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1951/03/11 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第13号
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1951/03/11 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第13号

#1
第013回国会 建設委員会 第13号
昭和二十七年三月十一日(火曜日)
   午前十時四十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月六日委員門田定藏君及び櫻内辰郎
君辞任につき、その補欠として小笠原
二三男君及び松浦定義君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           赤木 正雄君
           田中  一君
           小川 久義君
   委員
           楠瀬 常猪君
           深水 六郎君
           三輪 貞治君
           三木 治朗君
           東   隆君
  政府委員
   建設政務次官  塚原 俊郎君
   特別調達庁長官 根道 廣吉君
   特別調達庁管理
   部長      長岡 伊八君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
  説明員
   建設省地理調査
   所長      武藤 勝彦君
   建設省地理調査
   所印刷部長   岡山 俊雄君
   法務府検務局検
   事       石井 春水君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く特別調達庁関係
 諸命令の廃止に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く建設省関係命令
 の措置に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(小川久義君) 只今から建設委員会を開会いたします。
 先ずポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く特別調達庁関係諸命令の廃止に関する法律案を議題に供します。御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
#3
○田中一君 一応説明だけして頂きたいと思いますが……、この前聞きましたが僕は聞かなかつたので……。
#4
○理事(小川久義君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○理事(小川久義君) それでは速記を始めて下さい。
#6
○田中一君 結局この二つの收用令又は使用令はこの平和條約によるところの占領軍の撤退期といいますか、占領軍の撤退期まで有効とすることにとどめておるわけなんですか。
#7
○政府委員(根道廣吉君) そうであります。
#8
○田中一君 従つて、この九十日過ぎて、今度は駐留軍といいますか、そういうものには適用しない、若しも何らかの必要があつて、駐留軍が、駐留軍という言葉でいいんですか。が要求する場合には、これは別途の方法で考えられると、少くともこの法案は、この收用令、並びに使用令は九十日を限つて有効であつて、それ以後はもう全然なくなつてしまうのであつて、廃法といいますか、になつてしまうということなんですね。それは間違いないことなんですね。
#9
○政府委員(根道廣吉君) 今田中委員の御説の通りであります。
#10
○田中一君 先般伺うと、この土地工作物使用令は、これを発動したことがなかつたというお話ですが、無論この裏付があつて、政令の裏があつて、自由契約がなされたものと考えられますので、若し手許に、どういう形で契約がなされたかというような契約の案文でもあれば、お示し願えれば結構だと思います。
#11
○政府委員(根道廣吉君) あとでお手許に差し上げます。
#12
○田中一君 その要求物資使用收用令というものは一遍もこれを適用したことがなかつた、こういう御説明でございますね。
#13
○政府委員(根道廣吉君) 私適用しなかつたと承知しております。
#14
○三輪貞治君 要求物資使用收用令、或いは土地工作物使用令というものが廃止されることは異議ないわけですが、今後こういうような方法によつて、駐留軍関係に物資の使用やら、土地工作物の使用を余儀なくされるというようなことは、この政令が廃止されれば起りませんか。何か別の方法で起り得る可能性がありますか。
#15
○政府委員(根道廣吉君) 不動産などにつきましては、駐留軍のまあ必要上、ここでなければならんという必要が将来起つたと仮定いたします。そのときに、使用を所有者がこれを拒否するというような、非常にこれは強制的な法令がなければ、結局まあ收用できんというようなことに相成ると思います。併し、いずれにいたしましても、今後の行政協定に伴うところの予備作業班ですね、やがては合同委員会、ここにおいて、仮に日米双方合意しまして、或るものを出すという、その出すものが、国有財産のみに当然に限定されるというようなことでありますれば、これはまあ民間に対する強制收用の必要は、恐らくなかろうかと存じます。併し、若しあつた場合ということを考えますれば、これは何らか強制的な、多少の強制的な意味を伴う法令がなければ、これは処置がつかんことに相成る、こう考えております。又更に物資の問題でありますが、いろいろ緊急の場合におきまして、石炭の調達をする場合に、この法令があるのを、日本政府はなぜ発動せんかというようなことが現実にあつたわけであります。それに対しまして、よく私のほうから、こういう法令はあることはあるけれども、現実には現実には発動すべきではない。又発動したところで、現実にそういうものが集まつて来るものじやない。却つて、それよりも業者等によく話して、幾分でも納めてもらうというような方法をとるのが適当である。こういうことにお話をしたことが二、三ございました。従いまして、この物資の関係については、強制的な措置をとるということは、私といたしましては過去の経験上からもないだろう、こう考えております。
#16
○三輪貞治君 この要求物資使用收用令並びに土地工作物使用令が廃止されて後に、政府の土地工作物である場合は別として、民間の土地工作物を駐留軍の使用に供するために要求されるというような場合には、或る程度の強制的な法律がなければならんというお話ですね。それは現に用意されておりまするか。或いは又行政協定の中にそういう部面がありますかどうか。
#17
○政府委員(根道廣吉君) 政府全体といたしまして考えておることを私が想像で申上げるのは何ですが、本国会においても、岡崎国務大臣等よりいろいろ御説明があつたと思います。併し、それはできるだけ強制力を用いたくない、相互の自由契約によつて、民間の不動産を使用する場合には、使用したいのだ、こういうお心がまえを持つておるはずと考えております。併し、果してそういうふうなことで済むのかどうかということについて、今予備作業班等で駐留軍の将来必要とするだろう施設につきまして今研究中であります。やがて個々のものにつきまして要る要らんのお話が進捗して行くだろうと思います。従いまして、近き将来において、今おつしやるような強制的な措置を伴う法令が出るか出ないか、提出するかしないかということがきまつて参ると思つております。只今は全般的に考究中であるという段階であります。
#18
○三輪貞治君 聞くところによると、駐留軍の目的に供するために、恐らくこれは農地であると思うのですが、一カ所で四千町歩からの土地を要求されておる実例があるということであります。これは四千町歩と申しますると、小さい町村でありますると、十カ町村にも及ぶ非常に広い面積であります。こういう場合に、そういう法律的な措置がない場合に、恐らくこれは地元民の非常に強力な反対にあうことはもう言うまでもないわけであります。そういう場合の措置をどういうように政府は考えておられるか。
#19
○政府委員(長岡伊八君) 先ほど長官から説明申上げたことと思いますが、是非接收せざるを得ない、提供せざるを得ないという土地につきましては、日本の国防上の関係から生じました行政協定に基きます義務の履行ということと、権利者の権利擁護という問題との調整を図らねばならん問題でございます。これにつきましては、成るべく無理のないように、権利の擁護ということに欠けることのないように公正妥当な方法を講じたいと考えまして、目下関係省と打合せ中でございます。或いは成案を得ましたならば本国会に提出いたしまして、御審議願うことになるかと思つております。
#20
○三輪貞治君 この使用令、收用令によつて使用收用いたしまして、その間に起きた損失について補償された実例がありますか。
#21
○政府委員(長岡伊八君) 実は、この土地工作物使用令は公布になりましたけれども、これを適用いたしまして接收いたしましたものは実はないのであります。従来そういう無理に取上げたという感じを與えますことは、終戦直後の日本といたしましてどうかと考えましたので、成るべく随契の形で以て行きたいという考え方から、この法律を適用いたしましたものはございません。併し随契にいたしましてもそれぞれ借料も拂わなければなりませんし、立退料、立毛離作料といつたようなものはそれぞれ今日まで支拂つて参つたのであります。
#22
○三輪貞治君 條約発効後九十日の間であれば、さつき申しましたような一カ所で四千町歩といつたような厖大な土地の收用も、これは強制的に九十日の間であればできるわけですね。
#23
○政府委員(長岡伊八君) 理論的にはできるわけですけれども、只今申上げます通りに従来としても適用いたしておりませんし、殊に御承知の通りに進駐軍におきましても、今後は合同委員会で決定いたしましたものを接收と申しますか、提供することに相成りまするので、これまでのようなPDと称しておりまする要求書を出して、いきなりやるということはやらない方針だということになつておりますので、今後はそういう問題は起らんかと考えております。
#24
○三輪貞治君 これは廃止される法ですから別に異議はありません、私のほうは。
#25
○理事(小川久義君) それでは本件につきましてはこの程度にとどめまして次に進むことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#26
○理事(小川久義君) では次に、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案を議題といたします。御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。政務次官の塚原さん、地理調査所長武藤さんと総務部長の中村さんとそれから印刷部長の岡山さんがおいでになつております。
#27
○田中一君 私は先ずこの審議の最初に、実際アメリカ軍から貸與されたものをどういう形に管理し利用しておつたか、殊に日本に対する貸與というものは日本の開発に資するためというようなことになつておるように伺つておりますが、実際面においてどういう形で以て、アメリカ軍との間の約束がどういう形でなされておつたかという実情を先ず第一に伺いたいと思います。
#28
○説明員(岡山俊雄君) 実際に写真を官公庁に貸與しております業務に当つておりますものといたしまして只今の御質問にお答えいたします。
 米軍から空中写真を借りております場合の約束、最初に管理利用を如何にしておつたかという御質問でございますが、これを借りますについての約束ともいうべきことについて先ず申上げたいと存じますが、これは覚書にもございますように、貸與いたしますほうの條件は、貸與が基本條件ということになつておりまして、実際には先方から原板を借りまして、こちらでその複製をとりまして、その又ネガから写真を焼付けておりますが、こちらで作りました原板並びに陰画というものもすべて貸興したものであるという約束になつております。事実上は地理調査所において先方の原板から複製しました日本版の原板というべきものは、これは全部地理調査所に保管されております。官公庁からの申請があります場合には、これによつて写真を焼付けて交付しております。それらの写真の利用につきましては、一番最初に本案が上程されますときに、所長からも説明がございましたように、約三十項目に亘ります非常に多方面な仕事に利用されておりまして、その利用方面も逐次擴大されつつある傾向にございまするが、まあ最も多く写真を利用しておりますのは森林関係、林相調査というような方面でありまして、これはもう最初から今日に至るまで最も多く写真を利用しております。それからそれに次ぎましては、地理調査所におきましてこれらの写真を利用いたしまして基本図の修正作業というようなことをやつております。又基本測量に際しましてその補助資料として使つておりますし、最近は地理調査所における土地利用調査にもそれを利用しております。次に多く使つておりますのは総合開発計画というような部門、ついで河川開発、ついで地質調査、ついで鉄道線路計画等利用方面は約三十に亘つておりますが、只今申上げました六方面が最も多量に写真を利用しておる方面であります。更に又その利用の状況の、利用者の部類分けと申しますか、つまり官庁が使つております分が総数の約六三%、それから都道府県で利用しておりますのが、三七%というような割合になつております。結局写真を利用いたしますと、非常に短期間に費用も少くて地図を作ることができるというわけで、利用は逐次増加しつつあるような次第であります。
#29
○田中一君 大体利用、管理の御説明を伺いましたが、そうした管理、利用しておる現状におきまして、曾つて覚書並びにこの政令に規定されておりますもの以外、この覚書、並びにこの法律以外の要求といいますか、アメリカ軍のほうからの制約ですね、そうしたものが実際にあつたかどうか。例えば一つの例を申しますと、昨年の暮に地理調査所が武装警官によつて包囲されて、まあ共産党ですか、共産党がこれを惡用したのじやなかろうかというような点とか、或いは共産党のフラクがあつたのじやないかというような点で、武力行使をした、これは日本政府の武装警官が行つたときですが、そうした問題が、この法律を見ましてもそうした危険が多分にあるような、甚だ不十分な政令のように考えられるのです。従つてこの政令、並びに覚書を地理調査所長は十分遵法しておつたと思うのですが、それ以外に、この與えられた範囲以外にアメリカ、占領軍のほうからこの管理並びに利用について、いろいろな何といいますか、掣肘といいますか、そうしたものがあつたかどうかですね。若しこれが速記をやめていいならそれでも結構ですが、一遍その実情を一つ御説明願いたい。
#30
○説明員(岡山俊雄君) 覚書にはつきり現われておりません一つの事実といたしましては、覚書は建前において写真貸與の相手は日本政府書記官であるということになつておりますが、実際は県庁その他におきまして、みずから写真をこなすという技術がない関係上、県庁などから更にその仕事が会社に委託されております。これは司令部のほうとの話合によりまして、まあ日本の実情止むを得ないものとして、一応大目に見てもらつておるわけでありますけれども、さて実際に会社に仕事を委託いたします場合に、まあ委託者のほうで技術的によくわからないということがありまして、往々その仕事が精度において劣るというようなことがございます。又実際に恐らく会社のほうで非常に仕事が忙しいというようなときには、下請人を使いまして仕事をやらせるというようなことがあります。そういう点につきまして、司令部のほうから技術的にそういう点を調査所がもつと指導できないものか、或いは責任の所在のはつきりしない下請人というものを使うことについて、何とかしてもらいたいとかいうような注意は受けるのでありまして、これはその都度必要な方面には連絡いたしますけれども、実情におきましてそこまで隈なくこちらが知り盡して、而も適当な手を打つ、適当にさせるということができがたいのでありまして、そういう点において実際の仕事がまあやりにくいといいますか、或いは向うの希望に副いがたい面がございます。まあこういう点が覚書の表面にある、政令の上にはつきり出ております。
#31
○田中一君 私はこの際この法律を講和発効後も活かすというような観点から見まして、この法案そのものに対する措置に関する問題でなくて、法案そのものに対して、我々が独立国家になつた曉には、この法案そのものに対する審議を改めてする必要があるのじやないかと思うのです。無論我々は條約発効後、九十日間の義務に服さないといけません。併しその後に起る問題をここで取上げてあるのですから、この法そのものをもう一度審議し直すというようなことが必要じやないかと思うのです。で先ず第一に考えられますのは、写真機というものは今日誰もが持ち得るものでありまして、利用し得るものなんです。この第三條の複製の禁止などという條文を作りましても、これは結局その手に入れば直ちに自分で複写ができるのです。殊に貸與又は譲渡の禁止、こういうことも法律としては甚だ不満足な、誰にでもできるということをいけないということは、ただ單なるまあ形式上の制限にとどまるのじやないかと思うのです。もつと実質的な一面に対して強く改正するような考え方があるかどうか、まあ次官に一つ伺つてみましよう。
#32
○政府委員(塚原俊郎君) 時期を明示することはできませんけれども、完全なる独立国となりました場合には、この法案については再検討をする必要があると私は考えております。
#33
○田中一君 今日から発効後九十日間の間においても、若しも嚴密にこの法律を適用するならば、この政令を適用するならば、至るところに犯罪者が生れる。殊に十七條の罰則を見ましても、懲役、又は三万円以下の罰金というような重い規定になつておりますが、こういう点についても、法の不備から知らずして罪を受けなきやならん、罰を受けなきやならんというような点が多々あるのです。今次官からお話を伺つて、御説明を伺つて無論発効後近い将来には変えたいというような御意思もよく了解いたしますが、手許に專門員から来ております、この罰則の問題につきまして参考資料が出ておりますが、これについて若しも法制局か、或いは法制意見局のかたでも見えたならば、この誰でも知らずしらず、或いは十七、八才の少年ですら写真機をいじる技術には日本人は長けております。これは非常に普遍化されておる写真機を以てこれを複写するということはあり得ることなんです。その際にこの罰則だけでもせめて何とか方法つかんものかと、こう考えておりますが、法制局の人が来ていれば伺いたいと思いますけれども……。
#34
○三輪貞治君 その間質してもいいですか……、これは従来連合国最高司令官から日本政府が借りて使つておるという写真を、この政令が引続き法律として効力を持つという立場から使用するばかりであつて、今後はこれは新らしく借りくるということはないわけですか。
#35
○説明員(武藤勝彦君) 今まで考えておりましたのは、只今仰せのように、従来借りておつたものを継続して使つ
て行きたいという考えでおります。併し従来撮りましたものの全部がまだ私のほうへ入つておりません。そういうものは或る程度引続いてこちらへ渡してくれるものでしたら、これも利用したいと考えております。併し大体において、大部分は今までこちらに参つておりますし、それからあとのものも従来撮つたものを対象にして考えております。
#36
○三輪貞治君 従来撮影されたものの中でも相当まだ借りておらない部分もありましようけれども、新たに撮影をされて貸される部分もあり得るわけですね。
#37
○説明員(武藤勝彦君) こたから先米軍で写真を撮るか、撮らないか、これは私まだ関係方面からも聞いておりません。これについては今のところ何も私にわかつておりません。
#38
○三輪貞治君 或る特定国が、日本の国土の上空を飛行機で飛翔して撮影をし得るというような、国内法なり、その他のものがありますか。
#39
○説明員(武藤勝彦君) 私の知つている限りではあるとは考えておりません。私存じません。その点については……。
#40
○三輪貞治君 これは連合国最高司令官から、日本政府が貸與される空中写真、或いはその複製された写真を借りて使用するというポ政令が、條約発効後も引続き効力を持つわけですか。これがそのまま効力を持つということは、連合国最高司令官というものが引続き存在するような印象を我々持つわけです。これは何かやつぱりこうしなければいけないのですか。
#41
○説明員(武藤勝彦君) いやこれは、無論私どもの想像といたしましても、これは当然名前が変つて来ると思います。従つてその名前が変つて参りましたならば、当然これは変えて行かなければならんものと私考えております。併し今のところどうなるのかわかりませんので、そのままにいたしておる次第でございます。
#42
○三輪貞治君 ところで私も田中委員
のさつき言われるように、ポツダム政令をそのまま存続するということでなしに、新たに国内法を作つたらいいのじやないかという意見を言わざるを得なくなるわけですが、併しこれに対しては政務次官からそう考えておるという御発言がありましたからいいわけでありまするが、田中さんからもさつき述べられたように、この十九條の罰則などというものは、これはもう実に私おかしいと思うのです。私は講和條約が結ばれた以上、将来アメリカが写したものを借りるというのでなしに、日本だつて空中写真測量というものはやれるべきものだと思う。一体これは日本ではやれないのですか。
#43
○説明員(武藤勝彦君) これは無論飛行機と写真機さえありますればどこでもできます。それに今まで戦争前に陸地測量部で撮つた写真がございます。これは私のほうから一時進駐軍が持つて行きましたが、その後返還してくれまして、私のほうに全部ございます。これらの品につきましては何らの制限もございません。ですから、現在このポツダム政令の対象になつておりますものは、アメリカの軍で撮りました写真についてだけでございます。
#44
○三輪貞治君 日本に空中写真を貸與して利用さしている連合国最高司令官のほうの立場から見れば、日本の空中写真というものは非常に軍事的に機密性を持つて、これが複製され、貸與されすることは、非常に困るかも知れない、併し日本は戦争を放棄して、これはもう平和な建国というものをば世界に宣言しておる。こういうものの立場からすれば、その写真を複製したり、貸與したり、或いは汚したりするときには焼かなければならないと十六條にはなつておりますが、こういう馬鹿げたことは私はないと思うのです。それを犯したものは一年以下の懲役とか、三万円以下の罰金に処するというようなことは、実におかしな話であつて、若しさつき政務次官が言われたように、これをポツダム政令の存続でなしに日本の国内法として制定する場合には、こういう罰則をよろしく削除すべきだと思うのですが、政府のお考えをお伺いしたい。
#45
○政府委員(塚原俊郎君) ここに設けられておりまする罰則規定は、今日の段階におきましては、無償貸與に伴う保管の責任を全うするためにとられた処置であると私は考えております。併しその軽減については今あなたのお説の通りに私も同感でありまするから、今後関係機関と相談いたしまして、その軽減について十分考えたいと考えております。
#46
○三輪貞治君 それからこの第五條以下ずつとこれを利用する場合の手続等がありますが、非常に何かむずかし過ぎて、嚴重であつて、ちよつとこれはこわくて使えないような條文になつておるのです。併し文明国としての空中写真の各方面における利用ということは、これは戰争目的ということでなしに、平和的な使命がたくさんあるわけですから、こういう嚴重な恐くてより付けないようなきまりで縛るということは、むしろ空中写真の利用上私は本質に反するのではないかという考え方をば持つておるわけなんです。この点政府の御見解を承わりたい。
#47
○政府委員(塚原俊郎君) むずかしくとられるというお話でありまするが、実際にこれを利用することになつておりまするものは、軍事的のものは私はないと考えております。調査所に行かれて御覧になるとよくわかると思いますが、先ほど岡山部長もお話を申しましたように、総合開発計画、或いは労働関係の地図、或いは産業、或いは農業方面に亘つての地図が作製されております。私個人の考えでは、これが決して軍事的に今日までかたくなに考えられておるとは思つておりません。十分産業開発に役立つ方法で作られておると私は考えております。
#48
○三輪貞治君 併し具体的な実例としては、この写真を持つていたために、この写真が家宅捜査の場合出て来たために、スパイだという嫌疑で裁きを受けている具体的事実もあるじやありませんか。それでも軍事的な目的を含んでいないと言明されますか。
#49
○政府委員(塚原俊郎君) 今の御指摘の点は、先ほど田中委員も触れられた共産党のフラクが地理調査所内にあつたかどうかという点に関するものであると私は考えておりまするが、その問題と軍事的にだけ用いられておるということとは、私は相一致しないものがあると考えております。やはりそこに特殊なものがあつたのではないか。私詳細に存じておりませんから詳しくお
 答えできませんが、共産党のフラク活動というものについて特殊な考えが当時行われたのではないかというふうに
 私は考えております。
#50
○田中一君 先ほど審議いたしました特調関係のポ政令の法案ですが、ここにははつきりと発効後九十日間、いわゆる占領期間以後はこの法律はなくなるというふうに規定されておるのです。従つて若しも今政府の御説明にな
 つておる通りの意図があるならば、これをただ單に発効後も効力を有するということでなくて、九十日間に限つて効力を有するというように考えられるのですよ。その間に無論会期もまだあるし、又必要ならば臨時国会も開かれるのですから、そういう点で以て九十日間に限るという点を明示されたほうが、今国民に対する感じ方といいますか、違うのじやないかと思います。従つて発効後九十日間、占領軍撤退までという規定をされる御意思があるかどうか。又何故そういう点を入れなかつたかという点について御説明を願いたいと思います。
#51
○説明員(武藤勝彦君) 講和條約の発効後これを改正するということは初めから考えておつたのでございますが、私たちとしましては九十日の間はそのままポツダム政令が有効であるということは聞いておりましたが、ただその間に適当な修正ができるかどうか、それでこういう取扱規定の空白時代ができると困るのじやないかというので、実は或る期間までそのままこれを適用さして頂きたいという考えでお願いした次第でございます。
#52
○田中一君 どうも御説明がしどろもどろに考えられるのですが、先ほど次官からもこの法律はこのままであつてはならない、無論平和国家として、独立国家としての日本のために適応するような民主的な法律に一本に変えたいという御意思がわかつておるならば、無論占領軍撤退後、或いは駐留軍がおりましても、これは性格は全然違います。従つて占領軍撤退まではこの法律はあつてもよろしい、これは止むを得ません。併し独立国家となつた場合には、発効後はおのずと別な形のものが生まれて来るという意図ならば、九十日間という期間を入れたほうが、この法律の精神からいつても正しいのじやないかと思うのです。無論その期間に改正できるかできないかわからんということは、これはあなたが言うのでなく我々がそれを変えるのです。立法府がされることですから……。あなたがたは、政府としては九十日間に限るということを規定されても、何らあなたがたの御意思は、管理されるところの当面の責任者として責任はすむわけです。法律をどう変えるということは我々の義務なんです。今の御答弁では甚だ不満ですが、もう一点伺いたいのは、これは進駐軍が、現在の進駐軍です、このまま存続せよという命令があつての御提案ですか。それとも政府から九十日間すべてのポ政令と同じように九十日間は止むを得ない、その後は別な改正をしたいという意図を申込んでのものか。あなたのほうから政府自身の意思で以て期間をきめず、以後ずつとこれを有効だというようにおきめになつたのか、その点を伺いたい。
#53
○説明員(武藤勝彦君) 改正の問題につきましては、先ほどの御質問にありましたように、覚書がそのまま適用されるかどうかということも、無論これは覚書の効力はなくなつて参りましようから、そういうことも考えまして、関係方面と講和発効後どういうふうになるかということを今までも交渉しておるわけでございます。併しながら交渉の相手になつておりますオフイス・オブ・エンジニアでございますが、ここでも先のしつかりした見通しはついていないように考えられるのでございます。それで……。
#54
○田中一君 私は法律は日本の法律です。我々が作るべきものであつて、ポ政令は無論向うから無條件降服を基としたところの命令ですから、これは変えることはできません。併しながら発効後において日本が完全独立した曉においては、我々が作るべきものだ。それに対して今のお話のような関係当局のかたがたの意思を盛込んで、そうしたような、独立国家になつてもまだこれを使うというような意思の法律に対しては甚だ不満を感じます。あえて関係当局でもどうなるかわからんというならば、ここではつきりと我々は約束されておる発効後、講和條約の発効後九十日間は撤退期間としてこれを認める。その後日本は完全な独立国になるということを規定されて、約束されて調印されておる。それにもかかわらずその後もまだこの法律が生きておる。殊に不満足なのは先ほど申上げたような写真機をいじるということは、十四、五の子供でもいじれる。それで大きな罪を受けるというような不用意な法律を存続させることは甚だ不満です。又日本の完全独立国家としての姿じやない。従つてあえて九十日間はこの法律は効力があるということを規定したところで、何らあなたがたの意思にも、或いは関係当局の意思にも、政府の意思にも国民の意思にも副わない点はない。完全に副つておるものと考える。それについて政務次官どうお考えになるか、御説明願いたい。
#55
○政府委員(塚原俊郎君) 私は先ほども申上げましたように、或る時期において十分に主体性を持つたものを考えたいということを申上げましたが、その気持において変りはございません。ただ今申上げましたように、九十日以内に限るということは、現状においては政府としては考えておりません。併し或る時期には十分に主体性を持つたものを提案したいと考えております。
#56
○田中一君 考えておらないような、政務次官の考えておらないような根拠は何です。一体何故考えておらないか。例えば今我々はこれは次官おらなかつたからおわかりにならないが、特別調達庁関係の要求物資使用收用令、土地工作物使用令、こういうものは結局この法律施行後九十日間を限つてこの法令の規定によつて使用することができる、この九十日後はなくなるということを規定をしておる。この法律だけが何故九十日後も、いわゆる独立国家になつても、この法律に、向うの要求の覚書の精神並びにこの政令の精神……、無論占領中においては、の立法の精神に従わなければならんが、その後はその意思がないという意思を、我々得心が行くまで御説明願いたいと思う。ただ意思がないのではすまされないと思う。それも十分なものなら別です。甚だ……、十四、五の子供でも写真機はいじれるし、複写ができるのです。こういう不満足な法律、抜け穴が十分目に見えておる法律を以て罰則なんということは、少くとも独立した後の日本の民主国家としては考えられない法案だと思う。その点においてなぜ九十日の制限を設けたくないかという御意思をはつきりと御説明願いたいと思う。ただ單に政府はその意思を持たんということであるならば、持たん意思をはつきりと御説明願いたいと思う。
#57
○政府委員(塚原俊郎君) 私個人の立場を申上げて甚だ恐縮なんですが、これの立案の過程における経過については私よく存じておりません、タツチいたしておりません。併しその後私が聞いておりますところによりますれば、関係方面との話合いによつてこれができたということを聞いておりますので、今日の段階では今田中委員の御指摘になつた点を挿入することは至難であると、こういうことを申上げたのであります。併し先ほどから何回も繰返しますように、どうしても、我々は主体性を持つたものを考えなければなりませんので、その点については十分御意思に副うような改正案を考えたいと思つております。
#58
○田中一君 今法務府の検務局からお見えになつておりますが、先ほどの質問をいたしてよろしうございますか……。それは今政務次官の御説明と関連するものですから、この際に伺つておきたい、こう思うのです。法務府のかたに伺いたいのですが、今議題になつております空中写真の利用に関する政令に関する法律案なんですが、お手許に政令お持ちでございますか。
#59
○説明員(石井春水君) 持つております。
#60
○田中一君 この第三條第四條にあるところの(複製の禁止)、(貸與又は譲渡等の禁止)、というような條文でございますが、この点と十七條の罰則の規定です。御承知のように複製の禁止などということは、十四、五の子供でも複製ができるような技術を、日本人は大体そういう技術を持つております。殊にその貸與又は譲渡、譲渡は別でも、貸與などというようなことはままあることなんです。これを取締るという方法はどういう形で取締るか、この法律の立法の精神と、法務府としてこれを仮に、複製の禁止を取締る或いは貸與又は譲渡等の禁止、こういうものを取締るという方法は、どういう形で取締るか。これは先ほど御説明を聞くと、單にこれを扱うところの公務員に対する云々だというようなことをちよつと言われましたが、管理者に対する罰則だと言われましたが、これは廻り廻つて十四、五の子供の手に入るかも知れません。これはそれにも無論私は及ぼすものと考えます。ただ管理者のみがこの法の適用を受けるのじやないと考えます。従つて法務府の見解はどうお考えになるか、これを取締るところの見解を先ず第一に伺いたいと思います。
#61
○説明員(石井春水君) この空中写真利用に関する政令で罰則を設けまして、如何にこれを取締るかというようなお話でございますが、私の考えますところでは、第三條の「何人も複製してはならない。」ということは、御説の通り理論的にはその辺の子供でも複製してはならないというのが議論の点かと思いますが、実際に現われて参ります点は、地理調査所において、要するに一定の基準でこれを讓渡、貸與しておるわけであります。この譲渡、貸與しておる者は、それによつて或る程度限定されるわけであります。こういつた者が複製する場合と、それから或いは考えられますのは、忍び込んでやる、積極的な行為でやる場合が実際の面では考えられるのではないか。そういつた面は、私、最初の関係方面の答弁を聞いておりませんで、或いは矛盾するかも知れませんが、そういつた地理調査所から渡された者、それからそういう不法に入つて来るというような者を取締ればいいのではないか、かように考えております。四條の面におきましても、これは「交付する場合の外、何人も」、一応「何人も」という言葉が非常に強く響くようでありますけれども、実際に現われて参ります面は、今申上げたように、地理調査所が一定の基準で貸與した場合が考えられるわけでありまして、それ以外の場合は全然ないということを、断言は申されませんが、殆んど起らないのではないか、かように考えております。
#62
○田中一君 この法律ができたときにも、無論法務府に対しては、この署則規定については御相談があつたと思うのです。今御説明を伺うと、局限された人に対するところの法の適用だというように解釈されるように聞えますが、貸與ということは特定の人間の貸與じやないのです。或いは讓渡ということも特定の人間の譲渡じやないのです。これは十四、五の子供に貸與される場合もあります。従つてこれは何人もということは法の主眼であつて、あなたの御説明のように特定の或る制限、局限されておるものの範囲の従事員とか、或いは関係者という意味じやなくて、貸與といえば何人もできないということは、いけないということは、これがこの法の主眼ではないかと思います。今の御見解に対して私は疑義がありますが、その点もう一遍、しつかり立法の精神から申しまして、又この法の運営から申しまして、もう一遍御答弁願いたいと思います。
#63
○説明員(石井春水君) 只今私のお答えを、多少言葉が足らんところがあつたかと思いますが、私は何人もというのは、確かにお説の通りすべての人を対象として考えておるものと思いますが、実際の運用の取締りはどう考えるかというお話でございましたので、実際の取締りの場合には大体考えられるのは、そういつたところではないかという点で申上げたのです。なお、只今十四、五の子供というようなお話がございましたが、私なども考えておりますが、そういう場合には、場合によつてはこれはまあ犯意がなければならない、犯罪でございますから……、地理調査所から、連合軍の最高司令官から日本政府に貸與された空中写真ということを知つてやつた場合に三條、四條の罰則がかかるわけでございます。そういつた面で、そう無理な点は起きないのではないかと、このように考えております。
#64
○三輪貞治君 私はもつと根本的な、独立国となる以上は、さつき地理調査所の所長さんですか、の御答弁では、特定国は日本の国土の上を飛翔して撮影をし得るという法律は、自分の承知する限りではないということでございましたが、そういう場合においてむしろ私は日本が写して、将来においては向うが要るならば、日本が貸與することができる法律が、独立国としてはできなければならん、かように考えるわけです。この点について政府としては、先の御答弁では飛行機と写真機がありさえすれば写せるのだというお話がありましたが、そういう手段によつて日本が自由に空中写真が撮影できる、利用できるというふうに御折衝を向うの関係方面とされた経緯はありますか。これは政務次官にお伺いいたします。
#65
○政府委員(塚原俊郎君) 私は存じておりませんので、武藤所長に答弁して頂きます。
#66
○説明員(武藤勝彦君) これは正式に話合つたわけではございませんが、先に行きまして、今度こちらで写真を撮ることができるかというふうなことは話合つたことはございます。併しそれにつきましてまだ私としてはしつかりした考えはまだまとまつておりません。ただ私の考えとしましては、是非これは日本で以て、自分で撮つて自分で自由に使えるようにいたしたいとは考えております。
#67
○三輪貞治君 これは政務次官にお伺いしますが、将来においてむしろこういう政令を、国内法できめるということよりも、私はさつきも申しましたように、日本が自由に、自分の国ですから、平和的な方面に利用するために空中写真をみずから撮影して、こういう法律はむしろ向うに貸すことのできる法律であればこれはわかりますがね。そういうような政府にお考えがありますかどうか。
#68
○政府委員(塚原俊郎君) 十分に持つております。
#69
○三輪貞治君 そのお考えに基いて折衝されておりますか
#70
○政府委員(塚原俊郎君) 今日まで私はいたしたことはございませんが、それは私は政務次官に就任してなお日は浅いし、これにタツチしておりませんので、そういう機会はございませんが、これからそういう機会がありますれば、積極的に我々の意見を開陳いたしたいと思います。
#71
○三輪貞治君 その可能性について見通しございますか。
#72
○政府委員(塚原俊郎君) 完全なる独立国になつた以上、我々は今おつしやつたようなことをやりたいことは、これは当然でございまするし、向うでも我々の気持は十分わかると思いますから、私は可能性があると思います。
#73
○田中一君 私はここに発効後九十日間の期限を置かないことが、関係方面の意思でそうなつたのだという御説明と伺いますが、なおこれは皆さんの、同僚議員の意見も聞かなければなりませんけれども、私としましてはどこまでも、発効までのいわゆるポツダム宣言によるところの我々の義務、日本人の義務というものを完全に履行するという建前から九十日以後はこの法律は適用せられないという形に持つて行つて欲しいと思うのです。これは政府としては、関係方面と折衝して、結局その九十日間という期限をとられたという御説明があつたようですが、私自身議員としましては、同僚議員等の意見も聞かなきやわかりませんが、九十日間というものに限つてこの法律は効力があるというふうに修正する意思がある。これは議員の意思をくどいようですが、聞かなければなりませんけれども、少くとも日本が独立国家となつて、なおかかる罰則を持つような、不用意にしてこうした違反を、この政令の違反をするようなことがあつた場合に、懲役などという罰則を持つような法律を独立国の日本としてはそれを適用したくないです。無論政務次官、政府筋の御意見も我々と同様と思います。従つてこれはなぜ九十日間というものを規定しなかつたか。関係方面の意思であるならば、それに対して強く我々議員として反省を促す意味においても、この審議の後におけるところの討論なり何なりにおいて話合つてみたい。そうしてこれは不可だということを我々議員としましても関係方面に要求したいと思う、こういうような考えを持つております。従つてただこうした政令に対する、それが無條件で発効後、完全独立後もこれに従わなければならんというような考え方に対しては、政務次官なども同感のように考えられます。そういう点についてもう一遍我々の意思を織り込みまして、もう一遍関係当局と折衝をして頂くことができるかどうか、又しようという熱意があるかどうか伺いたいと思います。我々議員の意思がそこまであるならばその意を体して政府としては関係方面に折衝する意思があるかどうか。
#74
○政府委員(塚原俊郎君) 先ほどもちよつと触れましたが、私この案の過程においてタツチしておりませんので、今も関係者から伺つたのでありまするが、関係方面との折衝においては、この案で行くことが一番よいということでこの案を提出されたわけでありまするから、今日の段階においては、田中委員のおつしやることは私よくわかるのでありまするが、それはやはり或る時期に法律として改正案を出したいということで私の答弁を終りたいと思います。
#75
○三輪貞治君 日本側で空中写真を撮影することについて交渉する意思が十分にあり、而もその可能性の見通しが十分にあると言明された今日において九條における「利用の期間は、交付の日から起算して二年とする。」などという條文は、これは非常に不適当じやありませんか。
#76
○説明員(岡山俊雄君) この利用期間二年と申しますのは、つまり写真は貸與する、貸與というからには期限がなければならないので一応二年としておる。二年経つてもまだ仕事が済まなければ、写真はそのままの位置において改めて申請をし直す、実情はそういうことになると思います。これは全体のことを言うのじやない、一つ一つの申請です。例えば茨城県の県庁でこういう仕事のために写真が必要である、その交付の写真について一応二年間というそういう規定であります。
#77
○三輪貞治君 それではこういう状態が二年間も、或いはそれ以上も続き得るどいう考え方に基いているのですね。
#78
○説明員(岡山俊雄君) 今後でございますか。
#79
○三輪貞治君 そうです。これは今からだつてこの法律に基いて新たに交付を受ける場合もだんだんあるわけですからね、その場合に先ほどの御説明では日本みずからが空中写真を撮ることを交渉する意思が十分におありになつて、而もその可能性の見通しもおありになる今日において、交付期間を二年もここに規定せねばならぬということは、如何にも前後ちよつとおかしいような気がするのですがね。
#80
○説明員(武藤勝彦君) 誠に御尤もな御質問なのでございますが、実は空中写真は撮影するのに大変金がかかるのでございまして、それで現在私のほうで預つております写真を金に換算しますと、恐らく数十億円になつていると思いますが、撮影に要した費用、そういうふうなものをすべて考えに入れますと、約数十億の額に達していると考えられるのでございますが、従つて日本側で撮るといたしましても、これは非常に金を要することになるのでございます。それで私たちとしましては、できるだけこれを借りて、そうしてそれが利用し得る間はこれを利用し盡くそう、実はそういう考えで以てやつている次第でございます。
#81
○理事(小川久義君) ちよつと速記をとめて。
   午前十一時五十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時二十三分速記開始
#82
○理事(小川久義君) 速記を始めて。この法案の審議はなお継続することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○理事(小川久義君) なお本法案に対する政府の答弁のうちに不適当と認められる個所が若しありましたならば、委員長において削除することにしたいと思いますから、御了承願います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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