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1951/04/15 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第40号
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1951/04/15 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第40号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第40号
昭和二十七年四月十五日(火曜日)
   午前十時五十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           菊川 孝夫君
           木内 四郎君
   委員
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           溝淵 春次君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           田村 文吉君
           森 八三一君
           大野 幸一君
           波多野 鼎君
           菊田 七平君
           木村禧八郎君
  政府委員
   日本專売公社監
   理官      久米 武文君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省主税局税
   制課長     泉 美之松君
   大蔵省主税局税
   関部長     北島 武雄君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       木村常次郎君
   常任委員会專門
   員       小田 正義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
 全保障條約第三條に基く行政協定の
 実施に伴う所得税法等の臨時特例に
 関する法律案(内閣送付)
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
 全保障條約第三條に基く行政協定の
 実施に伴う国税犯則取締法等の臨時
 特例に関する法律案(内閣送付)
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
 全保障條約第三條に基く行政協定の
 実施に伴う関税法等の臨時特例に関
 する法律案(内閣送付)
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
 全保障條約第三條に基く行政協定の
 実施に伴うたばこ専売の臨時特例に
 関する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第三十九回の大蔵委員会を開催いたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案(予備審査)、同国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案(予備審査)、同関税法等の臨時特例に関する法律案(予備審査)、同たばこ専売法等の臨時特例に関する法律案(予備審査)、この四案を一括して議題といたし、質疑を行います。
#3
○菊川孝夫君 この四法案のうちで、先ず関税法等の臨時特例に関する法律案について逐次御説明を一つ願いたいと思いまして御質問申上げます。
 第一番に第二條の二項の二行目でございますが、「日本国の領域及びその附近に配備される合衆国の陸軍、海軍又は空軍をいう。」この日本国の領域及びその附近に配備されると、まあ仮に日本国内にいる陸軍、海軍、空軍ということになるとよくわかるのですが、その附近に配備されるというのはこの適用範囲をどの辺まで考えられておるか。台湾なんかまで……又沖繩、琉球、小笠原、その附近というのはどこまで考えておられるのですか、この限定は。この点についてお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(北島武雄君) これは行政協定の前文に「日本国及びアメリカ合衆国は、千九百五十一年九月八日に、日本国内及びその附近における合衆国の陸軍、空軍及び海軍の配備に関する規定を有する安全保障條約に署名したので、また同條約第三條は、合衆国の軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する條件は両政府間の行政協定で決定する」云々とございまして、行政協定全般に亘りまして、合衆国軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する條件を規定しておりますので、その規定を受けまして、関税法の臨時特例のみならず、各協定の実施に伴う臨時特例法案においてその定義をそのまま受け継いだのであります。
#5
○菊川孝夫君 行政協定の場合には、成るほどこれは一応そういう表現の仕方でいいと思うのでありますが、これを国内法に引直した場合に、又実施する場合に非常にいろいろの問題が生じて来るんじやないかと思うのですが、免税をいたすにいたしましても、例えば沖縄や琉球に配備されておるような軍隊の合衆国の陸海空軍の、今度は日本領土との交通の際にこれは非常に関税なんかの場合に、最初に来た者は沖繩へ来たのであつて、その連中が今度は日本へ旅行その他のために来るような場合、従つて沖繩における取扱と日本国内における取扱との場合は、これは国内の旅行のような関係であなたのほうでは取扱うつもりでございますか、関税法の場合に。
#6
○政府委員(北島武雄君) 沖繩等の南西諸島は、関税法におきまして当分の間外国と看做すことになつております。我々の関税法等の適用におきましては、外国と一応考えまして、関税法規をそのまま適用いたします。
#7
○菊川孝夫君 そういたしますると、ここに「日本国の領域及びその附近に配備される」というのは、今大体私が申上げたような南西諸島等を含むだろうと思うのです。この「日本国の領域及びその附近」ということは大体その方面も含んでおるだろう。或いはことによつたら広く解釈する場合、フイリピンとか台湾あたりもその附近というふうに解釈もできんことはないと思う。そうしますと、今度はこの法律を適用するに当りまして、軍属やその他の家族等も沖繩に参りますときには、沖繩の政府の法律の適用を受けて来ているだろうし、フイリピンへ来ている連中はフイリピンの国の法律の適用を受けて私有財産その他を持ち込んでいるだろうと思います。これが今度日本のほうへ再び旅行その他或いは暫らくの間何らかのその他の目的、公務の場合も或いは私用の場合でも日本へやつて来ることはあり得ると思いますが、この人たちの取扱い、行政協定には米本国から参つた場合にはするということになつているわけですが、沖繩あたり、或いはフイリピンあたりからやつて来た連中でも米本国から来たものとしてこれは取扱うことになつているわけですか、その取扱いはどうするんですか。
#8
○政府委員(平田敬一郎君) これは各税法共通の問題でありますが、附近に配備されるという言葉が若干はつきりしない点がございますが、これはまあ私ども先方とのいろいろの話合におきましては、その附近と申しますのは、今御指摘のフイリピンとか台湾とかいう所まで及ばない。大体まあ最前お話になりました沖繩、西南諸島、小笠原、こういう所に配備されているものをまあ大体含むということに了解いたしております。それからそういうものを一括して扱いましたのは、やはりそういうものとの間におきまして相互に行き来がある。例えばPXを利用する場合等についても、ここに定義する合衆国軍隊のために利用する場合に限つて免税いたしているのでございますが、まあその他の場合には免税しないというようなことにいたしておりますが、そういう場合におきましても、やはりそういう附近に配備されております軍隊の場合は一括で扱つたほうがいいというような考え方からいたしまして、同じような扱いにいたしている次第でございます。関税法の適用を受ける場合におきましても、やはり大体同じに見たほうがいいんじやないかという考え方でいたしております。御心配のフイリピンだとか台湾とか、こういう所は附近には入らないという大体の解釈で了解しております。
#9
○菊川孝夫君 その場合に朝鮮ですね。今の動乱でこれは一番往復は激しいと思うのでありますが、朝鮮との往復に対しましても、これは一々税関においての関税の免税の場合には、これは行政協定に該当する品物であるかどうかということを検査することになつていると思うのであります。例えば朝鮮から帰るときにいろいろ土産物であるとか、美術骨董品であるというようなものを持つて来るような場合等をも含めまして、やはりこの行政協定の十二條の免除の規定に合致するのでございますか。これを適用する予定でございますか、これは非常に了メリカ人たちあり得ることで、美術品やそういうものを持つて来ると思うのでありますが、それを果して朝鮮との交流の際に検査できますか、これはどういうふうになるのですか。
#10
○政府委員(平田敬一郎君) ここの附近に配備される合衆国の陸軍、海軍又は空軍というものの中には朝鮮に配備されておりますのは含まないという大体了解でございます。従いまして、朝鮮から移動しまして日本に配備するものとしまして入つて来る場合におきましては、アメリカの本国から入つて来る者と同じような関係になつて来るということになつておると思います。
#11
○菊川孝夫君 そうしますと、今後は駐留軍というのは、今の占領下において解釈されているような国連軍というような形式で、日本を基地にして朝鮮作戰をやつておることはこれはもう事実でありますが、そういう連中が内地へ帰つて来るようなのはこれは駐留軍ではない、従つてこの法律の適用は受けない、こういうわけでございますか。暫くの間内地へ来ていろいろ休暇をとつたりして皆帰つて来ているのは現にあり得るので、今後も恐らくこれは駐留軍と朝鮮作戰の国連軍とをはつきり明確には僕はできないと思うのだ。そうした場合に朝鮮から休暇その他で帰つて来る、何と言つても今まで長い間おつた駐留地でありますから帰つて来ると思うのであります。この人たちは結局この法律の適用を受けないので、日本に入るときには釜山から下関に上陸したときには、これは一々税関の免税の特典は受け得ない、こういうふうに解釈されるのですか。
#12
○政府委員(平田敬一郎君) この日本に駐留しておりまする部隊がどういう行動をとるかということは、これはその辺まで私も存じいたしておりませんが、これは或る程度日本以外の地域に出て行動する場合もあり得ることかと思います。そういう日本に駐留する限りにおきましては、この法律の適用がありますることは今申上げた通りでございます。それから国連軍として今行動しておりまするこの朝鮮におります各国の軍隊、これにつきましてどうするかという問題は先般お答えいたしました通り、目下別途に話を進行中でございまして、この三月の間は一種の占領軍としましての各種の特権、それを大体この行政協定の趣旨に従いました方向で必要な事項を認めて行くという方向で処理する、で三月の期間の切れましたのちにおいてどうするかということは、これは先般申上げましたように改めてこの協定を必要とする、その協定ができ上つた上で必要な措置が講ぜられて行くと、まあこういうことに相成るかと存ずる次第でございます。
#13
○菊川孝夫君 そうしますと、今の平田さんの御説明では別の協定ができない限りにおいては朝鮮において駐留するような軍隊はこの法律の適用を受けるものではないと、こういうふうに解釈していいか。
 それからもう一つはこの行政協定によりますと、軍人、軍属、家族にいたしましても、いずれも証明書を携行することになつております。従つてこの証明書はアメリカのほうでただ單に日本国との了解を得て証明書を交付するのではなしに、アメリカ軍隊が單独で証明書を幾らでも発行できることになつております。丁度日本の曾つての占領地において日本国の軍隊が発行いたしましたような証明書と同じようなもので、もう一方的な証明書だと思います。従つて向うで発行しようと思えばどういう……まあこれば悪意にとるわけではありませんが、随分これは日本軍隊は勝手にもう向うへ参ります官吏の視察旅行、その他実業家の視察にいたしましても、すべて軍属の証明書を濫発したことは、これは平田さんも御承知だと思うのでありますが、そういうことはこれは行政協定に基いて税金関係の折衝をされる際当然問題になつたと思うのでありますが、その点はどういうふうな了解がついておりますか。これは日本がやつたからアメリカは必ずしもやるというふうには我々誤解するわけではありませんが、これはどこでも軍隊というものはやるものでありまして、僕らでも実は戰争中或いは満洲事変当時向うに行くときに簡單に軍属というような証明書を大佐級辺りに頼めばくれる。その証明書を振り廻して向うに行つて来るということはあり得たわけでありますが、これは実業家でも何でも向うに行つて、軍の人にちよつと頼めば証明書をもらえる。これはアメリカでもやる危險が今後多いのじやないかと、こう思いますので、実は証明書を出されてしまいますと、今度はその定義を法律でこちらはやろうつたつて一方は厖大な武力を持つた一つの力を持つておりますが、こつちは無力であります。従つてどうしてもこれは押され気味になるということは、過去の歴史でもどこでもあつたことであります。この了解点はどういうふうにできておりますか。
#14
○政府委員(平田敬一郎君) 御説は御尤もでございますが、御指摘にありましたように、これに該当する人々は向うから証明書が出る、従いましてこの証明書がないそのほかの人々は、たとえ軍人でありましてもこれは普通の旅行者としての扱いにしかならない。これはもう法律的にまさにその通りでございまして、私どももその区分は関税等の取扱におきましてもはつきりいたしたいと考えております。然らばその証明書を濫発しはしないかという問題でございますが、これは勿論それぞれここに定義が掲げてありまして、軍人というのは合衆国軍隊に属する軍人で現に服役中の者を言う、軍属というのは「合衆国の国籍を有する文民で合衆国軍隊に雇用され、これに勤務し、又はこれに随伴するものをいう」こういう定義を掲げております。ここに「随伴するもの」という言葉がありますので、やや御疑問のような点があろうかと存じますが、これは私ども主として軍隊が特殊の用務を委嘱いたしまして、その用務を達成するために連れて来る者、こういうわけであつて、その中にややもすればお話のように必ずしも軍隊の用務以外の用務を帶びて入つて来る人があるかどうかということが問題になつて来ると思いますが、その点はやはり私ども今後におきまして、よく注意いたしまして、日本政府としましては濫発される虞れがないように十分努めて行きたい。これは結局相互の実行上の問題でございますので、まあその辺は問題があります際には合同委員会等で取上げてもよろしい問題でもございますし、十分注意いたしまして、お話のようなことがないように努めたいと考えておる次第でございます。
#15
○菊川孝夫君 次にやはり第二條の六項でございますが、軍人用販売機関というのは合衆国軍隊が公認し云々から「合衆国軍隊構成員及び軍属並びにこれらの者の家族の利用に供せられるものをいう。」こういう定義になつておるわけでありますが、これは実際やPXや食堂や社交クラブ、新聞発行所等の諸機関が合衆国の軍隊が公認しておることは事実でありますけれども、今日までこれらの機関が相当、これは日本人のうちの悪意な人だと思うのでありますけれども、これを利用しておることは事実であります。今日でももう相当顔で以てPX等のものを買つて来て、これは合衆国の軍人が連れて行つてわざと買わしておるのか、とにかくそういう事件があることはもう公然の秘密になつて、現に日本の東京都内のどこのちよつとした料理屋に行きましても、頼めば合衆国の煙草が平気で手に入る。これは公然の秘密になつておる。むしろ国会議員にしろ或いは中には国の公務員にいたしましても、平然と公開の席でもラツキーストライクを喫つているような人が今までにもあつて、これはもう公然の秘密になつております。これは殆んど取締と言いましようか、実際には殆んど取締られておらない、こういうようなのがまあ実際だと思います。今後長くこういう状態は……もう日本人もこれは当り前のような気持になるということになりますると、特に問題は、私が申上げたいのは、日本人を、特に女の子あたりを合衆国の軍人が、或いは軍属、家族等がこれを利用させるのに同伴するような事件がたくさん生じていると思うのでありますが、そういう場合にはこれらの機関が犯すこれは違反行為だと思うのです。ここに限定されました構成員及び軍属並びにそれらのものの家族の用に供せられるときに限つて、これは税法の免除の適用を受けることになつているわけでありまして、そこに日本人に利用させた、させているというような事実があつた場合には、当然これはその免税の処置を取消し得ると、こういうことになるわけでございますか。この点の申合せはどういうふうになつておりますか。
#16
○政府委員(平田敬一郎君) その点は今まで私ども聞きましたところによりますると、やや緩に流れている事実があるというようなことも聞きまして実はこの会議の際にもそういうことを言つて警告を発したようなこともございました。その点につきましては、向うの首脳部としては勿論今までもそういうことはあるべきでないし、今後におきましてはなお一層注意する。で、而も場所の配置等につきましても、こういう特殊の施設は地域外、施設外に設けることは原則としてしないというような注意を加えまして、お話のようなことが極力ないようにするという向うの説明でございます。大体ここに書いてありますものの中で海軍販売所、PX、食堂、社交クラブ、劇場、これは專ら向うの軍人、軍属及びその家族の使用にだけ供する。ただ新聞は経営の都合でそれ以外の場所におきましても販売することを認めている。それ以外のものに販売する分につきましては課税もするという規定を設けているわけでありますが、まあそういう趣旨で嚴正にいたしておる。その中でPXの問題は特に私ども今後留意して参りたいと思う次第でございまして、これはやはりはつきりしました証明書を持つている者に対してだけしか売れない、而も最近聞いて見ますと、やはり誰が買つたか、一々記録させているようでございます。物によりましては配給制度になつておりまして、一人で余計にそれより以上買えない物もございますし、物によりましては或る程度自由に買える物もあるようでございますが、買つた者につきましては、一々買主の名前を記録せしめているようでございます、そういう点は非常に今後はつきりさしてもらえばはつきりするのではないかと思います。なお食堂、社交クラブ、劇場、この辺になりますと、私は勿論勘定主と申しますか、金を払う人が軍人、軍属又はその家族でなければこれは絶対にいけないと思います。たまたま場合によりまして、それ以外の者をそういう軍人等の勘定で連れて来るようなことまで厳禁してしまうというのは、どうも事柄の性質上行き過ぎじやないかと思いますが、併し本当は自分の計算で軍人、軍属又は家族以外の者が使用するということにつきましては、嚴に取締つてもらう考えでございますが、そういうものにつきましては、今後更に私ども一層留意を加えまして運用上遺憾のないようにしたいと思う点でございまして、只今の御意見の点はよく拜承いたしておきまして、注意いたしたいと思う次第でございます。
#17
○菊川孝夫君 留意され、又今後この点につきましては相当強硬な態度で以て臨んでも、存外こういう問題はルーズにだんだんと慣れて来る問題なのであります。現にこれはやられているのでございまして、軍紀の嚴しい、又民主主義を一番理解しているアメリカでも平気で日本の女の子を連れて物を買つてやる。そうしてその買つてもらつた物が日本の闇市場に流れて、非常に日本の取引を阻害している面も相当あることは、これはまあ否定できないと思うのです。そこで申上げたいのは、こういう機関に対しまして、すべてこれを一貫して、どの法律でもそうでありますけれども、立入つて、或いは都合によつてはいろいろ実際の事実が現われたような場合にこの方面に立会いの検査であるとか、或いは監査というようなことになると角が立つと思いますが、何らかの方法でこれに立入りをして、そして正しく運営されているかどうかということを確認することを日本側から要求することができることをこの行政協定の際に確認ができているものであるかどうか。ただ向うの良識に任すのみであるかどうか。この点について一つお伺いいたしたい。
#18
○政府委員(北島武雄君) 御懸念の点は誠に御尤もでございますが、我々といたしましても、先ほど局長が説明いたしましたように、行政協定の締結の際にもいろいろ話合いましたし、それから又その後予備作業班におきまして、いろいろ関税問題、所得税問題につきまして分科会を設けてやつております。関税問題につきましては、PXを我々が立入つて検査することも勿論OKということに只今なつております。従いまして、若し今後PXにおきまして特権が非常に濫用される虞れがあります際におきましては、我々といたしましては勿論この両方の申合せを基礎といたしまして、立入り検査を実施する考えでございます。
#19
○菊川孝夫君 次に第七項に「この法律において「契約者等」とは、通常合衆国に居住する個人で、」ということになつておるのですが、この行政協定の際には個人又は法人となつておりますが、ここだけは個人としたのはどういうことですか。
#20
○政府委員(北島武雄君) 大変細かい点をお気付きで恐縮ですが……。
#21
○菊川孝夫君 いやいや皮肉をいわれては……。
#22
○政府委員(北島武雄君) 行政協定の十四條はこれは契約者の規定でございますが、一項におきましては、これらは「通常合衆国に居住する人(合衆国の法律に基いて組織された法人を含む。)」と明らかになつております。ところが第二項のところにおきまして「前記の人及びその被用者は、その身分に関する合衆国の当局の証明があるときは、この協定による次の利益を與えられるものとする。」とありまして、関税におきましてはC項におきまして「合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族について第十一條3に定める関税その他の課徴金の免除」とございます。これらは專らパーソナルな問題でございまして、我々としましては、法人は含まないという解釈で向うと折衝いたしました結果、関税につきましては契約者等の中には法人は入らないという解釈でございまして、従いまして特に関税に関する臨時特例の法案の契約者等の定義の中には法人はすべてないわけであります。例えば携帶品というのは法人の携帯品でなくて、パーソナル・エフエクツである。自動車にいたしましても、会社の用に供するために何台でも購入するとすれば、この條項では買主はパーソナル、それから軍事郵便についてもこれはパーソナルの問題であつて、すべて関税の第六條の四号、五号、六号はこれはパーソナルな問題で、法人については適用がないという解釈で来ておるわけであります。
#23
○菊川孝夫君 そうすると合衆国軍隊が使用するためにこの建設、維持、運営の事業をなす場合に、すべてこれはもう個人がやる場合にはこの関税の適用を受ける、契約者としての適用を受けると、併し契約というものは個人とやるのは少いのではありませんか、実際問題としまして……。品物を持つて来ましても法人の名前で、アメリカの会社名で以て品物を持つて来る。これは一体どういうことですか。運営や維持、建設は個人業者というものは実際問題として少いのではありませんが。
#24
○政府委員(北島武雄君) 只今御説明いたしましたよう、第六條の四号以下はこれはパーソナルの問題であつて、法人に関係のないという説明でございます。なお三号のところは、これはいわゆる契約者等ばかりでなく、日本人の契約者におきましても、直接それが最終的には軍隊に使用されるか、或いは軍の施設又は軍が使用する物品に附合、混和、加工されるようなものは、そういうものは免除される。これはいわゆる法人契約者であると日本人の契約者であるとを問わない恰好になつております。特に法人をこれから除きましても、何らの契約者等の定義におきまして、関税関係においてこれを除いても支障は起らないという考えでございます。
#25
○菊川孝夫君 次にはとん税の免除についてでありますが、「合衆国政府が所有し、又は全部用船契約により用船しておる船舶で」というのは、これは通常我々が戰時中に見ました御用船というようなもので、船そのものを用船しておる場合であつて、一部の荷物だけを契約して輸送さしておる場合には、このとん税の免除については当該物品の重量、これで適用することになるのですか。とん税の場合について……。
#26
○政府委員(北島武雄君) 第三條にはつきり規定しておりますように、「合衆国政府が所有し、又は全部用船契約により用船している船舶で、」とこうなつております。いわゆるチヤーターには二つ分けまして、いろいろ分け方がございますが、一つの分類はいわゆる全部用船契約、お話のようにその船腹の全部を借り上げておる。それからもう一つは一部用船契約で船腹の一部を借り上げておる場合、この船腹の一部を借り上げておる場合は現在普通は御用船と言つておりますが、この部分には入らんということになつております。船腹の一部を借上げておるいわゆる一部用船契約による船舶は入らんと、こういうわけであります。
#27
○菊川孝夫君 次に第四條の、ちよつと私わからないのでありますが、「当該船舶が公用船である旨を税関に証明しなければならない。」これは公用船の船長、この船長が單独に政令の定める手続によつて税関に証明しなければならないというのは、この船長の権限だけで以てとん税免除の手続はできることになつておるのですか。これはほかの軍隊の証明なんかなしに船長の申出によつてこれはとん税免除の取扱いができる、こういうことになつておるわけですか。これは船長の権限だけでそれをやらせることになるわけですか。手続は政令で定めるということになつておりますが、この場合には当然合衆国の軍隊の証明書を添附して船長は出せというふうなことをされるつもりですか。又それとも船長はこれは公用船であるという書類を出せばいいということにするつもりですか。そうせんと先ほどの三條との関係からしまして一部用船であるか、それとも全部の用船であるかということがはつきりしないと思うのですが……。
#28
○政府委員(北島武雄君) 船長は御承知のごとく世界各国とも共通に船舶についての絶対権を持つておりまして我々としましてはその船長の我々は公用船であるという証明によつて認めるつもりでございますが、但し合衆国政府、軍隊からは随時その公用船の資格を失つた場合においては税関に通知してもらう。あらかじめどれが公用船であるかということは一応税関においてはリストがあるわけでございます。
#29
○菊川孝夫君 そうしますと、公用船の場合にはすべて登録してあつて、何号という船は公用船になつているということになつているわけですか。そうすると、税関に公用船の船長は証明しなければならないというのは、その証明の必要はないのじやないですか。その点がどうもはつきりしないのですが。
#30
○政府委員(北島武雄君) ちよつと言葉が足りなかつたのですが、あらかじめ全部登録するということでなくて例えば成る船が港へ入りまして、それまでは公用船であつた。併し港へ入つて、そこで契約が解除になるという場合があります。その場合には軍隊から今入つている船は今までは公用船であつたけれども、これからは公用船ではないからという通知があるわけです。あらかじめ全部の船についてこれは公用船である、これは公用船でないというリストはないわけです。一応港に入るときには公用船であつた。ところがその航海によつて用船契約が終了して、そうして公用船でなくなるという場合には直ぐそのときに当該軍隊から通知してもらうということになつております。従いまして、各船長がやはり公用船である旨を証明する規定は必要なわけでございます。
#31
○菊川孝夫君 最後に、こういう取扱いを一応やることにいたしまして、これがフイリピンの例が直ぐ問題になるのでございますが、フイリピンにおける税関の取扱い並びに今度北大西洋條約における各国の税関の取扱いと、日本の今度結んだ行政協定に基いて定められましたこの法律との間に、我々が考えましてよく向うの法律を読んでもわかりにくいのでありますが、あなたがた考えられまして、無理にこれを押付けられて、ほかの国の国際慣例よりも不利な條件を押付けられているというような面、又有利になつているというような点がございましたら、一つ御説明願いたいと思います。
#32
○政府委員(北島武雄君) 先ずとん税関係でございますが、米比協定におきましては、これらの船舶に対してはすべてとん税その他の通行によつてかかる税金は免除するとこうなつております。今回この第三條を御覧になりますと、全面的にとん税が免除になるのじやなく、これらの船においても第六條の規定の適用を受けない課税品が入つております場合にはその「当該物品の重量が全積載物品の重量に対して有する割合を噸税法第一條の規定により算出した当該船舶のとん税相当額に乗じて得た額のとん税を徴收する。」、百分比によつてとん税が徴收になることになつております。ところが米比協定におきましてはこういう規定がございません。それからなお現在までの取扱いを申しますと、とん税につきましては従来はいわゆる一部用船契約、御用船と言つておる一部用船契約で船腹の一部を用船しておる船舶でも、軍貨物がある場合にはその軍貨物に相当する按分した分のやつを免税しておつた。ところが今度一部用船契約は全部抜かして、たとえ軍の貨物が積んであつても全部とん税を徴收する、それから北大西洋條約に基く協定におきましては、とん税関係の規定はどこを見てもちよつと見当らないのですが、恐らくはこれは北大西洋條約におきましては十数か国の多角的な協定でもありますので、その最大公約数をとつたのであろうと我々は一応考えております。あの地方は陸援国が多いのでありまして、一応とん税問題は問題にならなかつたのであります。問題になつたらそのときに協定するのであろうというように我々は考えております。なお関税関係でございますが、関税関係におきましては、米比協定では軍人、軍属、その家族が輸入するものは一切すべて免税でございます。ところが当行政協定におきましては、一切が免税ということにはなつておりません。この点は先方とも大分相当時間をかけて議論した挙句まとまつたわけであります。一応現在関税定率法によつて認められている携帯品、それから自動車、これは特殊の生活様式も考えなければなりませんし、それから現在又一般の旅客についても自動車については携帶輸入をするもの、資材については免税という取扱いをいたしております。それから最後には軍事郵便局を通じて送られる通常且つ相当量の衣類、家庭用品、こういうことになつております。米比協定におけるような非常に広い免税は認めておらないわけであります。それから北大西洋條約におきまする関税関係でございますが、大体北大西洋條約に基く協定を御覧になりますと、非常に條文関係も日米行政協定と類似しておる点がございます。ただ北大西洋條約に基く協定におきましては、この関税法等の臨時特例第六條の軍事郵便局を通じて日本国に郵送される通常且つ相当量の衣類及び家庭用品というようなのはちよつと見当りません。これも恐らくは又現実に具体化してからの上の話で、それから又提起され、解決されるべき問題じやないか。従つて協定にはそれは載つていないのじやないかと、こういうふうに考えるのであります。全体通じまして、米比協定に比べては、著しく今度の協定は具体的に且つ嚴密に規定されております。大体において北大西洋條約程度の條文になつておるかと私どもは考えておるのであります。
#33
○菊川孝夫君 今の御説明で大体わかりましたが、米比協定よりも非常に具体的になつておるし、若干取締等の場合でもこれは便利であるようには思いますが、併しこの行政協定を読んで見ましても、あとで軍事郵便で送る場合に、これはもう殆んど日常生活用品なんかは皆軍事郵便を利用した場合には無税になつておりますし、これの運用の面におきまして、これは條文の表現上では非常に嚴格なようにはできておりますけれども、実際軍隊が、これはもうどこでもでありますが、軍隊が駐留地へ向つてその家族の私用に供するものまでもどんどん無税にするということになりましたならば、これは解釈のしようによつてはすべて軍事郵便を利用させると思うのです。アメリカの駐留軍がここへ家族を連れて来ておつた場合には、一々詳しく本国において軍事郵便を利用する際に、品物について日本の日米行政協定や日本の法律を向うが調べてこれに該当するかどうかということまではとてもやらずに、大抵のものはそうした軍隊並びにその家族に対しまして寛大な取扱いをすることは、これはもうどこでも慣例たと思います。そして実際の面におきましては、これは米比協定と何ら変りないように殆んど無税で日本へ持込れるのじやないか、而も一番慣れるのは、その持込んだ品物が例えば洋服の生地にいたしましても、或いは煙草その他の菓子類、或いは石鹸とか、そうした日用品にいたしましても、多量に持込まれまして、それが無税で入つて来まして街に流れることを惧れる、長い間たつているとどうしてもそういうことはあり得るのでありまして、例えば日本人なんかでも中国、満洲国に参つておつたとときも、日本からいろいろな品物を理由を付けまして必要量以上に取寄せまして、そしてこれを中国人に売捌いておるような悪い人間も日本の軍隊並びに軍属の中にあつたのでありますが、それを取調べるというのは非常にこれは困難だと思うのですが、これは人員でも殖やして相当專門のものじやないとこれはとても……、軍人相手であるということと、それから語学が相当達者でなければならんということ、それから向うの習慣等も相当心得たものでない限りにおいてはなかなかできないと思うのです。語学もわかり向うの生活様式も相当理解しておるものでないとこれはいろいろと紛争も起きると思うのですが、そういうこの運用をする人の人的な陣容を相当殖やすようなことを関税部長考えておられますか、どうですか。それを今までの機構だけでやつて行こうとしておられるのですか、この点について。
#34
○政府委員(北島武雄君) 御心配の点は誠に御尤もでございまして、我々としても現在の人員で果してこれがスムーズに行くかどうかという点については愼重に検討しなければならんわけでありますが、何分にも二十七年度におきましては行政整理等の関係もございまして、税関におきまして特に定員を殖やすということが実は実現はいたさなかつた次第でございます。できるだけ既存の定員を訓練いたしまして差当りこれに向けたい、それでその実行の状況如何によりましては、来年度において相当人員並びに組織の拡充をお願いすることになるかも知れないと存じます。そのときには何とぞよろしく御支援下さい。(笑声)
#35
○波多野鼎君 今の関税法ですね、これは昨日も問題となつた専売法の特例の問題と同じ問題が関税法の臨時特例についてあるわけなんで、特に第六條の第五号、第六号というのは、これはどうしても屈辱的なものじやないかと感ぜざるを得ないのですね。特に第六号の軍隊の構成員、軍属、それらの家族はまあ何とか見逃がすにしても、又は契約者等の私用に供するために合衆国軍事郵便局を通じてとか、それから前の五号にも、自動車及び部分品までも無税で入れてやらなければならん。契約者の私用に供する自動車や部分品、こういうことは、どうして入れなければならん理由があるのですか、積極的な理由を聞きたいと思います。
#36
○政府委員(北島武雄君) 先ほどもちよつと御説明申上げたかと存じますが、自動車につきましては、現在一般の外人が日本に旅行して入つて来るという場合におきましても、一台までは携帶輸入は免税として扱いをいたしております。軍人、軍属等につきましては船や飛行機で来る場合も多かろうと思いますが、そういうものまで積んで来ることはなかなかできかねる。従いましてあとに廻しまして、自動車などが入ることが大部分と考えられますので、普通の引越荷物では、携帶品では賄えない部面が出て来るかと思います。従いまして彼らの生活様式も考えまして、現在すでに一般の旅客については一台までの携帶輸入は免税にいたしておりますが、この程度免税にいたしましても、格別弊害はなかろうかと存ずるわけであります。そこでこれが数台も次から次に輸入するようになりますれば、税関で見ておりまして、果してこれが私用に供するかどうかということがはつきりするわけであります。その場合には若し私用に供しない商業的な意味で入れれば、これは協定違反ということになりますので、我々もチエツクできるかと考えるわけであります。なお第六号の軍事郵便の関係でございますが、これは本国から慰問品等相当遅られて参りますので、それと併せて家庭から取寄せるというような場合にそれを免税しないというのもちよつと実情に即さないではないかと考えまして、この免税規定を入れた次第でございます。
#37
○波多野鼎君 今の話は第四号でカバーできるでしよう。引越荷物の中に入つているのじやないかと思います。そうすれば第五号というのを特に入れる必要は僕は積極的な理由がないような気がする。
#38
○政府委員(北島武雄君) なかなか引越荷物、携帯品では賄えない部分があるかと思います。それから又先例を申上げますと、実は北大西洋條約に基く協定にこの自動車だけを特定して免税にするという規定がございます。その先例によつたわけであります。
#39
○波多野鼎君 それから今言われた慰問品ですね、そういうものは別に……、慰問品なら慰問品としてはつきり出したらどうですか。こういう第六号のような大きな枠をきめておりますと、濫用される危險が非常に多いのですよ。慰問品なら慰問品としてはつきりしておけば、それなら反対はあえてしないのだが、濫用される危險を生ずると思います。何だか余り枠を拡げ過ぎているからいけないと思うのですがね。
#40
○政府委員(北島武雄君) 軍事郵便の場合は慰問品が相当多かろうと存ずるわけであります。慰問品だけと限定いたしましても、やはり無理な点があるのじやなかろうか。現在は御承知のようにこういうものは軍隊で発注するID四百二十六号という特別な組織がございまして、それを出せば皆んな免税で何でもかでも輸入できた。今度はそういう点を抑えまして、特に向うの内部においても相当軍事郵便の数量、重量等につきましては制限がございますし、軍事郵便だけによつて送られるというものは相当量の衣類、家庭用品、こういうものを本国から取寄せるという場合においてこれを免税しないというのは幾らか実情に即しないという点を考えまして、そのまま免税規定を入れたわけであります。御指摘のようにこの軍事郵便を通じて行われるところの濫用も予想されないわけではございませんが、それは又施行の状況を見まして、両方でよく協定して実施において遺憾なからしめようと考えておるわけであります。
#41
○波多野鼎君 昨日の専売法の特例の問題のときと同じ問題ですがね、つまり立案者のほうでも、政府のほうでもどうも少しひど過ぎるのじやないか、濫用される危險があるのじやないかという心配は僕は持つていると思う。併し濫用されるようなことが事実明らかになつて来れば、第何條か、或いは行政協定で以て取締るつもりでおると、こういう考え方ですね。そうしてもう一つ考え方の基礎にあるのは、駐留軍及び軍属、それから契約者等の便宜を図ることに重点を置いておる。日本の経済政策とか、日本の経済とか、或いは日本の主権の問題とかそういうものを如何にして確保して行くかという点が重点になつて来るのですよ。あなたがたの考え方は向うの便宜のことばかり考えている、(「平和條約に賛成したから」と呼ぶ者あり)そういう便宜のことばかり考えて、すべてこれは立案されていると思う。実情に即しないと言う。昨日からもしよつちゆう言つておるけれども、目下の実情ですか、占領下の実情ですか、そんなものに即する必要はないですよ、新らしい事態を作り出せばいい。そういう点では非常にこの法案の作り方の基本に横たわる観念が少し間違つておるように思うのだが、どうですか。
#42
○政府委員(平田敬一郎君) 先ほどの菊川さんの御懸念と併せまして、もう一遍私からお答え申上げますが、この米比協定、米英協定等よりはどつちかと申しますと、非常に極く一般的な規定の仕方で実は免税或いは特例を設けておる、それを私どもはできるだけ具体的にやろうじやないか、この点は率直に申上げまして、最初の向うの提案は或る程度包括的なものでありまして、抽象的な字句が多かつたのでございます。これではどうもはつきりしないし、又相互にあとではつきりさせる場合において困るからというので、でき得る限り具体的に一つ必要かどうかを考えてきめよう、こういう方針でこの打合せをしたのでございまして、従いましてこの関税は内国税その他に関係する協定のほかの分よりも更に一層協定自体も細かくなつております。先方でもこれに関する説明とか附則とか了解事項がほかのよりも非常にボリユームが多くて閉口しているということを漏らす人がありましたが、私どもはその事柄の対象をはつきりいたしまして、そういたしまして、それを果して必要であるかどうかよく考えた上でその限度において考える。まあ勿論私どもはやはり日本に軍隊が駐留して一定の目的を達成するわけでございますので、そういうことに対しまして必要な限度というものは、これはやはり態度といたしましては日本としては考えよう、併し必要を超えてやるということにつきましては、これはどうも考え直してもらいたいという趣旨で実は各般に亘つて話したわけでありまして、従いまして、協定或いは法律案もその他の例に比べますと、私は相当日本のほうが詳細になつておる。それで今の御指摘の軍事郵便の場合におきましても、「日本国に郵送される通常且つ相当量」という言葉を使つておりますが、これはもつと細かく書けば或いはもつと細かくなり得るかと思いますが、一般のこの米比協定その他にはこういうことにつきましても非常に包括的に、もつと包括的になつております。それでこういうふうにしておきますと、私どもはやはり「通常且つ相当量の衣類」であるかどうか、これは今後実行の際におきまして十分資料等を集めて来まして、範囲を逸脱しました場合におきましては、話合いできめる余地が非常に多いと思う。又私どもは是非そういたしたいと思う。やはりこれば実績等につきましても適当なときにまとめて報告してもらうことになつております。それを見まして、その上でどうも範囲を逸脱しているというようなふうに見られる場合におきましては、遠慮なく先方に対しましても申入れまして、必要な措置を講ずることにいたしたい。
 それからもう一つは関税法の第十一條でございますが、十一條の規定はこれは又非常にはつきりした規定を設けておるのでございまして、軍隊の構成員、それから軍属又はその家族等、又はこれらの者であつた者、過去にそうであつたがそういう資格がなくなつて日本に住んでいるような人、こういうような人々が第六條の適用を受けて違反した物品を日本国内において免税を受ける資格のない者に讓渡しようとするときは税関に申告して当該物品の検査を経て譲渡の免許を受けなければならないという規定を設けたのであります。これはもうまさに軍人等にぴつたりとこれが適用になるのでありまして、これにつきましては、やはりこれを免税しまして入れた物を横流しした場合におきましては、この規定違反としまして、あとで制裁が設けられてあります。まあそういうような点もはつきりいたしました。こういう点は従来はどうも御承知のように如何ともし難かつた。占領軍自体を、軍人自体を日本の国内法で処罰する云々という問題は今まではあり得なかつたのでありますが、それが今度ははつきりこの規定によりまして、日本の国内法で処理できる。それでその犯則の違反事件に対しましては、国内法の処分の特例で規定しておりますが、区域内施設内の場合はこれはどうもやはり向うの承認を得てやつたほうが妥当だというので承認を得るか、或いは軍の機密に属するような事件を臨検捜査をする場合がむずかしいときは嘱託してやる、区域外で臨検捜査したものをやる場合は日本の裁判所の令状を持つて行けば、随時必要に応じて違反処分の摘発ができる。こういうことにいたした次第でございまして、その点は前もたびたび申上げました通り、今までとよほど法律関係も違つて参ると思います。それで各條項ごとにでき得る限りそのようにいたしておりますので、まあ今後におきましては、本当に必要を超えましてこういう措置が濫用される、こういう場合におきましては、私ども資料をできるだけ集めまして、遠慮なく向うに申入れたい。私どもいろいろ接触した態度から申しますと、少くとも中央部の首脳の人々、或いは私どもが接触する範囲の人々、こういう人々に関する限りは気持は全く同じであります。併しなかなかそうは行かん場合があると私は思います。これは日本の場合におきましてもよくあり得ることでございますが、そういう事柄につきましては、よく事実を調べて向うに提議しますれば、私はこれはこちらの中央部から然るべき処置が講ぜられ得るということにつきましては、私はそう疑わなくてもいいのじやないか。又私どもでき得る限りそういう方向に努力いたしまして、少くとも今までのような弊害は猛烈に減少するようなふうに行かなくちやならんし、又私はそれは或る程度行くことは可能ではないかと考えておる次第でございます。それで実は御懸念の点は私もいろいろ先方に話しましたときには、專らそういう見地からいろいろ話したわけでございまして、従つて行政協定の中にも一般的にいろいろ日本の法律を尊重しなければならんといつたようなことのために、この違反事件につきましては資料を出さなければならんとか、協力をしなければならんとか、或いは特権の濫用に対しましては相互にこれを防止する責任を負う、こういうような條項を至るところに入れて置きまして、今度問題が起りました場合におきましては、そういう條項を援用いたしまして、更に適切なる処置を講じ得るようにしておる。そういう点は米比協定、米英協定と比べまして、私どもは今日このきまりましたものはよほど具体的であり、はつきりしておるということはこの際はつきり申上げておきたいと思う次第でございます。又私ども單にここで言うだけではなくて、実際に当りましてもそのような方針で運用の適正化を図るべく大いに努力いたして行きたいと思う次第でございます。実際問題といたしましても、戰後の一種の特別の空気からしまして、どうもやはりそういう点についてはおおまかにしたらどうかというようなのが、ひとり政府だけではなく、一般の空気になつておるように私どもどうも察知せられるのでありますが、だんだんそういう点はやはり平和條約調印後におきましては、世間の空気もよほど変つて来ると思います。そういうふうに変つて来ますれば、私どももそういう点については措置が非常にしやすくなつて来るのではないか、まあそういう点も私期待いたしまして、運用上遺憾なきを期したい。極く大まかな一般的なことだけで恐縮でございますが、基本的には実はこのような考え方の下に協定をきめる際にも相当しつこく先方とも話しましたし、又法律案もそういう点でできておりますし、或いはそういつた趣旨からいたしまして、もつと細かくできないかという議論があるかも知れませんが、そこはまあ程度の問題として御了承願いたいと思うのであります。
#43
○木村禧八郎君 只今主税局長から濫用されないようにいろいろ規定をしてある。そうしてその英米協定や米比協定よりも厳格に規定してあるというお話ですが、併し大事なことが一つ抜けておると思うのです、非常に大事なことが……。それはですね、第六條のこの免税規定において意見が違つたとき、両方でこの品物については日本国官憲は第六條に該当しないと認めたときですね、それからアメリカのほうはこれに該当すると認めた、意見が違つたときにはどうするか、今平田さんのお話ではあちらさんに強硬に申入れて適当に処置すると言いますけれども、適当な処置とは何であるか、そういうものがはつきりこれに出ていないのです。意見が違つたときはどうするかということが具体的にはここに出ていないのです。これが一番大事だと思うのです。如何に規定を細かくしても、先ほどの第六條の六において「相当量」という場合、日本国官憲はこれは相当量を超えている、いや向うは超えないというとき、意見が違つたらそのときは嚴重に向うに申入れても向うが聞かなかつたらどうするのか、一番大事な点が抜けていると思うのです。この点についてはどういうふうにされるのか、これが明確でなければ如何に細かく規定しても、意見が違つたとき、こつちが主張することができないようになつていれば私はしようがないと思うのですよ。何かそういう規定がどこかにあるかですね。
#44
○政府委員(平田敬一郎君) 非常に御尤もな御心配でございますが、その点につきましては、行政協定の二十六條に包括的に規定しておるわけでございまして、「この協定の実施に関して相互の協議を必要とするすべての事項に関する日本国と合衆国との間の協議機関として、合同委員会を設置する。」それで「合同委員会は、特に、合衆国が安全保障條約第一條に掲げる目的の遂行に当つて使用するため必要とされる日本国内の施設又は区域を決定する協議機関として、任務を行う。」こういう規定がございますが、私どもはやはりそういう場合におきましては、合同委員会の問題として十分中央部におきましても責任者同志で話合つてきめて行くと、併しながら問題は合同委員会で果してどの程度日本の発言権が強くなるか、或いはそういうことに対しまして運用がうまく行くか、そういう点にかかつて来るかと思います。従いまして、この合同委員会の組織構成につきましては、私どもは協定の立案者といたしまして、今申上げましたようないろいろな事項を十分討議するだけの人と、それから又組織、そういうものができ上ることを期待いたしておる次第でございます。
#45
○木村禧八郎君 それでは駄目なんであつて、合同委員会では駄目です。それは英米協定において包括的にきめた、併し英米協定においては包括的にきめたけれども大事な点はきちんときまつておる。日本の関税の免除の規定は細かく規定したけれども一番大切なところが抜けておるのです。先ほど御説明がありましたが、成るほど英米協定は最初は包括的にきめた。そのために非常に弊害が多かつたのです。それで二つの点において弊害が多かつたのですが、この英米協定の関税及びその他の税の免税のところで第十四條ですか、その中の特にCです。PXその他にこういうものが横流れしたということ。それからもう一つは無税輸入によつて両方の意見が建つて、英国の官憲はこれは免税されないのだ、ところがアメリカのほうの解釈によるとこれは免税されるのだと、こういうので無税品が相当輸入されたので今度は一九四六年一月十八日及び二月二十一日の交換覚書によつてその点をはつきりするために、両国の官憲において意見が違つたときには関税免除をしないと、こういうふうにはつきりしたのです。意見が合致したときのみに関税免除をする。意見が一致しないときには関税免除を認められないようにすることを約すると、こういうふうにしたわけです。ですからそうなると非常にはつきりして来るのです。この覚書の(b)にあるのです。「第14條(1)(b)項に関する英国政府の解釈では該当しないが、同項に関する米国政府の解釈では該当する商品及び贈物は、(@)植民地官憲の要求あるときは米国産品であり、(@@)第14條(1)(c)に規定される米国人により輸入されるものであり、かつ、(@@@)受取人の個人的使用のため輸入されるものでなければならないという既に両国の同意した條件に合致しないときは関税免除を認められないようにすること。」、そうすると、こうすれば相当量であるのかないのか、これは該当するのかしないのかと、そういう紛争が起きたときですね、そういうときにはこれは一応免税しないと、こういうような規定になつている。これは従来の包括的な規定のために非常に弊害が生じたので恐らくこういうことをやつたのだと思うのです。ですからこういう米英協定における過去の弊害の実例をよくお調べになつて、どういう弊害があつたか実際に……。そうして米英協定の場合に、なぜこういう関税特典の濫用防止に関する協定というものを更に結ばなければならなかつたか、こういう事情をよく研究される必要があるのじやないかと思うのです。これは非常に参考になるのじやないかと思うのです。どうも私は先ほど来伺つていて成るほど主観的には平田さんの御意見よくわかるのですよ。日本国の不利にならないようにいろいろ苦心されたことはよくわかります。やはり相当細かく規定されているということもわかるのですけれども、大事な点において相互に意見が違つたときに合同委員会では足りないので、何かそういう規定をきちんときめておかないといけないのじやないか、こう思うのですがどうでございましようか。
#46
○政府委員(平田敬一郎君) 今御指摘の協定を私ちよつと今見たのでございますが、私が先ほど申上げましたように、最初の協定が非常に包括的であつたために非常に解釈上疑問の余地が多かつた。それを成る程度相互の了解で、こういうものは該当する、こういうものは該当しないということを相互に協定できめて来ているのじやないかと思います。その協定できめて来た條件ですね。それに合致しないときには課税する。こういうわけでありまして、見解の差があれば直ぐ関税はこつちが取つてしまうのだ、こういう趣旨ではないと。殊に免税するというものはここにも書いておりますように、更に細かく相互の協定で、こういうものに該当する場合は免税の扱いをしていいだろう、そういうふうにお互いに合意ができて、その條件に合致すれば免税するし、その條件に合致しなければたとえ協定では相当包括的に書いておりましても、免税はしない、こういうことをここではきめているのではないかと思います。それで私どもはやはりこういう点がありますからこそできるだけ細かくいたしておきたい。併し更に細かくいたしましても、さつきの相当量のとか、通常のとかいうことになりますと、或いはもつと細かい問題が起りました場合には相互に話合いをする必要があるかも知れません。更に具体的に物によりましてはきめる必要があるかも知れませんけれども、そういう際におきましては、やはり更に合同委員会でよく打合せをいたしましてその條件に合致すれば免税するし、合致しなければ免税しないというようなふうに今後におきましても運用上更に努めて行つたらどうかというように考える次第でございまして、こういうことは勿論参考になりますので、よく見まして、運用上遺憾なきを期するようにして参りたいと思う次第でございます。
#47
○木村禧八郎君 どうも平田さんはまあ事務当局でありますから、如何なるあれでも合理化して、これでいいというような御意見ですけれども、すぐ合同委員会とか、或いは予備作業班とか、すぐそつちへ逃げてしまう。それで事足りればいいですけれども、こういう法律案とか、或いは行政協定とか、ああいうものにきちんときめておかないから、非常に不安定な、力関係でどうにもなるということになる。それだからこそ法律もきちんときめておく必要がある。今お話したことについても、わざわざ従来の経験によつてこういうものができている。單に品目だけじやない。個人的使用のために許されたものかどうかということなんかも包括されているのです。ですから、相当量であるかないかということの認定はやはりこれは入るのですよ。そういう濫用の過去の経験に鑑みてこういうものができているのですから、そういうときになぜこういう規定の中にそういうものを入れなかつたか。折角こういう過表の例があるのですから、こういう規定を入れて、合致しないときにはこれは免税しないのだ、こういうふうにするのが私は一番いいと思う。合同委員会において、いや適用されるとか、適用されないとか議論しておつても、結局力関係になる。力関係になるといけないから、今のうちにはつきりこういう法律をきめておいてそういう事実を確定しておく。こういうことが私ども必要だと思う。これは意見になりますから、まあこれは事務当局の立場としては、この法律案を作つたのだから、何でもこれを合理的に説明しようとしますけれども、私はその態度は非常に賛成できないのです。
 次にお伺いいたしたいのは、先の菊川さんが質問された点でありますが、関税検査の免除の点、その免除される場合が第九條によつて四つ掲げられておりますが、先ほど朝鮮作戦のために日本から出たり、或いは日本国に入つたりする場合には、これは適用にならないと言いましたけれども、それは一体何によつて区別するか。この九條の第一号によりますと、「合衆国軍隊の命令により日本国に入国し、又は日本国から出国する合衆国軍隊の部隊又は合衆国軍隊の構成員の携帶品」とありますが、はつきりこれは行政協定第三條に基いて、合衆国軍隊の命令によつてということになるのですか。若しかそうならば、何によつて区別するか。朝鮮作戦のためにアメリカから日本国に入つて来てすぐ朝鮮に行く場合には、そういう人たちの携帶品にはそれは適用されないと言われたのです。適用されなければ、そういう場合に何によつてはつきり税関で区別するか。その区別がわからないのですが。
#48
○政府委員(平田敬一郎君) 最初の問題にもう一遍念のためにお答えしておきますが、この今の米英の、英国大使より米国務長官代理宛の書簡、これは飽くまでもやはり合意しない場合にはいきなり関税法を適用するというのではなくて、そういう場合には更に細かく協定、了解を取つておきまして、そういう條件に該当するものはこれは免税する。それに該当しないものは免税しないという約束をしたのが私はこれだと思うのであります。従いましてその條件に該当しない限りにおきましては免税しないということにつきまして、これはアメリカが認めている、こういうわけでありまして、その点は直接米英協定が非常に包括的であるので、これは補足しているものと私はこの條文を少くとも見ております。それで私どもやはり運用に当りまして、この種のようなやり方をやる必要が今後において出て来る場合もあるかと思いますので、先ほど申しましたような「通常且つ相当量の」というのは、一体どういうものであるか。これはやはり今後におきまして問題がありまするような場合におきましては、一般的方針を少し具体的に先方と打合せておきまして、それに該当するかどうかできめて行くというふうにしまして、紛争をできるだけ少くするというふうにして参りたいと思う次第でございます。
 それから別段私どもは、でき上つたから合理化しようという気持で説明しておるということではございません。成るべく最初から合理的なものを作りたいというつもりでおりますことを御了承を願いたいと思います。運用に当りましても、こういう例等をよく見まして、更に一層そういうことに努めたいということを、今木村さんの御注意もございましたので、努めたいと思う次第でございます。
 それから朝鮮云々の関係でございますが、これはここで関税等の特例を認めますのは、二條でございますかに該当する軍人、軍属又はその家族としまして、向うの証明するものに限るわけでございます。証明の範囲は二條に掲げるものに限りますので、その他の場合におきましてはこの法律の適用がない。それは別途に協定ができますれば、それによつてやつて行くということになりましようし、そういう協定がなければ、單純に外国人として扱つて行くということに相成るかと思います。
#49
○木村禧八郎君 第九條の一号、そういうふうに解釈してできるのですか、どうですか。これによりますと、ただ合衆国軍隊の命令によつて日本に入る、又日本から出ると、こういうふうしか書いてないのですが、その駐留するとか、何とかあればはつきりするのですが、駐留する目的を以て日本国に入るというのならばいいのですけれども、漠然とこういうふうに規定してありますから、そういうことになりやしないかと思うのです。議論しようがないのじやないかと思います。
#50
○政府委員(平田敬一郎君) この九條に掲げておりまする「合衆国軍隊」というのも、第二條で定義されておりまする「合衆国軍隊」を指すと解釈しております。
#51
○木村禧八郎君 それでいいのですが、あとで又国有財産に関連して質問したいのですが、国有財産のときには一條ですか、一條に基いて必ずしも駐留目的だけというふうに解釈できないのもある。これは又国有財産のところで……。
 それから次に質問したいのは、結局この横流れ防止の問題が重要だと思うのですが、関税及び内国消費税を免除された物品についつて横流れを防止するため必要な措置を講ずる、これはどういう措置なのか、そういうものはあらかじめ大体考えられているものでしようか。
#52
○政府委員(平田敬一郎君) 行政協定にそういう抽象的文句は入つておりますが、その一つの重要な措置は、先ほど申上げましたこの関税法の第十一條でございます。これは非常にはつきり最初輸入する際には免税して入れるが、あとで横流しを承認を受けないでやるわけですが、処分するときは、そのとき輸入があつたと同じような手続をとらせる。こういうわけでありまして、これらは一つの重要な法律的な措置でございます。その他実際問題は運用問題といたしまして資料を向うからも出させる。こつちからも取る。或いは先方におきましてもそういう事実がある場合におきましては、お互いに協力いたしまして必要な措置を向うの軍隊の内部におきましてもとつてもらう。細かい事項はいろいろあるかと思います。
#53
○木村禧八郎君 関税の場合は第六條ですが、公認調達機関というときにはこの六條の規定においてはこの間お話があつたJLCを含むのか、或いはJLCから下請契約をやつた人はアメリカ軍隊から証明書をもらつて輸入する場合にはどうなるのですか。大体適用されるのですか。
#54
○政府委員(北島武雄君) 公認調達機関の解釈はこれは各税法共通でありまして、やはり本来ならば制度上向うの軍隊の一部にはなつておらないのでこういう書き方をしておりますが、一般の商社という意味ではございません。それからなお「合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が合衆国軍隊の公用に供するために輸入する物品で、」云々とありますが、これは勿論直接これらの物を商社が輸入して、それから納める場合は、但しこれはすでに保税地域にありまして、それから軍隊なり公認調達機関が買つて、これこれの公用に供するために買うという場合は、これは輸入する物品に該当する場合であります。すでに商社に頼んで保税地域にあるものをこれを軍隊が輸入するという場合にはこれは入るわけであります。
#55
○木村禧八郎君 これは委託を受けて輸入する場合も入るわけですか。
#56
○政府委員(北島武雄君) これは保税地域にあるときには輸入されておるものと認めておりません。それから軍隊が直接引取るのは輸入と考えてやります。
#57
○田村文吉君 つまらん質問ですが、第六條の第三号の、どなたかお聞きになつたかも知りませんが、「合衆国軍隊が使用する施設若しくは物品に」、これは「つけあわせ」と読むのですか、「ふごう」と読むのですか、この読み方は。
#58
○政府委員(北島武雄君) 「ふごう」と読みます。
#59
○田村文吉君 「ふごう」という日本語が一体あるのですか、聞いたことがありませんが。
#60
○政府委員(北島武雄君) 民法にあります。附合、混和、加工ということがございます。
#61
○田村文吉君 民法にあるのですか、それは甚だどうも……附合というとどの程度までが附合なんですか。
#62
○政府委員(北島武雄君) ちよつと今適当な例が見当りませんが、例えば軍隊の施設の中の建物の一部に把手とかを取付けるという場合には文字通り附合に当てはまるわけであります。
#63
○委員長(平沼彌太郎君) 午前の委員会はこれを以て休憩いたします。午後は一時半から再開いたします。
   午後零時十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十六分開会
#64
○委員長(平沼彌太郎君) これより再開いたします。午前に引続いて質疑を行います。
#65
○菊川孝夫君 午前に引続きまして関税法等の臨時特例についてお尋ねいたします。私の質問中にはかの人が発言されましたのでちよつと戻りますけれども、第二條の六項の「合衆国の歳出外資金により合衆国軍隊の使用する施設及び区域内、」こうあるが、この歳出外資金というのはどういうものを指すのですか。ほかの資金でやる諸機関にはこれは適用しない、歳出外資金というのをちよつと御説明願いたいのですが。
#66
○政府委員(北島武雄君) これは軍人用販売機関等は一定の資金を持つておりますが、これは合衆国の予算ではないようなんでございます。一種の何と申しますか、日本にも歳入歳出外現金という制度がございますが、予算には載つておらないその資金で運用される機関ということでございます。
#67
○菊川孝夫君 特別会計のようなものでございますか。
#68
○政府委員(北島武雄君) 特別会計とまでは行つていないようでございますけれども、この限定の意味は合衆国の予算から出るものじやないということを意味するものであります。
#69
○菊川孝夫君 それから次に第六條、ちよつと先ほど波多野さんからもお聞きしておりましたが、この四号の「引越荷物及び携帶品」という項目でございますが、この品目でございますが、この品目につきまして、特に携帶品につきましては例えばこれは広く海外旅行者の場合に問題になるのでありますが、懐中時計であるとか、或いは受信機というようなものは或る程度これは限定があるものだと思いますが、受信機を十個も持つて来るということはあり得ないと思う。又引越荷物につきましても、電気蓄音機或いはテレビの受信機を二十も三十も持つて来るということはあり得ないと思うのですが、これは一々検査をされて、或いは標準というものが大体において司令官の引越荷物の場合はテレビの機械二個くらいというのは常識だと思う。一般兵卒の場合はテレビの機械を三つも四つも持つて来るということはあり得ないというような大体標準はあなたのほうでおきめになるおつもりでございますか。これはどうされるおつもりですか。
#70
○政府委員(北島武雄君) 現在携帶品につきましては各税関におきまして入国者の社会的地位、職業等を勘案して、それが私の用に供されるという程度のものしか認めておりません。そこで各税関ごとにまちまちになつてはいけませんので、大体原則として一般の旅客についての品物はこの程度、船員であつたらこの程度というふうに大体の基準が現在守られております。一応その基準がそのまま踏襲されるかと存じます。但し相手は合衆国の軍人、軍属、家族、契約者等でありますから、一般の旅客と多少異なる点も出て来るかとも思いますが、一応税関において基準がございますので、その基準でやることになつております。
#71
○菊川孝夫君 次に第七條につきまして、これこれの品物に、前條の適用を受ける品物についてはこれらの内国消費税を免除する。「但し、内国消費税の免除を受けて輸出された物品で、同條第二号に掲げる物品に該当するものは、この限りでない。」こうありますが、これは内国消費税の免除を受けて輸出をされるというのは、これはどの法律で免除を受けるのですか。この点につきまして説明を頂きたいと思います。
#72
○政府委員(北島武雄君) 輸出免税の規定は内国消費税の各税法にございます。第七條で但書を付けましたのは、只今まで説明いたしましたように、軍人用販売機関等が国内産品を買いました場合には、これは内国消費税を免除いたしておりません。ところが免除いたされないものを一応輸出いたしますとこれは輸出免除の適用を受けるわけです。一遍輸出されましてそうして又軍人用販売機関が入れるというような場合には、この但書を置いておきませんと、国内産品のものまでも内国消費税は免税されるわけでありますので、但書を置きまして所得税法等の臨時特例等に関する法律案と歩調を合せた次第であります。
#73
○菊川孝夫君 行政協定の十二條によりますと、「合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が適当な証明書によつて日本国で公用のため調達する資材、需品、備品及び役務は、日本国の次の租税を免除される。」その中に物品税、通行税、揮発油税というようなものがありますね。これはやはりこちらで買つた場合にも、これも調達する場合には免除になるのじやないか、これは内国消費税が免除になつて、これで輸出される、そういうのじやないんですか。
#74
○政府委員(平田敬一郎君) 行政協定十二條関係は、今度の所得税法等の臨時特例にも規定しておりますが、これは軍隊の公用に供するものに限るということでありまして、軍人の私用に供するものは免税いたしません。通行税も私の目的で旋行する場合は課税する。又物品税も今までは軍人という証明がありましたので免税したのでありますがこれも免税しない。家具等を買う場合におきましてもこれらは今後免税しない。ガソリンもガソリン・スダンドで買います場合には免税しないのであります。ここに掲げておりますように軍隊の公用に供する場合に限る。例えば軍隊の公用に供する特別の写真機とか、或いはフイルムとか、或いは軍隊の営舎に備え付けまする特定の照明器具とかそういうようなものにつきましては、これは免税をいたしますが、軍人さんの私用に供するものにつきましては内国消費税は今後一切免除しない。ところで輸出になりますとこれは一般の税法で免税になる。それで一遍ハワイかどこかまで輸出しましてそれを買戻したり、これを輸入した場合には課税しないということになつておりますが、そのままにしておきますとおかしなことになりますので、但書を付けてそういう場合には課税するということにいたしておる次第でありまして、その内国消費税は一切今後は個人的用途、私用に供するものには課税するという、これは今度の行政協定によりまして今までと変る非常に大きな点であることを御了承願いたいと思います。
#75
○菊川孝夫君 次に第八條につきまして、これらの「施設若しくは物品に附合、混和若しくは加工されたことについて、合衆国軍隊の権限ある官憲による証明がされないものについては、直ちに当該輸入物品を輸入した者から関税及び内国消費税を追徴する。」こういうことになつておりますが、そういたしますと、第六條の三号に掲げる品物につきましては、その処分までも一々これは税関のほうで監督というか監視をされるつもりですか。これは保税地域にあるわけでなしに、向うの施設、区域へどんどん持つて行つてしまう、あとでこれに対して加工又は混和、こういつたことがされるということが、一々チエツクして消えて行つたものはいいけれども、期間内に消えないものは全部課税する、こういう処置を実際おとりになるのか。又「税関長の指定した期間」というのは、これはどういうような指定をされるのですか。
#76
○政府委員(北島武雄君) 只今の点につきましては、関税法等の臨時特例に関する法律案の第十條に、先ずこのような附合、混和、加工する場合には、「当該手入、加工、混合又は製造は、税関長の承認した倉庫又は工場において行わなければならない。」ということにいたしまして、第二項に更に「関税法第百一條ノニ第三項、第百一條ノ八及び第百一條ノ九の規定は、前項に規定する倉庫又は工場について準用する。」とありまして、あらかじめ税関長の承認した倉庫又は工場、ここに国家官吏を置きましてそうして一々物品の附合、混和、加工の過程をトレイスするわけであります。当初輸入いたします場合には、先ず自分からこれは最終的には自分の施設に合体するのだという証明をもらつて、それから今度税関長の承認した倉庫なり工場に行きまして、そうして附合、混和、加工或いは製造などの過程が行われる。その場合に税関官吏はしつかり見ておりまして、それから更にそのものが最終的に合衆国軍隊の施設に合体されたときは、合衆国軍隊の当該権限ある官吏が自分のところへ最後に引取つたという証明をもらうことになつております。そういうように具体的に細かくものの行方をトレイスする規定になつております。
 それから「税関長の指定した期間」と申しますのは、当初その輸入申告者から一体どのくらいの期間内に合衆国軍隊まで入るのかということを聞きまして、それを合理的に判断いたしまして無理のない期間を指定して行くつもりでございます。若しその指定の期間内に証明が来なければ関税を追徴する、こういう規定になつております。
#77
○菊川孝夫君 そうしますと、十條の「税関長の承認した倉庫又は工場」というのは、これは俗に言われておる特需工場というのを今言われておりますね、これはこういうのは皆該当することになりますか。
#78
○政府委員(北島武雄君) これは期間ということでなくて、こういうような加工などが行われる都度一々税関長から承認を受けまして、この倉庫なりこの工場なりでこういう附合、混和、加工、製造などの処理を行うという申請を得て、それによつて税関長がその都度承認して国家官吏を派遣するということになつております。一般的に広くあらかじめ承認するということではなかろうと思います実際上。
#79
○菊川孝夫君 例えば日本で東日本重工とかその他の諸会社が大体アメリカの軍需品の生産を請負つておる特需工場と俗に言われておるものがありますが、そこらに契約者等が物品を持つて来てその特需工場へ入れる、そうして、従つてそういつた民間の特需工場等も一応税関長としては承認をするようにやつて行かれるというつもりであるかどうか、こういうことをお伺いいたしておるのであります。
#80
○政府委員(北島武雄君) 若しその倉庫なりその工場を経過して製造しなければならない場合には、あらかじめ税関長はこれを承認をする建前であります。結局そのものが最終的に合衆国の軍隊の使用するもの、或いは又その施設に附合、混和、加工されるというような過程がはつきりしますれば、どうしてもその倉庫なり工場を経過をしなければならんということになりますれば税関としては承認せざるを得ないかと存じます。勿論その際には国家官吏の定数の関係もございますが、税関といたしましてはできだけその方面の便宜も計らいたいと思つております。
#81
○菊川孝夫君 例えば六條の三号によりますと、合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関、そのほかの軍人用販売機関等以外のものが、ですから例えば契約者だと思いますが鋼材だとかいろいろの非鉄金属その他の材料を持つて来てこれを特需工場に提供して、そうして軍需品をこしらえさせるというような場合には、調達を受ける特需工場等はこの税関長の承認した工場ということになつて指定される、こういうことになるわけですか。
#82
○政府委員(北島武雄君) 大体お話の通りと考えて結構かと存じます。
#83
○菊川孝夫君 次に第六條の六号でありますが、「合衆国軍隊の構成員、軍属若しくはこれらの者の家族又は契約者等の私用に供するために合衆国軍事郵便局を通じて日本国に郵送される通常且つ相当量の衣類及び家庭用品」、これと第九條の関係でございますが、「通常且つ相当量の衣類及び家庭用品」ということになつております。第九條におきましては、「合衆国軍事郵便線路上にある郵便物」は税関の検査を行わない。第六條の六号は、「相当量の衣類及び家庭用品、」これは「軍事郵便局を通じて」と、こういうことになつておりますが、相当量というようなことは、検査を行わないということを第九條にきめておいて、相当量の判定はどういうようにやるのですか、軍事郵便線路上にある郵便物は全然やれないといたしましたならば、この軍事郵便線路上というのは一体どういうのを軍事郵便線路上と言われるのか、この点ちよつとおかしいように思いますが。
#84
○政府委員(北島武雄君) 誠に御尤もなお尋ねでございますが、只今先方と打合せておりますやり方といたしましては、大体軍事郵便で参りますものにつきましては、今までデクラレーシヨンがついておりませんのをデクラレーシヨンを送るときから附けさせ、そしてそのうちの一通を税関に全部持つて来てもらいまして、税関におきまして個々のものを一々審査いたしまして通常且つ相当量なりや否やということを判定する。そして若しこれが通常且つ相当量の衣類及び家庭用品でない場合には、その分につきまして当該本人に通知いたしまして税金を徴收する。その場合には合衆国軍隊もこれにできるだけ協力するという話合いになつております。
#85
○菊川孝夫君 話合になつておりましても、合衆国軍事郵便線路上にある郵便物というのは、これは検査を行わないということになつておるのです。これはこの法律で全然検査をしないことになつておるのですが、線路上とは一体どこからどこまでを言うのですか。検査を行わないという以上は、相当量ということは判定できんじやないかと思うのですが。
#86
○政府委員(北島武雄君) その点が全然今までのようにノー・タツチの場合ですと御心配のことはよくわかるわけでございますが、今後は只今申しましたように、一々具体的に個々の郵便物につきまして内容を申告してもらいます。内容をつけてもらいまして、それを税関でもつて見ておるわけです。これを若し悪意に解釈いたしまして、相手の合衆国軍事郵便局の者がそれを不正に書いてあるのを見逃すということになりますれば、これは潜られる手もあるかと存じますが、その点はやはり相互の信頼で行かざるを得ないのじやなかろうか。我々としましても今まで全然ノー・タツチのものにつきまして、今後は具体的に個々の郵便物の内容を一々申告してもらうということになりまするので、おのずからそこにルールができ上つて来るのではなかろうかと、こう考えておるわけであります。
#87
○菊川孝夫君 併しそういう書類審査をされるというわけですが、書類審査をされましても不審を抱いても検査を行わないというふうに第九條できめてしまつておいて、不審を抱いても手の付けようがない。ただ書類によつて審査をするだけだ、こういうことですか、相当量だとか通常という意味は。実地の検査をするものじやなくて重なる書類審査によつてやつて行くんだ、こういうことですか。
#88
○政府委員(北島武雄君) 差当りはお話のように書類審査でございます。ただこの実行の結果どうしても軍事郵便物から相当な密輸入が行われるということになりますれば、これは又行政協定の本條に立戻りまして相互に特権濫用防止についての措置をいたすことになつておりますので、この條項を活用いたしまして又話合をいたすことになるかと存じます。行政協定の第十一條には、「合衆国軍隊は、日本国の当局と協力して、本條に従つて合衆国軍隊、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に與えられる特権の濫用を防止するため必要な措置を執らなければならない。」と義務付けられております。それから又九項には(a)としまして、「日本国政府の税関当局により執行される法令に対する違反行為を防止するため、日本国の当局及び合衆国軍隊は、調査の実施及び証拠の收集について相互に援助しなければならない。」、以下(b)(c)(d)とそれぞれ共助関係を規定いたしておりますので、この本則に立戻りまして、若し甚だしく濫用が行われる場合におきましては、現在の免除の規定ももう一遍やり直すということも考えられるわけであります。
#89
○菊川孝夫君 次に第十一條につきましてですが、「讓渡の免許を受けなければならない。」ということがございますけれども、こうしますと免許を受けた場合には関税免除物品の譲渡は自由にできるわけになるのですか。
#90
○政府委員(北島武雄君) 讓渡の免許を受けなければ讓渡できないということになります。逆に申しますと免許を受ければ讓渡できるということになります。但しそれが若し日本国の法令に反するようなものでありますればこれは又別個の措置によるかと存じます。例えばまあこういうことはないと思いますが麻薬類などを讓渡する、これはほかの法律によつて禁止されておりますから、そういうことはできませんですが、日本の法律によつて許されている物品については、これは免許があれば讓渡できるということになります。
#91
○菊川孝夫君 そうしますと、第十一條によりますと合衆国軍隊の構成員、軍属、これらの者の家族若しくは契約者がその他の者に輸入した免税物品を讓渡しようとするときには、税関に申告して検査を経てこれを讓渡することができる。そうするとこの條文だけの解釈によりますと、免許で抑えると言われれば別でありますけれども、免除物品を日本人に讓渡するということは免許さえ受ければやれる、こういうことになるわけですか。
#92
○政府委員(北島武雄君) そういうことでございますが、ただその場合の関税はどうなるか、初め免除されておるじやないか、免除のまま讓られたら困るじやないか、こういう御懸念と思いますが、それは第十二條に押えがございまして、第十二條では、免税特権のない者が第六條の適用を受けた免税物品を日本国内において讓り受けようとするときは、当該讓受を輸入とみなし関税法及び関税定率法の規定を適用する、こうありますので、その場合に讓受人が輸入者ということになりますからその讓受人から関税を徴收するということに相成るわけであります。
#93
○菊川孝夫君 次に第十四條、差押物件等の引渡でございますが、これはいろいろ物件を差押えましても速かに皆合衆国軍隊に引渡さなければならん、こういうことになつております。従つてまあいろいろの違反事件等もございまして仮に收容し又は保管しましたといたしましても、これは差押えましても皆又アメリカの兵隊に返してしまうのだということになれば、向うさんは治外法権、やかましく言つておつた重大な問題だと思うのですが、一体これはどういうことになるのですか。
#94
○小林政夫君 私もそれを聞きたいと思つておるのです。具体的に説明して下さい、事例を想定して。
#95
○政府委員(北島武雄君) お答え申します。第十四條を御覽下さいますと、「合衆国軍隊の所有する物品とありまして、特定の軍人軍属などの所有する物品ではないわけです。どういう場合が想定されるかと申しますと、仮に合衆国軍隊の所有する例えばランチなど利用いたしまして密輸入いたしたといたします。そうすると、それらのランチなどは関税法の規定によれば、税関が差押えて沒收するわけです。併しそれが合衆国軍の所有のものである場合であれば返すという規定でありまして、これは北大西洋條約に基く協定にも全くこれと同様な規定があるわけであります。
#96
○菊川孝夫君 一体合衆国軍隊の所有する、今具体的な例でランチを所有するというようなことを言われましたが、そういうことが実際問題として起つた場合にそれをただ差押えてみたところで又あとで返さなければならないということになつたら、当該物品でも合衆国軍隊の品物だというように言張られれば一々その場合には、証明書がないような場合には必ずその証明書を、船荷証券などがついてみればよろしいけれども、ついておらなくても合衆国軍隊の品物だというふうに高飛車に出るのは、日本の軍隊がやつたからそういうことを言うのじやありませんが、日本の軍隊でも何か問題が起きたら国内的にもすぐ、鉄道の輸送にいたしましても御用商人等がやつておるようなもので、これは危いということで国鉄あたりで押えましても当時軍が出て来まして、これは軍のものだといつて軍が優先に持つて行つてしまうということが盛んに日本軍で行われたのですが、これはやろうとすれば幾らでもできるのです。従つて軍の所有品たということで突張つてしまえば手が出ないわけです。すぐ引渡してしまう、それから又それをすぐにそのあとで向うのほうに引渡すというようなこともやろうと思えばやれるのですが、この悪用を防ぐ方法がございますか。
#97
○政府委員(北島武雄君) この規定が働くような場合には挙動がおかしいとか何とかいうことで税官吏が追跡してつかまえるというような場合でありますから、その中の物品も合衆国軍隊のものだとか何とかいうようなことはそのときの状況、証拠から行きましてちよつと成立ちがたいのじやないかと思います。その品物が合衆国軍隊の所有するものであつて密輸でないということになればこういう差押えはできないわけであります。その場合には当該責任者の証明を求めるなど適当な措置があるかと存じます。
#98
○菊川孝夫君 挙動が怪しいというのじやなしに、来た品物でどうも密輸らしいというような嫌疑がかかつたような品物が入つて来る。ところが差押えて見たところが合衆国のほうではすぐアメリカ人同士が連絡をとつて、契約者と軍との間に連絡をとりまして、あれは実は持つて来たのだが、実は一つ軍の証明書でも発註してもらいたいというようなこともやり得ると思うのでありますが、合衆国軍隊の所有する物品というものについては或る程度に限定する必要があるのじやないかと思います。合衆国軍隊の所有物品というものについては、例えばPXの販売物は軍隊の所有品とは言えないと思うのでありますが、軍隊の所有物品という以上は本当に直接に軍用目的に使う品物、小銃であるとか、或いはピストルであるとか、或いは軍用車両であるとかいうような場合には軍隊の所有物品ということは言い得ると思うのでありますが、これは合衆国のほうでは合衆国軍隊の所有物品だと言つて何にかかわらず向うはそれを主張し得ることになるわけですが、この点についてはちよつと明確を欠くと思うのであります。
#99
○政府委員(北島武雄君) 十四條の規定では合衆国軍隊の所有のものであるわけでございます。御質問の点は、これは合衆国軍隊の所有のものだということを主張いたしまして、そうして無理やりにこの規定の適用を受けて返さなければならんことになるのじやないかという御心配かと思うわけでありますが、その場合には果して合衆国軍隊の所有するものであるかどうかということは向うにやはり挙証責任があるわけでございます。こちらから合衆国軍隊の所有するものでないと思いますれば、向うから軍隊の所有するものだから返してくれと言つて来ました場合にはやはりちやんとした責任者が出て来ると思うのであります。ですから御懸念のようなことはないのじやないかと思います。これは勿論PX等には関係がないことであります。
#100
○菊川孝夫君 これは往々にして中国派遣軍、関東軍等においてはあつた事件なんであります。何も今度アメリカがやるということではないのでありますが、起り得ることだと思うのです。ちやんとマークには何々石油会社とかどこどこの電気会社というようなマークがついている。或いは箱にちやんとUSのアーミーとかネーヴイと書いてあれば、これは合衆国軍隊たることが歴然としている。日本国の税関史が見てもこれは隠れもない契約者のものであるというようなことがわかるような品物である。ところがこれは合衆国軍の品物であつてもその中に入つているものはという抗弁ができるか、これは盛んに将来事故の起る因だと思うのでありますが、そういうようなものでも向うが突張られた場合にはこちらは引渡さなければならないということになつているのですか。こちらではそう認められないような場合には、先ほど木村さんが質問しておられましたけれども、抗弁するような措置がちつともとられておらないのでありますが、向うが主張すればそれじまいだと思うのです。
#101
○政府委員(北島武雄君) その点につきましては目下予備作業班で以て具体的な実施細目を打合せておりますが、最近私のほうの向うから確めたところによりますと、当初入つて参ります場合にそれが合衆国政府の船荷証券によつて船積された軍事貨物であるか、そうでない貨物かという場合には色分けがしてあるわけであります。一応それによつて大体一応の目安は付くなという感じは我々はいたしておるわけでありますが、具体的にそのものが梱包から解かれましてそうして密輸を図る、密輸の嫌疑事件が起つたというような場合には困るわけであります。そのときには適当な当該相手方の責任者の証明が要るわけであります。挙証責任は先方にあるわけであります。その点については押えがやはり利くのじやなかろうかと感じておるわけであります。
#102
○菊川孝夫君 次に先ず全般としてこの関税法等の臨時特例に関する法律案について條文的にじやなしにお尋ねしたいのですが、アメリカの軍需生産品、即ち特需と言われておる品物につきまして、この安全保障條約第三條に基く行政協定によつて日本に駐留するアメリカ軍が使用する品物と、それからそうでない、例えば先ほどもちよつとお尋ねしました朝鮮の戰線に使う品物でも日本で作らせるということがあり得ると思うのです、日本の特需会社に。従つて契約者等が、アメリカの軍需生産会社等がアメリカの陸海軍との契約によつて日本で品物を作らせた場合におきましてこれはアメリカの日本駐留軍が使うものか、それとも朝鮮のほうへこれを持つて行くものか。その場合に朝鮮のほうへ持つて行くということになりますと、当然日本の軍需工場で作らせたら、普通の状態だつたら、朝鮮で使うようなものだつたら輸入税が、日本で生産するだけでも輸入税、輸出税がかかると思うのであります。ところが名目だけは日本の駐留軍で使うのだという名目の下に持つて来て、あとは全部飛行機で以て盛んに往復しておりますがこれを運んでしまう。爆彈のごときはそうだと思うのですが、こういうものを押える方法がありますか。この点についてお伺いしたい。
#103
○政府委員(北島武雄君) 只今の点は輸入されたものが再輸出される場合でございますね。
#104
○菊川孝夫君 輸出というよりも爆撃機に積んで持つて行つてしまう。
#105
○政府委員(北島武雄君) これは関税法では再輸出と一応解しております。再輸出と関税定率法に規定してありましてやはり免税であります。その点は当初から免税された場合と同様であります。ただ関税定率法では一定の條件の下に再輸出の免税を認めております点は多少違う点であります。
#106
○菊川孝夫君 そうしますと、例えば向うから免税にして材料を持つて来る。それからこれを朝鮮の戰線へこちらで爆彈にして、そうしていわゆる朝鮮の三十八度線に落しに行くときにはこれは両方とも、輸入も輸出もこれは免税に、なつておつてこちらは加工賃を稼ぐ、こういうことになつておるのですか、今の関税の規則から言うと。
#107
○政府委員(北島武雄君) 関税定率法では第八條に「左ノ物品ニシテ輸入ノ日ヨリ一年以内ニ再ヒ輸出スルモノニバ輸入税ヲ免ス」、当初輸入税を免除いたしましてそうして又あとで出ることが確実なものは最初の輸入税を免除するわけであります。これは加工貿易の促進の意味において定率法にこういう規定があるわけであります。
#108
○菊川孝夫君 そうしますと、朝鮮の戰線で使つておるような爆彈なんかも今後日本の特需会社が引受けて生産をするというような場合には、当然輸出輸入の今関税定率法の規定に従つて免税にするのであるから問題はない、こういうわけですか。爆撃に持つて行くのも輸出とみなす、こういうわけですね。
#109
○政府委員(北島武雄君) 但しその点につきましては、政令で以て指定したものとか指定した物品がございますが、広く只今のようなことは認められないわけであります。若しそういう必要がありますれば、関税定率法の施行政令によりまして品目を定めればできることになつております。
#110
○菊川孝夫君 これはもう実際問題として直ぐ起るし又起りつつある問題だと思うのは、私の申上げるのは、アメリカから原料乃至その他の材料を持つて来まして、日本において爆彈なんかの場合に火薬とかその他の部分品を持つて来てどつかの軍需品会社で組立てそうして爆彈に仕上げてしもう、これを朝鮮の戰線或いは将来起るであろうアジアの各地にいろいろの非常事態等が起つた場合にこれを使用する場合は、再輸出とみなす、それは日本の駐留軍が使う場合は別として国連軍との関係は非常に複雑になつて来ると思うのですが、それを再輸出とあなたのほうは認めておるというのですか。爆彈の製造のごときは今行われておることになるのですが。
#111
○政府委員(北島武雄君) 観念的には私が申上げましたように再輸出ということになります。但し具体的に御指摘の爆彈云々についてはまだ政令では規定いたしておりません。定率法だけから言いますと現在そういうものについては政令で指定いたしておりませんので免税にはならないわけであります。ただ一方若し今後国連軍との協定ができまして国連軍のために使用する物資も輸入税を免除せられるということになりますればそのほうの規定で賄えるわけであります。
#112
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと御報告申上げますが、先ほど理事会を開きましてこの行政協定の法案について研究してみたのであります。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#113
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
#114
○菊川孝夫君 関税法の質疑はこのくらいにしまして、次に私は国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案についてお尋ねいたしますが、この第三條でございますが先ほどもちよつと御説明がございましたが、「国税庁長官、国税局長、税務署長若しくは税関長から合衆国軍隊の権限ある者に嘱託して」施設及び区域内におけるところの国税反則取締法或いは関税法の規定による臨検、捜索は行う、こういうことになつておるのでありますが、そこでその二項におきましては、「前項の規定による外、合衆国軍隊の構成員」云云の「若しくは財産又は合衆国軍隊の財産について」臨検、捜索をすることができる。こういうことになつておるのですが、これは一体原則はこの嘱託して施設、区域内はやつてもらうのであつて、必要に応じては收税官吏又は税関官吏は施設、区域でも入つて行つてやることができるということは実際向うも認めておるのですか、入つて行くことを、この点を一つ。
#115
○政府委員(平田敬一郎君) これは一項と二項と分れますが、一項は私ども原則としまして向うの承認を受けましてこちらが入つて行つてやる、当該官吏が入つて行つてやるのであります。併しやるにつきましては軍隊の承認を受けてやる。併し例えば軍機の秘密に属するようなところを捜索しなくちやならんといつたような場合におきましては、これはどうもこちらの当該官吏でやることは適当でございませんので、そういう場合におきましては、恐らく向うでは承認が困るという場合におきましては、これはそれではそちらでやつてもらいたいということで嘱託してやつてもらう、こういうのが第一項であります。これはすべて区域及び施設内のことでございます。第二項はそれ以外の場合を実は規定いたしておるのでありまして、施設及び区域外でございますれば、これは国税犯則取締法に基きましてそれぞれ必要な処分ができる、何ら特別の制限はございません。特にこの明文で謳いましたのは行政協定の刑事事件に関連した事項で、この第二項ができないのじやないかという協定が行われておる。これはあくまでも一種の行政処分的に行います一種の刑事事件の捜索と申しますかそういうもので、純粋の刑事事件とは違うのでありまして、従いまして我々としましてはこういう事件につきましては、あくまでも一つ日本の犯則取締法に基きまして、いわゆる属人主義といいますかそれによりましてそれぞれ必要な処分を行う、こういう趣旨でその旨を明らかにいたした次第でございます。それから区域内におきましては或る程度の制限を受けますがやるのはこちらがやる、勿論工合悪いときには向うに嘱託してやる。区域外では全部こちらが法律に従いまして日本人と同様にやるということを明らかにいたしておる次第でございます。
#116
○菊川孝夫君 そうしますとこれはちよつと属地主義みたいなところもこの面に現れておるわけですが、特にたばこ專売法、アルコール專売法についてもこれを準用することになつておるわけですが、たばこ專売法の場合はいろいろ弊害があるのですが、向うの兵隊が盛んに今までも行われておるのですが、洋モクを日本人又はその他に販売しておるのを目撃することは我々もあるわけですが、そういうことはすべて税関官吏、收税官吏等は今後はそういう若し事件があるような場合にはその身体検査をやり得る、こういうことになりますか、実際問題としてですね。
#117
○政府委員(平田敬一郎君) できることになります。
#118
○菊川孝夫君 それは行政協定にもやはり向うも載つておるのですか、そういうことは。
#119
○政府委員(平田敬一郎君) 行政協定には純粋の刑事事件でございますね、普通の一般の刑事々件につきましてはそういうことはやらない、向うのアメリカの軍隊だけが権限があるということを謳つておるわけですが、税法違反につきましては一種の刑事々件と行政事件の中間みたいなものですが、行政処分の延長といたしまして裁判官の令状を得て承認を得ましてやるわけでありますが、現行犯の場合はすぐできますが、そういうふうなものでありまして、刑事々件の場合とこの場合とは若干違つて来ると考えております。これは勿論先方と話合いまして了解がついてこの法律案を出したわけでございまして、その点は税法のほうはちよつとほかのものと違う関係のものと考えます。
#120
○菊川孝夫君 その場合には当然抵抗等がありました場合に、これでは收税官吏又は税関官吏ということになつておりますが、抵抗等があつた場合には警察官等がこれに応援することができるかどうか、この点についてお伺いしたい。
#121
○政府委員(平田敬一郎君) その点は日本人に対する場合と全く同様でございます。
#122
○菊川孝夫君 法律上では收税官吏又は税関官吏はこれをやれるということになつて、することができるということになつておるが、この場合には必要な場合警察官、或いはこれは関税法にあるかも知れませんけれども、外国人に向つてやるとき、外国の軍隊に向つて警察がそれを応援できるかどうか、これははつきりしておいてもらいたいのですが、これは将来……。
#123
○政府委員(平田敬一郎君) 国税犯則取締法第五條に規定がありまして、「收税官吏臨検、捜索又ハ差押ヲ為スニ当リ必要ナルトキハ警察官又ハ警察官吏員ノ援助ヲ求ムルコトヲ得」、この規定がありましてこれが勿論適用になると思います。
#124
○菊川孝夫君 それは国内法において日本人に対して捜索又は差押の場合にはこれはその法律は適用するでしよう。ところがこのアメリカの合衆国軍隊の構成員だとか、そういう家族、軍属とそういう特別な特権を持つておるわけなんです。その点については当然警察官の応援を得てやり得るということではなくしてこれは了解もついた上でございますし、又実際今後実施する場合において例えばたばこの闇売なんかやつておる場合には、警察の応援を得て身体検査をやるという方針でございますか、ちやんと方針として確立しておるのですか、大蔵省として……。
#125
○政府委員(平田敬一郎君) 実は国税犯則取締法につきましてはここにはつきりいたしておりますように、この法律の執行に当りましては三條の一項、二項でやるわけでございますので、これは当然できるものと私ども解釈いたしております。
#126
○菊川孝夫君 これはなぜ私がこれを申上げるかといいますと、曾つて日本でも有名な大阪でゴーストツプ事件というのが起りまして日本の軍隊でさえ日本の警察が制止したことによつてえらい事件が起きたことがございました。ここで政府がそれだけ確固たる腹を以て、ゴーストツプ事件の或いはそれ以上の事件が、外国軍隊であるし言葉も十分通じない、従つてそれ以上の事件も又起り得ることを覚悟で、現行犯で施設外であつた場合にはやる腹を持つておるかどうか、それを聽いておるわけであります。
#127
○政府委員(平田敬一郎君) ただ国犯法なり関税法で違うのは逮捕だけはできない、これは收税官吏はそれだけはできません。臨検、捜索、差押、身体に何を持つていたか調べる、或いはそこに持つている証拠書類を押收してしまう、現場にたばこを持つておれば押えてしまう、これは法律に基いてできるわけでありまして、それをやる上に必要な範囲内でございますれば警察官の応援を求めてやれるわけであります。ただ逮捕だけは国犯法或いは関税法、或いはそれに準用しますその他の法令に基きましてもそれはできません。
#128
○菊川孝夫君 それは法律上誠に今平田局長からやる決意を述べられましたし結構だと思います。我々も賛成でありますが、実際問題として特に外国の軍隊が長い間占領をしておりましてそうしてようよう占領が駐留に切替えられたときでも、彼らは駐留軍の軍隊というものは何だか占領意識というものはなかなか容易に抜け切れないものでありまして、これはエジプトにおけるイギリス軍隊或いはインドにおつたイギリスの軍隊の例を見ましても、なかなか日本の收税官吏、又は税関官吏等に対しましてはもう問題にしないというのが多い。一体條文におきましてはなるほどそういう了解がつきましても、末端へ参りますと非常な紛争が起きることを当然予想しなければならんと思います。現に大蔵省の收税官吏等はこの間も大阪で第三国人、朝鮮人の密造部落襲撃に当りまして日本の警察では手が出なかつた、二回に亘つてやつた、而も危害を加えられておるという事件も起きておりますが、ああいう事件はよもや起きまいと思いますけれども、軍人、軍属でございますので武器を皆携帶いたしております。従つてこういうことをやるには相当身体の危險も考慮に入れてやらなければならん、こういうことをやらせようとする、今平田さんが言われたようなことをやらせようとする場合には、それによつて生ずる危險の保障ということも考慮しなければならんと思いますが、平田さんこういう法律をこしらえてこれからあなたの所属、いわゆる大蔵省の所属のこれらの官吏にやらせようとするのでありますが、これらの保障につきましては相当お考えになつておりますか。
#129
○政府委員(平田敬一郎君) それはなかなかむずかしい問題でございますが、これは私は結局はやはりアメリカ軍自体の規律の保持でございますから、そういうことに対する向うの軍の首脳部及び軍人さんがたの考え方、これが今後どういうふうになつて行くか、恐らく私は今後は、今までも私どちらかと申しますと占領軍としましてはほかの場合と比べまして非常によかつたと思いますが、勿論弊害も多かつたことを認めますが、今後におきましては特にその軍紀の保持ということにつきましては特に注意されるのではないか、又そういうふうになつて来るのではないかと一方においては期待いたしておる。それから一方におきましては、これは勿論先ほどもちよつと波多野さんに申上げましたように、日本の国民の空気でございますが、世論と申しますか、そういう雰囲気でございますね、そういうものが大事でありまして、そういう雰囲気がだんだん独立後釀成しますれば悪い意味じやなく、悪い駆り立てるというのではなくて、独立後におきましてはしつかりそれぞれ法令をお互いに遵守して参りたいということにつきましては、更に一層規律のある秩序を打立てるという心がまえができますれば、これは私は実際問題としまして、こういう場合に対処する場合に非常にやり易くなるのではないか、私は全体といたしましてそういう方向に両者が行くことを期待いたしておる次第であります。万一危害等があつた場合にはどうするかということは、現在もそれぞれ税関官吏等がいろいろ処置をやります場合におきまして必要な措置を講じておりますが、そういうものの一環としまして考えて見たいと思つておる次第でございます。
#130
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#131
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
#132
○菊川孝夫君 たばこ專売法等の臨時特例に関する法律案についてちよつとお聞きしたいのですが、これは皆さんもうすでに御質問になつたかも知れませんが一番事故の多いのはたばこの專売問題だと思うのですが、これによつて大体相当日本の專売益金というものは私は阻害されておる。占領下においてこれは買う日本人も悪い、アメリカばがりではないのですが、現にもうアメリカの兵隊さんが平気で日本の列車の中などにおいて日本人に向つて販売しておることもあるし、日本の恐らく大都市の高級料理店へ行つて注文すればもう平然と洋モクが販売されておる、実際問題として。一体今日一年間にあなたのほうでは相当調査をされておると思います。專売局では推定して盛んに宣伝して洋モクをすつてはいかんという宣伝をされておるのだけれども、これによる被害が一体どれくらいあるということは当然專売当局としては調査並びに検討はされておると思うのでありますが、この点について先ずどのくらい今まで一年間にあるか。それから将来ああいう事故を防ぐようにこれはもうどうしてもしなければならん。一番この問題は起りやすい。簡單なようでありますけれどもああいうたばこのごときは嗜好品でございますので、一旦なじんでしまいますと毎日光をすつておるともうこれは光が一番うまいし、又ラツキーストライクをすつておると又これでなければならん、こういうことになると思いますので、これらの事故が私は一番多いと思います。これが長く今後いつまで駐留ということは続くかも知れませんが、なれればなれるに従つてどうも等閑に付されがちになりまして、たばこくらいということになると思いますけれども、たばこの專売制度というのは日本の歴史から見ましても非常に古いいろいろの経路をたどつて今日のような状態になつたのでありますから問題は私は大きいと思うのでありますが、第一にお尋ねしたいのはこの点。第二にはこういう闇たばこの横行を基本的にはどうして防ごうとせられておるか、この点を一つ伺いたいと思います。
#133
○政府委員(久米武文君) 不正外国たばこによりますところの反則の関係は、大体一年間四十億円くらいの輸入たばこが街で動いているというふうに專売公社では見ております。大体全体の闇たばこというものを百億円くらいということにいたしておりますが、その百億円中の四十億円程度が外国の関係である洋モクである。この洋モクの取締につきましては專売公社としてたばこ專売法の定めるところに従つて取締に全力を注いでいるわけではございますが、まだ十分なる成果は挙げていないということは遺憾に存じております。大体反則の状況の一つのバロメーターとして検挙件数などをちよつと申上げてみますると、外国たばこの所持、讓受或いは讓渡ということで検挙いたしました件数、これはまあ大部分現存までは日本人でございますが、二十四年度に千七百五十九件の検挙をいたしております。二十五年度は五千四百十一件の検挙でございます。二十六年度は昨年末までに八千三百十三件、それからそれ以後今年の一月、二月で約二千二百件程度検挙いたしております。今後はひとり日本人に対するのみならず米国の軍の構成員でありましても日本人に不法に讓渡すという場合には、たばこ專売法六十六條の定めるところによつて違反になるわけでありまして、こういうふうな面につきましても十分なる取締をして行きたいという考えでございます。
 なお外国たばこにつきましては最近正式の輸入ルートができまして、正式の輸入ルートで以て輸入いたしました分につきましては、その箱の表の中央に專売公社の商標をはつて販売いたしております。例えばラツキーストライク、或いはチエスターライールドというようなものは二十本入り一箱百三十円という定価で販売いたしております。そういうふうな正式ルート以外のルートで参ります分につきましては、今後も十分取締を励行して参りたいと考えております。
#134
○菊川孝夫君 こういつたたばこ、特に塩等でございますが、これをわざわざ無税で持つて来るということをしなくても現地調達でもできると思うのですが、これはやつぱりフイリピンなどはたばこが向うはたくさんできる、マニラたばこで有名なんですが、フイリピンの條約などは協定はどういうふうになつておりますか、たばこを現地で調達させるようにしておりますかその点。又それから日本で将来アメリカが今後長く駐留することになつた場合に、今の場合は巻紙も輸入できることになつておりますが、これは巻紙の輸入というようなものは日本内地においてこれによつて巻たばこを製造させることを認めるつもりでございますか、この点を一つお伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(久米武文君) 先ず製造たばこ用巻紙の点を先にお答えいたしますが、ここで特に「巻紙」と書きましたのは、そう大量の巻紙が入るというふうなことを想定しておるわけではございませんで、例えばごく特殊な場合に罐入りの中へはきざんだたばこが入つている、別に巻紙の小さい紙つぺらがくつついているというふうな特殊な製品がございますので、そういうふうな特殊な場合にもその輸入が違法にならないというごく特殊な場合だけを念頭においた規定でございます。
#136
○菊川孝夫君 そうしますと、国内における製造とか加工というものは一切認めない、こういう方針でございますか、施設、区域内におきまする。
#137
○政府委員(久米武文君) 施設、区域内における軍によるたばこ製造ということは全然考えておりません。
#138
○菊川孝夫君 そうしますと、そういうのは行政協定にもはつきり見えておらないようでありますけれども、従つて日本政府としてはそういうものがあつたら協定違反として要求にも今後来たら応じないし、又そういうのがあつた場合には抗議を申し込んで処理をする、こういう方針でございますか。例えば軍人用販売機関等でその内部におきまして、向うから巻紙或いは包装用紙、それからたばこ等を持つて参りまして製造する、今ラツキーストライクが日本でこしらえられておるというようなことをよく聞くのでございますけれども、それを全然させない方針ですか。これは今ちよつと聞いてみますと、日本製のラツキーストライクと向うから来るのと両方あるということを聞いておるのですが、今後はこの協定に基いてはさせない。こういう方針でございますか。
#139
○政府委員(久米武文君) 現在日本国内におきましては、例えばラツキーストライクとかチエスターとかというふうな外国製品と同じようなたばこは製造いたしておりません、事実問題として。それから又アメリカ側とのいろいろ話合におきましても、アメリカにおきましてはたばこの製造会社がございまして自分のところの会社は成るべくたくさんの製品を作つて成るべく売りたいという国内の会社側の要求がございますので、たとえ駐留軍がこちらで以て作りたいと思つても、仮に軍の一部にそういう考えがあつたといたしましても、アメリカの国内事情としてはそういうふうなものを許さないという実情でございます。
#140
○菊川孝夫君 わかりました。このたばこのごときは大した法律としては問題じやないと思うのです。要は闇たばこを向うの連中が持つて来て日本に売りさばいて日本の專売益金に対して打撃を與えるというやつは、これは一番問題の焦点だと思います。このたばこ專売法等の臨時特例そのものは、行政協定を我々反対する立場からいたしますと、これは反対でございますが、併しこれはそういう論を抜きにしますと大した問題じやない。要は先ほども繰返して申しましたように、闇たばこの横行がどうしても実際問題として軍隊の威力で以て、而も上部の機関におきましては成るほど理解されておりまして、今日でも嚴重に取締をすることになつておるにもかかわらず、軍規も嚴正にこれは守られておるアメリカ軍においても、なお且つ占領直後と今日とを比較してみますると、むしろ私の見るところでは、占領直後では日本の放館或いはホテル等の業者に委託してああいうふうにやすやすと入手できなかつた外国たばこが、今日では東京都内のちよつと高級といいますか料理店、喫茶店、カフエー等に参りましてもこちらから希望しますならばこのくらい楽に入るものはないのでありますが、占領直後は相当向うのMPにつかまる危險をおかして皆入手したものです。これは日本の内地のたばこの不足から生じた事情もございますが、今では全く自由販売制度のような状態にあることは、これは專売局も認められると思う。従つてこの問題については專売法の臨時特例のこういう法律を余りやかましく言うよりも、これの実施に当つて闇に流させないようにするのが一番大事な問題だと思いますので、将来これだけは是非特に向う側と折衝に当りましてもこれを防ぐように僕は折衝されたいと思うのでありますが、これの折衝の経過は一体今までよりも嚴重に取締るというような折衝をおやりになつたか。今のお話の通りに四十億も流れている。又今後も長く続けば五十億になり百億になるかも知れないのでありますが、ところがこの法律を見ますと、余り嚴重に取締るというのではなしに、アメリカ人がすぐたばこを日本へ無税で持つて来るということをきめただけでありまして、闇たばこの防止のほうはちつとも触れてないと思いますので、これは問題は日本人にとつて一番問題だと思うのでありますが、ちよつと我々の考えとは今の專売局のなにはちよつと遺憾なように思うのですが、この点について一つ向うはどういうふうに応答されたか、こちらはどういう折衝をされたのか一遍お知らせ願いたい。
#141
○政府委員(久米武文君) 不正外国たばこが横行しているというふうな事実につきましては誠に遺憾な点でございまして、專売公社としてもその力の及ばざるおは深く恥る次第でございます。條約発効の日以後は、現在のたばこ專売法第六十六條で規定しておりますところのたばこの不正所持或いは不正讓渡という関係が、アメリカの軍人、軍の構成員、或いは軍属という人にも適用になるわけでございます。要するにたばこ專売法六十六條による取締規定が軍人に適用になる。それの取締は現行法によつて今後ますます励行して行かなければならない。これは條約発効後も法律の條文は同じでありますけれども実際に起ることが違うわけでございまして、だまつていればそういうことになるわけであります。取締の関係は従来ある現行法で以て行ける。ただ個々の特例法の法律のほうでは、行政協定関係から出て来たところの特殊な資格を持つた人が特殊なものを特殊な場合に輸入するとか、讓渡すとかいうことだけを合法化するという国内立法手続だけを規定しましたもので、その意味におきましては極めて法制技術的というか技術的な立法に相成つております。御指摘になりました根本の問題というものは、たばこ專売法六十六條による不法所持、不法讓り渡し、不法讓り受けというものの取締を励行するということでございます。その点につきましては全く同感でございます。
#142
○菊川孝夫君 今そういう御説明がございましだが、そういう不法なやつは先ほどお話になりました国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案、この法律案が通つた場合にこれによつてやるのです。あなたはたばこ專売法の六十六條でやると言つたけれども、実はここで見ますとたばこ專売法その他の法律において準用する、国税犯則取締法又は関税法の規定、この準用ということになつているのですが、この六十六條じやなしに、これの特例の第三條によつてやるのじやないのですか。
#143
○政府委員(久米武文君) 先ずその犯則になるかどうかという、違法であるかどうかということがたばこ專売法の六千六條で出て参ります。たばこ專売法の六十六條で違法になるとたばこ專売法違反事件になります。たばこ專売法違反事件になりますと、今度は国税犯則取締法を準用する、違反事件になつて初めて手続規定を準用するというわけでございまして、その準用する場合にこの国税犯則取締法の臨時特例に関する法律の第三條の規定が準用される。それで施設及び区域外であれば專売公社のたばこの取締監視、いわゆる專売監視というものが軍の構成員でも直接相手にして臨検、捜索、差押ができるということに相成つて参ります。
 なお念のために申上げておきますが、この三條の三項に專売関係におきましてはたばこ專売法だけを例示的に掲げてございますが、たばこ專売法のほかに塩專売法でありますとか、しよう脳の專売法、そういうものもいずれもここで以て準用されるということに相成つております。
#144
○菊川孝夫君 そうしますとこの第三條の二項によつて差押しますというのは、これは非常にそのむずかしい問題だと思うのですが、軍人、軍属の家庭における差押と言つたつて、これはおれのすうやつだと言つてしまえばおしまいだ。現行、売渡しているところをつかまえる以外に方法ないので、その瞬間をつかまえなければおれのすうやつだと言つてしまえばおしまいでありますが、そういう場合に瞬間をつかまえるどいうことは実際問題としてできない。仮にできたとしましてもこの差押えた品物はどうするつもりですか。そいつの処置はどの規定によつて処理されますか。差押することができるということだけはあるのでございますが、その後の処置はちつともきめてないのですか。これはどういうふうに処理されるのでございますか。
#145
○政府委員(久米武文君) たばこ專売法七十五條によりまして沒收になるのでございます。
#146
○菊川孝夫君 それはそのたばこ專売法違反の場合には、そうするともうアメリカ人といえども国内のその法律によつて沒收になる。ところがこれは刑事事件になるわけですな。そうすると治外法権になりまして向うが不服を申立てました場合には、これは裁判ということになるだろうと思うのでありますが、そうすると向うの裁判になる。属人主義ですから向うの裁判に服することになるわけですが、いわゆるあなたのほうで沒收したたばこをアメリカ側の裁判に渡してしまうわけです。そうすると最後は裁判になるだろうと思うのでありますが、そうなつた場合には、このたばこは向うへ引渡してしまうことになるでしよう、向うの軍隊のほうへ、所属部隊のほうへ。この処置はどういうふうにせられますか。裁判権がこつちにないのだから、沒收したつてこれはやつぱり裁判になる。
#147
○政府委員(平田敬一郎君) その点はまあ課税関係全般に関連になつておりました問題でありますので、たばこ專売法はちよつと特例がありますので、私特例の点はどうかと思いますが、一般的な点を申上げますと、間接国税の場合は通告処分というものをやるわけでございます。この通告処分は一種の行政処分でございまするが、これはこちら側の権限のある官庁から官吏が出せる。税務署長が例えば脱税した脱税額に相当する金額と、それからその何倍かに相当する罰金に相当する金額――罰金自体ではないのでございますが――罰金に相当する金額を通告処分で通告するわけでございます。そこまでが実は行政官ができる処分。それで履行しなかつた場合にはどうなるか、これは告発する。その場合にはそれから以後の純粋の刑事事件になりますと、これはどうも一般の御承知の通り、普通の刑事事件と同じような関係になりまして、それぞれ向うに繋属されて行く。相手がたが軍人軍族、その他家族でございますれば、そういうことに相成るかと思います。併し税金はこれ又最後まで行政処分でございまして、納めない場合におきましてはこちらの官吏が適当なものを差押いたしまして、これは強制的に取立てて徴收することができる。これは日本の国税徴收法をそのまま適用いたしまして最後的行政処分ができる。従いまして通告処分、反則処分、税関長は通告処分ですか、こういう処分に入らないあとの純粋の刑事事件、これは一般の刑事事件と同じようなことになる。我々の段階は通告処分をやる段階までは、ここに出しました各種の法律案でそれぞれ必要がある措置はとれる、かようなことになるかと思います。
#148
○菊川孝夫君 たばこの場合はちよつと違うのだがな。平田さんの場合には国税の場合はよろしうございますね。たばこで沒收した場合にこのものの処分等につきましては刑事訴訟法等の関係を一体どういうふうに扱われるつもりか。
#149
○政府委員(平田敬一郎君) なお税法違反の場合を御説明しまして御参考にいたしますが、通告処分をやるにつきましてはやはり一般の証拠書類をこつちで收集しておるわけでございます。そうして現品等も差押える。それで大体差押目録、領置目録を作りましてこつちでちやんと書類を保存しているわけでございます。そういたしまして通告処分に従えばその事件はそれでおしまいでありまして、刑事事件には行かないで問題が解決する。その場合は刑事事件として罰金を受けたという効力は生じないで、一種の行政罰的な処罰を受けたということで問題はけりがついてしまう。これを履行しなかつた場合におきましては、今度は証拠書類を全部告発と同時にそれをくつ付けまして裁判所のほうに出すわけでございます。それでまあ行政官庁としてのやる手続はそこで済む。現品等も勿論押えておく場合におきましては原則として引継ぐべきものだと考えておりますが、ただ腐敗その他損害の虞れあるときには公売に付しまして代金を供託することができるという規定が国税徴收法にはできております。たばこの場合等も、品いたみができてどうにもならんという場合には、或いはそういう措置ができるかも知れませんが、原則としまして現品はやはり証拠物件の一つとしまして向うに引継ぐということに原則は相成るのではないかと思いますが、專売法を私詳しく読んでおりませんから、久米君から……。
#150
○菊川孝夫君 こういう場合も起り得ると思うのですが、今久米さんがおつしやつたようにこれは專売法違反になる。従つてPX等におきましてはこれはそこの従事員等が今でも日本人に盛んに流しているのも、裏からも流れて来る場合もあるらしいのでございますが、そういうものをつきとめた場合に、一体今度はこれに対抗してとめさせなければならん。これは專売法違反をPXは犯したということになるわけです。そうすると、そういう特例は日本の法律、專売法等の臨時特例によつて保護をしていないのでありまして、日本の專売法違反を法律は守らなければいかんということに法律では相成つているのです。それでPXなり海軍の販売所、或いは映画館とか社交クラブ等におきまして日本人にどんどんたばこを闇流ししているということを見付けた場合に、これに対抗する処置としてはどういうふうにして対抗して行くつもりであるか。それとも行政協定による刑事事件の処理等の関連をどういうふうに処理されるのか。こういう点を一つ説明して頂きたいと思いますが、これはまあくどいようですけれどもなかなか長い間には、……今でも東京のどこに行つても自由にラツキーストライクが買える。專売局が幾らやかましく言つても買える。このまま五年も十年も続くかわからんのだが、そんなことをしておいて表面だけきれいに装つたつて駄目だと思うので、そういう点をどういうふうに調整し処理するつもりであるかということをお伺いしたい。
#151
○政府委員(久米武文君) 軍人用販売機関等は特定の身分を持つた人、つまり合衆国軍隊の構成員、軍属或いはその家族の利用に供するという目的でございまして、その他の者に売るのは予想してないところでございます。そういうその他のものに売るという場合には理論上はたばこ專売法の違反であつて、こいつをどうするかというふうな問題になるだろうと考えております。
#152
○菊川孝夫君 いや、これはたばこばかりでなしに酒の場合でもあり得ることだと思うのですが、特に申上げたいのは、今そのように四十億からも出ているというのは大体においてどういうルートで出ているかということを考えるので、軍人が買つて日本人に売るのだ、そういう売つてる現行犯を見付けたが、その家に行くとたばこはたくさん持つている。これはすうやつた、売つたのはあれだけだということになりますと、一つ売つただけであつて家宅捜索をやつてみたところで押收は私はできないと思うのです、実際問題として、今の法律から言つて專売法運反をしたのは、その個人が現行犯を犯しておるのだ。あなたは今專売法の六十六條ですか、それに従わなければならんのだが、従わないものをそのままでただ一個だけを押えただけであつて後は何とも処置ができないものかどうか。処置するならどういうふうに処置するのか、それは刑事訴訟法等にも関連するのか、こういうことをお尋ねしている。それで押えてしまつたらそれだけであつて、後のほうの処置は全然できないものかどうか、そういう点を一つ。
#153
○政府委員(久米武文君) 現実に起つておりまする事態として観察いたしまするときは、不正外国たばこというものは、主として軍隊の構成員或いは軍属などがPX等から購入する。これはPX等では、例えば普通の兵隊でありますれば、一週間に二十本人の箱を十くらいば買えることになつておりますが、そういうふうな正式ルートでもつてPX等から買つて、自分がのむために買うわけであります。その買いましたたばこを例えば料理屋に行つて飲食代を払うときに金の代りにたばこを置くとか、或いは洗濯屋に洗濯物を出して洗濯代金の代りにたばこを渡すとか、或いはいろいろ女の人なんかと一緒に遊んでそういう女の人にやるとかというようなルートで出てくるのが大部分でございます。およそ四十億と推定されれば、三十何億かというものはそういうふうなルートでもつて出てくるものでございまして、これは條約発効後は專売法違反として日本の專売監視が直接軍の構成員或いは軍属等に対して、或いは捜査、差押えをするということでございます。ただ日本人に渡したという場合は、その授受が実際問題といたしまして渡して初めて違反になるので、手許にありまするものまで渡す意思があるかどうかちよつとこれは推測することは困難でございます。実際に渡したら実際問題として受取つた日本人をとらえまして、これは不法讓り受けで、これは現在のたばこ專売法におきまして不法讓り渡し、不法讓り受けと共に罰則としては三年以下の徴收、三十万円以下の罰金というふうな相当量い罪が規定されておりまして、條約の発効後は今の具体的な場合におきまして、讓り受けた日本人も讓り渡したアメリカの軍人、軍属も共にその罰則の適用を受けるという建前にいたしておるわけであります。そのことは特に特例法には書かなくても現在の法律で條約発効になれば当然にそういう結果が起るという建前になつているわけでございます。
#154
○菊川孝夫君 そうしますと、そういう場合にはまあ私個人が仮にアメリカの軍属なり軍人からたばこを讓り受けて、專売公社の社員に摘発されてそうして專売法違反に問われた、そうしたら讓り渡した相手方が共に專売法運反、日本の法律によつてやられる、そういう場合に私は日本の裁判所において最後の処理をされる、讓り渡したアメリカの軍人、軍属なるものは、当然刑事訴訟の属人主義によつてアメリカの裁判に服して裁判されるという、そういう手続は專売局としては取るのだ、こういうお話でございますな。
#155
○政府委員(久米武文君) 只今の具体的な場合について申上げますと、先ず專売公社といたしましては当該アメリカ人に対して通告処分をいたします。罰金いくら、実際問題としてはそれで問題は大体庁ずくのではないかと思います。なお裁判の段階まで進みますれば、それは一般原則によるわけであります。
#156
○政府委員(北島武雄君) なお通告処分につきましては、通告処分の履行を確保いたしますために、先方との只今までの打合せでは、通告書を本人に交付すると共に当該部隊の隊長に宛てて写しを出す、隊長から納めさせるということにいたしております。それによりまして余ほどのことでない限り大体通告処分の履行は確保されるのではないかとこう我々は考えております。
#157
○菊川孝夫君 最後にこれは細かいようでありますが、いずれも附則には「この法律は、條約の効力発生の日から施行する。」となつておりますが、特別調達資金設置令の一部を改正する法律案だけはこの附則に「この法律は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約の効力発生の日から施行する。」というふうになつておるのでございますが、これは「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く」とこういう名目がついておる、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約」と、こういうふうに項目がついておるために「條約の効力発生の日」にというふうにせられて、一方特別調達資金設置令の一部改正はそれがないために「安全保障條約の効力発生の日から施行する。」こういうふうにされたのですか。これは何か特別調達庁の調達資金設置令だけは附則の表現が違つておる。細かいことだけれども、別にこれは「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基く」云云とついておるやつは、安全保障條約の効力発生ということがわかつておるからということでこういうふうに表現せられたものですか。それをちよつと伺いたい。
#158
○政府委員(平田敬一郎君) 所得税臨時特例でも同様でございますが、條約とは第二條にそれぞれ定義を掲げてあります。つまり「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約」括弧しまして(以下「條約」という。)という字句を使つておるのでありまして、従つて附則でも特に長い言葉を使わなくても「條約」という言葉たけでもはつきりいたしておりますので、所得税、関税等の特例では従つて「條約の効力発生の日から」という字句で表現いたしております。その他の法律は恐らくそういう定義があるのでございますが、若干字句の使い方は條文の体裁によつて違うかと思いますが、今私が申上げました法律につきましては、いずれも定義が掲げてございますので單に條約という言葉で済ましております。
#159
○菊川孝夫君 これで條約というやつがないやつもあるのですが、全部條約の定義が、以下安全保障條約を條約というやつは全部にありますか。
#160
○政府委員(平田敬一郎君) 所得税の臨時特例のほうはこの二條の第二項にございます。従つて附則では單に條約と称しております。それから関税法の特例では同じ第二條の第二項に(以下「條約」という。)という言葉でくくつてあります。従つて附則も單に條約という言葉で表現しております。たばこも同様に第二條第二項に(以下「條約」という。)という言葉で附け加えておりますので、そのようにいたしております。
#161
○菊川孝夫君 よくわかりました。
#162
○委員長(平沼彌太郎君) 本日の委員会はこれを以て閉じます。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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