五の百万未満の府県になりますと、民生、衛生、労働が一緒になりまして厚生労働部ということになつております。又商工部、農林部が一緒になりまして経済部ということになつておりますので、基本部局といたしましては四部ということになります。なお第二項におきまして都道府県知事は必要があります場合には、条例で局部の名称或いはその所掌事務の変更或いは局部の数の増減を行うことができるようにいたしております。この場合にはやはり地方団体の組織運営の合理化ということを基本的な建前にして考えるという趣旨で、第二条第九項及び第十項の規定の趣旨に適合し、且つこの府県の局部というものは、単に府県の局部という性格の一面に、更に国の国政事務についてのいろいろな執行をやるという一面がございますので、国の行政組織との関連、或いは他の都道府県の局部との組織との間の権衡というものを失しないように定めなければならないという規定を第二項に置いたわけであります。なお第三項といたしまして次の頁にありますように、局部の数を増加いたしますための条例を設け、又は改正をしようとするときには、府県知事はあらかじめ内閣総理大臣に協議をするということにいたしております。これによりまして成るべく局部の数の増加というものについては慎重な手続をとるということになつておるわけであります。
 次の頁に入りまして、市町村の分課につきましては従来と同様変更はございませんが、やはり分課を設ける場合におきましては合理化の趣旨及び他の市町村の部課との組織との間の権衡ということを念頭におきますために、第六項の下に新たに規定を加えたわけであります。
 第百六十一条は副知事の必置制を改めまして、条例で定めればこれを置かないでもよろしいというふうにいたしたのであります。これによつて実際の必要と行政の簡素化という両方の点を目的といたしまして但書を加えることにいたしました。第二項は従いまして人口二百万以上の府県にありましては二人、三百万以上の府県にありましては三人まで増加するという規定を削除いたしました。又第二項、第三項の改正は、町村のみは条例で行うことができるように助役についてなつておりましたものを、市も含めまして条例で行うことができるようにいたしますために、「町村は」という字句を削除することにいたしたのであります。副知事及び助役につきましては第四項にまとめて条例で定数を増加することができるという規定を加えました。
 第百六十八条は出納長につきましてこれを随意設置にいたしますために、第一項から出納長の字句を削ることにいたしたのであります。そうして第三項に都道府県と市町村の場合をかためて規定をすることにいたしました。出納長、收入役の実態に即するようにいたしますために、一般職に切換えをいたしまして事務吏員の中から長がこれを命ずるということにいたしたのであります。五項、六項はそれによる関係規定の整理でございます。第百七十条は委員会の改正規定のための整理でございます。
 第百七十条の第四項は副出納長や副收入役を置かない地方団体が出て参ることが予想されますので、その場合の職務代理者、即ち出納長や收入役の職務代理者の規定を整備いたしまして、あらかじめ代理すべき吏員を定めておくということにいたしたのであります。第百七十二条の第三項の但書は、定数条例は常勤の職員について設けるということを明らかにいたしますために但書を加えたのであります。第百七十三条の二は地方団体の長の補助機関でありますところの職員の中につきましても、国は法律或いは政令によりまして特別な資格や職名を付しまして、而もその職員を義務的に置かなければならないことにいたしておるものがかなり多いわけであります。従いましてこれらのものは別表第六といたしまして別表に掲げることにいたしました。第百七十四条の第四項の改正規定は專門委員は原則として非常勤であるということを明らかにいたしますために規定を加えたのであります。
 第五款、他の執行機関との関係に入ります。百八十条の二は地方団体の長が、その権限に属する事務の一部を委員会又は委員の同意を得まして、その委員会或いはその補助職員に委任をさせましたり、或いは補助職員をして補助執行をさせることができる。これによつて機構の簡素化、合理化、能率化ということを図ろうといたしておるのであります。第百八十条の三は、委員会や委員の申出がありました場合には、地方団体の長は、その自分の事務を補助する職員をこれらの委員会の事務を補助する職員と兼ねさせましたり、或いは補助する職員に充てましたり、或いはその事務に従事させたりすることができるということにいたしておりまして、これによりまして各種の委員会等に事務局を置き、專門職員を置かなければならないという体制を少くしようとしておるのであります。第三節は委員会及び委員、即ち他の執行機関に関する規定でございます。
 第一款通則といたしまして、第百八十条の四といたしましては、先ず置かなければならないとされておる委員会が左の通りであるということにいたしまして、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会又は人事委員会を置かない普通地方団体にあつては公平委員会、農業委員会、これが府県、市町村を通じて置かなければならないことに法律的に定められておる執行機関であります。第二項はそのほかに府県に置かなければならない委員会、委員として、地方労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、監査委員、これだけのものを規定をしておるのであります。それ以外に府県には法律の定めるところによりまして、都道府県国家地方警察の運営管理を行いますところの府県公安委員会というものがございますが、府県公安委員会につきましては単純に都道府県の執行機関というふうにも言いかねる面がございますので、第三項として一項別な規定を置いたわけでございます。第四項は、第一項以外に市及び自治体警察を維持する町村に公安委員会を置かなければならないという規定を入れたのであります。第五項は特別に法律の定めがありますものを除きましては、これらの委員会の委員は非常勤とするということを明らかにいたしまして、行政簡素化と申しますか、経費の節約に資することも或いは職務の態様を決定することも明らかになるようにいたしたのであります。
 第百八十条の五は委員会或いは委員というものと長との関係でありますが、最も基本的なものとして他の執行機関としましては左の権限を原則的には有しないということで、先ず歳入歳出予算の調整、或いは議会の議決を経べき事件の発案権、地方団体の收入及び支出命令、或いは税、分担金、加入金、夫役現品等の賦課徴収権、過料を科する権限、或いは決算や証書類の認定を議会に待つ権限、こういうものは原則としては他の執行機関は有しないということを明らかにいたしました。
 第百八十条の六は、委員会や委員が、自己の権限に属する事務を地方団体の長の同意を得まして、地方団体の長のほうの補助機関たる職員、或いは支庁、地方事務所、支所、出張所その他の機関の長に委任しましたり或いは補助執行ができるようにさせるための規定でございます。これによりまして各種の委員会或いは委員が、わざわざいろいろ出先機関を改めて設けるということのないように配慮いたしたいと考えておるわけであります。
 第二款、教育委員会につきましては、やはり他の執行機関中で最も強力な権限と最も独立性の強い機関でありますし、又教育委員会の有する仕事の重要性に鑑みまして、第二款として教育委員会のみの基本規定を掲げることにいたしておるのであります。第一項は、教育委員会法の定めてあります通りに教育委員会の任務を掲げております。第二項は、教育委員会の権限に属します事務で、機関委任事務とされておりまして、教育委員会が事務的に処理しなければなりませんものにつきましては、府県の教育委員会にありましては別表第三、市町村の教育委員会にあつては別表第四といたしまして、知事の機関委任事務と同様に市町村長の機関委任事務を別表に掲げることにいたしたのであります。第三項は、教育委員会の任命する職員のうちで法律によりまして特別の資格又は職名を有する者につきましても、知事、市町村長の職員中のこれらの者と同様の考え方によりまして、これの義務的設置に属するものにつきましては別表第六として掲げることにいたしたのであります。
 その次に第三款といたしまして、新たに選挙管理委員会の規定がここの位置に入ることになりました。選挙管理委員会につきましては、現在府県の選挙管理委員会が六人、市町村の選挙管理委員会が四人でありますが、これにつきましてやはり行政簡素化という趣旨からそれぞれ検討を加えました結果、都道府県及び第百五十五条の第二項の市即ち五大都市につきましては四人、その他の市及び町村にあつては三人ということに縮減をいたしたのであります。
 第百八十二条の第四項の改正部分は、そのように選挙管理委員会の数を滅しましたので、委員又は補充員につきまして同一政党その他の団体に属する者の禁止規定を、同時に二人が同一政党に属することになりましては選挙管理の事務の遂行の統制を害する虞れがありますので規定を改めたわけであります。第百八十六条第一項は字句の整理であります。第三項は選挙管理委員会の機関委任に属する事務で事務的に処理をしなければならないものというものは、やはり県知事、市町村長と同様に、府県の選挙管理委員会にありましては別表第三、市町村の選挙管理委員にありましては別表四として掲げることにいたしたのであります。
 第百八十九条は、委員会の開催のための定足数でございますが、これにつきまして委員の数を減しました結果、府県、五大市につきましては現在通りでありますが、その他の市につきましては三人になりましたのですべての委員ということにいたしたのであります。
 第百九十条第二項を整理いたしましたが、これは市町村の選挙管理委員について三人という場合がございますので、このような場合には委員長が委員として議決に加わる権限を有しないことは却つて不都合でございますので、委員として議決に加わる権限を有せしめますために第二項を整理いたしたのであります。
 第百九十一条は、選挙管理委員会に書記その他の職員を置くことを原則にいたしておりますのを改めまして、そういう特別の職員を置くことができるということにいたしたのであります。第二項は、職員は常勤の職員に限るということにいたしますために改正を加えます。第三項は、第百八十条の三の規定による職員と申しますのは、知事、市町村長の職員をそれらの選挙管理委員会の職員に充てることや事務に従事させることができることになつておりますが、これらの職員を充てましたら事務に従事させました場合には、それらの職員は委員長の指揮を受けて委員会の事務に従事するということを明らかにいたしますために加えたわけであります。
 監査委員の改正の規定に入りますと、第百九十五条の第三項但書は、市にありましては条例で監査委員を四人とすることができるということになつておりますが、これにつきまして政令で規定する市にあつては条例で四人とすることができるということにいたしまして、現在の監査委員四人をおいております状況、或いは公営企業等を営んでおります状況等を勘案いたしまして適当に規定いたしたい、かように考えております。第百九十六条の三項は、監査委員につきましても原則として法律の特別の定めがございませんと、非常勤になりますので、学識経験を有する者の中から選任されるものはこれを常勤とすることができるという規定を第三項として入れたのであります。第百九十九条第二項は、監査委員が監査をするに当りましての一つの基準、基本的な態度といたしまして、やはり今回の改正の趣旨に基きまして、第二条第九項及び第十項ということを加えたのであります。即ち市町村の或いは地方団体の組織運営が、合理的に最小の経費で最大の効果を上げておるかどうかということが、監査委員の監査の狙いであるということを明らかにいたしますために第二項の規定を追加いたしました。それから次の頁に参りまして第六項は委員会の改正規定に基く整理であります。第八項は、監査委員の監査の結果に基きまして必要と認めました場合には、地方団体の組織運営の合理化に資するために、監査の報告と同時にその意見を提出することができるということにいたしまして、監査委員の監査の結果に基く意見を尊重いたしまして、組織運営の合理化に期せしめようとするようにいたしますために規定を加えたわけでございます。
 第二百条は、定数条例で常勤の職員について定めることを原則といたしますための改正規定でございます。第三項は、知事、市町村長の職員を以て充てます場合にこれらの職員の指揮、監督をするということを明らかにいたしますための改正規定でございます。
 第五款といたしまして、その他の執行機関、即ち人事委員会以下農業委員会その他に至りますまでの執行機関を一括して第五款として規定いたします。即ち第二百二条の二は人事委員会に関する基本規定であります。第二項は公平委員会に関する基本規定であります。第三項は公安委員会に関するものであります。第四項が地方労働委員会、第五項が農業委員会、第六項が収容委員会及び海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会に関する基本規定であります。第七項といたしまして、これらの委員会中機関委任事務としてその処理が義務付けられておりますものにつきましては、府県のものにつきましては別表第三、市町村につきましては別表第四として知事、市町村長の機関委任事務と同様に掲げることにいたしました。第八項といたしまして、市町村の公安委員会中の職員中で法律で定める特別の資格、職名を持つておりますものを別表第六として掲げることにいたしたのであります。
 第六款は附属機関に関する規定でございます。附属機関は条例でも附属機関を置くことができるということを明らかにいたしますために、「又は条例の定めるところにより」という規定を入れたのであります。第二項は、附属機関の委員その他の構成員は非常勤とすることを原則としております。それから附属機関の庶務は、特別に庶務その他を設けるという趣旨を排除いたしますために、特定の定めがあれば別でございますが、原則としてその属する執行機関が掌るということにいたしているのであります。第四項は、附属機関で法令で地方団体に設置を義務付けられましたものにつきまして別表第七として掲げることにいたしたのであります。
 策八章「給与」の規定は「給与その他の給付」というふうに改正いたしまして、第二百三条は、これらの委員会の常勤、非常勤の関係を前の規定で明らかにいたしましたので、その規定を整理いたしましたのが第二百三条の第一項でございます。第二百四条は常勤の職員につきましての規定でございますが、これらの改正規定に基きまして規定の整理をいたしました。
 第二百七条は、公聽会その他証人等として選挙人その他の関係人が喚ばれました場合の実費弁償に関する規定でございますが、今回の改正によりまして更に出頭した当事者とか関係人の場合をきめましたので、それらの関係規定を整理いたしたのであります。第二百十三条も規定の整理でございます。
 第二百十七条は第四項でございますが、ここにはじめて従来の規定でありますと公聽会を開きます場合の手続が定めてございますが、今回の改正によりまして第九十条、第九十一条の府県会の定数のところで公聽会の開催日数を定めましたので、この規定は九十条四項の規定を準用することにいたしまして改正をしたのであります。
 第二百二十二条は、地方団体の長又は委員会は政令の定めるところによりまして手数料を徴収することができる。即ち機関委任事務につきまして委員会が手数料を徴収し得ることにいたしますために「又は委員会」という規定を入れたのでございます。
 第二百二十三条は、これは第一項は字句の改正でございます。第二百二十八条は、今までの改正に基きましてやはり字句を改正をいたしました。第二百二十九条も同様でございます。第二百四十三条も同様でございます。第二百四十四条の二も同様でございます。第二百四十五条も財務に関する規定を命令で定めるということになつておりますが、他の法令によりまして法律又はこれに基く政令以外には定められないことにいたしましたので、やはり政令に改めることにいたしているのであります。
 第十章が監督の章でございますが、先ほど御説明申上げましたように監督という観念を改めまして、国と地方団体との関係及び地方団体相互間の関係ということにいたしまして両者の協力関係を明らかにすることにいたしたのであります。
 第二百四十五条の三は、内閣総理大臣や都道府県知事は地方団体の組織、運営の合理化に資するために技術的な助言や勧告をすることができるという規定でございます。又第二項は、地方団体のほうからそれらのことを求めることができるという規定でございます。第三項は、内閣総理大臣又は都道府県知事は組織、運営の合理化に関する情報を行地方団体に提供いたしますために、先ず地方団体から資料の提出を求めることができるという規定でございます。第四項は、主務大臣、都道府県知事若しくは都道府県の委員会若しくは委員は、その担任する事務について同様に技術的な助言や勧告ができる。又第五項は、地方団体の長や委員会、委員等は、主務大臣、都道府県知事等にその担任する事務についての助言や勧告を求めることができるという規定でございます。
 二百四十五条の三を加えまして、これによりまして国と地方団体との関係というものは監督ではなく、両者が互いに相協力して高い水準における地地方団体の行政を維持して行くという努力をするということを明らかにしたわけであります。
 第二百五十一条は、地方団体の紛争調停に関する規定でございます。第一項におきまして地方団体相互間、地方団体の機関相互間に紛争がありました場合には、都道府県や都道府県の機関が当事者でありますものは内閣総理大臣、その他のものにつきましては、都道府県知事が当事者の申請に基き又は職権によりまして、自治紛争調停委員の調停に付することができることになつております。職権によることができるようにしましたのは、調停につきましては受諾の義務はございませんし、必ずしもこれに従う義務はございませんので、ただ紛争の解決を図るということが必要でありますから、職権による場合をも認めたわけであります。それで自治紛争調停委員と申しますのは、これは二項に書いてございますが、これは三人を基準にいたしまして、事件ごとにこれを委嘱する、そうして学識経験を有する第三者を選ぶことにいたしております。そうして紛争の種類によりましては他の当該事件に関係のあります事務を担任いたしますところの主務大臣、或いは都道府県の委員会若しくは委員と協議をいたしまして、内閣総理大臣又は都道府県知事が自治紛争調停委員を任命することになつております。次の頁の第七項に、「第百八十二条第四項の規定は、自治紛争調停委員にこれを準用する。」と規定してございますが、これは選挙管理委員の同一の政党その他の団体に属する者が同時に二人なつてはならないという規定を準用いたしまして、自治紛争調停委員を任命いたします場合は必ず同一の政党やその他の団体に属する者を二人選ぶことができないことにいたしております。これによりまして紛争調停が公正に行われることを期するというわけであります。で調停は強制をいたしておりませんので、ただ受諾の勧告をいたしまして、調停による解決の見込がないというときには調停を打切りまして、事件の要点や調停の経過を公表するということにとどめることにいたしているのであります。次の頁に参りまして、当事者や関係人の出頭及び陳述を求める、これは証言とか、そういう恰好ではございませんので、ただ出頭や陳述を求めまして正確に調停をいたしたいというための規定に過ぎないわけであります。
 次に、少し長く、くどくなりますので簡単に御説明を申すことにいたします。第二百五十二条の二、第二百五十二条の三、第二百五十二条の四、第二百五十二条の五、第二百五十二条の六に亙ります条文は、これは地方公共団体の協議会に関する規定でございます。即ち地方公共団体は、その事務の一部或いはその機関に属する事務の一部を、他の地方団体と共同いたしまして共同に処理し、或いは又その連絡調整を図りますために、協議によりまして規約を定めまして協議会を設けることができるということにいたしているのであります。ただこの場合に機関委任事務につきましてはやはり国との関係がございますので、府県の加入するものは内閣総理大臣、その他のものは府県知事の許可を受けるようにいたしておりますが、それ以外の団体自体の事務につきましては特別にその他の規定を設けていないわけでございます。これが現在このような共同処理方式といたしましては地方団体の組合というのがございます。組合でありますと事務機構、組織その他の点におきまして複雑でございますので、より簡素な共同処理方式を設けることが必要であるということが地方行政調査委員会議の勧告にもございましたので、先ず第一に協議会方式というものを定めたわけでございます。協議会は会長や委員で組織をいたしますがそれらはすべて関係地方団体の職員でございます。協議会の規約を定めておりますが、協議会と申しますのは、このような一つの申合せ的な会でございまして、この会がそれぞれの地方団体の名において行いました行為は、それぞれの地方団体の行為としての効力を生ずることになつているのであります。これによりまして各地方団体が共同して一つの事務を誠実に行うことができるようにいたしたわけであります。即ちその規定が第二百五十二条の五として、地方団体の協議会が関係する地方団体又は関係する地方団体の長その他の執行機関の名においてした事務の管理及び執行は、関係する地方団体の長その他の執行機関が管理し及び執行したものとしての効力を有するという規定を入れているのであります。協議会に関する経費は勿論関係地方団体が負担するところでありますし、協議会の事務に従事いたします職員その他につきましても、それぞれ関係地方団体からそれらの職員なりそれらに要する事務的な財産や営造物につきまして、どの程度分担するかというようなことはすべて規約で定めることになつているのであります。これによりまして地方団体が相互に共同いたしまして統一的な事務処理、能率的な事務処理をすることができるようにいたしたのであります。
 第二百五十二条の七から第二百五十二条の十三までの規定は、これは地方公共団体の委員会とか委員、附属機関、或いは地方団体の職員についての共同設置に関する規定であります。協議会は協議会として行われるのでありますが、委員会或いは委員、職員、特別な職員、例えば農業技術員でありますとかそういうものを市町村が集まりまして協同設置をすることができる。これによりまして能率的に事務を処理し、経費の節約を図ることができることにいたしますために、共同設置機関に関する規定を設けたのであります。これらのすべて原則としては規約でこれら一切の事項を定めることになつておりますが、ただ規約にのみ持つて行かれることは問題がはつきりいたしませんので、二百五十二条の九から十二に至ります間にそれらの基本的な関係だけを明らかにいたすことになつているのであります。でこれらの共同設置機関が設けられました場合には、従いましてその委員の選任の方法を書きましたのが二百五十二条の九でございます。それから議会の同意を得て選任するような委員につきましては、それぞれの議会の同意を得て選び、或いは規約で定めました地方団体の議会が選べばそれでよろしいというようにするか、いろいろな形をとつているわけであります。それから、それらの委員会や委員会の委員等につきましての解職請求というものはどのようにしてこれが運用できるかということを明らかにいたしますために二百五十二条の十の規定を入れてあるのであります。第二百五十二条の十一は、それらの委員会や委員の事務を補助する職員に関する規定でありまして、これは規約で定めました地方団体の職員を以て充てることを原則といたしております。それから予算につきましても、それらの規約で定めました一つの管理団体の歳入歳出予算として計上する事務その他につきましても、管理団体が監査をいたしまして、それが関係地方団体の長に報告し、公表をするというような規定を設けておりますのが二百五十二条の十一でございます。
 二百五十二条の十二は、この共同設置をいたしました委員会、委員又は附属機関というものに、それぞれの関係する地方公共団体の委員会や委員や又は附属機関としての力を持たせなければ意味がございませんので、その規定を加えたのであります。二百五十二条の十三は、今までは委員会、委員、附属機関についての規定でございまして、職員につきましては前五条の規定を準用するという形で二百五十二条の十三を入れたわけでございます。
 次に二百五十二条の十四から十六までの規定は、普通地方公共団体が他の団体に対しましてその事務を委託をいたしまして他の団体にこの事務を処理してもらう、というような手続を加えてあるのであります。現在でも例えば小学校の児童の就学委託というような制度がございますが、その関係を明らかにいたしますために、又更に如何なる事務につきましてもそういう委託が可能であるということにいたしまして、能率的な運営を図るということにいたしますために事務委託の一般的な規定を入れてあるのであります。これも勿論二百五十二条の十五に現われておりますように、主要事項はすべて協議によりまして規約で定めることにいたしているのであります。二百五十二条の十六は、これらの委託をいたしました場合におきましても、その委託をされた事務の範囲におきましては、これらの委託をされました執行機関等につきましての効力、法令上の適用の問題、或いは委託を受けた執行機関についての条例、規則その他のものが委託した地方公共団体にも効力を有するというような関係を明らかにいたしまして委託の効果を保障いたしますために二百五十二条の十六の規定を入れてあるのであります。
 第二百五十三条に参りますと、これは都道府県知事の権限に属します市町村に関する事件で、数府県に亙りますものにつきましてその事務を管理すべき都道府県知事を定めますのに、現在は関係府県知事の協議によつてこれを定めることになつておりますが、現在いろいろな所で協議がつきませんでそれぞれ紛糾をいたしているような問題がございまして、このような場合に協議か調わない場合におきまして、内閣総理大臣がその事件を管理すべき都道府県知事を定めるというような規定を入れることにいたしたのでございます。
 二百五十四条は、この法律におきまして人口云々という規定が相当ございますが、この人口とは官報で公示された最近の人口ということになつておつたのでありますが、この規定がやや不明確でございますので、官報で公示さえすればそれでこの法律の入口として適用があるというだけでいささか濫に流れる傾向がございまして、これがその他の人口についての関係法律の規定と調子がとれていない状況になつて参りましたから、それらを明らかにいたしますために「最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口」ということにいたしたのであります。
 第二百五十五条は市町村の廃置、分合、境界変更についての規定の改正に伴いましての整理であります。二百五十五条の二は、この法律に定める事項についての争訟につきましては、この法律に定める争訟の提起期間や管轄裁判所に関する規定によつて争うことを原則にいたしておりますが、市町村の境界の裁定、決定、確定寺についての新たなる争訟手続が設けられましたので、これを加えることにいたした改正規定でございます。
 第二百五十九条は郡の区域を新たに画しましたり、これを廃止しましたり、変更します場合の規定でございますが、それらにつきましても内閣総理大臣の告示ということを明らかにいたしますために、第四項において関係規定の改正をいたしたわけであります。
 第二百六十四条以下は特別市に関する規定でございますが、普通地方公共団体に関しましてそれぞれ只今まで御説明申上げましたような法律的改正を加えましたので、特別市の規定につきましても、現在特別市の規定が実際に動いてはおりませんけれども、理論的に一貫をいたさせますために、それぞれ所要の改正規定を加えることにいたしたわけであります。即ち二百六十四条の一項は「法律又は政令」とありますのを「法律又はこれに基く政令」、従来「法令」とありますのを「法律又はこれに基く政令」に改めたわけであります。二百六十五条の第四項、五項はやはり特別市の区域に従来地方団体の区域に属しなかつた地域を編入する手続として入れたわけであります。
 第二百六十六条は特別市と市町村或いは特別区との境界に関して争論がある場合の、第九条の二の改正規定に応じますために改正を加えたわけであります。第二百六十八条は特別市にも必ずしも助役を置かなくてもよろしいということにいたしますために、第一項に但し書を加えました。第三項は字句の整理でございます。二百六十九条は副收入役は条例で置くことができるということにいたしますための改正規定でございます。二百七十条の第四項は、特別市の区の事務所につきましても、郵便の便宜その他のことを考慮して定めさせますために、第四条第二項の規定を準用することにいたしております。
 第二百七十一条は区助役につきましても条例で置かないことができるといたしました。第二項については、特別区は行政区でございますが、ただ区長だけは公選をされることになつておりましたが、これにつきましては、特別区の区長についての選任方法の改正と相待ちまして、やはり行政区の区長を公選とするという手続が妥当ではございませんので、この部分の規定を削除することにいたしまして、区長及び区助役につきましては、第三項に区長の規定を加えまして、区長及び区助役は特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずるということに、はつきり理論的に一貫することにいたしたのであります。第四項は字句の改正でございます。第五項は区助役を置かない場合の職務代理者の指定についての規定を加えることにいたしました。
 第二百七十二条は、区の副收入役という規定を削除いたしましたので、これに関する改正規定でございます。第二百七十三条は委員会に関する整理の規定でございます。第二百七十五条は定数条例につきまして、臨時、非常勤の者はこれから除くための関係規定の改正でございます。第二百七十六条は行政区に選挙管理委員会が置かれておつたのでございますが、これは当該区には自己の選挙に関する事務がないということで、区に選挙管理委員会を置くということが、理論的には少くとも必要ではございませんので、行政区の選挙管理委員会を置く規定を削除いたすことにいたしまして、行政簡素化の趣旨にも合わせることにいたしたのであります。第二百七十七条は特別市に一般の市に関する規定を適用する関係の条文でございますが、改正法に基きまして、それぞれ改正規定を加えたわけであります。
 第二百八十一条は都の区に関する改正規定でございます。先ず第一に「都の区はこれを特別区という」というのを改めて、提案理由の説明にもございましたように、「都に区を置き、これを特別区という」ということにいたしまして、都の区の性格を明らかにいたしたのでございます。即ち特別区は都の内部的な部分的な団体であるという性格を明らかにすることにいたしました。第二項は「特別区は、左に掲げる公共事務及び行政事務で、国又は都に属しないものを、法律又はこれに基く政令の定めるところにより処理する」。ということにいたしまして、特別区の事務というものは法律上明確に定められた事務に限定をすることにいたしたのでございます。
 第一号は小、中学校、幼稚園、各種学校の設置、管理等の事務でございます。但し教職員の任用その他の身分取扱、教科内容及びその取扱、教科用図書の採択、その他のものは除くことにいたしておりますが、これは現在の都の区で行なつておりますのと同様の範囲の仕事でございます。第二号は主として当該特別区の住民の使用する公園、運動場、広場、緑地及び児童遊園等の設置、管理の事務を、特別区自体の事務とすることにいたしております。これにつきましては現在よりもやや実際上は広くなる、設置、管理の特別区自体の事務になりますものが広くなるはずであります。東京の区について申上げますればやはり広くなることになつております。第三号は図書館、公民館、公会堂の設置、管理の事務でありまして、これは大体現行法通りでございますが、ただ現行法以上になりましたのは、住民に対する社会教育というものが特別区自体の事務であるということを明らかにした点でございます。第四号は特別区の区域内の交通の用に供する道路の設置、管理の事務でございますが、これは現在特別区自体の事務になつておりませんので、この種の事務は単なる区長の機関委任事務になつておりましたのを、特別区自体の事務に移すのでございますから、この部分の仕事は区の自体の事務としては拡張をされたことになるわけであります。第五号は街路樹、道路の照明施設の設置、管理の事務でございますが、これらのものもやはり広くなつたものがございますが、道路の清掃事業、これにつきましては特別区自体の事務として増加した部分でございます。第六号は公益質屋、公衆浴場及び公共便所の設置、管理の事務でございます。東京の区について申しますと、本年の四月から公益質屋が特別区に移ることになつたということでございますから、これは大体同じ幅でございますが、公共便所につきましてはやや殖えておる部分があるということになります。第七号は公共溝渠の管理の事務でございます。これも区自体の事務として新たに殖えた部分でございます。公共溝渠と申しますのは汚物掃除法等に基きますところの溝渠でございます。第八号は身分証明、印鑑証明及び登録に関する事務、これもまあ特別区自体の仕事にしたわけであります。第九号は前各号に掲げるものの外、都の処理していない公共事務、これは特別区が処理することができる、それから法律若しくはこれに基く政令又は次の第三項の規定によりまして都の条例によりまして、特別区に属せしめられました事務も特別区として処理することができるということにいたしたのであります。即ち都が処理しておりません、およそ地方団体として行うべき公共事務というものは、特別区は当然に処理することができる、ただこれは都が処理していないということが一つの前提でございますが当然にできるということにいたしておるのであります。第三項の規定による都の条例により特別区に属する事務と申しますのは、第三項に原則としては、特別区の存する区域におきましては、第二項各号に掲げましたのが特別区の事務でございますが、原則的には法律又はこれに基く政令の規定によりまして、市が処理しなければならない事務とされておりますものは、第四項の規定によりまして都がこれを当然に処理することになつております。都がそういう意味では法律的には市と同格になり、特別区の存する区域においては都が基本的にそういう事務を処理する権能を有するということを明らかにいたしましたが、このような都に属するものでありましても、第三項の規定によりまして、主としてこれが特別区の区域内に関するものにとどまるものについては、都は特別区の議会やその他学識経験を有する者等の意見を聞きまして、条例で特別区に委任するものとすることにいたしたのであります。第四項といたしましては、第二項の特別区の事務に属する以外のものは、特別区の存する区域におきましては、市が法律又は政令の規定によつて処理しなければならないとなつておりまする事務は、都が処理することを明らかにいたしたのであります。第五項は、「都は、特別区が第三項の規定により処理すべき事務と競合するような事務を行わないようにしなければならない。」ということで二重行政、二重機構ということの弊害を避けるように配意を加えました。
 第二百八十一条の二は、このようにいたしまして都と特別区どの関係を新たに改めて参りましたに伴いまして、「特別区の区長は、特別区の議会の議員の選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のものの中から、都知事が特別区の議会の同意を得てこれを選任する。」という明らかに規定の改正を加えたのでございます。第二項はこのような特別区の区長に対しましては更に事務を加えて、住民に身近な事務はすべて特別区において処理することを可能にいたしますために、特別区の事務は勿論区長の執行にかかわるものでございますが、それ以外に法律又はこれに基く政令によりまして、市長の機関委任事務とされておりますのは、原則としては特別区の区長が行うということにいたしておるのであります。それを特別区の区長に譲りましても、特別区の性格の改変或いは区の区長の選任の方法改正によりまして、都区一体の保障ができることになりますので、このようにいたしまして特別区の区長の仕事の幅を拡げることにいたしておるのであります。第三項は、都知事は都の権限に属する事務の中で、主として特別区の区域内に関するものについては、原則としてこれを都の規則によりまして区長に委任して管理、執行させるのが原則であるということを明らかにいたしておるのであります。第四項は特別区の委員会、委員につきましても、都の委員会や委員の権限に属する事務を委任する場合に、原則としてはこれを準用するということにいたしておるのであります。第五項はこのようにいたしまして委任いたしまして、特別区の区長や委員会や委員が処理いたします事務につきましては、都知事、或いは都の委員会がこれらの特別区の区長、或いは区の委員会を指揮監督するという規定を定めたのでありまして、これによつて都区一体の関係を保障しようとするのであります。
 第二百八十二条は、現行法におきましては、都が条例で特別区に関して必要な規定をすべて設けることができる建前でございますが、今回は制度的に保障ができておりますので、これを改めまして特別区の事務について、特別区相互間の調整上必要な場合に限つて都が条例で規定を設けることができるようにしぼつたのでございます。第二項は、都知事は、特別区に対しまして、特別区の存する区域における都の事務の処理との調整上、特別区の事務の処理について必要な助言又は勧告をすることができるという規定を加えたのであります。
 第二百八十三条は、従来は政令で特別の定をする以外は、地方自治法の第二編中の市に関する規定は、特別区にこれを準用するということにいたしまして、特別区が形式的には市と同格であるということになつておつたのでありますが、今回特別区の性格を改めたに伴いまして、この法律、政令で特別な定をするものを除く外、第二編中市に関する規定は特別区にこれを準用することにいたしたのでございます。適用を準用に改めたわけであります。
 第二百八十四条は地方団体の一部事務組合に関する規定の改正でございます。即ち現在一部事務組合は、地方団体自体の事務についてのみ一部事務組合が設けられてございまして、機関委任事務については設けられないようになつておるのでございますが、やはり団体の事務と機関委任事務と併せて一部事務組合を作るほうが、事務処理の便宜上非常に能率的な場合が多いのでありますから、これを改めまして機関委任事務についても、一部事務組合が作れるようにいたすための改正規定であります。
 第二百八十七条は百五頁にありますが、第三項の改正部分は、地方団体の組合の議員や管理者、その他の職員につきましては、他の地方団体の議会の議員や長は、地方団体の議会の議員や長を兼ねることができないというような兼務の規定について、やや疑問の余地があるという意見がございますので、地方団体の組合の議会の議員や管理者につきます限りは、これを組織する関係地方団体の議員、長が当然兼ねることができるということを、疑いを絶つために明らかにいたしたのでございます。
 第二百九十二条は字句の改正でございます。二百九十四条も同様でございます。
  附則第十条の改正は未引揚邦人の調査に関する事務を都道府県、特別区で行う必要があるということでありますので、その関係の調査事務を行い得まするように、未引揚邦人の調査に関する事務という規定を加えたのであります。第三項は民生部とのみなつておりましたが、局、部の改正に伴いまして民生部、民生労働部又は厚生労働部というふうに規定を改正をいたしたわけであります。
 附則第十七条は、最初の地方自治法の附則の第十七条でございますが、他の法令中市に関する規定は、政令で特別な定をするものを除きましては特別区にも又これを準用することになつておりまして、現在政令で特別の定といたしましては伝染病予防に関する仕事は区ではやれないとか、或いは都市計画に関する仕事は区ではやれないとか、汚物掃除に関する仕事は区ではやれないとかというふうになつておりますが、それ以外は区で当然にやれるようになつておる。従つてこれらの規定によりまして、特別区は当然市であるという考え方があつたわけでございますが、今回特別区についての事務を限定をいたしましたので、他の法令中の市に関する規定が当然に特別区に準用されるということは理論的に一貫をいたしませんので、二百八十一条第二項各号に掲げるもの、或いは特別区の区長等に委任されたものにつきましては、政令で特別な定を設ける場合を除く外は、特別区にも又これを準用するということにいたしておるのであります。
 次が附則でございますが、この改正法につきましては、国会で御審議を願いまして成立をいたしましたならば、公布の日から起算をいたしまして、三月をこえない期間内で政令で定める日から施行する。多少施行に準備がかかると考えておりますので、政令で定める日から施行することにしておるのであります。第二項は従来法令によりまして、地方団体或いは地方団体の機関に当然に事務委任をいたしておりましたが、これを今回の改正法に基きまして、この法律施行の日から起算をいたしまして原則としては一年以内に、改正後の地方自治法に即するように改正の措置をとらなければならないということにいたしまして、第三項は一年以内に改正されるまで、又はそういう法律改正がなされるまではその効力を有する、当然に改正すべきものを改正しなければ、従来の法令による都道府県或いは都道府県知事等に対する事務委任というものは効力を有しなくなるということを明らかにいたしておるのであります。
 第四項は市町村の境界変更、廃置心合で、特に市の廃置分合等に関する規定に改正を加えましたが、或いは又古町村の廃置分合に対しまして、内閣総理大臣の告示により都道府県知事の処分が効力を生ずるということにいたしましたので、これらに伴いましての必要な経過規定でございます。この法律施行の際にやつておりましたものは差支えないということを書いたものでございます。第五項も境界に関する訴訟は、現在やつておりますものは従来の例によつてやれるということを明らかにいたしました。
 第六項は、議員定数につきましては、この改正後の地方自治法が出ましても現在の議員の任期中に限りましては、なお従前の定数を似て定数とすることを明らかにいたしたのであります。第七項は、府県の局部は法律施行の日から起算をいたしまして、五カ月以内はなお従前の例によつて存続をさせることができることにいたしております。第八項は、副出納長につきましても、現在特別職の副出納長の四年間の任期があります間は、なお在職をするということにいたしておるのであります。第九項は選挙管理委員の定数を削減をいたしましたが、任期中に限りましてはなお在職することにいたすための経過規定であります。第十項は、監査委員を置く市につきましては、政令で規定されません場合がありましても現在ありますものにつきましては、なお在職することを保障する規定でございます。第十一項は、現在地方団体が共同設置しておりますところの委員会や附属機関、職員、例えば固定資産評価委員でありますとかそういうもの、人事委員会等につきまして共同設置、或いは事務委託等がありますが、これらのものは一年以内は改正後の地方自治法による共同設置、事務委託の規定によりませんでもなおよろしいということにいたしますための経過規定でございます。
 第十二項は、郡の区域の変更につきましても、現在やつておりますものについては従前の手続でよろしいということの経過規定でございます。第十三項、十四項、十五項、十六項は都の区の改正に伴います経過規定でございますが、地方自治法の附則の第二条の但書によりまして、現在東京都におきましては、旧東京都制の適用が規定の効力を有する部分がございまして、これによりまして特別区の区の区域内におきましても、他の法令中の市、市長とありますのは、すべて都や、都知事にも適用があるということになつておりまして、このような規定に基きまして現在特別区の区域内における市に関する仕事というものは、都区双方にまたがつて当然に権能を有せられることになつておるのでありますが、これらの効力を有する規定の中でも、今回の改正によりまして、当然に特別区の事務として配分をされましたものにつきましてはその適用はない、即ちそれにつきましては他の法令中に市とありましても、これを都とは当然には読みかえないということを明らかにいたすための規定でございます。
 第十四項は事務引継の規定でございまして、特別区の事務として新たに第二百八十一条第二項の各号で掲げられましたものは、現在都が処理しているものにつきましても、この法律施行の日から九十日以内に特別区に引継がなければならないという規定でございます。それから第十五項は現在特別区の区長の職にあります者につきましては、選挙の日から起算をいたしまして、その問は区長の身分を有するということを明らかにいたしますための規定でございます。第十六項は、当然に特別区の区長や或いは委員会の権限に属する事務になりますもので、この法律施行の際に都知事や都の委員会の権限に属して施行しておりますものの事務引継に関する規定でございまして、この法律施行の日から九十日以内に特別区の区長、委員会又は委員に引継がなければならないことにいたしております。第十七項は、これらの規定以外にも特別区に関する掛先の施行に関して必要な経過措置を定めることがありますので、これを政令に委任をして頂くための規定でございます。
 第十八項、第十九項、第二十項につきまして一括してお話申上げますと、第十八項は公職選挙法についてでありますが、行政区の選挙管理委員会を廃止いたしましたので、公職選挙法中二百六十九条の規定の改正をいたしたのであります。第十九項、第二十項は、厚生年金保險法、船員保險法につきまして、厚生大臣の職権の一部を、厚生大臣が定めるところによりまして府県知事に委任することができるというふうな現行法の規定でございますが、これは改正後の地方自治法の趣旨に副いませんので、これを厚生省から引続いて一緒に改正をしてくれという依頼がございましたので、厚生大臣の職権の一部は政令の定めるところによりこれを都道府県知事に委任することを得るというふうにいたしました。船員保險法についても同様に改正を加えたわけでございます。
 第二十一項は改正法施行のための明文として必要な事項を政令で定めるということにいたしたわけであります。これで説明は終ります。
#58
○委員長(西郷吉之助君) 本日はこの程度にいたしまして、明日は町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案、並びに市の警察維持の特例に関する法律案の二案につきまして、明日は午前十時から開催することにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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