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1951/03/12 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第22号
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1951/03/12 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第22号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第22号
昭和二十七年三月十二日(水曜日)
   午後二時二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           菊川 孝夫君
   委員
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           大野 幸一君
           森 八三一君
  政府委員
   大蔵政務次官  西村 直己君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省主税局税
   関部長     北島 武雄君
   大蔵省主計局法
   規課長     佐藤 一郎君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       木村常次郎君
   常任委員会專門
   員       小田 正義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○関税定率法等の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○塩田等災害復旧事業費補助法の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
○日本專売公社法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○所得税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○相続税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○砂糖消費税法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第二十一回の大蔵委員会を開会いたします。関税定率法等の一部を改正する法律案(予備審査)、塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案(予備審査)、日本専売公社法の一部を改正する法律案(予備審査)、右三案について提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(西村直己君) 只今議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案ほか二法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 第一の関税定率法等の一部を改正する法律案、これは我が国経済の実情に対処いたしまして、関税率の適正合理化を図ることを目的とするものでありまして、その主要な点は次の三点でございます。第一点は、国内関連産業の保護育成及び財政収入の増加を図りますために、砂糖及びこれに関連する物品の輸入税を引上げようとするものであります。即ち粗糖につきましては現行輸入税の一割を二割に、精製糖につきましては二割を三割五分にそれぞれ引上げますると共に、これに関連いたしまして氷砂糖、角砂糖、糖密、菓子、ジヤム等の輸入税につきましても、砂糖との均衡上、それぞれ税率を若干引上げようとするものでございます。
 第二点は、原油、重油、新聞用紙、大豆、船舶、重要機械類などにつきましては、暫定措置として本年三月三十一日まで、その輸入税を免除又は軽減いたしているのでございますが、これらの物品につきましては、諸般の事情に鑑みまして、引続きましてその輸入税を免除又は軽減する必要があると考えられますので、昭和二十八年三月三十一日まで、即ち一年間その期間を延長しようとするものであります。なお重質軽油につきましては、現在潤滑油と同率の二割となつておりますが、一般の軽油と同率の一割に改め、船舶につきましては、現在大きさ、構造などについて何ら制限がないのでございますが、その免税の趣旨に鑑みまして総トン数十五百トンを超える鉄鋼船に限り免税しようとするものであります。
 第三番目は、兒童給食用のミルクは、その用途の特殊性がございますので、昭和二十八年三月三十一日まで、その輸入税を免除しようとするのであります。
 これがこの関税定率法等の一部改正法律案の提案の理由概要でございます。
 次に塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案、これにつきまして提案の理由を御説明申上げます。国内におきまする塩の生産を確保するために、塩田などが暴風、洪水などによる災害を受けましたときは、現在、塩田等災害復旧事業費補助法に基きまして、災害復旧事業を施行する者に対して、日本専売公社に補助を行わせておるのでありますが、その補助率は、塩田及び濃縮施設につきましては、事業費の十分の五、塩田防災施設については十分の六・五となつているのであります。然るに昭和二十六年に発生いたしました災害によつて激甚な被害を受けた地方の塩田等の災害復旧事業につきましては、現行の補助率では、事業施行者がその負担に堪えられない状況にありますので、塩の生産を確保しまするために、補助率の特例を設けることとしまして、災害復旧事業費が政令で定める額を超える場合には、その部分につきまして、補助率を塩田及び濃縮施設については十分の八、塩田防災施設につきましては十分の九に引上げることとしたのでございます。
 次に日本専売公社法の一部を改正する法律案、これにつきまして提案の理由を御説明申上げます。
 この法律案は、専売事業の円滑な遂行に資するため、日本専売公社の会計制度の合理化を図ることを目的としたものでありまして、その内容の概略を申上げますと、経費の効率的な使用を図りますために、予算の繰越に関する制度を拡張したことであります。即ち現行法におきましては、公社が或る事業年度内に契約その他の支出の原因となる行為をし、その事業年度内に支拂の義務が生じなかつたものにつきまして、翌事業年度に経費を繰越して使用することができるという、いわゆる事故繰越の制度を認めているのでありますが、今回の改正案におきましては、そのほか、歳出予算の経費の性質上又は予算成立後の事由に基きまして、その事業年度内に支出を終らない見込のあるものにつきまして、あらかじめ国会の議決を経て繰越明許費として計上し得ることといたしました。又事故繰越につきましては、その範囲を若干拡張し、従来の工事その他の事業の経費のほか、新たにこれに関連して支出を要する経費につきましても、繰越を認めることといたしたのでございます。
 第二点といたしましては、專売品の売上増加の場合の経費の増額使用に関する制度を設けましたことでございます。現行法におきましては、公社の予算には專売品の売上量の増加、その他予見しがたい事由による歳出予算の不足を補うために、いわゆる予備費を設けることができることになつているのでありますが、予備費を使用しても、なお事業のため直接必要とする歳出予算に不足を生じます場合には、專売品の売上量の増加に基く予定見積額を越える收入増加額の一部を、予算の定めるところに従つて、事業のため直接必要とする経費に使用することができることといたしたのであります。
 これによりまして製造たばこなどの売上増加の際に、製造又は販売のため必要な経理上の措置を迅速且つ適切にとることができるようにしようという目的でございます。
 最後に公社の業務に係る現金の預託機関に関する規定を整備したことでありまして、これまでは公社の業務に関する現金の預託機関といたしましては、日本銀行の支店又は代理店、このほか郵便局又は市中銀行が規定されておりましたが、このうち市中銀行につきまして、これを銀行その他大蔵大臣の指定する金融機関と改めることにいたしたのでございます。
 以上がこの三つの法律案の提案の理由でございますが、何とぞ御審議の上速かに御賛成頂きますようお願い申上げます。
#4
○委員長(平沼彌太郎君) 次に関税定率法等の一部を改正する法律案について内容の説明を聽取いたします。
#5
○政府委員(北島武雄君) 関税定率法等の一部を改正する法律案の提案の理由につきましては、只今説明がございました通りでございます。これにつきまして若干補足いたしまして御説明を申上げます。
 改正の要点は三点でございまして、第一点は砂糖及びこれに関連する物品の輸入税の引上げの点でございます。砂糖につきましては別途砂糖消費税の税率を引上げる予定にいたしておりまして、目下国会で御審議中でございますが、関税と砂糖消費税とを合せまして全体で七十億円余の増徴を見込んでおります。税率の引上げを砂糖消費税だけにとどめませんで、砂糖等の関税率をも同時に引上げることといたしましたのは、近く予定されております砂糖の自由販売等によりまして、我が国内の産糖のこうむる影響を緩和しまして、その維持育成を図ろうという考えからであります。砂糖につきましては、現在政府が一括してこれを購入いたしまして、家庭用砂糖につきましては、公定価格一斤六十八円という値段で配給いたしております。又業務用の砂糖につきましては、入札の方法によりましてこれを販売いたしておりまして、その自由価格はおおむね一斤百十二円程度と相成つておりますけれども、本年四月以降はこれらの統制を一切廃止することが予定されておりまして、この統制撤廃の曉におきましては、最近の世界における産糖額の急激な増加の影響を受けまして相当安い砂糖が輸入されることになりまして、国内の産糖、特に北海道の「てんさい」糖及び土産糖に及ぼす影響が相当甚大なるものがあるものと予想されております。一面又砂糖の価格の低落によりまして、砂糖に関する関税と消費税を増徴いたしましてもなお消費者価格を適正に保つことが可能であり、且つ又当面の急務でありますところの財政收入の確保にも資することができるというわけでございます。そこで適正な国内消費者価格を維持しながら、財政需要を賄い、且つ又国内産糖業の維持育成の見地をも併せ考慮いたしまして、今回の関税率並びに砂糖消費税の増徴の案が提案されているわけでございます。
 砂糖の関税につきましては、お手許にありますように、現在の粗糖の輸入税一割を二割に、精製糖の二割を三割五分に引上げることにいたしておりますが、これと共に氷砂糖、角砂糖はそれぞれ精製糖と同率の三五%。又糖密につきましては、そのうち大体粗糖に相当するものは粗糖と同じ税率二〇%、精製糖に相当する程度のものは三五%にいたしております。それから又菓子、ジヤム、フルーツ・ゼリー等につきましては、これは砂糖を多分に使用しておりますので、その影響もあり、且つ又これらの維持育成を図るために、砂糖との均衡上それぞれ四〇%の税率にいたしております。
 第二点は、原油、重油、新聞用紙、大豆、船舶、重要機械類等につきまして、現在関税定率法の附則第五項及び第六項におきまして、暫定的に本年三月三十一日までの輸入につきまして輸入税を免除又は軽減いたしているのであります。丁度その期限が今月一ぱいで切れますので、この措置につきまして協議いたしました、結果、それぞれ大体におきまして引続きその輸入税の免除又は軽減を図る必要があると思われましたので、来年の三月三十一日までの一カ年間その期間を延長しようとするものであります。
 ただこの際重油につきましては現在定義が掲げられておりませんので、課税上多少不便も起りますので、定義を明確にいたしますと共に、重質の軽油、重い軽油につきましては現在潤滑泊と同率の二割となつておりますのを一般の軽油なみに一割と改める。又船舶については現在何ら制限はないのでありますが、モーターボート等にまで免税を実施すべきではございませんので、総トン数千五百トンを越える鉄鋼船に限り免税しようという改正案を出しております。第三は、兒童給食用の乾燥脱脂ミルクでありますが、現在までのところ小学校及び保育所の兒童の給食の用に供するこれらの乾燥脱脂ミルクにつきましては、当初は米軍の放出により、その後はガリオアにより、その後は又見返資金、最近又一般会計の負担によつてこれを給食の用に供しているのでありますが、これにつきましては現在のところは司令部の覚書の次第もありますし、それから又現在の関税定率法の第七條第十一号、即ち「救恤ノ為ニ寄贈セラレタル給與品」といたして免税いたしておつた次第でありますが、講和條約の発効と共に覚書の効果もなくなりますし、又来年度におきましては輸入の方式も変りまして、政府はただその買入資金の利子について補助をするという程度になりましたので、このままでは免税を実行することが困難になりますので、改めて定率法の附則におきまして、暫定的に昭和二十八年三月三十一日までの輸入につきまして、輸入税を免除いたそうという案を提案いたした次第でございます。
 簡單でございますがこれを以て終ります。
#6
○委員長(平沼彌太郎君) 右について質疑を行います。
#7
○森八三一君 只今の御説明で砂糖の関係で先ず第一にお伺いしたいのでありますが、砂糖の関税と消費税の増徴を合して約七十億円程度の收入増を見込んでいるというようなお話がございましたが、そのうちこの関税につきまして数量的にはどの程度計算されておりまするか、それを先ず一つお伺いする次第であります。
#8
○政府委員(北島武雄君) 砂糖の関税率の引上げと消費税の増徴によりまして約七十億円程度の増收を見込んでいると申上げましたが、そのうち砂糖の分は増徴による租税収入増は二十三億一千七百万円と見込んでおります。その見通しといたしましては、二十七年度におきまして、粗糖四十万トン、精製糖を四十二万トン輸入するという計画をいたしておりますが、ただこのうち二月以降、すでに砂糖の引上げの報道が出ておりますので見越し輸入も若干あると考えまして、約一割を減らしまして関税收入としてあるわけであります。
#9
○森八三一君 粗糖で四十万トン、その他の精製糖等において約十万トンが、本年三月までにすでに見越し輸入等もあるので、税の関係で計算になつている内容のものとしてはその一割引のものを計算をしているということになりますね。
#10
○政府委員(北島武雄君) 只今の御意見の通りであります。
#11
○森八三一君 その次にお伺いいたしたいのは、本年の三月三十一日まで、前回の改正の際に関税率を適用しないということに決定されておりまするものの殆んど全体について、更に一カ年その措置を継続しようというような内容と了承いたしているのでありまするが、その中の二百十五の菜種及びからし菜の種、この問題でありますが、昨年までは資源量が非常に不足いたしまして、国民栄養、保健の点から考えましても、これらの輸入を相当に促進することが民衆の安定なり生活の向上なりに寄與するということで、そういう措置は行われていたと存ずるのでありますが、その後における国内の菜種の生産はまだ明確な統計を入手はいたしておりませんが、我々が想像しているところでは、おおむね全国的に三〇%乃至四〇%前後の反別においては増殖が行われているのではないか。本年の五月若しくは六月になりますればそれらの生産が相当に増大するように想像せられるのでありますが、前段にお述べがございましたように、国内産業の維持、育成を考えつつ措置をいたしたいという御趣旨と、そういうような現況等をどういうふうに御考慮なさつたのか、その点お伺いいたしたいと思います。
#12
○政府委員(北島武雄君) 菜種につきましては只今お話ありましたように、昭和二十五年中の生産が十一万九千キロ、それから二十六年におきましては十八万キロというふうに順次増加いたしております。併しながら全体といたしましては、まだやはり昨年の免税当時の事情、即ちそういうものが植物性油脂として、又国民の健康保持のためにまだまだ相当増産、輸入に力を入れる必要があるという状況は依然として変りませんので、なお若干免税を続行しようというふうに考えております。
#13
○大野幸一君 この税制を立てられる上において、砂糖は必要物資と考えておられるのか、奢侈品と考えておられるのか、一応お伺いしたい。
#14
○政府委員(平田敬一郎君) 砂糖につきましては実はいろいろ見解の差がございます。酒、たばこになりますとこれは代表的な嗜好品といたしまして誰しも消費税を課税しても異議ないということはまあ殆んど九〇%までは一致した意見なのでございますが、砂糖になりますと若干人によつて見解の差が出て来ることは事実でございます。まあ私どもは日本における国民生活の現状並びに実際の消費の状況等からいたしまして、砂糖に対しましてはやはり或る程度の消費税を課税するのに適当な品物である。で一般の本当の意味の必需品とまでは行かない、やはり嗜好品的性格を相当多く有する。殊に戰後非常に配給量が減りましたときは必ずしもそう言えないのでございますが、順次ふえまして来年度あたりは恐らく四、五割程度が製菓原料と申しますか、お菓子の原料になるような状態になりますれば、これはまあ特に嗜好品的性格を多く有する。そういう点から考えまして、砂糖に対しましては或る程度の消費税の課税負担をするというのが妥当ではないか、かように考えている次第でございます。絶対的に必需品とか、絶対的に奢侈品であるという筋合いのものではないと考えているのでございます。
#15
○大野幸一君 これは或る程度の大衆課税になることは間違いないですね。間接税、大衆課税、その点を考慮されているかどうか。
#16
○政府委員(平田敬一郎君) 砂糖は広く国民が消費するという事実は私ども十分に認めている次第でございます。従いましてそういう意味で税率等につきましても例えば酒、たばこのような高率課税をするのは如何かと考えている次第でございます。それをやはり一般の消費の慣習としましてどういうことになるか、それは生活水準等にもよるものではないかと思うのであります。非常に一般に生活レベルが上つて参りますと、砂糖というのは普通一般の必需品と違いまして、日本としては砂糖はやはり或る程度に、必需品とは言い過ぎますが嗜好品的性格が強い。そういう点も考えましてやはりこの問題を考えるべきじやないかというふうに考えております。
#17
○大野幸一君 先ほどの説明のうち、家庭用として百匁六十八円、業務用として一斤百十円、こういうことになりますと、家庭用には百匁單位で説明されたのですがちよつと計算してみますと、家庭用では百五用六十銭くらいになるのですが、業務川のほうがこれは少し高くなつているのですけれども大体同じである。そこでこの税率との関係でそう安く輸入されるのだから、一般家庭には響かないだろうというお話なんですが、どのくらいを予想されているのですか。税の適用、家庭用の百匁單位。
#18
○政府委員(平田敬一郎君) この点は現在の販売値が、今お話の通り家庭用としまして配給しているのが六十八円、自由販売で売られているものの値段が大体百十円前後、それが今度の消費税関税が実施になりまして自由販売になりました場合におきましては、一般に砂糖の小売値段、これは八十円前後になるのではないか、これは海外の最近までの相場をもとにいたしまして、更に値下りいたしますればもう少し下るかも知れません。今のところ砂糖は増産されているようでございますので、余り上つたりする懸念はないようでございますが、値下りする可能性はなきにしもあらず。併し最近までの国際相場をもとにしまして、適当に運賃、手数料並びに消費税関税等を加えまして小売相場を計算してみますと、八十円前後になるのではないか、このように考えております。
#19
○大野幸一君 原油、重油は国内にどのくらいとれるのですか。
#20
○政府委員(北島武雄君) 原油は国内産は年間三十六万キロリツター程度でございます。重油の生産は再五十七万七千五百キロリツターが二十七年の計画でございます。
#21
○大野幸一君 私の聞きたいのは、消費量の国内産量は何%に当るか。
#22
○政府委員(北島武雄君) 原油につきましては年間四百万キロリツター程度の輸入がございますので、国産は三十六万キロリツター、大体一割弱ということでございます。
#23
○大野幸一君 重油は。
#24
○政府委員(北島武雄君) 重油は原油を輸入しまして国内の精製所におきまして精製いたしておりますが、その国内の精製額は只今申しましたように二十七年度計画が百五十七万七千百五十キロリツトルでありますが、これに対しまして輸入のほうは百二十八万六千六百五十七キロリツトルでございますから、半分以上を国内で生産していることになります。
#25
○大野幸一君 この輸入税を減免する結果、国内の産業をして競争に勝たしめることなく、自然と国内産業が打撃をこうむる、そういうことも考えられるが、輸入税を課しつつそれで国内の重油製造業者、いわゆる石油業者を保護するという方法はないものですか。私が今日考えることは、外国から輸入する場合には関税をかけて、そうしてその財源で以て国内の石油業者を保護してはどうだ、こういうことです。石油開発に金を出したらどうか、こういう意味です。
#26
○政府委員(平田敬一郎君) 大体石油につきましては私どもやはり相当数量、少いですが、国内の生産の増加のためにいろいろな助長方策を議すべきだという基本的な考え方は持つている次第でございます。併しそれはまだやはり第一は、適当な関税で保護するというのが第一でございますが、併し何しろ国内の産油が少いので、あまり関税をつけて保護すると他の産業に及ぼす影響が多いので、場合によりましては、それに対しましてそう大きな期待はかけるわけには行かない。従いまして現在の状況といたしましては、暫定的に軽減というような措置も講じている次第であります。併し又一方から考えますと、この措置は将来におきましては、私はやはり或る程度関税をかける暫定措置はやめて行くというような基本的な考え方をとるのが正しいのじやないかというふうに考えておりますが、それはもう少し将来の問題だと存じます。
 それから一方におきまして補助金等を出して保護したらどうか、これも確かに一つの考え方で、ございまして、現に或る程度の新しい鉱業権と申しますか、試掘権と申しますか、そういうものに対しましては今までも或る程度補助して参りましたし、今年は若干それを減らして来ているようでございますが、これは会社が現在の状況の下におきましては自力で或る程度できるというような点も考えまして、そういうふうにいたしている次第でございます。併しこれは勿論そのときの状況によりまして判断すべきものでございまして、将来更にそういう措置を講じなければ日本の原油の生産が増加できないということでございますれば、そのときとしまして妥当な政策をとつて行くべきじやないか、このように考えております。
#27
○大野幸一君 原油、重油の輸入先は、相手国は多くどこですか。それから大豆は今どこから入つて来ておるのですか。
#28
○政府委員(北島武雄君) アメリカから入つております。
#29
○大野幸一君 これは東洋経済圏の中からちつとも入つて来ないのですか。
#30
○政府委員(北島武雄君) 終戰前は満洲から大分入つて来ておりましたが、終戰後はこれら地区からは遺憾ながら輸入されておりません。
#31
○大野幸一君 一カ年間輸入税を減免することによつて、どのくらい予算に影響するのですか。
#32
○政府委員(北島武雄君) 全部の免税、減税をひつくるめまして約八十八億円の税收減になります。
 それから先ほどお尋ねの原油及び粗油は現在アラビア、アメリカ合衆国等から輸入されております。それから重油も大体同じ地域からであります。
#33
○小林政夫君 関税定率法で七百五の合成染料、これは先般の審議の際に参議院で我々のこの委員会の意向によつて、政府提出原案の一五%を二五%ということにして、衆議院と話合いをして二〇%に落着いたわけでありますが、これについて提案者である政府としては、まあ本来、前には一五%で出された、その政府としてこれは参議院の通過が一五%ではむずかしいというような考え方から、こういうふうな修正案を出されたのか。その後のいろいろの織物業界等の事情から行くと、大分事情が変つて来ている。堅牢染でなくては輸出ができないというような状態も生れているのでございます。我々としては必ずしも前の決議に拘泥せずに考えてみたいという気持もあるのですが、まあ暫定的に一年間やつたということは、そういう情勢の変化もその間に考慮できるという考えであつたわけですか。その点についてどういう検討をなされたか伺いたい。
#34
○政府委員(平田敬一郎君) 私から大体の御説明を申上げまして、必要によりましてあと細目については税関部長からお答え申上げることにしたいと思いますが、大体基本的には、私どもは昨年関税率が最後に国会できまりましたときの事情と、現在の事情との間に勿論数量的には相当の変化がございますが、基本事情はそう著しい変化がない、その当時からやはり一方におきまして、纎維の方面の意見が、輸出に使うものとしてどうしてもやはり輸入しなければならんという事情があるということは、当時から十分議論されていたところでございますが、又纎維を作るほうからいうと、日本において一刻も早く作る必要がある、而もこれは必ずしも不可能ではない。染料こそやはり関税で成る程度保護して国内で育成を図るのに最も適当なものじやないか。こういう議論が二つありまして、結局政府としましては一五%の案で提出いたしたわけでございます。いずれもこれはその際に申上げましたように、どつちかと申しますと、必ずしもどうしなくちやならんというはつきりした根拠と申しますか、そういうものがどちらかというとそう強くない。そういう点から考えますと、一年たちましたが、やはり最後に国会できまりました率、それを今すぐ又大きく変更しなければならないような、適当な事情というところまでは行かんのじやないかという趣旨からいたしまして、政府としましては二〇%の案で提案をいたしたような次第でございます。勿論その当時よりも輸出に使う染料の数量が大分ふえております。或いは国内の生産も大分ふえている。そういう点は数量的には大分違うところがあるようでございますけれども、基本的な事情というものにはそう大きく変りはない、そうすればやはり最後に国会できまりましたものを政府としましてももう一年尊重するのがいいのじやないか、こういう考え方で二〇%の率にいたしたわけでございます。
#35
○菊川孝夫君 これは砂糖の消費税とも関連するのでありますが、砂糖の関税につきましては、これは砂糖はどうしても水あめ等の問題になつて来るのだろうと思うのですが、特に日本の農家は戰後、桑を作つたいわゆる桑園をつぶしてしまつて、食糧増産でたいていいも畑にしてしまつている。ところが戰後暫くの間はいもの食糧に振向ける面が非常に多くて採算が成り立つたのですが、最近は食糧は或る程度豊富になりましたのでいもを食糧にするというのはなくなつてしまつた。そうするとアルコールか水あめにしなければならん。ところが八十円くらいでまあ大体今年はなるだろう、これだけの消費税と関税をかけるということになると斤八十円、而も統制撤廃して家庭用業務用ならして八十円ということになりますると、水あめとの競争ということを考えまして、砂糖一斤と水あめ百匁になるかどれだけかわかりませんが、それとの競争からして、水あめの單価とそれからさつまいもの生産費と考えて、農林省関係と十分これは協議をされましてこの関税定率を定められたかどうか、この点を一つ詳しく御説明願いたいと思います。
#36
○政府委員(平田敬一郎君) 砂糖の消費税と関税の税率をきめます場合におきましては、勿論農林省との間にも十分協議いたしまして決定いたした次第であります。御指摘の通り砂糖が或る程度安い値段で日本に入つて来るということになりますと、水あめに及ぼす影響は相当大きなものと考えているのでございまして、この影響はできれば私どもも成るべく緩和するという方向に参りたい。そういう見地からいたしまして消費税、関税を通じましてやはり相当な引上げをやるのが妥当ではないか。ただ先ほども大野委員のお話もございましたが、やはり両者をくるめましてその負担が著しく過重になつたのではやはりどうであろうか。幾ら水あめなりいもが豊富と申しましても、消費税なり関税の見地からそれは先ず著しく不合理でないと認められる限度でなければやはり又そのほうに及ぼす影響が大きくて適当ではないというような見地も考えまして、この率を定めることにいたした次第であります。先般も申上げましたが、大体小売価格八十円に砂糖がなるといたしますると、その中で消費税と関税を加えまして二十四円程度は税金、つまり小売価格の中で三割程度が税金たということになりますが、その程度まで、若干の程度の差は少しくらいは勿論私は必らずしも不合理だとは考えませんが、大体の大ずかみから行きましてその程度であるならば、今の消費税は他の負担等からいたしまして適当ではないかということを考えまして、そういうふうにいたした次第でございます。その結果それだけやはり水あめ等に及ぼす影響も間接によくなるというふうに考えるのでございますが、併しこれで十分かという話でございますとそれは必ずしもそうでない。それからあめの場合におきましては一方におきましていもは今御指摘の通りあめだけに使つているのじやない、やはり相当部分食糧に使つている。それからアルコールの原料になつているという関係もございますので、あめの値段が或る程度下つたからすぐそれに応じていもの値段が下るというふうには私ども考えていないのでありますが、併し相当の影響があるということも事実だと思いますので、そういう点を考慮しまして消費税、関税につきましては先ずこの際の消費税、関税の負担として適当の税率を持つて行けるということを一方考えまして、妥当な案を作るということで消費税七百円、それから関税におきまして二割を三割五分に改める、原料は一割を二割に改めるという案を作成しまして提案いたしたような次第でございます。
#37
○菊川孝夫君 これはここでお尋ねするのは適当でないかも知れませんが、まあ砂糖の消費量とその国の文化水準というものがよく云々されたものでございます。併しまあ一方におきまして耐乏生活はイギリスでもやつているんだし、まあ日本もまだまだアメリカなみにこんなところをアメリカナイズしようとするのは無理だ、そんなところからしましてとにかく家庭用と業務用とで今度一本にしてしまうのでありますが、これを一つ家庭用の砂糖と業務用の砂糖と分けて価格差を設けるというふうにして水あめへの影響を防ぐ。その意味におきますと、今の統制は続けなければならんということになるので、これはあなたのほうの管轄でないかも知れませんが、それを統制をはずすということになりますると、もう家庭用と業務用を分けるということは、これはなかなか困難だと思いますが、これは統制とからみ合うものと思いますが、それは統制を廃すということが一番大きな原因で、当然あなたのほうと相談があつたろうと思います。税金の関係からいたしまして。これはどういう理由から統制をやめるのですか、一番大きな理由は。
#38
○政府委員(平田敬一郎君) これはその責任の政府委員の出席を求めてお尋ねしたほうがよろしいかと思いますが、私どもの了解するところによりますと、大体需給がマツチする、つまり外国から入つて来る砂糖を入れまして大体におきまして適当と思われる価格で需給のバランスがとれるという状態になりますれば、これはやはり統制というものは必ずしもしなくてもいい、むしろ原則としてやめたほうがいいという考え方をとりますのは、これはこの経済政策基本論といたしまして当然ではないかと思います。まあ戰後たくさん統制をやつておりますが、統制のための統制でなくして、やはり物資の需給が著しく窮屈になつておりますので、インフレーシヨンを防いだり、我々国民生活の影響を緩和するという意味におきまして統制を多数やつて来たわけでありますが、そういう基本事情がなくなりますれば、やはりむしろ統制の弊害が多くなるのじやないかという点を考えまして恐らくやめる、こういう方向に行つているのじやないかと思います。で御指摘の通り、課税の上で業務用と家庭用の販売等に負担の差をつけるために統制を残すということも少し行過ぎと考えられる次第であります。ので、その点を御了承願いたいのですが。
#39
○菊川孝夫君 それは物は豊富になつた上で、この需給のバランスが大体とれる段階において統制するときには大した弊害は起きないのです。むしろないときに統制したときのほうが弊害がありますが、大体国内産業の計画経済という面からやつた場合は弊害が起きないのだと思います。ここでいろいろ議論しても仕方がないから次の問題に移りたいと思いますが。
 航空機の関係の免税でございますが、これは特に今度の講和條約の発効に伴いましで日本でも航空機並びにその部分品、原動力の内燃機関というものはこれは技術はまだ温存されております、又設備も温存されておると思います。従いましてやろうと思えばできる、而も当面今日本としてどうしても航空機を免税して輸入しなければならん必要はないと思う。これは一年間の免税にするということになりますと、国内産業このほうの見地から大きな何があると思いますが、これを免税にされる理由を聞かして頂きたい。
#40
○政府委員(北島武雄君) 航空機につきましては、お説の通り戰時日本は非常にたくさん作つておりまして、終戰後は現在航空機の生産を禁じられております。併しながら航空機を民間航空機等に輸入する必要は勿論あるのでありまして、現に二十六年度におきまして、航空機が四機輸入されております。それから二十七年度におきましては十七機程度が輸入される見込になつております。併しながら又二十七年度におきまして航空機が日本において生産されるという可能性は全然ございませんので、暫定的になお一年間免税にしようということであります。勿論日本の航空機製造事業が起りますれば当然かかる免税の必要はないと思いますが、暫定的に二十七年度一ぱいはまだ免税の必要があろうとこう考えるわけでございます。
#41
○菊川孝夫君 次に先ほど大野君からも質問されましたが、この豆類の中の大豆と落花生でございますがアメリカからどんどん入る、こういうお話ですが、これは今仮に満洲大豆がいわゆる中共貿易の関係で入つて来ないが、これは満洲大豆を今輸入するとしまして、トン当り満洲大豆とアメリカ大豆、落花生についても同様だと思いますが、一体開きはどのくらいのものになりますか。この税金の廃止という問題は、そういうアメリカのものを輸入しなくちやならんので免税にすると、こういうことになつているのじやないかと思うのですがね。
#42
○政府委員(北島武雄君) 満洲大豆の価格は私も現在承知いたしておりませんが、最近の大豆の輸入価格は一昨年の朝鮮事変勃発当時よりは非常に下がつて来ております。なお国内の大豆の価格よりも低くはなつておらないという状況でございますので、なお一年間免税いたしましても、我が国の大豆の保護には欠くるところはないのではないかと思いまして一年間免税をしようというわけであります。
#43
○菊川孝夫君 これは大豆、落花生、とうもろこし、こうりやん、これはいずれもそうだと思いますが、アメリカの農産物を買わされる、卒直に言つて買わされるところの免税措置だ。というようのは船足の長い、般賃の高いこうしたアメリカの農産物を、日本へ輸入するために免税をするというふうに我我にはどうもとれて仕方がないのでございますが、この問題はこれは中共貿易、ちよつと政治理論になりますが、満洲あたりから持つて来たのであつたならば、これは免税するということになりますと到底日本の農産物はたち打ちできない。免税するどころか満洲あたりから持つて来るということになりますとむしろ課税しなければならん。こういう品物にでも課税しなければならんと思うのですが、過去の実績をあなたは言うが、これは我々のほうで調査いたしますが、今満洲大豆の比較はできませんが、過去の実績は、満洲あたりから豆にしろこうりやんにしろ、とうもろこしにしろ、こういつたものを輸入する場合、すべて無税でやつておられたのですかどうですか。それを一つ教えてもらえればいいのですが。
#44
○政府委員(北島武雄君) 大豆の関税率は大正十五年の一般関税法の改正の際におきまして百斤で七十銭、これを大体従価にいたしますと一二先程度であります。昭和七年の改正のときに百斤あたり九十四銭となつております。これも大体従価に換算いたしますと一一%程度の税金になつておつたかと存じます。
#45
○大野幸一君 私は最初遠慮しておつたのですが、この菊川委員の言つたように、これは結局片貿易に陷るもので、近く独立をしようとしている日本にとつては非常にこれはまだ何といつても悲劇的なものであろうと思う。政府は国内関連産業の保護育成と言つておりまするけれども、同時にこれは取引国を非常に利するものであることは間違いないのであります。これは結局植民地化を我々が恐れるゆえんはそこにあるのですが、これと対価的に日本から輸出される例えば陶器とかお茶とか、そういうものに対してアメリカでも何か考慮しているのですか。アメリカとの間においてはそういう了解もあるでしようか。この点を一つお伺いしたいと思います。何といつても関税をかけないことはその国には非常に安く入るもので、独立国ならば相対的にこちらからもかけなければ向うからもかけない、何か一つ代りになるものがなくちやならないが、何か一つ代りのものがあるかどうかと、こういうことを聞きたいのと、それから先ほど主税局長がこれは理想ではなくて、将来かけるべきものだという発言があつたことは非常に満足に思うのですが、まあ将来でなくてもこの一年間でももう独立近い今日ですから、何とかこれに対応する措置、又国内産業を発達せしめるために、日本のほうの産物を外国、アメリカなり、まあ取引国に対して、免税されるような希望があるのかないのか。
#46
○政府委員(平田敬一郎君) 最初に先ほど菊川さんのお話に関連してお答えいたしますが、どうも日本の今の貿易が何と申しますか、一定の地域から入つて来ないことになつているわけでございます。でそういうことがむしろ関税政策その他を考える場合におきましても、それがむしろ原因でございまして、こういう措置をやつたからなお更そうなるというものではないことを御了承願いたい。と申しますのは、こういう関税をきめたり関税政策をきめます場合におきましては、いろいろな客観情勢から来るいろいろな止を得ない事情、これはまあその事情といたしまして考慮せざるを得ない。そういう前提の下に現在どこの国からどういうものが日本に来ているか、それが又日本としましてはどうしても輸入せざるを得ないか、その場合におきまして、その値段がどういう状況になるか、まあそういう点を考慮いたしまして妥当な関税政策を立てざるを得ない。こういう事情でございますので、決してこういう措置をやつたためにそういうことを間接に助長するという筋合のものでないことを、一つ先ず御了承願いたいと思う次第であります。
 それからもう一つは大豆とか菜種等につきまして大分御議論がございましたが、これは私も卒直に申上げますと、だんだん情勢はやはり関税を引上げるという情勢に昨年より今年は一歩来つつあるのではないか。と申すのは国内の生産も増加しておりますし、海外の相場と国内の相場とも漸次接近しつつある。安い物がどんどん日本に入つて来るということになりますと国内産業の保護ということを考えまして、こういうものにつきましては相当然るべく関税はかけて行くと、こういう方面に行くべきものだと考えますし、私は今の情勢がだんだん続いて来ますれば、大豆とか菜種とかいうようなものにつきましては、もう一年更に延期するという事情にはならないで、恐らくその次の年からは課税して然るべきじやないかと、こういう事情によほど接近しつつあるのではないかと考えている次第でございます。
 ただ現況から申しますと、特にまだこの際関税の免税の特典をやめまして課税するということは、日本の食糧事情、油脂工業並びに油脂類の供給という点から見まして如何であろうかという意味で一年間延ばすということにいたした次第でありますことを御了承願いたいと思います。
 それから更にこういう免税措置をとつておりますが、現在免税措置をやつておりますものは、我が国の国内的な事情の必要からしまして、こういう免税措置をとつているわけでございまして、こういうことにつきまして特に相手国が日本に対しまして相当売りたい、安く値をくずして持つて来るというような事情になりますれば、これは逆に私は妥当なる関税をかけて保護するという方向に行くべきものだと思います。それで通商協定の問題は、これは一応通商航海條約が結ばれまして、その後におきましては関税率につきましても相互に話合う機会が出て来ると思います。その際におきましては、私どもは先ず第一に御承知のガットでございますが、これは国際的に最恵国待遇の規定を協定する一つの国際会議でございますが、あれに一刻も早く加入いたしまして、それで日本で関税を下げるから相手国の関税を下げてもらいたい、こういうことにつきましても議が十分できるように今後早く持つて行きたい。ガットに入らなくても或いはアメリカとの間には状況によりましてはそういう個別交渉ができる事態にだんだんなつて行くのではないかと考える次第でございまして、今回のこの措置につきましては、主として国内事情を考えまして、日本町で措置している事項でございますことを御了承願いたいと思います。
#47
○小林政夫君 先ほどの合成染料、昨年の今頃やつたのですが、その当時正確に言えば昨年の三月二十一日現在と今と需給の状況の資料がありますれば、一年前と今と、比較が数字でわかるように……。
#48
○政府委員(北島武雄君) 先ず生産の方面を申しますと、昭和三十六年度末即ち最近におきましては、生産の能力は二十品種、数量におきまして百二十四トン程度ということになつております。但し実績のほうは二十六年度は実際にできましたのは十六品種であります。数量は二十二トン見当でございます。でありますが、三井化学におきましても日新化学におきましてもこれらのメーカーは、目下これの拡充計画をいたしておりまして、二十七年度におきましては生産能力は三十一品種、数量におきまして二百二十四トンで、実際の生産計画に二十五品種で八十六トンの生産計画ということになつております。
 一方消費のほうでございますが、これは昭和二十六年度におきまして輸入が二十八トン、それから加工業者のストツク十六トン、それに只今の二十二トンの国内生産を加えまして、六十六トン程度でありますかになつております。二十七年度におきましては大体輸入を七十二トン見当、加工業者のストツクから流用されるのが六十二トン、なお国産で以てできますのが八十六トンということでございますから、二百十トン程度の消費が見込まれております。但しこれをお使いになるほうの業者のかたがたのトン数というものは、どうも濃い建染染料のほうを標準にして御計算になつているので、実際に御使用になる数量はこれより少くなるのではないかと思つております。
#49
○小林政夫君 今の輸入の品種、その品種はこれは国内産の品種とダブつてはいないのでしようか。
#50
○政府委員(北島武雄君) 品種ですか。品質ではございませんか。
#51
○小林政夫君 まあ品種、染料の種類ですね。
#52
○政府委員(北島武雄君) 現在我が国で、繊維製品の輸出に必要な建染染料の種類と申しますものは大体百種類前後だそうでございます。ただこの国内生産はどうかと申しますと、技術的にはいずれも生産可能であるという結論のようであります。但し需要がこれに伴いませんと、それを工業化するには採算がとれませんので、その関係上現在の生産がこの程度になつているというように私どもは考えております。
#53
○小林政夫君 昨年の二十六年度に輸入した建染染料の種類は国内でできなかつたものであるかどうか。そして二十七年度に七十二トン搬入しようとするものは……。
#54
○政府委員(北島武雄君) これは最近神戸税関につきまして調べました数量なんでございますが、昨年の四月から十二月までに神戸に輸入されました建染染料の品種は九十二品種でございまして、そのうち現に国産のあるものは九品種ということになつております。
#55
○小林政夫君 そうすると、この国産で九品種できるものを、輸入しているというのは、やはりこれたけの関税をかけても輸入品のほうが安いのですか。それとも品質が非常にいいということですか。
#56
○政府委員(北島武雄君) 国産とダブリましたもりにつきましての品種が具体的にどういうものか、私只今資料をつまびらかにしておりませんが、大体におきまして昨年の二〇%の関税を加えて入つて来たところの外国の建染染料の価格が、日本の染料よりも安いものと高いものと大体半々程度になつていると思います。
#57
○小林政夫君 この建染染料については、実は我々がまあ先ほどお話したように、委員長は違いますけれども参議院のほうで大幅な関税の引上を提案し、衆議院は政府提出の原案通り一五%ということになつておりますが我々のほうは二五%ということで、両者歩み寄つて二〇%ということになつたのでありますが、そういう関係で非常に責任を持つのですね。最近もメーカーと織物関係業者、消費毒筆から強力な陳情があつた。それで、一応両者の意見を聞きたいと思うのですが、委員会で正式に。特に公聴会とかなんとかということでなしに、関税定率法の審議の際に、両方の代表を参考人として出席をしてもらつて、十分最近の状態、一年後の状況の変化等について違憲を聴取したいと思うのですが。
#58
○委員長(平沼彌太郎君) 参考人ですか。承知しました。
#59
○菊川孝夫君 今の小林君の提案賛成でございますが、ついでに私できましたら経営者のほうの社長なり或いは担当重役等、ついでに双方やつぱり労働組合もあると思いますので、この際一つ連絡がつきましたら双方のやつぱり組合関係の役員も一つ出席せしめて、どうせ参考人として呼ぶのでございますから形式も簡單に行くと思いますが、直接利害に関係すると思いますので、双方やはり出て十分意見を聞くようにいたしたいと思いますが、そういうふうにお取計らい願つて、両方の経営者、染料生産の経営者とそれから染色業の経営者、而も両方の組合のかた等も呼んで頂きたいと思います。こういうふうに一つお願いしたいと思いますが。
#60
○委員長(平沼彌太郎君) 相当の数になりますね。
#61
○菊川孝夫君 数はそんなに……、四人ぐらい。
#62
○委員長(平沼彌太郎君) これは諮らなくてよろしいですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(平沼彌太郎君) そういうふうに取計らつて差支えございませんね。それでは只今のは、菊川委員、小林委員からのお話のかたがたを参考人として呼ぶわけでございますが、その方法については委員長に一任願いたいと思います。
#64
○小林政夫君 一任いたします。
#65
○委員長(平沼彌太郎君) それでは只今の法案につきましては質疑をこの程度に本日はいたします。
  ―――――――――――――
#66
○委員長(平沼彌太郎君) 次に所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、右四案について質疑を行います。
#67
○小林政夫君 先ずこの提案された法案とは別に、国税と地方税において法人及び個人の扱い方が違つている点があるのですね。どういう書き方をしておりましたか、今法案を持つておらないのですが、国税の場合において、例えば匿名組合で事業をやつているというものは、国税の場合においては法人が個人と見られる、そして地方税の場合には七百何條だつたかによつて法人とみなして、個人の場合は百分の八であるのにかかわらず、法人なみの百分の十二の税率がかかるというようなことで、国税のほうにおいては個人として扱われて相当税が多くなり、地方税のほうにおいては法人と扱われて税が多くなるということがあるわけですが、この地方税と国税とのそういつた同じ団体の取扱い方を調整するというか、同じように扱うというお考えはありませんか。
#68
○政府委員(平田敬一郎君) 国税と地方税との間におきまして、類似なものについて若干違つた扱いをしておりますことは御指摘の通りでありまして、私どもそういう点につきましては極力この調整を図るように平素から注意をしているのでありまして、やはり或る程度、ときによりますとそれに必要なる理由もございまして、必ずしも一致できない場合もございます。今匿名組合の場合を御指摘になりましたが、これは私やはり国税に関する限りは個人として扱うべきである。従いまして純然たる能力のない社団と申しますか、法人格は持つてないが実は全く団体の性格を有する、こういうものを税法上どう取扱うかは、これはなかなかむずかしい問題でありまして、主税局でもたびたびそれは問題にしているのでございますが、まだ立法措置をとりましてはつきりさせるというところまで自信のある考え方はできませんので実はそのままになつております。やはりそういうものにつきましても、代表者個人の事業としまして課税いたしているのは今御指摘の通りでございます。併しこの後者のほうは若しも妥当な基準なり、妥当なものができますれば、これは私やはり法人なみの扱いをするというような方向に将来行きますことは、これは一つの方向ではないか。併し匿名組合の場合はこれはやはり成るべく名個人と申しますか、現に利益を受けまする各個人の事業として見たほうが、これはより実態に即するのじやないか、こういうふうに考えております。国税におきましては実は法人として扱うか、個人として扱うかによりまして地方税以上の差が出て来る。従いましてこの問題は軽率には断定を下しがたいのでございますが、地方税の場合におきましては、御指摘のように税率に若干開きがございますが、実を申しますとそれほど大きな差ではない。むしろ徴税の便宜と申しますか、或いは課税所得の計算の便宜等の見地を考えまして、まあ法人なみに扱つた場合がいいことが多いというような事情があつてたしか御指摘のような差になつていたかと思います。併し然らばそれが絶対的に正しいかと申しますと、やはり相当見解があるところだろうと私どもも思いますので、なおそういう事例につきましてはよく一つ私どもも專門的見地から研究しまして、結論が出ましたらそれぞれ相互によく連絡いたしまして、妥当な措置をとるようにいたしたいと考えているわけであります。
#69
○小林政夫君 まあ匿名組合と申しましたが、実際匿名組合もありますし、それから任意組合ですね、もう殆んど株式会社と同じような形態で仕事をやつている、それが国税の場合においては個人と扱われ、地方税においては法人と扱われる。これは非常に大きな具体的な問題があつたわけですが、まあ同じ税、国税と地方税と違うといつても税の課税対象として違う取扱いを受けるということもおかしいので、至急に私はこの納税者の側に立つてみた納税意識というような点からいつても、非常にそういつた国税と地方税との場合において取扱いが違うということは面白くないので、一つ地方財政委員会ですが、そのほうとも密接な御連絡をおとりになつて、取扱対象を同一にするという措置を至急にとられるように望むわけであります。
 それからその還付税金ですが、これが地方へ行くと最近は大分敏速になつたけれども、まだなかなか遅れるというのであります。これが租税拂戻金として四十億というような予算が組んでありますが、何とか敏速に行く方法はないものか。過納になつたものは一応收入として、又拂戻のほうは別途歳出予算で組んで行くというところに問題があると思いますが、そういう点については何か研究されておりませんか。
#70
○政府委員(平田敬一郎君) 御指摘の御質問誠に御尤もな質問でありまして、私どもやはり最近成るべく早くするようにということを盛んに督励いたしておりますが、いろいろな事情でやはり遅れている場合が大分あると思います。ただ私その中に実は過納になります原因が二つございまして、一つは政府の調査なり決定が、一遍したが間違つたために緩和になつてあと訂正処分で返す場合と、それからそうじやなくて、制度上源泉徴收或いは予定申告で一応前年の実績通りとつている、それがその通り行かないので法制上当然返す。この二つの場合があるのでございますが、前者の場合はやはりこれは或る程度審査、調査に手数を要しますので、それがきまつてから返すのが本則であるまいか。後者の場合でございますれば、これは私やはり先ず最初に一応の調査で返すべきものは返してしまう、であとで本人の申立が果して正しかつたかどうかを監査を加える、それによつて惡いやつは直して行く、こういう方向で処理する方向に持つて行きますれば、よほど合理的な且つ迅速な処理ができるのではないか。まあこういう趣旨で考えておりまして、後者の場合につきましてはもう少し省令或いは通達等で基準或いは事務の動かし方等をはつきりいたしまして、それに従つて一線の税務署等では必ず仕事を処理して行かなくちやならんようなそういう仕組を考えて行きたい。それと同時に比較的額の少いものにつきましては、一々税務署等に取りに来なくても、郵便局の振替拂いのような方法によりまして簡便に返す方法、そういう方法につきましても、今技術的に研究はいたしておりますが、成るべく納税者に費用と手数をかけないで迅速に返すべきものは返すという方向に今後大いに一つ勉強してみたい。私の理想は原則としまして後者の場合につきましては、三月以内に大部分処理してしまう、それができないかということで今計画を立てさしているような次第でございますので、まあそういうことがはつきりなりますれば、税務署にとられたやつはなかなか返さんということがなくなります。そうなりますと自然納める人も気やすく納めて、そうして納税が促進されるということになりますので、極力そういう方向で一つ勉強してみたい、かように考えております。
#71
○小林政夫君 一つ是非敏速化の方法について考えて頂くことをお願いいたしたいと思いますが、この租税拂戻金、一応今の場合、予算に四十億となつておりますが、これは各税務署に、国税局ですか、一応割当てるのですか。それともあなたのところで持つておつて順次やるのか、一応割当ててやるのか、例えば予算がないから前年度においてはそういうようなことがあつたわけです。予算がないから予算が来るまでどうしても戻さんといつて遅れた場合がある。前年度よりも本年度は八億くらい減つております。この程度でやるかどうかという問題、その扱い方はどうなつておりますか。
#72
○政府委員(平田敬一郎君) そのお答えをすることを私失念いたしましたが、私もその問題につきましては、理想といたしましては、これは一種の当然返すべきものを返すのでございまして、でき得れば予算外で返すという仕組につきましても、今まで実は考えてみたことがあつたのでございます。そこまで今行きますのはどうかと思いますので、なおその問題は研究問題になつております。今年は予算としましては先ず一年間を考えましてそう不足しない額を計上いたしておきまして、予算が足らないために返せないということがないようにいたしたい。大体さつき申しました後者の場合でございますればそう大きな額は実は要らない、比較的小さい額について返すべき人がたくさんある。こういうことでございますので、先ず運用よろしきを得ますればそう支障はないのではないかと考えますが、併し足らないような場合におきましては、少くとも予備費と申しますか予備金から支出するような方法、ずつと昔はそういう方法を講じていた時代があるのでございますが、そういうことにつきましてはこれは比較的考えやすいと思いますのでなお考える。併しそれにもかかわらず非常に経済界に変動がありまして、例えば会社に欠損があつて、繰戻し控除をする結果相当大きな額を返さなくちやならんということになりますと、なかなかそういう措置では不十分な面も出て来ますので、将来の根本問題としましては、予算の経理の仕方をどうするかという問題も研究してみたいと思つておりますが、今としましては先ずそう大きな支障なくやつて行けるのじやないか。昨年は御指摘の通り少し足りませんので、補正予算でたしか二十億近く増額してもらいまして処理をいたしたような状況でございます。その増額してもらいましたことに対して、若干減つておりますが、四十億と言いますれば相当の金額でございます。先ず法人の欠損の繰戻し控除の問題がそれほど大きな問題でなければまあ大体やつて行けるのじやないか、こういうふうに考えておりますが、根本対策はなお将来において研究してみたいと思つております。
#73
○小林政夫君 まあ例えば今日提案された專売法ですかの中でも、收益が見込收入よりふえた場合は、それを適当に予算に組むとかいうこともありますし、昨年のように自然増收が非常に多いという場合にはそういつた彈力性のあるやり方ができるのじやないかと思いますが、逆に行けば別ですけれども一々歳入に入れてあと歳出に出すという窮屈なことでなしに、同じ税の範囲においてスムースに処理ができるように、今全く主税局長も同様にお考えのようでありますけれども敏速に措置をやつて頂きたい。
 それからこの前お願いした資料が出たのでありますが、青色申告者の專従者控除による減收見込額が営業関係で六億五千、農業関係で一億五千、全体で八億ですが、大体その該当人数がわかりますか。
#74
○政府委員(平田敬一郎君) 青色申告者の個人の業者の数が営業で十四万五千、農業で二万三千、その他事業で一万四千その他が四百四十合せまして十八万三千人ほどございますが、こういう人につきまして平均控除するのが〇・八人全部平均しましてあるものとしまして、それに対しまして年五万円の給與の控除がある。それによつて所得が幾ら減るか、それで計算いたした次第でございますが、現在も御承知の通り一万五千円までは控除しておりますので、五万円と一万五千円の差額の三万五千円だけが負担の減少になる、控除額になりますので、それを基にいたしまして計算いたした次第でございます。併しこれは相当な特典でございますので将来は青色申告者の数が相当ふえるのじやないか。ふえて来ますと減收額が今年に比べまして今度は相当増額する可能性があるということは御了承願いたいと思います。
#75
○小林政夫君 今日はもう一点だけ。同じく出してもらつた資料で勤労控除を五万円までに引上げるとすると減收が六十一億になるのですね。これは主税局長においてもおわかりになつておると思うのですが、勤労控除額だけが数次に、まあ何回かに亘つた税法上の減税措置において取残された額なんですね。これを成る程度、又先だつても井藤半彌氏の公述にもありましたが、物価の上昇と睨み合つてないのは勤労控除の最高額だけだ、そのほかは大体物価の上昇と均衡がとれているというような意見もあつたわけですが、どういうわけで、一に減收になるからということでおやりにならないのか、その点事情を一つ。
#76
○政府委員(平田敬一郎君) お話の通りこの控除だけは二十五年から据置いておりますが、ほかの控除は物価と大体釣合いがとれているというお話ですが、物価以上に実は引上げられているということを申上げておきたいのでございますが、この控除はそのままにいたしております。それでこの点は実は本年でも問題にしてみたのでございますが、まあ一つは今御指摘の通り相当大きな財源に響くというのが一つ、従いまして理窟の点だけで機械的に処理しにくい項目であるというのが一つ。それからいま一つは控除につきましてはいろいろ問題がなお残つております。一つは大体一五%の勤労控除自体がどうもきついじやないかという議論が国会でも相当ございまして、これは私どもが前から申上げました通り、税の理窟から言つたらこれは引上げるのは如何であろうか、ほかの所得の把握をむしろ適正にしてバランスをとるほうがどうであろうか、こう申上げているのでありますが、まあ併しそういう問題が一つ。それからもう一つは社会保險料等について控除するかしないか、この問題を一つ問題にしてみたいと思います。
 それからなおそのほかに、農民の所得につきまして勤労控除をしたらどうかという第二次シヤウプ勧告がございましたが、これがなお問題としましで理窟の上ではやはりあることでございます。そうしますと、ひいては事業主と一般勤労控除の問題が引出されて来る。そういつたようなことがあるのは御承知のことと思いますが、勤労控除に関しましてはそのようにいろいろな問題がございます中におきまして、これだけ六十一億も減るような措置をやりますのはどうも少し如何であろうか。この問題はもう少しこの次の機会に更に所得税法の改正を取上げます場合におきして、問題として研究するということにしたらどうか、こういう意味合いで今回は措置しないことにいたしたわけでございます。それともう一つは、これをやりますと中以上の所得者だけが利益にあずかる。それは当然だと言えば当然ですけれども、とにかく改正によりまして、それで減るということになりますので、残余の問題との関連におきましてやはり私どもとしましては愼重な態度をとらざるを得ない。こういう事情からいたしまして今回はこの点の改正はしないことにいたしたわけでございます。
#77
○小林政夫君 この五万円とすると六十一億減税になるわけですが、先般いろいろ問題になつた企業合理化促進法案によつて特別償却をすると十八億幾らの減税になる、減收になる。まあ十八億と六十一億は違いますが、あの減税の対象になる企業というものは相当高收益を挙げている企業でなければ恩典には浴しないわけです。それよりは恐らく主税局長自体も同じ均てんに浴されるわけです。この勤労控除について、十八億と六十一億と違いがあるが、まあああいつたものは私はむしろ企業合理化については金融措置を考えることが根本である。必ずしもあれによつて合理化ができる企業というのはそういつた措置をとらなくても相当高收益が上つているし、金の廻りはいい企業であつてやろうと思えばやれる産業である。民力を養うという意味からいつても、又勤労者の勤労意欲を高揚するという点からいつても、この勤労控除額の引上げに全力を注いで、先ずこれができてから他のそういう措置を考えるという考え方で行かれるべきじやないか、その点はどうですか。
#78
○政府委員(平田敬一郎君) 産業合理化法による特別償却でございますが、あの問題については前回も申上げました通りに、実は私どもああいう方向で或る程度経済政策に寄與するということは割合に考えやすいと申しましたのは、実は将来いつかは償却として経費に落すべきものを少し先に落すことを認める、ずつと調べまして将来ともに通じて考えますと実は絶対的な意味の減税ではない。当面としましては勿論減税でありまするし、従いましてそれによつて企業も利益を受けますし、そういう意味におきましてはまさに恩典を與える措置ではございますが、長い眼で見ますと必ずしもそうではないという点がございますので、割合にああいう措置は租税政策として考えますと、産業政策に寄與するとすればどちらかと申しますれば考えやすい、こういう意味で実はああいう政策をとることに賛成いたした次第でございます。で、その効果は十八億程度の減收になりますが、あれによりまして合理化が促進されますと、眼に見えない大きな効果を生ずる可能性も相当期待されますので、そういう点も考慮いたしまして賛成いたしたのでございますが、勤労控除の問題も同様にこういう措置をやりますれば、勤労意欲も増進しまして、或いはいい結果を生じないとは言いがたいとは思いますが、それほど緊密な結びつきを考えるわけにもちよつと参りません事情もございますし、それから一般所得につきましては、基礎控除、扶養控除或いは税率の改正等でやはり三万円で打ち切られている以上の人の負担も相当今回の改正で減つております事情もございますので、先ず今回としましては私どもそれを含めて賛成してもいいのじやないか、こういうふうに考えた次第であります。
#79
○小林政夫君 先ほど私も質問しようと思つたのですが、社会保險料の控除ですね、あれをやはりこれと同じようにどれだけ減收になるのか計算したのがあれば出して頂きたい。組合管掌の健康保險料、それから政府所管の健康保險、国家公務員共済組合、それから船員保險、四つあると思います。それはよつてどれだけの減收になるか、その四項目に分けてお出し願います。
#80
○政府委員(平田敬一郎君) 減收見込の表はあとで正確に計算しましてお出しいたします。
 保險料の支拂総額は来年の見込で六百五十二億程度、あらゆる保險を入れまして。それは勿論そのうちに納税者である部分とない部分。それから納税者でありましても税金が高いところと低いところというふうにございます。その結果幾ら減りますかということはちよつと正確なものは計算してみませんとわかりませんが、まあ六七十億程度は減るのじやないか。前に調べましたときにはそういう数字が出たようでありますが、なお来年の保險料の見込を整備しましてそれに基きまして計算して提出いたします。
#81
○委員長(平沼彌太郎君) それでは本日は委員会をこの程度において閉じます。
   午後三時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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