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1951/05/22 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第37号
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1951/05/22 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第37号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第37号
昭和二十七年五月二十二日(木曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月二十一日委員愛知揆一君辞任につ
き、その補欠として宮田重文君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   委員
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           宮田 重文君
           岡本 愛祐君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁財政
   課長      奧野 誠亮君
   地方自治庁公務
   員課長     佐久間 彊君
   労働省労政局長 賀来才二郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方公務員法の一部を改正する法律
 案(内閣提出衆議院送付)
○地方財政平衡交付金法の一部を改正
 する法律案(内閣提出・衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) 只今より委員会を開会いたします。
 本日は地方公務員法の一部を改正する法律案並びに地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。
 最初に地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして質疑をお願いいたしまするが、昨日藤野政務次官より衆議院の修正点について一応の御説明がございましたが、本日更に佐久間公務員課長よりそれについて説明をして頂きます。佐久間公務員課長。
#3
○政府委員(佐久間彊君) 衆議院におきまして五月二十日に修正をいたされたのでございますか、この修正されました点を御説明申上げますと、
 第一点は第七条第四項の一部、第七条第四項の規定は前段と後段と分れておりますが、前段のほうは現在あります規定を、その後段のほうは公平委員会が人事委員会に事務を委託することができる途を開きました点についてでございます。で、政府原案におきましては「当該都道府県の人事委員会に公平委員会の事務を委託することができる」となつておるのを、「他の地方公共団体の人事委員会に委託して公平委員会の事務を処理することができる、」こういうふうに御修正になつたのでございます。で、その理由として私ども伺いましたところは、政府原案におきましては、公平委員会を置く地方公共団体が、現在全国で私どもの調査によりますと約三百余りの町村が公平委員会を置くことになつておりますが、置いておらないそういうような町村が置きやすいようにいたそうという趣旨が、この公平委員会の委託の制度で、そういうようにいたそうとする政府原案の趣旨であつたのでございます。その際に原案におきましては、地方公共団体が都道府県の人事委員会に委託をするということになつておつたのでございますが、それは都道府県の人事委員会が十分公平事務につきましての能力もありますし、又かたがた町村のその事務に対する技術的な援助ということも都道府県の一つの考えでありますので、原案におきましては将来都道府県の人事委員会に委託をできるようにいたしておつたわけであります。それにつきまして、衆議院の委員会での御意見によりますと、何も都道府県の人事委員会に限るべきものではないではないか。今度の改正案で人事委員会は人口十五万以上の市が置くことになるわけであるけれども、人口十五万以上の市が人事委員会を置きました場合には相当な能力を持つておるわけでありますから、その市の人事委員会に委託することが当該地方公共団体にとりましては便利な場合もあるであろう、殊に県庁所在地が非常に遠いような場合には、わざわざ県庁所在地まで行くのも大変ではないか。そのすぐ近くに市の人事委員会があるならば、その市の人事委員会に委託するのは一向差支えないではないか。そういうような御議論がございまして、結局「当該都道府県」というのを、「他の地方公共団体」に修正をいたしまして市の人事委員会にも委託することができるというようになつたのでございます。
 それに関連をいたしまして、第九条第九項につきまして修正がなされたのでございます。第九条第九項は、人事委員会、公平委員会の委員の兼職禁止に関する規定でございます。で、その場合に今の第七条第四項の規定によりまして公平委員会の事務の委託を受けた地方公共団体の人事委員会の委員につきましては、その人事委員会に公平委員会の事務を委託をいたしました地方公共団体の地方公務員はなれない、そういうような趣旨のことでございます。これは第七条第四項が修正になりましたので、当然それに関連いたしまして修正になるべきものでございます。ただ、多少字句の問題でございますが、第九条第九項の「都道府県」というのが「地方公共団体」に直りますことは当然でございますが、その下の「当該都道府県」というのを「他の地方公共団体」というふうに御修正になつたわけでございますが、無論これで読めないことはないかと思いますが、「当該地方公共団体」というほうが読みやすかつたのではなかろうかという感じを持つております。意味はそういうような意味でありまして、わかりやすく例を挙げて申しますと、或る町村が公平委員会の事務を或る市の人事委員会に委託をいたしたといたしますと、その市の人事委員会の委員は、その市の地方公務員の職と兼職ができないことは言うまでもございませんが、その市に公平委員会の事務を委託をいたしました村の地方公務員の職とも兼職ができない、こういう趣旨になるわけでございます。
#4
○若木勝藏君 この修正案につきまして一つ質問したいのでありますが、そういたしますというと、この第七条の第四項におきまして、当該都道府県の人事委員会に委託するということこれはもうなくなるわけなんですか。ただ他の地方公共団体のみに委託するということになるんですか。その点を伺いたいのです。
#5
○政府委員(佐久間彊君) 他の地方公共団体でございますから、当該都道府県も含まれるのでございます。
#6
○若木勝藏君 全部を網羅するということになるわけですな。
#7
○政府委員(佐久間彊君) そうでございます。
#8
○若木勝藏君 範囲を拡げてですね、当該都道府県の場合は、この市町村の行政に対してどちらかというと助言するとか、或いは指導といろ言葉はおかしいかも知れませんが、そういう関係が深いと思うのでありまして、こういうふうに範囲を拡げて見ても、事実上、他の地方公共団体といつても、都道府県の人事委員会に従来のように委託するということが多くなつて、他の市町村の人事委員会なり、そういうふうな方面に委託するというようなことは或いはあり得ないのではないかと思うのでありますが、その点どんなものでしようか。
#9
○政府委員(佐久間彊君) この点は今度初めて制度が、この改正案が成立いたしますとできることになりますので、実施をしてみませんと、どうかわからないと思いますが……。
#10
○若木勝藏君 私は今申上げました通り、こういうものを実際に置いてもこれは全然実効は伴わないものになりはしないかと思うのであります。結局そういうところに頼んでみたけれども処置が付かぬ、更にこれを都道府県の人事委員会に委託するというふうな形がとられるのではないか。そういうふうなことと思うのでありますけれども、まあ新らしいことでありますから、やつて見ないことにはわからんでありましようが、そういう見通しが私にはあるので、それでまあそういう質問をしたのであります。それだけです、私のそれに対する質問は……。
#11
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。
#12
○原虎一君 この現行法の附則第二十一項の関係はどういうふうになつておりますか。
#13
○政府委員(佐久間彊君) 現行法の附則第二項におきましては、人事委員会又は公平委員会の設置期限を指定をいたしておるわけでございます。従いまして、この法律通りに実施されておりまするならば、現在全国すべての町村に人事委員会又は公平委員会が置かれておるわけになるのでございますが、先ほど申上げましたように、町村の中には、法律で置く建前になつておりましても現実にまだ公平委員会を設置をいたしておらない所があるのでございます。
#14
○原虎一君 私のお開きしたいのは、二項ではなくして、二十一項のいわゆる単純な労務に対する問題はどうなつて行くのですか。この点をお伺いしておるわけです。
#15
○政府委員(佐久間彊君) 附則二十一項の単純労務者の問題につきましては、政府におきまして成るべく速やかに成案を得まして、国会の御審議を願おうということで、私どものほうと労働省と話合いをいたしているのでございますが、現在まだ成案を得ておらないのでございます。併し研究をずつと続けておりまして、まあできるだけ早く成案を得たいということでやつておる次第でございます。
#16
○原虎一君 この問題は大臣の御出席を願うと同時に、それから労働大臣若しくは労政局長の御出席を願つて明確にしたいと思いますから、次回まで質問を留保願います。
#17
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか、本法について。
#18
○若木勝藏君 第九条の十二項になりますか、この「第三十条から第三十八条までの規定は、常勤の人事委員会の委員の服務に、第三十条から第三十四条まで」、云々とこうありますが、ここで非常勤の委員に対してこの三十五条の適用を除外したところの理由を伺いたいのです。三十五条はいわゆる職務に専念するところの義務になつておるようでありますが、そうしますと、これを非常勤の委員から削除してあるということは、非常勤の委員は職務に専念するところの義務がないというふうにも私はとれるのでありますが、非常勤のこの委員こそ、こういう点をはつきりしておかなければ義務を怠るのじやないか、こういうふうに考えるのですが、これを削除した理由を伺いたいのであります。
#19
○政府委員(佐久間彊君) お答えします。第三十五条の規定を非常勤の委員の服務に準用いたしておりませんのは、只今御質問のございましたように職務に専念しなくていいのだという趣旨ではないわけでございます。で、三十五条の規定は、本来、勤務時間に拘束をされております一般職の職員に対する服務の規定であるわけでございます。人事委員会及び公平委員会の委員は特別職でありますので、本来であるならば公務員法の服務の規定を当然には適用にならないわけであるのであります。ただ現行法におきましても、人畜委員会の委員の服務につきましては、特にその職務の性質に鑑みまして準用の規定を置いておるわけでございますが、それにいたしましても、非常勤の委員につきまして、三十五条のようにこの勤務時間を前提といたしました職務専念義務を準用することは、適当であるまいということで削つたわけでございまして、これによつて職務に専念しなくていいのだということは、むろん出て来ないと私は考えておるのでございます。
#20
○若木勝藏君 勤務時間を限定しておることを前提にしておるのが三十五条であるとすれば、そういうふうな方面から……。
#21
○政府委員(佐久間彊君) 勤務時間と申しましたのは、やはり一般職員につきましての午前何時から午後何時までという勤務時間を考えて申上げたわけでございまして、むろんこの非常勤の委員が、週に何回か委員会があります際に出席いたしまして、その時間中職務に専念しなければならないということは、これは当然のことだと存じております。
#22
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか。
#23
○若木勝藏君 先ほどの原委員の御質問の点につきまして時間を持つておつたのでありますけれども、やはり関係大臣がおいでになつたときにお聞きするのが適当だと思うのでありまして、それまで保留いたすことになりますので、私は他に二、三お聞きしたいのは、このいわゆる三十六条の政治行為の制限でありますが、これはまあ関係大臣がおいでになつたほうがいいだろうと思いますけれども、官務当局の方面から見ましてどういうふうに考えられるかということを伺いたいのであります。これは前のいわゆる地方公務員法が制定される場合に非常に問題になつたところであるのでありますけれども、まあ先般の知事選挙の場合にこれが適用されたということになるわけでありまして、非常にこれは選挙の状態から見て、日本のいわゆる民主化の面から考えて、それを後退せしむるところの大きな基になるのではないかというふうに思うのでありますが、実際において事務当局としてこの問題を取扱いまして、先般の選挙から考えて見てどういうふうにお考えになるか、これや伺いたいのであります。
#24
○政府委員(佐久間彊君) 只今の御質問につきましては、私の立場からお答え申上げることは、この事務当局の所管という御質問でございますが、それにいたしましても適当ではないかと思いますので、差控えさせて頂きたいと思います。
#25
○委員長(西郷吉之助君) 若木君に申上げますが今の点は次回に大臣に……。
#26
○若木勝藏君 了承いたします。
 単純労務者のいわゆる特例法の制定につきまして先ほど御答弁がありましたが、いろいろ研究されておるというふうなことでございましたので、どの程度のことが進められておるか、その点を伺いたいと思います。
#27
○政府委員(佐久間彊君) 単純労働者の問題につきましては、私どもとしたいましては、附則二十項の公営企業に従事する職員のいわゆる公営企業労働関係法の問題と関連をして、これまで研究をいたして参つたのでございます。それで、公営企業労働関係法案は只今衆議院のほうで御審議頂いておるわけでございますが、私どもの研究の順序といたしましては、公営企業労働関係法案を先ず成案を得まして、それと他の一般職員との関係、特に国家公務員の単純労務者との関連等も考え合せまして、追つて成案を得るようにいたそう、こういうような考え方で現在まで研究をいたして参つたわけであります。なお附則二十一項の関係と申しますか、単純労務者の中でも、地方公営企業労働関係法の制定によりまして、公営企業に従事いたしております単純労務者につきましては、公営企業労働関係法が成立いたしますと、そのほうで解決が付くことになると思つております。それ以外の単純労務者についての取扱いを研究いたしておるのでございまして、研究の考え方といたしましては、地方公営企業労働関係法との関連、一般職員、特に国家公務員の単純労務者との関連、そういうようなことを主な問題点といたしまして只今研究をいたしております。
#28
○若木勝藏君 いわゆる単純労務者でありまして、この職員は、この労務に雇用されるところの職員は、私は地方行政の担当者であるところの一般の職員と同様に見るべき筋合いのものでないと、こういうふうに考えておるのでありまするけれども、只今の御答弁では、そうではなしに、やはり一般職の公務員に近いような考え方で研究されておるようでありますが、この点は一般職と違つて、本当にいわゆる労務者なんですから、いわゆる労働組合法の保護を受けるとか、或いは政治行為の制限を受けるとか、そういうふうな公務員については、他の職員と全く別個の立場から考えるべきじやないかと、こういうふうに思うのでありますが、そういうことについては事務当局としては全然御研究がないか。それについて伺いたいと思います。
#29
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど、一般職員、特に国家公務員の単純労務者との関連ということを申上げましたのは、一般職員、特に行政権の行使に当つております職員とやはりどういう点で違つた特別の扱いをすべきであるかということを問題としておりますことも含めて申上げたつもりでございまして、御指摘のような点は十分研究の対象として取上げておる次第でございます。
#30
○委員長(西郷吉之助君) ほかに御質疑はございませんか。先ほど原、若木両君よりの質疑に対して、岡野国務大臣、労働大臣に出席を今問合せております。できれば今出て来てもらいたいと思つております。問合せ中でございます。
 他に御質疑ございませんか。
  ―――――――――――――
#31
○委員長(西郷吉之助君) この際、質疑がなければ、前日に引続いて平衡交付金のほうの質疑をいたしたいと思いますが、如何いたしますか。若し大臣の御出席があれば、公務員法に戻りまして、その間、平衡交付金のほうの質疑を続行いたします。
#32
○若木勝藏君 この第二十条の二の関係になるのでありますが、これは市町村にとつてはなかなか手痛いところの法文になると私は思うのでありますけれども、実際において今までいわゆるここに書いてあるところの義務的な内容とか規模というようなことを事実上怠つて、そういうふうにやらなかつたというふうな例とか、或いはその他の例で以て、相当これはこの法文で以て規制しなければならないような事実があつたかどうか。これを伺いたいのであります。
#33
○政府委員(奧野誠亮君) 現在法律等に基きまして義務付けておりまする行政につきまして、国が委託金等を出しておる例があるわけでありますけれども、そのほかに国が従来補助金を支出することによつて特定の行政を事実上強制して来た。併しながら補助金に伴いますいろいろな弊害から、補助金がたくさん配付されたわけでありますけれども、補助金がなくなつた結果、国が要請するような行政が地方に行われなくなつた。だから、すぐ元のように補助金を復活したい、こういうふうな意見が非常に多いものでございますので、補助金の弊害を避けながら、なお且つ国が要請するような行政を地方において行われるようにいたしますためには、それらの内容を法令によつて義務付ければよろしいじやないか、こういう考え方を持つておりますために、この規定を設けたわけでございまして、法律で義務付けられながら、なお且つ実施しないというふうな場合は、先ずないと考えております。従つて補助金を廃止いたしましても、国が要請するような行政をやつてもらいたいならば、そのようなことを八千万国民の代表である国会の議決を経て要請すればよろしいじやないか、その態度を以てこの法律の中で規定しようとしておるわけであります。
#34
○岡本愛祐君 御質問かもうすでに出ておるならばその旨おつしやつて頂いて、私の質問にお答え願わなくてもいいのですが、若し今までなかつたならば、お答え願つておきたいと思うのです。
 それは第十二条におきまして、測定単位及び単位費用の問題、これを今度変えられたのでありますが、従来どういうところが工合が悪かつたので、こういうふうに変えたかということを、少し詳細に御説明願つておきたいと思うのです。
#35
○政府委員(奧野誠亮君) 測定単位を変えました面について申上げて見たいと思います。厚生労働費につきましては、経過的に、地方財政委員会規則で、従来補助金を出しておりましたような行政につきましては、個々にそれぞれの測定単位を定めることができるようにいたしておつたわけでありまするけれども、それらはすでに二年も経過したことでございますので、道府県の厚生労働費について、社会福祉費では人口、衛生費では人口だけで測定いたすようにいたしておるわけでございます。これは本来の交付金制度の趣旨に従つて改めたわけでありまするけれども、なお経過酌に、社会福祉費の生活保護費の面におきましては、被保護者数を附則でやはり測定単位に当分の間使うというふうにいたしております。これにつきましてもいろいろ問題はあるわけでありまするけれども、他の多くのもの声全部やめてしまいまして、ただ経過的に、生活保護費の面だけを、生活保護法による被保護者をやはり使おうといたしております。又衛生費の面につきましては、これもたくさんあつたものをやめたのでありますが、ただ保健所の費用を測定いたしますために、二十七年度に限りまして保健所を測定単位に使おうといたしております。これは二十七年度だけでありまするので、将来はやはり人口によつて測定するということになつて参ると思うのであります。どういう意味でそういうふうな特定のものを使うことが欠陥があるかということを、保健所について申上げて見ますと、現在まで財政がよくなかつたために、保健所をたくさん作りたいけれども、実際は保健所の数は非常に少い、そういう団体は、今後保健行政をやはり伸ばして行かなければならないのでありまするけれども、現実の保健所数を測定単位にとられたのでは、やはり伸ばすべき保健行政に必要な財源というものは与えられないということになつてしまうわけであります。そういう意味で、やはり人口に応じまして、もとより人口の種別によつては補正もしなければなりませんが、それによつて保健所の費用が得られるようにして行かなければならない。それでなければ、交付金制度の狙つております平衡化の理想ということは達せられないと思うのであります。併しながら従来保健所費用につきまして補助金が交付されておつた、言い換えれば補助金を交付することによつて保健行政を或る程度高めようとして来た、そういう考え方も持つておるわけでございますので、やはり経過的には、保健所を設けておれば、それだけたくさん平衡交付金が交付される結果になるということによつて、補助金の持つておりました使命というものも、或る程度この交付金制度の中で経過的には続けるようにして行きたいというような意味合いを以ちまして、二十七年度だけはなお且つ保健所を測定単位に使うというふうなことにいたしておるわけであります。これは両者の考え方の妥協といいますか、そういうところに基いておるわけであります。労働費につきまして、新たに失業者数を恒久的に取入れることにいたしておりますが、これは、やはり労働費の中で大きな部分を占めておりますのは失業応急対策事業費でありまするので、失業者数というものを恒久的に測定単位に入れることにいたしたわけであります。半面に工場、事業場労働者数と、以前には工場・事業場数も測定単位に入れておつたわけでありますけれども、労働関係の費用を測定いたしまするのに、工場、事業場数と労働者数とをそれぞれ切り離して測定いたしたのでは、正確な労働費の算定になりませんので、工場、事業場労働者数をとるけれども、一工場、事業場当りの労働者数が少なければ経費が割高になるということで、補正をしたいと考えておるのでありまして、両者の相関関係に基いて測定単位を使つて行きたいという考え方に基くものであります。これはあとで出て参りまする徴税費につきましても、同じような考え方の下に、納税義務者数と税額の二本建でありましたものを、税額だけに測定単位を改める。併しながら一納税義務者当りの税額が非常に少い場合には、その税額そのものを割高に補正して行きたいという考え方を持つておるわけであります。
 次に、産業経済費の中で、林野行政費の測定単位を、民有林野の面積のほかに林業にかかる従業者数をも用いておつたわけでありまするけれども、林野行政費の内容を考えて見ました場合に、面積だけで測定したほうが、却つて正確が得られるというふうに考えたわけであります。で、山林関係の従業者の中には、薪炭の製造者でありますとかいう人、或いは兼業関係の人なんかが非常に多いわけでありまして、従業者では正確を期せられないわけでありまして、これは農林省からも熱心な要望がございまして、農林省の意向に従つて面積だけで測定することに改めたわけであります。それから徴税費につきまして、税額だけで測定することにいたしましたのは、只今申上げました理由に基くものであります。
 市町村の警察消防費のうちで、警察費は従来警察吏員数で測定しておつたわけでありますけれども、警察吏員数は従前は政令で市町村ことに定数を定めておつたわけであります。併しながら、その後警察吏員数は、市町村が任意に吏員数を定めることができるようになりましたので、任意に定め得るものを測定単位にすることは穏当ではないという考え方から、客観的な測定単位にいたしまして、人口に改めることにいたしたわけであります。消防費につきましては、従前は家屋の床面積を採用いたしておつたわけでありますけれども、家屋の床面積では、例えば戦災地でありますると、一人当りの家屋の床面積が非常に少い。併しながらバラツク建等が多いために、却つて消防の必要というものは非常に多いわけであります。そういう不合理がございましたので、人口に改めることにいたしたわけであります。
 なお又、厚生労働費につきましては、先に府県の分について申上げましたと大同小異の理由によつてこのように改めたわけであります。御税費につきましても同様であります。大体測定単位について改めましたのはそういうことであります。
 なお単位費用を改めましたのは、それぞれの経費の内容を洗つて参りました場合、職員費につきましては、給与改訂が行われております。又旅費につきましては、運賃改訂等の結果、若干増額されて参つて来ております。或いは又個々の物件費につきましては、その後の物価の騰貴等から若干の値上りをしておりますので、それらの経費の算定を改めました結果、おのずから単位費用も変つて参つたわけであります。
#36
○岡本愛祐君 これは都道府県側又は市町村側からそういうような希望が出て、そしてその希望を取入れてこういうふうに改正になつたのか、或いは希望の如何によらず、地方自治庁のほうで、このほうが正しい、公平だというので、こういうふうになつたのか。両者あると思いますが、どのほうが希望であり、どれが希望でなくて自身でやられたのか、その点を伺つておきたいと思います。
#37
○政府委員(奧野誠亮君) 私が先ほど申上げましたのは、大体地方団体側なり各省なりからの希望に基いたものであります。ただ、希望に基かないと言うと語弊がございますけれども、厚生労働費につきまして、厚生省からは、もつとたくさんの測定単位を従前通り使つて行きたい、補助金を交付されておつたようなものは、全部そのまま測定単位に使つて行きたいというふうなことがございましたが、いろいろ話合いをいたしました結果、こういう線でまとまつたわけであります。なお又特に希望がございませんでしたけれども、やはりこちらでこう改正して行きたいというふうに考えまして、例えば失業者数を労働費の測定単位の中に入れる、或いは警察費の測定単位を人口にするということにいたしました血につきましても、地方団体側の意向を徴しまして大体反対はないと考えておるわけであります。
#38
○岡本愛祐君 先ほど御説明の厚生労働費の中の社会福祉費をとつて見ますと、人口のほかに、元は児童福祉施設の入所者数とか、被生活保護者数、一時保養所入所者定員数というふうな複雑な要素から測定単位になつておつたのですが、それを人口一点張りにするということが、何か実情にそぐわないような気持がするのですが、そういうことはありませんか。
#39
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほどちよつと申上げましたように、附則の二項におきまして、社会福祉費につきましては、人口と児童福祉施設入所者数と被生活保護者数、当分の間三本建で行くことにいたしております。先ほど児童福祉施設入所者数を申上げるのを落したようであります。やはり人口を使いながら、人口の構成内容によつてこれを補正するというようなやり方をしたほうがよろしいと思うのでありますけれども、若し個々の、例えば児童福祉施設入所者数とか、被生活保護者数でありますとか、こういうものをそのまま測定単位に使つて参りますると、それらのところに経費を投ずれば投じただけ、たくさん基準財政需要額が測定されて来るということになりまして、非常に地方団体の行政を拘束することになつて来るだろうと思うのであります。客観的に必要なるものはもとより測定するようにして行かなければなりませんので、又そういうふうなものは、人口の種別に応じまして補正をすることによつて、客観的に必要なものを測定することが可能だと思うのであります。客観的に測定すればよろしいのでありますけれども、これを地方団体が力を入れれば入れただけ、その分野の行政費が多く測定される、こういうことは不合理であろう、かような考え方を持つておるわけであります。
#40
○岡本愛祐君 まだ多少ありますけれども、岡野国務大臣が見えましたから、又あとにいたします。
  ―――――――――――――
#41
○委員長(西郷吉之助君) それでは岡野国務大臣がお見えになりましたから、先ほどの地方公務員法の御質疑に対しての答弁をお願いいたします。
#42
○原虎一君 附則第二十一項にありまする「第五十七条に規定する単純な労務に雇用される職員の身分取扱については、その職員に関して、同条の規定に基き、この法律に対する特例を定める法律が制定実施されるまでの間は、なお、従前の例による。」と、この附則第二十一項によつていわゆる単純労務に対する特例法ができなければならんと思いますが、今度の改正にはこれは出ておりません。その半面、地方公営企業体の労働関係法は出ております。それからその公営企業体に属する単純労務者は、その労働関係部面はその法律によつて律せられますけれども、この附則第二十一項に基く単純労務者は依然として今まで同様な扱いを受けるわけであります。これがなぜ放任されておるかという点についてお伺いしたいわけであります。
#43
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これも今回公労法と同じく、地方公務員の労働法と同じように出したいと思いまして、いろいろ労働省並びに自治庁方面で連絡をし研究しつつある次第でございます。併しこれは同じような性質のものが国にございまして、そして国に属しておるところの単純労務者に対する規定と、それから地方における単純労務者の規定との釣合いをとり、連絡をしなければならんということで、その連絡調整が十分まだできておりませんし、国のほうの分もできておりませんので、それでまだ行き悩んでおりますけれども、国の公務員の単純労務に属するものと、それから地方の単純労務に属するものと、これは併せて同じような方向並びに同じような形式で起案をしたいと、こう思つて、只今折角労働省と自治庁との間で研究中でございます。
#44
○原虎一君 この地方公務員法ができましてから相当の期間があつて、改正されるのも、まあ今回地方公営企業体というものができるのを機会に改正されるわけですが、そこで問題は、国の単純労務者と地方公共体の単純労務者との関連があるからなかなかでできないというお話のようでありますが、そういたしますと、一体、結論からお聞きすれば、いつの日にこれができるのであるか。すでに相当の期間放任されておるわけであります。従つて本国会には間に合わなかつたが、来国会にはてきる見通しが立つのか。それは到底できないのであるか。この点、できないといたしますれば、何故に、どこに支障があるのか。その必要性を認めればこそ、こういう特例法を設けるべく附則二十一項ができたのでありますから、やはりこういう法律を作つた国会としても、政府の今までの経過、処置について知る必要があるわけでありますから、その見通しと結論を申しますれば、来国会にはそれが出し得るというところまで来ておるのか。それは、そういう見込はまだ立たない、立たないとすればどこに支障があるのか。この点をお伺いしておきたい。
#45
○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。これはできれば今国会に、今提案されておりますところの地方公営企業労働法と同時に出すような手筈で準備を進めておりましたのでございますけれども、先程申上げましたように、国家のほうの単純労務者に対する案がまだしつかりと決まりませんものですから、それで出せないことになつております。併しながら労働省並びに自治庁におきましても研究はずつと続けておりますから、間に合えばこの国会にも出したいというような情勢で研究しておるのですけれども、併しこの国会にはむずかしいのじやないかと思います。併し無論次の国会には当然提出できるものという私は見通しを持つております。
#46
○委員長(西郷吉之助君) 労働大臣は今衆議院の委員会に出ておられますので、賀来労政局長が見えておりますから……。
#47
○原虎一君 そうしますと、地方自治体のほうで、今お話がありましたように、地方自治体としては殆んど準備ができて、岡野大臣所管においてはもう準備はできた、国のほうがまだはつきりしないので、その点の関係が調整がとれないから今回は出せなかつたと、こう解釈してよろしうございますか。
#48
○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。これは労働省と自治庁とが協調連絡しましてやつておる次第でございまして、そうして自治庁で準備ができておるけれども国のほうでできていないということじやなくて、国と地方の分と一緒に併せて研究しつつある次第でございますから、無論地方のほうができて国のほうができていないということじやなくて、国のほうの分と地方の分とを調整しつつ案を練りつつあると、こういう情勢でございます。
#49
○原虎一君 それでは国のほうを担任している所管である労働省のお考えと、それから今までの経過をお話願いたいと思いますね。
#50
○政府委員(賀来才二郎君) 国のほうの単純労務の所管は現在人事院の所管になつておるわけであります。労働省の所管しておりまする労働組合法、労調法その他は適用になつていないのであります。併し只今岡野大臣からお答えがございましたように、労働省といたしましては、今般国の国家公務員の現業のうちで、郵政、農林、林野、造幣、印刷及びアルコールに関しまする現業職員に対しまして、公共企業体労働関係法の中にこれを入れました国有鉄道及び専売公社と同じような取扱をすることになりましたのに関連をいたしまして、地方中央を通じましてどう取扱うべきかということを研究をいたして、関係各省と打合せをいたしておつたわけであります。今般労働省といたしまして、只今申上げました範囲について、これを公労法と同じように、公労法によつて扱うことにいたしました。大体の基準といたしましては、第一に行政運営の任にはない。第二には肉体労働を主といたしておる。第三はその事業は経済性或いは企業性を持つておる。第四は企業体としての一体性がある。この四つの大体の方針で、これならば公共企業体労働関係法を適用ができる。ところがその他の国におきまする単純労務或いは現業公務員のうちで以上のような条件にあてはまらないもの、特に先程申上げました第三すなわち経済性、企業性、第四の企業体としての一体性、この点に関連いたしますると、例えば建設省の職員、建設省の現業単純労務等はどういうふうに扱わるべきかということになりますると、非常に複雑な情勢になつて参るわけであります。地方公共団体におきまする単純労務、すなわち地方公務員法の附則二十一項によりまして特別に扱われておりまするものにつきましても、深く研究をして参りますると、いろいろ議論が出て参りまして、自治労協の職員のうちにも、この取扱い方については、縦割現業の扱いにしてくれろ、横割は困る、そういうふうな意見も、いろいろまだ最後的確定ができていないようであります。併しながら、又一方から申しますると、東京都におきまする下水道或いは清掃に関しまする従業員、大阪市、神戸市等におきまするやはり同じような下水或いは清掃その他に関しまするものにつきましては、只今私のほうで申上げましたような条件に又やや近い面もあるわけでありまして、これらの労働組合では、非常に熱心に、今度の企業体或いは企業性の強い職員と同様の扱いをしてくれろという意見もあるわけであります。今度の地方公営企業労働関係法及び公共企業体労働関係法の改正の案を出しますまでには、最後的に成案ができなかつた。これが経過でございます。
#51
○原虎一君 そうしますと、国の単純労務関係は労働省の所管というよりか人事院の所管になつて、人事院、労し省、それから自治庁ですか、この三つが意見が一致しなければできないという結論になるのですか。
#52
○政府委員(賀来才二郎君) これは地方公営企業或いは地方公務員につきましては、一応労働省と自治庁との間で打合せすればいいのでありまするけれども、併し更にこれは地方の公共団体の長にも非常に関連がありますから、これらの意見もよほど慎重に承らなければならない事情もあると考えます。国の場合につきましては、これを取扱います際には人事院と労働省とが直接関係がございますが、併しながら、例えば建設省の労務者の取扱につきまして、人事院と労働省だけの決定では、いろいろな問題を起して来ると考えるのであります。と申しますのは、御承知のように、今度これを研究いたしますにつきまして、もう約一年以上にもなるのでありまするが、建設省の現業或いは単純労務について研究をいたしますと、非常に複雑多岐に亙つておりまするのみならず、全国的に問題があるわけでありまして、建設省といたしましてもいろいろ意見を持つておられるようであります。その他、関係各省に非常に広い関係が出て参りますので、やはり全体としての打合せをやらなければ、やはり取扱を、折角これを国家公務員法から外しましで団体交渉権或いは協約権を与えるにいたしましても、実効が上りにくいというふうなことも考えられますので、非常に広い範囲に亙る研究が必要だと、かように考えておる次第でございます。
#53
○原虎一君 建設省の単純労務者と、例えば地方自治体の、東京都でありますれば東京都の建設労働者というようなものとは、よく似かよつておるかと思いますけれども、自治体というものを検討しますと、大体衛生であるとか、建設であるとか、これは交通、バス、軌道、電車ほどではないけれども、大体それに似かよつたものなんですね。そういうものから、まず一度に特例法を作ることが困難ならば、地方自治体からも先ずやりやすいものからやつて行くということも一つの方法だと思う。ですから、国と地方自治体との関係が調整がとれないからというので、いつまでも特例法が作られないということは、やはり基本法の精神を軽視する結果になるのであります。私は国が困難とするならば、困難なところはあとで解決するとしても、地方自治体でなし得る、私はなし得るのじやないかということを考えるわけですね。その点を先程も岡野大臣の御説明は、国との関係で出せない、地方自治体関係は大体見通しがついたという、御答弁じやないけれども、そういうふうに受けとれる節があるわけですね。この点との関係は、どうしても今の政府当局としては、国と自治体と一度にやらなければならないという、やらなければ非常な混乱が来るとか困難があるというような点がありますか。
#54
○政府委員(賀来才二郎君) 実は御意見御尤もでございまして、我々といたしましても、地方公務員法の附則ではすでに二十一項が国会の意思といたしましてああいうふうな修正がなされておる事実、及び同じ現業或いは単純労務にいたしましても、国と地方公共団体におきましては、ややそこに差もあり得ると考えるのでありまして、さような観点からいたしまして、漸次でき得るものからやつて行くというふうなことも考えられるということは承知をいたしておりまして、研究をいたしたのであります。ところが一面、一昨々日に行われました労働法関係の公聴会におきまして、国有鉄道の吾孫子職員局長も申されておりましたし、又これに類似した意見が我々事務当局の間でも論議されましたのは、この際に逐次持つて行くということも必要かもしれないが、併しながらさようなことをいたしますると、一部々々の取扱のために全体の管理というものに影響もいろいろ考えられるし、この際に思い切つて政府といたしましては、以前のように現業、或いは単純労務につきましては、いわゆる権力行使の任にありまするものと、基本的に管理政策というものを考え直したらどうか。たとえて申しますならば、権力行使の任にありまするものは以前は本官という扱いをいたしました。その他の現業等につきましては雇傭人というふうな扱い方、この区別は可成り言葉はこれは適当ではございませんけれども、併し以前にはそういう二つに分けまして、雇傭人等につきましては雇傭契約も私法的な扱いをいたしましたような前例もあるわけでありますから、この際に、基本的にと申しますか、根本的に考え直したらどうかという意見も我々事務当局の間にはあつたのであります。さような議論をいたしておりまするうちに時間切れになつた。従つて、とりあえず全体の管理にも余り影響を与えないという範囲において、言い換えますると、経済性、企業性を持つており、且つ企業体としての一体性があるかという範囲でとりあえず取扱つたというのが経過でございます。
#55
○原虎一君 どうも例えば国の建設省が特例法を作つて単純労務者の団体交渉権等を認めるのが好ましくないから、若し地方自治体にそういうことが行われていれば、国の建設省ならば建設省に影響があるから避けたいというようなことから、ああだこうだと理窟をつけて、それでこの地方公務員法の附則二十一項の精神が崩されているような感じがするわけです。ここに附則二十一項を付けたということは、例えば今度地方公営企業労働関係法ができまして、電車、バス等が罷業権は与えられぬが交渉権は認めることになつておる。その同じ東京都に働いている道路の清掃人夫であるとか、こういうものは一般職公務員と同様に交渉権は認められない。このような矛盾を建設省関係じや納得しないからという、まあこれは例ですが、それで放任されておいて、一方には破防法であるとか何とかいうようなものを作つて暴力行為を取締る。もつとはつきり言いますれば共産党員を取締るというようなことを政府がやるということは、取締る場所を作つて矯激なる運動を取締り得ると考えるところに間違いがあるので、やはり当然なるものには当然なる権利を与えるということに政府が努力をしないで、そうして片方に矯激な運動があればこれを抑えればいいのだというような、これでは国の治安というものは完全にされるとは考えられないわけです。そういう私は大きな観点から考えても、無理に一どきにしなければならないことはないのです。それがやはり国民に希望を与えるという、順次に自由を与えて行くということが必要なんですから、漸次に権利を認めて行くということが必要なんですから、こういう点が私はこのままでいいか。岡野大臣の御説明によれば、次期国会には出せるという自信をもつておやりになつておるようでありますが、賀来局長の御答弁だと来国会に解決つくようにも思えない。例えば来国会にも解決がつけ得るという政府の意気込みでありますならば、労働三法改正問題、破防法の問題の審議にも又精神的な影響があるわけであります。それもなしでやつて行くというような点から考えますと、誠に、私が今申しました基本的な治安の問題、事が起きて来るものを、爆発して来るものを取締ればいいのでなしに、起る前から、起る原因を除去するという政治が行われていなければならんと思うのです。そういう観点からいたしますれば、これは一体、次期国会には国のほうも出し得るのであるかどうか。この点はちよつと労政局長にはお気の毒ですが、大臣が御出席ないものですから伺うのですから、事務的にはどういう情勢であるか、それも不可能なんですか。
#56
○政府委員(賀来才二郎君) 事務的な立場から申しますると、只今原委員の御指摘がありましたように、なるほど建設省とは具体的に申しませんが、各省の間で、再び団体交渉権等を与えると、又以前のような交渉上の紛乱と申しますか、問題がいろいろ起りはしないかという危惧の念は持たれた向きが一時はあつたことは事実でありまして、この点はざつくばらんに申上げていいと思うのであります。併しながら今度いよいよ企業性を持ちました現業の範囲を公労法の適用内に持つて来ましたときに、いろいろ打合せをいたしました結果、さような危惧の念は、だんだんと申しますか、今では殆んどなくなつておる状態でございます。ただ問題は、御承知のように公務員たるの身分を排除するわけには参りません。従つて国家公務員法の身分上の取扱についての基本線は適用をしなければならないのであります。と同時に、労働条件につきましてはこれを団体交渉に移すという二重の管理方式が加わりますので、その点につきまして範囲をどういうふうにするか、実際の交渉方式をどうするかというふうな具体的な問題に入りまして時間切れになつたような状態でございますので、若しも政府におきまして来国会に出すという御方針が決定になれば、事務当局といたしましてはその御決定に従つて全力を尽さなければならないと考えておりまするし、間に合わないというほどの問題はないと、かように考えておる次第でございます。
#57
○原虎一君 これは従いまして附則第二十一項を速かに実現すべく政府に要望するような決議も必要になつて来るかと思います。今の御答弁等から考えても。大臣を督励して行けば来国会に間に合わぬこともないというようなことになりますから労働大臣と、これはまあ一つ参考までに建設大臣くらいを次回にお呼び願つて、まだ審議期間もございますし、もう一度確かめてみたいと思うのです。大体、自治庁のほうの肚は決まつておるようなふうに承つていいと思いますから、時間がありますればそう願いたいと思います。
#58
○委員長(西郷吉之助君) 今労働大臣を督促しておりますが、どうしても何か一つ法案の最終日だそうで、向ろに出ておりますから、次回にぜひ出るように申します。
#59
○若木勝藏君 今の原委員の御質問で大分尽されたところはあるようでありますけれども、私も二三関連いたしまして伺いたいと思うのであります。結局今の御答弁をいろいろ考えてみますと、私はいわゆる単純労務者の場合は、全く行政とかなんとかということに関係なしに、労務の提供というところにあるのでありますので、無理にこれを地方公共団体に勤めておる者であるから公務員の性格を持たせるというようなところに引つぱり込んであるところに、あれがあるのでないかと思うのであります。それで端的に言うならば、そういうふうな方面から切り離して、いわゆる自治庁関係ではなしに、全くのこれは労働者というような立場に、労働省関係に移して、そういうふうに一体考えて行つたらどういうものか、こう思うのでありますが、これにつきまして伺いたいのであります。
#60
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。御説至極御尤もでございまして、そういうような考え方もございまして、いろいろ我々としても研究しておるのでございますが、とにかく先程も申上げましたように、まずもう一つ先に申上げますことは、原委員の御説も至極御尤もでございまして、できるだけ早くできた所からやつて行つたらいいじやないかという、これも一つの考え方でございます。ただ私共が考えております根本精神といたしましては、少くとも地方行政に携つておるところの公務員、それから国家の行政に携つておるところの国家公務員と、こう二種類あるのでございますが、大体、法の建前といたしましては、国家公務員というものを基礎におきまして、あらゆる法律がやはり国家公務員の例に倣つたり国家公務員の方向に物事を決めて行くというのが、地方行政のまあ建前になつておりますから、そこで初めて国家公務員の行き方がどうなつているかということがまず決まつてから、それから地方公務員のほうの建前を決めて行きたい。こういうことがまず根本の問題になつております。そこで只今まで地方の公務員に対する単純労務の労働関係のことも躊躇するわけでございます。でございますから、お説のようなことも一つの考え方でございまして、まだ研究の余地もある次第でございますから、よく根本の建前を捨てないようにして、この附則第二十一条の方針に添うてできるだけ早く単純労務者に対する労働範囲をきめて行きたい、こう考えております。それから又これは労働省の所管にするとか地方自治庁の所管にするとか、これも又一つの問題点でございましてこれも又やはり研究材料の一つになつて研究しつつある次第でございます。御了承願います。
#61
○若木勝藏君 私はそれが非常に長い間決定に至らない点は、そこにあるんじやないかと思うのでございまして、労働省の方面でもその点は十分お考えになつておるのでございましようか。
#62
○政府委員(賀来才二郎君) 今までまあ御質問の御趣旨が主管争いというふうなことをやつたんじやないかとおつしやつたんではなかろうかと思いますが、さようなことはございませんので、原則論といたしまして、先ほどちよつと私が申上げましたが、公務員たる身分にあります者の取扱につきまして、今は全体を公務員ということにして扱つておるのに対しまして、労働の実体からこの法の適用をいろいろ差別をつけたらどうかという問題が出て参つておつたのであります。ところが占領期間中におきましては、この研究は、ざつくばらんに申しますといろいろの支障がありまして、思い切つた研究はなされておりませんし、更に又そういう問題でなくても、国家公務員法ができましてからまだ三年幾ら、地方公務員法ができましてからまだ一年幾らしか経つていないのでありまして、これの施行の結果いろいろな問題が非常に複雑でございますので遅れておつたわけでございます。併し只今岡野大臣から申上げましたように、又私が先ほど申しましたように、ただ場当りの扱いでなしに、行政運営の任にある者と、それから単に労務提供の任にある者との管理政策というものを根本的に考え直す必要があるんじやないかという段階に立至つておるのでございまして、御指摘の御意見につきましては我々も御尤もな御意見だと考えておる次第でございます。
#63
○若木勝藏君 その点は非常に重要でありますから十分一つ研究されまして、私は根本的な立場からこれを法的に活かしてもらいたい、こう考えております。その問題は別にして、簡単に岡野国務大臣の御感想を伺いたいのは、まあ先ほども事務当局に承わつたんでありますけれども、いわゆる地方公務員法の三十六条にある政治行為の制限の問題でありまするが、これはたしか地方公務員法を制定する場合に非常に問題点になつたところであると思うのでありまして、その後まあ現行法通りになりまして、先般知事選挙あたりにこれが適用されたわけでありまするが、実際におきまして選挙をどういう方法でやるかというふうなことは、結局その選挙の選挙運動であるとかいう、その方法自体にもありまするけれども、それが非常に私は、国民のいわゆる政治意識を高めるとか或いは政治の民主化を図るとか、こういうような点において非常に重大な関連を持つものだと考えられるのであります。そういう面からみまして、在来の選挙に比べて、先般行われましたところの選挙は、非常に私はいわゆる公務員の政治行為の制限が非常に拡大というふうな言葉を私は用いてもいいと思うのでありますが、拡大であるために、非常に火の消えたような選挙が行われておる。これが非常に私は、政治の民主化、いわゆる民主主義政治というような方面の発展に支障を来たしはしないか。こういうふうなことを考えておるのでありまするが、事実においても、北海道庁に勤めておる者が海を渡つて青森でなければ選挙運動ができんというようなこともありますので、そういう点からみまして、岡野国務大臣といたしまして、その選挙の後におきましてどういうふうな考えを持たれておるか。それをお伺いしたいのであります。
#64
○国務大臣(岡野清豪君) 私は、この法律のいわゆる地方公務員法の三十六柔以下の点でございますが、それによつて選挙がうまく行くか行かんかというふうなことについて、ちよつと断定いたしかねるのでございます。ただ問題は、選挙は御承知の通りに、お説のごとく、やはり公職選挙法なんかにも非常に影響されますし、又甚だしくなれば選挙の日の天気工合にもよるとかといつて、いろいろな材料たくさんありますものですから、昨年の地方の選挙がどういうふうな結果が出たろうかというふうなことで、いろいろ法文の効果があるかないかという判断をすることはなかなかむずかしいことと思います。併し私が喜んでおりますことは、少くとも昨年の地方選挙の結果から見ますというと、今までになく住民の選挙意識が非常に高揚されまして、又投票率もよかつた。それから又違反も余り、あつたのかも知れませんがそれほど大した恐るべき違反はなかつたということで、非常に成功だつたと思います。でございますから只今ことに規定されておるところの地方公務員法の選挙に対するいろいろの法律もまあ至極よかつたんじやないかというような感じを持つております。
#65
○若木勝藏君 それでは全く我々の感想とは逆になるのであつて、これは政府としては当然そう言わなければならんと思うのでありますが、これは併し根本的に考えてみて、日本の将来から相当これは修正を要する条項だと思うのでありますけれども、今後も一つ十分研究を願いたいと、こう考えております。非常な不満を持つてできたところのあれでありますから、その程度に……。
#66
○委員長(西郷吉之助君) お諮りいたしますが、数日来、午後は今派遣議員を地方に派遣しておる関係上まかなか開会が困難でございますが、今日は午後如何いたしますか。
 それでは今日地方から議員も帰つて参りますから、本日はこの程度で散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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