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1951/06/05 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第63号
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1951/06/05 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第63号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第63号
昭和二十七年六月五日(木曜日)
   午前十時五十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           伊藤 保平君
           野溝  勝君
           木内 四郎君
   委員
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           溝淵 春次君
           小林 政夫君
           小宮山常吉君
           田村 文吉君
           森 八三一君
           江田 三郎君
           下條 恭兵君
           菊田 七平君
           木村禧八郎君
  政府委員
   大蔵省理財局長 石田  正君
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
   大蔵省銀行局総
   務課長     福田 久男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   大蔵省理財局見
   返資金課長   大島 寛一君
  参考人
   日本開発銀行理
   事       中山 素平君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本開発銀行法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) 第六十二回の大蔵委員会を開会いたします。速記とめて。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。
 それでは日本開発銀行法の一部を改正する法律案について質疑を行います。中山理事さん何かあらかじめ申出ることがございましたら遠慮なくおつしやつて下さい。
#4
○参考人(中山素平君) それでは、昨日木村さんから御質問のございました復興金融金庫の二十二年度の償却債権の内容の説明ということでございましたが、これにつきまして一つ関連しておりますので貴重な時間でございますが、私どもの考え方と申しますか、すでに申上げておりますけれども、もう一度述べさせて頂きます。私どもが開発銀行の経営を任されましてから、一昨日も申上げましたように、仕事といたしましては開発資金の貸付と返済資金の貸付、つまり肩替り、それから復興金融金庫の貸付金の回収、この三つにいずれも同じような考え方で力を注いで参りました。特に復興金融金庫の貸付金の回収というものについては、地味な仕事ではございますが、新規資金の貸付以上に私どもは努力しておるのでございます。従いましてこの回収の仕事と申しますか、これを申上げますと、政府金融機関でございますので、昨日も御質問がございましたガ、直接は銀行局が十分な監督をされておりますが、そのほかに会計検査院が個々の案件につきましても、支店とも厳重な調査をされております。その結果、若し報告すべきものがあれば、これは国会に報告する建前になつております。この検査につきましては、実は私のほうといたしまして昨日田村さんからも御質問がありましたのですが、政府機関であることは間違いないのでございますが、銀行金融ということになりますと、相手が生きておる企業でございますので、長い間にはいろいろ企業の模様の変化は勿論あります。中には怪我人も出て参ります。病人も出て参ります。これを私どもとして相手を殺さないように、成るべく早く回復するようにというふうに治療して行くことが務めでございますので、この面におきましては普通の銀行或いは金融機関と同じような仕事がやはり出て来るわけでございます。従来復興金融金庫の場合も、私も聞いておりまして、或いは私どもが開発銀行の経営を担当いたしましてからも、すでに七月に会計検査院の検査を受けまして、現在も各支店の検査を受けております。そういたしますと、検査院というお立場からしまして、どうしても、非常にまあ言葉は悪うございますが、形式的と申しますか、契約面とかに非常に厳重な監督がございます。そうしますと先ほど申し上げました或る場合には利率を下げてやらなければならん、或いは回収を待つてやらなければならんというものについてもむしろそれはいかんのじやないかというお小言を受けるくらいでございまして、実際仕事をして行く上には、むしろ逆の効果になるという場合さえあるくらいでございます。従いましてこの償却済債権或いは不良貸付というものの内容、取扱というものについては、私どもといたしまして非常に愼重にいたしております。それで開発銀行になりましてから、先般支店長会議をいたしましたときにも、仮に償却いたしました貸金というものは、例えて申しますれば、普通の健全な貸金と違いますので、毎月々々利息を入れろとか、或いは元金を約束通り入れろという通知を出しましても、その通りは入りませんで、やはりこちらが丹念に足を運ぶとか、或いは仕事のよくなつたときにそれを頂載するとかいうような、非常に具体的な問題が多いのでございます。従つて毎月普通の貸金のようにそういう請求を出すということも意味がないのでございますが、どうも現場の人の意見を聞きますと、そういう貸金についてもそういう通知を出してもらわないと、同種の事業なんかにつきまして、あそこにはもう通知が来ないのだから償却したのじやないかというようなことがわかるから困るというようなことで、そういつた償却した債権についても普通の貸金と同じような取扱をしているくらいであります。それからこの償却につきましては、これも申上げましたが、一応内部の償却でございますので、会計的にはこれを評価替会計という別個の会計に繰入れまして、はつきりそこで経理を区分しております。すでに関発銀行が復興金融金庫の債権を承継いたしましてから評価替会計で回収したものが、額としては僅かでございますが、百三十七万二千円余というようなものが入つておりますし、評価替会計を通計いたしますと、四百万以上の回収を見ておるわけでございまして、我々としても今後も償却はいたしましても、この回収の意欲と申しますか、これは絶えず続けて行くつもりでおりますので、そういつた意味におきまして個々の内容を申上げるということが我々の仕事の上に支障を来たすのじやないか、皆様のお立場からすれば、私どもがこれをお断りするということは絶対にできないのでありまして、ただ皆様の意図されるところも我々と同じでございまして、やはり回収を要する、或いは国の資金でございますから全部回収するようにという御意図からの御質問でございますので、そういう意味からしまして、今我々が責任を持つて経営しております立場から、成るべくそういう我々の狙いに支障のないように一つお願いしたいということで、前々から無理なお願いをしておるわけでございますが、ここでこの間木村さんから御質問のありました昭和二十三年度に十四件、三千四百六十九万何がしという償却したものの中で、もう大分たつておるからここで公表しても支障ないのじやないかというようなお話でございまして、私どもその後帰りましていろいろ資料なり調べたのでございますが、中にはこれが地方関係の融資などもございまして、償却後の状況というようなものがまだはつきり入つておりません。ただ本店の関係のもので見てみますと、十四件のうちでも六件くらいは二十六年度、つまり私どもが開発銀行の経営を担当いたしましてから、物件の処分その他によつて入金がされているものがございまして、これらについてもまだ全部支障ないというような段階には至つておりませんので、只今申上げましたような経緯から若しお差支えなければ個々の内容の説明は省略させて頂きたいと思います。
#5
○木村禧八郎君 只今ながながと御説明されましたが、そういうことはわかつているんです。今更言わなくても当然のことであつて、今言われたことは当然過ぎるほど当然です。我々も知つているわけです。ですから我々としては、具体的に大蔵大臣が差支えないことについては相談して発表する。こういうお話です。それを発表して頂ければいいんです。いろんなイントロダクシヨンは我々よく知つているわけなんです。今は又そうしなければならないわけです。ですから差支えないものについてということになつているんであつて、而も今ちよつと伺いますが、七千何百万と言われましたが、この表では三千四百六十九万なんです、頂いた表では、二十二年のやつが……。
#6
○参考人(中山素平君) 或いはお聞き違いかもしれませんが、二十三年度を私は二千四百六十九万七千百八円六十一銭と申上げました。それからこの十四件の中で、只今のところ絶対支障ないというものは一件もございません。強いて申上げますれば、これもまだ全部問題が解決しているということになつておりませんので、名前は省きますがH産業というものがございます。これは内容を御説明いたしますと……。
#7
○委員長(平沼彌太郎君) 内容の面に至りますというと、いつそのこと秘密会にして詳しく納得できるまで伺つたほうがよいと思いますが、如何でしようか。
#8
○木村禧八郎君 そのほうがよろしければ……。
#9
○参考人(中山素平君) それでは秘密会にして下さい。
#10
○委員長(平沼彌太郎君) これより秘密会にいたします。委員、事務担当者及び関係政府委員諸君以外のかたは御退席を願います。
   午前十一時十二分秘密会に移る
#11
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと御参考に申上げますが、速記をとつても秘密会とすれば必要に応じて削除することができるということに、国会法では公表しなくても済むということになつておりますが、いつそのこと速記を……。
#12
○参考人(中山素平君) できればとめて頂きたいと思うのですが……。
#13
○木村禧八郎君 速記をとめるならはつきり言つてもらいたいのです。はつきり言われたほうがいいんだと思います。速記があれはやはり形容詞みたいなものをつけなければならんでしよう、速記をとめるならやはりはつきり説明して頂きたいと思います。
#14
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて。
   午前十一時十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時三十四分速記開始
#15
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。秘密会を終ります。
   午前十一時三十五分秘密会を終る。
#16
○委員長(平沼彌太郎君) それではどうぞ。
#17
○小林政夫君 復金融資の償却を開銀関係で償却する場合に会計検査院の承認を得るという話でありましたが、第三十九條によると、会計検査院の検査というものは、開銀自体及び開銀の業務の委託を受けた銀行その他の金融機関ということになつておつて、先般の福田政府委員の説明によると、融資先までの検査には及ばないということでありましたが、具体的に償却するという事例の発生した融資先については、会計検査院は開銀当局の説明だけで、或いは資料等だけで検査をして了承するのか、或いは全部というわけには行かんでしようが、疑問の発生した場合においては融資先の状態まで会計検査院は検査をする場合があり得るのかどうか、その点について……。
#18
○参考人(中山素平君) 復興金融金庫のときのことは私ちよつと存じませんでございますが、開発銀行になりまして二十六年度の決算で償却いたしておりますが、この場合には先ず最初に、私ども銀行局の検査部の検査官がすべての案件について、普通銀行の場合も同じでございますが、検査官が調へられるのであります。その上で検査官がこれは償却してもよろしいという認証がございますとそれを以ちまして会計検査院のほうの今度御意見を伺います。会計検査院のほうでも銀行局の検査部と同じような、或いはそれ以上の厳格さを以てもう一遍審査されましてその結果償却が認められるわけでございますガ、個々の融資先に対する検査、これは今度の償却の場合には具体的にはでざいません。
 それから権限の問題でございますが、復興金融金庫のときには検査員が直接融資先の検査をすることができるのでございますが、建前の上では開発銀行になりましてから、当然にはできると思いませんが、若し御必要とあれば、それは当然におできになるんじやないか、そういうふうに私ども考えております。
#19
○小林政夫君 銀行局長はどうですか、その点……。
#20
○政府委員(河野通一君) 只今中山君からお話があつた通りでございますが、ただ私はこれは非常に申訳ないのでありますが、会計検査院の検査官の権限の範囲を余りよく存じませんので、どこまでその検査ができるかということは存じませんが、少くとも会計検査院といたしましては十分にこれを償却して差支えないという心証を得るまで完全に調べられることだと思います。そのために相手方の呼出しということも勿論権限としてあることと思いますけれども、具体的にどこまでの権限が與えられておるか、実は余りはつきり存じませんが、十分に心証を得るまで調べられ、その上でこれは中山さんからお話がありました通り、私どもも一件一件十分見ております。それらと十分連絡をとつて会計検査院においても十分心証を得られるまでお調べになる、かように考えております。
#21
○小林政夫君 先般の福田君の御説明は変えてもらうというか、少し今のようなことに補足してもらわんと、この三十九條の反面解釈として会計検査院の検査というものは開銀自体及びその業務の委託を受けた銀行その他の金融機関に限られるのだ融資先までは行かないということでありまして、これは福田君は一般的にとつたんだろうと思います。償却の場合にはそういう融資先まで徹底的にやる場合もあり得るという解釈だとはつきり訂正して、今銀行局長の言われたのが正しいのだというふうに解していいのですか。
#22
○政府委員(河野通一君) 私は先ほどちよつとお答えいたしましたように、法律の権限はどこまであるか、実は私は会計検査院の法律はよく知りませんので、或いは法律的にそれができるのか、事実上相手方を呼出していろいろ聞くということをやられるのであるか、その点につきまして、或いはその会計検査院のかたがたの専門的な御意見をお聞き願いたいと思うのであります。事実上はおやりになることは確かであろうと思います。お呼出しになつてこれはやつておられると思いますが、法律上の権限は私よく存じませんが……。
#23
○木村禧八郎君 会計検査院のかたにこの償却した分について検査し結果を聞きたいのですが、そういうふうに……。(「異議なし」と呼ぶ者あり。)
#24
○田村文吉君 会検の検査のことでなくて、一体この検査はどこまでやれるのかというようなことについて、一遍会計検査院のほうの御意見を聞きたいと思うのですが……。なおこの機会に発言を許して頂きたいのでありますが、先ほど来木村委員の言われた問題について私は非常に御尤もだと思うのでありまして、決して意地悪く細かい問題を一々つついてどうこう言うわけではない。そうじやないが、今後なお現在の額では九億一千六百万であるけれども、なお今後大きな額が融資になつておるのだから、これが莫大な欠損を国家にいたしては困る、だからその過ちを起さないように内容をよく見ておきたい、こういう意味だと私は解釈しておる。そこでちよつと伺いたいのでありますが、復金の融資された返還状況について今一つの例をお挙げになつた、のでありますが、一体担保を完全に取らなければお貸しにならんような方針になつておるのか、或いは信用、今の保証人が必ずついておるのか、その後開発銀行になつてからの貸出の状態というものはどういうふうになつておるのか、その銀行自体は或る程度まで民間で貸さないようなものに貸すというのでありますから、或る程度まで何かしらルーズのようにも考えられるのでありますから、そこにおのずから何かの枠がなくちやならん、どういうような貸出の方法をおやりになつておるのか、これが今後八百何十億の復金の過去のものを……、今後三百億なお殖えるのでありましようが、そういう場合の融資に莫大な若し負債でも出ちや困るから、それに対して一体どういうふうな運用方針をやつておられるか、これを一つ御当局から御説明を頂き、銀行局長さんからそれに対してはどういうお考えなのか、併せてお聞かせ願いたいと思います。
#25
○参考人(中山素平君) 復興金融金庫の時代には貸出が設備資金に限りませんで、運転資金も出ておりました。これは先ほどもちよつと申上げましたが、終戦後のああいつた経済事情から運転資金の必要ということがあつたかと思いますが、開発銀行になりましてからは、御承知のように一カ年以上の設備資金に限るというようなことになつておりまして、運転資金が出ておりません。従つて融資の担保といたしましては、少くとも当該資金によりまして建設される設備とかいうのが先ず担保に入ると思います。或いは既存の設備も入ると思います。でございますから、只今までの私どもの融資の実績からいたしますれば殆んど九九%近いものが物的担保があるというふうに申上げていいと思います。若し物的担保の価格が多少不足するというような場合には、これの代りに有力な会社の保証でございますとか、人的な保証で、人的と申すとちよつと語弊があると思いますが、担保価格の不足を補填するに足る何らかの保証というようなものによつてカバーしておりますから、殆んど全部物的担保あり、というふうにお考え願つて結構でございます。
#26
○田村文吉君 そこで今の復金の場合の八百五十何億ですね、これに対しては一体担保というものはどのくらい残つておるのですか。
#27
○参考人(中山素平君) 復金のとつた融費につきましても、先ほど申上げましたように運転資金に若干無担保のものがございましたが、このほうは先に回収が済んでおります。現在残つております貸金の申で、これが又殆んど大半が担保がついておりまして、ここで申上げました不動産抵当がついておるものが八百五億からございます。その他にも信託譲渡でございますね、これは抵当はついておりませんが、機械だけの所有権が他に移つておるという担保もございます。それこれ合せまして無担保の資金というのはほんの僅少と言つていいのではないかと思います。
#28
○田村文吉君 只今銀行当局の御説明がございましたが、銀行局長さんとしては今後のこれに対する措置はどういう方針でおいでになりますか。
#29
○政府委員(河野通一君) 開発銀行の融資方針と申しますか、運営方針につきましては、先般来たびたび私からもお答え申上げた次第でありますが、その資金の源が国民の租税から出ておる点に十分に私どもは関心を持つておるわけであります。国民の負担をできるだけかけないような運営方針をとつて参らなければならん。一方で開発銀行の使命は普通の金融機関から金融がつかないというものを補完いたします作用をとるということになつております。ここらあたりの調整が、一方でできるだけ国民に負担をかけないようにして行きながら、且つ一般の金融機関からの融資のつかないものを補完して行くというところの二つの使命どいうものがあるわけです。その両方をできるだげ調整をとつて、両者の目的が合致するように努めて参らなければならん。一方で一般金融機関の融資の補完作用をしながら、国民に対する負担を終局的に負わせないようにできるだけ運営して参らなければならん。この二つの原則の上に立つて、開発銀行の融資方針というものはとつて参らなければならんと思うのであります。これまでの一般の金融機関が、市中の金融機関が融資をいたします場合に比べまして、非常にその判断がむずかしいと私は考えております。それだけに開発銀行当局としては非常に苦心をされております。私ども監督の立場にありますものは、ここらにつきましては非常に実は常時心を砕いておるわけでありますが、現在のところでは開発銀行が飽くまでも金融機関である、銀行であるという建前を貫く以上、何と申しますか、コンマーシヤル・ベースというような言葉があるのでありますが、回収が確実にできるというもので、これを主義として措置して参りたい。現在までの金融、過去の融資につきましては、私どもは一々干渉がましいことはいたしておりませんが、事後において十分に融資のやられております実績に心をいたしております。現在までのところは今中山君からも話がありましたように、十分な担保も取られておりますし、現在の融資方針を続けます限りにおきましては、非常に大きな貸倒れを起すとか、国見に非常な迷惑をかけるとかいうようなことには万相成らんという確信を持つておる次第であります。
#30
○田村文吉君 只今銀行局長の御説明で、私は大いに意を強うしたのでありますが、コンマーシヤル・ベースという言葉自体が非常に不適当かも知れませんが、例えば民間融資の困難なものを融資することにいたしましても、これは国民の金を出すのであるということを考えるときに、一面には国家的に必要な産業であるとは申しながら、その資金というものは確実に回収のできるということがやはり根本でなければならんということを、私は実は考えておるのですが、どうもその点がそうであるかのごとくであり、計画目的の上から言つてぼかされておるということで、実は心配をしておつた。今銀行局長の御答弁ではつきりいたしたのでありますが、その方針で銀行局が行つて頂ければ、そう大したことはない。そこで担保にしましても、或いは保証にいたしましても、そういうものを国家的な重要産業に融資するのだから、少しぐらいはいいのではないかというような考えで銀行当局がおやりになつたら大変な間違いであるということだけ私は特にこの際申上げておきたいと、こう考えるのであります。
#31
○木村禧八郎君 過去の貸付金に対する回収の問題、或いはこの償却の問題については、只今質問したのですが、その答弁は具体的にまあどうしてもされないので、非常に不満足で、会計検査院のほうからも聞かなきやならんと思うのですが、その過去の貸付ばかりでなく、現在貸しておるもの、或いは今後貸すものについては、金利はまあ例えば見返資金七分五厘、復金だつて非常に安い、七分五厘で貸しておる、そういう融資を受けた会社が、例えば石炭或いは電力というところが非常な高率配当をやる、こういうものについてはどうお考えか。殊に石炭なんかについては、非常に政府からたくさんの低利の金を借りておつて、そしてこの間のブームなんかでは相当儲ける、そうして配当を多くする、こういうようなものについて、大蔵省としては関心を持つていないかどうか。それで私は、大きく政府から安い金利で借入れておる会社については、やはり配当についてはこれは規制すべきだ、それを社内蓄積にさせるようにする、こういうふうにすべきであると思うのですが、その点はどうなんですか。どうも我々そこのところが割切れないのです。政府のほうから国民の金を安く借りておいて、そしてそれで儲けて、配当を多くして行くということになると、これは非常におかしいことになるのですが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
#32
○政府委員(河野通一君) 現在のところ七分五厘で金融をいたしておりますが、政府資金は見返資金、御案内のように、見返資金と輸出入銀行等であります。復金については先般も中山理事から申上げたように、大体一割、平均しますと九分九厘ぐらいかと思いますが、大体一割、開発銀行の融資の利率と同様であります。輸出入銀行につきましては、これも先般お話申上げておりますように、国際金利と或いは日本の貿易手形等の金利等を水準にいたして考えますと、大体七分五厘ということになるわけであります。見返資金につきましては、お話のように、七分五厘ということになつておりますが、これは御案内のように現在出しておりまするところは、大体電力及び造船と申しますか、船舶関係、その外は中小企業等であります。政府が特別に安い金利、ほかの一般の金利よりも水準の非常に安いものを出しておる、まあ程度問題でありますが、これは見返資金について言えるかと思うのであります。石炭その他につきましては、開発銀行が出しておりますものにつきましても、復金が出しておりますものにつきましても、大体市中のペースとそう変らないベースであります。政府から、まあ金利の安い高いは別として、政府から政府資金を、国民の負担になつておる政府資金を融通した相手方が非常に儲けが多くて、それを政府のまあ援助によつてそういう儲けが出ておるにもかかわらず、金利等を統制しないのは不当であるという御意見でありますが、御意見の点は十分伺つておきたいと思います。私どもは現在全体の考え方として、そういう配当とか経理を国家の政府の強権を以てこれを統制して行くという考え方は現在とつておりません。それよりもむしろ自発的にこれらの資金をできるだけ蓄積のほうへ廻して、資本の足りない日本の経済というものの企業の立場、基礎をできるだけ強固にして行く、自発的に企業自体がやつて行くのがいいのであつて、それを政府の強権を以ていろいろと統制をして行くということは、少くとも経理に関する限り適当でない、かように考えておる次第でございます。御意見の点も十分わからないのではないのでありますけれども、私どもは概してそういう考え方に立つておるのであります。
#33
○木村禧八郎君 そういうお考え方もあるのですが、今政府がそういうことをやつておるのですが、実績はどうだつたですか。通産省あたりで調べております調査があります。社内蓄積してそうして設備の近代化とか、合理化とか機械化とか言つておりますが、一つもやつていやしない。殆んどやつていない。ただ石炭に一部多少やつたくらいのものであつて、依然として日本の今の設備、機械というものは非常に古いのです。今度そんなことをやつたつて、企業を自発的に合理化させる……蓄積はしますよ勿論、問題はその蓄積をもつと効率的にさせる、国全体のためにいいほうにさせるというところに問題があるのでありまして、そういうことの面では、これはまあ立場が違うのですから、いわゆる自由資本主義経済のほうがいいというあれですけれども、それは終戦後もう経験済みですよ。そういうことはもう如何に非能率であるか、如何に能率が無いかということは、紡績の例を一つ見ればわかるのです。オーバー・インベストメントしちやつて、操短なんかしちやつて、こんな不経済なことをしておる。ですから私は制限をすべきだと思うのですが、これはもう意見になりますからやめます。
 それで、ほかのかたお差支えなかつたら見返資金の説明をして頂きたいと思います。
#34
○説明員(大島寛一君) 見返資金の私企業貸付につきまして、昨日御要求に基きました資料を只今お手許に配付いたしておりますが、この資料につきまして、大要を御説明申上げたいと思います。見返資金の私企業貸付は昭和二十四年度以来開始されておるわけでありまするが、その主なる業種は、只今お手許の資料にもありまするように、電力、海運並びにその他重要産業、最後に中小企業、この四つの種類に分けることができるわけでございます。電力につきましては、四月二十日現在の貸付残高四百七十一億七千一百八十八万三千円、海運につきましては四百五十六億九千八百七十万円、そのほか重要産業につきましては合計百八億一千六百万五千円でございます。中小企業につきましては、三十一億四千九百三万九千円、これをすべて合計いたしまして、一千六十八億三千六百六十二万七千円に相成つております。四月三十日現在までに貸出しました総額は一千六百三十二億一千五万円でございまするが、そのうち二十一億二千五百二十六万六千円が回収になつております。更に海運につきましては、お手許の表中にもございます通り、貸出後五カ年間利息の支拂を猶予いたしまして、これを元金に附加えることにいたしております。私どもは元加と申しておりますが、元加されましたものが二十六億三千八十四万三千円であります。これを加えまして、只今申上げました一千六十八億余円になつておるわけでございます。
 次に御質問の貸付の主なる條件でございまするが、これもお手許の資料に要点を書いてございまするように、利率はすべて年七分五厘でございます。次に償還期間につきましては、それぞれの業種により、又それぞれの具体的な案件によりまして、区々でございまするけれども、電力は旧日発及び電力会社分、つまり大規模な電源開発を中心とするものでございますが、これを五年据置三十年、旧配電会社分、これは現在ではそれぞれの電力会社に承継されておりまするが、比較的短期間に完成する改良工事的なものが多かつたのでございますが、一年据置を含めまして三十年、以下海運その他お手許の表にある通りでございます。
#35
○木村禧八郎君 この見返資金と、それから対日援助資金の問題でございますね、この関係はどうなるのですか。アメリカのほうの債務の問題と、それからこの対日見返資金との関係はですね、これはもう全然向うとのいろんな、何と言いますか、了解とか何とかというのはもうなくて、全然自治的に取扱うことができる、こういうようになるのですか。開発銀行にやるとすればその点はどうなんですか。
#36
○説明員(大島寛一君) 御説明いたします。対日援助と見返資金の関係はどうなるかという御趣旨の御質問でございます。御承知のように、対日援助はアメリカが日本に対しましてドルで供與をして参つた援助でありまするが、日本の国際収支の不足の補填、補つたものと、こういうことができます、或いは援助物資というような形で日本に送られて来た援助であるということもできるわけであります。これは日本とアメリカとの間の外貨的な関係でございます。これに対しまして見返資金はこの援助に見合いまして、援助を受けましたドル額と丁度同額の円資金を国内に積立てたものでございます。従いまして只今お手許の資料で説明いたしました見返資金と申しますものは、援助に見合つて国内で積立てられた円資金を私企業に貸付けました、その運用の実績でございます。対日援助自体の問題につきましては、私ども了解しておりますところによりますると、債務と考えられているわけでございまするけれども、この具体的な処理等につきましては、なお今後に残されているわけでございます。見返資金につきましては、昭和二十四年当時の総司令部の指令に基きまして、その運用につきましては具体的に総司令部の承認を要することになつておつたわけでございまするけれども、現在におきましては、講和の発効後ここに承認を求めるということはなくなつている現状でございます。
#37
○木村禧八郎君 前に国会において議決しているのですよ。国会でこの対日援助見返資金を使うには、総司令部の許可を求める、そういう決議をしているのです。あの経緯は御承知の通りです。実は法律案として出て来るところを法律案として出て来ないで、国会で議決して見返資金を運用する場合においては、総司令部の許可を得ることが好ましいですか、何とか、そういつた形で国会の自発的決議になつておつたのです。そこでその問題はその後どうなつているのですか、わからないのですが、国会で自発的に向うの許可を受けるということになつておつたわけですから、向うでも必要でないとなつてから、何もこつちからわざわざ行く必要はないのですけれども、その点はどうなんですか。これは今後は国会の問題になるかも知れませんが、議決との関係はどういうことになるのですか。
#38
○説明員(大島寛一君) 只今木村委員の御質問にもございましたように、見返資金特別会計法を国会におきまして審議成立されますと同時に、見返資金の運用につきましては、私多少記憶違いがあるかも知れませんが、連合国軍最高司令官の承認を受けるようという御趣旨の決議がございました。その御決議に基きまして、占領軍の存在します間は具体的の承認を求めながら運用して参つたわけであります。現在におきましては、その御決議のありました連合国軍最高司令官というものがなくなつておりまするので、従いまして承認を受ける相手がいないという形になつております。
#39
○小林政夫君 銀行局長に念のためにお尋ねしますが、見返資金の私企業貸付残高が今の資料によつて千六十八億余円ということになると、これは今度の改正規定によつて四十九條の二でございますね、開発銀行の借入金になるわけですね。借入金になるわけでしよう。それで「私企業に対する貸付に係る債権で政令で定めるもの及びこれに附随する権利義務は、政令で定めるところにより、日本開発銀行が承継するものとする。」これが第一項。第二項で「承継の日における帳簿価額の合計額に相当する金額が、第三十七條の規定にかかわらず、その承継の日において同特別会計から日本開発銀行に対し貸し付けられたものとする。」とこうなつているわけで、結局開発銀行の借入金になるわげつでしよう。そうすると資本は、復金の回収金を資本に繰入れて、千百五十二億二千万円、そうすると、これが千六十八億ということであると、資本に繰入れられない間は、債務保証を開発銀行がやるのか、或いは他の借入をすると言つても、この資本で積立金の範囲内だということになると、殆んど実質千にはやれないということですね。
#40
○政府委員(福田久男君) 條文を今ちよつと探しますが、十八條の規定にかかわらず、この借入ができると、言い換えますと……。
#41
○小林政夫君 十八條の規定にかかわらずというのはない。
#42
○政府委員(福田久男君) 三十七條の規定にかかわらず、四十九條の二の借入はできるという趣旨の規定が設けられております。その規定に基きまして、今のような問題のないように措置いたしております。このちよつと、條文を探しますから……。
#43
○小林政夫君 そんなことはない。その三十七條の規定にかかわらず、というのは、この政府以外のものからとか、ここに三十七條に掲げてある以外の借入はしてはならないという規定なんです。その十八條の二ですと……。
#44
○政府委員(福田久男君) 四十九條の三の第二項のところに、第三十七條の規定にかかわらず日本開発銀行に貸付けられたものとする。ということになつておりまして、その保証或いは借入の限度の場合に、二の借入金は計算に入らないという……。
#45
○小林政夫君 それはわかわました。わかりましたが、あなたの説明だけじや不十分ですよ。二十七條の規定にかかわらず、ということはだな。十八條の二のほうで「債務の現在額及び第三十七條第一項の規定による借入金の額の合計額は、第四條に規定する云々」があるからそれであなたのようなことになる。そういう説明でなくちやわからない。それから見返資金のこの私企業投資分を引継いだ残りの見返資金ということになつております。従つて二十八年度の予算を組むときには、こういうものは見返資金特別会計においては、資金繰りから除かれるわけですね、見返資金特別会計としては、一応こつちに貸付金になるのだから。そうすると残高は二十八年の期首における見返資金の運転可能資金量としては、二十七年度からの繰越が約予算面で言えば百億だが、実質的には百二十億だ、それから国債保有額が二百億あるので、これを還元すれば三百億になる。そのほか運用金収入ということでありますが、その点を来年度二十八年度期首に、二十八年度中における本来の見返資金特別会計におけるまあ運用可能資金量というものを、一応説明して頂きたいと思います。
#46
○説明員(大島寛一君) 只今の二十八年度期首における見返資金の運用可能資金量はどの位であろうかという御質問に対しまして、御説明をいたします。見返資金の本年度の繰入計画によりまして、これを仮定いたしますと、なおその時期はまだはつきりしておりませんが、只今御審議願つております法律が成立いたしまして、それに基きまして見返資金の私企業貸付金が開発銀行に承継されたと仮に想定いたします。その想定を基にしまして、本年度末の見返資金の大体の状況を総合いたしまして、一つは今年度営業計画にございますように繰越金百億、第二は手持の国債が額面にいたしまして二百億、その他は或いは開発銀行、輸出銀行等に対する貸付、出資等にかかつておりますが、或いは又五つの債劵発行銀行に対します優先株式、或いは優先出資等というようなものでございまして、これらはその全部ではございませんけれども、元利の回収のあるものもございます、或いは年々出資を償却いたしまして、返済を受けるものもございます。併しすぐそのまま流動的な資金としてほかの方面に使い得るというものではない、長期の投資でございます。従いまして二十八年度中における見返資金の量といたしましては、貸付金、出資等相当巨額のものがございます。流動的な資金としましては先ほど申上げた国債の二百億、繰越金の三百億、この二つがあるわけでございます。御質問のように二十八年度はどうなるであろうがという御不審も若干あつたはずでございます。この点につきましてはいずれ二十八年度の予算を編成いたしまして、御審議を願いますときに、方針も定まつて参り、御説明もできる状態になることだと思つております。
#47
○小林政夫君 その運用金収入ですね、運用金収入が大体百十億乃至百二十億ぐらいあるであろうということだと聞いたのですがね。それはまあ確定的な数字でなくてもいいんですが、百億近いもの、ちよつと多過ぎるように思つたので、念のために聞くのですが、こういうものを全部開銀に行つてしまつてから、三十八年度中に運用収入というものが、百億からあるかどうか。
#48
○説明員(大島寛一君) 二十八年度中の收入或いは支出の見込につきましては、只今御説明いたしましたように、二十八年度予算の編成と共に、初めてこれは御説明できる事柄でございます。目下のところこうであろう、ああであろうということを私ども申上げ得る状況にないのでございます。仮に只今の御質問のように、運用収入が百十から二十億あるというお話もあるが、多過ぎはしないかという御趣旨の御質問、仮定の上に立つて御説明いたしますと、見返資金の私企業貸付を開発銀行に承継します時期にもよることでございます。現在の貸付残高、今後新規に貸付の承継の日まで続けて行きました残高が承継されますので、只今御審議願つております法律案にもございますように、これは政令の定めるところによりまして、開発銀行に対する貸付金になるわけでございます。従いまして開発銀行から元利の支拂を見返資金として受け得る建前になつております。このほか先ほどの御説明にありましたような優先株式の元利の配当償却、或いは本年度の運営計画において予定しております輸出銀行、開発銀行、農林中央金庫に対する百億の貸付金の利子収入、更に手持国債の利子収入、最後に若干の流動的な資金を持つております。これは常時政府短期証券等に運用しております。短期の運用でございます。これの割引の収入筆があるわけでございます。これらをすべて総合いたしまして、今申上げたような仮定に立つて総合するとすれば、百億を下ることはまあなかろうと、かように推定いたしております。
#49
○小林政夫君 そうすると開銀に対する貸付金なるものに対する金利というものは大体どういう予定をされておりますか。
#50
○説明員(大島寛一君) 私ども目下のところ年五分五厘を予定しております。
#51
○小林政夫君 二十八年度のことを特に聞いたのは、電源開発資金の、安本当局から出した資金繰りで、二十八年度見返資金から三百七十億電力会社へ融資をするという資料を出しているわけであります。それについて大蔵大臣に質問したところが、逃げて行つて、そんなことは全然私は知つておりませんということになつたわけですが、そこで資金源というものを特に聞いたわけですけれども、今のようなことであると国債を処分すれば三百億、それから百億ばかりの運用資金があるとすれば約四百億でありますから、引受けて引受けられない、まあ出して出せないということはないということになるのだが、そういうのが実際問題としてむずかしいだろうと思うのですが、そういうことがあつたから聞いたわけです。そういう話を聞いておりますが……。
#52
○説明員(大島寛一君) 先般国会でそういう御趣旨の御説明があつたことは、あらまし間接に拝承いたしております。これにつきましては先般大蔵大臣から、連合委員会におきまして御答弁になつた通りと私ども了承しております。又計算上可能であるかどうかという点は、只今御質問の中で御了解になつている通りであると思います。
#53
○下條恭兵君 どなたかから多分御質問があつたのじやないかと思いますが、ちよつとお尋ねしたいと思います。将来ワールド・バンクから外資が入つて来る場合、金利が幾らになるかということ、それから民間外資、現在も入つているのですが、将来も入つて来るアメリカからの民間外資の場合には、ただここにある造船とか、電源開発のような場合の外資が、幾らぐらいで借りられるかということ。それからイギリス、ドイツなどの産業資金の金利はどれくらいかということ、それから開発銀行の貸付の金利……。
#54
○政府委員(石田正君) 第一の問題は開発銀行からのほうは幾らで借りられるかという問題であります。これは開発銀行の貸出にいたしましても短期と言つては語弊がありまするが、期間が割合に短いものもございますし、非常に長いものもございます。それから又貸付先側にもよりまして一概には申せないのでありますが、何と申しますか低目に行きましても三分五厘、それから高目にいたしましても四分半くらいまでというのが大体の常識ではないだろうかと考えているような次第であります。
 それから民間の方面におきまして、例えば造船とかその他について外国から借入をする場合はどのくらいの金利であろうかという点でございまするが、これは貸出すところの相手方、それから又借手の関係、それからいろいろな條件等によりまして一概に何とも申上げられないのでありますけれども、併しまあ常識的に考えまして六分の上、下というところに行くのではなかろうかというふうな工合に考えております。あとは銀行局のほうから……。
#55
○政府委員(河野通一君) ドイツ、イギリス等におきまする開発資金の金利の水準でありますが、ドイツ、イギリスは大体日本と前後したところのように記憶しております。イギリスは金利が若干高い。最近ちよつと金利を上げまして若干高いところじやないかと思いますが、長期の金利が一体五、六分ぐらいになつていわせぬかと思います。アメリカも大体それより若干低い程度じやないかと思います。それから今の開発銀行の金利は、先般来たびだび御質問がありましてお答え申上げておりますが、現在では大体一割を基準にしております。今後の問題につきましていろいろ御意見も伺つておるわけでありまして、開発銀行の金利はできるだけ安くすべしという要望もあります。今後も見返資金の債権債務を引継ぎました場合におきましては、現在御案内のように見返資金は七分五厘で出しておる関係もございますので、これらの点とも睨み合せまして金利については必要な限り調整を加えて参りたい。只今のところでは一割を基準にしております。
#56
○下條恭兵君 将来三分五厘乃至四分五厘という金が入る。民間外資でも六分前後、イギリスは五、六分ぐらいと言われる場合に、政府は国際価格に鞘寄せして輸出を盛んにしなければならんと頻りに言つているのですが、金利だけがこういうふうに英米に比べてひどく高くて、これで果して将来日本の産業が国際的に太刀討ちできるかどうかということについて疑問を持つのですが、その点に対して御見解を承わりたいと思います。
#57
○政府委員(河野通一君) 御指摘のようにイギリス、アメリカに比べまして日本の金利水準は高いのであります。これが日本の産業が国際場裡に出て参ります場合に不利な條件として作用いたしておりますことは御指摘の通りでございます。併し何分にも日本の経済というものが資本の蓄積の点から見ましても非常にまだ不足をいたしておる。一方でこの資金を、資本を集めて参ります場合に、例えば預金のレート等を考えて御覧頂きましてもアメリカ等は長い定期預金等につきましても今一分半か二分半だと思いますが、その程度の金利であります。日本では一年のものが六分という金利でございます。それから国債のレート等につきましても、御案内のようにアメリカあたりの国債のレートと日本のレートとは違う。そういつた関係で全体の資金というものが非常に不足いたしておる。従つて資本の利廻りというものの水準というものが非常に高い。これは株式の平均利廻り等を考えてもやはり同じ問題になるわけであります。私どもはできるだけ日本の経済が正常化するに応じまして金利水準はできるだけ国際競争に堪え得るように鞘寄せして行くことが望ましいとは考えておりますが、なかなか今申上げたようなことで、一挙に行かない。金利につきましては、貸出金利はできるだけ安くして、企業の金利負担をできるだけ軽くすることが産業を起し国際競争に打ち勝つて行く一つの大きな要素であることは私どもも十分に承知をしております。一挙にはなかなかむずかしいので、逐次そういう方向を目標にいたしまして進んで参りたい、かように考えておる次第であります。
#58
○下條恭兵君 私は、これであちよつと疑問に思いますのは、将来電源開発でも開発銀行から貸りるものと、若干、若しかというより必ず入るだろうと思われる民間外資あたりにおいては、六分かそこらの資金で賄う。そういう発電所がいろいろできて来るというようなことであると、非常に電力のコストが違つたりして、今あの特殊会社ができたりした場合でも、将来いろいろの問題が起りはしないかというふうに思うわけであります。それと同時に考えますのは、今度電源開発のこの特殊会社に対する政府の出資に対して何か無配である関係から、あの特殊会社だけは平均利廻りが四分半や五分足らずになるという大蔵大臣は説明をしておつたように思うのであります。然るに開発銀行の場合は、こういうふうに一割というわけですが、そこで開発銀行のほうもあの特殊会社でやるような方法で非常に資金コストをよくして、開発銀行から安い貸出ができるようにする方法はないのですかどうですか、その点お答え願います。
#59
○政府委員(河野通一君) 開発銀行の資金コスト自体から申しますと、今お話のように必ずしも一割という金利でなければ収支が合わないということはございません。併し開発銀行の金利水準というものをどこに置くかという点については、コストの引合うことを目標においてよくして行くのがいいのか、或いは開発銀行の使命がやはり一般の金融機関で金融がつかないところをつけてやる、その資金量を確保するという点に重点を置いて考え、金利については更に……、その市中銀行からつかない資金をつけて更にその上に金利で市中の金利よりも安くした特別の金利を出す、これは逆に言えば全部政府資金でありますから、一種の補助金を出すということになる。そうまでして開発銀行が応援をやつて行かなければならんかどうかについて、これはいろいろ御意見があると思いますが、考えて参らなければならんと思うのであります。私どもは、先般来お答え申上げておるのでありますが、例えば電力とか造船とか、そういつた現在見返資金が主として担当しておりまするこういつた方面の融資につきましては、将来見返資金を開発銀行が引継ぐ点もございますので、それらの点を十分考えまして、見返資金七分五厘という金利等もよく睨み合せながら適当なる調整を加えて参らなければならんように考えておりますが、全体的に市中でつかない資金量をここでつけて、更に金利を安くするという、全体をそういうがうにして行くということが今この段階において必要であるか、必要でないか、特に開発銀行の金冠だけを特別にそういう取扱にすることがいいか悪いかというのは、今にわかに決定するわけには参りません。少くとも電力、造船につきましては、何かその辺の調整を考えて参りたい、こういうふうに考えております。
#60
○下條恭兵君 私は金融のことは全然わからんのですが、いつか、大分前ですけれども、日銀総裁が参議院の予算委員会に出て来たときと思いますけれども、日銀からの市中銀行への貸出はたしか一銭一厘かそこらで出して、二銭七厘で市中銀行に貸出しさして、そうして銀行に儲けさしてやつておるのだという意味の説明があつたことを私は記憶しておる。で、今どれくらいになつておるかという点が一つ伺いたい。
 それからもう一つ私が伺いたいのは、さつき木村さんから見返資金その他の財政投資を受けておる会社の配当が野放しなのに対して御意見が出たのですが、私もそういうことについては銀行局長のように、精神はかりじやないと思う。恐らくそういう点、実績が土つておると私は思つておるわけであります。これは市中銀行の賃金ベースなんかにつきましても、銀行の賃金ベースは一般産業に比べてずば抜けていい。私は銀行の経営内容はどういうふうになつておるのか知りませんけれども、若し曽つて日銀総裁が我々に申されたような幅があつたり、そのことが銀行の経営に非常に貢献つしておるかどうか、これはまあこの問題とからんで、これからやる連合委員会で参考になると思いますので、この点をお尋ねいたします。
#61
○政府委員(河野通一君) 日銀の金利政策は、これはむずかしい、技術的に非常に複雑な形態になつております。一般の最低歩合というものが、而もそのうち各その手形の性質によつて例えば貿易手形は三針六厘、その他の優良手形は一千八里、いろいろあります。その土に高率使用、一定の金額以上の貸出を日銀から受けますと、それに対しては高率通用と言つて高い金利が課せられる。それも第一次高率と第二次高率と二つに分れておる。これは非常に複雑な計算になつておるので、申上げても余り御興味がないと思うのでありますが、そういたしまして、最後の第二次高率にかかりますものは、現在では市中銀行の貸出と大体同じです。つまり無職であります。この点につきましては、更に中央銀行の金利というものは市中銀行の金利と逆に高くあるべきだという議論もあるわけであります。イギリス等においてはそうなつておるのであります。この点につきましては、日本の資本が足りない現在の状態から見まして、そこまで行く必要はないと思いますが、現在第二次高率の適用を受けておるものは大体において無鞘、こういうように御了承頂きたいと思います。併しそれにいたしましても、高率適用を受けておりませんものについては御案内のように市中銀行のレートと日本銀行のレートとは若干の鞘がございます。この鞘を出すのがいいか悪いかの問題については、ただ銀行を儲けさせるか儲けさせないかという問題でなくして、中央銀行の金融政策として、つまり資金を十分に出して行くのがいいか、或いは締めて行くのがいいかという点から判断して参らなければならん、かように考えておるのであります。
 各市中銀行の給與のべースが一般に対して非常に高いというお話でありますが、この点はむしろ先般は木村委員から逆にお叱りを受けて大体銀行局長は銀行の職員の給與を抑えておるのは怪しからんというようなお叱りを受けた次第であります。現在は私ども別に干渉いたしておりませんが、現在のところでは特別に銀行の職員の給與ベースというものが高いということには実情は相成つておらんと思います。なお御案内のような実情でありますけれども、若しどうしても非常に高過ぎる、怪しからんというお話でありますならけ、今調査いたしまして、更に考えて参らなければならんと思つております。
#62
○下條恭兵君 私は給與ベースを他の産業の給與ベースと比較して判断したので、銀行の給與ベースを下げろということを言つておるのではございませんから、これは一応銀行局長に要領よく答弁されたので、残念至極でありますが、私はその点は別にしまして、今もう一点お尋ねしたいのは、中小企業なんか非常に傘詰りで、そうして今たしかこの委員会でも高利貸の取締のようつな法案が出されるくらいに、結局高い金利が横行しておると思うのであります。こういう電源開発にいたしましても、或いは造船のようなそういう産業にいたしましても、結局中小企業であるとか、小さい土建屋というものが非常に高利な金を使つておるようなことから来る原価高というものが当然織込まれると思うのでありますけれども、こういうことに対して何らかの施策を、金融政策で何らかの手を打たなかつたら、なかなか今単に日銀の賃出のレートとか、或いは市中銀行の貸出のレートとかだけで、日本経済の健全化、合理化ということはできないと思うのでありますが、この点に対してどうお考えですか。
#63
○政府委員(河野通一君) 御指摘のようにいわゆる高利貸と申しますか、貸金業者の金利は、一般の金融機関のべースに比べましてずば抜けて高い。現在では大体日歩三十釦から日歩三十五針、平均してそのくらいになつておるかと思います。一方金融機関の金利は、中小金融機関としてやつております比較的コストの高い無盡会社、或いは信用組合等におきましても、大体四錢五座から五錢ぐらいが平均になつております。そういうように非常に開いておりますので、これを一体どうしたらいいかということがございます。近く御審議を願いたいと思つております高金利の正取締に関する法律も、こういう観点から御提案を申上げておる次第であります。ただこの問題はなかなかどの程度の金利が、そういう特殊の金貸、一般の金融機関じやありません、正常な金融機関でない金融会社にはどの程度であつていいかということは非常にむずかしい問題であります。私どもは経済ができるだけ正常化いたして参りますに応じましてこういつた特殊の金利の出る高利貸というものの、経済界に占めるウエイトができるだけ少くなることを期待し望んでおります。併しながら何しろ現在のように、経済がまだ回復の途上にある、正常化をいたしません、殊に資本の不足が日本の経済の一番の大きな弱点であるという現在におきましては、どうしても市中金融に対する需要が多いものでありますから、そこらについては相当高い金利が出て来る。これは政府といたしましては誠に遺憾ではありますけれども、止むを得ない現象であると考えております。問題は結局程度問題であります。できるだけこれらの高利貸の金利というものは、安いに越したことはないのでありますが、ただ幸いにして経済が正常化いたすに応じましてこれらの高利貸資本が活躍いたしまする、経済界に占めるウエイトはだんだん少くなつて来る。金利自体も一時は俗に言われております「といち」……、十日で一割というような非常に高い金利があつたのでありますが、最近ではこれらのこともだんだん落ちついて参りまして、現在では先ほど申しましたように、三十銭乃至三十五釣程度が平均になつておるかと思います。お話のようにこれらの金利ができるだけ安くなり、而もこれらの正常な金融機関以外の金融機関からの金融に待つ分野というもの、ウエイトというものをできるだけ少くすることを私ども期待しておるのでありますけれども、徐々に経済全体の力がついて参るに応じてやはりこれが解決されることになる、かように考えておるのであります。徒らに強権でこれを取締るということにいたしましても、にわかに実体的な改善ができるとは期待できないのであります。逐次今申上げましたように、経済全体を正常化して行くことに努力することによつて、これらの不当な金利というものがなくなるように努めて参りたい、かように私どもは念願しておる次第であります。
#64
○小林政夫君 これとは関係がないのですが、相互銀行法を審議するときに我々余りやらなかつたのでうつかりしたのですが、内国為替取引を相互銀行にやらせないということになつておる。これは信用金庫のほうでは内国為替取引をやらすということになりますね。信用金庫はやれる。今度の相互銀行ではやれない。信用金庫にやらしておいて、なぜ相互銀行に内国為替取引をやらせないのか、その点……。
#65
○政府委員(河野通一君) 只今の点は、これはまだ私調べておりませんので……。
#66
○小林政夫君 相互銀行、あれは議員立法だから……。
#67
○政府委員(河野通一君) そう言つて逃げるわけではありませんが、ちよつと調べておいて又次の機会に……。
#68
○小林政夫君 それでそういうことができないために、相互銀行なんか、日銀と余り取引ができないということですから……。
#69
○委員長(平沼彌太郎君) 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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