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1951/03/11 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第14号
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1951/03/11 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第14号

#1
第013回国会 決算委員会 第14号
昭和二十七年三月十一日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月七日委員團伊能君辞任につき、そ
の補欠として古池信三君を議長におい
て指名した。
三月十日委員加藤武徳君辞任につき、
その補欠として郡祐一君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           高橋進太郎君
           飯島連次郎君
           長谷山行毅君
           溝淵 春次君
           小酒井義男君
           棚橋 小虎君
   委員
           秋山俊一郎君
           古池 信三君
           山田 佐一君
           高木 正夫君
           藤森 眞治君
           森 八三一君
           カニエ邦彦君
           菊田 七平君
           石川 清一君
  政府委員
   特別調達庁財務部
   長       川田 三郎君
   特別調達庁業務
   部長      池口  凌君
   特別調達庁管理
   部長      長岡 伊八君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会專門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院検査
   第三局長    小峰 保栄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員の補欠選任の件
○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度政府関係機関收入支
 出決算(内閣提出)(第十二回国会
 継続)
 (大蔵省所管終戰処理費の部に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○理事(飯島連次郎君) 只今より委員会を開催いたします。
 先ず郡祐一君が去る六日委員を辞任いたされましたので、決算審査に関する小委員が一名欠員になつておりますが、これの選任は委員長において指名することとして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。よつて委員長は決算審査に関する小委員に昨日本委員に再び選任されました郡祐一君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#4
○理事(飯島連次郎君) 本日は昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四年度政府関係機関收入支出決算のうち大蔵省所管終戰処理関係の事項を議題に供します。批難事項第三百九十四号までは終了いたしておりますので、本日は第三百九十五号から御審議を願います。
 本日の出席政府委員及び説明員は次の通りであります。池口特別調達庁業務部長、川田特別調達庁財務部長、長岡特別調達庁管理部長、大石特別調達庁長官官房会計課長、説明員としては小峰会計検査院第三局長、山田特別調達庁労務部次長の諸君であります。先ず三百九十五号から四百五号までを議題に供します。森專門員より一言御参考の点を申上げます。
#5
○專門員(森莊三郎君) 三百九十五号と三百九十六号につきましては、特に申上げることもございませんが、その次に三百九十七号乃至四百四号というのがございまして、これにつきましては別紙に簡單に要点だけを印刷いたしておきましたが、実は会計検査院の検査報告の第八十頁のところに相当詳細な説明があるのでございます。それに対して当局のほうの弁明書にも又相当詳しいことが記されてあるのでありまするが、極くかいつまんで申上げますると、検査院は軍の直営工事に対する資材の納入ということがこの際は問題であつたのだから、それならば五%程度の手数料でいいのだという意見でありまするが、当局の説明では軍の直営工事だということになつていたけれども、それは形式だけであつて、実際軍の受入態勢が整つていなかつたものであるから、実際は請負工事と殆んど同じような状態であつたので、それに応ずる経費率で相当高く支拂つたのであるということでありまするし、なお説明書を御覧になればわかりまするが、多くのところからはこれについては昭和二十一年度の法律第六十号の検査に基いて決定したものである、従つてこれは正当な計算であるというような弁明が出ておるのであります。でかように検査院と当局との間に意見の相違が認められまするので、よく事情をお聞取り願いまして、何とかここに判定を下して頂きたいと思うのでございまするが、それにつきまして、これはほんの一つの例でありまするが、昨年私が九州方面へ参りまして、福岡の特別調達局においてこの四百一号に当るものについて説明を聞きましたが、そのときの説明は大体別紙にしたためましたような状態であつたのであります。なお、その福岡特別調達局の出先でありまする熊本の事務所、そちらへ参りまして、このキヤンプウツドのところの実地を見ました。その際の聽取書が同じくここに簡單に記したようなものであつたのでございまするので、御参考に供したいと思うのでございます。
 次に四百五号、これにつきましては別段申上げることはございません。以上の通りであります。
#6
○理事(飯島連次郎君) それでは皆様から御質疑を願います。
#7
○カニエ邦彦君 前回のときに、これをやる前にいろいろ聞き質しておかねばならないという点があつたのですが、恐らくそのままになつておるのじやなかろうかと思うのですが、従来終戰処理費の決算委員会の検査に関しては、かなりまあ嚴重にやつて来て、二十三年度においても相当これは嚴重に調査をし、審議をやつて来た結果、最近においての状態はやや良好にあるという観測をしておつたにもかかわらず、非常に電通関係のいろいろな非行事件に次いで非常に多くやはり今でも行われておるのじやなかろうかというのは、御承知のようにいろいろ解除物件の拂下げをめぐつて、或いはその他の購入関係等においても問題をかもして、そうしてそれが次々と絶え間なく検挙を幹部がされておる。最近又東京局においては最高幹部が又検挙をされるに至つておる。こういう工合になつて行くと、幾ら決算委員会がここで会計検査院が取上げた事柄についてやつておつても、これは国民に対してはやはり何にもならないということになつて来る。そこでこれらについて、一体それは最近どういう傾向にあるのかということを、会計検査院のほうはどういうように最近は調べておるのかということです。それから二十三年度は非常にこれはまあその終戰処理費関係の批難は最も激しく行われておつた、ところが二十四年度に来てもここにかなりありますが、これは二十三年度ほど惡質なものではなかろうというような観点で我々はまあ見て来ておるわけなんです。が、併し最近の現状から見ると、必ずしもそういう楽観は許されないのじやないかというようなことが非常に杞憂されるので、そこで会計検査院としては、勿論これは検察権を持つた警視庁なり或いは検察庁が手を入れてやつておることなので、その内容に至つては必ずしも細かく会計検査院が知つておるというわけではなかろうが、併しながら或る程度調査しておるとすればどういうことになつておるのか。それから特別調達庁としても一体それらの今日まで余りにも多過ぎた最近の非行事件については、やはりこれを一応状態を聞き、且つ又これに対してどういうところに一体会計法上に不備なところがあるのか、或いは又特別調達庁自体の業務に対してそういう不備なところがあるのか、或いはそうでなく組織機構、或いは最近言われておるように特別調達庁というものがもうなくなるのであると、従つてもう今ここで稼いでおかなければ将来の身分も保障されないんだからというような空気が横溢して、上は上、下は一事務官に至るまでそういう気分で仕事がなされておるために、検挙されても検挙されても次から次から出て来るというような結果になつて行くのか、これは非常にまあ今後、この行政協定の結果から見ても、必ずしも特別調達庁のいわゆる業務がなくなつてしまつて、そして国民の負担というものが全然消えてしまうというものでない限りにおいてはやはり重要な問題であるから、それをやはり説明を両者から聞いて、そうしてこれに対して十二分なる注意を喚起するなり、或いは国会としての適当なる方法を考えなければならん。これが結局決算委員会としてはやはり重要な基本的な問題になつて来るので、私はそういう意味からして、勿論この終戰処理費の項目に入る前にそれをあらかじめ質しておいて、明確にして、そうしてこれに入ることが適当な処置であると、こう思つておつたんですが、併しまあ途中になつて前回に私がおらなんだ関係上そういうことになつた。そこでそれのやはり説明を会計検査院なり或いは特調の双方から聞いて、そして今後そういう憂いのないというように、一日も早く食い止めなければいかんと、こういう観点に立つて一つ会計検査院から聞きたいと思います。併しながらこれも議事のいわゆる都合上、個々の一項目ずつをやつて、そうして最後にこれらに対する点を明らかにすると、こういうことでもこれはまあ一向に差支えないが、併しながらその点一つ明確にして、今後の特調業務のいわゆる完璧を期し、又国民に対するところの不安も一掃せねばならないと、こう考えるわけですから、そこで委員長が適当に一つ。諮りを願つて、或いは又委員長自身においてお考えを願つて、そうして一応それを聞いて頭に入れてやるということにするか、或いはこのまま個々の項目を進めて、そうして今申上げたような点をやるかということはこれはどちらでも結構です。
#8
○長谷山行毅君 今のカニエ委員からの御意見は、この審査に当りまして個々の問題を全部取上げてやると、こういう御趣旨なんですか、そういう御意見なんですか。
#9
○カニエ邦彦君 個々の問題をとらえてやると、これはまあ必要あれば、個個の問題を捉えようが、個々の問題を捉えずにやろうが、これはどちらでも各委員の考えにあることで、その問題じやないのです。つまり総括的な、大蔵省なら大蔵省、或いは終戰処理費なら終戰処理費、或いは電通なら電通という問題に入る前に総括的な問題として、こういうことなんです。だからこれをやつてあとにやつてもよし、本来ならば従来先にやるのだけれども、あとにやつてもよし、又いつでもよいが、とにかくそういうことは一応やはり多少質疑をやつて明確にしておかなければいかんと、こういうことなんですから、これはどちらでもよいのです。
#10
○理事(飯島連次郎君) 只今のカニエ委員の御意見に関しては、本日の出席されておる政府の説明員では必ずしも満足な御説明をいたしかねるかと考えますので、然るべき機会に今の問題については一つ取上げることにいたしまして、本日は先ほど申上げました三九五号以下の問題を個々に御審議願うことにして、カニエ委員の御指摘の点はあらかじめ理事等の打合せをした上で機会を作つたらどうかと考えますが、そういう取運びをして差支えありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○理事(飯島連次郎君) それではカニエ委員も御異議ございませんか。
#12
○カニエ邦彦君 そこで、これはそれでいいんですが、やはり終戰処理費に関する問題のあととか先とかにしなければ、これが済んでしまつて、そうして農林なら農林、商工なら商工をやつておるときにぽつんとこれをやつてみてもこれは一向に頭に来ないから、その点委員長で適当にお計らい願つて、結構だと思うのです。
#13
○理事(飯島連次郎君) それでは先ほどの三百九十五号から四百五号までの問題についての御質疑をお願いいたします。
#14
○カニエ邦彦君 その間におけるところの大体の要点を会計検査院から御説明を願います。
#15
○説明員(小峰保栄君) 三百九十五号以下四百五号までずつと御説明申上げます。前回にもこの中の大部分につきましては簡單に御説明をいたしましたので、或いは重複する点があるかも知れませんが、御了承願います。
 三百九十五号から四百五号までは工事費の積算が適当でなかつたという問題で、全部その種の問題であります。三百九十五号は関東配電に、ここにございますジヨンソン変電所電気設備工事、これを千七百六十七万円余で請負わせたのでありますが、このうち電工など労務者の宿泊施設に要する経費として三十万円程度の飯場を考えればいいと思われますのに、労務者に宿泊料を一日四百五十円の割合で支拂うことにして積算していたわけであります。従つて飯場経費程度で済むと思われるのに宿泊料を積算いたしましたので、金額が相当多額になりまして、これは会計検査院の実地検査の際の注意によりまして、実際宿泊を要しなかつたものなどの分を百八万八千円余りを精算のときに減額して是正しているのであります。
 それから三百九十六号であります。これは福岡の特別調達局で高野建設に小倉の北方という所がございますが、この道路改修工事を請負せましたところ、そのうちの砕石三千余立米ですが、これは軍から運転手付きのトラツクの提供を受けて砕石の土場まで取りに行つたのであります。それを当然その代価は土場渡しの統制額によるべきものだと考えるのでありますが、これを最寄駅の貨車乗渡しの金額で計算いたしましたために、百九十万円ばかりが過大に支拂われた、こういうわけなんであります。
 それから三百九十七号から四百四号まで、ここにも相当丁寧に書いてございますが、この維持管理、いわゆるメンテナンスの諸経費の積算が高過ぎた、こういう案件であります。これは先ほど專門員からも御紹介がありましたので、ちよつと私ども検査をいたしましたものとしての見解を御披露しておきますが、これはこの前も申上げましたが、政府側の弁明と会計検査院の批難と若干対立している部分があるわけであります。会計検査院の批難は、要するに二十四年の四月頃から従来請負工事として出しておりましたメンテナンスを軍の直営に切り替えた、その結果メンテナンスに必要な物品納入に契約が実質的に変つたわけであります。工事の請負となりますと、そこにいろいろ設計とか、企画とか人夫を集めたり、いろんな手数がかかるわけであります。物品の納入に比べましていわゆる諸経費というものが工事の場合には非常に高いのであります。物品の納入になりますと、ただ物品を買つて納めるだけということだけでそういういろいろな企画的な業務も入りませんので、諸経費が非常に低いのであります。この請負の性質が今の工事から物品納入に変つたんだから、物品納入の諸経費を見ればいいじやないか、工事になりますと、大体二〇%程度高くなるのであります。物品の納入になりますと、五%程度で済むのであります。それで検査院の批難といたしましては性質がすつかり変つたのだから、今まで二〇%なり、二二%なり拂つていた諸経費を五%ぐらいにしたらいいのじやないかというのが批難の骨子でありまして、それに対しまして先ほど專門員からも御紹介がありましたように、形式的には物品の納入に変つたので、軍の受入態勢も整つていないしするので、従来通りの工事の請負と同じ諸経費を見るのが至当じやないか、これは全部言つているわけではありませんが、そういうことを弁明している向きもあるわけであります。それが先ほど御紹介にあつたのでありますが、私どもはその弁明を聞きましても、検査院の批難が行き過ぎであつたと私は考えられないのであります。これは軍側の直営という受入態勢が整つていなかつたという点が私どもよくわからないのでありますが、直営に切替りまして、従来請負人が提供しております工事の監督者とか、そうういうようなものも全部実はこれはいわゆるLR直傭の労務者を終戰処理費で賃金を負担しまするが、その労務者に全部切替えをしたのでありますが、そういう意味で請負人の手数は相当省けているわけであります。いろいろございますが、特調からもこれにつきましては、この種のものにつきましては、諸経費は五%程度が相当だ、五%でよろしいという通牒が実は五月に出ていたのでございまして、私どもだけが批難する無理なものでは決してないのであります。若し御質問がございましたら、いろいろ細かいこと、法律六十号というような点も御説明申上げますが、その点只今は省いておきます。
 次に四百五号でありますが、これは大阪の特別調達局で、ここに書いてございますように泉本某、これに二十七連隊の営内の砂利敷工事を請負わしたのであります。運賃の算定にあたりまして、往復距離と片道の距離と間違えて積算したために、その面だけで見ますと二倍の費用を拂つた、二倍の計算をして間違えたわけであります。これは四十三万円余になりますが、これも会計検査の結果返納させることになりまして、現在までには大分これは返つたものと考えております。
#16
○長谷山行毅君 この昭和二十一年の法律第六十号の検査に基いて決定されたこの案件をもう一度詳細に御説明願いたい。
#17
○説明員(小峰保栄君) 今の昭和二十一年の法律六十号でございますが、この法律は現在まだ残つておりますが、実質的には余り適用を受けておりません。当時は相当まだこれが適用を受けた法律であります。これは実費を認める建前でできた法律であります。諸経費のようなものになりますとマル公もございませんし、実費というのも実はあとから計算するようなことになるわけであります。これは最初の契約のときに、概算契約でありますが、この契約のときに相当軽く見て、例えば先ほど私が申上げました五%程度というので見るべき性質のものなんであります。本件のように契約の性質が変りまして、工事請負から物品納入というようなことになりますと、五%程度の軽い諸経費を見るのが至当だと思うのでありまするが、ところが概算契約のときに従来の工事と同じように二〇%なり、二二%というあまい諸経費を見ておつたわけであります。請負人はあまい経費をみてもらいましたので、結局それだけは使つてしまつたわけであります。あとから実費という点は甚だ計算がむずかしいのでありますが、一応使つてしまつたということになりますと、初めにもらつただけの金は請負人とじては使つておりますので、実費という点になりますと、二〇%なり二二%、二二%は現実にかかつてしまつただろうと思います。私どもとしては、初めの見方が少しあま過ぎたのではないか、工事と同じに見る必要はないのではないか。性質ががらりと変りまして、物品納入になつたのでありますから、五%見ておけばそれで済んだのではないかと実はこういうふうに考えているわけであります。初めの見方が少しあま過ぎた結果、計算上から言つて実費が相当かかつている、こういう実は結果になつたとこの案件は存ずる、次第であります。
 ちよつと今の長谷山さんの御質問の六〇号に基く検査ということの趣く簡單なアウトラインを御説明したいと思いますが、これは昭和二十一年のたしか二月でありましたが、終戰後間もなく出た法律であります。当時御承知のように終戰処理についての調達物品の購入なり工事というものが動因になりまして、日本のインフレが猛烈な勢いで進行していた時代に出た法律であります。当時は大きな仕事といいますと、終戰処理以外は日本全体が虚脱状態になつておりまして、終戰処理関係以外には大きな仕事は余りなかつた。これがインフレの導火線になつて、日本の円がどんどん下つて行つた。物価が騰貴して行つたという時代に、これを抑えるために出た法律であります。そうして対象を終戰処理関係の契約、專らとは言えませんが、そのほかに賠償関係、これも当時はまだ賠償というものは具体化いたしませんでしたが、将来多分起るだろうというので賠償関係の契約も対象にいたしましたので、いわゆる特定契約というものをこの法律は対象にしていたわけであります。当時はもつぱら終戰処理関係の契約というものを対象にいたしまして、当時非常に終戰処理関係では暴利が横行するということが一般の常識になつていたわけでありますので、この暴利を抑えるために適正な価格によつて契約をしようというのが狙いだつたわけであります。それで適正価格とは何ぞやという点も当時は非常にいろいろな議論があつたのでありますが、ともかく実費、かかつた実費ということを建前にして契約の価格を適正ならしめよう、そうして当時の実情から申しますと、たしか二百億以上の契約が終戰処理関係であつたのでありますが、その二百数十億の契約が全然契約金額もきまつておらぬのに、これを作れあれを持つて来い、こういうような非常に大雑把な注文をいたしまして、それを幾らの契約とするかというようなことも実はぎまつていないというような状態にあつたのであります。たしかこれは、或いは少し違うかも知れませんが、二百数十億の終戰処理関係の概算契約のうち、十億くらいしか金額が確定していない、こういう今から考えますと想像もつかないような乱脈な事態だつたのであります。これを何とか早く合理的な、適正な価格で契約金額を確定しようということがこの法律の出た狙いだつたと思うのであります。それじやこの適正金額をどういう方法できめるかというのをやるために、大蔵省で相手方の契約内容を検査する、こういう方法をとつたのであります。これがいわゆる六十号検査と通称される大蔵省の財務部が担当している検査であります。これが非常な効果を挙げたのでありますが、その後インフレのほうはどんどんと進行いたしまして、結局終戰処理関係だけ抑えても駄目だ、一般の政府支拂いを適正にやらなければ駄目だというので、この法律が二十一年の二月頃かと思いますが出まして、更にあの有名な二十二年の法律の百七十一号というものが出たのであります。この百七十一号は特定契約というこの終戰処理関係だけを対象にしたものではございませんで、政府の支拂い全体を対象にした非常に範囲の広い契約であります。そうして適正価格というものをマル公ということで、ここで初めてマル公というものが法律上適正な価格ということがきまつたわけであります。この百七十一号が昭和二十二年の暮に出ましたときに、この六十号のほうも適正価格はマル公だ、マル公の限度にとどむべきだということが昭和二十二年の暮になりまして、この六十日号についてもきまつたわけであります。それまでは実費を拂うというのでこの六十号が運用されていたわけでありまして、で、この六十号と百七十一号とが関連いたしまして、日本のインフレを抑えるという目的でできたわけでありまして、六十号は百七十一号のように広汎な範囲を狙つたわけではないのでありまして、終戰処理関係を主としてやつた法律、そうしてその適正な契約価格というものは大蔵省の検査によつてこれを決定する、こういうことが狙いであつたわけであります。大体六十号検査というものはそういう程度であります。
#18
○カニエ邦彦君 三百九十五号から、それでは四百五号の間におけるところの特別調達庁からの一つ御意見を伺いたいと思います。
#19
○政府委員(川田三郎君) 三百九十五号から四百五号までの内容の説明を担当部長から申上げます前に、私財務部長から総括的に、この只今專門員からもお話がございました点についてちよつと御説明申上げたいと思います。この法律六十号につきまして、会計検査院と特別調達庁との意見が対立しているというふうに考えられますことは、特別調達庁の説明方法が拙劣でありましたためではないかと思うのでありまして、予算執行庁といたしましては、常に会計検査院の批判を受けて事務の最後的処理をするという関係にございますので、時といたしましては法規の解釈の違い、又は事情に対する認識の違いから、その処理が会計検査院が理想とされるところと異る場合がございます。それが結果においてこうした検査報告になるわけでございますが、その際私どもといたしましては、やはり当初の所信に基いて一応の弁明をいたすおけでありますし、又今回こうして報告になりましたものにつきましても、回答書としての説明の印刷物において縷々字句を費やしますことは、やはり当初の所信としてはそうである、こういうことでありまりして、飽くまでもこれを自己の見解として強調いたしまして、ここで検査院と論理を鬪わしてまでもやるという趣旨ではないのでありまして、弁明をしているということでございますので、平たく言えば、検査院がお前のほうはそう考えておつても検査院としてはこう思うと言われれば、それに服従するのが我々行政官庁の建前でございますので、それでここに説明してあります程度の動機によつてこういう処理がなされたという、かうに御了承願いたいと思います。
#20
○政府委員(池口凌君) 直接担当いたしております者といたしまして、簡單に事情だけ御説明をお聞き取り願いたいと思います。三百九十五号につきましては、弁明さして頂く点だけ申上げたいと思うのでありますが、初めから板場を全部作ればよかつたのでありますが、その当時といたしまして、特別高圧電気工事につきましては普通の労務者のように参りませんで、配電全社の春山出張所等からの相当特殊な技術労務者でありますので、宿泊料を認めたような次第であります。ジヨンソンの基地だけではございませんで、この数カ所に亘る変電所の工事でありますが、実際に飯場に泊めましたものにつきましては、それだけの金額を切つたのであります。ただ普通の労務者と同じように全部を飯場に泊め得なかつたということにつきましてだけ御了承をお願いしたいと思います。そのほかの減額しますものにきましては、その当時すでに早く清算をいたしたような次第であります。
 三百九十六号につきましては、その当時の事情といたしましては、止むを得なかつたと思つているのでありますが、その当時砂利とか採石というようなものにつきましては、砂利公団というのが政府にございまして、全国的に調整価格というようなものがあつたのであります。それによりまして、その当時貨車乗渡の価格を採用しているのでありますが、その当時この碎石場というのは、そこに碎石を生産している所ではないのでありまして、他の数カ所から砕石したものをそこに集積して、そこでその集積場に持つて来る砂利の原価計算をさして、それも自分でいたさなくつて、砂利を扱つておりますところの八幡、小倉の地区の組合があつたのであります。それに原価計算をさせて見ましたところが、全国的に調整されておる価格と同等近くなつたというので、その当時これを採用してしまつたような次第であります。自分で嚴格にみずから調査いたしまして、本当にその原価計算を役所のほうから計算をいたしまして、追及いたしまして、もつと徹底的に調べることをやらなかつたような次第であります。そういう点につきまして、十分な検討が足りなかつたので、こういうような結局最後のところは、調整公団の貨車乗渡の金額を拂つてしまつたようなわけでありまして、非常に不備な点につきまして申訳ない次第であります。
 維持工事関係の三百九十七号から四百四号までにつきましては、その当時のことを思い起して見ますと、四月一日から新らしい年度の切替えを期といたしまして、軍のほうにおきましても、維持修理工事というようなものにつきましては、全面的に方針を変える、その当時たしかロイヤル長官とかドツジさんあたりが来られまして、軍のほうにおきましても非常に節約の命が出たのであります。従来この維持修理工事というものは、非常に厖大な費用を使いつつあつたのでありまして、軍の側におきましても、これを統制し、節約をするためにいろいろな制度を考慮して頂いたのであります。我々のほうからも随分これに対しましては意見を申上げて、現在行われておりますように、各部隊ごとに一カ月に使い得るところの金額を制限するというような制度をそのときに改訂いたしたのであります。いわゆるPDの制限金額というものを付けまして統制をする、そういうようなときにこの維持修理工事を軍は直営をする、こういうような方針に変つたのでございます。但しそのときに四月一日から急に今まで請負業者が提供し、みずから資材も提供して工事をやつておつたのでございますが、この労務者を急に軍の直傭労務者、その当時のLRでありますが、それに切替える手続がかなり時間を要したので、あります。この二、三の例を見ましても、四月、五月、六月三カ月くらいかかりまして、人間を順次切替えておるのであります。特に切替えの遅れたのが、まあホアーマンと言いますか、上級の、上の人ほどLRに切替えるときの賃金の格付その他が問題になるのでありまして、いわゆる請負の親方と言いますか、幹部級、その上のほうになるほどその切替えが遅れて来たような状態であります。それから宿舎等も今までは請負者の宿舎に全部住んでおつた、急にこれをLRになつたからといつてこれを追出すわけにも行きませず、そういうような関係もありまして、三カ月くらいかかつて漸く切替えられました。こういうような状態であります。又軍のほうにおきましても、LRに切替えが遅れる、又事後的にこれを切替えるというようなところがあつたように、その間労務者でございますから、日当、賃金等を拂わないことができませんので、四月の間等は殆んど従来の請負業者が立替えて費用を拂つておつた、そして事後、あとからLRとして切替えられてから遡りまして、四月一日からの給料をもらつておつた、こういうような状態のものが殆んどでございます。そういうような事情がございまして、先ほど会計検査院からもお話のありましたように、四月、五月、六月というような間は純粋の資材の提供だけだというようなものではございませんで、事実上は請負業者の人たちが仕事の段取り等を付けまして、成るほど労務者の賃金はLRとして拂われた、結果的にはそうなつておりますけれども、実際の仕事は従来の請負と同じような状態であつたのであります。そういうような事情でありましたものですから、結果的に見ましても法律六十号の検査又は我々がそのときの仕事の状態を見まして、止むを得ず定めました経費というようなものを、單に資材を扱います場合の五%だけの手数料、経費よりもたくさんかかつておるというようなことであつたのであります。会計検査院の仰せの通り四月一日から嚴重にこれを五%だけの経費しかやれない、事前的にもつと引締めまして、又軍とももつと協力いたしまして、体制を切替えることに万全を期したならば、もう少し節約できたのではないかということが考えられまして、非常に遺憾ではございましたが、その当時の事情といたしまして止むを得なかつたことを御了承願います。先ほどお話のありました法律第六十号でこの金額を結滯したものがこの中で六件ほどございます。これにつきましては、この最後に諸経費を、精算金額を決定いたしまするのには随分揉めております、大部分のものの支拂いはその年の十一月、十二月頃、支拂いをいたしておるような状態であります。この間さつきお話のありましたように、諸経費をうんと切りたいという調達庁側の言分と、業者はこんなに資材は、経費はかかつているのだから、もつと頂きたいというその実情の間の論戰を半年ばかりもやつておりまして、四月、五月頃の支拂いが十一月、十二月頃になつてしまつた、業者は十二月の年の暮になりまして、決定して、最後の精算を決定しなければ全額を拂うことはできませんものですから、大蔵省の管財部の最後の査定もありまして、漸く年の暮近くになりまして妥結いたしまして、支拂いが行われているというような状態でございます。法律第六十号の検査は調達庁でも査定をいたしたものでありますが、いずれもそれよりも多少下廻りまして査定をされまして、金額が決定されておるような状態でございます。非常に弁明のようなことばかり申上げましたが、御了承願います。
#21
○小酒井義男君 会計検査院のほうへお尋ねいたしたいのですが、只今特別調達庁のほうからその当時の事情について止むを得なかつたという説明があつたわけなんですが、検査をされる上において、そうした事情をお聞きになつた上で、こうした結論をお出しになつたのか、そういう事情の認めてられるような点があつたのか、そういう点について一つ。
#22
○説明員(小峰保栄君) 只今の小酒井さんの御質問にお答えいたします。今のような話は現にほうぼうで聞かされておるのでございます。ところが六十号検査が非常に揉めたという御紹介でありましたが、これは一般に、このときに限らずメンテナンスの工事というものの精算というものが実はなかなかむずかしいのでございまして、毎年毎年これは非常に遅れるというのが通例なんでありまして、この切替えのために特に遅れた、紛糾して遅れたというふうに私どもは実は了解していなかつたのであります。先ほど御説明がありましたが、これは四月に一挙に変つたわけではないのでありまして、冒頭にもございますように、四月頃から八月頃の間、相当期間の間にぼつぼつ変つておるのでありまして、勿論この案件全体がそう特に惡質というようなふうには私ども考えておりませんが、批難のほうも行過ぎしとは思えないのでありまして、いろいろ御説明を伺いましても、私どもとしては目新らしい御説明ではないのであります。
 それから賃金の決定、請負人労務者から直傭労務者、LRに変るときに、いろいろ紛糾したというお話がありましたが、これも賃金の決定などで多少遅れましても、全部実は遡つて、この切替のときから、四月なり五月なりの切替のときから、これは国が終戰処理費の直傭労務者としての賃金を拂うのであります。その間若干立替期間というようなものもあるかも知れませんが、そういうものがあるからと言いましても、工事と同じ諸経費は相当高率であります。二六%でありますが、五%程度で済む契約に変つたのに、こういう従来と同じような高い諸経費を見てやる必要は私どもとしては毫もないのじやないか、特調もなんでしたらこの全文をお読みしてもよろしいのですが、この打切りに伴つて、爾後の諸経費は幾らに見るか、五%以内にとどめるよう考慮されたいというような通牒を実は二十四年五月二十一日に出しておるのであります。特調自身もこの二六%というような高率の工事並の諸経費を拂うのがいいというふうにお考えになつていなかつたのでありまして、私どもこの通牒が出たので、実は批難するのにも相当力強い後楯があるような気がいたしまして批難したのであります。先ほど業務部長からお話がありましたが、決して特調の意思ではないのでありまして、特調さん自身もこういう通牒を出しておりますので、どうぞ一つその辺を御了承願いたいと思います。
#23
○政府委員(川田三郎君) この三百九十七乃至四百四につきましては、検査院のほうも物品納入の手数料五%が一つの目標ではあるが、この契約について特調は五%で切るべきであつたという御批難をされておるのではないのでありまして、特調側といたしましても、できる限りその経費の実態を把握いたして、少くとも物品納入と、こうした異例の一種の実態が直営工事であるような維持管理、これとの段階的な変化、つまりニユーアンスと言うか、その間の微妙な変化をどこに求めるか、つまり二〇%又は五%の間において、妥当な実費的経費というものをどこに求むべきかということであつたと考えるのでございますが、その際検査院の申されますところの節約程度と、特調が実際に行いました節約程度に懸隔がある、こういうふうに解釈いたします。それで当時のものといたしましては、相当な努力をしたのでありますが、力足らずしてこの程度の節約しかできなかつた、検査院側も今仮に五%とすれば千七百六十七万円の節減ができたのである、こういう御批難でありまして、今後こうしたケースに際会いたしました場合は、十分その節約を経済実態に合うようにやり、又業者との契約上の折衝もそれを強くやるべきである、こういうことでございますので、私どもはこの批難の趣旨、拠り所は五%でございますが、五%にすべきであつたという御批難ではないのであります。こういう場合には経済の実態に即した査定をせよという御批難なんで、これは一つの真理として頂いてよろしいことと存じます。今回の報告になりましたものにつきましては、私どもも未だ結果において十分な査定をなし得なかつたということは誠に遺憾であると認める次第でございます。ただ如何にせん契約といたしましては、すでに精算をいたしてしまいましたものであり、当時六十号検査という手続までとりまして、業者側も漸く納得したということは如何に契約担当官吏が節減しようといたしましても、六十号検査という特殊な手続さえとらなければ承服しなかつた。即ち民間側におきましては、検査院が理想とされるだけの契約額になかなか承服しなかつたという強い傾向がございます。これに対して特調側も漸くここまで追いつめたという形になつておりますので、今回御報告になりました趣旨を体しまして、こうしたケースについては、十分事務能力を活用いたしまして、その節約に努める所存でございますので、本件につきましては、何とぞこの処置は不十分とお感じになるではございましようが、御了承お願いいたしたいと思います。
#24
○小酒井義男君 調達庁のかたにお尋ねするのですが、この通牒が出してあつたのですね。通牒を出したあとに事情止むを得ないというようなことを現地から了解を受けたようなことがあつてそれが認められたのか、通牒というものが現地において尊重されないでそうしたことが起きたか、この点を一つ御説明願いたい。
#25
○説明員(小峰保栄君) 通牒の点を小酒井さんから御質問ありましたので、先ほど私が御紹介いたしましたところを補足いたします。実はこの案件は余り申上げたくなかつたのでありますが、初め軍が請負から直傭に切替えるにつきまして、資材の買溜をする、そのほうがあと仕事がやり易いわけであります。決して全部ではございませんが、そういう傾向が実は当時相当にあつたのであります。たくさん自分のところに資材を持つておりまして、直営でやつて行くほうがやり易いわけであります。今までですと、請負で、命令一本出しますと自由に買つてもらえたわけでありますが、直営に変りますと実は人間もそう急には殖やせませんし、物も一々銘々で買わなければならないということになるわけであります。ここが節約を期待する実は狙いであつたわけでありますが、現地の側で言いますと、非常に仕事がやりにくい、こういうような傾きもあつたのであります。それで成るべく資材を豊富に持とうという意向も強かつたのであります。決して全部とは申しませんが、買溜をするというようなものが多かつたのであります。これを特調もお気付になりまして、当該資材の超過資材分というものについては、これは明確に五%内に止どめるようにされたいと、こういうような通牒を実は出しておるのであります。買溜というような言葉も先ほど申しにくかつたものでございますから、一応五%以内と御説明しておきましたが、真相は実はこういうわけでございまして、当時買溜の傾向が非常に強かつた、これに対して、買溜ということになりますと、工事請負と同じような諸経費を見るということは全くこれは矛盾になるわけであります。ただ物を納めさして、これを持つておるという程度のものでありますと、これは純然たる物の購入ということになるわけでありますが、この中にはそうでないものも勿論ございます。本当の工事費に類するものであるわけでありますが、多くのものが、当時の傾向としてそういうふうな情勢にあつたわけであります。ちよつと御参考に申上げておきます。
#26
○カニエ邦彦君 この五%、必ずしも五%にする必要があつたかなかつたか、これはまあ別問題として、とにかく二〇%と五%の開きが余り大き過ぎると、そこで五%に近い程度のものに当時これをやつたとするなれば、特調業務の運営の上に具体的にはどういうような支障を来たすということになるのか、それは到底できなかつたという事情になるのか、あつたとしてその事情はどういう事情であるか、この点を……。
#27
○政府委員(川田三郎君) 五%ということが物品納入としては当時一般に認められておる手数料の率でございまして、従つてこれが実態が物品納入に切替つたのであれば、そうすべきが当然であるのでありますが、特調といたしまして現場の需要がやはり相当の運営経費を見てやらなければならないという事情が了解され、又請負者、業者側から申しましてもそれを強く主張いたしまして、その結果五%ではどうしても契約の精算ができない、いわゆる査定の折衝がございます。普通概算なら概算をいたしまして、いよいよそれが履行された、査定額によつて精算をするという場合によく言われる特調の支拂遅延、これは実際は仕事はしたが、一向金を拂つて呉れないという文句が出るわけでございます。その内容は、特定された債務を拂わないことではなくして、業者は百のものを要求する、こちらはそれを三十にしようというときに、その歩みがなかなかできないときに支拂遅延という状態になるのであります。それも先ほど十二月になつて漸く拂われたということは、拂うべきものを拂われたのではなく、どれだけ拂うべきかということの折衝がなかなかきまらなかつた、で特調は一面におきまして経費の節約という点を第一に念願といたしますが、他面連合国に付する調達の結果を供給するという国の要請もございますので、今後の発註に支障があつてはならんというところで、やはり成るべく妥当な実際かかつておる経費であればこれは負担しなければならんという考えも持ちますので、ただこちらの打切り額に応じなければ金を拂わんぞという態度は取れないわけであります。従つて特調と業者との折衝をやりました結果、業者が百ならば、もう自分のほうは六十号でも何でもやつて頂くというまでになりまして、六十号が一種の第三者の裁定というような立場もございます。特調側の見ておるものが果して辛過ぎるか、業者の要求が過大であるという点を六十号によりまして見まして、で、一定の金額が出て参ります。これによつて業者に不服があつても打切られるという金額でございますが、業者側から見ればまだこれは不十分、足らないという見解であるわけであります。それを又批難される側から見れば、拂い過ぎであつたのではないか、こういうのでございまして、丁度必ずしもその中とは申しませんが、両方から見て不満な状態でこれが結着になつております。特調として五%に切つたらどういう支障があるかということはないわけであります。業者側から見ますれば、若し五%に切りましたならば、いわゆるクレイム、訴訟まで起して自分の取前を主張するであろう、又六十号検査という組織がありましてそういう態勢に持つて行かずに六十号検査によつて打切り精算をするということで、特調としては漸やくそこで業者の不満のままにこの結論が得られるというようなことでありまして、今日批難いたします場合、なお六十号検査によらなかつたもの等については或いは六十号によるか、もつと折衝を続けるか、節約を計るべきでなかつたか、又若し六十号の内容について更に批難があれば、これは又別問題でありますが、大体業者側は六十号については不満なのでございます。建設委員会等におきましては、六十号検査によつて打切るということについての経済的な不合理ということさえ論じられることもございます。従つて私どもといたしましては、微力の漸やく及ぶところがこの結果になつておる、併しそれは決して理想的に行つたものではない、今後その理想に向つて更に努力を続けるということで御了承を願いたいと思います。
#28
○カニエ邦彦君 この点はまあいろいろ質疑も議論もまだあると思うのですが、一時まあこれはこの程度にしておいて、四百五号はこれはどういうわけでこんな算定の基礎を誤まつたのか、基礎を誤まつたということにしては余りどうも念が入り過ぎておるように思うのだが、もつと具体的にどういうわけでこういうことになつたのか御説明願いたい。
#29
○政府委員(池口凌君) この四百五号は全く積算をいたしましたものの誤まちでありまして、御承知かと思いますけれども、工事費の算定といいますと非常に複雑なものでありまして、そのたくさんの見積りを積算をやつて参ります間のところにこういう大きなミスをいたしたわけでありまして、何とも申訳のないことであります。
#30
○カニエ邦彦君 申訳のないことは、これはもう当然当り前のことなんですが、ただどうも持つておる物を運んでおる間に誤まつて落して割つたというのならこれは又申訳ありませんという理窟だが、この場合少くとも国の金を預つておつて、それの支拂に当つて誤まつてこうなつたとはどうもこれは解釈がしにくい。そこでこれはやはり現場で土建業者との積算の間においてだ、多少でもこういう含みを持つて支拂うということ、そういうようなことがないかどうか。その点については一応検査院としては調べてみたか。これはその結果検査院はどういう考えを持つておるか。今こちらで質問をしておるような、余りにも單なる誤まちにしてはどうもおかしいじやないかという点、これについてはどういうお考えですか。
#31
○説明員(小峰保栄君) 只今の点でありますが、これは実地検査のときに、ほかに同じような運搬があつたのであります。で同じ工事に運ぶまあ骨材の点が、これがほかのに比べて大体倍になつておるというので、現場を調べましたところが、單純な誤まりだつたという点がわかつた案件でありまして不正というようなことはおよそ考えておりません。不正を若しやるとしたら、如何にもこういう所でやるのはまあ拙劣なわけでありまして、すぐに検査の場合につかまる公算の非常に高いものでありまして、こういう公算の高い工事でありますから、そう倍の距離を運ぶというようなことは、こういう検査が届けばすぐわかることでありまして、検査の手が届いた点において私どもよかつたと思つておりますが、不正というようなことは、これは実は現在でも考えていないわけでございます。
#32
○カニエ邦彦君 そうすると検査院に伺うのですが、検査院の仕事というものは我々長年検査院でおやりになつておることを見て考えますと、必ずしもこれは特別調達庁のいわゆる終戰処理費の支拂に対して全部の支拂を検査しておるというようなことはないと思うのです。勿論今の極く少量な検査院の人員或いは能力を以てして、さようなことは当然できるわけはない。そこでたまたまこれはその中の検査の一部分として行われておるものであるという解釈をしてもこれは一向差支えないのじやないか。そこでたまたまこういうものを見たから、ここでこれだけの金がみつかつてはつきりしたが、これが見られないなんということになると、そうするとそれはどういうことになるのか、それは恐らく自発的に特調がそれを再度検査して調べた結果、国庫へ帰して来る、或いは損を国民に対して責任をとるというようなことには当然ならんと思うのです。そうすると勢いこれはわからなければわからんなりにすんでしまつて、それで馬鹿を見るのは国民が税金を拂つてそれで馬鹿を見るという結果に落ちついてしまうんじやないかと思われるのですが、その点は仮にこれが検査院がたまたま検査をしたからここに持つて来たけれども、検査をせずに行つたとすればどういうことになりますか。
#33
○説明員(小峰保栄君) 只今の御質問、なかなかお答えむずかしうございますが、確かにカニエさんのおつしやる通り、現在の検査院の人員ではあのような厖大な終戰処理費の支拂いの隅から隅まで目が届くということは、実際そういうことを申上げにくいのであります。届くとこう断言することは実際できないのであります。相当最近行き届いて来てはおりますが、全部が全部必ず見付けるというようなことにまでは、到底これは相当将来の運用を充実いたしましても、併しなかなか見落しというものはあるかと思いますが、現在の段階では見ないですましてしまうということも多いのでございます。そこで仮に見残した見落したとは申しませんが、見残した部分にこういうものがありますと、カニエさんおつしやる通りの結果に実はなるのであります。割合にこういうのはわかりやすいのでありまして、例えば同じようなあれがこれから御審議頂く四百二十五号にもあります。これは二重煙突の保管料を二重煙突という名前に釣られて長さの倍拂つてしまつたという非常に單純な案件でありますが、丁度この距離が倍になつたのと同じような案件でございます。こういうのがぼつぼつと見付かるのでありまして、特調が非常に業務量が多いという点もありますが、如何にも不注意と申しますか、いわゆる單純なる不注意と見ておるわけであります。四百五号も單純なる不注意というふうに考えておるわけであります。
#34
○小酒井義男君 今の四百五号で「金額を返納させることとした。」というふうになつておりますが、この金額はどうなつておりますか。
#35
○政府委員(川田三郎君) 四百五号の過拂の決定額は御指摘の通りの四十三万一千五百十円になります。これが收納に努力いたしましたが、やや遅れまして、二十六年の十一月に十四万円だけ漸やく收納いたしました。現在三十九万一千五百十円が残つておりまして、收納に努力中であります。
#36
○小酒井義男君 これは無論支拂と受けた者との間に解釈に対して相違があるというような問題ではなしに、その事情は向うも率直に認めた上で何か資金関係で返納ができておらない、こういうことの何ですか。解釈にも食い違いがあつたかどうか。
#37
○政府委員(川田三郎君) 四十三万一千五百十円がきまりましたのは、向うも單純な誤まりをすぐ承認した次第であります。よくこういうときに案件によりますと、過拂額そのものをなかなか承服しない場合がありますが、これは事柄が非常に單純でございますので、その額をすぐ承認いたしました。ただ資金がないということで漸やく十四万円だけ納まつたということであります。
#38
○カニエ邦彦君 これは四百五号に限らずあらゆる案件で当然会計検査院が指摘をされ、或いは会計検査院の指摘でなくとも、部内的に誤算である、過拂いであるというものを発見した場合、こういうものはあり得るかないかわかりませんが、まあ、あり得るというふうになれば、そういうものを想定して現在において国が拂い戻しを回收しなければならん金額の総計は一体どれだけあるのですか。勿論その中には問題になつておる二重煙突の過拂いのせいもあるのですが、それが総額なんぼあるかということ、これは参考までに決算委員会としては聞いておかなければならんことですが……。それからもう一つ問題になることは、返すときに過拂いの額だけ査定されてきまつただけ返す、併しそれを返さずにおつたら、いつまででもその金は融通できる、融資できるというようなにとになつておるのか、或いはやはり法定の最低のいわゆる利息というものだけは必ず過拂い請求の中に国としては入れておるのかないのか、そうでないと、過拂い回收に当つてそういうものがないとすれば、勢い返すものとしては、よほどやかましく毎日催促にでも来られない限りにおいてはやはり返さないという結果になつてしまう。回收に努力する努力するといつもあなたがたは言われておるけれども、なかなか努力したつて返すものじやないのだ、その点はどういうことになつておるかということですね。
#39
○政府委員(川田三郎君) 第一点の国の徴收すべき返納、要返納額が幾らあるかという点につきましては、今二十四年度分の金額だけはわかつておりますので、現在それは二千七百二十五万円收納未済額がございます。それは返すべきものと決定しました金額が四千二百万円でございまして、そのうち千四百七十八万円の收入をいたしまして、その残りが只今の金額になつております。
 それからこの過拂いを回收し得ない場合、返納すべき人はなかなか返さないのではないかと、誠にそういう事情でございまして、私どもとして制度又は事務上の対策をとらなければならんわけでございます。で制度といたしましては、現在この過拂いになりましたものは單なる民事債権になるという弱い制度でございます。この点は国の税金を支出しておきながら相手方がそれを承諾しておいてもなお且つ民事債権でなければ取れないというのは不合理であるという考えを徴收する側としては持ちまして、曾つて国の会計制度として国家がたとえ自己の過ちにしろ過拂いを生じた場合、又自己の過ちでなく業者側の責任のある問題で過拂いができたという場合はなお更のこととして、国税徴收法の例によつて直ちにそれが收納できるようにしたいという意見を大蔵当局とも協議したことがございます。併しこの民事契約に基く不当利得の返還要求だということで国税徴收法の例によつてやるということは少し強過ぎるというので、私どもはこれが国税徴收法の例によれば少くとも直ちに差押えだけはできる次第でありまして、望ましいと思つておるのでありまするが、やはり法律理論から行きますと、それは行過ぎだということになるのだそうでございます。それから利子の点では概算契約をいたしました場合には、精算によつて過拂いが生じた場合、これは当然相手方も精算額を承認いたしますと、自動的に曾つての拂いました概算拂いとの差額は債務を承認いたします。精算契約を結んだこと自体が過拂いを承認したことになりますので、その金額に対しましては返納の令書を切りました期限後は日歩二銭七厘、年一割に相当いたします、日歩二銭七厘の利子が付く、返納に際してこれを加算して徴收しなければならんということになります。これだけが利子の面で相当強い制度ができておるわけでございますが、只今の四百五番のように国の側の事務の誤まりでやつたということ、相手方はそれを実際実情を知つておつて、国がそう査定したからということもあるかもわかりませんが、全く單なる民事債権になつてしまいますので、実際は令書を切りましても相手方が納めない場合は何回も督促をしなければならない、それから債務を承認しております場合は現在成るべくこれを支拂命令をかけるという方法をとつております。つまり民事手続としての訴訟の一段階に入るわけでございます。ところが支拂命令をかけましても今金がないという異議が成り立つのでございます。で支拂命令が行つたとき、金がないということになりますと、即刻和解をする。和解する際には裁判所の側が金がないならば分納を認める、そういう勧告をされまして分納額がきまる、問題になりました二重煙突なども結局そういうことになつたわけであります。強制徴收をする制度がない以上は、成るべく私ども遅れておるものにつきましては、支拂命令乃至は印刻和解、これによつてやりたいと存じております。又徴收額に対してそれだけの債務がないと主張するものもございます。これも別の訴訟を起しましてその債務確認の和解をする。それによつて徴收をする。止むを得ず一々訴訟手続をとるということになりまして、特別調達庁は相当の訴訟案件を持つております。これは今のところとして最大のやり方でありまして、考え方によつては少し強過ぎる、従来のこういうものの徴收方法としては強過ぎるかもわかりませんが、止むを得ず終戰処理費も今や終末に近付いております。総決算をする意味におきましても、やや普通の民事関係としては強過ぎるかもわかりませんが、成るべく民事訴訟的な解決をとつて行きたいと考えております。
#40
○カニエ邦彦君 これは昭和二十四年度の国の徴收未済の額が二千七百二十五万円、四千万円余りのうち二千七百万円だというのですが、これは二十四年度なんで、私の言つておるのはその特別調達庁として今日現在においてどれだけあつたということなんで、これは二十四年度はわかつておるが、二十三年度並びに二十二年度、二十一年度にかけてわからないということであれば、これはあとで何かちよつと表にでもして出せば一目瞭然にわかると思います。これはそれでいいと思いますが、それから次にこれは皮肉というのか、一体どういうことなのか、たまたま偶然というには余りにもおかし過ぎるのですが、これらの過拂いを生じて、そうして取立てるというような事案になつたものは大体が殆んどのものが支拂能力のない頼りないものばかりになつておる。たまたまその相手方が取立てるに足り得る、いわゆる資産内容を持つ会社であるとか、或いは日本でもどこそこのメーカーであるとか、こういうものが割にないのだ、割に少ない。たまたまあつてもそういうものはすぐ国庫へ国の税金だからというので返してくれる。ところがそういうやつでないというものが絶対多いということについては何か特調としてはおかしいじやないか、国民が相手を選ぶのに……、友達を選ぶには相手を選べということがあるが、特調でも相手を撰んでやつておれば仮に過まちがあつたとしても、その過ちはすぐに解消できるじやないか、こういうような点についてどういう工合に考えておるか、これはまあ併し我々としてはとにかくこの何千万円という金は国民が非常に苦しんで出した税金なんだから、だからこういうものをあなたがたが、それにはいや、努力をしておりますが……どいう程度で済まされるものでなく、やはりこれは取立て、そうして決済をつけなければならん性格のものである。それはまあそれ以上は今あなたが御説明になつたような、取立てるものについては非常にほかの国税徴收法から見ると非常に弱い性格のものである、その点で非常に困つているという話、これはまあ一応委員会でも考えて、或いは法務委員会とか、或いは又大蔵委員会等に、これじや全く困るからという申出をするというようなことにこれは是非やらなければならん問題であろうと思うのですが、ともかく今言つたように非常にこの取立てることのできないというような性質のものがあるのじやなかろうか。恐らく今私がお願いしておいたその各年次に対するところの国庫の回收せねばならない金額の中で、いよいよこれは貸倒れだ、貸してとれないのだから、取られつぱなしであるという性質のものと判定の付くものが一体なんぼあるかという点も重ねて出してもらいたい。それから会計検査院のほうでは、今言つたような趣旨に基いて、非常に取立てができていない状態にあるやつを速かにこれを取るという何か名案があるのかどうかという点を一つ伺いたい。
#41
○説明員(小峰保栄君) 取立てが困難なものについて取立てるような名案があるかというこういう御質問でありますが、実はちよつと名案と申しましても、これは相手次第、支拂の誠意と能力のあるもの、先ほどカニエさんが友達を選ぶならというたとえのお話がございましたが、とかく問題になりますのは、やはり資力が困難になつてしまつたというようなものはあとへ尾を引くのでありますが、御承知のように二十三年度の検査報告に出ました東京ガスの代々木地区住宅のガス料金のあれが二億七百万円でしたか、非常に検査院の批難としても大きいケースになつたのであります。あれなどは相手がしつかりした会社のせいもありますが、きちんきちんと約束した期間には入つております。ああいう大きなもので、相手方に能力がある場合にはきちんきちんと入つて来るのでありまして、終戰処理費で、この非常に乱脈な時代にうまい汁を吸つておつたような業者で、終戰処理費の経費が締まつて参りましたために、又そのほかの原因もございますが、資産状態が非常に惡くなつたというようなものも非常に多いわけでありまして、継続的に繰返し繰返し仕事を頼んでおりますと、新らしい支拂が出て参りますので、新らしい支拂から相殺するというような手もあるのでありますが、これなんかはそういうこともできないわけでありまして、金額としては必ずしも大きな、ほかのに比べまして大きいわけではございませんが、併し甚だ国に納めている税金の使い途として遺憾な事案なのでございますが、件数といたしますと、こういうのが相当多いということになつているので、誠に遺憾ではございますが、どうも取立ての名案というのも結局相手方の能力と誠意にかかつて来ると、こう思うのであります。
#42
○小酒井義男君 これは今日お尋ねしてもあれですが、会計検査院でそれぞれの、二十二年度、三年度、四年度というようなふうに、特認関係なら特調関係の会計検査院の見た面によつて過誤、過拂いとか、不正に使用された金額とかという、そういう額のトータルというものはお出しになつておりますか。
#43
○説明員(小峰保栄君) 終戰処理費だけにつきましては、集計すれば一応できる建前にあるわけであります。実はその過拂いとは何ぞや。ここに過拂金として批難している分なんかは、例えば四百十一号みたいなのがございます。こういうのは割合にやさしいのであります。如何に国がどれだけ過拂いしたか、損したかというような、こういうような計算は実は非常にむずかしく、代々木の東京ガスのほうでも、さつき申上げましたあれなんかも非常な複雑ないろいろ折衝した上で、漸やく会社の納得する過拂額がきまつたわけでありまして、全体として不当な経理、高いものを買つた、拂い過ぎたというようなおおよそのことはわかりますが、細かく計算した集計というのは、終戰処理費だけについてはございません。ただ検査院の批難事項として、例えば違法な支出が幾ら、或いは租税の徴收不足が幾ら、こういう大雑把の集計をしたものはございます。但しこれは二十三年度頃から始まつたと思つております。二十三年度、四年度、勿論五年度もできますが、大雑把なものならばできております。終戰処理費だけではございません。
#44
○カニエ邦彦君 時間も十二時三十分でありますから、本日はこの程度にして……。
#45
○理事(飯島連次郎君) それでは本日はこれで散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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