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1951/04/17 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第24号
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1951/04/17 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第24号

#1
第013回国会 建設委員会 第24号
昭和二十七年四月十七日(木曜日)
   午前十一時三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     廣瀬與兵衞君
   理事
           赤木 正雄君
           田中  一君
   委員
           石川 榮一君
           楠瀬 常猪君
           深水 六郎君
           前田  穰君
           松浦 定義君
           東   隆君
  政府委員
   建設省道路局長 菊池  明君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       武井  篤君
   常任委員会專門
   員       菊池 璋三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○道路整備特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。
#3
○前田穰君 いろいろお伺いしたいことがあるのですが、先ず以てあらかじめ伺つておきたいと思いますのは、この前の合同委員会のときに、いわゆる彈丸道路はこの法律でやらないのだという御答弁がありましたが、それはどういうふうなお考えなんでしようか。これは一般の人馬も通行する道路であるし、彈丸道路は自動車專用を予想しておられるというような意味で、これでやらないのですか。こういう御趣旨なのでしようか。
#4
○政府委員(菊池明君) この法律では道路法による道路についてでございますので、東京・神戸間のごときは、これは純然たる自動車の專用道路になりますから、あの程度のものであれば別個の法律を御承知願えれば……。
#5
○前田穰君 そうしますと、別個の法律という意味は、現在の道路運送法の国の経営する自動車道という何條でしたか條文がございましたが、あれでおやりになるお考えなんですか。
#6
○政府委員(菊池明君) その問題につきましてはまだそこまで考えておりません。
#7
○前田穰君 それではこの前のやはり合同委員会のときに、小野委員から交通政策ということについて質問がありまして、建設大臣からも道路局長からも御答弁があつたのですが、私はその御答弁は何だかこう上つ面を撫でられたような御答弁のような感じがするのであります。もう少し具体的に一般の交通政策という点について御意見を伺いたいと思うのであります。申すまでもなく、道路とそれから例えば鉄道といつたようなものは昔から非常に運送機関としての機能が違つておると言われて来たのでありますが、だんだん自動車が発達し、道路が発達して行くに従つてこの鉄道と道路による自動車運送というものの特異性というものがだんだん近づいて来るというような傾向を持つておると思うのであります。アメリカのごときはもうすでに二、三十年前から道路運送と鉄道との競争ということで、鉄道をどんどんひつぺがして行くというようなことが始つておる。日本でもそういう例が若干あるわけであります。従つてこの道路の交通上果す機能というものと鉄道の交通上果す機能というものは、或る場合に競走にもなれば、或る場合にはそれがお互いに相待つて日本の交通を円滑にして行くというふうに行かなければならんと思うのであります。今日までのどうも実情を我々が一般国民として見ておりまして、必ずしもこの鉄道と道路というものとが一体をなして有機的に日本の交通を司つておるというふうに安心することのできないような感じがしておるのです。殊に道路整備特別措置法案なるものは無論一般の交通を目指しておられるのでありまするけれども、然る点は自動車輸送に対する必要に当面迫られるというような趣旨で立案されたものだろうと思うのでありますが、一層この鉄道との関係、これが密接に行かなければならないものでないか。直接本法案の関係ではないけれども、彈丸道路のごときは更にその必要が大きくなつて来るというようなことで、将来の日本の道路政策というものは鉄道とにらみ合せて行くことが必要だろうと思うのであります。この問題は建設省の当局に向つてお尋ねをするだけではうまく行かんのであります。運輸省の当局に対してもいろんな機会に御意見を伺いたいと、かように考えておるわけでありますが、先ず以て本法案が出ました機会でありますので、建設省の当局の御意見を伺いたいと思うのであります。殊にこの道路は今交通の三要素と称せられる通路を担当しておるわけであります。交通はその上に更に動力と運送部というものが必要であります。その二つは自動車がその主たるものであつて、運輸省がこれを監督しておる。こういう関係になつて交通の三要素の一つを建設省、二つを運輸省が持つておられるということでありますから、一層この交通政策の完備を期する上においては、建設省と運輸省とがもつと密接な連絡をとつて相寄り相助けて行かなければならんと思うのでありますが、どうも只今の御説明は、いやもうできる限り連絡をとつたんだとか何とか、そういつたような非常に漠然たるお話で、私としては必ずしも満足できなかつたのでありますが、そういうことについてどういうふうなお考えを持つておられるか、将来どういうふうにやつて行かれるかということについて、御見解を伺いたいのであります。
#8
○政府委員(菊池明君) 道路政策、或いは交通政策ということでございまするが、勿論無関係といいますか、そう没交渉でやつておるわけではございません。元来道路網は、道路法ができましてから国道、県道という名前をつけまして、もう完成した形でもつて描き上げて参つておりますので、それらの道路は殆んど昔からこれはあつた道路であります。御承知のように私から申上げるまでもなく、鉄道の発達がその間先行しまして、在来ありました道路のところへ鉄道が発達して参つたわけであります。今日の状況では自動車が又著しく発達して参りまして、その自動車が走りたい道も、路線はあるが走れないというものが現状としてあるわけです。そこで道路のどの部分を改良して行くかという問題になりますと、我々はもう殆んどその個所を撰択するに困るくらい惡い所が多いのであります。どこからでも手を付ければそれだけ有効になるというふうに、これはあらゆる場合とは申しませんが、必要なものであつて、なお隘路がたくさんあるわけです。道路政策と申しましても、とにかく通れるように早くしようということが只今先決になつておりまして、鉄道の関連、或いは競争線というような問題についてはそれほど問題になることはあるまいかと思うのであります。特にこの法案で考えておりまするものは、只今申しましたように、道路法による道路をやるんでございまして、鉄道との競争線とかいうようなものはあり得ない。大体現在ある道路をよくして行こうというのでございますから、競争ということはあり得ない。むしろ鉄道の培養線としての道路が発達して行くような恰好になつて鉄道関係には有利になるのではないかというふうに思うのであります。今後どこにそういう有料道路を作るかという場合に、運輸関係との連絡でありまするが、それも恐らく鉄道よりも自動車関係の監督をしておられるほうが関係が多かろうと思いますが、よく連絡をとつてやるつもりでございます。
#9
○前田穰君 只今の御答弁の中に、道路の新設と言つたつて、それは従来からある道路を拡げる、若くは改良するに過ぎないんで、新しく作るのではないのだ、こういう御答弁でありました。これは一昨日かも建設大臣も同じようなことを言つておられたのでありますが、それは形式的に申せば、そういうことだと思うのであります。併しながら従来あつた道路と、それからこれから恐らくは本法によつて開通せられるという道路とは、名前は道路であるけれども、経済上の機能においてはもう殆んど異つた性質を持つと言つても大して過言でないような格段の相違あるものをお作りになることだろうと思うのでありますが、従つて、形式的には改築だと言われたつて、私は実質的には新築に等としいのだと、こう言わなければならぬと思うのでありますが、そして、無論それは鉄道のある所へ道路を敷く、道路の立派な所へ鉄道を架けると、これは一本よりは二本のほうがベターであることは間違いないけれども、日本のような今の、終戰後の窮迫せる時代には、成るべく交通機関といえども能率を挙げて、成るべく少い費用で交通の円滑を図つて行くということが必要であろうと思うのでありますが、道路のレベルが従来低いのだから、とにかくそれを鉄道と無関係に上げるんだと、こういつたような感じを起させることではどうかと思うのでありますが、今建設省の当局に向つてるんでそういうことを申しますが、私は鉄道新線建設審議会の場合には、これと逆のことを運輸当局にお尋ねしたいと、こう思つておるわけなんであります。
 次に、アメリカの賃取り道路の状況をいろいろ資料を頂きまして拜見しておるのでありますが、あのアメリカの賃取り道路の実例として取上げられておりますものは、むしろ主として日本の自動車道に該当するものがまさに多分に含まつておるのではないか。そして、名前を見ておりますと、純粋の遊覧道路が非常に中に含まつているようにも考えられる。例えばぺンシルバニア・ターンパイク或いはメーンのトール・ロードとかいう実例がありまして、これはやや詳しく載つておりますが、あの実績を捕捉するのには、まだ資料としては私は足りないように思うので、よくわからないのでありますが、併しながら、中に書いてありまするいろいろアメリカの各界における論議の模様を見ておりましても、道路が重複する、資本が二重投資になる虞れがあるのではないかという議論に対して、一方ではこれは一本で足りないから二本かけるのであつて、決して二重投資にはならないのだといつたような議論が書いてあるようであります。日本では無論それと同じような問題も起り得ますが、殊にそういつたようなことが鉄道との間において議論が起り得るわけじやないかと、かように考えますので、單に従来あつた道路を拡げるに過ぎないのだからという御意見は、先ず私が最初に申上げた形式的に片付けられるものではないと、かように思うのでありますが、如何でございましようか。
#10
○政府委員(菊池明君) 御尤もな御意見でありますが、私の信じますところでは、只今の実は專用道路につきましては、そういう自動車の專用道路につきましては、そういう議論が成立つものと思うのでありますけれども、道路法で言つておりまする道路につきましては、必ずしもそうではないんではないかと思うのでございます。やはり現在道路としてもうすでに使われており、或る程度は自動車も通つておるというものを改良して行こう、橋がないとか、トンネルがないとかいうのはこれは別でありまするが、道路につきましては現在幾らかは通つておるが、これを拡げてもう少し円滑にして行くということが趣旨なんでありますから、現在の我々の気持としては、この法案に盛つておりまする道路は、現在必要であるというルートについてやろうというのが主たる目的になつております。観光道路等でこの中で全然ない所に路線を認定いたしましてやる場合も今後はあるかと思いますが、そのほかには專用道路のものをわざわざ道路にいたしまして、この法律によつてやつて行こうというものはないと思います。
#11
○前田穰君 必ずしも私今の御答弁に満足しませんけれども、それから先は大分見解の相違になる点も多々あるように思いますので、その問題は一応ここで打切りまして、更にその次にお伺いしたいこの一般的の事柄といたしまして、使用料から得た收入によつて一定の期間内に道路を新設並びにその保存、それからの費用、利子等を支弁して行くということが本法の狙いの一つであるようでありますが、それが果してどういう成算をもつておられるかということについてお伺いいたしたいのでありますが、その先ず一項目といたしまして、この道路整備特別措置法を設けられる趣旨がその道路の新設費、若しくはその開設費を捻出したいということが最も直接な精神のように伺つておるのでありますが、そうすると、一昨日の御答弁の中に修繕費はその使用料の中から出すのだと、こういう御意見があつたようであります。又私もそれは本法を通覧してそういうふうに読める、即ち修繕費を補助することができるということがどこかにありますので、従つてこれは修繕費はやはりその使用料の中から支弁するのだということの御趣旨のように思うのでありますが、新築、改築の費用の捻出を円滑にするためにという御趣旨だというと、元来道路の整備ということが国家もしくは自治体の国民に対する義務だと言つてもいいような考えからいたしますると、少し当初の目的を逸脱しておるようにも考えられる。少しでもこの使用料の徴收の必要を少くするような考え方をすべきだというふうな気持を持つておりますために、先ず以てそのことをお伺いしたいと思うのであります。そしてこの道路法のほうから行きましても、国道の修繕費というものに対して補助をするという途があるように記憶いたしております。その道路法の補助と、この本法に書いてある補助と、この二つは重複してやられるものか或いは道路法のこの補助はやらないのだ、ただ本法だけによつてやるのかという点も併せて伺つてみたいと、かように考えております。
#12
○政府委員(菊池明君) 維持修繕費をこの料金の中から取るかというと、それはその料金をとつておる間、つまり償還期間中はやはりその料金で以て償還して参りますから、まあ府県の事業の場合はその中から、又現にこの維持は府県がやるわけでありまするから、県のほうにそれを又返してやるという恰好で、この金を以て維持修繕をして行くという建前なんです。従つて他の会計から、普通の予算から、公共事業費等からはその間は補助はいたしません。
#13
○前田穰君 次にお伺いしたいのは、この自動車から使用料を取る、まあ例外の場合はありますが、大体において人馬からは取らないのだ、こういうことでありますならば、この道路の中で自動車の專ら通るところに当てる部分だけについてこの償還を要する金を使い、そうして人馬等の通行に当てる部分に対しては国費なり或いは地方費なりで充てるということが、まあ一応公平というようなふうにも考えられまするし、又最小限度のこの有賃の手段を止むを得ずとるのだという趣旨にも叶うようにも思いまするし、又地方においても或いは軌道の敷設等のために道路を新設の際に広くとる場合には、その割合に応じてその軌道の経営者から道路費を負担させておるといつたような実例もあるわけで、従来そういう考え方がなかつたわけではないのでありますから、今申上げた通行料を取らないものの通る專用の部分は一般国費その他でお出しになるというようなお考えはありませんですか。
#14
○政府委員(菊池明君) 歩行者のみの通る場合を有料でという意味ですか。
#15
○前田穰君 私が申上げた趣旨は、一本の道路を作る、そうすると当然近代的な道路であるから自動車の專ら通る何と言いますか……のが真中にある。それからその外側に軽車両とか或いは馬が通る。その隣りに人道がある、こういうことになると思うのであります。そうすると自動車だけから使用料を徴收する。即ち自動車の通る分は自動車の負担において新設する。これは一応肯けるかも知れないのでありますが、その外側にある車道、人道まで自動車で負担させるのか、これは国費でおやりになつたらどうか、こういう意味であります。
#16
○政府委員(菊池明君) わかりました。実は賃を取りまする賃額及び交通料なんかの算定をいたします際に、その大体基準のあれは、方針はきまりますが、どのくらいにするかというようなことにつきましては、その場所々々で非常に條件が違うわけであります。若しそういう広い道路をやりますような場合には、又貸取りの有料によつて償還して行くという部分を路面の中で或る程度限定しまして、そのほかは他の公共事業費を加えてやるというようなことも考え得ると思いますが……。
#17
○前田穰君 もう一つ今いつた採算の問題について根本的のことをお伺いしたいのですが、一体どのくらいの使用料を取り、何年くらいの期限でやつて行けるのか、こういうことについてむしろ個々の道路について違うのでありますから、具体的に非常に細かく伺うことは無論できないことはよく承知いたしておりますが、およその見当としてどのくらいのキロ当り使用料を取つて、そうして三十年乃至五十年くらいの間にはどういうふうになるだろうかといつたような、大体のお見通しがあればそれを伺つてもよろしいし、私今日ちよつと頂いたのを忘れて来たので甚だ遺憾でありますが、大きい紙で具体的に書いてあつたのがありますが、あれが個々のものに対する具体的なものなんでしようか。そういつた採算関係のことを一つ詳しく伺いたいと思いますが……。
#18
○政府委員(菊池明君) これは仰せのように、長い道路の場合と、それからトンネル、橋梁、これはもう全然違うわけであります。道路につきまして、幅を広げまして、鋪装をいたしましたような場合には大体我々の計算したところでは、受ける利益の半額以下というふうな点でとつて見ますと、キロ当り五円くらいは高過ぎないとまあ思うのであります。その辺が普通の道路の場合の賃であります。それから橋梁、トンネル等につきましては、現在におきまして或いは迂廻路の関係とか、それからもう一つはそこにかかります工事費の高によりましてきまつて参りますので、これは橋梁が長いから幾らとか、トンネルが長いから幾らというよりも、そういう客観的な情勢からむしろきまつて来る場合が非常に多いのでありまして、もう一つは我々としましては、むしろ取り易い程度に安くいたしまして、大いに利用して頂くということにいたしたいと思います。それから償還年限でありまするが、我々としては四十年くらいはいいと思うのでありまするが、これはやはり金を借りることなんでありまして、貸すほうではやはり十五年とか二十年とか、余り長いのは困るという御意見があるのは尤もな話であります。只今とつておりまするのは大体二十年を超えないようにやつております。それからその表にありまするのは、これはまだ検討は十分じやございませんので、三年で返すとか、五年で返すとかいうのは、もう少し安くして長くしたいと思つております。
#19
○前田穰君 單価は自動車の運転費の節約によつてまあ大体五円見当だろうというお話で、非常に計算はむずかしいと思うのでありますけれども、頗る大ずかみな考え方で、私も五円というお考えならば、成るべくそういうこともやるがよかろうと思つておるのでありますが、結局自動車の通行の数量ということが問題の中心だと思うのであります。ここにいろいろ計算が出ておるようでありまして、これの予想を立てられた基礎を伺うということもいいことかも知れませんが、余りに個々の具体的に細かい問題に入りますのでどうかと思いますが、今日日本におきまして実際に運営せられておる自動車道、一般自動車道の実績を見まして、私どもが感ずるところをこの表に当はめて考えて見ますと、何だかどうも少しこれは多いようなふうに考えられる点もありまするし、そうして中には二百五十両とか三百両というのも相当あるようであります。そういうので果してやつて行けるか、一体三百両くらい……まあ年々むしろ殖えては参りましようが、殖えてもその程度の自動車の通過を予想しておられて、それで非常に大きな金をかけて運転費がキロ当りで十円も節約できるような道路をお作りになつて、そうして果して一定の期限内に償還ができると考えるか、この点が非常に疑問に思うのであります。それで私は必ずしもできるできないということが私の本当の中心の問題ではないのであつて、できなかつた場合にどういうふうにお考えになるのか、更に期限を延ばし、その期限内に償還できなければ又延ばすということにして行くと、現在の一般の自動車道と殆んど変りないことになる、まあ交通の種類は違いますけれども、一般自動車道と同じようなことになつて、殆んど半永久的にこの公共機関という道路を賃取りにするという結果になるわけであります。だからその際におとりになる手段としては、そうやつて期限を幾らでも延ばして行くという考え方と、それから仮に六割償還ができたとすれば、その道路は四割でできたのだ、こういうふうに諦めて国家がそれを負担して回收せられるかどうか、そういつたようなつまり償還ということが将来賃取りを解除するときの判断の仕方にどういうふうな影響を及ぼす考えで今日出発せられるのか、そういうことについて伺いたいのが真意なんであります。
#20
○政府委員(菊池明君) 第一段の問題でありまするが、只今もありまする一般自動車道は、これまでありますのは主として観光地帶に多いのでありまして、観光の自動車を通すので、只今のところ日本人では観光に自動車でドライブして行くものはバス以外にはないので採算は取りにくいのじやないかと思います。西宮、宝塚のごときも府県道に切換えたような次第であります。なかなか採算は取りにくいのであります。これで取上げようと思つておりまするものは、そういうものもたまにありまするが、主として産業的に非常に重要である、現在もトラツク、バス等が非常に難儀しておる、困つておる部分でありまして、交通量も現在も多いし、将来も多くなるだろうという所を選んだものでありまして、このとりました予想の交通量もそう大きく過大であるとは思つておらないわけでありますので、ここではまあ十五年程度でありまするが、若し二十年、三十年というようなことが許されれば恐らくそれは條件によつて償還はできるものと思つております。万が一只今御心配の何年かかつてもということになりますと、これはいつまでもというわけには行きませんので、まあ我々の、只今私だけの考えでは地方費によつて公共事業的な、つまり税金のほうからの收入によつてこれを又利子を拂つて行くというような恰好にでも将来考えたらどうかというふうに只今ちよつと思つております。
#21
○前田穰君 ここのところは私は非常に重要な一つのポイントでないかと思うのであります。本法案に対するいろいろまあ仮に反対論が出るとすれば、道路の公共性を無視すると、ここに重点があるわけだろうと思うのでありますが、それが当初の採算についてのいろんな調査、輸送ということが無論人間のすることだから例外的に計算をしそこなつて、一定の期限後に回收が殆んどできなかつたということは、これはあり得ますことで、ここのところがよほど嚴重に見通しがつけ得れば、その期間内に大体において回收ができるということならば、短期間の限られたる間の負担であるから、これは道路を整備するために止むを得ないという考え方が起き得ると思いますけれども、回收できなかつたならば、幾らでも延ばして行くのだとこういうふうなことになる虞れがあれば、公共性ということに対する反対論が非常に多く出て来るのじやないかとかように考えます。従つて若しそういう場合にはどこかで国家なり或いは地方自治体なりで償還でき得なかつた部分は負担して行くのだという肚ならば、そういうことがここに法文の上に何ら明らかになつていないというと、先になつてそんなことは知らないのだということになつても困るのじやないか。だからここのところは道路の公共性ということを考えると、非常に重要なポイントになるのじやないかと思うのですが、如何でありましようか。
#22
○政府委員(菊池明君) そういうことは特に條文に挙げてございませんが、我々の今考えておりますところでは、これはこういう場合の十年とか十五年とかいうものは施設の性質から申しましても少し短か過ぎるのじやないかと思つております。それでこれはまあ財政当局の意見にもよるのでありまするが、三十年も考えればこれはもう返し得ると私は信じております。それから特にここに挙げなくとも、地方は普通であれば公共事業費で以てできるだけやるべきものを、こういうふうに起債手続を経ないでこういうような借入ができるわけでありまするから、或る程度のものは地方費でも負担してもいいわけなんでありますが、将来そういうことは返し得られなければ、それを地方費によつて負担して行くという道は開かれ得るのじやなかろうかと、こういうふうに思つております。
#23
○前田穰君 余り一人で長くなりますので、総論的なことをもう一点だけでありますので、そういうことだけお願いして本日は私はあれしたいと思いますが、それはこの三條の二号に「通常」という言葉があつて、そうしてそれが非常に意味があるのだという道路局長の先般の御説明でありますが、これはもう少し具体的に詳細に伺つておかないと、これは道路の公共性ということに非常に重大な関係がある問題だと思うのでありますが、或いはどなたかほかに御質問のかたがあれば、その御答弁は次回に譲つてもいいのでありますが、これは簡單に行かないと思いますが……。
#24
○政府委員(菊池明君) この「通常」ということは原則としてというふうな意味に御解釈を願いたいのでありまするが、公共性から申しまして、そこを通らなければならんものが有料になつてしまうということは、これは方針としてはよろしくない、面白くないというので、そういう所は成るべく省こうという趣旨で原則としてという意味が謳われたわけでありますが、どうも地方の事情を勘案いたしますと、短区間で以てそこをやれば非常に効果があるというような場合に、必ずしも迂回路がなくても、運賃を拂つてでもやつてくれという声が非常にあるわけなんであります。そういう場合も起り得るケースでありますので、そういうものが救い得るように、例外的なものも拾い上げ得るようにこの項を入れたわけであります。
#25
○前田穰君 すべての交通機関で並行路線ということは非常に解釈のむずかしい問題で、どれが並行で、どれが並行でないのだということは無論具体的な場合に非常に判断に迷うごとだろうと思うのであります。そういう意味において特にここに通常という言葉を使つてゆとりをとつたのだという御趣旨ならば、それは私は一応御尤もだと思う。これをなんと言いますか、非常な例外的の特殊な場合に活用するのだという御趣旨を正確に伺えれば結構だと思うのでありますが、何だかどうもここのところに今日この具体的の計画として案ができておりますようなものと睨み合せますと、そうでないようなふうにも解釈ができる。殊に私の例にとつて申上げたいと思うのは、京浜第二国道のごときはこの間運輸委員も言つておりましたが、現にとにかく法制的にはどうだか知らないけれども、通つておるのであります。この沿線に住んでおる人間を例にとつてみれば、今日まで無料で走つておつた道路が有料の道路になれば、翌日から必ず出入りには料金を拂わなければ道路は通れないのだ、沿線の住民はそういうことになるのであります。あの路線を営業しておつたバス、トラツクはすべてそういうことになるわけであります。まあ非常に言葉は正確でないかも知れませんが、既得権が害されることになる、こういうふうにも考えられる。それで或いは小田原熱海とか、熱海伊東とか、或いは、戸塚、こういうところをどういうふうなルートをおとりになる考えか知りませんけれども、場合によつてはこの辺の交通は全部有料でなければ通れないのだというような結果になる虞れもあるやにも思うのでありますが、通常ということは本当に例外的の、そういつた交通機関の並行というのは、判断し得べきだというようなゆとりのある場合だと解釈していいのですか、どうですか。
#26
○政府委員(菊池明君) 京浜がしばしば問題になつたのでありますが、沿道に沿つて用のある人、或いは沿道に、住んでおつてそこに車を持つておる人からは出入りに対して一々取るということは考えていないのであります。ですからあそこを通る車を一〇〇%取るというふうには計算はできません。恐らく二割、三割というものはその沿道に用件のある人であつて、そういうものは初めからパスを持たせるとか、或いは表示いたしまして、そういうことのないようにしなければならんと思います。それから通常の例外措置ということですが、勿論これは原則としてという意味でございますから、例外というふうにとつてもいいのですが、一路線の中でも重なるところと外れるところといろいろあるわけでございますから、はつきり言つてしまうともうひつかかつてどうしてもやれない部分ができて参りますので、やはり例外的にそういうものがあり得るということを一応法としては書いておいたほうが窮屈にならないという意味で、ここに挙げてあるわけでございます。
#27
○前田穰君 それでは私は一応これで総論的なことは終りたいと思います。
#28
○委員長(廣瀬與兵衞君) では本日はこれを以て閉会いたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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