くにさくロゴ
1951/04/24 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第29号
姉妹サイト
 
1951/04/24 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第29号

#1
第013回国会 建設委員会 第29号
昭和二十七年四月二十四日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
  出席者は左の通り。
   委員長     廣瀬與兵衞君
   理事
           赤木 正雄君
           田中  一君
           小川 久義君
   委員
           楠瀬 常猪君
           島津 忠彦君
           深水 六郎君
           松浦 定義君
           東   隆君
  委員外議員
          池田宇右衞門君
  政府委員
   特別調達庁長官 根道 広吉君
   特別調達庁管理
   部長      長岡 伊八君
   建設省住宅局長 師岡健四郎君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       武井  篤君
   常任委員会專門
   員       菊池 璋三君
  法制局側
   参     事
   (第一部長)  今枝 常男君
  説明員
   外務事務官
   (外務省国際協
   力局勤務)   小沢 武夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
 全保障條約第三條に基く行政協定の
 実施に伴う土地等の使用等に関する
 特別措置法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案を議題に供します。本法案につきまして御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて下さい。御質疑のおありのかたは御発言願います。
#4
○田中一君 前回の委員会の継続のことなんですが、第十二條の2のほうの中央調達不動産審議会というものの内容を御説明願いたい。
#5
○政府委員(長岡伊八君) これは不動産審議会は先般申上げましたが、中央不動産審議会と地方の各局にも別に地方審議会を設けてございます。このメンバーは関係官庁も入つておりますし、それぞれ学識経験のあるかた、民間の有力なかたに参加して頂いておる次第でございます。只今中央審議会の会長は前の長官の阿部さんにお願いしておる次第でございます。
#6
○田中一君 現在の審議会の構成員の資料をお出し願いたいと思います。
#7
○政府委員(長岡伊八君) かしこまりました。
#8
○田中一君 それから十二條の一の項ですが、「利得の納付について不服のある者は、政令で定めるところにより」、この「政令の定める」というのは何を定めるのですか。
#9
○政府委員(長岡伊八君) これは單なる手続をきめたいと、こう考えておるのでございます。
#10
○田中一君 手続をどういう工合にきめるつもりなんですか、政令でしなきやならない手続というのはこの法律には要らない手続ということなんですか。
#11
○政府委員(長岡伊八君) これはこの土地收用法のほうで申しますと、九十四條にありますような細かい申請をどういうふうに住所を書くとか、事業の種類をどうといつたような細かいこういう書類を出して頂きたい、これで規則としてここへ書き上げるようなものでないことを予想いたしておる次第でございます。
#12
○田中一君 この際ここにはつきりと土地收用法九十四條というのを適用するとか、この土地收用ということを規定したほうが明確になるのじやないかと思います。政令なんということで政令で何を作るか、今おつしやるように土地收用法に言つておるところの第九十四條を準用するということならば、第十四條の「土地收用法の適用」の中に入れれば、政令なんという行政面に無條件委託というような形のものでなく明確に指定したほうがいいんじやないかと、こう考えるのですが、如何なものでしようか。
#13
○政府委員(長岡伊八君) 実はこの政令に掲げますものは、政令案を用意いたしたいと思つておりますが、請求者の住所氏名とか、返還される土地の表示、不服の要旨その他関連した事項を書上げて頂く、この様式を定めまして、その様式によつて出して頂きたいという、権利の実体に関することではないのでございますので、一応併し一定いたしておきませんとまちまちになりまするので、一応政令でとこういう規定にしておきたいという考えでかようにいたしておるわけであります。
#14
○田中一君 今管理部長の説明を聞きますと、土地收用法第九十四條というのは損失補償の裁決手続ということになつておりますが、これは結局不服のものである、不服というのは相手方が不服なわけなんですから、国から見た場合には、それが手続だけをやるという規定が政令だといわれるならば、そのように法文の序列の作り方があるのじやないかと思うんです。政令というのは結局行政権に委ねるということなんでしようから、もう少し明確に打出すことがいいんじやないかと思います。いわゆる收用される人間の利益を考えるならば、明確にかかる手続で申出ろということならば、そのように明確に條文に書込んだらどうかと思うんです。
#15
○政府委員(長岡伊八君) 只今私が申上げましたこの收用法の九十四條というのは考え違いでございました。これは取消します。御指摘の通りにここへこういうふうに手続をしろということをここに書くというのも一応御尤もでございますけれども、その内容がさほど権利関係をどうするということでございませんので、この手続のやり方を一定するという細かいことでございますので、この法律案の中へ入れずに別に形式をきめましてそれによりたい、こう考えたのでございます。
#16
○田中一君 それではここに手続だということを明確に入れたら如何ですか。不服があるということは自分の損害に対する不服なんですから、権利を侵さないといいますけれども自分の権利に対する不服が言われているものなんです。それを政令ということで内容を明らかにしないということは結局不安があるんです。それはどういう名前をつけるかということも今手続上の問題だというならば、それじや政令で定める手続上の問題を、その手続は政令で定めるということに作り替えることはできないんですか。自分の権利に対して不服だということを言つているんです。その場合に政令が何を指すか、あなたが今手続だとおつしやるならもう少しはつきりしたように、ここに明文ができないものですか。
#17
○政府委員(長岡伊八君) まあここは政令に定める手続によると書きましたならば田中委員の御指摘の通りだと思うのであります。「政令で定めるところにより」という「ところという意味は実はその意味を現わしますために書きましたことでございまして、この政令で定めますところは、先ほど述べましたように、請求者の住所とかその他細かい二、三のことを書き上げるつもりで、狙いは同じような考えで」こういう規定にいたしているのであります。
#18
○田中一君 私が法律を知らんからそういう気持を持たれるか知らんですけれども、これは法制局を呼んでもらつて、今管理部長が言うような解釈が、「政令で定めるところにより」ということが、「政令の定める手続により」ということかということを明確にして頂きたいと思うんです。この際法制局を呼んでそういうことに解釈できるかどうかということを聞いて頂きたいと思うんです。
#19
○委員長(廣瀬與兵衞君) 呼びましよう。皆さんにお諮りいたします。只今農林委員の池田宇右衞門君が本法案につきまして委員外発言を求めて参りましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(廣瀬與兵衞君) 御異議ないものと認めまして委員外発言を許可いたします。
#21
○委員外議員(池田宇右衞門君) 只今委員長の御発議によりまして委員の皆さんの御賛成を頂きましたことをまず感謝いたします。建設委員会において、この御承知のこの日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案に対して、農林委員会を代表いたしまして私並びに飯島連次郎君、小林孝平君私の三名が委員外発言をいたしたいと存じまして皆さんの御賛成、御許可をお願いいたす次第であります。
 なお質問は大蔵大臣、外務大臣、岡野国務大臣同席の下においていたしたいと存じますので、御同意を頂けますならば、明日若し明日都合が惡かつたら成るべく近いうちに三大臣の出席を求められ発言の機会を與えられたいとお願いいたすものであります。なお予定がわかりましたらその際御通知を頂ければ大変に幸甚の至りとするところであります。以上お願いいたす次第であります。
#22
○委員長(廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#23
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは速記を付けて下さい。
 成るべく明日三大臣に来てもらうようにいたしまして時刻がわかりましたら御通知をいたします。
#24
○委員外議員(池田宇右衞門君) 大変御貴重の時間を割いて頂いて有難うございました。よろしくお願いいたします。
#25
○田中一君 法制局が来るまで別の質問をしてよろしうございますか。
#26
○委員長(廣瀬與兵衞君) どうぞ。
#27
○田中一君 第十二條の條文ですが、不服の申立の内容が土地收用法を準用するとか適用するとかいうものはただこの不服の申立に対してはこの二項だけがその明文になつておるんですが、土地收用法の準用といいますか、そうした面がその何條を使うか、その法律のどこに書込んであるかお示しを願いたいのです。
#28
○政府委員(長岡伊八君) その点は第十四條に規定いたしております。適用いたしません條文をここに掲げまして、その他のものを適用することにいたしておるのでございます。
#29
○田中一君 この土地收用法の何條がこの不服の申立に該当するかちよつとおわかりでしたらお知らせ願いたいのですが。
#30
○政府委員(長岡伊八君) この十二條はいわばこの法律の特別なものでありまして、土地收用法にはこれに該当するものがないように存じております。
#31
○田中一君 私はこの收用或いは使用という問題の場合土地收用法では調停の申立という項目もありますし、そのほかに訴訟の問題もあるわけなんです。従つてこれが不服があつても総理大臣に不服を申立てる、その場合には中央調達不動産審議会の意見を聞くとそれだけで、その決定は改めて今度は附則の第六項の損失補償の場合には、収用委員会に裁決の申請をすることができる、こう書いておりますが、結局権利者の権利が侵害される場合、協定がつかない場合にはどうしてその権利を守るかについての明文がないと思いますが、それをどこの條文のうちから拾い出して行くのですか。
#32
○政府委員(長岡伊八君) これは実は損失の補償の問題になりますと、実は解除になりましたときこれが一番大事な点でございまして、一番使用なり收用されました者にとりまして重大な点でございますので、わざわざ我々事務をとります者がやりましただけで勝手に押しつけがましいことをするということは許されませんので、総理大臣に不服の申立をいたしまして更にその内容の検討を加える。而も総理大臣はその際には中央審議会という別な機関に諮つてその内容を決定する。而もそれがなお話合がつきません場合にはこれは一般の手続によりまして訴訟になることもある次第でありまして、決してその意味におきまして権利者の権利を制限するという気持は毛頭持つておりません。でき得る限り愼重に取扱いたいと、かように考えましてこの第十二條を設けた次第であります。
#33
○田中一君 そうするとこの不服の申立が承認されない場合には、訴訟を起してその目的の貫徹のために争うということができるのですか。
#34
○政府委員(長岡伊八君) 御指摘の通りでございます。
#35
○田中一君 それはどこに規定してあるのですか。
#36
○政府委員(長岡伊八君) 本法にはそれは規定いたしておりませんけれども、この法律によりましてこれが最終的のものだという建前になつておりませんので、権利関係につきましてその補償の点につきまして争いがどうしても解決いたしませんときは、これは国に対しまして権利者が訴訟を起し得ることは当然だと考えております。
#37
○田中一君 私は、この不服の申立の第十二條ですね、これはもう少しはつきりと今そうするのだ、ああするのだという御説明ですが、何によつてそうするかということを明確にお示し願いたいと思う。
 それからもう一つは、不服があろうがなかろうが、この法律が発効すれば先に取られてしまうのですか。取られてしまつて勿論不服の申立ということになるのですか。それとも審議会で以て決定しなければその物件は使用又は收用されないのですか。
#38
○政府委員(長岡伊八君) この第十二條は第十一條の一項に規定いたしておりますように原状に回復しないで返還する、この場合に限つておるのでございます。と申しますのは原状に回復して返しますのが原則でございますけれども、この十一條に規定いたしましたように原状に回復するということが如何にも経済的に見ても常識的に見て不合理である、そのときには原状に回復しないでも返して差支えない。但しそれによりまして損害が発生した場合には補償しなければならん。こういう規定になつておりますので、その際に是非とも原状回復してもらいたいという希望も起りましようし、又原状回復しないで補償いたします補償額の問題が話がつかない、これは事実事務をやりますものは地方局で取扱いますが、その際に話がつかないという場合にはもう一段念入りにその権利を保護する必要があるというので、この不服申立の規定を設けた次第でございます。
#39
○赤木正雄君 この法案には直接関係がないかも知れませんが、要するにこの法案を適用することになりますと、その元は先ほどお活の合同委員会で土地を使用することを決定するということになりますが、そこで直接関係ありませんが、御参考に承わりたいのですが、合同委員会というのはどういう人が日本国から出ているのでしようか。
#40
○政府委員(長岡伊八君) 合同委員会は御承知の通りに日米双方から出ることになつておりますが、具体的に誰がこの任に当られるということはまだきまつていないように承知いたしております。
#41
○赤木正雄君 この間中から合同委員会で今調査中とかおつしやつたように思いますが、合同委員会でなしにどういうふうのメンバーでどの土地を使用するか、今きめておられるのですか。
#42
○政府委員(長岡伊八君) 先般来申上げましたのは、只今では準備作業班というものができておりますが、この準備作業班が合同委員会のできますまでの仕事をいたしまして、これを合同委員会に引継がれるものと考えております。土地の問題に限りませずいろいろ準備作業班は部門を分けて現在作業いたしておる次第であります。農地等の問題につきましては、たしか農地局長が委員長と申しますか日本側の代表として折衝に当つておられるはずであります。
#43
○赤木正雄君 準備作業班は米軍と日本側と同じような数なんですか。
#44
○政府委員(根道広吉君) 米軍側でも日本側でも主たる代表は一人であります。この下に又委員が二、三名ずつ出ております。又更にいろいろ部を分けましてその中に小委員会的なものを作つております。これにはまあ日本側としますれば必要に応じましていろいろな專門家をいつでも出せるようにいたしておりますがアメリカ側においても又相当多数出て来ることがございます。従いまして或る小さな委員会を置きましても、日本側が五名、向うが五君、或いは向うが多くて場合によつては日本が少い、そのときどきの必要に応じて自由に出せることになつております
#45
○赤木正雄君 私はその点を承わりたいのは、先ほど申す通りに、この法案を適用する、或いは收用するとかいろいろな細かいことを適用する場合には、準備作業班で農民の考えとか、或いは土地所有者の考えとか、それをよく審議してなさればそういう問題は起らないんでありますから、そういう場合、日本側として我々を代表するような人が出ておるかどうか、それを聞きたかつたのです。それでうまく行つておれば、こういう問題は起らんのですから、それを聞きたいのです。
#46
○政府委員(根道広吉君) 将来正式に合同委員会が発足いたします場合には、勿論正式な代表者というものは、それぞれ一名であります。それにいろいろ問題が合同委員会に出ます場合に、日本側といたしましてはそれぞれの部門の專門家というものを引連れてそこに出て、いろいろ討議が可能だと存じております。
#47
○小川久義君 本案についてまだいろいろ質疑があると思いますが、先ほど農林委員会の代表が申述べた通り、三大臣出席の上で一つ質疑を交わすことにして、今日はこの程度で……。
#48
○委員長(廣瀬與兵衞君) ちよつと申上げますが、国際協力局の小沢事務官が参りましたので、赤木先生から何か御質疑があるように……。
#49
○赤木正雄君 よろしうございます。
#50
○田中一君 先ほど申上げました法制局からの返事を聞いて、今の小川君の議事難行に賛成します。
#51
○委員長(廣瀬與兵衞君) もう一遍法制局を呼びに参ります。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#52
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて下さい。
#53
○赤木正雄君 予備作業班のかたが見えておるようでありますからして、予備作業班としてはこの問題に対してどういうふうにされておりますか。今までの進行状態を伺いたいと思います。
#54
○説明員(小沢武夫君) 只今の御質問に対しましては、昨日伊関局長が参議院の外務委員会におきまして御説明申上げました程度のことと我々は了解しております。重ねて申上げますと、大体現在の予備作業班で現地視察を完了いたしましたのは、北海道、東北、関東、信越の四地区でございます。その結果、北海道、東北方面におきましては、大体使う施設その他につきましては或る程度の合意のできたものもあります。併しながらそのいわゆる地域の広さと申しますとまだはつきりした結論に到つていないようでございます。と申しますのは、大体現在使つておりますものを引続き使用したいという希望について、こちら側も同意をしたものもございますが、その広さ等につきましては、軍のほうで多少それを殖やしてもらいたいという要望のある所もありますので、そういう点につきましてはまだはつきりした結論は出ておりません。関東地方につきましては現在折衝中であります。その他靜岡以西の現地調査はまだ行われておりませんで、大体来週以降からその方面のことをやるのではないかと考えております。これ又現地視察の上改めて米軍側と協議をするということになると思います。以上のような状態でございます。
#55
○赤木正雄君 全貌と申しますか少しわかりましたが、今までの向うと折衝なさつた地域においては、農地のごときは多少使用される土地が殖えるような形になつておるのですか。
#56
○説明員(小沢武夫君) その点につきましては、演習地並びに飛行場が当面問題になると考えますが、大体飛行場等につきましては、航空機の性能の進歩に伴いまして滑走路の拡張問題といいますのがやや必然的に起きて来ている現状であります。併しながらこの点につきましては、なお米軍側と十分協議しまして、地元の農村のかたがたとうまく話合いをした上できめて行きたいと考えております。それから演習地等につきましては、これ又現在よりも或いは広くし、或いは小さくするという要望が出ております。これにつきましても大体若し拡げる場合でも、演習を現実に行わない場合にはそこで農耕ができるように米軍側と話をつけるつもりでおります。そういう状態でございます。
#57
○赤木正雄君 呉とか横須賀ですか、そういう土地に対してはまだどうなつているかわかりませんか。
#58
○説明員(小沢武夫君) 呉につきましては……。
#59
○赤木正雄君 佐世保です。
#60
○説明員(小沢武夫君) 佐世保でございますか。佐世保のほうはまだ現地視察をいたしておりませんし、現実に米軍側との話合いをいたしておりません。これは来週以降現地視察が行われる予定でございます。その上で現地側の意向も十分考慮しまして米軍側と折衝したいと考えております。
 横須賀につきましては、これは米軍側と共同視察ではないのですが私のほうもちよいちよい見に行つております。現在あそこで新規要求になつておりますのは、すでに皆様の御承知の通り、追浜でございます。追浜につきましてはまだ現在話合いがついておりません。併しいずれにしても近い将来に何とか話合いをしなければならない問題と考えております。併し現状においては米軍側とは話合いはついておりません次第でございます。
#61
○赤木正雄君 横須賀にいたしましても、今まで進駐軍が使用していた土地に対して、現在の横須賀市民は特別な考えを持つております。又佐世保にしてもそうです。そういうことはやはりあなたのほうの耳に入つておりますか。
#62
○説明員(小沢武夫君) 特別の市民の声というのはまだ入つて来ておりませんです。ただいろいろ陳情等には、横須賀は現在以上接收を拡大しないでくれという要望は、市長等から来ております。それから佐世保につきましては二、三カ所接收を解除してもらいたいという陳情も来ております。それは市長より参つている陳情でございます。まあそれを市民の声の代表として我々考えておるわけでございます。
#63
○東隆君 この場合の土地の問題水面なんか入りますか。
#64
○政府委員(長岡伊八君) 水面につきましては漁業補償といつたような問題が起るのでありますが、これは私有のものを対象といたしております関係上、水面につきましてはその制限から或いは外れるかと思います。
#65
○東隆君 そうすると、こういう問題はどうなりますか。以前進駐軍が演習をしておつた所、それから海上と連携をとつて演習をしている、そういうような所が、恐らく今回は駐留軍のものとして指定を受ける虞れはありますね。そういうような場合に、そこに住んでいる農家ばかりじやなく漁家が非常に多いと思うのです。その面における補償、そういう面はこれでやりますか。
#66
○政府委員(長岡伊八君) 漁民の住んでおります土地が指定いたされますると本法の適用が起つて来ると思いますが、今の漁業権の問題につきましては、これは別途補償をこれまでもいたしているのでございます。それから従来進駐軍の公務に基きます損害につきましては、厚生省所管の見舞金制度があつたのでございますが、今度は行政協定十八條に基きまして、向うの公務執行によります損害につきましては別途補償することになつております。本法の適用外の問題があるわけでございます。
#67
○委員長(廣瀬與兵衞君) ちよつと田中君、あれですが、法制局の第一部長の今枝常夫氏が参られましたから、一つその方面の御質問を願いたいと思います。
#68
○田中一君 その前に、東君の質問に関連するのですが、この法律の定義の第二條に、「土地等」というのは土地收用法第五條に規定する権利をいつてる、こう規定しております。土地收用法の第五條には、今管理部長から御説明があつたのですが、三項に、「土地、河川の敷地又は流水、海水その他の水を第三條各号の一に規定する事業の用に供するため」云々。この場合には漁業権その他を全部使用することができるということになつているのです。従つてこの「使用される」というこれがあるならば、その補償の問題はおのずからこの收用法に規定しなければならんわけです。この法律外に適用するということではないと思いますが、その点如何ですか。
#69
○政府委員(長岡伊八君) 只今私の前の答弁がはつきりいたさなかつたかも知れませんが、田中委員の御指摘の通りに、收用法の規定いたしております権利を使用なら使用しなければならんということでありますならば、当然本法によりまして補償いたします。
#70
○田中一君 法制局のかたに伺いたいのは、この法律の第十二條の一項の「利得の納付について不服のある者は、政令で定めるところにより、内閣総理大臣に対し不服の申立をすることができる。」こうありますが、今調達庁のほうの御説明では、「政令で定めるところ」というのはその手続を指しているのだ、こういう解釈があつたんです。若しも手続のみを政令で定めるというならば、政令で定める手続とこういうことにしたほうが明確ではないか。併しこの政令という文字にはほかの内容を含んでおるのじやなかろうかという疑念を持つて質問したんですが、今のような説明で正しいのでしようかどうか伺いたいと思います。
#71
○法制局参事(今枝常男君) 只今御指摘の点でございますが、これは表現自体から参りますとお説のように非常に広い表現になつております。ところがこの場合の関係を條文に当つて読んでみますと、手続以外のことで個々の面で定めるようなことはちよつと想像されないように思うのでございます。そういう意味から参りまして結局は政令に限られて来るんじやないかと、このように思われるのでございますが。
#72
○田中一君 今のは政令で手続に限られるとおつしやるのですか。
#73
○法制局参事(今枝常男君) ここでこの「政令で定める」という事項は、手続以外の事項はちよつとこの場合としては想像されないように思いますので、その意味においてここで「政令で定める」ということは手続だけが定められるという結果になるのではなかろうか。従いまして表現は広いのでありますけれども、結果としては手続だけを定めるというだけになるんじやないかと、こう思うのでありますが、つまりここで規定しております場合においては、手続以外のことで更に政令で定めなきやならないようなことというのが想像されませんので、どうも想像されないように思うのでございます。今ちよつと見ましたところではそういう意味合におきまして、結局は個々の政令で定めるというのは手続だけになるのじやなかろうか、こう思うのであります。
#74
○田中一君 その場合に手続を定めるということを明確に打出すことは、何か作文上の欠陷があるのですか。
#75
○法制局参事(今枝常男君) そういう意味でございましたら手続ということを入れますことに別段支障はございません。それならそれではつきりすると思います。
#76
○田中一君 今法制局の御説明と特調の御説明で大体その内容はわかりました。然らばここではつきりこれは権利を擁護するという点ですから、不明確な表現でなくはつきりと手続を定めるということを明確に打出すことが正しい行き方ではなかろうかと、こう考えるのです。これに対して長官どうお考えになるのですか。
#77
○政府委員(根道広吉君) これはまあどちらに書いても同じことでありまして内容としては異存ありません。今ここで直すといたしますると、いろいろ面倒も生じまするのでできるならこのままにして頂きたいと、こう存じます。
#78
○小川久義君 いずれ農地も或る程度の接收は免れんと思いますが、その際に価格が種々問題になる。価格補償ということなんですが、この間新聞に何か農林省の農地に対する価格が発表された。水田が八万何千円ですか。それから今までの買收した実例からしても一反歩十五万円というものもある。一反歩十万円、十二万円というものもあるわけですね、内地のは。ところが今のアメリカの関係で接收されるものが余りにも低過ぎると、価格がそういうことに陷るようにも思うのですが、今までの実例から見てその点はどうお考えですか。
#79
○政府委員(長岡伊八君) これまで進駐軍に提供いたしました土地の代が安いということを始終非難されるのでございますが、これは実はこれまでは殆んど收用いたしたものはございません。借りましてそれに地代を拂いまして、立退きますときには立退料なら立退料を拂いまして、年々借賃を拂つております。ところが実際問題といたしましては耕作ができなくなりますので、関係者から見ますと土地を取られたということにも相成りますので、非常に安いと言われるのでありますが、今度この法律によりまして、若し買取りということになりますならば、これはその近傍の地代を参酌いたしまして委員会で決定されることになると思います。使用いたしますときにもやはりその近傍の地代が基準になる。従いまして我々といたしましてこの事務を取扱います岩は、常にこの法律によるということではございません。その前にでき得る限り推計によりたいのでありますから、そのときにはこの法律にマツチいたしますだけの手続をとりましてでき得る限り農民の利益擁護ということに努めたいとかように考えておる次第であります。
#80
○小川久義君 その近傍の例、基準ということなんですが、先ほど申上げましたように日本の農地に対しての基準、又公定価格というものがないしまちまちの面が多いのですね。使用の目的、又被收用者の如何によつて価格が五、六倍にもなる場合がある。一つの例を申上げますと、今僕の県で河川の敷地の買收をしておりますが、昨年十月買收したのは坪九十円で一反歩二万七千円ですか、一方又高等学校の敷地を買收したやつが一反歩十五万円というようなことになつておるのです、実態が。そこでこの間農林省の発表になつたのは先ほど申上げましたように八万何千円と記憶しておりますが、そういうふうにまちまちになるので、それはよほど御研究になるときには愼重な、ただ附近だけの価格というものはないのですから、基準がないのですから、実際今の実情では。そういう点を一つ十分考慮するように、その方面へ一つ今のうちから働きかけておいてもらいたいと思いますが、そういうことがあなたがたのほうの側面的な協力によつてものが実現するのかしないのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#81
○政府委員(長岡伊八君) 本法を適用いたしまして收用委員会にかけますときには、土地收用法に規定いたしております通りに、委員会が各具体的の土地につきまして決定されると思うのでありますが、只今申上げました通り、その前の措置につきましては、只今小川委員の御指摘の通りの心組で各方面とも折衝し、利害関係者とも十分納得の行くだけの交渉をいたしたいと、かように考えておる次第であります。
#82
○赤木正雄君 参考に頂きました都道府県別種目別接收不動産調査表を見ますと、この中で宅地、田畑、山林、原野その他とありまして、宅地、田畑、山林、原野はいずれも国有よりも民有のほうが非常に多いのでありますが、その他は国有が非常に多いようです。その他というのは河川敷地とか或いはどういうものを含むのでしようか。
#83
○政府委員(長岡伊八君) これは甚だ恐縮いたしたのでありますが、具体的のどの土地ということをはつきり記憶しておりませんが、北海道あたりにおきまして海岸地帶が接收をされておるようなものもございますので、そういうものを含んでおると考えております。
#84
○赤木正雄君 作業班のほうといたしましては、大体こういう数字によつた面積によつて作業をしておられるでしようか、或いはこの中で民有地は少くして国有地を多くする、こういう御方針でしようか、どうでしようか。
#85
○政府委員(長岡伊八君) 今後使用なり收用いたしますいわゆる駐留軍に提供いたします土地はでき得る限り国有地を先にするということが原則に相成つております。
#86
○赤木正雄君 御方針はわかりましたが、その結論は出ないにいたしましても、駐留軍の使用する面積は、今申したこの表によつて出ておる面積と大差はないのでしようか、或いはこれよりも殖えるのでしようかどうでしようか。
#87
○説明員(小沢武夫君) この点につきましては、先ほども申しましたように、大体問題になるのは主として演習場それから又飛行場の拡張の問題、それから一部キヤンプの拡張問題等もからむわけでありますが、大体予備作業班といたしましては、できる限り国有財産を優先的に先ず使うという方針でやつて来ております。併しながら演習地並びに飛行場等に関しましては、その場所が必ずしも国有財産であるとは言い切れないわけでありまして、その点につきまして、或いは一部民有地これは農地、開拓地に関係があるわけですが、の接收問題も起る可能性があるではないかと考えております。併しながらこの点につきましては十分現地の農民その他のかたと接触を保つてできるだけ話合によつて解決したいと考えております。
#88
○赤木正雄君 飛行場に関係する土地はわかりましたが、例の原子爆彈のためのような用地は無論ないと思いますが、それはどうでしようか。
#89
○説明員(小沢武夫君) 恐らくそういう問題は起らないと思つております。
#90
○赤木正雄君 これは本会議でもしばしば問題になり、又従来の各委員会ではやかましく大きな問題なんです。又総理もこれに対しては確たる回答をしておるのですから、なお予備班としてそういうことがあるかないか、この際確めておきたいのです。あなたのほうとしてもはつきりした御返事を伺いたい。
#91
○説明員(小沢武夫君) そういう問題につきましては我々もそういうことが起らないことを確信しております。又若しそういうような要求がありました場合は我々も向うと話合いまして、できるだけそういうことのないように努力したいと考えております。
#92
○田中一君 前回に堀井次長に伺つておいたのですが、この際長官にもう一遍はつきりと御説明願いたいのですが、原則がこれは使用ということになつておりますが、買上げてくれという要求があつた場合にどこまでも買上げないという方針で行かれるのか、それからどこまでも使用という面のみで推し進めるのか、その点どういう心組でやつておるか伺いたい。
#93
○政府委員(根道広吉君) 心がまえといたしましてはこれは臨時的のものでありますので、用が終つたら還すという建前でございます。従いまして、これは使用が原則である、こういうふうに申上げてあります。併しながら相当長期に亘る問題でありますので、被收用者は非常に迷惑でありますから、そういう場合にはできるだけ便宜を図つて買上げるという心がまえでやりたい。それから或る一定の時期におきまして、その期間内でもまあ買上げて欲しいという要求がある場合も恐らくあるだろうと思います。その場合にはもうすぐに還るということが明白なものについてはそれはそのままにしておきましようが、やはり我々として現実に考えてみて、これはあと二、三年は到底還つて来ないというような状況がほぼ明白であればこれは買上げの措置をとつて上げるというような心がまえでおります。
#94
○田中一君 行政協定によれば、結局この安保條約そのものも日本の自己防衛の態勢が整わない限りアメリカ軍は撤退しないというように我々解釈しておるのです。従つてその駐留の期限はきめられておりません。長官は何年ぐらいまでその駐留軍がおるということを御想定のもとにこの臨時的の措置の法律だということをお考えになつておるのか。
#95
○政府委員(根道広吉君) これは非常にむずかしい御質問でございまして、臨時的であるということだけは確かにわかつておりますが、三年であるか、五年であるか或いは二年先で済むのかということは現在のところ御返答いたしかねます。
#96
○田中一君 若しも我々の解釈ですと、これは永久とは申しませんが、日本の場合からいつて相当な、先だつて誰かアメリカの高官の言を新聞で聞きますと、日本には陸軍だけは十分に持たなければならんというようなことを言つておるようなことを聞いております。従つてこうした施設が、日本が陸軍再軍備しまして相当な数の陸軍を持つておる場合、無論この施設はそのまま日本の陸軍に継承されるものとこう解釈するのが妥当だと思うのです。従つてその長期に或いは永久にこれが還つて来ないというような想定を我々がしておるのです。今の内閣の方針なり今の国際情勢なりから見て、その場合どうしても買上げてくれという場合、九十二億の予算以上にその価格が上つた場合、予算の金がないからそれができないのだと言つて権利者を強圧するか、あなたがたのほうは一生懸命予算獲得に骨を折るか或いはドルをもらつてそれでその支拂をするか、どういう形で資金の調達を考えておられるか、これはただ私が空論を言うのではなくて、事実においていわゆる日本の陸軍の再軍備ができないときにアメリカの恐らく進駐軍は撤退しないだろうという想定は長官自身もお持ちになつておると思うんです。ただ措置としては明確に期限を切つておりませんから或いは一年或いは二年というようなことも言えるのです。併しそのために二十年、三十年とも言えるわけです。そこで九十二億という予算、これが足りない場合にはどうするか、どこまで強圧して行くか、あなた自身の立場の考え方を伺いたいと思うのです。
#97
○政府委員(根道広吉君) 二十七年度予算といたしましては、不動産の借料等に充てるための九十二億という予算があることは御承知の通りであります。又その他補償に関しましては多分戰後処理費等の中にも二十六年度の繰越金等入つております。まあそれで取りあえず今年度と申しますか、すでに今年度でございますが、今年度は賄わなければいかんと思いますが、買上げその他の要求が非常に多くなりまして尤もだと思うようなものが累積されて来ますと恐らく予算は足らないことが起るだろうと想像します。又その場合におきまして予算が足らんから買わんのだという建前はとりたくない、改めて予算を要求いたしたいごう考えております。
#98
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは今日はこのくらいにして……。それでは明二十五日の予定を申上げますが、公共工事の前拂金保証事業に関する法律案の提案理由の説明と宅地建物取引業法案の提案理由の説明、それから今日の土地使用等の特別法案の続行、もう一つ住宅金融公庫法の改正を時間がありましたら続行いたします。なお明日も午後一時から電源開発の連合委員会がございます。御出席を願います。本日はこれを以て散会いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト