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1951/07/31 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第74号
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1951/07/31 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第74号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第74号
昭和二十七年七月三十一日(木曜日)
   午前零時十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           堀  末治君
           中田 吉雄君
           岩木 哲夫君
   委員
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           宮田 重文君
           岡本 愛祐君
           館  哲二君
           若木 勝藏君
           原  虎一君
           吉川末次郎君
           岩男 仁藏君
           駒井 藤平君
  国務大臣
   法 務 総 裁 木村篤太郎君
  政府委員
   国家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
   国家地方警察本
   部次長     谷口  寛君
   国家地方警察本
   部総務部長   柴田 達夫君
   国家地方警察本
   部警備部長   柏村 信雄君
   地方財政委員会
   財務部長    武岡 憲一君
   法務政務次官  龍野喜一郎君
  事務局側
   参     事
   (委員部長)  宮坂 完孝君
   参     事
   (委員部第二課
   長)      小沢 俊郎君
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       武井 群嗣君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君
  説明員
   地方財政委員会
   税務部府県税課
   長       柴田  護君
  参考人
   警 視 総 監 田中 榮一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○警察法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○集団示威運動等の秩序保持に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○継続審査要求の件
○地方自治法の一部を改正する法案中
 一部修正に関する請願(第二二一七
 号)
○地方自治法改正法案中一部修正に関
 する請願(第二三三三号)
○地方自治法改正反対に関する請願
 (第二二九一号)(第二五三八号)
○地方公共団体企業に対する優先免許
 の請願(第一一一号)
○地方自治法改正法案に関する請願
 (第二五三九号)
○地方自治法第七十五条第一項改正に
 関する請願(第一一二号)
○地方自治法第九十二条改正に関する
 請願(第五六八号)
○特別市制反対に関する陳情(第七五
 号)(第一七〇号)(第三二二号)
 (第三四四号)(第四六七号)
○特別市制反対に関する請願(第一三
 四〇号)第二〇三七号)(第二七三
 八号)
○特別市制反対に関する陳情(第六七
 四号)(第七四四号)(第七五八
 号)(第八一〇号)(第九〇五号)
 (第九一七号)第九六九号)(第一
 〇一三号)
○大阪特別市制反対等に関する請願
 (第一一七八号)
○大阪特別市制反対に関する陳情(第
 九五一号)(第九五六号)(第九八
 八号)
○大阪市を特別市に指定する法律等制
 定の請願(第一二五五号)(第一二
 七七号)(第一三二五号)(第一三
 九九号)第一四八三号)(第一七五
 六号)
○大阪市を特別市に指定する法律制定
 の請願(第一三五三号)
○大阪市を特別市に指定する法律制定
 等の陳情(第八一一号)
○大阪市を特別市とする法律制定に関
 する請願(第一六七〇号)
○大阪市に特別市制実施の陳情(第七
 四五号)第七九二号)(第八四一
 号)
○大阪特別市制実施に関する陳情(第
 一〇六四号)第一〇七七号)
○特別市制実施に関する陳情(第九一
 六号)
○神戸特別市制反対に関する陳情(第
 九九八号)(第一〇二〇号)(第一
 〇三一号)
○地方自治体の統合強化に関する陳情
 (第三二五号)
○地方制度調査会構成員に地方議会代
 表者参画の陳情(第三八六号)(第
 四四二号)
○都道府県土木、建築各部長の職種に
 関する陳情(第四二七号)
○特別区の組織および運営に関する陳
 情(第四六八号)(第五一〇号)
○特別区の組織および運営に関する請
 願(第一〇九一号)(第一三六二
 号)(第一三八六号)(第一六一八
 号)
○東京都特別区制度改革に関する陳情
 (第八五五号)
○地方公務員法附則二十一項の単純労
 務雇用職員の身分取扱に関する請願
 (第一二七五号)
○地方自治法第一三八条改正に関する
 陳情(第五七三号)(第七〇四号)
 (第七九九号)(第七二四号)
○地方公務員の恩給制度確立に関する
 陳情(第七八八号)
○北海道庁林務部存置に関する陳情
 (第九〇三号)
○地方公務員法中一部改正に関する陳
 情(第九六五号)
○主要道府県に建築部設置の陳情(第
 九八四号)
○主要道府県の建築部存置に関する陳
 情(第一一〇六号)(第一一一一
 号)(第一一二三号)
○地方公営企業法集中一部修正に関す
 る陳情(第一〇三〇号)
○地方公営企業法案中一部修正に関す
 る請願(第一八一七号)(第一八四
 二号)(第二二九五号)(第二四二
 六号)
○五大市の区選挙管理委員会存置に関
 する請願(第二三六七号)
○行政書士法中一部改正に関する陳情
 (第一一一八号)
○平衡交付金増額に関する請願(第三
 六号)(第三二二号)
○小村に対する平衡交付金増額の陳情
 (第三四号)
○平衡交付金増額に関する陳情(第三
 六号)(第五三号)(第二六八号)
 (第三二四号)
○平衡交付金増額等に関する陳情(第
 七七号)(第六五号)(第一三三
 号)(第三五五号)(第七三七号)
 (第二四六号)
○府県の財源不足対策に関する陳情
 (第六二九号)
○平衡交付金増額等に関する陳情(第
 一五〇〇号)
○地方財政確立に関する請願(第三七
 号)(第四一九号)
○地方財政危機打開に関する請願(第
 二六二号)
○地方税、財政制度改革に関する陳情
 (第四一四号)
○市町村立学校職員給与負担法中一部
 改正に関する請願(第二七九号)
○公営電気事業の起債わく拡大に関す
 る陳情(第一四四号)
○公共事業の起債早期決定に関する陳
 情(第三二三号)
○京都、小倉両市の都市計画用地買収
 費起債等に関する請願(第五八二
 号)
○電源開発資金起債別わく確保に関す
 る陳情(第六二八号)
○地方公務員の退職金財源措置に関す
 る陳情(第六三一号)
○起債および平衡交付金の早期決定等
 に関する陳情(第六四九号)
○地方財政法第五条改正に関する請願
 (第一三三八号)
○農業委員会書記の恩給に関する請願
 (第一四四四号)
○六・三制学校特別教室等の建設費起
 債に関する請願(第一五三七号)
○定時制高等学校校舎建設費起債に関
 する請願、第二〇〇五号)
○高等学校定時制分校建設費の起債わ
 く設定に関する陳情(第一〇五六
 号)
○港湾修築費地元負担金の全額起債に
 関する請願(第一五三八号)
○国庫補助金等早期交付に関する請願
 (第一五四〇号)
○起債の早期認可に関する請願(第一
 九四三号)
○公営住宅建設事業費起債増額等に関
 する陳情(第九九九号)
○清掃事業施設整備に要する財源確保
 に関する陳情(第一〇二七号)
○定時制高等学校教育費測定単位に関
 する陳情(第一〇五七号)
○地方税制改正に関する陳情(第七
 号)地方税制改革に関する請願(第
 二七八号)
○地方税制改革に関する陳情(第四四
 号)
○入場税および遊興飲食税の市町村移
 管に関する請願(第一一三号)
○入場税等を市町村に移譲するの陳情
 (第一三四号)
○地方税制改革等に関する陳情(第六
 二五号)
○鉱産税の府県移譲に関する陳情(第
 六四三号)
○地方税法改正に伴う財源措置の陳情
 (第六四八号)
○地方税法中一部改正等に関する請願
 (第一八四一号)(第一九六号)
○地方税法第三四八条第一項改正に関
 する陳情(第八三〇号)
○地方税法中一部改正に関する陳情
 (第一〇二一号)
○地方税法中一部改正に関する請願
 (第二八八三号)
○地方税法第三四八条第一項改正に関
 する陳情(第一九四四号)
○事業税の課税標準等に関する陳情
 (第二六号)
○狩猟者税を目的税とするの請願(第
 四四号)
○狩猟者税軽減に関する請願(第七一
 〇号)
○営業用トラツクの自動車税軽減に関
 する請願(第四五号)(第六一号)
 (第六二号)第一五五号)
○自動車税軽減等に関する請願(第六
 三号)(第一一〇号)(第一三九
 号)(第一四五号)(第一五六号)
 (第一五七号)(第一八〇号)(第
 一九七号)(第四三一号)
○自動車税軽減等に関する陳情(第七
 六号)(第八四号)
○自動車税等減免に関する陳情(第六
 二八号
○自動車税引上げ反対等に関する請願
 (第四二〇号)(第四五七号)(第
 四五八号)
○乗合自動車税軽減に関する請願(第
 七五一号)
○遊興飲食税軽減に関する陳情(第二
 五九号)
○遊興飲食税に関する請願(第九五九
 号)
○遊興飲食税廃止に関する請願(第一
 三三九号)
○遊興飲食税に関する陳情(第一一一
 七号)
○宿泊料に対する遊興飲食税減免の陳
 情(第四〇六号)(第四九〇号)
 (第五二一号)(第五五〇号)(第
 五七四号)(第五八五号)(第六〇
 二号)(第六二七号)(第六七五
 号)(第七二五号)(第七九〇号)
 (第七九八号)(第八二一号)
○外人宿泊に対する遊興飲食税免除の
 請願(第二四二九号)
○映画、演劇の入場税軽減に関する陳
 情(第二六〇号)
○映画、演劇の入場税軽減に関する請
 願(第二一二六号)
○純舞踊の入場税軽減に関する請願
 (第一三〇九号)
○純舞踊の入場税減免に関する請願
 (第一五一七号)
○オペラの入場税減免に関する請願
 (第一九六三号)
○どう球場の入場税全廃に関する請願
 (第二五三五号)
○事業税率軽減に関する陳情(第三八
 七号)
○新聞業に対する地方税非課税等の陳
 情(第四三一号)
○寺院くりに対する課税免除の請願
 (第五〇九号)
○理容美容業に対する特別所得税軽減
 の請願(第六一七号)
○助産婦に対する特別所得税等の課税
 適正化の請願(第六二五号)
○農業協同組合に対する地方税免除の
 請願(第八〇三号)
○信濃川発電所施設税に関する請願
 (第一三二八号)
○地方税法第七四九条改正に関する請
 願(第一四六七号)(第一四七二
 号)
○地方税法中一部改正に関する請願
 (第一七三四号)(第二八八三号)
○弁護士に対する課税の請願(第一七
 九四号)
○出版業者に対する事業税免除の請願
 (第二〇一四号)
○助産婦の特別所得税免除に関する請
 願(第二二七四号)
○地方税法中電気ガス税一部改正に関
 する請願(第二三一一号)
○財団法人講道館に対する固定資産税
 免除の請願(第二二三六号)
○教育研究に対する電気ガス税免除の
 請願(第二三八〇号)(第二三九九
 号)
○民間学術研究機関に対する電気ガス
 税免除の請願(第二三九五号)
○医業に対する特別所得税撤廃に関す
 る請願(第二四〇七号)(第二五三
 六号)(第二五八七号)医業に対す
 る特別所得税撤廃の陳情(第一一二
 九号)
○五大市を特別市に指定する法律制定
 の陳情(第一一九二号)
○地方財政委員会存置に関する陳情
 (第一二〇〇号)
○地方自治法改正案反対等に関する陳
 情(第一二〇一号
○地方自治法改正案反対に関する陳情
 (第一二〇九号)
○岩手県久慈町の起債全体計画に関す
 る請願(第二八一四号)
○地方財政平衡交付金法中に幼稚園と
 明記する等の請願(第二八一五号)
○めん類の飲食税撤廃に関する請願
 (第二七二〇号)
○めん類の遊興飲食税免除に関する請
 願(第二七八三号)
○新聞業に対する地方税非課税等の請
 願(第二七二七号)
○医業に対する特別所得税撤廃の請願
 (第二七八四号)第二八二六号)
○地方税法中一部改正に関する陳情
 (第一一九九号)
○ニツケル製錬用電気ガス税免除に関
 する陳情(第一二一二号)
○地方自治法改正法案反対等に関する
 請願(第二八八二号)
○地方自治法改正法案中一部修正に関
 する陳情(第一二六九号)
○公営企業建設費起債の優先割当に関
 する請願(第二八八六号)
○地方公共団体に対し国庫負担金増額
 に関する請願(第二八八七号)
○長崎県青島の電燈、動力設備資金起
 債許可に関する請願(第二九三八
 号)
○ダイナ台風による災害復旧費起賃等
 に関する陳情(第一二五〇号)
○医業に対する特別所得税撤廃に関す
 る請願(第二八六二号)
○農業協同組合連合会医療施設を固定
 資産税の非課税対象とするの請願
 (第二九八五号)地方財政平衡交付
 金法中一部改正等に関する請願(第
 三一八六号)
○高等学校定時制分校々舎建築費起債
 に関する請願(第三一八七号)
○都道府県単位の警察設置に関する陳
 情(第四一三号)
○岡山県連島町に自治警察廃止に伴う
 地区署設置等の請願(第一一一四
 号)
○警視庁の国家警察編入反対に関する
 陳情(第七三〇号)
○東京、大阪両警視庁の国家警察編入
 反対に関する陳情(第一〇三七号)
○警察法第四〇条の特例に渇する請願
 (第一六五二号)(第一七〇四号)
 (第二三三〇号)
○京都府舞鶴市の警察費測定単位に関
 する請願(第一八一八号)
○道路交通取締法中一部改正に関する
 請願(第一九〇八号)
○警察法改正反対に関する陳情(第一
 一一五号)(第一一八八号)(第一
 二二八号)
○消防水利施設費国庫補助増額等に関
 する請願(第一四〇号)
○消防施設費国庫補助増額等に関する
 請願(第一九五号)
○自治消防整備強化に関する請願(第
 二〇九一号)
○自治消防の整備強化に関する陳情
 (第一一四三号)
○公職選挙法中一部改正に関する請願
 (第七二号)(第七一三号)(第二
 八八五号)
○公職選挙法中一部改正等に関する請
 願(第八四一号)
○公職選挙法等改正に関する請願(第
 一七九九号)(第一八九〇号)
○江東六区衆議院議員補欠選挙におけ
 る不正調査に関する請願(第一七五
 五号)
○集団示威運動等の秩序保持に関する
 法律制定反対の請願(第二七六〇
 号)
○警察法改正反対に関する請願(第二
 七八二号)
○自治体警察費の財源措置に関する請
 願(第二八八四号)
○公職選挙法の一部を改正する法案中
 第二〇九条の二修正に関する請願
 (第三一四二号)
○公職選挙法の一部を改正する法案中
 第二〇九条の二修正に渇する陳情
 (一二八四号)
○療養患者の選挙権に関する請願(第
 二八一号)(第三二六四号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。
#3
○堀末治君 私は休憩前にも動議を提出したのでありますが、改めて又動議を提出いたします。質疑も尽きたようでございまするから、この辺で質疑を打切つて討論採決に入ることの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#4
○吉川末次郎君 議事進行について。第一この委員会が果して正式に成立したものであるかどうかということにつきましては、多大の疑惑があると考えられるのであります。それは参議院規則の第八十六条によりまするというと、議院の会議に付する事件及びその順序及び会議の日時はこれを議事日程に記載しなければならない。議長は議事日程を印刷させ、あらかじめ各議員に配付するということが定められておるのであります。これは本会議のみならず、大体において委員会にも準用されて来ておることでありまして、日々我々に配付されるところの公報はそのためにあるわけでありまして、委員会の議事も又本会議におけると同様に記載されておるのであります。で、これを極めて狭義に解釈をいたしまして、単に本会議の議事日程に関するもののみであるというように解釈することが妥当なりや否やということにつきましては、私は今疑点を持つておるものでありまするが、併しながら疑点を持つままでこれは本会議にのみ適用されるところの規則であるという解釈をとりましても、実際上今日引続いて直ちにこうしたところの議事を再開いたしまするということは、いろんな点からいたしまして、我々が非常に疲労いたしておりまする点、或いは又質問の希望者がまだ残つておりまする点、その他の点からいたしまして、これを引続いて直ちに堀君のようなこの動議を審議するという過程に入るということは、すべての点におきまして、私は甚だ不合理であると考えまするので、議長は直ちにこの委員会をば散会せられるようにして頂きたいと思うのであります。(「反対」と呼ぶ者あり)
#5
○原虎一君 ちよつと委員長に質問いたしますが、委員長はどういう解釈でこの委員会を今招集されて、法的に議院運営委にて妥当であるという御解釈か。又堀委員から動議が出ましたけれども、継続中のものであるならば、私は先ほどから質問をやつておるのであります、質問に対して先ほど委員長は法務総裁から吉田総理の出席について、当初要求書に対する何らかの報告があるというような状態で休憩になつた、でありますから、法的にどういう解釈でこの委員会が再開されておるのか。再開ならば再開としての議事進行の方法はとらるべきである。改めて開かれたのならば議題というものが公報によつて通知される。何らかによつて通知されなければ困る。私はそういう点をお互いに議論し合つてもしようがないのでありますから、一応懇談の形式で以て明日の議事を、どうせ今晩は与党諸君の言われるその質問打切りの動議も出ておりますが、討論を今晩やつてもらおうという動議ではないのです。従つてそういう点は大体明日一日ということになれば、先も見えておる話であるから法文の解釈上の問題でがたがた議論しまするよりもいろいろの点を合せて懇談して明日のやり方をきめるということが妥当だと思う。でありますから今日のことになるわけでありますけれども、その点は我々も委員長の法文上の運営上の解釈もありましようししますけれどもそれを角立つて私どもはあえて議論するというのではない。どうせ一日会期が延長するということは、衆議院の議決は十一時半頃にできて通知が来たということを今事務局で持つて来た、事務局でも何時に確かに受取つたのであるということを確かめるには事務総長を呼ぶとかぐずぐず言えば幾らでもあるのです、言い方は。でありますから大体明日一日で問題は片付けなければならんということは見えておる。やり方を明日の、要するに今日でありますが、今日のやり方を御相談されるという形でおやりになるならば我々もそのつもりでやりますけれども、もう法文上運営規則によつてこれは正式な委員会であると言われるならばこの問題を私どもは十分に疑義を質してから後に質問するなり打切るなりするというふうに、正式な委員会なら委員会として扱う、こう思うのです。
#6
○委員長(西郷吉之助君) ちよつとお待ち下さい。堀君の動議についてお答えしておきますが、堀君の動議は質問打切りの動議でございますが、質問を打切つて討論採決に入る……。(「直ちに討論採決に入るという動議ですか」と呼ぶ者あり)
#7
○駒井藤平君 只今原委員がおつしやいましたことは十二時までに委員長は動議をこれは採択すべきものである。動議がすでに出た。それを委員長の職権によつて暫らく休憩すると、而して十二時までに明日の一日延びるということを御感じになつて十二時五分から再開せられて採決すると、こういうふうにおつしやつたのです。だからして無論これは動議が成立しておる。それを続行しておるのだから何らこれは法的に支障はないと、こう考えます。
#8
○吉川末次郎君 委員会の開会それ自身に対して法的に疑義がある……。
#9
○駒井藤平君 だからね、十二時前にこの打切りの動議は成立してあるのです。そこで議長はそれを保留されたのです。而も今日一日延びるということを予知されてそうして十二時五分からやる。こういうふうに委員長おつしやつたからこれは当然委員長の職権によつて続行して差支えない、こう思います。
#10
○若木勝藏君 私もこの委員会が成立するかしないかということに多分の疑点を持つております。先ほど吉川君からのお話もありましたが、我々の今までこの委員会なり本会議なりに出る場合においては全部これは議事日程に載つた、公報によつてやつて来た。ところがその公報は一部の人間に渡るものではない。然るに今日招集されておるところのこの委員会は今通知書を見せられましたけれども、見せられた者は我我だけであつて、公報は全議員に渡るものであります。全議員の知らないところの委員会というものは私はあり得ないと思う。いろいろ関連もあるのであります。これは非常に我々だけ知つておつて公報にも出ないもの、出ないところの委員会というものは私は成立たないと思う。その点委員長のお考えを承わりたいと思います。
#11
○委員長(西郷吉之助君) 委員長は先ほど再開前の、今言われました昨日でありまするが、最後に堀君の動議が出ましたか、只今の委員会ではその動議は消えてしまいましたけれども、再び動議が提出されておりますから、その動議について最初にお諮りいたします。
#12
○若木勝藏君 委員会が成立しているということが前提にならなければならない、この場合において。
#13
○吉川末次郎君 その場合にはその委員会が成立していますか。公報に告示されないで……。
#14
○若木勝藏君 全議員に知らせなければこれは成立しないと思います。
#15
○中田吉雄君 その点につきましては角立つても何ですから、こういう委員会に、会期が済んだのが又こういうふうになつたのですから、一応大体委員長がこういう形をとられて理事会でも開いてどうにもまとまらんというのでしたらまあ職権の発動をできるかどうか知りませんが、そういうふうなことでもやつて頂くようにせんとなかなか事態が収拾しにくいと思うのですが、やつぱし一応理事会でも開いてどうするか、いろいろのことをやつて見られたらどうでしようか。いろいろ委員長とされては困難な立場もあると思いますが、できるだけ円満にやるためにそいうふうなことをやつて見られたら如何ですか。一つ堀さん何とかして下さいよ。(「信義を守らんようなことでは同じだ」「信義を守らんのは君らだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)それは高橋さんなんかも絶対にあのときは会期は延長しないと断言すると言つている。全然守つていない。
#16
○吉川末次郎君 守つていないのは君らじやないのですか。
#17
○中田吉雄君 やはり会期の延長ということもあるのですから、一つ休憩にしてもう少し何とか円満に事態を収拾する……。
#18
○高橋進太郎君 あのときは確かにその通りたつた、それが変更している。
#19
○中田吉雄君 やはり我々としての変更の立場を……。
#20
○吉川末次郎君 こういう形において委員長が無理やりに委員会を招集されるのが法的に整つたものとされるのは非難を受けますよ。個人としてそういうことのお考えを願いたいと思います。
#21
○岩木哲夫君 堀議員の動議に関連して議事進行について私がお願いがあります。今堀議員の質疑打切りの動議に対し私は賛成するものであります。但しその採決をする直前に私から是非重要なことで政府当局並びに関係者に二、三質問いたしたいと思いますので、その質問があつて政府当局の御答弁があつた直後に採決を願いたい。それは、ですから私が修正をして動議を採決するという方針ならその直前にそういつた取扱を認められるような議事進行についてお願いをいたしておきますからさよう取計らいを願いたい。
#22
○委員長(西郷吉之助君) 岩本君御質疑を願います。
#23
○岩木哲夫君 本委員会が成立しているということについてはあなたの法的解釈を先ずお述べになる、必要があると思います。
#24
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今のことに対しまして委員部の小沢課長から説明いたさせます。(「委員会が成立しておる趣旨ですね」と呼ぶ者あり)
#25
○参事(小沢俊郎君) 緊急なる場合に公報に載せないで、そうして全員に通知ができた場合には、急遽委員会を開くというそういう例は過去にもつたくさんございまして、そういうものはいずれも適法として適法のある委員会として扱う。
#26
○岩木哲夫君 只今委員部の解釈におきましても本委員会は成立いたしたものと私たちは思料いたします。よつて今堀議員の、僕はそういう解釈をいたしておるから委員長に先ほど議事進行について御了承を得たことに関連して政府に質問いたしたいことをお許しを得たいと思いますが、如何でしようか。それでは只今より私が二、三質問をいたしたいと思います。これは本法案を……。
#27
○吉川末次郎君 それはみんなの合意がなつたときに初めて解釈は成立つけれども、委員長がそういう無理押しの解釈をされることは非常に無理だ。
#28
○岩木哲夫君 委員長、ちよつと発言中でありますから、只今議題となつておるこの警察法の改正法律案に対しまして、私たちは非常にこの問題を重要視しておるのであります。そこでやがて討論採決が行われることと思うのでありますが、それに先立つてその討論及び採決の方針を決意するに先立つて特に各議員から今までいろいろ質問されたこともありまするが、或いは重複しておる点があるかも知れませんが、特に重要な問題といたしまして次の五点について質問いたしたいと思います。この質問は総理大臣に質問いたしたい。また国警長官に質問いたしたいのでありますが、総理大臣がお見えになつておりませんので、法務総裁が責任を持つて御答弁を願いたい。又国警長官が、私が質問いたしまするうちで国警に関しまする事項につきましては国勢長官、内閣総理大臣に関連いたしますることは法務総裁から承わりたい、かように思うのであります。
 その第一点は政府の今後警察制度の基本的態度は自治体警察と国家警察との二本建でそれぞれの公安委員会の機能制度を活用尊重するは勿論、民主的警察制度の基本的方針を堅持育成する方針であるかどうかということと、これに関連して又その国警、自警両警察制度はいずれも上位、下位等の差別を行わずよくこの間の協調を図つてその民主的機能を発展せしめるような方針に変りがないかどうか。これが質問の第一点であります。以下この御回答を得まして二、三、四、五点と質問いたしたいと思います。
#29
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。只今御質問がありましたが、御意見の通りであります。
#30
○岩木哲夫君 私が質問いたしました点をその通りであるとの御回答を得たことと了承いたします。
 次に弟二点といたしまして、今回の改正法案中の特に第六十一条の二における要点は、ややもいたしますれば政治警察域いは特殊警察の行動にも及ぶ場合があるのとではないかということが当委員会或いは世間においても非常に疑心暗鬼となつておるのであります。そこで今回の改正法案の第六十一条の二における内閣総理大臣の特に必要と認められる場合の具体的指示内容、指示事項をこの際明確にしてもらつて、そしてその明確にされたことを厳守されて頂くことを我々は、要望するのでありますが、これらに対しての責任ある言明を求めたいと思います。
#31
○国務大臣(木村篤太郎君) その点の疑惑を解きまするように私から詳細に申上げたいと思います。
 公安維持上必要な事項と申しまするのは主として警備運営等に関する事項を言うものでありまして、犯罪の捜査を含んでおりません。ただ治安上特に重要な場合には捜査に関しまして捜査態勢を整えさせるため、例えば警察の応援関係について指示するようなこともあり得るのであります。併しながら、捜査そのものについて指示する意図は毛頭もないのであります。捜査につきましては警察と検察との関係は刑事訴訟法によることになつておるのであります。警察法は一般法で刑訴の特別法ではないのであります。刑事訴訟法に背反するような指揮というものは全くできないのであります。この点を明確にいたしておきます。
#32
○中田吉雄君 議事進行について……。
#33
○委員長(西郷吉之助君) 質問中ですから……。
#34
○岩木哲夫君 次に第三点としてお尋ねいたしたいのは、又その指示事項は警察の行政管理に及ぶかのような指示は行いまするか、行わないか、この辺を明らかにしてもらいたい。
#35
○国務大臣(木村篤太郎君) この指示は行政管理については行わないのであります。
#36
○岩木哲夫君 次に第四点としてお尋ねいたしたいのは、又その指示にはこれは只今総裁からお返事もありましたようでありますが、刑事訴訟法即ち昭和二十一一年法律第百三十一号の第百九十三条の検察官の捜査に関する権限にかかる事項についてはこれは指示しないということは今言明されましたが、この際重ねてこの点に単独に明確にして頂きたい。先ほどのお話は関連したお答えでありましたが、単独にこの問題について明確にお考えを承わりたい。
#37
○国務大臣(木村篤太郎君) 刑事訴訟法に反するような命令はいたしません。
#38
○岩木哲夫君 次に第五点としてお尋ねいたしたいことは、又この六十一条のこの規定による指示に基きて行なつた措置のために都道府県又は市町村に要した費用の全部又は一部は当然国で負担さるべきだと思うのでありますが、かような処置をとられますかどうか、お尋ねいたしたい。
#39
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今お述べになりましたような費用については、政府から支弁するように考慮いたしたいと、こう考えております。
#40
○岩木哲夫君 私が特に質問いたして、この間の明瞭を図りたいと思うた点は以上であります。
#41
○若木勝藏君 委員長、議事進行について……先ほど委員部の課長さんから、この委員会は成立するというふうな意味のお話がありましたが、その際言葉を分析して見ますというと、緊急の場合は委員長の職権によつて招集することは成立つ、若しこの場合が緊急でないということが明らかになれば今までやつた質疑応答も、これからやろうと考えられておるところの討論採決も、すべてこれは御破算にならなければならない。私はそう考えております。その点について委員部の課長に質問するのであります。その点を明らかにして頂きたい。
#42
○参事(小沢俊郎君) 先ほどちよつと言葉が足りませんでしたが、会期切迫の折とか、それから緊急なる場合でございます。その緊急なる場合というときに委員長が緊急なるものとお認めになつて、そして開けばそれは……。
#43
○若木勝藏君 そうすると、この場合は緊急な場合と委員長はみなされるかどうか。
#44
○委員長(西郷吉之助君) 私は会期も切迫しておりますので、誠に緊急な場合と認めたわけであります。それでは先ほどの動議についてお諮りいたします。堀君の動議について……。
#45
○原虎一君 委員長、議事進行について……。
#46
○委員長(西郷吉之助君) 今発言中ですが……。
#47
○原虎一君 委員長発言中ですけれども、それはわかつているのです、(「委員長発言中です」「委員長の発言は制肘される必要はない」と呼ぶ者あり)委員長の先ほどのお言葉によりますと、堀さんの動議をこれからやられるというのですか、その点をお伺いしたい。
#48
○委員長(西郷吉之助君) 先ほど開会と同時に堀君が動議を出されましたからそれについて採決をしたいと思います。
#49
○原虎一君 議事法で行きますと、どうもそういうことが簡単にやれますでしようか。これは委員会といえども議事規則に従つてやつて行きます以上堀さんの動議はどうあろうと、その後どういう事由であろうと、岩木君が質問されているのです。(「そうだ」と呼ぶ者あり)それで岡木さんがもう一遍出せと言われた。それは出すことはできましよう。併しそういう議事の運営で堀さんの動議が生きているものとするならば、これは私は大変な間違いであると思う。それからそうでなければ、そういう動議が出たものの、決定なくして甲の委員には発言を許して、今度は乙の委員には発言を許さんということは私は議事運営上正しい運営とは言えないと思う。従つて堀さんの動議はすでに死んでいるものだ。従つて私は若木君の質問に続いて質問するということは当然許さるべき議事の運営の方法だと思う。ただこの点を正しく議事法に基きて運営されるということがお互いにうなずける。従つて私は質問の許可を要求しているわけであります。
#50
○委員長(西郷吉之助君) 今お答えいたしますが、岩木君の発言には条件が附いておりまして、委員長が姫君の動議を採決する場合その直前に質疑をしたいと、こういう申出がありましたから、動議の採決に先立つてそういう条件附でありますから、私は岩木君に発言を許したわけであります。
#51
○原虎一君 如何なる条件が附けられておりましようとも、動議を仮にも決定しないで質疑がされるという、そういう議事法がありますか。如何なる条件が附けられてあろうとも、動議は動議として可否を決定さるべきである。それで質問を許しておいて、他の委員の質問を許さんという不公平な運営をなしてはならないから動議に対しては直ちに決定をさるべきである。それを条件を附けて甲の委員には質問を許しておいて乙の委員には許さないという不公平な運営は、それは委員長、それこそ休憩にされても議事部長なり、議事規則にもつと精通する人間に私は検討されるべきであると思う。この法案が重要であればあるだけそういうふうに私は動議が死んだにもかかわらず、その動議を又生かして如何なる条件を附せられておつても質問であります。その質問が許されておいて、私なら私の質問或いはBならBという質問が許されないということは私は忍められない。
#52
○委員長(西郷吉之助君) 原君に重ねて申上げますが、岩木料の質疑はですね、動議を採決する直前に先立つて質疑をしたいと、こういうふうな条件が附いておりますので、私は動議を採決する前にそういう条件附のものでありまするからこれを取計らいましたので、私は(「委員長」と呼ぶ者あり)条件附でない、単なる質問とは違いますので岩木君には発言を許したのであります。
#53
○原虎一君 委員長、そうしますと国会法なり、参議院規則の第何条によつてそれがなされるか、私に納得のできる説明がございますれば私はあえて異議を申しません。条文に基けば私の解釈は正しいと思う。ただ委員長の権限で勝手におやりになるというならこれは別であります。死んでいる動議です。それを生かしてやる。そういうことは私は議事規則第何条によつてそれができるということが私の今まで調べた範囲において、私の今までの経験においてはすでにその動議は死んでいる。従つて新らしい動議が出ない限りにおいてそれが、前の動議が生きるはずのものではない。それが条文によつて第何条と、国会法何条により、参議院規則第何条によつて私の解釈が間違いだという納得の行く御説明があればあえて私は反対いたしません。
#54
○委員長(西郷吉之助君) 重ねてお答えいたしまするが、私のは議事規則というふうなことではなく、常識上妥当であると考えましたから許したわけであります。
#55
○高橋進太郎君 いろいろあれですが、長時間に亘つて警察法の改正の問題につきましては質疑応答もございましたので、この際質疑を打切ると、直ちに討論採決することの動議を提出いたします。
#56
○岡本愛祐君 只今の高橋君の動議に賛成いたします。
#57
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より採決をいたします。高橋君の動議に賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#58
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて只今の高橋君の動議は成立いたしました。よつて質疑は打切つたものと決定いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がありましたら討論中にお述べを願います。
#59
○岩木哲夫君 私は改進党を代表いたしまして次のことを条件として賛成をいたしたいと思うのであります。その条件といたしたいことは、只今質疑打切りの動議直前に私が内閣総理大臣に質問いたしました五つの点、法務総裁が内閣総理大臣に代つて御答弁されましたことに対しまして、私の質問いたしておる点に満足いたしておる、満足すべき御答弁がありましたから、政府はこの答弁の具現実現実行に必ず約束される、又この御答弁を厳守されるということの御言質を得ましたのでこの言質を条件といたしまして私は本法案に賛成するものであります。
#60
○岡本愛祐君 私は縁風会を代表いたしまして本法案に賛成の意を表します。ただこの際申上げておきたいことは、政府原案におきまして、この総理大臣が国警長官、又は警視総監を任命いたします。そういうふうなことは絶対に反対であります。衆議院の修正におきましてその点は解決をいたしております。それで衆議院の修正議決に対して賛成をするのであります。又只今岩木委員より討論がございましたが、六十一条の二の総理大臣の指示につきましては法務総裁以下政府委員がしばしば明らかに御答弁になりましたように、この指示は行政管理に反するものであつてはなりません。又刑事訴訟法第百九十三条の検察官の捜査に関する権限を侵すもので絶対にあつてはならないのであります。その点は法務総裁の言明に信頼いたしまして賛成をする次第であります。
#61
○吉川末次郎君 議事進行についてこの際申上げたいのですが、先ほど理事会を開きましたときに、修正案を改進党のほうから出され、まだほかの党派も修正案を持つていらつしやるところもある。我々のほうでも今日直ちに討論の過程に議事が進行するものだと思つておりませんでしたから十分な検討は得ていないのでありますが、多少そうしたことについての用意もないではないのであります。併しながら今日はこうした過程において私は飽くまでもこれは非合法であると思つておりますが、仮に合法であるといたしましても、こうした討論の過程に直ちに入るものであると考えておりませんから、その用意は十分に整つておりません。併し理事会では修正案を持つているところの党派からそれぞれの修正案を出してそうして懇談会の形においてお互いが検討し合つて見てできるだけ譲り合つて統一したところのものに仕上げて行くところの過程を経たい、そういうプロセスを経たいということは理事会で大体話合つたことだと思いますので、只今改進党のほうから修正案の御提出があつたのでありまするから、これを中心といたしまして暫らく議事を休憩して、そうしてそうした懇談会の形式において、懇談会を持ちますために、その修正案審議のために議事を休憩されるように私はして頂きたいと思います。そのことは委員長よく御承知のことと思います。(「委員長、委員長、」と呼ぶ者あり)
#62
○委員長(西郷吉之助君) 今のは修正案ではないことを申上げておきます。(「委員長」と呼ぶ者あり)改進党は討論の御意見ですか。(「委員長、委員長、議事進行について」と呼ぶ者あり)
#63
○中田吉雄君 岩木君にお尋ねいたします。あなたの政治的な節操について私はお伺いいたします。(「議事進行じやないですか」と呼ぶ者あり)いや議事進行です。それはあとで聞いて下さい。あなたは私を会議中にあそこに呼出されて、一つ今晩質問だけ打切りたい、それを了承してくれと、こういうふうに申されたわけであります。そして私は会期が本日中でもう延長されないということであるなら討論採決されてよろしいと、併し明日になるというのなら一つその辺はもう午前中内でやるようにして、その辺で一つ我々の立場を認めてもらいたい。そこで岩木さんのほうはあちらの党の幹部なんかと連絡して会期の延長の問題を一つ探索してもらいたい、それがきまつたら決して本日そういうことをしない、あなたは万々あつても本日は委員会の質問を打切る程度でやるから一つ了承してくれということを私は言われたのに、まあ君子は豹変するということもありますが、何と言つても政治はやつぱし責任だ。昨日も申しましたように、政治家の基本的な三つの要件というものは叡智と決断と責任なんだ。私はこういう点で、どういうわけでまあそういうふうになられたか、非常に御指導を受けている岩木氏に対して甚だ申訳ないのですが、私は会期は本日中ならもう討論採決されてパツとやられてよろしい、併し明日に延びるということが確定したら若干の基本的な質問があるから一つ朝ちよつとやらしてもらいたい、それぐらいはよかろう、いずれになるか一つ党の幹部のほうに走つて行つて調べて来ると言われたので、私なんか安心していたんだ、その辺はどうなつているんですか。
#64
○岩木哲夫君 当委員会で各議員個人の本法案に直接関係のないことについての質疑はこうした時間に成るべく避けたいと思いますけれども、特に同僚中田議員からのお尋ねでありますから、その辺のいきさつをお話し申上げたいと思います。私があなたと御相談をいたしたことは、どうも衆議院の情勢から見て会期の延長がむずかしいかもわからない、かれこれもう一時間余りしかない状態であるから、この辺で質疑を打切りの動議が出たら賛成をいたしたいと思うので了解を得たいという、併しそれについては修正案を出したいと思うのであるけれども、この時間の切迫したときに修正案を各派でまとめるということは非常に困難だ、実は時前に寄り寄り関係議員には我が党の修正を意図する点について披瀝はいたしておるが、完全なまだ妥結の状態に至らないので、結局私から重要な事項を五項目に分けて政府に質問したいからその私の質問に対して満足すべき答弁があつたら修正の企図は放棄してそれの実現、言明約束を信じて、そうして修正に代る措置としてその政府の言明を条件としてこれは通過賛成すべきであると、かように思うので、どうせ社会党としてはこれについては賛成はできないと思うけれども、どうしても反対的態度というものは変えることはできないと思うが、併し反対の中にもこういう措置をとらざるを得ない今の段階から見て了解を得たい、そこで若し会期が延長されて明日のことになるならば本日は質疑の打切りにしてそれはそういう方法をとつてもよい、それに対して特にあなたから是非その場合には明日質問いたしたいような順序が望ましいとの希望であるという御意見がありましたので、それは誠に御尤もで自分も同調であるということをあなたに申上げたのであります。ただあなたに申上げたのと、今私が高橋議員の動議即ち質疑を打切つて直ちに討論採決の動議に対して私が賛成したのは、あなたとの話合いについては或いは行き違いを生じているかも知れません。けれどももうこの午前中の未明に亘つて会期の延長されたことを承認してまあこれに対して異論は皆様おつしやつていますが、事実上会期の延長が成立されておる、この未明の段階においてもう大体あなたも御承知の通りこうした五項目に対して質問をするという内容についてはその内容の点については同感であるという実情を、あなたの心境も承もつておりまするから、私はもうこれが若し午前零時から、いや五分からやるというようことでなかつたならば、お説のような点に相当私もあなたとの約束に対しては違反しておるかわかりませんが、特に委員長の職権によつて午前左分から、零時五分からやろうといつて、そしてこの時間に差迫つた今の段階といたしますれば、もう討論採決に入ることも止むを得ないという、その後の情勢変化に基いて、あなたとの約束については、或いは食い違いがあるかも知れませんが、大局的においては食い違いはない、こういうつもりでやつておるわけですから、余りまあそこは角立たずにお願いしたいとこう思います。(「了承」と呼ぶ者あり。)
#65
○原虎一君 討論に当つて委員長は修正案があるならばということでありますが、この法案は非常に重大な法案であるし、議事規則から言つても先ほど理事会の決定に基いて各派の修正意見を提出すると、それを持寄つてやるということになるのですが、この参議院の規則によりましても、第四十六条の規則を読みますと、「議案を修正しようとする委員は、予め修正案を委員長に提出しなければならない。」こうなつております。この機会を委員長はいつにされたのか、与えられていないのです、我々も我が会派から先般委員外発言で連合委員会に出席できなかつたので、伊藤修君がやつております、修君等の修正案も我が会派において審議して今日質問中だつたのです、十分にまとまつていない。委員長は修正案は一緒に討論すると言いますけれども、この参議院規則に今読みました第四十六条による、委員はあらかじめ修正案を委員長に提出しなければならない、という機会を私は与えて頂きたい。これだけを参議院規則によりまして…委員長は規則を励行されたいと思います。
#66
○委員長(西郷吉之助君) 今討論中でありますから修正案がございましたらお述べを願います。
#67
○原虎一君 修正案がありましたらと言われますけれども、先ほど理事会において各派がそれを持出すという、運営法をおきめになつてその持出す機会をいつにするかということも知らせんで、突然今になつて、而も今日は夜が明けて間もない、ですから、いつ修正案を持寄ることになつているから、いつにしてくれということを予告されもしないで、徹夜の会議で突然出してくるということは、できないことを委員長は要求されておる、できないことによつて運営しようとしておる、参議院規則はやはり守つて頂きたい。繰返して言いますけれども、この四十六条は「議案を修正しようとする委員は、予め修正案を委員長に提出しなければならない。」事実においてそういうことは言われて来ましたけれども、あらかじめ提出する機会は、又十分に用意する機会は与えられていない、質問中です、質問が終つて初めて私はここを修正しなければならない、あそこを修正しなければならないというものだろうと思うのです、質問中に修正案というものを作るということは、これは私は軽卒ではないかと思います。従いまして私は本会議が開かれる前まで質問いたしますよ。私の質問は終つておりません。でありまするから、私は岩木委員の質問に続いて質問を許された。委員長は質問を抑えました。私の質問は十分に終つていない。終つていない者に修正案をすぐ出せということは、委員長、無理である。でありますから、参議院規則によつてあらかじめこれから一時間後に出せと言われるのか、明朝何時までに出せと言われますか。従つてそれは私は参議院規則の四十七条が、これで質問を打切るということは、動議によつて打切られた。討論に際しては、ついでに修正案を出せと言われる。ついでであります、原案に対して賛否ならば簡単でありますが、修正案を含めての討議でありますならば、やはりこれを参議院規則四十七条に質問か終つて打切られたら打切られたというその質問が終つたのでありますから、それに基いて修正案が作られるということは、これは議事運営の私は当然なる正しい運営だと思う。今までのこういう状態でないのでありまするならば、今までの慣習上用意もあつたでありましよう。併し現に私は繰返して申しますけれども、質問中を打切られたのであります。そこから修正案を作らなければならない。修正案を作る機会というものは与えていたい。而も修正案を含んだ討論をやれるということは、できないことを委員に強いるということであります。この点は良心によつて委員長正しき法によつて決する、而ももう一時間しかないとか、三十分しかないという審議の時間ではありません。明日の夜の十二時まであるはずである。必要ならば衆議院はもう一回会期延長をするかも知れません。そういう状態において質問を打切るとすぐ修正案を出せ、それによつて討議するということは、できないことを議員に強いるものであります。而もこの法律案は如何に重要だということは、委員長みずから十分御承知なんであります。委員長はやはり良心によつて、良識によつて委員会の運営を図ることを切望するものであります。
#68
○委員長(西郷吉之助君) 討論中でありまするから、御意見がございましたらお述べを願います。
#69
○駒井藤平君 私は只今討論採決に入つておりますので、民主クラブを代表いたしまして、法案に対して賛成いたします。
#70
○委員長(西郷吉之助君) 他に御意見はございませんか。
#71
○吉川末次郎君 私はこの委員会の成立そのものに法的な疑義を持つておるものでありまするが、それはただ疑惑を持つているということ以上には、委員長と解釈を異にするものでありますから、それ以上は申しませんが、この法案に対しては、先ほど理事会におきまして岩沢君にも話しておつたのでありますが、我々は修正案についての用意を持つておる、それはこれであります。併しながら先ほど来申しましたように、実はそれは法務委員の伊藤修君が私の指示によつて、指示というと何でありますが、委嘱によつて作つて参つたものでありまして、十分の私は検討を経ておりませんから、我が党の会派の意見としてこれを皆さんの前に提案するところの運びには至つておらんのであります。併しながら私たちが決して計画的に議事の遷延を図つてそうしてこれを審議未了に終らすというようなことを計画しておるところのものではない。而も今日会期が一日延長せられまして、そうしたことは政治的にも技術的にも不可能なのでありますから、今原君が申述べましたように私はそうしたいろんな法的にも多少の疑惑、疑義があり、それからその他のいろんな事情よりいたしまして非常な無理が行われて、そうしてこの討論の過程に入つておるというまあ私はそれはそのまま信じませんが、仮にそう解釈いたしましてもなつておると思われるのであります。でありまするからどうぞ一つ委員長は原君が申しまするように良識と良心に基いてこの際極めて公正妥当なるところの処置を一つお考えを願うわけには行かんもんでしようか。即ち修正案を我々が十分に検討してそうして現在の討論の過程が時間的にもつと長く続くようなこと、そういうような特殊的な御処置を願いたいと思うのですが、如何でしようか。あなたにお尋ねいたしたいと思うのですが……。
#72
○委員長(西郷吉之助君) 討論中でございますから、もし修正案がございましたら只今お述べを願いたいと存じます。
#73
○吉川末次郎君 私はただ反対であるということを申述べましてそれ以上のことは委員長の処置を甚だ不当であり、又この委員会というものの法的及び政治的な性質につきまして多くの疑惑を持つておるものでありまするからこれ以上意見の開陳はいたしません。
#74
○原虎一君 先ほどから申しまするように、参議院規則第四十七条は「議案を修正しようとする委員は、予め修正案を委員長に提出しなければならない。」修正する意思があるということはその委員会の理事会において委員長は御存じのはずです。而もそれは質問が先ほど申しますように終らずしてすぐ討論採決、而もそこに修正案を出せと、原案に賛成か反対かということだけを以て一応打切られて、修正案は明日に出せと、これならば私は議事法に基く理窟が立つと思う。原案に対する賛否の論旨に直ちに修正案を出せということは何としても、私はできないことを委員長は委員に強いておる。而も時間がないというので委員長の責任上無理でも遂行しなければならんという時間的状態にありません。如何に数がものを言うと申しましても、我々法を作る人間は法を守らなければなりません。法を委員長は十分玩味願いたい。参議院規則第四十七条を御研究の上においてなさつているとは私どもげ考えられません。御研究あつたならば何故この参議院規則四十七条に反してもその意思に反してもやらなければならんということを我々に一応御説明があつて然るべきだ。如何に討論があつても、多数がやられたとしてもいわゆる法を破る多数は暴力ではありませんか。学識経験のある委員長は法を破る暴力に動かされずに、卓を叩いて声を大にするところのものは暴力ではありません、法律を無視する多数は暴力であります。それを私は委員長に申上げて私は納得できません。私、吉川君にどういう修正案が伊藤君から出されたか知りませんけれども、私自身は一個の委員として質問が終つたばかりであります。その質問に了解できなければ了解できんままにおいて修正案を作らなければなりません。その時間を委員長はいつ与えたか。私は何としてもこの点は納得できない。
#75
○吉川末次郎君 我々の質問は昨日始めたばかりじやないですか。
#76
○岡本愛祐君 只今参議院規則第四十七条とおつしやつたのでありますが、四十六条であろうと思います。これを根拠にして原委員から委員長に対する御質問がある、いずれ委員部長なり議事課長がおりますから私の解釈、これが間違つておるかどうか、これを御答弁願いたいと思う。この四十六条というのは委員長に対して議員から議案を修正をしようとする委員に対して修正案の提出を求めなければならんというのではありません。これはよく読んで見ると、議案を修正しようとする委員はあらかじめ修正案を委員長に提出しなければならない。つまりこの討論の過程におきまして議案を修正しようとする委員はあらかじめ委員長にこの文字で、書面で修正案を提出しなければならんという、その義務を課しておるのであります。だからこれは今出してないのですからどうも修正案の出しようがない、この四十六条で言えばそう言えるのであります。
#77
○原虎一君 岡本さんの……。
#78
○岡本愛祐君 ちよつと待つて下さい。これに対して間違つておるかどうか、委員部長並びに議事課長、どちらでもいいですが、それから御答弁願いたい。
#79
○参事(宮坂完孝君) 只今岡本議員のおつしやる通りでありまして四十六条は修正をしようとする委員は前以て委員長に提出するというのが法の解釈でございます。
#80
○原虎一君 それはわかつて最初から言つておるのです。それがわからずに質問いたしておりません。それから法の解釈、それから運営とは、ただ、失礼ですけれども、一課長が言うことによつて私どもがそれが全部正しいとは考えられません。これを以てその実証する、或いは納得するとなればそれぞれの機関、それぞれ機構によるところの職責も十分果し得る人間から聞きたいのです。これは委員長のおつしやる通り申上げるまでもないのであります。私の言うのはこの規則は議案を修正しようとする委員はあらかじめ修正案を委員長に提出しなければならない。これは先ほどから繰返して申しますように、理一会を開いて修正案を出すということを話して、併し質問が終つていないのに修正案を作るということは、作らないことはありませんけれども、質問が終了して作るのが当然ではないかと思うのです。併し質問が終つてその期間を与えずして議案に対する賛否の討論ならば私はこの規則に違反すると思いますし、修正案を含めてということは出す機会を実質上は与えずして委員長は審議しようというのですから、我々委員の審議権という、即ち四十七条の精神というものを殺してしまつてただ急げばよい、それも私は繰返して申しますけれども、時間がないならば別であります。時間がないとは言えません一そういう無理な審議を委員長はなぜしなければならないか。公正無私と言われて敬意を表しておる委員長が会期延長が一日きまつた今日、何故に参議院規則を、この条項を無視した、精神を殺す行為をなぜしなければならなかつたか、そういう立場に委員長はなぜ追い込まれたのであるか。先ほども申しますように法を作る者が法を蹂躙することはそれ自体が暴力であります。そういう運営を委員長はなぜしなければならないか。私はそれは理解できないから申上げておるのでありまして、法文の解釈につきましてはその私の解釈が運営上間違いであるかどうかということは、それぞれの運営委員会にも聞く必要がありましよう。課長以上のそれぞれの職責ある者の意見を聞く必要もあります。或いは法制局長の意見を聞く必要もありましよう。でありますからそういう疑義の生ずる……すでに岡本さんの解釈が違つておる。その解釈に基いて時間があるにもかかわらず何故にこの委員会を継続して行かなければならんかということを申上げておきます。
#81
○石村幸作君 私は自由党を代表いたしまして本案に賛成の意を表します。
#82
○委員長(西郷吉之助君) 他に討論の御意見がなければ討論を……。
#83
○若木勝藏君 議事進行について、今吉川さん、それから原さんの本人から修正案のことについて非常に私は理のある御話があつたと思うのであります。確かに修正案を作ることの余裕も与えられていない、機会も与えられていない。こういうふうなことによつてこのままこれを進行させるということは非常に私は委員長としての取扱方として遺憾な点があると思います。そこで私はやはりそういうところの折角の原さんのほうからもそういう申出があるのでありますから、ここで何とかそれを折合つけるような取扱方を委員長がなされることが議事の運営の円満の上から考えまして、これは委員長としてとるべきところのことでないかと、こう考えるのであります。
#84
○委員長(西郷吉之助君) 私は再三原委員に対しましても修正御意見があれば討論でありますからお述べを願うことを申上げておるのであります。御異議がなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(西郷吉之助君) それでは御異議ないものと認めます。これより採決に入ります。
 警察法の一部を改正する法律案について採決いたします。本警察法の一部を改正する法律案の衆議院送付案は修正議決案であります。この衆議院送付案通り賛成の諸君の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて本案は衆議院送付案通り多数を以て可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして委員長が議院に提出する報告妻につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可とせられたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
   堀  末治  岩木 哲夫
   石村 幸作  岩沢 忠恭
   高橋進太郎  宮田 重文
   岡本 愛祐  館  哲二
   駒井 藤平
#88
○委員長(西郷吉之助君) 御署名漏れはございませんか。署名漏れはないものと認めます。本日はこれにて休憩……。
#89
○石村幸作君 大分皆さんお疲れのようですが、適当な時間だけ休憩いたしまして、そうして残つております集団示威運動等の秩序保持に関する法律案並びに請願陳情等を休憩後引続いて審議に入りたいと思つております。然るべくお進めを願います。
#90
○委員長(西郷吉之助君) 本日はこれにて休憩いたしまして、午前十時に理事会を開き、且つ十時半に委員会を開会したいと思います。これにて本日は休憩いたします。
   午前一時二十分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十五分開会
#91
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を再開いたします。
 本日は昨日いたしました請願に引続いて第二千二百十七号並びに第二千三百三十三号、この二件を説明いたさせます。
#92
○專門員(武井群嗣君) 請願第二千二百十七号と第二千三百三十三号、同名のものでありまして、地方自治法改正案中一部改正に関する件、宮城県議会議長提出でありますが、内容は前日述べましたと同様な自治法の改正をするに当つて政府の案には議会の議員の定数を減じ、或いは議会の回数を減らすというようなことがあるようであるが、右は地方自治権の伸長を害するもであるから、さような条項を削るようにしてもらいたいという趣旨であります。
#93
○委員長(西郷吉之助君) これは今お聞き及びの通りでありますから、採択して政府に送付することにいたしては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
 次は二千二百九十一号について説明いたさせます。
#95
○專門員(武井群嗣君) 請願第二千二百九十一号、地方自治法改正反対に関する件も同趣旨のものでございます。
#96
○委員長(西郷吉之助君) それではこれも同趣旨でありますから、同様に採択することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
 次は第二五三八号、これも今のと同様でございますから、同一の取計らい方をいたしまして、採択いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(西郷吉之助君) 次は第二千五百三十九号でございます。
#99
○專門員(武井群嗣君) 請願第二千五百三十九号、地方自治法改正法案に関する件、これは政府は地方自治法の改正案が出ておるようであるが、それぞれの法案の審議については、近く発足を予定せられる地方制度調査会の意見を聞いた上で慎重にしてもらいたいというのでありまして、ちよつと御採択如何かと存じております。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#100
○委員長(西郷吉之助君) これはそれでは留保することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう取計らいます。
 次は第百十一号。
#102
○專門員(武井群嗣君) 請願第百十一号、地方公共団体企業に対する優先免許の件、その要旨は電気ガス事業、自動車運送手業等を地方公共団体が経営する場合においては、他の企業に優先して免許するように取計らつてもらいたいという趣旨のものであります。
#103
○委員長(西郷吉之助君) これはお聞き及びのような趣旨でありますから採択して送付したら如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(西郷吉之助君) ではさようにいたします。
 次は第百十二号。
#105
○專門員(武井群嗣君) 請願第百十二号は、地方自治法第七十五条第一項改正に関する件というのでありますが、その要旨は入場税、遊興飲食税等を市町村税に移管してもらいたいというのであります。
#106
○岡本愛祐君 これはいろいろ研究を要する問題でありますから留保したらどうですか。
#107
○委員長(西郷吉之助君) 留保の御意見がございますが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
 次は第五百六十八号。
#109
○專門員(武井群嗣君) 請願第五百六十八号は地方自治法第九十二条改正に関する件でありますが、これは請負業者と地方議会の議員との兼職を禁止するように改正してもらいたいという趣旨でございます。
#110
○委員長(西郷吉之助君) これは採択しては如何でしようか。
#111
○中田吉雄君 県会議員等の職権とからみ合いまして非常な弊害はあると思うのですが、ちよつとその問題憲法上の疑義がありはせんかと思うのですがね。
#112
○委員長(西郷吉之助君) では留保いたします。
 四十五から同趣旨のものを含めて一つ願いたい。
#113
○專門員(武井群嗣君) 陳情七十五号、百七十号、三百二十二号、三百四十四号、四百六十七号、請願千三百四十号、二千三十七号、陳情六百七十四号、七百四十四号、七百五十八号、八百十号、九百五号、九百十七号、九百六十九号、千十三号、ここまでは特別市制に反対の請願及び陳情でございますが、趣旨は細かく申上げません。
#114
○委員長(西郷吉之助君) これは特別市制の問題でありまするからこれは留保が如何かと思いますが、如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたすことにいたします。
#116
○專門員(武井群嗣君) 請願千百七十八号、陳情九百五十一号、九百五十六号、九百八十八号、この四件は大阪の特別市制反対に関する陳情並びに請願でございます。
#117
○堀末治君 これも同断だな。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#118
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#119
○專門員(武井群嗣君) 請願千二百五十五号、千二百七十七号、千三百二十五号、千三百五十三号、千三百九十九号、千四百八十二号、千七百五十六号、陳情八百十一号、請願千六百七十号、ここまでの請願、陳情は大阪市を特別市に指定する法律制定を請願又は陳情することでございます。
#120
○吉川末次郎君 これは反対の陳情及び請願と同様に取扱いを願いたいと思います。共に留保‥‥。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#121
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保で御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#123
○專門員(武井群嗣君) ついでに陳情七百四十五号、七百九十二号、八百四十一号、千六十四号、千七十七号、ここまでは大阪市に特別市制を実施してもらいたいという請願並びに陳情でございます。
#124
○岡本愛祐君 留保。
#125
○委員長(西郷吉之助君) 留保の動議が出ましたが……。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#127
○專門員(武井群嗣君) 陳情九百十六号は浦和市会議長の提出でありまして、特別市制の制度を全国二百七十七都市に実施するように取計らつてもらいたいということでございます。
#128
○堀末治君 留保は如何でしようか。
#129
○委員長(西郷吉之助君) 留保の意見が出ておりますが…‥。
   〔「留保」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(西郷吉之助君) 留保いたします。
#131
○專門員(武井群嗣君) 陳情九百九十八号、千二十号、千三十一号、この三件は神戸の特別市制反対の陳情でございます。
#132
○委員長(西郷吉之助君) 大阪同様に留保で……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(西郷吉之助君) 留保いたします。
#134
○專門員(武井群嗣君) 陳情三百二十五号、地方自治体の統合強化に関する件、これは自治体の統合を強化すること、それから事務の再配分を促進してもらいたいという陳情でございます。
#135
○堀末治君 採択。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#136
○委員長(西郷吉之助君) では採択いたします。
#137
○專門員(武井群嗣君) 陳情三百八十六号及び四百四十二号は地方制度調査会構成員に地方議会代表者を参画させるというのであります。これは言明のごとく近くできる地方制度調査会の構成員に地方議会の代表者を入れるようにしてもらいたいという請願でございます。
#138
○堀末治君 採択。
#139
○委員長(西郷吉之助君) 採択することにいたします。
#140
○專門員(武井群嗣君) 次に陳情四百二十七号、都道府県土木、建築各部長の職種に関する件、こういうのであります。これは都道府県の土木部長、建築部長を技師に限るようにして、そうしてそれを専門工学識というようにしてもらいたいというのであります。
#141
○委員長(西郷吉之助君) これはいま少し研究を要すると思いますので留保いたしたら如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#143
○專門員(武井群嗣君) 陳情四百六十八号、五百十号、請願千九十一号、千三百六十一一号、千三百八十六号、千六百十八号はいずれも特別区の組織及び運営に関する件でありまして、その特別区の自治権を拡大することを要望しておるのであります。
#144
○委員長(西郷吉之助君) 留保にいたします。
#145
○專門員(武井群嗣君) 陳情八百五十五号は東京都特別区制度改革に関する件、このほうは都の権限を拡大してもらいたいという陳情でございます。
#146
○委員長(西郷吉之助君) 同様留保で如何でございますか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#148
○專門員(武井群嗣君) 請願千二百七十五号、地方公務員法附則二十一項の単純労務雇用職員の身分取扱に関する件、これは従前の例によると附則に書いてあります単純労務者に関する立法を速かにしてもらいたいという請願でございます。
#149
○委員長(西郷吉之助君) これは採択いたします。
#150
○專門員(武井群嗣君) 陳情五百七十三号、七百四号、七百九十九号は地方自治法第百三十八条改正に関する件でありまして、これは地方の議会に議会事務局を設置するようにしてもらいたいというのでございます。
#151
○委員長(西郷吉之助君) これはお聞き及びのような趣旨でございますから採択しては……。
#152
○專門員(武井群嗣君) これは法律のほうには市会のほうは事務局を設けることになつておりますが、町村会のほうは設けることができるとなつておるのを設けてもらいたいというのです。
#153
○岡本愛祐君 これも研究課題として留保する動議を提出いたします。
#154
○委員長(西郷吉之助君) 留保で如何でございますか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#156
○專門員(武井群嗣君) 陳情七百二十四号は地方自治法中一部改正等に関する件、これは議員の定数等を減ずる案を実行してもらいたいという趣旨の陳情でございます。
#157
○委員長(西郷吉之助君) これはいま少しく研究を要すると思いますので、留保しては如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#158
○委員長(西郷吉之助君) 留保いたします。
#159
○專門員(武井群嗣君) 陳情七百八十八号、地方公務員の恩給制度確立に関する件、町村の職員についての恩給制度は一応できておるが、市の吏員の恩給制度ができておらないので確立してもらいたいという趣旨であります。
#160
○委員長(西郷吉之助君) これは採択にいたします。
#161
○專門員(武井群嗣君) 陳情九百三号、北海道林務部存置に関する件、これは五通ございますが、北海道に林務部を置いてもらいたいという趣旨でございます。
#162
○委員長(西郷吉之助君) これは届出でできることになりますからこれは採択いたします。
#163
○專門員(武井群嗣君) 陳情九百六十五号、地方公務員法中一部改正に関する件、これは地方公務員が公務災害等に会つた場合に、災害補償に関する審査を請求するときに、都道府県や市町村などの公務員の場合には、その審査をその市町村の属する都道府県の人事委員会に申請するということになつておるのでありますが、市の人事委員会にも申請ができるように、こう改めてもらいたい、こういう趣旨でございます。「いいじやないですか」と呼ぶ者あり)
#164
○委員長(西郷吉之助君) これはいま少しく研究を要する問題でありますが、留保して研究することに御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#165
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保にいたします。
#166
○專門員(武井群嗣君) 陳情九百八十四号、主要道府県に建築部設置の件、同じく陳情一千百六号、一千百十一号、一千百二十三号、主要道府県の建築部存置に関する件、この四件はいずれも主要なる道府県に建築部を設置、或いは存置してもらいたいとの趣旨であります。大体今回の改正で願意は達せられておるようであります。(「採択」と呼ぶ者あり)
#167
○委員長(西郷吉之助君) ではこれも採択いたします。
#168
○專門員(武井群嗣君) 陳情一千三十号、地方公営企業法案中一部修正に関する件、これは地方公営企業の会計監査のために地方公営企業を経営する市は監査委員を設置するところの規定を設けるよう修正してもらいたいという趣旨でございますが、地方財政法等において市には監査委員を置くことになつておりますので、その趣旨は達せられることと思つております。
#169
○委員長(西郷吉之助君) これも採択することにして差支えないと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(西郷吉之助君) 採択いたします。
#171
○專門員(武井群嗣君) 請願一千八百十七号は同名でありますけれども、内容は前段のど違うのでございまして、これは地方公営企業法案の中に下水道事業も指定してもらいたいというのでございまして、先般の地方公営企業法の改正によりまして、これは指定し得る状況になつておるわけであります。(「採択」と呼ぶ者あり)
#172
○委員長(西郷吉之助君) それではこれも採択いたします。
#173
○專門員(武井群嗣君) 請願一千八百四十一瓦石はこれも前段と同名でありまするが、その内容は地方公営企業の従業員を一般の公務員とは別個の法制によつて規律してもらいたいというのでありまして、大体先般の地方公営企業労働関係法によつて願意はおおむね達せられているのじやなかろうかと思います。
 次の請願二千二百九十五号、二千四百二十六号は今申上げたと同趣旨のものであります。(「採択」と呼ぶ者あり)
#174
○委員長(西郷吉之助君) ではこれも同様に採択いたします。
#175
○專門員(武井群嗣君) 請願二千三百六十七号、五大市の区選挙管理委員会存置に関する件、これは題名の示すごとくに五大市の区選挙管理委員会が一時は政府では廃止になつておりましたので、これを存置する請願でございます。今回存圧することに改正せられましたので、願意は達せられましたものとみなします。(「採択」と呼ぶ者あり)
#176
○委員長(西郷吉之助君) それでは採択いたします。
#177
○專門員(武井群嗣君) 陳情千百十八号、行政書士法中一部改正に関する件、この内容は行政書士を救済するために諸官庁等に出す書類は必ず行政書士の手を経るということに決定してもらいたいというのでありまして、研究を要すると思います。
#178
○委員長(西郷吉之助君) 留保をいたします。
 次は財政関係であります。
#179
○專門員(武井群嗣君) 請願三十六号から陳情三十四号、同じく三十六号、五十三号、七十七号、六十五号、百三十三号、二百六十八号、請願三百二十二号、陳情三百二十四号、同じく二百四十六号、三百五十五号、七百三十七号、請願千五百号、これまでは題名はそれぞれ若干の違いはございまするけれども、その内容は平衡交付金の配分を増額してもらいたいという共通な願いでありますので、一括並べたわけであります。
#180
○吉川末次郎君 大体内容もわかつておりますが、ここに地方財政委員会の財務部長が見えておられるようでございますから、地方財政委員会側の意見をお聞きしたいと思います。
#181
○委員長(西郷吉之助君) 今の請願、陳情に対して政府から内容を伺います。
#182
○政府委員(武岡憲一君) 只今お尋ねの各陳情並びに請願につきましての意見でございまするが、大体題名によりまして内容を推察いたしまするのに、各団体に対する二十六年度或いは二十五年度の平衡交付金の金額が期待に対して少かつたということから、その増額を要求しておるものと推察せられるのであります。御承知の通り財政平衡交付金の配分に関しましては、今回特に平衡交付金法の改正をして頂きまして、大企業は特定せられたのでございまして、只今二十七年度の平衡交付金の配分につきましては、この新らしい法律に基きまして準備中でございます。いろいろ従来やつて参りました配分の結果等を参酌いたしまして、補正係数或いは基準財政収入額の算定方法等につきましていろいろ研究をいたしまして、できるだけ実情に即した適切な配分をいたしたいということで準備にかかつておるのであります。各団体によりまして交付金の額がどのように配分されたかということにつきましては、結果的に見て財政需要額の測定が不当に低かつた、或いは収入額の測定が不当に高いというようなことが、団体によりましては或いはあるかと存じまするが、これらのものにつきましては、なおその具体的な事実等が判明いたしました場合にそれを参酌いたしまして、特別平衡交付金等による調整を行なつて参つたのであります。これらの陳情、請願等につきましても、更に具体的にその内容を拝見いたしました上で、若し二十七年度の配分につきまして改めるべき部分がございますれば、適当に改めて参りたい、かように考えておる次第でございます。
#183
○委員長(西郷吉之助君) これは一応お聞きの通りでありますから、採択して政府に送付することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(西郷吉之助君) ではさように取計らいます。
#185
○專門員(武井群嗣君) 陳情六百二十九号、府県の財源不足対策に関する件、請願三十七号、地方財政確立に関する件、四百十九号同じく、二百六十二号地方財政危機打開に関する件、陳情四百十四号、地方税財政制度改革に関する件、題名は五件とも違つておるのでありますが、これに共通する請願並びに陳情の趣旨は、六百二十九号につきましては、財源不足対策のために繋ぎ資金を利用してもらいたいというのが主たる理由であります。それから次の三件の請願は、地方財政確立のため或いは危機打開のために起債或いは交付金の増額、税制の改革、短期融資等を取計らつてもらいたい。四百十四号はこれらのことを制度の上に現わすように改革をしてもらいたい。いずれも各地方公共団体の財政難を救うための共通の願望と認められますので、ここに並べて一覧表にいたした次第でございます。
#186
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨が極めて妥当でありますから、採択の上政府に送付しては如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう取計らいます。
#188
○專門員(武井群嗣君) 請願二百七十九号、市町村立学校職員給与負担法中一部改正に関する件、これは現存市町村立学校職員の給与のうち日直手当は県費で負担しておるわけであるが、これを市町村から出すようにしてもらいたいという長崎県知事の陳情であります。研究を用すると思います。
#189
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保にいたしたいと思いますが、如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#190
○委員長(西郷吉之助君) 留保いたします。
#191
○專門員(武井群嗣君) 陳情の百四十四号から数件ございますのは、それぞれ具体的のものになつておりますので、その点でまとめたものでありますが、百四十四号は、公営電気事業の起債枠拡大に関する件、公営電気事業の起債は非常に厳重になつておりますので、これを拡大してもらいたい。陳情の三百二十三号は、公共事業の起債早期決定に関する件、これは起債の規模を早くきめてもらわないと、事業の進行上東北地方は特に困るからというようなことであります。請願五百八十二号、京都、小倉両市の都市計画用地買収費起債等に関する件、これは都市計画用地の買収のために起債をしなければならん、その起債の許可を早くしてもらつて、それからそれに対する国庫補助も早く出してもらいたい。陳情六百二十六号、電源開発資金起債別枠確保に関する件、これは電気事業の電源開発の資金の起債の枠を拡げてもらいたい。陳情六百三十一号は、地方公務員の退職金財源措置に関する件、これは地方の公務員に対しても国家公務員に準じて退職資金の財源措置を講じてもらいたい。もう一件陳情の六百四十九号、起債及び平衡交付金の早期決定等に関する件、これは災害復旧等のために平衡交付金及び起債の決定を速かにして、その災害復旧を早くやるようにいたしたいというのでございます。
#192
○委員長(西郷吉之助君) これはいずれも趣旨妥当でありまするので、採決の上送付することにしては如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#194
○專門員(武井群嗣君) 請願千三百三十八号、地方財政法第五条改正に関する件、これは趣旨は市五条を削除してもらいたいというのでございまして、第五条は起債の制限であつたと思います。普通税の税率が評準税率以上である場合に限つて起債を許されるような規定になつておりますので、非常に窮屈であるから、これを改正してもらいたいというのが趣旨でございます。
#195
○委員長(西郷吉之助君) これはなお研究を要すると思いますので、留保したら如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう取計らいます。
#197
○專門員(武井群嗣君) 千四百四十四号、農業委員会書記の恩給に関する件、これは先般の恩給、町村職員恩給法によりましても農業委員会の書記の恩給は交付せられることになつたのでありますが、これの財源措置に困つている点がありますので、この点を特に政府において考慮してもらいたいというのが趣旨でございます。
#198
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨は妥当でございまするから、採択して政府に送付したら如何かと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(西郷吉之助君) それではさよう取計らいます。
#200
○專門員(武井群嗣君) 請願千五百三十七号、六三制学校特別教室等の建設費起債に関する件、二千五号、定時制高等学校校舎建設費起債に関する件、陳情千五十六号、高等学校定時制分校建設費の起債枠設定に関する件、以上三件は高等学校の、特に定時制について建築の財源等に困つておるのでその施設が遅れておる、それから六三制については特別教室の建築が遅れておるので、それは要するに起債の制限が強いからであるからして、この枠を拡げ、或いは起債を多くしてもらいたいというような趣旨でございます。
#201
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨が同様でございまするから、採択の上送付しては如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#203
○專門員(武井群嗣君) 請願千五百三十八号、港湾修築費地元負担金の全額起債に関する件、これは地方で行う港湾修築の費用を支弁するために地元負担金を出すのでありますが、その地元負担金について全額起債のできるようにしてもらいたいというのでございます。
#204
○委員長(西郷吉之助君) これは採択送付しては如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#206
○專門員(武井群嗣君) 請願千五百四十号、国庫補助金等早期交付に関する件、千九百四十三号、起債の早期認可に関する件、一方は国庫補助、一方は起債でございますが、共通するところは共に早期に認可交付等をしてもらいたい、そうして事業を急ぎたいということでございます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#207
○委員長(西郷吉之助君) それではこれは採択の上送付いたします。
#208
○專門員(武井群嗣君) 陳情九百九十九号、公営住宅建設事業費起債増額等に関する件、千二十七号、清掃事業施設整備に要する財源確保に関する件、千五十七号、定時制高等学校教育費測定単位に関する件。
 九百九十九号は公営住宅の建設事業の起債の認可の額をもつと殖やしてもらいたい。それから千二十七号、清掃事業については、この清掃事業が遺憾なくできますように起債の許可を速かにすること、国庫補助、平衡交付金等に特に考慮をしてもらいたい。それから次の定時制高等学校は、これは平衡交付金の測定単位の中に学校数、学級数等を加えて遺憾なきを期してもらいたい、具体的に例を挙げてございます。
#209
○委員長(西郷吉之助君) いずれも趣旨は妥当でございますから、採択の上送付することで如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○委員長(西郷吉之助君) それではさようにいたします。
 次に税制関係に入ります。
#211
○專門員(武井群嗣君) 陳情七号は、地方税制改正に関する件、宮城県知事ほか七名。北海道、東北のほうでは特にその都市事情に適するように地方税制の改正をしてもらいたいというので、いろいろと具体的に例示をしたものであります。
 それからこれと対蹠的になりますものは次の請願二百七十八号と、陳情の四十四号でありまして、これは大都市のために地方税制の改正をしてもらいたいというので、いずれも具体的の例示をしたものでありまして、趣旨はおおむね結構と思います。
#212
○委員長(西郷吉之助君) これは政府に送付して如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#214
○專門員(武井群嗣君) 請願百十三号、入場税及び遊興飲食税の市町村移管に関する件、陳情百三十四号入場税等を市町村に移譲するの件、この両件は現在府県税になつておりますので、これを市町村に移管してもらいたいというので、税制の全般と睨み合して研究を要するかと思います。
#215
○委員長(西郷吉之助君) これは慎重な研究を必要といたしますから、一応留保して如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#217
○專門員(武井群嗣君) 陳情六百二十五号、地方税制改革等に関する件、鹿児島県会議長からの提出でありまして、地方税制改革につきましていろいろと陳情をいたしたのでありますが、おおむね抽象的に書いてありまして趣旨はおおむね結構と思つております。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#218
○委員長(西郷吉之助君) それでは採択の上送付いたします。
#219
○專門員(武井群嗣君) 陳情六百四十三号、鉱産税の府県移譲に関する件、これは現在市町村税になつておりますものを府県に移譲してもらいたいということで、研究を要すると思います。
#220
○委員長(西郷吉之助君) これは留保して如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#222
○專門員(武井群嗣君) 陳情六百四十八号、地方税法改正に伴う財産措置の件、これは附加価値税等を実施した場合においては、地方に財源が不足するから、交付金等によつて補つてもらいたいというのであります。
#223
○委員長(西郷吉之助君) これは採択いたしましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(西郷吉之助君) それでは採択して送付いたします。
#225
○專門員(武井群嗣君) 請願千八百四十一号、地方税法中一部改正等野に関する件、これは東北の都市関係からの要望でございまして、具体的に所得税の改正、それから市町村民税の個人所得割の制限率を引上げる、入場税の全面的市税移譲というのが具体的に出ておるのでありまして、併しこのままにはその趣旨を採択することはできない、更に一層研究を要するのではなかろうかと思つております。(「留保、研究」と呼ぶ者あり)
#226
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#227
○專門員(武井群嗣君) 陳情八百三十号、地方税法三百四十八条第一項改正に関する件、これは次の陳情千二十一号も今の地方税法中一部改正に関する件とほぼ同様でありまして、それから次の請願千九百四十四号、地方税法第三百四十八条第一項改正に関する件、この三件はいずれも同趣旨のものでございまして、固定資産税の非課税の範囲に関する規定を改めて、端的に申しますと国鉄等に固定資産税を課するようにしてもらいたいという陳情であります。(「留保、研究」と呼ぶ者あり)
#228
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保いたします。
#229
○專門員(武井群嗣君) 陳情二十六号は事業税の課税標準等に関する件でありまして、これは先ほどの事業税の課税標準につきまして細かく課税標準の現在の一二%を八%に引下げてくれとか、或いは個人企業に十万円の基礎控除を認めてくれとか具体的に陳情しておるものでございますが、研究をいたしたいと思います。
#230
○委員長(西郷吉之助君) 留保で如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(西郷吉之助君) 留保いたします。
 次に移ります。
#232
○專門員(武井群嗣君) 請願四十四号及び七百十号は共に、四十四号は狩猟者税を目的税とする件であつて、七百十号は狩猟者税軽減に関する件、題名は違いますが共通のところは狩猟者税を軽減してもらいたいということであります。先般の改正によつて願意を達せられたものと思います。
#233
○委員長(西郷吉之助君) それではこれは採択して如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#234
○委員長(西郷吉之助君) それでは採択いたします。
 次に移ります。
#235
○專門員(武井群嗣君) 請願西十五号、六十一号、六十二号、百五十五号は営業用トラツクの自動車税を軽減してもらいたいということであります。
 それから請願の六十三号、百十号、百三十九号、百四十五号、百五十六号、百五十七号、百八十号、百九十七号、四百三十一号、陳情七十六号、八十四号、六百二十八号、これまでは自家用と言わず、営業用と言わず自動車税を軽減してもらいたい。
 それから請願の四百二十号、四百五十七号、四百五十八号までの三件は自動車税の引上げ反対等に関する件、七百五十一号は乗合自動車税の引下げに関する陳情でありまして、大体共通の趣旨と思いますので、採択すべきものと思うのであります。
#236
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨妥当でございまするから、採択の上送付しては如何でございますか。採択して送付してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#237
○委員長(西郷吉之助君) それではさよういたします。
 次に移ります。
#238
○專門員(武井群嗣君) 請願百九十六号、地方税法中一部改正に関する件、この要旨は附加価値税を実施するようにしてもらいたいということであります。
#239
○委員長(西郷吉之助君) 百九十六号は留保しては如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#240
○委員長(西郷吉之助君) さよう決定いたします。
#241
○專門員(武井群嗣君) 陳情二百五十九号は遊興飲食税軽減に関する件でございます。
 それから次の紙になりまして、請願九百五十九号、千三百三十九号、陳情千百十七号、ここまでは遊興飲食税に関する請願、陳情であります。
#242
○委員長(西郷吉之助君) これは先般いたしましたので、採択してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#243
○委員長(西郷吉之助君) それではさよういたします。
#244
○專門員(武井群嗣君) 次の陳情四百六号、宿泊料に対する遊興飲食税減免の件、同じく四百九十号、五百二十一号、五百五十号、五百七十四号、五百八十五号、六百二号、六百二十七号、六百七十五号、七百二十五号、七百九十号、七百九十八号、八百二十一号、ここまでは同件でありまして、次の請願二千四百二十九号は外人宿泊に対する遊興飲食税免除に関する件であります。大体先般の改正によつて、願意を達成せられたものと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#245
○委員長(西郷吉之助君) これは採択いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#246
○委員長(西郷吉之助君) 採択いたします。
#247
○專門員(武井群嗣君) 陳情二百六十号及び請願二千百二十六号は共に映画演劇の入場税を軽減してもらいたいというのであります。
#248
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに先般いたしましたので採択いたしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#249
○委員長(西郷吉之助君) 採択いたします。
#250
○專門員(武井群嗣君) 請願千三百九号、千五百十七号、純舞踊の入場税軽減に関する件であります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#251
○委員長(西郷吉之助君) これは採択いたします。
#252
○專門員(武井群嗣君) 請願千九百六十三号、オペラの入場税減免に関する件、二千五百三十五号、どう球場の入場税全廃に関する件、これはいずれも趣旨妥当で先般いたしましたから。
#253
○委員長(西郷吉之助君) 採択して……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#255
○岡本愛祐君 二千五百三十五号のどう球場は全廃ですからこれはちよつと留保にしておいて頂きたい。
#256
○委員長(西郷吉之助君) 千九百六十三号まで採択、他の一件は留保いたします。
#257
○專門員(武井群嗣君) 陳情三百八十七号事業税率軽減に関する件、これは事業税の現在一割二分を八分に引下げてもらいたいというのであります。
#258
○委員長(西郷吉之助君) これはなお研究を要すると思いますから留保いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#259
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#260
○專門員(武井群嗣君) 陳情四百三十一号、新聞事業に対する地方税非課税等の件、これはこの件名の通りであります。先般の改正により願意は到達しておるものと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#261
○委員長(西郷吉之助君) それではすでに願意は到達しておりますから採択いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#262
○專門員(武井群嗣君) 請願五百九号、寺院くりに対する課税免除の件、これは税法によると寺院のくりに対しては固定資産税を免除せられるようになつておると思うのであるけれども、かけておる地方があるからはつきりしてもらいたいという請願であります。(「採択」「異議なし」と呼ぶ者あり)
#263
○委員長(西郷吉之助君) 採択いたします。
#264
○專門員(武井群嗣君) 請願六百十七号は理容美容業に対する特別所得税軽減で、先般の改正ですでに願意は達しておりますから。……(「採択」「異議なし」と呼ぶ者あり)
#265
○委員長(西郷吉之助君) すでに願意は達しておりますから採択いたします。
#266
○專門員(武井群嗣君) 請願六百二十五号助産婦に対する特別所得税等の課税適正化の件、これは特別所得税が地方よつていろいろ計算の仕方が違うから、もつと適正にしてもらいたいというのであります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#267
○委員長(西郷吉之助君) これは妥当でありますから採択の上送付いたします。
#268
○專門員(武井群嗣君) 請願八百三号は農業協同組合に対する地方税を免除してもらいたい、すべて免除してもらいたいという請願であります。(「留保」と呼ぶ者あり)
#269
○委員長(西郷吉之助君) それではなお研究を要するため留保いたします。
#270
○專門員(武井群嗣君) 請願千三百二十八号、信濃川発電所施設税に関する件、これは信濃川の発電所に対して発電所の施設税を実施するようにしてもらいたいというのであります。(「これは留保だ」と呼ぶ者あり)
#271
○委員長(西郷吉之助君) これは研究を要しますから留保いたします。
 次に移ります。
#272
○專門員(武井群嗣君) 請願千四百六十七号と千四百七十二号は共に地方税法第七百四十九条改正に関する件でありまして、その内容は運送業等に対する事業税の外形標準課税を廃止してもらいたいというのでありまして研究を要すると思います。
#273
○委員長(西郷吉之助君) これも留保で如何でございます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○委員長(西郷吉之助君) 留保いたします。
#275
○專門員(武井群嗣君) 請願千七百三十四号、地方税法中一部改正に関する件、これは農家の固定資産税が重過ぎるから軽減してもらいたい。
#276
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨は大体妥当であろうと思いますから、採択の上送付いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#277
○專門員(武井群嗣君) 請願千七百九十四号、弁護士に対する課税の件、これは弁護士は他の職務と違つて半ば公的のものであるからして、これに対する特別所得税を適正なる方向に運用してもらいたいという請願であります。
#278
○委員長(西郷吉之助君) これは採択の上送付しては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#279
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#280
○專門員(武井群嗣君) 請願二千十四号、出版業者に対する事業税免除の件、これは先ほど出ました新聞事業と同様のものでございます。
#281
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに趣旨大体到達いたしておりますから採択したいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#282
○岡本愛祐君 折角武岡財務部長が見えておりますが、先般の地方税法の改正によりまして、出版業者に対する事業税の免除は政令でその枠をきめることになつておつて、政令が出たように記憶いたしておりますが、どういうふうになつておるか、この機会に一応御説明願つておきたいと思います。出版に対する税ですね、学校教育、社会教育、学術研究その他ですか……。
#283
○委員長(西郷吉之助君) それでは後ほど主管の税務部民が参ります。から、それまでお待ちを願います。
 それでは次……。
#284
○專門員(武井群嗣君) 請願二千二百七十四号、助産婦の特別所得税免除に関する件、弁護士と権衡をとるものであろうと思いますが、請願の要旨は、助産婦は扶養家族或いは未亡人その他困つている者のいろんな仕事をしておる者が多いのでありまして、特別所得税を免除してもらいたい…‥。
#285
○委員長(西郷吉之助君) それではこれは政府に送付いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#286
○岡本愛祐君 免除だよ。免除ということはちよつと研究を要する。
#287
○委員長(西郷吉之助君) これは極めて軽微なものでありまして、非常に困つているらしいから。
#288
○中田吉雄君 産児制限で困つているらしいですな。
#289
○委員長(西郷吉之助君) これはもうその通りで、産児制限のためで大部分の者が生計が立たぬそうです。
 それでは採択の上政府に送付いたします。
#290
○專門員(武井群嗣君) 請願二千三百十一号は地方税法中電気ガス税一部改正に関する件でありまして、先般の改正が行われたところであります。
#291
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに願意が到達しておりますから採択することにいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#292
○專門員(武井群嗣君) 請願二千二百三十六号、これは少し変つておりますが、財団法人講道館に対する固定資産税免除に関する作、請願の趣旨は、講道館は世界的の柔道普及のために設けられておるのだが、学校法人でないために税金が多額にかかつて経営困難であるので、固定資産税を免除するように取計らつてもらいたいというのでございます。
#293
○委員長(西郷吉之助君) 如何でございましようか。
   〔「留保、研究」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保にとどめます。
#295
○專門員(武井群嗣君) 請願二千三百八十号と二千三百九十九号は共に教育研究に対する電気ガス税免除の件、先般の改正によつて願意が到達しております。
#296
○委員長(西郷吉之助君) それでは採択いたします。
#297
○專門員(武井群嗣君) もう一つ申上げるのを落しました。請願二千三百九十五号は民間学術研究機関に対する電気ガス税免除の件でございます。
#298
○委員長(西郷吉之助君) これも同様採択しては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#299
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#300
○專門員(武井群嗣君) 請願二千四百七号、二千五百三十六号、二千五百八十七号と陳情千百二十九号は共に医業に対する特別所得税を撤廃してもらいたいというので、先ほどの助産婦等と同様でございます。
#301
○岡本愛祐君 これは留保してもらいましよう。問題が大きいから…‥。
#302
○委員長(西郷吉之助君) それではこれは研究を要しますから留保いたしたいと思います。
 それでは次に警察官、その一枚おきましてその追加がございまするから。
#303
○專門員(武井群嗣君) 文書表の第二十回報告というのが書いてございますので、追加が一枚ございます。第一の追加がございます。行政関係で請願二千七百三十八号、特別市制反対に関する件、陳情の千百九十二号、五大市を特別市に指定する法律制定の件、一方反対、一方賛成の請願であります。
#304
○委員長(西郷吉之助君) これも前記と同様留保しては如何です。留保して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#305
○委員長(西郷吉之助君) それではさように取計らいます。
#306
○專門員(武井群嗣君) 次は陳情千二百号、地方財政委員会存置に関する件、この名の通りであります。
#307
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに法律が通つておりますから留保しては如何でしようか。
#308
○岡本愛祐君 留保していいでしよう。
#309
○委員長(西郷吉之助君) 留保にとどめます。
#310
○專門員(武井群嗣君) 次の陳情千二百一号、千二百九号は地方自治法改正案反対等に関する件、先般政府から提出したものに対する反対陳情であります。(「留保」と呼ぶ者あり)
#311
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに通りましたから留保いたします。
#312
○專門員(武井群嗣君) 請願二千八百十四号、岩手県久慈町の起債全体計画に関する件、これは速かに起債の全体計画を承認してもらいたいという請願でございます。
#313
○委員長(西郷吉之助君) これは多少研究を要するかと思いますが、まあ趣旨は大体いいのでありますが、採択してもようございますか。
#314
○高橋進太郎君 もう採択していいな。
#315
○委員長(西郷吉之助君) では採択いたします。
#316
○專門員(武井群嗣君) 請願二千八百二十五号、地方財政平衡交付金法中に幼稚園と明記する等の件、現在の平衡交付金では基準財政需要の中に幼稚園のことは書いてございませんので、幼稚園の発達が遅れておるので、これを明かにしてもらいたい、たびたび出る請願でございます。
#317
○委員長(西郷吉之助君) これは政府に送付しては如何です。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#318
○委員長(西郷吉之助君) それでは送付することにいたします。
#319
○專門員(武井群嗣君) 請願二千七百二十号はめん類の飲食税撤廃に関する件、二千七百八十三号、同じく免除に関する件で同様めん類の飲食税を免除してもらいたいという請願であります。
#320
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに先般大体願意は到達しておりますので、採択することにいたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#321
○委員長(西郷吉之助君) 採択いたします。
#322
○專門員(武井群嗣君) 請願二千七百二十七号、新聞業に対する地方税非課税の件、先ほど出たのと同様であります。
#323
○委員長(西郷吉之助君) 前二回と同様の趣旨で採択しては如何でしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#324
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#325
○專門員(武井群嗣君) 請願二千七百八十四号、二千八百二十六号、医業に対する特別所得税撤廃の件、先ほど御審議のものと同様であります。
#326
○委員長(西郷吉之助君) これは留保いたしますか。
   〔「留保」と呼ぶ者あり〕
#327
○委員長(西郷吉之助君) それじや留保いたします。
#328
○專門員(武井群嗣君) 陳情千百九十九号、地方税法中一部改正に関する件、これは市町村民税の規定を改めて控除金額とか或いは市町村で特別徴収を義務制にすることとかというように地方財政の健全化を図るためにこれを徴収を確保したいというのであります。
#329
○委員長(西郷吉之助君) これは採択しては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#330
○委員長(西郷吉之助君) さようにいたします。
#331
○專門員(武井群嗣君) 陳情千二百十二号、ニツケル製錬用電気ガス税免除に関する件、先般の改正の件であります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#332
○委員長(西郷吉之助君) 同様採択いたします。
#333
○專門員(武井群嗣君) もう一枚、警察法は飛ばしまして、請願二千八百八十二号、地方自治法改正法案反対等に関する件、それから陳情の千二百六十九号、地方自治法改正法案中一部修正に関する件、これは題名は違いますが、本日初めに御審議を頂きましたと同様に、地方自治法の改正によつて議員の定数を減らし、議会の回数を減らすというようなのを反対する趣旨の陳情又は請願でございます。
#334
○委員長(西郷吉之助君) これは採択しては如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#335
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう取計らいます。
#336
○專門員(武井群嗣君) 請願二千八百八十六号、公営企業建設費起債の優先割当に関する件、これは先ほど御審議になつたと同様のものであります。
#337
○原虎一君 これはその前もどこかにあつたように言われておりますが、聞いていませんが、内容はどんなのですか。
#338
○專門員(武井群嗣君) 地方の公共団体が営むところのいろいろ蚕業に対する起債に対してはそれぞれに枠があり、順位がきまつておるようであるが、公営企業の建設事業、例えば学校その他の公営事業につきましては、起債を割当てる場合において優先的に割当ててもらいたいというのであります。
#339
○原虎一君 ちよつと私公営事業と公営企業という……、こだわるようですが、公営企業となつておりますが、公営企業というのであれば、例の今度のなにによるのですね。地方公営企業体、それとの関連があると思いますが……。
#340
○專門員(武井群嗣君) これはおつしやる通りでありまして、地方財政法の中に六つほど公営企業の例示がございます。それを指しておると見えまして、ここにも公営事業、水道事業等の公営事業も挙げております。
#341
○原虎一君 そこで公営企業法とどういうふうになるか忘れたのですが、それとの関連は照らし合せてありますか。
#342
○專門員(武井群嗣君) 地方財政法の中に、公営企業六種ほど掲げてございますが、これは今回出ました地方公営企業法もそれを受けて相表裏した規定になつておりますので、この請願の趣旨は採択して結構だと思つております。
#343
○原虎一君 その優先割当に関する件というのですね、企業法関係であなたのほうで何条と照らして間違いないという点は調べて頂けますかな。企業法関係で、その点で以て私ちよつと気になるのですが、それだけでよろしいのです。どなたか調べて頂きたい。
#344
○專門員(武井群嗣君) 今の点は取調べて後刻御返事申上げることにいたします。請願二千八百八十七号、地方公共団体に対し国庫負担金増額に関する件、地方公共団体の財政が逼迫しておるので、いろいろと失業対策、農業委員会、生活扶助、児童福祉法等の事業がなかなか思うよう参らんので、国庫負担金の率を上げてもらいたいということであります。
#345
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨は大体妥当と思いますが、採択、送付して如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#346
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#347
○專門員(武井群嗣君) 請願二千九百三十八号は特殊なものでありまして、長崎県青島の電灯、動力設備資金起債許可に関する件、長崎県青島の電灯、動力設備資金についての起債がなかなか認可されないので、早きに認可をしてもらいたいというのであります。
#348
○委員長(西郷吉之助君) 大体趣旨は妥当でありますが、政府に送付しては如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#349
○委員長(西郷吉之助君) ではさようにいたします。
#350
○專門員(武井群嗣君) 陳情千二百五十号、ダイナ台風による災害復旧費起債等に関する件、これは先般のダイナ台風による災害復旧の起債を認められ、而も速かに認可をしてもらつて、一日も早く災害復旧を完成したい、こういう趣旨でございます。
#351
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨妥当でありますので、採択して政府に送付しては如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#352
○委員長(西郷吉之助君) さように取計らいます。
#353
○專門員(武井群嗣君) 請願二千八百六十二号、医業に対する特別所得税撤廃に関する件、先ほどの追加でございます。
   〔「留保々々」と呼ぶ者あり〕
#354
○委員長(西郷吉之助君) では留保にいたします。
#355
○專門員(武井群嗣君) 請願二千八百八十三号は、地方税法中一部改正に関する件でありまして、これは具体的に書いてございますが、要は政府が提出している地方税法については、たださえ地方の財政が逼迫しておるところに、更に財政を逼迫するような改正であるからして賛成しがたいというようなことが趣旨になつております。
#356
○委員長(西郷吉之助君) 多少研究を要すると思いますが、留保で如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#357
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#358
○專門員(武井群嗣君) 請願二千九百八十五号は農業協同組合連合会医療施設の固定資産税の非課税対象とするの件であります。この件名の通りであります。
#359
○委員長(西郷吉之助君) これは採択して送付いたしますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#360
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#361
○專門員(武井群嗣君) 最後の頁に二件ございますので御審議願います。財政関係の追加でありますが、請願三千百八十六号、地方財政平衡交付金法中一部改正等に関する件、内容は定時制高等学校のために平衡交付金の測定単位費用の中に学級数と学校数も加えてもらいたいというので、先ほど御審議されたのと同様であります。
#362
○委員長(西郷吉之助君) 同様趣旨によりこれは政府に送付しては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#363
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#364
○專門員(武井群嗣君) 最後は請願三千百八十七号、高等学校定時制分校々舎建築費起債に関する件、これは先ほど御審議を済ませたものと同様の追加であります。
#365
○委員長(西郷吉之助君) 同様政府に送付しては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#366
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
 それでは柴田府県税課長が来ておりますから、先ほどの出版事業の政令の件を説明いたさせます。
#367
○説明員(柴田護君) 出版業の内容、出版業の範囲を縛る政令でございますが、当初いろいろ税務行政執行面という恰好から考えまして、やりやすいようなものを考えておつたのでありますが、その後私たちの理解しておりますところと、立案、立法者の意思というものに若干食い違いがあることがわかりましたので、その方面の研究をいたしまして、その結果、專ら人文科学及び自然科学の研究並びにこれらの応用の研究の成果を発表する出版物、それから学校教育に係る教科書、及び義務教育に係る学習用図書並びにこれらに類する出版物、辞書、辞典、法令集、百科全集、年鑑その他これに類する出版物、專ら寺院に関する報道又は宣伝に関する出版物、專ら純文芸を掲載し、その他芸術の研究又はその普及を目的とする出版物、專ら家庭教育、勤労の場所その他社会において行われる教育に資することを目的とする出版物、こういうものの出版物を出版いたします出版業、郵便定期刊行物の場合は、郵便法によりますところの第三種郵便物の認可があつたものに限る、こういうことにいたしまして、大体以上の範囲の出版業については、それに関しまする部分について非課税になる、こういうようにいたすことにいたしまして、一昨日の閣議決定を経たわけであります。大体当初考えておりました、新聞等に一部洩れておりましたが、そういう点から考えますと全く相貌を一変して、立案者が考えておられました社会教育等に関するという「等」の範囲を大体参酌いたしまして非常に大きくなつております。裏をひつくり返して申上げますと、娯楽関係の書籍を除くものは大部分これに該当するというようになつたのであります。簡単でございますが現在までの経過を御説明いたします。
#368
○岡本愛祐君 そうすると純文芸とか何とかいうのが非課税になつたのですが、それはどういう意味で非課税になつたのですか。
#369
○説明員(柴田護君) 社会教育というものの考え方でございますが、学校教育と、それから学術研究、学校教育、社会教育等となつておりまして、純文芸と申しますものも人文科学、自然科学等の研究、その応用の研究となるから範囲が広くなつて、純一重になつて参ります。執行面から考えましても余り判断のむずかしいものを縛りましても、実行しにくいというような関係もありまして、それをよけたのであります。
#370
○岡本愛祐君 そうすると普通の大衆小説と言われるものは別として、いわゆる純小説というものは非課税になるのですか。
#371
○説明員(柴田護君) さようでございます。
#372
○岡本愛祐君 そうすると「チヤタレー夫人」なんかというものも皆非課税になるのですか。
#373
○説明員(柴田護君) 「チヤタレー夫人」というものをどう考えるかという問題になるわけで、これは非常にむずかしくなるわけでございますけれども、具体的に純文芸に入るか入らんかという問題は、私は「チヤタレー」を持出されましたので、研究いたしてみたいと思います。
#374
○岡本愛祐君 そうすると大衆文芸というものは、これは娯楽だから課税する、それから普通のいわゆる小説家の書く純文芸は非課税になる、こういうふうになるのですか。吉川英治とか白井喬二とかいう人の書くのはどうなるのですか。
#375
○説明員(柴田護君) いわゆる普通小説と言われるものは非課税の範囲には考えておりません。純小説というものは普通の文芸ということになるわけであります。まあ詩とか俳句、短歌といつた類にいわゆる純小説は入つております。大体その辺に線を引いております。
#376
○岡本愛祐君 もう一遍念のためにお尋ねをしたいのですが、そうすると大体小説というもの、肉体小説なんというものもありますが、田村泰次郎とかああいうものは純文芸と見ないで、つまり非課税の範囲じやない、こういうことになるわけですか。
#377
○説明員(柴田護君) そういうことになります。
#378
○岡本愛祐君 純文芸というのは詩とか俳句とか短歌とか、そういうものだけを言うのですか。
#379
○説明員(柴田護君) さようでございます。
#380
○岡本愛祐君 それならわかりました。
#381
○委員長(西郷吉之助君) 只今の出版の政令の事業税免除につきまして御質疑ございませんか。……それでは次に進みます。警察関係に入ります。
#382
○專門員(福永与一郎君) 警察関係の請願、陳情について御説明申上げます。先ず最初に八枚目でございます。八枚目の中ほどに警察関係というものがございます。最初は陳情四百十三号でありますが、内容は、現在国警、自警二本建の警察制度はいろいろ不便な点があるので、この際都道府県単位の警察を設置するようにしてもらいたいという陳情でございますが、その府県単位の警察というものが国警になるのか、自警になるかということについては直接触れておりませんが、内容に、財源を平衡交付金又は地方税法の改正等に求めたいということを申しております点から、都道府県単位の自治体警察を予想しているものと察せられます。
#383
○委員長(西郷吉之助君) これはなお検討を要すると思いますが、留保で如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#384
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#385
○專門員(福永与一郎君) その次は請願千百十四号でございますが、これは岡山県連島町に自治体警察がございましたのが、警察法改正の結果、住民登票によつて自治体警察が廃止されまして、本年の四月一日から国警に編入され地区署が設置されることになるのでありますが、その地区署の設置については、全額国庫でやつて頂いて地元に負担をかけないようにして頂きたいということでございますが、これはすでに現在は国警編入によつて地区署が設置されておりまして、請願の趣旨は実現いたしております。又地元負担の問題も国警について調査いたしましたところでは、一切地元負担というようなことはかけていないという事情でございます。
#386
○委員長(西郷吉之助君) それでは大体願意が到達しておりますので、採択しては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#387
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#388
○專門員(福永与一郎君) その次は陳情七百三十号でございますが、これは本年の三月二十日附に受理されておりまして、当時警視庁を国家警察に編入する計画があるやの噂がございましたので、それを予想して或いは心配しての陳情でございまして、警視庁の特殊性、重要性に鑑みて国警への編入には全面的に反対であるという東京都議会議長からの陳情でございます。
#389
○委員長(西郷吉之助君) これはなお首都警察という立場から研究を要すると思いますが、留保で如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#390
○委員長(西郷吉之助君) では留保いたします。
#391
○專門員(福永与一郎君) その次は陳情千三十七号でございますが、これは五月六日附で受理されておりまして、前の警視庁の国警編入反対に関する件と同様の趣旨で東京、大阪の両警視庁の国警編入反対の趣旨を述べたものでございます。
   〔「留保」と呼ぶ者あり〕
#392
○委員長(西郷吉之助君) それでは留保にいたします。
#393
○原虎一君 この保留ですが、どういう意味ですかな、この留保というやつは。この前にも留保をやりましたのは、例えば反対と思うものも留保になつておるところもあると思います。留保といえば反対だけれども、反対するよりか留保がよかろうというような場合もあるのですが、そういういわゆる留保という意味を内包する留保だと我々は考えないわけです。これは今問題となつているものであつて、十分調査する、賛否をちつとも含まない留保ということならそれはいいですが……。
#394
○委員長(西郷吉之助君) いずれもなお今後検討を要するという趣旨で留保いたしたのであります。
   〔「研究留保」と呼ぶ者あり〕
#395
○委員長(西郷吉之助君) それではなお検討を要しまするので、その趣旨におきまして留保いたします。(「全部研究留保だね」と呼ぶ者あり)
#396
○專門員(福永与一郎君) 次は請願千六百五十二号でございます。これは岡山県の笠岡市からの、当時は笠岡町でございましたが、笠岡町長からの請願でございまして、先般の市の警察維持の特例に関する法律によつて認められました市の警察維持の特例を笠岡町、市になるべく予定されております笠岡町について実現して頂きたいという趣旨の請願でございます。
#397
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに願意が達せられておりますから、採択にとどめたいと思いますが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#398
○委員長(西郷吉之助君) では採択いたします。
   〔「あと二件も同じですね」と呼ぶ者あり〕
#399
○委員長(西郷吉之助君) あと二件も同様の趣旨であります。
#400
○專門員(福永与一郎君) その次はこれは町村警察の廃止の実現をして頂きたい、先般これも法律が成立いたしました町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律、あの法律の趣旨のことを請願して参つたものでございます。申し落しましたかと存じますが、請願千七百四号及び二千三百三十号両件でございます。
#401
○委員長(西郷吉之助君) これは前項と同様すでに願意が達せられておりますので、採択にとどめたいと思いますが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#402
○委員長(西郷吉之助君) それではさよう取計らいます。
#403
○專門員(福永与一郎君) それでは請願千八百十八号でございますが、これは京都府舞鶴市は、引揚者の引揚地であつたとか、現在旧軍港の施設を利用して国連軍が駐在しておるとか、失業者が多いとか、吉本海に面しております関係上、密貿、密入国等の犯罪が多いとか、朝鮮人が朝鮮動乱後あそこに溜つておりますとか、いろいろ特殊の警備上の問題が多いのでありますから、舞鶴市の警察費に対して平衡交付金の測定単位を特別に実情に即するように定めて頂きたい。つまり平衡交付金が増額されるように特別のお取計らいを願いたい、こういう趣旨のものでございます。
#404
○委員長(西郷吉之助君) これは大体趣旨妥当でございますので、採択の上政府に送付いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#405
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#406
○專門員(福永与一郎君) 次は請願千九百八号でございますが、これは道路交通取締法中一部改正に関する件でございまして、内容は、いわゆる無謀操縦に対する罰則が現行法では重過ぎるので緩和して頂きたいという、これも先般道路交通取締法の改正案に対する本院の修正によつて大体願意が達成されております。
   〔「採択」と呼ぶ者あり〕
#407
○委員長(西郷吉之助君) 採択にとどめたいと思います。さよう取計らいます。
#408
○專門員(福永与一郎君) 次は陳情千百十五号でございますが、これは今回の警察法の改正に対して、東京警視庁の首都警察であるところの重要性、特殊性に鑑みて、当時政府原案として伝えられました案に対して反対であるという東京都議会議長からの陳情でございます。(「研究留保」と呼ぶ者あり)
#409
○委員長(西郷吉之助君) では研究留保ということに取計らいます。
#410
○專門員(福永与一郎君) 次は消防関係でございまして、請願百四十号、請願百九十五号、請願二千九十一号、陳情千百四十三号、この四件はいずれも現在の自治体消防が財源に悩んでおりますので、国家補助を増額するとか、起債の増額を認めるとか、平衡交付金を増すとかということによつて、自治消防の整備強化を図るようにお願いしたいという趣旨のものでございました。
#411
○委員長(西郷吉之助君) これは趣旨妥当でありまするから、採択の上政府に送付したら如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#412
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
 次は選挙関係でございますが、先ず請願七十二号は、公職選挙法中一部改正に関する件、内容といたしまして、結核療養所及びその他の入院患者に対する不在者投票が、今回改正になりました点は、今まで以上に窮屈になりますので、入院患者にも不在者投票を認めて、もつと容易に入院患者が投票ができるようにして頂きたい、かようの趣旨のものでございます。
#413
○委員長(西郷吉之助君) これはなお研究をいたす意味で留保で如何です
 か。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#414
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#415
○專門員(福永与一郎君) 次は請願七百十三号でございますが、これも選挙法に関しまして名簿の登載を届出主義にして、つまり選挙人の責任にするように改正して頂きたいというような、その他選挙事務について、選挙法に一部改正を加えて頂きたいという趣旨のものでございますが、内容はなお今後研究を要するものが多いように存じます。
#416
○委員長(西郷吉之助君) 研究留保で如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#417
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#418
○專門員(福永与一郎君) その次は請願八百四十一号と請願千七百九十九号、この二つの請願は同趣旨のものでございまして、いずれもいわゆる潜在無効投票の問題に関する請願でございますが、その他関連した或いはその他の事項にも亘つておりまして、先般の改正法案及び本院における修正で認められましただけでは、この請願の趣旨は十分にまだ達成されておらない、なお今後研究を要する問題が多いように存ぜられます。
#419
○委員長(西郷吉之助君) 研究留保で如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#420
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#421
○專門員(福永与一郎君) 次に請願千七百五十五号は、東京の先般行われました江東六区における衆議院議員の補欠選挙に入場券の不正な配付或いは間違つた配付等があつて問題が起つておりますので、国会において実地調査をして頂きたいという趣旨の請願でございます。併し選挙事務について、国会が国政調査というようなことには如何かと存ぜられますので、いささか採択の上には問題があるのじやないかと考えられます。
#422
○委員長(西郷吉之助君) これはなお検討を要すべき問題がありますから、その意味におきまして留保で如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#423
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
#424
○專門員(福永与一郎君) 次は請願千八百九十号でございますが、これも療養所の入所患者に選挙権行使の上に便法を認めて頂きたいという趣旨のものでございますが、前に申上げました同様のものと同じく、なお問題は今後の研究に待つべきものがあるように存じます。
#425
○委員長(西郷吉之助君) 研究留保で如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#426
○委員長(西郷吉之助君) さようにいたします。
#427
○專門員(福永与一郎君) 次は次の頁の第二十回報告というのの終りのほうに警察関係の請願がございます。即ち晴願書二千七百六十号は、集団示威運動等の秩序保持に関する法律制定反対というのでありまして……。
#428
○委員長(西郷吉之助君) これは本日の審議に待つべきものでありますから、研究保留にいたしたいと思います。
#429
○專門員(福永与一郎君) 次は請願二千七百八十二号、陳情千百八十八号同ずく千三百二十八号、この二件の請願、陳情は、いずれも今回政府より提案せられました警察法の改正案に対する反対の陳情でございます。
#430
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに今日議会を通つておりまするから、その意味におきまして留保で如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#431
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう取計います。
#432
○專門員(福永与一郎君) その次の頁の終のほうに、請願二千八百八十四号、自治体警察費の財源措置に関する件というのがございます。これは川崎市会議長からの名前になつておりますが、肩書は全国市会議長会の代表という肩書が付いております。内容といたしましては、自治体警察は自治体の財政が非常に困難を加えておる現在、民主警察としての機能の充実、強化と治安の確保を図るために甚だ困難を感じておるので、自治体警察所要経費は全額国庫補助金を交付するようにして頂くように要望する、若しそれが直ちに困難な場合は、平衡交付金の単位費用を大幅に増額して頂きたい、そのように法の改正を行なつてもらいたい、かような趣旨のものでございます。
#433
○委員長(西郷吉之助君) 研究保留で如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#434
○委員長(西郷吉之助君) 研究保留にいたします。
#435
○專門員(福永与一郎君) その次に選挙関係で請願一千八百八十五号、これは公職選挙法につきまして、いわゆる潜在無効投票の取扱方について均分して差引いて頂きたいという案を提示して参りました。
#436
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに済んでおりますから保留ということにいたしては如何でございましようか。
#437
○中田吉雄君 もう一遍説明して下さい。
#438
○專門員(福永与一郎君) 按分ではなくて均分でございます。
#439
○委員長(西郷吉之助君) すでに法案を通しておりますから、そういう意味におきまして保留は如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#440
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計います。
#441
○專門員(福永与一郎君) その次は請願三千百四十二号及び陳情千二百八十四号、これはいずれも大阪市議会議長からの名前になつておりまして、内容は全く同じものであります。一方は紹介議員がありますために請願となり、一方は紹介議員がおありになりませんために陳情の扱いを受けておると認められます。内容といたしましては、すでに公職選挙法の改正について本院における修正によつて実現いたしております潜在無効投票の按分差引を要望するものでございます。
#442
○委員長(西郷吉之助君) これはすでに願意が到達しておりますから、その意味におきまして採択にとどめておきますが。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#443
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう取計らいます。
#444
○專門員(福永与一郎君) その次に、最後に選挙関係で請願三千百八十一号及び三千二百六十四号、この二件の請願でございますが、これは国立結核療養所の入院患者からのものでございまして、療養患者の選挙権行使について、これらの患者の、気の毒な患者に便利なように用意して選挙権の行使ができるように特別の法の改正をお願いしたいというのでございますが、現在までのところではまだ希望通りには参つておりませんので、今後の研究に待つところがあるように存じます。
#445
○委員長(西郷吉之助君) 研究留保で如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#446
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。
 次に公営企業の原君の質問の……。
#447
○專門員(武井群嗣君) 先ほどお尋ねになりました公営企業の件でございますが、御承知のように地方財政法の六条におきまして、公営企業の規定がございます。その公営企業は政令で以て指定することになつておりまして、水道、電気、自動車企業等六種を指定してございます。先般制定になりました地方公営企業法におきましても、それと合致するように六種を指定してあるわけでございます。今回の川崎市議会議長からの陳情、請願はその六種のうちの水道、ガス等の公営事業への起債優先的に認められたいということでございまして、法令の点におきましても、この請願につきましても、何と申しますかそうズレはないと思つております。
#448
○委員長(西郷吉之助君) それは大体願意が妥当でありますから採択送付しては如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#449
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計らいます。以上を以ちまして先ほどの予定通り大体請願、陳情を終了いたしました。速記をとめて。
   〔速記中止〕
#450
○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて下さい。
 これより集団示威運動等の秩序保持に関する法律案について質疑をいたします。すでに集団示威運動等の秩序保持に関する法律案につきましては、趣旨、提案理由の説明を聞き、更に連合委員会において提案理由の要点を法務総裁より聴取いたしましたが、直ちに質疑に入りたいと思います。御質疑をお願いいたします。
#451
○石村幸作君 総括的でありますが、ちよつと簡単にお伺いしたいのでありますが、この本法案が政府案として出た理由等はまあはつきりしておりますが、参考のために私地方の条例を数種取寄せて比較研究してみたのでありますが、この地方、つまり都道府県や市町村、ここで公安条例によつて大抵できておりますが、これは地方の実情に即して本当に必要を感じて作つたものと思うのであります。そこでこれと比較してみますと、大分政府案、この本案のほうが緩和されておるように見受けられる。主なるものをとりますと地方公安条例によりますと、許可制が殆んどであります。全部と言つてもいい、ほんの僅か、この資料も頂いておりますが、これにも出ておる通りです。殆んどが許可制でありますが、政府案によりますとこれを届出制にして、こういうふうに緩和されておりますが、これでよいのか、なぜそういうふうに緩和したのか、緩和しても差支えないのか、これをお聞きしたいと思つております。
#452
○政府委員(斎藤昇君) 只今のお尋ねは、現在の県或いは市町村の公安条例の殆んど大部分は許可制度である、然るに今度の政府の案は届出制度であつて非常に緩和をされておるようであるが、これで事足りるかどうか。又その理由如何というお尋ねと拝聴いたしました。只今お述べになりました通りでございます。政府の原案は、憲法の趣旨を全ういたしまするために集団示威運動、或いは集団行進というようなものもやはり一つの表現の自由でありまするから、できるだけこれを尊重をいたしたい。政府といたしましてはこれらの集団示威運動等が秩序正しく行われるということであるならば、即ち生命、身体、財産等に直接に危険がないならば、これは何ら制限すべきものではない。そこで集団示威運動等がこの直接の身体、生命、財産等に対する危険なく秩序正しく行われるということが確保されるならば、それで目的が達するという観点に立ちまして、当初からその集会を認めるか或いはもう禁止をして認めないかということよりは、これらの集団運動は原則としてもう届出でによつてできる。ただ直接危険を及ぼす虞れがあるような場合にはそういうことのないように条件を付けて、そうしてその条件を遵守さすことによつて目的が達する。若しその条件を遵守しないという場合には警告を発し、或いは実力で解散さす、或いは刑罰を以て臨むということで目的を達すると、かように考えるわけなのであります。又実際面におきましても、悪意を持つて秩序破壊のためにやろうと考える集団示威運動等におきましては、たとい許可をいたさない不許可という場合においても事実上は行うのでありまするから、さような場合におきましては、事実問題といたしまして、この法案におきましては、無届のデモといたしまして、取締ができるわけでありますから、従つて実際面におきましては、この我々の目的、即ち生命、身体、財産等に危険を直接及ぼさないという観点から立つた目的はこの法律で十分達せられるもの、かように考えるのであります。
#453
○若木勝藏君 法務総裁に私は二、三伺いたいと思うのです。この破防法の審議の際にも大分問題になつたのでありますが、それはいわゆる拡張解釈論の論議であつたのであります。拡張した解釈によつて非常に濫用されるのじやないか、こういうふうなことでやつたのでありますが、この法案によりましても、警官の解散であるとか、或いは制止であるとか、こういうようなことは、解釈のしようで相当無理な場合が出乗る、わざわざ制止しなくてもいい場合でも制止してみたり、解散を命じなくていいのを解散を命じたり、そういうふうなその人の解釈によつて非常に私は濫用される部面が出て来るのじやないかと思うのですが、これに関連いたしまして、或る検事が、この検事の論告に際しまして、結局解釈の場合はいわゆるこの法を立法したときの、或いは審議したときの立場を離れて解釈が成り立つ、例えば一旦法律ができて来た場合に、これによつて執行するところのものの立場は、結局弓の弦を離れた矢のようなものであるからして、その弦を離れた矢というふうな立場から、我々はその立法のときのいろいろな審議、そういうふうなものを離れて自分の解釈で自由にできるのだ、こういう論告をしたところの検事があるのでありますが、その考え方に対する法務総裁の御意見を伺いたい。
#454
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今御審議を願つておりまする法案につきましては、勿論警察隊長若しくは警察長若しくはその当該集団示威運動等について、これらの命を受けてその実施場所において検察官若しくは警察吏員を統轄して指揮する警察官若しくは警察吏員は、前項の規定による警告又は制止によつてもなお違反行為を是正し、又は防止することができない場合においては、公衆の生命、身体、自由父は財産に対する直接の危険を防止するために必要止むを得ないと認めるときに、初めて当該の集団示威運動を解散させることができるのであります。又一面においてその行為を是正し若しくは防止するために警告し、又はその行為を制止することになつておるのであります。これらは只今申上げましたように、当該官吏がその当時の状態を十分に把握して、そうして妥当なりと考えたときに初めてこれらの解散なり、或いは警告なり、制止ができるようになつておるのであります。警察官の判断によつてやることは勿論でありますが、むやみにやられるわけじやない。個々の生命、身体、財産に危険を及ぼすというような場合に初めてやれるということは、法文上厳として存しておるのでありますから、さような御懸念はないと考えておるのであります。
#455
○若木勝藏君 今の法務総裁の御答弁は、私の質問の趣旨からちよつとこうそれておるような気がいたすのでありますが、私はこの法案にも関係があるので伺いたいとこう申したのであります。それは繰返しますが、或る検事の論告において、いわゆる検事の立場からこの法を解釈することは、立法者の立場を離れて、そして勝手にできるのだ、こういうふうな論告をしたところの検事があるが、それに対するところの法務総裁の御意見はどうだ。若しそういうことが成り立つとすれば……。これは如何に我々が苦心をしてこれを審議し、修正し、成り立たせて行つても、これはすでにでき上つてしまうというと、そんな立場を離れて、いわゆる弦を離れた矢なんだから我々のものである、勝手に解釈してもいい、全く立法者の立場、或いは立法府の立場を無視したところの考え方になつて来ると私は考える。これに対する法務総裁の御意見を伺いたい、こう言うのであります。
#456
○国務大臣(木村篤太郎君) そういう論告をした検事は誰か私は存じません。又さような論告をした事実ありや否やのことは存じませんが、恐らくあつたものとあなたがおつしやるのだから私は信用いたします。併しながらかような論告をいたしましても、公正なる裁判官が最終的に判断するのでございます。さような論告によつて左右されるものじやないのでありまして、従いまして論告の如何はあえて問いません。併しながらさような論告を事実上た者ありとすれば、私はその検事の考え方は間違いじやないか、こういうふうに思います。
#457
○若木勝藏君 その次に、そういたしますというと、あなたの立場からいうと、この法の解釈も先ほど申上げたよりな制止とか、或いは解散とかいうふうな場合は濫用される虞れがなくなつて来るのであります、十分に立法者の立場を考えれば……。その点については一つ法務総裁の立場から濫用されることのないような、一つ第一線に立つところの人たちにはつきりと指示を願いたい、こういうふうに思うのであります。次に伺いたいのは、先ほどの石村委員からの質問に対して国警長官が御答弁になつたのでありますが、これは公安条例の場合においては許可制をとつておるが、併しこの法案ではそれが届出制に緩和されておる、まさにその通りであるというふうな御答弁があつたのでありますが、それに対しましては、私はこの条文をいろいろ調べて見たところによりますというと、非常に疑問があるのであります。果して許可制をとつたところのこの公安条例の場合に比べて緩和されておるかどうか、こういう点であります。はつきりとこれは許可主義をとらずに、いわゆる届出主義のそういうはつきりした立場に本当に立つたものであるかどうか、この点について長官のお考えを伺いたい。
#458
○政府委員(斎藤昇君) 全く届出主義に相違ないのでありまして、届出主義の仮面を被つて許可主義をやつておるということは全然ございません。先般の合同審査の際に法務委員会の伊藤委員からも、詳細にその点に亘りまして条文の内容についていろいろとお尋ねがあつたのでありますが、その際にも申上げたのでありまするが、成規の時間前に成規の届出がありまするならば、それによつてこれらの集団示威運動等が行われますことは、何ら法律違反とならないのであります。
#459
○若木勝藏君 そういたしますというと、私は疑問が出て来るのであります。一旦届出たものに対して補正するというふうなことは、許可を意味しておるのじやないか、この点について伺いたい。
#460
○政府委員(斎藤昇君) この補正は、法律の第三条に掲げておりまする届出の内容として必要なものを満たしておりません場合、それを満たすように補正を命ずるだけでありまして、全く形式上の整備を図るに過ぎないのであります。
#461
○若木勝藏君 表面は常にそういうふうになるのでありますけれども、私は実質的な立場から考えますというと、そういう形式によつて事実許可を実施しよう、こういうふうなことが考えられるのであります。昨日の警察法の一部改正の場合におきましても、そういう点が幾多考えられるのであります。いわゆる昨日の質問の中にありましたのでありますが、明らかにこれは私の考え方では、国警長官を首相が任命するというふうな場合、これは公安委員会の中に大臣が入り込む、こういうふうなことを意味するのでないか、こういうふうに私は考えられるのであります。それと同様な意味で許可主義ではないのだ、形式はこの通り補正命令じやないか、こういうふうに言われておりますけれども、事実は、具体化されて来るところのものは許可主義になるのじやないかと私はそう考えるのであります。その点をもう一度お伺いいたします。
#462
○政府委員(斎藤昇君) 只今補正命令は、これは許可主義をとるものでないかというお尋ねでございますが、補正命令は、この第五条に明記をいたしておりまするように、第五条の第一項第一号の、「第三条第一項に規定する要件の一部を具備しない」、いわゆる届出事項の第三条にありまする各号の様式を備えていない場合には、それをはつきり備えてくれという場合と、それから集団示威運動等の主催者のうちに十六歳に満たない者、又は禁治産者がある場合、十六歳以上又は禁治産者でない者に変えてくれというこの二つの場合以外は補正命令ができないのであります。従いましてこれらによりまして、只今仰せになりましたような許可主義の効果を挙げようといたしましても、挙げようは私はないと思つております。
#463
○若木勝藏君 それではその点につきまして更に疑問の点を伺いたいと思うのでありますが、これは届出がある場合に、速かに送達受領者に送達しなければならない、特に補正命令をした場合にですね。そういたしますと、我々普通常識で考えておるものは、届出というものは届け放しであつて、窓口へ届けて来ればそれでいいのであります。これはいろいろな場合を考えて見ましても、そういうふうになつておるのでありますが、その届出に対して何故に一体これは受領した旨を送達しなければならないか、これは送達することもいいことでありますけれども、その受領したかしないかということの如何によつて、これは効力を認めるものであるかどうか、その点を伺いたいと思います。
#464
○政府委員(斎藤昇君) 受領書の送達は届出の効力とは何ら関係がないのでございます。特にこの送達の事項の規定をいたしましたのは主催者の便宜のため、或いは又間違いを、間違いと言いますか、警察官が間違いを起さない、即ちすでに届出をしてあるにもかかわらず、実際やつておる場合に警察官が来て、それは無届じやないかと言われた場合、いやこの通り要領書がありますというように見せられるようにしたほうが親切であろうというので、むしろ警察側にこういう義務を負わしたのでありまして、この受領書がありません際には、それは届出たと言つたつて、その証拠はわからんじやないかということが起る虞れがあるかも知れませんか、違法の無届の集会にはならないのであります。従つてこの受領書場を持つていないというような場合におきましても、何らの罰則なり規制はこの法律にはないのであります。
#465
○若木勝藏君 その場合に、それでは更に伺いたいのでありますが、先ほど申上げたように、窓口で済むことをどうしてわざわざそういうふうな数のかかる、金のかかるようなことをしなければならないか、この点を伺いたいと思います。
#466
○政府委員(斎藤昇君) 仰せの通りに大部分は窓口で私は済むと思います。併しながらときによりまして郵送して来る場合もあると考えます。窓口で受付けました際には、そこですぐ受領書を渡すというようにいたすのは、これはもう当然のことであります。郵送されて来たような場合1におきましても、ここに所定の時間までに受領書を更に届出たものに送達をするというふうに規定をいたしておるのでございます。
#467
○若木勝藏君 今はその程度にしておきます。
#468
○原虎一君 逆に法務総裁にお尋ねするのですが、集団デモと申しますか、示威行進というものを認めなければならないという基本的な考え方について一応先ずお伺いいたしておきます。
#469
○国務大臣(木村篤太郎君) 集会、集団行進、これは原則として認むべきものであると考えております。
#470
○原虎一君 それを認めなければならないという基本的な考え方でございますね。認めなければならんと思うから認めておるのであつて、なぜそれを認めなければならないか、認めながらもまだこういうふうな法律を作つて行かなければならんというところに問題があるのであります。それに集団示威行動というものを認める基本的観念というものがはつきりしていなければ、こういう条文が正しいか否かという判断を下す基礎観念というものがわかりませんので、それを私は法務総裁にお伺いしておるのです。
#471
○国務大臣(木村篤太郎君) これは私は憲法所定のいわゆる基本的人権に属するものであると、こう考えております。公共の福祉に反しないようにこの権利は行使すべきであるは勿論、又万一公共の福祉に反するようなことがあつては、これを制限すべきことは当然であろうと、こう考えております。
#472
○原虎一君 基本的人権でありますか、簡単に申しますれば、それがなぜ基本的人権であるかということも一応考えなければならんと思います。憲法に定めてあるから基本的人権と言えばそれまででありますけれども、憲法になぜ基本的人権として取扱われたかというところから御説明を願いたいと思います。
#473
○国務大臣(木村篤太郎君) それは基本的に考えますれば、いわゆる人類の人権と申しましようか、おのおのが随意に弁論をし、又は集会をし或いは行進をするということは、これは天賦の人権であろうと我々考えております。これは憲法において所定されておると、こう認めるのであります。
#474
○原虎一君 それで問題はその基本的な観念の下に取締規則ができるということは、今総裁の御説明のように、公共の福祉に反しない範囲というものがこの法律を制定する基本的な第二の条件となると、こう私は判断いたしますが、さよう考えて差支えございませんか。
#475
○政府委員(斎藤昇君) その通りであります。
#476
○原虎一君 いろいろ条項についてお伺いしたい点もありますが、時間の関係上、昨日この委員会で自由、緑風の諸君が強行されまして通りました例の警察法の改正でありますが、この法律で行きますと、問題になりました第六章の二の「内閣総理大臣の指示」第六十一条の二でありまして、「内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときは、国家公安委員会の意見を聴いて、都道府県公安委員会又は市町村公安委員会に対し、公安維持上必要な事項について、指示することができるこうなつております。そこでこの条文から行きますというと、公安維持上必要だと総理が認めますれば、この示威運動に対して禁止指示ができるのではないかと思うのでございます。これがいわゆるこの法は今国警長官は届出主義になつておると言つておるが、いわゆる公安維持上、総理はこれは地方の公安委員会に対して指示ができる、公安委員はこの届出に基いて指示が出ておるからこれを許さない、こういう処置ができると私は考えますが、これはできないのでありますか、その点を総裁にお聞きしたいのであります。
#477
○政府委員(斎藤昇君) 総理の指示といえども法律に従わなければなりませんので、この集団示威運動の秩序保持に関する法律におきましては、禁止は時前にできないのであります。従いまして総理が如何に指示しようと考えましても、この法律の存する限りは、さような禁示の指令は出せないのが当然であると思います。
#478
○原虎一君 総理が禁止ということは、勿論禁止条項が法律にはないのであります。併し他のいろいろな届出書に対する問題の具備条件、必要条件が満たされておらなければできるのであります。そういう点についていわゆる法の濫用ができる途があると考えておりますが、この点は非常に我々は重要だと思います。と申しますのは、この改正警察法を総理が濫用いたしますれば、反対党の屋外集会を全部禁止できるのではないかということが想像できるのであります。その想像は必ずしも無理な想像ではない。警察法の改正がそこまでに及ぶのじやないかということを考えますときに、恐るべきものであります。この集団示威取締規則に対して、昨日又本日我が参議院の本会議において通りました警察法との関係においてそういう問題が起らないということを言われますならば、法文上できないということを御指摘願いたい。
#479
○政府委員(斎藤昇君) むしろ私はこの法律をどう濫用して禁止ができるか一つ教えて頂きたいと思うのであります。我々といたしましては、どこから考えましてもそう言つた意味の濫用、いわゆる或る種の団体の会合は事前に禁止だということができないように立案をいたしたつもりであります。先ほども申しまするように、補正命令は十六歳未満及び禁治産者が代表者になつておる場合そうでない人に変えてくれという場合のほかは、第三条の各号に掲げてありまする事柄が書かれておるならば、届出を受理しなければならないのでありまして、これをどういうようにして届出が受理できないか、ここに書かれてある事柄が間違いであるからと言つて、そう補正を如何にさせようと思つても私はできるものじやないと、かように考えるのであります。
#480
○原虎一君 それは各条項審議の場合において各条項に出て来ると思います。従いましてそういうことができないという国警長官のお考えでありますれば、逐条審議の場合におきまして逐次出て参ります。そのときにお聞きすることにいたしまして、改正警察法の六十一条の二との関係におきましては一応この程度に留保いたして置きたいと思います。
 それから国警長官にお伺いしたい点は、現在の公安条例を実施化しておりまするところの市町村の数は約百二十と記憶いたしておりますが、今度これができますれば全国的に適用を受けるわけであります。その必要がなぜあるのかということであります。どの範囲にどう適用されて、その範囲にかく適用しなければならん必要があるからという理由を御説明願いたいと思います。
#481
○政府委員(斎藤昇君) 只今条例のできておりまする所は都県において二十二ありますから、この二十二の都県はこれは市町村全部にそれが適用されておるわけであります。あとの都県につきまして市において七十六、町において二十六、村において六というわけで、まあ大体半分ぐらいと、かように考えるのであります。そこでなぜこれが必要かというお尋ねでございますが、条例のありまするところにおきましても、その条例の内容が相当区々に亘つておるのであります。このために実際上において、非常に不便を来たしておる向きが多いのであります然ない所におきましては御承知のように、最近の集団的な行勅が相当暴力化いたしまして、生命、身体、財産等に直接被害を加える場合が多いのでありまするが、かような場合になりましても、現実にいわゆる刑法犯なり現在の法令に触れるという場合以外は処置のしようがないのでありまして、治安確保上非常に困る場合を生じるのであります。御承知のように四月二十八日、即ち講和条約の発効までは進駐車の命令によりまして全部取締をいたしておつたのでありまして、現在の都県或いは市町村の条例のありまするところにおきましても、むしろ進駐軍命令による取締が行われておつたのであります。条例のない所においてもさようであつたのでありまするが、独立後はその命令は失効をいたしましたので、現在条例のない所におきましては、先ほど申しまするように、全然処置の施しようがないというわけでありまするので、従いまして最も適当なる方法で治安の維持上集団示威行進は、これは表現の自由でありまするから許可主義をとらないで行えるように確保をする。併しながら秩序を棄すという場合においては取締れるという根拠を持たなければ、今日の事態におきまして治安の確保に欠くるところが多大である、かように考えたのでございます。
#482
○原虎一君 全国的に一律な法律でなければ不便であるからという御説明のようでありますが、国警がこういう条例に基いて集団デモの取締をやつている所が、市町村はどのくらいあるか、自警関係の所はどのくらいあるか、こういう資料がありましたならば御提出願いたいと思います。と申しますのは、国警関係におきますところの集団デモということは私は少いのじやないか。地方自治体警察の所に多くある。そうすると地方自治体警察側の意見が国警にも来て、そういうことを取上げる、こういう点について誠に私どもは知識を持つておりません。今まで資料も御提出願つていません。この点を少し御説明願いたいと思います。
#483
○政府委員(斎藤昇君) 現在国警の地域で条例によつて取締つておりまするのは、先ほど申しました二十二都県はこれは自警、国警の区域を問わず、その県内一様の条例でありますから国警もその地域、国警の区域におきましては、その都県の条例によつて取締つておるのであります。その他の都県におきましては国警は取締れるものがございません。で、この条例は国警的見地とか、或いは自警的見地とかいうわけではありませんので、自警の区域におきましても或いは市町村の当局或いは知事側のほうにおきましても、この際ない所は是非適正な法案が必要であるし、そうして隣りと隣りが違つておつては非常に不便であるから、この際是非まとめて適正な法令にしても2いたいという要望が強くありました。この案につきましても自警側と十分打合せをいたしまして、自警側からも是非この法案の一日も早く通ることを希望されておる次第であります。
#484
○原虎一君 今の御答弁ですが、二十二県は国警でやつておるというのですが、私は必要のないところに取締法を作る、則ち先ほど法務総裁が言われましたように、基本的人権と公共の福祉を損しない範囲においてこの法律を作られる。基本的人権は飽くまで尊重して、基本的人権が公共の福祉を損しない範囲において飽くまで自由を尊重せしめる、こういう点から行きますと、例えば私の住まう県は公安条例を持つておりません。これが今度作られますというと、その県にも適用を受けて、山の中の村にも作られる。ところが政党なり労働組合なり青年団なりが、その意思を表明するために街頭で演説をするのに一々公安委員会に届を出さなければならないと私は考えております。この点をそうだとすれば、下必要なところまでなぜ作らなければならんかという私は質問をせざるを得ない、この点はどうですか。
#485
○政府委員(斎藤昇君) 先ほど申しまするように、講和条約発効までは進駐軍の命令によつて取締が行われておつたのでありまするが、発効後はその命令は効力がなくなりました関係上、今までやつておりました取締もできないという状態になるのでありまして、従いましてこの法律の目的といたしますることは、生命、身体、自由、財産に直接危険を及ぼさないで秩序正しく示威運動を行うということを目的といたしておるわけでありまするから、たとえ現在今まで一度もさような事態がない所におきましても、最近の情勢から考えまするならば、やはりこの法律が全国的に及ぼされまして、若干の、只今お述べのような届出という御迷惑はかかると思いまするが、これは公共の福祉のために忍んで頂かなければならない事柄であると考えるのであります。
#486
○原虎一君 どうも国警長官は、進駐軍がおつた所は駐留軍になり、独立後駐留軍の命令によつて公安条例に等しいものがあつた。それがなくなつたら非常に不便であるという理由であります。そういう所は、一これこそ簡単におわかりだろうと思いますから、これから一時間休憩いたしますから資料をお出し願いたいと思います。私は理解できない。駐留軍関係において、そういう所が独立後公安条例というものがないから困るというようなことは、すでにできている所は駐留軍がそういうことを要求して公安条例を作つている、殊に要求を受けたところの、中田君なども経験者として、県会議長をされておつたのだが、それが独立後その法律がなくなつたから、この法律がいるということは、これは私は理解できませんから、駐留軍が存在した所でそういう公安条例がなくて困るということ等を、具体的に一時間なり一時間半の休憩がありますからお出し願いたい。私がお聞きしているのは、例えば私は埼玉県におりまするが、秩父の山奥に町があり村がありますが、これらに対して我々は党の政策として徹底さすために街頭演説に行かなくてはならない。今日は自由であります。ところがこれができると三峰山の山のてつぺんへ行つても届を出さなければならん、そういう必要がなぜあるかということについてでありますが、そういうところは届を出さなくても済むということになるのですか、出さなければならんか、その点をお聞きしたいと思います。
#487
○政府委員(斎藤昇君) 先ほど私が申述べました点につきまして、誤解があつたかのように考えられまするので、今一度申上げまするが、駐留軍のためにそういつた取締を要求されたのではないのでありまして、日本の治安を確保をするという目的から占領軍司令官の命令として、集団示威運動等の取締の指令が出ておつたのであります。従いまして駐留軍のいる所と、いない所ということには関係はなかつたわけであります。この条例におきましては、できるだけそういつた只今お述べになりましたような不便の点を避けまする必要上、避けまするために第二条の第六号で、公安委員会が届出を要しないと指定をいたしまするならば、これは届出は不必要ということになるわけであります。これは農村の極めて平穏な所、そうでない都市とによりまして、それぞれ公安委員会が実情に即して、この指定を拡げて行けばそれだけ届出をする集団示威運動等の種類が少くなつて来るわけでありまするから、秩父等におかれまし工も適当な公安委員会が指定をされるものと考えるのであります。なお選挙演説等は第二条の中に届出を要しないと、かように規定をいたしておるのであります。
#488
○原虎一君 選挙演説のことは、私ども土日身が法律を作つたわけだから説明を頂かんでもわかつておる。政党が政策を国民に知らせるための街頭演説はことごとく届出を出さなければならん、今公安委員会がその決定をするようなお話ですが、これは私は逆なんです。先ほど総裁の御答弁から行けば、できるだけ自由を認めて公共の福祉に反しないような範囲においてやらなければならん、現に必要を感じない村までに、町までにこの法律を作つて、そこの公安委員会が一々きめるのを待つ必要は、法律を作る必要はない、作ろうと思えば公安条例が地方自治法の十四条でございますかでできるのであります。それによつて作つておる。なぜその国家全体にこれ以上……今日市にいたしますれば、御承知のように白七十六の市のうち、殆んど百三十は市だと思います。町もあるかと思いますが市だと思います。半分の市が作つておる。それによつて大体事足りて来ておる。あとの市までにこれを適用しなければならない、そういう私は事由が今までの御説明の中では納得できない。もう一つ具体的な点をお伺いしたい点は、あとの逐条審議のときにお伺いすれば足りると思いますけれども、前以てお伺いしたい点は、公安委員会というものは市町村公安委員会か、県公安委員会か、公安委員会であればどれでもいいのか、その点を一つお伺いしておきます。
#489
○政府委員(斎藤昇君) 市町村の自治体警察を持つておりまするところにおきましては市町村の公安委員会、国家地方警察の県におきましては府県の公安委員会ということであります。
#490
○委員長(西郷吉之助君) 原君、御質疑中でありまするが、先ほどの申合せによりまして六時より七時まで休憩ということにいたしておりますので、お差支えなくば申合せの通り只今より休憩にいたしたいと思います。
#491
○中田吉雄君 私休憩後に質問いたしたいと思いますが、私のお願いしましたのは、大抵御出席願つていますが、この法律の適用されるところが都市的なところが多いわけでありまして、その率が平衡交付金の単位費用と非常に関係があると思いますので、一つ遅く出て恐縮ですが、単位費用のことについて詳しい、事務当局の人で結構ですから、一つ地財委のかたお願いいたします。
#492
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より一時間休憩いたしまして、七時五分過ぎより再開いたします。
   午後六時八分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時四十七分開会
#493
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を再開いたします。
 法務総裁が今衆議院の議運に出ておるそうで、後ほどお見えになりますまで、その他のかたに御質疑をお願いしたいと思います。
#494
○中田吉雄君 ちよつと固まるのですね、やつぱり食いさしでは駄目でしてね、順序を追うて……。
#495
○委員長(西郷吉之助君) 法務総裁ですか。
#496
○中田吉雄君 それからやつぱり……。
#497
○委員長(西郷吉之助君) 今公安審査委員の承認のあれで、それを説明しておられるらしいのですが、時間は長くかからんだろうと思います。中田さん、これは逐条説明もやりますか。
#498
○高橋進太郎君 ちよつと特に警視総監からお伺いしたいのです。
#499
○委員長(西郷吉之助君) それでは質疑をなさいますね。
#500
○高橋進太郎君 この法律は、まあ各府県に大体これよりもむしろ許可制度のような形において、公安条例のような形であるのですが、この法律でそれらの府県条例でどうしてもまあ都合が悪いというような点は、どういう点が都合が悪いのでしようか。我々から言うと、むしろ現在の許可制度のほうがこれらの行為について強力にこう制約して行くことができるように感ずるのですが、この法律による届出等では十分その目的は達成できないのじやないかという気がするのです、この法の関係で……。特に東京都なんか今許可制をとつておられまするが、これなに関係して一つ実際の実態に応じて御説明願いたいと思います。
#501
○参考人(田中榮一君) お答え申上げます。東京都の集団示威運動、集団行進並びに集会に関する条例は、やはり当初におきましては、内容は若行異るのでありまするが、届出制度をとつておつたのであります。その趣旨は、許可制度というものが果して憲法上正しいものであるかどうかということにつきまして、相当研究すべき余地も多分にありましたので、十分に憲法の精神に副うために、憲法に認められました種々なる自由を十分に尊重する意味におきまして、先ず安全であると認められる届出制度の条例を一応制定しておつたのであります。その後いろいろの社会情勢から勘案いたしまして、これを許可制度にしたほうがむしろしつかりした取締ができるのじやないかというような考えから、これを許可制度にいたしたのでありまするが、実際問題といたしまして、許可制度にいたしまして以来、数字のことははつきり覚えておりませんが、昭和二十六年度中におきまして申請件数が約八千近くあつたのであります。その際にいろいろの事情からいたしまして、不許可にいたしました件数が二十四、五件だつたと考えております。かような情勢からいたしますると、必ずしも許可制度でなくともこの取締の目的は達成できるのではないかと考えておるわけであります。殊に霊のいろいろの情勢からしまして、人権の尊重、又憲法に認められた表現の自由を尊重する意味におきまして、又一面公衆の生命、身体の自由、財産を保護するために届出制度でも十分にその目的を達成することができるであろう、かように考えております。
#502
○高橋進太郎君 大体の御趣旨がわかつたのですが、この第三条に七十二時間前に届出なければならないというお話があつたのですが、その七十二時間をおきめになつた根拠と申しますか、何かそこらの説明をお聞かせ願いたい。
#503
○参考人(田中榮一君) この時間につきましては、四十八時間、七十二時間いろいろ議論があつたのでありますが、集団示威運動、示威行進等におきましては、いろいろ場所の選定又許可申請しましてから、その後条件の変更を認めるような場合もございますので、そうした場合におきまして主催者側といたしましても、日にちの迫つたときにこの条件の変更を申渡されますると準備その他に非常な支障を来たしますので、一応そうした時間的余裕を考えまして七十二時間と、これは二面におきまして主催者側の準備の都合、主催者側の立場も十分考えまして当初七十二時間というふうに一応やりまして、決して主催者側の権利を侵害するとか、或いはこれを抑圧するとかいう趣旨ではないのでありまして、そういう理由から七十二時間ということにいたしたのであります。
#504
○高橋進太郎君 そうしますと、七十二時間に対する一種の救済規定、即ち何かそういう集団的な行為を七十二時間後においてやらなければならんような緊急な必要性があつた場合においては、それらにはそういう緊急事態に応ずるような何か特例といつたようなものがこの規定ではあるのでしようか。
#505
○参考人(田中榮一君) 現在警視庁におきまして実際取扱つておりまする事実を申上げますると、仮にその正当なる事由により、若しくは不可抗力によりまして、途中において条件等が変更になりまして、改めて又提出する場合におきまして、時間的な余裕、即ち七十二時間の余裕を持ち得ないような事情がございますので、その際にはその特別の事情を十分に斟酌いたしまして、主催者側の意思を十分に尊重いたしまして、その集団行進若しくは集団示威運動をたとえ七十二時間以内でありましても特別な事情を勘案いたしまして、これを許可するという実際上の取扱をいたしておる次第であります。
#506
○高橋進太郎君 もう一点お聞きしたいのですが、第八条の二項によりまして、生命、身体、財産等に対して危険を感ずるときには、示威運動を解散させることができるということがございます。現在の法令ではこれらの規定はどういう関係になつておるのですか。これらの規定が今度新たに設けられたことによつてやられるのですか。或いは今までの条例等の規定があつて、そうしてその条例の活用によつて実際の処置をしておるのですか、それを伺いたいと思います。
#507
○参考人(田中榮一君) 御質問の趣旨は本法が施行になりましたときにおける現存の条例の取扱でございますか。
#508
○高橋進太郎君 私のお聞きしたいのは、この第八条の二項の規定が新たに設けられたので、今後やられるのが恐らく現在までこういう事態に対して処すべき法規上の根拠があると思うのですが、それは現行の条例中にこれと類似の規定があつておやりになつておるのかどうか、そこいらの関係をお伺いしたいと思います。私の申上げておるのは、今度の法令の第八条の二項で、警察隊長等が「公衆の生命、身体、自由又は財産に対する直接の危険を防止するため必要やむを得ないと認めるときには、当該集団示威運動等を解散させることができる。」、この規定ですよ、これは若し条例等の関係がございますれば、あとで御研究願つて、ほかのかたの御質問があるそうですから、私の質問はこれで中止いたします。あとで御研究願つて結構です。
#509
○若木勝藏君 条文について細かないろいろな点を聞きたいのでありますけれども、まだ総括的に質問するところが残つておりますので、その点を伺いたいと思います。先ほど私は国警長官に質問したのでありまするが、このいわゆる形式は如何にも届出の形になつておるけれども、実質的には許可主義と何ら変らないではないか、こういうふうな質問に連関して行くのでありますが、それは届出の受理のところの項目で、法案で言えば五頁になるのでありますが、そこで主催者が届出に対して変更を加えようとしたときは承認を求めなければならない。又片方からいうと承認を与えなければならない、この場合は届出の場合と同様な趣旨において取扱われるのであるか、或いは違うのであるか、私は承認という言葉から推して行くと、ここは許可のように解釈されるのですが、その点をお伺いします。
#510
○政府委員(斎藤昇君) これは届出事項を変更する場合には本来ならば四十時間前ということであつては却つて気の毒だから、従つてこの程度なら実体を変更するものでなかろうという場合にはまあ承認で認めるということでございます。で、本来実体を変えてしまうような変更でありますれば、これは四十八時間経てば四十二時間前に出せばこれはもう受理でいいわけですけれども、そうでなくて二十四時間前に変更という場合にはそのときは承認の手続を取つてもらいたいという趣旨でございます。
#511
○若木勝藏君 そうしますと手続上の問題としてはこの届出の場合には、先ほど届出だけで受理したということを送達するということになつておるんだが、送達受領者に送達しただけで、何らそれを受取つたとか受取らないとかということは効力には変りがない、関係しないという御答弁かあつたようでありますが、承認の場合もそれと同じように考えて差支えないですか、その点をお伺いしたい。
#512
○政府委員(斎藤昇君) これは承認がなければ届出通りの示威運動等をやつたということでないので、届出事項と違つた条件で示威運動をやつたということになるわけでございますから、この際は承認は必要でございます。
#513
○若木勝藏君 そうすると、この際は許可をするというようなことがはつきりして来る、それによつて集会なり或いは示威運動なりを実施しなければならない、そういうことがはつきりされるわけですか。
#514
○政府委員(斎藤昇君) これは一遍届出たことを今度は変えるわけですから、従つて新らしく届出をするときは四十八時間必要なんです。それを省いてただ変更ということだけで行こうという場合には、これはやはり承認がなければ取締上工合が悪いとこう思うのであります。従つてデモ等を行うについての許可というものはございません。やるについての初め届出た条件を今度はかように変えますというときにだけこれは承認を入れておかなければならない。
#515
○若木勝藏君 そうしますというと一般的に届出ということに対してはこういうふうなところの条件が付く場合があり得る、こういうことになりますか。
#516
○政府委員(斎藤昇君) さようでございます。
#517
○若木勝藏君 次に又伺いたいと思うのでありますが、これは私の聞いた範囲では、在来公安条例の設けられておる所が却つて問題が多い、いわゆるそれによつて平穏に終るべきところのものが、それがあるためにそこに挑発といえばおかしいのでありますが、そういうふうなことが起り得るために却つて問題を大きくしておるという、そういうふうなことを聞いておるのでありまするが、これは事実どういうふうになつておるか、全国一般的にどういう傾向になつておるか、伺いたいと思う。
#518
○政府委員(斎藤昇君) 特に現在の条例によつて挑発をするという場合は私はないと考えております。ただ今の許可主義をとつておりまする所では許可をする、しない、それで問題を起す所が若干あると考えております。尼ヶ崎のごときは条例がないので非常に困つておるのでありまするが、あそこではしよつちゆう問題を起しております。
#519
○若木勝藏君 それではその次に伺いたいのは、公安条例を作つておらないような所が相当あるのでございます。そういう所は、或いは作つておる所も考えてもいいのでありますが、何とか全国的にこういう法律によつて統一してもらいたいというふうないわゆる希望があつたかないかその点を伺います。
#520
○政府委員(斎藤昇君) 幸いここに警視総監も見えておられますが、自治体警察の連合会或いは自治体公安委員会の連合会等からもしばしばさような要望を我々は受けておるのであります。又知事或いは市長等からもそういう要望を、これは連合会という形ではありませんが、ない所では是非国の法律として設けてもらいたいという要望を受けておるのであります。
#521
○若木勝藏君 そういうふうな要望をするところの方面はどういう理由によつて要望しておるか、その点伺いたいと思います。
#522
○参考人(田中榮一君) 全国の自治体警察の関係者のほうから、実は一昨年来からずつとこうした法制は単に自治団体の地域のみでこれを作るべき性質のものでない、飽くまでこれは全国的な画一的な法律によつてこれを作るべきであるという意見を一昨年来衆議院並びに参議院の地方行政委員会のほうにも、全国の自治体警察の公安委員長会議若しくは警察長会議におきまして決議をいたしまして、そうして関係方面にもこれを提案いたしておるのであります。然らばどうしてこれが必要であるかと申しますると、殊に集団示威運動のごときは道路に沿うて行進をいたします関係上或る市と或る町に跨がりましてこれをやる場合におきましては、成る市におきましては許可をとり、隣りの町においては全然許可もないので取締もできんというような状況で、非常に交通上にも多大の支障を来す、かような関係から、殊に市が連檐しております所で条例のある所とない所下非常に取扱を異にいたしますることは治安維持の上からも必ずしもこれは万全の策でないというような考えからいたしまして、実は自治体警察側からも陳情いたしておるのであります。それから先ほどお話がございましたが、特にできれば県単位で条例を制定したほうが、若し国で条例の制定が不可能であるならば、せめて県単位において少くとも一つの県内において同一の手段、公安条例を制定すべきであるという意見も相当出ておるのであります。それで県単位で作つた所もございますし、又県単位もいろいろな事情からしてどうも県単位にできない所は市なり町なりにおいて制定いたしておる次第でありますが、かような状況からこうした条例はやはり公共団体のみで制定すべき性質のものではないと考えて、やはりこれは全国的な法律によつて制定するのが正しいやり方ではないか、かように考えておる次第であります。
#523
○若木勝藏君 今の御答弁によりますというと、それは全国の公安委員会としての要望が非常に多いというようなお話であつたようでありまするが、知事とか市長とか、そういう理事者側のそれに対する考え方はどうなんですか、その点伺いたいと思います。
#524
○参考人(田中榮一君) 先ほど国警長官からも御答弁がありましたように勿論知事並びに市長方面からも現在条例の制定のない市長並びに知事からも是非一つこれを制定して欲しいという要望が何回もあつたのであります。
#525
○若木勝藏君 更に今の御答弁で、まあ全国の自治体区々にこういうふうなものをやるよりも、国として一つ統一あるものをやつてもらいたいと、こういうふうな要望であるというようなお話でありますが、その奥底を考えて行つたときに、いわゆる全国の公安委員会でも、実際は公安条例を作つて許可主義でやつて見たけれども、手に負えないから国でやつてもらいたい、こういうふうなところが本当の肚じやないかと思うのですが、どんなものでしようか。
#526
○参考人(田中榮一君) 今の御質問の手に負えないという意味がどういう意味であるか、私は解しかねるのでありますが、現在県で、例えば東京都の例を申上げますると、東京都の条例によりまして公安条例が制定されております。この東京都内の二十三区の特別区を初めといたしまして、立川或いは八王子その他の市及び町村におきまするこの取扱いは、先ほど国警長官から御説明がありましたごとくに、市でありまするならば市の公安委員会に提出する、それから又町でありまするならば、国警地域でありますならば地区署長を通じて都の公安委員会に提出いたしております。そうして現在この取扱いにつきまして何らトラブルもございません。先ほど説明いたしましたごとくに昭和二十六年度におきまして八千件ほどの申請がございます。その中で不許可にいたしましたものが保かに二十数件だと私は記憶いたしております。この二十数件もその内容によつてやるのではなくて、場所が非常に狭くて聴衆に非常に危険を及ぼすとか、或いは或る一つの集会を備したところが、そこへ一方から殴り込みをかけるというような情報がありまして、その集会を許可することによつて双方に非常に傷者を出すというような、非常に公安に危害を及ぼす虞れのあるときには不許可にする、その不許可は内容によつて不許可にするのではないのでありまして、今まで手を焼いたとか、非常にトラブルを起したとか、許可事由によつて手を焼いたとか、困つたとか、そういう例は殆んどございません。
#527
○若木勝藏君 昨夜余り遅くまでやりましたので、いや今朝ですね、余り早くからやりましたので(笑声)私も十分これについて資料によつて研究するいとまがなかつたのでありますが、この前この問題で京都でたしか裁判問題にたりまして、何か憲法違反であるというようなことから判決が下つたようでありますが、この実際の問題について長官からお伺いしたい。
#528
○政府委員(斎藤昇君) 京都の地方裁判所におきまして、この京都の公安条例違反の裁判の裁判理由の中に、許可主義をとつている京都のこの条例は憲法違反の慮れがあるというのがその理由の中にあるのであります。他の裁判所におきましては許可主義をとつておる所におきましてもさようなことなしに裁判をしている所もあるのでありまして、まだ京都の事件は最高裁まで行つておりませんので、私は許可主義をとつたならば必ず憲法違反になるかならないか、それもやはり私は許可の内容如何にかかるのであろう、かように考えておるのでありますが、現在はまだ最高裁判所の判例となつておるものはございません。従いまして許可主義にいたしまする際には憲法違反になる虞れが多分にあるということはこれは言えると思うのであります。
#529
○若木勝藏君 そうしますというと、この法案を立法する場合において京都の事件を参考にせられたのであるかどうか、その点を伺いたい。
#530
○政府委員(柏村信雄君) 只今長官から御答弁申上げましたように、京都の公安条例については憲法違反の旨の判決があつたのでありまするが、この場合におきましても公共の福祉によつて止むを得ない制限を受けるということは認めておるわけでありまするし、許可制度そのものがいけないという判決ではなくて、一般的制限に近い程度に広汎に集会集団示威運動を取締りの対象に置き、公安委員会の許可なくしてこれを行うことができないものとするようなのは明らかに取締りの便宜に重点を置き、憲法の保障する国民の集会等、表現の自由を不当に制限しておるものと言わなければならないというふうな趣旨を述べておるのでありまして、京都の判決においても、これはお話のありましたように、まだ最高裁の決定を見ておりませんが、これにおいても許可そのものが憲法違反であるということを言つておるのではないのでありまして、今度の提出いたしました法案につきましては憲法違反の虞れがあるから許可制度をとらなかつたというのではなくして、できるだけ尊重するという趣旨に立ちまして、現段階においては届出制度を以てしても十分公衆の危害を防止し得るという見地に立つて立案をいた、したわけでございます。
#531
○若木勝藏君 そうしますというと許可主義をとるというとどうも憲法違反の虞れがあるというふうな心配から、それを如何に含みに届出制というような形でやるかと、こういうふうなことを御研究なさつて作つたんじやないかと、こういうふうに私は思うのでありますが、如何ですか。(「同感」と呼ぶ者あり)。
#532
○政府委員(斎藤昇君) 只今申しましたように一般的にとにかく許可がなければもう集会ができないんだというこの建前は、これは私は憲法違反の虞れあると、かように考えます。併しそういうことにかかわりなく、只今警備部長からも説明いたしましたように、本案はさような趣旨ではなくて、届出を必要とするというだけでありまして、従つて先ほどいろいろな変更命令とか補正命令という点をおつしやいましたが、これは集団示威運動をやることを許可と同じような扱いにするとおつしやるのは全く当つていないのでありまして、届出ということをやればすべてこれは行い得るのでありますから、許可制度を避けるために先ほど申しましたように実質において許可の目的を速するというような点は一つもこの中にはないのでございます。
#533
○若木勝藏君 それで御趣旨はよくわかつたのでありまするが、その点は取締りの、いわゆる先ほども質問しました警官の制限であるとか、解散であるとか、そういうふうな方面にも一つ徹底するように指示をして頂きたい。というのは法務総裁にさつき私質問した通り、それを商売としておる、つまり法律の中に生きておるような検事でさえ立法の精神を離れた解釈で以て勝手にやろうとするような傾向があるのでありますから、一層いわゆる下級、下級というと語弊があるのでありますけれども、第一線に立つところの警官あたりになりますと、そういう点私危惧の念を持つのであります。その点については十分一つ間違いのないように徹底するように御指示を願いたいというふうに、若しこれが通つた場合にでありまするが、そういうふうに願いたいと思います。
#534
○中田吉雄君 木村法務総裁にいろいろな点をお伺いいたしたいと思いますが、破防法が上程されています際に、木村法務総裁のこれが通過に対する憂色が極めて濃いものがありましたが、それが通りましてから非常に朗らかそうな、(笑声)そして吉川議員に対しては食つてかかられるような元気さえ出て、私はあれから木村法務総裁のかもし出されている雰囲気というものが非常に違つて来ている。併し私はこの法案が日本の独立過程において持つところの歴史的な汚点と言いますか、そういうものについてどのようなお考えを持つておられるかということについていろいろ質問して見たいと思うわけであります。昨年の十二月に召集されましてから今日まで二百三十五日という日本の国会史が始つて以来ないところの長い期間が国会のために費やされたのですが、これは破防法の委員会でも私申しましたが、この国会を大きく二つにわけて前半と後半とにわけますと、前半では八千五百二十一億という予算の中で一千八百三十六億と、全体の二七%を占めるところの、それを含むところの軍事予算を如何にして通過させるかということが吉田内閣の前半の使命であつた。後半におきましてはマツカーサー元氏が持つていました占領政策に違反するものをすべてやつつけるというところの、マツカーサー元帥、リツジウエイ将軍の持つておつた権限を吉田内閣のために握るところの諸立法を国会にかけられた。二百数十日に亘るところの長い国会を大きく分析するなら、私はかようにとれると思うのであります。そして後半におきましては行政協定の第三条に基くところの刑事特別立法を初めといたしまして十三の特別立法、破壊活動防止法、警察法の一部改正、更に今回出されました集団示威運動等の秩序保持に関する法律案というものは、実はマツカーサー元帥やリツジウェイ大将の持つておられた大きな権限を吉田内閣の手に一手に握ると、こういうような私は意味を少くとも全体として見るときには持つと思うわけであります。何としても私は、この四月二十八日に講和条約が発効いたしましたが、何人も日本が独立したというような見通しを持つものはないわけであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)その際に私は国民が、八千万国民の念願とするところの民族の完全なる独立運動を集団示威運動等の秩序保持に関する法律案が如何に阻害いたしまして、八千万国民に重大なる運命的な打撃を与えるものであるか、私といたしましては、この法律案が委員各位が質問されたように、憲法十一条或いは二十一条或いは九十八条に違反することはないかどうかというような諸点の研究と共に、国際的な、国内的な我が国の置かれた現段階において、この法案の持つところの役割を正しく理解いたさなくては木を見て森を見ないものではないかというふうに私は考えるわけでありますが、現在の日本の置かれた段階において、日本民族の念願といたしますところの民族の完全なる独立に対して、この法案がどういう影響を及ぼすと木村法務総裁は御理解されますか、その点をお伺いいたします。
#535
○国務大臣(木村篤太郎君) この法案は冒頭において述べましたように、集団示威運動等を秩序よくやらせようということが目的なんで、何もこれを禁止したり抑制したりするということは目的としておりません。この点をはつきり御認識を願えれば私はすべて問題は解決するだろう、こういうふうに解釈いたします。
#536
○中田吉雄君 それではお伺いいたしますが、この法案が木村法務総裁が言われるように正しく適用されて、そうして我々の深く心配いたしますような拡張解釈の虞れは絶対にないのであるかどうか、一体それはどの条章によつてそういうことが保障できるか。我々といたしましては木村法務総裁が国会で御説明になりましたように、憲法九条の解釈におきましても、バズーカ砲や戦車や大砲等を持つてもこれが戦力でないという規定をされておるような拡張解釈をなされましておる現行犯と申しましては恐縮ですが、そういう立場をとつておられる木村法務総裁にどうして期待することができるでありましよう。外国におきましては日本の警察予備隊の現況を全部リアーマメント、再軍備だと言つておる。これが再軍備でないというのは東京だけしか通用しないということは、国際新聞、どの新聞を見てもはつきりしておるわけなんであります。そういうことでありますのに、我々はどのようにして、我々といたしましては木村法務総裁の善意を固く信じたいわけでありますが、そういう事態にも、先例にも鑑みまして、特に我が党の若木議員が申しましたように、一度弓を離れた矢は独自な本質的な行動をなす、こういう法の本質からいたしましても、私は非常に憂慮するわけでありまするが、そういうことがどこでないという保障がありますか。
#537
○国務大臣(木村篤太郎君) この法案は先刻若木委員に対して私はお答えいたしましたように、解散とか或いはデモの制止、制限というようなことについては法文において個々の場合に十分に明示してあるのであります。従いましてかような場合において濫用されるかどうかということの御懸念でありまするが、十分にあなたがたに監視して頂きたい。又我々のほうにおきましてもこの法文を取扱うものに対して十分に教養と訓練を与えまして、万濫用の慮れないようにいたしたいと考えておる次第であります。
#538
○中田吉雄君 木村法務総裁の任命権者は、憲法第六十八条によつて「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。」という形で吉田総理が木村さんの任命権者である。ところが最近の国会を見ましても、例えば福永君を幹事長にするかどうかという問題で党の長老各位に対して吉田総理は、一たび福永君を指名した以上は絶対に変えない、投票も辞せない、投票に破れたら責任を負う、こういうことをはつきり言われておるのに、投票することもなしにすでにはつきりもう責任を負われなくてはならない。そういうような任命権者を持つた、そういうようなはつきり議会をこのように長期に延長し、そうして一たび福永君の指名を俺が宣言した以上は投票に敗れれば責任をとる、投票を待たずして敗れてしまつたが、そういう責任感の薄い、そのようなことについてはいささかの責任も感ぜざる、大臣の首を雁首をすげ替えるように近く改造するのだと言う、こういう無責任な任命権者を持つた木村法務総裁に、総裁としては非常に善意ではございましようが、我々としては万幅の信頼を繋ぎ得ない、木村法務総裁がいつまでも任命権者が変つても、吉田さんが変つてもおられる保障もありませんし、一体どういうふうにこれを吉田総理の最近の無責任に鑑みて、どういうふうに理解したらいいか、この点をお伺いいたしたい。
#539
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は党内事情のことは何もわかりません。従つて吉田総理の進退問題とかその他については何ら関知しておりません。いろいろ御批判がありましたが、私はさようなことは一切存じません。従つてそのことについては御答弁はできません。ただ、今申上げましたように、法案の濫用については十分に注意をいたして慎重な措置をとりたいと、こう考えております。
#540
○中田吉雄君 木村法務総裁にお伺いいたしますが、このような一種の治安立法が国際的に見てどのような国に布かれておるか、その事例を御説明願いたいと思います。
#541
○国務大臣(木村篤太郎君) 私の知る範囲においてはアメリカにおいてもかような法案は各州にあります。殊に許可制をとつておる州もあります。届出制をとつておる州もあります。もつとこれより何と申しましようか、強い綿の法案があるやに私は自分の読んだ書物において聞き及んでおります。
#542
○中田吉雄君 アメリカだけの事例について申されましたが、少くとも現存世界が二つに分れておりまして、アメリカの陣営についております韓国、車に仏領インド支那、或いはトルコ、そういうような国と我が国とは極めてよく似たところの環境にあるわけでありますが、そういう国がどういう治安立法をとつておるか、国際的な比較研究の御説明を願いたいと思います。私はなぜこのような治安立法が必要になつて来るか、こういう治安立法では問題の根本的な解決ができないということを申上げたいために、特にそういうことをお伺いするわけであります。
#543
○国務大臣(木村篤太郎君) 外国の立法例はさておき、私は日本は日本の事情があるのであります。日本の現在の事情において最も即した法案を作成するのが私は任務であろうかと考えております。
#544
○中田吉雄君 我々が誤りのない判断を下しますためには、国際的な広い観察の上に立ち、更に歴史的な回顧の上に立つて、そういう立場に立ちませんと、この法案が持つ、歴史的な意義というものがなかなか理解できないわけであります。御多忙な国務大臣のことでございますから、そういうことが具体的にここで御答弁できないということは事情もあると思いますので、斎藤国警長官に具体的に、簡単に要領よく一つ御説明願いたいと思います。
#545
○政府委員(斎藤昇君) 私もイタリア或いはトルコその他におきましてこれに類するどういうものがあるか、誠に申訳ないのでありますが究めておりません。只今法務総裁が申述べられましたように、今日の日本の実情におきましてはどうしてもかようなものが必要であろうと考えるのであります。只今御所見によりますると、こういうものを作つたからといつて日本の治安がよくなるかどうか、どこに根本があるかという御所見であつたと考えるのでありますが、我々の立場からいたしますると、私、いつか申上げましたように、我々といたしましては、例えばこれを医者に例えるならば、体の中にある毒がおできになつて出て来ておる。この場合毒をどうかしなければおできは癒らないかも知れないが、併しやはり出て来たおできを切開し、或いはこれに膏薬を付けるということがどうしても必要な場合におきましては、根本的なことも必要でありましようが、こういつた末端現象、さようなことの起らないようにするという手当も私は必要であると、かように考えておるのであります。
#546
○中田吉雄君 化膿するから、その膿の処置をするというように言われましたが、この処置は膿が外に出ることではなしに、蓋をして毒素を内包せしめる、内攻せしめるという手段であるということはあとで述べるわけでありますが、私は俊秀を以て鳴るところの斎藤長官がこのような不用意な法案の説明をされるということを極めて遺憾とするものであります。あなたの所管で出されました警察法に対するいろいろな改正法案、そういうものが出されますならば、それを自由党の党ということでオブラートして出して二百八十数名という圧倒的な多数で通つて来る。それが殆んど参議院の自由党各位もそれに同調される、それによつて簡単に通る、こういうようなことから極めて私は国際的な深く研究もなしに出されるということは、私は極めて遺憾に思うわけであります。こういうことも来たるべき総選挙、そうして更に来年予想される参議院選挙で根本的に情勢は変つて来ます。こういう法案を出される際には何といつてもアメリカやイギリスや、或いは日本と同じような環境に置かれておる西ドイツ、こういうようなもの等をあなたの下におられますところの各位を動員されて、そうして深く研究の上に立つて我々を納得させるところの説明をされるということは極めて大切だと思うわけでありますが、それは国会にも責任がありますが、そういうふうに簡単に法案が通るというようなことからそのような説明すらできずに、ただ通されようということに対しては、私は極めて遺憾の意を表するものであります。我々のようないろいろ忙しい、各方面の仕事をやらなければならん者といたしましても、少くとも私はドイツ、イタリア、トルコ、ギリシア、韓国、仏印、そういうような国の治安立法に対しては大体の調査をいたしておるものであります。そうして私はなぜそのような米ソの間に挾まれたゾオーンがこういう法案を立法せざるを得ないかということを考えまして、私はこのような法案だけで問題が基本的に解決するものではない、このような一辺倒とは申しませんが、法案で問題が解決するように考えることは、全く法科万能の誤まれるところの私は観念であると思うわけであります。私はそこで、そういう今後には立法と取組まれるところの厳粛なる、そういう態度をとつて頂きたいということを希望するわけであります。そこで私は木村法務総裁に、この法案が日本の独立過程においてどのような阻害条件としなるか、日本の独立がどの程度の独立であつて、そうしてそれはどのようにこの法案がこれを阻害するものであるかということについての国務大臣としての御所見をお伺いしたいと思います。
#547
○国務大臣(木村篤太郎君) 私はこの法案が日本の独立を阻害するものとは毛頭考えておりません。ただ集団示威運動等の秩序を保持さして、そうして個人的なこの人権を各自尊重して、平和な社会を作り上げるように努力いたしたいとこう考えておる次第であります。
#548
○中田吉雄君 我が党の書記長の野溝さんは非常に木村法務総裁の思想は別にいたしまして、善意を高く評価しておりますが、私は今の答弁では一国の国務大臣として極めて不親切である。日本の独立は一体独立しているのであるか、半独立であるとか隷属的な状態であるとか、その点と、この法案が独立過程の日本に対しましてどのような阻害になるかということを質問したいと思うわけでありまして、一体日本の独立はどの程度達成されておるのであるか、その点をお伺いいたします。
#549
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は日本の独立は本年の四月二十八日を以て成立したものと考えております。又見方によりましていろいろの批判もされまするが、私は日本は一国の独立国になつたものと信じて疑いません。ただ日本の海外から受ける侵略については、これは日本国独自の力で以て防ぎ行ないから、いわゆる安全保障条約によつてアメリカの力を借りておるというのでありまして、日本は私は完全に独立したものであると、こう考えております。
#550
○中田吉雄君 私はこの日本の置かれた状態を正しく理解して、そうしてこの集団示威の取締りに関する法案が果す役割というものとの関連において理解することが最も正しい基本的な立場であろうと思うわけでありますが、木村法務総裁は我が国が完全に独立国であると言われましたが、それならお伺いいたしますが、日本がどの国と貿易をいたすかということすら吉田内閣では決定できない、そういうことは一体外交に対する経済自主権を持たないという点は、どのような独立との関連にあるわけでありますか。
#551
○国務大臣(木村篤太郎君) 日本は貿易しようと思えばどこの国とでもできるのであります。私は別にどこからも制肘を受けておるとは考えておりません。
#552
○中田吉雄君 それでは今アメリカとイギリスその他日本とが自由世界以外の国と貿易をいたす問題について国際会議が開かれております。それに対して特に通産省方面では地域的な安全保障の立場からバトル法程度のアメリカの法律を守ることは必要であるが、それ以外の、戦略物資以外のものは何としても許して頂かなければ日本の経済は守れないという切実な要求がある、そのような問題を打開しないことが、吉田内閣が日一日として国民的な信頼を失う大きな原因になつている、それすら如何ともできない、そのような一体経済自主権を持たない独立国があるでしようか。
#553
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は日本は経済自主権を持つておると考えております。あなたとは私はその点において見解を異にしております。これ以上申上げません。
#554
○中田吉雄君 そういう点、日本が独立国である、経済自主権を持つておるのであるというようなことを確信を以て言われるような大臣を頂いておる国民的な不幸を思うと誠に残念であります。国民に代つて遺憾の意を表しておきましよう。私は日本が民主主義の立場をとりまして、暴力革命を強く否定いたしまして、そうして日本の置かれました完全な独立でない点を平和的な立場で我々の目的を達成いたしますためには、何と言つても言論、集会、結社の自由、そうして国民のそのような強い要求をデモンストレーシヨンによつて表示して、日本について十分の理解のない各国に対しまして、それを強く訴えて、日本が独立国になるということは、暴力革命を否定する我々の立場から言つて絶対不可欠の立場であるわけであります。そういう点から私はこのような破壊活動防止法案更にこの法律が実施されますることによつて我我の平和的な、穏健な意思の表明ができませんことによつて、結局我が国を暴力革命の遂に追い込んで行くものである、私はこういうふうに考えるわけでありますが、木村法務総裁の御所見をお伺いいたします。
#555
○国務大臣(木村篤太郎君) 破壊活動防止法案については私は申述べません。たびたび申述べおり事から、私はしばしば言うようにこの法案どこに日本の民主主義を阻害する虞れがあるのでしようか、むしろ民主主義を助長して行く目的を持つておるのである、秩序よく集団運動をやらせよう、これなんであります。無秩序にやられたらそれこそ民主主義の破壊であります。秩序を保つてこそ言論も出版もこれは本当の自由になるのであります。お互いに秩序を守ることにおいて私はさような自由というものは発揮し得られるものと考えております。従いましてこの法案は日本の社会秩序を保持しつつ、自由の集団示威運動なるものをしようという案であります。私は最もよく民主主義に合致するものと、こう考えております。
#556
○中田吉雄君 私は現在の日本のおかれた立場を次のように理解するものであります。現在国際的に支配的な力を持つていますのはアメリカとソヴイエトであります。この二つの中に日本がどのような環境におかれておるかということを先ず我々は問うて、それと破壊活動防止法或いは集団示威の取締法案等との関連を理解しなくては、それは正しい理解に到達し得ない。こういうふうに思うわけであります。御存じのように我が国に対しまして大きな力を持つのはアメリカでございます。アメリカは一九四五年まではソヴイエトとアメリカとは両立し得るとこういう立場をとつて来たわけであります。ところが一九四二年に、今から五年前にトルーマン大統領は、米ソは両立しない、力を以て片をつけると、こういう立場をとつてソヴイエト封じ込み、政策を転回してそうしてヨーロツパから北太平洋同盟条約でソヴイエトを包囲し、そうしてアジヤにおきましては講和条約、安全保障条約、行政協定によりましてアラスカからアリューシャン、日本、沖縄、台湾、フイリピン、こういうふうにしてソヴイエト包囲陣の戦略配置につかされておるわけなんです。このような危険な立場に日本が置かれておるこのような際において、我々が警察予備隊の増強に反対し、再軍備に反対し、或いは警察予備隊の海外派兵に反対する、平和憲法を唱えるというようなことが、アメリカの封じ込み政策に対して重大な阻害になるわけであります。そういうことに対する我々の平和的な念願を破壊活動防止法や或いはこのような法案によつて抑えて、アメリカの対ソ戦、或いは中国の、中ソ両国に対する要請に対して応えよう、国民の念願を保持しようというところに私はこの法案の持つところの、国際的な或いは現段階における役割があると思うわけでありますが、木村法務総裁はどういうふうに解しますか。
#557
○国務大臣(木村篤太郎君) 私はさような解釈しておりません。日本の独自の見解に基きまして必要な法案だと考えておるのであります。
#558
○中田吉雄君 木村法務総裁は国務のために忙しくて、そういうようなアメリカの封じ込み政策と日本の置かれた立場というものに対して十分な御意見が披瀝できないようでありますが、斎藤長官はそれらの関係とどういう関係にあると思われますか。私は日本八千万同胞が本当に独立国になつて対等な立場でアメリカと協力の関係に入りたい、従属した関係でなしに対等の立場で入りたいと、こういう国民的な念願があるわけであります。それが破壊活動防止法などはこれらの国民の意思を平和的に訴えるものを抑える役割になりまして、斎藤長官が善意にこれを考えられても、歴史的には少くともそのようだ役割をこの法案というものは私は果すと、この法案を通過されることは、通過に努められることは昭和三年に治安維持法を大改革をして日本を今日のような悲境に持つて行つた同じような役割を私はあなたがたが果されると、こういうふうな信念に立つて、我我は些々たる議事の妨害その他ではなしに、そういう歴史的な観点に立つてこの法業に対決しようという立場をとつているわけであります。あなたはそういうことについてどういうふうにお考えでありますか。
#559
○政府委員(斎藤昇君) この法案は国民的な念願或いは民族的な念願、これをあらゆる示威運動の形において表現いたしますることは自由に認めておるのであります。ただそれが生命、身体、財産等に直接危害を及ぼすというようなやり方でやられては困るというのであります。火炎ビン、竹槍で以て、そしていつ何時人を殺傷するかもわからんというやり方でやられることが困るのであります。そうでない平和的な示威運動は如何に盛大にやられましようと、又その意図がどんな意図でありましようとも、何らこの法案は関知をしておらんのであります。目的においてそのことを明示しておりますのみならず、その手段方法等においても今私の申述べました点を一点も出ておらんのであります。
#560
○中田吉雄君 それではお伺いいたしますが、この法がすでに通る前にあなたの配下と言いますか、あなたの下にある、例えば具体的にはつきり例を挙げて申しますが、鳥取県において最近教育公務員法特例法の一年延期に対する法案が衆議院で否決されて、これに対してこれは日本の教育制度を破壊するものであるということを強く訴えて、街頭で演説する者を全部メモに書いて、それに対して強圧を加えている事実をあなたはどう思われますか。私はそういうことが直ちに両軍備反対、警察予備隊の海外派兵反対というような問題と結びついて行われるということを、私はすでにこの法案が通る前で、そうだ、昨日地域給の問題で来まして名前はあとから申上げますが、その人がです、何ら交通上の妨害にもならん所に市町村民に対して教育公務員法の特例法を一年延期することが否決された、そして町村にまでこれを設けることが如何に重大な問題であるかと、教育制度の根本的な破壊に通ずるものであると、こういう世論に訴えているのを自治体警察でなしに国家地方警察の諸君がメモをとつて、そしてそういうことに対して間接的に恐怖心を起させている現状等々と考え併せまして、どのようにそれを御理解でありますか。
#561
○政府委員(斎藤昇君) そういう集会の状況をメモを取つておつたということのようでありまするが、私はどういう状況でありましたか報告を受けておりませんので、今後十分調べたいと思いまするが、ただ私は了解を頂きたいと思いまするのは、我々治安の任に当つておりまするものは、そういつた場合にそれがどういうように進展して行くかということは、絶えずやはり治安の面、治安の面と言いますのはここにありまするような国民の生命、身体、財産というようなものと密接に関係をいたす、その危険に密接に関係をいたすという点から注意をしなければならない職責あるのであります。ただメモをとつたからそれが強圧になるというようなお考えを起して頂かないように私はお願いをいたしたいと思うのであります。
#562
○中田吉雄君 私はそういう答弁ではやはり安心できないわけであります。て、「但し、これらの集団示威運動、集団行進又は屋外集会が左の各号の一に該当するものである場合には、この限りでない。」ということになつて、その四に「もつぱら学術研究、体育、競技、娯楽、興行又は商業宣伝のみの目的で行われるもの」こういうふうになつて、こういうものはこの法の適用の範囲外にある。これは平和憲法の立場から言うなら届出を要しないものに再軍備反対、警察予備隊海外派旭反対、そういうようなものをはつきり謳つておくなら私は安心できますが、このようなものについては何ら規定がない。そういうことを以て見ても我々としてはあとでも各条ごとに申上げますが、非常な疑問がある。なぜそういうようなのなら、現下の我が国においてアメリカの傭兵に対して反対する、これは基本的な線である。平和憲法を守る立場から言つて交戦権を持たない日本としては、警察予備隊が海外に派兵されて行く、派遣されるというようなことに対して憲法擁護の立場から反対するのは当然として、我々の杞憂を一掃されるなら、娯楽や興行や商業宣伝のこういうようなものでなしに、平和憲法を守るというものこそはつきり入れて安心されるようにされたら如何です。
#563
○政府委員(斎藤昇君) ここに掲げておりまするような集団示威運動は生命、身体、財産等に危険を及ぼすようなやり方で行われるということが殆んど考えられませんからここに除外をいたしたのであります。只今お引きになりましたようなものは、これは場合によりますると生命、身体、財産に直接危険を及ぼすようなやり方になる場合もあり得まするので、そういう場合、そういうものにつきましては届出をいたしますると共に、そういうものについては危険物を持つて行つてはいけないとか、いろいろな必要に応じた条件を付ける必要があるということになるだけでございます。
#564
○原虎一君 第一条に「集団示威運動、集団行進又は屋外集会が公衆の生命、身体、自由又は財産に対して直接の危険を及ぼすことなく行われるように」云々となつておる。そこで私は先ず国警長官にお伺いいたしますが、この集団示威運動、それから集団行進、屋外集会という定義ですね。如何なるものを言うか、この定義を一つ御説明を願いたいと思うのであります。
#565
○政府委員(柏村信雄君) 便宜私から定義の御説明を申上げます。集団示威運動と申しますのは、多数人が一定の目的を以て行いまする共同の行為で、公衆に対して気勢を張るものを言うのであります。集団行進とは多数のものが一定の目的を以て行う共同の行為でありまして、一団となりて行進するものを言うわけであります。屋外集会は多数のものが一定の目的、以て行いまする共同の行為で、屋外の一定の場所に会しまして、一定の行為をなすことをいうわけであります。
#566
○原虎一君 そこで第一の集団示威運動、即ち御説明によれば多数人が公衆に気勢を張る行動、これが例えば労働組合がその雇主、即ち使用者との団体交渉との結果、代表者が多数の組合員が労働組合に報告する、その他その場所で歌を歌う、これは即ち多数人が公衆に対して気勢を張る、こういう状態においてなされる集示威運動というものは、この取締の対象たる集団示威運動であるかどうか、この点を一応お伺いしたい。
#567
○政府委員(柏村信雄君) 集団示威運動と申しますのは、先ほど申上げましたように、多数人が公衆に対して気勢を張るというのでありまして、労働組合が、組合員が雇い……、この経営者に対して示威を行う者は、これは特定人に対する示威でありますので、労働運動の過程においてそうした争議の過程においてそうしたことが起りますものは、この取締の対象にならんと思います。
#568
○原虎一君 如何にも机上的なお考え方でありまして、この工場がある、この工場の周囲の広場において、この敷地は仮に会社の敷地といたしましても、併しながらそれはコンクリートの塀でなくして、一つの境もない空地である、その空地に一千人の労働組合員が集まつて労働歌を合唱すれば、その周囲にある人々には気勢を添える行為になる、こういう問題が隻団示威運動である、ないと規定されるのであるか、規定されないのであるか、この点を一つお伺いたします。
#569
○政府委員(柏村信雄君) その状況によりますと思いますが、公衆はその気勢の影響を受けない、主として経営者がこれを受けるというようなものは、例えば会社の構内において行われるようなものは、これはこの集団示威運動には入らないと思いまするが、たとえ組合員でありましても、むしろその示威が公衆に対して行われるというものであります場合には、当然にこの取締の対象になると考えております。
#570
○原虎一君 その場合にその認定はいわゆる公安委員が委任したところの警官が認定する、そこでそういう問題は労働組合のいわゆる幹部は、代表者は資本家側に、やはり使用者側に示威的行動をやると考えましても、これを警官が見る場合に、その近所の人々に対しても、労働歌を歌い、組合旗を振つてやる行為は明らかに一般公衆にも気勢をはる行為であると警官が認定すれば、これはこの法律に反するのじやないか、その認定権はどこにあるかということをお伺いする。
#571
○政府委員(柏村信雄君) 認定は勿論警察官がいたすことになりまするけれども、あくまでもそれは懇意的なものではなく、合理的に社会通念によつて判断されるものでなければならんわけでありまして、軍に個々の警察官が経営者に対して示威を行つておるものを公衆に対する示威と判断するようなことはないと思いまするし、そういうことのないように指導して参りたいと考えております。
#572
○原虎一君 ないと思うし、ないと指導すると言いますが、若しそういう認定をして、警官が本法律の第三条に違反して、この法律に基く処置をした場合、労働組合の受ける損害は重大なものがある。でありますから、そういう行為を、いわゆるこれを濫用して、如何なる意識的であろうが、悪意があろうが、なかろうが、これを濫用してやり、人権を蹂躙した場合に対する処置は、この法律にはない、何故それを入れてないか、先程中田委員が質問しましたのはそのことであります。今法務総裁はどつかへ行かれましたが……。
#573
○委員長(西郷吉之助君) 今ちよつと衆議院の議運に顔を出して戻られますから。
#574
○原虎一君 この法律はあくまで民主的な示威運動を育成するためにと、言葉は違いますが、言われておる。我々の懸念するのは、労働組合に限つたことではありません。学生或いは青年団、これらが政治的目的或いは社会的な目的を以て会合して、静かに集まつておる場合には文句を言わんでありましよう、若しそこに労働歌を歌う、或いはフランス革命歌を歌う、それが社会的に気勢を挙げる行為ということは無届集会として取締るということは、我々はたびたび過去においてやられた、それをあなたは、先程総裁は、法務総裁は、そういうことは断じてない、そういうことをないようにするための法律だと言われますが、そういうものじやなく、濫用した警官に対して或いは公安官に対して如何なる処置をされる規定があるか、又それを第二には、それをさせないというのは如何なる我々の納得できる処置を取られるところの法的根拠がどこにあるかということをお伺いしたい。
#575
○政府委員(柏村信雄君) 先程申上げましたように工場の敷地内において経営者に対して行うような示威は、この法律によつて規制をする限りではないわけでありますし、そういうことを趣旨といたしておらないのでありますが、万一そうした職権濫用の事態が起りました場合におきましては、公務員の職権濫用に対する刑罰、制裁があるわけでありまするし、これによつて損害を蒙つた人は国家賠償法によりまして損害の賠償を請求することができるわけであります。又そういうことでありますれば当然に懲戒の処分を受けるということになるわけでありまして、この法律においてそうした者については制裁規定は設けておりませんが、他の一般の法によつて処断されるわけであります。
#576
○原虎一君 先ほど申しましたように、最も危険なる法律であります。いわゆる基本的人権を蹂躙しやすい、濫用しやすい法律を作るときに、而もそれは受けた損害が多くして労働者、無産階級、これらが行政訴訟をやるにしても費用がかかつて困るというような立場におる人間を取締る法律を作つてそれを濫用された場合においては一般の公務員の職権濫用規則に入るというお考えそれ自体が問題なんです。ほかの法律とは違います。そこに即ち考え方の相違、この法律が取締りを主としておる法律であると言わざるを得ない、極端に申しますれば、ときと場合によれば濫用して、ときの政権に対する反対運動等を弾圧し得る。それが濫用とは言えないという危険性がこの法律にある。こういう危険なる法律を作る場合においてそれを濫用したときには非常に厳重な取締りをするところの法律事項があればまだ我々は幾分安心ができるということを考えますときに、法務総裁の御説明は本人が御存じなくて言われていると私も思いますけれども、余りにも机上における考えを以てこの複雑なる問題を理想的に取締れるというような考えを持つことは甚だ理解できない。そこでもう一度この集団示威運動に対してお伺いいたしまするが、先ほど部長ですか局長ですか、失礼ですけれども、御答弁は、その認定は警官がする、一番我々は危険に考えるそれは、今申しましたこの会社の近く、或いはその空地において千名からする者が集まつて労働歌を叫ぶことは、必ずしも資本主義使用者に対する気勢だけではありません。輿論喚起のために、或いはその立場を訴えるための演説会かも知れません。この認定がそういうものであるならば、労働組一合がそういう行動に出る場合においては憲法並びに労働組合法によつて当然な権利であるから取締るべきものではないという、取締りの対象になつていないという条項があると、そういう御説明があるならば我々も納得できますけれども、そのときの状況判断により取締るというのですから、取締対象になる可能性が十分にある事項であるということをお認めになると思います。その点どうですか。
#577
○政府委員(斎藤昇君) 我々といたしましては、例えば労働争議の手段として行われるというような場合には、これは我々は労働法に規定をいたしておりまするように、労働省議の手段は尊重をしなければなりません。我々この法案はさような労働争議の許された合法的な手段をこの法律によつて制圧しようというような考えはないのみならず、若しさように運用されるといたしますならば、これは私は職権の濫用であると考えます。職権濫用につきましては更に高度の規定が必要ではないかという御意見でございますが、私はさような規定がありましても、もともとはやはりそういつたようなことに陥り易いというような、なんと言いますか、警察の制度とか或いはそれの監督機関とか、或いは公安委員会のありかたとか、そういうものがやはり最後の私はものを言うことになると考えます。従いまして我々といたしましては、労働争議の許されたその趣旨というものは、これは法律を扱うもの、或いは警察に携わるものに十分その趣旨を徹底いたさなければならんのでありまして、若しこの趣旨に反するも一のがありまするならば、これは社会からも非難を受けることは勿論でありますが、公安委員会その他の監督者も十分監督を厳重にせられたいと、かように考えるのでございます。
#578
○原虎一君 先ほど法務総裁は他へ行かれましたが、その間を私が質問をやつておりましたのですが、これは非常に大事なことであります。まだ重ねてお聞きしなければならんのですが、今国警長官の御答弁の労働組合の活動範囲については取締りの対象にならんという一項はどこにもありません。でありますから、それがもう警官の認定によつてこれがなされる、これは勿論正当なる労働組合の活動としてその行き過ぎがありますならば、これは正当なる労働組合の活動と認められん。併しながら正当なる労働組合活動なりや否やというものをその場において認定するものは先ほど言いました塀の中でありますれば、無届集会にならんかも知れませんが、空地でありましたならば無届集会になる、そういう大会を持つならば四十八時間前に何故届出をしないか、そういうものがないなら無届集会としてこれは直ちに処理される、その処理がしてはならないという条項は一つもありません。従つて職権濫用ではない。その職権濫用は行政裁判の裁判によらなければならない、こういう結果になるのでありますから私は申上げておるんです。
 次に関連いたしますから集団行進、労働組合活動によりまして、例えばここに会社がある、重役は三宅坂におる、その重役の家まで行きたいというときに二、三十名或いは百名以上の者が行進して行く。これは明らかに無届の集団行進になると思いますが、この点はどうですか。
#579
○政府委員(柏村信雄君) 多数の者が集団的に行進をいたす場合は、お話のように集団行進になります。
#580
○原虎一君 それから屋外集会等はもう一度御説明を願いたいと思います。
#581
○政府委員(柏村信雄君) 屋外集会と申しますのは屋外、即ち建造物の外におきまして多数の者が一定の目的で一定の場所に集まる行為であります。ただこの場合におきまして公共の場所であることを届出すべきものとして取扱つておるわけでありまして、公共の場所以外の私宅とか、或いは会社の広場、或いは構内というようなものにおきましては、これは差支ないわけであります、この取締りの対象となる屋外集会は、先ほども座談中にありました多数に知らしめて屋外に集会する、公共の場所に集会する、例えば駅前におきまして街頭演説を即座にやる、こういうものは取締りの対象になる屋外集会ではないと我々は初めから考えております。
#582
○原虎一君 そういたしますと、第一に多衆に知らしめて集まる、例えばその多衆に知らしめて集会せしめるということがない場合においては、これは取締りの対象にはならないのであるか、この点を一つお伺いしたい。
#583
○政府委員(柏村信雄君) 単に街頭において演説をいたしまして、道行く者がこれに期せずして集まつて来るいうようなものは、只今御指摘の通り集会に入らないわけでありまして、一定の目的を以てそこに集まるという行動がなければなりません。従いまして当然に多衆の者に知らせるということが前提になると思います。
#584
○原虎一君 ここはまだ残つていますけれども、法務総裁が見えて、前から質問を継続しております中田君が法務総裁に質問したいそうでありますから、一応私は留保いたします。
#585
○中田吉雄君 私は木村総裁が申されますように、ただ国内治安の本当の正しい保持ができるというようなことにこの法が適用されるのでありましたら心配ないわけでありますが、どうしても私はそれではこの法案は済まない性格を持つている、そしてこのような法案が立法されている諸国の例を申上げまして、私はこの法案に対する木村法務総裁並びに斎藤長官の御所見をお伺いいたしたいと思うわけであります。私があちこちを調べましたところが、偶然にもこのような治安立法がなされているのは、米ソ対立のこの両者の間に挾まれたアメリカの前進基地を承わつているところが殆んどそうなのであります。先ず一九四七年にトルーマン・ドクトリンが発表されまして、最初にやられたのがギリシャ、トルコであります。トルコが如何なる状態にあるか。トルコにおきましては非常に重大な関係になりまして、メンデレス・トルコ総理は、現内閣の閣僚を批判いたしましたならば、そうして中立政策をとるならば、そういうことをするならば、一年以上六年の懲役に処する、その他これに対する言論の非常な抑圧の関係があるわけであります。更にこのあと、同じような関係にありますところの仏領インド支那でありますカンボジヤにおきましては、キングが議会に対しまして、非常事態であるから今後六カ年間一切の権利を王に委ねる授権を要請いたしまして、若しそれに応じないならば国会を解散するというようなきつい立場に出まして、あえなくも議会は六カ年間キングに授権いたしたわけであります。更にアメリカの前衛基地を承わつております韓国におきましては、韓国保安法というものが制定され、これとの関連の諸法案が通りまして、施行以来六カ月の間に六万人の死刑がなされている、こういうふうな関係で、米ソの間に挾まれて、そうして危険な地帯にある国は、国民の自由が保たれない、独立できない、そうして戦争の危険があるというようなことで、国民は平和が保ちたい、何とかして真の独立になりたい、こういうような要求があるものですから、それに対するいろいろな反動立法をいたしまして、弾圧せざるを得ないわけであります。私は斎藤長官等がどのように考えられようとも、この法案の担つている立場は、そのようなものである。私はこういう法案に対して、まだ前途の有望な斎藤長官やその他が、何ら躊躇と不安と動揺なしに確信を持つてこのようなことに対して、特定の議員を暮夜ひそかに訪問して、この立法を促進されるというようなことに対しては、誠に悲しむものであります。私も地方議会を担当いたしておりました際に、柏村さんに配付税を何とか考慮してもらいたいというふうに陳情に行つたことがありましたが、年少の柏村さんが、或いは斎藤長官が、すでに年をとられた法務総裁は別といたしましても、私はこの法案の持つ性格というものは、必ずそのような運命を担うものなのであります。そういうことで私はどうしてもこの法案はそういうふうになる、御存じのように日本経済を見ましても、アメリカは日本に対して陶器やミシンやまぐろに対して高率の関税をかけて、日本の品物を入れない、而もバトル法を適用して、中国からはいろいろなもの買わせない、アメリカから買わせる、南方においては、ポンド地域でイギリスは対決するという、一体このような状態で日本が再軍備を要請されて行く、どうなりますか。例えば私が先日国会で調べましたが、この日本の国際収支におきましても、そういうようなドル不足が、日本の十万近い女性の犠牲によつて二億ドル、七百二十億円のドルを稼ぐことによつてドル不足が決済されている、このようなことに対しては、国民の中から澎湃とした反対意見が起きるわけであります。これをあなたがたはどのような善意にもかかわらず弾圧されて行こう、そういう運命を持つものであります。私はそういう点で、斎藤長官や柏村さんよりももつと第一線の諸君は、こういう法案に対して躊躇と逡巡を持つているものであります、私はそれが民族的な立場から言つて正しいと思う。例えば私がメーデーの事件で調査に行きました際に、木村法務総裁の下の検事やそういうような人は、治安維持法を適用してそうして日本を誤らしめた、そうして思想検事としてパージにかかつた、そういう体験がしつかりと胸にあるわけです。そこでこういう問題は一片の治安立法では如何ともしがたい。これは政治の責任である、こういうことを言つているわけであります、そういう理解が最も必要なんです、こういう理解がなしには、この日本の米ソの間におかれた経済的な国際的な危険に対する認識なしには、この法案が拡張解釈されないというようなことにはどうしてもならないわけなんです、そういう点から今後日本が本当に独立したいというようなことに対していろいろな反対が起きる、いろいろな世論が起きるわけであります。そこで私はどうしても今後大きな問題になるわけでありますが、さきにも申しましたように、この運動を、この第二条の四の点でありますが、再軍備反対とか或いは徴兵制度絶対反対とか、警察予備隊海外派遣反対とかいうような強力な運動を交通その他の障碍にならんところに野外集会をやる際、或いはそういうことを目的にする運動に対しまして絶対それを弾圧されるようなものを、これにありますようないろいろな補正命令であるとか、或いは遵守命令であるとか或いは警察職員の権限というようなものをやられまして抑えられるような意思はないものであるかどうか、こういう点をお伺いいたしたいと思うわけであります。次に私はいろいろ拡張解釈をするようなことはない、濫用するようなことはないというようなことをいわれましても、なかなか私はそのように理解されない、そのようなことを私は斎藤長官の過去の履歴によつて判断したいと思う。ここに日本歴史の年表をもつている。斎藤さんが過去どういう体験を歩んで来られているか。警察との関係はどうであるかというようなことを私はお伺いしたいと思う。更にこのたびのあなたが立法の中・心になられました警察法の一部改正或いはこのような立法に対して、一九四一年に出されましたマツカーサー元帥の片山総理に対する書簡をどのように理解されて、これらの問題と取組まれたかということをお伺いいたしたいと思います。
#586
○政府委員(斎藤昇君) この法律は例えば民族解放運動でありますとか、或いは徴兵反対運動でありますとか、そういうような運動を弾圧するようなものでは毛頭ございません。それらの運動がこの集団示威運動等に当る形式をもつて行われます際は届出があればそれでよろしいのであります。たびたび申しておりますように、補正命令でありますとか、或いは条件をつける命令でありますとかございますけれども、これらはすべてその生命、身体、財産に直接危険を及ぼさないための命令でありまして、平和的に行われる示威運動には何ら関係はないのでございます。
 警察法のあり方等につきましては、私はどこまでも日本の民主主義が健全に育成して行くようにということが根本の目的であると考え、そういうような意味から取組んでいる次第でございます。
#587
○中田吉雄君 恐縮ですが、私はなぜその斎藤長官の履歴をお尋ねいたしますかと申しますと、日本の政治家が殆んど追放になりまして、その追放の歴史的な意義を反省していない。そういう人が多いわけであります。勿論斎藤長官はそのようなことはなかつたわけでありますが、どうしても私は警察の、過去の若し警察法を担当しておられたら、それとの関係を承わつて私はこの所感と、この立法、本朝通りましたそれとの関係を御質問したいと思うわけであります。
 次に木村法務総裁にお尋ねいたしますが、破壊活動防止法が通りましたあとに、吉河特審局長が今はこの方面から去られたやにお伺いいたしておりますが、破防法をどう適用するかという記者団との会見におきまして、毎日新聞の七月九日号に再軍備反対を唱えて警察官と衝突したらこれに対して破防法が適用されると、こういうことを言つておられるわけでありますが、新聞のことでありますから真偽ははつきりいたしませんが、こういうことは平和四原則を唱えておりますところの我が党が非常に心配するところであります。この点について警察官と再軍備の反対を唱える人が、こちらから衝突したならばでありますが、むしろ逆なようなことが起つて、それをとめるために逆なことが起つてそういうふうにして衝突いたしましたら非常に問題になると思うわけであります。この点について木村法務総裁の確たる御答弁をお承わりいたしましたら大変仕合せだと思うわけであります。
 次に私は木村法務総裁並びに斎藤長官にお伺いいたしたいわけでありますが、このような立法なしにも政治がよろしきを得ずとも外交がよろしきを得るならば、このような法案は要らないということを、オリンピツクが開かれているフインランドの例で申上げて、こういう問題をどう理解されるか。各国から、何十カ国の代表が集まつていますフインランド、これはソヴイエトと陸続きでレニングラードの傍であります。この国は殆んど軍備を持ちません。私の調査によつても三万内外の、殆んど警察に毛の生えたようなものである。それにも拘わらず治安立法なしにも十分やれている。その隣りのスエーデンはどうでしよう。これは北大西洋同盟条約にも入つていない。完全な中立政策をとつてソヴィエト代表部の存在の権限はないという通告をスエーデンを通じて日本がしようとしても、ソヴィエトに嫌われるようなことを拒絶して、絶対中立を保つて百年間国際紛争の圏外に立つている。こういうものが、そうして最近私の読んだスエーデンにおいては各家庭に鍵がある、鍵はあるが、これは外からかけるものではない、盗難防止のためにかけるのではない、夫婦生活の安静を破られる、不意に人が入つたりして破られるのを防ぐために内からかけるものである。こういうことを政治のよしあしと、スエーデンの鍵の問題から説かれているわけでありますが、こういう問題をう少し研究して私は治安立法をして頂きたいと思うわけであります。是非私はフイランドが何故あのようなソヴイエトとは陸続きだ、日本は海を離れてソヴイエトとある、遥かに安全性があるにも拘わらずこのような立法が要る、ところがフィンランドはそうではありません。スエーデンもそうだ、こういうことをどういうふうに御理解されるか、その点を木村法務総裁と斎藤長官にお伺いいたすわけであります。
 次に田中警視総監にお伺いいたしますが、メーデー事件に関しまして東大の学生が率先誘導をやつたというようなことの問題からいたしますと、過般東大の教養学部ですか、非常にたくさんの、私から見ると鶏を裂くに牛刀を以てするというようなたくさんの警察官を大動員されまして、そして検束されたように聞いておりますが、私は学生諸君からあの際の逮捕状の問題その他でいろいろ異論があるように聞いたわけでありますが、一方的な見解でこの問題を判断してはなりませんので、この事件に対するその後の経過をお伺いいたしたいと思うわけであります。更に私は昭和八年に京都の大学を出ましたが、丁度その頃は満州事変が始まる前夜でありまして、そしてその京都大学のすぐそばにおる川端警察と京大の生徒とが対立いたしまして問題を起して、これは学生は直観的に日本の運命を把握いたしておりますから、そういうことと非常に対決して、私は今とよく似ておるではないか、学生がああいうことを今せざるを得ないのは、これは政治の貧困だと思う。政治の責任の重大であることを感ずるわけでありますが、そういうことに鑑みられまして、純心な次の世代を担うところの学生に対しては十分温い配慮を持つてやつて頂きたいと思うわけであります。中国が阿片戦争以来百数年の諸外国の支配から独立する際に学生の果した役割は極めて大であつたわけであります。そのような事情に鑑みまして、私は田中警視総監に対しましてその後の学生の、特に先般の教養学部の寮に未明に百数名の警察官を出していますが、鶏を裂くに牛刀を以てするような、ああいうことをされましたその経過、大体最近の状態を承わりたいと思うわけであります。特に私は首都警察の困難を担われる総監に対して多く言いたくないわけでありますが、学生が日本の民族の解放と独立に果す役割の重大に鑑みて、この点については十分透徹した考えと温い配慮を持つて取扱つて頂きたいということを特に同時にお願いするわけであります。
 次に私は最近の治安状態に鑑みまして国警と自治警察との両区域における、特にこの種の犯罪のこれに適するようないろいろな騒擾その他の関係の犯罪の検挙数をお示し願いたいと思うわけであります。私はこの度の警察法の一部改正におきまして内閣総理大臣の指令が公安委員その他公安委員を通じて下に下されるわけでありますが、特に私はあの法律によつてどうしても自治警察が国家警察の下に立たざるを得ない困難な状態になると思うわけでありますが、ところが私は一番現在の治安状態、治安の問題で苦慮されておるのは、実は国家警察の地域ではなしに自治警察の範囲である。それにも拘わらずああいうふうに自治体警察が存分に治安上の力量を発揮することができない立場に置かれておる。更に今度の平衡交付金の単位費用の計算においても十分な配慮がなされておらないというような点からこの種犯罪の国警と自治体警察の比較をいたし、更にそれと単位費用の関係において財政的にも十分そういう能力が発揮し得る措置が取られておるかどうかというようなことを知りたいと思うわけであります。木村法務総裁は治安の担任の大臣とされまして特にお伺いいたしたい点は、これまでは私の聞いておるところで誤りがないといたしますならば国家警察では一人当り三十万くらいということでありますが、自治体警察では単位費用か変りましたが、計算の方法が一人当り幾らというのが人口別に変りましたが、その際にこの自治体警察の単位費用が有利になるような自治庁大蔵省と折衝をなされまして、十分な活動を困難な中にやり得る財政的な御配慮をなされましたか、そういう点についてお伺いいたしたいと思うわけであります。
 次に私は木村法務総裁にメーデー事件の賠償についてお伺いいたしたいと思うわけであります。これも集団示威の問題と関係いたしますが、日本の外務省はあの皇居前の広場において混乱から外国人に対しまする被害が起きて、それに対する賠償の問題を積極的に国のほうで賠償するというような申出をいたしたやに聞いていますが、所管の大臣とされまして外務省とのお打合せがありましたかどうか、私といたしましては本来あのような賠償は日本の警察で十分犯罪を検挙いたしまして、その犯罪を与えたものが賠償するのが本筋ではないかというように考えるわけでありますが、それらの関係はどういうふうになつておるでありましようか、お伺いするわけであります。
#588
○国務大臣(木村篤太郎君) 先ず第一に、古河君がどういうことを言われたか私は知りません。又その言つたことを新聞が正確に報道したかどうかも存じておりません。ただ中田君の今仰せになりました再軍備反対云々のことでありまするが、ただ再軍備反対の運動を起したからと言つてそれが直ちに破防法にひつかかるのであるとは言いません。これは破防法をよく御研究下さいますれば極めて明瞭であろうと思います。たださような運動の際に騒擾を起したり或いは殺人をしたり、汽車を転覆したりするようなことがありますれば、無論破壊活動防止法の対象になることは固よりであります。ただ再軍備反対の議論をしたり、その運動をしたからといつて直ちに破壊活動防止法の規定に触れるということはないのであります。
 次にフインランドの話が出ましたが、私はフインランドにかような法案があるかどうかということは存じません。ただこの法案は私がしばしば申しますように秩序正しく集団示威運動をさせるために、さような目的をもつて作成した法案であるのであります。
 次に自治体弊一案に対する国庫補助の問題でありますが、これはよく検討いたしまして善処いたしたいと考えております。
 次に五月一日メーデー事件における外国人に与えた損害の賠償問題、私は外務省から何らの通告も受けておりません。相談にも与つておりません。ただこういうことを他から聞いた、外国の自動車の持主は賠償してもらわなくてもいいというようなことを言つた、こういうことを聞き及んでおるたけであります。それも正確なことはわかりません。さように御了承願います。
#589
○政府委員(斎藤昇君) 私の経歴をお尋ねになられましたが、私は終戦前まで警察に関係をいたしましたのが、昭和十三年から五年の間に警備部長をやつただけしか経験を持つておりません。
 それから、自警と国警の間に集団的な犯罪がどの程度あるかというお尋ねでございまするが、これは御指摘のように自警の区域のほうがずつと多いのであります。その件数は、只今資料を持合しておりませんので御了承頂きたいと思います。
#590
○吉川末次郎君 もつとほかのことをお聞きしているのじやないですか、あなたに対して……。
#591
○政府委員(斎藤昇君) なおフインランドとスエーデンとを例に引かれましたが、私は先ほどからも申しておりまするようにこの立法だけで治安の維持ができるとは考えておりません。
#592
○参考人(田中榮一君) 只今東大教養学部学生寮を去る七月十八日の未明に警視庁におきまして押収捜索許可状を持ちまして寮内を調査いたしたのであります。これは主として去るメーデー騒擾事件に関連したと考えられる容疑者数名が同寮内に起居いたしておるということ、それから、今一つは東大ポポロ事件の発生いたしました際に、警察官に対して暴行をしたと思われる或る学生が、東大の学生がこの学生寮内に起居いたしております関係上、それらの人々を逮捕並びに証拠物件押収のために一応検索をいたしたのであります。この東大教養学部学生寮は、かねてからフラク活動の中心になつておりまして、全学連のいわゆるフラク活動の常に巣窟になつておる場所と認定いたしたのであります。
 かような関係からいたしまして、警視庁といたしましては、早くからこれを捜索いたしたいと考えておつたのでありまするが、そこには約九百人くらいの学生が起居いたしておりまするので、これらの九百名の学生の大部分は、私は極めて善良な、まじめな学生であると考えております。で、かような関係からいたしまして、警察官が侵入したために他の善良な多数の学生に迷惑をかけ、又これらの学生に非常な反感を持たせることは、いろいろの点から申訳ない。かように考えまして、七月の十五日から暑中休暇になりまして大部分の学生が帰省いたしましたので、成るべく学生との不必要なトラブルを避けるために、七月十八日未明を期して一齊検索をいたしたのでございます。その際に、押収並びに捜索許可状を示さずに捜索したとか、或いは又いろいろ学生側からの抗議もあつたのでありまするが、我々といたしましては、今までの経験からいたしまして、できるだけトラブルを防ぐために、手続を慎重にいたしまして、捜索令状等も事前に提示いたしまして、その上で執行をいたしておりまするので、何ら適正を欠いたようなことはないと思います。
#593
○中田吉雄君 木村法務総裁にお伺いいたしますが、再軍備の反対云々は、直ちにはこの対象にはならないと言われたのですが、その辺に私少し不安があるのじやないかと思うのですが、一つ交通の妨害とかいうようなことがなければ、断じてこういうものの対象にはならんのですか。その辺を一つはつきりお伺いいたしたいと思います。直ちにはならないと、こういうふうに言われましたので……。
 それから、私は警察が、国警では三十万くらいなこの一人当りの費用がいつているやに聞いておるのですが、ところが自治体警察におきましては二十万足らずなんです。そういたしますと非常に不足いたしまして、自治体警察を財政面から廃止しようという声が起るわけでありますが、木村法務総裁は二本建の線を絶対主張するのだということを申されたわけでありますが、先般中位費用の改正があつたわけでありますが、一人当り幾らというのが、人口段階に応じての方法に変つたんですが、それに対してこのアン・バランスを調整するような御配慮をいたされまして、財政面から援助されるようなことはなされなんだものであるかどうか。私は前にも申しましたが、京都では国家警察が三千七百人おつて、国から頂く補助金、平衡交付金との差額が約四億くらいも赤字になつて、京都財政の負担の重大な欠点になつているという関係もありましたので、こういう関係をお伺いいたしたいと思うわけであります。
 次に、斎藤長官にお伺いしたいのですが、この種の対象になるような朝鮮人、或いはその他の犯罪が自治体警察と国家警察との分布状態はどうなつているかということをお伺いいたしまして、そのことは警察制度の改正の際に基本的に考えなくてはならない重大な問題でありますが、資料を御提供になりませんでしたが、その関係はどうなつているでありましようか。そういうことなしに警察法の一部改正法案を考えられたり、そうしてこの法の適用区域が自警のほうに多いのに、自警はいろいろの立場で国警の下風に立たざるを得ないようなことになされますと、ますます自治警察を困難にいたしまして、そうして治安上全きを得ないのではないかと思うわけでありますが、そういう資料を一つ是非お示し頂きたいと思うわけであります。自由党の高橋さん、その他は非常に議事をお急ぎのようでありますが、こういうものが出して頂ければ早急にできるわけでありますので、一つ高橋さんからもよろしくお願いいたしたいと思うわけであります。
 次に、私はこの法律が憲法十一条或いはその他に、基本的な人権或いは集会、結社の自由というようなものに許可制をとつたり、そういうことに対する違反の虞れが、憲法違反の疑いが濃いので届出制をとつておられるようでありますが、次に述べますような点から、これは迂回しての巧妙なる届出制度、或いは事実上の禁止制度といささかも変りがないのではないかというふうに考えるわけでありますが、その点についてお答え願いたいと思うわけであります。先ず、それは成るほどこの届出の手続、或いは届出の受理、補正命令遵守、命令の送達、警察職員の権限とかいうようなことを、これをいろいろやりますことによつて、事実上の許可制度、禁止制度に私は変つて行くというふうに思うわけでありますが、そういうことはどういうふうにしてなるものでありましようか、そういう点をお伺いいたしたいと思うわけであります。特に十頁の警察職員の権限、第八条の三行目のところでありますが、「若しくはまさに行われようとする集団示威運動等の主催者、統轄者若しくは参加者又は第六条第一項の規定により公安委員会の定めた遵守すべき事項に違反し、若しくはまさに違反しようとする主催者、統轄者若しくは参加者に対して、違反行為を是正し、又は防止するため、警告を発し、又はその行為を制止することができる。」という点の場合ですが、「若しくはまさに違反しようとする主催者、」というような判定は一体どのようにしてなされるものでありましようか、こういうようなことが私は起るかも知れない、「まさに違反しようとする主催者、」というようなことで、警察職員の職権、権限というようなもので、非常に大きくこの点が巧妙に私はやられる場合があると思うわけでありますが、この点についてお伺いいたしたいと思うわけであります。
 更に八条の二でありますが、「公衆の生命、身体、自由又は財産に対する直接の危険を防止するため必要やむを得ないと認めるときは、当該集団示威運動等を解散させることができる。」、こういうことになつているわけでありますが、こういうような判定は一体どうして……、「公衆の生命、身体、自由又は財産に対する直接の危険を防止するため必要やむを得ないと認めるときは、」、こういう認定は一体どういう基準でなされるものでありますか、この点をはつきりいたして頂きませんことには、私は非常に多くの問題を含むと思うわけであります。そういう点をお考え願いたいと思うわけであります。特に議事を急がれる各位にお願いいたしますが、一つ今朝のようなことをなされないように、十分日本の運命にかかわります法案でありますので、我々に対する、少数派に対する寛容の美徳を発揮して頂きたいと思うわけであります。私はこの法案が吉田総理によつて出されたということは非常に意味があると思うわけであります。御存じのように安政三年にハリスが来まして、そうして日本が不可侵条約を結び、多くの不平等条約を結んだ際に、澎湃と不平等条約廃棄の運動が起きたわけであります。その際において、明治二十二年十二月におきまして保安条令というものができたわけであります。吉田総理のお父さんの竹内綱という人が、吉田さんは養子でありますが、この不平等条約廃棄に対しまして闘争をなされまして、そうして東京の町から外へ退去を命ぜられまして、二年半に亘つて禁足を食い、そうしてその刑に触れて獄舎に繋がれて、そのときできたお子さんが吉田総理であります。その吉田総理がみずから不平等条約を結んで、そのような運命の悲劇をこれによつて担うということは、誠に不肖の子ができたと言わなくてはならないと思うのでありますけれども、更に親子になると伺つておりますところの林讓治氏のお父さんの林有造氏は、竹内さんよりか更にひどい刑を受けられまして、三年間東京にいることができなかつたところの民族解放運動の戦士であります。そういうことで我々といたしましては非常に重大な問題で、そういう歴史的な反省の上に立ちませんと、私は再び過ちが起ると思うわけであります。私は緑風会の皆さんに特にお願いしたいと思うわけであります。いろいろな是々非々の立場からいたしまして、多くの法案を占領下中通過されましたが、最近におきまして、これに対する改正に関しましても、最も速かに賛成していられるような点は、いろいろな社会情勢の変化とは存じますが、私はこういう点は政治家の立場からいたしまして十分お考え願いまして、皆さんと共に私は再び日本を過ちなからしめるということが最も大切なわけだと思うわけであります。私はそういう歴史的な観点に立つて、議事の妨害というようなことはいたしません。こういうような重要な問題は会期を何回も延長して通すよりかも、むしろ近く行われますところの総選挙に問うて、そうして国民と共に治安立法を作ることによつて我が国の運命を過ちなからしめるということが責任ある政治家のとるべき態度であるというような観点からいたしまして、私は各地方においてこの種の条例の必要なところは保安条例が随所にあるわけなんです。これがなくてもさしたる問題はないわけであります。私も昭和二十三年に県会議長をしていました際に、総司令部から強く要請されましたが、私は議長の立場からいたしまして、そのような条例を設定いたしませんでした。併しながら責任を以て私は在任中におきましては、そのような治安立法の必要のないような過去を持つていますので、確信を以て私はそういう立場を申上げるわけであります。何とぞ議事が促進できますように、我々のような十分に理解の立ちません、先に申上げましたような世界観、国際情勢に対する認識を持つておるものを十分納得せしめるだけの経輪と抱負をここで吐露されて、日本の運命と対決するという立場をとつて、私は採決されることを、時間があまりありませんので強く要求するものであります。我々も徒らに議事を遷延しようとは存じません。自由党の各位が与党の立場としてこの議事の促進に対する責任を負われる苦衷もよく察しておるものであります。何とぞかような、日本の運命はかくあるべきだという厳粛なお考えを以て御答弁を願いたいと思うわけであります。先に申しましたような点は、私はこの法案の採決に対しまして、賛成するか反対するかを決定するところの重要なキイ・ポイントになる問題でありますので、一つ十分な御答弁をお願いする次第であります。
#594
○国務大臣(木村篤太郎君) 先刻私の申上げたのは再軍備反対の運動を起す場合に、それが直ちに破壊活動防止法に抵触するかどうかというお尋ねのように承わつたのでありまするから、それは然らずと、こう申上げたのであります。その運動に伴なつて騒擾をしたり、或いは汽車を顛覆させたり、或いは放火をさせたりするような場合におきましては、破壊活動防止法の対象になることは論を待たないのであります。又そういう運動を起すために集団示威運動をなそうとするような場合に、これ又その秩序を保たせるためにこの法案の必要を感ずるのであります。さような意味においてこの法案を作成したわけであります。自治警察に対する費用の負担等のことについては政府においては今後十分にこれを考慮したいと考えております。
#595
○政府委員(斎藤昇君) 自警と国警のあり方につきましては、たびたび申上げておりまする通り、それぞれ自警、国警の立場を尊重しながら連絡を緊密にいたしまして治安維持に当りたいと考えておる次第でございます。なおこの法案が許可主義でないにもかかわらず、許可主義の実体をとるものであるという御意見でございますが、この点もたびたび申上げおりする通りさようではないのでありまして、この補正命令或いは遵守命令等も決して集団示威運動等を行われることを妨げるものではないことは、たびたび先ほどからも御説明を申上げた通りであります。なお第八条の点で「公安委員会の定めた遵守すべき事項に違反し、若しくはまさに違反しようとする」というこの解釈は、例えば公安委員会が道路における蛇行進、坐り込みを禁止をした、ところがその条項に違反して蛇行進をやつたというのは、ここに掲げる「違反し、若しくはまさに違反しよう」というのは坐り込みをやろうとする、蛇行進を始めようとするというのは該当する次第であります。
#596
○原虎一君 先ほど特に私は質問を留保してありますので、先ほどの屋外集会の定義をお尋ねしましたが、この場合における一定の目的で屋外に集合する会合を屋外集会だ、この場合に具体的に例を挙げて申上げれば、労働組合が一つの神社の境内に五百人集まつて一般大衆に聞かせるのではないが、労働組合員の五百人に聞かする演説をしたという場合、この定義に嵌るかどうか、今一つは神社の境内及び境内の管理者の許可書、いわゆる使用許可書というものがなければ許されないものであるかどうか、この点を先ずお伺いいたします。
#597
○政府委員(斎藤昇君) 神社の境内に自由に入ります場合にはさような使用許可書は必要といたしません。そこで屋外集会をやるという場合におきましては、これに該当いたしまして届出を必要といたします。
#598
○原虎一君 そこで最初にお尋ねしたのでありますが、国警長官は、いわゆる私が先ほども最初に申しました今朝きまりましたところの改正警察法六十一条の二に「内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときは、国家公安委員会の意見を聴いて、都道府県公安委員会又は市町村公安委員会に対し、公安維持上必要な事項について、指示をすることができる。」、この総理大臣は指示権をいよいよ明日から持つのであります。そういたしますと、公安委員会がその示威運動というものの届出を受付けて、それに対する法規に基くいろいろな条件に照してこれに対して補正を届出者に対して要求をするというような権限を持つわけであります。私ども考えますときに、いわゆる内閣打倒国民大会を全国に開く、そういう場合において、これは屋外集会、屋内集会いろいろできるわけであります。これがいわゆる屋内集会におきましては四十八時間、或いはデモ行動行為におきましては七十二時間という前に届出るのでありますから、一つの政府の反対党が全国的に内閣打倒の運動をやるときに、先ほど長官が言われましたごとく、この条文から行けば許可できないというような問題はあり得ないのであります。
   〔中田吉雄君「誰ですか、十分の質問の機会を与えずに委員長に督戦隊のような行動をとつているのは……委員長に退去を命ぜられるように要求いたします。」と述ぶ〕
#599
○原虎一君 そこでその質問は最初から私は留保しております。(「緑風会政府にエロ・サービスするな」と呼ぶ者あり)そこで問題はそういう場合におきまして、例えば届出に第三条の条項が具備されていなければなりません。即ち「その承認を得たことを証明する書類の写を添附しなければならない。
 一 当該集団示威運動等の名称、種別及び目的
 二 主催者の住居、氏名及び年令(主催しようとする者が団体であるときは、その名称及び主たる事務所の所在地並びにその団体の代表者の住居、氏名及び年令)
 三 この法律の規定による公安委員会の送達を受領すべき者(以下「送達受領者」という。)の住居、氏名及び年令並びにこれらの送達を受領すべき場所(届書を提出する警察署の管轄区域内にあることを要する。)
 四 当該集団示威運動等をその実施場所において統轄指揮すべき者(以下「統轄者」という。)の住居、氏名及び年令
 五 開始及び終了の日時
 六 実施場所及びその略図
 七 参加団体の名称及びその主たる事務所の所在地並びにその団体の代表者の住居、氏名及び年令
 八 参加予定人員数及びその参加団体別内訳
 2 第一項の届書の様式は、総理府令で定める。」とある。この中の一つでも欠けておりますというと、二十四時間前に補正が命ぜられるのであります。こういうことになりますれば、例えば「実施場所及びその略図」、これが不備であるということになれば二十四時間前に補正命令、この法の扱い如何によりましては事実上内閣打倒の演説会ができないように濫用すればできる。而もそれが濫用なりや否や判断できないような方法においてできる条文になつておる。であるから総理大臣が公安委員に、公安上こういう団体が内閣打倒演説会をすることは不適当と指示して行けば、厳重にこの法律によつてこれを取締れという指示を与えれば、この条項のどこを捉えても実質上その運動ができないようになるのであります。でありますから、法律を作るときにそういうことができるというようなへまな法律を作られる人はありません。濫用しようと思えばできる箇条はどこにもあります。届出それ自体の中の八項目の一項目がいけなくてもこれを補正せよ、その出し方が悪くて、ちよつと時間が遅れれば、これをやらせないということができるのであります。であるから認可制ではないけれども、実際運用面においてはそういう濫用しようという悪意を持つ警官ならば、正しい運営をする警官ならば、むしろ許可制のほうがいい、これは怪しい法律であるということを指摘せざるを得ないのであります。(「緑風会政府にエロ・サービスするな」「発言中余計なことを言うな」と呼ぶ者あり)それで第四条の(「議員が安つぽいことを言うな」「廊下鳶」と呼ぶ者あり)五頁の終いから二行目の「公衆の生命、身体、自由又は財産に対して直接の危険を及ぼす虞があると認める場合を除き、承認を与えなければならない。」という、成るほど立派な条文がありますけれども、これを認定するものは警官であります。でありますから、この「公衆の生命、身体、自由又は財産に対して直接の危険を及ぼす虞がある」という認定をしようとすれば、デモンストレーシヨンをやろうとする場合にはいつでも認定できる状態にあるのです。それが濫用であるかどうかということは、濫用の場合における厳格なる規定がなくして誰が保証できましようか。私は最初に法務総裁に質問いたしておりますが、個人的人権というものは、できるだけ自由に公共の福祉を害しない範囲において大幅に認めて行かなければ憲法の精神に違反するのであります。而もこの法律は、今私が指摘いたしますように一警官の頭によつて個人的人権は幾らでも弾圧できるところの、蹂躙できるところの、濫用できるところの内容を包蔵するところの法案を出しておいて、そういう濫用した警官を取締るところのものは、外務省なり、人事院等の、或いは労働省等の庁内におけるところの公務員がその職権を濫用したと同様の考えで、公務員の職権濫用で取締るというその考え方それ自体が、法務総裁の答弁と、法の条文を一々審議して行きますれば、如何に反したものであるかということは明瞭であります。条文のどこをあけて見ても、認定がすべて警官によつてなされる。而もその濫用した警官は処罰するという条項はどこにもない。そこで次の質問に移りまするが、第五条の「公安委員会は、集団示威運動等の届出が左の各号の一に該当するときは、届書に記載されている集団示威運動等の開始日時の二十四時間前までに、その、主催者に対し、時間を定めてその時間内に届出を補正することを命ずることができる。」、これであります。二十四時間前までに主催者に対して時間を定めて、その時間内に届出を補正する、どうです、三十分以内にやれなかつたら許可しなくてもいいということになるじやないですか、そういう濫用はできるじやありませんか、簡単にできるじやありませんか。時間を定めて届出を補正することを命ずることができるというのですから……。それからもう一つ、「第三条第一項に規定する要件の一部を具備しないとき。」、これは先ほど申しましたあの八つの中のどれか一つが具備していなければ、これがいかん、補正しろ、而も三十分以内に補正しろ、三十分以内にできないような補正をしても、それは法の命ずるところであつて、警官が誤まつた補正を命じたものではありませんという形をとることができる法律であります。それからその第二におきましては、「当該集団示威運動等の主催者のうちに十六歳に満たない者」、十六歳に満たないというのは主催者でありますから、その年令を書いて出すのでありますから、すぐわかるでありましよう。「又は禁治産者があるとき。」、これであります、濫用しようと思えば、君は禁治産者か何かわからんから証明を持つて来いということができるのであります。そうしたら、時間内に持つて行けなかつたらできんじやありませんか。これに対して御答弁を願いたい。君は禁治産者であるかも知れないから禁治産者でないという証明を持つて来い、これは補正の一つであります。こういうことは私から言わせれば無理なことであります。「当該集団示威運動等の主催者のうちに十六歳に満たない者又は禁治産者があるとき。」、そのときに補正を命ずることができるのであります。くどいようでありますけれども、濫用しようと思えばこれを一つ持つて来て、君は禁治産者かどうか、区役所へ行つて、又は村役場へ行つて証明を持つて来い。どうです、この法律をどなたがお作りになつたのですか。そういうことが簡単にできる法律を誰が、どなたが作つたのですか。そういうことを簡単にできるような法律を作つておきながら罰則はどこにもない。それを濫用した人間の、警官の罰則は一つもない。而も時間内に補正ができなかつたらその運動はできないのであります。
   〔高橋進太郎君「議事進行」と述ぶ〕
#600
○原虎一君 質問中です。(「発言中だ」と呼ぶ者あり)第五条の4「第一項の規定により公安委員会が定めた時間内に補正がされなかつたときは、届出がなかつたものとみなす。」、どうです、これではつきりいたすでありましよう。第一項の規定により公安委員会が定めた時間内に補正がされなかつたときは届出がなかつたものとみなす。而も補正を時間内にしろという命令は警官が出せるのであります。その警官が出せるというのは第六項であります。「公安委員会は、警察隊長若しくは警察長又は警察官若しくは警察吏員を指定して、前項の規定による権限の行使を委任することができる。」、公安委員会が警官に委任せられる、警官は何でもやれるのであります取消も命ぜられれば、補正の時間もきめることができるし、定めた時間内に補正がされなかつたならば届出がないものとみなすということもできるのであります。このくらい警官に都合のいい、取締や弾圧に都合のいい法律はありません。
   〔高橋進太郎君「議事進行について」と述ぶ〕
#601
○原虎一君 発言中です。それから5には「公安委員会は、第三条第一項の届書又は第四条第二項の変更承認申清書を受取つた場合において必要があると認めるときは、その届出を受理し、若しくは補正を命じ、又は変更の承認をするにつき必要な範囲内において、当該集団示威運動等の主催者又は統轄者に対して出頭を求め、又は質問することができる。」、これが先ほど私が座談のときにも申しましたように、私が仮に東京に住いをいたしまして、熊谷で演説会をやろうとする、その届出を出す、そういたしますと、「当該集団示威運動等の主催者又は統轄者に対して出頭を求め、又は質問することができる。」、何でもやれます。私をいじめてやろうと警官が考えますれば、何度でもやれます、三日前に届出たものは毎日でもやれます。どうです。警官が、そういう悪い警官ばかりはないと思いますけれども、今朝きまりましたこの警察法によつて総理大臣が指示を与えたら、公安委員会が委任すれば、警官に委任してどんどんやらせるのじやありませんか、それが濫用がないということはどこにありますか。国警長官はそういうことはやれないと言う、そういうことをやつた人間は三年以内の禁錮に処すというような計画です。やつた人間に対して厳罰に処すというようなことになれば相当に注意してやるかも知れませんが、外務省の公務員が職権を濫用した程度の処罰で済む、かくも人権を蹂躙できるところの法案を、条項を作つておきながら、それと同様と思う、而も上のほうの総理大臣が申請できるのであります。
 その次に第六条であります。「夜間又は学校、図書館、病院その他これらに類する施設の周辺におけるけん騒防止に関する事項」とあります。これは第六条におきまして、この示威運動として「当該集団示威運動等の主催者、統轄者及び参加者に対してこれを遵守すべきことを命ずることができる。」、学校又は図書館であります。これは一体図書館は「夜間又は学校、図書館、」、夜でも図書館のまわりを歩いてはいかん、この図書館は今そこにあります。国会図書館が前にあります。よく議院の周囲をデモンストレーシヨンやる、図書館の前に来られる、衆議院の前には、国会議事堂の前には来られないということが予想できるのであります。図書館はどういう場合における図書館であるのか、勉強をしておるときにその周囲で示威運動されれば困るということでありましようが、ただ図書館と書いて行けば夜すべての図書館のまわりには来られない、こういうこともあります。でありますから、逐条審議をして行きますれば、三十分か一時間の閥に……今朝質問しましたあとから、国吉長官の御答弁によつて、総理大臣が指示して濫用ができる、どこにそういうことがあるか、どこにそういう条文があるかと言われるから逐条審議に対して私はそういうところがたくさんあるということを申上げようと思つた、ところがどうも今の様子で行きますというと、逐条審議の時間を与えないで質問を打切ろうとされるところの人々がおられるのであります。従つて逐条審議を今やらなければなりません。併しざつと見たところで、今申しますようにたくさん濫用するところのでき得るところの条文があります。
 それから先ほど申上げました屋外集会の場合において、多数者が一定の目的で屋外に集合する、この一定の目的とは如何なる目的を言う、一定の目的と言いますから何らかの異なる目的でもいい、持つて集合するという、でありまするから、それは例えばポスターを貼つて何々神社の境内で演説会をするからということになれば明らかでありまするが、取締りに該当するものと判断いたしまするが、例えば先ほども申しますように、通知、告知の方法は問わない、どんな通知であろうとそこに集まつて一定の目的を以て、先ほど御答弁がありました駅頭におきまして演説しておるうちに集まる、併しながら、これを町民大会に切換えて、例えば学童の給食費撤廃に対する反対という決議をして市民大会に切換えますときには、これは目的であります。一定の目的をそこで表示したわけであります。そういう場合におきましては、集まるときには一定の目的を以て集まるのではありませんが、集まつた後に屋外演説を聞いて、それに同感いたしまして、成るほど政府のやる学童の給食費の撤廃には反対する、これは一定の目的を表示したのでありますが、この御定義で行けば、一定の目的を以て集まつたものではない、併しながら集まつた結果目的を表示した場合には、その会合は屋外集会とこの法律によつて見なされる、こういう問題までも出て参るのであります。でありますから、議決を急がれるかたがたの心情はよくわかります。併しながら我々は総裁が最初に申されましたように、誠に諸外国におきましてもデモンストレーシヨンが民主的に行われている国ほど民主的なのであります。御承知のように先般アメリカ共和党の大統領選挙の場合におきましても、一万人、二万人集まる会場の中を四十分、五十分もデモンストレーシヨンをやり、それが秩序正しく行われているというところにアメリカの国民の民度が示されておる、でありまするから、我々はいわゆる大衆と共に国の将来に対してお互いに嘆じ、心配し、その正しき歩みを確立しなければ、一つの力によつて自分の指名権が永続すると考えるのでなければ、幾ら長くても四年よりも続かなかつたのであります。これは民主主義の基本的な大衆と共に、国民と共にという、党員と共にという考え方が敗れて、基本的に間違いであるということを昨日如実に示されておるのであります。我々はそういう観点からいたしましても、如何に正しき国民運動、如何に正しく民衆の意思を秩序正しく表明できる方法を講ずるかということは、少くとも国政に携わる者の現下の日本の世界的情勢から見ましても、法務総裁は曾つて私が自由国際労働連合が日本の労働組合法の改悪或いは破防法という民主的運動を鎮圧する法律を作り出すとか、作つておるという問題に対する質問書が来たのに対して、総理がこれを回答しないために再びその回答の催促を受けたということは、国の不名誉ではないかということを破防法審議のときに申上げた。そのときに法務総裁は、一国の法律を作るのに外国の力を借りるごときは以ての外であると憤慨されて答弁をなされました。私の質問が十分意を尽くさなかつたか知れませんけれども、一つの法律についても外国が目を光らしておるということを忘れて政治はないのであります。外国の力を借りて私どもは法律を作ろうといたしません。むしろ外国の力を借りて法律を作つて来たところの政府が今日如何なる悲惨な目に会いつつあるかということはよくおわかりではありませんか。(「原君もう大丈夫だよ、よせよ」と呼ぶ者あり)でありますから、私はそういう基本的な考え方からいたしましても、又先ほど申しまする法務総裁の意に反して出先警官が幾らでも濫用できる、而も警察法は濫用できるように総理大臣の名において……、総理大臣に治安に対する実際的の状態を助言する者は国警長官であります。法制局長官が国民の自由を如何に弾圧したかは日本の過去の歴史によつて御存じのことだと思います。私はかかる意味におきまして、国警長官は総理大臣の助言がこの法律のどこの条文によつて末端において実現するか、それを聞きたいという反間する質問がありまして、私が今申上げたことによつて、私は法律条文によつてどこどこがそういうことができるということはありませんが、今申しましたような第三条の八項の中の一つを一警官が濫用すればできるのではないかということを、命令の仕方によつてもできるのではないかということを考えるから質問いたしたわけであります。これに対するところの御答弁をお伺いいたしまして、答弁如何によりましては続いて重ねて質問いたしたいと思います。
#602
○政府委員(斎藤昇君) 只今いろいろと御例示になりましたが、これらの点は殆んどこの法律によらない運営の仕方としか思えないようなやり方を挙げられたのでありまして、私はかような故意に濫用をしようという警官はあろうとは思いません。総理大臣の指示によつてさようなことをやる慮れがあるのではないかというお尋ねでありますが、総理大臣も国家公安委員会の意見を聞いてやられるのであります。又受けるのも各都道府県及び市町村の公安委員会でありまして、民主的に作られましたこれらの公安委員会がさような濫用の指示を受けようとは私は考えません。(「議事進行」「委員長議事進行だよ」「続いている、続いている」と呼ぶ者あり)
#603
○原虎一君 国警長官のお考えはもうわかつておる。あなたがこの法律を如何なる内閣の下でも適用される場合には、あなたの良心によつて私が今申しましたようなことは決しておやりになるとは思いません。併し我々お互いに長くこの世の中に生きて来ますると、あなた自身はそういうことにぶつかつた御経験はなかつたかも知れませんけれども、末端の警官が誤つたことをやるということはあり得るのであります。御承知のように末端の警官でありません、京都市におけるところの公安条例が問題になつておる。そういうことはただ一つ京都の問題だけではないのであります。若し悪い警官が一人でもおれば、これは只では済ませないというところの決意が法律の条文の中に現われておつて初めてその法律が完全に適用できるのであります。そういう警官はないと言いますか。泥棒した警官がたくさんあります。(「その通り」と呼ぶ者あり)泥棒する警官が一人もないと断言は如何に斎藤国警長官でもなされない。国警にはそんなのがいないか。自警にはあるか、自警にもある。官吏の中に国家公務員法に津反して処罰を受けなければならんような行為をしておる者がある。先日この委員会における質問の中にもたびたび出ておる。岡野国務大臣はそういう事実があれば取締らなきやならんという事実を指摘されて答弁をなさつておる。人は善とお互いに信じたいのでありますけれども、善人なりと信じておれば警官自体が強盗しておる。デモンストレーシヨンの中に秩序を乱すものがあるということを否定できないのであります。同時に警官の中に泥棒をやる警官がないと否定できないのです。すべて警官なるものは神のごときものとして法律を作るならば大変な誤まりであります。それを私は申上げておるのです。警官が一々濫用したからといつて訴訟を起すところの力のない者が、我我は警官の法律の濫用によつて如何に苦しめられたか、あなたは御経験ないでありましよう。経験がある者からしますれば、この法律は実に危い法律であるのでありますから、あなた自身がお作りになられて、あなた自身が一人でこれを適用されるならば、それは問題はないということを私は断言できると思う。併しながら何万人の警官が濫用したときに、しないと誰が保証できますか。又曾つての治安維持法が如何に濫用されたか、国の政治のあり方によつて如何に濫用されたかということはあなたの御存じのことなんです。これを申上げておるのです。私どもは警官は皆泥棒とは思いたくないのです。併し事実あることをあなたは否定できないでしよう、どうです。
#604
○政府委員(斎藤昇君) 民主的な公安委員会によつて監督、運営されております私は警察におきまして、そういうような、只今例に挙げられましたような政治的な意図を以て濫用しようとする警官はないと信ずる次第であります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#605
○高橋進太郎君 だんだん質問がございましたが、本法律案は現任ありまする各県の公安条例、その他の条例で各県できまつておるのでありまして、新らしい立法とは思われず、それを統合したのでありますから、従つて質同応答につきましては、この程度にしまして、而も会期は余すところ一時間十分きりないわけでありますから、この程度で質疑を打切つて直ちに討論採決に入られんことの動議を提出いたします。(「賛成」「反対」「まだ質問続行中じやないか」「討論採決」「ただ賛成と言つただけじや駄目だ」と呼ぶ者あり)
#606
○中田吉雄君 私が田中警視総監に質問して言いました際に、私が田中警視総監に対しまして質問いたしました際に、側におられました眼鏡をかけておられる恰幅のいいあのかたが、まだ答弁が済まないのに、メモを渡して、そうしてやめさせられておるわけであります。こういうことでは如何にお急ぎになつても困るわけで、私は何人この警視庁の警官を動員されたか、ああいうことは鵜を割くに牛刀を以てするような、非常にたくさんの警官を動員されたじやないか、そのようなことが過大な費用の負担を来たすのじやないかということを申上げたのですが、そういうようなことから‥‥、ところがメモを出されまして、(「議事進行じやないじやないか」と呼ぶ者あり)そうして答弁を切つてしまわれておるわけであります。一つ採決をするまでに、そういう問題をはつきりしてもらいたい。併し重ねて田中総監にお願いしますが、七人の学生を逮捕されたということでありますが、それらの人の経過はどうなつておるか、(「議事進行について」と呼ぶ者あり)警察官はどれだけ動員されたか、費用は幾ら要つたかということであります。更に私は、(「夕べの例があるのだ」「自分から作つたわなだ」と呼ぶ者あり)私はそういう答弁を先ず要求いたしたいと思います。
 次に私は、西郷委員長さんとしては非常に我々の要請と、そうして会期が余すところないという点からいろいろ問題があると思うわけでありますが、併しこの法案こそ我が国の運命の死活を制する重要法案であります。このような法案に対して私はやはり更に多くの暗闘を割いてやるべきが適当であると思う。私はすでにこのような会期も切迫して十分の審議の時間がない際において、よろしく(「やれやれうんと」と呼ぶ者あり)政府はこのような法案は継続審議に持つて行くか、或いは(「注意して下さいよ」と呼ぶ者あり)撤回されるなりしてやられるほうが議事進行のために非常に結構だと思うわけでありますが、木村法務総裁は、この法案をよろしく撤回して、来たるべき総選挙に国民に問うて、国民と共にやる、そういう議事進行をやられる御意思はないかお伺いいたします。
#607
○駒井藤平君 私は只今動議を提出せられました高橋君の動議に賛成いたします。(「反対」「賛成」と呼ぶ者あり)
#608
○委員長(西郷吉之助君) それでは高橋君の動議は賛成者がありまして成立いたしましたから、この際高橋君の動議を採決いたします。
 高橋君の動議は質疑打切りですか。
#609
○高橋進太郎君 質疑を打切つて直ちに討論採決にお入り願いたいと、こういうことであります。
#610
○委員長(西郷吉之助君) それでは高橋君の質疑打切の動議について採決をいたします。高橋君の動議は質疑終了の動議であります。質疑を打切り討論採決に入る動議であります。採決いたします。高橋君の動議に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#611
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて只今の動議は成立いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がありましたら討論中にお述べを願います。
#612
○原虎一君 私は本法案に反対の意思を表明するものであります。なお社会党第二控室を代表いたしまして、次の理由を開陳いたしたいと存じます。重ねて委員長にお伺いいたしまするが、昨日私が申しましたように、参議院規則四十六条によりますれば、「議案を修正しようとする委員は、予め修正案を委員長に提出しなければならない。」、これはタベ誠にくどいようでありますけれども、数回委員長に申上げてあります。本日もやはり私の質問或いは中田君の質問継続中に、立案者政府の意思を十分確かめることを得ずして討論に入つたわけであります。従いまして修正を含むところの昨晩のように討議をお考えになつておられる。ただこれの賛否だけを討論しようとされるのであります。修正について委員長は如何なるお考えをお持ちであるか、私はタベの委員長の運営から行きますれば、四十六条、即ち「議案を修正しよりとする委員は、予め修正案を委員長に提出しなければならない。」、それを出しておりませんから、この参議院規則四十六条にあります修正案提出は認められないのであるか、この点をお伺いした上討論をいたしたいと存じます。
#613
○委員長(西郷吉之助君) 原君にお答えいたしまするが、原君の言われる通りに、修正をする時間もないというふうなことは、私もさように考えますが、御覧の通り、時間も切迫いたしておりますので、止むを得ず討論に入りましたので、この事情を御賢察の上、一つお願いしたいと思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#614
○中田吉雄君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、集団示威運動等の秩序保持に関する法律案に断固反対するものであります。これから長時間に亘りまして反対の理由友開陳いたしまして、皆さんに御迷惑をかける点を御了承願いたいと思うわけであります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)私はこの法案は、現在の国際的な二つの対立の世界の真つただ中におきまして、戦争か平和か、経済的な窮乏か、生活同上か、こういう重大な段階に八千万国民が直面しておるわけであります。そこでこれをどういうふうに解決して行くかということは非常に大切な問題であるわけでありますが、これに対しまして、アメリカのとつておる政策は、前にも申しましたように、一九四五年までトルーマン大統領がとつておりましたソヴイエトとアメリカとは平和的に共存できるという態勢を一九四九年に解きまして、トルーマン政策を発表したわけであります。それは米ソは両立できない、力で以てソヴイエトを片付けるコンテイソメント・ポリシーという政策を決定しまして、それに基きまして一九四九年の四月四日に北大西洋同盟条約を作りまして、ヨーロッパに鉄の一環を嵌めておるわけであります。次にアジアにおきましては、過般結ばれました講和条約、安全保障条約、行政協定、更に安全保障条約第三条に基くところの刑事特別法を初めといたします十三の特別立法、こういうものによりまして、アメリカの中ソ両国に対する世界的な大きな包囲陣が完成したわけであります。そういう際におきまして、この法案の持つ現段階におきまする意義、この立場が押し進められますならば、武装の平和で曾つて平和が保たれたためしがない、第一次大戦、第二次大戦におきまして、武装の喜平和はやがて戦争への道であつたことは明らかであります。私どもかような運命を迫るのではないかというようなことをアメリカの善意にかかわらず非常に心配いたしておるわけであります。そこで国民といたしましては、戦争よりも平和を、窮乏よりも生活安定、福祉を求める澎湃たる国民的な世論が起ることは火を見るよりも明らかであります。そこでこのような澎湃たる運動は七年の長きに亘りまして、四つの島、八千万の同胞があたかも格子のない牢獄に閉込められたような悲しい運命を絶ち切らんとするところの大きな世論が捲き起ることは明らかであります。そこでこのような運動に対しましては、民族的な強力な運動に対しまして、それを破壊活動防止法案というような名によりまして、或いは集団デモ取締りというようなものによりまして、これを抑えますれば、戦争への道に歩むことは明らかであります。大正十三年に破壊活動防止法の前身であるところの治安維持法ができ、更に昭和三年に治安維持法に死刑を加えるということになりました。更に斎藤長官が警察に職を受けましたときに、国家総動員法というものができて、我が国が運命への道をまつしぐらに歩んだわけであります。私はこの法案はやはり何と言つてもどのような善意にもかかわらず、そういう運命をまつしぐらに歩むところの法案である、こういうような観点から私は強く反対せざるを得ないわけであります。我々は単にこの憲法第十一条、二十一条、九十八条、こういうような言論、集会、結社等の自由の制限或いは基本的人権の束縛或いはこれらの条章の逐条的な審議だけでなしに、この法案が包蔵するところの国際的な、経済的な、外交的な大きな体系の上に立つての歴史的な観点から私はこれを考えることが必要であると思うのであります。曾つて我が国は共産党の激しい脅威というようなことに名を籍りまして防共協定を結びまして、東京、ローマ、ベルリンの世界政策を、枢軸政策を進めたわけでありますが、現在東京、ワシントン、ベルリンの道がとられようといたしますが、この道は曾つて我が国が歩んで来た道であります。我々はこのような政策を断固排撃することが最も大切であるという観点に立つて深く皆様に迷惑することを心では忸怩たるものを感じながら、激しい決意を以て特に訴えざるを得ないわけであります。私はそういう観点から、第一に基本的に反対するものであります。第一点の反対はそこにあるわけであります。先般二十六日に日米合同委員会におきまして、日本に対じまして六百有余の基地が設定されたわけであります。私は参議院の宿舎に宿泊いたしておるものでありますが、朝インクの香りも高い新聞を読むことを楽んでおるわけでありますが、我が国が針で突かれたように、このように基地が設定され、而も三百有余が永久基地として設定されたことを思いまして、朝の食事もうまくなく、極めて憂欝な日を感ぜざるを得なかつたわけであります。私は破壊活動防止法或いはこのような集団示威取締法案というものによつて、我が国が真に独立したい、生活安定をしたいという国民の要求が、このような法案でどうしても抑えざるを得ない、これでは日本の真の独立と平和とは確保されない。破壊活動防止法、集団示威取締法というようなものは、こういう運動を抑えるものでありまして、我が国の平和的な前進的な民族的の正しい解放を抑圧するものであるという観点に立ちまして、私はこの第二番目の理由から反対せざるを得ないわけであります。我々が暴力を否定いたしまして、民主主義的な平和革命を念願いたしますためには、言論、集会、結社の自由というものは基本的な条件になつておるわけでありまして、然るにもかかわらず、この法案はそういう我々の正しい内心の欲求を表現することができない、こういうことになりましては、私は日本民族が長きに亘りまして反独立的な状態に置かれざるを得ない、この第二番目の理由から反対するものであります。御承知のように、一つの民族が他国の支配に入りました際に、それが解放されるためには殆んど血を見ずに解放された例はありません。インドは長きに亘りましてイギリスの支配下にありまして、二百年に亘る闘争の過程を通じまして、血を以てインドは独立いたしております。更にインドネシア、フイリピン、パキスタン、エジプト、エジプトは一九三六年にイギリスと駐兵協定を結びました。これは日本の安全保障に匹敵するものであります。スエズ運河の要衝にあるお前の国は弱いから、おれの国が保護してやるといつて、長きに亘つてイギリスの支配下にあるわけであります。我々は安全保障条約を結ぶ際に、エジプトの、歴史を顧みることが必要であります。サンフランシスコの講和会議においてエジプトの代表は、日米講和条約に対しては、第五条、第六条の駐兵条項があるから、これに対して反対である。エジプトは一九三六年にこの協定を結んで現在悲しい体験を持つておる。日本がエジプトの二の舞を踏まないということを誰が保証できるか、エジプトはこの講和条約の第五条を保留いたしまして、対日講和条約に賛成したわけであります。こういう点から見まして、更に現在日本に対して大きな力を持つています。アメリカはイギリスの植民地でありました。アメリカはイギリスと独立戦争をいたしまして、血を流して独立したわけであります。私たちは六百有余の基地が設定され、これを平和的な手段で、我が賞の固く念じていますところの平和的な手段で完全な独立国になるためには、どうしても言論と集会と結社の自由が保障されることが絶対不可欠な条件であるわけであります。このような法案が通りまして施行されますならば、正しい国民の内心の欲求は発露されず、それが内訂し、やがて政府が心配されるところの破壊的な活動が起ることは歴史に徴しまして明らかであります。私たちは固く平和革命を信じますが故に、そういう立場をとらざるを得ないわけであります。平和革命を強く主張いたします観点からいたしまして、このような点については断固反対せざるを得ない。却つて我が国に爆発的な民族感情が起りまして、そして却つてアメリカの善意にそむく結果になる。我々といたしましては、十分日本の自主性を確立いたしまして、対等なる立場においてアメリカと長きに亘る友好関係を保つ必要がある。そういう関係からいたしまして、血の革命を断固否定いたします立場からいたしましても、どうしても言論、集会、結社、デモンストレーシヨンの自由が保障されるということが必要であるわけであります。私は昭和二十二年から昭和二十四年まで鳥取県会議長をいたしていまして、その際に総司令部から保安条例を作ることを強く要請されました。併し私はセンシング隊長に対しまして、鳥取県の治安に対しては責任を持つから、このような法案はわしが県会におる間は断固上程しないという立場をとつて、いささかの治安の不安もありませんでした。私はそういうような不安があるといたしますならば、住民がそのような立法を地方自治法に基いて成すことこそ、住民みずからの手によつて治安を確保するために絶対必要であるという確信に立つものであります。
 更に私は斎藤長官は、昭和十三年頃に警察に職を奉じたと申されましたが、私はその当時あなたの属しておられました警察から非常なひどい目に会つた体験があるわけであります。あなたは日本を亡ぼしたところの全体系の一環としての車を廻されていたわけであります。私が京都の大学の研究室から日支事変が勃発いたしました際に郷里に帰りましたが、数千の同胞が北支に動員されたわけであります。その際に、鳥取県におきまして、大規模な徴兵忌避事件が起つたわけであります。或る者は断食をし、或る者は指を切つて、徴兵忌避事件が起つたわけであります。それに対しまして、それぞれの刑罰が与えられたわけでありますが、某有力新聞がこれをどういうふうに見るかという私に対して新聞紙に掲載を頼まれましたので、国法の命ずるところによつてそのようなものがそれぞれ処罰されることは、これは適法であろう、併しながらそのようなことだけではこの問題は解決しない、なぜ彼らがそうせざるを得なかつたかという背景に遡つての対策を樹立せん限りは、日本の運命も近き将来に重大な段階に達するであろうという予告をいたしましたために、数万の新聞紙は没収され、私は憲兵、特高のためにひどくいじめられたわけであります。それはあなたの属しておられた特高であるわけであります。その際に、私はこれこそ真の愛国者であつて、決して私は日本を亡ぼすようなことを言う者ではないといつて、憲兵、特高と対決いたしまして、一カ月有余に亘つて困難な生活をいたしましたが、私はこの法案が拡張解釈と濫用なしには法の立法の目的に副わないものである、そういう点からどのように言われようとも、この法案というものの本質はそのような過去の轍を踏むものであるという観点から反対せざるを得ないわけであります。
 更に私はこの法案が五月一日のメーデーに鑑みまして、急遽立法されたところの数種の治安立法と一連の関係にあるものであるということであります。ああいう事件が起りました際には、必ずその性格からいたしまして行き過ぎの法案が数多く作られるということは明らかであります。そういう意味から行きまして、もう少し冷却期間をおきまして、プールいたしまして、そうして冷静になつてからこのような事件の発生する原因、なぜ日本におるところの朝鮮人の各位がこのような行動を起すか、或いは日本の運命を担うところの、将来を担うところの若い世代の学生諸君がなぜこのような問題を起すかという根本に遡つての対策を立てられることが最も必要である。そういう点から五月一日のメーデーに急遽として追い打ちを食わせたような軽率な態度で立法されている点であります。少くともこのような基本的な人権に対して重大な抑制をいたします法案に対しましては、英米独仏、特に日本と同じ立場にある西ドイツその他の事例に鑑み、国際的な比較研究をし、或いは日本の治安立法の辿つた道というようなものを十分考慮されまして、万全の措置をなされて拡張解釈の虞れが絶対にないという確信に立つてやられることが必要なわけであります。そういう点から我々としましては反対せざるを得ないわけであります。
 次に、私は講和条約が結ばれましたならば、吉田総理の歴史的な役割も終つたわけであります。何と言つても情勢変化に鑑みまして、極く最低限の昭和二十七年度の立法措置をなされまして、直ちに信を国民に問うて、国民と共に諸立法をされるということが必要なわけであります。そういう点からいたしまして、こういう立法をされることは、却つて私は吉田内閣にマイナスになる。誰が今日の、吉田さんを想像いたしたでありましよう。サンフランシスコの講和条約のときには、飛ぶ鳥も落される、行く所可ならざるはなし、そのような吉田さんでありました。世論調査によりますると五〇%、かつてないところの圧倒的な支持を受けられた吉田さんです。併しながら今日においては日一日といたしまして吉田さんに対する信頼が気の毒なほど低下いたしまして、現在は三〇%、そういうことになつているわけであります。そういう点から鑑みましても、吉田さんとされては破壊活動防止法、或いはこのような法案を立法されることが、私は吉田さんのためにプラスにはならない、そういう点からこういう問題は、治安というようなものは国民との協力なしには絶対立法できないものであると私は確信するものであります。そういう点からいたしまして、私はやはりこれは総選挙に問うて立法するのが責任ある政治家のとらるべき立場である。むしろこういうことをやりますことは、吉田さんに対する攻撃目標がなくなりまして、我々としては選挙のスローガンがなくなるくらいであるわけであります。
 次に私はこの法案が具体的に持つています性格であります。(「もう大丈夫だよ」「水呑んで」「やれやれ時間まで」「ゆつくりやれ」「最後まで頑張れよ」と呼ぶ者あり)この法律は極めて巧妙に組まれている点であります。この法律は目的といたしまして、「この法律は、集団示威運動、集団行進又は屋外集会が公衆の生命、身体、自由又は財産に対して直接の危険を及ぼすことなく行われるようにすることを目的とする。」と、こういうふうになつていまして、各地にありますところの保安条例の許可制度よりかも非常に緩いようになつているわけでありますが、ところがこの法案というものは、第一条にはそういうふうに謳われていますが、第二条の届出、第三条の届出の手続、更に第四条からの届出の受理、更に第五条からの補正命令等、第六条からの遵守命令等、更に第七条からの命令の送達、更に第八条からの警察職員の権限、こういうようなことによつて、事実上どのようにでも禁止的なことができるようになつて、迂回的な許可制度、迂回的な禁止制度であるということを私たちは思わずにはいられないわけであります。これは実に緻密に計画されていまして、部分的な修正ではどうにもならないように、実際はこれは許可制度よりかも遥かに、届出さえすればできるようになつていますが、どうにでもできるようになつている点が非常に巧妙ではありますが、現在の警察官の動向からいたしましても、拡張解釈、濫用等がなされる虞れが極めて大であるというふうに私は考えまして、以上のような日本の置かれました国際的な背景、国内的な事情、或いは治安維持法、或いは明治の保安条例、そういうものが辿つたようないろいろな観点からいたしまして、私はこの法案は日本の運命に対しまして重大な影響を及ぼすものであるというふうに考えまして、私は反対するものであります。特にアメリカのとつておられます政策は、そういうふうな観点からいたしまして、アメリカの対日政策を推進されるために強力な内閣を作つておられる。そしてそれに一切の権限を集中いたしまして、中央集権の途を辿つて、そこに命令いたしますれば、ボタン一つ押せばすべて下に通ずるようになつているというような仕組が巧妙にとられている点からいたしましても、私はこの法案に対して断固反対するものであります。いろいろ議事妨害のようなふうにとられまして、二年有余に亘りまして非常に厚意を受けています皆さんに対しましては心苦しいわけでありますが、私は現在の瞬間というものは、そういうような日本が重大な立場にある、特に私は平和か戦争かということが一番大切な問題であると思うわけでありますが、こういう法案が通つて、国民の自由なる意思が発表できませんようになりますると、往年の過ちを犯すことは明らかであります。私が先般入手いたしました(「もうたくさんだ」と呼ぶ者あり)本によりましても、トルーマンは近く戦争は起る、第三次世界大戦が起ると、こういうことを言つています。更に近く日本に来ますヘクテラー海軍作戦部長も、一九六〇年までには米ソ戦争が起るとアメリカの指揮者が言つておられるわけであります。そういう際に、私はこの間に挾まれた、而も革命的な兵器である原爆、水素爆弾等がある際において、どのような運命に八千万国民が直面するであろうかということを考えますると、力の限りを尽しまして皆さんに訴えまして、今日に及んだことを深くお許しを願いたいと思うわけであります。
 以上数点を挙げまして、日本社会党が反対する理由を申述べた次第であります。いろいろ委員長並びに各位に対しまして御迷惑をかけたと思い。ますが、(「ノーノー」と呼ぶ者あり)何とぞ御了承のほどお願いいたす次第であります。
#615
○高橋進太郎君 会期も切迫いたしておりまするので、討論の時間を十分以内に制限して頂きたいという動議を提出いたします。(「賛成」「討論をそんなことをしてはいけない」と呼ぶ者あり)
#616
○石村幸作君 私は高橋君の動議に賛成いたします。
#617
○委員長(西郷吉之助君) 大体十分見当でお願いいたします。(「委員会の討論の時間を制限することはない。前代未聞じやないか」と呼ぶ者あり)
#618
○原虎一君 先ほど質問のときにも申上げましたごとく、重複するようでありまするが、斎藤国警長官は、私が質問いたしました条項に対して総括的に、濫用するような警官はいないと、だから心配ないという御答弁であつた。第何条はかく非常に濫用できる危険性があるではないか、この条項は非常に不備ではないかということを私が指摘いたしておりますにもかかわらず、御答弁がなかつた。そこで私は第一に、先ほど委員長が私の質問に対して御答弁になりましたが、即ち修正案を文書によつて提出する機会がなかつたものですから、少なくとも斎藤国警長官の御答弁によりますれば、濫用する警官がないという建前でこの法律が作られたのですから、そこで逆に言いますれば、警官はこの法律を濫用してはならないという条項を入れましても、例えば修正でありまするが、ここにこの条項を入れましても一向に差支えないのであります。そうすることによりまして、この法律が幾分でも濫用する警官の出ることを防ぐことができれば先ずいいのであります。併しながら我々はそれによつても防げるとは考えられません。則ち濫用した警官に対しては相当なるところの厳罰、例えばこの法律で言いますれば、第九条におきましては「第二条の規定による届出をしないで集団示威運動を行つた者又はその集団示威運動等をその実施場所において指揮し、若しくは卒先助勢した者」、これは「若しくは率先助勢した」とは如何なる行為かとなりますが、これも質問は尽しておりません。而もそういう者に対しては一年以下の懲役若しくは禁錮又は五万円以下の罰金に処せられるのであります。こういう重罰主義がとられておる。従つて警官が濫用した場合或いは公安委員がその職権を濫用した場合においては、相当の厳罰に処するところの条項があつて然るべきであります。これを完全にいたしまするには余りに時間がありません。従いまして、私どもは先ほど中田委員から広汎に亘る社会観、世界観がら御意見の開陳がありましたが、私はそういう観点のみでなくして、この条項それ自体が、法務総裁の御答弁にあるごとく憲法第二十一条によります「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これは保障する。」という、この第二十一条並びに憲法第二十八条、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」、少くとも憲法第二十一条並びに二十八条を十分に警官に知らしめて、これに基いてこの法律を運用さすべく修正し、或いはそうして濫用をできなくするためのこの法の、実際に末端において実施に当るところの警官に厳重なる注意を与えるベく、厳重なる罰則規定を設けるならば、少くともこの法律の目的を達するでありましようが、第一条の目的、即ち「この法律は、集団示威運動、集団行進又は屋外集会が公衆の生命、身体、自由又は財産に対して直接の危険を及ぼすことなく行われるようにすることを目的とする。」という。この目的は取締りのみを表現いたしております。この目的が、即ち民主的なる示威運動というものが秩序的に行われるためにこの法律ができるという条文はどこにもありません。憲法の第二十一条並びに二十八条を十分に生かすために、この法律を作るという目的は書いてありませんし、それの取締規則を見ますれば、ことごとく取締りをして、自由なる人権を守りつつ、而も必要なる秩序あるデモを行わすという目的と、それをなし得る補助的な、援助的な或いは育成的な条文は一つもありません。逆に私が先ほど申上げましたごとく、第三条の一項を取上げて、これは補正すべきものである。何時間以内に、何分以内に補正して来い、その何分以内に補正できなければ、その運動ができないことが明記されているところの法案であります。でありますからして、いわゆる法務総裁が、繰返して申しますけれども、真に秩序あるデモを育成して行つて、そうして日本の民主化のために国民と共に政治が行われる、国民と共に日本の発展を祈るそのための法律であるということはどこにも匂いがいたしておりません。こういう観点からいたしまして、私どもは、よし基本的な考え方が一致いたしましても、その法律条文が逆に濫用でき、その精神を蹂躙でき得るごとき法を作るということは国会議員として全く責任を感ぜざるを得ないのであります。我々は過去におきまして、幾度も弾圧の憂き目を見て参りました。併しながら私個人といたしまして、将来もう何年、何十年と生きる余命はありません。従いまして私自身がこういう法律で縛られることはあえて意としないといたしましても、日本の発展のために、日本のために真に生命を投げうつて働くところの青年、祖国の愛に燃えるところの青年が、この法律によつて縛られるということを考えますときに、我我は非常なる責任を痛感せざるを得ないのであります。斎藤国警長官は口を開けば、この法は公衆の生命、身体の自由又は財産に対して直接の危害を及ぼすことなくデモを行わすためと申しております。それが本当の精神であるならば、この条文は全部修正をしなければならん。全部書き直さなければならんという我々は考えを持つのであります。その職責を果すところの時間がありません。従いまして私は残念ながら本当の意思を表明することしかできないことを甚だ遺憾とするものであります。我が地方行政委員会は今朝零時十分に開かれました。こういう警察法の改正に当りまして、熱心にやつて参りましたこの委員会は、どの委員会よりも一番多くの法案を持ちまして付託を受けました。而も三百、四百を突破いたしますところの請願、陳情を本日慎重に審議いたしまして、それぞれ取捨選択をいたしたわけでありますが、かくのごとく精勤をお互いにして参りまして、この法案を本当に日本の発展のために、民主的発展のために必要な法案に修正することができませんことは誠に遺憾であります。実は雑談的ではありますけれども、若し許されますならば、継続審議に持ち込みまして、各地方にありますところの、公安条例を作つておりますところの百三十幾市町村にみずから調査に出まして、如何なる法律が、如何なる規定が真に日本のためになる法律であるかということをつぶさに研究いたしたいと存ずるのでありますけれども、本国会中には、先ほど申しまするごとく、誠に多くの法案、而も地方財政の問題、地方税制の問題等非常に国民生活と密接なる関係のある重要法案その他治安関係に対する法案を多く審議するために、或いは同僚議員が京都のデモンストレーシヨンに関する調査程度しかできなかつたのであります。私どもはこの法律一つを完全に作るためにも、各公安条例を実施いたしたところの都市にみずから出張し、又京都のごとく憲法違反として、違憲の条例として処置をされたところのこの法律に対しては、検事より記録をとつて十分に調べて、そうして責任ある法律を改訂すべきであると考えるのであります。(「議事進行について」と呼ぶ者あり)発言中。ただ簡単に取締法であるから我々は反対するというものではありません。やはり社会の秩序を維持することの必要なことは認めている……。
#619
○委員長(西郷吉之助君) 原君にちよつと御注意申上げますが、もう大体十分過ぎましたから……。
   〔吉川末次郎君「委員会の発言を時間的に制約してはいけない」と述ぶ〕
#620
○原虎一君 決定された以上私も十分以上やりません。だから結論だけを申します。そういうことでありまして、社会党第二控室を代表いたしまして、いま少しく反対の理由を述べたいと思いますが、すでに議事法によりまして十分間に制約されましたその時間が参りましたので、甚だ残念でありますけれども、反対の意思表示をこの程度にいたしまして終ることにいたします。
#621
○高橋進太郎君 いろいろ討論でございますが、会期ももう余すところ二十分でございまして、討論中にも継続審議というようなお話もございますので、この際討論を一応この程度にしまして、本案を継続審議に付して頂きたいという動議を提出いたします。
   〔「賛成」「反対」と呼ぶ者あり、若木勝藏君「討論の要求があります」と述ぶ〕
#622
○委員長(西郷吉之助君) それでは今高橋君より本案を継続審議にされたいという動議がありましたから……。
   〔若木勝藏君「私は社会党第四控室を代表いたしまして、補足の意味で討論を続けたいと思います。」と述ぶ〕
#623
○委員長(西郷吉之助君) 今動議が出ていますから……。
   〔若木勝藏君「そういう動議を出します。討論の要求ですから。」と述ぶ、その他発言す者多し〕
#624
○委員長(西郷吉之助君) 今動議が高橋君から出まして、賛成者がいますから……。
   〔若木勝藏君「正式な賛成者ですか、討論を要求しているのですが」と述ぶ〕
#625
○委員長(西郷吉之助君) ちよつとお待ち下さい。動議を採決いたします。
 只今高橋君よりお聞き及びの通り、本案を継続審議に付する動議が出ましたから、これを採決いたします。高橋君の動議に賛成の……。
#626
○吉川末次郎君 議事進行について……。討論の発言中で打切りの過程に入つていないのに、討論の打切りをあなたは押しになるのですか。まだ発言の要求があつて、討論の過程において、討論の発言を要求している。その発言を無視されるということは、私は議会政治の否認だろうと思う。若木君が発言を要求しているのです。
#627
○委員長(西郷吉之助君) 吉川君に申上げます。討論中でありますが、只今お聞き及びの通りの……。
#628
○吉川末次郎君 それは討論打切りの動議ですか。
#629
○委員長(西郷吉之助君) それは本件を継続審議に付するということです。
#630
○吉川末次郎君 それは討論の済んだあとで……。
#631
○委員長(西郷吉之助君) 動議が先なものですから止むを得ません。
 高橋君の動議について採決いたします。高橋君の動議は本件を継続審議に付する動議であります。高橋君の動議に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#632
○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。それでは本件を継続審議に付することに決定いたしました。
 これにて本日の……。
#633
○岡本愛祐君 発言を許して頂きます。今日の委員会におきまして、委員長はこのむずかしい委員会の運営を苦心をされまして、又委員長は緑風会から出ておりますから、その委員長の運営にお手伝いをする意味で、委員長から絶えず紙が廻つて来る。それによりまして各派の連絡をされておつたのであります。ところが吉川末次郎君は、皆さんのお聞きの通りあのごとき無礼な発言をしております。これは国会法第百十九条「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という明らかな条項があるのであります。吉川君は、ともすれば、これまでこの委員会においてしばしば人を罵詈讒謗し、誠に聞き苦しい発言があつたのであります。而も自分だけは一人よがりの民主主義を唱えられまして、人は旧官僚であるとか、今日の本会議における討論のあれも実に我々としては聞くに堪えない侮辱であります。今日は会期が今日で終いでありますから、これを問題にすることはできません状況であります。併し皆様はあの本会議における吉川君の討論のあの無礼なことを速記録でよくお読み願いたい。私はこの際要求をするのでありますが、私どもの属しておりますこの地方行政委員会を、吉川君が従来又は今日のごとき無礼な、国会法第百十九条に違反をするような言を弄してもらつては困るのであります。だから今後慎しんでもらいたい。又委員長からそれを吉川君に対して御注意願いたいと思う。これは皆さん御承認になつて頂けると思う。(「賛成」「反対」と呼ぶ者あり)
#634
○吉川末次郎君 一身上の弁明について……。只今岡本君から私の発言についていろいろ御批判をこうむつたのでありますが、どのように御解釈になつておるのか知りませんが、第一に本日の本会議において発言をいたしましたところの言が、どれが果して今おつしやるようなことに該当するのか、私は了解するのに実は苦しむのであります。即ち緑風会に対して言つたことが悪いとお言いになりますならば、私は緑風会の一部には即ち官僚の諸君がおられる。官僚の諸君が、即ち世間に、一般に言われておるところの封建的なイデオロギーを持つたところの人のグループであるということは、これは何も私が申すばかりでなくして一般的な考えであります。社会主義者や或いはマルクシスト等が通俗語として絶えず言つておることでありまして、私はそういう言葉を使つたに過ぎないのであります。特に岡本君等を指して申上げたのではありません。私は岡本君に対しては平素多大の尊敬の念を持つているものであります。参議院におけるところの議員中の重鎮といたしまして、岡本君が極めて品行方正にして清廉潔白なるところの人であるということを私は深く信じて平素信頼いたし、又尊敬いたしておるところのものであります。ただよく共産主義者が申します天皇制官僚というようなことを申しますが、社会主義者や或いはマルクシストが言う意味においての封建的な残滓観念というものを持つている人が、私は官僚の中にあるということは事実であると思います。又そういう影響を直接的にか間接的にか受けているところの人が、私は旧官僚であつた人や、現在官僚である人の中にあるということもこれは事実であると思います。そうした言葉は何も封建的なイデオロギーを持つていることというのは罵詈讒謗でも何でも決してない。封建制というものは、一つの時代におけるところの特異性を現わすところの言葉なのであります。(「詭弁々々」と呼ぶ者あり)資本主義的な観念を持つているということと同じように、或いは社会主義的観念を持つているということと同じように、封建的な感情を持つているということは、そのこと自身としては一つのイデオロギーの、或いは考え方の傾向を現わしているだけのものでありまして、決して罵詈讒謗ではないと思うのであります。私は岡本君がそうしたところの観念をお持ちになつているというようには私は考えておりません。岡本君は先ほど申しまするように、極めて尊敬すべきところの私の同僚であり、極めて精励恪勤なる、私は又極めて品行端正な、高邁なる識見を持つているところの立派な人であると平素思つているのでありまするから、決してあなたに対してそうした罵詈讒謗をいたしたものではないということを申上げておきたいと思うのであります。又先ほどこの委員会の議場におけるところの、私が申しましたこと、或いは野次というような言葉に当るのかも知れませんが、決して私は野次のつもりで言つたのではないのでありますが、「緑風会よ、政府にエロ・サービスするな」と言つたことを或いはお指しになつているのかと思います。これは私は緑風会が参議院内におけるところの政治に対する是々非々主義の政治家の集団といたしまして、是を是とし、非を非とするという態度をとつておりますることを又十分肯定いたすものであります。ただ政府に対してエロ・サービスをするなと言つたことは、私が好意を持つていることを、是々非々主義の集団である緑風会に激励の意味を以ちまして、緑風会がどうぞ日本の政治のために正道を歩んで行きたいというところの、好意的な激励の意味で申上げたのでありまするから、決してどうぞ私の真意を曲解しないようにして頂きたいと存じます。私は資本主義者ではありません。私は封建主義者ではありません。私はソーシアリストであります。そのソーシアリストの立場から、このイデオロギーを異にするところの封建主義者や、資本主義を一〇〇%是なりとしていられるところの人に対しまして、私の持つているところの政見に基きまして、独自の私の意思表示をいたしまするということは、これは言論の府といたしまして、当然に我々がなし得ることであると考えておるのであります。それを罵詈讒謗である。或いは何か悪口を言つているというようにお考え下さいまするならば全く不本意であります。而も又そうした主義、政見と、個人との考え方は違うのであります。私は主義政見の上においては自由党に対立する政党でありまするから、自由党の主義、政見を或いは罵詈讒謗するというような感じを与えるような発言をするかも知れません。又封建的なイデオロギーによつて立つていられるところの官僚の諸君に対しては、同様な立場から罵詈讒謗するというようにお考えになるようなことを申しておるかも知れませんけれども、それらの人たち、自由党の議員諸君に対しても、緑風会の議員の諸君に対しましても、(「官僚に対しても」と呼ぶ者あり)改進党の所属の議員の諸君に対しましても、(「わかりました」と呼ぶ者あり)個人的には平素私は十分の友情と、尊敬の念を持つて交際いたしております。私の諸君に対する日常生活につきましては、十分御了解願えると思うのであります。今日の本会議の議場におきまして、私は多少斎藤昇君のことを申しました。併しながら私は斎藤君は官僚中の俊秀といたしまして、特に我が社会党が警察法によるところの逸材の、国警本部の長官といたしまして(「最後の本会議だ、出してくれ、」「早く出せよ」と呼ぶ者あり)採用いたした逸材の人であります。斎藤君にも絶えず言つているのであります。僕は君に対して満腔の友情を持つて、自分は一〇〇%のフロインド・シヤフトを持つて君に対しているのであるということを言つて、私の気持は斎藤君もよく了解してくれておることだろうと思います。ただ斎藤君がその後におけるところの  我々が与党でありましたときから離れまして、いろいろの警察制度の改正についてのいろいろの斎藤君の、これは事務官僚でありまするけれども、しておりまするところのこの行動は如何でありますか。(「よくわかりました」と呼ぶ者あり)私は警察法のこの改革に対するところの態度は、自由党の諸君や、或いはそれと与していられるところのかたがたとは政見を異にいたすのでありまするから、その点につきましては斎藤君の行動については私はこれは反対の立場において非難いたすところの見解を持つておるものであります。決して私は斎藤君を、その個人といたしましては、先ほども申しましたように、十分の友情と尊敬の念を持つており、又私は、俊秀の官僚として十分の尊敬をいたしておるものであります。岡本君のおつしやることは、全く私の申しておりますることをば曲解されておるところの言葉であると、実は遺憾ながら考えるのであります。「緑風会よ、政府に対してエロ・サービスをするな」、これは恐らく日本国民が多大の期待を緑風会に寄せておるところの者が今日緑風会に対して激励の辞として言いたいことではないかと考えるのであります。どうぞ私は「緑風会よ、反動政府に対してエロ・サービスするな」、そういう言葉が決して罵詈讒謗でなくして、非常なる好意を以て発しているところの言であり、それが緑風会に満腔の期待を持つているところの国民の声として、どうぞ受容れて頂きたいと思うのであります。(「最後の本会議だ、出ようじやないか」と呼ぶ者あり)館哲二君に対しても同様であります。館君がそこらをうろうろせられますが、館さん、私は古い館さんは好きであります。余りうろうろしないほうがいいですよ。緑風会の値打が下りますよと申しました。そうした私の言葉に現われているところの気持には、緑風会と館哲二同僚に対して満腔の友情と敬意を持つておるつもりであります。又岡本君は私がさつき申しましたところの廊下鳶になるな、廊下鳶というような意味は、廊下鳶というのは、岡本君も一般にメツセンジヤー・ボーイのようにうろうろとそこらを歩き廻るところのものに対して言われているところの言葉でありまするが、無論この尊敬するところの館哲二君や、岡本愛祐君がそうした安つぽいところのメツセンジヤー・ボーイのような、私は廊下鳶の資格を持つておる人であるとは断じて考えておらんのでございます。どうぞ曲解しないで私の真意を十分に了解して頂きまして、そして誤解のないようにして頂きたいと思います。速記録に私の真意をここに残すことができましたことは満足であります。あとになりまして私の本会議におけるところの言論、この委員会におけるところの言論も、どうぞ第三者の人の批判に任して下さいますならば、岡本君のような曲解なくして、ありのままの真実な私の真意が恐らくは了解されることだろうと思つております。岡本君の発言に対しましていささか弁解の辞を呈しました次第であります。
#635
○委員長(西郷吉之助君) それではこれにて散会いたします。
   午後十一時五十九分散会 
ソース: 国立国会図書館
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