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1951/07/07 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第59号
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1951/07/07 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第59号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第59号
昭和二十七年七月七日(月曜日)
   午前十一時四十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
六月三十日委員深川榮左エ門君辞任に
つき、その補欠として岩男仁藏君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
           中田 吉雄君
   委員
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           宮田 重文君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           吉川末次郎君
           林屋亀次郎君
           岩木 哲夫君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
   地方自治庁行政
   課長      長野 士郎君
   法務府法制意見
   長官      佐藤 達夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方税法の一部を改正する法律案に
 関する件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。
 本日は地方自治法の一部を改正する法律案につきまして質疑をいたしまして終了次第採決に入る予定であります。
#3
○中田吉雄君 地方自治法に入りますまでにちよつとお伺いすることを御了承願いたいと思うんですが、鈴木次長にお伺いいたしますが、先般地方税法の一部改正法案が衆議院の了承するところとなりまして、いよいよ通過したわけでありますが、その実施の期日につきまして政令に委ねているわけですが、自治庁とされては大体その実施の時期はいつ頃と御予定でしようか、その点お伺いいたしたいと思います。
#4
○政府委員(鈴木俊一君) 相当広汎な政令において規定を委任されておる面がございますので目下鋭意検討中でございますが、遅くとも今週中には施行の運びにいたしたいというふうに努力いたしておる次第でございます。
#5
○中田吉雄君 ちよつとはつきりしなかつたのですが、その点。
#6
○政府委員(鈴木俊一君) 遅くも今週一ぱい中には施行の運びにいたしたいということでございます。
#7
○岩木哲夫君 今鈴木次長の言う施行の運びにいたしたいことは実施期の意味でありますか。実施期はそれでは今週中に政令ができ上り次第即日実施とこういう方針ですか。
#8
○政府委員(鈴木俊一君) 只今申上げましたのは、目下、立案中でございますところの地方税法施行令の成案を得て公布することが可能になります日取りのことを申上げた次第でございます。
#9
○岩木哲夫君 それでは実施期はいつからでありますか。
#10
○政府委員(鈴木俊一君) 実施の時期につきましては政府といたしましてはなお検討中でございます。
#11
○岩木哲夫君 実施の時期については検討中ということはちよつと不可解なんですが、衆議院の修正案のときには十月から実施ということに、課税関係で余儀ないものについては特別の方法をとるとしても、地方税については十月から実施ということで委員会においても本会議においても決定されたのであります。で、参議院においてもやはり衆議院と同様の実施期ということを目途として質疑は交されて、この質疑のうちにも十月から同様に実施する旨の発言があつたのであります。でなお政府から出された資料についても十月一日から施行することに準拠せるそれぞれの数字が資料として表われ、それによつて減税総額その他の問題が論議されたわけであります。従つて衆議院においても十月一日の実施期と政府の態度が決定しておつたと同様、参議院の修正点においても同様のことと私たちは承知いたしておるのでありますが、それは今研究中というのは、十月よりももう少し早めようという意味合の含みを以て言われておるのか、その辺を一つ明らかにしてもらいたい。
#12
○政府委員(鈴木俊一君) それぞれ税によつて違うわけでございます。只今お話の点は入場税、遊興飲食税の点であろうと思いますが。
#13
○岩木哲夫君 お話中ですが、入場税、遊興飲食税、それから事業税、電気ガス税等であります。
#14
○政府委員(鈴木俊一君) 政府といたしましては参議院或いは衆議院の御修正の際の御趣旨、御意向というものを十分尊重いたしましてその趣旨に副うように施行いたしたいというふうに考えておるのでございますが、まだ具体的にその入場税、遊興飲食税等の施行の期日はこれ又政令できめることに相成つておりますので、その施行期日に関しまする政令は、地方税法の施行に関する地方税法施行令とは別個に切離して公布するようにいたしたい。その関係のほうは更に今少し国税の当局とも打合せました上で決定したい。併し十分両院の御趣旨は尊重する考えであります。そういうふうに考えておる次第でございます。
#15
○岩木哲夫君 もう一つ念を押したいと思います。国税等は大蔵省の折衝の点に属することはよく承知しておるのですが、その趣旨は論議のうちにもそれは明らかであつたと思うのであります。併し地方税においては十月一日から施行するということについては、重ねて申上げます通り、衆議院においでもその結果によつて数字が表われておる。参議院における修正論拠或いは修正総額等につきましてもこの点で起算されて明らかになつておるのでありまするから、十月一日より早いならばいわゆる減税の趣旨には合いますけれども、十月一日より施行期日が遅れるということになりますると、参議院における修正の趣旨というものは著しく損傷を来たすわけであります。
 で、重ねて私が申上げます通り政府及び地財委から出した資料は十月一日から減税を実施するという基準において、すべてこのスタンダードにおいて論議せられたわけでありまするから、御趣旨は十分尊重するということでなく、この際この地方自治法の制定の態度を決定する前にかなり重大な問題だと思いますので、はつきりこの機会に御声明を願いたい、若し次長が御声明が困難であるならば大臣において声明をされたい、かように思うわけであります。
#16
○国務大臣(岡野清豪君) もう一度お願い申上げます。
#17
○岩木哲夫君 それでは大臣に重ねてお尋ねいたしますが、先般衆議院及び参議院において地方税法の修正が行われました。このときに当つて衆議院においてはこれが実施期は十月一日と委員会においてもその他においても政府及び地財委の態度が一致して、これに準拠してそれぞれの減税の数字が表われて、これが参議院に送付されたと承知いたしております。参議院におきましてもこの線に伴い十月一日から減税実施という趣旨に基いて論議が交わされ、又政府及び地財委から出された資料においても十月一日から減税する旨根拠に基いてそれぞれの資料が表われ、論議が繰返されて、そうして結局御承知のような修正案が可決確定されたわけであります。従つて衆議院における減税総額、参議院における減税総額合せて政府並びに地財委の見方としては一応百六十一億乃至二億という数字が出されておるのであります。併し我々においてはそれより以下であることは確信を持つておるのでありますが、その論議は今別にいたしまして、結局これが実施については当時の政府及び地財委側との各委員会においての議論も十月一日を実施期としての根拠によつてすべてが行われたわけであります。ところがこれの実施について今鈴木次長は施行令の発布の手続を近く終えて発布をいたしたいということは今言明されましたが、実施時期については両院の趣旨をよく尊重するというだけで明確に十月一日から実施しようというようなことを確言いたしておらない。それは重大なことでありまして当然十月一日から施行されるということにおいて、あの減税案が衆議院におきましても、或いは政府においてもいろいろ論議された結果が衆参意見が一致して今日に至つておるのでありますから、当然十月一日から実施さるべきものと確信されておるわけでありますが、地方自治法採決の事前にこの点を明らかにしておかないと、この自治庁法にも関連する点が多いと思いますので、この際政府責任者は明らかに言明されて頂きたいと、こういうわけであります。
#18
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。
 先ず衆議院におきますところの立法の際におきまして我々が承知いたしておりますところは、入場税とか遊興飲食税とか、大幅に新らしい予算措置をしなければならない部分につきましては、予算措置を補正予算におきまして作つて、そうして十月一日からやりたいという予定で通過して来ておるわけであります。そのほかの非課税の問題につきましては、御承知の通りに国鉄とか専売公社とかいうようなものの課税をすることにつきましてバランスが合つておりますから、この法案が通過いたしましたらすぐ実施する予定であつたのであります。ところが参議院に参りまして、衆議院において予算措置のバランスの合つておりますものを歳入の方面のほうの課税のほうをお削りになつて、そうしてなおそれに衆議院におけるよりも非課税の額が多くなつておるわけです。その点におきましては私は衆議院におきまして、その第二種類のほうは速刻実施する予定でありましたけれども、参議院に参りましては、これはやはり予算措置をしなければどうしてもできない、こういうことに実情がなつたわけでございます。でございますから、政府といたしましては無論両院の御決議は尊重いたします、同時にできるだけ早い時期においてこれを実施したいと思いますが、衆議院におきますと同じように予算措置をするということが先ず前提條件で、そうして十月一日という元の予定時期を必ずそれが御期待に副うように努力するつもりで実は今予算措置に対してよりより協議をしつつあるところでございます。併し予定といたしましてはお説のように十月一日を予定したいと思いますけれども、その前に前提條件といたしまして、予算措置をしなければ地方財政は困つている時期でございますから実施いたしかねる、これが政府の実情でございます。
#19
○岩木哲夫君 非常にあいまいな御答弁で明らかにならないのですが、予算措置ができたら十月からやる、予算措置ができなかつたらそれから延びると、こういうような意味でありますが、予算措置をとるということにおいて、政府側においても衆議院側においても了承されたことだと思う。だから予算措置は十月までに当然とるべきことが制約されている。ですから予算措置がとれたらということでなく、例えばこれは又論拠が多少枝に亙るかも知れませんが、二十六年度過年度増収でも四百五、六十億あるという実情等から見て、予算措置がとれないということはないわけであります。併しこれは多少議論になるかもわかりませんが、いずれにおいても予算措置をとるべきことを制約されて衆参の修正案を政府側においても了承され、国会において決定されたことは、最高権威機関としての優先的なものでありますが、それが政府側においても了承されたのがそういうことだと承知いたしております。従つて予算措置をとるべきである、従つて十月一日から施行されるべきである、こういう解釈と我々は承知いたしておりますが、それでよろしいわけですか。
#20
○国務大臣(岡野清豪君) お説の通り十月一日から予定いたしております。併し我々地財委並びに自治庁の立場といたしましては、予算措置がとれなければ地方財政にこれ以上負担をかけるわけに参りませんから、予算措置がとれることが先ず第一条件でございます。
#21
○岩木哲夫君 重ねて聞きますが、予算措置がとれるのが条件だということは甚だあいまいなので、予算措置をとるべきことを前提として承知されたのであります。だから予算措置をとつて十月一日から実施します、こうあるべき態度だと思いますが、どうもややこしい答弁ですが、もう一度、明らかにしておいてもらいたい。
#22
○国務大臣(岡野清豪君) いつまで申上げても同じであります。予算措置がとれなければ地方財政を担当する我々としては実施するわけに参りません。
#23
○中田吉雄君 岡野大臣にお尋ねします。さつきの発言中に、衆議院の修正案ではバランスがとれておつた、こういうことを言われたのですが、それはあのような税率を引下げても自然増収でトントンになつておる、こういう意味なんですが、ところがこういうふうになつておつたのを、参議院で国鉄の固定資産税、これをなくして釣合いがとれんようになつたから財源措置ができんと言われたんですが、改めてお伺いいたしますが、バランスがとれておつたのは税率を半減しても大体自然増収で財源措置をしなくてもよかつたんだ、こういう含みがあつたんですが、この点をはつきりとお伺いいたしたいと思います。国鉄の固定資産税をなくしたと言われたんですが、たつたそれはわずかな額でありまして、どうもその辺の呼吸がわからんのですが、はつきりしてもらいたい。
#24
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。地方税の衆議院におきます修正には二種類ございまして、一つが入場税、遊興飲食税、電気ガス税の非課税、この分につきましては予定を十月一日とし、予算措置ができたらその通り実行して行きたい。併しあとの方面のいろいろの非課税とか免税とかいうものは固定資産税、即ち国鉄、専売公社におけるところの業務用でないものに対してかけて、そうしてそれと丁度バランスを合せまして、これはいつでも法案が通り次第実行する。こういうような二種類に亙つた修正案でありまして、ところがこの二種類のものはこつちへ廻つて参りまして、遊興飲食税並びに入場税につきましてはこちらでいろいろありましたけれども、大したことはございません。あとの方面におきまして非常に入り繰りができまして、同時に国鉄、専売公社あたりを以てバランスをとつておりましたその収入の途がなくなつたわけでございますから、これもやはり衆議院におけると同じようにすぐ実行するわけに参らなくなりまして、そうして予算措置をしなければならない、こういうことになつたわけであります。でございますから、結局問題は参議院に参りまして両方とも予算措置をしなければならない。併し衆議院における修正では第一種類のものはこれは予算措置をやる。それから第二種類に属するものは、これは予算措置をしなくてもちやんと収入が入つて、それで引合うようになつておるわけであります。詳しく一つ内容をあなたに御説明申上げたいと思います。
#25
○岩木哲夫君 ちよつと大臣の言うことは大臣にはおわかりか知らんけれども、我々にはわからないんです。
#26
○国務大臣(岡野清豪君) それは事務当局に詳しく御説明させます。
#27
○岩木哲夫君 事務当局の問題じやない。私の言うのは政治的の問題であつて、数字上できるとかできないとかいう問題は技術的に解決しておるはずなんであります。だから予算措置ができたら減税をするというのでありますと、非常にその辺が食い違うのであつて、予算措置をしてそうして減税を十月一日から実施する、こういうことに了承しておるのでありますが、できなかつたらいつまでもほつておく、予算措置のできるできないということは政府の一方的に考えることであつて、それでは予算の会議にまで地方行政委員会議が携わるかと、こういうことにもなるわけでありまして、数字技術の問題ではないのであります。併し数字技術の問題にも触れる点があるかも知れませんけれども、そういうことであるとちよつと我々が了解したのと食い違いがあるんですが、よく政府のほうにおいても御研究を願いたいと思います。
#28
○政府委員(鈴木俊一君) 先般御議決のありました地方税法の一部改正の法律の附則第一項に、施行の期日のことがあるわけでございますが、その中で入場税、遊興飲食税及び電気・ガスに関する改正規定は、昭和二十八年四月一日までの間において政令で定める日から適用すると、こういうことになつているわけであります。従つてこの点につきましては先ほど大臣から申上げましたごとく、十月一日を目途といたして予算措置を一面考えつつ政令で定める日から施行すると、こういう考え方でございます。
 その他の税につきましては市町村民税に関する改正規定中、法人税に関する部分については昭和二十七年一月一日に属する事業年度分から、従つてこれは二十七年一月一日の丁度事業年度分でございますから、二十六年の下期の分からということになるわけであります。
 それから広告税及び接客人税に関する改正規定は、二十七年七月一日からということで、それ以降はなくなりますが、それまでは六月まで月割で取る、こういうことになるわけであります。
 その他の改正規定、即ち固定資産税でありますとか、或いは事業税等につきましては二十七年度分の地方税から適用するということにその施行の関係が相成つておりまするので、先ほど大臣から申しました点の固定資産税等につきましては、若干財源上の欠陥が目下の地方財政計画との間には生ずるわけでありますが、二十七年度分から適用するということになつておるわけであります。
#29
○岩木哲夫君 それはそういうことに適用するということになつているということは誰もきめておらない。この資料は、政府が出した資料というものは十月一日から実施するというので、何億何千万減るという資料のトータルが出ておるのであります。それでは資料と話が食い違うじやないですか。資料と食い違うじやないですか、資料と。
#30
○政府委員(鈴木俊一君) 先ほど来申上げましたように、入場税、遊興飲食税及び電気ガスにつきましては、これは昭和二十八年四月一日までの間において政令で定める日から適用すると、ただこの場合に、それでは地方財政の計画においては十月一日ということでございましたので、そういうことで計算をいたして資料として提出いたしておるわけであります。ですからこれはさようなことで財政措置、予算措置が行われますことを予定にいたしておるわけであります。その他の部分はそれぞれこの法律の中に直接適用の時期が、規定を通じての、これは財源措置の如何にかかわらず、これによつて当然御公布になりますれば二十七年度分として、或いは二十七年の一月一日の属する事業年度分から採用するということになるわけであります。
#31
○岩木哲夫君 そうすると遊興飲食税、入場税、電気ガス税は十月一日から実施するように予算措置も講じておるからそれは実施されるだろうと、こういう解釈をとつていいんですね。
#32
○政府委員(鈴木俊一君) これは予算措置を講じておるのではなくて、今後講ぜられなければならないということでございます。そういうふうにいたす予定の下に編成を準備いたしておる、こういうことであります。
#33
○岩木哲夫君 そうするともう一遍駄目を押しますが、十月一日から実施しなければならないという前提で予算措置を講じつつあると、こういう解釈ですね。
#34
○政府委員(鈴木俊一君) 十月一日から施行いたすようにという御意向が国会の御意向としてありますので、政府といたしましてはさような施行の運びになりますように努力をするわけでございますが、その関係の財源措置は、これは予算に待たなければ相成りませんので、その間の睨合せがあるわけでありますけれども、十月一日に施行いたすととが可能でありますように政府としては十分努力いたしたいということでございます。
#35
○岩木哲夫君 それでは十月一日からできるように十分予算措置を努力するということは、十月一日からやるということを表示したと解釈いたしますが、残余のことについては非常に私は疑義があつて、政府が出した資料というものはそういう資料じやない。そうであつたならば、衆議院の減税措置によつて生じた年間百三十一億と、参議院の修正措置によつて生ずる年間百三十一億というものは違うじやないですか。こんなに狂いがあつて、べら棒に減るのじやないですか。そういうことであつては又その内容についても非常に問題があつて、地財委なり政府が出した資料は非常な大まかな見積であつて、実際ならんのじやないかということをあとで聞いたのですが、そういつた点などから見て、非常に国政審議を惑わすような態度で資料を出されるということは甚だ私たち遺憾であります。特に今言われた入場税と遊興飲食税、電気ガス税のごときは十月一日から十分実施し得る態勢であると、そういう又一見少し問題を含ましたような工合に答弁をされるということは非常におかしいのであつて、やはりそういうことでなくして、十月一日から実施をして、その目途で予算措置を全力を挙げて講じつつあるのだと、こういう態度であるべきだと私は思うのですが、そういうことに了承してよろしうございますか。
#36
○政府委員(鈴木俊一君) できるだけ御趣旨に副うように努力いたしたいと考えている次第でございます。
#37
○岡本愛祐君 その問題に関連して岡野国務大臣に少しお尋ねいたしたいのですが、先ほど岩木君並びに中田委員に対する御答弁の中で、今度の地方税法の改正には二つの種類がある。入場税、遊興飲食税、電気ガス税、これは半減になつた、或いは大幅に、或る種のものについては、電気ガス税を免除したりした関係で税収が非常に減る。だから何とか財源措置の方法をしなければならん。それで三つの点については、いつからこの改正案の目途で施行するか、それがまだ未定になつておる。こういうふうな御説明であります。それに対して岩城委員からいろいろ確めがあつて、なかんずく十月一日からその改正案を施行するように努力をし、財源措置も講ずる、こういうふうな御答弁だと思うのであります。そうするとその財源措置というものは、どういうふうなことでなさるつもりか、それを伺つておきたい。財源措置は何によつてなさるか。こういうものを作らなければならないが、どういう名義で財源措置をさせられるつもりであるか。
#38
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。財源措置をいたしまするにつきましては、御承知の通りに、地方財政のほうでできるだけまあ地方財政の建前といたしましては、税収を確保しておきたいと思います。ですからこういうふうに減税をしなければならないという場合におきますると、どうしてもこれは平衡交付金か何かによらなければならんのであります。でありますから、補正予算を出しますときにこの補正予算によりまして国家財政のほうから吸い込んで穴埋めをすると、こういうことに大体なるかと思います。
#39
○岡本愛祐君 これも岩木君が指摘されたのですが、現在の地方税収入なんかの見積におきまして、当初二十七年度の税収として見積しておつたものが非常に大きくて、現在の状況ではすでに七十億か穴があくことになるのであります。これも何とか補充をしなければならん。それはもう地方税法の改正を待たずしてそれだけの財政欠陥が出て来るということを地方財政委員会のほうでは答弁をしておるのであります。それにプラスして、まあ三つの税の軽減又は免除による税収の減、それも財政措置をする、これはまあ平衡交付金を主として増額をする、それによつてやられるというおつもりのようですが、第二の種類のほう、これは先ほどの御答弁では、そのほうは国鉄公社とか専売公社とかそういうものに対する固定資産税その他の地方税法の改正による税収の増加というものでカバーができるつもりか、それを参議院のほうで又削つてしまつたらここに財政欠陥が又出て来る、こういうお話のように承わるのでありますが、そうすると、そのほうは数日後に地方税法の一部改正法案を公布されるとしますとどうなるか、これは大臣でなくて鈴木君にお伺いいたしたいと思います。そのほうも大分欠陥が出て来るがそのほうはどうなつてお量か、数日後に施行されるとしますれば。
#40
○政府委員(鈴木俊一君) 財政委員会のほうから出しました資料の中には、先ほど岡本委員から仰せになりましたように、入場税、遊興飲食税、電気ガス税等に関しまして七十数億の欠陥を生ずるということと、それからそれ以外の年税なり季税に相当しまする分につきましては、今年度約十四億の減収を税制改正の結果生ずる、こういう数字を出しております。これらの部分は両方同じ問題といたしまして、今年度の地方財政計画を補正いたし、何らかの財源措置をしてもらわなければならんというふうに考えておるわけであります。
#41
○岡本愛祐君 そうすると、第二種類の今度の改正による財政欠陥についてまあ十何億であるから、取りあえずその改正法律案を施行しておいて、その欠陥は又あとで入場税や何かの大幅な税収の減るその分と一緒に出す、こういう意味ですか。
#42
○政府委員(鈴木俊一君) その通りでございます。
#43
○岡本愛祐君 岡野国務大臣に一つ伺つておきたいのであります。それは義務教育費国庫負担法案というものが、今出ておるのであります。そういたしますと、義務教育費について国庫からその二分の一を補助するということになります。まあ但書みたいなものが第二項についておりまして必ずしも二分の一でない所もありますけれども、まあ大体二分の一は国庫から補助をすると、東京都、大阪府は御承知の通り地方財政平衡交付金をもらつてないのであります。で、地方財政平衡交付金をもらつておりませんから、全部自分の税収によつて義務教育費も賄つておつたのであります。それに対しまして、今度は半額義務教育費の、まあ教員給の半額を国庫から補助してもらうから、それだけは非常なプラスになるのであります。大阪はどのくらいかちよつとわかりませんが、東京都におきましては五十億くらい国庫から今までより余計にもらうということになります。そういたしますと、東京都に関する限りは、入場税、遊興飲食税、電気ガス税の減税というものは平衡交付金の増額によつてとんとんになるのでないかというふうにも思うのですが、そういうふうな御研究はまだできておりませんか。それをお尋ねいたしたいと思います。
#44
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。義務教育費国庫負担法は、あれは二十八年度から実施するということになつております。
 それからもう一つ。あれに私が一番に反対いたしましたのは、御承知の通りに、平衡交付金はやらんでもいいような普通公共団体に対しても義務的にやはり出さなければならん。これは不公平ではないか。不公平と申しますより、そういう金があるならば、もう少し貧弱な、困つた方面にこれを分けたほうがいいのではないかというような考えを私は持つております。そこで、いろいろその調節もしなければならんということも私が反対しました一つの理由でございまして、で、先般あれに対して私が承認を与えましたのは、二十八年度から施行する、同時に普通公共団体にそれほどのものをやらなくてもいいじやないか。同時にやる金があるならば、もう少し困つている貧弱団体のほうに廻したい。それならば二十八年度から実施するのだから、それまでの間に地方税法並びに国税とよく調整をとつて税法の改正もし、同時に平衡交付金の内容についても相当な検討をして、そうして不公平のないように又貧弱団体も困らないように金を廻してやるというふうな方向に、ちやんと税制なり運営の方法をよく検討いたしましてその上で実施すると、こういう了解の下に私たちはやつておるのでございますから、そういうものが東京に行くなら非課税とか何とかいうものととんとんの率を睨み合すというような関連性を持たして私は考えておるのではありません。
 それから先ほど東京だけで五十億という仰せでございましたけれども、これは大分前のことですから忘れましたけれども、東京大阪両方合せまして、五十三億のように考えております。併しその数字ははつきりいたしませんが、若し何でございましたら詳しいことは地方財政委員会のほうから報告させます。
#45
○岡本愛祐君 何故そういう問題をお尋ねしたかと申しますと、国会が無理無体に地方税法の修正をしてそうして税収を少くした。それは非常に不都合だという声があるのであります。そうして平衡交付金をそのために百何十億も増さなければならんいうような声があるのでありますが、併し増さなければならんことは確かであるけれども、義務教育費の国庫負担ということを考え合せてみると、それほど平衡交付金を殖やさなくてもいい計算になるのではないか、こういうふうに考えたから質問するのであります。つまり今度の地方税法の改正に基く地方公共団体の財政上の収入減については、この義務教育費の国庫負担法というものが外に出て来ますからそれで大分カバーされるというふうに考える、こういうふうに私は思うので質問したのであります。
#46
○岩木哲夫君 議事進行について。心は先ほどから大臣や鈴木次長の答弁は甚だ遺憾であつて、最後の言明がいつされるかわからんが、そういうことであるというと、何だかペテンにかかつたような感じがするので、私が先ほど来指摘いたしておることは、この地方税の修正をすべきか否やということについて論議の最中に、一体こうした修正を実施するとどれほど減税になるのかという資料を政府に要求いたしましたら、政府から大月一日附で出しておる資料には、本表中たくさんな明細な金額が列挙されて、本表中修正部分については入場税、遊興飲食税、狩猟税、及び電気ガス税は昭和二十七年十月一日から、それから広告税及び接客人税は昭和二十七年七月一日から、その他の税は昭和二十七年度分から実施するものとすると、こういう資料が出ておるのであります。これに基いて検討しておつてですね、この政府資料において検討しておるのに、政府がまだこの資料に相反するような、或いは相反するかの疑いを持たれるような言動をされているのは甚だ遺憾であります。従つてそういうことでは今これから審議されんとする地方自治法の改正案についても随分私は疑わしい条文と内容がある。で政府の説明なりいろいろ聞いていることが又裏返されて、ひつくり返されるような虞れが極めて多いと思うのです。そんなことでは我々地方税法の改正案を審議することはできません。従つて委員長は、政府のその当時の答弁でも調べたらわかりまするが、而も資料に基いて審議されたその資料が実は嘘だつたんだとか、間違いだつたんだというような言葉を言われるようなことで、国会を、国民をだますようなことは甚だ権威のない審議になりますから、政府から責任ある回答があるまでは我々は地方税法の改正法律案は審議することはできません。委員長は然るべく取計らつてもらいたい。(「地方自治法だよ」と呼ぶ者あり)地方自治法か、地方自治法の修正案の審議はできん。そんな馬鹿なことがあるか。
#47
○中田吉雄君 岡野大臣とされても財政収支の点で苦慮されておる点は十分わかるのですが、どうもはつきりしないのですが、岩木委員から誠に適切な発言がありましたが、私はやつぱし午後審議するまでにはつきりさして頂きたいのは、政府から提出して頂いた資料の、あの税法の改正による減税額をぎりぎりに踏んで本当に実際のところはどれくらい……。尤も実施していなくてはわからないのでいろいろ計算については考慮を要すると思うのですが、一体ぎりぎりの減税額はどれくらいあるかという点と、更に又二十七年度の地方税の徴収状況から見て自然増収はどれくらいあるか、更に〇・五の夏期手当その他を含めて財政需要は一体幾ら増して来ているか、そういうような点からこういう減税措置をすれば、一体本年度の地方財政の収支においては幾らの財政減になるか、そうして大蔵省との折衝されている経過、そしてやがて開かれるであろうところの国会に対してどういう地方財政の財源措置をされるかというような点を、概括でいいですから一つはつきりして頂きたいと思うわけであります。
 岩木委員の質問に附加いたしまして、この休憩中でもその点を一つはつきり、ぎりぎりの減税額はどれくらいになるか、それから税の自然増収は一体どれくらいあるか、本年度の夏期手当その他を含めての地方財政の需要はどれだけふえて来ているか、大蔵省との折衝の経緯並びに結果、それから来るべき国会に対する地方財政の財源措置の用意如何というような点を一つはつきりして頂きたいと思うのであります。
#48
○岩木哲夫君 これは審議することはできませんよ、休憩して下さい。
#49
○政府委員(鈴木俊一君) 只今の中田委員のお尋ねの点でございますが、これは詳しくはなお財政委員会のほうから直接お話を申上げるように手続をとりたいと思いますが、お手許にお持ちの昭和二十七年度地方税収入見込額異動調という地方税の御審議の際に提出いたしました資料の数字につきましては、私どもといたしましては今日のところこれは何ら変更する必要はない。従つて税制改正以外の関係におきましては七十六億のむしろ減収を生ずるものである。税制改正に伴いますところの七十二億を合せた百四十八億、こういうものについての何らかの措置を考えてもらいたいということを考えているわけでございます。この数字を十月一日から実施するものとして計算をしている点は、先ほど岩木委員の御指摘の通りでございまして、私どもも十月一日から地方税法の改正を実施するという予定の下に、政府部内におきまして関係機関と連絡をしているわけでございまして、この時期を変更するということを今考えているわけではございませんので、できるだけこの時期に実施できるように関係方面とも連絡をしまして措置をとりたいという考え方であるわけであります。
#50
○中田吉雄君 出納閉鎖期も済んだのですが、二十六年度の繰越金の最終額というようなものが非常に影響場すると思うのですが、そういうものと、やはり〇・五の夏期手当というようなことは、あれはどういうふうになつていますか。その異動調をまだ私検討していませんが。
#51
○政府委員(鈴木俊一君) 本年度の国会におきまして御制定になりました各種の法律等の関係で只今お話の例えば夏期手当の問題、これはまあ政府といたしましては年末手当を一部繰上げて、その財源を以て支給した形でございまして、平衡交付金の財源計算におきましてもさような考え方をいたしておりまするが、なお恩給法の改正によりまする増でございますとか、或いは勤務地の区分の変更によります増でございますとかそれぞれあるわけであります。そういうことは今地方財政委員会におきましてまだ全部の関係がわかりませんので、鋭意検討中であります。それらの関係の数字等を弾き出しました上で予算の折衝をする、こういうふうに話をきめていた次第であります。
#52
○委員長(西郷吉之助君) それでは一時半まで休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十六分開会
#53
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より午前中に引続いて委員会を再開いたします。
#54
○岩木哲夫君 岡野国務大臣に重ねて政府の態度の明言を求めたいと思います。それは午前中の審議によりまして、先般参議院において修正決定した地方税法の改正に関するこれが実施時期については、入場税、電気ガス税、遊興飲食税等は本年十一月一日から実施する方針にあるべき態度で先般通過し、決定したわけであります。これに関して先ほど午前中、大臣は十月一日に実施するように善処するとか、或いは努力するとかいうお言葉でありましたが、これでは国会の審議の本質にやや疑義を生じ、国民の期待をあやふやにする虞れがありまするので、又政府当局においてもこれが実施について諸般の態勢、計算、準備を固める必要もありと考慮されまするので、この際岡野国務大臣にこれが実施時期を十月一日にするという明言を求めたいと思います。
#55
○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。午前中いろいろ応答が余り頻繁でございまして、私の真意が十分徹底しなかつたと思いますが、政府といたしましては方針はちつとも変つておりません。十月一日からやつて行きたいという方針で進んでよりより関係方面と協議しつつある次第でございます。
#56
○岩木哲夫君 只今岡野国務大臣は十月一日から実施するという方針の明言のようでござましたから、その実施は確言されたものと解釈いたしまして私の質問は打切ります。
  ―――――――――――――
#57
○委員長(西郷吉之助君) それでは引続きまして地方自治法の改正案の質疑を続行いたします。
#58
○岡本愛祐君 私は前回地方自治法の一部改正法律案を審議いたしました委員会におきましては、岡野国務大臣、政府委員にいろいろお尋ねしたのでありますが、今日は主として法制意見長官の御意見を聞いてみたいと思うのであります。
 それは、地方自治法の一部改正案の中で、東京都の特別区に関することであります。この問題は事、小であるように見えて、決して小でないのでありまして、或いは憲法の問題とも関連し、或いは地方自治法自身の根本問題にも触れて参るのであります。そういう意味におきまして佐藤長官からできるだけ詳しい御意見を承わつておきたいと思います。
 先ず現行の地方自治法におきまして東京都の特別区というものは憲法上の地方公共団体として取扱われているということは、これは疑いないものと私は思うのでありますが、その点は佐藤長官はどういうふうにお考えになつておるか、それから伺います。
#59
○政府委員(佐藤達夫君) 現在の特別区の性格についても考え方によつては私はいろいろ問題があると思います。併しながら我々といたしましては、この自治法の制定のとき以来憲法にいう公共団体であろうということで来ております。
#60
○岡本愛祐君 今の佐藤長官のお答えは非常にあいまいなのでありまして、私はこの前もあなたがおいでになりませんでしたけれども、現行の地方自治法の制定経過を詳しく記録しました地方制度資料によつて、十数点についてこれは一点も疑いがないということを証明をしたのであります。即ち現行の地方自治法におきましては、特別区は市と同様憲法上の地方公共団体であるということは、もう制定の趣旨がそこにあるのでありまして、これは一点の疑いがないと思うのであります。そこで今回区長を住民から直接選挙するという制度を改めまして、そして政府原案では都知事の任命に移す、又衆議院の修正におきましては都議会の選任にするという制度をとろうとしておるのであります。それが可能であるためには憲法上の地方公共団体でなくしなければならんということ、そうしなければ憲法違反であるということになると思いますが、その点はどうでしようか。
#61
○政府委員(佐藤達夫君) 只今のお言葉の通りであると考えております。
#62
○岡本愛祐君 そういたしますと、今まで岡野国務大臣並びに政府委員との質疑応答で明らかにいたしましたごとく、又岡野長官がはつきり答弁をされましたごとく、今度の地方自治法の一部改正案によつて二百八十一条等を改正をいたしまして、そして憲法上の地方公共団体でなくしたのだと、こういう意味であると思います。そこに私は非常に疑義があるのでありまして、二百八十一条で今度政府が企図いたしておりますように改正をしたということで、直ちに憲法上の地方公共団体を変えられるものであるか、その点を伺つておきたいと思います。
 でそれに関連しまして、先ずこの現行の二百八十三条におきましては、この「政令で特別の定をするものを除く外、第二編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する」とこうあるのです。「適用する」とある、でこの適用というのと準用というのとはどういうふうに違うのであるか、法制意見局の意見を承わつておきたいと思います。
#63
○政府委員(佐藤達夫君) 普通まあ伝統的に一種のオーソドツクスとして我我が伝え聞いておりまする立法技術上の区別といたしましては、適用というのは言葉の読替えをせずにそのまま当てはまるそういう条文を引用する、これに適用する。それから準用の場合は必要な読替えを加えて、これは合理的に推測される当然の読替えを加えて、その条文を当てはめるというようなつもりで今日まで来ておるわけであります。ただ恐らく御疑問の趣旨をこちらから付度するのでありますが、この場合に適用という文字を使つたのはどうだということを恐らく御疑念の中に持つておられると思いますが、これは今の建前から言いますと、恐らく準用と書いておつたところだろうと思います。ただ強い弁護すればこの「政令で特別の定をするものを除く外」とありますから、必要な読替えを政令でできるから、差引勘定は適用でいいのだということであつたかも知れません。甚だ無責任なお答えをして恐縮でありますけれども、只今改めてここでお言葉によつて眺めてみてそういう気がいたすのであります。
#64
○岡本愛祐君 従来の適用、準用の区別は只今御説明になつた通りと私も承知いたしております。適用というのは読替えをしない、本当にそのまま解釈すると申しますか、その条文が読み得る、理解し得るということであろうと思います。即ち市に関する規定は特別区にこれを適用すということは、特別区は政令で特別の定めをする以外は市と同様に取扱う、市と同性質だということであろうと思うのです。そこで私はこの二百八十三条が即ち特別区を憲法上の地方公共団体としたという大きな現われであると思います。その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#65
○政府委員(佐藤達夫君) 私の申上げた趣旨はむしろ技術的な立場から申上げたので、例えば今のお言葉に触れて申しますと、市長に関する条文が区長に当てはまるということは普通は準用とやつておるわけなんです。市長とあるのは区長と読替えてこの条文を当てはめる、そういう場合から申しますと、この場合は市とか市長とか市議会とかそういうふうな言葉が実ははまつて来なければおかしいので、今率直に書き下ろしをするとすれば準用と書いたところではないか、私の申上げるのはそういう技術的な面から申上げておるのです。
#66
○岡本愛祐君 それはよくわかつておるのです。併しこの地方自治法を制定せられた立法関係者としてここにおる鈴木君なりにも、又林修三君なりおられたのでありますが、その適用、準用というようなことを我々でもわかつておる、それを間違えられるようなかたじやないと思います。そこに適用と書いた趣旨はこれは即ち市と同様に取扱うのだ、つまり先ほど申上げた地方制度資料、これによつても明らかなことく、憲法上の地方公共団体に特別区をするという趣旨なんですから、この現われとしてここに市に関する規定は特別区にこれを適用するとわざわざ私は書いたのだと思います。そう思うよりこれは解釈ができないのです。
 そういたしますと今度は政府原案では、この二百八十三条も改めまして「この法律又は政令で特別の定をするものを除く外、第二編中市に関する規定は、特別区にこれを準用する。」こういうふうでよろしいのであります。ところが衆議院のほうじやこれを又やめちやつて、そうして二百八十三条を現行通りに引戻してしまつた。これは私はその意味が実はわからないのでありまして、若しそう「適用する」とこうある以上は、今申しますように憲法上の地方公共団体である所を残しておくという意味でなければならんと私は思うのです。だからそうなるとこの区長の公選という制度をやめて、区議会で選任するというような衆議院側の修正というものは非常なロジツクに合わないことに私はなると思うのでありまして、若しそれならばやはり準用ということを残しておかなければならん、こういうふうに思うわけです。政府の改正案通りにしたほうがいい、こういうふうに思うのですが、その点についての御意見はどうですか。
#67
○政府委員(佐藤達夫君) お言葉にあります衆議院の修正がどういうわけでわざわざこの小さな文字をつかまえて直されたのかわかりませんということは御同様であります。ただ先ほど申上げましたように、技術的法律的の考え方から申しますと、その間の違いはないわけでございますから、私としてはこれらの文字について憲法問題がここから導き出されるというようには毛頭考えておらないわけでございます。
#68
○岡本愛祐君 併しそう考えますが、やはりこの適用すると準用するということではやはり違うのでありまして、これはもう法律の建前として適用と準用は違うのだということは、通念でありまして、同じではないのであります。而も政府で準用すると、こうしたほうが正しい。そうして一方には二百八十一条を改正し又二百八十一条の二という条文を新たに作りまして、そうしてこの特別区を憲法上の地方公共団体の地位より引下ろすという作業をしている。それはわかるのです。それなら一応いいと思う。それを又わざわざ衆議院は適用に改められるということは根本的に間違いである。こういうふうに思うのであります。
 次に移りまして、まあ今申した議論は今のお答えのような平行線のようなことになりますが、この地方自治法そのものの各条文の立て方は、特別区に市の規定を適用する立て方になつておる。この立て方から見れば、二百八十一条を若干改正し、二百八十一条の二を設けただけで果して特別区にこの市の規定を当てはめてみて、そうして矛盾なく行けるかどうかという問題になります。私は一条ずつ当つてみたのでありますがどうも非常におかしいとうしろが出て来る、破綻を生じると思う。その点は何かお気付きになりませんか。
#69
○政府委員(佐藤達夫君) 別段気付いたところはございません。
#70
○岡本愛祐君 それでは二、三お尋ねをしてみたいと思う。先ず第一に、区議会の解散権、これは現行規定の百七十八条、読んでみますと、「普通地引公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。」従つてこれは市長の場合の規定を準用しますから、区長に通知をしなければならない。この場合に、普通地方公共団体の長即ち市長は、その通知を受けた日から十日以内に議会即ち区議会を解散することができる、こういうことに読替ができます。そういたしますと、この衆議院の修正案におきまして、区長は区議会が知事の同意を得て選任をするわけです。そうすると、区議が選任した区長がみずから区議会を解散するということになつて来るのです。これは非常におかしい問題になる。そうすれば衆議院だつて同じじやないかという議論を誘発します。衆議院だつて衆議院が総理大臣を選挙できめる、その総理大臣が衆議院を解散するじやないかという議論を誘発するだろうと思う。併しそれは形式的には総理みずからがやるのでなくて、天皇がやられる建前に憲法第七条はなつておるのであります。そうして「天皇は、内閣の助言を承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」そうして第三号に衆議院を解散する、こうなつておるのであります。形式的には天皇みずからがやるという建前になつておる。ところがこの区議会は、自分が選任をした区長によつて、区長みずからが解散するという非常なおかしなことになつておる。この点はどういうふうにお考えになりますか。
#71
○政府委員(佐藤達夫君) この二百八十三条で仮に「特別区にこれを準用する。」と政府案のようにありましても、適用するとなりましても、今お尋ねの条文は同じくこの特別区の場合に私は当てはまつて来ると思います。従つて、お尋ねのような点は予期されておつたわけであります。ただおかしなところはないのかという御疑問でございましたから、私はおかしいと思つておりませんでしたために別段気付きはしないとお答え申上げたわけでありますが、いろいろ憲法の例なんかも実は私のお答えしようと思つておつたところが先にお言葉に出て参りまして、ちよつと困るのでございますけれども、この問題は憲法問題といいますか、特別区の性格に関する問題でないことは只今のお言葉にもあります通りで、特別区というものの中の内部組織、牽制、権衡の問題をどういうふうに処置すべきかという、これは立法政策の問題であつて、適当な方法によられて差支えないものだと思います。
 ただ私どものかねがね考えておりますところをお話することを許されますならば、この大統領制と申しますか、今の自治法のとつております制度は、直接公選の市長がおりまして、それに又直接公選の議会が組合わされておるというのは、アメリカ式のいわゆる大統領制による三権分立の建前をとつておるわけであります。アメリカの中では、御承知の通りに、市の中で市長市会制をとつております。大統領制を小型にした制度をとつておる市がたくさんございます。我々の常識としては、そういう意味の徹底した三権分立主義をとつておるところに解散とか、不信任決議というものは今まではなかつたと思つております。よそのアメリカ以外の制度においても実はなかつたと思う。御承知の通りにこれは議院内閣制の建前に繋がつて変展して来た制度である。ところがこの日本の自治法というものは、議院内閣制の建前であるところの不信任決議、それから解散制度を大統領制度に組合せたというところに非常にこれは新らしい野心的な企てがある。珍らしい一例だと思つておりますが、本来の昔からの考え方から言うと、この大統領制の分立制度、いわゆる不信任制と解散制が入つて来るというのがおかしいという保守的な気持もむしろ成立つくらいだと思う。ところが今度の区長の制度は、それが偶然大統領かな離れましてむしろ議院内閣制のほうに近付いて来たために、そういう観点から申しますと、不信任決議なり或いは解散制度というものがむしろなじみやすい形になつたという見方も私はできると思います。ただそれが政策上いいか悪いか、これは各位の御判断に待つよりほかにありませんけれども、そういう考え方は十分成立つので、むしろおかしくないほうに近付いたのではないかという気持を持つております。
#72
○岡本愛祐君 併し現在府知事と府議会の関係、市長と市議会の関係、そういつた形は大いに異なつて来る。この制度ではそういうことになる。つまりチエツク・アンド・バランスというのはお互いに住民から直接に選挙された者同士の話でありまして今度のはそうでなくて一方は区議会のほうが任命をするわけです、それが区議会を解散するということは如何にも私はおかしい。今おかしくない、なじみやすい形になつて来たと言われるけれども、それはいずれにしても私はおかしいと思う。自分が任命した者が区議会を解散する、これは非常におかしなものになると私は思わざるを得ない。それは今の市議会とか市長の関係におきましてはお互いに任命し合つた者ではありません。住民が直接におのおの選挙して当選をした人々である、だからその間にチエツク・アンド・バランスで解散をしたりなんかすることは当然である、理窟が立つと思うんです。それがそうでないように今度は特別になつてしまう、それは非常に私はおかしなことで会得ができないところであります。
 次に移りまして今度は八十一条です。それは「選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の長の解職の請求をすることができる。」いわゆるリコールの規定であります。これを読替えますと、選挙権を有する者は、政令の定めるところによつて、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、区の選挙管理委員会に対して区長の解職を請求することができる、こういうふうになるわけです。そういたしますと、ここに不思議なことは区民の区長に対する請求をなぜ選挙管理委員会に対してしなければならないか、選挙管理委員会はこの際ちつとも関係はないんです。区長は区議会の選任したものでありますから、選挙管理委員会がとび出して来る必要はない。で、むしろ区議会に対して住民が請求をすべきじやないか、区議会が選任したんだから区議会に対してすべきではないか。それは例えば地方自治法の八十六条において「選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以てその代表者から、普通地方公共団体の長に対し、副知事若しくは助役、出納長若しくは収入役、選挙管理委員若しくは監査委員又は公安委員会の委員の解職の請求をすることができる。」この副知事とか助役というものはその上の長の地方公共団体が任命するものでありますから、それに対してこの請求をするという建前になつておる。それからいうとこの区長に対する請求も区議会に対して請求すべきである。選挙管理委員会がなぜとび出すが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
#73
○政府委員(佐藤達夫君) これは立法政策として如何にあるべきかという御議論として大いに傾聴すべき御議論であると思います。結局今のお言葉ですと、一般市民の直接のリコールの対象とするのはおかしいので、選任者であるこの議会に申出て、議会で罷免の措置をとるべきじやないかと思うという御趣旨だと思いますが、これは言葉数がふえまして誠に申訳ございませんが、国家公務員法が最初にできましたときに、その一般職の公務員に対しても国民が弾劾して罷免投票もやるような途を設けるべきじやないかという御議論がたしか衆議院で強くあつたと思うのであります。併し問題が問題だからあとの立法に譲ろうというわけで妙な、公務員法七十七条でありましたか、弾劾については別に法律で定めないという条文が国家公務員法に入つたと思います。そういうところからいわゆる執行事務をとつている公務員に対する直接の罷免の途を設けるべきじやないかという御議論があつたことを私覚えておりますが、要するにその考え方は憲法の十五条で国民が公務員を選定、罷免する個有の権利を持つておる。であるから直接選挙し、直接罷免するということは最もそれに即するわけでありますけれども、せめて任命のほうは直接選挙でやらないでも罷免の権利だけは国民に保留さしたいという一つの考え方も私は成り立つものではあろうと思うわけであります。その現われはその通りというわけには行かないかも知れませんけれども、憲法で、この最高裁判所の裁判官の任命権は内閣に与えておりますけれども、十年ごとにその国民審査をやつて罷免の途をとつておるわけであります。私どもは今の原理が最高裁判所の裁判官の場合に出ておると考えておりましたし、最近最高裁判所の国民審査について判例が、ございまして、これは一種の国民による罷免の方法をきめたものであるという判決も出まして、大体裁判所も我我と同じ気持だという考え方を持つたわけであります。勿論区々たる我々属僚のごとき者を一般国民の罷免の直接投票の対象にするということは、これは私は寡聞でございますけれども、アメリカあたりでもそれがいいことか悪いことか、そういう立法例がたくさんあるようでございますけれども、それについての批判はございまして、御承知のシテイ・マネージヤーであるとか、サンフランシスコですとチーフ・アドミニストレーター、そういうものを置いておりますけれども、そういう重要なポストについては一般市民の直接投票による罷免の制度というものは認めております。それは任命によつてその地位を取得するのでございますから、罷免の場合には市民の直接の罷免権を発動させるという例もたくさんございますので、そういう点から申しますと私は今のこのままで行くと御指摘の通り直接の罷免制度というものは対象になると思うのです。思いますが、そういう考え方からいたしましてこれは一向不穏当でないんじやないかというふうに考えております。
#74
○岡本愛祐君 私はやはり八十六条と考え合せてみると如何にもおかしいことだと思うのです。区長は何か少し高くなつて来たようですが、今度は区長の地位をずつと低めてみた、そういう人は副知事や何かにも直接請求をやらせるのだ、副知事なんかに知事に対する請求をやらせるのだということは、やはり平仄が合わなくなるわけです。この点私は今の御説明にもかかわらず非常に私は不穏当だと、こう思います。
 それから次に伺いたいのは、今シテイー・マネージヤーのお話が出ましたが、今度のような様式にいたしますと、即ち区議会が都知事の同意を得て区長を選任するという形にしますと、一種の私はシテイ・マネージヤーということには当らんかも知れませんが、区のマネージヤーみたいになると思うのであります。この点は私も前に鈴木君に対して指摘したことがあるのでありますがどうもそうなる。そうしてこの区を代表する者は区長でいいのかどうかという問題が出て来ると思います。御承知の通りシテイ、マネージヤー・システムをとつておるアメリカの市におきまして、市の代表者はやはり市会の議長に当る人が代表者であります。シテイ・マネージヤーは即ち代表者じやない、その被使用人に過ぎないのだ。そうなりますると百四十七条との関係が出て参ります。「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。」この規定が非常に私はおかしくなつて来るだろうと思います。これは区長は区を統轄し、これを代表するということになります。区議会から選任をされたような者が区を代表し、統轄するのはおかしい。やはりそういう場合にはこれは区議会議長に当る者がその代表者になるべきだと私はこう考えるのです。それが民主主義のあり方だろうと思うのですが、その点に対してどうお考えになりますか。
#75
○政府委員(佐藤達夫君) 私の今までの気持では、シテイ・マネージヤー制度というものは、例の五人程度の委員会が立法的機能も行政的機能もやつておるというような、いろいろな例の委員会制度と申しますかコミツシヨン・システムというものから生れて、エキスパートを自分の思う通りに一つ雇つてそれに一つ行政の仕事を預けてやろうという気持から発展して来て、而もその支配人の任免などというものは身分の保障もなしに自由に委員会なり、或いはカウンシルのほうで持つておるというようなものである。従つてむしろコミツシヨンの制度から発展して来たものであると考えておる次第であります。ところが今度のこの新らしい地方自治法の改正案による区長と区の議会との関係は、むしろこれは大陸流の昔の日本における市長と市会の形に近付いた、こういうことは言えると思うのでありまして、むしろそつちのほうへ近付いたとは申し得るにしても、シテイ・マネージヤー制度そのものでは……勿論そのものであるというお言葉ではなかつたと思いますけれども、この制度そのものではないというふうに考えております。
#76
○岡本愛祐君 やはり例の民主主義時代の地方自治体のあり方、その地方自治体を代表する者は誰であるかという問題は、やはり人民に基礎をおかなければならないと思う。即ち人民の選挙した者、そうしてその議会の長になつた者、そういう者がやはり代表すべきじやないだろうかと私は思うのでありまして、そういう点からいつてもこういう区議会の選任ということはシテイ・マネージヤーの制度と非常に似て参ります。そうするとそれが区を統轄し区を代表するのだということは、誠にこれは民主主義の建前からすればおかしいのじやないか、こういうふうに思うのであります。
 次に移りますが、二十三区の特別区というものが今までは市と同様に全く独立の性格を持つておつてそうしておのおの憲法上の地方公共団体である、こういう建前になつたのであります。而してその二十三区はほかの東京都における市町村と同じように都の知事の下にあつて、そうして都を構成しておつたのでありますが、今度はこの二十三区と都の関係はどういうふうになるのであるか、今まで完全な特別区であつた二十三区の時代とどういうふうに違つて来るか、その点について仕事はいろいろ又変えて来ておりますから違つて来るのはわかつておりますが、性格上は何ら変更がないですか、それを伺いたい。
#77
○政府委員(佐藤達夫君) もとより私どもの考え方といたしましては、特別区そのものが今まで完全な自治体であつたものがそうでないことになりますからして、結局そのやつておつた仕事というものは都がこれを引取つてやるということになります。その関係上建前がよほど変つて来るということを取りあえずお答え申上げまして、あとは具体的にお尋ねがあれば……。
#78
○岡本愛祐君 そういたしますと行政区的の性質が大分今までもなかつたとはいえません、あつたことは私も認めておるのでありますが、それが非常に強く押出して来る。そうすると都と二十三区の関係はよほど直轄区の、直轄区といいますと言葉が悪いかも知れませんが、その性質がだんだん強くなつて来ると思うのですが、その点はどうでしようか。
#79
○政府委員(佐藤達夫君) 従来よりも行政区のほうへ多少近付いたということはこれは申し得ると思います。
#80
○岡本愛祐君 そういたしますと、二十三区を一まとめにしたもの、まあ普通で行けばそれが市になるわけですが、市といわないで直轄しておるその二十三区を一まとめにした考え方というものがなお強くなつて来た、こういうふうな行政区的な性質が多くなる。要するにそういう意味だろうと思うのですが、こういう意味ですか。
#81
○政府委員(佐藤達夫君) 二十三区を一括した形ということは、私はいつも顔がない、顔がないと言つておる、それは顔の輪郭に当るものがありませんものですから。只今のお言葉はそのままちよつと私の気持に合いませんのですが、二十三区を一まとめにした一つの縄張りというものは、消極的の意味の繩張りはございますけれどもそれが一体となつてどうというような形の緒極性はそこには見受けられないということになるだろうと思います。
#82
○岡本愛祐君 従来都知事は府県知事とそれから市長と二つの性質を兼ねたというようなことがいわれておつて、そうして太平洋市長会議などというときには、あれは東京都知事の資格でなくて、東京市はありませんけれどもむしろ東京市長の資格で出ておるというようなことにいわれておつたのですが、そういう点はどういうものか。
#83
○政府委員(佐藤達夫君) そういう御趣旨でしたら、それはそういうことになるわけでございます。
#84
○岡本愛祐君 そういたしますと、都議会とそれから二十三区以外の選出の議員との関係が非常に複雑になつて来ると思うのです。つまり二十三区を市のように考えてその性質が強くなつて来るといたしますと、その二十三区の選出にかかわらない八丈島とか、それから小笠原島は今占領されておりますが、大島とか又は西多摩とか、そういう二十三区とは関係のない議員が都議会に出ておりますから、それが二十三区のいわゆる市におけることにも発言権を持つということが非常におかしくなりませんか。
#85
○政府委員(佐藤達夫君) 御尤もな御疑念であろうと思いますが、遡つて申しますと東京都の特殊性ということにこれはすべて帰着することであろうと思います。御承知の通りに東京都制というものが終戦前にできましたときに、非常に我々秘係者は一人々々が苦労したところでございますが、この特別市というようなものは単純卒直にできますれば問題はございませんけれども、これはそういう点から出て来た一つの止むを得ない形であろうと思うわけです。従いましてこれを法律的に考えますならば、この東京都知事、東京都議会というものはすべてこの二十三区に亙るお世話をそのままなさる。而もこの東京都というものの社会的或いは経済的その他実質的の建前から申しまして、二十三区の占める部分というものが重大な目玉をなしていることは、申すまでもないところでございます。そういう点からこれは合理的に考えられるものであるというふうに思われるわけです。
#86
○岡本愛祐君 この二十三の特別区、それに対して一つの市みたいにそれを考えましたときに、その二十三区以外の選出の都議会議員が二十三区のことをいろいろ干渉するということは、これは自治の精神に合わないと考えるのであります。それは二十三区が市ではないから当然だといえましようが、そこのところが何か割切れないものがある。これは認めなければならんことだと思うのであります。
 次にこの政府原案の区長の都知事の任命制又は区議会の選任制をとるのは事務の簡捷だというような説明があるのでありますが、これは事務の簡捷ということになるかどうか、区長の選任について区議会と知事との問にそういうふうなことで摩擦が起りやしないか。又都議会のほうは自分のかいらいをという傾向になつて来るだろうと思うのです。それで事務の簡捷ということでなくして、やはり中央集権的なことになつて来るか又はかいらいを出して区議会の都合のいいものを出しておくということにどうもなりがちじやないかと思う。これがもつと日本の民主化が進んで来て、アメリカのように百年、百五十年の経験を経た後においてはそういう例は少くなつて来ましようが、今の程度ではどうも私は区議会のかいらいが出るということが多分にあると思う。そういう点についてはどういうように考えるか、これは法制の問題とは少し離れて来ましたけれども。
#87
○政府委員(佐藤達夫君) どうもお察しの通り私の分際を越えたお尋ねでございますけれども、私はこれは制度上の問題としては一つの立派な行き方だと思います。又その結果としても結局何と申しますか中央統制、中央集権という形よりも、むしろ事務簡捷の形を私は狙つたものと思つておるわけであります。従いまして当然その方向に向つてこれは運用されるというふうに思います。
#88
○岡本愛祐君 この点は意見局長官にお尋ねするのは無理かも知れません。そこで今度は意見局長官に法制の問題についてですが、警察又消防の組織ですね、これは鈴木政府委員とも質疑応答したのですが、警察法にいう二十三区の規定、それは特別区警察法の第五十一条です。「特別区の存する区域においては、特別区が連合してその区域内における警察の責に任ずる。」こういう規定がある。でこれはこの規定の前提に特別区が完全な憲法上の地方公共団体であるというから、だから実は警察も消防もおのおの自分が持てるわけなんです、市と同じくですね。ところがまあ私から言わせれば行政区的な性質もあるから、二十三区の持つておるおのおの警察権又消防権のそういうものを集めまして、そうして連合してやつて行くという意味だと思うのですが、あなたはどういうふうに御解釈になりますか。
#89
○政府委員(佐藤達夫君) これはお尋ねの要点に触れるかどうか存じませんけれども、結局この二十三区の一つ一つの区というものは、実は憲法上のその地方自治団体にしたのがよかつたのかどうかという批判の入り得る点を持つておると思います。我々区民の一人としても、東京都の都民という意識はありますけれども、実は何々区の区民意識というものはないというのが率直なところであろうと思うのであります。そういう点についての基礎が或いは警察法の御指摘の条文となり或いは消防法の条文となつて、そういう経過をたどつて来ておるというように私は考えるわけでございます。
#90
○岡本愛祐君 これは政府委員のほうは私の言う通りじやない、これはその区がおのおの消防の組織を持つておるわけじやない、二十三区に集つて初めてそういうものができるというような答弁だつたのです。それは間違つておる、やはりおのおの持つおるのであるけれども、それを二十三区にまとめて組織する、それを都知事がやる、こういうことだと私は思う。これが今度の改正によつてどういう影響を受けるかということを考えてみなければならない。解釈を変えておのおのが持つていないのだ、みんな二十三区がまとまつて市みたようになつて来るのだから、その規定は今まで政府委員が考えておられた線に近寄つて来たということになつて来るのじやないかと思う。消防組織のほうも同じであろうと思う。そういうふうに大影響が起きて来るので、そこまで詳しく考えてこういう規定を政府で改正しようとし、又衆議院で修正せられたかどうか私は疑いを持つておる、つまり研究が不十分だと思うのです。
 次に特別市との関係、特別市は御承知の通り区を持つことになります。その区は、区長は行政区であるにかかわらず、そこの区に住んでおる住民の直接選挙になるわけです。そうするとそれよりもつと自主性の強い東京都の特別区が区議会の選任にとどまるということは如何にもひようそくが合わない、この点はどうお考えになりますか。
#91
○政府委員(佐藤達夫君) そういうお感じをお持ちになることは御尤もと思います。御尤もでありますけれどもそれも考えようでありまして、結局特別市というものができるとすれば、別の法律の措置がどうしても必要であり、曾つては住民投票まで必要であつたと思うので、現実に特別市ができるときにそれらの点も又十分考慮する時間的余裕があるように私ども考えます。
#92
○岡本愛祐君 これは政府委員の御答弁でありますが、私はやはり一時的にもせよ、地方制度の基本法、地方自治法において特別市の行政区は住民の公選である。東京都の特別区はそれより自主性がもつと強いにかかわらず区議会の選任だということになるとどうしてもひようそくが合わない、一時的にもそういうように基本法がなつておることはいけないと、こういうふうに考えるのであります。まあ議論の相違になるかわかりませんが、私は確かにそういうふうに言わざるを得ないのであります。
 次に区長の選任方法ですが……。
#93
○中田吉雄君 委員長、ちよつと関連して、意見局長にお伺いしますが、どうも公正なる意見局長としては甚だ受けた印象というものはですね、地方自治庁の立場を擁護することに非常に急なような印象を受けるのですね、甚だ中正なる立法技術者としては公平な、やはり問題の所在ははつきりつける、こういうことが私は必要じやないかと思う。例えばアメリカの最高裁判所などにおいてダグラス判事のごときは、大統領のとつておる制度でもはつきり違憲であるという意見を大胆率直に言つている。ところが日本の最高裁判所においても、又今承わる意見というものは、実に問題の焦点をぼかしながら、憲法上の疑義或いは地方自治法の疑義があるにもかかわらず、そういうことに対して間接的な掩護射撃を与えられるに急で、我々は甚だその中立性と言いますか、そういう点で非常にまあすべて時の権力者の擁護に傾き法の権威を護るというようなことに非常に薄いのじやないかという印象を受けまして、途中で大変恐縮ですが、そういう印象を受けたことを一つ心しながら、適切なやはり問題の所在がはつきりするという点に中心をおいて、一つ公正な意見を意見長官にお願いしたいと思うわけです。
#94
○政府委員(佐藤達夫君) ちよつと弁明申上げます。申すまでもございません。私はこの法案の責任者であります。自治庁で立案いたしましたものを私どもが審査をいたしまして、私どもがこれで間違いないということで閣議に提出しておるのであります。その関係においては私はこの内容を見て私は正しいと思いましたからこそこれを審査を遂げまして、提案いたしておるのでありますから、その責任を持つておるということを一つお含み願いたいと思います。(「了解々々」、「了解しない」と呼ぶ者あり)
 それからもう一つは、あとは能力に関する問題でありますから、能力に関する点はこれは止むを得ません。
#95
○中田吉雄君 それはよくわかりますが、優秀なそのほうのヴエテランの長官としては、やはりそれにもかかわらず何となく受ける印象というものは、若干躊躇しながら、疑問を感じながら、やはり政府を掩護されるに急なという印象を受けることは如何ともできないということをまあ申上げておきましよう。
#96
○岡本愛祐君 では質疑を続けます。二百八十一条の二の一項ですが、衆議院の修正によりますと、特別区の区長は、特別区の議会が都知事の同意を得てこれを選任する、こうあります。そこでその「選任」というのはどういう意味か、これは間接選挙ではないと思うのですが、やはり任命の一種だろうと思うのですが、これはどうであるか。又もう一つその文面では、選任に当つて、勿論選任する区議会のほうがイニシアチヴをとるのだろうと思う。知事がイニシアチヴをとらないで、区議会のほうがイニシアチヴをとるのだろうと思いますが、その点はどうなんですか。
#97
○政府委員(佐藤達夫君) 政府原案におきましては、都知事が選任するとございましたから、今の点は全然疑問がないわけであります。ただ衆議院の修正が加わりましたために、若干の御疑問があるのは御尤もであろうと存じます。ただ御承知の通り、これは国会の議事においても同様でございますが、選挙するという言葉と選任するという言葉を使い分けております。その場合において、我々の承知しておりますところでは、選任という文字のほうが方法を広く含んでおる、選挙による場合以外の方法も含んでおるというふうに考えております。
#98
○岡本愛祐君 いや、私のお尋ねしたのは二点あつて、選任という意味はどういうことであろうか、任命の一種ではないかということが一つ。それからもう一つは、特別区の議会が都知事の同意を得てこれを選任するのだから、イニシアチヴをとるのは選任するほうにある、都知事のほうは同意するに過ぎない、こういうふうに思うのですが、これはどうかというのです。
#99
○政府委員(佐藤達夫君) 失札いたしました。勿論任命の一種であると考えます。而してそのイニシアチヴは議会がとるということははつきりしておると思います。
#100
○岡本愛祐君 それから今までは、特別区は憲法上の地方公共団体であつたのでありますから、その住民は特別区の住民であるということは当然そうであつたと思います。我々が強く意識すると意識せざるとを問わず、その住民であつたのであります。そこで特別区民税というのも当然とられたわけでありますが、当然というのは言い過ぎますがとにかく不思議でなかつたわけであります。ところが又今度憲法上の地方公共団体でなくしたい、こう言われるのでありますが、ここではまあ疑問は残つておりますが、一応まあそう解釈するとして、都の住民というほかにこういうふうな区の住民ということが言えますかどうか。それからそういうふうになつた特別区が特別区民税というような税を取ることが適当であるかどうか、これは可能であるかどうかというふうに言つたほうがいいと思いますが。
#101
○政府委員(佐藤達夫君) 特別区に住んでおる者については私は特別区の住民というような観念は十分成り立ち得ると考えておるわけであります。それから区民税につきましても勿論取り得ると考えております。
#102
○岡本愛祐君 私は特別区のことについてこれほど熱心にいろいろ解明をしておるつもりであります。それはこういうふうな方法で憲法上の地方公共団体が変えられるものとすればこれは波及するところが大きいからであります。で府県につきましても、こういうような方法で、この従来の一条くらいをいじるだけでそしてこれは憲法上の地方公共団体でなくしたいのだというような考え方を持ち、そうしてその根拠に立つてこの知事は住民の直接選挙でなくてもいいのだ、総理大臣の任命でいいのだというようなこの屁理屈を生み出す虞れが多分にありはしないかというので、これほど御質疑をしておるのでありますが、こういうふうなやり方に立てば同じようなことが起きる虞れがある。それはできないという保証がありますか。
#103
○政府委員(佐藤達夫君) これは憲法ができますときに、例えば憲法の地方自治の条文のところに、府県とか市町村とかという名前を出すか出さないかという問題があつたわけであります。そういうふうにはつきり憲法に名前が出ておりますれば、今の問題は全然これは問題になり得ないことでございますけれども、御承知の通りに只今できておる形はそういう名指しをいたしておりません。従いまして憲法の要求するところは必ず二段階の自治体を要求しておるのか、或いは一段階のものを以て足るとしているのか、その点は憲法上明確になつておりませんからして、今の御懸念の問題は、これは率直に言つてあり得る問題だろうと思います。憲法上はあり得る問題だろうと思います。
#104
○岡本愛祐君 私その点を非常に恐れるのでありまして、現にこの現在の地方自治法ができますときの考え方というものは、特別区は市町村と同じような基礎的な地方公共団体であるとか、府県というのは基礎的地方公共団体ではない、こう言つておるのです。でこの地方自治法におきまして、普通の地方公共団体と特別地方公共団体と分けております。そして特別地方公共団体には特別市、特別区、そのほかに財産区とか、事務組合とか、そういうものを入れておるのでありますが、その普通地方公共団体といい、特別地方公共団体というその分け方はどうでもいいのだというふうに説明しておるのですが、大した意味のある区別じやないのだという説明をしておる。而も都道府県は基礎的のものでない、市町村及び特別区は基礎的のものである、こういう考え方、説明の仕方がこの全面に流れておる。これはまあ説明の証明をせよと言われれば幾らでも証明いたします。そういうことになりますと、今率直におつしやつたようにこういう同じやり方で府県知事の公選を廃止する、そして知事は総理大臣の任命にする、それは又憲法違反じやないのだという議論もまあ屁理窟がついて来る。そういう虞れが多分にあるのでありまして、私はそれがためにもこの区の特別区をこういう方法によつて憲法上の地方公共団体でなくすることには反対であります。もつとはつきりした行政部にするなら行政部にするというふうに考えたほうがいいのでありまして、こういうごまかし的な方法によつて憲法上の地方公共団体でなくする方法をとることは、私は賛成でき得ないのであります。
 それからもう一つお尋ねをしておきたいのは、委員長も非常に採決を急いでおられるのですが私はもう採決をそう急ぐ必要はないのじやないかと思うのです。もつとこれはいろいろな問題があるのですから、今日私が提出いたしました問題で皆様がたにお気付願つていなかつたようなことも申上げたのじやないかと思うのです。みんなもつと研究したら私はいいと思うのです。
 そこでその待てない理由はどういうのか。つまり今日採決しなければならない理由。何か伝えられるところによるとこの東京都の特別区の中の大田区がたしか八月の中頃ですかに区長の任期が切れる、あれだけは補欠選挙であつたために切れるのだそうです。そうして何か七月十日にまあ告示しなければならない。それまでに是非ともこれを通しちまいたいというような意向があるように聞いておるのです。併しこれは非常におかしいので又そこにデマが飛んでおりまして、今の大田区長は特別区の自治権拡充運動の首脳者である、だからこれの首を切らなければいかん、首を切るためにはどうしてもこれを施行してこの根拠の下にもう選任しないというようなことにしなければいかんというようなデマが、これはデマだと思います。飛んでいるのです。かたがたもうほかの区長は昨年公選をされてもう三年間あるのです。だから何も大田区だけの問題でこの地方自治法の採決を急いでおられるとすれば、それはもう少し私はそういうことにとらわれないでもつともつと研究したほうがいいとこういうふうに思うのですが、これは委員長にお尋ねしたいのですが、なぜこれを急がれるのですか。その点をお伺いしたいと思います。
#105
○委員長(西郷吉之助君) 岡本さんにお答えいたしますが、岡本さんが御承知の通り地方自治法には相当長い期間を審議にあてております。決して今何か大田区とおつしやいましたがさようなことと関連して私が考えておるというようなことは、そういうことはないことは岡本君御自身よく御承知じやないかと私は思います。それでいろいろなこともございまして会期が延長して参りましたので、私といたしましては理事会を始終開きまして理事のかたがたの一致した御意見に従つてやつておりますので、単独に委員長が採決を急ぐとかいうふうなことはなくやはりかようにたびたび延長もされておりますしするので、又地方自治法のほかに御承知のように大法案がたくさんございますので私はそういうふうなことも兼ね合せて審議を御勉強願つておりますので、私が今申上げましたごとく大田区の区長の選挙とかそういうふうなことと兼ね合せて考えるようなことは絶対に、ございません。
#106
○岩木哲夫君 いろいろ御議論があるようですけれども相当これもやつたことでありまするし、又当行政委員会においては公職選挙法、警察法の改正、それから労働法に関連する諸法案、相当もう全然手のつけておらない重要法案がたくさん押しつまつていることと、それから今日も議運の話を聞きますと十二日頃から二十日頃まで自然休会しようというので、特に参議院としては先月の末以来大活躍をいたしましたのでかなり疲労いたしておる。かれこれ我々も地方に用件を約束したものが順ぐりに延ばしてどうしても十一日頃から一週間くらいはおひまを頂戴しようと思つておるようないきさつからみて、差迫る公職選挙法などは論議がたくさん残つておるし、たくさん修正いたすべき点もあるのでありますから、もう地方自治法は大体我々は土曜日に上るのかと思つておつたところが今日になつたようでありますが、もうかなり尽きたことであるし、御議論は御議論としてめいめい御判断なさる、もう判断の時期にあるのでほじくり返す議論の時期はもう過ぎたと思いますのでこの際一つ態度を早くきめて頂きたいと思います。だから本日は地方自治法の採決に入らんことを望みます。
#107
○岡本愛祐君 まあ岩木君がお急ぎになることはわかるのですが、ほかのところは自然休会をやつても、この委員会は自然休会をやつて休むような余裕はないと思います。それは理事会でどういうふうにおきめになるか知らないが、ともかくいろいろな問題が、公職選挙法なんかまだ全然手を付けていない。警察法もあり、今おつしやつたように集団示威運動もある。いろいろあるのでありまして、休んでいる暇はないと思うので、私も何も遷延策を講じているのではございません。併しこれは岩木君了解して下さるように相当大きな問題を含んでおります。小さな問題では私はないと思う。皆さんはもうこのくらいで判断ができるとおつしやられればそれまででありますが、もつとこういう点について研究をする必要が私はあるのじやないか。それで申上げているのですが、今日皆さんの御意見でどうしても採決するのだというのならば私は拒む意向はございません。ただこれだけの大きな問題であるからもう少し慎重に扱つたほうがいいのじやないかと思う、こういうふうに申上げているのです。
 ついでにもう一つ聞いておきます。これは特別区の問題じやありませんが、この都道府県について部の数を大体基準ではありますが、制限をし、名称を統一するというようなことをやつておられるのですが、これは五大市なんかの大きな都市においてそういう制限がない、まあそれに準じてということは書いてありますね。そういう所では自由に作れて府県と権衡を失するようなことが起りませんか。これは政府委員に聞きたいと思います。
#108
○政府委員(鈴木俊一君) 只今五大市等の部局につきまして都道府県の場合と同じように何か標準的な部局を定めるというふうなことにしないと権衡を失しやしないかというお尋ねでありますが、そういう点も確かに考えられるところでございますが、従来市町村につきましては五大市の場合におきましても特にさような部局の基準を設けるというところまで規定をしていなかつたのでございまして、都道府県につきましても従来必置部或いは任意設置部ということでなく、弾力性なしに固定的な立て方で規定いたしておりましたものを、今回は弾力性を持たして規定をしたむしろやわらげたというような感じてございまして、そういう関係から申しましても市につきまして、五大市という大きな規模のものにつきまして特に都道府県の場合と同じような関係で部局を設けるのは如何であろうか、こういうふうに考えます。特にそれまで規定することを考えなかつた次第でございます。
#109
○岡本愛祐君 私の言う意味は五大市にやはりこういうふうな部を制限せよという意味じやないので、逆でありまして、五大市のような大きな百万以上又は百万に近い都市でもどうせ制限しないのだから都道府県のほうはこんな厳重な基準なんか設けなくていいのじやないかということが言いたい、逆のほうであるのであります。それでそれはまあ五大都市において何々局というようなものがたくさんありますが、との百五十八条の六項に「市町村長は、その権限に属する事務を分掌させるため、条例で必要な部課を設けることができる。」というのは局でも設けていいということに従来とも解釈されておると思うのです。この点はどうですか。
#110
○政府委員(鈴木俊一君) その通りでございます。
#111
○岡本愛祐君 そうなるとこの都道府県のほうにはあまりこういう制限をすることが適当じやないと私は思うの下す。片一方のほうの部は制限しておる。片一方のほうは局が自由にできるというようなことはやはり平仄も合わないということになりやしないかと思うのであります。
 それから今度新らたにできました附表ですが、この附表の法律的性質といいますかそれはどういうことになるのでありますか。ただ参考のためにここに掲げてあるというのか、拘束力を有するものかどういうものであるか、又いろいろあります議員立法のときにいろいろ関係して来ますが、これはどういう法律的の性質ですか。
#112
○政府委員(長野士郎君) 只今の法律的性質というお尋ねでございましたが、この別表を掲げました趣旨は、大分前にお話を申上げたと思いますが、現在地方団体で行なつております事務につきまして、これに如何なる種類があるかということが非常に不明確でありますので、この点を先ずはつきりさせるためにこの地方団体の基本的な運営を規定しております地方自治法に掲げるということが一つの大きな意味があると思うのでございますが、それと特に元来地方団体の自治を発展させるというような立場から申せば、余りに義務的な仕事というものを多く地方団体に課しますことは適当ではないという考え方があるわけでございます。併しながらまあ事務配分ということは現在直ちに行われておりませんのでありますけれども、およそ地方団体というものが義務的に処理をするというために、そういう義務を負つております事務が一体どのくらいあるかということを明らかにいたしまして、将来不当な事務が更に嵩んで来ることのないようにいたしたい、そういうお考えで国会においての御審議を願いたいという考え方があるわけであります。と申しますのは、従来法律におきまして地方団体に義務を課しますものにつきましても、個々の法律は地方団体という立場から考えておりますものよりは行政そのものから考えておると申しますか、やはりこの地方団体と切離すという考え方は、地方自治法において特に考えていいのじやないかと思います。ただこの拘束的な性質を有するかというお尋ねでございますけれども、例えば第二条のところで掲げましたように別表第二の通りであるというふうにいたしまして、現状そのままを掲げておるのでございまして、この別表を掲げますことによつて、これによつて又拘束力を生ずるということができないというふうに考えております。
#113
○岩木哲夫君 先ほど岡本さんから議事の進行に関するお尋ねがございましたが、えらい重ねて申上げることは失礼かと思うのですが、実は各党がこの本法案に対して修正をいたしたいという一致した御意見が集録されておつて、私に代つて一席やれという御命令が下つておりますので、私手ぐすね引いて待つておるという仕末であります。もうすでに各党のものが、本法案に対してここを修正したいという案がすでにでき上つておるという事態でもございまするので、かれこれ判断の時期で、御議論のあることも私たちもよく知つておりますし、あると思うのですが、あとにつかえておるような問題があるような次第でありますから、何でしようか、岡本さん質疑はまだそれは大いにやつて頂いてもいいと思うのでありますが、適当な時間で適当な方法をやはり御配慮頂いたらどうでしようか。
#114
○岡本愛祐君 私はこれで終るつもりでございます。ほかのかたはまだおありになるかも知れませんが、各派御相談というようなお話があつたけれども、別段御相談もなかつた……。
#115
○吉川末次郎君 先にこの問題につきまして特にこの法案の政治問題化しておる点は、特別区の区長の任免の可否の問題だと思われるのでありますが、それで資料の提出を当局に求めまして提出されておるわけなんであります。それについての資料は提供されたのでありますが、当局から資料についての御説明がないわけでありますので、先ほど鈴木君から個人的にお話があつて、私も一度は省略しておこうかと思つたのでありますが、やはりこれは形式の上においてもただ資料の出しつ放しでなくして、出された以上は、特に今度の法案の最も主要なる点として政治問題化しておる点についての我々の審議が非常に周到であつたということを、関係者及び国民諸君にも理解してもらう必要があると思いますから、一応やはり出された資料については御説明を願つて、質疑等があれば、それについて問い質して行くところは問い質して行くということだけはしなければならんのじやないか。鈴木君との私的会談においては違つたことを私は言つたのでありますが、委員長においてそのようにお取り運ぶことがいいのじやないかと思います。
#116
○委員長(西郷吉之助君) それでは今の吉川委員からのお話がありましたので、先般吉川委員から御請求のありました資料につきまして御説明をお願いいたします。
#117
○政府委員(長野士郎君) お手許に先日資料をお配りしたのでありますが、これは吉川委員の御要求になりました諸外国の議員の定数の資料がまとめてお配りいたしてあるわけであります。もう一つは「ニユーヨーク市における区長選任の方法及び市行政の一体性確保の方法」これはほかの御要求によりまして提出したと思つております。
 先ず、各国の都市の議員数の資料につきまして簡単に御説明いたしますが、先ず第一にイギリスの主要な都市、特別市的な都市が最初に上つております。ロンドン市と申しますのは古い、一番小さい、昔からあるロンドン市の議員数でございまして、これは長老議員が二十五人、議員が二百六人ということになつております。バーミンガムは長老議員が三十八人、議員が百十四人ということになつております。最初のページにありますのがずつとイギリスの大きな都市の議員数の表でございます。その次の二枚目にございますのがフランスの都市の議員数でございます。パリーから始まりましてまルセイユ、リヨン、ボルドー等でございます。三番目がドイツの議員数でございます。それから(4)として「その他の諸国」ということになつておりますが、その次に英国の今度は町村と申しますか、日本で申しますと大体町村に当りますアーバン・ディストリィクツにおける議員数が掲げてあります。ほかに違う図書によりまして、西欧各国における各都市の市会議員の比較の数が載つておる一九四八年版の著書がございましたので、それから引いておりますのが、西欧各国、スイス、カナダ、ニユージーランド、ベルギー、デンマーク、オランダ、スペイン、フランス、スコツトランド、ノルウエー、トルコ、スウエーデン、こういう所の最高と最低の資料がわかりましたのでこれを掲げてあるのであります。
 それからその次にありますのがアメリカの都市の議員定数でありまして、これは全部わかりますところの都市につきましての議員数の平均を出しまして、その中の代表的なものを、それぞれの該当の人口の大都市を選んでこれを入れておいたのであります。
 これを通じて見て頂きますと御了解頂けるかと思うのでございますが、確かにイギリスの大都市におきましては、我が国の議員数よりも非常に数が多くなつております。イギリスの中でも併しながらスコツトランド系統の都市におきましては、必ずしもそれほど多くはなつていないことがわかります。それからフランスにおきましては大体同じぐらいの恰好でなつております。むしろ小さな都市は少くなつて知ります。それからイギリスの町村に入りますと、これはまあ極く少い数になつておりまして、むしろ我が国の議員数の標準よりも少くなつておるように見受けられます。
 それから他の国につきましては詳細な資料がございませんので、一つの著書から選びましたのでありますが、これもまあ必ずしも多いとばかり限らないと思つております。
 それからその次の資料のニユーヨーク市における区長の選任の方法と市行政の一体性の確保の方法についてでありますが、ニユーヨークにおきましては五つの行政区に分れておりまして、確かに区長は公選制をとられておるのであります。併しながらその区長につきましても州の監督権も相当ありますし、相当建前が違つておると思つております。殊に二番目に市区の一体性を確保する方法として掲げておりますように、区長は公選制をとりますが、同時に市行政の一体的な処理を確保いたしますために、市長、会計監査員、市議会議長と共に市の理事会を構成しております。そしてこれによりましてニユーヨークにおける市の重要なる行政の方針等につきましては、ここに書いてありますように財政、課税、特許、地域制、都市計画、公共土木事業その他につきましては先ず市の理事会で決定をいたしまして、それに従つてやつて行くと、こういう特色のある体制をとつておるわけであります。但しその場合でも、理事会における表決権につきましては、行政区の区長は市長や市の市会議長等とは票数が少なくなつておりまして、表決権にも差等を設けておるような恰好であります。従いまして区長はすでに過半数を制することができないという恰好になつておるのであります。まあ我が国の従来の制度、或いは我が国の地方団体の制度にこれをどういうふうに参考とするかということになりますが、現在都につきましては特別区の数も非常に多くございますし、又区議会が置かれておりまして、その点でこういう建前をとることはどうもまだ適当じやない、こういうふうに考えられると思うのであります。
#118
○吉川末次郎君 只今の御説明で一応わかつたのでありますが、御提出になつておりまする各国都市の議員数、最初に読上げましたロンドン市というのは、シテイー・オブ・ロンドンのことでありますが、これは人口もここにありますように、五千人ばかりの、いわばまあ区というようにも言えるし、実際上は御承知のごとく、シテイー・オブ・ロンドンのロード・メーヤーは、伯爵の地位を持つて議会に議席を占めておる。或る意味においては総理大臣よりも地位の高い人と言われており、シティー・オブ・ロンドンは英国内における一つの国家であるとまで言われておる身分でありますが、ここに、これも参考にはなりますが、専らこれを挙げられて行くというと、ほかのいろいろな、ウーストミンスターであるとか、いろいろなそのほかの、メトロポリタン・ボロウスがあるわけでありますが、それを挙げて行かれる必要があるのではないかと思うのであります。それよりも東京都にあたるカウンテイー・カウンシル・オブ・ロンドン、ロンドン行政区といいますか、そういうものの議員数についての差当りの御調査があれば、それを一つ知らせて頂きたいと思います。
 それから、この御提出になつておりますところの資料等によりましても、如何に世間一般に言われておるところの日本の議員の、自治体の議員の数が非常に多いというような議論は、結局比較研究いたしてみるというと、必ずしもそうではないのであつて、むしろ一部の、アメリカにおける、これもアメリカ全体の、総括的なような意味で書いてありますが、御承知のごとくアメリカでは、こういう地方自治体の制度というものは、ステートにおいて異なり、又ステートの中においても、シテイーが独立のチヤーターによつて市会の構成をしておるのでありますから、同じカリフオルニヤ州においても、ロスアンゼルスとサンフランシスコとは市会議員に該当する身分の名からして違うというわけでありまして、区々まちまちでありまして、非常に違う。非常なバラエテイがあるわけでありまして、併し一部にこういうように、市会議員の数が激つて行く傾向のあることは、これは事実でありますが、併しそうしたアメリカの一部に行われておるところの傾向だけをとつて来て、そうしてそれが世界全体の自治体議員の数についての傾向であるかのようにしきりに宣伝し、又そういう俗論をそのまま受入れている形があるのでありますが、それをはやらせているモチーフ、動機になつておりますものは、私はたびたび申しますように、昔の官僚主義の見解で、中央政府においては国会というものはうるさい存在であると同じように、地方自治体においても、やはり理事者の立場からうるさいものは県会議員であり、市会議員であり、町村会議員である。できるだけ開会の数を減らし、議員の数も減らして、できるならば議会とか国会というものを、もうなくしたほうが俺たちには便利であるという建前の議論が潜在意識的に働いて、そういう間違つた外国の例を、それが世界全体の文明国の事例であるかのごとく宣伝いたしておるということを私は指摘いたしておるのでありますが、そのことは私はこの御調査によつても私の言うことが決して誤りでないということが証明されておるかと思うのであります。これは別といたしまして、ロンドンにつきましてお尋ねいたしましたことについての御答弁を願いたいと思います。特にこれによつて見ましても、人口が僅か五千人ぐらいしかいない所でシテイ・オブ・ロンドンでは、長老議員が二十五人、普通の議員がコンモン・カウンシラーが二百何人もあるということで、ベルリンでは即ち二百二十五人も議員がいる。それから、私の記憶ではパリの議員の数はもう少し多かつたかと思いますが、併しこれは私はここに資料を持つておりませんから申上げませんが、まあそういう点がはつきりしておるものと思われます。それについての御答弁を得たいということが第一点です。それからもう一つは、ニユーヨークが区長の公選制度をとつていながら行政区であるということで、そういうことを今度の特別区の制度についても参考資料にしたいという立場から、この資料の御提出を願つたのでありますが、御提出願いました資料は、私の見ましたところでも甚だ不完全なものであると思いますが、間違つたことはお入れにならないと思いますので、一応了承いたしますが、それでもう一つこれと同じような立場でお尋ねしたいと思いますことは、先ほどの御当局の御説明によりますというと、ニユーヨークはボロースというものは五つしかない。東京には非常に数が多いのであるから参考にならないというような御答弁でありましたが、併しながらこの東京都が、各区が一つの自治権を持つようになつたことについてはいろいろの沿革があると思うのでありますが、これは従来の旧市の制度におきましては御承知のように極めて微弱なる市制第六条による自治権だけを認められている。その実態は全く殆んど行政区的なもので、かすかなる自治権が認められておつたというようなものに過ぎなかつたのでありますが、その自治権を現行制度の上に非常に拡大したものにしなければいかんということをば、私の記憶いたしますところでは最も早くから主張しておりましたのを、曾つて社会党からこの安井君と並んで知事に立候補せられました日本の都市行政の民間における権威的な研究者でありました田川大吉郎氏がその非常に有力なる提唱者であつたかと考えられるのであります。その田川氏の議論、案については今申上げるのではありませんが、今日の制度は比較研究の上からはこのロンドンの区制でありますメトロポリタン・ボロースの制度、その一つとして今ここに言われておる人口五千ほどのロンドン、小ロンドン市でありますシテイ・オブ・ロンドンでありますが、それでシテイ・オブ・ロンドンをここへともかく引用して書かれたのでありますから、シテイ・オブ・ロンドンの議会及びロンドン行政県と言われておりますがアドミニストレーテイヴ・カウンテイ・カウンシル・オブ・ロンドンの中にあります区制、メトロポリタン・ボロースの議会というものがこういうようになつておる。その数は東京都の特別区と同じように非常に多くの数を持つておるのであります。で、案としては私はそれに対するいろいろな行政上の統一を願う立場からの異論があることも多少承知いたしておりますが、併しともかくも長い間ロンドンでは大体において各区が独立の市であるかのような形態の区制が行われておるのであります。ボロースを区と訳すことができるかどうか疑問でありますが、まあ大体においてロンドンを一つの東京都に当る首府と見ますると、日本の区に当るものでありますからそういう区制をやつておるわけであります。でそれが現在行われておるわけであります。これは当然に自治庁諸君も十分よく御承知のことだろうと思うのです。殊に岡野自治庁長官は長くイギリスにおいでになり、又最近にもイギリスの自治制度を研究のために昨年でありますか視察に参られたのでありますから、私などが申上げるよりも遥かによく御承知のことだろうと思いますので、今ニユーヨークは区は五つしかないんだからこれは参考にならんと言われたのでありますが、その点からいたしますと、ロンドンは幾つでありましたか、二十幾つでありましたか、二十九であつたかと思いますが、間違つておるかも知れません。少くとも三十そこそこボロースがロンドンの中にあつてよくやつておるわけなんです。現にそれが行われているのでありますからこれは大いに参考になるわけでありましよう。我々がどうぞしてこの区長を公選にして、区長というものはやはりシテイ・オブ・ロンドンにおけるロード・メイアーに当るものであり、ほかのウエストミンスターその他のボロースにおいてはこれは言わば市会議長に、或いは区会議長に当るものがこの地位にあるのがイギリスの制度だと思いますが、我々が問題にいたしておりますようなこと、即ちその区の長をば公選にしてもロンドン全体の行政というものが円滑に行われているということで、我々比較研究の上今問題にしておるのでありますから、ニユーヨークについてはこれは採用することができんという建前は、一応これは了解します。私もニユーヨークに長くおつたのでありますから了解いたしますが、ロンドンについては一つその点を御説明を願いたい。これは我々はもう採決しろということでありますがこれは十分知つておかなければならんということであると思いますので御答弁願いたいと思います。
#119
○政府委員(鈴木俊一君) 今のお尋の点でございますが、先ほど行政課長からニユーヨークの市制におきまする市と区との関係の問題について資料に関して説明申上げました点は、区の数がニユーヨークが少いから参考にならないというようなそういう点に触れておつたと思いますけれども、根本の構成がニユーヨークはまあ行政区でございますし、区議会というものを持つていないわけでございますから、その辺がやはり相当違うと思うのであります。又今御指摘のロンドンの市と区と申しますか、メトロポリタン・ボロースの問題でございますが、ここに只今御指摘のようにその数は二十八でございますから相当たくさんあるわけでございまして、数の点から申しますと、まさしく東京の区と大同小異でございますが、併しながら区議会が同時に執行機関になつている。区長は今御指摘のように選挙されましたものが同時にこれは区議会の議長になるということで、執行機関と議決機関が一本になつておるわけでありますからして、議会の構成員が出でては委員会のメンバーになりまして執行に当るというような形でございますので、この辺も若干建前が違つておるわけでございます。勿論立法政策の理論といたしましては吉川先生のおつしやるように、いろいろの問題で若干の都政の方式といたしましてはニユーヨークのような方式も一つとして考えられないことはないと思いますが、併し今直ちにさような非常に理論的に徹底いたしましたような趣旨においての案というものは到底これは実現することは困難ではないか。又従来の沿革というものから考えまして、さようなことが理論的に正しくありましても、実際上の政策としてとることは如何であろうかというようなわけで、政府といたしましては提出いたしましたような原案を考えた次第でございます。なおロンドン県の議員数については行政課長から申上げます。
#120
○政府委員(長野士郎君) ロンドン関係につきましてはここに挙げていないのじやないかというお話でございましたので、これを申上げますと、一九五二年の調べでございますが、ロンドンのカウンテイの人口は八百三十四万六千百三十七人でありますが、長老議員二十一人、普通議員百二十九人ということになつております。
#121
○吉川末次郎君 ロンドンの一つ資料を出してもらいたいと思うがどうでしよう。非常に必要だと思いますか……。
#122
○中田吉雄君 たくさんの議案が残つていますし理事会の意向もありますので、いろいろ御議の点もあると思うんですが、まあ我々といたしましては、派手ではないこの地味な地方行政委員会にずつと出ましてやつていますのは、なんといつても日本を再建するというようなことをやつても、結局一万有余のこの地方公共団体をどうするかということがまあ基本に触れる問題だと思つて、そういう点でみずから慰めてやつておるんですから、一つ岩木先生にも了として議事促進もあると思うんですが一つ御了承願いたいと思うのですが、私はこのたびの地方自治法の一部改正法案は衆議院の修正と、それから参議院でなされるであろう修正によりまして、政府の提案されました自治法の改正はこつぱ微塵に殆んど原形をとどめぬほど改められて、若し責任ある人であつたら、恐らくこれに対して内心忸怩たるものがあつて、責任を負われるべきではないか、こういうことも考えられるわけでありますが、責任を感じないことは当世のはやり事でありますから、その点は問わないことにいたしまして、(笑声)私が一番心配いたします点は、今度のああいう間接の選任制度というものが、憲法並びに地方自治法を極めてルーズに解釈している。この点は岡本委員が非常な多くの労力を費されて余蘊なく申されましたので、それ以上触れる必要のないほど十分説かれていると思うわけであります。私はそこで鈴木次長にお伺いしたい点は、民主政治或いは議会政治と直接選挙との関係を先ずお伺いいたしたいと思うわけであります。民主制と直接選挙とはどういう関連があるか、民主主義による議会政治、現在とられているような制度というものは、必ずしも直接選挙を必要としないものである、そういう理念の上に立つておられるかどうか、こういうことを先ずお伺いいたしたいと思うわけであります。
#123
○政府委員(鈴木俊一君) どうも私から申上げます点は、地方自治制度に関連をした限度においてしか申上げられないわけであります。地方自治法の制定の際におきまして、初めて直接民主政治の形態である直接請求でございますとか、或いは市町村長、知事の直接選挙というような方式が導入されたわけでございまして、本来の民主主義の理論から申しまするならば、住民が直接に行政をするというのが、一番理論的には徹底をいたしたことでございましようけれども、併しそれによつて常に行政を執行し、監視をみずからやつて行くということは困難でありまして、どうしても間接的な民主政治の方式というものが本体にならざるを得ないのであります。併しながら間接民主政治のみによりますことは、ともすれば直接民主政治によつて住民のコントロールを実際行うということが困難になりまするので、現在直接請求というような形で認められておりますところの住民の監査請求、或いは主要な公職にありますところのものに対するりコールの方式、或いは議会に対する解散請求の方式というような形のもの、或いは直接に必要とする立法として、条例の直接請求方式を認めるというようなことを、同時に間接民主主義の方式に加味して行きまして、そうして両々相待つて住民自治の本旨を発揮して行くということが、自治制度としては適当のものであるというふうに考えておるわけでございまして、この点はどの限度までさような直接民主政治の方式を取入れるかということは、それこそ立法政策の問題であるというふうに考えるわけであります。
#124
○中田吉雄君 私はこの区長の選任方法といたしまして、区議会が知事の同意を得てこれを選ぶという方式は、最も悪い最悪の形の妥協だと思うわけであります。最悪のやはり民主政治におきましては、第一義的に誰が責任を負うか、誰が一体責任を負うかということが明確になりませんと、先に岡本委員が質問されたように、一体直接請求を誰にやるのかということが問題になつて、私はこのような選任方式は、東京都はよく伏魔殿と言われたほど、腐敗汚職のあつたところですが、こういう形の選任制というものは、必ずや私はよろしくない。いろいろな運動がその選任について行われまして、そして全体の、たださえ東京都民が自治体に対する関心が薄いのに、一層薄くなるんではないか、こういうふうに非常に心配するわけであります。とにかく第一義的に一体、区長になつた人は東京都民に責任を負うのであるか、区議会に責任を負うのであるか、或いは知事に責任を負うのであるか、そういう内容がはつきりしないから、今後必ず区長になろうといたします人は、区議会の改選期が来ますれば、大体今後再選する可能性のあるような人の御機嫌をとる、いろいろな便宜を図る、知事の御意向を窺うというようなことになつて地方住民に対するよりか、やはり区議会と、そうして都知事に対して、右顧左眄して、民主制の基本である地方住民に対する責任が薄くなつて、そうしてその選はれるときには区議会の数十石、それから都知事でありますから、そういう関係で汚職の発生する危険性が極めて大であるというふうに考えるのですが、そういうことについて、例えば都議会がこれを選任する、或いは都知事がこれを任命するというようなはつきりした形のほうが、私は責任の所在がはつきりしていいではないか。むしろそういうふうに両方に責任を負うということになれば、首鼠両端、責任の所在がはつきりしないではないか、そういうことが地方住民の関心の薄い区議会、都議会に一層関心を薄くして、地方自治体に対する大きな危機を招くのではないかということを考えるのですが、その点は如何ですか。
#125
○政府委員(鈴木俊一君) 責任と申しますか、これを明確にするという見地から申しますならば、御指摘のような点は、確かに一つの御意見だと思うのでございます。現在特別区の性格といたしましては、特別区自体が自治体として処理いたします面と、又都の一つの出先機関的な性格において処理いたします面と、両面があると思うのであります。改正後におきましては、そういうような姿がいろいろ明確なつて来るわけでございますが、かような性格が二面に分れておるということから、選任の方式についても、やはり両方の関係の意向が反映したものが選ばれる、こういうような一つの理論的なつながりがあると思うのであります。さような点が責任論から申しまして不明確であるということでございまするならば、これはやはり都の出先機関と、自治体である特別区というものを二分する、そうして別個の機関を設けるということでなければ、この点はどうしても割切れて行かんと思うのであります。或いは自治体を全然抹殺いたしますか、或いは都との関係を全く切断するかいたしませんと、さような徹底した選任の方法はとれないと思うのであります。併しながら実際問題といたしましては、特別区に都の出先機関的な性格、自治体としての性格というものが二つあり、これを別個にいたしますることは、やはり経済的な見地から考えまして適当でないと思いまするし、又行政理論的にもそこにいろいろ問題があると思うのでありまして現在のような二面的な性格というものを払拭することは困難であると思うのであります。こういう点から申しますると、区長の選任方式につきまして今回の改正案或いは衆議院の修正案というような形のものは妥協的な案であり、徹底しない点がございますけれども、やはり実際の実情に即する一つの解決策であるというふうに考えておるわけでございます。
#126
○中田吉雄君 私はこれを、地方自治擁護の立場から、区長並びに区議会議員のかたが懸命に努力を捧げられていたわけでありますが、この妥協案ができましてから、区長の人がぴつたりとその運動をとめた。そこで私はなぜであろうかということをあちこちで探究してみたわけであります。それは現在の区長からすれば、任期が来ても、うまくやつて、知事と区会議員にうまく渡り合つておけば、任期が満了後に再び選挙をやらんで残る可能性があるんだ、こういうことから、当初の予定とは反しましてすでに運動を中止してしまつたというようなことを以てみましても、今後改選期に一年くらい前から区会議員の再選するであろうという可能性のあるような人に模を打込む。そういうことは投票によつてやるよりかも人数が少いから可能なわけであります。そういう点から必ず私はこの点が将来区政を混乱させ腐敗させる一つの大きなものになるのではないかということを杞憂するわけですが、それがまあ杞憂に終りますれば結構なわけであります。
 それからもう一つは、如何に現在の安井知事が優れた地方自治の長であろうとも、例えば今度改選した知事が二十三区の区長を区会と渡り合いながら二十三人決定する、こういうような天才的と言つてもいい手腕というものはなかなかこれは困難だ。ですから改選期には必ず区長が長く決定しないというような、そうして事務が澁滞するというようなことが私は起るのではないかということを今から予測するわけですが、併し情勢ここまで来たのですから、そういう点が私は問題になるのではないかという点をまあ指摘するにとどめましよう。
 それから岡野国務大臣にお伺いいたしますが、我々といたしましてはこの点を最も憂慮を持つて迎えていますのは、必ずこれが、憲法九十三条の規定が厳密でないといいますか、そういう関係からいたしまして、法律によつて例えば府県の性格を変えることによつて任命制ができるというような形に必ず行く、そういう橋頭堡になるのではないか、こういうことを我々としては、特に岡野さんの所属される現自由党内閣は、憲法九条において日本は交戦権を放棄いたしましてそうして陸海空軍その他の戦力はこれを保持しないという規定があるにもかかわらず、警察予備隊を増強していながら、或いはアメリカからいろいろな艦隊を借りていながら、解釈をあいまいにされて、そういうような違憲性が現在の国公においてきびしく指摘されないというような関係で、今回のこの区の性格に関する討議と同しような形で私はずるすると行つて戦前のような形に復帰することになるのではないかということを心配するわけでありますが、岡野国務大臣にこの点について重ねて言明をお願いしたいと思いますし、鈴木次長にお尋ねいたしますが、東北のほうにおいてはすでに現在の知事が知事の公選制を直接選挙制を廃止して任命性に変えるような運動を密かにやつておるが、あからさまに言うことはできないから伏せておるというような話さえ伝わつておるのですが、そういうことについて情報がありましたら、お伺いしたいと思うわけであります。
#127
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。今回の区長の任命性が中央集権的の憲法解釈に、いろいろ法律によつて憲法の髪おることをだんだんと直して行くんじやないか、その橋頭堡になるんじやないかというような御質問でございますが、私どもといたしましては東京都における非常な特殊事情というものを非常に大きく考えまして、そうして区長に対して任命制をとることにいたしたのでございまして、これによつて第二段第三段というようないわゆる人民の権利であるところの公選制度をだんだんと減して行くとかいうような下心なんというものを考えてやつたことじや毛頭ございません。この区長任命制は東京都の特殊性に即してそうしてこうしたほうがいいからというので任命制を原案として提出した次第であります。
#128
○政府委員(鈴木俊一君) 只今了中田委員の御指摘になりました事実は私ども承知いたしておらないのでございます。
#129
○吉川末次郎君 これは別にほかのかたから同様な御賛成がなければ、私一人であればいいのでありますが、決して議事遷延のための計画的な悪意を以てそういうことを要求いたしておるのではありませんが、先ほどロンドンの区制の問題について鈴木次長から簡単な御答弁がありましたが、十分であると私は言えないと思います。一番現在の東京都の特別区制に近似性を持つているのは、世界の代表的な国家においての大都市といたしましてはロンドンなのでありますから、ロンドンの公選によるところのいわば区長、区会議長であります、鈴木君が言われた通りの……。その制度が一番比較研究上この際参照せられなければならないのでありますが、これが不十分でありまして、今簡単な御説明があつたんでありますが、これは詳細なむしろ資料が我我の手許に今日まで提出されてあるべきであつたと思うのであります。これは是非提出されたいと思いますが、併し決して議事遷延のために言つておるのではありませんが、御賛成のかたがあつたらそのように運んで頂きたいが、御賛成がなければどうでもよろしうございます。
 それでもう一つ御答弁を得たいと思いますことは、これは今中田さんがお尋ねになりまして鈴木次長から御答弁があつたのでありますが、即ち今度の衆議院の、区長をいわゆる間接選挙の制度においてきめるということに修正いたしましたことは、政府原案の都知事の任命という制度に比べますと、これは基本的に非常に大きな変化であります。それは中田君が岡野国務大臣の責任を追及せられておるのでありますが、私はそれほど大きな変革であると思います。それでそうした基本的に違うところの区長の選任制度を衆議院が基本的に修正をして我々のほうへ廻して来ておるのでありますが、鈴木次長から事務的な答弁が行われましたけれども、これは基本的な問題であります。この法案についての最も重大なる問題であります。衆議院の修正案について岡野国務大臣が政治的責任を賭してそれに対する態度を明確にせられる必要があると思いますので、この機会に岡野国務大臣としての御答弁を得たいと思います。
 それから先ほどの資料提出のことについては、御賛成があれば私は二三日待つてもやはり提出してもらいたいと思いますが、御賛成がありましたらば賛成して、頂きたい。これは委員のかたにお願いいたします。
#130
○中田吉雄君 資料ですが、採決はどうするかということは皆さんの御意向によつて決するのですが、併し資料は非常に参考になると思いますので、一つお願いしたいと思います。
#131
○国務大臣(岡野清豪君) 区長任命制として我々が政府原案として出しましたのが衆議院におきまして全く違つた形において修正せられた、岡野の責任はどうか、こういうような御質問でございますが、私どもといたしましては、先ほど事務当局の鈴木次長から申上げましたように、東京都とその中に含まれるところの特別区というものは血の通つた行政をやつて行きたいということが根本観念でございまして、その意味におきまして、原案といたしましては、都知事が区会の同意を得て任命するということが一番よろしいと考えて私どもは出したのでございますが、民主主義の制度に従いますというと、国会は最高権威でございまして、国会が一致してこういうことにしたということになりますれば、我々といたしましては執行機関としてそれに承服することが役人の責務と存じますから、それが私がその国会の御意思に反抗して何とかしたときには私が責任を追及されることがありましようけれども、我々といたしまして根本的に血の通つた行政ができるという方向に、万全ではありませんが、併し第二次的にこれに御修正になつた、而も御修正になつた機関は国会の即ち国家の最高機関であらせられる衆議院がやられたという意味におきまして、私は何ら責任を追及せられるところの理由がない。むしろ忠実なる国家の官吏であるということを御承認になつて結構だと思います。
#132
○中田吉雄君 それは非常に問題になると思うのです。今はやはり政党内閣少くとも岡野大臣が地方自治法の一部改正法案を出されるときには党議に諮つてそうして上から積み上げて出されておるわけなんです。そうなくてはならんわけです。ところがその自由党を含めてその案を修正されたということは非常に意味があるわけである。私としてはむしろ自由党を含めて修正された点は、やはり旧内務省的な残滓の残つている自治庁に対して、やはり民主主義的な一つの抵抗の形体としてやはり尊敬するわけなんですが、何と言つても議院内閣制で、それは多数党内閣が組織しておる。少くともそれですからそういう法案というものは自由党は政府案に賛成されねばならん。それをすらやはり反対されて根本的な改正がなされておるという点は、国会は国権の最高機関であるからというようなことで、その意思に従うのは、何ら責任を問われることなしに、むしろ賞揚に値するということは、これはいささか現在の内閣制度の趣旨からすれば非常に問題だと思うわけなんです。まあその点は非常に問題だと思うのですが、まあその程度にいたしまして……。
#133
○吉川末次郎君 それは重大問題ですよ、もつと追及して下さい。
#134
○委員長(西郷吉之助君) 先ほどの吉川委員よりの資料につきましては政府から出させますが、本法案の運用につきましては大体皆さんがた……。
#135
○原虎一君 これは最後に二つの点だけをお聞きしておかなければならん。それは一つは鈴木次長から私に書類を以て答弁されるように要求してありましたものが、私今日不幸にしてまだ受取つていない。と申しますのは、先月末における委員会におきまして、鈴木次長は私の質問に対して、東京都のごとき特別市におきましても行政区にして法規上何ら差支えはない。但し現実においてはそれはよろしくない、不可能だ、こういう御答弁がありました。然らば現実において不可能なる理由を書面において私の手許にお渡し願いたいと言つたが、口頭のお答えもありませんし、書面によるお答えもないのであります。これは将来我々が、而も三年後でなければこの法律は現実においては区長選任問題に適用しないのだ。従つて今日どういう拍子で衆議院の修正になつた……私に言わせますれば、最悪の修正案であります。先般来私も指摘いたしましたし、先ほど同僚中田委員も指摘いたしましたが、私は東京市における過去の市長選挙の、間接選挙の実例に鑑みて最悪の改悪であります。こういうものを我々が反対しても政府によつてどう決するかはわかりませんが、反対してもこれが通つたといたしますれば誠に遺憾の極みであります。失礼でありますけれども、地方に関係を有されるところの議員諸君は、東京市の市長選挙当時におきますところの市会議員が市長を選挙した当時の煙害というものを御存じないかも知れません。その弊害の五年間の体験を有しまする我々といたしましては、何としましてもこの制度は承服できないものであります。そういう点から先般鈴木次長に質問いたし、今申しましたような御答弁があつたにもかかわらず、その書類回答を得ておりません。
 それから第二点は、今も申しましたように、この法律が制定されましても区長選任制につきましては、三年後でなければ、全体的に適用はないのであります。然るにこの問題をどうしてもこの地方自治法改正に入れなければならんという理由が頷けないのであります。地方行政の調査会等ができれば、それによつて十分に調査して間に合うのであります。にもかかわらず、今回この国会においてなぜこれを改正しなければならんか。而も前述のごとく、最悪な修正が衆議院でなされておる。党内事情による妥協であつて、何ら理論的根拠もなし、現在においても誠に過去の体験における非常に不明朗なる区政がここから始まると言つても過言でない修正がなされておるのであります。而もそれは来年の区長任命に必要であるというのでなくして、三年後の区長任命に必要なる法律を、今から世の反対があるにもかかわらずやられるという、岡野国務大臣のその必要性に対する御答弁をお伺いしたいのであります。
 第三点は、岡野大臣は忠実なる官吏であつて、衆議院の修正は自分の何ら関するところでない。今中田委員が指摘せられましたように、これは法の修正それ自体が悪いというばかりでなくして、出して来るところの法案の提出過程から言いましても、大臣は責任回避であります。これをもつと大きく拡大いたしますれば、予算を政府が出したが、予算は否決された、大修正を受けた。これは国会が直したのだから誠に結構でございますと言つて総理大臣がその執行に当りますか。あなたは大臣である。一官吏ではありません。官吏は次長以下であります。一大臣がそういう無責任なるお言葉を吐かれるということになれば、この審議は私は委員長にもお願いし、他の同僚委員諸君にもお願いしまして、もつと徹底的にこれは究明すべきだと思います。この衆議院の改正は最も悪いものであります。そういう改正したものは衆議院がやつたのであるから、国会がやつたのであるからおれは知らない、これは余りにも言葉尻をとらえるようでありますけれども、大臣としてのお言葉ではない。鈴木次長が言うならばこれは我々も頷けますけれども、大臣がそういうお言葉を吐かれるとなれば、我々はもつともつと検討しなければ我々の責任に一切なります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そういうことはお進め願つたほうが議事進行によろしいのじやないかと思う。又委員会の権威にも、内閣の権威にも私は関するものじやないかとこう考えます。
#136
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これをなぜ急いで三年先のことをやつたかと、こういう第一点のお尋ねでございますが、これは私といたしましては、都と区との間で過去何年かの間非常に紛争が出ておりますから、できるだけその紛争が終止されるようにこれを早くしたい、こういう意味でやつたのでございます。
 それから第二の責任問題でございますが、私どもといたしましては、若しこれが私どもの根本の必要性に非常に背反したことがあるということになつて、それで直されたということになりますれば、私は良心に対して非常に呵責を感じますけれども、併し先ほど申上げましたように、都と区との間に血の通つたような行政ができて欲しいという根本理念から出たことでございますから、成るほどイニシアテイブをとるのは初め都知事であつたのが今度は区議会がなすということになりましたけれども、その都と区との関連というものはこれで一応附いたということになりまして、私自身としては、先ほども申上げましたように第一善の何ではありませんけれども、第二善としてはこれは止むを得ないことだと、而もその方向といたしましては、我々は根本理念としてそう考えておつた通りに実現しておることでございますから、私はそれで良心的に苦痛は感じないのであります。
#137
○政府委員(鈴木俊一君) 只今原委員から仰せの点でございますが、実は先ほど行政課長から説明を申上げました際に、原委員御要求の資料の点につきまして特に申上げる点がございませんでしたので、大変恐縮でございましたが、これはお手許に配付してございます「ニユーヨーク市における区長選任の方法及び市行政の一体性確保の方法」というこの第一の点が吉川委員の仰せになりました御要求に基きまする点でございまして、一の「区長選任の方法」ということがそれでございますが、二の「市区の一体性を確保する方法」、三の「都にこの制度を採り得ない理由」、こういうふうに書いてございますが、この前原委員の仰せになりましたのは、公選制をとりながら都と区との間に何らか血の通わせる方法、一体的に行政をとり得る方法はないかというようなお尋ねであつたように記憶いたしているのであります。で、ニユーヨークの行政区長は公選でございまして、従つて公選の形をとつておりながら、ニユーヨーク市として一体的な行政の運営をしておるわけでございますが、その方法は先ほど行政課長から説明をいたしましたように、市の理事会というものを設けまして、この理事会の構成員として市長なり市の会計監査員だとか市の議会の議長という者のほかに五つの公選区長を加えましてこれで九人でございます。九人で理事会を構成しておるわけであります。さような理事会を通じて市区一体の行政運営をするという方法がニユーヨーク市政において一つ行われておるわけでございまするが、こういうようなことを我が国の都政に移して行くということも一つの理論的には考えられる方法でございますけれども、今の区議会をすべて廃しまして、そうして公選区長を以て都の理事会を作る、これと都議会といわば一種の二院制のような形になりますが、そのようなことも立法方法としては考えられないこともないと思いますけれども、そのような姿のことを実施いたしますということにつきましては、先ほど来申上げましたような実際上の問題といたしまして困難であるという結論に到達したわけでございまして、かような制度をとらないことにいたした次第でございます。
#138
○原虎一君 そのニユーヨークの問題についての資料を多少読んでもみて研究もしました。日本の場合においてそういうことが不可能である、現実に合わないというそのあなたの考え方を書面にして頂きたいが、いつまで待つても頂けないのです。日本はこういう事情で、東京都はこういう事情があつたからできないということを書類にして頂きたい。ニユーヨークの制度については書類にしてもらつて読んでもみました。資料をもらいたいことはそういうこともあるので、区長を公選せいと言つても、東京都一体の総合都政というものができないものでもない。それはあなたも肯定しておる。併しそれは現実に不可能なのだ。現実に不可能なのは如何なる事情か、如何なる理由か、現実に不可能なる理由が東京都の場合はこういう問題がある。それは今日、明日、来年にはということならこれは無理でありますが、私の申上げますのは三年先にこの法律は適用になる法律であります。一年、二年の研究期間があつて然るべきだ。でありますから、私はあなたが現実に不可能なものが東京都において本当に不可能かどうか、それを検討したいためにあなたの回答を希望したのでありますが、その希望は今日なお口頭においても出ない、これは出なければ出ないで、みずから私は研究するよりほかないと思います。そういうわけでありますので、私は説明して申上げておきます。
#139
○岡本愛祐君 岡野国務大臣に一点申上げておきたいことがあるのです。それは特別区制度の改正については長い間の都と特別区との間の忌わしい紛争を解決するためというお話がございました。実は都と二十三特別区とは仰せの通りに従来いろいろ紛争があつたのであります。而ういたしましてそれを何とか妥結いたしますためにこういう方法がとられたことは恐らく御存じのことと思います。即ち昭和二十五年におきまして都区調整協議会というものを設けたのであります。そうして都側から知事、副知事初め各派の議員が合計五名委員として出たのであります。それから区側からは区長、それから区会議員、二十三区側の代表として五名出しておる。なおそのほかに公平な立場で仲裁をする中立委員というものが四名いたのであります。即ち衆議院の自由党から中島守利氏、それから社会覧から松岡駒吉氏、参議院から私、学者として東大の田中一郎氏、この四名が中立委員として出たのであります。そして実に長い間かかりましていろいろの調整に努め、夜明しをするようなこともありまして、そのために中島守利氏の生命を縮めたと私は思うほどの苦心をいたしました。そして九月の二日に最後の調整をいたしたのであります。それを念のために読んでみますと、「一、特別区の財政自主権を確立するため、特別区税収入は原則として特別区の財源とする。但し昭和二十五年度においては都と区の財政事情を勘案し、且つ事務事業委譲の現状に鑑み、区は特別区税収太のうち、金十八億三千五百七十六万円を都に納付すべきものとする。二、昭和二十五年八月二日の中立委員の裁定による事務事業のうち……」、
 これは裁定をして事務事業をこれだけは区に委譲しなさい、そして憲法上の地方公共団体とされている特別区に対して実の挙るようにしなさい。人事権の問題でも、この場合は殆んど自分自身の職員というものがいない。皆部の吏員を配置している。そういうあり方ではいけない。早く区自身の吏員が区政に当るように、区の事務に当るように、そうしなさいというふうに裁定をしました。それからいろいろの事業を区に移すべきもの、例えば今実行されておりますのは公園の移管とか、緑地の移管とか、それから道路の並木の移管とか、そういうふうにして地方自治を憲法が企図しているように、区が特別区であるにふさわしいように事務を委譲しなさいというふうに裁定をしたのであります。それが二十五年八月二日の中立委員の裁定による事務事業のうち現状において委譲することができるものは、昭和二十五年十月中にその手続を完了すべきものとする、こういうふうにいたしました。万一その委譲に支障を生じた場合においては、更にそのことについて協定するものとする。ほか二項、三項……、これは昭和二十五年の九月二日にそういう裁定をいたしました。これで多年の紛争は納まるように私は思つて安心したのであります。ところがその後区側におきまして各特別区間の税収の、特別区民税の収入の凸凹なんかがありまして、その調整で手間取つたというようなことがあり、いろいろありましたが、とにかく今度政府のほうで突如としてこういう改正案を出されたことによつてまた紛争が大きくなつて来たわけです。折角調整をし、うまく多年の紛争が納まつて来た、我々の苦心の甲斐があつたと思つているのに、又どういうわけだかこういう抜打的改正をせられた。この点が甚だ私はうしろめたいのであります。それが正々堂々として、それは行政区にするのだ、行政区に近くするのだというように初めから大きくこの目的を掲げられ、又それにふさわしい法律の改正をせられるならばともかく、何かこそこそと事実上の憲法上の地方公共団体としての実を失わしめるというふうな改正をせられたということに私は非常な遺憾な点があると思うのであります。而も先ほど私が指摘いたしましたような矛盾が出て来るのみならず、又この憲法第九十五条についてこれは私は特に指摘いたしませんが、とにかく金森徳次郎氏にしても、又参考人に来られた東大の杉村章三郎氏にしても、憲法九十五条の違反の疑いがあることを指摘されているのであります。それは憲法第九十五条に「一つの地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」、それはこういう地方自治法の一条になつておりましても、東京都に関する特別立法でありますから、だから区民の投票において過半数の同意を得なければ国会はこれを制定することができないという規定に或いは抵触するのじやなかろうかという疑いがあるのでありまして、これは私はその点を強調はいたしませんが、併し憲法の大家である金森氏にしても又行政法の大家である杉村章三郎氏にしても多分の疑問を以て見ておられる問題であります。そういうような状況に鑑みまして、中田委員その他の委員のおつしやるように何もそう急ぐべきものでない、この特別区の問題を今日中に採決してしまう、是非今の会期にやつてしまうということは非常に私は遺憾に思うのでありまして、私はいずれ討論のときに申上げたいと思いますが、こういう規定はもう少し見送りをして、そうしてもつともつと研究をして、我々が納得のできた上で改正せられるようにして頂きたいと思つておりますが、この憲法九十五条の点についてもう一遍政府委員のほうで確たる御答弁を頂きたいと思います。
#140
○政府委員(鈴木俊一君) 憲法九十五条の一の地方公共団体に適用される法律について住民投票を必要としておる点と、この地方自治法の中の都に関しまする規定を改正いたします場合との関係でございますが、この点につきましてはすでに過去数次の立法例によりまして、例えば都の部局を新たに設置するというような改正をいたしておりますが、かような場合におきましても、これは結果といたしましては、今日都というものは東京しかないわけでありますので、一に東京都を適用される結果に相成りますけれども、理論的には東京都というものを考えておるのではなくて、都という一つの抽象的な地方公共団体を地方自治法としては考えておるのであつて、その都の部局をどういうふうに置くかということであるわけでありますから、従つて新たに都に建築局を置くというような改正をいたしましても、これは九十五条に基きまして地方自治法の二百六十一条による住民投票は必要でないと、こういうような解釈をとつて来ておるわけでございまして、さような政府の考え方が国会におきましても御容認願つたものと考えておるのであります。従いまして特に具体的に東京都というふうに指摘すれば別でありますけれども、都という形の立法の形式をとつておるものでありまするならば、それは九十五条の適用を受けないというふうに考えておる次第でございます。
#141
○岡本愛祐君 その点については私どもは大いに疑いを持つておるわけです。その点をもう少し明確にしておきたいと思います。今挙げられた局を置くとか何とかいうことは大したことはありません。ところが区長の公選をやめる、つまり住民の、区民の投票権を奪うというようなことは、大きな民主政治の基本制度に関する改変である。そういうことこそこの憲法九十五条に言つておるのではないか。局や何かのことを言つていないのだ、国民の権利義務に大きく関係することこそこの住民投票に問う必要があるのではないか、そういう疑いを多分に持つのでありますが、都と書いてあるから東京都だけではないというのは、これは理屈になると思いますが、都は現在東京都だけしかないのであつて、それで条文を引いて憲法違反だと咎め立てるだけの考え方は私はありませんけれども、一応憲法違反の疑いが大いにあるのではないかという懸念を持つておる。これは私一人ではなくて、今申した杉村先生や金森先生も持つておるということをよくお考え下すつて、そうしてそういう点、疑義を払拭するためにも、やはり近く設けられる地方制度調査会においてよく研究をして、決して憲法違反にならないということがはつきりしてからやるということが必要ではないかと、こういうふうに思うのであります。それだけの意見を申上げておきます。
#142
○委員長(西郷吉之助君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#143
○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて。
#144
○中田吉雄君 討論のときにも指摘したいと思うわけですが、幸いこの自治法が根本的に修正されまして自治庁の意図された線とは非常に違つて御同慶の至りなんでありますが、若しこれが通り、そうして今度内閣委員会にかけられています地方自治庁設置法案というものが通りましたならば、私はやはり日本の曾つての地方自治制度の根本的な欠陥であつた中央集権的な強力な統制によるそういう誤まつた方向に行くことを憂慮しておつたのですが、まあこれが殆ど原形をとどめないようにこつぱ微塵に修正された恰好ですが、そこでお伺いしますが、地方財政委員会というものが地方制度調査会にあとでなりまして、これが地方制度の健全なる発展に重大な阻害になるのじやないか。例えば我々が地方から見ますると、自由党内閣のときには自由党、改進党の内閣のときには改造党、社会党内閣のときには社会党の議員になつておらんと平衡交付金の災害復旧費用、起債が取れないということが、この地方の健全な議会政治を発展する大きな阻害になつて来る。この点は封建的な色彩の、事大主義の強い日本と外国の議会のこの勢力分野を比較して見ると直ちにわかるのです。例えばイギリスやアメリカその他の民主化の非常に発達したところにおきましては、与野党の差というものが余りないわけであります。そのときの内閣が保守党内閣であるからと言つて、例えばイギリスにおいて地方議会について圧倒的に保守党の議員が多いかというと、そうでなしに非常に差が少いわけであります。ところが日本におきましては、その点が現在の地方議会の勢力分野を見ますると非常に差がありまして、余り差がないということで健全な切瑳琢磨ができて、民主的な運営ができるということができないわけでありまして、特にそういう点から私はこの地方自治法の改正と地方財政委員会というものを諮問機関にして、そうして岡野大臣が如何に抗弁されてもどうしても現在の政党内閣の下において単に諮問機関でありましたら、その平衡交付金が公平な基礎の上に立つて配分されん。そういうことからしまして、一層地方議会の勢力分野を非常な差を附けて、健全な発達がなされないではないかということを心配するわけでありますが、岡野国務大臣にお伺いたしますが、内閣委員会が所管でありますのでここでお伺いいたしますが、そういうふうなことになる虞れはないと思われますか。勿論単位費用というものは法定化されますが、併し八十二分の八ですが、八というものは、まだ特別交付金というような形でいろいろ揺れるようなこともあつて、非常にこの点が私は健全な地方政治の発展の阻害条件になると思うのですが、そういう心配はないと思われますか、その点についてお伺いします。
#145
○国務大臣(岡野清豪君) ちよつと席を外しておりましたので前半の御質問がよくわかりませんが、最後の私が席に着きましてからの御質問は、財政委員会というものは今回行政機構改革いたしまして、自治庁の中に入れて、そうしてそれを財政審議会というものにし、同時にこれは諮問機関としているのだ。そうするというと地方において平衡交付金とか起債とかというようなものに対して不公平が起きるのではないか、政党乃至その当時内閣に立つているところの政党の内部の人という者が地方の理事者或いは議員にかなりなつておりますと、そのほうに依枯贔屓になり、それから又野党であらせられる地方公共団体の理事者又は議員のかたは、その地方には特別平衡交付金とか起債の枠が少いのじやないか、こういうふうな御疑念だと思います。併しこれはこの前もちよつと私申上げたと存じますが、平衡交付金制度は御承知の通りに非常に細かい規則を作つておりまして、その規則も大体過去の経験によりましてこれが妥当だと思うことは、これは今回法律に直しましてやり、又特別平衡交付金といたしましても、やはりちやんと基準となるものは、誰が見ても成るほどと思われるような基準を作つておりますので、その意味におきまして私はそう不公平なことはできていないだろうと思うのですが、同時に又非常な泥合戦でもすればともかくといたしまして、併しそういうことがありまして不公平になれば、その内閣は私は永続しないと思います。今度は国民全体の目の前で我々は政治をしているのでございますから、若しそういう不公平があるとすれば、その政党というのは自然自滅して行きまして、そうしてそういう不公平のないような政治になつて来ると思いますので、私自身といたしましては、いろいろ法律によつて動きの取れない、従つて型にはまつて分配というようなことができるように法律上してございますし、同時に政治的責任といたしましても、そういう不公平を八千四百万の国民の前で不公平をするということは政治的にも立ち行かなくなるというようなことも考えまして、私としては公平にやつて行けると確信している次第でございます。
#146
○中田吉雄君 そうすると、私も単位費用の補正係数等はきちんときまつているので、そういう手心はなかなか加えがたいということは知つているのですが、自分のことを申上げては大変恐縮ですが、私が参議院選挙に立候補しました際に、次に挙げるような人は、自由党の樋貝大臣、本多大臣、山口大臣、近藤鶴代氏、大野伴睦氏、植原、星島、幣原その他十数名のかたがたが私の県に自由党の公認候補の応援に来ましてそうして自由党内閣だと、現在……、従つて社会党なんかの議員に票をやるのなら平衡交付金や起債や公共事業費はやらないと、大野伴睦氏のごときは鳥取県庁にマイクロホンを備えつけまして、どうも中田を出しそうだが、そういうことでは平衡交付金は鐚一銭もやりたくないというようなできもしないことを言われたのです。こういうことはどういうふうに解したらいいのですか。こういうことは平衡交付金の具体的内容について理解のない人は非常に誤つて、こういうことがそのときどきの政権を取つた党が地方議会の選挙に多く出て、非常に健全なる民主主義の発展に大きな阻害条件になる。そうしますと、こういうたくさんの人が、例えば高知県の知事選挙、広島県の選挙その他においても党の、自由党幹部、大臣等が行つて、みんなそんなことを言つておられる。そういうことと、一体実際できないことを言つているというのは、政治的な責任は一体どういうふうにしてとるか。そういう言説というものは非常に地方政治の健全な発達の阻害条件になるが、今後はそういうことは言わないように差しとめられる用意があるか、はつきり一つしてもらいたいと思うわけであります。
 特に地方制度、地方財制の諮問委員会に、財政委員会が財政審議会になつたら、例えば米価審議会におきまして委員会が全会一致できめても、政府は全然その答申された米価の決定に従わない。運輸審議会でもそうである。そういうようなことが地方政治を非常に混乱させる。自由党の錚々たる閣僚等、幹部各位が流布されている言説に鑑みて、こういうことはどういうようにお考えになりますか。今後はそういうことを言わないように、地方自治の健全な発達の立場から岡野大臣はどういうお態度をとられますか、その点はつきりしてもらいたい。
#147
○国務大臣(岡野清豪君) 自由党の私どもの知つておる人の名前をお挙げになつて、そういう人が、今伺いますというと、どうも中田さんのお立場から考えると甚だ不利な立場の言説をしたように伺いましたが、実は私はそれを存じません。併しながら私はそういうことは今後無論いたさないつもりでおります。同時に中田さんが栄冠を得られて出て来られて、それで平衡交付金が鳥取県に行かないかといえば、立派に鳥取県に行つておりますから、事実がすでにそういうことはないということを証明しているのでありますから、御安心なさつて、私に御一任下さつて結構だと思います。
#148
○中田吉雄君 これは水掛論になりますから、一つ無責任な言動をされて、地方自治を混乱に導くというようなことのないように、一つ所管大臣とされて適当な御処置をお願いしたいと思うわけでございます。
 それからお伺いしたい点は、私が地方議会を昭和二十二年から五年まで三年間担当し、その後出ます地方自治件の改正を一貫して流れるものは、やはり執行部の権限を強めるという態度が貫かれているように思えてならないわけであります。我々としては、やはり地方自治の健全な発達のためには、その二つの柱である執行部と議会とがやはり相互に牽制を保ちながら、独自性を保ちながら、全体として調和の取れた立場で運営するということが私は必要だと思うのですが、一貫して流れているものは、私はやはり執行部、知事側の立場に立つて、知事側の権限を強化して、その一班を担うべき議会の立場を抑圧する、こういう立場がとられているわけであります。例えば長野県で地方議会と執行部との間にトラブルが起きた際に、行政課にいろいろ質問をして、そうして行政実例というものが出るのですが、それを見ましても、明らかに知事側の悪いと思うようなときには、どつちかわけのわからないような回答をされて執行部を擁護されている。私はそういう例をたくさん知つている。それが議会がはつきり悪いというようなときには手厳しく議会の悪いことを言つておられる。それは鳥取県の例に、私がやめたあとのいろいろなあとのトラブルを相談した際にもはつきりしている。そうして一貫しているものは、やはり知事側の権限を強化して、そうして議会を抑圧する往年の、戦前の自治制度に持つて行くような形である。例えば今度でも明らかに地方議会の数を少くする。或いは定例会を常会にして一年に一遍にするというようなことで、この弱い議会の立場を、知事或いは市町村長を批判して、その批判に堪えながら健全な発達をするという立場が一つもとられていない。そういう一体議会側の権限を適度に強めるような改正法案がこの中に一つでもあるでしようか。これは私は非常に問題だと思うわけであります。殆んど毎回の国会になしくずしに出て、そうして執行部の権限を強めるように行つているが、果してこの中に地方議会の立場を擁護し、そうしてたださえ弱い議会を擁護するような一体どこに一かけらもあるか。そういう点を一つ実例を以て指摘してもらいたい。
#149
○政府委員(鈴木俊一君) 今回立案をいたしました基礎になつておりますのが、御承知のごとく地方行政調査委員会議の勧告でございます。地方行政調査委員会議の勧告の中で事務配分の点はこれは遺憾ながら更に今後の努力を必要とする点でございますが、行政の合理化と申しますか、簡素化と申しますか、さような関係について、最後に神戸委員会で勧告をいたしました案を基礎にいたしまして立案したのでございます。只今執行機関と議決機関との関連について、常に執行機関の強化のみを念頭に置いて立案を進行している、こういう御質問でございましたが、今回の立案に当りましては、神戸委員会の勧告の線に沿つているわけでございます。神戸委員会の勧告におきましては、議会制度につきましても相当いろいろな点について勧告をいたしております。ただその中で議員数の減少というようなものも神戸委員会の勧告にあつたわけでございますが、これらを私どもは更に実際の実情を勘案しつつ神戸委員会の勧告よりも更に緩和した案を考えた次第でありまするし、又例えば議員を名誉職とするというような一つの考え方も神戸委員会の勧告にあつたわけでありまするが、さような考え方については今日の民主政治組織において取入れることは如何であろうかというようなことで、この点も取入れていないのであります。且つ又議会制度の運営につきましては、殊に地方の小さな地方団体におきまする常任委員会制度等につきましては特にいろいろ批判もあるのでありますので、これらの点に関しましても更に今後の研究に待つたほうがよろしいというところでこれは取入れなかつたのであります。さように一遂に執行機関の強化のみを狙つて立案をいたしたということは毛頭ないわけであります。私どもといたしましては、この執行機関と議決機関が両々相待つて巧みに牽制均衡の原理に従いつつ運営されて行くことが好ましいと考えておるわけでありまして、議会の定例会制度につきましては、やはり英国のように、議会が同時に執行機関の構成員になるというような姿のところでは定例会ということが意味があるのでありますけれども、執行機関が別個に独立に選挙されておるような建前のところにおきましては、必ずしも理論的にはさようなものは必要ないのではないかということで、通常会、臨時会制度というものをとつたわけであります。併しながらこの点につきましての国会の衆議院方面の御見解につきましても、私どもはさような考え方も成り立つであろうというところでこれに同意いたした次第でございまして、両機関の円滑なる調整ということを中心に考えて行きたいと思いまするし、又運用の点についてこういうような御指摘の点がないと私ども存じておりますが、若しあるといたしますならば、今後はできるだけ戒心して参りたいというふうに考えておる次第であります。
#150
○中田吉雄君 余り長くなるといけませんが、実際この全巻二百頁に及ぶ改正案を見ましても、地方議会の十分な能力を発揮されるような措置というものは一つも出ていない。この昭和二十二年に作られた地方自治法から一貫して我々はそのことをたくさん指摘できるわけでありますが、今後は一つその点も十分お考え願いたいと思うのですが、抽象的な答弁をされましたが、実際これからどこも地方議会の権限を強化して、そしてたださえ弱い地方議会を強めて、そうして執行部がその批判に堪えながら、鍛えられながらこの地方自治を担うというようなことは一つもないわけであります。そういう点は私は明らかに知事側、市町村長側を甘やかすもので、非常に問題だと思うわけであります。
 それから神戸勧告にしてから、非常に作為的なところがある。あの委員会というものは、やはり地方議会の数を少くしようという固定概念を持つていまして、たくさん世界各国の議会の数を調べて、我々のようなスタツフを持たない者が調べても直ちにわかるにもかかわらず、非常に議会の数の多いようなところは不明というようなことを書いておる。それは神戸勧告を仔細に点検するとはつきりわかるわけです。はつきりわかるのです。我々のような調査機能を持たない者が調べてもわかる。非常に多いようなヨーロツパの議会の数は、その数不明というようなことを書いて、そしてアメリカのような非常に少いところばかり入れてある。そういう点も非常にあれは不公平ですから、一つ用心をして採用されることを希望するわけであります。
 それからもう一つお伺いしたい点は、この百六十一条の副知事の任意制ということは、私はこれも知事側の意見を入れられた非常に問題の点であると思うわけであります。この副知事を任意制にいたしますなら、知事の改選期が迫つて来ましたら必ずしも知事は副知事を置かないでしよう。自分の競争者として副知事は、知事が変な地方行政をやつて、住民から指弾されるような場合には、副知事が必ず住民の輿望を担つて知事に立候補する公算が大なんです。そういうことを、私は知事側の要望を入れて、この点が任意制にされた大きな問題だと思うのです。これが非常に問題なんです。若しこのようなことがとられますなら、知事が任期が来て改選される際に、彼は数千万数億の予算を握つておるんですから、よほど贈収賄、涜職等の事件がない限り百%当選できる、どんな悪いことをしておつても当選できる。そういう涜職なんかがない限り無能であつても私は当選できると思つておる。そういう際に、やはり次々に知事が変な地方自治体の担い方をしておるなら、直ちにそれにとつて変るような卵ができているというようなことは、知事のためにも……知事が必死になつてこの県政をやるという意味からいつても私は非常に必要だと思う。私は昭和二十五年のこの改選期にたくさん副知事が立つて、そうして知事を負かしている。そういうようなことからこれが任意制にされておる意味が非常に大であると思うのですが、この任意制にされた意味は那辺にあるか。そういう弊害もお考えになつたか、お伺いしたいと思うわけであります。
#151
○政府委員(鈴木俊一君) これは只今副知事のことを特に御指摘に相成りましたが、ひとり副知事だけではございませんで、現在は市にも必ず助役を置かなければならんようになつておりますが、市も助役を置かないでもいい、副知事、市の助役を通じての原則として掲げたわけでございます。これは政府の行政簡素化という方針から出ておるわけでございまして、而も副知事を置くか置かないかということは、知事が一方的に決定するのではないのでございまして、議会の議決を経て定められますところの条例によつて、即ちその地方公共団体として副知事が要るか要らないか、助役が要るか要らないかということを判定をいたしまして、自分のところは要らないということになれば置かないと、こういうことであります。現在におきましては副知事を置く建前になつておりますけれども、数県におきましては依然として昨年の選挙後まだ副知事を置いてないような所もあります。これはそれぞれの時の実情に応じまして任意に置く、置かないということができるようにいたしまして、地方団体のむしろ自主性を強化した、而も一面簡素化という点を考えたということでございまして、御指摘のような意図に出たものでは全然ないのでございます。
#152
○中田吉雄君 その意図はわかりますが、結果から言うと私は必ずなると思う。それは副知事だけでなしに、助役等にも或いは副出納長にもそういう規定が入れてありますが、何としても現在の知事、市町村長に対する強敵は助役であり副知事であるわけである。併しそれがあることによつてどれだけ知事が一生懸令に地方自治の発展のために励むか、私はこの副知事をつべこべ言つて、条例で置かないことは簡単です。そういうことは我々の体験から、どうしても必ず置かないようにする。そういうことによつて知事が安きを貧つて、そうして贈収賄とか汚職のない限りは殆んど百%再選される可能性が多くて、これこそ私はいい知事が出る可能性を奪う大きな危険を含むものであるというふうに考えているわけであります。そういういろんな意図はないかも知れんが、これは各県とも必ず知事が副知事を選ぼうとする際には、大体自分の競争に可能性のあるような、有力なそういう者をできるだけ選ばないようにするということは、まあ知事の方針からしても止むを得ないと思うが、それでも副知事がおると、それに牽制される効果は、私は任意制にして副知事の経費の節約がたより遥に大である。こういう点でも私はこの自治法改正というものは、全体を貫くものは、知事側の意見が高度に取入れられてあるということを指摘するにとどめておきたいと思うのです。
 それからもう一つお伺いしたい点は、今度の選挙法の改正でいろいろと知事のこの立候補の制限の問題が大きく取上げられていますが、所管の自治庁とされてはこれに対してどういう御見解を持つておられるか、お伺いしておきたいと思います。
#153
○政府委員(鈴木俊一君) 私どもといたしましては都道府県知事或いは市町村長、即ち地方公共団体の特別な職におります者につきまして、そういう地位におるが故という理由のみを以てこれが立候補についての制限を設けるということについては研究を要するのではないかというふうに考えているわけであります。
#154
○中田吉雄君 そうしますると制限措置にはまあ反対であるという御意味のようですが、それなら現在知事がこの衆議院、参議院その他に立つ際の弊害を除去する方法があると思われますか。又そういうことに予算が濫費される虞れがないと思われますか、そういう点を伺つておきたい。
#155
○政府委員(鈴木俊一君) 公選といいますか、選挙という制度と地方公共団体の長の選任の関係でございますが、結局行政運営の衝に当ります者が公選であるという関係からいたしまして、御心配になりますような点が全然ないとは申上げられないと思います者が、併しさような一つのリスクと申しますか、危険は、これはやはり民主政治の上から申しますと止むを得ないことであつて、そういうことも逐次一般の教養の向上により直して行くというほかはないというふうに考える次第でございます。
#156
○岩木哲夫君 もう委員長、この辺でちよつと休憩して頂いて、各派の修正意見をお出し願つて、討論採決に入られんことを望みます。
#157
○委員長(西郷吉之助君) それではちよつと休憩いたします。
   午後五時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時四十二分開会
#158
○委員長(西郷吉之助君) それでは再開いたします。
#159
○岩木哲夫君 質疑を打切られて討論採決に入られんことを望みます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#160
○委員長(西郷吉之助君) それでは御質疑は終了したものと認めまして、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(西郷吉之助君) 御異議なきものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願います。なお修正意見がございましたら討論中にお述べをお願いいたします。
#162
○中田吉雄君 衆議院送付の地方自治法一部改正案に対しまして修正案を共同提出いたします。提案者は中田吉雄、若木勝藏、吉川末次郎、原虎一、岡本愛祐、この五名を以て修正案を提出する次第であります。そこで修正案につきましては皆さんのお手許にお届けいたしていますが、更に一部追加いたしましたので、全文を朗読いたしますことを御了承願いたいと思います。
    地方自治法の一部を改正する法律案に対する修正案
  地方自治方の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第百五十八条第一項か第三項までの改正規定中第三項を次のように改める。
  前項の規定により局部の名称若しくはその分掌する事務を変更し、又は局部の数を増減したときは、都道府県知事は、遅滞なく内閣総理大臣に届け出なければならない。
  第二百八十一条の改正規定を次のように改める。
  第二百八十一条第二項中「法律若しくは政令」を「法律若しくはこれに基く政令」に改める。
  第二百八十一条の二を加える規定、第二百八十二条の改正規定、第二百八十三条の改正規定、附則第十七条の改正規定及び附則第六項を削り、第七項を第六項とし、第八項を第七項とし、第九項中「並びに第二百八十三条において準用する改正後の同法第百八十一条第二項及び第百八十二条第四項」を削り、同項を第八項とし、以下第十二項まで一項ずつ繰り上げ、第十三項から第十九項までを削り、第二十項を第十二項とし、以下八項ずつ繰り上げる。以上でございます。
 局部の増減につきましては御説明を省略いたします。
 区長の選任の件につきまして、第二百八十一条第二項中、「法律若しくは政令」を「法律若しくはこれに基く政令」に改めましたのは、第二百八十一条を現行法に戻し、政府提出の改正案が他の部分においてすべて「法律若しくは政令」という字句を「法律若しくはこれに基く政令」といたしますために、これと歩調を合せたためであります。
 第二百八十一条の二を加える規定、第二百八十二条の改正規定、第二百八十三条の改正規定、附則第十七条の改正規定及び附則第六項を削るのは、特別区に関する規定を現行制に戻すためであります。附則第九項の修正は字句の整理であります。附則第十三項から第九項までは、特別区に関する改正規定に伴う経過措置でありますので、今回特別区に関する改正規定を削り、現行制に戻したことに伴いこの経過措置も不必要となりましたので削つた次第であります。
 以上簡単でありますが、修正案に対する提案理由の説明に代える次第であります。以上であります。
#163
○岩木哲夫君 私は自由党堀末治、同じく石村幸作、岩沢忠恭、高橋進太郎、宮田重文、緑風会館哲二、民主クラブ林屋鶏次郎の諸氏及び改進党岩木哲夫の提案にかかわりまする地方自治法の一部を改正する法律案に対する修正案を提示いたしたいと思います。その修正部分を申上げます。
  第百五十八条第一項から第三項までの改正規定中第三項を次のように改める。
  前項の規定により局部の名称若しくはその分掌する事務を変更し、又は局部の数を増減したときは、都道府県知事は、遅滞なく内閣総理大臣に届け出なければならない。
  附則第六項を削り、第七項を第六項とし、第八項を第七項とし、第九項中「並びに第二百八十三条において準用する改正後の同法第百八十一条第二
 項及び第百八十二条第四項」を削り、同項を第八項とし、以下一項ずつ繰り上げる。
 以上であります。
 その要旨とするところは、都道府県の局部の数、名称などは地方の実情に即応し、且つ国の行政組織及び他の都道府県の局部との間に権衡を失しないように定むべきであつて、第百五十八条第二項にこの旨を規定した以上、その数を増加する場合にあらかじめ内閣総理大臣に協議させる必要はないので、局部の増減を届出制に改むることといたしたいわけであります。
 なお附則の修正は、衆議院において議員の定数と特別区に加えた修正に伴う字句の修正であります。以上であります。
#164
○吉川末次郎君 私は只今議題となつておりまする地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院より回付して参りましたところの修正案並びにそれを更に修正いたしましたところの中田君、私もその提案者の一人、代表者ではありませんが、中田君外四名の提案になりますところの修正案、並びに岩木委員より御説明になりました案等のうちにおきまして、中田君が提案理由を説明せられました修正案について、私といたしましての賛成の討論をいたしたいと思うものであります。私が中田委員が提案理由の説明をせられましたところの修正案に賛成するということは、もつぱら政府の提出して参りましたところの原案並びにこれを一部修正いたしました衆議院回付の修正案に対しまして、基本的にも又部分的にも多くの反対の意見を持つているということから理由するものにほかならないのであります。
 先ず総括的に政府案並びに衆議院の回付修正案等に反対いたしまする見解を申述べさせて頂きたいと思うのであります。概括して申しまするならば、政府がこのたび国会に提案いたしました地方自治法の一部を改正する法律案の底を流れておりまするところの基本的観念は、本委員会の審議中におきまして私たち同僚中田委員等からしばしば指摘されましたごとく、この地方制度における官僚主義の復活の基底の上にそれが立つているということでございます。これは極めて重要なことでありまして、本国会の開会勢頭に当りまして、吉田内閣総理大臣の施政方針演説に対する質問を本会議において私がいたしましたときに、自分は現下の吉田内閣によつて指導されているところの日本の政治、行政というものが、丁度第一次世界大戦後のドイツの政治事情に極めて髣髴たるものがあるということを申述べたのであります。即ち第一次世界大戦後のドイツは御承知のごとくいわゆるワイマール憲法によりまして、その憲法第一条第二項に、国権は国民より発するものであるということと規定いたしまして、民主主義、人民主権の見解を明確にいたしたのであります。そうして人民主権の上に立つて民主主義的な制度をここに打立てたのでありますけれども、久しきに亙るところの第一次欧州大戦前のドイツの国民生活と、そうしてそれをもたらしました旧ドイツの政治というものが、全くワイマール憲法の内包いたしておりますところの民主主義或いは社会主義的な精神というものをば容易に理解せしむるに至らなかつた、制度だけは民主主義的に改変せられたのでありますけれども、現実的なドイツ国民の生活は、その制度の規定するところの内容にそぐわなかつた、多くの者は身を以てそのワイマール憲法の民主主義的な精神を理解することができないでいる間に、ドイツに対するところの外国側からの圧迫、或いは国内におけるところのインフレーシヨンの激化、それに伴うところの国民生活の窮乏等の事情が相待つて、一面において共産党の運動を激成するようになり、それと対立して旧ドイツの軍国主義的な或いは超国家主義的な、国民がなお捨て切れずにいるところの観念に符応して、かのヒツトラーのナチズムの抬頭を促して参りまして、そのためにワイマール憲法の民主主義的精神は全く蹂躪せられて、ドイツは更に第二次世界大戦に導かれ、その結果が我々と共にこうした惨憺たるところの敗戦の憂目を再び喫するに至つたという事例を挙げて、私はそれに極めて今日の日本の政治事情というものが髣髴たるものがある。いろいろな教育政策、或いは本国会に提案せんといたしておりました、現に提案されておりまするところのこの行政機構の改革案、教育政策或いはこの地方自治制度の改正等にそうしたいわゆる世間いうところの逆コースの線にますます追いやられているということが、現下日本の国民が当面しているところの最大の政治的な危機であるという基本観念に基いていろいろな政策についての質問を試みたのでありますが、この今我々の議題に提供されておりますところの地方自治法の一部を改正する政府提案の原案を見まするのに、全くこれと符応ずるところの逆コースの線に一切の吉田内閣によつて指導されつつあるところの政治がその方向に逆転し、反動化しつつあるところの一つの現われであるということを先ず基本的に痛感せざるを得ないのであります。そうして私はこの委員会におきまして、今日まですでに五ヵ年以上この地方行政委員の任について参つたのでありますが、機会あるごとに、日本の民主化のためには地方行政の民主化が基底として行われなければならない、それは教育の民主化と共に日本を新憲法の精神に則つて民主主義の国にするところの最大の要因であるということを機会あるごとに申述べて参りまして、そうしてその具体的な表現といたしましては、日本のいわゆる地方自治行政というものが、旧プロシヤ主義的な、旧ドイツ的な観念から戦後においても少しも頭の切替えの行われておらんところの旧内務省官僚によつて相変らず指導され、(「全くその通り」と呼ぶ者あり)そのことが日本の民主主義におけるところの最大の悪であるばかりでなく、又地方行政上におけるところの最大の悪としてこれが改革されなければならん。そのことが何よりも地方行政の上においても必要であるということをたびたび申して参りまして、又例の議論が始つたというように批判されて来たのでありますが、併し私はそのことが行われない限りは地方行政に従事、その一班を担つておりまする者といたしまして、繰返し繰返し私は機会あるごとにそれを申述べて、又その線に沿うて行動をして来るということこそが、今日の私は我々政治家としての責務であるということを平素考えておるものでございます。そういう逆コースの線においてこれが行われた改正案であるということは、一切を通じまして現われておるのでありますが、特に今度の政府から提案いたしておりまするところのこの改正案の主要なる点二、三を抜いて更にこれを申述べたいと思うのであります。
 いろいろな改正要点がありまするけれども、その最も重要なものといたしましては、私は先ず自治体議会の議員数の減少を改正案の中に持つて来たということであります。それは衆議院におきまして政府の原案は全く元に戻されてしまつたのでありまするけれども、衆議院がそうした自治体議会の議員の数が多過ぎる、そのために経費が余計いるというようなこと、その他の理由を挙げまして、政府が出しましたところの原案を元に戻しましたことにつきましてのこの修正の理由として、我々のほうに送つて参りましたものを見まするというと、それについての理論的な基礎には多くの自信を持つておらん、極めてあいまいなるところの薄弱なる信念の上に基いて、ともかくも今日ではこういう修正はしないでおこう、恐らくは選挙を前にいたしまして、彼らの地方的な基盤でありまするところの地方自治体の議員諸君のこれに対する熱心なる反対運動が、自己の選挙地盤に対するところの影響力を考えまして、理論の上においては自信を持たない、或いは世間いうところの、私のいうところの、たびたびこの委員会で申述べて参りました。又今日も多少申述べました世間の官僚的な俗論、一部のアメリカの自治体におけるところの独立的な傾向を、先ほど来由しました日本の地方自治制を過去において毒して参り、現在なお毒しつつあるところの旧内務省の官僚諸君が その官僚主義に合5世界の事例のみをば引張つて参りまして、自分の都合のいいようにこれを皆に宣伝いたしておる。その宣伝に言論機関その他のものがむしろこれに阿附いたしまして、誤まれる輿論を構成しておるのでありますが、そういう誤まれるところの輿論に対してはこれを反駁すべき理論的自信を持たないで、政治的な事由からただ一時を糊塗して、そうしてこうした政府原案に対してはともかくも結果においては元にもどされるような態度をとつて来られたということは明白であると思うのであります。でありまするから衆議院の修正案というものにつきましては、結果においては私は賛成でありまするが、衆議院が文書等においてここに廻しておりまするところの理由というものは、実に理論的に無確信の上に立つて行われておるということを深く第二院の立場において、第一院である衆議院の態度を遺憾としつつ、結果においては衆議院の修正案には賛成するものであり、又その点については政府原案に対しては反対するものであるということを先ず申上げておきたいと思うのであります。
 第二には、私はこの改正案の政府原案は、百二条でありましたか、自治体議会の開会の数の問題でありまして、先に質問の過程におきまして中田委員からも御指摘になつたことでありまするが、定例会を年一回に限定するところの原案を我々の前に提出して参りましたことのごときも、又最初に申しましたところの逆コースの線に沿うところの古き官僚主義の復活ということが基本的な観念として、役人の立場から、理事者の立場から最もいやな議会の権限を縮小し、議会を自己の政治行動の上において厄介視するところの官僚主義的見解からかくのごとく自治体議会の定例会を一回に限定しようというところの原案を出して参つたものでありまして、これに対しましては我々の党といたしましては、飽くまでもこの定例会は現行法通り年六回以上開くべきものであるという見解を持つておるところのものでありまするが、衆議院はその中間をとりまして、回付して参りました修正案には、定例会は年四回とするというようにして参つて来ておるのであります。私たちは現行法通りでいいと考えるものでありまするけれども、併しなおそうしたことについての救済の規定として臨時会を開くことができるのでありますから、中田さんのほうの会派や岡本さんの会派の御意見等ともいろいろ調和的な態度をとりまして臨みたいと思つておりますが、そのことにつきましてはただ我々の意見を申述べまして、深く衆議院からの回付案であるところの四回という回数をば現行法通りとするという修正は、今私たちとしましては提出するに至らなかつたのでありますが、我々の意のあるところはどうぞお汲み取りを願いたいと思うのであります。これ又質問の過程においてたびたび私のすでに申述べたことでありまするから、重複を避ける意味におきましてこれ以上は申述べません。ただこれ又逆コース的な官僚主義の現われであるということだけを繰返して附足しておきたいと思うのであります。
 もう一つは最も重大なるところの問題として、この委員会においても大きく取扱われ、又衆議院におきましてもいろいろな政治問題になつておりまするところの特別区の性格の問題、それに伴うところの区長の現行公選制をば、政府原案によりまするならば都知事の任命とし、又衆議院回付の修正案によりまするというと、これを間接選挙によるところの議会の議決を基本として定めるという修正案についてでありますが、これ又質問の過程におきまして多少我々の意のあるところを申述べて参つたのでありまするが、私はこうした現行自治法を作りますときの委員の一人といたしまして、その委員会におきましては実は今日政府が原案として出しておりまするような案に近いところの意見を申述べまして、ただ形式的な、或いは地域的な地方分権主義をば即民主主義であるというような考え方は必ずしも妥当ではない。我々は中央集権をば地方分権化するところの必要を感ずるものであるけれども、その地方分権といいますか、行政の権力の分散、デセントラリーゼーシヨンというものは、そうした空間的な地域的な分権主義、デセントラリーゼーシヨンを考えると同時に、機能的な、フアンクシヨナリーなデセントラリーゼーシヨン、機能的な分権を併せて考えて行かなければならん。そうして東京都の特別区というものは、これは完全なる基礎的公共団体と申しまするか、市町村と同一なるところの、この全然分離したるところの独立の自治体というように考えるということは誤つておるのであつて、東京都民の自治生活というものは、東京都というところの一つの総合的な大自治体を基底として少数の経済的な社会的な生活をしておるところのものである。例えて言うならば、我々が杉並区或いは世田谷区のような所に住んでおりましても、我々がリクリエーシヨンのために芝居を見に行くには、中央区にあるところの歌舞伎座や或いは千代田区にあるところの帝国劇場に見に行く。我々は住宅地区に住んでおつてもそのビジネスは千代田区の丸の内において行われておる。我々が買物をするときには、違う所に住んでおつても、これは中央区にあるところの三越百貨店に買いに行く。であるからして三越百貨店に入つて来るところの売上所得を中心としてのいろいろな財政的な見方、そういうようなもの、その他一切のそうした財政的な行政的な関係というものは、東京都民の実生活が東京都を中心にしておるという、区を必ずしも単位にして生活しているものではないということを基底として区政の問題についても考えて行かなければならない。ただ地元の区にこれをやらしめることによつてよりよく能率が発揮できるような少数の事務というものはこれは国任せでいい。併しながら総合的な自治体区民としての生活は、東京都を中心としてすべて考えられて行かなければならん。従つて先に行われましたところの大田区の区民の一部の、私はそれは理事者と大田区の区会議員のかたが中心であつたと思うのでありますが、数十万円の区の経費を使つてそうして区内に立看板を立てて、そうして大田区というものをば全く地方自治法上における独立の市と同じようなものにして、大田市にしようというような運動は全く誤れるものであるというところの見解をとりまして、永田町小草校でそのための自治権拡張大会というようなものがありましたときにも、私は反対であるから出席をいたさなかつたのであります。そのような見地に基きまして、私は基本的にはそういう見解を持つております。併しながら今日こういう原案を政府が出して参りましたということにつきましては、私はこれに賛成することができないのであります。制定するときならばよろしい、できない前ならば、そういう見地において私は区長を公選にするというような制度につきましては、その当時私は反対をいたしましたことは、地方制度調査資料として当局から出版せられておりますところの書物の中にも私の申しましたことは述べられておるのであります。地方自治法がそういう区長の公選制ということを規定しない前に、私は鈴木君個人にも言つたのでありますが、当時行政課長であつたところの鈴木君は、私の言うたことには反対の態度をとられた。自由党の現在の参議院議員であるところの郡君は当時の地方局長でありまして、私の申すことには反対の態度をとられたのでありますが、郡君は今日一官僚でなくて、参議院議員としての、政治家として国会に出ておられるのでありますが、自由党の諸君等と共に過去においてこの地方自治法制度の制定当時において、ひとり私がこういうことを、今日政府が提案いたしておりまするようなことの合理性を述べましたときに反対せられた、郡君によつて代表されるかたがたがどういう態度をとられるのであるか、私はその政治的な責任をむしろ問いたい気持になつております。かくのごとき考えを私持つておりますが、今日ではこれは私はこういうように逆転さして行くことはいけないという考えを持つておる。前ならばよろしい、前ならばよろしいが、すでに一度区長公選制というものを確立いたしました以上は、それは内閣委員会にかかつておりまするところの、多くのこの行政機構の改革問題、特に行政委員会のこの改革、政府は多くこれを廃止しようといたしておるのでありますが、戦後とられましたところの民主主義的な制度というものの機能を発揮することに努めないで、或いはわざと努めないでいて、そうして官僚独善主義的な立場から行政委員会の機能を発揮せしめず、又一度与えたところの区長公選制に基くところの、区行政の民主化の方向として、区民の政治生活をばリードして行く何らの努力をなさないで、実施後数年を経た今日において、直ちに元に戻してしまうというがごときは、これは政治的な見地からいたしましてよろしくないというのが私の反対いたします第一点であります。
 それから第二点は、これは憲法との抵触の問題であります。この問題につきましては岡本愛祐君その他のかたがたから今日までこの委員会においてしばしば繰返されて参りましたところの意見であります。私は時間を省略いたしますがために、私の憲法論をここに展開いたすことは避けたいと存じます。結論だけ申上げまするならば、少くともこれは憲法の規定に違反しておるものであるというところの多くの疑点がある、疑いがあるということは私は否むことができないと思うのであります。その意味におきまして私は政府原案に賛成することはできません。
 第三点としての私の反対の理由は、前提として最初に申述べました、いわゆるこれが日本の政治行政の全般的反動化の逆コースの線に沿うところの動機において提案されたということでありまして、これ又いろんな例証する具体的な事例を省きまするけれども、私はその動機は明らかにそうした逆コースの官僚主義、地方行政上における官僚主義復活という線に沿うての動機に基いて提案されたものという意味におきまして私は反対いたすものであります。そうした三つの理由に基きまして、政府が提案いたしておりまするところの特別区の区長の選任の制度についての見解については全く反対である。世論ごうごうとしてこれに対する反対の声が挙りまするや、又定例会議を四回とするところの妥協案を作りましたと同様なる不徹底なる政治的な選挙地盤との関係に基く事由を基底といたしまして、衆議院はいわゆる議会によつて区長を選任する間接選挙制度の修正案を我々の手許へ送つて来たのであります。これはもう質問の過程におきまして同僚原委員、中田委員、岡本委員等からも指摘されましたように、旧自治制におきますところの市長或いは町村長の議会選挙制度を復活したものでありまして、その旧制度が如何に多くの弊害をもたらしたかということに鑑みまするならば、我々はこの不徹底なるところの制度に賛成することはできないのであります。私はここに予言いたしましても決して外れないと考えるのであります。東京都の区において区長の選任についてこのような間接選挙制をとりまするならば、区長たらんとするところの人は、私は全部とは申しませんが、その中に必ず近くです、長からざる将来において黄白をばらまき、或いは利権を約束することによつて自分が区長になることを承諾せしめて、区会議員に、そういう条件によつてその区長になつて来るところの人、そうした汚職事件が近き将来において必ずどこかの区から出るということは必然であるということを私は今日予言いたしまして決して外れないと考えておるものであります。
 右のような意味におきまして、衆議院から回付して参りました区長間接選挙制の修正案に対しては断固反対するものであります。従つて現行の制度をこのまま持続しようというところの中田委員が提案理由を説明せられました提案に全く同感するものであります。
 結論といたしまして、これ又同僚岡本委員から先ほどお話があつたのでありますが、私もこの法案が我々の委員会に回付せられて参りましたときから申しておることでありますが、ともかくもこの区長の選任の方法の問題につきましては、政治問題化して世論ごうごうとしていろんな異論が併立いたしておるのであります。而も区長の選挙は、その総選挙は三年後であります。大田区のような特例はありまするけれども、すべて大体におきまして三年後に行われるのでありまするから、時期は差迫つておらんのであります。而も政府は我々に、地方制度の全面的な改革を審議するために特別の調査会を設置するというところの法律案を我々の手許に提案されておるのであります。何のためのその調査会であります。折角の調査会に、このような異論が併立して、而も東京都民の間に、特別区の都民の間に政治的な紛争を生じておりまするところの問題は、ともかくも今眼前に実現せられようといたしておりまするところのこの自治制度の調査会に託しまして、十分の専門家の検討を経由したる後において、我々がそれに対するところの態度を決定するということが、これは常識的に考えまして当然の処置でなければならんと思うのであります。結論といたしまして、私はこれを近く実現するであろうところの地方自治の調査会に委託して、十分なる調査を経て、その結論に基いてこのことを決定するまで我々は現行法通りこの区長の選任の制度を持続したいという見解を持つておるものであります。
 以上申述べましたことに基きまして、中田君の提案理由を説明いたされましたこの修正案に対して満腔の賛意を表するところのものであります。
#165
○岡本愛祐君 私は先ほど中田君からお出しになりました修正案の発議者の一人といたしましてこの修正案を提出をいたしました。従いまして衆議院から修正議決をして回付をして参りました地方自治法の一部を改正する法律案に反対であります。
 反対の理由、修正の理由につきましては、中田、吉川両議員から詳細に討論がございました。私もその詳細な明快な御議論に附加えることは殆んどありません。立法論としましては、私も別の意見を持つております。併し現行の地方自治法、地方制度の基本法たるこの地方自治法、これを一条、二条改正いたしまして、憲法上の地方公共団体であること一点の疑いもない特別区の性質を変えたんだ、こういうふうな見解に対しましては、これは甚だ私はいけない、反対であります。而も特別区の性質を決する二百八十三条の規定は従前通りであります。即ち特別区には市の規定を適用するのであります。市の規定を適用するという意味は、即ち憲法上の沖方公共団体として特別区を市と同一に取扱うということであります。その規定を直さずしてほかの条文を少し訂正した、これで以て憲法上の地方公共団体で特別区をなくするんだということは余りに乱暴なる立法の仕方であります。そのほか十数点につきまして私は今日佐藤法制意見長官と質疑応答をいたしました。甚だ憲法上、法律上疑問の多い衆議院の修正の仕方であります。よつて私はこういう乱暴な修正案には賛成ができません。吉川君からお話がございましたように、こういう憲法上の疑点を数点について多分に存しておる問題につきましては、近く間もなくできます地方制度調査会において根本的に調査をし、一点の疑点を残さずして解決すべきが当然であります。その故を以ちまして私は中田君提出の修正案に賛成であります。これ以上は附加えることを避けるのであります。
#166
○委員長(西郷吉之助君) 他に御意見ございませんか。それでは討論は終局したものと認めまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。只今より採決をいたしますが、先ず最初に討論中にございました中田君提出にかかる修正案を議題といたしまするが、その中田君修正案と岩木君修正案とは同一な部分がございますので、先ず最初に中田修正案中岩木修正案と同一の部分を除いた部分全部につき採決をいたします。中田修正案中岩木修正案と同一な部分を除いた部分について賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(西郷吉之助君) 少数であります。よつて只今の中田修正案中岩木修正案を除いた部分につきましては少数にて否決せられました。
 中田修正案中残余の部分は岩木修正案と全く同一でありますから、次に岩木君提出にかかる修正案全部を問題といたします。岩木修正案に賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者若手〕
#169
○委員長(西郷吉之助君) 全会一致であります。よつて岩木君提出にかかる修正案は全会一致を以つて可決せられました。
 次に只今修正可決せられました修正部分を除き、衆議院送付案全部を問題に供します。只今修正可決されました修正部分を除く衆議院送付案全部につき賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(西郷吉之助君) 多数であります。よつて只今修正可決されました部分を除く衆議院送付案全部は多数を以て可決せられました。よつて地方自治法の一部を改正する法律案は多数を以て修正可決られました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつておらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございまんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。
 それでは本院規則第七十二条によつて委員長が議院に報告する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可とせられる方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
    堀  末治  石村 幸作
    岩沢 忠恭  高橋進太郎
    宮田 重文  岩木 哲夫
    館  哲二  林屋亀次郎
#172
○委員長(西郷吉之助君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れはないと認めます。
 これにて本日の委員会は散会いたします。
   午後六時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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