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1951/03/19 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第26号
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1951/03/19 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第26号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第26号
昭和二十七年三月十九日(水曜日)
   午前十一時八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           伊藤 保平君
           菊川 孝夫君
   委員
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           溝淵 春次君
           小林 政夫君
           田村 文吉君
           森 八三一君
           野溝  勝君
           波多野 鼎君
           菊田 七平君
           木村禧八郎君
  国務大臣
   通商産業大臣  高橋龍太郎君
  政府委員
   日本専売公社監
   理官      久米 武文君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省主税局税
   制課長     泉 美之松君
   大蔵省主税局税
   関部長     北島 武雄君
   通商産業省通商
   雑貨局長    徳永 久次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   農林大臣官房農
   林金融課長   林田悠紀夫君
   経済安定本部産
   業局次長    岩竹 照彦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農林漁業資金融通特別会計法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○塩田等災害復旧事業費補助法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○日本専売公社法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○相続税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) 第二十五回の大蔵委員会を開会いたします。
 農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
#3
○小林政夫君 これは改めて大臣にも予算委員会で質問するつもりですが、先般この大蔵委員会で漁業権の補償金に対する課税問題を審議した過程において、二十七年度の農林漁業資金融通特別会計には普通に予定された漁業資金以外に、漁業協同組合を育成する意味において紐付きで水産業に融通すべき金額として十億程度のものを計上して欲しいという要望を大蔵大臣と農林大臣、当時根本農林大臣に出席を求めて両方の言明をはつきり得てあるわけですが、手許にもらつておる資料で見ると、どうもはつきりしないのですが、その点はどうなつておりますか。
#4
○説明員(林田悠紀夫君) 漁業権証券の課税の問題を参議院の大蔵委員会で審議して頂いておりまするときに、漁業に対しまして十億ほどこの特別会計の資金から考えてもらいたいというお話がありましたことにつきましては、予算書を提出いたしますときの資金計画を作りましたときには十分承知しておらなかつたものでございますので、
○手許に差上げておりまする一番最初の予算書におきましては、漁業につきましては、水産業、漁港が二十六年度二億三千五百万円が五億一千万円、魚田開発九千三百万円が九千万円で、計水産業三億二千八百万円が六億でございます。そのほかに水産業としましては、共同利用施設であります製氷冷凍施設は千億を十一億、そういうことにいたしておつた次第であります。ところが、あとで、その話を聞きまして漁業のほうをどうしても十億ぐらい殖やさなければいかんということを考えまして、再び資金計画を、この資金の運用の面において考え直しまして、水産業のほうを多くして行きたいということを考えたのであります。それで、この資金の運用の計画といたしましては、水産業に対しまして昨年度十三億二千八百万円を二十三億三千万円に十億二百万円殖やすということにいたしたのであります。それで内容を申しますると、水産業の漁港と魚田開発につきまして三億二千八百万円を五億三千万円にいたしまして、そのほかに製氷冷凍施設の十億を十億五千万円にいたしました。そのほかに漁業権証券とからみ合せまして漁港の機能施設や、或いは漁業共同経営の施設とか、そういうものに対しまして、機能施設につきましては六千万円、共同経営の施設につきましては六億九千万円、合計しまして七億五千万円を出して行くということにいたしまして、結局十億二百万円ほど殖やすというふうに考えておる次第であります。
#5
○小林政夫君 そんなことはてんで問題にならないでしよう。全部で十億云云というようなことでは全体のこの資金枠が二百億円、昨年度は百二十億であり、本年度は二百億であつて、それは増加割合で行くと六割六分殖える。だから昨年度の水産業に対して、三億二千八百万円が五億三千万円になつたということは、全体の比率で当然なるべき額が殖えている。その千億は余分に出すということは、一応ここでは、この資料によれば七億五千万円が漁業共同利用施設として計上せられておる、製氷冷凍等については昨年度は十億であつたものが十億五千万になつておる。その七億五千万円も全体の……ここにあるこの意味がよくわからないが、七億は金融機関の自己資金による繋ぎ融資によるものとするということは、これは取りあえず出しておいてあとで埋めるというようなことでありますか、初めの計画の際に全然忘れておつたということは実に怠慢千万で、ここでわざわざ大蔵大臣と農林大臣に出席を求めて、特に農林大臣にも一応大蔵省はそういうつもりで予算を組んでも、農林省の部内において水産のほうをやらんということではいかんというので、農林大臣の特に出席を求めて、農林大臣からも了承いたしましたという言明をしておるのです。そういう今あなたの言われた説明では納得できないし、十分な我々の、この参議院のこの大蔵委員会全体の意向ですよ、それについて要望に副うて資金計画してあるとは思われない。この七億円は一体どういう方法でこれはやるのですか。
#6
○説明員(林田悠紀夫君) 七億円につきましては、全体で二百七億ということになつておるわけでありまするが、これは、この予算を編成しました一番当初におきまして、資金計画を急いで作りました場合におきましては、水産のほうを今言いましたように、まだそこまで各事項別に考えていなかつたものでございまするから、暫定的な案として作り出したのであります。そこで、そのあとで大蔵委員会の意見をお聞きいたしまして、それで直ちに編成替えをするということにいたしまして、そのために水産を殖やすということにしたわけでございます。それでそうしますと、全体では二百七億になりますので、これは予算の範囲をはみ出すということになりますので、その七億については金融機関から自己資金で出してもらうということになるわけであります。併しながら、その七億は水産について自己資金で出すという意味ではないのでありまして、これは本年度においても農地とかその他あらゆるものに金融機関が自己資金で繋ぎ資金を出しておりまして、四月になつたらすぐ乗替えるというふうなことにいたしておるのであります。それで水産の七億を自己資金の繋ぎ融資で出すというのではなくて、全体的に考えまして、そういうふうな予算からはみ出したものを、金融機関の自己資金の繋ぎ融資で考えてもらうということにいたしておるわけであります。水産については七億は余計に出して行きたいということを考えております。
#7
○小林政夫君 そうすると、その七億は一体どういうふうにやつて辻棲を合わすのですか。繋ぎ融資と言つても、結局は予算としては二百億しかこの特別会計にはない。その七億を金融機関の、恐らく農林中金でしようが、そのほうの別途資金で借りるということなんですか。
#8
○説明員(林田悠紀夫君) この会計として借りるのではなくて、それだけ金融機関の自己資金から当該の対象事業に対して支出してもらうということになるわけであります。
#9
○小林政夫君 自己資金から支出するということは、そうしたら、こういうことをやらなければ、当然それだけの、七億という農林中金は枠を持つておつて、そうして当然これは水産に行くとは限らないけれども、それだけ融資活動が殖えるわけですね。
#10
○説明員(林田悠紀夫君) そうであります。
#11
○小林政夫君 だから、それをただ水産へ枠付けをしたというだけであつて、この農林漁業資金融通特別会計の金を融通するということにはならない。漁業へ、水産へ金が行くということは間違いないでしよう。けれども、我々の趣旨は農林中金からもできるだけ水産業へ出してもらいたい。何もこの尻ぬぐいを農林中金でやつてもらおうと思つていない。農林中金は別途水産業にも当然七億くらいは……七億水産業へ紐付きすれば、農林中金としては、ぽかつとここでは七億円出たようだけれども、農林中金の資金の全体の枠から考えれば、水産をそれだけ減らすということが考えられる。だから、二百億というものが一応今年度の農林漁業資金融通特別会計の枠であれば、この枠内において、それだけの措置は当然考えるべきなんで、このはめたような計画を立てるべきじやないと思う。これは是非組替えを要求しなければならぬと思う。
#12
○説明員(林田悠紀夫君) その点はもうすでに国会のほうへ資金計画も提出してございましたし、そういう関係がございましたので、止むを得ずにこういうふうな措置をとつたわけでありまするが、併し水産業に対しましては、それだけは余計に出すということで誠意を持つてやつている次第でありまして、ちよつと事務の書類の手遅れでこういうことになりましたので、まあ十分一つ御了承願いたいと思います。
#13
○小林政夫君 それは誠意を持つてやつているところで、この二百億の中へ七億五千万円でも……二百億の中で十億ということは、必ず十億出すという言明は得ていないのですから、せいぜい十億の御期待に副うように考えますというだけであつたので、これは七億五千万円になつても、金額が七億五千万円になつたということについては止むを得ないという点もあるかも知れないが、これを今のように農林漁業資金融通特別会計の資金の枠外に持つて行つて、農林中金の金で出したというのは何もちつとも有難くない。ここでこれは参議院大蔵委員会の全会一致で要望をしたのです。それを忘れているなどということは実に怠慢至極だ、これはあなたに言つても……、あなたに一応言うだけのことは言つておいて、いずれ予算委員会で農林、大蔵両大臣に質問するつもりです。問題の所在だけ突きとめておけばいい。それでは納得できないです。そういうことじや、恐らく大蔵委員会としても問題にしてもらわなければならない。
#14
○委員長(平沼彌太郎君) それでは本案に対する質疑は午前はこの程度にいたしておきます。
  ―――――――――――――
#15
○委員長(平沼彌太郎君) 塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案、日本専売公社法の一部を改正する法律案、この両案について説明を聽取いたします。
#16
○政府委員(久米武文君) 只今議題となりました両法律案の内容につきまして御説申上げます。
 先ず塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案でございまするが、御承知の通り塩田等災害復旧事業費補助法という法律は昭和二十五年の十二月にできました法律でありまして、我が国における塩の需給の円滑を図り、国内で使う食用塩というものは国内で生産を確保するという大方針の下に、塩田災害復旧の万全を期するというための補助法でございます。現行の補助率は塩田及び濃縮施設につきましては十分の五でございますし、塩田堤防につきましては十分の六・五でございます。今度ここで御審議を願つておりますのは、昭和二十六年の災害が非常に激甚でありましたので、この激甚な災害を受けた地方におきまして現行の五割補助、或いは六割五分補助という補助率では、この災害の復旧が十分にできない。塩業者というものが自己負担に耐えられないというような関係で、補助率の引上をするという内容のものでございます。塩田につきましては五割補助から八割補助に引上げる、それから塩田堤防につきましては六割五分補助から九割補助に引上げる、そういう内容に相成つております。その被害の激甚な地域というものは、公社の総裁が指定するということに相成つておりますが、大体今回の改正法によりまして、災害の激甚な地域として指定を受ける地域は、中国地方、四国地方、九州、東のほうは愛知県の一部あたりまで含まれる見込みでおります。これによりまして、我が国における塩の生産確保に資したいというのが狙いでございます。
  次に日本専売公社法の一部改正の法律でございますが、これはすでに、国会を通りました財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律、あれと大体平仄を合わせた改正でございます。今回公社につきましても繰越明許費というものを設ける。これは営繕の工事等で、その年度内に仕事を終らない見込のあるものについては、あらかじめ国会の議決を経て繰越かできるというふうにするというわけでございます。これは財政法等の改正と全く同じ條文に相成つております。次に公社法の第四十三條の三というものの中の一部改正でございますが、これは従来ありまするところの事故繰越、例えば工事をやつていて資材が十分に入手できなかつた、或いは天候の関係、労力の関係で、予定通り工事が進捗しなかつたといういわゆる事故繰越の場合の規定でございますが、今回改正する要点は、事故繰越の場合に、例えば工事でありますると、工事の監督旅費、工事関係の通信その他のいろいろな事務費、要するに附帶する関係、経費も一緒に繰越ができる、そういう改正でございます。なお第四十三條の十八と申しまして、これは公社の取扱いまする業務上の現金の問題でございますが、業務上の現金につきましては、現行法で国庫に預託しなければならない。但し、現金を安全に取扱うため、日本銀行の支店又は代理店を簡便に利用できないときは、郵便局又は市中銀行に預けることができるという條文に相成つておりまして、問題となりまするのは、主として葉たばこの收納の場合でありまするが、国庫の代理店が近所にない、郵便局或いは銀行法にいうところの銀行というものも近所にないという場合に、必要に応じまして農業協同組合を使うという改正の点でございます。
  なお申し落しましたが、第三十六條に次の一項を加える。予備費の規定のところに一項を加えたわけでありまするが、専売品の売上の増加の場合、具体的に申しますると、たばこが予算で予定した事業計画以上に非常によく売れたというふうな場合には、需要に応じまして、たばこを余計に作らなければならないわけでございます。そういうふうな余計にたばこを作らなければならないという場合には、そのための経費をどこに財源を求めるかという問題があるわけでございます。そのたばこの売れ行きがよくて、たばこを余計に作る場合における直接必要は製造費、販売費等は、費算の定めるところに従つて増加收入の一部を充当することができるのだという規定でございます。これは日本国有鉄道におきましては、すでに現行法に規定がございまして国有鉄道におきましては業務量の増加によつて増收があつた場合には、その一部を経費に使えるという條文がございます。これと全然何と申しますか、相対応するところの内容の規定である。そういうふうに御了承願いたいと思います。
 以上大要でございますが、御説明申上げました。
#17
○小林政夫君 先ず塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案について、この改正案は昭和二十六年に発生した災害に限り、災害の甚だしい一定の地域内における塩田等の災害復旧費に高率の補助を與えることができるという意味の條文でありますが、災害復旧の補助に関する法律としては本補助法のほかに、同様趣旨の法律として、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律と、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法とがあります。これら二法律の改正法案は、まだ国会に上程されていないようでありますが、聞くところによると、これら二つの法律については今回の補助法改正法案と大体同内容の改正が二十六年度のみに限らず、恒久的な改正としてその法案が用意されているとのことであります。塩田等の災害復旧事業に対する高率補助の必要が今年度限りでなくなるものでないことは、農林水産業関係等と全く同様の事情にあると思われるのであります。この塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案につきましても、当然恒久的な改正とすべきであると信ずるのでありますが、この点についてはどうですか。
#18
○政府委員(久米武文君) 只今御指摘の通り、この塩田等災害復旧事業費補助法の一部改正によりまするところの補助率の引上げ、この引上げ方は、間もなく国会に提出されるであろうところの農林水産業関係の施設というものの災害復旧の補助率と同じことに相成る見込みでございます。法案は三つ揃えまして検討いたしております。ただ手続的な関係で農林水産業等の提案が遅れているのではないか、そういうふうに私ども考えております。
 なお、なぜ、この塩田だけを臨時立法として恒久法としなかつたかという点でございまするが、これはこの塩田等の場合には二十六年度予算で実施をしたいと考えておりまして、近日、国会の御承認を頂きますれば公布手続をとりまして、本年度内に、三月末日までに補助金の交付をいたしたいということで非常に急いでおりました。農林水産業等が恒久法になる場合におきましては、こちらのほうも一つ法案を撤回して恒久法として出すということも、いろいろ考え得るのでありまするけれども、時間的な制約の関係で、撤回して恒久法として再提出をする時間の余裕がございませんので、今回は臨時立法として御審議を願いまして、次の国会に恒久法に置き換えるという含みを持つておりまして、衆議院の大蔵委員会においてもその旨お答えいたしてあります。必ず恒久法に次の国会ではいたす、こういう含みであります。但しそれは農林水産業等の災害復旧の補助が恒久法になるという前提の下にこちらも恒久法に揃える、そういうつもりであります。
#19
○小林政夫君 次は日本専売公社法の
 一部を改正する法案ですが、今説明もあつたように、こういうふうな改正をすると、国鉄と同じように予算総則等において、はつきり「予算の定めるところに従つて」というので総則に入れなければならない。今度は入つてない。いつからこれはやりますか。「公布の日から」となつておりますが。
#20
○政府委員(久米武文君) この第三十六條の関係でありまするが、「この法律は、公布の日から施行する。」、制度的にはその日からこの法律は施行になるわけでございますが、実際の運用と申しまするものは、予算総則にこの関係の必要な條項の御審議を頂きまして、予算総則が改まりましたのもに実際の適用が行われることになつております。
#21
○小林政夫君 だから、予算総則には、今提案されている二十七年度予算にはないのですから、だからいつ、こういう趣旨は成るべく早くやりたいのだと思いますが、一体どうするつもりですか。修正案を出すのですか、予算のほうの。
#22
○政府委員(久米武文君) 差当りこの條項を実際に動かすという必要はそう差迫つて考えておりませんので、制度としてはここで確立をいたしたいと思いますが、恐らくこれは次の国会において予算の御審議を願う際に、予算総則の問題として御審議を願うというふうに考えております。
#23
○委員長(平沼彌太郎君) 本案に対する質疑は、午前はこの程度にいたしておきます。
  ―――――――――――――
#24
○委員長(平沼彌太郎君) 次に所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法の
 一部を改正する法律案、右三案について質疑をいたします。
#25
○政府委員(平田敬一郎君) 昨日、資材について、小林委員から青色申告者に対する更正決定の状況のお尋ねがございました次第でございますが、それにつきまして現在わかつておりますものを申上げたいと思います。昨日、法人のほうを申上げましたが、個人につきましては、昭和二十五年度分でございますが、失格者を除きまして、青色申告をした結果、納税義務があるもの、その総人員が八万九千二十七名、その税額が五十四億五千万円、それに対しまして修正申告をやつたのが七千八百三十四人、それで税額がそれによりまして殖えましたのが二億五千百万円で、修正申告の話に応じないので止むを得ず更正決定いたしましたのが百六十四名、その税額が七百九十七万余円、大体こういう状況に相成つている次第でございます。
#26
○小林政夫君 昨日ですね。まあ昨日のみならず、あなたはしよつちゆう言われているのですが、農民の勤労控除ですね、これを今の勤労控除の限度の引上げ及び生命、社会保険料の引上げに関連して上げるということですが、今の農民の納める税というものは、所得税のパーセンテージから言うと非常に僅かな分になつていると思います。そうして勿論これは、農民のほうも税は下げるべきですけれども、一体あなたの考えておられる、まあやらなければならんと思つておられる勤労控除を農民についてやれば、どのくらい減つて来ることになるのですか。
#27
○政府委員(平田敬一郎君) これは先般申上げましたように、今の段階においてやらなければならないとまでは考えておりません。理論上は確かに、そういう問題は問題として考えられるわけでございまして、そういう議論に対しまして、理論上そういう議論は正しくないという考え方はやはりとるべき点があると思います。従いまして、やはりこの問題は私どもも問題としまして将来もなお研究の余地を残して置く、こういう意味合いにおいて申上げている次第でございます。今年はそういうテーマを延ばしましたのは、むしろどちらかと申しますと、基礎控除を一般的に相当大幅に引上げたほうがよりいいのではないか、こういう考え方で、まあそちらのほうを優先的にやりまして、実は各種の勤労控除の問題は今年は取上げないというふうにした関係もございますので、今御指摘の点につきましては正確な計算をしたものを手許に用意してないのでございますが、検討いたしました際にはたしか四、五十億円程度でございますから、一割の勤労控除を認めるということにいたしましたような現象になるかと考えている次第でございます。ただ農民の負担は所得税の基礎控除、扶養控除、それから今度は家族専従者の控除等によりまして、相当二十四年からしますと大幅に減少して来ておりますので、実際問題といたしましても今急いでその問題を取上げる必要もなかろうかという、そういう趣旨も酌みまして見合せることにいたしたのでございます。理論上の問題として将来なお残るという意味において申上げていることを御了承願います。
#28
○小林政夫君 今の御趣旨はよくわかつたのですが、実際問題として五、六十億円も減りますと、今の農民の納めている所得税の全体の所得税のパーセンテージから言うと二分五厘くらいになるのです、三%弱くらい……。税額から言うと、それは相当農民のかたもなかなか苦しいのですが、今の税を納めている額等から考えて、勤労控除の最高限度を引上げることと、今の生命、社会保險料の控除と並べて考えると、どうも順番を付ければ……それも併せて考えなければならんということは、まあ考えるとしても後に考えればいい。まあ問題としては、先に考えるとすれば今の二つのほうが優先するのではないかと思うのですが……。
#29
○政府委員(平田敬一郎君) どちらが優先するか恐らくいろいろな考え方があると思いますが、こういう問題はやはり私は抽象的にはなかなかきめに
 くい。やはりそのときのいろいろな計画を立てる際におきまして、実際の負担、或いは財政需要、或いは資産関係全体としてどうなるかという点を噛み合せて考えなければならんと思いますので、昨日も申上げましたように、今抽象的にこういう措置は一番先にやるべきだということはちよつと申上げにくいと、そういう趣旨の問題ではなかろうかと実は私どもは考えている次第でございます。
#30
○大矢半次郎君 この讓渡所得等の課税の実績の資料を頂きましたが、株式等有価証券の讓渡所得は非常に少いのであります。殊に今度十万円ですか、十万円以下は非課税にするということになると非常に減つてしまうので、殆んどこれは政府として残して置く価値が果してありや否や。徒らに世間の非難が高くなり、実績が挙らんというような気がいたします。その他、不動産の讓渡所得も少いのでありまして、税制の簡素化等の見地から、一切これらはもう問題の多い事柄ですからして廃止するということも考えていいのではなかろうかと思いますが、如何でしようか。
#31
○政府委員(平田敬一郎君) その点、私どももいろいろ研究したのでございますが、まあ取りあえず多数の納税者を相手にすることはよしたらどうか、こういう意味で十万円の控除を再評価税と讓渡所得税と両方に設けることにいたした次第でございます。まあそうなりますと、殆んど大部分の納税者の場合におきましては、讓渡所得の問題は余り問題にする必要がないということに相成るかと存じますが、ただ併し、相当やはり不動産でも株式でも、まとまりまして売買して、相当な儲けがあるという場合におきましては、これは收入という見地よりも、やはり所得税の負担の見地からしまして、そういうのを今思い切つてすぐ無視するわけにも行くまい、こういう点も考えまして、十万円の控除ということにいたした次第でございます。併しこの問題につきましてはお話のような意見もありますので、なお将来研究して見たいと思いますが、ただ私どもとしましては全然非課税にしてしまうのがいいかどうかという問題になりますと、やはり理論的には相当問題の余地が残る。実際問題といたしましてもこの株式等の表に示しておりますように、主たる場合は大体八十五人で八千七百万円という一応減免になつておりますが、まあ一人当りやはり百万円程度の株式の売買による利益が出たのを、恐らく申告と若干の調査と、それによつて出て来ているような事情もございますので、個人的に申しますと、やはり理論を申しますと、こういう問題は大矢さんも御承知の通り、思い切つてしまえばそれまでだということでございますが、まあ所得税の理論上は思い切れない節もあるということを考えましてまあ妥当な措置は講ずべきではないか。この問題は、私どもも御指摘のような点もございますので、この次の問題としてよく検討して見たいというふうに考えている次第でございます。なお、この資料は、二十五年度分がこの税制改正による新らしい資料でございますが、従来の讓渡所得税を再評価税と讓渡所得税と両方に分けましたので特に少くなつておりますが、再評価差額を参考に括弧して入れておりまして、その二つが実は以前の讓渡所得税に相当するもので、合計したものである。まあそういう趣旨で御了承願いたいと思います。それからもう一つはこの種の所得はなかなか短期間に調査するのが困難でございますので、相当遅れて実は調査いたしまして、そうして申告なり、更正決定をするという場合がなお相当残されているのではないか、そういう点も併せて御考慮願いたいと思う次第でございます。
#32
○大矢半次郎君 主たる場合と従たる場合とは、どういう区分なんですか。
#33
○政府委員(平田敬一郎君) ほかの所得に比べまして、株式なり不動産の売買による所得のほうが多い人です。半分以上がつまり不動産の讓渡或いは株式の讓渡による所得であつた人、そういう人を一応分けて計算いたします。
#34
○大矢半次郎君 理論上はあれだと思いますが、実際上はこういうことになつている。従つて大部分は課税を免れてたまたままあ何と申しましようか、古いようなものがひつ捉まる、こういうようなことは果して税制の上から容認すべきかどうか。課税する建前ならば、一応その範疇に入るのは相当程度洩れなく課税されるというあれでなければ意味をなさん。却つて全体の上からいつて非常に不均衡なものになるのじやなかろうか、そういう見地からいたしまして、むしろ税收入も少いし、やはりこれは考え直して見るべきではなかろうかという気がいたしますが。
#35
○政府委員(平田敬一郎君) 私はまあ将来これを残すか残さないかは、今申しましたように研究したいと思いますが、仮に残すという場合におきましては、やはり主としてまとまつてそういうものによりまして、利益を得た人、こういう人を中心にいたしまして、できる限り探聞個別等の調査によりまして、適正な所得をつかまえて行く、それによつて公平を期するということにしたらどうか、で、その意味におきましては、俗な言葉で申しますと、課税範囲を大いに縮小いたしたい。零細なものは、これは相手にいたしましてもなかなかむずかしい。数も多いし、又調べましても費用倒れになるというようなことになりまして、小さいものは税法で頭から除外することにいたしまして、相当まとまりまして利益があつた場合に、そういう人を中心に的確な調査をして行く、そういう方向に行けばやはり或る程度の、完全とは言いにくいですが、或る程度の目的は達成し得るのではないか、かように考えておるのでございますが、株式の問題でありますとか、不動産の場合はどうするか、その他の場合にも理論的にはいろいろ問題がございますので、なお併し、そういう点もよく将来研究してみたいと考えておる次第でございます。
#36
○委員長(平沼彌太郎君) 委員会はこれにて休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十五分開会
#37
○委員長(平沼彌太郎君) 午前に引続き委員会を会開いたします。
 農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。質疑をお願いいたします。……別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお願いいたします。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決を行います。農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、これを原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#40
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致でございます。よつて本会は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお諸般の手続は委員長に御一任願います。それから多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    菊田 七平  大矢半次郎
    森 八三一  伊藤 保平
    波多野 鼎  田村 文吉
    木村禧八郎  黒田 英雄
    小林 政夫  溝淵 春次
  ―――――――――――――
#41
○委員長(平沼彌太郎君) それでは塩田等災害復旧事業補助法の一部を改正する法律案、これについて質疑をお願いいたします。……別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないものと認めます。これより討論を行います。御発言のかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決を行います。塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#44
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきも一のと決定いたしました。
 なお諸般の手続は委員長に御一任願います。それから多数意見者の署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    菊田 七平  大矢半次郎
    森 八三一  伊藤 保平
    波多野 鼎  田村 文吉
    木村禧八郎  黒田 英雄
    小林 政夫  溝淵 春次
  ―――――――――――――
#45
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#46
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。日本専売公社法の一部を改正する法律案、これに対して質疑を行います。
#47
○田村文吉君 今度の三十六條の二項ですか、「公社は、前項の予備費を使用して、なお事業のため直接必要とする歳出予算に不足を生じたときは、予算の定めるところに従い、専売品の売上量の増加により收入の見積をこえる收入に相当する金額の一部を事業のため直接必要とする経費に使用することができる。」と、こうなつておりますが、もと、よくありました労働組合との折衝の結果、最後に裁定が下る場合ですね、その場合、予算上、資金上都合できる場合には拂つてやれ、別に国会の承認を得なくてもいいというようなことで、過去においても一、二の例があつたようでありますが、そういう裁定があつた場合には、そういうときには收入も多いのだから、そのほうに、人件費のほうに出してもいいという解釈はできますか、できませんか。
#48
○政府委員(久米武文君) 只今の三十六條に次の一項を加える」、この修正点でございまするが、この立法の趣旨はたばこ等の売行きがよくて、予定しました事業計画以上に売れる。そういたしますると、例えば光を二十億本余計に作らなければならないというふうな事態が起る。その場合に、予定した事業計画以上に光を二十億本なら二十億本作るに必要な製造費及びその二十億本のたばこを小売店まで持つて行くに必要な販売の諸経費、大体申しまして、製造及び販売に必要な諸経費、尤もそのうちには若干一般予算科目としては一般管理費というふうなものも含まれますけれど、主たるものは製造及び販売の経費でございまして、従いましてたばこを余計作りますためには、作業時間の延長が起りまするから、超過勤務手当は当然にここに出て来るということを我々想定いたしております。併し今特に仲裁裁定云々というお話がございましたが、仲裁裁定の内容が若し一般的な公社職員の給與ベースを、例えば幾らまで引上げるというふうな内容のものでございましたら、その場合は直接この條文からは出て来ないと考えております。
#49
○田村文吉君 今御答弁のありましたように、要するに製造費及び販売の費用というものが殖えるからそれに対しては出して行くつもりだ。その製造費という中には、無論工賃も当然経常費なんだから、そこでその製造する人たちの励みになる、つまり能率を挙げた場合に若干のあれを上げるというようなことができるかできないかという問題は、今の御答弁ですと分増しをやる、時間外勤務をやるというものは拂えるけれども、例えば賞與金、あなたがたがよく働いたから能率がよく挙つた、それで公社としての製品が殖えた、だから若干殖やしてやることができるかできないかということを先ずお伺いしたいのですが、その点はどうですか。
#50
○政府委員(久米武文君) 只今の点は、結局、例えばたばこの製造工場等におきまするところの就業の能率が向上したという場合のこれに対する報奨的な経費、例えば一例を申しますれば生産報奬金というようなものをお指しになつたものと思いまするが……。
#51
○田村文吉君 そう……。
#52
○政府委員(久米武文君) そのたばこを、例えば光二十億本なら二十億本余計に作らなければならんというときの超過勤務手当は勿論必要でございますし、それからそのときの客観的な情勤で生産報奨金も余計にしなければならんというふうな客観的の状態でありますれば、勿論これは考慮しなければならんかと思いますが、それは具体的の個々の場合によつて判断されるだろうと思います。
#53
○田村文吉君 それはまあ夏には、暑いであろう、だから氷水をとつてやるというような程度でやる程度のものなら無論問題はないのですが、そういうものでやるということがいろいろの弊害がありまして、結局或る程度能率が上つたから能率賞を出してやるというようなことを専売公社としては現におやりになつておるのか、又今後この適用によつてそういうことがやり得るのかどうかということをお伺いしたいと思う。
#54
○政府委員(久米武文君) この能率増進の場合に、公社としてとるべきいろいろの方法につきましては、例えば合理的な賞與制度の問題というふうなものは、かねて当委員会でもいろいろ御意見が出ておりまして、私どもお答えいたしておるのでございまするが、公共企業体の職員に対する合理的な賞與制度の確立というものは非常に重要な問題と考えまして、専売公社内部におきましても、我々大蔵省のものといたしましても、目下いろいろ研究を進めております。この只今御審議願つておりまするところの第三十六條の第二項から直接そういうふうなものが出て来るかという点になりますると、ちよつと問題が趣きを異にしております。今御指摘になりました問題はこの條文からの直接のものではないと考えております。
#55
○田村文吉君 いや、この條文に関係があつてもなくてもそういうことができますかということを聞いてあるのです。
#56
○政府委員(久米武文君) 現在のところ能率増進の場合の報奨的な金と申しまするか、支給する金といたしましては、生産報奨金という制度がございます。
#57
○田村文吉君 大体わかりました。又そういう制度が公社にある限りにおいては大いに奨励して、能率が上つたらやるというふうなことになさることが、公社としての使命を全うするゆえんじやないかと、こう考えるのが一つ。併しながらそういう制度がおありになるというのであれば、別にあえてこの條文が入つたからできるのではなくて、前からできるということなんですね。それならばそういうふうに了解いたしておきます。それで初めに戻りまして、第二の裁定があつた場合において、資金上、予算上、云々という問題の場合に、これの適用が絶対できないという何か反対的な論拠でございますか。それは利益のない場合は別でありますよ、利益が相当にあつて而も予算上、資金上においてそれが拂つてもやれるという場合に、裁定があつたというときには、それはやれるのですか。或いは予算総則等において抑えられていてやれないのか、その点をはつきり一つ。
#58
○政府委員(久米武文君) 仲裁裁定がありました場合は、問題は専らこの予算上、資金上可能かどうかということでございまして、可能な場合には当然に政府はそれに拘束されます。公社もその裁定の内零に従いました実行をいたさなければならんことは、もう当然のことでございますから、この只今の條文と離れまして一般的な問題としてのお尋ねの点は、そのとき、その年度、その年度の予算総則を見まして、予算総則に見まして、予算上可能であれば、政府はそれに従つて実行いたすということに御了解願いたいと思います。
#59
○田村文吉君 そうすると、この條文にはその解釈は出て来ないとおつしやるのですね。例えばこの條文なんかに書いてある売上げの増加によつて收入が、或る程度見込んで置いた予算よりは余計入つたという場合においても、予算総則なら予算総則で縛られるから、そういう点は絶対これからは手が出て来ない、こういう意味ですか。
#60
○政府委員(久米武文君) 問題は専らそのときの予算総則に何と表示してあるかということにかかるわけでございまして、ここの三十六條第二項の「予算の定めるところに従い」というものは、予算総則で定められるわけでございますから、例えて申しますると、若し予算総則にこういうふうな字が書いてあつたといたしまするならば、可能だと思います。これは仮定で申上げます。若し予算総則に、予算で予定したたばこの売上量を超える売行きのために一定数量のたばこを余計に作り販売するときには、その公社売渡価格の一割に相当する金額は使用することができるということが若し書いてありましたら、予算総則にそういうふうに機械的に定額が支出されるように書いてございましたら、それは予算の一部をなすものとして、それが当然に今申されましたような仲裁裁定のための実施のための財源に充当されると思います。
#61
○田村文吉君 その予算総額できめてあればおつしやるのでございますが、このこと自体が、第二項自体がすでに予算総則にきめられたことに該当するような文句でありますし、事業が殖えたために経費が殖えたら予算以上でも出せるのだということを、一方に言つておけば、給料の費用でも、もうやつぱり演繹してそういうことは言い得るのじやないか、こういうふうに解釈するのでありますが、何か人件費に対しては予算総則のこの條項によつて絶対にこれは給與ベースについては変えられませんとおつしやるのか、そこを一つ……。
#62
○政府委員(久米武文君) 現在の昭和二十七年度政府関係機関予算というものにおきまする予算総則におきましては、第二章、日本専売公社の第六條に、昭和二十七年・度におきまするところの公社の役員及び職員に対し支給する基準内給與の額とか、基準外給與の額、給與の総額というふうなものが規定には相成つております。なおこの御審議を願つておりまする第三十六條に一項を加えまするこの改正、これに対応いたしまする予算総則は、只今御審議願つておりまする予算総則中にはこの條文がございませんので、これは次の国会におきましてこの第三十六條第二項に対応する予算総則の條項を入れたいと考えております。まだ現在は條項がございませんので、法制的にはこういうことに相成りますけれども、実際に動き出しますのは、次の国会におきまして予算に挿入されたのちと、大体そういうふうに考えております。
#63
○田村文吉君 くどいようでありまするが、今の予算総則の第六條に基準外の給與は九億一千三百二十五万七千、こういうふうに全額が切つてありますね、あるのに先の御説明から言ふば、時間外勤務だとか、そういつたものは拂つていいのだと御解釈になると、その点どうもはつきり……、給與ではつきり切つてあるのか、殖やせるのか、そういう点がちよつとはつきりしないのですがね、その関係はどうですか。
#64
○政府委員(久米武文君) 基準外給與或いは基準内給與の額と申しまするものは、この予算総則第六條にございますが、この第六條には但書がついておりまして「この予算にもとづき作成した給與準則を実施するため必要を生じた場合において、前條の規定による流用により基準内給與の額、基準外給與の額及び給與総額の変更につき、大蔵大臣の承認を経たときはこの限りでない。」という條項がございますね。
#65
○田村文吉君 それは無論です。
#66
○政府委員(久米武文君) で、結局時間外勤務が必要だということが起りまして、この総額の変更につきましていろいろ実際に適合するような措置がとられる場合もあると御了察願いたいと思います。
#67
○田村文吉君 それじやはつきりして来ましたから……。第二項というものには人件費の増額というものは全然入つていないというふうに了解してよろしいですね。
#68
○政府委員(久米武文君) この條文には例えば給與ベースの変更とかいうふうな人件費の増額は含まれていない。ただ先ほど申上げました通り、超過勤務の支給はこれはできる。
#69
○田村文吉君 超勤はこの中に含んでもいいし、超勤以外のものは含まないということになるとちよつとおかしいのです。超勤以外の関係は第六條ですが、大蔵大臣が認可すればいいという條項があるからここに別に改めて法律としてやる必要はないということになるのでしよう。だからここにお書きになつている第二項というのは、人件費というものは含まないので、実際に製造するために材料が多くなり、販売するために運賃が殖えるというものしか含んでいないのだと、こういうふうに解釈せざるを得ないのでありますが、そういうふうでいけないのですか。
#70
○政府委員(久米武文君) 事業のため直接必要とする経費といううちにはたばこを作りまする原材料のほかに、職員の例えば超過勤務手当とかいうものは入る。これは事業のため直接必要とする経費であります。
#71
○田村文吉君 まあ、そのくらいにしておきます。
#72
○委員長(平沼彌太郎君) 専売公社に対する御質問ありませんか。
#73
○木村禧八郎君 ただ一つですね、これはどなたか御質問したか知れませんが、最後の預金のところ、特に今度ああいうふうに大蔵大臣が指定する金融機関ということに直しましたが、あれはどういう意味ですか。
#74
○政府委員(久米武文君) これは葉たばこの收納をいたします場合に、公社としてどういう金融機関を使うかという具体的な問題でございます。従来は郵便局又は市中銀行がありまして、この市中銀行と言いますのは銀行法に言うところの銀行、そういうふうに従来解釈があるわけでございます。その銀行法の下におきまして、例えば相当交通不便な田舎などで事実上農協を使つているように見える場合がございます。銀行法の解釈といたしましては公社が直接相手としているのは市中銀行である。市中銀行と農協との間に契約関係があつて、或いは市中銀行の下請として農協がやるとか、或いは農協の職員を市中銀行が雇い入れたような形で事実上手伝つてもらうというふうな関係であります。今度そういうふうな交通不便の場所におきまして、葉たばこの收納をいたします場合には、農協それ自体を公社と直接結付けることができるように、そういうような制度的にまあややあいまいに見えたり或いは疑問を持たれたりする向きに対して、制度を明らかにするという意味でございまして、今度大蔵大臣の指定する金融機関という字を使つてはおりまするけれども、この農協以外に新らしい金融機関を認めようとするような意思は全然ございませんです。
#75
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですが、質疑は終了したものと認めて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います……。別に御発言もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決を行います。日本專売公社法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお諸般の手続は委員長に御一任願います。それから多数意見毒中の署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    菊田 七平  溝淵 春次
    森 八三一  黒田 英雄
    木村禧八郎  田村 文吉
    野溝  勝  伊藤 保平
    大矢半次郎
  ―――――――――――――
#79
○委員長(平沼彌太郎君) 次に関税定率法等の一部を改する法律案(予備審査)について質疑を行います。
#80
○野溝勝君 この際、通産省、安本、大蔵関係当局に対して質問をいたしたいと思います。只今議題になりました法案でありますが、その法案の提案理由を見ますると、私どもには要領を得ない点があるのでありますが、その点を一つ明らかにしておいて頂きたいと思います。「国内関連産業の保護育成及び財政收入の増加を図るため砂糖等の関税を引上げ、児童給食用の乾燥脱脂ミルクについては、その用途の特殊性にかんがみ輸入税を免除するとともに、原油、重油、新聞用紙、大豆、船舶、建染染料、重要機械類等の重要物資については、さらに一年間輸入税を減免する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」、こう書いてあります。そこで更に一年間輸入税を減免するというのですが、昨年の国会における関税定率法一部改正の中にはかような種目に入つておらないように思つておるのですが、これは前法案との関連においてどういうふうに解釈したらいいのですか。私は要領を得ないのです。例えばですね、新聞用紙は確かに三月まで延期するということになつておる。油の点も定率法の中に入つておる。併しほかの種目に対しましては昨年関税定率法の一部改正の中には入つておらんように思つたのですが、これを更に一年間輸入税を減免するというのですが、どういう意味か、その点を一つ朗らかにして頂きたい。
#81
○政府委員(平田敬一郎君) 理由書は非常に簡潔に書く趣旨でできておりまして、十不十分なところがあるかと思いますが、この砂糖等の関税を引上げますのは、主として国内産業の保護並びに財政收入の増加を図る、このために砂糖などの関税を引上げる。ここまでで一つの文章になつております。それから諸般の見地から兒童給食用の乾燥脱脂ミルクにつきまして輸入税を免除する、そこまでが又一つの文章でございます。それからその次が原油、重油、新聞用紙、大豆、船舶、建染染料、重要機械類などの重要物資につきまして、更に一年間輸入税を減免する、これが一つの文章になつておりまして、今お尋ねのような点は、最後に並んでおります品目については新聞用紙だけで、ほかには関税定率法では免税がないのじやないかというお尋ねでありますが、その点は実は昨年の通常国会に関税定率法の全面的改正をいたしましたのでございますが、その際に重油、原油、大豆、船舶、建染染料、重要機械、この種のものにつきましては、暫定的に一年間免税するというふうになつておりまして、それがこの三月で免税期間が切れるということになりますので、これらをもう一年延ばしたい、こういう趣旨でございますので、御了承願いたいと思います。
#82
○野溝勝君 重要機械というのは定率法改正の中にはあつたように記憶しておりますが、減免乃至延期の中には記憶しておらないのです。その点を明らかにして頂きたい。
#83
○政府委員(平田敬一郎君) その点は條文がちよつと別になりますので、非常にそのようにおとりになるのも御尤もなのでございますが、この附則の第六項で別項にいたしまして、重要機械に対しましても一年間減免できる、まあこういう規定を、昨年これは国会の修正であつたかと思いますが、設けることにいたした次第でございます。で、この如何なるものを軍要機械として減免するか、これは命令で規定することになつておりまして、その点は詳細に命令で規定しておる次第でございます。
#84
○野溝勝君 まあそれはその程度にいたしまして、今回関税定率法の一部を又改正せられることになつたのですが、政府は大きな変化のない限り一年一年に法案を改正されるようなことでは、不見識じやないかと思うのです。大きく事態が変化したという事態があれば別でございますが、さもない限り特に関税定率の改正法案を出して変えなければならんほど、事態は大きく変つたのですか。この点一つこの際お承わりしておきたいと思うのです。
#85
○政府委員(平田敬一郎君) これは、今御指摘になりました一年限りの免税の措置をとつているものに対する、主としてお尋ねかと存じまするので、私のほうから先ずお答え申上げますが、御承知の通り、昨年関税定率法につきましては全面的改正をいたしまして、戰後非常にインフレのためにノミナルな税率になつておりますのを、まあ全面的にその時としまして適当と考えられる従価税率に改めることにいたしたのでございます。その際におきまして、然らば将来のことを考えて、全割一律に新聞税定率法で実施するほうがいいかどうか。この点につきましてはまあやはりいろいろ問題がありまして、我が国の経済がなお完全に自立と申しますか、或いは戰前に復興すると申しますか、或いは非常な異常な問題。がないという事態にまで現在来たつていない。従いまして、中には将来といたしましては関税率を設けまして相当保護する必要があるのであります。差当りといたしましては、やはりこの際日本に緊急なるものとしまして輸入する必要がある、そういう物につきまして暫定的に或る程度免税をするということは、これはやはり経済の実情からしまして必要ではないかと、まあそういう見地から主として考えまして、一年間は免税する制度を設けることにいたした次第ででございます。従いまして、こたは飽くまでも経済がなおまだ平常に復していないことによる特別な措置でございまして、建前といたしましては、従いまして成るべく短期間が望ましい、で、そういう意味で一応一年間ということにいたした次第でございますが、一年間といたしましたのは、一年限りで完全にもうよくなるという意味ではない。ひと先ず一年にしておきまして、なおその後の事態を見た上で延長の必要がある場合は更に延長しよう。こういう意味で一年間減免すると、まあこういう規定を設けた次第でございます。まあ、このようなことは昨年の関税定率法の全面改正の経緯、並びにその当時並びに現在におきまする我が国経済の実情からしまして、やはり成る程度こういう措置を合せ用いるということは、これはどうもいたし方ない、或いは場合によりましてはそれがより望ましい措置であると実は考えておる次第でございます。具体的にどの品目が果して望ましいかどうか、これは各品目ごとにつきましてよく御審査を煩わした上で、妥当な結論を下さなけばならんと思いまするが、一般的にやはりそういう事態がありますことは、これは私どもとしましてもそういうふうに考えざるを得ない事情がございますことを御了承願いたいと思います。
#86
○野溝勝君 主税局長は衆議院からお招きがかかつておるようでございますのど、私はあなたがそちらを終つてから更に質問したいと思いますから、この一点だけ聞いておいて衆議院から帰られてから質問を継続したいと思います。というのは昨年関税定率法の一部を改正する法律案の提案理由の中に、第一点は平和條約の発効に伴い、特に條約第二條の規定により明確に該当する地域等々の問題、その他條約の効力発生後を見込んでこの関税定率の一部改正を出したわけなんですね、提案理由の中に……。そうすると相当私は国際情勢、国内情勢を睨み合わしてこの法案を出したものだと思います。併しこれだけのものを出しておきながら、更に今回又前回と同様法律案を出すということは、私はいわゆる立案に対する計画性が思い付きじやないかと思う。皮肉ではありませんけれども、国会を軽く視ておりやせんかと思うのです。そんな不見識では困ると思うのです。あなたたちは不見識でないというかも知れませんが、一年々々に同一法案が出されるんでは……、特に客観的情勢が変れば別ですが、さもない限りにおいては、さような点については十分注意して頂きたい。更に質問といたしまして特に政府にお聞きしておきたいのは、一体この関税法は明治三十二年日露戰争前にできたものが今まで活きているわけですね。そうして定率法もこれは四十二年ですか、かような古臭い法律を基本にしていろいろなものを提案されちやこれじや迷惑です。ですからこれはむしろ国会で議員提出の法律案で出せばいいのですが、この点は自由党の天下でございますから、如何せん残念でございますが、若し政府のほうから進んで私は新らしき事態に処する関税法なり、或いは関税定率法なりを出す意思があるかどうか、又かようなことについてはどういうふうに考えておるかという点を一つ平田さんからお聞きして、あなたに対する質問を後刻に讓りたいと思います。
#87
○政府委員(平田敬一郎君) お尋ねの趣旨は非常に御尤もなところが多いと思いますが、私どもも関税法につきましては今いろいろ研究いたしておりまするが、いずれ根本的な改正を考えてみたいというふうに考えております。今年におきましては差当り当面必要とするような改年を行うべく近く法案を提出いたしまするが、いずれ更に根本的に検討いたしまして、関税法の全面改正をいたす考えでございます。併しこの問題は非常に国際的にも関連するところが大きくございますので、やはり私は講和発効後におきましては、よく諸般の事情を十分検討した上で、我が国の立場から最もいい関税法ができるようにしたほうが一番いいのじやないかという点も考えまして、かようなふうに進めておるところを御了承願いたいと思います。
 それから関税定率法でございますが、このほうは御指摘のように如何にも形式は古いもの、によつておりまして、文語体の法律でどうもお叱りを受けるのは御尤もでございますが、内容の点は実は昨年相当変えてしまつたのでございます。昨年の改正によりまして実は先ほど昨年の提案理由をお読みになりましたような態勢によほど近付いておる、勿論完璧であるかどうか、これは非常に問題があると思いまするが、相当私は最近並びに将来のことを考えまして妥当な関税率を設けたというところに行つたつもりでございます。なお併し情勢はうんと変つて来ましたし、又将来の事情につきましてもいろいろ問題がございますので、そういう点につきましてはよく検討しまして、今後更に一層改善を加えることにやぶさかでありません。又関税法と関税定率法とは若干その間におきまして差がございますことを一つ御了承願いたいと思う次第でございます。
  それから一年免税の点は、特に一年として又延ばすのは不見識じやないかという御趣旨のお尋ねであります。一応一年に限りましたのはやはり飽くまでも臨時的のものであるという趣旨と、それから一年に限つておきましたのは、やはりそのときの情勢を見た上で延ばす必要のあるものは延ばす、そうじやないものは延ばさないことにする。こういう検討の余地を残す意味におきまして。実は特に一年にいたしております点、最初から一年で完全にいたすということで一年にいたしたわけではない点を併せて御了承願いたい次第でございます。
#88
○野溝勝君 この際、商工通商大臣…近く商工と名が変るそうですから先走つておかしいですけれども、(笑声)通産大臣がお見えになつておるようでございますからお伺いいたします。昨年この関税法の一部を改正する法律案が上程になつた際に、通産大臣にお聞きしたいと思いましたのですが、丁度あなたが事務が御多忙であらせられましたのでお見えにならなかつたのですが、私どものような頭の悪い者にはわからんのです、特に経済界に明るいあなたのことでございますから、この点あなたの御説明をこの際とくとお伺いしたい、かように思つて御質問する次第でございます。昨年この法案を出すとき、新聞用紙、建染染料等の問題が相当問題になりました。そこで昨年あなたの下僚の説明によりますと、こういうことを申されたのです。大体新聞用紙のその当時の年度必要量とうものは四千三百万ポンド、国内の生産量は三千八百万ポンド、大体五百万ポンド不足しておるという御意見に私は拝聽しておりました。そこで、どうしてもこれは公共性、社会性を持つておる新聞用紙であるから、緊急を要するという理由でございます。どうしても輸入しなければならん。そこで私は需給関係をお伺いしたのです。ところが需給関係におきましてもさようなことを言われたのですが、併し今後の見通のはどうかという質問に対しては大体本年末になれば需給の関係は円滑に行くという見通しを持つているという答弁であります。然るにどういう事情があつたか知りませんけれども、私は電力の事情だけではこの法案を出す必要はないと思う、電力事情で僅かに生産が減つたということだげではほかの設備も改善されて来ておりますから、それはカバーできると思います。ですから、そのことだけで法案で何が故に新聞用紙の輸入をしなければならんかという点については理解に苦しんでおるのです。この点に対して大臣の御所見を一つお聞きしておきたいと思います。
#89
○国務大臣(高橋龍太郎君) 現在の新聞用紙の需給はほぼ均衡を得ておるのでありまするが、近く夕刊二頁を四頁にするという、つまり朝刊夕刊で八頁にする計画があるのです。そうなりますというと、供給が足りませんので、それで本年に限りまして二万二千七百ポンドの輸入を実施したいという要望がありまして、この法案を出したわけなのであります。
#90
○野溝勝君 大臣は、一昨日の新聞の中にも日本経済の動向を深く嘆かれておるような御所見が出ております。又本日の新聞を見ても、あなたの所管事項でございます日本産業経済事情が読売に出ています。世はダンピング時代で頭打ちの基礎産業、の見出しで掲載……所管の大臣でございますから、これは見ておられると思う。こういう経済事情下にありまして、日本の財政方針を或いは貿易政策なり産業政策なりを、どうするかということに対しては非常に御苦心をされておると私は思うのです。特に経済人であるだけに私はより一層感ずるものが強いと思う。然るに大臣は、新聞協界が八頁を要請しているから必要に迫られて輸入をするのだ、こういうふうのお言葉のように承わりましたが、この新聞社の要請の八頁というのは全新聞業者の要求でございますか、その点を一つお伺いいたしておきたいと思います。
#91
○国務大臣(高橋龍太郎君) 日本の新聞全体を八頁にするということではないのでありますが、大新聞、主なものが八頁にするという計画を立てておるのであります。
#92
○野溝勝君 高橋大臣におかれましてはあらゆる新聞で推賞されておるごとく温厚なおかたでございまして、私はかような質問をすることもどうかと思うくらいでございますが、併しこれは個人感情では許されませんので、お聞きすることをお許し願つておきたい、事国家財政施策の重大問題でございますから……。大臣は貿易政策に対しましても今ポンド地域に対する輸出というものはよほど考えなければいかんという考えを持つており、外為の方面はポンド中心の意見を持つておりまして、通産省との間隔とヅレがある。併し実際問題として今の事情ではなかなか容易でないと私は思う。そこで日本の産業はますますそういう点においては操作上のスランプみたいな恰好になつておるのですが、あなたの考えとしてはやはりエキスポータブルの考えを持つておられると思う、大蔵当局にいたしましても、あなたにいたしましてもドルが欲しいと思う、これは当然なことだと思う。ところがそれほど咽喉から手の出るほどドルの欲しいのを、ドルを出すようなことの政策をなぜ考えなければならんか。こういうことになると、あなたのお考えと識見と、この関税定率に対する新聞用紙、建染染料なりに対する見解に対し論理がどうしても一貫しておるようにとれないのです。この点から見ても單に新聞社が必要であるから、それは八頁にするか、六頁にするか、十一頁にするか、それは新聞社の御勝手ですが、それを抑える権限はないからそれでいいのですが、事いやしくも日本の財政経済に関係しておる問題ですから政府はこれは考えてもらわなければならん、あなたが新聞社から要求があつたからドルなぞどうでもこうでもかまわない、それを満たしてやろうという見解から、この法案を出されたのか、あなた自身がもつと必要な理由を発見して、かような法案を出されたのか、この点を私はお聞きしたいと思う。更に聞くところによると、大臣は、失礼な話だが、余り深く研究されておらん。ざつくばらんに申上げます。これは失礼なものの言い方ということでなく、誰でもそんなにわかるはずはない。私も政府に御厄介になつたことがあるが、何もかにもわかるはずがない、そういう意味で申上げるので、そこで事務当局はこれに対してもつと大臣にこの間の事情をよくわかるように打合したか。そして御意思に副うようにして行かなければならん。この考え方は大臣の考えと少し違つておるのではないか、むしろこのことについてこの際、事務当局も来ておるから雑貨局長と大臣と両方から一つ御答弁を願いたいと思います。
#93
○政府委員(徳永久次君) 只今お尋ねの点につきまして、この問題を取上げました私どもの考え方を一通り申上げて、御了解を得たいと思います。新聞用紙は、現在は御案内の通り六頁でございますが、過去の新聞の頁数はどの程度かと比較いたしますと、一番多い時で二十四頁ぐらいになつております。それと現状を比較いたしますると約四分の一というのが現在の水準になつておるわけであります。これをほかの国民生活の回復の水準と申しますか、例えば繊維なら繊維、それからゴムならゴムとかそういう消費財関係の全般の回復の度合、或いは国民生活全体のレベルの戰前の基準との回復の度合、そういうものとの均衡の関係を考えて見ますと、ほかの回復に比べて著しく遅れておるというふうになつておると思われるわけであります。かたがた新聞紙の果しておりまする公共的な使命と申しますか、いわば日本のあらゆる意味の民主化の推進の一つの有力なものでありますので、そういうものが少しでも伸びるということ、それが過去の四分の一のものから過去に少しずつ近ずくということ、それは私どもとしまして是認するといいますか、認めてやつて然るべきじやないか、確かにお話のようにそれを輸入しますというと、ドル資金が必要になるという問題もあろうかと思います。あろうかと思いますが、繊維資源にしましても相当部分ドルも拂つておるわけでありますし、繊維の回復度が過去の四分の一より遙かに超えたところに回復しておる際に、新聞紙だけがドルがないからそこまで回復するのは工合が悪いというような立場はとりにくい、ることは穏当を欠くんじやらかろうかということを私ども考えたのが一つのこの問題のポイントになるわけでございます。その金額といたしましても輸入の量というものは二方二千トンでございまするが、それが單位当り幾らのもので買えるかということは今後の取引になつておりまするのではつきりいたしませんが、仮にトン当り二百ドルというふうに仮定いたしたといたしましても、一年間として五百万ドル以下というようなことに数字的にも相成るわけでございます。そういたしますると石油も大部分輸入しております。繊維製品も大部分輸入いたしておるわけでございます。石油についても繊維についてもドルを相当巨額に拂つておるわけであります。そういう際に金額的にも著るしく過大になるという結論も出て参りませんので、その面から新聞紙だけにドルが足らんからそれは許さないというふうに因縁ずけるわけにも参らないというような事情になるんじやなかろうかと思います。
 それからもう一つの問題は、この問題の決定的な問題は輸入されますものの価格の予想がどう相成るかということが問題でございます。関税は国内産業の保護を目的といたしまして設定される趣旨のものでございまするので、若し輸入されますものが国産品よりも安く輸入されるということになりますれば、それが国内産業に対する脅威となつて参りまするし、それに或る程度の保護関税をかけるということが当然必要となつて参るということになるわけでございまするが、新聞紙の輸入につきまして、新聞紙が現在国際的にも相当逼迫しておりまする物資でございまするので、これを日本が買います場合に幾らで買い得るであろうかということ、これが非常に不安な材料になつておるわけであります。昨年の電力制限の際に大急ぎで買いましたために、これは二百六十五ドル見当のものでございまして、国内紙の分が約二百ドル、それに対しまして三割以上高いものを現に買つたわけであります。それで今後はそれよりは少しは安くなるんじやなかろうかという気持を持つておりますのは、政府といたしましては国内の需給関係から見まして不足分をI・M・Cの割当をもらうことに努力をしておるのであります。I・M・Cの割当になりますれば、この前買つた闇の国際的な一種のブテツク・マーケツトのもの、それよりは安いであろうという希望なり、期待なりは強く持つておるのでございますが、何せ国際的に依然として窮屈な物資でございまするので、売手の側としましてもできるだけ高く売りたいという事情にあろうと想像するのが常識だと考えますので、そうなりますると国内の紙よりも高い値段で買う可能性が強いのではないかということが考えられるわけであります。かたがた新聞紙の公共性といいますか、そういうことを考えて見まして、国内紙よりも高いものが入りますのに、関税定率法の一割の関税を更にかけるということは如何なものであろうかということを考えまして、これがこの際差し当りの措置としてはこの関税を免除するという措置をとるべきではないかということを考えましたゆえんでございます。
 以上申しましたような事情でございますが、ただ最後に御了解を頂きたいのは、これは飽くまでも過渡的な措置でございまして、現実の問題といたしまして新聞の建てページの増加というものは認められて然るべきだという前提に立ち、而してそれの輸入の価格というものは国内紙よりも高いであろうという前提に立ちます限り、関税をかけることが不穏当だというような結論が出て参るわけでありますけれども、併しながらそれは今の状況がそうであるということでございまして、基本的に国内の製紙業、業聞紙の需要というものを国産によつて賄うということのほうがより大事な目標だということも考えますので、過渡的には免税する必要が今申上げましたような事情でございますけれども、基本的には国内産業に対して保護するためにやはり適当な関税は置いておくんだという、この目標なり考え方というものを我々はやめたわけではございません。それは一歩も崩したわけではございません。差し当り当面いたしておりまする現実の問題については国内産業に惡影響なし、むしろ消費者のほうが必要以上に苦しむという事態が予測されますので、その面を緩和してやるという措置として考えたというのが私どもこの修正案をお出しいたしました趣旨でございます。
#94
○野溝勝君 雑貨局長にお伺いいたします。この法案の内容を検討すると、これは労資の問題というような問題じやない。今輸入しろという側に立つ新聞社も、いわばこれは新聞社が多いのであつて、これは全部の協会じやない。我々のところへは大新聞からは免税しろ免税しろと言つて来る。地方新聞からは私の手許へ来ておるが、この通り免税反対の陳情、あなたたちは新聞社と言うが、どこの一体新聞社であるか、中央のみが新聞社か、地方は新聞社でないのか、こういう定義が下されるならば、私はあなた方の意見をそのまま承認します。併しそんな馬鹿なことはないと思う。特に私は新聞用紙割当の所管の政府委員をやつておりました。私は政府に御厄介になつたときにその責任者でありました。この間の事情をよく知つておるのです。私はそれだけに人一倍に痛感するのでございます。その当時中央紙と地方紙が如何にあつれきをしたか、更に又地方紙からこういう反対が来ておる。この又地方紙の中でも小さいものを吸收してしまう。だからこれは労資の問題というより、私は民族資本を擁護かどうかとの観点に立つて質問をしておるのでございます。そこで先ほどあなたのお話は、新聞紙の輸入に対してドルを守るために反対するということは成り立たんと思うという御意見でしたが、私は新聞紙ばかりの問題じやない、今の日本で考えなければならんことはですよ、講和條約、これを契機に表向きの外資導入ということは、これはなかなか容易でないことになつておりますが、併し日本のドルによつて、ドル不足を理由にして貿易上非常な損失と圧迫と困難な事態を醸しておることはよくおわかりだと思う。例えばテレビジヨンの問題もその一つですよ。恐しいことである。更に折角長い間日本政府は奨励をし保護をして来て、漸くこれまでになつたという建染染料などの問題も、これも御承知のごとく外国の品物によつてダンピングによつて非常な脅威を招いておる。あなたはこれは僅かなものであるから日本の産業には影響を来さないと思うという御意見でございますが、それならば昨年あなたの部下の紙業課長、政府委員の答弁は一体嘘でしたのですが。近い機会に需給のバランスがとれると思うという、まあこれは八ページだという考え方ではなかつたかも知れません。併しいずれにしてもそういう考え方で支障がないと言明しておきながら、一年足らずに又ぞろ、医者のだろう診断で改正法律案などを出されたんでは私は迷惑だと思います。もつと科学的に、且つ事情を分析した上に立つてかような法案を出してもらわなければならん。そこでお聞きをするのでありますが、聞くところによると、これは安本並びに業界等の意見でございますが、これは間違つておりますかどうですか、あなたにお聞きしたいと思う。新聞社が八ページ建てにしようということはこれは御自由である。併しそのために先ほど申した通り日本の財政計画に大きな変化があつては私は困ると思う。こういう点から以下お答えを願いたいと思います。
 八ページ建てにした場合に月間の所有量が約五千五百万ポンド必要である。そうすると大体国内の月間の生産量は約四千二百四十万ポンド、差引約千三百万ポンドの不足を来すということを言わはております。それでこの不足分を年間を通じまするというと一億五千六百万ポンド、大体七万八千トンであります。そこでこれを日本のメーカーといいましようか、生産と睨み合して検討して見ますると、四月工場が復帰する場合は五千万ポンドの増産が可能だと言われます。更に九月になりますならば、五千七百万ポンドの増産は可能だと言われております。この数字はあなたが承認できる数字であるか、承認のできない数字か、こういう点が一つお聞きしたいこと。
 それから質問の第二点は、かような改正をいたしましても悪影響はないという御意見のようでございます。又消費者を苦しめるようなことはないという御意見でございましたが、それは局長少し僣越じやありませんか。言葉尻をとつて言うわけではありませんが、地方新聞社の諸君は、むしろかようなことになれば、その結果は大新聞社の資本力による所有が多くなりまして、やがてはダンピングの起る危險を非常に感じておる。特に北日本新聞などは社説にまで高くこれを謳つておる。こういう点から見ても今の局長の御意見というものは浅薄であると思います。若しこれが昨年でありましたならば、私は一応これを承認いたします。併し一年どころか、昨年の十月で、まだ三月にもならんこの数ヵ月のうちに又かような法案を出すに至りましては、私はあなたの言うことなどは信頼できません。これは実際議員といたしまして私は実に不愉快なんです。又日本の立法府として誠に私はかようなものはなげかわしいと思つております。そこで私は今の局長の惡影響はないし、消費者を苦しめるようなことはないという決定的な意見であるとするならば、私はあなたから決定的な一つ御回答を願いたいと思います。若しそう思うというだけでありましたならば、政府当局に再考を促したいと思うのであります。この点二つの点に関しまして御答弁を願いたいと思います。
#95
○政府委員(徳永久次君) 只今お尋ねが二つ三つあつたわけであります。一つは生産の見通しについてどう考えるかというお尋ねでございますが、御承知の通り新聞紙の国内生産は、この一両年来環境に恵まれておりまして。逐次増産が行われております。今御指摘のございました生産予定数字につきましては、私ども今考えておりまするのと少し違うのでございますが、併し大した違いはございません。と申しますのは、今お読み上げになりました九月になれば五千七百万ポンドになるというお話でございますが、私どもそうなることを希望いたしておりますが、その数字が今すぐにそうなるというふうに百%信頼し得るかどうかということには多少の疑問を持つております。電力の問題もございまするし、或いは価格の條件も逐次昨年の暮あたりから惡くなつておるような事情もございまするし、そこらの点から見まして百%その通りになるかということには若干の疑義を持ちますが、併しほぼ近い数字が達成できるであろうということは考えておるわけであります。それが第一の点でございますが、第二の消費者に影響なしというふうに私がまあ言い切つたということでございますが、私言葉が適当でなかつたかと思いますが、私の先ほど申上げました趣旨は、輸入が高いので、高いと考えられるので、その高い輸入紙に、国内紙よりも高いと考えられるので、その高い輸入紙に更に一割の関税をかけることは消費者にとつて少し気の毒であろうということを申上げたつもりでございますが、その点私の言葉が不十分で誤解を招いたかと思いますので重ねて御説明させて頂いたわけであります。
 それからもう一つ昨年の暮頃に三月まで免税するとしておつてまだ三、四カ月も経たずに一年延ばすというのは政府としても不見識極まるじやないかというお叱りでございますが、これは一応御尤もだと思うわけでありますが、ただこの前の一―三月の免税の事情は、その際の国会におきましてその事情というものはよく御承知頂いておると思うのでありますが、昨年の秋の電力制限で昨年の秋からすでに現在の建頁六頁建になつておつたのでありますが、昨年の秋の異常渇水によりまして電力の制限が著しく強化されるであろう、従つて新聞紙の生産も悪影響を受けるであろう、その穴をどれくらいの穴が出るかという推算をやつて見ますと、一番最初に野溝先生から御指摘がありましたように月約五百万ポンド足らないということに、どうやり繰りして見てもなりそうだということで、そうなつて新聞建頁を更に落さなければならんということは大変だというので、その不足分を大急ぎで輸入して穴埋めをして建頁を減らさないようにしたいのだというのが問題の発端でございまして、そうして輸入するとしてその値段が先ほど申上げましたように現実に買付けして買つて見ましたものが二百六十五ドル、国内紙より三割以上高いというようなものになつておるわけでありますが、さように大急ぎで輸入するとして、それは国内紙より高いのでそれに一割の関税をかけるのは工合が悪いから、取りあえず免税にしようというのがこの前の動機であつたのでありますが、今回のものはそれと若干尾を引いた点もあるのでございますが、と言いますのは一三月の分として輸入を予定しておりましたが実はこれは皆さん御承知だと思いますが、或る意味では国際的な詐僞事件とまで言われておりまするが、こちらの注文と違つたものが大部分輸入されまして、今保税に入つておりまして、紛争の対照になつておりますので、未引取りの状況にあるわけでございまして、そのうち何がしかは使えそうでございますが、それを引取るということになりますと、四月以降に引取るということになりますので、三月まで免税ということではその目的を達しないという、経過的にずれ込みの問題が一つ、そのほか基本的に状況が変りましたのは先ほど来申上げました昨年予想してなかつた、昨年の秋頃予想していなかつた本年四月以降一流紙が八ページ建にし、又秋以降一流紙が八ページ建にいたしますれば逐次各紙も八ページ建にするであろうという想定、予測を立てるのがこれまでの新聞業界の競争といいますか、ページの変化から常識と考えるわけでございますが、さようなことから需要が殖えて参りまして国内紙は逐次増産し、六ページ建でございますれば、現在すでにほぼ飽和点に達して需給関係は過不足なし、むしろ余り気味だというほど順調に推移いたしておるわけでございますけれども、八ページ建になりますと一方増産が行われておりながらすぐには間に合わないというのが、この問題を引続いて一年間延長の問題を考えざるを得なくなつた事情であります。この前のときに予測しなかつた事情でございますので、その辺を御了承頂きたいと思うのであります。
#96
○野溝勝君 そこで雑貨局長にもう一点聞いておきたいのですが、悪影響と、消費者に迷惑を加えるということは関税率のテン%の問題だというような補足説明と言いましようか、補足答弁があつたのですが、それは一応それで私は了解するとして、このために直接的には日本の産業に影響がないように思われていますが、今日の新聞にも出ておる通りもうパルプ界は大きなセンセーシヨンを起している。それから特にこれで中小メーカーはあたふたしております。これは迷惑、……影響を及ぼさんというどころじやない、とんでもないことになるのですよこれは……。ですから私はそういうような考え方で今後の産業政策などを指導されると、これはとんでもない間違いを起しますので、極力局長におかれましてはもう一応私は御勘考を願いたいと存じます。
 それから今御答弁の中に私が聞かんとするようなうことを触れておりましたから更に聞きますが、折角必要な新聞紙に使うべき紙が新聞紙に大半は使えないためにトラブルを起している。あなたの言われたのは一部不良紙が出た、使い物にならんようなものが出たというように私は今聞いたのでございますが、この数量はどのくらいでございますか。現在さようなものは、解決しないで倉庫に入つておる数量を確実に一つお知らせ願いたいと思います。
#97
○政府委員(徳永久次君) 今紛争の対象になつておりますものは、シヨート・トンで申しまして約六千五百トン、ポンド数で約千三百万ポンドのものでございます。そのうち新聞用紙として何とか使えそうだというものは極く僅かだというふうに聞いております。大半のものが使えないであろうというふうに聞いておるわけであります。
#98
○野溝勝君 額はどのくらいでありますか、計算して、金額は。
#99
○政府委員(徳永久次君) 金額としましては、日本金で六億三千万円見当でございます。
#100
○野溝勝君 どうです、委員会におかれましてもかような事実があるのでございます。昨年私どもは緊急新聞紙の必要として本委員会はこれを承認いたしました。併しさようなものが新聞紙に使われんということならば、かようなものの関税は一体どうなるのですか。新聞紙に使うというわけで一年間免税すると承認したわけでございます。そうでしよう。新聞紙用として我々免税を承認したわけでございます。併しこれが使われんということならば、これは免税するということは私は本委員会としては考えなければならんと思う。併しかような問題が錯綜しておりますだけに、私はこれ以上言いません。そこで大臣に特に私は希望しておきたいことは、私は決して皮肉の意味でも何でもない、こういう事実が実際あるのです、大臣。ですからこういうことは国家のあれとしても歎かわしいことですよ、今国民が莫大なる税金に悩んでいます。自然増收をどんどんと吸上げています。一方においては免税をしてこういう事情なんです。更に中小メーカーは非常に不安、こういうような事情にあるのでありまして、私は本当の日本の民族資本を擁護するならば、これに反対をしておるところの業者も、賛成をしておる業者も、話合いのできないということはないと思います。そこでかような事実が本委員会において明らかになつた場合、本委員会といたしましては、いま一応大臣に一つ善処を願つて、そうして今後業界は円滑にやつて行く方法をここに新たに発見する努力をしてもらいたいと思う。私は政府として当然のことだと思う。そのうちに私は改めて又質問したいと思いますが、かような意味で、この新聞界自体における足並みも揃つておりません。で、業界におきましてはむしろ大資水産業閥よりは、これがために、中小産業閥がもう静岡を中心として非常な不安です。こういう点から、私は十分一つ大臣にこの際努力を願いたいということ、更に昨年もう一回我々はこりています。一年延期というわけでそれを承認してこりております、現実は……。ですからかような問題に直面しておりますから、大臣におきましては、若し業界における話合いがうまく行くようなことになりますならば、私は本案に対しまして十分考える用意を持つています。さもない限りにおきましては、私は真剣に本委員会で討論をし質疑を交したいと思います。この点に対して円満なる大臣の御所見をお伺いしたいと思います。一回相談くらいしなければだめですよ、これは……。
#101
○国務大臣(高橋龍太郎君) 野溝さんは大変お詳しいので、私は余り詳しいことは知らんので困るのですが、今の御発言の御趣意は一つよく承わつておきまして、然るべく善処してみたいと思います。
#102
○野溝勝君 この点は大臣の答弁によりまして紙業家のために非常に祝福すべきことだと私は思います。なお改めてこの点ははつきりしておきたいのでありますが、今大臣がお答えになりました通り、私はこの点をはつきりしておかなんだという正直な率直な御答弁がありましたが、私は責任大臣がなんだというような馬鹿なことは言いません。率直な大臣のお言葉として私は受取ります。ですからあなたの言われる、私の意見に対して善処するということは、業者と一応懇談をしてみようという御意見に拝聽して差支えありませんか。
#103
○国務大臣(高橋龍太郎君) 一つよく研究しておきまして、調べてみまして、私はまだ不案内ですから、その上で善処したいと思います。
#104
○野溝勝君 今の大臣の御答弁に対して局長は、私の懇談をするというこのことに対して、大臣がそういう意味でお答えしておるのかどうかということを局長から今一応聞いておきたいと思います。
#105
○政府委員(徳永久次君) 私ども下僚といたしまして、今野溝委員からの御趣旨に……
#106
○野溝勝君 さもなければ幾ら質問しても進行しませんよ。
#107
○政府委員(徳永久次君) 副うようにできるだけいたしたいと思います。
 なおこの際ちよつと私ども先ほど来野溝先生からお話がございました製紙業者は不安を持つているという点について、それの不安を除去する措置と申しますか、そういうことも実は考えてないこともないわけではございません。その点を一つ二つ申上げさして頂きたいと思います。
 一つは、これのそういう具体的措置といたしまして私ども二つあると思います。この問題を考えました趣旨は先ほど来申しましたような事情でございますが、併し製紙業者らの立場から考えました場合に、その高いものが入るなら税金をまけるということはわからんことはないが、ざつくばらんに申上げますが、何分にも新聞社というのは或る意味の勢力を持つているところでございますので、安いのが入つてもやはり免税にするというようなことをやるのじやないか、というまあ不安が製紙業界にありはしないか、又あつて然るべきだと、業者として考えるのは当然だと思う。私どもはそれに対してはこれはなお大蔵省とも相談し、いずれ国会にお世話にならなければならないところでございますが、私どもの考えは、足らんから輸入し、而もそれが高いであろうからまける、という措置をお願い申上げておるわけです。安いものが入るということでございますれば、免税にする必要は毫もないということでございますので、万一私どもの見込みが違いまして、安いものが入るという事態が起りましたならば、一番近い国会におきまして、仮に一年以内の期間でございましてもこの措置をやめて頂くことを私どもからお願いしなければならんというふうに考えておるわけでございます。その点は業界にも十分徹底さして不必要な不安感を持たないように措置いたしたいと考えております。
 もう一つは、これは細かい問題でございますが、現在新聞紙の輸入は鋭意、輸入申請は幾らでも許可するという仕組をとつております。これが業界に、何と申しますか、IMCに懇請して、客観的な條件はIMCに懇請しても、なかなかどれだけ出されるかわからないというのが客観的の事態でございますけれども、併し生産者の立場から見ますと、政府は幾らでも輸入するというような構えをしているというふうに誤解を持つようなことに相成つております。事実問題として入らんと思いますけれども、併しそれが不必要な誤解を招くといたしますれば、政府の措置にも不適当な点があるというふうに考えなければいけませので、現在の制度は、実は先ほど来申しましたように、去年の秋電力制限のためにあわてて買わねばならんという事態になりましたので、どこから買えるかもわからんから、買えるものを幾らでも買おうというので、実はいろいろ事情がございましたが、今後の問題としてはIMCに割当を懇請し、それによつて今までの闇よりも少しでも安いものを買いたいということにいたしておりますので、而もその数量も、先ほど来由しますように、年間として二万二千七百トンあれば十分だという数字にもなつておりますので、それ以上に入らないような為替の運用の仕方にいたしておいたほうがいいのじやないかということを考えております。これはもう一―三は間もなく時期が過ぎてしまいますので、四月以降の為替の割当の仕方をそういう仕組に変えることに予定いたしております。それによりまして無制限に入らないのだ、不安は除き得るのではないかというふうに考えているわけであります。このことも、業界に十分徹底する措置というものを私ども考えるのが我々の事務当局としての責任だと考えます。不徹底の点があれば徹底してやりたいと考えているわけであります。なお野溝先生のお話でございましたが、場合によつて新聞社と製紙業者の懇談会と申しますか、そういうことも考えろという御趣旨かとも思うのでございますが、これも双方の事態を……どちらも売るほう、買うほうでございまして、見方によれば敵でありますが、見方によれば仲良くしなければならない密接な関係者でございますので、こういう措置を、双方がそれぞれの立場を十分理解し合つて実施に移されるということは、より望ましいことでございますので、できますればそういうこともよく大臣に御相談いたしましてやることを考えたいと思つております。
#108
○野溝勝君 これは重大問題ですから、大臣が早く引上げられるのは御随意ですけれども、大臣が来るまでは延ばすことになりますから、この委員会も大事でありますからもう少し申上げます。
 あなたはIMCのことを言つておりますが、IMCのほうが的確であるかどうかわからんわけです。二万二千トン寄越しても……、だからわからんという点が一つ。それから例えば安くても、トラブルを起したような場合使いものにならない紙では問題にならないので、そういう点も、一つの事態が発生したのですから、こういう大きな想像し得べからところの事態が発生したのです。この事態の発生を契機にして今後の方針は検討しなければならんのです。この点は大臣も十分に肚に置いてもらいたい。
 それから次の点で、私はこれは民族資本を守るという立場から、労資間の鬪争などと違うのですから、この問題は、例えば大資本の中央の新聞社と産業資本家の製紙業者の闘争である。地方新聞の連中も中央の新聞を大資本家と言つているのです。実はこういうような事情にあるのでございまして、私はむしろ業界の諸君と大臣が膝を交えて懇談されたことがあるか。これは原敬さんが昔新聞社と製紙界との問題が起つたときに、とにかく両方を呼んで懇談をして、最後の懇談会で話合いができたということもあるのです。ですから私は必要以上に摩擦を起すようなことは、政府としても好ましくないことでありますし、又大臣の年来の経済政策の主張の観点から立つても、私はそれをやるべきである、かように考えております。誰がこの任に着いてもやらなければならんことだと思います。
 それから特に私は申上げておきますが、昨日大新聞社の諸君が私のところに来たのです。来た際に、私は今の点を縷々申しました。誰が言つたか知らんけれども、野溝さんが猛烈に反対しているということでございますからと言つて、私のところに来ましたから、私はやはり今日申したことを申しました。そこで最後にこの新聞社の、中央新聞社のかたがたの陳情書の第六のところにこういうことが書いてある。「IMCによる用紙輸入量は、その要請する二方二千トン全量の輸入が実現したとしても、国内新聞消費量の約一割に過ぎない。需給の撹乱によつて国内の製紙産業を圧迫する等の虞れは考えられません。申すまでもなく用紙需要者としての新聞は、国内製紙産業の健全な発達を望むものであり、国内の用紙生産を阻害することに対しては、利害を共通する立場から特に警戒するところであります。」この一項があるのです。そこで私はその中央新聞社の諸君に、この一項があつて話合ができないということはないじやないか、こう申したところ、いや、それは御尤もですと言つたきりで、まあ話は進みませんでした。さあここで政府は一緒に懇談しろと強要しませんが、どこでもよいから、目下議会において新らしき事態の問題を中心に論議をして、相当厄介であるからこの際両者とも考えろということで一つ話合をしてもらい、その上に私はこの法案に対する検討を進めて行きたい。若しお互いの間に了解されることができるならば、何も国会はそれにとらわれるわけじやありませんけれども、国民生活と産業の動向ということを睨み合せて行かなければならん。そういう観点から私は申上げたのでございます。大臣も局長も、本日のこの本員の意見を十分酌み取られまして、先ほど申したような期待に副われたいということで、質問を打切りたいと思います。最後に大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(高橋龍太郎君) いや、承知いたしました。
#110
○田村文吉君 大臣……。
#111
○委員長(平沼彌太郎君) 田村委員にちよつとお願いしますが、大臣に対する質問を先にお願いします。
#112
○田村文吉君 大臣に御質問申上げたいことは、相当時間がかかりますので、又今度の機会にお願いするとして、大体私はこの事態の認識を一つ大臣がよくお呑込み願うことが必要じやないか。というのは、私は紙に関係しておりました関係上、野溝さんほど詳しくありませんけれども、(笑声)少しはわかつておりますので……。ただ今、戰争中に始めました静岡地方その他における仙花紙、これが今新聞紙を大分お手伝いしているわけです。これは今日になりますと非常に困つた状態に立つておられるのでないか。幸いに指導よろしきを得て新聞紙として漉いてもらうことになつたので、今お話になつた四千三百万円のうち千何百万か二千万が仙花紙から転向した紙、そこで今外資が入らんということは一向差支えないが、無税にして特別に値段を下げますというとそういう業者が立たん。すぐ値段でおびやかされるということになりますので、そうなると中小企業の大きな問題になる。これは特に通産大臣にお考えおき願いたい。中小企業のいろいろ対策もございますが、その対策の中で、こういう点は一番注意しておいて頂かないと困るので、二十億円からの外貨を拂つて、その上に又中小企業を圧迫する、こういうようなことになつたのでは誠に残念だと思います。恐らくは通産省の御当局自体も、この案には肚から御賛成じやなかつたのだと思いますが、いろいろの事情でここまで来たのだと思います。そういう点をよく中小企業の対策として考えて頂きたい。大臣にその点をよくお呑み込みおき願いたいと思います。これだけ申上げておきましてなお細かい点は局長さんに一つお尋ねしたいと思います。
#113
○国務大臣(高橋龍太郎君) はあ。
#114
○田村文吉君 次に局長さんにちよつとお尋ねしたいのですが、昭和九、十、十一の基準年度における新聞用紙の消費量は如何ほどになつておりまして。現在と数量でどのくらいになつておりますか。
#115
○政府委員(北島武雄君) 大蔵省の税関部長でございますが、私からお答えいたします。通産省から数字をお伺いして私どもできめている数字がございますから、それを申上げます。昭和九年におきましては国内消費が六億二百七十六万六千ポンド、こうなつております。十、十一がちよつと抜けておりますが、昭和十二年が六億九千三十五万ポンド、こういう数字でございます。
#116
○田村文吉君 そこで私はちよつと雑貨局長さんからお考えを伺いたいのですが、現在先のお話ですと正確には行かなくても月に五千三百万ポンドぐらいはできるであろう、するとこれは六億何がしかになりますね。大体基準年度の数量だけにもう来つつある、又来るだろうと思うのであります。そういうふうになつておりますのにどうして新聞の負数が少いかということになりますと、新聞のあれが多い。無論人口も若干殖えておりますが、発行部数というものが非常に殖えている、こういうことである。これは自由にやらしたから自由にどんどん出た。こういうことなのでありまして、今の日本のような貧乏な世帶において、こういうことは、先のお話がありましたが、自由に、自分が頁数を殖やすということは御自由なんだから、又外紙をお使いになるということは御自由でありますが、関税を撤廃してまでそんなことをするような今日一体日本の身分なのかということを考えて来ると、一体基準年度において数量が一カ月五千万から五千数百万ポンドであつたものとすれば、何とかしてそのくらいの数字で賄つて行くのが今日の日本としては必要な状況下にあるのではないか。この点の御認識を頂きたいと、こう考えるのですが、局長、どうお考えでありますか。
#117
○政府委員(徳永久次君) 紙の総消費量は届出はともかくとして、総消費量として昔に比べてそう減つていないので、これに免税をするのはどうかということでございますが、確かに国内の総消費量から見てそういう関係になりますが、ただ私の考え方を御了解頂きたいと思いますのは、免税は、国内で要るので輸入するから免税するというのではございせんので、国内で足らんでいるから輸入は認めるが、而もそれが国内紙より高いであろうというところに着目いたしているわけであります。安く入るものなら当然これは関税をかけるべきものである。高く入るのにかけるのは少し新聞紙の公共性に鑑み酷ではなかろうか。それから関税というものがもともと国内産業のためでありますので、高く入ります限りにおきましては、国内の生産が悪影響を受けるということにもなると思われませんので、免税を考えたということでございまして、従いまして半面から言いますと、若し安く入りますれば直ちに関税を復活するということにいたさなければいけないというふうに考えているわけであります。
#118
○田村文吉君 実際量が基準年度と大して変らないようにすでになつているのだから、その上にお入れになるならお入れになつてもいいから、そんなものを無税にしてまでお入れにならないでもいいじやないか。そこを、二十億の一割とすれば二億円の財政收入がある。それを免税してまでおやりになる必要はないじやないか。併し非常に紙の供給が足りない。又特殊の電力の事情で以てそんなに生産できないというような場合におきましては、これはもう今後の新聞供給の限度は維持して行くということにお考えになるならこれはわかるけれども、私の聞いたところでは八ページになさつても国内で大体間に合うだろう、こういう大体の観測は行われているのであります。併しその場合に今言つたような仙花というような紙を使つてあげないというと、仙花という紙の中小企業は潰れてしまう。それを使つてあげれば大体間に合うだろう、こういう見通しでありますか、どうもそういう点から考えて、もう一段の御研究を願い、なお業者側の本当の意見も一つお聞きになり、又消費者方面の御意見もよく御聽取になるということが必要じやないかということを考えますので、意見を申上げることは又後日にいたしますけれども、大体そういう点の……。ただ安いから、高いから無税にしてもいいじやないか、こういう理論はない。高かろうが、安かろうが、国の新聞用紙というのは、過去において独立して供給して来たのだ。今後もできるのだ、しなければならん。こういう場合において関税は一割なら一割取らなければならない。ただ向うから来るのは高いから関税を免除してもいいじやないかという論拠は甚だおかしな議論であります。そう考えます。その点はちよつとお考え違いじやないか、こう考えます。何かそれについて御所見があれば承わりたい。
 ついでに、今日経済安定本部でお見えになつておりましたら一つ問題をお願いしたいと思います。今申すように仙花紙その他の、通産省で新聞紙を作つておられるかたに特にいろいろ御配慮は頂いておりますが、何と申しても電力の問題、この問題が大きいのでありますが、そこで私は経済安定本部の電力の御関係のかたにお尋ねしたいのでありますが、石炭の採掘であるとか、それから化学肥料その他のものに対しては、制限を一般の産業より区別して制限をやつてお出でになると思いますが、如何ですか。
#119
○説明員(岩竹照彦君) 関税の関係と電気の関係とどうなるか、ちよつと御質問の趣旨がわかりかねますが、電気の制限は今日から北海道におきましては撤廃しております。ただ昨年の九月以降渇水期におきましては、この業種によりまして、需用部分を三つに分けまして、それぞれ制限の段階を異にしてやつて参つておるのであります。御質問がありました新聞用紙の生産につきましては、公益事業委員会の告示の別表を以上を以ちまして、新聞用紙並びに教科書用紙の生産につきましては工場を指定しまして、第二種需用に準じて扱うというふうになつております。これは当時通産省のほううから強いお話がありまして、特別に工場を個々的に選びまして、そういう特別な第二種需要まで緩和して参つたわけであります。ただ具体的に当時の情勢といたしましては、北海道は御承知のような比較的豊水でございまして、又北州も比較的良好であつたのでありますが、なお新聞用紙の工場があります東北並びに北陸におきましては、この二種に緩和ということが事実上できないような事情、逆に言いますと、もう少しきついような電力事情でございましたので、或いはこの緩の趣旨が十分に実現しにくかつたかとも存じておりますが、併しながら新聞用紙の生産の重要急につきましては、十分に意味はございますので、今年又そういうふうな制限段階になりますれば、恐らくはこういうふうな措置がとられるのじやないかと考えております。
#120
○田村文吉君 そこでその特別の大口工場につきましては、これは経済安定本部の御指定でそうなつているように聞いておるのでありますが、石炭の採掘、化学肥料の製造、アルミニユームの製錬というようなものは制限が弱いと申しますか、つまり水力料金の適用が多くて火力料金の適用というものがほかの産業に比べると著しく軽くなつている。大ざつばに申しますと、一割程度はそういうその特殊産業のほうの料金を引下げて、一般の平和産業と申しますか、一般産業はその一割のものを負担している。こういう実は結果に相成つておるのでありまするが、これはまあ実は非常に困つたことなんで、未だに今日その日本の戰争中における統制と申しますか、重点的な考え方と申しますか、そういうようなものが、考え方が去りませんために、そういうようになつているように思われるのでありまするが、そういう事実は経本としては御承知になつておりますか、どうですか。
#121
○説明員(岩竹照彦君) 只今の御質問は電気の使用量の割当の問題だろうかと考えておりますが、只今電気の使用量の割当につきましては、御承知のように割当内の電力料金につきましては、標準料金という比較的安い料金レートが適用されるわけでございます。従つてお話のように、割当量の高が支拂い電力料の高に関係して参るわけでございます。只今御質問のところによりますと、重工業方面に特別な優遇を、割当量を殖やしているというような御質問がございましたが、それはいささか事実と違いまして、我々電力の割当をやりますときは、結局はこの使用量といいますものは料金の支拂い区分でございまして、使用量そのものを抑えるというのはむしろ制限の問題となりますので、従いましてこれはむしろコスト中における電力の量、支拂い電力料の占める地位とその製品の価格の関係、なかんずくこの行政的な措置によりまして製品の価格、或いはサービスの価格を抑えて公定しておるというものにつきましては、これはその価格に含まれております程度の割当は必要だろうと考えております。具体的に申しますと、私鉄、国鉄の関係、或いはガス、水道といいました公益事業等は、運賃乃至が料金を公定されておりますので、従つて運賃乃至料金に含まれております電力料に見合うように割当てを見ておるわけでございます。それから他に価格の公定がありますものとしては若干の例もございますが、今御指摘になりました化学肥料等におきましては、最近も農林委員会等で実質価格乃至は法規に基く勧告価格の発動の要望等もありまして、それに片つ方で割当量を削減するということはむしろ矛盾したことになりますので、これはこの化学工業の特殊性もあり、例えば單に電気をパワーとして使う産業と違いまして、原料として使う産業でございますので、他方価格抑制措置とも考えまして、アロケーシヨンの量は比較的殖やし、火力料金分も減らすというのが当然だろうと考えております。その他の産業におきましては、大体一律の考えでやつておりまして、特別に産業によつては優遇する、或いは虐待するというようなことは申しておりません。石炭も大体同様であります。別段石炭は使用制限のほうでは相当優遇しておりますが、アロケーシヨンのほうでは特別な優遇をしたいとは思いません。
#122
○田村文吉君 全国でこういう特恵産業といいますか、量は大体六〇%ぐらいというように聞いておるのでありますが、そういうものについて特別に水力料金の大部分を適用されて、あとの産業は火力料金の高いものになるということになると、非常に大きな重荷を一般の商業は背負わなければならないことになりますので、私はこういう特恵産業は大体今仰せになりました鉄道であるとか特殊のそういう公益事業に関するものは別でありますが、それ以外のものに対して、こういう一種の特恵産業というものはないほうが正当で公明であるように思うのであります。これがあるために非常に一般の産業というものは渇水期にでもなりますと、法外な料金を拂わなければならん。丁度平時の極端に言いますと、五倍まで上る、そういうようなことになる。その原因は無論一般の火力料金適用という問題ではありますが、そういう特恵産業に、特にアロケーシヨンが多くて、そうして一般のほうに減らすからそういうことがひどくなる、こういうふうに言われておるのでありますが、その点はどうですか。
#123
○説明員(岩竹照彦君) 只今お話のありました特恵産業、我々はそういう言葉は余り用いておりませんが、仮にアロケーシヨン上、特別に調整しております産業を特恵産業と申しますれば、今申上げました公益事業と化学肥料、並びに量は少いのでありますが、アルミニユームだろうと思いますが、これは今年二十六年度のアロケーシヨンにおきましても、特別大口産業の百億何がしの中で四十億程度でございまして、六割になつておりません。なお特別大口は全体の使用量の中で約四割でございます。総需用量から申しますと少いのじやないかと思つております。
 なお御意見のございました点でございますが、まあ我々としましては、価格乃至はサービスについて行政的に価格を抑えるという措置がとられておるのはマル公もございましようし、或いは自粛価格等もございましようが、そういうふうに特別に国のほうから価格をこれこれにしろというふうな措置のありますものについては、これは或る程度考えるのが当然じやないかと思つております。なおもう一つは、業種の特殊性がございまして、電気を原料として多量に使いますものは、一般的には製品価格の中で電力支拂料がノーマルな状態におきましても、一割五分とか或いは二割とかいうふうにされておりますので、そういうものについて特別にアロケーシヨンを減らして電力原価を高めるというのは如何なものか、産業政策的な見地もあるわけでございます。まあその他の産業におきましては比較的これは動力として使いますので、電力原価の占める比率もコストの中ではやや少いように考えておりますが、その点は若干区別したほうが適当ではないかというふうに考えております。
#124
○田村文吉君 今肥料の輸出はなすつておるのですか。
#125
○説明員(岩竹照彦君) この肥料年度におきまして、硫安におきまして、硫安という言葉は使いませんけれども窒素肥料におきまして十万トン、それから燐酸肥料におきまして十五万トン輸出を考えております。現にその一部につきましては昨年末に約二万五千トン輸出しましたし、又一昨日正式にきまりまして、追加の三万五千トンを台湾のほうに出すことに相成つております。
#126
○田村文吉君 それで国内に電気が豊富ありまして、そういうものをお出しになるならば結構ですが、なけなしの電力を使つてそうしてその輸出をする。それには特定産業として特別なアロケーシヨンで安い電気をやるというようなことをなさることと、一方において今外国から新聞紙代を持つて来る、それに税金を取るべきものを無税にするというようなことで何かしら非常に矛盾した考え方が私どもには出て来る。何故もつと外国からそんなたくさんな、不必要とは言えないけれどもお入れになろうとおつしやるならば、税金をお取りになればいい。で国内のなけなしの電気を基として外国に出すようなものは特別にそんな安い料金で出さないでも、電気を半分に按分してやればいいというように私どもは考えるのですが、その点は何かしら割切れない考えもお持ちになりませんか。その何ですが、硫安肥料については特別にアロケーシヨンは一般産業と区別はないのですか。
#127
○説明員(岩竹照彦君) 肥料の輸出の問題は、実は電力の事情から申上げますと御指摘の通りだと思つております。ただこの輸出は普通のコンマーシヤル・べースの輸出と違います。行き先も朝鮮、沖縄、台湾、フイリピンでございます。いろいろ事情もおわかりだと思いますが、朝鮮におきましては、この後輿のためにJLCが一手に買付けをしておる、沖縄も若干それに似た事情でございます。台湾は砂糖乃至米の輸入のバーター、フイリピンは若干事情が違いますが、いろいろなまあ国民感情等の点もございまして、その他については輸出を認めておりません。従つていわば普通の商取引とは違います。なおその輸出の時期、数量、或いは極端に申しますれば、出荷の工場までも国内の肥料の需給関係と睨み合せましてきめておりますので、これはまあ特別の輸出というふうに一つ御了解願いたいと考えております。なおそれにつきまして、特別の電気のアロケーシヨンがあるかというお尋ねでありますが、これは実はお尋ねの通りであります。昨年の九月におきましては、当時海外諸国から窒素肥料並びに燐酸肥料の引合いが相当たくさんございましたが、当時集計いたしましたら窒素肥料が八十万トン近く、燐酸肥料が五十万トンぐらいになつております当時はその中にもいろいろコンマーシヤル・ベースの輸出の引合いが多うございましたので、我々としてはそんなものを一概に断わるわけには参らないだろう、併しながら今日の事情としてこれらの地域につきましては特別な外交上の考慮も要りますし、又近隣諸国として日本から或る程度は化学肥料がなければ諸国の農業の復旧も差支えはせんか、更にはまあよく行きますれば、若干の市場の確保という見地もございまして、まあ我々のほうからいえば、なけなしの電気をしぼつて出そう、その代りちやんとバーターの品物であるとか、或いは価格についても或る程度考えてくれというようなことで交渉いたしました結果で、大体十万トンをこの肥料年度七月までに輸出するということになつたのであります。その電気については当時電力の需給計画におきまして保留分というのがございました。それから一部、一部でございません、大部分出しました。帳面ずらから申しますとほかの産業には余り御迷惑をかけなかつたようになつておりますが、実はこれと前後して渇水がございましたので、ほかの産業に或る程度御迷惑がかかつておるかと存じております。
#128
○田村文吉君 それは国際的のいろいろの御事情もあつたこともわかるのですが、日本の国が今経済的に立てるか立てないか、電力がなくて今困り抜いているというような時代に、これは少し経本としては考えてもらいたい、何と言つて来られようが、まるで肥料なんというものは電力を輸出するのですが、必要なこのなけなしの電力を輸出して、そして一般産業を抑えつけてしまう。中小企業も困るというようなやり方は、これは私は経本としては大いにがんばつて頂かなければならん、こう私は思うのです。それであるのに今おつしやつたような、初めはそういう意味であつたが、まあ政府のかた、その他の中にはこの肥料は輸出するのだからいいじやないかというような、單なる、輸出するからいいじやないかというようなことでお考えになつていらつしやつたかたもあつたようでございました。そういうお言葉を聞いたことがあるのでありますが、そういうような点は、ほかの余つておるものをお出しになるのはそれは結構だけれども、電力のような不足し切つている、そういうものを出して、新聞紙なんか今言つた二十億の金をドルを、拂わんでもいいのにかかわらず、そういうものを拂うということになるのですから、どうもそういう点が非常に私どもにすると……、無論政治的の折衡の関係もありましよう。ありましようが、もう少し経本としてはそういうところはがんばつて頂いて、又同時に私は通産省において、その点については、紙の今輸入を奨励する意味で、新聞紙の税を撤廃するような形に実はなつておる。そういうような不合理なことはやめなければならんというふうに私どもは考えるのです。それで経本は、今日は今の関税の問題と問題は関係ないようですけれども、実は大いにある。もうそういうふうに片つ方は電力のほうでぎゆつぎゆつと締める、そうして一方においてはドルを拂つて外国から新聞紙を持つて来る。こんな矛盾した経済政策はないじやないか。いうことふうにまあ私ども感じるのですがね、そういう意味でお伺いしたのでございます。どうですか。
#129
○説明員(岩竹照彦君) まあこれ以上はいろいろ意見の相違もあると思います。又当時の事情もございますので、まあこれ以上申上げても却つて不必要であるかと存じますが、ただ一言御了解願いたいのは、肥料といえども実は余つておるわけではございませんで、現に石灰窒素のごときは足らんで実は非常に困つておる状況でございます。決して輸出すればいいというような安易な考えで我々受理をしてはおりませんで、いろいろ先方の経済復興の事情とか或いは殊に台湾においては米と砂糖を輸入するという問題もございまして、現に今特にその問題があるわけでございます。今度の三万五千トン輸出するにつきましても、向うのバーター條件なんかいろいろなことを言つて来ておるということでございますので、これは一つ食糧の輸入とも相当関係があるということを御了解願つて、特別のコマーシヤル・ベースに基かない、或る意味では外交的な国際的な配慮のある輸出であるということを御了解願いたいと思います。なお肥料をやります結果一般産業をいじめつけておるということの一般的な印象があるかと存じますが、これはこの制限のときにおきましては、御案内のように真つ先に電解とか石灰窒素が切られますので、これは豊水期には盛んにやる代りに、渇水期におきましては真つ先に犠牲にやられる。現にこの間までは一般産業と違つて東北地方では石灰窒素も休んだという状況もございます。まあそういう状況もございますので、一概に肥料をやるために一般産業が参つておるということはないかと存じますが、何分アロケーシヨン、割当が相当大きいものでございますから、肥料だけ特別に與えているというような御印象があつたかと思いますが、その点はいろいろ状況がございますので、なお肥料工業に限らず、電気化学工業の特性もございますので、或る程度の生産計画をいたしてやつておりますが、どうしてもアロケーシヨンもそれに並行して考えなければならんということもお考え願いたいと思います。
#130
○田村文吉君 その点徹底的に計画生産をなさるという意味なら、これはいい悪いは別問題として一つの見方なんですが、特殊の三つや四つの産業だけ取上げてこれだけ特別に電力のアロケーシコンは自由にするというようなやり方は、非常に国民の明朗性を欠くことになりますので、国民は納得しがたい。そういうものは私は一日も早くおやめなさい、鉄道のようなものはこれは実際公共の仕事ですから、こういうものにお割当になる電力を私はどうこう言うわけじやないのですけれども、一般の産業で企業として行われておるものに対して、アルミはどうだとか、肥料はどうだとか、石炭はどうだというような意味のアロケーシヨンは一つやめて頂きたいのだが、まだ経本としてはそこまでお覚悟はできておりませんかどうか。これは私最後にお伺いしまして、もう一つあなたの御所管にならないかも知れませんが、電力料金は実際の料金というものは私は自分で経験しておりますのは、月によつては一円くらい拂つておる一キロ……、ところが月によると五円何ぼ拂うというような、今ここに実績を持つておるのですが、拂つておるというようなことになつて、火力と水力と混淆しておりますことと、融通電力の問題で実はその月を経過して見ないというと、一体電力というものに幾ら扱うのだかわからない。これはよほど専門の頭のいいかたがただけはわかるのだけれども、一般の人々は実はわからない、もう少し電力の料金は、若しおきめになるのならば公益事業委員会のほうの御所管か知りませんが、もつと簡單に一年中通じて幾らなら幾ら、或いは冬なら冬は何月から何月までは幾らというような、誰にもわかりいいようにして、そうして産業というものはちやんと原価計算ができて、そうして今後の企業計画を進めて行けるようにするということが必要じやないかと思うのですが、今のように一体電気は今度三割上るとかいうような話があるのですが、ただ三割上るということだけならわかると思うのです。現在の料金が幾ら拂うようになるのか、天気模様と石炭の融通の問題でどう変るかわからない、そういうものは配電会社自体の懐工合でちやんと処理すべき問題で、需要家が毎月々々幾らになるか料金がわからないというような不安定な料金方法ではいかんと思いますが、この点はあなたのほうの御関係にならないんですかね、ならなければこれはあなたに御答弁求めても無理なんですが、もつと料金を平明にしたらどうかということを考えておりますので、この二つの点について最後に一つお尋ねして質問を打切りたいと思います。
#131
○説明員(岩竹照彦君) 第一点の化学肥料の問題でございますが、これは御意見もございますが、これはもう少し検討さして頂きたいと思つております。
 それから第二点の問題でございます。この料金制度は公益事業委員会の所管でございますが、私のほうも或る程度相談をかけられております。月によつてキロワツト当りの電力料金に差異があるというお話でございまして、これは多分こういうことだろうと存じております。一つは月々標準料金の割当料が相違して参る、これはそうひどく違うはずはないと存じておりますが、やはり渇水期等によりまして、或いは二月なんか若干下つて参つた、従つて操業のほうがノーマルに行つておりません。その減つた分だけ火力料金を支拂うことになつて、結局キロワツト当りの平均料金が上つて参るという点。それからもう一つ御指摘されました点は、多分火力料金の一体單価は幾らになるんだというお話だろうと思います。これは電力会社の配電地域によつて違いますが、現在キロワツト当り大体八円前後の定価表といいますか、協議規定にあります料金率を、これを左右します要素が、その会社で焚きました石炭のカロリー当りの値段で或る程度調整しております。俗にこれをコール・クローズと称しておりますが、例えば関西電力のあれであれば、尼ケ崎に入つてその月に使つた石炭のキログラムカロリー当りの値段、この上下の幅を設けましてそれを超えた場合には一キログラム当り幾らというような実はスライド條項がございます。それで定価表では例えば八円になつていても実際は十二、三円近くなるというのが実は現在の状況でありまして、このコール・クローズの是否につきましては大分議論がございまして我々も関心を持つておりますが、多分この次聽聞会に出ます案におきましてはコール・クローズが余り働かないような仕組に相成るかと存じております。なお、その他の点では平均料金がかくのごとく変動するというのは余りないかと存じますが、結局は割当量の変動であろうと思つております。これは御案内のように、大体はどの業種も豊水期に比較的多くなつて、渇水期に減つて参るというのが実情でございまして、この点はどうも我々としましても何とか調整したいと存じておりますが、現在のように相当各産業の需要が殖えますと、当初から相当火力発電量を見込みますので、従いまして渇水期において落ちた分を更に埋める余裕が減つて参つております。なかなか全体の供給力が波を打つというのは、どうも止むを得んかと存じております。ひどくなりますと三割ぐらい下廻つて参ることもございますので、従いまして一般の需要家の方面におきましてもそれだけ割当量が減つて参つて、結局はこのキロワツト・アワー当りの平均の電力料金に差違が生じて参るのが実は実情だろうと思つております。なおこの点はいろいろ御事情伺いまして又検討したいと思つております。
#132
○田村文吉君 もう私はそれで質問いいのですが、ただ今もつと平明に料金表お作りなさいということができないのかできるのか、これをあなたのほうで御検討中なんですか、どうですか、これをお伺いしたい。
#133
○説明員(岩竹照彦君) 料金表は比較的平明にできます。ただ運用します要素がいろいろごございますので……。
#134
○田村文吉君 それが困る……。
#135
○説明員(岩竹照彦君) これはどうも遺憾ながらそういうことになつておりますので何とも……。ただ具体的に申しますと各需用の場所におきまして、標準電力量の割当とその月の需用状況を睨合せまして、或る程度調整すればそう大きい変動はないのじやないかと思つております。
#136
○田村文吉君 それは電力会社が呑み込んで、電力会社の中でやつてくれ、やれないかというのです。
#137
○説明員(岩竹照彦君) 電力会社にそういうような操作をさせますと、却つていろいろな弊害がございますので……。電力会社は比較的割切つたようなそろばんになつているようでございます。
#138
○委員長(平沼彌太郎君) 本日の委員会はこれで閉会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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