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1947/02/20 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第8号
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1947/02/20 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第8号

#1
第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第8号
昭和二十三年二月二十日(金曜日)
    午後二時十二分開議
 出席委員
   委員長 加藤 勘十君
   理事 梶川 靜雄君 理事 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 辻  寛一君
   理事 荊木 一久君 理事 小松 勇次君
   理事 中野 四郎君
      池谷 信一君    佐竹 新市君
      山中日露史君    平島 良一君
      益谷 秀次君    明禮輝三郎君
      村上  勇君    伊藤 恭一君
      橋本 金一君    矢野 政男君
      野本 品吉君    田中 健吉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 不当財産取引調査に関する件
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 本日は前回の委員会の決議に基いて、不当財産取引に関する証言のために、証人として辻嘉六君の出頭を求めていたのでありますが、同君より病氣のため出頭ができないとの医師の診断書を添えて申出がありました。これを朗読いたします。
  昭和二十三年二月二十日午後一時、貴院不当財産取引調査特別委員会に、証人として出席方お呼出を受けましたが、別紙診断書の通りの病状で出頭できませんから、この段お届け申し上げます。
  二月二十日    辻  嘉六
   加藤委員長殿
    診断書
        辻嘉六殿 七十一歳
   病名 脳出血及び糖尿病
  右症により昭和二十二年五月二日より臥床静養、その後半身知覚並びに運動障害は多少軽減せしが、心身の過労等に原因あれば再発の危險のおそれなきにあらず、加うるに数日來浮腫並びに尿量減少等心臓力低下の徴候現われ來れり。從つて談話外出等過労の原因を嚴に避くる要ありと認む。
 右診断候なり。
  昭和二十三年二月十七日
   東京慈惠会医科大学附属病院院長
    教授医学博士 加藤 義夫
 今朗読いたしましたように、辻嘉六君の出頭ができないという理由はただいまの通りでありますが、これを正当の理由と認めることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○加藤委員長 御異議なきものと認めます。從つてこれを正当の理由と認めることにいたします。
 辻嘉六君が委員会に出頭できなくなりましたことについて、同君の証言を求むる件についてお諮りいたします。方法としては委員会から委員を派遣して病床で証言を求めるか、あるいは長時間の面談が不可能でありますれば、証言を求むる事項を提示して、文書による証言を求むるか、そのいずれかであります。どういう方法を選ぶことにいたしましようか。御意見がありますれば。
#4
○鍛冶委員 臨床して聽くことが一番いいと思いますが、その診断書から見れば長時間しやべることもよろしくないというように聞えますので、臨床も不可能じやないかと思うのですが、もし不可能だとすればやむを得ないから、その次の、それもなるかならぬかしらぬが、事項を定めて氣分のいいときに家人にでも聽き取らせて書面で出させる以外に方法がないかと存じますが、いかがでしようか。
#5
○加藤委員長 ただいま鍛冶君から証言を求むる方法として、できれば臨床して証言を求むることがいいと思うが、長時間の談話ができないとすれば、第二の証言を求むる事項として文書の回答を求める、方法をとる以外になかろう、こういう御意見でありますが、ほかに御意見はございませんか。
#6
○池谷委員 文書による証言だけでは不十分だと思いますから、一應文書による証言を求めて、不十分、不明確な点については、短かい時間でよろしいから、親しく臨床尋問をすべきであると考えます。
#7
○中野(四)委員 私は池谷君の発議には反対いたします。なぜかなれば、いやしくも國会の委員会ともあるものが、相手が相当なる大官とかなんとかいうならとにかくも、天下の一素浪人の所へわれわれ委員会が臨床尋問に行かなければならぬという理由は成り立たない。少くとも文書で明確に問ひ合せ、それによつて答弁を求めることが最も正しい方法であり、さらに本件に関しては裁判所の記録を檢察当局より筆写してきておるのでありますから、これによつて十分盡せると思う。問合せの内容もわからずに、委員会が個人のもとに臨床尋問に行くことに対しては、いわゆる委員会の権威にかけても、あるいは今後のいろいろの調査等に関しましても、私は好ましいことではないと思いますから、私はこの点には反対をいたします。
#8
○梶川委員 私はただいまの中野君の言は非常に納得できないと思います。昨日も調書のあらかたを調べましたように、調書によつてすでに問うべき点はある程度明確になつておるのでありますが、書面その他では十分に盡せないから臨床尋問もやむを得ないという段階に來ておるのでありまして、ただ國会の権威に云々というようなことであるならば、これは反対せざるを得ない。なぜかならば、國会はその権威に基いて事の眞相を明確に把握しなければ、その場合こそ國会の権威にかかわる。從つて國会自体がこれらの問題については最も明確に詳細に承知する必要があると思います。從つて國会が小委員会なり、あるいはその他の方法によつて臨床尋問をすることは、何ら國会の権威にかかわるものではなく、むしろその成果によつては國会の権威を高めるものであると思うのであります。從つて本問題につきましては池谷君の意見にまつたく同感をし、これを採用せられるように切望するものであります。
#9
○荊木委員 臨床尋問というのは、何も國会だけが珍しいことをやるのではなく、裁判所もやつておるのでありまして、何らふしぎはないのであります。ただ臨床尋問をするにはどうしても出て來られぬ、しかも相当長期にわたるという事情がなければできぬのでありまして、決して軽々しいものではないのであります。必要やむを得ざる場合においては、何ら國会の権威に障るものではないと思います。私仄俣するところによると、昨日辻さんはざこかに出ておつたとかいうことであります。それに用があつたらこつちに出て來いということでは私は賛成できません。いま一應委員長から眞相を確かめられて、本人が相当長期にわたつて出られぬというならば、臨床尋問はやむを得ないと思います。
#10
○中野(四)委員 あまり党派感情は拔いて話をした方がいいと思うのだが、これはもし臨床尋問がよろしいというならば、水あめ事件のときにおいても当然岩崎新太郎をわれわれはもつと深刻に調べなければならぬ過程のときに、なぜ代理をもつて認めたり、ないしは当時反対されたかということを私はふしぎに思う。特にその調書のどこを調べるかという観点も明確にならず、單的に言えば、裁判所の記録に基いて相当明確になつておるはずである。さらに今後の委員会においてその聽くところが明確にならざる場合においてのみ文書でこれを問い合わせ、足らざるときにおいてのみまた考えるという点はありますが、頭から臨床尋問などという言葉を使つて委員会が出かけて行くということは警察根性をそのまま出したもので、決してこれは当委員会のとらざるところだと思つております。あまりくだらないやり方はせぬ方がいいと私は考えております。
#11
○梶川委員 くだらないやり方と言われますが、私はこれには絶対反対であります。大体記録によつて明らかであると言われますけれども、裁判所の記録というものは、いわゆる犯罪構成の面からの調査であり、われわれのやるべきことは裁判所がやつた以外の、その周辺におけるものを中心として調査を進めることであります。從つて記録によつて明確にされたところは、ただ中曽根事件に関する犯罪事件の面だけであり、辻嘉六氏をめぐる政界淨化の方面、言いかえればこれらの点に関する不当財産取引調査という面については何ら明確にされていない。それは昨日の委員会の打合会においても明瞭に見られた通りでありまして、ただいまの中野君の言は、中野君は昨日の委員会に欠席しておられたからそう言われるのだと思うけれども……(中野委員、「出席しておつた、不礼なことを言うな」と呼ぶ)それならばより以上にわかるはずであると私は思うのであります。
 さらにまた昨年の水あめ事件の例をとられますけれども、昨年の水あめ事件は隠退藏物資の委員会における問題であり、あの隠退藏物資の委員会における調査の方法がまずかつたがゆえに、本委員会ができたのでありまして、水あめ事件を取扱つた隠退藏物資委員会のやり方が不当であつたから、今度の場合にもやるべきじやないというような論は、まつたく成り立たないと思うのであります。從つて私は中野君の言われる主張に対しては全然納得しかねるものでありまして、池谷君の言にあくまで賛成するものであります。
#12
○田中(健)委員 先ほど正当の理由と認めるということになつて委員長が一應診断書並びに届出書を読み上げられたので、私も正当の理由と認めることに賛成をしたものでございます。しかるにその後になつて昨日どこかに出て歩いているということを聞き及んでは、一應そこも確める必要がある。私は先般別のことであるけれども、辻氏の所に行つたことがあります。祕書の下沢という者が私の同郷の者でございますが、確かに病氣であると言つておりましたが、その後出て歩いておるということであれば、この点は確かめなければならぬ。われわれも隨分裁判所なり檢事局へ呼ばれて行つたことがあるけれども、しかし事柄次第によつては臨床尋問ということはあり得ることであり、また臨床で証言をとられるということもあり得ることであつて、どつちがどうという軍配の上げようは今はないけれども、昨日出て歩いておるということであれば、その診断書はきわめて疑わしいものであるから、その点は一應調べてみなければならぬと思います。
#13
○加藤委員長 それでは皆樣からこの点についての御意見が出ましたが、私は昨日午前実は辻嘉六氏を訪問しました。そうしてできるならば出てもらいたいということを言つたのですが、私の聞きまた見たところでは、とうてい出られる状態ではないのでありまして、それでもなお辻氏自身は健康が許すならば出たい、こう言うておられるのですが、とうてい健康状態は許さない。だから何も命がけで証言に出てもらうというほど強く求めるのでない。出てほしいとは思うけれども、出られぬものをむりにとは言わない。それでもなお医者と相談をして、出られるならば何とか出られるようにしてもらいたい。こう言つてきたわけでありますが、今日祕書の下沢君がおいでになりまして、今読み上げた診断書をおもちになつたわけであります。そこでいろいろ御意見が出ましたが、私の判断に從いますると、私が昨日見ました裁判所からとつた檢事の聽取書はただ單に参考にするに過ぎないのでありまして、それを土台として調べるのではないのであります。それはあくまでも参考書の程度で、委員会は委員会独自の立場においてさまざまな調査をするのでありまするから、そういう点からいつて、まず病床でどうしても長時間の談話のむつかしいことは、今荊木君はあとからおいでになりまして、診断書を読むのをお聞きになりませんでしたけれども、診断書からいつて、とうていそういうことには耐えぬということが書いてあるわけであります。また玄関にも五分間以上の面談はむつかしい、やめてくれという張紙がしてあるような状態でありまして、從つて今日すぐに臨床して尋ねても五分間や十分間の会見では、とうてい意を盡すこと不可能と思いますから、この委員会において証言を求むる事項を決定して、その事項を書面によつて通達して、書面の回を答、これもできれば早い方がいいのですが、病床の関係でそういつ何日と切るわけにもかぬと思うけけれども、大体の見当を定めて、その見当の範囲内で書面の回答を求めて、その書面の回答を見た上で書面の証言を審査して、なお聽きたいというところがあつたそのとき、健康が許されるならば來てももらえるであろう。また坐つておつて会話ができる程度ならば、こつちらから行くということもできると思いますから、とにかく第一段としては質問事項を決定して、その質問事項に対する証言を文書によつて求める、こういうように取計らたいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○加藤委員長 それではただいまのように決定いたします。つきましては質問事項としてどういう事項を求めるかを協議しなければならぬと思いますが、これはどういう方法によりますか。
#15
○鍛冶委員 これはやはり理事会にでも任してもらつて、明日でも早速理事会を開いて、そこで決定する以外にないんじやないかと思います。
#16
○加藤委員長 ただいま鍛冶委員から、証言を求むる質問事項は理事会に一任していただいて、理事会できめて早速文書で通達する、こういう御意見でありますが、それでよろしゆうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○加藤委員長 それではそのように取計らいます。
    ―――――――――――――
#18
○加藤委員長 今日は実は辻氏に出頭してもらえば相当時間を要すると思つておりましたが、辻氏が以上の理由で出頭されませんので、この機会に私の方から皆樣の御承認を得たいことがあります。それは、事務局の構成については先般來しばしば御報告申し上げておりますように非常に急いでおるわけであります。本日前に内務省調査部の第一課長をしておられ、現在弁護士をやつておられます長谷川勉君を事務局長に嘱託したいということで承認を得たわけであります。この点をひとつ皆さんから御承認を得たいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○中野(四)委員 この際委員長にちよつと御相談したいのですけれども、先ほど私語の中にお話申し上げた國会の隠退藏物資等に関する委員会でもそうでありましたが、さらに不当財産取引調査特別委員会ができてからというものは、全國の心を同じゆうする人たちからいろいろな情報が委員長あてに参ると思います。さらに各委員の手もとにも参つております。ただいまでもここに一通参つております。これらを取扱う方法として、相当委員長の御考慮の結果、先ほど來承れば、隠退藏物資の委員会のときに小委員会を設けられて、その処置を一任されておつたと聞いております。私まことに申訳ないことでありましたが、その後その小委員会が開かれておりませんので、私にもその責任のあることはよく痛感しておりますが、從つてこの不当財産の委員会がここに設置されまして、同じような観点に立つて情報が参りまする場合に、やはり小委員会を別につくつて、適当にこれを処理することが大事な問題であろうと思うのであります。この裏づけとして申し上げなければならないことは、ややもするとせつかく熱意をもつて摘発の情報を寄せたにもかかわらず、それがいろいろな煩瑣の関係からか、あるいは事務多忙の結果からか、あるいは事務の不備等からかしれませんが、とにかく情報者の熱意をば阻害するような感が深いのであります。從つてこの小委員会をつくられて、適当にそれの裁きをつけたならば、情報提供者に対してそれぞれの答弁をしてやることが必要であります。もちろん中には怪しげなものもありましようが、中にはまた横浜の文壽堂のごとく、情報者の言より以上に相当数の隠匿物資が出てくるというような事態もあるのでありまするから、この点は委員長はひとつ今日の委員会で御相談を願つて、小委員ができたならば、ただちにその小委員が活動のでき得るように、お計らいを願いたいと思います。御相談をお願い申し上げたいと思います。
#20
○加藤委員長 よくわかりました。ごもつともな御考慮でありますが、今度は前の隠退藏物資委員会とは違いまして、事務局ができまして、今御紹介した長谷川君に事務局長を担任してもらつて、その他弁護士、計理士、新聞記者など、そうした経驗をもつた人々によつて調査員というものができて、これらの人によつて事務局が構成されるわけなんです。この事務局は情報が提供されたら、情報について探求していきまして、今度はこの事務局が委員会の決定に基いて、どこにでも行つて帳簿等の書類の査閲をする権能をもつておるわけであります。從つて今までの過去の隠退藏物資委員会でやり得なかつたことが、今度は十分にできます。委員会としては委員が直接そういう活動に当る場合もあるし、委員が活動に当らなくても、事務局で全部活動して、その集計されたものが委員に報告される。実は先般も兵器処理委員会の方で六名の兵器処理委員が指名されておりますが、まだこの委員会が開かれていないわけなんです。これも私は昨日も小委員の諸君に、できるだけ早く小委員会を開いて、小委員長をきめてほしい。その上でたくさん情報も――この兵器処理に関する情報が今度は多いものですから、私の方では一々、表に直接檢察廳をして調べさせるものと、それから兵器処理委員会において調べるものと区別して、しるしをつけておるわけです。事務局ができますればすぐに事務局に全部まわして、今までのようなことがなく、今度は一つの権限をもつて処理することができるようになつておりますから、もし皆さんの所へそういう情報が來ましたならば、今度は事務局で全部完全にこれを保管し整理し、ただちに調査に着手します。檢察廳と協力すべきものは協力するし、檢事局に調査を委嘱するものはただちに公文書で調査を委嘱します。今度はそういう権限がありますので……。
#21
○中野(四)委員 その場合隠退物資委員会からの情報が引継がれることは当然だろうと思います。当時の情報はもう全部ふいであつて、新しく來た情報を取上げるというような観点に立ちますと、これも情報提供者の熱意を相当阻害するものと思います。從つていま一つ私の申し上げたいことは、この事務局において各それぞれの担当者がこの書類を整理されるにあたりまして、余ほど委員会の嚴重なる監督のもとに運用せられざる限りにおいては、万々が一にもせつかく出た情報をば、さらに他の者が流用してそれを惡用するというようなことの起ることを非常におそれるのであります。まだ確たる証據物件がここにそろつておりませんから、きようは文壽堂の点についても問うことを避けまするけれども、少くとも委員長の手もとに十月に情報が出してあるというにもかかわらず、十一月の下旬にその情報と同じものをもつて、いわゆる文壽堂を恐喝に行つた者があるかのごとき言辞が弄されておるのであります。從つて私はそれが事実でないことを心から期待しておりまするが、もしさようなことがあるならば、これは委員会として非常な不祥事でありまするから、ぜひこの点については委員会の責任において、嚴重監督をして調査を進めていくというふうに取計らいを願いたいと思うのであります。
#22
○加藤委員長 申し上げるまでもなく、今中野君が言われた通り十分に監督をしまして、委員会の監督のもとに事務局が事務の処理に当り、そして調査にも当る、そういうことになるわけであります。
#23
○明禮委員 私忘れておりましたのですが、隠退藏物資委員会よりの派遣として私九州地方へ行きました、その報告がまだ出してないのでありますが、一月十七日から三十一日まで九州地方の隠退藏物資調査に池谷君と私が派遣されたわけであります。池谷君はいろいろの都合でおいでになれませんでしたので、私が行つて調査いたしました結果を御報告申し上げておきたいと思います。
 それは書面で提出してありまして、もう委員の方々のお手もとに行つておるはずだと思います。行きました所は長崎の三菱電機株式会社長崎製作所、同じく長崎市の三菱製鋼株式会社長崎製作所、それからやはり長崎市の三菱重工業株式会社長崎製作所、この三箇所において調査の結果保管書までとりましたものでありますが、これはその調書に載つておりまして、いろいろなものがたくさんありますが、鉄鋼類が約五千トン、價格にすると約五千万円くらいなものであろうと存じます。それで私が長崎に行きましたことについて、意見をここに述べてあるのでありますが、実は長崎では――鹿兒島でもそういう状態がありましたが、大体において縣廳はあまり努力をしてもらえませんでした。警察も場所によりますると非常に協力するのでありますが、場所によりますと、はつきり申しますが、たとえば長崎警察署のごときは非常に協力しない実情があつたのであります。なお私はあそこへ行きました際に、檢察廳に連絡をとつてみましたところ、檢察廳の檢事正の話では、私は隠退藏物資の調査の摘発を非常に嚴重にやつているのであるが、縣廳並びに警察としては一つの資料も與えてくれない、非常に遺憾であるということを述べておられました。こういうような状態でありますが、檢察廳は独自の力をもつてでき得る限り長崎の暗黒を摘発するつもりである、こういうことを明言しておられたような次第であります。あの地方は政治的に相当いろいろな事情があるように承りまして隠退藏物資が選挙等にも利用されているということを聞いてまいつた次第でありますから、長崎、鹿兒島方面は、今後とも十分にこの不当財産取引調査特別委員会におきまして御考慮を願い、將來に期せられんことを希望する次第であります。これだけ申し上げておきます。
#24
○荊木委員 事務局ができてその事務局が相当な権限をもつことになつたと言われておりますが……。
#25
○加藤委員長 いや事務局がもつのではなく、委員会がもつのです。前の隠退藏物資委員会とは比較にならない権限があるわけです。
#26
○荊木委員 それが実はわからないのです。その比較にならないということはどういうわけですか。
#27
○加藤委員長 たとえば帳簿の檢閲というようなことは前にはなかつたのですが、今度はそれがなし得るのです。
#28
○荊木委員 それはどうしてですか。
#29
○加藤委員長 それは決議の中にそういうことがあるのです。第二回國会の劈頭において、議長発議により……。
#30
○荊木委員 決議は法律には先行せぬのです。決議をすればいかなることもできるというわけにいかぬのです。たとえば先の隠退藏物資委員会でもちよつと問題になりましたが、前回の國会には本安の査察官の臨檢監査の法律を流してしまつた、流した結果というものは、現在においても安定本部の査察官は司法警察官の臨檢監査の権限はないわけであります。それで今この委員会が決議をしたからと言われましたが、その決議だけで臨檢監査ができるとか、あるいは帳簿の檢閲ができるとか言われる根拠がわからない。從つて事務局にはその権限が移つていかないわけであります。そこをどういうふうに御理解になつておりますか。先般來の委員長の発言にはどうも納得がいかないので、御説明願いたい。
#31
○加藤委員長 決議の内容にそういうことが明記してあります。國家の最高機関としての國会において決議された以上は、その決議された範囲内における権限は当然もち得る、こういう解釈をとつております。なおまた「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」の第一條に「各議院から、議案その他の審査又は國政に関する調査のため、証人として出頭又は書類の提出を求められたときは、この法律に別段の定めのある場合を除いて、何人でも、これに應じなければならない。」この條文を援用することによつて、今のお話の点は差支えないのではないかと考えております。
#32
○荊木委員 どうもそれでは私どもは納得できない。――しばらく速記を止めてくださいませんか。
#33
○加藤委員長 それでは速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#34
○加藤委員長 速記を始めてください。
#35
○田中(健)委員 この間から要求しておりました復興金融金庫の問題について、大藏省から書類が出てまいつておりますか。復金の貸出リスト、あれはいつ出ますか。
#36
○加藤委員長 それは先般一度もつて來たのです。ところがきわめて抽象的なもので、全然こちらの要求に合致しませんから、返還して、こちらの要求に合致するリストを至急に出せと、昨日も請求しました。きよう返事すると言つておりますが、今までのところまだ來ておりません。
#37
○田中(健)委員 次に先般の委員会において片山総理大臣から地方官廳、中央官廳が委員会の調査の場合において拒まないということについて、何か通牒のようなものを出すことになつておつたが、それは出ておりますか。
#38
○加藤委員長 それはまだ聞いておりませんから政府に尋ねましよう。
#39
○田中(健)委員 それだけです。
#40
○加藤委員長 ほかに御意見はございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○加藤委員長 それでは委員会はこれで散会いたします。
    午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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