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1951/06/17 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第68号
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1951/06/17 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第68号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第68号
昭和二十七年六月十七日(火曜日)
   午後二時十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
六月十六日委員上條愛一君、大野幸一
君及び小林政夫君辞任につき、その補
欠として赤松常子君、堂森芳夫君及び
高橋龍太郎君を議長において指名し
た。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           伊藤 保平君
           木内 四郎君
   委員
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           溝淵 春次君
           小宮山常吉君
           田村 文吉君
           森 八三一君
           赤松 常子君
  政府委員
   外国為替管理委
   員会委員   大久保太三郎君
   日本専売公社監
   理官      久米 武文君
   大蔵省管財局長 内田 常雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   日本専売公社塩
   脳部長     西川 三次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国有財産特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○外国為替資金特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出衆議院送
 付)
○製塩施設法案(内閣提出衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第六十七回の大蔵委員会を開催いたします。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。暫時休憩いたします。
   午後二時十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十五分開会
#4
○委員長(平沼彌太郎君) 再開いたします。
 国有財産特別措置法案について質疑を行います。御質問おありになりませんようですから、国有財産特別措置法案はこの程度にしておきまして、次に外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案について内容説明を聴取いたします。
#5
○政府委員(大久保太三郎君) それでは外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案の内容につきまして、簡単に御説明申上げます。
 改正いたします点は二つございまして、第一点は現在外国為替資金で売買いたします対象は、外貨の為替手形、小切手、外国通貨、外貨による銀行預金、そのほか対外支払に絶対必要でございます金銀、こういつたものを売買し得ることになつておるのでございますが、更に今回外貨証券を追加いたしまして、これの運用ができるというふうにしたいと考えておる次第でございます。と申しますのは、最近我が国の対外収支が御承知の通り著しく好転いたしまして、現在外貨の預金残高といたしましては、ドルが七億ドル、ポンドが一億二千万ポンド程度に上つておりまして、それらの資金は今後も相当程度増加する傾向にございますので、こういう資金は日本の貿易を決済いたしますための運転資金といたしまして常時利用されておるのでございますが、現在の貿易の規模におきまして、相当程度余裕金がございますので、この余裕金を有利に運用いたしますことが肝要であろうと存じますので、従来外国為替管理委員会といたしましては、これらの銀行預金の中で外国銀行に定期預金をいたしまして、この数が全体の約三分の一ぐらいになつておるのでございますが、なお、この際、定期預金のみならず、例えば英国或いは米国の大蔵省証券のような有利確実な証券にも運用できるようにいたしたいのでございまして、その点が只今の資金会計法に明記されておりませんので、法律に明記して頂きたい。そう考える次第でございます。これが改正の第一点でございます。
 第二点といたしまして、今回貴金属管理法が別途改正になりまして、外国為替資金特別会計に属しております銀地金の評価につきまして、若干法文を整理する必要がございますので、その点を整理いたしたいと存ずるのであります。外国為替資金は、法律によりまして、日本の対外支払いの決済上必要があれば、金若しくは銀の地金に運用することができるという規定に相成つておりますが、現在までのところ金、銀を買入れた例もございません。今後も恐らく金銀まで運用する必要も恐らくないのではないかと思われまするが、何かの都合によりましてこういう必要が生ずるかも知れませんので、実は法律に掲げられておるわけでございます。そこで掲げられております以上、これの評価につきまして規定が必要なのでございますが、現在のところこれは物価統制令に規定する統制額、これによつて評価するということに相成つておりますが、今回銀の統制が外れますので、今後は統制額というものがなくなりますので、つきましては、その銀地金につきまして、若し今後外国為替資金で銀地金を保有いたしますような場合に、その銀地金につきまして「その評価は大蔵大臣の指定される価格による。」そういう規定をこの際法律に語つて改正しておきたい、こう存ずるのであります。
 以上申述ベましたのがこの法律案の改正の内容でございまして、二点とも極めて技術的な改正でございます。
#6
○田村文吉君 只今の御説明にございました中の、外貨証券の例ですね。ちよつと聞きで洩らしましたのですが、どういうものとどういうものとがありますか。
#7
○政府委員(大久保太三郎君) どういうものを今後選んで投資いたしますかきめてございませんが、先ず只今のところ考えられますのは、アメリカの大蔵省証券、それからイギリスの大蔵省証券、まあこういつた短期の証券、そう考えております。
#8
○田村文吉君 そのほかにはお考えになつておるものはございませんか。
#9
○政府委員(大久保太三郎君) 只今のところ具体的には考えておりませんが、例えば国際復興開発銀行の発行しております債券、そういつたものも場合によりましては投資の対象に考えてもいいのではないかと、そう考えております。
#10
○田村文吉君 外貨債はこの中にお含みになるわけですか。日本で発行しております外貨債ですね。
#11
○政府委員(大久保太三郎君) これは考えておりません。
#12
○木内四郎君 今のに関連してですけれども外貨証券といつたら、この中に入り得ることは入り得るわけですね。田村委員のお話の、我が国において発行した外貨表示の証券ですね。それはどうですか。
#13
○政府委員(大久保太三郎君) この外貨証券は、日本政府の発行いたしました外貨表示の証券、これも勿論含むわけでございます。
#14
○木内四郎君 今の御意見、ちよつと参考のために伺つておきたいのですが、日本の外貨証券の向うにおける相場はどのくらいですか。いずれこれは償還しなければならないと思いますが、今の値段はどういうふうになつておりますか。市場の相場……。
#15
○政府委員(大久保太三郎君) 只今相場につきまして手元に資料を持もません。
#16
○木内四郎君 なお、ちよつと参考に伺つておきたいのですが、この一、二カ月前に、イギリスとアメリカの外貨債の償還、或いは利払い等のために、数千万ポンド、或いはドルを使用するというようなことがあつたのです。その内容はちよつと今記憶しておらないのですが、それは外貨債を買入れて償還するという意味ですか。それとも利息だけを払うという意味だつたのですか。あなたは御記憶と思いますが。
#17
○政府委員(大久保太三郎君) イングランド銀行に対しまして二千万ポンド預入いたしましたか、これの趣旨は、日本の外貨債の処理のために、これを英蘭銀行に先ず預託しておくという程度の仕事でありまして、日本の外貨債を買入償却するとか、又こういう具体的の処理につきまして、まだ何ら現在のところ決定しておりません
#18
○木内四郎君 さつき、あなたは、現在の手持が七億ドル、一億二千万ポンドというお話でしたが、これは年度末現在ですか。
#19
○政府委員(大久保太三郎君) 只今申しました残高は五月末現在の数字であります。
#20
○木内四郎君 この第一・四半期或いは第二・四半期ではこれはどのくらい増減するというようなお見込みになつておりますか。
#21
○政府委員(大久保太三郎君) 四半期といたしましてはちよつと予想数字を持つておりませんですが、本年暦年より見まして、二十七年中に、貿易関係その他によりまして残高がどのくらい殖えるだろうかという予想を委員会のほうでいたしました。これはまあほかの関係官庁のほうでもいろいろな予想をお立てになつておると思いますが、委員会といたしましては最近の資料によつて予想いたしましたのでは、二十七年中におよそ三億三千五百万ドル、これはまあいろいろなドル、ポンドなどの残高を含めてこの程度の増加ではないかと思つております。
#22
○木内四郎君 ポンドはどうですか。
#23
○政府委員(大久保太三郎君) その中でポンドは一億三千万ドル……。
#24
○木内四郎君 その中ですか。
#25
○政府委員(大久保太三郎君) その中でございます。これはドルに換算いたしまして一億三千万ドル、その程度に見ております。
#26
○木内四郎君 ポンドはそうするとどうなんですか。
#27
○政府委員(大久保太三郎君) ポンドの額でござにいますとこれの二・八……。
#28
○木内四郎君 三億三千万ドルというのは全部を合せての話でしよう。そのうちポンド額でありますと……。
#29
○政府委員(大久保太三郎君) これは三億三千万ドルと申しましたのは、ドルの増加とそれからポンドの増加、これはもうドルに換算いたしまして……。
#30
○木内四郎君 両方合せてでしよう。
#31
○政府委員(大久保太三郎君) オープン・アカウントの増加、これを合せまして……。
#32
○木内四郎君 ポンドはどのくらいになるのですか。
#33
○政府委員(大久保太三郎君) それはポンドにいたしまして四千五百万ポンドでございます。
#34
○木内四郎君 ポンドの殖え方は少いようですが、もつと増加して、累積しておるのじやないですか。
#35
○政府委員(大久保太三郎君) これまですでに相当ポンドは年初来殖えておるのでござにいますが、最近ポンドの輸出の信用状が非常に減つております。ポンド域における輸入制限、その他によりまして……。ですからこの下半期におきましては、ポンド城というものは非常に減るんじやないか、そういうふうに我々考えておるのでございます。大体只今申しました殖え方は、すでに大体において上半期において確定、しておるという見込みです。
#36
○木内四郎君 もう一つ、ついでに伺つておきたいのですが、昨日実はあなたのほうの委員長が連合委員会に来て、あなたのほうの委員会で非常に細かなバンキング・ビジネスのようなことをやつておるというお話があつたのですが、あなたのほうは余り細かなことはやつておらないで、そういうことはまあ日本銀行のほうに委しておるのではないのですか。
#37
○政府委員(大久保太三郎君) 委員会でやつておりますのは、外国為替資金特別会計の運用という点、運用につきまして大きな方針につきましては委員会で以て決定いたします。やつておりますが、その運営に関する事務と申しますか、日々の為替親行(外銀を含めまして)の個々の取引であるとか、又外国のコレスポンデンス、そういうものは日本銀行にお頼みしましてやつておるのであります。併し運営につきまして只今までかなり委員会で以てやつている面が相当多いのじやないかと思います。
#38
○木内四郎君 これも参考に伺つておきでたいのですが、あなたのほうの委員会というのは人員は何名ぐらいおるのですか。
#39
○政府委員(大久保太三郎君) 定員は七十七名になつております。併し実際の人員はそれより一割ぐらい少いのじやないかと思います。
#40
○大矢半次郎君 外貨資金の運営において全体の二分の一は定期預金になつておるというようなお話でありまするが、その他のものはどんなふうに運用されておりますか。その点。
#41
○政府委員(大久保太三郎君) その他のものは当座預金でございまして、預託額といたしましては、ドルにつきましては在日外銀、それからアメリカに約二十くらいございますが、この火銀行、これに当座預金をいたしております。それからポンドにつきましては、これは全部ロンドンにあります大銀行、主に英系銀行でありまして、英系以外の銀行も少しございますが、大体そういうところに当座預金をいたしておるわけであります。
#42
○大矢半次郎君 それらの当座預金というのは、ふだんの取引の為に実際必要なんですか。それとも預け入れ先がないから適当に分散しておく、こういうわけですか。
#43
○政府委員(大久保太三郎君) これは本来ならば、その為替銀行が、輸入為替の、或いはこちらからの送金の決済のために、みずから外貨資金を以ちまして決済をすべきはずなんでございますが、為替銀行の只今の資力の状態からいたしまして、これを全部の資金を自力で調達して決済に使うということができませんので、外為の発足以来、外為会計へ集中いたしました資金を利用させるということをやつておるわけであります。利用と申しますのは、一つは、日本側の為替銀行の発行いたします輸入信用状につきまして、外銀に発行依頼書、或いは確認を求める場合には保証金としまして信用保証金額の五〇%を預託するという必要があるわけでございます。こういつた信用状確認の保証金といたしまして外為の預金を利用さしておるわけであります。つまり外為が為替銀行に代りまして保証人の立場になりまして、このマージン・マネーを外銀に積んでおるという関係にございます。
 それからもう一点は、海外におきまして日本の輸入手形、これが振り出されました場合に外銀が買取ります。買取りますと、本来ならば日本側の為替銀行がその外銀に預けております当座預金から払うべきでございますが、まだ日本の為替銀行はそれだけの資金を持つておりませんので、外国為替管理委員会の勘定からそれを支払わせまして、そうしてその書類がこちらへ参りましたときに、内地でその為替銀行に対して私どものほうが為替を売る。そこで決済をさせる。つまり、一時、為替委員会のほうで立て替えて決済をやる。そういうふうな方法を取つておるわけであります。ですから、只今の外為会計の持つておりますドルにつきましても、ポンドにしましても、大部分の預金というものは、そういつた信用状の保証金であるとか、或いは決済の運転資金であるとか、そういつた用途に只今常時利用されておるのでありまして、遊んでおる……全くそういうためには必要でないという資金は全部ではないのであります。一部は定期預金にいたしておりますが、定期預金といえどもこれを保証金に見てもらつておるわけです。全部遊んでおるという関係にはございません。
#44
○大矢半次郎君 最近日本の為替銀行は海外に支店を持つたようでありまするが、従来と違つてそういうふうに日本の為替銀行も相当戦前のように漸次活動範囲が広くなつて行くだろうと思いますが、そういうような場合に、まあ従来の資金などと大分違つて来る。従つてむしろ外国為替資金に余裕のあるような場合には、証券投資よりも、為替銀行に預けて自由にそれを利用さしたほうがいいじやなかろうかという気もいたしますがその点、如何ですか。
#45
○政府委員(大久保太三郎君) まあこれは私見でございますけれども、日本の持つております外貨資金の中には運転資金として利用されておるものもございます。只今申しましたように、それからこれは日本の対外決済上、準備金的に持つておるものもあるはずだと思います。これはいわゆる通貨準備と申しますか、日本の対外債務を決済するためには、相当程度の、やはり現金を準備的に持つていなければならんと思いますが、そういうものは本来ならば、それを金に投資しておくなり、或いは金に代るものといたしまして、ドルならばアメリカの連邦準備銀行に預金しておくというのが確かな方法だと思います。これを連邦準備銀行だけでなく、アメリカの大銀行の信用というものは非常に確実なわけでございますので、大銀行に預託するのも間違いではないと思いますが、それを日本の為替銀行が海外に仮に店を持ちました場合に、これに預託するということは、日本の決済準備的なものは、むしろ余りにそういうところに預託して使用を認めますのは不確実な方法ではあるまいか、確実を期するという意味では問題ではないかと思うのです。なぜかと申しますと、預託されたものを使いましても、償還の場合に預金をするとか買入れをするとかということで以て返金はできないのでございますので、そういうものは、むしろ、ドルならばやはりアメリカの銀行に預託するのが私は筋であると思うのであります。なお準備的に運転資金的なものになりますと、これは場合によりましては、日本の為替銀行を育成いたします意味において、若干の運転資金を預託してやるということが考えられないことはないと思います。
#46
○大矢半次郎君 定期預金のレートはどれほどに、そうして又英・米の大蔵証券に投資した場合の利廻りはどの程度になるのですか。
#47
○政府委員(大久保太三郎君) 只今ロンドンに預けております定期預金、これは三十日前の予告を以て引出しができるという条件なんでございますが、これが年利が二%、それから二ユーヨークでございますが、これは二通り種粗がございまして、只今申しましたような三十日前の予告で以て引き出せるというのがニューヨークでは一%、それから九十日の定期預金、大部分これにいたしておりますが、九十日の定期預金は、これはニューヨークにおきましては一・五%、そういうふうになつております。最初はたしか年利四・三%でありましたが、只今二%になつております。それから大蔵省証券でございますが、イギリスの大蔵省証券は大体三カ月物が中心でございます。これが二・三%から三%程度、それからアメリカの大蔵省証券、これは三カ月物にいたしますと只今一・七%程度であります。
#48
○田村文吉君 関連して……只今大矢委員から御質問のございましたのと同じような意味ですが、日本の為替銀行をもう少しく有利に活用して、無利子同様のような現在の外貨の運用を如何にしたならばもつと内国の為替銀行に利用させる方法があるか。例えば日銀で低利の日本通貨を貸してやつて、外貨を買わせるとか、何かそんなような手があるようにも思われるのですが、今一体それができない何か根本的な理由がございますのですか。ちよつとそれを伺いたい。
#49
○政府委員(大久保太三郎君) 為替銀行の普通のあり方といたしまして、貿易を賄いますのに必要な外貨は、本来或る程度保有しなければならないわけであります。ところが先ほど申しましたような関係で以て、これまではその実が上らなかつた。だんだん正常な状態に持つて来るために、極く最近、本月の実は十六日から、ドルにつきましては或る程度の外貨をお持ちなさいいうことを政府のほうで勧奨いたしまして、今後ドルにつきましては或る程度の外貨保持が実際行われるであらうと、そう思います。ところでドルにつきましても、何分為替銀行の資金状態は、円の面におきまして非常に苦しいのでございます。十分な資力の蓄積もございません。それから先ほど来、申しましたように、外貨の保有は非常に低利でございます。或いは利息を生まない当座預金のようなものが大部分になります関係で、採算が合わないという関係もございます。それで一挙に只今のところ相当の外貨の保有を行うということは困難であろうと思いますが、将来徐々に保有額を殖やして、自分の資金で以て賄つて行くということになろうかと思います。日本銀行が直接保有資金を融資するという問題は、只今までのところ考えられておりません。併しながら為替金融の面におきまして、御承知の通り外貨貸付制度、或いは輸出入貿手の制度もございまして、日本銀行といたしましては、相当為替銀行の金融に対しては、低利の、且つ相当豊富な資金を供給されておるように思われます。直接保有資金といたしましては、只今のところ考えておりませんけれども、今後必要に応じてなお考慮されるのではないか、そう思います。
#50
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。それでは次に製塩施設法案について質疑を行います。
#52
○田村文吉君 頂いた資料で見ますると昭和二十三年と二十六年度の食用雄の消費量の説明があるのでありますが、一年当りの消費量が二十三年度に比べてずつと減つておるのですが、これはどういうことなんですか。何か理由があるんだろうと思うのですつが。
#53
○説明員(西川三次君) 御承知のように二十三年度におきまして、塩につきましても配給統制をやつて、その統制が外れました直後の数字になつておるものでありましたものですから、特にこの平均においては殖えておりますが、そういう関係でここに相当開きがあるわけです。
#54
○田村文吉君 それから生産の説明があるのでありますが、塩田の面積が増加して製造人員も増加しておりまするが、昭和十年と昭和二十六年度では塩の生産高というものが非常に減つておるのですね。これはどういう理由ですか。
#55
○説明員(西川三次君) これは御案内の通り終戦後はすべてまあいろいろな産業ともに荒廃したわけでありますが、塩につきましても戦時中、殊に戦後にかけまして労働条件なり燃料事情なり、それから又製塩施設の手入れなりそういうものがすべて怠つておりました関係で、相当減産いたした。これが終戦後に塩の消費増加がございまして、政府といたしましても躍気となつてこれが増産に努めた結果、漸く最近になつて生産を回復しておるような状態でございます。
#56
○田村文吉君 特に真空式のものが非常に殖えておりまして、塩の生産高四十四万三千トンに対して真空式が二十七万四千トン、非常に殖えております。これは非常に機械化したことを示しておるものであろうと思う。それであるにも拘らず、製造人員は非常に増加しておるということは、能率がどうもよくないように考えられるのですが、何か特に御説明がありますか。
#57
○説明員(西川三次君) これはその機械化の点は、煎熬関係と申しまして、塩を煮詰めるほうの関係でございますね、そのほうの関係の機械化でございまして、そのほうにおいては労務者の数は節減したわけでございますが、製塩業者としましては、従来個人でやつておつたものが、個人で真空式に変えたものもございますけれども、多くの場合は協同組合でもつて機械化した、こういうような事情がございますので、機械化したから特に減つたというのでなくて、その機械化された分だけは更に製塩業者としては同様に許可をしなければならんわけでありますから、許可人員の関係においては殖える、こういうふうなことに相成つたのであります。
#58
○田村文吉君 わからないでもないようでありますが、昭和十年頃に比べると非常に塩田の面積も一割以上増加しており、又製造人員も二割から増加しておる。而も機械化が盛んに行われておるに拘らず割合に生産高というものが殖えて行かないというように感じられるのでありまするが、今後そういうものはもつと御指導の如何によつては改良して行けるものじやないか、どの辺まで行けるか、それはわかりませんが、何かお見通しをお持ちになつておりますか。これが将来日本の食塩というものに対する政策は非常に私は大きな重大な問題だと思うので、特にお伺いするのでありますが、儲かるたばこのほうなんぞは余りお力をお入れにならんでもいいが、こういう国民の必需品で将来できるだけ自給させなければならないこういうようなものについては、もう少しく合理的な経営方法というものがあり得るんじやないかというような気がするんですが、何かそういう点についてのお考えはありませんか。
#59
○説明員(西川三次君) 只今の御質問につきましては、公社としましても塩の専売をあずかつております以上、最も関心を持ち、又最も努力をしておるわけでありまして、この技術的な研究の面におきましては、今後より以上に努力いたしまして、更に高度の製塩設備に代えて行きたいという気持であるのでありますが、そのうちで特にこの際申上げて置きたいと思いますことは、従来のところでは塩を煮つめるほうの技術面の研究が可なり盛んでありまして、そのために真空式の工場が殖えて来たわけでありますが、どちらかと申しますと、塩をとるほうの面におきましては、比較的技術的の研究が十分でありませんため、その面では合理化のあとがそう顕著じやなかつたのであります。ところで最近になりましてその面に相当力を注いだものでありますから、最近実行にだんだん着手されておるのは、塩田を従来の入浜塩田というのでなくて、粘土で地盤を作りまして、甚だしきは砂層貫流と申しておりますが要するに流下式に傾斜を作りまして粘土で地盤を作る。そうしてそこに砂を置きまして流せば、流れる間に海水が濃くなる。こういう方式をあちこちでもう実行いたしておりますが、これによりますれば生産も可なり殖えておる面もあるし、又労務の節約が相当顕著なわけであります。大体これまでの実績によりますと、一ヘクタール当り四、五人もかかつたものがせいぜい一人くらいで足りる、五分の一くらいの労務の節約ができる、こういう、ふうなことになつております。それから又噴霧式とか造霧式とかと申しまして円盤をぐるぐる廻しますと、その遠心分離の関係で海水が霧のようになつて散るわけであります。その霧になつて落ちる際に蒸発が促進されます。そこで海水の濃いものができる。これはさほど広い塩田が要らんで、まあ今盛んにやつておるのは鉄塔を造りまして、高さはいろいろ地域によつて違うわけでありますが、一番上で円錐形のものを廻しまして、そこへ海水を流すわけです。それが霧になつて落ちるということになりますが、それは殆んど時期の如何を問わずやれるわけであります。それから塩田の面積がそう広くなくても、霧になつて落ちるだけの程度の広さのものがあれば、そこに蒸発して濃くなつた海水がとれるわけでありますから、こういうふうな式も私のほうの研究所でも盛んに今やつておりますが、これがいよいよ実施されるということになりますれば、相当生産の増加を来たすようになると、私は考えております。ですから、その技術面におきましても今だんだん研究を進め、又実際上効果のあるものはそれを実施に移すというような方向で進んでおりますので、ここ四、五年のうちには相当の生産増を来すのではなかろうか、かように考えております。それから一方、製塩施設につきましても、実はそういう面につきまして、従来の法律では改良事業的な面が補助金の対象にならなかつたわけでありますが、この法案におきましては、改良事業方面についても補助金が出せるという建前になつておるのであります。こういう面がいよいよ法案が通りますれば、これによつてできるだけそういう改良事業費の面の予算もとれるということになりますれば、それによつて更に増産も可能である。こういうふうになるように考えております。
#60
○岡崎真一君 この法案に盛られておりますことは大変に結構なんでありますが、先般、同僚の森さんであつたと思いますが、この公社から出す補助金というものは結局は消費者の負担になるといつたような、そこに財源があるといつたようなこの間の御説明があつたように思うのですが、それに、実は各塩田によりまして事情が違うかも知れませんが、塩田業者の中には、災害復旧のためのつまり追加保険的な意味合いにおいて、自分たちの利益の中からそれを積立てておる、そして、それで復旧して行つたらいいということを考えておる者もあるようであります。そうなりますと、勿論それでは十分でありませんから、この災害の復旧のこういう補助金というものも必要であろうと思いまするが、自分で賄つて行くということになれば、こういう補助金を出すことも少くなる。そうすると、要するに結局最終において消費者の負担も減るというような趣旨になるんですが、そこで、そういうための積立金なり予備金といつたようなものを何か別個の積立金とするといつたような場合に、それは利益金処分で結局税金の対象になる。そういうことになると、折角そういう考えを持つておつても、それを利益金に出さないようにしてしまうか、又何らかの方法において、つい、それを使つてしまうというようなことになりますと、塩田業者の経営の基礎というものが、そこにあいまいなものができて来るということも考えられるのですが、それについても主税局のほうで、そういうふうな業者が考えた積立金に対して税金を軽減をしてやつて貰いたいといつたような交渉をなすつたことがあるのかないのか。又なさろうとする御意思があるのかないのか。或いはなさらなかつたとするならば、どういう理由でそれをなすつていないのかというようなことについて、御説明を願いたいと思います。
#61
○説明員(西川三次君) 只今の減免税の恩典につきましては、現在あります制度としましては、退職積立金とか或いは貸倒れ準備金とか、そういつたふうなものが法律上認められておりますが、これらの規定は、そういつたふうな積立金をしました場合に、それを法人の計算上、損金に計上いたしまして、そうしていよいよその目的である使途に支出した場合には、その場合に益金の処理をする。こういうふうなことになつておるようでありますが、この制度は、要するに積立金の間だけは損金、いよいよその使途に充当された場合には益金の処理をするというふうなことでありまして、税法上においては多少の恩典に浴すわけでありまして、この塩業者のようなふうに、最近のようなふうに毎年多大の被害を受けているというような場合には災害復旧というものを相当見なければならんわけでありますが、こういつたふうな国家資金ばかりに頼らないで、一部は自己資金の積立てによつてそういう不慮の災害に備えるというふうな趣旨からしましても、極めて結構な考え方だと思うのでありますが、従来のところ、こちらとしましては、別段そういつたふうな要望が業者からもございませんでしたし、我々といたしましても実はうつかりしておりまして、そういつたふうなことをこれまで考えておらなかつた。勿論、国税庁、主税局のほうにも、そういつたふうな折衝をしてなかつたわけでありますが、この際そういつたふうな趣旨は極めて結構でございますので、我々としましては一応事務的に折衝したい。かように考えております。
#62
○岡崎真一君 只今の御説明でまあわかりましたが、実は業者のうちにそういう希望を我々のほうへ言つて来る人もたくさんあるわけなんで、事務当局のかたはまだ御承知でないということでありますがその辺をもう少しよく話合いをなすつて、そういう線へ持つて行かれればこういうふうなものを出す支出というものは結局消費者の価格のうちから軽減されるということが言い得ると思います。塩というものの大衆的な重要性から言つて非常にこれは貢献するところが多いと思います。そういう方針にいろいろと御相談の士やつて頂くように私は希望したいと思います。
#63
○大矢半次郎君 今度の法案によりますると、既存の塩田の改良とか或いは災害復旧に相当助成をすることになつておりまするが、一部の者の間においては新しい塩田の開発についても助成をして貰いたいというような希望もあるようでありますがこれらの点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#64
○政府委員(久米武文君) 只今御審議を願つておりまする法案の第二条の九項に改良事業として定義を掲げた条文がございます。塩田の新設の場合に、この第二条第九項の第一号によりまして、塩田堤防の新設というものはここに入るわけであります。それから二号によりまして、塩田新設に関連するところの用排水施設の新設、この二つは入るわけであります、一号と二号と。それで、それ以外の塩田地盤そのものにつきにましては、専売公社内部ではいろいろ研究もし、そういうものについて補助を与えるという道も開きたいという意見もございましたが、現在の段階におきまして、政府としてまだそこまで補助の範囲を拡げて行くということは考えておらない次第でございます。
#65
○大矢半次郎君 将来の問題として御検討になるつもりでございますか。
#66
○政府委員(久米武文君) 今後の我が国におきまするところの塩の需給状況その他各般の事情を考えまして、必要な研究は進めたいと考えております。
#67
○委員長(平沼彌太郎君) 本日の委員会はこれを以て閉会いたします。
   午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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