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1951/06/11 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第65号
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1951/06/11 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第65号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第65号
昭和二十七年六月十一日(水曜日)
   午後一時四十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           野溝  勝君
           木内 四郎君
   委員
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           溝淵 春次君
           小林 政夫君
           小宮山常吉君
           田村 文吉君
           森 八三一君
           大野 幸一君
           下條 恭兵君
           油井賢太郎君
           木村禧八郎君
  政府委員
   中央更生保護委
   員会事務局長  齋藤 三郎君
   大蔵大臣官房長 森永貞一郎君
   大蔵大臣官房文
   書課長     村上  一君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   大蔵省主計局法
   規課長     佐藤 一郎君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
   大蔵省銀行局総
   務課長     福田 久男君
   大蔵省理財局次
   長       酒井 俊彦君
   国税庁次長   正示啓次郎君
  ―――――――――――――
   会計検査院事務
   総長      池田  直君
  ―――――――――――――
  事務局側
   常任委員会專門
   員       木村常次郎君
   常任委員会專門
   員       小田 正義君
  参考人
   日本開発銀行理
   事       中山 素平君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○宗教教化教材機具の物品税免除に関
 する請願(第二七三号)
○労務用加配酒存続に関する請願(第
 一六九〇号)
○労務用特価酒存続に関する請願(第
 一八八七号)(第二〇〇四号)
○労務加配酒存続に関する請願(第二
 五九二号)
○銀行従業員給與に対する大蔵省の干
 渉、統制排除の請願(第一七一九
 号)(第一九一一号)
○在外資産の調査に関する請願(第一
 八四八号)
○農業協同組合に対する課税減免の請
 願(第一九一八号)
○文化財保護法による指定国宝等の物
 品税廃止に関する請願(第一九三九
 号)
○織物消費税廃止に伴う特別措置の請
 願(第二三四二号)
○石炭手当に対する所得税免除の陳情
 (第一〇九五号)
○日本開発銀行法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
 案その他機構改革に関する件
○大赦と税法の関係に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) 第六十四回の大蔵委員会を開会いたします。
 先ず請願及び陳情に関する小委員長より、請願及び陳情の審査経過並びに結果について御報告を開くことにいたします。
#3
○野溝勝君 請願及び陳情につきまして、小委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 六月五日、第三回の小委員会を開きまして、紹介議員より趣旨の説明を受け、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしまして、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。
 請願第二百七十三号は、宗教法人の使用する宗教教化教材機具の物品税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第千六百九十号、第千八百八十七号、第二千四百号、第二千五百九十二号は労務者に対し従前通り労務加配酒制度を存続せられたいとの趣旨であり、請願第千七百十九号、第千九百十一号は、銀行従業員給與に対し、大蔵省が干渉、統制しているのは不当であるから、これらの排除方策を講ぜられたいとの趣旨であります。請願第千八百四十八号は、在外資産が価値不明のまま賠償に充てられることは、関係者の忍びがたいところであり、連合国との賠償交渉の際にも、詳細な資料が必要であるから、政府は在外資産の調査をこの際行われたいとの趣旨であり、請願第千九百十八号は、社会的性格と組織上の特質を有する農業協同組合に対し、法人税を軽減せられたいとの趣旨でありますが、單に農業協同組合のみならず、広く一般協同組合に対しても、等しく軽減措置を講ずるのが妥当と考えられます。請願第千九百一と十九号は、文化財保護法の精神に則つて指定国宝等の物品税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第二千三百四十二号は、織物消費税廃止により、生産業者並びに販売業者が不当に損害を受けたから、その補償をせられたいとの趣旨であります。以上各件はいずれもその願意は妥当と考えられますので、いずれも採択すべきものと決定いたした次第であります。
 陳情第千九十五号は、北海道における公務員の石炭手当に対する所得税の免除又は控除の制度を設けられたいとの趣旨であり、その願意は妥当と考えられますので、採択すべきものと決定いたしました。以上であります。愼重審議よろしく御採択お願いいたします。
#4
○委員長(平沼彌太郎君) 只今報告のありました請願及び陳情につきましては、その報告の通り決定いたすことにいたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。よつて小委員長の報告の通り決定いたしました。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
 では日本開発銀行法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
#7
○小林政夫君 会計検査院にお尋ねしますが、この提案されておる開発銀行法の第三十九條によつて、開発銀行自体並びに開発銀行が業務の委託をした銀行その他の金融機関に対して、会計検査院は検査ができるということになつておるのですが、この趣旨によつて会計検査院としては、どの程度まで検査がやられるのか。特に不良貸出等について今問題が起つているのは、復金の引継、復金の融資を引継いだものについて消却をやつておる、こういうものについて、消却等の場合にどの程度の検査をされるのか。融資先まで行つて、その金がどのように使われておるかというふうなことまで、場合によつては検査をやれるのかどうか、その点をお伺いいたします。
#8
○会計検査院事務総長(池田直君) お答えいたします。先ず御質問の第一点の日本開発銀行法の第二十九條に規定いたしておりまする会計検査院の検査の権限の関係、これの検査の実施の状況につきまして御説明いたしまするが、開発銀行法の三十九條に規定いたしておりまする開発銀行からその業務の委託を受けておりまする銀行につきましては、会計検査院としましては検査はできるのではありまするが、現在は業務を委託しておりまする関係につきましては、支所等の関係で興業銀行などが業務の委託を受けましてやつていた関係があつたかと思いますが、その関係は検査いたしております。併しほかの関係で委託を受けておりまする関係のものは小さいところまではまだ行つておりません。併し業務の委託を受けてやつておりまする以上は、できるだけ検査を徹底させたい方針であります。それから御質問の第二点の復興金融金庫が融資いたしました関係、その融資先の検査の権限或いは検査の実施の状況等について御質問ありましたが、先ず融資先の会計検査院の検査の権限につきましてお答えいたしたいと思います。会計検査院は国が実施いたしておりまする方針、ここで申しますと、前の復興金融金庫なり或いは日本開発つ銀行、これの会計は勿論政府の会計と同じように検査ができることに会計検査院法の二十三條なり或いは二十三條の規定によつてできることになつております。併し復興金融金庫なり或いは開発銀行が融資をいたしました業者、会社の会計につきましては、直接には会計検査院はその会計の検査権限はございません。ただ実際上の問題といたしまして、どういたしましても相手の融資先のいろいろな施設がなり、いろいろな関係につきまして直接いたさなければいけないような場合には、これは納得ずくで、例えば官庁で申しましたらできるだけ金融金庫関係の監督官庁でありまする大蔵省、それから貸付をいたしております、融資をいたしておりまする金庫、それから融資を受けておりまする業者、こうした関係者の十二分な納得がなければ検査、事実上検査という言葉は甚だ使いたくないのでございますが、事実上施設等につきましても見ないということにいたしております。と申しますのは、会計検査院といたしましても相当に強い検査権限を持つておりまするし、この権限の実施を円滑に運行するためにはやはり権限を越えました検査はこれは最も嚴に愼むべきものだと存じますが、成るたけ実際の融資先の帳簿その他につきましては見ないことにいたしておりまするし、事実見ておりません。融資先の検査の関係はそんな状況であります。従いまして、私どもといたしましては、復興金融金庫なり、或いは開発銀行の融資のことにつきましては、融資をいたしまする金庫の、或いは銀行の調査いたしておりまする関係書類、融資決定いたしました決議の書類とかその他融資先の業者の資産関係、その他の調査書類或いは抵当権設定等に関しまする手続その他の関係、適正にやつているかどうか、早くそうした手続等も手際よくやれたのにやつているかどうか、そうした関係はあらゆる資料を拜見しまして、或いは資料がないのは金庫なり銀行なりに送りまして、整えてもらつて、融資が適正であつたかどうかということにつきまして検査が徹底するようにいたしております。融資後につきましても管理の点につきまして、或いは回収の点につきまして條件通り管理いたしているか、或いは回收いたしているかにつきましては、現在の私どもの職員の配置その他の関係で、できるだけのことは厳正に、適正に検査をいたしているつもりであります。そういうふうな関係でありまするので、現在のところ、只今お尋ねのいろいろな関係の融資先の直接の事業内容なり或いは帳簿等につきましては検査はいたしておりません。
#9
○木村禧八郎君 そうしますと、復金及び日本開発銀行で只今消却をしているのでありますが、大体合計九億一千六百万円ですね。こういう消却を行なつたとき、これは一応損金として落すという建前であるわけですから、勿論これが全部損になるというわけではない。今後回収できる分は今後又回收して行くと思うのです。一応損金としてこういうふうに処理されている。消却になつた、これが果して適当であるかということをこれは検査する場合、これは例えば復金なり開発銀行に依頼したのではこれは適正であるかどうかわからないと思う。やはり会計検査院にそういう権限があるということが今判明したわけですから、こういうものについては適否を検査されたのかどうか、その点を伺いたい。
#10
○会計検査院事務総長(池田直君) 只今お尋ねのありました復興金融金庫なり或いは日本開発銀行におきます貸付金につきまして消却いたしました関係の検査につきましてでありまするが、消却を受けました借受人、債務者、これの帳簿その他の関係につきましては先ほどお答えいたしましたように、検査の権限がありませんので、直接債務者につきましては、検査いたしておりませんが、復興金融金庫につきまして、その消却関係が適当であつたかどうかにつきましては検査はいたしております。ただ今お話の通り、相当金額の消却がありまするが、検査いたしました範囲はまだその一部分でありまして、現在又これから検査未済の部分につきましては十二分に検査をいたす方針でおります。今までもお話の通りに直接貸付先につきまして、債務者の帳簿等は現地に行つて見なければ果してその消却が適正であつたかどうかということの判定が至難ではないかという御疑念のように承わりましたが、或いはそうした御疑念がおありなのも無理からん点もあるかと思いまするが、私のほうとしてはそこまで見る権限がありませんので、復興金融金庫なり日本開発銀行の持つておられまする帳簿、書類、その他の関係から果してこれが消却が適正であつたかどうかについて十二分に検討して判断を下すという以外に、現在の権限では止むを得ないと考えております。只今検査を済ましたのは、まだ極く小金額ではありますが、いろいろな観点から調査いたしました結果、まあ止むを得んのじやないか。併し私どもといたしましては消却はいたされましても立ちどころに債権を放棄すべきではありませんので、その点につきましては十二分に注意して頂くように、一応帳簿上は企業会計の経理の原理なり、いろいろな点から損金処分に一応いたされたことはこれは止むを得ませんといたしまして、債権の確保につきましては、今後とも普通の消却処分にならない融資の分と同様に飽くまで債権の回収に全力を盡されるように御注意申上げているような次第であります。
#11
○木村禧八郎君 その消却件数は大体六百件になつているのですね。只今一部と言いますけれども、どの程度なんですか。
#12
○会計検査院事務総長(池田直君) この点につきましては、甚だ検査が進んでない点は遺憾に存じまするが、一億余りの点につきましては大体済んでおります。これは金額でありますが、件数はちよつと私頭にありませんが、大体金額にして一億余りの金額につきましては、十二分に検討いたしましたのですが、これは一応そうした部内的な整理をされることも止むを得ないのじやないかと考えております。併し飽くまでこれは債権の回収に努力されることになつておりますので、私のほうといたしましては特別に検討はいたしておりません。
#13
○木村禧八郎君 直接事業上について検査できないということになると、こういう消却が起つた場合、今度この開発銀行はこの法律が通りますと、それから更に将来見返資金の分ですね、これを受継ぎますと、非常に大きな規模の融資を受持つことになるのですね。大体一千億以上、千百五十二億ですか、そこでこれは私こんなにしつつこく聞いているのは、非常に大きな融資先になるのであり、そこでこの回収ということは大きな問題です。勿論回収に焦つて、日本の経済復興を、角を矯めて牛を殺すようなことは避けなければなりませんでしようけれども、非常に大きいのですから……、従つて弊害が生ずる公算も大きいわけですね。検査もよほどしつかりしていませんと行渡らんものです。で、何とかこれは、必要ある場合です、例えばこういう損金になるような場合、これはまあ国民の税を以て出資してそういうことになると、国民に対して非常に相済まんわけですから、そういう場合には事業場についても、会計検査院がこれは濫用しちやいかんと思いますけれども、検査し得るという権能を持つていないと、どうも私は徹底しないのじやないかと思うのです。当事者にそれを聞いても当事者のほうから、それは疑うわけじやありませんけれども、当事者は適正と思つて消却するでしよう。又これが損金になるということを結論を出すでしようけれども、やはり第三者としては事業場にまで行つて直接これを検査できなければ権威のある検査にならないのじやないかと思うのですが、その点どうなんですか。
#14
○会計検査院事務総長(池田直君) 只今の御意見御尤もな御意見でございまして、検査を徹底する観点から見ますと、必要に応じて貸付先の帳簿その他の関係につきましても検査の権限を持つべきであると思いますが、ただこれは会計検査の権能を持つべきであると思いますが、ただこれは会計検査院の検査の権限全体のことにまあ関連しますのでありますが、今検査院が直接業者に、或いは民間のその他の関係につきまして、帳簿その他のことを検査できる関係のものは、民法の二十二條、二十三條その他ほかの法律に規定してあるのがありますわけでありますが、前の旧民法時代よりも随分会計検査院の権限は拡張はいたされております、併し検査の徹底という観点から、この今與えられている権限で十分かどうかということにつきましては、これはいろんな角度から検討されなければいけない問題でありまして、検査の徹底という点だけから申しますれば、これは不十分だという結論に到達するだろうと思います。ただ国家のいろんな機関その他の建前、又会計検査院の検査の権限の拡張に鑑みまして、いろいろの影響が各分野に亘つて起つて参ると思いますが、或いは予算の関係、人員の関係、私の役所といたしましても、又相手の官庁なり或いは民間の関係なりにつきまして、複雑なる影響が及ぼされることだろうと思います。そうした関係からこの復興金融金庫なり或いは日本開発銀行の融資先の検査の権限も同時にこれは検討さるべき問題と存じまするが、御意見はまあ検査の徹底という観点からは御意見は御尤もと存じますけれども、今すぐそうした関係の権限を民法を改正して持たすべきではないかということは、いろいろ慎重に考究しなければいけない問題ではないかと、こういうように考える次第であります。
#15
○木村禧八郎君 我々これまで、この消却について、これが適正かどうかというふうに判定する場合、何を信頼して判定していいのかわからないわけなんです。そこで実は具体的に個々の会社の消却の対象となつた会社を示してもらつて、それで我々が判断する、こういうことよりほかないじやないかと考えたのですが、併しそれにもいろいろ他面において悪い影響もあるようでありますので、我々も無理に又これを公開することもどうかと思う。そこで我々としては若し会計検査院が事業場についてまではつきりと検査ができて、そうしてこれならば決して不当なものでないと、こういうふうに判定されて、それでこういう消却というものが行われたというならば、我々も会計検査院を信頼する。それ以上我々も素人ですから、そんなに飽くまで疑つて、それでこれが適当じやないといテことをいつまでも追究することは、これはもう意味をなさないのじやないか。それで一応会計検査院のかたに聞いて我々これならば国民に対して納得ができると、こういう結論を得たいと思つております。ところが只今のお話ですと、大体一億程度の検査をしてまだ残りについてはされてないと、こういうのでは折角我々信頼して、それでは大丈夫だろうと思つたのですけれども、どうも納得が行かない。一体、我我は、どうしてこれが適正であつたかということを判定していいかに迷うのです。実は今度はこの開発銀行の総裁は国会の承認を得ない、必要でないことになつているのです。御承知のように一体そういう場合に誰が責任を負うのか、責任の帰属もしません。そこで開発銀行の人に伺いたいの、たが、これは会計検査院のほうの検査も大体全部その検査を受け、そこで承認されたように我々聞いておつたのです。ところが今お話を伺いますと、そうでない、それから事業場についても会計検査院が直接検査する権能がないと、こういうことになりますと、厳密に言つて適正な検査というものは行われてないと、こういうふうに我々は思うのです。それだから不正であると、不正があるという意味ではないのですよ、建前として今後やはりどうして判定して行なつていいかに迷うわけなんですよ。開発銀行としてはその点前にいろいろ答弁がありましたが、どういうふうにお考えになつておられますか。
#16
○参考人(中山素平君) 私はこの前申上げました開発銀行なり、復金の消却が、大蔵省の銀行局の検査をされて、その上に会計検査院のほうでも検査されるということを申上げたのでありますが、これは今事務総長のお話でございますけれども、全部は済んでないというお話でございますけれども、私どもその検査院のほうのお仕事の内容は存じませんから、との程度おやりになつているかわかりませんが、私どものほうとしては復金の承継につきましても、引継当時の決算についても、一応見て頂いておりますし、それまでは別に批難を受けておりませんから、検査院のほうとしては決算の一部の内容でございまするから、消却についてもお済みになつているというふうに解釈しております。
 それからまだ全然手続的に済んでないというのが二十六年の三月の決算、これは大蔵省の銀行局の検査部の検査を受けましたが、会計検査院のほうには只今全部資料を出しておりまして、これについて検査院のほうでお調べになつてその結果は国会の決算委員会その他に御報告になると思いますから、このほうについては或いは手続的にも未了のものがあることはあるかも知れません。
 それから木村さんの御質問の消却の点でございますが、御質問の内容に二点あるのではないかと思うのです。不当な消却、つまり損に上げなくてもいいようなものを消却して行くんじやないかということが一つと、もう一つば損は止むを得ない、併しその貸出についていろいろな問題がある、その責任その他の問題があるのではないか、この二つがあるのではないかと思うのでございますが、その前のほうの消却で、不当に幅広くやつているんじやないかという御質問に対しては、これは民間銀行の場合でも同じでございますが、消却を多くする、多くの消却を出さなければならんということは銀行の経営者としてもこれは一つの恥辱でございますし、資産内容が悪いということをはつきり出すのでございますから、消却の幅を広くするということは先ず先ずないわけでございまして、私どもがこの三月の消却を初めてしたわけでございますが、その際にも十分内容を検討いたしまして、これは一応消却せざるを得ないという限界のものだけをしておりますから、今の問題は別に御心配になるような点はないのではないか。第二の問題になりますと、問題は又別になりますのでございますが、これについては私ども開発銀行の経営を任されております以上、その結果若しお調べになるようなことが出て、参りました場合は十分責任はとるつもりでございますからその点で御了承願いたいと思います。
#17
○木村禧八郎君 会計検査院のほうでは、それを検査された場合は、これは国会に報告する義務があるわけですか。
#18
○会計検査院事務総長(池田直君) 検査院といたしまして、その只今お話の消却関係が不当であると、こういうふうに認めまする場合は検査報告に掲げることがあります。まあ非常に軽微なことでありましたら掲げないこともあるかもわかりませんが、これは国会に報告してやはり国会の御審議を待つべきだ、国民にも周知さすべきだというようなことは、すべて検査報告に明記いたすことにいたしております。ですから消却の関係で、これが措置が適当でないというように検査の結果認めます場合は検査報告に掲げます。
#19
○木村禧八郎君 どうもこれは、どういう事情かわかりませんから、一概にすぐに会計検査院を責めるのもどうかと思いますけれども、どうもこれは先ほど伺つた印象では怠慢ではないかと思うのですね。九億幾らの消却について一億程度しか検査してないというのはですね。ですからこれは強くここで要望したいのですが、これはいろいろと問題になりますので、特に今後に私は重点を置くんですが、これは是非やはり調査されて、それで問題が、なければ勿論いいんですけれども、それで嚴正なやはり検査をされて、その結果を報告して頂きたいのです。それと同時に、もう一つは検査が間接検査になる点ですね。これは何かはかに方法がないかどうかですね。銀行当事者にこれを頼んでもこれはわからんはずであつて、もつと厳正な権威のある検査をする方法について何かあるかどうか伺つておきたいのです。
#20
○会計検査院事務総長(池田直君) 只今会計検査院の検査の進行状況につきまして、今木村さんからの御忠告御尤もに存ずる次第でございまして、会計検査院といたしましても、アップ・ツー・デイトに検査を進めるつもりではいたしておりますわけでございますが、人員その他の関係で、今の消却の関係、大体二十五年度までに消却済のものは勿論検査を済ましておるわけでございますが、二十七年三月に終りまする会計検査、これは整理期間その他の関係が五月或いは七月になりまする関係でアップ・ツー・デイトにすぐ検査をいたしまして、只今御報告申上げるまでに至つていないのは甚だこれは遺憾でありまするが、事情はそういうような事情でありますので御了承願いたいと思います。大部分残つておりまする部分は、現在検査中でもありますので、検査は只今は終了いたしておりませんと、まあ御報告いたすよりほかに仕方がないわけでございます。まあ検査の実施につきましては消却の関係につきましても勿論厳正に検査いたしまするわけでございますが、その前段階におきまする融資の決定、それから管理、こうした面にまあ非常に注意をいたしておりまして、いやしくも消却にしなければいけないような金がないようにと、こういうふうに検査の方針といたしましては心がけておる次第でございます。ただ復興金融金庫にいたしましても、開発銀行にいたしましても、金融機関としての性格そのものの問題から当局といたしましては十二分のまあ御注意はいたされましても、或る程度まあ止むを得ない滞りができる、経済事情その他の関係で滞りができる、こういつたものにつきましては、会計検査院といたしましても止むを得ないのじやないかというような措置はいたしておる次第でございます。その点は一つ御了承願いたいと思います。なお只今御心配の融資先の検査、特に消却になりました関係の融資先の検査のことにつきましては、本来なら只今お話の通り検査いたして御納得の行くように報告をいたすべきではありますが、只今の会計検査院の権限といたしましては、権限がありませんので、それを実施するというふうにお答えするわけには行きませんので、できるだけ運用面におきまして御納得の行くようなふうには心がけたいと思つております。
#21
○木村禧八郎君 最後に要求したいのですが、復金時代昭和三十三年度にも非常に古いものですが消却しているのですが、そういうものは検査がおできになつておるんでしよう。それで復金は御難のようにいろいろな問題が起つたのでありますが、資料として今日までにおける復金に対する会計検査院の検査状況、これを御提出願いたいと思うんです。今すぐじやなくてもよろしいですからできる限り過去から今日までの検査の状況、これはもう復金は歴史的に問題を起したのですからそういう意味でできる限りアップ・ツー・デイトの資料を出して頂きたいと思います。
#22
○会計検査院事務総長(池田直君) 復興金融金庫に関しまして会計検査院が検査いたしました結果の主なる事項につきましては、昭和二十二年度の検査報告から二十五年度の検査報告までずつと掲げてございますから、それは後ほど検査報告を差上げます。
#23
○木村禧八郎君 二十二年度……。
#24
○会計検査院事務総長(池田直君) 二十二年度の検査報告から二十五年度の検査報告に亘りまして、重要事項については検査の結果を国会に御報告してありますのでそれを差上げます。
#25
○小林政夫君 先ほどの木村委員の御質問と同一なのですが、私も御尤もだと思うんですが、この三十九條を改正して、そういつた消却等の事例が生ずる特定の場合については会計検査院が業務状況を検査ができるというふうにこの三十九條で改正をすればやれるが、そうすることについて何か他との振合上面白くない点があるかどうか、その点についての御意見を伺いたいと思います。
#26
○会計検査院事務総長(池田直君) 法律を改正いたしますれば当然その検査の権限があることになりまするので、法律改正の関係は国会におきましていたされれば済むことでありますのですが、会計検査院といたしましては、いろいろな振合いの関係から、今こちらからすぐに要望しなければいけないというような事態にまでは至つておりません。その点は、検査の徹底を期し得ないのではないかという御意見があるとは思いますが、例えばほかの点で申しますれば、租税の徴收なんかにつきましても、会計検査院といたしましては、税務署、国税局におきまして調査され、決定いたされました資料に基きまして、又会計検査院で積極的に集めました資料に基きまして、租税の徴収、賦課が適正であつたかどうかという点で検査をいたしておりまして、本来ならば納税者の帳簿につきまして、税務署と同じように納税者の帳簿につきまして検査いたさなければ、検査の徹底は期せられません。併し会計検査院は、納税者の帳簿等につきまして検査する権限は、現在與えられておりません。又国の会計で申しまするならば、工事でございます、工事の請負につきましては、必要があれば民法の規定により何々会社のどこどこ官庁の注交いたした工事でございます、請負わした工事、この工事の会計につきまして、直接請負業者の帳簿につきまして検査できることになつておりますが、いろいろな物品とか、役務、こうした関係の場合は、会計検査院は現在業者の会計等につきまして直接検査する権限は與えられておりません。まあそうしたいろいろ権衡の問題と申しますか、それから会計検査院の職員その他の関係、こうした関係から、今すぐには権限を拡張することが適当であるかどうかということについて、相当愼重に考究を要しはしないかと、こう考えております。
  ―――――――――――――
#27
○委員長(平沼彌太郎君) それでは次に大蔵省設置法の一部を改正する法律案、その他の機構改革についての政府委員の御説明を願いたいと思います。なお今回の行政機構改革に伴う大蔵省関係事項について、その内容の説明又はこれに関連する希望事項等について政府側より説明を願います。
#28
○小林政夫君 議事進行について……。この開発銀行法はどうするのですか。
#29
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#30
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
#31
○政府委員(森永貞一郎君) 今回の行政機構改革の一環といたしまして、大蔵省設置法の改正案並びにそれに伴う大蔵省関係法律の改正法樺案が衆議院を通過いたしまして、目下参議院の内閣委員会にかかつております。大蔵省関係のあらゆる法律案を御審議頂いております当委員会に、一度その大綱を御説明申上げたいと思つておりましたが、只今その機会を與えられましたことを喜んでおります。
 法律案を逐條的に申上げますと、非常に複雑いたしますので、極くかいつまんで大綱並びに問題点を御披露申上げたいと思います。お手許に大蔵省の機構改正の概要という印刷物をお配りしておりますが、大体その順序に従いまして概要を申上げたいと思います。御承知のように現在の大蔵省の機構は、本省といたしましては官房のほかに五局、主計、主税、理財、管財、銀行の五局を外局といたしまして、国税庁、証券取引委員会、公認会計士管理委員会、造幣庁、印刷庁とございますが、今回の機構改革の第一点は外局を廃止いたすことでございます。
 五つの外局を全部廃止する。先ず国税庁でございますが、国税庁は二十四年の六月に設置されまして、今日まで三カ年を経過いたしておりますが、国税の賦課徴收の執行面を精密に担当する外局として、当時インフレの進行途上にありまして、ややもすれば乱れがちな徴税機構を建直す、そういう目的で外局として発足したわけであります。三年間の実績を顧みますと、経済の正常化ということも他方にございましたが、相当の実績を挙げ得たのであり。まして、徴税秩序も相当回復して参りました。今回の行政機構改革では徴税秩序が相当回復して参つたことも考えまして、又政府の方針といたしまして、外局はいわゆる審判的な機能を持つもの等を除いて原則として廃止するという方針に則りまして、従前通り徴税事務を内局に吸収いたすことにいたしたわけであります。国税本庁の機構をおおむね半分程度に縮小いたしまして、本省に徴税局という内局を設けまして、そこで従来の国税庁の事務を取扱わせることにいたしておるのであります。事務の範囲は一切国税庁と同じでございますが、但し一点だけ違つておりますのは、直接の課税権の発動即ち調査であるとか、査察宗であるとか、そういつたような事務は、これは徴税局では行いません。本省では行いません。国税局以下の地方出先機関にやらせるということにいたしておるのであります。二十四年六月以前の状態に返えすということでございます。なお徴税局には事務の分量等も考えまして、二人の次長を置くことにいたしておるのであります。次は証券取引委員会でございますが、証券取引法に基く行政事務を行わせますために、二十三年四月に設けられました委員会組織の会議制の行政機関でございます。こういう行政委員会につきましても、今回の行政機構改革に当りましては、審判的機能を持つたものそれ以外は原則として廃止する。そして本来の行政機構の姿に戻して、機構を簡素化し責任の所在を明確にするという、こういう方針に則りまして、この委員会を廃止いたしまして、極めて簡素なる形で本省の理財局に吸収するということにいたしておるのであります。
 公認会計士管理委員会につきましても事情は同じでございまして、本委員会は二十五年の四月に設けられまして、公認会計士法に基く公認会計士試験の管理、登録、監督等の事務をいたしておりますが、これ又一般的な方針に則りまして、極めて簡素な形で理財局に吸収いたすことになつたのであります。
 残りました外局といたしまして造幣庁と印刷庁がございますが、これは御承知のように、貨幣の製造、或いは紙幣の印刷、官報、その他の政府印刷物の印刷といつたような事業官庁でございまして、従来といえども一般の外局を以て律するにはやや困難な点もあつたのでございますが、今回の行政機構改革に際しましては、こういう特殊な事業体でもございまするし、これを外局から外しまして、大蔵省の附属機関ということにいたしておるのであります。名称もそれぞれ造幣局、印刷局ということにいたしまして、本省の中に附属機関として置くことにいたしたのであります。以上の通り、現在ございます外局はすべてこれを廃止いたしておりますのが、機構改革の第一点でございます。
 第二点は、官房及び局中の部制の廃止でございます。現在の大蔵省にございます部といたしましては、官房の調査部は、財政経済に関する諸調査及び統計の作成等の事務に従事いたしておりますが、その調査部。それから主税局の中にございまする税関部、税関関係の仕事をまとめていたしておりますが、その税関部。それから銀行局にございます金融機関の検査事務を担当しております検査部、この三部がございますが、今回の機構改革に際しましては局の部制を廃止するという方針でございまして、これはすべて廃止いたしまして、その代りと申しますと多少語弊があめろうかとも思いますが、事務の分量等にも鑑みまして税関部を持つておりました主税局には、税関部の廃止後は次長を一人置く。銀行局にも検査部の廃止後は次長を一人置くということにいたしておるのであります。以上が部制の廃止という第二点でございます。
 第三点は渉外に亘る点も含んでおりますが、内局といたしまして新たに為替局を設けようという点であります。現在為替政策は大蔵省が担当いたしておりまして、理財局でその事務を分担いたしておるのでございますが、理財局の扱つております為替関係の仕事と、現在総理府にございます総理府の外局である外国為替管理委員会及び経済安定本部の外局である外資委員会、いずれも会議制の行政機関でございますが、それを廃止いたしまして、その事務を本来の大蔵省の仕事とを合せまして為替局を作るということにいたしておるのであります。外国為替管理委員会は外貨資金の集中、管理、対外取引の決済條件の決定というような、そういつたような仕事をいたしておるのでありますが、沿革的に申しますと、初めこれができましたのは、司令部の指令に基いてできたのでございます。その当時、外貨資金の管理というような大蔵省乃至は中央銀行が所管するのが例であるところの事務を新たなこういう委員会にやらせるのがいいかどうかということにつきましては、いろいろ問題があつたのでありますが、当時の事情といたしましては、戦前の旧債務の関係で、大蔵省とか、或いは日銀が持つということになりますと、いわゆるアツタツチメントの問題を起す虞れもある。又当時は司令部が実質的に外貨資金の管理をいたしておりましてその司令部と表裏一体の機構として管理せしめる必要がある、そういつたような事情がございまして、結局外国為替管理委員会というような総理府にございます行政委員会が設けられたのでありますが、その後只今申上げましたような事情は、講和に伴いまして全面解除いたしておりますし、又通貨価値の対内、対外に対する維持、こういつたような政府の財政経済政策の基幹であるところの政策に非常に緊密不可分の関係にある外貨資金の管理を、政府と半ば独立した機関に委ねるということにつきましては、行政法上もいろいろ問題があるところでございますし、又責任の所在が明確でなく、機構も、非常に厖大な機能を擁しておりまして、簡素化の趣旨からこれを廃止いたしまして、本来の行政機構の姿に戻す、そういうことから、外国為替管理委員会も、他の幾多の行政委員会と同様に廃止せられることになりまして、財政金融政策、通貨政策について責任を持つております大蔵大臣の下にそれが委ねられる、そうして大蔵省が従来やつておりましたものを一緒に為替局をして処理せしめる、そういうようなことに相成つた次第でございます。
 外資委員会につきましても、大体同じような経過でございますが、外資委員会で現在やつております仕事は、外国人の投資活動、日本の企業に対する貸付金であるとか、或いは技術援助であるとか、或いは日本の会社の株式の取得、土地の取得、そういつたような個別的な案件をここで処理しているわけでありますが、今回の機構改革に際しましては、経済安定本部はそういつた現業的な仕事に携わらない基本的な政策、計画の面を担当する役所にするという根本方針に従いまして、個別的な案件である、只今申上げましたような問題は、各省の所管に従いまして、各省に分散するということになつたわけでございます。大蔵省がこれに一番関係が深いわけでありまして、大蔵省のほかに産業の種類別に通産省、農林省、運輸省等が共管をいたすというようなことになりまして、この事務を為替局の中で取扱うということになつているのであります。なお為替局の事務といたしましては、もう一つ外国為替予算案の準備という仕事がございます。現在は外国為替予算は、閣僚審議会、その下に幹事会もございまして、各省が集まつて審議しているわけでございますが、で決定されております。その準備は経済安定本部の貿易局でいたしておりましたが、外国為替予算の編成準備という仕事も、どちらかと申しますと現業でありまして、貿易政策乃至は貿易計画、これは総合的な基本的なものでございますが、それに従つてその一番下の為替管理の実際の実務の基準たる予算案を作るという事務でございます。新設の経済審議庁の性格を基本的な政策、計画に專念させるという観点から、こういつた為替管理の実務に近い外国為替予算案の準備につきましては、これを各省に分担させるということになりまして、貿易に関する部面は通産省、貿易外の部面は大蔵省、それを大蔵省が便宜取りまとめまして、閣僚審議会に提出する、さようなことに相成りまして、その外国為替予算案の準備に関する事務もこの新設の為替局で取扱うということになつているような次第でございます。以上が第三点でございます。
 第四点は、審議会の問題でございます。以上、只今申上げましたように、行政委員会が廃止されまして、機構を簡素化して吸收されるということでございますが、そのことから、その中には若干専門的な知識を活用しなければならない問題も相当あるわけでありまして、かたがた行政委員会から一般行政機関への移り変りを円滑にする意味も持ちまして、証券取引審議会、公認会計士審査会、それから外国為替審議会、外資審議会、そういつた審議会、それからもう一つ企業会計審議会、これは今までの説明に出ておりませんでしたが、経済安定本部に従来はございまして、安定本部の財政金融局で企業会計基準の設定、統一、その他の事務をいたしておりましたが、これも新らしい経済審議庁の性格から考えまして、各省に委ねたほうが適当であるということから、大蔵省がお引受けすることになりまして、そのために企業会計審議会を設けられたことになつております。
 以上端しよつて申上げたのでありますが、以上四点が今回の大蔵省の機構改正の骨子でございます。地方機構の問題は只今全然触れなかつたのでございますが、国税局以下の機構が、従来は国税庁という外局の出先機関でございましたが、今度それが直接本省の出先機関になるという当然の改正が行われますほかは、殆んど現状維持でございます。若干の規定の整理等はございますが、大体において現状を維持することになるのでございます。
 以上非常に簡單でございますが、一通り要点を申上げました。
#32
○委員長(平沼彌太郎君) 何か質問がありましたら……。
#33
○木村禧八郎君 この質問は、一つの取扱ですね。内閣との合同委員会の問題もあるのですが、その点を諮つて頂いたらどうですか。一応今日は説明をここで聞いて……。
#34
○大矢半次郎君 日本電信電話公社法案について当委員会も連合審査を要求することになつておるのでありますが、あれは最初政府の提案に対して衆議院で修正して来ておるようでありますが、政府提案の趣旨、それから衆議院の修正した理由ですね。それを大蔵省の立場ではどういうふうにお考えになつているか伺いたい。
#35
○政府委員(河野一之君) 今回の行政機構の改革に伴いまして電気通信省を廃止いたしまして、日本電信電話公社法を制定いたしまして、つまり現在の電信電話の行政機構を公社に切換えることにいたした次第であります。この公社にする理由にはいろいろございますが、この公社にするにつきまして、日本国有鉄道或いは專売公社その他と大体似たような恰好になつておるのでありますが、ただ従来の公社に対していろいろな相当うるさい勧告がありました点は、電信電話公社につきましては相当緩和いたしたのでありますが、ただ一点予算の調整権、つまり電信電話公社の予算につきましては、大蔵大臣がこれを調整いたして、閣議において決定をいたして大蔵大臣が内閣を通じて国会に提出する、こういう仕組に原案としては考えております。且つ又電信電話公社の予算は国鉄專売その他輸出銀行、開発銀行、国民公庫、住宅公庫、こういつた政府機関すべて通じた原則でありますが、大蔵大臣が調整すると共に、政府機関の予算ということで、一般会計、特別会計の予算と共に国会に提出する。決算も又一般会計、特別会計の決算としてこれを国会に提出する、こういう仕組にいたしておつたのでありますが、衆議院におきましては、この建前を相当削られまして、つまり電信電話公社の予算につきましてはほかの公社の予算とは違つて郵政大臣が調整権を持つ。つまり郵政大臣が予算案を作つて、大蔵大臣は勿論これの協議にあずかるのでありますが、郵政大臣が作成をして閣議の決定を経て国会に提出する。その国会に提出する場合におきましても、国有鉄道法、專売公社法及び公団、公庫の予算決算に関する法律によりますと、すべて国の予算と共に国会に提出しなければならないという、その「国の予算とともに」という規定を削除されたのであります。この削除されました結果は、政府関係機関の予算と必ずしも一緒でなくてもよろしい。これを提出する場合におきまして国の予算と共にということになりますと、予算委員会に提出するのが筋合でありますが、必ずしもそれは法律上強制せられているのではないのでありまして、例えて申しますれば電気通信委員会に提出することも可能であるわけであります。勿論これは国会自体で以て意思決定せられる問題でありますが、一応法律上はそういうふうな点が疑問として残つている次第であります。予算委員会に提出して国の予算と共に政府関係機関予算として提出することの意味は予算に対する憲法上の効力と申しますか、法律上の効力を国の予算と同じように扱う、つまり先に衆議院に提出しなければならないとか、或いは一月の間に議決が行われなかつたときにはどうであるとか、そういつたような予算に関する法律上の効力をこの公社の予算に持たせる、こういう意味であつたわけでありますが、衆議院における修正におきましてはその点必ずしもはつきりいたしておりません。勿論予算委員会において提出せられることは可能であり、又予算委員会に提出せられる意向のように承わつているのでありますが、若しそういうことに相成りまするならば、閣内における財政金融総合調整の立場からいたしまして公社の予算は大蔵大臣がこれを調整作成するのが私は筋合ではなかろうかというふうに考えられる次第でございます。公社にいたします実益はいろいろあるのでありますが、一番大きな原因は、公社は一つには国家公務員法の適用がございませんので、任用、給與が国家公務員とは別になるという点であります。それから第二には国とは別の人格ということになりまして、勿論企業的な経常形態をとるわけでありますが、国とは別個のものでありますから別の人格を持つている、保証能力も別にございますし、又国の会計の適用を受けませんので、会計法に定めてある大蔵大臣のいろいろな財的な監督統制から離れます。勿論内部の会計規定は作成しなければならないのでありますが、形式上は財政法会計法の適用は受けません。つまり概算払、前金払或いは随意契約というような点につきましても相当その監督は外れるわけであります。その他公社にしますことによりまして或いは免税の特権を、普通の民間会社であるならば納めなければならない税金等も相当地方税国税を通じて免税されるというようなこともございます。併しこの公社に対する基本的な問題として我々が考えなければならん点は、公社は全部政府の全額出資であるということであります。つまり人格は別にいたしておりますが、すべてが国庫の出資であつて、その最終の財政的な責任が国に帰属するという点が非常に大きな点であります。従いまして若しこれが欠損が出た場合においては、終局的には一般会計が背負わなければならないし、それから利益が出た場合においてはこれを国庫に納付するという建前に一応なつているのであります。且つ又独占企業でありまするのでこの料金の決定は財政法第三條によりまして国会の議決を経る建前となつております。且つ鉄道と申せば四千億からの財産を持ち、電通公社におきましては千数百億の財産を持つのでありまして、これが国民経済に及ぼす影響というような点も相当に大きいと考えられるのであります。従つて個々の財的な統制の問題について個々の事業活動について統制することは或いは如何かと思われるのでありまするが、予算的な、予算的と申しますか、財政金融の総合的な見地におきまして、且つ又国の予算、つまり国民の負担との関係を考慮しつつこの予算を調整作成するということが絶対的な要件ではないかと我々は思うのであります。アメリカにおいても一九四五年現在におきまして、現在八十七の公社があるのでありまして、このいずれもが、大部分が政府の金額出資であります。曾つて古い間におきましてはおのおの財的統制が個々になつておつたのでありますが、一九四五年におきまして政府会社統制法というのを作りまして、すべてこの予算は予算局及び大統領の統制下に服し、大統領及び国会の統制下におきましてすべて予算局が調整をして原案を出す、こういうような形式にすべて統一せられておる次第であります。勿論個々の公社につきましてやり方は違うようでありますが、そういう予算の総合的な調整、監督、財務官庁としての総合的な監督ということはすべて残されておるように私は考えるのであります。そういつた意味におきまして私ども衆議院の修正に対しつまして、我々としての事務当局の考え方としては、そういうふうな以上のような考え方から原案を作成いたしたつもりでありまして従いまして修正案につきましては以上のような意見を持つものでございます。
#36
○油井賢太郎君 大蔵省設置法について資料を要求したいのです。それは我我大蔵委員会でいろいろ審議します上においてもその法案の施行面においてどういう機構で以て円滑に運行されているかというようなものを見るためにも、今度の設置法案の改正によつて人員の配置等はどういうふうに変るかといつた具体的な資料を要求したいと思うのです。
#37
○田村文吉君 議事進行上のあれですが、どうなんですか、今別の問題が一つ出たようですが、設置法の質問を御継続なさるのですか、どういうことになるのですか、何だからよつと今別の問題が出たのですが……。
#38
○委員長(平沼彌太郎君) ありますればやつてもいいのですが、一通りお聞きになつたのですから、これを材料に連合委員会のほうへ向つて行くというような恰好になるのじやないでしようか。
#39
○下條恭兵君 今日は私は質問じやないのですが、油井さんのこれは私はこういう資料は作りにくいのではないかと思います。私はこの国税庁の廃止で一体仕事量が、これはおおむね人員を半分に縮小すると書いてありますが、仕事の量が果して半分に減つたから半分に減らすのかどうかという点とか、それから国税庁がなくなつた代りに国税局のほうへ人員が殖えるのか殖えないのかというような点、それからもう一つは法案の中で見ますると調査査察部を置くとか置かんとかいうことが書いてありますので、そういうことをやるについての関係の資料、いま一点は税務署の支所、出張所を置くような規定があつたと思います。これをどこへ置くのか、どつか税務署をつぶして支所にするというのか、こういう点の資料を一つ出してもらいたいと思います。いま一つは委員会を全都つぶしてその代り審議会ができますね、これは一体今権限の問題勿論ありましようが、このために人の問題は、どうなるのか、こういう点に対する資料を出して頂きたいと思います。
#40
○政府委員(森永貞一郎君) 只今の御質問に対しましては詳細なことは別途提出いたしますが、大体の方針だけちよつとここでお答え申上げたいと思います。国税庁を現在のおおむね半分程度の規模に縮小すると書いてございますが、これは主として調査査察等の事務、これを本庁でやつておるのでございますが、今後は国税局以下の出先機関でやらせる。それから例えば監督官というような職名の役員も官吏も国税庁にございましたのでございますが、それらは地方に配属するというような、そういう点もございまして形式的には表面半分ぐらいになりますが、企画事務だけに限定する関係でそうなりますが、その平面国税局以下の出先機関が強化されると、従来の国税庁の総人員はこれは減らない、ただその配置が変る。かように御了承を頂きたいと思うのであります。それから第二点の調査査察部を置かない所もあつてもいいような規定がございまして、その点の御質問でございましたが、これは現在国税局が十一局ございますが、各地各局によりまして実情は相当異なつておりまして、調査査察部に非常に重点を置かなければならん所もございますし、或いは直税部と一緒に処理してもいいというような所もございますし、その各局の実情に即応いたしまして基本的に配置を考える、所によつては調査査察部を置かなくてもいいのではないか、そういう重点的な配置を可能ならしめるために、そういう規定を入れておるわけでございます。具体的にはまだ決定をいたしておりません。
 それから税務署の問題でございますが、税務署を整理するということには現在は考えておりません。支署を置き得るという規定もございますが、これは税務署との距離が非常に遠くて納税者に非常な不便をかけておるというような場合であるとか、或いはずつと将来に参りまして、税務署の重点的配置というような問題も起らないことはないかも知れませんが、そういう場合に納税者の便宜を考えて支署を残して置くことが必要であるという場合もあろうかと思いまして、これ又納税者の便宜を考慮いたしまして、かたがた税務署の重点的配置を将来行います場合のことも考えまして支署という制度を置き得ることにお願いをしておる、そんなような趣旨でございます。
 それから行政委員会が審議会に変つて、人員が減らないではないかという御質問かと思うのでございますが、行政委員会の委員は、これはいずれも専任の職員でございまして、而もまあ大臣級の人物がずらりと並んでいるわけでございますが、審議会になりますと、これは専門的な知識を活用するために諮問機関として置かれまして、会合もそう頻繁に行われるわけじやございません。従いまして常勤職員では勿論ございませんし、普通の公務員ではない一般の学識経験者を委員になつて頂きまして、必要に応じて随時開いてお願いしたい、そういう趣旨のものでございますので、公務員の数といたしましてはおえらがたのところは相当減るという結果になると思います。一通りのことを申上げました。
#41
○小林政夫君 議事の今の運営の方法ですが、先ほど木村さんから言われた問題がまだ残つているのですが、一体この設置法の問題については連合委員会の申入れをしたわけですね。したんですが、向うもいろいろ忙しいといつておるようでですが、この委員会で十分練つて結論を出して、修正すべき点があればそれを申出るというようなふうにされるおつもりか、連合委員会でいわゆる質疑応答ということをやるのか、この委員会を中心にしてやつて行くのか、それをきめておいて頂きたいと思います。
#42
○下條恭兵君 私は資料を要求しましたが、大体説明を聞いて資料だけ用意して行つて、連合委員会に行つて質疑をするものという理解の下に今資料を要求したのですが……。
#43
○田村文吉君 どうでしよう。進行上から言つたらこの大蔵委員会で大体一つの権威のある若し修正があるならば作つて、そうしてそれを内閣委員会のほうに強く申入れをして、それを通してもらうというくらいな意味で、ここで一つ一日ぐらいはかかつてもやられたらどうが、こう思うのですが、どうですか。
#44
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
 では次に大赦と税法の関係について小林委員の質問をお願いいたします。
#46
○小林政夫君 四月二十八日に講和條約が発効して大赦になつて、税法関係で大赦の恩典に浴した。ところが一般の国民の中には、脱税が許されたというので、巨額な脱税までもやらなくてもいいというような誤つた観念がありまして、そこではつきり大赦を出すまでは、これは極秘だつたでしようけれども、もう発表してもいいのだから、どういうケースのものが大赦になつたということを伺つているわけなんです。
#47
○政府委員(齋藤三郎君) 先般の講和発効に際しまして、恩赦法による一般的な広い恩赦が行われました。そのうちの一部といたしまして、所得税法、法人税法その他の直接税だけでございますが、それも時期を限りまして、昭和二十四年以前の所得分に関しまして大赦にかけるということにいたしたのでございます。その考え方といたしましては、これらの直接税の課税のやり方につつきまして、終戦後従来未だなかつたような申告によつてやる。而もその申告に誤りがあれば、故意があれば処罰をする、こういう従来の慣習に反したいたし方をいたしまして、而も取締も相当にいたしまして、相当の事件がございます。これらのものは刑罰は受けまするほかに、延滞によるところの利子税、それから追徴加算税、重加算税、こういつたようなものを科せられまして、二重に又処罰を受けるという実際上の結果にもなる。そういう関係で、殊に昭和二十四年後の分につきましては、いわゆるシヤウプ勧告によりまして税率等についても相当緩和されております、さような関係を考慮いたしまして、さような限られた税法違反を大赦にする、こういうことに相成つたのであります。但しこの大赦によりまする赦免には、国家の刑罰権に関する点だけでございまして、この税法による課税の権利義務には何ら影響はないのでございます。従いまして大赦になりましても、延滞をしておれば利子税も払わなければならないし、申告と更生決定との差額があれば加算税も払わなければならない。場合によつては重加算税も払わなければいけない、こういうとに相成つておる次第であります。
#48
○小林政夫君 体刑というような点だけが大赦になつて、実際問題としては延滞の、あれですか、金利負担ですか、そういうようなものは全然免除になつてないというのですか。
#49
○政府委員(齋藤三郎君) 恩赦で赦免をいたしまするのは国家の持つておりまする犯罪に対する処罰の権利だけでございます。従いまして具体的に一つの例を申上げますると、非常に過小な、故意に少い申告をして、税を免がれたという事件がございますれば、罰則と同時に加算税、追徴税を課せられる。こういうことに相成りまするが、そのうちの罰則の点、仰せの通りな体刑であるとが、或いは情状によつて刑罰としての罰金を科する、これだけが赦免になりまして、税法上の加算税であるとか、或いは延滞しておれば延滞利子と、こういうものは依然として国家は徴収ができる、こういうことになるわけでございます。
#50
○小林政夫君 それは二十四年以前の分についてですね。
#51
○政府委員(齋藤三郎君) そうです。
#52
○大野幸一君 一番大きい脱税事件というものは、これによつて刑罰を免かれたのは、どういう事件がありますか。
#53
○政府委員(齋藤三郎君) 金額で一番大きいのは三菱化成の事件でございまして、これは結局四億九千万円の本税をすでに払つたほかに加算税と追徴税が三億円、これが昭和二十四年の十一月に完納に相成つております。更にこれが刑罰に問われて裁判が繋属中であつた。これが一番大きな大赦になつた例でございます。
#54
○大野幸一君 そういう対象になつた会社の、一億円以上のものは幾つくらいありますか。
#55
○政府委員(齋藤三郎君) 私どもの、これは多分間違いないだろうと存じまするが、調査いたしましたところでは、一億円以上のものはその例と、もう一つ大洋漁業株式会社が一億八千幾らと、これも税金の、本税のほかに加算税と追徴税が完納に相成つておる。こういう例でございます。ほかには一億円以上のものはございませんです。
#56
○油井賢太郎君 今のような場合で、個人で破産なんかしてしまつたような場合はどんな取扱になつておるのですか。
#57
○政府委員(齋藤三郎君) 恩赦全般についてさようでございまするが、過去に起つたことについては何ら影響はない。例えば大赦になつたけれども、すでにその罪の執行は、懲役の場合は執行を完全に行なつたというような場合には、別に大赦になつたからといつて国家は刑事補償はいたしません。過去のことには及ばない。大赦令が出てその以後の言渡しが効力を失う。こういうふうに恩赦法に規定されておりまして、過去の既成の事実は影響はない。既成の事実ということは少し語弊がございますか知れませんが、過去に遡つてはしない。そのとき以後そういうことはそういう刑罰の言渡しを受けたことが言渡しが効力を失う、こういう規定になつております。
#58
○油井賢太郎君 これは主税局長にお伺いしたいのですが、相当破産まで行つて、つまり税金取立のために、体刑とは別に破産まで行つている人も相当あると思うのです。そういうのはまあ今回の大赦とか恩赦とかいう関係で何か影響はあるのですか。
#59
○政府委員(平田敬一郎君) 只今齋藤政府委員からお話のありましたように、大赦とか恩赦とか申しますのは、刑罰法規の適用に関する事柄だけでございまして、納税義務及び民事罰と称しておりますが、一種の加算税、追徴税、こういう本来の刑罰でないものには実は影響はない。このほうは全部すでに御審議を煩わしまして、通過いたしておりまする国税徴収法のいろいろな棚上げの制度とか、或いは執行の停止だとか、すでに実行に移しておりますが、ああいう制度をできるだけ円滑にやりまして、徴税の目的を著しく反しない限りにおきまして妥当なる措置を講じておる、こういうことになつておるわけでございまして、恩赦令の関係でどうという問題は比較的少かろう。併しまあ罰金に処せられまして、その結果止むを得ざる事態になつておる場合がこれはなきにしもあらずと思いますが、そのほうは今齋藤さんのお話のように、過去のものを蒸し返してどうするというわけには参りませんので、過去の事実は事実としまして、将来に向つてだけ刑罰の効力がなくなる、こういうことで処理するよりほかないのではなかろうかと、かように考えております。
#60
○木村禧八郎君 これは小林君がこういう質問をされたのは、今度の税法関係の大赦について、違反の大赦について新聞にも随分出ました。一般には非常に心理的に悪い感じを持つておるのです。これはやはり結局脱税した人が何か結局うまいことをやつたような、全体として投書なんかを見ますと、そうですよ。その正確さを欠いておる点が今のお話でもあつたと思うのでありますが、併しそういう点は今後の納税上相当やはり問題があるのじやないかと思うのです。正確に知らされていないとするならば……。それからやはりそういう今のお話を聞くと、三菱化成とか大洋漁業ですか、非常に大きいところがそういう大赦の対象になつたのですが、主税局長として、どうお考えですか。一般的には非常に悪い感じをやはり與えたと思うですね。これは輿論に現われたところですよ。
#61
○政府委員(平田敬一郎君) 今御懸念のように、新聞で一時税金までも負けてしまうのだというようなことが一時誤まり伝えられまして、これはどうも少し正しくないというので、私どもも若干修正の点につきましていろいろ注文したことがございますが、修正する際には余りどうも大きい記事として載らないというような点もありまして、誤解を受けておる点がまだ相当残つておるのではないか。この点は直接どうも私ども恩赦のほうの所管は大蔵省でございませんので、できれば法務府あたりで同時にそういうことをはつきりして頂ければ、なお更はつきりしてよかつたのじやないかと思いまするが、なお今後におきましても、そういう点につきましてはよく処置方を、更に適当な方法を図りまして誤解のないようにいたしたい。今問題になりました大きな分はどつちかというと、会社が税金は大体無理をしまして納めておるのが多い。それを返すわけではないのでございます。ところが一部でもそれを返すかのごとく伝えられておる。大きな件はまた罰金刑も確定いたしておりません。それから有罪の確定もいたしていないのでありまして、いずれも繋属中である。今御指摘の大洋漁業のごときは一番では無罪の判決が言渡されまして、控訴中であつた。そういう事情でありまして、まあその辺がどうも少し新聞の記事の調子が必ずしも輿論に與える影響がよくないような方向に向いていたかとも考えられるのでありまして、そういう点、今後におきましてはなお適当な機会がありますれば、私どもとしましても適当なる方策をとつて見たいと思います。それから大きいのが話題に上りやすいのでございますが、ケースがたくさんありますが、恩赦令の関係では結局古いものを、基準を二十四年前、これは一種の経済的にも非常に混乱期であり、徴税の上におきましても、率直に申しまして、インプレを防止するために我が国がいろいろな措置をとらざるを得なかつた、税の負担につきましてもいろいろ御議論があつた時代、こういう時代におきましては、これはいい、あれはいかんという物差をきめまして、特赦にかけるというのは、なかなかこれはやはりむずかしいのではなかろうか。むしろ二十四年以前というのは大きいのも小さいのも一括いたしまして、刑罰の効力だけはなくなるようにしたほうがいいのじやないか、こういうことできまつたようでございますが、まあ私どもその点につきましては、そういう考え方も確かにございまするので、直接關與したわけではございませんが、それも一つの行き方ではないかと思う。併し二十五年以後の分につきましてはそういうこともいたさない。それから査察等につきましても勿論今後におきましては、悪質のものにつきましてはやはりよく調査いたしまして、摘発を続けて行く、そういう考え方でございますので、そういう点はどうも全体としましてややよくない反響を與えたようでございますが、なお適当な方法をとりまして、正しき方向に向うように努めたいと考えておるのであります。
#62
○大野幸一君 それに関連して三菱化成は何年度のものになつておりますか。
#63
○政府委員(齋藤三郎君) 三菱化成におきましては二十一年の八月から二十四年の一月末ということに相成つております。
 なお只今お話の、この新聞紙等に随分その点をはつきりさせるべきものを実は私ども恩赦の性質を考えまして、この案を非常に厳秘にいたしておつたのでございますが、如何なる手違いか、それが五日ほど前に漏れまして、それによつていろいろ批判がなされまして、その当時私どもといたしましては新聞紙上にまだ発表するような機会でなかつたわけでございまして、その後正式に公布前日に発表いたしたのでございます。その発表のときにはその点に触れたのでございまするが、一遍スクープされた関係で、つまりそういう点が十分でなかつたという点もあつたのでございます。
#64
○大野幸一君 二十四年と言つても、告発したのは何年ですか。本件は非常に疑問になつておる点は、大蔵省じやなく、むしろ検察庁なんです。検察庁が長年の間この起訴、不起訴が決定しないでおいて、やがて恩赦もあるだろうというような計画の下に政治的措置が行われていたのだろうという風評があつた。この点で告発は昭和二十四年じやないはずです。もつと前だろうと思う。そうすると、告発されてから又後に脱税を行なつておつたというようなことにもなるので疑問なんですが、長い間あなたのほうから告発したままになつて、検察庁のほうでよう起訴しなかつた。長年の間大臣が交替してもよう告発しなかつたという事実がある。この点は告発してからどのくらいで起訴されたものか。
#65
○政府委員(齋藤三郎君) 検察庁の事務の所管が検務局でいたしておりまして、私どものほうではその事実を全然知らないのでございます。
#66
○小林政夫君 いま一度念のためにお尋ねしますが、二十四年以前のは直接税だけですか。
#67
○政府委員(齋藤三郎君) その通りでございまして、これを考えました理由は先ほど申上げましたように、従来この税法で申告して税を納めるという制度もなく、又従来の慣習としてそこに多少のまあ駈引みたいなものがあつた。それを止むを得ない事情で申告制度をとつて、少く申告すればこれは処罰をする。而もその間に第三者通報、第三者が通報すれば御褒美をもらうというような制度をとりまして従来の慣習に著しく反しておつた。こういう点で、その点間接税にはそういうことはございませんので、この点を大赦にいたしたのでございます。さようなまあ何と言いまするか、取締としては無理ではないかという点を考えまして大赦にする、而も赦免するということについていろいろ検討して、税金を納めて実際気の毒だという事件だけを特赦にしていいのじやないかということをいろいろ考えましたが、この申告課税によつて違反は実際に表面化してない人でも相当あるのじやないか。これらの人を大赦にいたしますると、全部が現在問題になつていない、検察庁にもわかつていない、併し今後如何なる機会に見付かるかも知れん、又第三者からの通報によつて処罰されるかも知れない、こういうような多数の人もこの際一緒にもう水に流したほうがいいじやないか、こういう観点で大赦ということを考えた次第でございます。
#68
○溝淵春次君 この大赦になつた総件数は何件ありますか。二十四年以前の直接税……。
#69
○政府委員(齋藤三郎君) ちよつとわかりかねますが……。
#70
○溝淵春次君 それならさつきの大きな例がありましたが、金額の少いものはおよそどのくらいですか。はつきりしていませんか。
#71
○政府委員(齋藤三郎君) ちよつとまだ……。
#72
○大矢半次郎君 主税局長に伺いますが、大洋漁業は現に訴訟の継続中で罰金が確定していないというお話でありましたが、課税標準の算定は確定しているわけなんですか。それも同時に確定されるというわけですか。
#73
○政府委員(平田敬一郎君) 民事事件のほうには恩赦令のほうは影響は全然これは及ぼさない。課税標準の計算に関する訴訟はどうなつておりますか、今記憶いたしておりませんが、それらはこれと関係なく別に又それぞれ進められるということに相成るかと思います。
#74
○小林政夫君 私は利害関係は全然ありませんから本当に純粋な気持で聞いているのでありますが、今の直接税に関してはそういう大赦をする、それであると間接税関係、物品税或いは酒税等についてもやはり納めるべきものを納めないというようなものであれば罰金或いはその他の刑法上の処罰についてはそれは過少申告だというようなことはあるけれども、やはり同様の意味で間接税においても処罰を受けている者はあるのだ、これをなぜ一律に扱わないのか、多少不公平じやないかという気がするのであります。
#75
○政府委員(齋藤三郎君) 或いはそういう御意見も成立つかと存じますが、我々といたしましてはやはり従来の税法の税のかけ方を変え、而もそれに今までにない刑罰を以て臨んで来た。その点現在から考えますればこれを改めてそういつたことの過去の事実をなくするということがいいのじやないか。かように考えて従来通りの、間接税はこれは考えなくてもいいのじやないか。中に気の毒な事案もあればこれは特赦という措置もあるし、一律的にこれを赦免するということの範疇からは除いたほうがいいのじやないかと、かように考える次第であります。
#76
○小林政夫君 そう言うと、そういう特赦は随時発するつもりでありますか、具体的なケースがあれば……。
#77
○政府委員(齋藤三郎君) 特赦につきましては別に罪の種類を定めておりませんので、個々の事案々々によりましてこれを審議して、それぞれの手続はございまするが、さような途を開いて、そうしてこの大赦に漏れた者で気の毒な者はそれで救済して行くということを考えている次第であります。
#78
○小林政夫君 酒税法違反について相当刑罰を受ける対象になつているのがあるのじやないかという気がするのでありますが、主税局区長どうですか。
#79
○政府委員(平田敬一郎君) その点に関しまして、この決定は法務府で御決定願つたので私どものほうでどうということはありませんが、間接税と直接税は大分違つていることは御承知の通りでありますが、間接税につきましてはもう戰前、戰時、つまりずつと前から罰金刑或いは体刑等もございますし、それでこの違反に対しましては相当な通告処分等も実行に移しております。これはひとり戰後だけではなく戰前からやつております。それから通告処分も履行しなかつた場合におきましては告発いたしまして罰金刑等に処している例が相当あるのでございます。これは従来の考え方からりいたしますと、間接税のほうはお客さんから転嫁して取つてる税金を納めない、或いは転嫁して納められるものを納めない。そういう点がありまするので、日本の従来の税法は間接税の処罰は非常にきつくできていたわけであります。この点は、そして又納税者のほうも大体相当長い年月の経験によりまして大体そういう恰好で来ている。ただ所得税、法人税は戦後に申告納税に切替えまして罰金又は体刑をつけた。御承知の通り戰時中から前は罰金刑だけはあつたのでございますが、実際上実行した例は殆んどない。役所が調べまして査定して、更にそれを納めてもらう。こういう建前だつたのですが、それを戰後に切替えまして、申告して納めてもらう。従つて不正申告には一定の制裁を加えるということになつたのでございますが、その点がやはりさつき申しましたいろいろな事情とも加わりまして、実行の初期におきましては、やはり相当一般的に無理な点があつたのではないかと、そういう点を考えまして、それらは恩赦令に一般的にかかり、その他の分と差を付けるというのも私は相当な理由があると考えた次第でございます。
#80
○田村文吉君 そういうことはあり得ないことだろうと思いますのですが、相当なんですか、中小企業の人の罰金が相当追徴金なんかよりは多かつたということの例は曾つてないのですか、あり得ないのですか。
#81
○政府委員(平田敬一郎君) 間接税につきましては実は相当あるのであります。これは御承知のごとく大体脱税した税額の五倍、これはもう昔からずつとそうなつているのでございますが、そういう相当厳しい罰金刑に課税上はなつておるのであります。従いまして事情はよく調べまして、いろいろぬかつておるものの中でも、はつきり故意によりましてぬかつているというものをよく嚴選いたしまして、通告処分をするというようなふうにいたしておりますので、常にそうだとは言わんと思いますが、これはやはりお話の通り書き出した税額よりも遥かに多いという場合があつたということは、間接税につきましてはあつたと思います。
#82
○田村文吉君 所得税、法人税はどうなんですか、そういうことはないのですか。
#83
○政府委員(平田敬一郎君) 所得税、法人税のほうは余りそういうものはないのではないかと存じておるのでありますが、今具体ケースにつきまして調べておりませんので、どつちかと申しますと所得税、法人税は定額刑でありまして、税額の何倍というのを払えるものは少なかつたのではないか、むしろ戰後におきましては軽いほうではございますが、或る程度体刑をくつつけて行くというような方向に、刑事訴追の方針が向いて行つたように記憶いたしております。
#84
○田村文吉君 伺いましたのは罰金刑が免除になれば、追徴税もかかつておるのだし、その上罰金刑が免除になつた、あの男は得をしたというようなことを言われたような事例が起つていなかつたかということを、こういうことを伺いたかつたのですから、聞いておるのであります。そういうことはありませんね。
#85
○政府委員(平田敬一郎君) 特に問題になりますような大きなほうの分は、まだいずれもこの訴訟に繋属中のものが多くて、相当多額な罰金刑をすでに納めて、それを返してもらつたということは、恐らくその例が殆んどないのじやないかと思つておりますけれども、正確なところは調べた上でなければお答えいたしかねます。
#86
○田村文吉君 大きな会社の問題よりは中小企業でえらい罰金を取られたということで、その人たちの処罰が、罰金を返すとか何とかというようなことが世間に誤解されて、そうして税は免除になるというふうに誤解されているようなことはありはせんか。こういう点でもお伺いするのであります。
#87
○政府委員(齋藤三郎君) 罰金を納付した者についてはもう返すということはございません。従いまして罰金を納めて、大赦になつて返してもらつて非常に儲けたという事例は全然ございません。
#88
○小林政夫君 私が特に本日こういう質問をしたいのは、先ほど木村さんの言われたような趣旨でありまして、特に同会派の緑風会の法務委員から、そういう木村さんの言われたような趣旨の誤解が世間にあるから、一応大蔵委員会で質しておけという要求があつたのでお尋ねしたいわけであります。是非そういう誤解を一掃するように願いたいのであります。特に先ほど承わつて、直接税だけはそういうふうになつたが、間接税の関係は、これは特赦で行くのだということになると、私の危惧するのは、間接税関係においては、三菱化成であるとか、大洋漁業であるとかというような大きいケースがあるために、非常にいろいろ理屈は言われるが、理由は言われておるのですが、そういう声が反映して大赦になる。それで間接税関係においてはそう大規模なものはないというようなことで、声なき声が聞かれておらないのであります。私は利害関係はありませんから、具体的なケースを掴まえて、これを許してもらいたいという意味でお尋ねしておるのではない。そういうような間接税関係においても、幸い特赦になるというのであれば、公平を失しないように運用をして頂きたい。特に要望をしておきます。
#89
○木村禧八郎君 今までの御説明を聞いて、一応或る程度までこういうことが明らかになれば、誤解は解けると思うのですけれども、併し全部それで割切れるかというと、割切れないものが相当あると思う。私はこの主税局のほうとよく連絡をとつて、こういう形の対策というものが、今後の納税上どういう影響を受けるかということを、十分検討さるべきだと思うのです。それで、先ほどのお話では、この申告納税制度なんか、これは従来の慣習に反するというので、むしろいい制度でないかのごとき印象を與えるのですが、あなたの御説明では。本来ならそれを主税局のほうではもつとこれを合理的に徹底さして行こうというので努力をしておる、それに違反した者を大赦にして行くというと、何か申告納税に逆行して行つたほうが、前のほうがいいという感じを與えるのです。このような点について、何ら連絡がとれてなくて、全部大赦にするという点も私は問題があつたと思う。やはり具体的に事情をよく調べて、特赦的なものにすべきだと私は思うのです。大野さんがさつき言われたように、三菱化成の問題でもいろんな裁判上の手加減があるというような印象を與える。まだこれが誤解が解けてないのです。今のお話では三割か四割ぐらい程度回収されたのですね。まだ十分誤解が解けてないのです。これは非常に納税上よくはないと思うのです。十分もつと国税局のほうと、租税政策の方途を、よくその点について検討すべきだと思うのですが、ただそれだけの意見を私は付しておきます。
#90
○政府委員(齋藤三郎君) いろいろ御質疑の点は十分承わりまして、今後十分そういうふうに、落度がないようにいたしたいと思います。(「名答弁」)と呼ぶ者あり)
#91
○委員長(平沼彌太郎君) それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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