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1951/03/13 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第14号
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1951/03/13 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第14号

#1
第013回国会 建設委員会 第14号
昭和二十七年三月十三日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           赤木 正雄君
           田中  一君
           小川 久義君
   委員
           石川 榮一君
           楠瀬 常猪君
           深水 六郎君
           徳川 宗敬君
           前田  穰君
           三輪 貞治君
           東   隆君
  委員外議員
           秋山俊一郎君
  国務大臣
   建 設 大 臣 野田 卯一君
  政府委員
   特別調達庁長官 根道 廣吉君
   特別調達庁管理
   部長      長岡 伊八君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       武井  篤君
   常任委員会專門
   員       菊池 璋三君
  説明員
   建設省地理調査
   所長      武藤 勝彦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く建設省関係命令
 の措置に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く特別調達庁関係
 諸命令の廃止に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○米海軍接收に伴う補償の請願(第五
 三五号)
○東京都京橋商業高等学校接收校舎返
 還に関する請願(第五三九号)
○東京都月島第三小学校接收校舎返還
 に関する請願(第五四〇号)
○東京都月島第三小学校接收校舎返還
 に関する陳情(第三九六号)
○横浜市の接収解除に関する陳情(第
 二五四号)(第二七六号)(第三九
 五号)
○商船大学東京分校接收校舎返還等に
 関する陳情(第四六四号)
  ―――――――――――――
#2
○理事(小川久義君) 只今から建設委員会を開会いたします。
 先ず前回に引続きまして、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案を議題といたします。御質疑の残つておるかたは順次御発言を願います。今日は田中委員の要求もありましたので、建設大臣がお見えになりましたから、大臣に対する質疑がありましたら……。
#3
○田中一君 どつちですか。
#4
○理事(小川久義君) 建設省のが先です。
#5
○田中一君 私はこの法律案に対して前回の委員会で疑点、或いはこの法令の存続に対して質疑を盡したわけなのでありますが、この際当面の責任を持つていらつしやる建設大臣からはつきりした……我々が審議の過程において論議されたことについて政府委員はこれを変更するというような意向を洩らしておりますから、今日は大臣からはつきりとその点を確認して頂きたいと思います。その意味でこの法律案が、占領中にあつた政令そのものが又法律化されて、完全独立後もこれをこのまま使うという点について、大臣もそういうことが完全なる独立国としての姿じやないという点から見まして、大臣がどうされるか、完全なる独立後にはどうされるか、それまでにどういう措置をとられるかという点について御意見を伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(野田卯一君) 私はこの空中写真は進駐軍におきまして数十億の巨費を投じて作製したものであり、これはアメリカ政府の所有に属するものと思います。従いまして、これの処理につきましては、いろいろなまあ制約を受けているということに相成るのでありますが、将来の方向といたしましては、私はこれは私の希望でありますが、これをもらいたいと思います。これをもらいまして、日本の政府の所有物にいたしたいというふうに考えております。若しそれができます際には、当然それに伴いましていろいろと他の法令との関係とか、或いはその他の諸般の事項を十分検討いたしまして、必要なる改正をいたしたいというふうに考えております。
#7
○田中一君 今の大臣の御答弁を聞きますと、これが全部日本が譲渡を受けなければ、この法案はこのまま存続させるというような御意思のように伺いましたが、たとえこのままの形で貸與されておる状態においても、この政令は完全独立後の国民におけるところの制約と言いますかはおのずから変つて来ると思うのです。今お話のようにこの政令そのものを法律化してそれを残すという御意思か、或いは貸與されておる間においても関係方面と折衝をして、こうした意味の制約を緩和する、少くとも完全独立国家としての立法、法律というように変えるかどうかというような問題をもう一遍伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(野田卯一君) その点は今後地の法令もたくさんいろいろな法令があるわけでございます。そういうものと見合つて愼重に考究したいと考えます。
#9
○田中一君 先般の、前回の委員会においてこの委員会としてこういうものをこのまま拝読させるということに対する委員会の意思を一つきめて、関係方面にもその旨申入れしようじやないかというような点も懇談的に出たのであります。従つてそのいわゆる委員会の審議の過程におけるところの意思を或いはこの地理調査所のほうのかたが関係方面と折衝したかどうか。これはまあ薫ここで決議をしたのじやございませんですが、そういうような調整と言いますか、申入れをしたかどうか。したならばそれはどういう程度になつておるか。こういう点について所長が見えておるようですから、所長から御答弁願いたいと思います。
#10
○説明員(武藤勝彦君) 速記をちよつと……。
#11
○理事(小川久義君) 速記をとめて……。
   午前十時三十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時九分速記開始
#12
○理事(小川久義君) 速記を始めて。
 只今審議中の法案に対しましては、次回に又御審議をお願いすることにいたします。
  ―――――――――――――
#13
○理事(小川久義君) 今度は特調関係の法律の審議を願いたいと思います。ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く特別調達庁関係諸命令の廃止に関する法律案の御審議を願います。御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
#14
○田中一君 この問題につきましては、前回においてもう十分審議を盡したのでありますから、この際質疑を打切つて、討論採決しては如何かと思いますので、動議を提出します。
#15
○理事(小川久義君) 只今田中君からの動議は、質疑も盡きたようだし、直ちに討論採決に入つたらどうかということですが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○理事(小川久義君) それでは異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見がありましたら、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#17
○三輪貞治君 私はこのポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基きまして、特別調達庁関係の諸命令を廃止することについては賛成であります。併しながら問題はこの講和の効力発生後なお九十日間は効力があるわけでありまするが、過去においてこの要求物資使用收用令、土地工作物使用令に基いて要求物資の收用、又は土地工作物の使用がなされた例はないように承わつておるわけでありまするけれども、今行政協定等に基きまして、相当農地の使用等について地方において紛争が起つておる実例も聞いておるわけであります。或る場合においては四千町歩に及ぶ一カ所の集団的な土地を収用するというので、それが問題になつておる。そういう場合にこの効力発生後九十日間の間においてこの土地工作物使用令に基いて土地が收用される、こういうようなことがないようにという希望を附しまして、この政令の廃止されることについては賛成であります。
#18
○理事(小川久義君) ほかに御発言はありませんか。
 それでは別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○理事(小川久義君) 異議ないものと認めます。
 ではこれより採決に入ります。ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く特別調達庁関係諸命令の廃止に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#20
○理事(小川久義君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨及び表決の結果を報告することとして承認を願うことに異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○理事(小川久義君) 異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    田中  一  三輪 貞治
    前田  穰  楠瀬 常猪
    深水 六郎  徳川 宗敬
    石川 榮一  赤木 正雄
    東   隆
#22
○理事(小川久義君) 署名洩れはございませんか。署名洩れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#23
○理事(小川久義君) それでは引続きまして、請願、陳情の御審議を願いたいと思います。
 先ず第五百三十五号、米海軍接収に伴う補償の請願、紹介議員の秋山さんから提案理由の説明を願います。
#24
○委員外議員(秋山俊一郎君) この米海軍火薬庫地帯として接収されることになつております問題は、長崎県東彼杵郡江上村の地区でございます。江上村長竹内繁三郎ほか一名からの請願でございますが、今次の占領軍の火薬庫地帶といたしまして、米軍から使用又は使用予定地にされております江上村の安久ノ浦、牛ノ浦両地区の約六十万坪ばかりに当る地域でございまして、この地域は元日本の海軍が買上げまして使用しておつたものでありますが、終戦後二十二、三年頃からこれを逐次農地として払下げまして、そうして土地の人々がそれぞれ払下を受けまして、個人所有になつておるものであります。昨年の五月中旬頃に突如といたしまして特別調達庁の係官から現地の接収に対する予備調査が始められまして、これに驚いた当局は部落のいろいろな陳情に基きまして、それぞれの関係の方面にお願いを申上げましたところが、現地の司令官の温情ある措置によりまして、実際に二万坪、十八カ所ぐらいが接收されるということになつておりましたものが、その後だんだんと増加いたしまして、今申上げましたような六十万坪の地域を接收するというようなことになつておるのでございます。この六十万坪の土地は本村の面積に比較いたしますというと、二割に当る面積になります。小さい村でありますが、この海軍が元使用しておりました場所を払下げして、非常に荒廃しておつたものを非常な苦心を払つて六カ年聞かかつてようやく農耕地にし、或いは住宅を富み、又工場等を作つてどうやら生活が立ち始めたところにこの接收という問題が起りまして、非常に住民が困つておるわけでありますが、併し今日の世界情勢から見まして、これを阻止することは到底できないから、これは誠に止むを得ないけれども、今日のこの特別調達庁の接収等の措置は誠に苛酷なものでありまして、今申上げましたような非常な困難と鬪つて、このうちには引揚者も相当いるのでありますが、ようやく生計を営めるようになつたところを追い出されるということは、誠に、本当に死活の問題になつて来るわけであります。これを何とか救済して頂きたいというのがこのお願いの趣旨なんであります。これをかいつまんでお願いの要旨を申上げますと、この接収は現在の特別調達庁の行き方で行きますというと、今申上げるような非常な僅かな補償なのであります。而もこれが使用ということになり、買收でないということになりますと、更に僅かなものになつて参りまして、住民の今後の生計上に非常に困るのであります。どこまでもこれを今度の行政協定に基いて処理して頂きたいというのが一点。それから今申しました借上げでなくて、これを買上げてもらいたいというのが第二点であります。それから第三点には、算定の基礎は、払下価格、又は固定資産評価格によらずに、時価で以て買収してもらいたい。第四点に、一般の補償率の標準を拡大してもらいたいというのがこの請願の要旨なのであります。ここに住んでおります世帶数は八十四世帯でございまして、そうしてその住民の数が三百三十六名でございます。更に又この地域に住んではおりませんが、地域外でこの区域の中に耕地を持つて農作をしておりまする住民が六十七世帯もおるというような相当村としては大きな影響のあるところでありますので、先般村長及び村会議長が上京いたしまして、各方面にお願いを申上げておるわけでありますが、以上申上げましたような状態で、非常な貧乏な村でありまする上に、こういうことになりますと、村としても打つ手がございませんので、どうかこの請願を御採択下さいまして、然るべく御処置が願いたい、かような趣旨でございます。よろしくどうぞお願いいたします。
#25
○理事(小川久義君) 特調のほうで御意見ありますか。
#26
○政府委員(長岡伊八君) 本件につきましては、只今お話のございました通り、現地から町長並びに議員のかたも見えまして、詳細お話を伺つておりました。非常にお気の毒な状態のほどを承知いたしまして、実は私のほうから現地に人を派しまして、現地司令官ともいろいろ懇談いたした次第でございます。その際に司令官の話では、今お話のありました通り、最後には接収区域を狭めてもよろしいという話が出たのでありますが、それはどういうことかと申しますと、何しろ危險物を取扱います関係上、接收区域を広くしておかねば、損害が、危險が発生したときに困るであろいというので、却つて地元住民の利益を考えて摂收区域を殖やすということを考えたのだ、併し接收によつて余り困るというならば、挾めてやつてもよろしいといつたような打解けた話に相成つたのであります。ところが御承知の通りに進駐軍によりまして発生いたしました損害につきましては、軍がこれを補償いたしませんので地元から却つてむしろ接収区域を広めてもらつたほうが得ではないか、僅かだといいながら補償金をもらつたほうが得ではないかというような議論も出まして、実はその態度が容易にきまらなかつたために、折衝上ちよつと戸惑いをしたというような関係も生じたのであります。そうこういたしておりますうちに、御承知の行政協定ができましたので、本件に限りませず今後は向うの只今までやつておりますPDによつて接收することはしない、合同委員会にかけて審議をした上でこれは取るということに相成つておりまするので、私のほうといたしましては、土地の詳細を記述をいたしましたものは出しておるかと思いますが、いきなり向うから現在の組織で接收されることはないように心得ております。従いまして、本件は只今作業をいたしております予備作業班にも十分御請願の意思を伝えまして、合同委員会で十分練つて頂いて、接收区域の面積を挾めるとか、でき得れば地所を変えるとかといつたようなことを十分合同委員会方面に伝えて処理いたしたいと考えております。なお万止むを得ざるとき接收いたします補償につきましては、いつも問題になるのでありますが、特調のやつていることは非常に安い、ただ取上げだというふうに響きますのは、実は土地收用法とこれまでの措置は違いまして、借上げ措置でございますので、借上げますときには、離作料なり立毛料は払つております。なお引越料も出しておりますが、土地そのものの借上げというので年々地代を払いまして措置いたしております関係で、非常に安く見えるのでございますが、今後の措置については、先般も本委員会でお答えいたしました通りに、所有者の権利擁護という点と條約上の義務の履行という点を両々相考えまして、公正妥当な方法を講じたいと思つておりまするので、予算の許します限り御希望のような措置をとりたいと考えるわけであります。
#27
○田中一君 これは今特調の御答弁もありまして、請願者の意図というものもそこにあると考えますので、採択を願いたいと思いますが、どうですか。
#28
○理事(小川久義君) 採択に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○理事(小川久義君) 異議なしと認めます。採択いたします。
 次は第五百三十九号、東京都京橋商業高等学校接收校舎返還に関する請願を議題にいたします。
#30
○田中一君 この件も同じような意味の請願ですが、これも特調の今の御答弁に含まれておると思いますが……。
#31
○政府委員(長岡伊八君) この学校の問題につきましては、アメリカ側でも優先的に早く返えすということを先般発表いたしましたような次第でございまして、学校の還えることは殆んど見込みが立ちました次第でございますが、実際に個々の学校、どの学校はいつ還えるかということは、先方の引越します関係もございますので、今後只今申上げました作業班なり合同委員会で十分練りまして、成るべく早い機会に空けてもらうように取計らいたい、かように考えております。
#32
○理事(小川久義君) では採択に御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○理事(小川久義君) では採択することに決定いたします。
 次の第五百四十号、これも大体同じ願意であると思いますので、同様採択に決したいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○理事(小川久義君) 採択いたします。
 次に陳情第三百九十六号。
#35
○專門員(菊池璋三君) 陳情第三百九一十六号は今の五百四十号と内容は全く同じであります。
#36
○理事(小川久義君) 今專門員から申しました陳情三百九十六号は、請願の中にある学校と同じ学校でありますので、これも採択に決したいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○理事(小川久義君) それでは採択いたします。
 次は陳情二百五十四号、二百七十六号、三百九十五号は大体願意が同様でなかろうかと思いますので、一括御審議を願います。
#38
○政府委員(長岡伊八君) 請願の趣旨は誠に御尤もだと思うのでありますが、これも只今申上げました合同委員会で決定される問題かと思います。実は先般横浜に参りまして、実際の状況も見たのでありますが、横浜としては或いは現在接收されておりますものを全部一括返えしてもらいたいというような御希望が強いかと存ずるのでありますが、その点につきましては、今後の交渉と申しますか、合同委員会のほうの審議に待ちませんと、或いは個々に解除されるという段階になりはしないかと思つております。請願の御趣旨は了承いたします。
#39
○理事(小川久義君) それでは三案共に採択するに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○理事(小川久義君) それでは採択と決します。
 次は陳情四百六十四号、商船大学東京分校接收校舎返還等に関する陳情、これも願意は大体同様と思いますので、採択に決したいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○田中一君 この接收に関連しましてちよつと長官の御意見を伺いたいのですが、二、三日前の朝日新聞に、外務省側の観測として都心ビルの返還問題か報道されております。御承知と思いまするが、これについては何か特調との関係というか、話合いがあつて発表したのかどうか、先ず第一にそれを伺いたいと思います。
#42
○政府委員(根道廣吉君) 只今やつております予備作業班に関しまする発表は外務省で全部取扱うことになつております。又そこにおきまするいろいろの個々の話につきましては、特調よりも代表を派遣しております。
#43
○田中一君 こうしたものが無論作業班で続々と返還されるものと考えられますが、これに対して特調としては今の人員その他でこれを完全に一刻も早く満足の行くような方法をとられるだけの準備ができておるのかどうか。伺いたいのであります。
#44
○政府委員(根道廣吉君) 解除が非常に大量になされたときに、同時に速かにこれを処置し得るかと、こういうお尋ねでございますが、この点につきましては、私もずつと以前より心配しておるところでありまして、解除は形式的にはできても、実質上の措置はよほど多数の人手を要する、まあ非常に事務が輻湊して困ることがありはしないかと考えております。併しながらこれにつきましては、できるだけ能率よく働いてもらつて、どんどん片付けて行くという心構えを持つております。
#45
○田中一君 この解除物件に対する補償その他の問題は、予算上のそれだけのものをお持ちになつておるかどうか。或いは予想として到底持つておる予算では処理できんというお考えか。先ほど管理部長は予算の許す範囲においてということを言つておりますが、そういうものでいわゆる満足な措置がとれるかどうか、御答弁願います。
#46
○政府委員(根道廣吉君) 解除に対する補償調査の作業というのは非常に面倒な忙しいものでありまして、これを確定的に最終的に払つてしまうためにはよほど綿密な調査を実は要するわけであります。その間におきまして、解除を受けたものが、返してもらつたけれども使い途がないような状態も恐らくあるだろうと思います。仕事を再開するに当りましても、金がなくて非常に困る、補償の金が早く来るならば何とかなるのだという問題が非常に多いだろうと思います。それでありますから、只今の私どもの事務的な考え方といたしましては、確定的に政府が払つてしまうということにするには、やはり払うものの責任を後に追及される関係も考えられます。先ずできるならば部分的の前渡しというようなことも可能ならば思つて、今いろいろ事務的に考究中であります。それから又現在の予算が十分であるかどうかということですが、これは補償に関する調査査定業務の進捗はなかなか速かには参りかねる面もあると思いますが、解除そのものが場合によつては相当多数一時に出て来ることもあると思いますが、やはり軍のほうにおいて部隊その他の司令部等の移転して行く順序が自然にありますから、やはり空けてもらつて返して行くというのに相当段階と時期を要すだろうと思います。その間に三カ月なり半カ年なりという、或いは又九カ月なりという時間が現実にかかつて行くだろうと思われます。そういうことは段階的に私はあるものと見て、その間に現在の手を以て最大限に働いて速かに処置する。それから予算面として恐らく足らんという場合が起るかも知れんと思います。それは大蔵省においても考えていることと思いますが、苦し足らん場合には何らかの方法で追加予算的な措置でもとらねばならんと、その事態によつて私は考えなければならんと思います。又それには多少の時期もあることだろうと思います。又国会にお諮りする余裕も何回かその間には来るのじやないかと考えております。
#47
○田中一君 外務省発表の物件だけを調べてみましても、相当な金額に上ると思うのです。これは大体無論管理部長がその辺拔け目なくこの物件一つ一つに対して推定されるところの予算は数字は大体お持ちだと思います。それと今回の一斉開放という点と部長の見解はどうですか、現在持つている予算で足りるとおつしやるのですか、足りないとおつしやるのですか。
#48
○政府委員(長岡伊八君) 先ほど申しました予算の許す範囲においてということを申上げましたのは、実は先ほど請願になりました新たに接收いたします場合の補償の問題がございます。これは接收の当初に払わなければならんものでありまして、今後の接收という問題になりますと、その基準を何か変えなければいくまいかということで考えておりますので、この点は大蔵省その他関係省と打合せておりますので、その意味におきまして、どこまでこれができるかという意味で予算の許す範囲ということを申上げたのであります。解除になりました場合の補償につきましては、いろいろ家がいたんでおりましたり、これに対する補償の問題は、今日までは、只今長官が御説明申上げました通りに非常な手を食います関係上、予算がこなし切れん場合も実は出て来たのでありますが、これは繰越しまして補償いたしております。従いまして、只今のところではすぐさま予算がなくて行詰るということは想像できませんけれども、これは返し方が非常に一度にたくさん返つて来る、而もこれは解除になつてみませんとわかりませんが、一体どの程度まで補償しなきやならんのか、解除になつてみませんとそのいたみ工合もわかりませんし、その金額の点が恐らく見当が付かんものでありますから、今直ちに計算のできましたものまで払えんというようなことはないと、かように考えております。
#49
○田中一君 原形復旧という原則で以て補償を考えておるのか、その点はどうでございますか。
#50
○政府委員(長岡伊八君) 原則といたしましては、原状回復ということを認めておりません。と申しますのは、中には手を入れましてむしろよくなつております。そういう点まで又売の通りに面すということは財政的に見ましても損でございまするから、一応価値減の点を見まして、そうして価値増と比較いたしまして、プラス・マイナス滅が多いか増が多いかということで補償をいたしております。
#51
○田中一君 それは了解しますが、例えば自分の所には煙突なんか要らないというやつも庭に大きな煙突を立てられた。これはあなたのほうでおつしやる価値増なんですね。ところが自分のほうではそういう物は使わないのだ、煖房なんかあつても維持費がないから困るのだ、価値増であつても元の持主はそれは困るのだという場合に価値増と見るか、或いは撤去して原形を復旧して返すか、そういう点はどういう御見解ですか。
#52
○政府委員(長岡伊八君) 実例を申上げましたほうが一番早わかりがするかと思いますが、実はホテルが解除になりまして、これに対する補償をいたしますときに、接收いたしますと同時に軍は山の上から引いておりました水の管を大きなものに付け換えたのであります。百姓のほうに行つておりました水をとめてしまいまして、ホテルの設備を拡大いたしまして、その水を全部引くことにいたしました。ところが、これが解除になりまして、只今お話の通りに客観的に見ますと、大きな管を付けたのでありますから価値増でございます。ところがホテルのほうから申しますと、そのような大きな管を付けてもらう必要は毛頭ないのだと、解除になつたら百姓のほうにも水を分けなければならんし、而もこの管が水が一ぱい通らん関係上却つて迷惑至極なんだと、管は余計いたむ、いたんだときに修理するのに小さいパイプを持つて行つたのでは修理できないから、これは価値増と見ることが無理だと、こういう主張が出て参ります。かような場合には実は価値増と見ておりません。よく話の出ます五右衛門風呂をバスにいたしますと、まさに価値増であります。併し住む人はこれでは困ると、こういうものは個々のケースにつきまして見ないとはつきりいたしたことは申上げられませんが、余り嚴格な価値増だということの言えん場合が生じて来るかと思います。この点につきましては、あとで会計検査院その他から相当やかましいお叱りを受けるような問題が起きねばいいがと考えておりますが、補償いたしますにつきましては、従来非常な御迷惑をかけたという点も考慮に入れまして、成るべく損害を與えないようにという心掛けでやらしております。
#53
○田中一君 原形復旧を要求された場合には、それを控除いたしますか。それともそれは補償金で金銭支払をするか。どういう御処置をとりますか。
#54
○政府委員(長岡伊八君) 只今では金銭補償をいたしております。
#55
○赤木正雄君 ちよつとお伺いしたいのですが、佐世保その他の農地を進駐軍のほうで大分再接收と申しますか、今後の軍事関係から取りつつある、こういうことを聞いておりますが、行政協定の結果、又これに関連するいろいろな決めができましたら、今進駐軍のそういうふうに接收しておるものを或いは返すべき段階に進むだろうと、こういうことも又一面から岡崎国務大臣などから聞いておるのですが、これに対する御意見はどうなんですか。
#56
○政府委員(長岡伊八君) 佐世保の問題につきましては、先ほど請願もございましたような次第でございまして、今後の合同委員会にかけまして、十分審議して措置いたしたいと、こういうふうに考えておりますが、実際問題といたしましては、従来の接收は進駐軍に提供いたしたものでございまするから、一応ここで観念的には打切られる関係でございますけれども、実際問題といたしまして、続けて使われるものが出て来ることは想像をいたしておりますが、これに対する措置と申しますか、補償の問題につきましては、先刻も申上げました通りに、関係省とも十分協議いたしまして、成るべく御損をかけないように措置いたしたいと考えております。
#57
○赤木正雄君 佐世保の問題はわかりましたが、その他農耕地に関してやはり同じような処置を現在とりつつあるということを聞いております。これも合同委員会の結果、或いは向うの専用に帰さないで当然返還されるべきものがありやせんかと、合同委員会が起ればその際に又今申す通りに議せられる。併し、合同委員会が起る前に今ほうぼうを接收しておいたほうが将来の合同委員会で議する場合にも都合がよいというような観点から農地その他を接収しておる、こういう事実があるかないかを承わりたい。
#58
○政府委員(根道廣吉君) 只今おつしやいました事例は直接には感じておりません。全般的な問題といたしまして、接收されておるものに、政府所有であり、個人所有であり、いろいろありますが、それらのものにつきまして、今後駐留軍として引続いて使用するかどうかということにつきましては、いろいろの種類別に分けまして、それぞれ検討をし始めたばかりでございます。勿論これにつきましては、米軍側からどういうものが今後続けて使いたいのだということの向うの要望をこちらが見なければなりません。まだその段階に至つておりませんが、申すまでもなくこれが示されることに相成ると考えております。それを一つ一つ今の予備作業班において審査いたしまして、日本としてどの程度困るかということを合同委員会が正式にできますまでに準備を整えて、そうしてそれはできるだけ早く返すことを決定すると、こういうような心構えで今動いておるわけであります。
#59
○赤木正雄君 そういたしますと、現在の進駐軍、後に駐留軍になりますが、現在の進駐軍が駐留軍になつた場合に、すべての役に立つために、そういう方面だけでこういう土地、こういう家屋を使いたい、それらの点を向うが調査をしてみまして、その結果を合同委員会にかけて、日本政府がこれでは困ると言つた場合に、その結果が左右されるのか。日本政府としては全然これに関係しないで、現在の段階では進駐軍が一方的にこれを調査しておるのですか。
#60
○政府委員(根道廣吉君) 只今のお話は、何分にも駐留軍として必要であるという程度がわかりませんければ、無駄なものをこちらとして出すわけに行きません。向うとしていろいろな必要な諸條件があることと思いますので、そういうことについて向うが、どこが要るんだ、どこも要らなければ出す必要もないのであります。それをまあ全部に亘つて一緒に調べるということであります。又日本側といたしましても私有財産などでありますなら、不動産などでありまするならば、一々返還の解除申請が出ております。そういうものは皆個々に出ておるから、これは使うと言つても考え直せというようなことは個々に出ておるわけであります。又国有のものにいたしましても、港湾施設、或いはそれに属する施設というようなものは向うがこれを使つておる。日本側としてはこういうものきるだけ返してくれということは勿論申しておるわけであります。併しながら現実の具体的問題として、向うとしてどう言うのかということがわからなければ、それに関して持殊な具体的の議論はできかねる。これは私たちなどは向うから早く本当にどうしても要るんだというものを渡してもらつて、速かに入手してみなければ我がほうとして意見は言えないのではないかと、特庁の立場からはそう言つておるわけであります。
#61
○赤木正雄君 もう一言、今まで進駐いたしたために家屋、或いはいろいろの土地を向うは使つておりますが、今まで使つていた以上の土地を向うで調査しているものがあるかないか。
#62
○政府委員(長岡伊八君) 先ほどもちよつと触れましたが、行政協定のできます前に、従来のやり方によりまして接收されるのではないかと思う事件はあつたのでございます。と申しますのは、先ほど話の出ました佐世保の問題にいたしましても、軍のほうでその土地の状況なり所有者の関係とかいうものを書いて出すように要求いたして参りまして、私のほうで出したものはございますけれども、現在では従来のやり方で接收することはやめる。今後は合同委員会にかけて使うものは使うようにするということに相成つておりまするので、現在向うだけが勝手に調査しているものがあるようには考えておりません。これは詳細はわかりませんけれども、現在ではさような問題は先ずないのではないかと考えております。
#63
○赤木正雄君 もう一つ、東京都内、その他進駐している都市では大分民家を接收していますが、仮に東京都におきましても、今度は元の陸軍省が向うの本部になつてしまう。従つて立川その他に分散することに新聞にはありますが、その結果は新聞ではまあ三分の一ぐらいの住宅は返し得るとこういうふうに言つておりますが、大体そういうふうのお見込でありますか。或いは大部分の住家を日本に返す方針か。或いは返すにいたしましても向うの住宅ができるまでは返さないで、できたら返す方針か。或いはいつまでも向うが或る一部の個人住宅は持つている方針か。その点ははつきりいたしませんですか。
#64
○政府委員(長岡伊八君) 個人住宅の問題につきましては、只今までわかつておりますところでは、作業班で今後分科会のようなものを作りまして審議するように承知しております。大体向うは返す方針でいるということは明らかでございます。ただ実際問題といたしまして、引越します場所ができませんと引越しができないのであります。それから殊に進駐軍といたしまして接收いたしておりますけれども、その中には従来外国のミツシヨンの入つておつたようなものもあります。これらにつきましては、すでに先方で條約の発効の日までに明け渡すようにという指令も出ているように聞いております。これらの問題につきましては、今後明け渡したものにつきましては、所有者と、或いはこれまで借りて入つておりました者と個々の折衝になるのではないかと想像いたしております。
#65
○赤木正雄君 これは少し的外れの質問かと思いますが、御参考に御意見を伺いたいのであります。仮に講和ができました曉に、ソヴイエトの大使館、これは一体どういうふうな形になりますか。
#66
○政府委員(長岡伊八君) この問題は実は特調からお答えいたすのはちよつと外れます問題で、これは外務省にお聞きを願いたい問題であります。(笑声)
#67
○赤木正雄君 おわかりにならなければよろしうございます。いずれ又聞くときもあると思います。
#68
○理事(小川久義君) 本日はこれを以て散会いたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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