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1951/04/24 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第46号
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1951/04/24 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第46号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第46号
昭和二十七年四月二十四日(木曜日)
   午前十一時七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           伊藤 保平君
           菊川 孝夫君
   委員
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           溝淵 春次君
           小林 政夫君
           森 八三一君
           下條 恭兵君
           菊田 七平君
           油井賢太郎君
  政府委員
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
   大蔵省銀行局総
   務課長     福田 久男君
   大蔵省銀行局銀
   行課長     大月  高君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       木村常次郎君
   常任委員会專門
   員       小田 正義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○信用金庫法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○当せん金附証票法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○貸付信託法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) それではこれから大蔵委員会を開会いたします。
 信用金庫法の一部を改正する法律案について質疑を行います。ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて……。
#4
○小林政夫君 本案についてはすでに相当質疑を重ねたので、この程度で質疑打切をいたしたいと思いますが。
#5
○委員長(平沼彌太郎君) 只今小林委員からの質疑打切の動議が出ましたが、その通り決定して差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
#7
○小林政夫君 私は本案の修正をいたしたいと思います。修正案を朗読いたしますと、
  第五十三條の改正規定中「及び前項」を削り、「会員以外の者に対する資金の貸付又はこれらの者のためにする手形の割引」を「地方公共団体又は銀行その他の金融機関に対する資金の貸付」に改める。
 というふうに修正をいたしたいと思います。この修正の理由は、会員以外の者に対する資金の貸付又はこれらのものに対する手形の割引ということで、勿論大蔵大臣の認可事項ということにはなつておりますが、運用の如何によつては拡張されて会員に対する貸出が圧縮される。従つて相互扶助の建前である信用金庫の本旨に悖るような結果になる虞れがございますので、はつきり提案者の意図も、私が修正案を提案したような地方公共団体、又は銀行その他の金融機関に対するコール・ローンの提供というような程度のことしか考えておらないということでありますので、この際貸出先をはつきりと法文の上において明示をいたしたいと思うのであります。従つてこの貸出先を明示します関係上、第五十三條の第三項において大蔵大臣の認可を要するという必要もない、それは特に地方公共団体に対する貸出についてはこれが拡充され、又滞りになるというような心配もございますので、その点については先般の質疑の際に大蔵当局に対して、万一我々がこういう改正をした場合に大蔵当局としてはどういう方法をとるかという質疑の際に、業務方法書において十分その貸出の枠を制限し、又経理監査等において指導するという責任ある言明もあつたのでありますので、この際貸出先を明示すると共に、大蔵大臣の認可ということは必要がないと思いますので、先に申述べた修正案にいたしたいと思います。
#8
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。先ず討論中にありました小林委員の修正案を議題といたします。小林委員の修正案に賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて小林委員の修正案は可決せられました。
 次に、只今の修正部分を除いた原案について採決いたします。修正部分を除いた原案に賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は修正議決するものと決定いたしました。なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願います。それから多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    森 八三一  下條 恭兵
    小林 政夫  岡崎 真一
    菊川 孝夫  黒田 英雄
    大矢半次郎  伊藤 保平
    油井賢太郎  溝淵 春次
  ―――――――――――――
#12
○委員長(平沼彌太郎君) 次に当せん金附証票法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
#13
○小林政夫君 この第三條の目的を「社会福祉の増進のために要する費用の財源に充てるため必要があると認めるとき」ということをこの際新らしく設けるわけでありますが、これは先般厚生委員長が本委員会に出席しての意見もあり、又実質的に政府はそのような予算の組み方もしておらないという点から考えて、この点今私が読上げた点を條文から削除した場合に政府は河か支障があるかどうか、これを改正していろんな準備を進めておるというふうな問題があるかどうか。
#14
○政府委員(福田久男君) 提案理由の際その他質疑の際にお答え申上げたように、「社会福祉の増進のために要する費用の財源に充てるため必要があると認めるとき」と入れました趣旨は、宝籤当籖金附証票なるものの目的を限定し、範囲を狹める、自粛するという意図であつたのでありますが、併し只今の御意見につきましては、特に積極的に私どものほうでは気持としてはそういう気持でありましたけれども、特に申上げる意見はございません。
#15
○油井賢太郎君 この第三條に三十五億円という金額をきめた問題ですが、大体この間の御説明では今年は二十七、八億円を発行して、そのうち売れない分も見越して、大体政府の予算の八億円というような收入になるという話なんですね。而もこれは将来だんだんと縮小して行くというような方針であるというのなら、三十五億円というものを毎会計年度発行できるようにしてあるのはちよつとおかしいのじやないですか。これはむしろ発行限度は三十億円とか、或いは二十五億円というくらいなところのほうがいいんじやないですか。又余地があるということを認めるわけですね。来年例えばこの法律で行くというと、今年は二十七、八億しか発行しなくても、来年或いは三十五億発行するまあゆとりがあるというふうになつてしまうのですね。どういうわけでこれは三十五億ということをここに謳つてあるのですか。
#16
○政府委員(福田久男君) 過去における実績を勘案いたしまして、例えば一年前に四十億を超えた場合もあつたのでありますが、そういつた過去の最高というような高いところではなくて、それよりも相当内輪のところで最高限度を一応きめておいて、その範囲内でできるだけ予算を狭めた、予算の歳入に計上いたしました金額は確保しなければ歳入欠陥という問題も起りますので、確保したいということと、売行の状況等も睨合せますと、大体最近では八〇%ぐらいの消化率になつておりますが、その今後の推移等をも勘案して、まあ若干のゆとりをとつておきたいという気持で三十五億、まあ腰溜の数字でございますが、そういつた趣旨で三十億といたした次第でございます。
#17
○菊川孝夫君 こういう当籤金附証票というようなものは、一体これはインフレを退治する一つの目的として発売されたと思うのでありますが、いつまでもこんなものをやつて行くつもりか。それとも政府はうんと宣伝してこういうものを徹底さして行くつもりか、これは根本方針を一遍承わりたいと思いますがね、改正案に関連しまして……。
#18
○小林政夫君 ちよつと議事進行について……。今の菊川委員の質疑でありますが、私も何回も繰返した質疑であつて、説明員のほうから一応できるだけ早い機会にというような御意見もあるが、これは説明員であつて政府委員じやない。私も菊川委員と同じ疑問を持つているわけで、この当籤金附証票に限らず割増金附貯蓄の取扱に関する法律に基く割増金附定期預金等についても、一体いつまでやるつもりなのかということについて政府の根本方針を聞きたいと思うので、この法案を審議するに際して、結論を出すに際して大蔵大臣の出席を求めてはつきり全般的な問題として尋ねたいと思います。なお引続いて提案されている国民貯蓄債券法案についても割増金を附けるというようなことにもなつておりますし、一括してこの割増金附の問題について、大臣の見解を聞くように取計らつてもらつたほうがいいのじやないかと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#19
○委員長(平沼彌太郎君) それでは大臣が来るまで、この法案は一時質疑を見合せます。
  ―――――――――――――
#20
○委員長(平沼彌太郎君) 次に貸付信託法案についての内容説明を聽取いたします。大月政府委員。
#21
○政府委員(大月高君) それでは貸付信託法案につきまして概略の御説明を申上げます。先般提案理由の説明におきまして、政務次官から大体の考え方について御説明申上げたのでございますので、本日は條文につきまして大体の考え方を御説明を申上げます。貸付信託法案の目的が第一條に掲げてあるわけでございますが、この法案は最近政府で実施いたしました無記名定期預金の制度或いは昨年から実施になつております証券投資信託の制度、それからやはり今国会に御審議を願つております国民貯蓄債券法、これらのものと
 一連の関連を持つておるわけでございまして、いずれも一つの無記名の有価証券を使いまして資本蓄積に役立てようとするものでございます。この第一條に掲げてございますところもその趣旨でございまして、貸付信託の受益権を有価証券に化体するということが第一の要素でございます。そのことによりまして、転々流通する有価証券を使いまして資金を集めることを容易にする、そういたしまして、その集まりました資金を経済の要請に従いまして、最も現下必要とするところの緊要な方面に貸付をする、これによつて我が国の現在必要でございます産業復興に役立たしたい。これが第一條の目的になつておるわけでございます。
 第二條は定義でございまして、その要素としては三つございます。一つはこの貸付信託に基いて信託されました金銭は主として貸付又は手形割引の方法によつて運用されるということでございまして、証券投資信託におきまして、その信託された金銭が証券のほうに運用されるということと、その点において違つておるわけでございます。それからこの貸付信託は、信託の部面から申しますと、合同運用の金銭信託の一種でございますが、この合同運用金銭信託は、一般におきまして一つの信託会社につきましては一本になつて運用される建前になつております。それがこの貸付信託の制度におきましては、一つの信託約款に基きまして募集された一組の信託財産、それだけを別個に分別いたしまして運用し、その收益をそのグループの委託者及び受益者に分配する、その点が一般の合同運用金銭信託と異なつておるところでございます。又一般の信託と異なりますところは、先ほど申上げましたように、その受益権が有価証券に化体されておる、その点において一般の信託と異なつておるわけであります。経済的の効果といたしましては、預金が元本及び利子が確定いたしておるというところで、確定利付という点においてはつきりいたしておりますのに対しまして、逆の面におきましては、証券投資信託が元本の価額も移動する、收益も移動する、そういう点において、言わば株式に近い相当危険性もある代りに、又有利でもある、こういう性格を持つておる、その中間の段階といたしまして、元本の移動はない、そうして收益については、そこから上ります收益の実態に応じて分配を受けるという意味におきまして、預金と証券投資信託との中間を行く投資層を考えておる、そういう経済的の意味を持つておるわけであります。第三條は、今申上げましたような考え方におきまして、第一は委託者兼受益者を保護する必要がございますので、この貸付信託を実施いたします際には必らず信託約款を作りまして大蔵大臣の承認を受けさせる、その信託約款に基きまして、個々の信託契約を結んで行く、こういう制度をとつておるわけでございまして、第三條はその関係と信託約款において記載すべき事項を掲げてあるのでございます。第三條の三項はこの実体の中の期間の問題でございまして、二年以上ということになつております。この問題は預金と、この信託との性格をはつきりいたす意味におきまして、信託は主として長期資金を集めるのである。そういう意味において信託契約の期間を二年以上といたしてあるわけであります。ただ最近の経済情勢から申しますと、長期の資金はなかなか集めにくい。又この制度がそもそも最初の制度でございまして、一般の大衆にどの程度魅力があるものか確実にはわからない。そういう意味におきまして、この附則におきまして、この法律の施行から一年を限りまして、この信託契約の期間を一年以上にすることができるということになつておるわけであります。併し本来の建前といたしましては、二年以上であるということが望ましいわけでございますので、一年間の試験期間を経ましたならば、次の国会においてもう一年延長するかどうかということを愼重に御審議願いまして、原則に帰るかどうかということをきめたいというのがこの精神でございます。第四條は信託約款の承認ということでございまして、その手続きが書いてあるわけでございます。
 第五條は、この承認を受けました信託約款を変更する場合の手続でございます。ただ信託約款は、いわば受託者である信託会社と、委託者である一般の投資家との間の憲法にも相当するものでございまして、單に変更があつたからというだけでは委託者の保護に欠けるわけでございます。従つて大蔵大臣の承認を要するというほかに、承認を受けましたならば信託会社はこれを公告しなくてはいけないということ。而もこの公告を受けたことに対しまして、受益証券の権利者が異議があるときには一定の期間内に異議を申出ろということまで書いて公告をする。その結果異議がなければ承認したものとみなすわけでありますが、どうしてもいやであるという受益証券の権利者がございましたならば、公正な価格で以て買取つてくれということを、発行者である信託会社に請求することができるという制度になつておるわけでありまして、その請求を受けた場合におきましては、信託会社はこの有価証券を買取る義務があるわけでございます。例えて申しますと、最初この証券を発行いたします場合に、このグループは電力に廻すのであるということが、仮に信託約款に書いてございます。ところが途中に、これは例えば造船事業に金を廻すことにしたいと、こういうことになりました場合に、証券の所有者といたしましては、最初の考えと違うんだ、船のほうならばものこの証券を持たない。こういうようなことになりましたならば、信託会社にこれを買取つてくれと、こういうことを言える、こういう制度でございます。次に第七條は、この信託約款がきまりました後、その信託契約を締結する手続きでございまして、公告する事項がここに規定してあるわけでございます。それから第八條は、この制度によつて発行されます受益証券に関する規定でございます。原則として無記名で発行できる。但し受益者の請求によつて記名式とすることができる、こういうことでありまして、この受益証券は一般の証券投資信託の受益証券と同じく、有価証券として転々流通し得る建前になつているわけでございます。次に第九條は、受益証券発行の届出でありまして、最初例えば二億の発行を予定いたしておりまして、それが仮に一億八千であつても、この契約は成立するという建前になつておりますので、一体幾ら集まつたであろうかということをすぐに届出をなさしむるという制度でございます。
 第十條は、この受益証券を持つております者の法律的な地位を規定したわけでございまして、この受益証券を持つている者は委託者の地位と受益者の地位を兼ねている。で、若しこの証券を譲渡いたしましたならば、これを譲り受けた者は委託者の地位と同じく、受益者の地位を取得する、そういう制度でございます。これは例えば異議を申立てるという意味におきましては、受益権者の立場においてこの異議を申立てる。そういう意味におきまして、この委託者の地位と受益者の地位とを常に相伴なつて転々し得るようにいたしているわけでございます。それから第十一條は、この証券の消化を容易にいたしますために、発行者である信託会社が発行後一年以上経過いたしました場合には、証券の所有者から買取ることができるということが書いてあるわけでございまして、ただこの場合現在の信託法制から申しますならば、受益者を保護いたしますために、受託者の地位と受益者の地位とは、共同受益者の場合を除いたほか兼ねてはいけないということになつておりますので、その規定を排除いたしまして、信託会社がこの証券を持つことによつて受益者の地位も取得する、そのことは差支えないのだということを明らかにいたしたわけでございます。第十二條は、この貸付信託の一つの特徴でございます運用先について規定したわけでございまして、この貸付信託によつて集められました信託財産は必ずほかの信託財産と分別する。そうしてその貸付先は原則として貸付と手形割引の方法以外の方法によつて運用してはならないということにいたしまして、証券投資信託その他の信託と区別いたしたわけでございます。第十四條は特別留保金の規定でございまして、信託の制度といたしましては、一般の信託では元本に損失を生じた場合にこれを補填する契約もすることができますし、或いは收益に対しまして或る一定の予定の利廻りに廻らない場合におきまして、これを補足する契約もなし得るわけでございますが、この制度といたしましては、先ほど申上げましたように、收益については実績主義によりたいという意味におきまして、收益の補足はささない方針でやりたい、ただ元本につきましては、安全な投資という意味におきまして、場合によつては元本補填の契約はなさしめてもよろしいという考えを持つているわけであります。従つて元本にそういう損失の生じた場合に、これを補填する契約をいたします場合には、仮に何らかの意味におきまして、元本の損失を来たしました場合には信託会社自体としてその損失をこうむることになりますので、その将来に備える意味におきまして、毎收益計算ごとに一定の金額を積立てまして、将来の補足の事態に備えるというのがこの制度でございます。第十五條は、一般の例に倣いまして、有価証券でございますので、通貨及証券模造取締法の準用をいたしているわけであります。
 最後に附則の関係は、税法との関係でございまして、原則といたしまして無記名の公社債に準じた取扱いをするというために、所得税法及び租税特別措置法の改正が行われているわけでありまして、例えて申しますと、この收益に対しましては二〇%の源泉徴收をするということ、それから支拂いの手続といたしましては、支拂調書に代えまして配当受領の告知を以てすることができるということ、それを海外支拂手段によつて取得した受益証券の配当に対しては税率を百分の十にするということ、それから外資法の関係におきまして、一般の証券投資信託と同様に扱います意味におきまして、受益証券或いは果実或いは元本の回收金、こういうような定義の中に貸付信託を含ましめる意味におきまして、外資法の一部を改正する、こういうように考えているわけであります。
 簡單でございますが、條文につきまして御説明申上げました。
#22
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。
   午前十一時三十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時一分速記開始
#23
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて……。
#24
○油井賢太郎君 この貸付信託の具体的な発行方法は政府ではどんな程度に認めるつもりなんですか。
#25
○政府委員(大月高君) この貸付信託の具体的手続は、この法律によりますと、第三條から第四條にかけて書いてございます。具体的に申しますと、仮にAという信託会社がございまして、この法律に基きまして一組の貸付信託を始めようということになつたといたしますと、どのくらいの金額を発行するかということ、それからこれによつて集まつた金をどこの業種に流すかということ、例えば電力なら電力ということを書きまして、大蔵大臣の承認を求めるわけでございます。そのときに仮に收益の分配時期は年に二回とするとか、或いはこの信託財産はほかの信託財産と別個に掲示するとかいうことを書かすわけでございますが、それが第三條の二項に記載事項として一連並んでいるわけであります。その結果大蔵大垣が承認いたしますと、その條項に基きまして、受益証
 券を印刷をいたします。それからこれの募集期間が二カ月以内というふうになつておりますので、例えば五月一日から期間といたしますと、五月、六月中を取扱期間といたしまして売出をする。その結果予定いたしておりました金額が集まりますと、そこで予定いたしておりました業種に融資をする。その結果半期ごと收益の分配があるといたしますと、收益の中から信託報酬を差引きまして、残りをこの額面に応じまして均等に收益を分配して行く。その場合には実際に入りました金額を基礎として分配をして行く、実績收入によること、こういう手続になるわけでございます。
#26
○油井賢太郎君 その場合常識上考えられるのは金利ですが、金利は例えば日歩二銭六厘とか、二銭八厘とかいうのが銀行の貸付日歩としましても、今の費用や何かを差引かれると配分というものはそれ以下になるわけですね。それはそれに対して何か特別に貸出日歩を高く認めるとかいうことはどうなんですか。
#27
○政府委員(大月高君) この貸付信託の配当は実績主義によるわけでございますので、実際に高く貸せまして、その結果信託報酬率も相当低いということになりますと、分配する金は高くなるというわけでございます。それで具体的には貸付の利率につきましてはこれは長期になる予定でございます。長期につきましては、金利調整法が適用になりませんので、現在は自由になつているわけでございますが、現在勧業銀行、興業銀行等で長期の貸出をやつております。長期の金利は大体において三銭から三銭二厘見当、平均三銭一厘くらいに廻つているわけでございます。その実際の運用は、これの予定いたしております対象の産業は電力でございますとか、海運でございますとか、鉄鋼でございますとか、相当重要な産業でございますので、普通の金利以上にとるということは適当でない、従つて少くとも平均の金利くらいのところを予定いたしているわけでございます。それで信託報酬といたしましては、長いほどこれは安くなる、手数がかからないわけでございまして、そういう信託報酬の率を差引いて考えて見ますと、現在若干試算いたしたのがございますが、一年ものにいたしまして大体二銭二厘見当になろうか、それから二年ものあたりは二銭三厘見当になろうかと思います。で、最長今のところ五年程度のものを最初から出して行きたいということを考えておりますが、この結果二銭五厘少し欠けるところくらいになろうかというのが大体の見通しでございます。これはただ本当の見通しでございまして、実績主義になつておるわけでございますから、大蔵省として、これはどのくらいにしろということは言わない方針になつております。
#28
○油井賢太郎君 次に先ほど業種別に政府で必要と認めた方面へこれを許可するらしいようなお話ですが、業種別ということは、会社別とは違つてどういう会社にということは規定しないのですか。
#29
○政府委員(大月高君) これは一定の一億とか、二億とか固まつた金がございまして、これを運用するわけでございますから、必ずしも特定の一会社に運用するということがいいか惡いかということは、危險の分散という意味で問題でございます。従つて最初提出させます運用計画は大体において業種單位程度にいたしたい、従つて例えば電力と申しましても、東京電力に出すとか、或いは中部電力に出す、こういうことではなくして、そのときの情勢に応じて適当に会社に運用する、こういうように運用方針をきめて行きたいと考えております。
#30
○油井賢太郎君 その業種別はどういうところへ政府としては流したいという現在のお考えですか。
#31
○政府委員(大月高君) 大体におきまして、現在信託会社に検討させておるところでは、電力会社からの要求が非常に多いということでございまして、公益事業委員会のほうからも是非この信託は電力へ廻してくれというような要望があるようでございます。現在考えておりますところでは、差当り発行するものは電力が中心になると思うのでございますが、業種として将来も考え得るものは、やはり造船の関係、機械の関係、鉄鋼或いは石炭というような緊要産業に限つて行きたい、ただ例えば電話の施設の改良のために金が要るというような話もございますので、そういう範囲におきましても、必ずしもこれを運用してはいけないということは言うつもりはございません。ただ出て参りました希望に従いまして、緊要産業という範囲において適宜運用して参りたいと考えております。
#32
○油井賢太郎君 その業種の中に纎維などの輸出産業関係は余り対象とはしない方針ですか。
#33
○政府委員(大月高君) この貸付信託によつて集まります金は、主として二年乃至五年という大きな長期のものでございますので、できる限り基礎産業のほうに廻してやることが適当かと考えております。
#34
○油井賢太郎君 次にこの法案によつて具体的に集まる資金というものはどの程度第一年度は見通しを付けておりますか。
#35
○政府委員(大月高君) 現在試算いたしておりますところでは、昭和二十七年度、この法案が通過いたしましてから、大体におきまして六十億前後ならば十分消化ができるだろうということを考えております。ただこの問題は預金との競合の問題もございますし、一挙に大量の消化を図るということでなくして、徐々に消化可能の範囲において拡げて行きたいという考えを持つております。
#36
○油井賢太郎君 次にこの証券発行をできる資格者は信託会社となつていますが、この信託会社というものは銀行というようなものも含んでいるようですけれども、その他の金融機関には及ぼさないのですか。
#37
○政府委員(大月高君) 現在信託業務をやつております機関といたしましては、一般に專営信託といわれております昔からの信託会社、現在信託銀行と申しております銀行であつて、信託を主としてやつておる会社、これが六社ございます。そのほかに一般の銀行といたしまして信託をやつておる、昔信託会社を合併した、その他の関係において信託業務を若干やつている銀行が十一行ございます。で、この十七行だけがやれるわけでございまして、現在信託業法がございまして、これは全部大蔵大臣の免許事業になつておりますので、ほかの機関では自由にやれないことになつております。
#38
○委員長(平沼彌太郎君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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