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1951/07/22 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第66号
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1951/07/22 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第66号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第66号
昭和二十七年七月二十二日(火曜日)
   午後三時九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           岩沢 忠恭君
           中田 吉雄君
           岩木 哲夫君
   委員
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           宮田 重文君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           吉川末次郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
   地方自治庁連絡
   課長      松村 清之君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方制度調査会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) 只今より地方行政委員会を開きます。
 本日は地方制度調査会設置法案につきまして、先般来吉川委員より御希望がありまして、この調査会の目的事項につきましていろいろ研究して頂きましたので、吉川委員よりその目的についての条文について御説明を聞かして頂きます。
#3
○吉川末次郎君 地方制度調査会設置法案に対する修正案の案文につきましては、それぞれお手許に差上げました通りでございます。その案文の前に書いてありまするところは省略いたしまして、専ら目的といたしまして、第一条に「この法律は、日本国憲法の基本理念を充分に具現し、且つ、総合的一体性を有するように現行地方制度を改革するため、これに全般的な再検討を加えることを目的とする。」という条文を挿入しようとするのであります。従つて現在の第一条以下をば一条ずつ繰下げまして体裁を整えるようにしようというのが大体の骨子でございまして、その理由といたしましては、簡単に修正理由として掲げておりまする地方制度調査会における調査審議の基本精神を明確ならしめる必要がある。これがこの修正案を提出する理由であると書いてありまするところによりまして、大体修正案提出の理由は御了解を願えるかと思うのでありますが、もう少し詳しくお話申上げますと、その当時御出席になつておりました委員のかたがたは、大体におきまして、こうした修正案が出て参りましたいきさつにつきまして、御記憶のことだろうと思うのでありますが、当日御出席になつておらなかつた委員のかたがたもおいでになるようでありますから、重複いたすようでありますが、簡単に申述べますると、地方制度の調査会というものを設けるということについては、いろいろこの地方制度の改革の動向に関する意見の相違によつて、悪くするならば、現在の地方制度が戦前の動向に反動的に改正されるところの憂いがあるというような意見が出まして、私などもそういうことを申上げましたところの者の一人でありますが、そうした論議が闘かわされておりまする間に、原委員から、それでは今問題になつているような、決してこの地方制度調査会を通ずるところの地方制度の改革の動向はそうした戦前への制度の逆転化であつてはならない、飽くまでも新憲法の民主主義的な基本的精神を基本にしたところの動向への改正でなければならんというような意味の条項をば、目的として入れたらどうか、ほかの法律にも前文の形式で、或いは第一条に、この法律の目的はどこにあるというようなことを規定しているところの例は非常に多いのであるから、むしろ現在の戦後の法律は、その目的を第一条に、或いは前文に規定するのが例が多い、その多くの例に倣つてこうした意味の条文を入れたらどうかというところのお話がありまして、私も直ちにその原委員の御説には賛成をいたしましたような次第であります。なお列席しておられました岡本委員、西郷委員長も大体私の推察でありまするが、そのときの御言動等からして、そうした原委員の意見には御賛成であつたようにお見受けいたしたのであります。列席のかたがたも積極的に御反対のかたはなかつたようにお見受けいたしましたので、それでそうした賛成の意を御表明になりました、正式ではありませんが岡本委員、その他のかたがたともお話をいたしまして、ともかくも私の試案といたしましてのこうした修正案を作成いたしましたような次第であります。この案文につきましては、法制局の参事の諸君の尽力を煩わしまして、このようにでき上つたのであります。先般来私的の話合いの間におきまして、他の委員のかたがたからいろいろ御批判的なお言葉をも頂戴いたしたのであります。十分それらの御批判の御意見は私といたしましても尊重いたしまして、昨日も申しましたように、できるならば全会御一致の修正案として円滑にこれが成立することができまするように、御協力を願いたいと思つておるわけであります。座談的の、私的の話の間に出ました御批判のお言葉の一つといたしましては、別にこういうこの日本国憲法の基本理念を十分に具現し云々というふうなことを規定しなくても、それはわかり切つたことではないかというような御批判もあるように見受けるのでありますが、併しながら私はやはり先ほど来申しましたような精神に基きまして、これを入れて、そうして地方制度調査会の仕事がやはり日本国憲法の基本理念を十分に具現して行くというところヘリードして行くということのために、やはりこうしたことは書いておいていいのじやないかという考えであります。それは今日も警察法の、現行警察法を見ましても、警察法の前文には、「国民のために人間の自由の理想を保障する日本国憲法の精神に従い、又、地方自治の真義を推進する」云々というような言葉が掲げられておりまして、憲法は基本法でありますから、一切の法律は憲法からは離れて制定されることができないことは当然でありますが、併し警察法が前文に書いておりますと同じような意味におきまして、私はこれを入れておくことがいいということであり、又私の私見からいたしまするならば、特に必要があるようにも感ぜられるのでございます。それから又その座談の間における御批判の一つといたしましては、総合的一体性を有する云々というような言葉は法文としては少しおかしいように思うがというような御議論も拝聴いたしたのでありますが、これは実は法制局の参事のかたに案文を作つてもらいますときに、この法案の提案理由として、当局から説明されましたところのものの中に、実はそのような言葉があるのであります。でその一節を述べて見ますると、今後といえども日本国憲法に淵源する地方自治制度の基本理念と基礎構造においては、特別の変更はあり得ないのであります、こういうことを掲げられておるのでありまするが、多少この理由書に現われております意見といたしましては、私としては憲法の精神を尊重するということが消極的な表現になつておるように思うのでありますが、私はそれをむしろ積極的な表現にし、又積極的な基本的な観念としてこの地方制度調査会が設置されなければならんと考えておるものであります。それから又こういう言葉が提案理由の中に掲げられておるのであります。「地方行政の各分野における諸制度の相互の間に有機的に一体性が保たれているとは必ずしも言えないのでありまして、地方自治制度を全体的に考察し、その構造、組織、税務、財政制度等に再検討を加えることが今日必要とされるのであります。」これが提案理由書の一説になつておるのでありますが、その理由書の文面をそのままここに引用いたしまして、そうしてこういう言葉ができ上つておるわけであります。
 なお、くどいようでありますが、特にこういう目的の条文をわかり切つたことであるというところの御意見も十分わかるのでありますが、特に入れなければならないと思つておりまする私個人としての意見について申上げますと、丁度今日、鈴木次長が主になつて団体を組織して、その機関紙として地方自治という雑誌を毎号実は私は頂戴いたしておるのであります。今日も開封いたしまして、最近のその雑誌を見ますると、行政能率の諸問題という論文が巻頭に載せられておりまして、地方行政や市制の若い研究者であります吉富重夫という大阪市立大学の教授であり、たしか法学博士だと思いますが、その人が行政能率と民主主義ということを巻頭に書いて、こういうことを書いておるのであります。余り長くないと思いますが、私が言わんとするところをこの吉富博士が又同様に書いておりますので、ちよつとここで引用させて頂きたいと思うのであります。「我が国の行政機構の改革に当つて行政能率という言葉が民主化という言葉と並んで用いられるようになつたのは言うまでもなく終戦後のことである。その際敗戦直後の段階においては従来の中央集権的、官僚主義的体制の排除という観点に重点が置かれ、従来の絶対主義的官僚行政機構は百八十度の転換を要求されるに至つた。憲法改正はこの基本的要求を満すための基礎工作であつたけれども、この上に構築せられた行政機構の面では教育、警察、経済、産業、農業、労働などの諸般の部面に亘つて全面的な改訂がなされたわけである。ポツダム宣言の受諾に伴い、我が国の民主的傾向を復活促進する要請に基くものであつたことは言うまでもない。ところが講和独立の前後から敗戦行政体制に対する批判が高まり、その欠陥は指摘されるようになつた。これらの批判はいろいろな部門に亘りいろいろな形において発表されたのであるけれども、一言にして言えば、敗戦体制は民主化の考慮に重点を置き過ぎた結果として、行政能率を甚だしく犠牲にしているということであり、国情に副わないとか、日本の復興のためには強力な行政体制を確立しなければならないというのがこれである。何が国情であり、何が強力機構なのかはその際一向に明確でないけれども、要するに従来の機構は時間と金が余計かかり、物と手間を要し、貧乏国で、而も国力の急速な回復を図らなければならん日本の現状には賛沢で、急場の間に合わんものとされておるようである。一面において民主化を急ぐ余り、アメリカの直訳的な制度を輸入したことは認めてよい。だが最近の改革論は民主化を犠牲にしても行政の能率を確保しようとする傾向が余りにも著しい。警察法から北海道開発法、更には自治法の改正、さては委員会制度の検討などいずれもそうである。ここには民主主義の前進ではなくして旧制度への逆転が見られるだけである。民主主義と行政能率との関連について明確な洞察を持たないことがこのことの根本の原因である。」又他のところでこういうことを言つております。「行政能率の名の下に中央集権的官僚主義的体制への復元が考えられるのであれば、それは警戒さるべき徴候である。行政能率は民主主義の原則を発展させる方向においてのみ実現さるべきである。」こういうことをこの吉富博士が言つておるのでありますが、大体において私が御賛成を得たいと思つております考え方に符合するものがあるのでありまして、吉富さんは我々のような社会主義者でなく、いわゆる民主主義者に過ぎないかただと思いますので、どうぞそういう点を御考慮下さいまして、御賛成を得たいと思います。
 なお、この案文につきましてはいろいろ御批判もあり、その御批判を十分尊重いたしまして、私もいろいろ再考いたして来たのでありますが、極めて簡単に要領よく法制局のかたが作つてくれたことを実は感心しておりますような次第でありまして、法律全体の性質、又法律の案文全体が極めて簡単でありますこと等と照応いたしまして、警察法の前文のような長文の条項を入れますることは形式の上においても不釣合ではないかと考えられております。大体におきまして、私個人といたしましては結構であると、実は法制局の作案者に感謝いたしておりますような次第でございますが、十分御検討下さいまして、満場一致これを各派共同の修正案として修正することができまするようにして頂きたいというのが、発案者といたしましての心からの真意であるのでございます。
#4
○岩木哲夫君 私は先般来当委員会に欠席いたしておりましたので、この間の事情については十分わからなかつたのでありますが、只今吉川委員から詳しく拝聴の機会を得まして、誠に有難い仕合せと感謝いたしております。そういつた論議の結論として、今吉川委員から修正案の詳細についてお示しを頂きましたこの趣旨に私たちは全幅の賛成をいたしたいのであります。ところが今吉川委員の御説明の中にも論究されましたが、一体この地方制度調査会の設置法律案の第一条に、日本国憲法の基本理念を十分に具現しというようなことを特に謳わなきやならんかについての虞れ、危惧を持つ点が修正の要旨だと思うのです。でまあこうした問題に憲法の基本理念を十分に具現しというようなことを謳いかけると、何もかもこれは全部わかりきつた問題だが、やはりこうしたものを巻頭に謳わなければならんということは、ともすれば旧態勢に復元する虞れが特に講和後吉田内閣においてこの状態が非常に濃厚になつて来た。特に先般来の当委員会における地方自治庁、その他の言動が旧内務省、旧官僚の復活体制を目途とせるいろいろのことがあらゆる法律案、あらゆる言動の中に多分に散見されるのから、特に吉川委員がそういう点に、或いは委員会においてこういう点を特に強調いたしたいというお考えについては誠に時宜に適した当然の措置だと考えます。ところが今私が申上げます通り、こういうふうなことを謳わなければならんということについては誠に情けないことでありまして、一体こういうふうなことを入れなければならんのかどうかという根本問題に対して、私は地方制度の将来改革目途、何を申しましてもこれらの事務的原案を出し、事務的資料を出すのは自治庁の役人が出すのであつて、これまで自治庁の役人が内務省的な旧官僚制度の復活を心ひそかに願つておる。これは警察法その他の状態から見ましても明らかでありまして、そういう状態などから見まして誠に欺かわしいことだと私は思うのでありますが、そこで折角吉川委員がそういうことをお考えなさるならば、日本国憲法の基本理念を充分に具現しという字句を入れることも止むを得ないのであつて、併しながらその次に「且つ、総合的一体性を有するように」というようなことが極めて誤解を生じやすい字句だと思うのであります。おのおの地方制度については個性があり、税制においても行政上においても個性があるのであつて、提案理由の中に、有機的一体性が必らずしも得られておらない、ということについての問題についても私は検討を要する問題があろうと思います。そこでそういつたことなどの誤解を生ずる点などから見て、この「総合的一体性を有するように」というようなことをこの調査会設置法案の第一条に特に強調することについては問題がありまするから、吉川委員の修正の意図を更に強化する意味において、この「総合的一体
 性を有するように」という字句は消してもらいたい。是非、これを消すことが困難であるならば、「且つ、総体的に現行地方制度を改革するため」、これならばよいのでありまして、総合的に一体性を有するということは旧体制に復元の意図の氷山の一点を現した点
 が看取されます。よつて吉川委員の修正の目標を強化する意味合から見て、今私は吉川委員の修正を支持いたしますが、更にそれを強化する意味合で、「総合的一体性を有するように」という字句を消して、この消した中に「総体的に」という字句を改めて入れて頂きたい。こういうことに私は提案いたしたいと思います。以上を委員長はお諮りを願いたい。
#5
○委員長(西郷吉之助君) 只今吉川さんの趣旨説明に対しまして、岩木君から御意見の発表がございましたが、他の諸君の御意見を伺いたいと思います。
#6
○高橋進太郎君 今岩木さんからもありましたが、「総合的一体性を有するように」という、これがどうもはつきりしないんですが、これについて何か提案者もう少し……。
#7
○吉川末次郎君 お答えいたします。これは先ほど読上げましたように、理事者の、当局の提案理由の説明の中に、地方行政の各分野における諸制度相互の間に有機的一体制が保たれておるとは必ずしも言えない、云々、これまでの改革の結果を見ますると、こういう言葉があるのでありますが、これは当局の意思は或いは岩木さんがお言いになりましたように悪く考えるならば、旧体制への方向への有機的一体制を保つようにして行こうというような意思があるのかも知れません。私はないことを望みますが、ともかくも終戦後の地方制度の改革はたびたび行われたのでありますが、結局のところ先ほど吉富博士の文章を引用いたしました中にもありまするように、従来の戦前の日本の地方制度というものが明治憲法と結び付いたところの、ドイツ人によつて作られた地方制度を骨子といたしまして発達して参つたと思うのであります。ところが終戦後は、吉富氏も言いまするように、アメリカのいろいろな新しい地方制度がそこへ入れられまして、体系の上からいたしましても、私は或る点におきましては誠に木に竹をついだような形になつておるところは相当にあると私は考えられるのであります。でありますから、これを日本の国情に即して、そうして新憲法の基本的精神に則つて、決して戦前の明治憲法と関連するところの第一次欧州人戦前のプロシヤの制度を模倣する方向へ逆転化することなくして、民主主義の発展に基礎を置きながら国情に即したものに統一して行く、即ち有機的一体制を持つたもののように改革して行くということ、ここに地方制度調査会の必要がありといたしまするならば、その調査会の目的ということはそういう考え方の上に立ちまするならば私はいいのじやないか、大体の私が案文の中を法制局の参事の諸君に申伝えまして、ここに書きました意思はそこにあるわけであります。
#8
○高橋進太郎君 どうも古川さんのお話は抽象的で非常に私らには高遠なのでわかりにくいのですが、そうすると、総合的一体制というのは一体何ですか。そうすると言い換えれば地方自治団体が全体として町村と府県とに竹をついだようなんでなく、何か有機的総合的一体制をなしてやれと言うのですか。言い換えれば府県と町村という意味なのか、或いは横の町村なら町村という個々の町村でなく、日本全体の町村が、或いは府県なら府県といつたようなものが総合的一体制において運営するというような意味なんでしようか。その点は具体的にはどういうことを意図せられて考えておられるのか、その辺を一つ伺いたいと思います。
#9
○吉川末次郎君 それはこういう目的条項を入れた修正案を作るというお話が委員会で先般起りましたとぎに、多少私も申上げたのであります。又その案文を作つてもらいまする法制局の職員の諸君にもその節言つたのでありますが、それは非常に多少アカデミツクなような表現になるわけでありますが、先ほど申上げましたように、日本の地方制度というものは御承知のようにドイツ人のアルバート・モツセが日本に参りまして、山県内務大臣のときにドイツから来て、ドイツ人がプロシヤの制度に則つて作つたのが日本の地方制度の始まりであり、大体において明治憲法の存続期間はそれとの関連性において多少の修正がその問いろいろと行われて来たのでありますけれども、根幹をなしておるものは戦前のプロシヤの地方制度を模倣して発達したところのものなんであります。だから大体において日本の地方行政に対するところの考え方は、第一次欧州大戦前のドイツの国法学と結び付いた行政法の一環としての法律学的なもの、即ち行政法の中で府県制、或いは市制、町村制というようなものの法律酌解釈をするというようなことが地方制度の全般であり、それが又地方行政であるかのように誤認されて来たかと思われるのであります。例えばこの委員会は地方行政委員会でありますが、以前のは私が委員長をいたしておりましたときは、治安及び地方制度委員会でありまして、地方制度の研究ということが即ち地方行政の研究である、地方制度委員会という名のものが地方行政委員会に変りましても、全く同じものであるというような考えが、漠然と地方行政の理事者の頭のうちにあるということは、如何に地方行政というものが、法律学的な面にのみ考えられておるかということが私は言えると思うのであります。地方行政と地方制度とは全く内容を異にするものでなければならんのでありますが、その例についてみることができますように、現在なお明治憲法と結び付いた第一次欧州大戦前のドイツの国法学及びそれを基礎としたところの行政法学の考え方が終戦後も依然として地方行政の理事者の頭を支配いたしておりますることが私は現実の事態であると考えるのでありまして、これは当委員会等におきましては、私のプライベートの意見で大変恐縮でありますが、機会あるごとにそれが改められなければならんということを申上げて来たのであります。そういうような考えと結び付きまして、飽くまでも新憲法の精神を基本とした立場において、それが一つの有機的な一体性を持つたところのものへ改革されて行くということこそが、日本が今日当面しているところの地方制度改革の基本的な理念でなければならんかと思つておるようなわけであります。そういう観念に基いて書かれておるのであります。
#10
○高橋進太郎君 そうすると、日本国憲法の基本理念というものとの総合的一体性とこういうふうに読むわけなんですね。というのは私がちよつとわからなかつたのは、その「基本理念を十分に具現し、」とここで一応切つて、そうしてその「総合的一体性」というのであるから、何か現行地方制度のうちに、例えば町村なら町村が非常にばらばらであつて、どうも総合的一体性を以て運用されないとか、或いは町村と府県とが、或いは市と町村と府県との間がばらばらであるからこれについて何か一体性があるような形に改めなければいかんとか、そういうことを言つておられるのかと思つたのですが、そうじやなくて、あなたのお話だと、要するに日本国憲法の基本理念を具現し得るような総合的一体性と、こういう意味なんですね。
#11
○吉川末次郎君 そうです。
#12
○高橋進太郎君 わかりました。
#13
○若木勝藏君 私も吉川さんに質問したいのでありますが、御趣旨はよくわかりまして、非常に私らも賛意を表するものでありまするけれども、この第一条の案文を見ますというと、先ほど岩木さん、それから高橋さんからも質問があつたようでありますが、非常に私は誤解を生じやすいのじやないか。御趣旨が逆に現われて来るように解釈されるのじやないかと思うのであります。私もこれをさつきから非常に読んでおつたのですけれども、どうも御趣旨がぴたりと来ない。それは「総合的一体性を有するように現行地方制度を改革する」というのでありますからして、現行の地方制度がこの憲法の理念に合しておらないからして、これを総合的一体性を有するように改革して行くのだ、こうなりますと、そういうふうにとられるのです。そうなりますというと、現在の場合の地方制度というようなものは新憲法によつて相当私はできておると思う。それがどうもうまくないからしてということになれば、逆の方向へ走つてしまうような気がするのであります。そこで総合的一体性というようなものは、ここに書いてあるところの政府の提案理由にある地方行政の各分野における諸制度の相互の間というふうなものに、それを総合的にして行くというふうな意味になるのじやないかと思うのでありますけれども、考えようによつては、今もお話があつたように、市町村の統合とか或いはそういうような方面の統制とかいうふうに非常に考えられやすい、私はそういうふうに思うのです。そこで御趣旨のように言われるのでありましたら、憲法の理念を十分に具現するということを基本に置いて、そうして現在の地方制度を全般的に検討して行く、こういうことによつて御趣旨がはつきりして来るのじやないか、こういうふうに思うのでありますが……。
#14
○岩木哲夫君 賛成、そういうふうにどうか直して下さい。そうしないと意味が徹底しない。
#15
○吉川末次郎君 いや、結構であります。わかりやすいように御改正願いまして結構であります。ただ基本的な考え方は以上申上げた通りでありますから、その基本的な考え方が文章にもつとよく現われる、もつとよい表現がありましたら、いろいろお変えを願つて結構だと思います。
#16
○高橋進太郎君 ただそうなりますと、やはり私は例えば地方自治法とか、或いは労働法とか、そういう基本法律の中に法律の目的を書くというようなことは、これは又了解できると思うのです。併しこの地方制度調査会のようなものについては、どうも一々やはり現行憲法の基本理念をというようなことを言うと、あらゆる法律にこれを入れなくてはならないのです。従つて私は、これはわざわざこの法律だけについて日本国憲法の基本理念、こういうことの前書きを、言換えればさわりを入れて置くのもどうかと思うのですが、どうもそこの点がはつきりしないのですがね。
#17
○吉川末次郎君 これは最初に申上げました通り、むしろ私は地方制度の新憲法の精神に副うところの何と言いますか、進展が戦後十分に行われておらんということを深く考えるものでありまして、そうしたこの第一条の修正案に掲げておりまするような観念が、この調査会のメンバーに深く理解されておらないときには、先ほど岩木さんもお話になりましたような旧内務省官僚の反動的な考え方へ、有機的一体性を持つような方向へ逆転的にリードされて行く憂いがあるということを私は深く憂えるものであります。それは特に地方行政の面においては力点をそこに置いてその精神を高揚するところの必要が日本の地方制度及び地方行政の現実の状態からして大きくあるというために、特にこれは地方制度の改革についてこれを審議いたしまするところの調査会の目標として、高くこの旗を掲げて置くということは、全般からして深く必要があるという意見の上に立つております。従つて高橋さんがおつしやることには多少対蹠的な関係に立つておるわけであります。
#18
○高橋進太郎君 私は現在の地方制度或いは地方自治法というものが新憲法後に作られたものでなくて、古い地方制度でもあつて、それ自体を改正して行く調査会というようなものであれば、或いはそういうことを書くということも意味のないこともないと思うのです。ところが現在の地方自治法そのものが、或いは現在の地方制度自体が、現在のいわゆる新憲法の下に、而も憲法自体の中に地方自治というものを条章を設けて規定し、その条章に基いて規定されてあるのであつて、従つて今もうこれを再検討する、こういうことはむしろ新憲法ということは勿論であつて、むしろ終戦を通じ講和発効後の新しい事態に応じた地方制度というものの実施について六年間の経験を通じてどう考えようかというようなあれですから、従つてそういうので具体的な問題があつて、或いはそういうものについてこうだという方向を示すのならいいと思うのですが、今事新らしく日本国憲法の基本理念を十分に具現しと、こういうことをここで再唱することはどうかなと私は考えております。重ねて申しますれば、現在の地方自治法そのものがすでに新憲法に基いた、新憲法後の制度なわけなんですから、従つて、それを更に検討し、更に調査するときにはもうその日本憲法の基本理念ということは、もう勿論会得しているのではないかという気がするのです。まあこれ以上は意見に亘りますから、一応私の意見を申上げて置きます。
#19
○中田吉雄君 成るほど高橋さんの言われましたように、地方自治法とかいうような法文でしたら、まあこういう目的をはつきり掲げることも妥当であろうというように仰せですが、最近の動向から見まして、やはり私は吉川議員が言われたように、こういう規定を入れざるを得ん。そういうことは一つの悲劇だと思うのであります。我々が昭和二十五年から出まして、満二年間に亘つて地方行政委員会を通じて地方制度の流れを大観して見まして、その後半におきましては明らかに新憲法並びに新らしい自治法の基本的な線からずれるような傾向に急テンポを以て行つている。そうしてその集中的な最近の表現が地方自治法の改正であるというふうに私は見ているわけであります。鈴木次長以下非常に俊秀をたくさん集められまして、所管の大臣を助けながら懸命な努力をされている点は多としていますが、やはり私はなしくずしに旧制度の方向にやはり行きつつあると、そうして、こういう委員会の名をかりまして、そうして大きく逆転する虞れがあるので、その委員会を運営する際には絶えず目的の条項を旨にしながら、それを肝に銘じながらやるということは、やはり私たちは絶対必要であるというふうに考える次第であります。ただ岩木、高橋、若木さん等が申されたように、総合的一体性ということに関連してもう少し何とかならんものかということだけは考える次第であります。基本的な線としては私賛成するものであります。
#20
○岩木哲夫君 私は総合的一体性を有する云々を何とかならんかと申しておるのじやない。かようなことは誤解を生ずるから全部消してしまえということを提唱しておるのです。どうしても消してしまうのが工合が悪ければ、相対的な字句を入れたらどうかということであつて、これは直ぐ消さないというと、折角の吉川議員の御趣旨というものは活きないと私は思うのです。この辺ははつきりしておると思うのですから、反対する者は反対するで止むを得ないのだから、もう採決をとつて下さい。暑いのに時間がかかつてしようがないですよ。
#21
○吉川末次郎君 私は岩木さんのおつしやることに反対はしません。結構だと思います。要するに十分に具現し、且つ総体的に現行地方制度を改革するために、これは全般的に再検討を加えることを目的とするという岩木さんの御修正の意見にはあえて反対はいたしません。結構だと思つております。
#22
○中田吉雄君 ただこの改革するためというのは、若木さんが言われましたように、私はやはりその反面解釈と言いますか、やはり現行制度がよくないのだからといふうにとられる虞れが多いと思うのです。私はやはり民主化、地方分権という基本的な線を貫いて、私は現在のいろいろな非能率的なものはトレーニングがまだ十分できん面が非常に多いし、旧制度とのからみ合い等から来ているので、そういうものを排除して、そうして現行地方自治法の十分な運営がきるようにするというような意味で、これを改革するためということでしたら、これでよいのじやないかと思うのですが、どうでしよう。
#23
○高橋進太郎君 私はだんだんとお話を聞いておりますと、若し新憲法に基いて考えたということになるなら、むしろ各省設置法の中に皆んな書かなければいけないのじやないかと思います。要するに各省設置法自体がやつぱりその憲法の基本理念に応じてその行政の運用をやるというような工合になつて、従つてそれはもう今これだけについて特に書くと、こういうことはどうも私は合点が行かないのですが。
#24
○若木勝藏君 各省設置法に皆んな書かなければならないのじやないか。各省設置法案に皆んな入れなければならんのじやないか。
#25
○高橋進太郎君 そういう議論ならいいのだ。
#26
○若木勝藏君 はつきりしたほうがいいのじやないかと思うのですが。
#27
○委員長(西郷吉之助君) 館さん如何ですか。
#28
○館哲二君 私はどうも今のは、今更日本国憲法の基本理念なんということを言うのは一体必要があるのかと思うのですね。それよりもむしろ委員の構成なりその他の方面で慎重に考えて、国会議員がもう少し発言なり有力な地位に立つような委員会に構成を持つて行くということで、この委員会の運営がよく行くのじやないかとこう思つておるわけですが。
#29
○中田吉雄君 館さんの言われるのは最も現実的な何ですが、こういう目的からおのずから委員の構成が規制されて、非常にやりよくなるのじやないかと思うのです。
#30
○岩木哲夫君 もういい加減にどうです。
#31
○館哲二君 目的を書いて置いても構成の仕方は別ですからね。
#32
○委員長(西郷吉之助君) それではちよつと最終決定を出す前に、政府委員側に今の構成の点についてどういうふうな考えを持つておるか。
#33
○政府委員(藤野繁雄君) 昨日委員長から委員の構成はどうするかということは書面によつて提出するようにという御要求があつたのでありますから、お手許に書面で出しておるのであります。それは地方制度調査会の委員には国会関係者、各省関係者、地方公共団体関係者、及び学識経験者のほぼ同数を選任する予定である。四つの団体がありますから、四つの団体からこの間も申上げましたように、四分の一ぐらいずつを選任したらどうだろうかと、こういうふうに考えておるのであります。どうぞよろしくお願いします。
#34
○岩木哲夫君 これは地方制度調査会委員の選任案のことで今の前段の問題が中ぶらりんになつて又議題が変つたように思いますが、先ず修正案のあとから決を取るものとして、今藤野政務次官が文書の説明をされましたが、私たちはこれに対して今賛否を申すのは早過ぎるかも知れませんが、反対であります。結局又これは国会にかけなければならんということもありますが、それは最も調査会の審議を、検討を権威あらしめ、国会通過をスムースに運ぶ上においては、国会関係者がこの全体の員数の半数ぐらいを占めるのが妥当であろうと思います。各省関係者というようなものはそんなに同数も要るわけがないのでありまして、これらが曲者であろうと思うのであります。従つて、国会関係者というものを大体半数乃至半数に近いくらいの程度に選任されることを我々は要求いたしたいと思いますが、如何でしようか。政府のほうはこれに対して何か御意見ありますか。
#35
○政府委員(藤野繁雄君) 只今申上げたのは、現在における私などの考えであるのでありますが、皆さんのほうで、各四つの団体の者を四分の一ずつやるよりも、この法律の運用上に将来影響することであるから、半数以上を、或いは半数ぐらいを国会議員で占めるようにしたほうがいいというような御結論であつたらば、政府としてもその点について善処せなくちやできないと考えておるものであります。
#36
○高橋進太郎君 私はどうも政務次官の今の御答弁は甚だ当を得ないのですがね。若し国会議員が過半数というのなら、何もこの調査会をわざわざ外に設ける必要がないので、国会自体において審議すりやあいいのだろうと思う。要するに国会議員というものがここで幾らか入るということは、国会の中にそういう経験者もおるし、又論議の際にいろいろな話も聞き、又意見も述べるというところに意味があるので、過半数を持つのなら何もこの調査会をわざわざ国会の外に設けて、そして国会議員で又そこでやるということは意味ないとこう思うのですが……。
#37
○岩木哲夫君 私は過半数と申しておらない。半数と……。
#38
○高橋進太郎君 いや、それは政務次官に申上げたのです。
#39
○岩木哲夫君 ただ私は高橋議員の御意見に多少疑義があります。国会議員というものは、例えば自由党なら自由党が全部占めるのじやない。ワンマンの陣笠が全部占めるのじやない。この中には社会党の右派さんもおれば左派さんもおる。各界の練達の士が各階各層から選出されるのであるから、これは国会の全部の一致した意見じやない。これにはやはりいろいろな研究家、権威者も現われて来るわけでありますから、やはり半数ぐらいを国会議員が占めるのがスムースだとこう私は申しておるのです。
#40
○館哲二君 今の委員の構成の問題ですか、まあ国会議員がたくさんになれば国会自身でしたほうがよい、委員会を設ける必要はないんじやないかという御意見もあるようでありますが、委員会は委員会として各委員が平等な立場に立ちまして、その方面に経験なり学識なりを持つておられるようなかた、或いは又各派を代表されるようなやりかたもあると思いますが、それ以外に各省関係とか学識経験者とか、それから又地方公共団体の関係者とかいうようなものが平等な立場に立つておのおのの意見をとらわれずに検討をするというところにこの委員会の妙味があると思うのであります。併しまあ今私が委員の構成について考慮を払つたほうがいいじやないかということを申上げましたのは、先に、まあ第一条に憲法の精神に従わなきやならんとは幾ら書いたところで、諮問をするのは内閣総理大臣で、諮問案はこれは憲法に違反するものですと言つて出す者は誰もないのであつて、憲法の精神に副うように無論出されるに相違ないと思う。それを検討するのがいい。その委員には最も民主的なりと考えられる国会議員が相当多数入つておられることが、その結論を民主的に持つて行かれる上に私は非常にいいのじやないかというように思うので申上げたわけです。
#41
○中田吉雄君 鈴木次長にお尋ねしますが、前に何かこのような委員会があつたようですが、そのメンバーは大体どういう構成になつているのですか。
#42
○政府委員(鈴木俊一君) 終戦後の昭和二十一年に地方制度調査会というものを同じ名前の機関を作つて現行自治法の原案についての調査審議をお願いしたのでありますが、その際は相当各方面から委員が出ておられまして、衆議院、貴族院合せまして三十五人でありました。それから各界の関係が十二人、婦人関係が六人、地方団体関係が十五人、官吏が十四人合計八十六というような委員数であります。
#43
○高橋進太郎君 あれですか、今まで議員が半数も占めたといつたような調査会というのはあるのですか。今のあれでもまあ大体三分の一くらいになつておるようですが……。
#44
○政府委員(鈴木俊一君) 半数を超えるというのはまあ最近はないと思いますが、社会制度審議会などは相当多数の構成人員になつておるようでありますが、三分の一ぐらいじやないかと思います。
#45
○若木勝藏君 政府委員に伺いますが、今まで私文部委員会におつていろいろな法案の審議に携つて来たのですが、そういう場合における多くの場合はこの委員の任命についてこういうふうに抽象的にやつておらなかつた場合が多いのです。今内容をどこそこの推薦団体によるもの何名というように具体的に現わしておるというのが多かつたと思うので、これは余りに簡単で抽
 象的で、そういう点を明瞭にすることが必要ではないかと思います。
#46
○政府委員(鈴木俊一君) 普通の方式から申しますと、むしろ総理府に設置いたしまするこういう調査機関、審議機関でございますと、総理府設置法の別表の中に、例えば選挙制度調査会、こういう項を一つ置きまして、内閣総理大臣の諮問に応じて国会議員の選挙及び地方公共団体における選挙制度について調査するということだけを限りまして、あとは政令その他で組織をきめておるというのが普通の場合でありますが、これはそういうのに比較しまして相当詳しく書いてあります。
#47
○若木勝藏君 そこでそれでは学識経験者の内容ですね、これは一般、殊に地方制度のことになると税金であるとか、或いは公務員の賃金とか、そういうものと関係して来るのでありますが、この学識経験者の内容には市民とか、労働組合の組合員とか、そういうようなものを含んでおりますか。
#48
○政府委員(鈴木俊一君) 無論この表現といたしましては、今御指摘になりました方面を代表しておるものも入り得るようになつております。
#49
○岩木哲夫君 これはやはり政府の案というものは我々は反対であります。それでこの際当委員会としてはどういう点を希望するかということをおまとめ願つて、それに対して政府のほうが反対ならなかなかこれは事態の楽観を許さん、こういうことになるわけです、(笑声)でありますので、先ずその辺から固めて頂きたい。で、丁度食いさしみたいに、吉川委員の修正案をもうちよつと先にきめてから、そうしてこれを一つ本式に態度をきめてもらいたいとこう思うのです。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#50
○委員長(西郷吉之助君) どうですか、古川君の原案に対しまして、岩木委員より総体的にという文句を入れるか、或いは総体的一体性を有するという文句を削るというような御意見が出ましたが、提案者の吉川さんはその岩木さんの御意見には賛成だと言つていらつしやいましたが、自由党の御意見は如何でございましようか。
#51
○高橋進太郎君 我々のほうは先ほど申上げた通り、これはもう必要ないと、こういうふうに思います。
#52
○若木勝藏君 今の高橋さんあたりのお考え、或いは館さんあたりのお考え、これを緩和するようにするためには、こういうふうにするのも一つの方法じやないかと思うのですが、これは吉川さんは消極的だと言つて不満があるかも知れませんが、この法律は、日本国憲法に則る地方自治制度の基本理念を具現するため現行地方制度に全般的な再検討を加えることを目的とする、こうならば、それなら穏やかかじやないかと思います。
#53
○委員長(西郷吉之助君) 高橋さんに伺いますが、これは提案者の御趣旨もありますから、できるだけ修正する場合には共同でやつたらいいかと思いますが、あなたがた何かその文章をこう直したら自分のほうでは合点が行くというふうなことがございましたら、御意見を願いたいのですが……。
#54
○高橋進太郎君 これはもう大体こういう調査会なり各省設置法なり、そういうものに一々日本国憲法を付けてやつて行くということになると、全部の法案に私は日本国憲法ということを掲げなければならないと思うのです。
#55
○原虎一君 随分入つておる法がありますよ。今の警察法のように……、無難だから一つ入れておいて下さい。
#56
○高橋進太郎君 警察法とか地方自治法は、そういう基本法についてその法律の基本理念を書くという意味ならこれは又意味あると思うのです。要するにこれは地方制度調査会というものの運営が新憲法に則るように運営すべきだという、それを吉川さんはお書きになろうと、こういう意味だろうと思う。併しそういう意味なら私は先ほど申上げた通り各省設置法なり、或いはあらゆる調査会についても書くべきじやないかと思う。何か特殊な事項であつて、労働審議会とか何かそういう目的があつて、これが又こういうものだということなら意味があると思うのですが、今言う新憲法ということになればこれは皆新憲法を書かなければならない、こういうことで我々はどうもその新憲法会々を書くのは必要ないと思います。
#57
○原虎一君 高橋さんが言われる点も理窟はやはりあると思うのです。併し入れたからといつて別に御反対じやない、ただそういうほかの法律にも入れなければならんと言われますけれども、我々が強く主張するのは、例えばこの委員を然らば元のパージになつた者は入れないということを書くとか、或いは総理大臣の任命したものを一々議会の承認を得るようにしますとか、そういうことにまであなたが思いを入れて御反対ならば我々わかりますけれども、では委員の問題は総理大臣の任命をそれではどうするというお考えか。併しそこまで考えなければ、例えば最近参議院の選挙制度に関係しまして、参議院に関する選挙法、全国区を廃するとか、或いは標準的なものを作るようなことを、総理が任命されました諮問機関的な委員会でありますけれども、ああいう選挙制度調査会でですね、憲法までも改正をするような意見を発表するのですね。そういうことから我々は考えてもやはりこの委員会を、調査会を置いたという目的は、国会が法律を審議するときにはこういうことなんだということを、これを入れるということは別に禍いはないと思う。むしろあなたが言われるように委員会の委員を厳選するならば、これは総理大臣の任命ではいかんと言つておる、それならば又我々はそういうふうに考え直す方法はある。従つて抽象的に入れる以上目的ぐらいは入れておくことは、あなたもその精神には御反対にならないはずと思うのです。具体的に館さんの言われるように、そこに元戦犯者は入れてはならんとどこにも入れておるわけでなく、或いは追放解除の元の追放者を入れてはならんということも入れてありません。総理大臣の任命を一々五十人なら五十人、国会の承認を得なければならんと言うわけでもない、こういうことを併せ考えて調査会の目的はこうなんだ、憲法を改正するようなことまで簡単にやつてもらつては困るということをここで言いたいのです。ですから別にそう強く反対されんでもいいじやないですか。
#58
○中田吉雄君 高橋君は何もそんなことをせんでも民主的な精神が滲み込んでおるからと言われるが、この度出された地方自治法の改正法を見ても、先ず区長の任命制、そうしてこれはやがて府県知事の公選制の廃止、更に地方議会は隔月ごとにあるのを一年一回の常会にするとか、議員の数を少くする、部局を増加するには内閣総理大臣と協議しなければならんというようなことになつたが、これは幸い自由党を含くめた根本的な大修正がなされまして、危く難を逃れたわけですが、あれがあのまま通つておつたら、前の府県制制度といささかも変りないことになる。それを非常に恐れる。原さんの言われるように委員のほうはあなたのほうから出ております大臣に広範な権限を委ねておるのですから、それを若干規制するようなことは一つ人自由党として御考慮願つてもいいじやないかと思います。
#59
○委員長(西郷吉之助君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#60
○委員長(西郷吉之助君) それでは速記を始めて下さい。
#61
○岩木哲夫君 又話が戻りますが、この委員会の委員の振当数についての点について我々は今鈴木次長が過去における地方制度調査会の委員の振合いから見ても、三分の一以上国会議員が入つておるようであります、そういう先例もあることでありますから、三分の一以上或いは半数程度のところまで国会議員を、これは国会関係者とありますが、国会議員のことだと思いますが、国会議員を入れるような振合いに政府側として御考慮はできますかどうか。
#62
○委員長(西郷吉之助君) 岩木さん、ちよつと今の御質問ですが、本日は大臣が御出席になつておりませんから、今の岩木さんの御質問に対しては明日の委員会に国務大臣の御出席を求めて御回答をするということにしては如何ですか。
#63
○岩木哲夫君 結構です。質問を持つて帰つて明日大臣に御答弁を願いたい。
#64
○委員長(西郷吉之助君) それでは政務次官に申上げますが、今お聞きの通りの御質問がございますので、本日それを大臣にお伝え下さつて、明日委員会を開きました際、政府当局のお考えをお述べを願いたいと思います。
#65
○中田吉雄君 選挙法の一部改正法につきまして、次官や局長並びに知事等の立候補をどうするかという問題は世上非常に大きな論議の的になりまして、当地方行政委員会に対する最大な関心が寄せられているわけであります。そこでこの委員会といたしまして、何らかの結論を以て世論に応えるということが必要なので、それには十分な資料に基いてやはり判断することが何よりも必要だと思うわけである。そこで西郷委員長を通じて先般私は昭和二十五年に知事選挙が行われた際に、それから前半年の間に知事がどれだけの追加補正をしたか、そしてそれと全然関係のない前年度の同じ半年の間にどれだけ追加補正をしているかという資料を一つ出して頂くようにお願いしているんですが、一つ促進してもらいたいと思うわけである。私は昭和二十五年度と二十四年度の半年の追加補正を見れば、知事が大体どれだけ選挙運動に使つているかということを判断することが簡単にできると思うわけであります。例えば群馬県の知事選挙が行われておるのでありますが、すでにこれは莫大な県費が使われておりまして、それを青年団の人がもらつておいて二十万近く隠しておいた。それがわかつたために相手はもらつて隠しておるということで、どうもならんというので、饗応をやつておりましたところが逮捕されておる。これは全く氷山の一角であると思うわけであります。例えば私が四国の昨年の知事選挙で、或る県の知事の名も知つておりますが、青年団に数百万の金を出しまして、会計課長が風呂敷に金を包んで行つて、そうして各村に乗込んで行つて、大体どれだけの応援をしてくれるというので、その応援の熱度に従つて二万円なり三万円ずつそこでちやんと渡しておるという事実をはつきりつかんでおるわけであります。そういう意味から言えば、昭和二十五年の選挙のときに各局長、次官等が半年の間に出張をどれだけやつたかということを調べてもらえばいいわけですが、これは要求しないことにいたしますが、一つ是非、或いはそういう大規模な全国的なものができんでしたら、最近知事の立候補の問題について世話人会というものがあつて、代表の県知事の人が東京に来ておるようですが、その世話人の知事の所だけで結構だと思います。必ず選挙があるときに遺族援護会に数百万補助をする、或いは開拓連盟に数百万、生活協同組合に数百万というような起債や補助の裏付のない単独県費を非常に使われておる。私はこの額は大体全国で百億近いものが使われておると思つておる。是非この資料を一つ委員長にお願いしますが、これができんと選挙制度の改正の審議に入れんと思うので、一つ是非……、自治庁や地財委ではそんなものを出すとぼろが出るから出せんと言うかも知れませんが、是非一つお願いいたします。
#66
○委員長(西郷吉之助君) 中田委員の御希望は私も御尤もだと思いますので、今せかしておりまして、今印刷中でございますから、明日は届けるそうでございますから、御了承願います。
#67
○岩木哲夫君 それに知事の交際費、或いは交際費に類するような金額と見られるものを附加えて御報告願いたいと思います。
#68
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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