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1951/05/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第34号
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1951/05/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第34号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第34号
昭和二十七年五月十九日(月曜日)
   午前十一時三十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
   委員
           愛知 揆一君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁財政
   課長      奧野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政平衡交付金法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) これより委員会を開会いたします。本日は地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案に対しまして質疑を続行いたします。
#3
○若木勝藏君 先ず政府当局に御質問しますがこの提案理由には「単位費用を法定する外、測定単位の数値、補正係数及び基準財政収入額の算定方法を法律で定める」とこういうふうに謳つてあるのでありますが、法案を見ますと補正係数の方面が見当らないようでありますがこれはどういうふうになつていますか。
#4
○政府委員(奧野誠亮君) 現行法では補正係数は地方財政委員会規則で定めることになつておりましたのを改正案によりまして法律で定めることにしているわけであります。併しながら一万有余の地方団体の実情に徴した補正係数を今直ちに法定してしまいますことにはなお困難が伴つておりまするので、昭和二十七年度と昭和二十八年度に限りましては地方財政委員会規則で定めることができるように附則の第三項に読み替えの規定を設けておるわけであります。
#5
○若木勝藏君 それでは現在この地方財政委員会の規則によつてきめてあるところの補正係数のとり方についてお伺いしたいのでありますが、まあ全般に亘つてなかなか範囲が広い点があるのでありまして、私は特に寒冷度とそれから積雪の度合についてどういうところの根拠に立つて級地決定をしているのであるか、これについて御説明を願いたいと思います。
#6
○政府委員(奧野誠亮君) 寒冷度と積雪度につきましては、気象台が過去五十年間観測をいたして参りました実績を基礎にいたしまして、或いは冬期間における気温がどの程度であるか、或いは積雪の度合がどの程度であるかというふうなことから一定の線を引きまして数地域に地域の区分をいたしたわけであります。
#7
○若木勝藏君 それは誠に抽象的な言い方で、私のお伺いしたいのはもつと具体的な方面に亘りまして、寒冷度をどういうふうな温度の取り方によつて決定しておるか、そういうことについてお伺いいたしたい。、
#8
○政府委員(奧野誠亮君) 具体的の地域区分は地方財政委員会規則できめておりますのでそれらの地域は官報で告示されておるわけであります。なお積雪の度合が何メートルから何メートルまでをどの地域にするというふうな地域区分につきましての資料を持ち合せていませんようでありますので、後刻それらの区分をお手許に差上げたいと思います。
#9
○若木勝藏君 それは非常に私は大事なことであると思うのでありまして、少しく詳細な資料を以ちまして次の機会に御説明をお願いしたいと思います。というのは、非常に寒冷度合とか積雪の度合を決定するということは平衡交付金の配分と非常に関係を持つておりまして、現在では相当不合理でないかというふうないわゆる不満の地域が相当あるように私は考えております。そういう点からいたしまして十分この点について納得の行く御説明を願いたい、こう考えております。
#10
○政府委員(奧野誠亮君) 何メートルから何メートルまでを何級地にする、それから何メートルから何メートルまでを何級地にするというふうな数字の基礎は後刻お答えさして頂きたいのでありますが、なおどのようなやり方をしておるかということにつきましても一言触れさして頂きたいと思います。すべて単位費用の中には一応どのような経費が見積られておるかということが明らかにされておるわけであります。それが積雪地帯でありましたならば雪の降る度合によつて違うわけでありますけれども、或いは建物の窓側に雪囲いをしなければならない、或いは又雪の降る度合によりまして一年間に何度屋根の雪を下さなければならない、雪の降る度合によつて雪下しをする数字を違えて算定いたしておるのであります。こういうような経費がどれだけかかるかということがわかるわけでありますので、単位費用の基礎になつておりまする経費のうちで、雪の降る度合がどの程度であれば雪囲いの経費は幾ら或いは雪下しの経費は幾らという数字が出て来ますので、これらの結果殖えまする経費を元の基礎になつております経費で除しまして補正係数というものを算定いたして参つておるわけであります。寒冷度でありますと、普通の所であればストーブをたかなくてもよろしいのですけれども、そのストーブをたかなければならない、その寒冷の度合が多ければストーブをたく期間もおのずから長くなつて参りますので、燃料代も余計かさんで来る、或いは又普通の建物でありましても損傷度が若干はげしくなつて来る、こういうふうなことを一定係数に基きまして算定しておるわけであります。これらの地域区分の基礎は後刻お答えいたしたいと思います。
#11
○若木勝藏君 今お聞きした内容は私も納得できると思うのでありますが、要はそれを決定するところの寒冷の度合、積雪の度合を地域的にどうきめて行くかというところに重点があるので、その点は資料に基いて御説明を願わなければならんとこう考えております。その問題は一応この次の機会まで保留いたします。
#12
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。
#13
○高橋進太郎君 ちよつとお伺いしたいのでありますが、この平衡交付金算定の、例えば道路であれば一平方メーター十二円四銭というような、こういうような単価を出した経緯について御答弁を願います。単価算定の基礎について。というのは例えば都道府県の厚生労働費について、社会福祉費、人口というようなものを一人々々について、或いは物について単価を出しておられるのですが、この単価を算出した経緯と申しますか……。
#14
○政府委員(奧野誠亮君) お手許に各行政項目別単位費用算定基礎という二百頁内外の資料を差上げておるわけであります。どれで申上げても同じことでありますが、一応大衆になじまれておる経費といたしまして便宜消防費をとつて申上げますと、百五十九頁を見て頂ければよろしいわけであります。消防のことをここに書いておりますがそれを例にして申上げてみます。消防費の測定単位は右の肩書に書いてありますように人口であります。第一に経費の細目細節別行政事務の内容ということを書いております。消防費で測定されておる行政事務にはどういうものを予定しているかということでありまして、そこに常備消防費と義勇消防費とに分けて経費の基礎をなします事務を挙げ、同時に右の端に根拠法令というものを記載いたしているわけであります。第二に百六十一頁のところでありますが標準団体の行政規模というものを書いております。、で、すべて単位費用を出します際は標準団体というものを想定してかからなければならんわけでありまして、標準団体というものは人口十万の団体を基礎にとつておるわけであります。人口十万の団体におきまする消防行政費用というものを十万という数字で除しまして単位費用を算定するわけであります。従つて又人口十万という標準団体においてはどの程度の行政規模を想定するかといいますと、イは常備消防関係で庁舎でありますとか、消防ポンプ自動車でありますとか、或いは職階別の消防職員数でありますとか、こういうようなものを想定しておるわけであります。その裏に口で義勇消防関係では更にどの程度の分団数、それから団員、それから消防ポンプというようなものを想定しているかということも明らかにしておるわけであります。その次に百六十三頁に第三といたしまして経費の細目細節別職員配置表というものを掲げております。どういうような職員配置を予想しているかといいますと、常備消防の職員配置表は、消防本部ではどうであるか、消防署ではどうであるかというようなことをここに掲げておるわけであります。その裏に義勇消防の職員につきましての配置表を想定しているわけであります。それから第四に百六十五頁のところで、単位費用をどう測定しているかということについて、常備消防の関係では、消費的経費では九百七十九万人千六百三十六円、これについては手数料等の雑収入がございますのでそれらを差引きますと、右の端の一般財源が九百六十九万七千五百七十二円になる。こういうような経費を全部寄せて参りますと、一般財源の欄、右の一番下を御覧頂きますと一千三百五十四万二千九百五十六円になるわけであります。その次の行に標準団体測定単位の数値は人口十万と書いてあります。この十万で除することによつて百三十五円四十三銭ということになつて来るわけであります。消防経費は比較的単純でありますので細目は二つにしか分れておりません。他の行政関係でこれらのものが数十項目に分れておりまして、各項目ごとに一般財源がどれだけ必要と考えておるかということをこの資料の中に明らかにいたしておるわけであります。
#15
○高橋進太郎君 結局一つのモデルを想定して、実際にまあこうであろうというような標準経費を想定して、それによつて算出せられたように御説明があつたのでありますが、そうしますと、今の消防の例で申上げますならば、人口十万という標準ですけれども実際の大部分の町村というものは一万以下が多いのでありますが、併しながら常備消防でありましてもいわゆる最小限度のものはこれはどうしても置かざるを得ないのであります。言い換えれは一万の人口で消防ポンプが一台なら十万では十台でよろしいのかとこう言えば、むしろ十万なら機動的に運営することによつてそれが六台とか五台とかでいいのでありますが、そういう実際とモデルとの食い違いと申しますかズレと申しますか、そういうものはどういうふうな調整をせられておるのか、その点を。
#16
○政府委員(奧野誠亮君) 今お説のような見地から構成の要素というものを五つ法律できめておるわけであります。それで概して多くの行政経費につきましては、標準団体の数値よりも少くなつて参りまする団体におきましては、数値の割には経費が割高になるわけであります。半面に数値の非常にふえて来る団体につきましては概して経費は割安になつて来るわけであります。そういうふうな点を数値の多少による段階といたしまして補正をいたします。従つて数値の少い団体は実際よりも多い数字を基礎にして経費が算定されて来るというようなことになつて参るわけであります。
#17
○高橋進太郎君 そうしますと、今のようなのは補正係数で補正をせられるとこういうのですが、そうしますと問題はむしろこういう単位費用を公定するということよりも、補正係数をどうきめるかということによつて非常な実際上動きが出て来ると思うのですが、それを規則できめるということになれば、この法案というものは或る意味からいえば骨抜きになりはしないかと思われるのですがその点はどうなんでしよう。
#18
○政府委員(奧野誠亮君) 現行法では補正係数も規則で定めるということにいたしておるわけであります。当時、今まで地方団体が大体にやつて参りました行政の実態につきまして、単純に補正係数を乗じまして計算するといたしましても、なかなかそれが確定を見るまでには簡単なことではできないだろうというようなことを考えておりましたために、規則で定めることにしておつたわけであります。併しながら研究が進んで参りまするに連れまして、やはり法定しなければならない、又法定することが可能であるというような確信を持つことになりましたので、このたび規則できめないでそれもやはりお説の通り法律で定めるということにいたしたわけであります。併しながら今直ちに法律で定めまするのには非常に不合理なものをそのまま確定してしまうということになりますので、なお若干かすに時日を以てして頂きたい。そういうような意味合から二年間だけは規則で定めることができるというふうにいたしておるわけであります。併しながら若し研究が進みまして成案が得られますならば、二十八年度からでも法律できめるような努力をして行きたいというふうな考え方を持つているわけであります。
 なお経過的なことを申上げてみますと、二十五年度、二十六年度は大体過去の実績を基礎にしながら補正係数を定めて参つたわけであります。併しながらこれでは過去の実績を一応正しいとするだけでありまして、過去において財政が非常に悪かつた所では、実際はもつと経費が必要なんだけれども財源がないためにそれだけの運営ができなかつたんだというような所も非常に多いわけでございまするので、こういうことは穏当でないわけであります。現在作業をいたしておりますのは、各段階ごとにあるべき経費の所要額というものを測定しているわけであります。そういうことを行いまして各段階ごとに所要経費を算定して、それから結果的に補正係数を出すようにして行きたいというふうに考えているわけであります。
#19
○高橋進太郎君 それからもう一つお聞きしたいのですが、この都道府県のところに労働費の中に、工場事業場労働者数、一人につき幾らこういうのと、それから商工行政費という中に従業者数が一人についてやはり八百二十二円というのですが、この産業経済の4の商工行政費と、それから三の3の労働費というものは客体がこれは同一になつてダブることはないのでしようか。その点はどうでしようか。
#20
○政府委員(奧野誠亮君) 厚生労働費の中の労働費で考えておりますのは、先ず工場事業場労働者数において労政教育関係の経費を見ているわけであります。それから失業者数の面においては失業対策応急事業費の面を見ているわけであります。従つて両者はダブらないというふうに考えております。
#21
○若木勝藏君 私も今十分聞きとれなかつたのですけれども、高橋さんの御質問の中にあつたと思いますが、単位費用を法定するということは非常に私は重大なことだと思うのでありますが、これと相並んで補正係数の方面を法定するというふうなことが伴わなければ、これはこの測定単位というふうなものを定める場合に非常に私は支障を来すと思います。片手落ちのような恰好になるわけであります。併し先ほどの私の質問に対する御答弁から考えても二ヵ年だけはまだ研究期間としてやりたい、こういうふうなお話でありましたがどうもその辺が研究期間をおいてやることはいいでありましようが、非常にこの法律は測定単位の決定の上において非常に不備を来すのではないか、こういう点が危惧されるのであります。そこで先ず第一に私は、今消防についての単位費用の計算の仕方が御説明がありましたが、教育費関係につきまして更にこれを伺いたいと思うのであります。法案の第四頁の欄の二の教育費1小学校費、それから測定単位児童数、一人につき千九百四円、この千九百四円という単位費用を考えるためには標準行政の規模というふうなものが考えられなければならない、こういうふうに私は思うのでありますが、その標準行政の規模というふうなものですな、例えば一学級当りの子供をどの程度の数に見ておるとか、或いは学級数をどのくらいを標準にして行く、そういうふうなことが考えられるだろうと思うのです。その点につきましてどういうふうにこれは地財委のほうとしては計画を立てておられるか、それを伺いたいと思います。
#22
○政府委員(奧野誠亮君) 前段の補正係数につきましては高橋さんにお答えいたしました通りであります。ただ法律で釘付けにしてしまうだけの成案は得ていない。併しながらもとより地方財政委員会規則でそれらの係数を定めまして官報で告示をして参つておるわけであります。逐次是正を図りながら安定したものにいたして参りたいという考えを持つておるわけなんでありまして、かすにもう二年度以内で法律で安定させることが可能であろうというふうに考えておるわけであります。
 なお小学校費についてどういうふうな標準規模を想定しておるかということにつきましては、二十六頁に小学校費を書いておりますが、生徒数では九百人、学級数では十八学級というものを想定しておるわけであります。これをとりました基礎は、大体市町村につきましては人口十万の都市というものを標準団体として想定しておりますので、人口十万の都市におきまする一小学校当りの数値というものが、たしか平均いたしまして九百四、五十人であつただろうと思います。それを基礎にいたしましてこのようなとり方をいたしたわけであります。
#23
○若木勝藏君 そうしますと生徒数については九百人、それから学級数については十八学級、こういうようなことになりまするが、これは私の調査したところによりますると非常に全国の平均より見て規模が大き過ぎはしないか。文部省あたりで見ておるのでさえ十二学級或いは生徒数は五百四十人、こういうふうに見ておるのでありますが、どういう資料に基きましてこれは十八学級という標準をおとりになつたか、この点を伺いたいと思います。
#24
○政府委員(奧野誠亮君) 只今御説明いたしましたように、人口十万程度の市におきまするところの平均規模といたしましては、小学校におきましてはたしか九百四十七人でありましたか正確な数字は記憶いたしておりませんが九百四、五十人、学級数は十六学級内外であつたと記憶しております。
#25
○若木勝藏君 それらはどういう資料で以てそういう判定をされたか。全国の教育委員会のほうにでも大体の報告をさせてそれによつておやりになつたわけですか、その点を。
#26
○政府委員(奧野誠亮君) 文部省に聞き合せましたのでありまして、たしか指定統計の数字ではなかつたかと思います。
#27
○若木勝藏君 ところが今申しましたように、文部省のとり方でさえ非常に差があるように私は聞いておるのでありますが、そういうところに何か実情にそぐわない……、結局平衡交付金を千二百五十億なら千二百五十億をきめるというような場合、国の予算の枠に縛られて、そういう不自然な実態から離れたところのものに、或いはその予算に合せるためにこの辺がよかろうというので十八学級に直して行つておるというようなそういうようなことはありませんか。私はそういうように考えられるのですがどんなものでしようか。
#28
○政府委員(奧野誠亮君) 今申上げましたように人口十万程度の市の平均であります。市の平均がこの数字になつておるわけでありますが、お話のようにもつと規模の小さい学校を想定いたして参りますると、経費が割高になりますから結果的にそういうような計算の仕方をいたしますと全国の財政需要としては多くなるだろうと思います。教育費に限りませずどの行政費につきましても必ずしも十分だとは言えないのでありますけれども、一応現在の国民経済の模様から考えてみましたならばこの程度でやつて行かなければならんのじやないだろうかというような考えを持つたのであります。特に教育費について苛酷な少い計算の仕方でやつたというような考えは持つていないわけであります。
#29
○若木勝藏君 そうしますと、今の御答弁で大体推量がつくのでありますけれども、実態よりも少し無理になるけれども国の財政上止むを得ない、こういうふうに私は受取るのでありますが、甚だこの点につきましては、今義務教育費国庫負担法も出ておりますが、そういうところに私は今後のそれらの法案の是非の問題が論せられて来る根拠があるのではないか。現在の平衡交付金制度で行つた場合にどうしても国の財政というような方面からすべてが縛られる憂いがある、こういうふうに私は考えるのであります。そこで全国平均の一学級当りの子供の数あたりを見ましても、五十人と見ておりますけれども実態は私の調べたところによりますと、小学校は四十四名、中学校は四十五名程度になつておる。それを一学級五十名ということになると非常に教育上差が出て来る、教育力という方面が低下して来るのであります。そういう点も十分考慮されて、我々は単位費用というものを法定して行かなければならない、こういうように考えるのでありますが、大体今の御答弁で地財委の立場というものは、私は見通しがつきましたので、これ以上御質問することはやめますが、更にこれに関連しましてもう二、三点伺いたい点は、先般この二十七年度の財政計画の一ときにいわゆる首切りを五%として見積つている。こういうふうに考えているのでありますが、この単位費用の見積り、そういうふうな方面においてはやはり五%の整理ということをお考えになつておられるかどうか、その点を承りたいと思うのであります。
#30
○政府委員(奧野誠亮君) 第一の問題の平衡交付金制度に入つているから教育費が少いのであつて、国庫負担制度を設ければ教育費をもつとふやすことができるのだというお考えの点については、少し問題の考え方を誤つておられるのじやないかと私は考えるのであります。なぜならば、若し平衡交付金制度におきまして教育費を充実したいとお考えになるならば、測定単位あたりの費用を上げられればそれだけ教育費というものが多く算定されるわけであります。もとよりこれを少くすればそれだけ少く算定されるわけであります。その結果は若し租税収入をふやさないときには他の行政費にも圧迫が加わるわけでありましようし、若し租税収入をふやしてそういう措置が行われるならば他の行政費を圧迫することなしに教育費が確保されるということになるだろうと思います。問題は専ら国民の租税負担をふやすかふやさんかという点に帰着するのじやないかと私は考えているわけであります。
 なお第二の一学級当りの児童数を何人と見るかという問題、一学級あたりの児童数は現実に小学校が四十四人、中学校は四十五人程度であります。併し単位費用を計算するに当りましては先ほど申上げましたように標準的な施設というものを想定いたしまして、そうして単位費用を計算することにいたして参つているわけであります。その結果実情に合わない面は数字の多少等によつて補正する措置を講じて行かなければならんのでありまして、この補正の仕方には又いろいろと問題があると思います。併しながら大体一学級あたり五十人を標準的な施設として考えつておられると我々は思つているのであります。その見地からこの五十という数字を採用いたして参つているわけであります。
 第三に五%の減を見ているか見ていないかという問題でありますが、大体小学校費を計算するに当りましても、中学校費を計算するに当りましても、府県の分にありましては専ら教員の給与費でありますが、これらの教員の費用を計算するについては五十人一学級といたしますと、仮に一学級につきまして一応地方財政計画の面におきましては小学校は一・四五、中学校は一・七一というふうなものを基礎にいたしております。このような単位費用を以て計算いたしますれば大体地方財政計画の定めておりますような金額と大同小異になるわけだ、こういうことになると思うのであります。
#31
○若木勝藏君 今のお話で結局単位費用を多くすれば教育費を確保することができるのじやないかということは誠に私はお説の通りだと思うのであります。ところが過去二カ年の実績において、いわゆる平衡交付金の総額から縛られてそういうことがなし得なかつた。そういうところを私は言つているのであります。前のいわゆる半額国庫負担の場合と比べまして更に非常に低下している。こういう点を私は考えて質問しているのであります。何ら私の考え方としては誤つておらない。こういうふうに思つているわけであります。ただ実績の上から事実上そういうことは成立つておらない、こういうふうに思うのであります。
 それから小学校の四十四名、中学校の四十五名、これは全国平均の実態でありますが、ここにも文部省あたりの考えているいわゆるその考え方と地財委の考え方とは違うのでありますが、文部省におけるところの考え方をみると、従来の五十人というものは非常に不合理であるという建前からこれは四十五名程度をとつているのであります。そういう点を十分考えて行かなければならんと私は思うのであります。
 更に私は伺いたいのは、これも前に問題になつたのでありますが、国家公務員よりも地方の教職員は三百七十五円だけ高いからこれを切下げる。この問題につきましては随分問題があつたところで、私が岡野国務大臣にも質問したのでありますが、その点についてはまだ決定を見ておらない、こういうふうなことがしばしば言われておつたのであります。ところが今度のいわゆる標準行政規模というような面から見まして三百七十五円というものを切下げて一体考えているのかどうか、或いは切下げていないか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#32
○政府委員(奧野誠亮君) 給与ベースにつきましては同じような学歴、勤続年数を基礎にして考えられて、国家公務員よりも文部省では三百七十五円だけ高いというお話でありましたが、従いまして三百七十五円だけ引下げてそれを国家公務員なみに改訂を行なつたらいくらになるか、それから国家公務員なみの増俸を行なつたらいくらになるか、これらの点を計算いたしまして平均ペースをきめたのであります。
#33
○若木勝藏君 そうしますとそれはまだ決定を見ておらないのじやないか、三百七十五円高いとか低いとかというようなことは地財委も関係するでしようが、そういう面で十分資料に基いて調査するというくらいになつているのじやありませんか。そういう場合には現状のままで見積らなければならないのに、これを切下げて見積つているということはおかしいと思うのであります。それをお伺いいたしたい。
#34
○政府委員(奧野誠亮君) 文部省のお話によりますると三百七十五円高過ぎるということは間違いないというお話であります。併しながら調査いたしました結果、それでは不当に地方公務員の給与が圧縮して算定されているということになりました場合には、もとより地方財政計画も改訂いたしたいと考えますが、又単位費用等につきましても必要な改訂を考慮すべきものであろうというふうに考えております。
#35
○若木勝藏君 次に伺いたいことは旅費はどういうふうにお考えになつておられるか。それから年末手当は十二月の給料を標準にしてやつておられるかどうか。この二点について伺いたいと思うのであります。
#36
○政府委員(奧野誠亮君) 小学校におきましては普通旅費を四千円、赴任旅費を千八百円、合計五千八百円を見ております。又年末手当につきましては十二月の給与というものを基礎にして計算いたしております。
#37
○若木勝藏君 大体このくらいで……。
#38
○高橋進太郎君 私は先ほど質問の途中になつておつたのですが、先ほど単位費用の点をお聞きしたのに関連しまして、結局私のお聞きしたいことはこういう点なんであります。要するに単位費用というものは、実際のそういう一つのモデルから算定して、あるべき姿においての費用を算出したのか。或いは言換えれば平衡交付金というものの大体の総額があるので、普通平衡交付金の総額から大体この辺があれだというふうに、いわゆる天降り式な大体のやつをおきめになつたのでなかろうかというふうにも思われるので、実際上の費用と平衡交付金で定めている費用と、大体これで地方行政が運営する上に支障ないのかどうか、その辺のところはどういう理由か。どうも我々町村長なり府県なりに聞きますと、仮に警察費にしてみても、最近は少し改められましたが実際の費用が二十五万円程度かかるのが六万円とか十九万円とかという単位費用で計算されている。言換えれば平衡交付金においての費用と実際にかかるところの費用との間において相当間隙があるように思われるのでありますが、単位費用の改訂に当つてはよほどその点の御考慮が必要と思いますが、その辺の一つ実際上の点をお聞かせ願いたいと思うのです。
#39
○政府委員(奧野誠亮君) 平衡交付金制度は二十五年度から始まつたわけでありますけれども、二十五年度において単位費用を定めました際には、時間的余裕がございませんでしたので過去の実績がどうなつているかということを基礎にして単位費用を算出したわけであります。過去の実績を基礎にして行きます場合に単位費用で補償いたします財源というのは、平衡交付金の九割と地方税のうちの普通税収入のうちで更に標準税率で算定したものの七割だけでありますので、どうしても実績をそのまま単位費用に定めるわけには行かないわけであります。実績を若干落して行かなければなりません。そういうようなことをやりました結果、なお今日地方団体の人の中には実績を切つた単位費用を出しているんじやないだろうかというような誤解が持たれておると思うのです。併しながら二十六年度からは標準団体につきましてあるべき経費を想定をしてそうして単位費用を算定いたしておるのであります。このような標準団体を想定して単位費用を算出いたします場合ならば、ことさらに必要な経費を削減してしまうというようなやりかたはやつておりません。ただ標準団体につきまして先ず第一に考えておるのは、普遍的な経費しか算定しておらないのであります。その団体が特に実施しておるような経費というものは、標準団体のあるべき経費の中には算入いたしておりません。併しながらどの団体でも若干違つたやり方をしておる関連から、多少普遍的な経費だけ取上げた場合は窮屈になるということはあるだろうと思うのです。半面に、若干の団体によりましては従来から殆んど特別な行政もやつていないので、その経費でも逆にあまいという場合もあるだろうと思います。
 第二には投資的な経費、毎年繰返されるのではないところの自動車の購入費或いは庁舎の改築の費用、こういうものについては残存価格のありますものにつきましては残存価格を差引きましたものを耐用年数で除した額だけをこの経費に算入しておるわけであります。従いまして数年間使用できますもの、或いは数十年間使つて行きます建築等を行いました投資には、その単位費用では非常にきつい、併しそういう年でないときには比較的そういう単位費用ではあまいということが生ずるだろうと思うのです。団体の財政がどのような時期に際会しておるかということによつてこの経費があまく算定しておつたり、からく算定しておつたりということになるだろうと思うのです。こういうふうに投資的経費と消費的経費とわけて算定する結果、投資的経費で多額に要します投資においては、多少窮屈になることは止むを得ないと思うのです。第三に河川の費用、道路の費用とかいうものにつきましては相当地方債がこれに充実されておるわけであります。地方債によりますものをこれを特定財源と考えるわけではないのですけれども、現状におきましてはインフレの影響を受けて参つております結果、実質的には同じような地方債を発行しておつたにいたしましても、過去の元利償還費の負担金というものは比較的軽度であります。それに比較いたしまして今地方債で賄えるということは若干実質的には特定財源的な形を持つて来るので、このような経費については地方債を或る程度特定財源的に見る考えの下に単位費用を算定いたしておるのであります。このような点はあるのでありますけれども、それぞれ基本的な形を想定して、あるべき経費というものを普遍的な経費について算定いたしました。ことさらに削減するという鮮度はとつておらないのであります。
#40
○高橋進太郎君 それからもう一つは、この平衡交付金にこれらの項目を法定しておるんですけれども、実際においてはこういう法定から洩れているようなものについてはどういうふうなお考えをせられておるか。例えば一例を申上げますれば仮に戦災の復興費というようなふうにしてこの被災地の面積だけを法定しておられるのです。ところが実際において戦災には殆んどかからない所がたまたまそれに隣接しておつて、従つて戦災者がたくさん疎開の形式でその部落、つまり町なりまあ村なりにおるというようなときには相当或いは生活保護法の関係であるとかその他いろいろな関係においてそういう経費はいろいろあるのでありますが、そういつたような法定しているものとそれから実際洩れているものとのずれがあると思うんですが、そういう点についてはどんなふうにお考えになつているか。
#41
○政府委員(奧野誠亮君) 戦災復興費は被災地の面積をとつているだけでありますので、戦災団体の周辺都市が戦災団体から受けます財政需要につきましては特別交付金を財政需要の測定の中に加えていないわけであります。ただ併しながらそういうような団体でありまして結果的に物価が高くなつているというような場合には、やはり一種地が割合に高く取扱を受けているのじやないかというふうに考えているわけであります。ただ普遍的な経費ばかり算定している結果算入されないような経費が非常に多くなるんじやないかというような御意見でありまして、これらにつきましてはその他の行政費の中でその他の諸費という差別を一つ設けておりますが、この中では府県の場合には知事の給与でありますとか或いは議会の費用でありますとか、市町村の場合におきましてもそれに類したものでありますけれども、この中にそういう特定しないものにつきましては予備費的に三〇%程度のもりを加算いたしまして単位費用を算出するというような方式をとつているわけであります。府県財政需要の測定の仕方においてそういうことを行いますと同時に、半面には税収入の算定に当りまして標準税率の七割で計算したものしか算入しないというようなことも今お考えになつておりますような点を兼ねて加算しているわけでございます。
#42
○高橋進太郎君 もう一つお聞きしたいのですが、これは細かいことですけれども府県の場合に林野行政費の民有林野だけの面積があつて、官有林野の面積は算定の中には入らないんですがこれはどういう関係ですか。
#43
○政府委員(奧野誠亮君) 林野行政費について見ております経費の性質から考えまして、官有地について特に地方団体が経費を多額に要するものはないだろうというふうな考えかたからであります。少し補足して申上げますと百十九ページの林野行政費についてどういうものを見ているかということを掲げております。百十九ページに経費細目細節別事務内容というものがございます。造林対策費としては造林対策費、森林計画費、林業指導費、林産物増産対策費として林業開設費、林産物増産対策費、治山事業費としては更にいろいろな数項目を挙げております。こういうふうな経費を見ておりますので、官有地があるために特に特別の経費を要するということはこの面においてはないんじやないだろうかというふうな考えかたをいたしているわけであります。
#44
○高橋進太郎君 私はこれは非常にあれだと思うんです。或いは林野行政につきましても考え違いだと思うんですが、例えば林野なんかにつきましても比較的林野の保安施設、即ち林野に対する消防とかそういうものがかかるので、一種の災害防止に対する費用等がかかるのですが、卑近な実例で申しますと、東北の或る村では九割五分まで官有地なんです。従つてそういう村については現在の状況においては官有村というものについては殆んどいわゆる昔の基準でそれぞれ林野庁から幾らかの費用が来るのですが、従つて平衡交付金の算定については殆んど計算されない。従つて私はこれはむしろ平衡交付金の問題というよりも林野庁の官有林野に対する、その村に対する交付金の問題だろうと思うんです。従つて私は平衡交付金で算定していないようなものについては官有地についてもやはり固定資産税をかけていないのですから、従つて官有地につきましてもこれに準じたものを一体林野庁のほうから報告するのが至当ではないかと思われるので、この点一つこれは何かの機会に、平衡交付金の中から官有林野の分を除くならば、これに準じた国からの官有地に対する交付金をやるのが至当ではないかと思います。どうかこの点は一つ御交渉を願うようにお願いしたいと思います。
#45
○政府委員(奧野誠亮君) 林野交付金が国のほうから国有林野所在地の市町村に交付されておるわけでありまして、これは元来土地に対する固定資産税相当額ということで計算されておるはずなのであります。ところが、お話によりますと現実には少な過ぎるようでございますので、地方財政委員会といたしましても十分検討いたしまして農林省等と交渉したいと思います。
#46
○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。
#47
○若木勝藏君 先ほど教員の定員のこところで、五%の首きりの点を伺つたのでありますが、もう一つ伺うことを落したので伺つておきたいのですが、それは結核とか産休の代用教員は枠内にあるのか、枠外にあるのか、その点を一つ伺います。
#48
○政府委員(奧野誠亮君) お話の趣旨に私の答えが副つておりますかどうですかわかりませんので、若し間違つておりましたら御指摘願いたいと思いますが、二十六頁のところに小学校の経費の単位を定めた基礎を書いておりますが、その中で標準施設規模の(3)のとこで教職員数というものを想定いたしております。九百人、十八学級の学校につきまして二二・六人というものを考え、校長さんが一人、教員が十八人、事故欠席等による補充養護教員二人、結核、産休等の人たちが〇・六人、その他事務職員一人というものがあるわけであります。結核教員二・四四%、産休関係では〇・八八%ということになつておるわけでありますが、これを計算に加えて入れております。
#49
○若木勝藏君 そうすると、この計算で以て〇・六人というのはこれらを結局枠内に入れておるということになりますか。
#50
○政府委員(奧野誠亮君) 枠内、枠外ということはわからないのですが、これはむしろ枠外に入れておるということに考えて頂きたいと思います。
#51
○若木勝藏君 どうも私は〇・六人を入れておるということになると、定員の枠内に入れておるように思うのですが、そうではないのですか。
#52
○政府委員(奧野誠亮君) 教員数について特に定員の考え方がよくわからないのですが、この算定の結果経費が幾らになるか、それが地方財政計画で弾いて小学校費の場合とどのような変化があるかということならよくわかると思うのでありますが、その意味の御質問でしたらそのようにお答えしたいと思いますがいかがでしようか。
#53
○若木勝藏君 それではこの点は私ももう少し研究してみましよう。
 それから最後に一つ伺いたいのは、地方財政計画の中に見積られておる額が、ここに掲げられておるところの単位費用、或いはこれを基にしたところの基準財政需要額、そういうふうな方面とぴつたり合つているのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
#54
○政府委員(奧野誠亮君) 補正係数は一応二十六年度通りだというふうに考えで参りますると、小中学校合せまして基準財政需要額では八百四十三億円余りになるわけであります、そのほかに例えば僻地でありますとか、或いは教員の資格が特に高いとかというふうなことで、従来特別交付金の算定基礎にそれらを用いまして相当額を各地方団体に交付しておるわけであります。併しながら一応普通交付金の基準財政需要額として想定されておるものは八百四十三億円、財政計画として想定されておるものが八百五十億円余りでありますからその間に七億四千万余りの隔たりがあります。併しながら、特別交付金を計算に入れて頂いたなら大体大同小異というように考えて頂いたらいいかと思います。一般の行政費につきましては租税収入の三割を別枠にしておる、或いは地方債を別枠にしておるというような関係からかなり窮屈になつておるわけでありますが、義務教育費の性質上地方財政計画に大同小異のものを基準財政需要額でそのまま計算して行くというようなやり方をしておるわけであります。
#55
○委員長(西郷吉之助君) それでは時間も経過いたしましたから本日はこの程度にいたしまして、委員会を散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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