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1951/07/29 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第72号
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1951/07/29 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第72号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第72号
昭和二十七年七月二十九日(火曜日)
   午前十一時四十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           岩沢 忠恭君
           中田 吉雄君
           岩木 哲夫君
   委員
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           堀  末治君
           宮田 重文君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           吉川末次郎君
           駒井 藤平君
           岩男 仁藏君
  衆議院議員
           中川 俊思君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   全国選挙管理委
   員会事務局長  吉岡 惠一君
   地方財政委員会
   財務部長    武岡 憲一君
   地方自治政務次
   官       藤野 繁雄君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  衆議院法制局側
   参     事
   (第一部長)  三浦 義男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○国会議員の選挙等の執行経費の基準
 に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律の
 施行に伴う関係法律の整理に関する
 法律案(衆議院提出)
○地方行政の改革に関する調査の件
 (報告書に関する件)
○継続調査要求の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。
 本日は昨日に引続きまして公職選挙法に関する修正案を取りまとめたいと存じます。昨日まで取りまとめましたものは今日配付いたしました公職選挙法の一部を改正する法律に関する修正要綱を法制局に作らせましたからこれを御覧願いたいと思います。それで最初に昨日未決定の分を今日再審議をいたしたいと思います。なお本日は修正案決定までは懇談会の形式でやりたいと思いますから、関係以外のかたは御退場願います。
   午前十一時五十一分懇談会に移
   る
   ―――――・―――――
   午後三時五十二分懇談会を終る
#3
○委員長(西郷吉之助君) それでは委員会を再開いたします。
 本日提案になりました公職選挙法の一部を改正する法律案の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、提案理由の説明を求めます。
#4
○衆議院議員(中川俊思君) 公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 只今議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の提案理由でございまするが、さきに衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員会において立案の上提出いたしました公職選挙法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、公職選挙法の規定を準用しておりまする地方自治法、最高裁判所裁判官国民審査法、漁業法及び農業委員会法の関係条文の事務的な整理を行う必要がありますので、衆議院の特別委員会において本案を立案の上根出いたした次第であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを希望する次第でございます。
#5
○委員長(西郷吉之助君) なおこれにつきまして事務当局から説明を求めます。只今法制局の三浦君が参りますから、ちよつとお待ち下さい……。それでは衆議院法制局の三浦君より説明いたさせます。
#6
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 先ほど提案理由の説明にありました通り公職選挙法の制定に伴いまして、地方自治法、最高裁判所裁判官国民審査法、漁業法、農業委員会法で公職選挙法の規定を準用いたしておりまするものがございますので、今回の改正によりまして条項の異動がありましたり、新らしく条文が加わりました関係上、それを整理いたすわけでございます。
 で、簡単に申上げますれば、第一条の地方自治法の一部を次のように改正するという中で、百二十八条及び第百四十四条中で引用いたしておりますのは、今度項が減りましたから、整理いたすわけであります。
 それから第二条の最高裁判所裁判官国民審査法の一部を次のように改正する、この中の第五条及び第四十三条の第二項中の改正は、今回の改正によりまして告示期間を三十日を二十五日に改める。で、この国民審査は衆議院の総選挙が行われます場合に同時に行うと、こういうことになつておりますので、告示の関係で同一にいたすことが適当でありまするので、そういう改正をいたすわけであります。それから第四十九条中の改正は条文の整備でございます。それからその次にございまする同条の巽中の引用いたしておりまする条項のうちで横の規定がございまするが、これが新らしく二百三十七条の二というのが引用されますので、これの読替をいたす関係でここに挙げましたわけでございます。
 それから第三条の漁業法の一部を次のように改正する。この中の第九十二条第一項第二号中に新らしく作つて、公職選挙法の百三条第一項の規定を付け加えるわけでございますが、これは現在九十九条と申しまするのは、当選人が選挙期日後におきまして、被選挙権を有しなくなつた場合の当選の失格の規定でありまするが、百三条第一項におきましては、やはり失格の規定で、当選人が或る職務を兼ねております場合におきまして、当選の暁にはそれを辞しませんと、五日以内にその職を辞した旨の届出をしませんと当選を失う、こういうことになつておりまするのが百三条の一項の規定でございまするが、それがやはり必要でありまするので挿入をいたした次第でございます。
 それから第九十四条中以下の改正は新らしく特に加わりましたものはございませんで、今回の改正によりまして条文が整備されまして、条項がなくなりましたり、或いは一条追加いたしまして、何条の二とか三とかいうふうに加えました関係で現在引用いたしておりまする、準用いたしておりまする公職選挙法の条項を整理したのが九十四条以下の改正でございます。
 それから第四条の農業委員会法の一部を次のように改正すると、これも大体漁業法と同じように公職選挙法の規定を準用いたしておりまするので、ほぼ中味は同一でございまするが、只今私が申上げましたような意味におきまして、整備をいたしたわけでございます。
 それから附則は、この法律は昭和二十七年九月一日から施行いたしまするのは、公職選挙法の今度の改正は同日に施行するわけでございまして、附則の二項におきまして、「公職選挙法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第   号)」と書いてございまするが、これは先般衆議院を通過いたしまして、こちらで御審議中の公職選挙法の一部を改正する法律が通りますれば、その番号を入れまして、その附則の第二項から第四項までの規定を、この公職選挙法の規定を準用いたします、選挙又は投票について準用する、こういうわけでございまして、附則の二項から四項までの規定を準用いたします関係は、例の潜在無効投票の規定を遡及いたしまして準用する分と、それからすでに選挙の告示等があつておりますものにつきましては、従前の規定によつて罰則を適用するという条項でございまするが、それをこちらにやはり同様の規定を置きました次第であります。
 大体以上であります。
#7
○委員長(西郷吉之助君) 御質疑がありましたらお願いします。
#8
○原虎一君 選挙の潜在無効投票はどういうふうになるんですつて、もう一遍……。
#9
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 潜在無効投票の点につきましては、先ほど申しました公職選挙法の一部を改正する法律の附則の第二項と第三項に規定してございます。その内容は「改正後の公職選挙法第二百九条の二の規定は、前項の規定にかかわらず、この法律の公布の日から施行する。但し、従前の公職選挙法の規定による当選の効力に関する争訟でこの法律の公布の日において現に選挙管理委員会に係属している異議の申立若しくは訴願又は裁判所に係属している訴訟についても適用する。」という規定がございまするが、この二百九条の二が潜在無効投票の規定でございまするが、この規定は公布の日から一応施行いたしまして、つまり昭和二十七年の、今年の九月一日から、公布の日から即日その分だけは施行することにいたしまして、そうして同時に現在その公布の日において選挙管理委員会或いは裁判所に係属しておる潜在無効投票に関する争訟についても適用する、こういう規定でございます。
 それからその次の三項は「衆議院議員の選挙以外の選挙で、昭和二十七年九月一日現在既に従前の公職選挙法の規定によりその選挙の期日を公示又は沓示してある選挙に関しては、なお従前の例による。但し、改正後の公職選挙法第二百九条の二の規定の適用を妨げない。」ということが規定してございまして、「衆議院議員の選挙以外の選挙」で、つまり参議院の選挙とか或いは地方選挙等におきまする補欠選挙、再選挙等が仮にありましたといたしますれば、そういう選挙で、すでにもうこの改正法を施行いたしまする前に告示又は公示してあります選挙があるといたしますれば、それは従前の公職選挙法の、今度改正いたします規定、改正しない従前の規定を適用するということになるわけでありまするが、この場合におきましてもなお且つ潜在無効投票の規定については、この改正後の新らしいものの適用をしてもかまわない、こういうわけでございます。
#10
○原虎一君 そういたしますと現在の選挙、現行選挙法で裁判中のものはどういう結果になりますか。
#11
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 裁判中のものにつきましてはこの規定が、改正法が施行いたされますれば、結局この改正法の規定によりまして裁判をする、こういうことになります。
#12
○原虎一君 わかりました。
#13
○委員長(西郷吉之助君) その他に御質疑ございませんか。その他に御質疑がなければこの法案はこの程度にいたします。
 それではまだ岩木君が、おみえになりませんから、立候補制限の問題はもう少し延ばしまして、次に三法案が残つておりますので、そのうちの消防法なりを一つお願いしたら如何かと思いますが如何でしようか。
#14
○原虎一君 どの法案……。
#15
○委員長(西郷吉之助君) 他の法案の三つのうち、消防組織法なり警察法なりの条文ができるのに数時間かかりますから、その間にその御質疑なり審議をして頂く。
#16
○吉川末次郎君 今日はまだ公職選挙法の改正案について中田君等から資料の提出を求められて、それについての説明を求めなければなりませんし、昨日はああして暗くなるまでやつたんでして、今日は一つ公職選挙法だけで、余り無理しないで、一つ生理的にも弱つていますから、休憩さして頂きたいと思うのですが、成るべく休憩時間を持たして頂いて、法文ができましたら、公職選挙法の改正の法案が出来上りましたら、一つ審議を開始しまして、委員会を上げて本会議に回付して、本会議も上げることができるようにしてもらいたい。その他の法案は今日は用意もありませんし、今日は一つ、明日にでも延ばして頂いて、お見合せを願いたい。
#17
○委員長(西郷吉之助君) それでは取りあえず中田君の資料に基く説明が残つておりますから、それの説明を……。
#18
○岩男仁藏君 今この公職選挙法の修正は印刷中だということを聞いたのですが、岩木君から知事等の制限に関するあれが出ているのでしよう。それを審議せんで選挙法の修正案できますか。
#19
○委員長(西郷吉之助君) 全部はまだ完了しないわけでありますけれども、それをのけましてほかの条文は完了しておりますから、それを今やつております。
#20
○岩男仁藏君 そうするとそれができなければ今晩中に本会議にできない……。
#21
○委員長(西郷吉之助君) それができませんと委員会の討論採決ができないのですから……。
#22
○岡本愛祐君 今あなたがおつしやつたように知事等の立候補制限に関する公職選挙法の一部改正について残つております。それでそれを片を付けないと工合が悪いのじやないかということなんですから、一つ岩木君、発案者においで頂いてそれをやつたらどうですか。
#23
○委員長(西郷吉之助君) 今盛んに岩木さんに来て頂きたいと思つて探しておりますから、その間、時間がございますから、中田君の御質疑を……、もう少しお待ち願いたいと思うのですが、御質疑がありますから……、それでは武岡財務部長さんがおりますから、その資料の説明をいたさせます。
#24
○中田吉雄君 私の党の立場からいたしますと、できるだけ自由な競争によつてできるだけ制限なしにやるという立場をまあ強く支持しておるわけであります。従つて公職選挙法に対する基本的な態度もその線からまあ貫いて来ておるわけですが、世上非常に次官、局長、知事等の選挙の立候補制限についての意見がやかましくなつたわけですし、非常な関心を持たれておりますので、当委員会といたしましてもうやむやにしておくこともできないので、いずれにいたしましても結論を付けることが必要だと思つておる次第でありますが、私実は昨日主として地方行政の面と地方財政の面並びに政府の高級職員等の三つの点から質問してみたいということを考えまして、鈴木次長にも出席を求めておつたのですが、これはどうなつておるでしようか。
#25
○委員長(西郷吉之助君) 今参りましす。
#26
○中田吉雄君 参りますか、それでは先ず武岡部長にお伺いいたしますが、先般提出を要求いたしました資料が非常にこれは分析が困難なんですが、私の乏しい体験からいたしましても、知事選挙のある年とない年とでは追加補正が非常に違う。まあ或る人なんかは、全国の知事選挙のある年なんかには七、八十億は余計追加補正がされるだろうということが言われておるのですが、そういう観点から私は昭和二十四年度の選挙の全然ない年のこの予算と選挙がある前年度の二十五年度との、特に一般単独県費による事業の問題等について資料をお出し願つておるわけですが、これについて一つ三枚の資料を頂いておりますから、そういうことの関連において御説明をお願いしたいと思う次第であります。それからいろいろな点をお伺いいたしたいと思いますから、一つそういう用意を以て御説明願いたいと思うわけであります。
#27
○政府委員(武岡憲一君) 御要求によりまして提出をいたしました資料について御説明いたします。
 第一の資料は昭和二十四年度と五年度の都道府県の予算におきまして、当初予算とそれからそれに対する追加更正予算の額がどういうことになつておるかということを示したものでございます。即ち昭和二十四年度における当初予算額、それに対する追加更正額、それを合計いたしました最終予算額、これを各都道府県別に表わしたのでございまするが、そのうち一、二の県だけは資料が不十分でございまして漏れております。それと対比する意味におきまして、御指摘の昭和三十五年度において然らば当初予算とそれに対する追加更正予算、最終予算がどうなつておるかという数字を府県ごとに表わしまして、最後に昭和二十四年度の最終予算額とそれから昭和二十五年度の最終予算額がどういう比率になつておるかということをパーセンテージで表わしたのがその最後の欄であります。で、御覧の通り大体二十四年度に比べまして五年度がそれぞれ殖えておりますが、ここで御了解願いたいと思いますることは、すでに御承知の通り昭和二十四年度はいわゆる均衡財政の建前からいたしまして、地方財政におきましてもその主要な一般財源でありました地方配付税が半減をされたというような特殊な財政状態におかれた年であつたのであります。それに対しまして昭和二十五年度にはいわゆる第一次のシヤウプ勧告に基きまして、地方税法の全面的な改正、それから平衡交付金制度の創始というような地方財政制度の改革が行われまして、地方財政に対して相当な一般財源の増強と申しまするか、附加が行われた年であります。で、極く大ざつぱに申上げますると、二十四年度に比べまして五年度には総体的に約五百四十億円ほど財源が一般財源において殖えておるのであります。それから又一方二十五年度の歳出を見まする場合に注意を要すると思いまするのは、この年には給与の改訂も行われておりまするし、それから例のジエーン台風その他の災害もかなり起つておりまして、その方面に対する財政支出というものがかなり増加をいたした年がございます。そういうような意味でこの資料を御覧願いたいと思うのでございます。
 それからいま一つの資料は昭和二十四年度と五年度におきまして、それぞれの決算額或いは決算見込額のうち、災害関係を除きました一般的な、一般の投資的な事業に対する経費がどのようになつているかということを表わしたものでございまして、一般公共事業費を単独事業費に分けまして、昭和二十四年度の額、昭和二十五年度の額、それぞれを各府県別に比較いたしておるのであります。
 それから又各府県がそれぞれ単独に行いまする一般単独事業の関係、それが二十四年度と五年度を比較してどのような増減があるかということを表わした資料を提出いたしたのであります。以上であります。
#28
○中田吉雄君 そうしますと武岡部長の見解で言うと、昭和二十四年度と二十五年度を比較してかなり殖えているのは、昭和二十四年度はドツジの経済安定九原則によるところの超均衡予算の建前からして非常に緊縮であつたこと、昭和二十五年度はいろんな関係で五百四十億ぐらい殖えたので、そういうことのみであつて、選挙とは全然関係がないというふうな確証を、確信を持つておられますか。
#29
○政府委員(武岡憲一君) 私が御説明申上げました、又委員会から拠出をいたしましたこの資料は、各団体から報告のございました決算書に基きまして、その予算額の数字がどうなつておるかということを表に表わしただけでございまして、その内容において非常に政治的なと申しまするか、事情があつたかどうかということは、これは県にとつても違いましようし、又そういう見地から特に地財委として検討いたした資料もございませんので、その点はちよつと御答弁申上げかねます。
#30
○中田吉雄君 地方財政委員会は地方公共団体がどのような予算の使い方をしているかということを監督されて、勧告される権限も持つていられるわけですし、一つこの表に基いて都道府県における追加更正予算調というので、非常なバラエティがあるわけであります。非常な変化がある。鳥取県のごときはこの表で行くと二十四年に対して二十五年は九四%、非常にまあ節約して追加ができていないわけですが、非常な殖え方をして、私から見るとこれは選挙の激しさと比例しているのじやないかというふうにまあ見ているのですが、一つその少くとも、先ず二五%以上、昭和二十四年比が、二十五年が四年に比較して殖えているような県を、災害とかそういうようなものに基く特殊な事情かどうかを一々説明してみて頂きたいと思うわけであります。これは非常な、いろいろな暗示を持つていると思うので、武岡部長が若し御存じでしたら、立候補した知事が何人あつて、その激しさと比較してずつとこれを見て頂くと、いろいろな問題が引出せると私は思うわけですが、どうですか。
#31
○政府委員(武岡憲一君) 二十四年度と二十五年度の予算額を比較いたしましてのその増減ということにつきましては、総体的に私先ほど申上げましたような二十五年度が四年に比して非常に額が殖えておる、地方財政が総体的に見まして規模が殖えておるということに対しましては、先ほど申しましたような見解を持つておるわけでありますが、各府県ごとに見ますればこれはまだいろいろ具体的には事情があるかと思いますが、まだその一つ一つについての検討した結果を申上げるほどの準備は只今ございませんので、御了承願いたいと思います。
#32
○中田吉雄君 地財委における財政担当の最高幕僚としてやはりこれは相当検討されていると思うわけですが、茨城県などは二十四年費が八六%、それに次ぐものが鳥取県ですが、ところがもう一三四とか一三五、非常なこういう所は災害とか何とか特殊な事情があると思うのですが、それはもう大抵そらんじておられると思うのですが、その関係はどうなつておりますか、もう少し一つ……。
#33
○政府委員(武岡憲一君) 大きな原因としては例えば先ほど申上げました災害のような関係もございましようし、或いは給与の改訂等もございましようし、これは県によりましていろいろ事情も違いまするのでちよつと一律に例えば二五%以上殖えている所は必ず私が先ほど指摘しましたようなもの以外の非常に特殊な事情があるのだとおつしやいましても、どうもその点は只今調べた資料がございませんので、甚だ恐縮でございまするが、御答弁いたしかねます。
#34
○中田吉雄君 これはどうもさつぱり説明にならんと思うのですがね。そこでもつと具体的に都道府県における一般投資的事業調べというやつに基いて一般単独事業費というのが私は非常に問題だと思うのです。私の乏しい体験からいたしましても、全国の都道府県、市町村等で昭和二十四年度末はかなりの繰越金があつたわけで、それが二十五年になると大体半減し、二十六年になると殆んどその繰越し資金を使つて赤字になつているというような関係があるわけであります。そこで私は単独事業費が非常に地域的に変化しているということがこれは問題だと思うわけですが、国の補助金で紐がついているものとか、或いは起債の裏付等があるところの一般的な公共事業費というものはまあ国からの何ですが、単独県費の場合はこれは非常に問題で、特に二十五年になり二十六年になると、非常に地方財政が苦しいにもかかわらず、例えば大阪のごときは単独で十億もやつているのです。非常に大きな額が組まれているわけなんであります。大きい県から言いますと、大阪の十億、それから五億くらいな新潟とかいろいろあるのですが、こういう所は何か特殊な事情があつたのですか、そういう主要な所を一つ分析をしてどういうふうになつているかお示しを願いたいと思うのですが……。
#35
○政府委員(武岡憲一君) ここに用意をいたしております資料は、大体一般単独事業費につきまして総括的な資料でございまして、只今御指摘のようなその内容の分析ということになりますると、いろいろこれはまだ十分に地財委として分析していない部分もあろうかと思います。資料としてまだ十分整備いたしておりませんので、一つ一つについての説明はここでいたしかねますが、御要求がございますれば別途資料によりましてこの増加分の内訳等を示して差上げてもよろしいと思つております。
#36
○中田吉雄君 どうもこれでは困つた答弁ですが、例えば私東京から知事選挙があつた際に関西のほうに帰つて、昭和二十六年の春あつたわけでありますが、選挙がある二十五年の会計年度の一カ月前に知事がもう任期が満了するという直前に一億近い農村対策費というものが組まれて、そうしてそれがばらまかれて、ここではつきり言いますと、大阪なんですが、岩木さんが出てれおられるので恐縮ですが、私大阪の駅に降りて新聞を買つて見ますると、分裂前のわが党の杉山元治郎氏が立候補されて、農村の票がどうなるかによつて知事選挙の勝敗が決するということになつている際に、やめる直前に新らしく新任して出て、それからそういう予算を組むべきのに、もう任期が満了する直前に約一億近い農村対策費を組んでそれをばらまいて、それによつて僅か一万数千の差で辛うじて当選した。曾つて兵庫県がそうなんであります。それから四国の、名前をあげては恐縮ですが、非常にたくさん出ているのですが、愛媛なんです。これは現在の久松さんですか、あれの競争候補の知事が数百万円の青年団活動促進費というものを組んで、我々の聞くところによると、知事と会計課長が自動車に乗つて出て、そうして大きな風呂敷に金を包んで行つて、この青年団は協力の度合は強いから二万円、これは弱いから五千円というように、そうしてそこで激しい指弾を受けて却つて落選の憂き目を見られたということがあつて、これがああいう小さい県にもかかわらず単独県費で一億三千万の追加補正をやつておるというようなことが非常にからんでおるのですが、こういうことについて勧告をされたりしたようなことはあるのですか、全然ないのですか。私の県、鳥取県は物の生産がないのだから教育を大事にせぬばいけないというので、理論法定数よりは若干多くしているのに対して手きびしい勧告があつたのですが、こういうものに対する勧告はなされたわけですか、どうなんですか。私なんか聞くと、遺族援護会というようなものに知事選挙の直前或いは衆議院選挙の直前に数百万円出して、そういう楔を打込まれたりして非常な濫費がされておるのですが、こういうのに対する勧告はなされたようなことがありますか、一つ……。
#37
○政府委員(武岡憲一君) 先程も申上げました通り、ここにお示しいたしました資料は大体各府県のほうからの報告によりまして報告の中からその数字をとつて並べたものでございます。地方財政委員会におきましては勿論、先程から仰せの通り各地方公共団体の財政状態につきましていろいろ調査もし、若し勧告或いは助言をする必要がございますればやつて参つておりまするが、その点につきましてはまだそのほうを担当いたしまする調査会ができましてから、陣容等の関係もございまして、各府県につきまして全体的な調査というものはそこまで手が届いておりません。ただぼつぼつと調査のほうにかかりまして、調査の結果そういう状態のはつきり確認されたものにつきましては勧告或いは助言をいたしておる例もございます。
#38
○中田吉雄君 現在の地方自治法には百九十五条から二百二条に監査規定がありまして、監査委員が監査をすることになつておるのですが、その監査が十分監査能力を発揮しておるかどうか、そういう点について財政緊縮の立場からどういうふうにお考えになつておるか。それからもう一つお尋ねしたいのは、執行部と議会との関係からしまして知事の任期と議員の任期が重なり合つています関係からして、議会の抑制作用が果されないではないかというようなことは、財政収支をうまくやつて行く上に私非常に問題じやないかと思うのですが、例えば知事の任期と議員の任期の改選期が同じですから知事も当選したいためにたくさん出したい。議員も同じときですから、同病相隣んで、抑制作用どころじやない。もう倍率が重つて行つて、特に任期の同時に改選があるというのがずれておりますれば、知事が不当支出をしようとしても議員が抑制する。議会がおみやげ予算をとろうとしても知事が任期が変つておると、こういうふうにならんと思うのですが、そういうことのないことが特に改選期に幾何級数的に予算が濫費される虞れがある。国会なら一年に一回で、而も補正予算というものはなかなか簡単に組めない、ところが地方議会ではいつでも補正予算が組めるというような関係からそういうことになり易いと思うのですが、現在の監査制度で十分能力を発揮していると思われるか、更にそういうふうな執行部と議決機関との改選期が同時である、重なり合つているということから、両者のバランスとチエツクの関係がうまく行かないのではないかというようなことは、財政指導の当局としてどういうふうにお考えであるか。
#39
○政府委員(武岡憲一君) 地方の制度についてのお尋ねであると思うのでありまするが、只今の第一の御質問の、只今の財政の監査委員制度が十分に効果を発揮しておるかどうかというお尋ねでございます。これはまあ全般の制度としていいか悪いかという問題よりは、各団体におきましてその運営の状況というものが必ずしも一様でないこともございまして、非常にと申しまするか、比較的にうまく行つておる所と、案外うまく行かなくて監査上不十分な結果をもたらしておるというような団体も或いはあるかと思うのであります。ただ制度全体としての問題としてこれをどう思うかということになりますれば、なお或いは検討の余地があるかも知れませんが、いずれこれらにつきましては地方財政に関する、或いは地方行政全体に関する制度の一環としているく我々もて、も研究をして参りたいと考えておるわけであります。
 それから第二の執行機関と議決機関との関係でございまするが、これもやはり制度の問題それから制度の実際の運営に関する問題ということになろうかと思いますが、執行機関と議決機関が選挙が時を同じうするために只今御指摘になりましたような欠陥が起るのじやないかということにつきましても、これもまああながちそればかりとは言えないかと思うのであります。或いは又おつしやるように制度を変えることによりまして放漫な財政支出というものを相互にチェックして行くというようなことも得られることになろうかと思いまするけれども、只今の制度であるために、その制度だけのために非常に今日の地方財政が乱れておるというふうには只今のところ私たちは考えておりません。
#40
○中田吉雄君 抽象的なことを言つても仕様がないですから、具体的な問題でお伺いしますが、昨年全国的に都道府県が赤字を示したわけですが、その中で我々一つの例外でこれは非常に研究に価するというときに、直ちに武岡部長は如何なる理由でこういうふうに前年度は赤だつたが黒に変つたかということをそらんじておられるくらいですから、一つはつきり具体的にそういう問題をカモフラージせずにやはりしてもらつて、私は現在のように中央官僚が地方に出て国費を濫費したりいろいろなことをやると、公選制度そのものを否認する方向に行く虞れがあるので、我々としては憲法に規定された九十三条ですか、公共団体の長はどうしてもこれは直接選挙でなくてはいけない、こういう基本的な線を崩してはいけないという確信に立つてそういう弊害を何とか是正しながらこの線を守りたいというためにまあ問題をはつきりしたいと思うのですが、どうしたらいいかという問題を探究摸索するためにお尋ねするのですが、とにかく一般公共事業費、一般単独事業費合計いたしまして北海道なんかは十億近くなりますし、ずつと長野その他、私から見ると偶然の一致かも知れんが、知事選挙が激戦であつた所ほど可なりこれが多いという関係からして、相関関係があるかも知れんと思いますので、それくらいのことはしたつて知事側を糺弾することにもならんのですし、はつきり問題をして頂けるといいと思いますので、上のほうから非常にずば抜けて多い所を一つ具体的に災害とか特殊の問題のためになつたのであるかどうかということを、私は一般公共事業費の国の起債や補助金の裏付のあるものが殖えるということは十分理解できることなんです。併し年一年財政余裕がなくなつて来つつある際に莫大な単独県費が使われるということは非常に問題であると思うので、一つ具体的にずつと説明してもらいたいと思うわけであります。
#41
○政府委員(武岡憲一君) お尋ねでございまするが、先ほど申上げました通りここに提出いたしました資料はその内容につきまして、例えば一般公共事業費でありますれば一般公共事業費で例えば北海道は二十四年に比べて五年が六億八千万殖えておる、その六億八千万殖えておるのはどういう内容でどういう事情によるものであるか、或いは又一般単独事業において三億一千万殖えたのはどういう特殊な事情があつたのか、或いはその内容は何であるかというようなことにつきましては、只今地方財政委員会といたしまして各県ごとに実態の調査をいたしておるのであります。只今までのところ府県とそれから市町村と並行してやつておりますが、府県につきましては大体十県程度はその調査が済んでそれぞれ処置をいたしておりまするが、その他の県につきましては更に調査を続行中でございまして、地方財政委員会としてこの増加した内容は何であり、その理由はどういうことであり、それが財政の運営上適切であるのか或いは不適当であるのかという結論をこの全体の各県につきまして下すところまで至つておらないのでございます。大変申訳ございませんが、そのすでに調査を了しました府県のものにつきましては調査課のほうから、資料がございまするから提出してもよろしいと思いますが、その他の県につきましては調査の結果が出ました上で御返事申上げたいと、かように思います。
#42
○中田吉雄君 さつき申しましたように、自分の県のことを再々出して恐縮ですが、鳥取県が物は生産できんから教員なんど殖やして人材を作らねばいけんというので若干の教育が理論法定数より多いのに、金子君が来まして厳重な勧告をして、これを首を切らん限りは平衡交付金はやらんというくらい言われて、それほど精密に調査されていながら、どうして北海道なんか、北海道はさつさ申しますように一般公共事業費が六億八千、単独事業費が三億一千。そういうのが可なり軒並みにある。鳥取県はたつた一千一百万円しか余計でない、二十四年度よりか二十五年度はたつた一千一百万円です。それですら厳重な勧告がなされておるにも拘わらず十億近いものがあるのに勧告されていないというようなことは、これは非常に問題だと思うわけで、例えば大阪のごときは一般公共事業費の十三億七千八百万、十億と二十数億殖えておるわけなんです。そういうことがずつとありますし、それは聰明な掌を指すように地方財政を知つておられる武岡部長がそういうことはないと思うので、そういうことでないと私は公職選挙法が全体が継続審議になつて行くかも知れんので、挙げてその責任は武岡部長にあると言つてもいいかも知れないわけで……。
#43
○政府委員(武岡憲一君) 鳥取県の調査を先きにして北海道の調査をまだしておらんというようなお叱りのようでございますが、実は北海道は只今調査中でございまして、この数日中に調査班が帰つて参ることになつております。別にどういう順序で先にやつた、或いはあとになつたということではございませんが、或いはいろいろと町村の調査等と並行いたしまして府県の分も一緒にやつております関係上、御指摘のようにこの府県の実情調査を特に先に調査をするというようなわけには参りませんために手違いになつておるわけでありまするが、各府県の財政運営の実態を、殊に二十五年度の、御指摘の二十五年度において一体四年或いは三年に比べて非常に財政運営上不適当な点があつたかどうかというような問題は相当重要でございまして、私ただここでこの府県からの報告の数字だけによりまして申上げることはちよつと差控えさして頂きたいと思います。
#44
○中田吉雄君 どうもこれでは議事進行の非常な妨げになるのですが、私この間九州の或る知事が来ましたので、知事選挙のあつた年はあなたがたの大体一県で七、八千万ぐらい年度末になつて大体三カ月くらいの間に組んでいるのだろうという質問をしましたら、実際組んでおつて、全国だつたらやつぱり七、八十億はそういうことのために使われているだろうといつて知事自身がまあ告白しておつたわけであります。まあそれは知事に発案権があるわけですし、議会はそれを認めてもいるわけですからいいわけですが、併しこれは私は今後問題になる問題だと思いますが、制限などをやらずにできるだけ会計監査その他の適用が厳重にこれができて、地方自治法百九十五条から二百二条には監査の規定もありますし、又国の会計検査院もおいでになつて検査するので、そういうことが厳密に適用されさえすればこういうことはないと思いますし、いいのですが、併しどうも、委員長にお願いしますが、先般委員長に対しても私は、特に昭和二十四年と昭和二十五年の年度末から約半年の間の追加補正、それをまあ全国的な規模ではすぐできぬであろうが、適当なところをピック・アップして頂きたい。そうすれば直ちに問題を判断する資料が出るからと言つたのですが、一年間になつて、できるだけ問題を引き出す糸口のないような巧妙な資料になつておりますし、武岡部長の答弁でも甚だ要領を得んのですが、一つ一つしてもらわんとこれは議事は進行しないと思うのですが、どんなものですか。
#45
○委員長(西郷吉之助君) 只今岡野国務大臣もお見えになりますから、一つそういう点は政府当局にお質しを願いたいと思います。
#46
○岩木哲夫君 地財委の事務責任者がお見えになつておりますから二、三公職選挙法に関連して我々が主張しておる知事、副知事その他高級官吏の立候補制限に関連する事項に関係してお尋ねいたしたいと思いますが、先ず中央公務員の場合は今地財委として当面の関係官庁でありませんから、この際この質問は追つて関係政府委員にここへお出ましを願つて質問いたしたい。
 そこで知事等に関連する事項についてお聞きいたしたいことは、知事が公務員である、特別職であるが行政公布である、こういつたような者が、日頃まだ任期中に何らかの国会議員に出陣せんとしていろいろの予算を編成し、そしてこれの支出に必ずしも予算の意図とぴつたり合わないような場合が……、この予算費用を支出するというようなことは世間一般はおおむねある。現にそれが群馬県などの事例として現われておるようなことであります。これは氷山の一角のまだ針の先であつて、実際はすばらしいものだということはもう世間周知の事実と見てよいのでありますが、地財委としてはそういつたような予算内容に対して従来何か気付いたことはありますか、ありませんか、お聞きしたい。
#47
○政府委員(武岡憲一君) 先ほども中田さんにお答え申上げましたように、地方財政委員会といたしまして府県についてのお尋ねのようでございまするが、府県の財政の実態調査をいたしましたのは十県程度でございますが、只今までの行いました範囲では御指摘のような点の問題はなかつたように思います。
#48
○岩木哲夫君 これは御指摘のようなものがなかつたとおつしやいまするが、事実はあるのだけれども言うたら……、監督の責任上言えないことだろうとこう思うのです。それでは私は具体的に取り出してみましよう。例えば群馬県の今回の事件に対して、新聞記事に現われておる分だけでも数百万、七、八百万円に上るような金額が、その県のいろいろな名目で出されておるということは殆んど明白な事態であります。若しそれを知らないというならば、これから順次私が話を展開して、具体的の証人を喚問してお目の前に見せて上げてもよろしい。そういう工合で、各府県の食糧費、調査費、研究費その他のあらゆる費用がこれらに充当されて予算が組まれておる。ところが何かの選挙に向つては、これらの公費、それらの公の機関、自分が駆使する一般公務員等を活用して今回群馬県がああいう事態を展開しておるのであります。これはさもありなんということが世間の十二分の解釈であつて、これは不思議な金があつたものだと誰も思わない、当り前のこと、こう思つておる。こういうようなことに対しては地財委はどうお考えになりますか。
#49
○政府委員(武岡憲一君) 群馬県の今年の予算でございますが、財政について何か問題があるようなお話でございますが、地方財政委員会としてまだ具体的な実態調査をいたしておりません。
#50
○岩木哲夫君 具体的な実態調査はせないと、しておらんと言われるだろうと私は想像しておつたのですが、それでは甚だ地方財政の監督指導をする役にあるあなたのほうとしては責任を果しておることではない。で、一体知事が、ああしたような費用を新聞記事に現われた分だけでも数百万円に相当しておる、それらはどういう方法で出したのだろうということはすぐ調査しなければならんはずであります。あなたのほうは平衡交付金を大蔵省になんぼ寄こせ、地方財政が窮乏であるから、ああであるとかこうであるとか、随分親切なことをしておるのでありますが、我々もそれをときによつては提灯を持つております。ところがこういつたような事態が起つて、それを包み隠そうということはしないであろうけれども、吹けば傷が出て来るから吹かないということだけであつて、それらの事態に対して一体そういう金は知事の公費のどういう名目から出たかということは、いわゆる食糧増産、土地改良であるとか、道路の補修であるとか、或いは調査費、研究費、その他の面からいろいろ知事が削り取られたと思うのです。群馬県は日本全国でも最も貧乏県として非常に財政上困つておる。県として我々は同情し、これらの県の平衡交付金の要求は全幅の支持をしておる。ところが豈図らんや一般公務員を指揮してその金を支出して、そうして選挙費用に充当し得るということであるならば、随分余裕あるやり繰りのできる実態であつたということは、天下にまざまざその実証を挙げておるのであります。こういつたような工合に、特別職でありながら行政官である、行政公吏である、而もこれが一般公務員を指揮し得る立場であつて財政困難なものからやり繰りして数百万円、これは氷山の一角の突つ先の針の先ぐらいのものが出ているわけであるが、そういつたものに対して地財委が責任調査していないということはおかしいのですが、少々私は時間を貸しますから群馬県なり検察庁に電話をかけて、その金は一体どこから出ているかということを調べて下さい、それは当然調べるべきものでございます。如何ですか。
#51
○政府委員(武岡憲一君) 群馬県の問題につきまして、只今私のところでお答えをするだけの材料がございません。勿論群馬県だけの問題ではございませんで、いずれの県におきましても若し御指摘のような財政運営上非常な不当な点があるということならば、地方財政委員会といたしまして調査の上助言或いは勧告をし、その他適当な措置をとつて参つておるのでありまして、すでに十県ほどについてはその調査も突施いたしております。なおこういつた調査は今後続けて参るのでありまして、いずれ群馬の問題につきましてもそういう調査をいたしまして、結論が出ました場合には申上げたいと思います。
#52
○岩木哲夫君 まだ調査していないとか何とかおつしやいまするが、自分たちの都合のいいことをやつて……、調査以前からちやんと話はわかつている。例えば警察官がどこそこで騒擾事件が起つたといつたら国会で、新聞に出る以上に先から調査しているのであります。今日この来る特別議会においても平衡交付金を殖やさにやならん、明年度の一般国の財政と並行して地方財政のあり方とかその目盛というものをどうすべきかということは、日夜重大な関心事にある地財委が、もうすでに事件が起つてから十日以上も経つているものがまだ調査していないということで、よくもあなたのほうが平衡交付金を殖やしてくれなんという資格がありますね、そんな役所なら潰してしまつたらいいのです、どうですか。そんなことだつたら役所を潰してしまつてあなたがたやめてしまつたらどうですか。
#53
○委員長(西郷吉之助君) 今岡野国務大臣が見えますから……。
#54
○中田吉雄君 岡野国務大臣来ますか。
#55
○委員長(西郷吉之助君) 今鈴木次長が見えましたから……。
#56
○政府委員(武岡憲一君) 群馬県の問題につきまして、地方財政委員会として調査が非常に遅いではないかというようなお叱りでございますが、誠に申訳ございません。できるだけ速かに調査をいたして御返答を申上げるようにいたします。
#57
○岩木哲夫君 今公職選挙法で知事その他の選挙立候補の制限の問題について審議中でありますから、これは今晩かなり遅くまで審議されると思いますから直通電話でもかけて調査なさつて下さい。その回答を私は待つております。重ねて申上げますことは、あの貧乏な、いつも平衡交付金を殖やしてくれと言つて随分陳情のやかましい群馬県が、選挙に知事が一般公務員を教唆してか籠絡してか、権力を持つて命令したか何か知らんが、そういつた金を流用しておる疑いが濃厚であることによつて事件が展開されておるので、それほどの貧乏県が選挙にまで融通し得る金があるということは、切詰めた金以上の金である。叩けば出て来る、絞れば垂れて来る余裕金であります。そういつた余裕金を以て、いわゆるこういう公選に対して資金を活用するというところに、いわゆる如何に特別職であつても公務員的な行政公吏が、一般公務員を指揮して選挙に自由に活動できるということを現わして余りがないと私は見ておる。こういう事態から見て、あなたはこの地方財政のうち知事等が公費を以て一般住民の血税を以て自分の選挙に公然う非公然を通じ、或いは事理が明確であるとも不明確であるともわからんような通常の場合、政策を活用して選挙に利用活用するということがあり得ると私思うております。それは地財委としてはそういうことはないと考えますかどうですか、その辺を伺いたい。
#58
○政府委員(武岡憲一君) 財政運営の上から申しまして、団体が予算を計上し或いは支出をいたします行為が非常に不当であるというようなことは、これ又団体によつてはあると思います。あり得ることだと思います。ただ併しながら、どこの団体がどういう支出をしたつが不当であるのかどうかというのは、実態を調査いたしませんと軽々に私申上げかねるのであります。
#59
○岩木哲夫君 そうすると地財委としては現在こうした府県等の地方公共団体の予算の中にはそういういかがわしいものもあるということはお認めになりますか。
#60
○政府委員(武岡憲一君) 私が申上げましたのは、只今岩木さんが仰せになりましたように、例えば具体的な一つの選挙を目的にしてどういうふうなことをした、こういうふうなことをしたという意味で不当だとか不都合だということを申上げておるのではないのでありまして、地方財政運営上、その地方財政をどういうふうに運営して行くかということにつきまして、他の一般の団体に較べ、或いは又今の地方財政の実態から考えまして、例えば歳出が非常に不当に多いのではないか、いわゆる放漫ではないか、或いは歳入の徴収の確保に関する努力が足りないのではないかという、そういう意味において財政運営が必ずしも適当でないこともあり得ると思うのでありますが、そういうことは具体的に調査をいたしませんと、歳入が十分に確保されておる、或いは歳出が不当に行われたのである、ということを具体的にお答えいたしかねると、かように申上げたのであります。
#61
○岩木哲夫君 それでは非常に具体的に掴まえてお答えができないということでありますが、たびたび繰返しますが、群馬県の事例が新聞紙上にも十日前から出ておる事態、殆んど数回に亘つて新聞に載つておりますが、あなたは新聞を御覧になつて私よく承知しておると思うが、それをまだ調査していないということは私は怠慢に属する、そういう役所なら必要ない、そういう役人ならやめてしまわなければ国家のために損である、私はそういう意見を持つております。それでも調査しないというならば、これは別個の問題としまして、あの貧乏な群馬でもこれほどの費用を活用し得るという状態であるならば、いわんや他の府県においての財政状態においては、場合によつてはどんな金でも流用し得るという融通自在の金が予算に組まれると思われておりますかどうか。
#62
○政府委員(武岡憲一君) これはどうも……、ただ一律に予算の規模が多いからこの団体に余裕が……余裕と申しますか、必要以上の経費が多いかどうかというようなことはこれは一律に申上げかねるのでありまして、やはりその団体としての最低の行政経費というものが、どれぐらいかということについては、それぞれの団体の実情に即して判定して行かなければならんと考えるのであります。
#63
○岩木哲夫君 それから今各府県の調査費、研究費、それからもう一つ食糧費、それから知事等の交際費その他いろいろの名目のものであれやこれやたくさん盛り上げておる予算があるのですが、調査費、研究費というようなものは中央官庁に対比して余計取り過ぎておるということはしばしば地方財政の審議のときにも出ておる点であります。
 それからもう一つは、知事等の交際費が中央の大臣に比べてべら棒に多過ぎるというような問題がたびたび論議となつておるのでありますが、これらに対しましてどういうお考えを今持つておりますか。
#64
○政府委員(武岡憲一君) 地方の予算におきまして知事等が交際費でありまするとか、或いはいろいろな名目で組まれておるいわゆる冗費が多いのではないか、地方財政全体として見まして各団体に相当冗費と考えられるような、いわゆる不必要な経費が入つておるのではないかというようなことは御指摘の通りこれまでも問題になつて参つております。地方財政委員会といたしましてもその点につきましては調査をいたして参つておりますが、勿論交際費或いは食糧費というような経費でございますけれども、これが不当に多きに過ぎる、やはり今の財政状態から見て、地方団体に財政上の冗費、余裕はあるというふうには私共としては考えておらないのでございます。
#65
○岩木哲夫君 それはあなたがたとしては多過ぎるとは考えていないということは、それは口の先では言えますが、およそ常識から判断して、中央官公庁に比べまして食糧費というようなものは中央庁より取つております。各府県とも二、三千万円、多いところは一億数千万円も食糧費に取つておる。これがいわゆる或いは交際費、或いは会議費となつておるのであります。出張旅費は旅費として一人前に取り、その他一応の日常の経費は計上した上に調査研究費というものが盛られ、そうして食糧費が盛られ、そうして知事の交際費というものが厖大に計上されておるということは紛れもない過剰支出、歳出過剰予算の形をとつておるのであります。けれども健全な地方団体の財政をこれがために何らか霑いでも住民のためにあればよいとして、我々は眼をつぶつてこれらの審議をしておるものであります。文言葉が元に返るか知れませんが、群馬県のごときはこうした方面から自分の選挙に公費を活用しておるということでございます。それであなたはこれらは多く見ておらないと言いますが、若し群馬県のような工合にそうした公費から余計取つたといつたような問題が現われたということであるならば、地方財政の支出面には幽霊計上がたくさんある、こういうことに判定せざるを得ないのであります。従つて将来平衡交付金の振当の問題についても必ずや大蔵省から重大なる意見の起つて来ることは私は前の国会以来よく感じておるところであります。これは地財委当局もよく知つておるところであります。そこでああいつた、ないないと言うておる泣きの涙の群馬県の逼迫しておる財政であるのに、なお知事が一般公務員に命令使嗾して、こういつたような金が出し得るという状態を具さに考慮いたしますと、これはなかなか大きな問題である。若しこれが事実そういうことであるならば、いわゆる刑事措置は別個に講ぜられると思いますが、これらに対して将来起るべき財政上の大きな平衡交付金の振当の問題、それから府県財政の支出面の問題、こういつた問題に対しては地財委ではどういう考えを持ちますか。即ち刑事処分のみでそれで事足れりと地財委は思つておるのか、刑事処分以外に財政上の措置をどのように採ろうとしておるのか、それを承わりたい。
#66
○政府委員(武岡憲一君) 地方財政の状況につきましてはかねがねいろいろ御審議を頂いておるのでありますが、毎年度平衡交付金の予算を計上いたします際に御承知のようにこれまでもう殆んで毎回に亘りまして大蔵省と地財委の間に意見の相違を来たして参つておつたのであります。それらの内容の細かい点につきましてはすでに御承知の通りでありますから省略いたしますが、要するに問題の要点となりましたのは、地方にまだ節約し得る余地があるのか、つまり冗費があるのか、余裕があるのかどうかという点が結局においては両方の意見の分れるところであつたように考えるのであります。私共といたしましては地方にはまあさような余裕はない。従来いつばいの運営をやり、むしろ非常に圧縮されておるのである。こういう主張をし、それに関するいろいろな資料を発表して参つたのであります。で、先程も申上げましたように、さような意味合からいたしまして、地方財政委員会といたしましても各地方団体にいわゆる交際費とか、食糧費とか、先程御指摘になりましたような、なくてもよいというような経費が一体そんなに多く入つておるのかどうかということも仔細に調べて見たわけでありますが、無論そういう名月の経費はございますが、今の財政の規模からいたしまして不当に大き過ぎる、財政の運営が甚だしく余裕があり過ぎるというようには考えておらない、そうではないというような結論に只今のところ達しておるのでございます。
 で重ねて群馬県の問題についてのお尋ねでございますが、甚だ申訳ありませんが、群馬県の実情につきまして私共も新聞の情報以上に、地財委として調べた結果、かくかくという資料を申上げることのできないのは申訳がございませんが、勿論それらについては速急に調べたのでありますが、若しその結果噂のありますような非常に不当な財政支出が行われるというようなことでございますれば、今後のそれらの団体を含めました地方団体の地方財政の運営につきましては私共としても相当に検討して参らなければならないと思うのであります。若し非常に無駄な、法令に違反するような放漫な財政支出をやつておるというようなことがございますれば、地方財政法によります制裁規定等もございますので、実態を調査いたしました上で、若しそうした事実が判明いたしました場合には、地財委といたしましては法規によつて採り得る適当な措置を採ることにいたしたい、かように考えております。
#67
○中田吉雄君 ちよつと武岡さんにくどいようですが、地方財政委員会の規則ですか、不当支出をすれば勧告するようなことがあるということでありますれば、さきに申しましたように鳥取県は僅かに教員の数が多いというので、金子課長がお出でになつて、これは知事や議長を呼んで、首を切らんと平衡交付金もやらないというようなきつい言明があつたのですが、とにかく十億も二十何億も……大阪などは二十何億も、十数億の単独経費がなされておるのに、どうも我々としては腑に落ちないと思うが、一つこれは今日ではできないと思いますが、よくそういう勧告や御指導も結構ですが、この機会に一つ公平にお願いいたしておきます。岡野大臣がお出でになつておりますので、質問して結構ですか。
#68
○委員長(西郷吉之助君) どうぞ。
#69
○中田吉雄君 御病気だつたそうでして病後の療養も大切だと思いますので大変恐縮ですが、私は局長や次官、知事だけを責めることはできないと思つて、日本全体の禍根であると、現在の状態はそういう点も非常に多いと思うわけであります。そこで私お伺いいたしたい点は、私も若干体験を持つておるのですが、占領下に地方公共団体の長や議長が置かれた悲しい地位というものが非常に私はその腐敗対象が一般化してこれは非常に重大な問題になつておる。これは例えば中国にいたしましても対華援助費の、アメリカの対華白書によると七千二百億の対華援助費のうち数百億というものが腐敗現象に使われておる。更にフイリピンでも二十億ドル、七千二百億の対比援助のうちベル・リポーツによつても約その四分の一がフィリピンの高等弁務官、或いはフィリピンの高級官僚によつて分けられて、草や木まで賄賂をとるというまで腐敗現象が一般化しておる。そういうことが私は地方公共団体にも全体的に瀰漫している。例えばここで速記録につけてもらつていいかどうか知りませんが、県知事なんかが軍政隊長の人事の容喙に対してそれを聞かんと非常な譴責を受ける、課長なんかすぐ転職させるというようなことで、そういうことを宥めるために多額の費用が使われてしまつている。例えば私の体験でも中国の民事部長は、知事や議長が、交際費を以て、而もそれは占領軍を接待するということになつて、これは占領軍に対する侮辱だから全部交際費は切つてくれという要求が出た。そうして我々としても急遽そういうふうにして……。ところが鳥取県に隊長が来まして、簡単な三百円か四百円くらいの接待をした。ところが甚だ逆鱗に触れまして、これから皆生温泉に招待をする、夜汽車の中に泊るから、接客も含めて女を七人世話しろという、東京でしたら女もたくさんおるのですが、地方では我々非常に苦労をいたしました。この日本の中央、地方を通じての腐敗現象は、私はやはりフィリピンや中国なんかと同じ大きな問題があると思うのですが、そういうことについて岡野国務大臣はどういうふうに理解されておるか、私はこういう問題こそ日本の運命に関する重大な問題である。そういう一般的な占領下六年の現象というものがごの知事選挙なんかに対して非常に無責任な放出をさせる、そういう気持を生んだ大きな原因じやないか、私も地方財政が非常に苦しいので、そういうことはできるだけ援護せねばならんと思うのですが、そういうことについて岡野国務大臣はそういうことは年と共に改つて行きつつあるというふうにお考えでありますか、その点をお伺いしたい。
#70
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。お説のごとく日本が敗戦直後占領軍が日本へ入つて来まして、天皇以上の権力を振つたという場合におきまして、日本人が非常に落胆し、同時に虚脱状態になつて私が考えます点におきましても、少し民族の自信を失つたんじやないかと、こういうような感じも私持つておりました。併しながらこれだけの大敗戦を食つた。又そういう経験のなかつた国民が大敗戦を食つたというので、その当時そういうふうに失神状態に陥るということも又止むを得ないことと思います。併しながら私の見方といたしましては、今お説のような進駐軍に対して或る程度の饗応もし、又いろいろ意を迎えるというような態度をとつて、これはいいこととは申しませんけれども、できるだけ自分自身の職責を尽す意味において、又間接には、私は悪い意味ではありません、日本政局を担当しておる知事とか市町村長というものが何とかして自分たちの行政をよくして行こうというような意味から「手段を誤つて進駐軍に対してそういうようなことを言うようにも払は解せられる事件がなかつたというわけでもありません。こう考えますが、併しながらこの平和条約というものが国民の頭の中に入り、早く独立したいという大多数の国民の希望がだんだんと進んで参りましてからと申しますものは、やはりこれは反動と申しますか、今まで失神状態になつておるのが少しずつ目覚めて来て自信をとり返して来つつある、こういう方向に私は日本の国民はなりつつあると思います。特に只今中田さんがお説のようにそういうことが誠に忌々しいことであるというようなお言葉が出ますことは、私たちもそういうことを出したいと思いますけれども、少くとも中田さんが八千四百万分の一の日本の国民であらせられても、一人でもそういうような気分に、非常に反省を持つてこれからの行政をよくして行きたい、こういう思召しが出て来ておるということは、これは日本の国民にとつて非常にありがたいことでありまして、私は大体において敗戦直後における失神状態はすでに去り、同時に独立して諸外国と対等の立場に立つて行ける関係になつた、なりつつある、こういうような自覚が国民の大多数に私は出て来ましたものですから、そういうことについて反省をし、同時にますます元のいい日本の国民になつて行きつつあると私は感じております。
 それから只今仰せになりました地方公共団体の浪費とか何とかいうことも一時はそういう噂がときどき出たこともありますけれども、地方財政委員会でよく調べてみますと、それほど国民の血税を知事若しくは市町村長あたりが浪費しておつたという証拠はまだ出ておりません。けれども併し何と申しましても元と違いまして、各地方公共団体独自の立場でいろいろ財政の切盛りをしておるときでございますから、我々からみますというと、少し行き過ぎじやないかという点もないじやないように思いますから、今後は十分そういう点は地方財政委員会のほうでよく監査をいたしまして、できるだけ国民の税金を正当な行政に使われるようにさして行きたい、このように指導を図つて行きたいと、こう私は考えております。
#71
○中田吉雄君 岡野大臣にお伺いいたしますが、地方自治庁の所管の大臣ということでなしに、国務大臣としてお尋ねいたしますが、公職選挙法の改正法案を通じての我々の一貫した立場は、できるだけ制限なしに自由な立場で競争して、そうして激しい新旧の交流ができて、国民の付託に応えるものが登場できる、そういう一貫した立場を持つてこの公職選挙法と改正法案と対決して来たわけであります。お伺いいたしますが、人事院規則の第十四条から十七条までですか、政治的な行為につきまして制限規定があるわけであります。我々はこの規定が実際正しく適用されて、この規定に反するものに処罰規定が準用されて政治的な行為が防げているならば異論はないのですが、岡野国務大臣は……現在解散が追つたというのでいろいろな運動が起きていると思いますが、国家公務員が人事院規則に反して選挙活動を応援するような政治的な行為を、人事院規則によつて禁止されている行動を現にとつているというような風評なり、そういうことはないと思われますか、そういう点についてお伺いいたします。
#72
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。人事院規則に出ておりますように国家公務員と申しますのは政治活動をしてはならん。まあその他いろいろ制限規定がございます。そういう点において、大部分といたしましてはこれは十分守つて頂いていると思います。併しながらたくさんの官公吏の中でございますから、ときにはそれに対して違反をするというような人もないとは限りませんが、又ときどき各種の選挙におきましてそういうような例もございます。併しながら何と申しましてもたくさんの官公吏の中で、そのうちにはいろいろの誤解もありましようし、訓練も足りませんでしようし、過誤を犯す点もあろうと思いますけれども、併し私が見ておりますところの過去の各種の選挙によりまするというと、だんだんとそれは改善しつつあるという感じを私は持つておる次第であります。
#73
○中田吉雄君 たくさんの中だからあるかも知れんがというようなことですが、どうですかその辺は……。
#74
○国務大臣(岡野清豪君) 全然、絶対にないとは私は言い切れません。
#75
○中田吉雄君 現在私はここで名前を挙げませんが、随所に国家公務員の高級官吏の諸君が非常に出ている、それぞれ繋つている、特に自由党の応援を至るところでやつているんです。例えば労働基準局長が地方の或る職業安定所なりに来て、そうしてどの候補が立つているからそれをやつてくれ、そうすると老廃した職業安定所の建物は今度考える、というようなことは至るところで現在行われている、我々はこういう規定が非常に正しく適用されないことを非常に遺憾に思つて、そして進歩の担い手を以つて任じている我々の党だけの、非常に下の職員なんかの政治活動だけ厳しくやつて、例えば鳥取県に例を取つて見ても、もうそれぞれ中央なりそれぞれにある中央の出先官庁の局長や部長が来て、そういうことはどの県でもやつて、そしてそれぞれの県庁の所管課と打合せをして非常な選挙運動をやつているわけなんです。そういうことの実際の例は岡野国務大臣には入つていませんですか、お伺いいたします。
#76
○国務大臣(岡野清豪君) 私も余り詳しいことは知りませんけれども、併し新聞なんかによりますと、そういうことがときどきあるということは承知しております。併しながらまあ私の極く率直なることを申上げますれば、日本はもとやはり選挙制度が昭和の初期でございましたか、こういう時代に非常な激烈な競争をした、こういうような歴史がありまして、そうして国民の風習というものがやはり一遍戦争に負けてすつかりと民主主義になつたと、こういうふうに切替えられたつもりで我我はおりますけれども、併し国民の脳裡に残つておりますところの選挙というものに対しては、やはりまだ古い頭が残つておつて、昔の腐敗した選挙の仕方というようなものがときどき現われて来るのじやないかと思います。これはやはり国民のカルチュアの問題でありますから、そう一時に改正することはできません。併しお互いにそういう点において指導的の立場にいる者が、よく国民を率いて行きまして、そういうことの誤ちをだんだん少くして行くという方向に進めて行かなければならんし、又進んで行くべきものだとこう考えております。
#77
○中田吉雄君 私もやはりできるだけいろいろ容赦せずに、そういう公共団体の市長や議員を選んで県費や村費を濫費されたらその被害を住民が受けて、非常に高い授業料を払つて次の選挙にというふうに行くことを願つているわけなんです。更に先般のアメリカの大統領候補の指名を見ても、有力な候補は殆んど全部州の知事だというふうなことから、私はこの辺から日本の再建を担う有力な一つのトレーニングの場所として非常な期待を持ち、できるだけ私はそういう人の良心的な行動と自由な活動に期待したいわけなんです。併し今のようなことが行われていますと、何らかの方法によつて私は憲法の条章に触れない限度で何らかの措置をとらんと、ああいうことだから濫費されるというので、公選制廃止の問題が起きやしないか、むしろ任命制がいいじやないかということになつてしまいわしないかということをまあ私は憂慮して、そういう立場を取りまして、できるだけそういう濫費をせずにやつて行きたいというふうに思うのですが、現在地方自治法には監査制度もあり、会計検査院もありながら、かなりの私はやつぱり全体の経費については非常に緊縮されているが、そういう面では相当な私はまあロスもあるのじやないかと思うわけなんですが、そこで国家公務員がそういう政治的な行為をやつて人事院規則に反していますが、そういうものについて我々がどんどん通告をいたしますと直ちに処分いたしますか。
#78
○国務大臣(岡野清豪君) もう一度、最後の御質問がよくわからなかつたのですが……。
#79
○中田吉雄君 先ほど人事院規則の十四条から十七条までの政治的な行為を禁止されている規定がある、そういうことが随所にかなり広汎に行われている、そういうことですが、政府はこれまでそういう規則に反したものを罰せられている例があるかどうか。更に我我がそういうことをどんどん通知しますれば、直ちに調査して適当な措置をとられるか。
#80
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。実はその選挙の取締りとか、それを処罰するとかいうことは私の所管でございませんですから、詳しいことはよく存じません。併しながらこれは中田さんとやはり憂いを同じくするものでございまして、我々といたしましては、できるだけ法に違反した行為がある人は、司直の手によつてどんどんこれを挙げて、どんどんこれを処分し、同時に又司直の手によらなくても先ほど仰せになつたように財政を紊乱するとか、いろいろなことをやるということがあれば、無論これを地方財政委員会なり、自治庁なりが十分監視の眼を届かしまして、そうして善後処置をしたい、こう私は考えております。
#81
○中田吉雄君 鈴木次長にお尋ねいたしますが、地方公務員法の三十六条には、政治的行為の制限規定がありまして、我々はまあこの条項に対して非常に反対したわけなんです。やはり国家公務員であろうが、地方公務員であろうが、自分の職務以外に自由奔放に活動をして、日本の運命の転換期に際してはそれぞれの政治活動をして、自分の意思をはつきりするという立場から、我々はこの三十六条に地方行政委員会の審議の際に強く反対したのですが、現在この規定が、この法律が通つているのですが、鈴木次長にそこでお伺いいたしますが、現在或いは知事選挙等の体験を通じて、或いは来るべき総選挙に対してその準備行動として、我々から見ると三十六条に違反するようなこの地方公務員の政治活動がなされていると思いますが、次長はそういうことはないと思われますかどうですか、その点を一つ。
#82
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公務員の選挙に関する活動が地方公務員法第三十六条に規定をいたします政治的行為の制限に違反しているかどうかということについてのお尋ねでございますが、これは三十六条の制限をいたしておりまする事項は目的と行為と両面から、果してそれが政治的行為であるかどうかということを明らかに定めているわけでありまして、さような事実に合致しておりますということが明確にわかつておりまするような事例は私ども余り聞いていないのであります。いろいろと風説、風評はございましようけれども、具体的に誰がどういう場合に、どういう選挙運動を行なつて、それが具体的にどれに違反しているかというような具体的な話につきましては審らかにいたしておりません。併しこれはいずれにいたしましても各任命権者の処置をいたす問題でありまするし、又それぞれの人事委員会におきましてさような事態につきましての必要な助言勧告というようなことによつて処置されるわけでありまして、一般的にどういうような動きになつておりますかということにつきましては、我々も関心を持つておりますけれども、具体的な問題について如何ようにするかということはそれぞれのまあ団体の当該責任機関のほうになるというわけであります。
#83
○中田吉雄君 やはり鈴木さんは知事側に非常に評判がいいほどあつて、非常に弁護されますが、私はそういうことは本当に知事を大切にし、地方公共団体を育成強化し、日本再建の基盤として育て上げるという立場から忠実だかどうかは問題だと思うのです。それと共にそういう風評はあるが、実際は知らないというようなことでは聰明な内務省から生え抜きのこの方面の練達な鈴木さんとしては甚だ私は腑に落ちない。どうなんです。現在こういうふうに地方ではなつているのです。例えば旧内務省系の追放解除者が立つた場合は総務部が全部支持する、或いは建設省関係なんかが立つと土木部がやる、労働省関係の人がやれば労働厚生部がやる、文部省関係が出ると教育委員会がやるというふうに全部もう紐が付いて、こんなことはもう底抜けなんです。我々としては実際この法律に非常に反対した。こういう規定、実際にできもしない法律を作つて法律に対する権威を失わせるというような意味から言つても非常に反対なんですが、現情はそういうふうになつているのです。そういうことを知らないということはないと思うのですが、鈴木さんどうですか、その辺。(笑声)
#84
○政府委員(鈴木俊一君) 中田委員も御承知のごとくこの地方公務員法の三十六条の規定と国家公務員法の政治的行為の制限に関しまする規定との間におきましては、その違反をいたしました場合の措置におきまして、一方は体刑刑罰を以て臨んでおるのに反しまして、地方公務員の場合におきましては、これは行政上の懲戒処分を以てこれに当るというようなことに相成つておりまするし、又国会の御修正によりまして、この第三者が職員に対して働きかけました場合におきましては、これを刑罰を以て処するような建前になつておりました。政府原案はこれを修正をせられまして、さようなことは必要ない、こういうようなことで第三者の働きかけの場合は単なる精神的な規定と相成つておるわけであります、かような考え方は国会のほうのお考えといたしましては、政治的行為の制限に対して余り強い制限を加えることは適当でない、こういうようなお考えからの修正であつたように考えておるわけでございまして、地方公務員法の立案の趣旨並びに運用の方法につきましてもさような考え方で行われておるわけでございます。
#85
○岩木哲夫君 岡野国務大臣御病後中甚だ恐縮ですが、二、三ちよつとお尋ねしたいのです。私たちは今度の公職選挙法に関連して国家公務員の場合と地方公務員の場合とにつきまして多少論拠が違うのでありますが、いずれの場合においてもそれぞれの任期中に例えば知事であるならば、四年間の任期というものを、住民の投票で決定された四年間は知事としての、地方行政官吏としての役目が法律上宿命付けられておる、決定付けられておる。この任期中にこうした公務員がその任を放つてそうしてその任期中に有形無形の武器を活用してそれに便乗をして、それに籍口をしてそれらの地方の一般公務員を指揮して或いは駆使して、そして直接間接の次の何らかの選挙の行われる事前運動を行うということは、いわゆる公共の福祉に相反するものであるという見方に立つて、これらのものがその地方公務員としての任地、当該府県の任地において、任地以外の所は別物であります。任地においていわゆる任期中の職責を果さず、中途で辞めて立候補するということは公共の福祉に相反しているという観点から、それらの公務員が任期中の権力、権能すべての勢力の余燼がまだ冷めない六カ月間ぐらいのものは立候補できない、六カ月以後はもとよりやれる、或いはその当該任地以外の所は自由であるというような観点に立つて立候補制限すべきが公共の福祉上妥当なりとの観点に立つておりますが、岡野国務大臣はこれに対してどういう御意見をお持ちでございますか、お伺いいたしたい。
#86
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。只今のお説によりますと仮に或る県知事がいろいろの問題の調整を行います点において、あちらこちらと活動する点を選挙の事前運動と解しての私は前提において御議論が出たのではないかと存じます。そういたしますと私どもといたしましては、知事が毎日毎日自分の職責を忠実に尽すために各方面にいろいろな活動をしておるということをこれを選挙の事前運動であるということには私はちよつと考えかねると思います。この意味におきまして、知事がいろいろその管下のいわゆる自分自身の受持つておるところの管轄区内の住民の福祉を増進するために行政に非常に熱心に働いておつたということがあつて、それが次の選挙若しくは代議士に出る選挙なんかのときに役に立つということは、これは自然の道理であつて、何も責めるべき筋合のものではないと思います。私はその意味におきまして六カ月の間これをとめておくということは少し異論を持つておる次第でございます。
#87
○岩木哲夫君 大臣は私が申上げたことが常日頃の行政上の行動がすべて次の選挙の事前運動だということを基本的に考えて即ちそれを前提としてのお考えに立つならばということでありますが、私はこの点はくどく申上げてあります通り全部そうとは申しておるのではありません。知事がいろいろやつておる中には権力、それから地位、役所の組織、役所の人間、住民の公費、こうしたものを直接又は間接に次の選挙に利用、便乗、活用し得るような解釈の行為がしばしばある。殆んど次の何らかの選挙に出るといつた場合には、特にこういう行政官吏が地方の公務員がそういつたようなことをやつておるということは、的確に誰も今証拠を具体的に資料として取上げてはおりませんけれども、一般はこれは常識としてそういうことは多く見ておるのであります。そこで知事がそういう権力であるとか、地位であるとか、役所の組織であるとか、自分の下僚を使つて、そうして住民の公費を以て次の何らかのもくろむ選挙にこれらを悪用、利用、活用、便乗しつつあるということは蔽うべくもない私は実際の問題といたしておるのであります。であるから、それが全部、全部とは私は申しておらないが、そういう虞れがしばしばあるのであります。でありますから、こういつたような虞れのある、危険のあるようなものには、これを未然に防止する制度、法律を設けるのがこれ即ち公共の福祉を守るゆえんであります。よつて私は的確に挙つたとか挙がるとかいう問題を今取上げておるのではないが、こんな事例は枚挙に遑がない。四六時中常に展開されておることであるから、そういう間違つたことが起つてはいけないから、事前にこれを防止する法律を作るということはこれは当然でありまして、例えば人が泥棒をしたからそれぞれの制裁を、みんな国民が泥棒だとは誰も思わないけれども、泥棒をした場合にはそれぞれの刑罰規定を設ける。こうしたことをする虞れがあるという場合には常に未然に防止の条項を挙げておくということは法律の目的でもあるし、これが公共の福祉を基盤とした考え方であります。よつて私は全部の知事がやつておるというわけではありませんけれども、常にこういつた虞れと危険が四六時中展開されておりまするから、そういつた危険を防止する意味合で、私が申上げましたような一定期限、而も長期に亘るようなことでなく、一定期間に亘つて、これらの知事が権能とか公費とかいうものを活用して次の選挙行為を事前に仕組むようなことを防止するようにやるということが政治の公明でなければならないと思いまするが故に、この際こういつたことも考え方としてはあるということを公職選挙法に関連して意見を包蔵しております。でありますから、今大臣が知事の行為、行動がすべて事前運動という前提の場合を私は申しておるわけではないのでありましてそういう意味合から見て大臣は率直に一つ御返答願いたい。
#88
○国務大臣(岡野清豪君) これは一種の御見解と存じますが、私の見解とは違います、と申しますことは、若しそういう御懸念がありますれば、その知事が再選をするときにはやはり一年か二年か置いて、そしてその知事がもう一度知事に出るということも制限しなければならないということも出て来るのじやないかと思います。でございますから、私は事前運動というようには見ない、これは見解の相違でございますから悪しからず御了承願いたいと存じますが、いろいろやつおるうちにはそういう人があるかも知れませんが、私は知事がいろいろの活動をしておることは常に住民の福祉のために当選せられた責任者の知事が行政に非常に熱心に活動しておる、こう私は見たいのであります。
#89
○岩木哲夫君 大臣は見解が別にあるからということでありますが、それを見解が違うんだからということに頭ごなしにせずと、私が先ほど来申上げました通り、その任期中においてまだ四カ年の任期が残つておる、それを三年とか三年とかいう時にこれをやめて他の議員に立候補するという単純なる……、又これも見方によりますが、そういつた場合には公選知事としての、而も行政官吏としての、地方公務員としての場合には正しい行動であるかどうかについてはどういうふうに考えておりますか。
#90
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。四年間の任期を以てそして知事になつておる。併しながら途中で衆議院議員に立候補するかどうかというようなことは、これは私は原則といたしましてその知事は地方行政に対する熱意を欠いているものと認めていいと思います。
#91
○岩木哲夫君 それは熱意を持つておるとか欠いておるとかいう問題ではありません。それは四カ年の任期というものが法律上きまつて、その法律を基盤として選挙を住民が投票しておるのであります。ですから四カ年の任期というのは、法律上リコールをされない限りは遂行すべき法律を守らなければならない。その法律をみずから潰して行くということが正しいと思われるような解釈をされることはちよつと私は合点が行かない。如何でしようか。
#92
○国務大臣(岡野清豪君) 私の見解といたしましては、先ず国民の権利といたしまして公選知事になる権利もありますし、又衆議院議員になる権利もございます。でありますから、自分自身が知事が最も自分の職責を尽す意味において自分は適格性を持つておるものであるから地方行政のために尽そうという考えの下に出てみましたが、併し出てみますというと、二年ほどたつてみましたが、やはり地方行政には自分は不向きである。むしろ衆議院議員にでもなつて大きく国政を取上げたほうが自分には適格性を持つておると、こう自覚したときには、私は職業の自由が許されておるわけでありますから、又一旦四年の任期を以て当選した者は絶対に四年間、病気で倒れるか、死ぬか以外にやめられないという拘束規定でもあればとにかく、自由自在に自由意思によつてなることができると思います。
#93
○岩木哲夫君 四カ年の任期中やめる意思があつたらそれはそれでよし、又知事は地方公務員としてはどうも不適格だから国会議員に出てみたいということも自由である、こういつたようなことであるならば、私は地方の住民に向つて四カ年を約束して知事選挙に乗り出したということは欺瞞であつて、法律違反であると思う。やはり四カ年の任期を完了すべき法律を根拠として立候補し当選を期しておる者が、俺は任期は四年だが二年でやめるのだという知事は当選させない。若しそういうことを肚の底に持つていわゆる選挙場裡に臨むということは、いわゆる法律違反をいたしておるということであります。であるから、四カ年の任期というものがあるのにかかわらず、途中で不徳だからどうも国会議員に出たいというようなことは、もうそれはあとの政治問題としては、或いは個人の考え方としては認められても、法律上地方公務員としては違反行為であります。違反行為を大臣が認めるかのような印象を天下に言われるということは私は由々しいことである。それが即ち公共の福祉に相反するゆえんであると私は再三申上げておる。これは公共の福祉に相反する、憲法違反であります。(「怪しからん」と呼ぶ者あり)だから任期中にやめて他の国会議員に出るということが自由だというならば、地方住民を地方の選挙のときに欺瞞したということである。欺瞞してもかまわんのだ、出てから後の都合によつては何になろうと自由であるというようなことを、いやしくもこの立法府は認めるわけには行かない、又そういう自治庁長官があるということは私は由々しきことだと思いますから、何らか御訂正の言葉があるだろうと思いますが、如何でございましよう。(「それは駄目だよ、それは」と呼ぶ者あり)
#94
○国務大臣(岡野清豪君) 言葉が足らんで誤解を起すかも知れませんけれども、併し知事が初めから二年間やつて、そうしてやめて行こうというようなことは精神的、道義的には非常に悪いことでございましよう。併し途中で自分がどうもその任に堪えない、そういうことでやめる。併し自分は国会議員には最も適任だと自分で考える。これをすることがどうも法律違反だということには、ちよつと私受取りかねますが、よく考えて見ましよう。
#95
○中田吉雄君 最近私初めて、この昭和二十四年九月十九日に人事院から出た人事院規則一四の七ですか、この政治的行為に関することが公然と行われておるということを初めて知つたのです。具体的な例はこうなんです。私の京都大学の友達が四国の或る部長になつた。それが本省に呼ばれて、君の県でこういうその省に繋がるかたが議員に出るから一つ是非やつてくれ、まあ一つ補助は考える。こういうような二とが各省でかなり広汎に、外郭団体その他に繋がる人が立候補する場合には行われていることを聞いて、私も初めて現行犯をそれによつてつかまえたのですが、そこでです、そういうことが公然と行われているわけなんですが、岡野国務大臣とされては、やはりこの人事院規則を生かして、法の権威を守るという立場からして、閣議でもそういうことのないように議題にされるとか、或いは人事院と相談されて実際この法の適用を厳密にやる、そういうことを吉田内閣の綱紀粛正の一端として取上げられる意思はないか、若しそういうことをやらんのならば、こういう規則は廃止するように、(「怪しからん」と呼ぶ者あり)実際内閣として取上げられるような御意思はないか。いろいろな制限措置を考えるとすれば、現行法の最小限度の改正をするということが非常に必要じやないか。そこでやはり内閣として人事院規則の政治的な行為を制限されたことを固く守るというような吉田内閣の来たるべき総選挙に臨む一つの、何と申しますか、御意思はないか。若しそういうことをされんのなら、こういうことを廃止して自由にやらせるふうにしたほうがいいのじやないかと思いますが、それに対する御見解を伺いたい。
#96
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。無論我々といたしましては、法に規定されておりますところの条項は十分これを執行し、同時に遺憾ないことにやつて行きたい、こう考えます。又来たる総選挙におきまして、その規則がある以上はこれを十分励行いたしまして、そうしてその違反が一つもないという、こういうふうにやつて行きたいということは無論努力したいと思います。
#97
○中田吉雄君 その部長が私のクラス・メートの部長で、実際良心を以てやりますといつて、補助金をもらわなくちやならん、やりますといつて帰るが、それは私の同僚でありますから、進歩的な立場をとつておるわけであります。甚だ困るから、こういうことを頻りに一つやつてもらつてくれということを言つて来ておる、こういうことは各省ある、私はまだ二、三ほかの省のも知つております。これは皆県庁の役人が上京して来るたびにそれぞれ呼ばれて、こういうのが立つから一つあと考えるというようなことで、皆紐が付けられておる。又一方そんならやりますといつてどれだけやれるか、これは無記名投票ですから、そういうようなことになつて非常にこの法の権威が失われて、遂に日本全体が悲しむべき運命を迫るのではないか。こういう問題に対して私は厳粛な立場でやつぱり対決する必要があると思うのですが、一つ是非、只今岡野大臣は是非そういうふうにいたしたいということですが、私は閣議でも取上げて頂いて人事院規則の厳密な適用を一つして頂くようにお願いして、又御病気があれしてはいけませんので、岡野国務大臣にはこの程度で……。
#98
○原虎一君 委員長にこれはお伺いしておきたいと思いますが、私が持つておるのは七月十日の朝日新聞でありますが、これによりますと、「知事、副知事らの立候補を制限しようとすることについては、全国知事会では安井東京都知事らが中心となつて参議院各派の関係議員に、これをとりやめるよう陳情を続けて来たが、その効果はなく、選挙法を修正して国会議員選挙への立候補を制限しようとの意向が非常に強くなつて来たので、」、これからが問題なんですが、「九日一、知事などに対する立候補制限は憲法違反である。一、このような修正は、次の衆議院議員選挙、参議院議員選挙などに現議員を有利にしようとする選挙対策である。この反対意見書を国会、全国選挙管理委員会を初め関係各方面に提出した。」、この二番目のほうの「現議員を有利にしようとする選挙対策である。」という決定をいたしまして、その決議案を持つておりますが、私どものほうへは決議を送つて来ただけであります。併し委員長の手許へ来て、このことを明らかにして委員長に取消しを要求されたのであるか、そういう修正をしないようにということを陳情されたのであるかどうか。若しそういう陳情があるとすれば、委員長としてはこれを如何なる処置をとられたのであるか。私の問題とするところはいわゆる我々が「現議員を有利にしようとする選挙対策である。」というこの言葉に対して、委員長は如何なる態度をとられたか。決議案を送つて来たものに対しては送つて来たものとしての、私どもは現議員としてのこれに対する態度をとればいいと思いますが、その点を一つ。
#99
○委員長(西郷吉之助君) 原君も御存じの通り、七月三日付全国知事会、市長会からの知事、市長等の国会議員立候補制限に対する反対意見というのが国会に来ておりまするが、それと別に参議院の、いつだか忘れましたが、参議院の副議長室で福井県の小幡知事、それから冨山県の知事、それから愛媛県の知事、その三人が会いたいということで参議院の副議長霊で陳情を受けました。そのときは口頭で、知事の立候補制限は困るということを口頭で伺いました。そのときには署名をもらつておりません。それに対しまして、私は皆さんのその三人の知事の意見を聞いたのにとどまりまして、これはまだ審議を開始しておらんときでありましたので、まだ審議を開始しておらんということだけを言つておきました。
#100
○原虎一君 そういたしますと、そのときにはすでに七月三日付の全国知事会議の決議というものは委員長の手許へ届いておつたでありましようか。それは届いておるから、その決議に基いて参議院の行動をとられたということでありますならば、明らかに参議院議員なり、衆議院議員なり、次の衆議院の選挙、参議院選挙を現議員が有利にしようとする意図を有するということが明確になるわけですね。明確にその理由の下に反対された。
#101
○委員長(西郷吉之助君) そういう意見はその際には伺いませんでした。ただ国家公務員と一緒に知事の職にある者も制限されるということは何か侮辱を受けるような気がするのだというようなことをその際述べておられました。
#102
○原虎一君 私のお伺いしたい点は、その代表が県知事の全国知事会の代表者として見えたようでありますが、そうすれば、その決議がすでに委員長の手許に届いておつたかどうかという問題をお聞きしたいのであります。
#103
○委員長(西郷吉之助君) さあ、その会いました時期にそういう書類が来ておつたかどうか、はつきり覚えておりませんが、この三日付の書類をいつ受取りましたか、よく覚えておりませんが、来ておる書類は三日付であります。
#104
○原虎一君 それでは一つ。この問題は会期があと一日しかありませんから、本日中にでも解決を、如何なる方法かでも解決を付けなければならんと思うのでありますが、私の希望いたす点は、知事がかくのごとき意図を以て我々が提案したということでありますならば、これは知事代表者を証人に呼んで相当に究明する必要があろうと思うのです。この点を委員長は然るべくお取計らい願いたいと思うのであります。
 それから次に岡野大臣にお伺いいたす点は、先ほど中田委員から、現に起つている問題を、名前を言わんだけで挙げられて、或る省の局長でありますが、それが地方の公務員か、地方の国家公務員かは知りませんが、それを呼付けて、いわゆる公務員法に違反して行為を職権を利用して言い付けている事実がこの委員会において正式に言われたのであります。これに対しての岡野大臣の御答弁は誠にあいまいであります。正式な、而も速記が付いております公式な機関で、こういう違反が明らかに言われた以上は、それを大臣として、それを厳重に取調べるのは大臣としての責任じやないか。この点について私は中田委員もそれを正式な、公式な席上で言われた以上「あいまいにさるべき問題ではありませんし、大臣もそれを事実あるかないかを取調べることは、大臣の責任上なさるべきじやないか。それを先ほどの御答弁では、私どもは誠に大臣として責任のある御答弁とはとれないのです。ただ問題は、私は質問した中田君の問題ではもうないと思う。我々耳にした以上は、そういう事実があればその事実を十分に取調べられ、中田君に対してもその十分なる証拠を提出要求されて、その法律違反をやつている役人を取調べるのが当然である。そういうことを我々は聞き捨てにできないのです。罪人がおるということを、それを委員会に公に出た以上、それを我々は見逃しできません。これを取締ることを私どもは希望する。
#105
○国務大臣(岡野清豪君) 先ほど中田さんから非常なあれがありまして、お名前をお挙げにならなかつたようであります。併しながら、それはそれぞれの任命権者が十分取調べて、そして若し法に違反しておりますならば適当な措置をとるのが筋合であろうと思います。でありますから、あとで中田さんにちよつとお名前も伺いまして、そしてその任命権者は誰であるかということも調べまして、そして所管大臣と相談いたしまして、善後の措置をとりたいと思います。
#106
○中田吉雄君 私も連絡もいたしますし、一つ是非人事院規則を厳密に適用するように、もういろいろな法律を、作つて間もないようなものをたくさん作つた。実際法の権威をオーソリティを失わせるものだと思うのです。是非このたびは吉田内閣におかれても人事院規則の政治的な行為を是非厳密に一つ適用してもらいたいと思うわけであります。我々としても、例えばイギリスなんかにおきまして、国会議員の年次的な変遷を見てみると、例えば労働党なんかにおきましては、最初には労働組合の組織の代表がたくさん出ている。それからだんだん発展して、今度は大学教授その他のインテリゲンチヤが非常にたくさん出て、そうして最近では、地方の議会や地方の市長をやつた人が、本当に実戦で叩き上げたような人が非常に多くなつて、国政と地方政が結び付いて行くというような形で、非常な議員の構成内容が変化して来ている。そういう意味において、我我もできるだけ門戸を開放して、そうして自由な競争によつて適法の範囲内の競争でやつたほうがいいと思うのですが、そういう私は基本的の立場に立つておるわけです。
 そこで鈴木次長にお伺いいたしますが、県知事なんかが知事の任期が満了しまして、更に立候補する場合、或いは国会議員、或いは市長等に変るような場合に、いろいろな県費を使つてのことがあると思うのですが、そういうことについてまあ現在放任しておいてもいい。むしろ自由な住民の批判なり、リコール制があるのだから、そういう規定で行けばいいというお考えですか。
#107
○政府委員(鈴木俊一君) 只今の地方の知事、市町村長或いは地方議会の議員等の任期を以て選挙せられて一定の公職にあります者が、他の種類の選挙に立候補するというような場合におきまして、何らか公費を選挙運動に使うというようなことがあつたらどうするか、住民の批判に任せるままに放任しておくか、何か法的な措置を講ずるかというようなお話でありますが、これは刑法上の問題に触れますものは、これは当然処置せられるべきものと考えますけれども、それらの関係が明確でないようなものにつきましては、これは具体的に対象をはつきり把握いたしますことも困難であります。従つてさようなものにつきましては、やはり住民の真に自主的な批判に待つ、選挙民としての選挙競争に対する批判に待つということがやはり一番常識的な、且つ健全な考え方ではないかというふうに考えております。
#108
○中田吉雄君 選挙管理委員会の人はおられますか。
#109
○委員長(西郷吉之助君) 吉岡事務局長がおられます。
#110
○中田吉雄君 こういうのはどうなりますか、各県で非常にたくさん県の公報とか、或いは何々県新聞というようなもので、非常にたくさん公報というようなものを以て出しておる。必ず改選期になりますと、県で追加予算をとりまして、何百万というような経費で、先ずその知事の功績を称えるような記事をたくさん書いて、そうしてそれを県下に流して、そうして而も隣組で一々読んだやつを印を押さして、殆んど全県民見ざるを得ないような明らかな文書活動で、私から見ると今公報をどうするとか、ポスターをどうするとかというような底抜けのようなことがなされるのがあるのですが、こういうものは公職選挙法のあれには触れないものなのですか。その点一つ……。
#111
○政府委員(吉岡惠一君) 今のお話は、その公報を新聞と見るかどうか。大体新聞と見られるのではないか、それでそれが若しそういうお話のような事実によつて判断しなければならないと思いますが、違反なら違反というように、違反と申しますか、非常に不公平な、不公平なと申しますか、知事などにいい記事を書く、これは結局新聞と見ますれば、従来の現行選挙法で行けばやはり行動、評論の自由ということになり、それ以外のいろいろな批判はあると思いますけれども、法律上はそうなると思います。
#112
○委員長(西郷吉之助君) それではお諮りいたします。
#113
○中田吉雄君 ちよつと……。何だかはつきりしないのですが、そういう新聞の制限規定は、そうあからさまにわかるようなものはかかるのですか。
#114
○政府委員(吉岡惠一君) 現行法ではかからないのです。
#115
○中田吉雄君 かからない。
#116
○委員長(西郷吉之助君) ちよつとお諮りいたしますが、今六時を過ぎましたので、七時まで食事時間のため休憩いたして、なおその後再開いたしまして、この問題について御協議を願いたいと思いますが。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(西郷吉之助君) それでは七時まで休憩いたします。七時に再開いたします。
   午後六時十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時三分開会
#118
○委員長(西郷吉之助君) それでは委員会を再会いたします。
#119
○岡本愛祐君 全国選挙管理委員会の事務局長にお尋ねしたいのですが、選挙のほうで選挙費用の単価を変えて、衆議院議員の選挙費用と言いますか、それの増額をやるというような計画があり、或いは又やつたのか知れませんが、それが昨年の地方、それから今度の全国区、知事選挙、その費用はどういうふうにするつもりなのか、それをこの際説明しておいて頂きたい。
#120
○政府委員(吉岡惠一君) 選挙運動費用の基準については政令で定めることになつておりますが、私どもの手許で今用意をしております内容について申上げたいと思います。ついでに衆議院議員の選挙についても申上げますが、それは現在二円になつておるものを四円に引上げる、そういたしますと、全国によつて違うのでありますが、全国を平均いたしますと、現在十九万円ぐらいの選挙運動費用の制限が大体三十八万円くらいになる、それから参議院議員の地方区の選挙でありますが、これは従来は一律に定めておりました、併しながら知事の選挙運動費用の制限或いは知事選挙運動の費用の制限額と比較いたしますと、やはり選挙の態様というものが非常に似ております。従つで従来のような一律の行き方がどうだろうかという気がいたすのであります。知事については従来段階を設けまして、人口の多寡によりまして、それぞれ違えておつたのであります。やはり参議院においても、選挙がやはり同じ都道府県を一つの単位選挙区として選挙するという点が同じでありますから、それと著しく異なるということがまあ如何かと思われるので、新らしい試みになるわけでありますが、定数が一人の選挙区、都道府県につきましては一円、二人以上の選挙区都道府県におきましては一円五十銭という、こういうふうな区別を設けた、その結果の数字でありますが、一番多くなります東京では百四十四万円くらいになる、そうして二人以上の選挙区で一番少いのが栃木県でありますが、その栃木県が約五十九万円、一人区のほうのあれを見ますと、一番多いのが宮城県でありまして、宮城県が八十五万円くらい、一番少いのが鳥取県で三十三万円、こういうことになる。次に知事の選挙でありますが、これは従来からもそれぞれ段階を設けておりまして、人口が五十万、七十万、百万、二百万、三百万、丑百万という工合に段階を設けてありまして、それぞれ単価を一円六十銭から四十銭の間に違えております。その結果数学を申上げますと、東京の知事選挙の費用が百五十四万円、それと比較を、さつきの参議院の選挙の分と比較を便にするために同じ県を申上げますと、栃木県が百三万円、それから宮城県が百十万円、それから鳥取県は五十一万円、大体こういう金額になります。
#121
○吉川末次郎君 講演……。
#122
○政府委員(吉岡惠一君) 選挙運動費の制限。只今申上げました計算の基礎になります一円とか、二円とかは、基準の数にかけました場合に、上の段階の金額が下の金額より多くなつてはいけませんので、それぞれ制限額を設けてありますが、そういうふうにして知事と参議院というものを余りそう違わないように、衆議院になりますと数が多いものですから、やはり選挙区によつてそういうふうに単価を違えるということが適当でないので、多少理窟の点から申しますと妙なことになりますが、そういうふうなことにしよう……。
#123
○岡本愛祐君 全国区……。
#124
○政府委員(吉岡惠一君) 全国区は一円五十銭ということです。従来の計算で参りますと九十万円くらい、一円五十銭になりますと百三十五万円。
#125
○岡本愛祐君 じや有難うございました。
#126
○岩木哲夫君 選挙管理委員会のかたに大臣が来られるまでにお聞きいたしたいと思いますが、よろしうございますか……。大したことでもないのですが、ちよつと選挙管理委員会のかたにお聞きいたしたいのですが、この選挙管理委員会のおかたはどういうお役目のかたですか。
#127
○委員長(西郷吉之助君) 事務局長。
#128
○岩木哲夫君 事務局長というのはどういう職責が、どういう責任があるのですか。事務局だけですか。
#129
○委員長(西郷吉之助君) まあ次長、次官というところです。
#130
○岩木哲夫君 お尋ねいたしたいのは、被選挙権というものに対する定義と言いますか、年齢とか、或いは供託金を一定のものを出したとか出さんとかということが、被選挙人と言いますか、被選挙権のあり方だと思うのですが、選挙の公正を期する意味合いから見た被選挙権のあり方について選挙管理委員会の御意見を承わりたい。
#131
○政府委員(吉岡惠一君) やはり民主主義の理想から申しますれば、被選挙権は成るべく制限しないほうがいい、こういうことだと思います。従来数回の選挙法の改正におかれましても、改正の際にも、やはり被選挙権を制限することは成るべくやめようということで、例えば従来被選挙権を制限されておりました選挙関係の事務職員等は、被選挙権を制限するのはよくない、こういうことで立候補の制限に変つて来ておるような状況であります。それが唯一の理由ではありませんけれども、それも併せた理由のように伺つておつたのです。ただ実際問題におきまして、例えば供託金でありますが、ああいう事柄が被選挙権の実際の制限にはならないかどうかという問題もあろうかと思いますが、あれはやはり別な観点から、事実上の妨害をどうするかという意味から、事実上は制限になつております。被選挙権ということは、普通選挙の下においては、成るべくやはり制限しないのが理想だと思います。
#132
○岩木哲夫君 衆議院は被選挙権二十五歳、参議院は三十五歳、及び僅か五万円とか、十万円の供託金がなければ被選挙権がないという根拠は、公共の福祉のためにやられておるのですか、何のためですか。
#133
○政府委員(吉岡惠一君) 公共の福祉と申しますか、その中に入りますかどうか知りませんが、供託金で制限する、これは被選挙権の制限というより、事実上被選挙権を制限しておるような恰好になる、こういうことであります。その結果選挙を混乱せしむるのを防ぐ、それが公共の福祉というようなことになるかどうかわかりませんが、選挙会を混乱せしめない、そういう意味から、やはりああいう止むを得ない制限のようなことをしたと考えております。
#134
○岩木哲夫君 年齢を二十五歳とか、三十五歳とか、或いは供託金を十万円にするとか、何ぼとかいう制限をするのは選挙会を混乱せしめないという、どうしてそうしたら混乱せしめないのですか、そうしたらなぜ選挙会を混乱せしめないのですか。
#135
○政府委員(吉岡惠一君) 先ほどお話の中で、年齢を制限して被選挙権を限定する、この事柄については申上げなかつた。私の申上げましたのは、供託金の問題だけであります。やはり二十五歳以上というのは、衆議院の被選挙権をその年齢くらいに制限することが、やはりその選挙本来の目的から適当であろうと、こういうことで制限されておると考えます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
#136
○岩木哲夫君 委員長、質問がある。この選挙本来の、私は選挙の問題に対して重大なる発言をしておるときに議事進行とは何事だ、選挙本来の目的を害しないとは何事なんです、どこが……。選挙人は満三十歳以上で、被選挙人は二十五歳とか、三十五歳以上でなければ選挙会の混乱があるとか、選挙本来の目的を害しないということは、どういう根拠に基いて選挙管理委員会はやつておるのか、それを聞きたいのです。
#137
○政府委員(吉岡惠一君) 被選挙権の年齢の問題は、例えば衆議院議員の選挙についてはどのくらいの年齢が適当であるか、参議院議員の選挙についてはどのくらいの年齢が適当であるか、その選挙の目的からしてきまつて来る問題であると思います。選挙会の混乱の問題は、供託金については私は申上げたのであります。
#138
○岩木哲夫君 日本国憲法では二十歳以上の者が選挙権がある。二十歳以上の者が選挙権があるならば三十一歳の者でも二十歳でも被選挙権があるべきだ。それを二十五歳としておるのはどういうことで二十五歳としておるか、或いは三十五歳としておるかということを科学的に理論的に説明してもらいたい。これが基本的人権を侵害しているかどうかという問題については重大な問題であります。又供託金十万円とか、五万円とかいうものについては選挙会を混乱するというなら、それでは十万円出したら混乱しないが、五万円出したら混乱するのですか。そこでその混乱するとか、混乱しないとかいう科学的理論がどこにありますか。又憲法の基本的人権を侵害しておるとか、或いは財産とか、身分とかで差別してはならないという、財産に関する問題であります。従つて供託金を十万円にするのも、五万円にするということも、選挙会を混乱しないというが、基本的な人権、いわゆる憲法第四十四条を侵犯する虞れがある。この辺の意見を明らかにしてもらいたい
#139
○政府委員(吉岡惠一君) まあ只今のお話は年齢を、普通選挙権を与えておるにかかわらず、被選挙権において二十五年なり三十年なりにするということが基本権の侵害になるというお話でありますが、それはやはり選挙の目的ということから考えまして、二十五歳以上の者がまあ公職に出て来るのが適当である、そういうことを考えれば、そこはやはりそういう制限をしても止むを得ない。普通選挙権と申しますのは、普通選挙で投票をする者の話であります。まあ財産その他による制限というものが公職に就くについて或る程度実際の制限になつて、それぞれの目的から見まして止むを得ない制限だと私は考えておるのであります。
#140
○岩木哲夫君 年齢を二十五歳とか、三十歳とか、或いは供託金を五万円にするとか、十万円にするとか、止むを得ないというのは何を止むを得ないのですか、それを明らかにして下さい。どういうことが止むを得ないのか。
#141
○政府委員(吉岡惠一君) それはどういう筋から二十五歳なり或いは十万円なり、五万円なりということが出て来ておるかというまあ科学的な説明は私にはできませんが、まあ国会におかれて大体そのくらいが適当であろうということで制限になつておることを申上げておきます。
#142
○岩木哲夫君 それは国会において大体その辺が適当であろうということは、憲法に抵触するか否かは別問題にして、そのくらいだろうという目盛に過ぎないので、憲法の第四十四条に抵触しておると選挙管理委員会は解釈いたしますか、若ししてないというならば、どういう理由でしてないというのか、その辺を明らかにしてもらいたい。
#143
○政府委員(吉岡惠一君) 先ほどの被選挙権の年齢並びに供託金の問題は憲法には抵触してないと、それは憲法にいわゆるつまり財産等によつていろんな権利を制限をしてはいかんという事柄には多少の幅は、ニユアンスはあると考えております。
#144
○岩木哲夫君 そうすると、多少は憲法に抵触しておる。財産なるものの字句に対して、供託金を五万円だとか、十万円だとかきめておるのは財政権に対する多少の問題は抵触しておる、こう解釈しておると言われるのであります。それから憲法には選挙権の年齢もなければ、被選挙権も年齢がないのであります。そこで選挙権が満二十歳以上だとしている以上は被選挙権も二十歳であるべきだ。但しそれは二十五歳と国会その他できめておるのだということは、いわゆる議会における良識判断であつて、憲法の問題と違う。憲法では年齢だとか、財産だとか、社会的地位だとかいうもので制限することはできない。だから二十歳できめておるならば、二十五歳できめておるということは、いわゆる議会における良識目盛りであつて、これは厳密に言わしむれば共に憲法に抵触しておる問題であろうと私は思うのですが、これだけのものは憲法に抵触していないという理由、根拠はどこにあるのか、それを教えてもらいたい。
#145
○政府委員(吉岡惠一君) 明らかな、なぜ憲法に抵触しないかという問題でありますが、私は先ほど申上げましたように、財産権によつて権利を制限してはいけないということは、そこに或る程度のニユアンスを認めることであつて、本当に一厘でも制限してはいかんと、こういうことではないということを申上げたのであります。
#146
○岩木哲夫君 それではお尋ねしますが、府県知事とかいつたような地方行政官或いは公務員が、その任期中において他の選挙に立候補する、そうして過去においての知事であるならば、四カ年の職責を全うすべきことが法律で基礎付けられた下に選挙というものが行われておる。それを二年とか、三年とかいう期限で放つて、そうして残余の責任を放棄して、そうして立候補するという問題と、それから地方の金と公務員としての一般住民の公費と、それと権力と立場を利用して直接、間接に選挙の事前運動的な行動をとつて、そうしてその地位、権力の下に直ちに即日立候補するということは、あなたが言われる二十五歳、三十五歳というものは、まあこの辺ならば良識だろうというきめ方と、或いは供託金を五万円にしようか、十万円にしようかという問題と相共通する問題で、やはりこれらは共に差支えないものだと我々は見ておるのですが、それはどうですか。よく国家の将来を考えて言いなさいや。間違うたら駄目ですよ。(「現職の官吏が答弁しておるのが間違いなんだよ」「選挙管理の事務局長が答えるのが間違いですよ」「なぜ答えるのか」「速記録をとつて何しておるのですか、委員長」「国会が立法してあなたがそれを執行すればいいじやないか、なぜ答えるのか」と呼ぶ者あり)国会が立法したといえども、やはりそれを担任する役人ですから……。
#147
○高橋進太郎君 どうですか。懇談会をやりまして、一応今後の議事の運営或いはこの問題の取扱い方等について打合せすることにして、一旦休憩をお願いして、一つそれらをお取計いを願いたいと思うのですが。
#148
○委員長(西郷吉之助君) 只今高橋君より休憩して理事会を開いて今後の運営を協議して欲しいという御動議でありますが、御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(西郷吉之助君) ではさよういたします。暫時休憩いたします。
   午後八時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後九時十七分開会
#150
○委員長(西郷吉之助君) それでは休憩前に引続きまして再開いたします。
#151
○吉川末次郎君 岡野自治庁長官の先ほどの岩木委員の質問中に答えられましたお言葉の中で、極めて政治道徳上重大なる意味を持つておると考えられる御発言がありましたので、それにつきまして実は再度御考慮を願い、できるならば私はこの機会に岡野長官からそれについてのお取消しを願いたいと思うのであります。と申しまするのは、岩木委員の問題といたしますることは、都道府県の知事等が折角居住民の輿望を担つてその自治体の首長として選挙されたにもかかわらず、その任期半ばの途中において国会議員に立候補し、或いはその他の公職に転ずるということは、政治道徳上よろしくないという意味の御見解に基いて発せられましたところの質問、この岩木君の言葉による御表現は多少私が申しましたところと違うかも知れませんが、その表現の如何にかかわらず、その真意は私が只今申しまするところにあつたというように私は了解いたすのであります。然るにそれに対しまして岡野長官は、そのことを肯定する、それは法律に違反するところのものではないという御答弁であつたのでありますが、それが現行法上法律違反行為でないことは、もとより言うを待たないところでありますが、質問者の真意は、法律という言葉を使われたのでありますが、それは減俸の精神という意味であり、又同時に、先ほど申しました意味においての公人としての政治道徳に反するというような意思を持つてお言いになつたものであるということは、私は明白であると思うのであります。知事のごときは、これはその地方自治体におけるところの行政の童体であるばかりでなく、公人としての生活におきまして、その出所進退につきましても、又その居住民に模範を示すものでなければならないと考えるのであります。具体的な例を挙げまして明確に名指しをいたしますることは不本意な点でありまするが、例えば福島県の知事であつた人が途中から国会議員に変つたり、或いは京都の市長であつた神戸博士が任期途中にして地方行政調査委員会議の委員長に転職せられたというようなことは、私は公人として決してこれを称讃すべきことではない、又これは避けるべきことであると考えるのであります。然るにそうした岩木君の非難的な御質問に対しまして、これを法律的にも又政治道徳的にもその公人としての出所進退を全幅的に肯定するような意味の御答弁をせられたということは、私は恐らく、私にはそう聞えたのでありますが、岡野国務大臣の或いは御真意ではないのではないかと考えるのであります。併しながら明らかにそのお答えは、これを道徳的にも法律的にも認めるというような御答弁であつたように受取つたのであります。その御地位の自治庁の長官であられるという立場からいたしまして、全国自治体の首長或いは自治体の居住民に与えまするところの政治道徳的な悪影響は私は相当に大なるものがあると考えますので、どうぞ私が申しましたように、本当に政治道徳的な立場からも、それはいいことではないというお考えでありまするならば、そうした意思表示をして下さる意味におきまして、先ほどのお言葉をこの機会に一つ取消して頂きたいということを要求いたすものであります。
#152
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。只今吉川さんのお話で、初めて御質問の御趣旨がわかつたわけでございます。先ほどの岩木君からのお話では、公選知事が途中でやめるのは何か法律違反とか、憲法違反とかいうように受取れましたものですから、私は法的根拠の上から申しますれば、これを阻止するところの法律はない以上、又我々は自分の出所進退に対して自由を持つておる法律上の立場から申しますれば、法律的には私は何ら差支えはないと思う。併し只今お述べになりまするように政治道徳的のことから申しますれば、同感でございます。住民全体の負託を受けて、そうしてその地方長官となるという立候補をいたしまして、そうして四年間の任期を初めから知り抜いて出ておる者が、途中でどんな理由がありましようとも、その負託に反して途中でやめるということは、政治道徳的にはおつしやる通り十分非難さるべきことだろうと思います。併し私が申上げますことは、御承知の通りに、人おのずからうぬぼれもございましようし、又適任、不適任もございまして、そうして個人的立場から申しますれば、恐らくこういう人もあるだろうと思います。と申しますことは、自分自身は知事として最もいい知事だといううぬぼれのために出て、又住民がそれを支持して当選したということになりましたけれども、併しながらやつて見るというと、自分自身は病気であるとか、或いは資格が足りなかつたとか、自分の予想しなかつたような、とにかく適格性を欠いておるというような意味において、自分自身が身を引くということは、これは個人に許されたる、又これは逆に申しますれば、政治道徳上からも別に非難さるべきことではないと思います。併しながら、これを概括して申しますれば、任期四年ということを十分知らなければならないはずの公選知事が、途中でこれを二年にしてやめて行くということに対しては、一応のその原因が自分の不適格性にあるとか、病気であるとかいうことがありましても、やめることについては、やはり住民並びに一般に対して政治道徳上の責任は当然あることと思います。私は政治道徳上のことは個人の問題でございまするから、先ほどは触れませんで、ただ法的根拠から申上げた次第であります。
#153
○岩木哲夫君 私は発言しないと思うたのでありますが、ちよつと気にかかるのでもう一度発言しておきたい。それは今吉川さんから、政治道徳的には背任行為ではないかというのに対して、岡野国務大臣はそれはその通りである。併し重ねて強調するところは、法律的には違反はしておらない、こういうことであります。そこで私は法律には違反をしておらないが、道徳的には違反していると考えることは、先ほど私が申上げたのは、任期中に国会議員に転職の立候補をするという場合を引用しての話であつて、病気だとか、何とかいつた場合に、その職をただ簡単に引いてしまうという場合を引用したのではない。任期中に国会議員に立候補いたすということは、法律的に私は違反だと、こう見ております。国務大臣はそれを制止する、阻止する法律がないから、法律では違反ではないと申しておりますが、併しながらこれはやはり公共の福祉に相反することであります。公共の福祉に相反するということは、憲法の基本精神にも背反することであります。だから法律の条文には抵触しないが、法律的には、いわゆる憲法で謳う公共の福祉に相反する行為は法律的に違反しておる。そこで私は全般的に国民に与える印象として大きな影響を与えることを特に指摘しておるのでありまして、政治道義上背反しておるということは大臣は肯定しました。併し法律には違反しない、こういうようなことを言われるということは、私やはり相当問題であろうと思います。でありますから、この際大臣が法律的においても疑義があるという態度ならばよろしいと思いますが、法律には違反しないと断言するならば、ちよつと私も引続き一、二質問したいと思いますが、如何でしよう。
#154
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。恐らく私は疑義があるものと思います。公共の福祉という憲法上の条項を以て、そうして今のような問題が果して公共の福祉に反するかどうかということは、これは相当の問題だろうと思います。だから政治道徳上は少くとも私は十分責めて然るべきものである。併しながら、これを公共の福祉に反するから法律的に反しておるものだということに対しては、私は断定をよういたしません。恐らく最高裁判所まで行つてこれは十分に検討すべきものであろうと思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#155
○中田吉雄君 最後に岡野国務大臣のはつきりしたお言葉をお伺いしたいと思うのですが、参議院でこの問題がかくも大きく取上げられたということは、やはり十分意味があると思うわけであります。この問題をどう取運ぶかは、この委員会で最終決定をされるわけでありますが、私は先に申しましたように、現行法が厳密に適用されているならば、こういう問題は起きないと思うわけなのであります。重ねて申上げますが、人事院規則の政治的行為第十四条から十七条まで、並びに地方公務員法の三十六条或いは公職選挙法の三百二十一条には「物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込若しくは約束をし又は饗応接待その申込若しくは約束」をしたものは公職選挙法の違反として取締ると、こういうような数々の制限規定があるわけなのであります。これが実際行われないというところに非常に問題があるわけで、そこで現行法の厳密な適用について、重ねて私はやはりこういう問題がいい加減にされておくということは、私は日本の大きな問題だと思う。例えばマツクス・ウエーバーは政治家としての資格は叡智と英断と責任である。そして官吏として成功した者は政治家としては絶対成功しない。官吏は自分の意思にもかかわらず、国会その他できまつたものを、あたかも自分の意思で決定したように行うものである。ところが政治家は叡智を以て判断し、英断して、それに対して断固として責任を負うと、こういうような非常な政治家の資格があるわけであります。ところが日本の官僚は、こういうような人事院規則その他に反しながら、国費を相当使つたり、人事院規則に違反して堂々となされているのに、こういうものが不問に附されるというようなことは、私はフイリピンのベル調査団の報告、対華白書を見ても私はやはり日本がそのような轍を踏むのではないか、やはりそういう問題とは厳粛に四つに組んで対決するということが非常に必要だと思うわけであります。そういう観点からして、私は是非岡野国務大臣から当地方行政委員会で問題になつているのは、単に現職議員を有利にしようというような意味からではないわけであります。従つて人事院規則並びに地方公務員法、公職選挙法の二百二十一条というようなものを、やはり立法の趣旨に鑑みて厳密に適用を一つするようなことを閣議でお取上げになるような意思はありませんか。もうそういうことはどうもしようがないというお気持ですか、その点を一つお伺いしたいと思います。
#156
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。我々としましては、法に最も忠実であらんことを努力する次第でございまして、そして只今仰せのごとき公務員の政治活動の制限規定はあるのでございますから、それが如何にも無視されているような事実もときどきあるのでございますが、そういう点につきましては、十分今までも手を尽して、そういうことがあれば適当に措置をし、同時に将来そういうことのないようにすべく努力して来たのであります。併し今日こういうことがこの委員会において正式に取上げられました以上は、私は改めて閣議において、そういうことを如何にこの法律で忠実にやつて行けるというようにするためには、どういう手段をとつたらいいかということも考えなければなりませんし、又十分効果の上るようにやつて行く方策を研究することは無論努めてやりますし、改めて最近の閣議にも報告しまして、これに対する相当な善処方を研究したいと考えます。
#157
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか……。それでは先ほど理事会を開きまして決定した事項について御報告をいたします。先ほど知事等の立候補の件につきましての取扱い方に関しまして理事会を開きましたところ、次のような結論を得ました。
 この立候補の制限の問題はなお今後慎重審議をする必要があるので、他の修正案とは切離しまして、継続調査事項の中に含めて継続調査をいたす、さように取計らつてはどうかということの結論が出ましたので、改めて御報告いたしまして各位の御了承を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#158
○委員長(西郷吉之助君) それではこの件について早速お諮りいたします。慣例によりまして、地方行政の改革に関する調査を行なつて参りましたが、その範囲は広範に亘り、未だ調査を終了いたしておりませんので、例によりまして未了報告書を議長に提出すると共に、その内容については委員長に御一任を願います。又同件に関しまして継続調査要求書を本院規則第五十三条によりまして提出いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(西郷吉之助君) なお未了報告書には多数意見者の署名を附することになつております。から御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
  岩沢 忠恭  中田 吉雄
  石村 幸作  高橋進太郎
  堀  末治  宮田 重文
  若木 勝藏  吉川末次郎
  原  虎一  岡本 愛祐
  館  哲二  駒井 藤平
  岩男 仁藏
#160
○委員長(西郷吉之助君) 御署名漏れはありませんか……。では質疑がなければ、公職選挙法の一部を改正する法律案並びに国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正案がございましたら討論中にお述べを願います。ちよつと速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#162
○委員長(西郷吉之助君) それでは速記を始めて下さい。それではこれより討論に入りまするが、討論に際しましてあらかじめ申上げまするが、公職選挙法の一部を改正する法律案並びに国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案並びに公職選挙法の一部を改正する法律案の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、三議案を一括して討論に供します。
#163
○岡本愛祐君 僭越でございますが、地方行政委員会に席を有しておりまする委員の各会派共同の修正案を提出いたしたいと存じます。
 先ず公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案、これは皆様のお手許にすでに廻つておるものでございまして、非常に複雑し、浩潮なものでございますから、便宜上これを速記録に載せて頂くことにしまして、この修正案を提出いたしたいと存じます。提出の趣旨は共同提案でございますから、ここに特に述べることを避けるのでございます。なお次に公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対する修正案も提出いたします。右修正案は同じく共同提案でございまして、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対する修正案公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の一部を次のように修正する。
  第三条及び第四条中「第二百四十三条第一号から第九号まで」を「第二百四十三条第一号から第九号まで、第十一号及び第十二号」にを削る。
 以上でございます。
 なお続いて国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に対する共同修正案を提出いたしたいと存じます。これも相当長いものであり、表も入つておりますから、便宜上皆様のお手許に廻つておる修正案を速記録に載せて朗読に代えたいと思います。
 以上三法律案につきまして、右共同修正案を提出し、残余の修正にかかる分を除いた衆議院回付の原案に対しまして、緑風会といたしまして賛成をするものであります。
#164
○吉川末次郎君 私は社会党第二控室を代表いたしまして、只今議題となりました衆議院回付の公職選挙法の改正案に対しましては、緑風会の岡本愛祐君より只今代つて提案せられました我我の共同修正案に、言うを待たず、もとより賛成するものであります。又その他のこれに関連いたしまするところの二つの修正案に対しましても当然賛成の意を表明するものであります。同時にその修正部分の三法律につきまして除きましたる残余の部分につきまして、これ又賛成するものであるということを申上げたいと思うのであります。
 簡単に賛成の理由を申上げたいと思うのでありますが、第一に、終戦後行われましたところの選挙法の改正におきまして、新らしいものといたしましては、私たちがその法律によりまして選出されて参りましたときの昭和二十二年度の選挙に適用されました選挙法、それはその実施の結果に鑑みまして、その選挙法が余りに選挙公営主義の建前から諸種の選挙の自由を拘束する点が多いというような批判が盛んに各方面から起りまして、それの反動として現行法が制定されるようになつたのであります。そうしてその拘束を排除しようとするところの人たちの中には、選挙は全く自由放任主義によつて行わるべきものである。金も幾ら使つてもいい、或いは戸別訪問なども幾らでもやらしてもいい、どんなことも自由勝手にやらすことがいいことであるというような主張を強硬にする人もありまして、大体そうした考えがどこかに基底となりつつ、以前の選挙法が改正されるような運びになつたと思われるのであります。然るに現行法の実施の結果は、更にそれの反射作用を生みまして、そうした戸別訪問というようなことも非常に弊害がある、或いは又金を比較的自由に使わすというようなことは、選挙費も非常にかさんで、金のないところの優秀なる候補者が立候補できないような結果を来たすというような批判が盛んに起つて参りまして、そうしてこのたびの選挙法の改正の動機を作つて参つたと思われるのであります。衆議院におきましては、このために特別委員会が開かれまして、長い間衆議院で慎重審議の結果、この法案が我々の手許に回付されて参つたのでありまするが、我々はこの我々の手許に廻されて参りましたところの衆議院の改正案が、大体におきまして選挙公営主義の上に立つて公営の範囲を拡充して行く、そうして又選挙費をばできるだけ多額に使わないようにして優秀なるところの適材が国会に選出されて来るということを建前といたしておりまするところのこの骨子につきましては全く同感の意を表するものであります。併しながら一たびこの法案が発表されまするや、世上諸種の批判の対象となりまして、その公営主義の強化の結果は余りに選挙の自由を拘束するものであるというところの非難も一部に盛んに起つて来たのであります。これらの非難のうちにおきまして、とるものは我々はできるだけこれをとるように努めなければなりませんし、又批判の言葉のうちには必ずしも我々の判断におきまして妥当でないと思われるようなものもないではないと思われるのであります。で、基本的に衆議院が長い時間を費して折角作られて参りました衆議院の意思を私たちは基本的に飽くまでも尊重して行くという態度で以てこの法案に対して行きたいと思うのであります。併しながら、これを通覧いたしまするのに、如何にもなお欠陥と思われるところの事項につきまして、審議の過程において我々が気付きました点はでき得る限りこれを修正するに努め、又審議の期間が極めて短かく、衆議院からの回付が極めて遅かつたので我々は十分の審議を尽し得なかつたうらみがありまするので、我々の修正は必ずしも十分であるとは考えておらんのでありますが、ともかくも来たるべき衆議院議員の選挙における実績を見ましたあとで、我々は更に後日その弊害と認められました点をば修正する日を又持ちたいと思つているものであります。併しながら世論一部にありまするところの衆議院の回付案が余りに不合理な選挙の自由を拘束していると思われまする点で気付きましたものにつきましては、我々はこれを修正することに努めましたが、例えて申上げますならば、先ほど来この委員会において問題となりましたポスターを全然禁止しておるというがごときことは、余りに選挙を、何と申しまするか、選挙運動の効果を十分に挙げ得ないものであると思つて、これを少くとも参議院の選挙につきましては皆様と共に修正することに賛成いたしました次第であります。
 最後に、知事その他の公務員の立候補の制約につきましては、いろいろな議論があるのでありますが、委員長が先ほどお話になりましたように、我々は更にこれを懸案として十分検討いたしまして、次の国会に自信ある結論を得て、そうして我々の自信ある結論を国民の前に明らかにすべき日を持ちたいと思つております。現段階におきましては、これをまだ最後の結論を下さない処置をとりますることをば妥当であると考えているものであります。
#165
○若木勝藏君 私は社会党第四控室を代表いたしまして、簡単に只今上程になりました公職選挙法の一部改正並びに関連する二法案に対しまして、修正の部分に賛成し、それからそれを除いた他の部分に対しても賛成の意見を申述べたいと思います。
 理由を簡単に申上げますが、衆議院の送付案は、選挙の公明及び選挙運動費用の縮減を図るために選挙運動に制限を加えようとしているのでありますが、併し公明自由の選挙の上から検討して見まして、幾多の不合理な点が指摘されるのであります。その点に関しまして、委員会ではその欠陥とするところを是正したのでありまするが、そのために相当行き過ぎのあるところの制限が緩和されたと思うのであります。併し未だ我々の意図するところに比べますというと相当開きのあることは考えられるのでありますが、この点につきましては、今後において十分検討を加える機会を得たいと思います。そういうような立場を以ちまして賛成するものであります。
#166
○岩木哲夫君 私は改進党の相当部面を代表いたしまして本案に反対の意を表するものであります。但し只今岡本委員から説明されましたる修正案等については賛意を表します。
 反対の理由は、今回の選挙法の改正については抜本的に公明選挙でなくてはいけない。よつて、そうすれば立候補者のいわゆる被選挙権所有者の立場にありましても公明の態度を持たなければならんということでないと、選挙の公明性の一貫性というものは貫くことができないと思います。すでに世上久しい間問題となつている知事その他国家公務員、高級官吏等の在職中における事前選挙運動、公費を使つてその地位、立場、権能を利用、悪用し、或いは便乗して選挙事前運動の行動をやつていることはまぎれもない事実であります。又これらの者の被選挙権の制限については、世上憲法違反の疑いがあるという議論がありまするけれども、現に公職選挙法中にはこれ以上の憲法違反の疑いのある条文が肯定されているのであります。これらが肯定されている以上、今こうした者に対する一定限度の制約をするということは当り前であつて、而もその在職期間中に選挙民の信任を裏切り、法律的疑義を突破してそういう行動に出るということについては大なる疑問があるのみならず、まさに公共の福祉に相反するもの顕著なるものありと考えられます。こうした立場にいる者は、選挙の場合には常に公明でなくてはならない。指導者であるのみならず、みずからこれらの立場を以て臨むということは甚だ疑義があるものであります。(「きめたことをどうするのだ」と呼ぶ者あり)何をきめたのだ。反対であるから継続審査に持つて行く。本日の場合においては反対である。(「併しそれはおかしい、君は賛成したのじやないか」と呼ぶ者あり)何がおかしい。それは君らは君らで勝手に意見を言つたらいい。本日の場合においては反対の意見があるからこれは継続審査に持つて行く。(「それなら協議会も何も要らない、協議会で共同修正案を出すといつてきまつた、そんなことを君」と呼ぶ者あり)反対があるから次の国会にこれを継続審査に持つて行く。(「そういうことを言うなら銘々勝手勝手に議論を言うですよ」と呼ぶ者あり)委員長、発言の注意をして下さい。
#167
○委員長(西郷吉之助君) 意見を述べているのですから……。
#168
○岩木哲夫君 それは君の意見を勝手に言つたらいい。我々はそういつたような極めて政治上においても、法律上においても、憲法上においても疑義のある、而も公共の福祉に相反するような行為を是認するがごときような状態では公明選挙の一貫性は確保されない、従つてこうした問題については飽くまでも是正すべきであります。不率にして本日は会期も迫つておりまするし、これらの審議の徹底を図ることはできないから、次の国会にこれらの審議を継続するということは認めまするが、今日の段階としては、これは公職選挙法の根本、基本精神に背反する重大な部面だと我々は痛感しているのであります。従つてこれらの問題に対しましては、これは今回の選挙法を通じて非常な基本的な誤まりがある。当然こうした問題は是正さるべきだと私は考えております。従つてそういつた部面に対する問題を残して、残余のものについて、これは公明選挙の、理想選挙の改正案だといつて全部を承認するわけには行かない、こういう考えを持つていることをこの際明らかにしておきます。以上です。
#169
○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか……。御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。先ず第一に、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。先ず討論中にお述べを願いました岡本君提出の共同修正案を議題に供します。岡本君提出の共同修正案に賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#171
○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて岡本君提出の共同修正案は可決せられました。
 次に、只今採決されました岡木君提出の共同修正案にかかる部分を除いて、衆議院送付案全部を問題に供します。修正案を除きました衆議院送付案に賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#172
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めめます。よつて本法案は多数を以て修正議決せられました。
#173
○委員長(西郷吉之助君) 次に、国会議員の選挙等の執行経費の纂準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。先ず討論中にありました岡本君提出の共同修正案を議題に供します。岡本君提出の共同修正案に賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#174
○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて本修正案は可決せられました。
 次に只今採決されました岡本君提出の共同修正部分を除いた衆議院送付案全部を問題に供します。なお衆議院送付案は修正議決案であります。修正部分を除いた衆議院送付案全部について賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて本法案は多数を以て修正議決せられました。
#176
○委員長(西郷吉之助君) 更に第三番目に、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案について採決いたします。先ず討論中にありました岡本君提案の共同修正案を議題に供します。岡本君提案の共同修正案に賛成のかたの挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#177
○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて岡本君提案の共同修正案は可決せられました。
 次に、只今可決されました岡本君提案の共同修正部分を除いた衆議院送付案全部を問題に供します。岡本君提案の共同修正案を除いた衆議院送付案に賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて本法案は多数を以て修正議決せられました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容については本院規則第百四条によりましてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨表決の結果を報告することについて御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書について多数意見者の署名を付することになつておりますから、本法案を可とせられたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    岩沢 忠恭  中田 吉雄
    石村 幸作  高橋進太郎
    堀  末治  宮田 重文
    若木 勝藏  吉川末次郎
    原  虎一  岡本 愛祐
    館  哲二  駒井 藤平
    岩男 仁藏
#180
○委員長(西郷吉之助君) 御署名漏れはございませんか……。ないと認めます。
#181
○岡本愛祐君 先ほど委員長から御発言があつた請願陳情は表になつておりますか
#182
○委員長(西郷吉之助君) なつております。
 只今岡本君が御発言になりました本委員会に付託されました請願陳情が三百件ほどございまするが、それについて内容を専門員をして検討せしめまして、腹案はできておりますから、この際日にちもございませんので、あらかじめ委員長に御一任願えれば如何かと存じますが、如何でございましようか。
#183
○吉川末次郎君 一つ見て明日イエスかノーか言わさして下さい。
 先ほど述べられました知事その他の公務員の立候補の制約に関する継続調査の問題でありますが、非常に世間の問題になつていることは皆さん御承知の通りでありますので、同時に知事会からもこの問題については、決定に先立つて公聴会を開いてくれという請願も参つておるのでありますから、適当の時期に公聴会を必ず開くということを一つおきめおきを願いたいと思います。皆さんの御賛成によりまして……。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
#184
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今の吉川君の御提案の御意見に対しましては御異議ないものと認めます。
#185
○岩木哲夫君 特にその公聴会に呼ぶ人は知事以外の人、当面のものでない第三者のものを広く一つ呼びたいと思いますから、その辺をお含みを願いたい。
#186
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今の御意見は尊重して、さようにやりますが、請願陳情につきましては、なお日にちもございませんが、各党において御検討をお願いいたします。
#187
○中田吉雄君 岡野国務大臣にお願いしたいのですが、各省に対して人事院規則のあの規則をよく守るように一つ指示をして下さい。よく閣議で取上げて下さい。
#188
○国務大臣(岡野清豪君) 閣議で申します。
#189
○中田吉雄君 それから地方公務員法三十六条です。あれがやはりいろいろありますから、あの規定もやはりできるだけ厳守するように……。
#190
○国務大臣(岡野清豪君) 法律を厳取することは当然のことですから……。
#191
○中田吉雄君 さつぱり守られていないですから……。
#192
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日はこの程度にいたしまして散会いたします。
   午後十時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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