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1951/06/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第56号
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1951/06/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第56号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第56号
昭和二十七年六月十九日(木曜日)
   午前十一時八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
           中田 吉雄君
   委員
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           宮田 重文君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           吉川末次郎君
          深川榮左エ門君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
   地方自治庁連絡
   課長      松村 清之君
   地方自治庁行政
   課長      長野 士郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) 只今より委員会を開会いたします。
 本日は引続いて地方自治法の一部を改正する法律案につきまして質疑を続行いたします。
#3
○吉川末次郎君 本法案についての連日の委員会の審議の続行でありまして、その間私は数回欠席中坐したことがありますので、甚だ恐縮でありますが、衆議院の改正案について、誰かが来て修正の理由説明があつたそうでありますが、その節、今のような欠席で私は聞かなかつたので、この機会にちよつと専門員のかたから、武井君が御所管かと思いますが、どのかたでも結構でありますが、衆議院は今お尋ねしましたことについて、どのように修正理由を説明されたかということを一つ御説明を願いたいと思うのであります。
 第一は、議員数の減少の点でありまするが、議員数の減少のところの第九十条の衆議院の改正でありまするが、これはまあ要するに現行法のように大体において変えたわけで、この点につきましては、私は衆議院の修正には賛成であります。その理由は、この委員会において数度述べましたようなことでありますが、ところが原則的に私は議員数の減少は誤まれる俗論である、非常に誤まつておる俗論であるということを言つて来ましたので、そういう見解を持つておるのでありますが、ところが衆議院の修正はこの立場を……「前項の議員の定数は、条例で特にこれを減少することができる。」こういうように書いておるわけでありますが、「条例で特にこれを減少することができる。」これはですね、原則的に自治体議員の減少の意見は誤つておるものであるという見解をとつておる者からいたしまするというと、どこかにやはり世間の私の言う俗論の立場を肯定して遠慮しておるような感があるわけですが、それは衆議院はどう説明いたしましたか。それをちよつと言つて頂きたい。今文書を受取りましたけれども……
#4
○専門員(武井群嗣君) 只今のお尋ねの点につきまして衆議院における修正の理由として述べておりますところは次のような点であります。議員定数については、これを半減するというような地行政調査委員会議の勧告の線もありますが、それに従つて改正原案ではおおむね戦前の定数を目標といたしておるのでありますけれども、議員定数の増減ということは、民主政治の中核たる議会政治の重要な問題点であり、現在の地方議会の任期はなお両三年を余しておりますので、急を要することでなく、問題の重要性に鑑み、将来の研究に任す意味においてこの際は一応見送らんとしたのだ、こう説明しております。
#5
○吉川末次郎君 今頂きました文書と只今の御説明と相待つて了解いたしましたが、これについてはたびたび申上げましたような意味において、衆議院の修正の理由といたしておりまする点は、私が言う意味においての全面的に世間流行の自治体の議員数の減少は非常に誤つた議論であるということについて、十分な理解と徹底した考えがないようで、甚だ残念なことであるということだけを申上げて、それからその次に、これも文書にあるかと思いますが、第百二条の議会の開会数でありますが、これは毎年六回以上というのを毎年四回に改めておるわけであります、衆議院の修正案は……。これは原案では年に一回にしておつたのでありますが、このように改められたことは、これは私の見解には近いのでありますが、これはまだどこかに遠慮気味があるように思われるのであります。私は現行法によつて六回以上開けときめられておるところの会合をば、年に一回にしようというようにきめてしまうということは、これはやはり官僚的な考えであつて、役人は、議会はむしろ徹底的に言えばないほうが彼らには結構だと、そう思つておると思われるのであります。丁度吉田さんが議会が嫌いなのと同じ役人根性であります。併し私がそういう役人根性と官僚的な見解にやはり反抗して、自治体の議会はやはり自治体居住民の議会を通じての関心を自治的に高めるという意味から言うならば、これを開会することは極めて、自治体の地元において、中央に招集するとか何とかいうような面倒な手続を経る必要がないのでありますから、絶えず私は会合を開いておくことが、政府の立場からはいいのじやないかと思つておるのでありますが、これで衆議院が又四回に原案より飛躍して来られたことはいいと思うのでありますが、併しこれは私としては現行法通りでいいと考えておるのですが、そこで衆議院は何と理由を言つておりましたか。これも文書の中にあると思いますが、ちよつとありましたら、恐縮ですが、一遍読んで頂きたい。
#6
○専門員(武井群嗣君) 只今の点につきましては、衆議院の修正部分に関する説明の中に、その理由には言及しておられないのであります。二頁にあると思いますが、二頁の真ん中より終りのほうでありますが、議会の運営に関しましては、第百条の改正部分を削つて、第百二条の改正部分を改めて、現行法通り定例会制度を存続することとし、ただ現行法が定例会は毎年六回以上招集しなければならないとなつておりますのを、毎年四回招集しなければならないと改めております。かように申しております。その理由は特にありませんが、これが多分それに該当すると思いますのは、これは申すまでもなく議会活動を、二頁の終りから三行目、法律上保障すると共に、実際面との調和を図り、兼ねて運営の簡素化に資せんとするのであります。かように書いてありますが、これがその理由と承知いたします。
#7
○吉川末次郎君 それではやはり衆議院の改正案について理事者、お役人のかたがたに承わりたいと思うのですが、第百五十八条の改正の第一の都についてでありますが、都の改正の部分で、衆議院の修正案には港湾局を入れて来ておるわけであります。これは現在東京都において港湾局というものが去年でしたか一昨年でありましたか、新設されたわけでありますが、ほかの港湾を持つておりますところの大都市では港湾の管理経営等の事務は横浜、神戸等においては專ら市の或いは事務になつているんじやないかと考えられるんでありますが、東京都は旧東京市を主体として東京府の行政事務を併有したものであります。東京港というものは今日における最も主要なる港湾の一つでありますから、東京都の行政としてはやはり港湾局というものがあるほうがいいんだと思われるので、その点からいたしますと衆議院の修正が妥当であるように考えるのでありますが、当局はどうお考えになるか。
#8
○政府委員(鈴木俊一君) 東京都の港湾行政でございますが、これにつきましては只今吉川委員の仰せになりましたように、東京港の経営、いわばこれを一つの自治体としての港湾経営という仕事があるわけでございます。で現行の地方自治庁におきましては、さようないわゆる公共事務、公営事業と申しますか、公営事業に関しまする組織については、特に各地方団体によつていろいろと違いがあるわけでございまするから、法律の上では一定した組織を書きませんで、条例で適当な組織を設けることができるというふうに百五十八条に規定をいたしておるのであります。そういう関係で、現在例えば東京都におきましても交通局でありますとか、或いは水道局というようなものは特に法定の局の中には入つていないのでございますが、これは都の公営事業に関する組織として都が条例で置いておるわけでございます。政府の考え方といたしましては、港湾行政が、港湾経営の事務が都においてやはり相当な重要性を持つたものであると考えましたが、今申上げましたようなむしろ公営事業の組織の面で考えて行くべきものではないかということで、特に行政事務を主として所管をする部局の中には列挙していなかつたのでございますが、併し港湾行政事務自体もあるわけでございまするので、これを特に標準の部局の中に法定するということにつきましては政府としても同意をいたした次第であります。
#9
○吉川末次郎君 それからちよつと武井君にお尋ねいたしますが、特別区の事務に、競馬に何か関するようなことを修正で加えて来た条項、衆議院の修正にあつたと思いますが、記憶ありませんか、たしかあつたと思いますが……。そういうのがありましたね、競馬……、どこだつたかね。
#10
○専門員(武井群嗣君) これは従来区が競馬をやつておつたのですが、そのことを附則におきまして従来通り経営し得ることに書いております。
#11
○吉川末次郎君 現在どうなつておるのですね。もう一遍言つて下さいませんか、恐縮ですが。競馬法……。
#12
○専門員(武井群嗣君) 現在競馬法の等一条におきまして特別区は競馬を経営することができることになつています。
#13
○吉川末次郎君 特別区は……。
#14
○専門員(武井群嗣君) 引続いて経営できるように附則で書いおります。
#15
○吉川末次郎君 それは私は地元のことでありながら非常に迂遠なのですが、その実情を知らないのですが、特別区はそういう規定があつても実際上はやつていますかな。
#16
○専門員(武井群嗣君) 品川区。
#17
○吉川末次郎君 品川区……。それではこの問題について自治庁側の御意見を承わりたいと思いますが、どうですかね。そういう特別区が競馬法による競馬なんかをやるということは……。
#18
○政府委員(鈴木俊一君) 現在のこの競馬でございますが、これは年に一定の開催度数を法律で制限をされておるわけでございます。そこで特別区は連合いたしまして組合を作つて競馬の経営をしておるわけでございまして、即ち現在二十三の独立の市が経営すると同じ限度の回数をやることを認められておるわけでございます。即ち年十六回開催できるようになつておるのであります。これを、その状態を今後もそのまま認めて行こう、こういうことで特に修正の十七項でありますが、地方自治庁附則の十七条の規定にかかわらず市は特別区を含むものとするということで、個々の特別区をこの場合は市と同じように見まして、即ち二十三の市開催し得るだけの度数を開催できるよがうにしよう、こういうわけでございます。
#19
○吉川末次郎君 競馬法を見ればいいのですが、条文持つておりませんが……。個々の特別区が独立的にやることができるのですか。それで品川区にあるそうですが、品川のは品川区がやつておるのですか。それから後楽園からは絶えず安井君から案内状を受けるのですが、一緒に行つたことはありませんが、あれは都が経営しておるのですかね。それで二十三区が合同した旧東京市の形としてやつているのですかどうですか。その点御説明願いたい。
#20
○政府委員(鈴木俊一君) 大井競馬場で特別区の組合を設けまして、大井競馬場を設けてそこで年十六回現在やつておるわけであります。
#21
○吉川末次郎君 品川がやつておるわけですね。
#22
○政府委員(鈴木俊一君) これは組合で連合して……、若しくは二十三区の特別区の連合が……。
#23
○吉川末次郎君 法律のこの条文は連合でなければいけないのですか。
#24
○政府委員(鈴木俊一君) そうではなくて特別区がやることができる。それを地方自治法によりまして組合にしてやつておるわけであります。後楽園には競馬場は……。
#25
○吉川末次郎君 競輪場ですね……。私はこれで結構です。
#26
○原虎一君 昨日岡本委員に対して岡野国務大臣が釈明をされまして、特別区の性格が憲法九十三条ですか、これによるものでないような発表がありましたのですが、それはそれといたしまして、大いに議論のあるところでありまするが、私は仮に性格が変つたといたしましても、区長の公選制をなぜ政府原案のように都長官の、都知事の任命にしなければならないかという点についての御説明をお聞きしたいと思うのでございます。
#27
○政府委員(鈴木俊一君) この都と特別区との関係は古い時代の制度におきましては、東京市という一つの、一個の自治体であつたわけであります。そういうことはやはり大都市でありまするこの東京の実態から考えまして、やはり個々の特別区がそれ自体独立した自治団体と申しまするよりも、特別区全体の区域を通じてそこに一つの自治団体としての性格がある。かように考えるわけであります。従いまして現行の地方自治法におきましては、昨日岡本委員から御指摘がありましたように、個々の特別区を一つの独立した市と同じような建前の自治団体、かように考えてできておるわけであります。ところがその後できました各種の特別法におきましては、やはり特別区の区域全体がむしろ一つの市と同じような性格のものである。かような立法がその後逐次できておるわけであります。そういう現在の法制全体から考えますると、これはやはり特別区の存する区域全体を一つの区域と同じ自治団体の区域と考えまして、さような区域において一元的な、一体的な、或いは有機的な行政の運営ができるようにすべきであるというふうに考えたわけであります。で特別法ではすでにさような状態になつておりますのに対応いたしまして、地方自治法におきましても、さような姿のものにこの際性格を変更すべきであるというふうに考えたわけであります。さような考え方からいたしまして、一面におきましては事務の配分をいたしまして、これは特別区の区域内にのみ主として関係をいたしまするものはできるだけ特別区に委譲する建前をとりましたが、それ以外の市の事務、普通市がやつております事務は都がこれを行う。いわば従来都も区も同じような立場で仕事がやれるようになつておりましたのを都に対して広い推定をいたしまして、原則としては都が特別区の区域内では仕事をする。こういう建前にしたわけであります。さように性格を変更した点が一番重要な点でございます。それから更に都と区との関係におきましては、特別区が都の仕事をいたします場合におきましては、都知事が特別区の区長に対して指揮監督する、さような関係に立てまして。これも統一的な有機的な処理ができるようにいたしたわけであります。区長の選任の方式を変更いたしましたのもかような特別区の変革に対応するものでございまして、都の区域におきまする事務の有機的な、一体的な処理を可能ならしめまするためには、やはり行政の執行の当面の責任者である区長の選任につきまして、都と特別区との両方の意見の合致というものによつて仕事を行わしめるようにすることが適当であるという考え方に立つたわけでございます。さような点からいたしまして特別区の区長の選任の方式を変えた次第であります。
#28
○原虎一君 特別区の性格を変革した、その結果今鈴木次長の説明があつたような理由を仮に肯定するとしても、区長を任命制にしなければ、今の御説明のような趣旨が都の行政の円滑なる運営を欠くという理由がどこにあるかということですが……。
#29
○政府委員(鈴木俊一君) この都区間の行政の一体的な有機的な考慮を図るという、さような考え方だけを、突き進めて参りますると、これは例えば行政区にするということが、一番そういう手は一体的な処理が可能になる方式でございます。併しながら従来の多年の沿革、伝統によりまして、特別区というものは常にこれは法人であつたわけでございまして、少くとも営造物に対する維持管理の権能というものは、如何なる時代の法制におきましてもこれを認められて来たと私ども考えているのでございまして、さような意味から、これを単に統一的な処理という見地からのみ強調いたしまして、行政区に持つて行くということは、これは適当じやないというふうに考えたのでありまするが、しばしばさような特別区の従来の沿革伝統を、今申上げましたような都における行政の一体的な有機的な処理、こういう二つの要請を如何に調和するかということが、今問題であるわけでありまして、政府の原案といたしましては、さような二つの要請を見合わせつつ、かような特別区の区長の選任につきましても、都区両者の意思の合致した方式における選任の方式が適当であるという結論に到達したわけでございまして、かような方式をとりますることによりまして、現在よりも更によく都区間の行政的一体的処理が可能になるだろうというふうに考えているわけであります。
#30
○原虎一君 衆敵院の修正案に対する岡野国務大臣の考えは、簡単に申しますと反対か賛成か、そうお尋ねしているのです。
#31
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私どもといたしましては、政府原案が一番いいと思つて無論出したものでございますが、併しその根本原理と申しますのは、今次長から申上げましたように、都と区との間に有機的の連絡ができるということを目標にしているわけでありますから、衆議院のほうでお直しになつたことにつきましても、やはり都と区との間に有機的な連繋ができるという形が整つていると思います。非常に満足して賛成するわけにも参りませんけれども、これなら我慢もできるという程度で賛成している次第であります。
#32
○原虎一君 これは岡野国務大臣はですね、地方自治体の議員を、或いは長もおやりになつたこともないし、その点では恐らく御経験がないと思うのです。私どもも、例えば戦前におきまして東京市時代に議会におりました者として、このくらい悪いものはないと思うのです。これは鈴木次長も官僚としては相当自治体に対する法律上の支配もしたであろうけれども、運営というものから考えれば、それは実際に議会に入つて、その自治体の運営に体験を持つておられないから、今のような御答弁が簡単に、何か間違いないような御説明ができると思うのですが、我々まあ経験のある者としましては、これよりもなお悪いと思うのです、私に言わしめれば……。と言いますのは、東京市時代にはそういう、今度衆議院で修正したような制度があつた。まあ私過去の個人の関係のことを申しては失礼ですけれども、昭和十二年から牛塚市長、小橋一太市長、頼母木桂吉市長、大久保留次郎市長と、これは東京市会で、九十名くらいの市会で選出したわけです。このときには東京には民政、政友の二政党と、我々社会党があつた。併しながら市長をきめる場合においては、例えば紀元二千六百年のときの東京市長を如何なるものにするかという問題、そのときに大久保留次郎君を推薦する政友と、民政の中の三木武吉氏一派とが一緒になつてこれを推す。そうしてまあ他の民政党の諸君は若槻禮次郎氏を推す、この場合には、一つの九十人ばかりの議員の争奪戦が起る。このくらい東京市政を暗くしたものはないのです。今度の区長も都知事の承認を経て区会が選挙する。四、五十人の区会議員を、簡単に申上げますと、買収をした者が区長になれるということになるのです。甚だ日本の民主政治の欠点として残念でありますけれども、その点はそういうことが想像できるのであります。なつた区長はどうかと言えば、都知事の御気嫌を伺わなければ勤まらないし、区会議員側の御意見も伺わなければ勤まらない。それで何をするかというと、このくらい中途半端にして区政というものを毒する制度というものはない。そういう点についての一体御検討はなされていないのか。まあ衆議院のほうで自分の党のほうの東京都関係の議員がきめたことであるから反対もできないからまあ賛成するというようなことであるか。一昨日から岡本議員が区政と特別区というものについて区長任命を質されている。重大問題です。それの問題を決するのに、憲法の規定を或る程度蹂躙するような改正をやられて、そうして区長を任命制にするということをきめておきながら、その点は衆議院の修正が出て来ればそれで止むを得ない……。これは私にすれば非常な決意を持つてとにかく当局はやつておりながら、中途半端の而も非常に悪くできたものを賛成しているということは我々了解できない。むしろそんなものならば私どもは反対でありますけれども、自治庁当局が考えた原案が本当に正しいという確信を持つならば、こんな中途半端な区政を毒するような修正に対して賛成さるべきものじやない。いい加減なやり方であります。ですから、そういう点について一体大臣は、或いは鈴木次長も如何なる検討をされて、将来如何なる区政も毒するものでないという確信がどこにあるか、その御説明を願いたいと思います。
#33
○国務大臣(岡野清豪君) 只今の御説は、誠に傾聴に価する御説でございまして、私もそういうような実は体験を持つておりませんのでございますが、併し事務を担当いたしております以上は、いろいろ各方面からの御意見を拝聴したわけでございます。それで、その場合におきまして今御説のようなことを強く主張されたおかたもあつたのでございますが、先ほども申上げましたように、私どもの信念といたしましては、政府原案がいいということに絶対に盲信するつもりはございませんが、併し一旦提案をいたしまして国会に委ねました以上は、やはり国会の多数の御意見というものは政府としては何ら干渉する権限もございませんし、さように追随せざるを得ないという立場に置かれております。そういう立場におきまして、私は先ほど申上げましたように絶対に賛成し得べきものでもないけれども、併し根本趣旨としましては、都と区との間に何かの連繋があつたほうが都市一体、即ちもとの東京市というものは大都市として、そうして地方行政をやつて行くのに非常にいいことであるということの趣旨に達しましたものでございますから、これをとにかく我慢をして受け入れて、又変革されるのには国会がそういうことにおきめをされれば、どうも私ども力及ばずというような立場において考えておるので、これは只今の私の心境でございます。
#34
○原虎一君 そういたしますと、衆議院の修正に対しての決定は十分お認めにならなかつた、そういう点について参議院としては考えなければならないということが明かになつたと思うのであります。ただ私意鈴木次長にもう一点伺いますが、仮に、まあ極端な表現になりますから誤解を招いてはいかんと思いますけれども、この区を特別庁として行政区に近いものと性格を改める、併し原案作成のときに意図したもの、その場合に行政区のように全然なつたといたしましても、区長を任命制にすべきか、任命制にしなければならんという理由、その法律的根拠と事実、運営上のそうしなければならん理由がいずこにあるかということについて御説明願いたいと思うのでございます。
#35
○政府委員(鈴木俊一君) 行政区という考え方で特別区の制度を考えるということは、政府としてはさようなことは理論的には可能であろうと思いまするが、政府が具体的に立案をいたしまする場合におきましては、全然さようなところまで考えたことはないのであります。併しながら若しも行政区にいたしました場合に、最初の任命の方針をどうするかというような趣旨のお尋ねだつたと思いまするが、これは行政区にいたしまする以上は、やはり区議会というものが当然になくなるわけでございまするので従つてこれは現在東京以外の五大都市において区長の任命の範囲としてとられておりまするところの、市長がこれを任命する方式をとりまして大都市行政に従事いたして、おります職員がやはり全体として一体となつて仕事ができるような形になることが望ましいのであります。現在の都におきましても、都吏員が各特別区に配属されているわけでありまして、実際の行政事務の衝に当つておりますものは一体的な形において仕事に当つているわけでありますから、これを行政区にいたしまする以上は、やはりそれらの各区におきまして実際行政事務に携わりまする上に立つてこれを指揮し監督するものでございまるすから、これはやはり都全体が一人の任命権者の下に統一せられて処理するということが適当ではないか。それが人事行政の確立向上を期する上において、例えば恩給の問題にいたしましても、或いは人事の交流の問題にいたしましても、公務員としての地位の保障もさようなことで一貫的にできることになりまするし、地位の保障ができますならば、これは行政に対して又専心打込んでやれるということにもなるわけでございまして、これは行政区にいたしまする以上は、やはりさような形で上下一つの選任の方式にすべきであろう、こういうふうに考えるのであります。
#36
○原虎一君 そこで、東京都の場合はやはり行政区と特別区の中間のごとき表現が正しいかどうか知りませんけれども、そういう性格のものになつてそういうものに対して一体民主的な自治制を、特別区と性格が変つたからといつて、それを何も任命制にすることによつてのみそれが、次長が説明されるように、有機的な一体として都政が行われるとは……私は区長任命制と特別区と東京都との有機的な一体の運営とは切離れないものとは考えられないのであります。それは重大な一つの条件ではあるかも知れませんけれども、今次長が今まで説明されたような区の性格にいたしましても、区長を任命制にすることが絶体条件ではあり得ないので、むしろ区長を公選にいたすことは、区民と区政区長、この三つのつながりを民主的にする必要な条件ではないかと思います。そういうことを私考える場合に、内閣の今度の改正案は本末が顛倒いたしまして、目的は次長が説明されるように、各区の有機的一体性を確立すると言いながら、その必要な法的措置であるようなものよりか区長任命制を先にして、それを前提としてあとから説明をつけたというようなやり方にしか理解できないのです。こういう点について一体自治庁自体が考えたこの性格にするとしても、私は区長を公選にしてどこに支障があるか。むしろ、いずれをとるか、任命制をとるか、公選制をとるか、公選制のほうが現下の東京都の都政の運営、それは日本全体か考えた民主主義日本の建設という点から考えて正しい方法ではないか。而して区長を任命制にしなければそういう有機的な一体の都政が、区行政ができないという理由がどこにあるか。こういう点を私はお聞きしたいのです。
#37
○政府委員(鈴木俊一君) この都の行政の有機的な一体的な処理という一つ
 の目的に対して、これを実現する方法をどう考えるかという問題でございます。この点御指摘の通りでございます。そこで一体的な処理を図る手段方法にはいろいろあるでございましようが、その目的を達する限度、程度にも又いろいろあるわけでございまして、私どもといたしましては先ほど来申上げましたように、都区間の事務の配分を明確にいたしまして、その間の紛争をなくするということ、又一旦配分されました事務の処理につきまして都として一体的に処理できますような上下の指揮監督の関係を明らかにするということ、それと区長の選任の方式を変更する、こういういわば三本の柱によつて都区の一体的な処理が相当程度に確保できるというふうに考えたわけであります。勿論一体性という点のみを強く考えますならば、行政区にすることが一番理想でございますけれども、その点は縷々先般来申上げましたごとく、これは実際に東京市の沿革に鑑みまして適当でないという結論を我々強く抱いておるわけでございまして、さようなことができないといたしますならば、かような方式で参りますことが目的を達する実際の実情に即する方法ではないかというふうに考えた次第であります。
#38
○原虎一君 都の沿革、区の沿革と言われますけれども、敗戦前は御承知のように区長は任命制であつた。そうすると終戦後の六七年間の沿革です。でありますからどういうところの沿革で私は今度のような方法が、殊に私は衆議院がやつた修正なんかというものはその点がなつていない。沿革からということを非常に重要視されておりますが、沿革を重視するならば、敗戦というものは……、非常に日本は革命をやつたのです。血を流さんだけで、外で血を流す、戦争という非常に悲惨な血を流したのでありますけれども、敗戦による政治的、社会的な革命というものは血が流されないだけだと思います。御承知のように農地改革ということはこれは大改革であります。だからあなたの言われる東京都だけの問題を考えれば、沿革なんというものは、或いは伝統なんというものは非常に……、それを以て重視されて法律ができるというようなものではない。それほど大きなものではない。敗戦による革命というものを、いわゆる地方自治制、民主政治というものの基本的なものと考えて行かなければならない。都の沿革をお考えになつて、伝統を重視すれば、戦前に帰ることは任命制にするということです。だからあなたがたの原案は、私は戦前に帰る官僚政治への復活を夢見ておると言われても仕方がない。私はその点が理解できない。むしろ都政を有機的な一体にしたい。その考え方に我々は共鳴するが、それは何も戦前の区長任命制にしなければできないというものではないと思います。こういう点を、あなたがたは原案を提示されて都民に訴えるときに、了解できるだけのものができておらんと我々は考えるわけです。その点をもう少し御説明願いたい。いわゆるあなたの、伝統、歴史というものを尊重して、それができないと言われることが我々は了解できないところなんですが……。
#39
○政府委員(鈴木俊一君) やや伝統、沿革という言葉を使い過ぎまして誤解を生じましたことは遺憾でありますが、先ほど来申上げました点は、区を自治区にするか、行政区にするかという点から考えまして、従来も伝統、沿革上これは常に自治区であつたということを強く申上げたつもりであつたのでございます。区長の任命の方式につきましては、只今御指摘のごとく、これは従来は市長の任命方式をずつととつて来ておつたわけでございまして、この点は、まさに御指摘のごとく伝統とは関係ないのであります。併しながら今のお話のございましたごとく、終戦後の地方自治法におきまして十分の直接選挙と一つの公選の方式をとつて来たわけでございまするし、又区の議会の地位にいたしましても、戦前の制度におきましては一般の市よりも特に区の議会の議員数を低く定めまして、区の段階によつて十五人、二十人、二十五人というような、いわば一つの小さい会議体、会議体を組織するようになつておつたわけでございますし、又議会に対する議決事項というものも今日よりも更に制限されておつたわけであります。これらの点を地方自治法の施行によりまして一般の市の議会と同じような建前に、議会に関する限りは完全になつておるわけでありますが、さような議会の地位を強化したような、終戦後の一つの方向と睨み合せまするというと、やはり政府原案にございましたごとく、今日の段階におきましては、知事が議会の同意を得て選ぶということが、やはり実際に即した案ではないかという結論に到達したわけであります。勿論将来の方式といたしまして知事が任命するというようなことも考えられなくはないと思いまするが、併しこれは実際の民主主義の、殊に区政における実際の民主化の今後の発展を見た上でなければさような結論に到達するかどうか、目下のところは私ども確信を持つていないわけでございまして、やはり知事と、区の意思機関としての議会の合致したものを区長が選任するという方式が現在の発展段階における区の自治制の問題としては適当ではないかというふうに考えておる次第であります。
#40
○原虎一君 もう一点御説明を聞いて、お伺いしたいのですが、私は法理的な立場から伺つておるのではなくて、実際運営の場合から、東京都の都政の実情から、この法律案が正しいかどうかということを決定する必要上お伺いしておるわけであります。今の御説明で私まだ納得できない点は、逆な方面から御質問申上げると、区長を公選制にしておれば、他の法律的措置によつて、今まで自治庁が考えたような、政府原案のような都政を統一して行くということは不可能とお考えですか。要するに区長任命制は絶対条件であるのか。他の法律的措置によつて、区長が公選制であつても目的が達せられる方法はないとお考えでありますか。その点をお伺いしたい。
#41
○政府委員(鈴木俊一君) これはやや私見になりまするが、区長の公選制という点を維持しておいて、なお且つ都の一体的な処理が可能であるかどうかというお尋ねでございますが、これはまあいろいろ理論的に考えますならば、絶対にそういうなことはあり得ないというふうには申上げられないと思うのでございまして、工夫をいたし研究をいたせば、かようなことも考えられなくはないと思いますけれども、これはやはり宙でさような問題を考えましても、実際に実行……、実際政策として考えまする場合は如何かと思うのであります。さような大都市の構成方式というものも一つ考えられなくはないと思います。極く私見を申上げることを許して頂ければ、さようなものも頭の中では考えられないことはないと思いまするが、併し現在の実際の段階におきましては、さようなことは実現は到底困難であるというふうに考えておる次第であります。
#42
○原虎一君 考えられないことはない、殊にまあ次長は主として机上でもをのお考えになつておる人です。そのかたが考えられないことはない、けれども現実においては困難であると言われる。その現実において困難という理由を、これはあとでよろしいから、私どもは現実においてそれが必要と考えます。あなたのほうは現実において困難だ、その困難だという理由を今すぐでなくてよろしいから、文書でもよろしいから出して頂きたいと思います。我々はそれが東京都政のために必要だ、こう考える、非常に食い違うのです。法理的にこれが不可能だと言われれば、今度は法律的に研究しなければならない。法律的にはあり得る、現実においては不可能だ、私は現実においても必要だし、可能だ、この点が非常に違うのです。その点を文書でよろしいからお出し願いたい。
 ほかの点でちよつと大臣に御質問しておきたいと思います。この都道府県の機構を法律で定めた、私は他の方面もありますが、時間の関係もありますから一点だけを伺いたいのでありますが、人口割によりまして労働部というものを民生労働にしたり、厚生労働にしておるのですね。ところが機構というものを人口割ということで御判断になつたということについて了解できないわけです。労働部なんかを非常に必要とするところは、仮に人口が少くても労働人口が非常に殖え、或いは生産施設の非常に発達した県においては当然労働部を置かなければならないのですが、そういう点については県の条例か何かで変え得ることにならないのですか。そういう人口だけを基準にされておられるという点についてちよつと理解できないわけですが、これを御説明願いたいと思います。
#43
○国務大臣(岡野清豪君) その点はやはり労働部を置きますということにつきまして、何を基準にして行つたらいいだろうかということにつきましていろいろな角度の方面から研究をしたわけでございます。もうお説至極御尤もでございまして、人口だけによりますというと労働者が非常に多い都市をたくさん持つておる県と、それから又そうでない県というようなところがございますので、その点におきましていろいろ置くべき行政機関が違つて来ることは当然でございます。でございますが、まあ一番公平にやつて行けるのがやはり人口割であつて、そうして一番通俗的に普遍的に考えられる基準の部というものを一応我々考えまして、そうして今度の改正案を出したわけでございますが、併しこれは御承知の通りにその地方々々の情勢によりまして、これを条例によつて十分調節し得るというような途を開いてございまして、又お説の通りに人口というものは完全な基準にはなりませんけれども、人口を基準にして一応きめておいて、そうして地方々々の実情において条例によつて伸縮自在ができる、こういうようにやつた次等でございます。
#44
○原虎一君 その場合に別に普通の条例でやれるという……、つまり普通のものと解釈してよろしいわけで、中央の承認を要するというようなことはないわけですか。
#45
○国務大臣(岡野清豪君) 部の数なんかを標準以上に増そうと思いますときには、一応内閣総理大臣と協議をすることにしております。と申しますことは、御承知の通りに都道府県の事務と申しますものは、約八割くらいが国の委任事務でございます。そういたしますというと国家行政というものといつも釣合をとつておかなければなりません。いろいろな事務が出て来ますれば、それは中央政府に各地方ともどこかで連繋があるわけでございますから、その意味におきまして中央政府との連繋をとらせるという意味において、総理大臣と協議させる、こういうふうにできているわけであります。
#46
○館哲二君 今、原委員から御質問になりました部局の問題でありますが、私はこう人口でいろいろあれこれされるのは余り面白くないと思うのでありますが、一応それを了承するとしまして、あらかじめ内閣総理大臣に協議しなければならないと言われておりますのは、現在各府県で人口が違つても、並んでいる府県の状況からしまして、百万前後であるというようなことで、部局が二つも違つておるというような状態でありまして、結局いろいろな事情からしてこの改正その他を協議することになろう思いますが、その協議が非常に面倒なもので、又厄介なことになるのですが、内閣総理大臣にあらかじめ協議した場合には直ちに話がつくかどうか、その含みはどうなんですか。
#47
○国務大臣(岡野清豪君) これは私ども地方行政の、何と言いますか、地方行政を育成して行く非常な強い立場の自治庁になして行きたいと思うのでございますので、こういう考えが底に沈んであるのです。と申しますことは、各省が皆、これはいいことか悪いことか存じませんけれども、自分自身のところの出先機関、出先機関と言つてはおかしうございますが、出先の機関をたくさん作ろうという意欲が多いのでございます。それで中央、地方を通じまして、事務の簡索化をしますのには、できるだけ一つの部局で成るべくたくさんの仕事をして行つて能率を挙げる、こういうことにして行きたい。地方行政の意欲、それに対しまして中央からいろいろな要求を府県に申付けまして、例えてみればA省がAの事務を通じて、ほかの仕事と比べて多くもないのに、Aの自分の出先になるべき部局を置けとかいうようなことがついて来そうなものですが、そういう面を内閣総理大臣に協議させる。そうしてこれをチエツクして行くと、こういうことも含んでおる。これが大きな問題でございます。そうして先ほども申上げましたように、地方の実情は我々としてもよく知つておりますから、地方の実情に合つた本当の部局を増設するとか、円滑にするとかいう場合には、無論我々は地方の味方でございますから、十分内閣総理大臣に協議いたします。早くそれを結論に到達させるように努力するつもりでおります。
#48
○館哲二君 今大臣のお話になりましたのはよくわかります。現在私ども拝見したのでは、或る県で、これは部でなくて課の問題ですが、砂防課を置かなければ承知しない、或いは児童課を設置しなければいかん、簡索にして部局の整理をしようと思つてそれに着手をしたところが、中央からそのために砂防課を置かなければ予算はもらえない、児童課を置かなければ予算を寄越さんというような暗示を受けたり、明示を受けたりするというような事情もある。その意味におきまして、私は非常に結構だと思うのでありますが、その半面、例えば山林部というものが、山林が百万以下の県であつて山林が主体になつているというようなところに山林部を置こうといつたときに、は、これは直ちに話がつくようにならなければならないのではないかと思いますので、一つ協議につきましては十分に支障のないようにお進めを願いたいと思います。
#49
○吉川末次郎君 資料の提出について要求したいのですが、それはこの前に議員数の減少の案を政府が出して来られて、不徹底ですが、大分骨抜きに衆議院でせられたのですが、そのときに申したのですが、世間に行われているところの議員数減少の議論は、アメリカの自治体の一部に行われているところの一つの議論に過ぎないのであつて、ヨーロツパ諸国においては大体日本の制度と同じような割合で人口数に比例さして議員が出ている。ロンドンでも議員の数は約四十四人でありまして、それから今はどうなつておりますか、ワイマール憲法下の第一次欧洲大戦直後のベルリンにおいては、ベルリン市会の数は二百二十五人というようなわけで、すべてを通じてまあ私は大体日本の人口数に比例しての議員の数というものはむしろ多い、相当あるようなわけだと思うのですが、これは政府が議員の数を減少すると、非常に日本の新聞紙等を通じて極めて浅薄に行われて来たのでありますが、その誤つた浅薄な俗論に終始してこういう案を出して来られた。併しそのことについては、日本の地方自治法が出発の点からプロシヤの制度の翻訳であつたのでありますが、やはり外国の制度との比較検討が必要なのです。それについて極めて大きな問題でありまりして、どういう比較制度的な研究を行われたかということについての資料の提出を求めたわけであります。それで御参考のために手許で、参議院の地方行政委員会の専門調査委員会で即成しました資料を参考に、こちらのほうからむしろあなたのほうに提供したわけなんですが、あなたのほうでも、多分こういう案を出しておられるについては相当な御研究があつたに違いないと思うので、その資料を出して頂きたい。それで参議院の専門調査委員会が即成で作り上げた比較制度的な資料と相呼応して、参議院から出て来ている資料は、こういう点がむしろ最近の資料では間違つてるというようなことを十分検討して、あなたのほうとしての今までのこういう案を出されるのについての基礎になつた、そういう外国との比較研究の資料を出して頂きたいということが第一点。
 それから第二点は、今の原君の質問になりました原君の経験によるところの昔の制度による東京市会の市長の間接選挙制度から起つて来たところのいろいろな政治的な弊害についての、いろいろ剴切な御質問がしたいのでありますが。岡野国務大臣の御答弁は余り私たちを満足せしむるものでなかつたのでありますが、これはその節も申しましたように、ニユーヨークでは、現在の制度においてニユーヨークは行政区の制度をとつておりますけれども、区長は公選制度をとつておる。ニユーヨークの区は五つに過ぎませんけれども、併しこの制度は比較制度的な研究の上においては、我々は非常に参考にすべきものであると思つておりますので、鈴木次長のお話によるというと公選制度にしておいて、なお公選区長制の下において、都区の行政の有機的統一化を図り得るところの途は考えられないでもないというようなお話がありましたから、そういう見地からニユーヨークの行政区でありながら、区長を公選にしておるということの比較制度的な研究、そうして今鈴木君が言われたニユーヨークの市政というものが、公選区長の制度をとりながら、その下において有機的な統一が害されているか、いないなかというような点に観点を置いて、そうしたことについての資料を一つ出して頂きたいということを、委員長から自治庁当局に御要求願いたいと思います。皆さんの御賛成がありましたら……。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#50
○中田吉雄君 極く技術的な質問なんですが……。
#51
○吉川末次郎君 今の点は御賛成願えますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#52
○中田吉雄君 第百五十八条の部局の問題ですが、(都道府県知事の権限に属する事務を分掌させるため、都道府県に条例で左の局部を置くものとする。」というので、必置になつておるわけでありますが、その際に情勢によつては、条例で殖やすことも、総理大臣と協議が整えばできるというようになつておるのですが、その際に例えばこういうのはどうなりますか。第四、人口百万以上二百五十万未満の府県に民生労働部というものがある。そこで特に社会保障関係などを重視するような知事が出て、民生関係の独立の部を作ろうというような場合は、これは民生労働部は必置になつておるのですが、その関係はどうなるか。それと人口百万以下でも同じように厚生労働部というようなことになつて、やはりそういう知事が、必ずしもないとは言えない。特に社会党なんかではそういうことに重きを置くと思うのでありますが、これは極く技術的な問題ですが、これは必置になつておるのですが、技術的にまずいのじやないかと思うのでありますが……。この名称が二つコンビになつておる場合です。
#53
○政府委員(鈴木俊一君) 只今お尋ねの点でございますが。これは条例で如何なる部を自分の県に置くかということをきめるわけでございまして、そのきめる場合の標準でございます。従つて第二項にございまするように、分掌する事務を変更したり、局部の名称を変更したり、局部の数を増減しない限度においては十分できるわけでございますが、今お話のごとく、特に民生行政が非常に重要であるというわけで、これを別個の部局を置き、別個の責任者を置いて、大いに行政の推進をいたしたいというような、その地方における特別な事情があり、それが妥当なことでございますれば、無論そういうことも認められるべきものと考えておるのであります。
#54
○中田吉雄君 そうすると、この必置になつておる名称は変えてもいいのですか。
#55
○政府委員(鈴木俊一君) その通りであります。
#56
○中田吉雄君 併し「左の局部を置くものとする。」ということになつて必置になつて、それはやはり名称もそういうふうになつておるように……。
#57
○政府委員(鈴木俊一君) この法律案の三十八頁のところに「都道府県知事は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、条例で、局部の名称若しくはその分掌する事務を変更し、又は局部の数を増減することができる。」こうなつておるわけでございまして、又二十五頁の百五十八条第一項のところでは「条例で左の局部を置くものとする。」こうなつておるのであります。ですからこれで法律上今までの現行自治法と同じように、当然に条例を作らないで部が置かれるというのでございませんで、必ず都道府県といたしまして条例を設けなければならない。その際に自分の県としては、かような部を置くことは不適当である、名称を変更いたしたい、二項の部の形において他の部に移したいというようなことは、条例で勿論できるわけであります。ですから必置部という考え方ではないのであります。
#58
○中田吉雄君 わかりました。
#59
○吉川末次郎君 議事進行について……。委員長は、個人的な話で恐縮ですが、個人的な話、私との間の話で、できるならば今日討論、採決に入りたいというような御意向もあつたようでありますが、各会派ともまだこの法案についての態度は、自由党は知りませんが、私のほうも……、緑風会のほうも公式にきめておらないように承わつております。私のほうもきめておりませんので、それで又区長の問題等を通じて政治問題化しておりまするが、政治的に多少重大性を持つた法案でございますので、慎重な態度で臨みたいと思つております。それで今資料の提出を原君からも、私からもいたしたわけでありますが、これらの資料等も十分やはり検討した後に態度をきめたいと思つておりますので、会期も大体一週間乃至十日ぐらい延びるようなことに決定しておるかと思いますから、それと睨み合せまして、選挙法人その他の法案の審議は、急遽我々も着手するように、委員長からお運び願いたいと思います。もう質問は大体出尽しておるかと思いますので、あと討論採決に入りましても、これは時間を要しない形になつておるかと思います。まだあるかも知れませんが……。(「それは違う」と呼ぶ者あり)それほど長時間はかからないかと思います。五日も一週間もかからないと思います。ただ今言つた極めて必要な資料の調成には、自治庁ではそうお粗末なものを出さないで、十分自信のある資料を、五日やそこらかかつても作つて、我々の手許に出して頂きたいと思いますから、そういうことと睨み合せて、どうぞ本日は若し委員長で、討論、採決に入りたいというような御意向をお持ちでありましても、事実上不可能であると考えますので、十分お含みの上、本日はそういうことはしない、そうした資料の提出その他が整つて、十分なる態勢が完備して、円満にこの討論、採決に各派とも入り得るような態勢が整つたときにして頂きたということを一つお願い申上げます。
#60
○委員長(西郷吉之助君) 只今の吉川委員の御発言のことにつきましては、理事会を開いて、各党によく協議いたして決定いたしますから……。
#61
○中田吉雄君 吉川委員がもう質問が尽きたじやなないかという……。
#62
○吉川末次郎君 それはそれでしたら、まだ会期が長いですから……。
#63
○中田吉雄君 午後理事会でどうなるか知りませんが、岡野国務大臣が昨日岡本委員に答弁された問題は、これ非常に重要だと思いまして、早速速記録をとりまして調べてみましたので、一つ午後の劈頭この問題からいろいろ御質問したいと思いますので……。
#64
○委員長(西郷吉之助君) それではこれで午前中は休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩。
   〔休憩後開会に至らず〕
ソース: 国立国会図書館
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