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1951/05/08 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第32号
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1951/05/08 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 建設委員会 第32号

#1
第013回国会 建設委員会 第32号
昭和二十七年五月八日(木曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     廣瀬與兵衞君
   理事
           赤木 正雄君
           田中  一君
           小川 久義君
   委員
           石川 榮一君
           楠瀬 常猪君
           島津 忠彦君
           深水 六郎君
           徳川 宗敬君
          小笠原二三男君
           松浦 定義君
           東   隆君
  衆議院議員
           鈴木 仙八君
  政府委員
   建設省住宅局長 師岡健四郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
  説明員
   建設省住宅局建
   設労災課長   村井  進君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○耐火建築促進法案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。
 耐火建築促進法案を議題に供します。先ず提案者から逐條御説明を願います。
#3
○衆議院議員(鈴木仙八君) 耐火建設促進法案逐條について御説明さして頂きたいと思います。
 この法律案は二十七條と附則三項から成つております。
 第四條は、防火建築帶は市町村に都市計画法の手続によつて指定をされた防火地域内において、建設大臣が指定をする旨の規定であります。この規定に当りましては、関係地方公共団体の長と国家地方消防庁長官の意見を聞かなければなりません。
 第五條は、地方公共団体が指定された防火建築帶の区域内に耐火建築物を建てる建築主に補助金を交付することができる規定でありまして、第六條との関連があつて設けられた規定であります。
 第六條は、国が地方公共団体に対して補助金を交付する場合の規定でありまして、前條の規定によつて地方公共団体が建築主に補助をする場合と、地方公共団体かみずから耐火建築物を建てる場合に、その費用について予算の範囲内で補助をするものであります。補助の対象となります耐火建築物は、地下一階から地上四階までの部分についてでありまして、而も建設大臣の指定いたします部分が三階以上又は高さが十一メートル以上のものでありますが、実情に鑑みまして、二階建でありましても三階となり得るようなものも含むこととしてあります。ここで建設大臣の指定いたしまする部分という言葉がございますが、建築基準法の規定によりまして、建築物の高さは、その建築物の最も高いところで計ることになつておりますので、防火建築帶内の建築物は防火上有効であるように一定の部分を指定いたしまして、その部分だけは全部高さを三階又は十一メートルにする必要があるからであります。
 第七條は、交付する補助金の限度を規定したものでありまして、国が地方公共団体に交付いたします補助金の額は、耐火建築物と木造の建築物との坪当りの標準建築費の差額の四分の一に補助の対象となる部分の延坪を乗じたもの以内であります。地方公共団体はこれと同額以上を出しまして、併せて二分の一以上を建築主に交付いたすように考えております。次に、非常災害のありました場合には、この機会に速かに防火建築帶を造成せしめようと考えまして、特に補助率を上げまして、国は只今申上げました差額の三分の一を補助いたしまして、地方公共団体がこれと同額を加えて三分の二を建築主に補助をするようになつております。この国庫補助金を地方公共団体に交付しまして、これに地方公共団体の支出するものと加えて建築主に補助をする方法をとりました理由は、都市不燃化によりまして、最も多くの利益を受けますのは地方公共団体でありまして、地方公共団体がこの事業に関する熱意を有しないものに国のみがこれを奬励することになるのは適当でないと思いますので、このような方法をとつた次第であります。なお標準建築費につきましては、地方の実情を参酌しまして建設大臣が告示できめるようにいたしております。勿論物価の変動が甚だしい場合は標準建築費も改訂告示せられることになります。
 第十一條は、地方公共団体が第五條と対応した規定のもの以外のもの、即ち防火建築帶として指定されていない区域でも特に補助金を交付することができる規定であります。
 但しこの場合は国庫からの補助はございません。
 第十二條は、地方公共団体が以上の各條の規定による補助金を交付するのでは防火建築帶の造成の目的を達することができない場合において地方公共団体の長が特に緊急に防火建築帶を造成する必要を認めましたところで、而もその土地の所有者、借地権者、その土地にある建物の賃借人のそれぞれ三分の二以上のものが、地方公共団体が耐火建築物を建てて、これに收用されることを希望するならば、地方公共団体は所要の手続を経ましてから、建設大臣の承認を受けて、これらの人々に代つてみずから耐火建築物を建築することができるものとし、その際必要な土地は使用することができるものといたしました。なおその土地の使用に関しましては、この法律に規定してあります事項のほかは土地收用法の規定を適用することになつております。
 第十三條は、地方公共団体が土地を使用しようとする場合に、その土地の所有者が自分の土地に半永久的な耐火建築物を建てられるなら、却つて收用されたほうがよいと考えるような場合には、無條件に收用委員会にこの收用を請求することができることを規定したもので、土地收用法第八十一條の特例であります。
 第十五條から第十八條までの規定は、土地收用法の規定による損失の補償の特例であります。土地收用法の規定により使用又は收用いたします際の損失補償金は、金銭又は替地で行うことになつておりますが、この防火建築帶造成の場合は、土地柄その土地に永年営業等をされている人が、その土地を離れては生計が成り立たない場合が極めて多いのであります。そこでその人々の要求によりまして、新たな耐火建築物の中にそれらの人々の所有権又は賃借権を与えてその土地から離れることのないようにいたしたいと考えて設けました特例でございます。
 第十九條から第二十五條までは、これに関連する細目規定でありますが、除り煩雑になりますので御質疑に応じてお答えをいたしたいと存じます。
 第二十六條は、地方公共団体から建築主に交付する補助金には、原則として所得税、法人税等は課さないことになつておりますが、事業を営まない個人に対しては、現行税法では不明確な点があり、特に明確にしておく必要がありますので規定したものであります。
 第二十七條は、耐火建築物の建築を促進するために、補助金の交付を受けて建てられました耐火建築物に対する固定資産税につきまして、市長村長が公益上必要と認めます場合には不均一課税をすることができるよう規定したもので、これによつて耐火建築物の建築を一層促進せん止したものであります。
 附則第三項は、防火地域の制度の普及を図る考えから、現在施行されております建築基準法の一部について防火地域の既存建築物に対して、政令で定める範囲内で増改築を認め、又耐火建築物に対する建弊率の緩和を図ると共に、防火地域との均衡上、準防火地域内の建弊率も緩和するよう改定しようとするものであります。即ち第五十五條但書の改正は、現行法では防火地域内の耐火構造の建築物は、その建弊率を一般の場合の一割だけ緩和することになつておりますが、その建弊率の制限を全然撤廃することによつて一層耐火建築物の建築を促進せんとするものであります。第五十五條第二項の改正は、住居、準工業、工業の各地域内においては、建築物の建築面積は現行法においてその敷地面積から三十平方メートルを引いたものの十分の六を超えられないこととなつておりますが、これを防火地域及び準防火地域内に限つて三十平方メートルを引くことをやめ、敷地面積の十分の六まで建築できるように改正したものでありまして、これによつて防火上支障ない限り土地の利用増進のため建弊率の緩和を図ろうとするものであります。
 第六十一條の二は、新たに加えた規定でありまして、現行法におきましては、防火地域内の既存建築物の部分的な増改築も木造ではできないこととなつておりますのを、今回政令の定める範囲内において若干の増改築を認めることによつて、防火地域内の建築制限を合理的にしようとするものであります。
 以上が本法律案の内容のあらましでございます。御了解をお願いいたします。
#4
○委員長(廣瀬與兵衞君) 御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。只今住宅局長師岡君、それから建築労災課長村井君が見えております。皆様にお諮りいたしますが、御質疑の前に建設省から出た資材について説明して頂きましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは一つ資料について御説明願います。
#6
○説明員(村井進君) 私のほうで作成いたしました資料につきまして御説明をいたします。
 資料の第一にございますのは、現在におきまする建築物の建築量と災害によつて失いまするものとの比較をいたしておるのであります、終戦後建築資材の非常な拂底と、建築物の不足いたしておりました関係で、昭和二十二年頃までは非常に少なかつたのでありますが、昭和二十三年後資材が出廻つて参りましたのと、経済の多少とも回復して参りました関係で、大体昭和五、六年ペースと言われております約一千万坪内外の建築量と大体大差なくなつて参つたのであります。でありますが、災害のほうは相当殖えておりまして、いろいろ天然災害が多かつた。或いは天然災害による被害が大きかつたといつたようなことから殖えておりますのと、一面火災によつて或る程度なくなつて、又天然災害の際に、相当戦争中補修等を怠つておりました建築物がやられてしまつたというようなことで相当の面積を失つております。従いまして、この次の表にありますように、火災、風水害等で毎年大体百二、三十万坪といつたようなものが失われておりますが、特に昭和二十五年、二十六年は相当、量が大きくなつておりまして、建築量は大体この辺になりますと、二割から三割失われておるというような恰好でございます。
 又建築活動としては、昭和五、六年の水準までは回復はいたしておりますが、そのうち相当のものが失われておるという現状でありまして、誠に残念なことに存じます。なおここに一緒に書いてございますが、この失われましたものが大体木造建築物でございまして、仮にこれを坪当り四石ぐらいの消費と見ますと、毎年七百四十万石といつたような大きな量が失われておるという恰好でありまして、その意味から申しましても、誠に憂うべき状況ではないかと考えておる次第でございます。
 耐火建築物のほうの建築状況は、終戦後極めて窮屈な統制をいたしました関係で、終戦後直ちにはできなかつたのでございますが、昭和二十五年頃からはやや回復を見まして、昭和二十六年におきましては、全建築量の約九%ほどに回復して参りました。昭和十二年頃におきましては、これは大体一二、三%程度であつたのでありますが、そうしますと、まだ相当できたとは申しますが、できましたものは、東京とか、大阪とか申します大都市の一部でございまして、まだ全般的には回復していないということでございます。耐火建築が今申しましたように非常に局部的にと申しますが、大都市の一部にのみあるということで、大体集計して参りますと、昨年の鉄筋コンクリートの建築物は全国で八十二万坪ございましたのでありますが、その中の約半分は六大都市に建設され、十方以上の都市といたしますと、大体全部の八〇%が大都市に、十万以上の都市に集まつておる、かような恰好に相成つておる次第であります。これを見ましても、六大都市が半分を占めておるというようなことでございまして、全国的にまだ耐火建築が普及していないというような状況になつておる次第でございます。これを表に現わしましたものが、次のようなものでございます。
 その次はずつと表を下りまして、三の都市におきまする火災の状況を簡單に御説明申上げます。都市におきまする火災は郡部に比べましていろいろの特徴がございますが、その中で最も大きな特徴は火災の出火件数が、人口の割合にいたしまして、郡部に比べまして非常に高いということでございます。従いまして、まあその損害も高いということになつております。これを数字で申上げますと、昭和二十五年、第四表の一と二にございますのには、昭和二十五年度におきまして、全国の出火件数が一万九千ほどございましたが、市部、市と名のつきました所におきましては一万件になつております。それが五五%でございますが、それを更に入口十万以上、十万以下というふうに分げて参りますと、人口十万以上の都市が格段に高いわけでございます。これを仮に入口の割合で申しますと、市部の人は全国の人口の三七%を占めておるのに対しまして、出火件数のほうは五五%を占めておる。それから人口十万以上の都市を比べますと、二六%の人口を持つておるのにかかわらず、出火件数のほうは四四%の出火件数を見ております。都市になりますと、火災出火件数は非常に高いということになります。これを更に多少細かくいたしまして、各都市別に調べましたものが次の表でございますが、この表で参りますと、火災の比較的頻度の高い都市、それから比較的低い都市といつたようなことがわかつて参りますので、こういつたようなことを参考にいたしまして、これらの都市につきましては、できるだけ速かに耐火建築が普及いたしますようにして参りたい、かように考えております。三の二の、都市におきまする二十戸以上の火災というものは、まあ比較的大きな火災でございますが、こういつた火災というものを一応拾つて見ましたのが次の表でございます。
 次に東京都の関係につきまして昨年の実績を、件数をプロツトいたしましたものを挟んでございますが、青写真が挟んでございますが、これを御覧下さいますと、昨年中の、昭和二十六年中の火災の出火いたしました場所がわかるわけでございます。少しまるが大き過ぎまして誠に物すごく書いてございますが、数は合つております。まあかような火災出火件数が非常に多いのが日本の現状でございますが、何しろ木造の建築でございますので、さような出火というものがいろいろな條件が伴いますと、直ちに相当大きな火事になつて参るわけでございまして、由来日本には非常に大きな火事の歴史がたくさんあるのでございますが、大火の比較、この二十頁の所にちよと図面で現わしてございますが、二十頁の一がロンドンの大火でございます。いわゆるグレート・フアイヤーと言われておるものでございますが、図面に現わしますと同じスケールでこのくらいのものでございまして、五十二万坪でございまげ。先日の鳥取の火災が四十万坪と言われておりますから、これより少し小さいというくらいのものでございます。それからその次がシカゴの大火でございます。それからその次がサンフランシスコの大火でございますが、これが世界の三大火災と言われておるものでございます。四が関東大震災のときの東京の火災の燒失面積でございます。これが世界最大のものであつたのでございますが、終戦後東京はそれに比べますと更に大きな、五というのが東京の戦争による焼失面積でございますが、かように非常に大きくなつております。で、この出火件数のほうは外国と比べまして決して日本は多いわけではございません。戦車中、戦後というものの出火件数を全国的に比較して参りますと、人口一万人当りにつきましては、大体一年に二件或いは一件七分、一八分といつたような数字でございます。ところが七表、二十三頁の七表にございますように、世界の他の国、まあいわゆる多少の文化国家であると言われております国と比較いたしりますと、日本の出火件数は格段に少いのでありまして、イギリスが十三、アメリカが六十三、それに対しまして日本は昭和十九年、これは戦争の真最中でございまして、一番低いときでございますが、一・七件、こういつたような件数でございまして、火の用心が非常によろしいということになつておるのでございます。第八・一表と申しますのは、これは重なる一例でございまして、すべてはこのようには参りませんと思いますが、とにかく耐火建築で埋つておりますニユーヨークのマンハツダンの火災の件数と損害とを調べて見たのでありますが、マンバツダン地区の火災は大体居住者一万人当りにつきまして、出火件数は四十六件、一年間に五十何件或いは四十九件といつたような、約五十件程度の火災があつたわけでございまして、これは非常に高いものであります。その一件当りの損害は二十五万三千円、日本の邦貨に換算いたしまして、そういう程度でございますが、それを遡りまして、第六衷の一件当りの損害額というものと御比較下さいますと、昭和二十五年におきます日本におきます火災一件当りの損害額は百十四万円になつており、二十五万三千円と比べますと、非常に大きな額になつております。これは一つは火災の記録が多少動いておるという点もあるかと存じますが、いずれにいたしましても、木造建築でございますので、焼けると直ちに広がつて行くというところに基因しておるのではないかと考えております。そのことを二十四頁の八・二表で多少御説明申上げたつもりでございますが、グレート・ニユーヨークにおきます火災は、昨年、昭和二十五年の記録でございますが、二十五年におきまして、大体、四万件あつたわけであります。それが消防が到着いたしましたときに燃えておりました、その範囲でとまつてしまつたもの四万四百九十三、消防が到着いたしました後に他の階へ、要するに一つの階で火事がありましたら、その間ほかの階へ、まあ上でございますが、ほかの階へ延燒いたしましたが、併しまあ同じ建築物の中でとまつたというのが二十二件、それから消防が来ました後に他の建物にまで延撓いたしましたものが三件、かようなことでございまして、火事が非常に局部的にとめられておる、こういう状況でございます。これはまあ消防活動の点もあるかと思いますが、建築物そのものが非常に燃えないというところで、かような結果になつておるのじやないかというふうつに考えておるわけであります。
 それからその次は建築資材の需給の状況を大体安定本部その他の貸料で集めて参つたのでありますが、この点につきましては、もうすでに十分御承知のことだと思いますので、簡単に申上げておきますが、木材資源のほうから即しますと、薪炭林を除きました建築の需要部門におきまして、建築は最大の需要部門であります。大体推算いたしますと、三千万石以上のものを建築用材として使用しております。而も建築用材は相当の立派な木を使用いたします。特に針葉樹に限つて使つておるというようなことでございますので、この点は木材の需給から考えまして非常に御迷惑をかけておる点ではないかと考えております。この点はできるだけ今後切替えて参りたいというふうに考えておりますし、特に木材の面から申しますと、只今のような若木を使いますと、只今使つておりますような若木を使用して参りますと、四十年或いは四十五年と山で育ちましたものが、それだけの壽命を持たずにして建築では失われてしまうというような極めて残念な恰好になりますので、木材の使用につきましては、建築部門におきましては、今後とも更に重要税して参りたい。その他の鉄或いはセメント等の需要につきましては、建築部門の需要はそれほど大きなものではございません。従つて生産さえ順調に参りますならば、決して我々の建築部門のほうは他の部門を圧するというようなことはないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 それから耐火建築物促進法の第一條の目的に掲げております土地の利用の増進という言葉がございますが、その面におきましての資料が5でございます。二十九頁でございますが、この5の資料は餘り完全な資料とは申しがたいので誠に恐縮に存じますが、現在昭和十四年、要するに焼ける前の東京都の三十五区の建築物の平均階数というのが東京都の統計に載つておりまするが、それによりまして調べて参りますと、日本橋のような比較的たくさん高いものがありますように考えておりましたところが二・三階、麹町が二・五階、こういつたようなものでございまして、平均が三階になつておる区は一つもございません。従いまして、かように低層建築が非常に多いということは、都市の面積を徒らに広くいたしまして、そうして交通機関或いは都市施設といつたようなものの整備を極めて困難にしておるというようなことになるのではないかと考えております。特に終戦後日本の国土は百年前の面積に縮小いたしましたにもかかわらず、人口は百年前の約二倍半になつておる、この人口の又大部分が都市に收容しなければならんというような現状におきましては、都市の宅地はできるだけ高度に利用する、こういう意味から申しまして、もう少し平均階数を上げて行ぐべきではないか、こういつたようなことが考えられるのでありまして、この意味の資料として吊したものでございます。特に耐火建築物が比較的たくさんあるだろうと思われますところだけにつきまして、耐火建築物と他の建築物との比較をとりましたのが次の十二表でございますが、そこにも載つておりますように、丸の内、日本橋、京橋、銀座、大手町、こういつたような丸の内を含んだところでも平均三階でございまして、而も耐火建築物は四三%で、木造建物のほうがまだ多い、この地区を除きますと、その他は格段に洛ちてしまうわけでございます。ここにも耐火建築が非常に普及されていない、局部的に集まつておるものはあるが、普及されていないということを示しておるものと考えております。
 それから三十二の表は防火建築帯の計画につきましての大体の貸料でございます。これは大蔵省と私どものほうで予算の折衝をいたしましたものの結果を大体取りまとめたものでございまして、まだこの通りにやるというわけでもございませんし、継続事業になつておるわけでもございませんので、予算或いは事業計画は年度々々できまるものと存じますが、一応の含みといたしまして、かような計画を持つておるということでございます。これを概略御説明いたしますと、防火建築帯の造成というような仕事は、都市計画の道路と違いまして、どんどん公共団体が塾つて行くというような恰好で造成して参るのではなくて、新たに建築する場合、又は建替えをする場合に、これを耐火建築物にするというような方法でやつて参ります。ただそこが非常に資力のない人である、或いは共同建築をしなければ建築としての目的を達しない、目的を達し得られないような小さな宅地であるにもかかわらず、誰も共同建築をする者もない、市が代つてやる、或いは県が変つてやる、今度の法案の十二條以下にありますような方法は特例として設けられておるのでありまして、原則としましては建築者がみずからやつて行くというような恰好になるものと考えております。その防火建築帯の延長は、ここにございますように一応全国で四百キロを造成することを目標といたしております。至急いたしますところは十万以上の都市であるとか、十万なくても火災危険度の高いという都市に設けて参りたい。国といたしましての一応の計画は、これを本年度より十カ年間で総延長の六〇%に当るところまで補助金を出して行つて、この造成を促進して行こう、それ以上のことは更に又考えて参りたい。この防火建築帯の促進の方法といたしまして、一つはとにかく指定したものを完全に仕上げて行くという方法と、六〇%まで仕上りますならば大体の目的を達しますので、今度はそのほかの方面を選んで行く、こういつた方法にするか、その点は今後の研究に待ちたいと考えております。それによりますと、次年度の予算は二億円計上されましたので、大体五キロ分ができるということになつております。次年度以降は軌道に乗せてやつて参りたいと思います。そういつたようなことで、ずつと継続の予算を考えて参りますと、総予算が十カ年間に約百十六億円の補助金が計上されなければならんのでありますが、この点は今後の木材の値上りがして参りませんのと、一方耐火建築の建設費をできるだけ安くするというような努力が実を結びますならば、この国庫補助金はもつと減つて行くのじやないかというふうに考えておる次第でございます。
 次に三十六頁にございます不燃建築物と木造建築物との経済上の比較でございますが、これは補助金を必要とするという理由でございまして、現在のような高金利のときでございますと、どうしても国から、或いは地方公共団体から補助金を出して参りませんと、耐火建築物のような大造に比べますと、高い費用のかかりますものはペイをしないということになつて参ります。それはその点を数学的に示したものでございまして、ただそれがペイして参ります場合は耐火建築の高層建築は逆である。従いまして地代が非常に高いところにおきましては、耐火建築もペイをして参りますが、地価が低いところにおきましては高層建築にいたしましても、ペイをいたさないということを書いたものでございます。従いまして年間の経費を全部普通の経済ルールに乗せまして計算して参りますと、補助をいたさずに五万五千円程度の耐火建築をいたしますと、年間の経費は木造と比較いたしますと、三千三百円ほど坪当り高くなつて参ります。補助をいたしまして一千円程度高くなつて来る、かようなことでございますが、これを大体三階というようなところにいたしますのと、比較的高地価のところに持つて行くというところで、木造の場合と大体同等の計算になるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 その次の(6・3)と申します表は、特殊耐火構造と言いますのが最近非常に発達して参りまして、日本のような土地につきましては、この特殊耐火構造が非常にいいのではないかというつふうに考えております。耐火構造と申しますと、一般に非常に高価なものであるというような観念が植わつておりますので、これが普及を非常に妨げておるのでありますが、私どもといたしましては、必らずしも耐火建築は高くはないということを皆さん一般国民に知つて頂きたいというような気持から、この特殊耐火構造の研究を非常に進めておるわけでありますが、現在相当実績もあり、又信用のあるところに建築の設計をいたしまして、それの嚴格な見積りをいたされましたのが、この四十頁の表でございます。あの表で御覧になりますとおわかりになりますように、大体坪当り一応の仕上げをいたしまして、規格にきつちり合つているものというもので、高いもので五万九千円、安いものは四万円という数字が出ております。多少この間には仕上げの差がございますが、併し耐火構造であるということには間違いがないわけでございます。耐火度或いは耐火度という点につきましては同等でございまして、多少仕上げの差があるというようには考えております。これを更に内訳といたしまして、工事費というものだけを取上げて考えて参りますと、これは大体二万五千円程度ならば大抵のものはできるという勘定ができております。八階、九階という高層建築物は、はつきり申しますと、五階以上の高層建築物を耐火構造でやつて行きますのには相当の費用を要しますし、今のところ無理だろうと思いますが、四階以下のところでございますならば、その構造で行けるのじやないか、そうしますと、その工事は二万五千円でございます。これに対しまして、多少とも補助がございますならば、仕上げの程度にもよりましようが、補助さえもらえば木造と大した開きがなくできて行くのじやないかと、かように考えておるのであります。四十一の(6・4)磁の一のところに仮名を書きまして、昔の條文を挙げてございますが、この防火帯という観念は決して私どもが新らしく考えましたものではなく、すでに明治十年の銀座の火事のあとで防火路線というものがございました。かような所は当時の耐火構造を造るということを要求されておつたものでございます。なお防火地区の建築物につきまして補助金を出すという制度は、これ又私どもが考えましたものではなくて、すでに大正十三年に、要するに関東大震災後におきまして、東京と横浜の防火地区内におきましては困りから補助金を出しておつたという歴史のあるものでございます。これが資料の概要でございまして、そのあとにたくさん附いております町村名は、これは都市計画法の適用町村を並べただけでございます。
 最後に、只今まで出ております防火建築帯の指定の各都市の希望の二、三の例を附けて置きました。まあこういつた形で地方の要望があるということの御参考にしたいと考えて作つたものでございます。
 以上が大体資料の説明でございます。
#7
○委員長(廣瀬與兵衞君) なお十五、十六、十七條が非常に面倒なことがあるようでありますが、これに対して発案者か或いは建設省のかたに御説明を願いたいと思います。
#8
○説明員(村井進君) 便宜私からこの十五、十六、十七等の條文の御説明を申上げます。
 先ほど鈴木先生から御説明がございましたように、この耐火建築を作ります場合に、止むを得ず土地の使用をするわけでございますが、その土地の使用をいたします場合におきまして、最も困りますことは、その補償は金銭では満足できないということでございます。即ちその土地に永年営業或いは住まつておられたというかたが、そこから離れるということは金銭には代えがたいものであるというふうに考えられるのでありまして、従いまして七地収用法の金銭又は替地を以て補償するというのでは誠に不十分ではないかと考えておる次第でございます。従いまして、そのかたがたに対しまする補償といたしましては、依然としてその所に住み、その所に営業するということができるようにするということが一番いいことであり、又その補償ができますならば、使用されましても或いは御不満も多少減ずるんじやないかというように考えておるのでございます。従いましてかかるかたに対しまして、さような補償をいたしたいというので、土地收用法の七十條の規定におきます金銭又は替地を以てする補償というものに加えまして、この新らしい規定を設けたわけでございます。この考え方を申上げますと、先ず土地を使用いたしますので、その土地の使用をいたしました場合には土地所有者に対しまする補償でございますが、土地というものは本当の厳格な意味におきまする不動産でございまして、これを使用されるということになりますので、このかたに対しましては、その土地の所有権というものに対する補償金、これは普通の場合は現金で拂われるのでありますが、その補償金の代りといたしまして、その補償金に相当いたしますところのでき上りました耐火建築物の一部の所有権を与えよう、これを要求されれば、それに相当するものを与えることができる、かようにきめたものでございます。これが十五條でございます。その場合に収用委員会はその要求が尤もであり、又その要求に応じて与えるべきだと考えられた面積につきましては、その前の土地の状況と、新らしくできまする耐火建築物の状況とを勘案いたしまして、そうして最もふさわしいと思われる所をその人の所有権として補償しようという規定が第十五條でございます。
 第十六條は、先ず土地の所有権に関しましては補償いたしますが、都市の中心部におきまする土地の所有形態或いは利用形態と申しますものは、所有権だけの場合以外に又いろいろな権利が伴つております。従いまして、その権利のうちの先ず土地に関するものを坂上げまして、第十六條に謳つております。即ちこの十五條の規定によりますと、所有権を要求することができることになつておるのでありますが、所有権の要求はしない、併し自分はそこに入つて営業したい。要するに所有権の代りに賃借権を得たいという場合に、土地の所有権者が要求した場合が一つ、それから土地を借りまして、上に家を建ててやつておつたもの、或いは又家を建てるに至りませんが、家を建てる目的で土地を借りておつた、要するに借地右者でございますが、その借地権者はこの十五條の規定によつて所有権を要求しないが、借りたい、この二つの分類に属します権利者に対しましては、土地の補償又は借地権に対します補償というものに代えまして、耐火建築物の一部の賃借権を以て要求することができるというふうにいたしたわけであります。即ち土地を使える権利というものと、建物を使える権利というものと交換するといつたような考え方でやつたものでございます。こういう場合には、その要求が至当であるという場合にはこれを認めるということにいたしております。第二項の関係は、土地の所有者が賃借権を要求し、又土地の借地権者が賃借権を要求した、この二つの場合が重なつて参りました場合にどうするかということを第二項で書いておるわけでございますが、その場合には土地の所有者にはできるだけ第十五條の所有権で代えて頂きたい。こういうような関係でこういうふうに原則的に考えておりまして、土地の所有者が賃借権を要求するのはその例外的な場合と一応考えておりますので、この場合は土地の借地権者のほうが優先するというふうに考えております。但し餘つております分がありますならば、土地の所有者が借地権を要求しました場合に相当の面積がもらえる。借地権者がもらえるものは、そのうちの二百であるという場合には賃借権者と両方に与える。それから借地権者がもらえる分が非常に大きくて、所有権者がもらえる分が非常に少いという場合には借地権者に優先する。勿論その場合でも十五條の規定を排除しておるわけではございません。そういうことを十六條で規定をいたしております。
 それから第十七條は、今度はその土地の上に建物がございまして、その建物を借りていた人がいたという場合のことを考えたものでございまして、即ち建物の賃借権者に対しまして補償をするわけでございますが、賃借他者と申しますのは、要するにもう最後的にその土地の上にあつて営業をしておつたというようなかたでございまして、これは最も保護すべき人であるかと存じております。これに対しましては、出来上りました建築物の一部の賃借権又は前に借地権者が賃借権を要求しておりましたところにつきましては、それを又仮に転借権を要求する、要するに前の土地と建物とそれを使つておつたという人との関係を、原則的にはその当時の関係で建物の中に押込めて参るというふうに考えまして作りましたのが十七條でございます。十七條はそれを謳いまして書き上げまして簡単に集約したものでございます。十五條、十六條、十七條と、この三條につきまは、いろいろな場合が生じて参ります。この補償の形として考えられますものは全部で二十五の場合が考えられるわけでございますが、大になつたり、小になつたりといつたようなことになるわけでありますが、それを表で一応全部現わしまして、お手許まで御参考にお配り申上げたのでございます。結局この三條の噛合せによりまして、すべての場合が解決できるということになつております。ただ特に申上けておきたいと存じますことは、この噛合せは飽くまでも原則的な考え方でございまして、特別な理由があります場合にはこの原則によらなくてもよい。要するに考えといたしましては、前の関係をそのまま滑り込ませるという考えでございますが、特別な場合におきましては、その考えに必ずしもよらなくてもよろしいということにいたしております。と申しますのは、例えば煙草屋を家を借りてやつておつた人がおるという場合には、その煙草屋さんはやはり煙草を売るのにふさわしいところへ持つて来なければならない。その場合は必ずしも面積が問題でなくて、煙草がよく売れるというところが欲しいわけであります。従いまして、前の土地の所有者或いは建物の所有者といつたような人と一緒にくつ付いて参りますと、営業ができなくなつて来る場合もございます。そういう場合には、やはり実情に即しまして、賃借権は別のところに与える、場合によりますと、入口に最も近い、或いは面積は少くても煙草屋として十分営業ができるといつたようなところに与えるべきである、かように考えておるのでございまして、その点は原則の例外として扱うように書いてございます。非常にたくさんのケースを簡単に三條で書上げましたので、非常におわかりにくいかと思いますが、要するに只今申上げましたような、従前の権利をそのままの形で中へ持つて行くのを原則としてやれということをここで謳つておるということでございます。簡単でございますが、御説明申し上げました。
#9
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
#10
○田中一君 ちよつと速記をとめて下さい。
#11
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#12
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて……。それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午前十一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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