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1951/04/01 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第16号
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1951/04/01 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第16号

#1
第013回国会 決算委員会 第16号
昭和二十七年四月一日(火曜日)
   午前十時四十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月二十日委員山田佐一君辞任につ
き、その補欠として石川榮一君を議長
において指名した。
三月二十五日委員石川榮一君辞任につ
き、その補欠として山田佐一君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岩男 仁藏君
   理事
           高橋進太郎君
           長谷山行毅君
           溝淵 春次君
           小酒井義男君
   委員
           大矢半次郎君
           郡  祐一君
           伊藤 保平君
           常岡 一郎君
           藤森 眞治君
           森 八三一君
           栗山 良夫君
           カニエ邦彦君
           田中  一君
           紅露 みつ君
  政府委員
   特別調達庁長官 根道 廣吉君
   特別調達庁長官
   官房会計課長  大石 孝章君
   特別調達庁財務
   部長      川田 三郎君
   特別調達庁業務
   部長      池口  凌君
   特別調達庁管理
   部長      長岡 伊八君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会專門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院検査
   第三局長    小峰 保榮君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度政府関係機関收入支
 出決算(内閣提出)(第十二回国会
 継続)
 (大蔵省所管終戰処理費に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岩男仁藏君) 只今より決算委員会を開会いたします。
 先ず派遣議員の報告を議題に供します。派遣議員から御報告をお願いしますが、第一班の派遣議員は石川清一委員でありますが、石川委員は最近決算委員を辞任されまして、本日この席に見えておりません、その代りに当時同行しました森專門員から報告いたさせます。
#3
○專門員(森莊三郎君) 第一班は一月の十四日から二十日まで京都府、大阪府及び兵庫県下における大蔵省所管の旧軍用財産の処理状況並びにこれに関する昭和二十四年度の会計検査院からの検査報告の中に掲げられておる批難事項につきまして実地調査を行なつたのであります。その詳細は委員長に提出いたしました報告書を印刷いたしまして只今お手許に差上げてございます。から、時間節約のため朗読は省略いたしまして、報告書を速記録に掲げてもらいまして、朗読に代えたいと思います。
#4
○委員長(岩男仁藏君) 次に第二班の報告を願います。
#5
○カニエ邦彦君 それでは第二班の報告をいたします。
 決算委員会は院議を以て昭和二十七年一月十四日から同月二十日までの間に昭和二十四年度決算検査報告における特別調達庁所管批難事項中、横浜、大阪両特別調達局管下のものを実地調査及び連合国軍関係施設の実地視察を行なつたのであります。調査を行なつた議員は私並びに菊田委員、波江野專門員、林調査員がこれに参加をいたしました次第でありまして、委員長に対して提出いたしました報告書は謄写して手許に配付してありますので、実地調査の詳細につきましてはその印刷物で御覧を願うこととして、朗読することは省略いたしますが、この報告書の全文は速記録に記載して頂きたいと存じます。
 以上簡單でありますが、報告を行う次第であります。
#6
○委員長(岩男仁藏君) それでは派遣議員の報告は第一班及び第二班から委員長の許に詳細な報告が提出されております。これは只今第一班及び第二班の報告をされたかたからの希望もございますので、その詳細の報告は速記録に載せることにして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。以上の御報告について御質疑のあるかたは御発言を願います。
#8
○カニエ邦彦君 これは質疑ではないのですが、そこで調査に参りました中に播磨製造所へ参つたのでありますが、これについてはいろいろ世間でこの払下をめぐつて取沙汰をされておるのでありますが、これは播磨にかかわらず、八日市の燃料廠でもそうでありますが、施設は非常に宏大なものでありまして、当時国の力を以て軍の施設として非常に多額の資金が投じられたように感じられたのであります。そこでこれが現在国有財産であるものが、これが払下を行うということについては、世上專ら噂されておるような事実があるかないかは別として、とにかくこの払下に対しては我々としてもいろいろ関心を持つておるのでありますから、後日委員長が適当な時期にこれらの払下についてはどういう状態になつているか、或いはどういう方針でいるかということを通産大臣、それから大蔵責任者の出席を求めて、一応委員会で質してみたい、こう思つておりますから、議事の進行の過程において適当な時期にさよう取計らいをして頂きたい、かように思つておりますからお願いいたします。
#9
○委員長(岩男仁藏君) 只今カニエ君からの御発言に対しては了承いたしました。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(岩男仁藏君) 次に昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算外二件のうち、大蔵省所管終戰処理関係の事項について御審議をお願いいたします。先ず批難事項第四百六号から第四百十五号までを議題に供します。以上の事項につきまして波江野專門員から若干の御説明を申上げます。
#11
○專門員(波江野繁君) 只今の議題のうちで、先ほどのカニエ委員から御報告がありました実地調査の分がございますので、御審議の参考に少し御説明を申上げて置きたいと思います。先ず第一点は四百八号でありますが、四百八号は会計検査院の指摘によりますと、概算契約に対して実費精算したものの中に仮設費を二重計上したものなどがあり、その結果約二百万の過払いを来しておる。こういうのが批難の要点であります。これに対して特庁の説明によりますと、約七十万円が過払いになつたからこれを返納させることにしておる、こういうふうに記載されております。実地調査の結果によりますと、当局の説明では、飯場とか食堂、倉庫、事務所等については新たに建設したものとして経費が計上されておつたものがあつたが、実際は借り物であることが判明し、その建設費と借賃との差額約七十万円が過払いとなつたので、これを回收することにしたものであつて、この金額は昭和二十六年三月に回收済みである。その他についてはマル公で精算しておつて過払いはなく、従つて二重計上はない、こういうような説明があつたのであります。そこで更に会計検査院の御意見も聞きましたところ、本件の過払いと認められる約二百万円のうち、約百三十万円はマル公で精算したもののうちには実費を超えておるものがあると認められ、結局精算に当り査定が甘過ぎたことに起因するものであるが、この金額はすでに支払済みであるので、これを回收するについては法的根拠はない。更に約二百万円中の残りの約七十万円については実質上二重計上となつていたが、その後特調においてこの金額を回收することにしたから、現在においてはこの問題は解消しておる、こういうような説明であります。結局本件につきましては、会計検査院の指摘する二重計上の事項は是正されておりますが、精算に当り、その査定が甘過ぎたという点はなお問題として残つておる、こういうふうに認められるのであります。
 次に四百九号でありますが、本件に対する会計検査院の指摘は、精算の結果支払つた代金中、実費を精査しないで、漫然会社提出の請求書によつたため、材料費、労務費及び諸役務費において約五百万円の過大支払を来しておるというのが批難の要点でありまして、当局の説明書においても、その事実を全部認めたような書き方になつておるのであります。実地調査いたしたところによりますと、当局の説明におきましては、会計検査院の指摘を受けた後に更によく調べた結果、砂の一部、約九十立方メートルが現場から採集されておることが判明したので、結局約六十万円が過払いとなることになり、近くその手続を進める予定である、こういうような説明があつたのであります。そこでこの事実につきまして会計検査院のほうにも御意見を承わりましたところ、検査院の初めの指摘のように、砂、砂利、その他のものを全部現場で採集したと、こういう指摘をしたのは、当時特調のほうでも現場で皆取つたということを認めたからこういう指摘になつたのであつて、今申上げたようなそのうちの砂の一部だけが現場から取つた、その以外のものは現場から取つたのではないという、こういう当局の新らしい主張に対しましては更によく調査したいと、こういう御説明がありました。これだけを御参考に報告いたします。
#12
○委員長(岩男仁藏君) 以上の事項につきまして会計検査院及び特別調達庁当局におきまして、特に説明を必要とする事項がありますれば、この際御説明願います。
#13
○説明員(小峰保榮君) 四百六号から四百十五号でありますが、波江野專門員からいろいろ参考になる事項の御説明がございまして、会計検査院としては更に附加える事項はございません。大体同じ種類のものが並べてありまして、そうむずかしいというような案件も実はこの中にはございません。
#14
○政府委員(長岡伊八君) 特別調達庁といたしましても、只今のことに別段附加えることもございません。ただかような事態を引き起しましたことにつきまして、誠に恐縮に存じておるのであります。
#15
○委員長(岩男仁藏君) それでは委員諸君の御質疑を願います。
#16
○森八三一君 四百八号の問題でありますが、支払に当つてその査定が甘過ぎたという点が、まだ問題として残つておるということを、実地調査の結果指摘がされておるのでありますが、国が事業に対する請負代金を払うときに甘過ぎるとか、から過ぎるとかいうことの存在することは、実に不可思議なことに思いますが、一体この甘過ぎるということはどういう内容を持つておるのか、その実体を一つ御説明を願います。
#17
○説明員(小峰保榮君) 四百八号で甘過ぎるとか、から過ぎるとかいうことはちよつとおかしいじやないかという、こういう森さんの御質問でありますが、案は実費というものの考え方にそれがかかるわけでありますが、概算契約を結びまして、一応概算払いをいたします。それから相当期間を経過いたしまして実費を調べるわけであります。四百八号、四百九号も実は関連するわけでありますが、実費というものが初めは本当のからいと言いますか、かかつただけの金しか払わない、こういう建前で初めは来ていたわけであります。そのうちにこの間もちよつとこの席上で御説明いたしましたが、法律百七十一号という有名な法律でありますが、あれが出まして、実費とは何ぞやということに対して定義を下したわけであります。実際にかかつた金というのを超えまして、マル公までは実費と認める、具体的に申しますと、古い時代に非常に安く手に入れた材料というものは、純粋の実費ということになりますと、帳簿価格で計算するわけであります。今百円しておるもので、曾つては五円ぐらいで手に入れたものもあるわけであります。こういうものを帳簿価格で計算いたしますと五円、現在のマル公まで認めると百円、こういうようなしものが相当実はあるわけであります。物価変動の激しい時代にはこういうことがよく起りがちであります。最初は実費という考え方を、今の五円、実際にかかつた金というので押し通した時代も実はあつたのであります。百七十一号が出まして、実費とはマル公までよろしい、こういうようなことが法律上きめられた関係で、そこに実費という観念が相当ぐらついて来たわけであります。百七十一号が出るまでは、私どもとしましては今の例で申しますと、五円が実費だ、こういう建前で押して来たわけでありますが、百七十一号が出ましてから、五円というものを押し通すことが若干無理な点がある、こういうような時代が何年か続いたわけであります。両件ともそこに実は甘さからさという問題が出るわけであります。今の例で申しますと、五円しか金を払つていないものを百円まで認めてよろしい、こういうように法律の考え方が変つて来たわけであります。そこに若干のからさ甘さという判断が入つて来るわけであります。四百八号、四百九号共に今のような問題で、私どもとしては当初の考え通り五円で押し通すべきだ、こういうような考え方を相当実は強く持つていたのであります。法律のほうが実は少し甘くなつてしまいまして、今の例で申しますと、百円まで認めても違法ではない、こういうような結果を来して、そこに実費というものの見方についての幅が出てしまつたわけであります。そこでからいとか甘いとかいう問題が出るのでありますが、四百八号というのは、「二重計上をしたもの等があり」という「等」のほうで甘さからさによりまして相当の幅が出るわけであります。二重計上についてはこれは文句がないのでありまして、一つの費用を或る科目に二度計上しておる。この点では特調でも誤つておられるわけでありますが、今の実費というものの考え方について、私どもと特調との間に若干の食い違いがある、こういう結果を来しておるわけであります。
#18
○委員長(岩男仁藏君) 御質疑はございませんか。別に御質疑もなければ、批難事項第四百六号から第四百十五号までの質疑は終了したものと認めまして御異議ございませんか。……御異議ないものと認めます。
#19
○カニエ邦彦君 前回も特庁のほうに言つておいたが、二十三年度の批難を大体中心として、非常にまあやや傾向はよくなつたように思うのですが、それでも最近非常にいろいろな事件が多くなつておるのですよ。それから特に目立つて来たことは、従来下級職員のいろいろな非行事件というものが、今度は比較的上級の者に来ておるのですね。そういう一つの、二十三年度を山にして、比較的減つて来たが、併しそういうようなことが現実に現われておるということであるから、そこでどういう工合になつておるのか、それからそれらの原因が主として何にあるか、それに対して一応どういうような特庁は対策を考えておるかということ、これはまあ特庁から、長官から一応の国会に対して説明をし、遺憾のところがあれば遺憾の意を表さなければならないし、併しまあ過ぎ去つたことよりも、何故そういうような傾向になつたのかということについて詳しくやはり説明をしてそれに対する対策はどういうことがあるということ、これを先ず先に承わりたいと思います。
 それからもう一つ、ここで我々決算委員会として重要な点は、これはまあ一応の答弁の終つて後、これは検査院からも又特別調達庁長官からも伺つておきたいと思うが、今度の行政協定によつて、従来のいわゆる間接調達が直接調達に切替えられることによつて一般国内産業に対する影響、それから一体日本国に対するところの影響はどういうことに変り得るかということ、それに対するところの長官の、今まで長く調達業務をやつて来た、いわゆるエキスパートなんだから、その点について一体どういうことになるかということを述べてもらいたいと、従つてそれが国家財政に対してどういう工合に関連して響いて来るかということ、それから会計検査院に対しては、まあ今まで会計検査院がいろいろやつて来られた経験からいつて、今後こういう形になつたなれば、一体より以上国の支出の面においてどういう工合に影響するか、或いは影響せなければ影響し方いと、又そのために国民経済等に関して考えられる点があれば一つ御説明を願いたいと、こう思つております。先ず第一段のいわゆる最近におけるところの非行事件の状況並びに今後に対するところの措置等について一応の御説明を承わりたいと思います。
#20
○政府委員(根道廣吉君) 特別調達庁におきますいろいろな非違事件、ときどき新聞に現れます。又現れるだけの実際の関係もございまして、その人つきましては、特別調達庁長官として仕事をあずかつておりまする責任上誠に遺憾に存じます。又只今御質問の、従来は下部ばかりだが、最近のは上のほうにまで及んで来たのではないかという質問であります。現在新聞に出ておりまするものといたしまして、東京調達局の管財部長、比較的上の者であります。この者に関連しての非違事件があるわけであります。問題は大体いわゆる解除物件関係において生じたことだろうと私は考えております、この解除物件というものにつきましては、事の性質上いろいろの人が出入りをいたします。それをめぐりまして、特調の職員の関係なくして、外部においても詐欺事件などが発生するというような歎かわしい状態になつております。従いまして我々といたしましては、特にこの解除物件というものは、丁度蟻の甘いにつくがごとく、寄つてたかつていろいろなことがあるので、十分の戒心を加え、特にそのやり方の問題につきましてもいろいろ工夫いたしまして、嚴格に嚴格に、そのために仕事の処理が遅くなるというようなことがありましたが、それを早くすると同時に嚴格にというふうに、できるだけ指導して参りましたにもかかわらず、割合に上のほうにおいてそういうような問題が云々せられるのでありまして、誠に遺憾に存じます。事柄の内容は私といたしましてまだ正確には存じません。脚多少疑惑の点になるところがあると、こういうことで現在引続いて調べられております。今後におきましてはそういうような者は勿論のこと、関係ある者はできるだけ相当なる処分をいたしますると共に、なお嚴重に戒めまして、特調の今日までやつて参りましたことからも、折角骨折つてやつて来ただけの意味を以て世間の印象に映るようにできるだけ指導して、又若し惡い点があればそれはできるだけ是正するというようにいたして行きたい。こう考えております。
 それからもう一つ、カニエ委員のいわゆる直接調達より間接調達の問題につきまして、若しこれが直接調達ということに大体において相成るならばどういう影響を来たすかという御質問でございますが、私といたしまして今日までの経験、見聞等に徴しまして、間接調達のほうが場合によつて又多くの場合でありますが、直接調達より却つて日本のために、或いは日米両国のためにそのほうがいいではないかというふうな感じを強く抱いておるものであります。その大体のわけを申しますと、何分にも相手は外国の人であります。こちら側は事情を異にする社会経済状態の中で以ていろいろな業を営んでおります日本の業者であります。これが又各種の中小工業者を含んでおるところの相手であります。言葉が自由に通じない点もございます。通じたつもりが、やはりこれが誤解の因になるという場合もあります。又一面日本の業者としての足らぬ点もございまして、とかく仕事を取りさえすればいいということで食いついて行くという結果、見込み違いを生ずる、善意の見込み違いを生ずる、或いは軍側におきまして要求することが呑込めないために、その後軍の要求が非常に無理な恰好になつて来る場合もあります。その場合に業者等において思わぬ損害を招くどころか、それが契約の文面上履行されなければならんということになつておることを後において発見することが往々にあるのであります。そういうときにその争いを裁決する、裁決する方法は現在及び将来のことを考えましても、はつきりした途はないのではなかろうかというふうに考えるのであります。併しながらこれが仮に間接調達といたしまして、その間に或る種のクツシヨン的な存在がある、右に行つて事情を質し、左に行つて事情を質して、できるだけ実際に物事を突つめて行くことによつて将来の解決し得ざる問題をできるだけ少くして行くという方法がとられれば、これが非常に結構であると思います。又従来の状態を考えますと、軍側におきまして直接調達のほうが安く上ると言つておるのであります。最近の予備作業班等においてお話が出たところを漏れ聞きますと、先方の担当官におきましては、自分たちが買つたほうが一〇%、多いときに二五%安く買えるのであり、これを日本政府に間接調達をやらせればそうは行かん、自分たちとしては直接調達のほうがいいと言つておるのであります。併し私どもから考えまして、一〇%乃至二五%安いということは一体どういう原因であるか、むしろ私たちはこれを正確に知りまして、若し日本政府としてそういうことが仮にできる状態であるならば、我々といたしましても同じく安く買わなければならん、それが国に対する我々の当然の務めであります。これが業者に無理を強い、損を掛けてまで安くしたということでなければ、私どもは当然にそうせねばならんものと考えておるのであります。いろいろの場合を考えますと、必ずしも本当の意味で安く買つたと言われない場合もあるのではないかというふうに考えております。軍側におきまして普通入札をいたしております。これは日本政府が全然関係いたしません入札でありますが、入札にいたしましても、日本政府の場合には予定価格というものを立てまして、資格ある者の入札参加を求め、それで最低入札をとるわけであります。その後に業者等において失格の事由がなければそのまま最低入札者に渡すということに相成つておることは御承知の通りでありますが、現在まで聞いておりまするところによりますと、軍側において入札をいたしまするときに必ずしも最低入札をとらんのであります。予定価格というものは必ずないのであります。ただ軍の使うべき予算というものがあるだけでありまして、その場合に十人の入札者があるといたしますと、最低のものをとらないで、何番目かの上のものを適当に選んで、そうしてそれに落すという場合があるわけであります。そのときにその業者に対しまして、場合によりましては一番最低のものがここにあるが、自分たちはこの札と同じくらいの値段で以て物を納めんかというような交渉があるそうであります。まあ仕事を取りたいためにたまたまそれに納得するという場合がないわけでもありません。又更にその場合にいよいよ契約調印の段取りになりましてから、これに更に何%か、一〇%か二〇%か引かんかという交渉がなされるそうであります。その場合にまあいよいよありつけた仕事であるので、無理でも引受けようというので引受けて行く場合が往々にしてあるのだそうであります。
 これは誠に日本の業者の罪であるかと存じます。そのようにして引受けた価格が、自分の経営状態にはね返つていろいろ将来の過誤を来たす、当面は引受けても、やがて過誤を来たす。それが労務者の賃金にまで惡影響を与えるというような問題があるというようなことが今まで言われておるわけであります。又或る品物につきましては、会社の代表等を呼んで値段を相談する、軍は予算がこれだけしかない、これで引受けんかという相談が、会社としては非常にむずかしい、いよいよ最後の段取りになるような場合におきまして、これをまあ罐詰と言つてはおかしいのでありますが、家に帰さずに、何時間もねばつて、あたかも労働交渉のごとく談判をするわけであります。会社からの連絡も取らせず、会社の代表ならば何でもここできめられるだろうと言つてきめさせられる。その結果が相当安い値段であるというようなことがあつたというふうにも聞いておるわけであります。これも断固として拒否すればそれで済むわけであります。何分にも会社の業態というものはあらゆる方面に関係しておるものもありますので、いろいろなことを考えてこれを引受ける、不満ながら引受けるというような場合があつたというふうに聞いておるわけであります。それから又特別調達庁においてそういうような工合にしてなされたる品物と同じ品物を買うという場合におきましては、どうも勢い高からざるを得ないのであります。特に又そういうようにして買われた品物が、先ずそういう値段で軍に引上げられた後において、特別調達庁がそれに増したる数量を又きめられたる短い期限内に買入れようといたしますると、どうしても値段が高くなる、こういうような事情もあるのであります。まあそれはそういういろいろの事情を合せまして、軍が直接にやつたほうが安くなる。安くなるということは、日本の業者が不当に儲けることを防ぐことならばこれは誠に結構でありますが、必らずしもそうじやない場合があるのではなかろうかと心配しておるわけであります。恐らく今後はそういうことはないのかも知れませんが、何分にも安く買うということ、それが職務の外国の軍人でありまするので、特に将来とも多少の無理が起りはせんか。これはたとえ占領軍の威力、権力というものを離れてもありはせんかというふうには心配があるわけであります。又先ほども申上げましたように、特に私として非常に心配いたしますのは、如何に契約自由の原則が存在するものであるといたしましても、その争い、問題が起つたときの最後の決をとる方法というものが、日本の国内法、商慣習等によりまして、日本の公権において裁きを受ける自由を持たなければ、結局争いことはついに解決ができないで、永久に不満、誤解として残つてしまう。折角アメリカが日本にドルを持つて来て、日本が円を以て調達するといたしましても、非常にそれが有難くない結果を生じて、やがて日米間の感情を阻害するような原因にならねばいいがということを強く感じておる次第であります。以上大体の感じを申述べました。
#21
○カニエ邦彦君 そこで大体お考えは我々は拜聽してわかるのですが、このの本の産業経済に直接調達をどんどんやられたらどう響いて来るかということですが、これはどういう工合にお考えですかね、産業経済に及ぼす影響は……。
#22
○政府委員(根道廣吉君) これは非常にむずかしい。余りに勝手に調達されましては日本の経済界を攪乱するであろうという懸念は勿論ございます。勿論その面におきましては通産省なり或いは経済安定本部なりの然るべき調節によりまして物資需給の大きな面はこれはできるだろうと思います。私といたしましてはむしろそれよりも、契約を直接外国の考え方に基いて作られた契約書によつてやるということは、それは初めはわかつておつたつもりで、遂にわからない、お互いの考え方というものがいろいろなことからどうしても問題が起る。契約を直接すること自体に私は問題が起る要素がある。殊に向うの契約の担当官という者は常時変つて参ります。特に軍などにおきましては半年、一年ずつにまるで新らしい者が替つて来ることが多いのであります。勿論契約等を專門にやつておるところの担当官ではありましようけれども、そのうちで替るのではありましようけれども、米国本国から来て替るということが多いのであります。従いまして成るべくいろいろ無理を避けようというふうな考え方になつたといたしましても、やはり問題はそこに起るチヤンスが多いというふうに私は考えております。
#23
○カニエ邦彦君 この問題はかなり大きな問題であつて、これがただ單に国費の支出という限界にとどまらず、直接調達になり従来の間接調達が変つて来るということになれば、いろいろな角度から問題が大きくなつて来るのじやないかと思われるので、これは一応直接担当者の根道長官から意見を聞くと同時に、我々も一応検討をこの問題に対してもしなければならんと思うのですが、そこで会計検査院が今までおやりになつた立場から、又今後おやりになる関係からして、この問題についてどういう工合にお考えになつておるか、一つお聞かせ願いたいと思います。
#24
○説明員(小峰保榮君) 只今のカニエ委員の御質問でありますが、会計検査院としては、御承知のように政策とかこの種の面にはタツチいたしません。私の個人的の見解を申上げるのもどうかと思われますので……、会計検査院の意見としては別にございません。ただ共同防衛金として出す日本の国民の納めた税金による経費というものが、私どもとしては検査ができなくなる。従来終戰処理費は相当徹底した検査をやつておりますが、この種の検査ができなくなるということはどうも確かのようであります、その点から見ましても又いろいろな面から見ましても、まあ間接調達のほうがいいのではないか、これは私個人の実は見解であります。会計検さ院としては実はこれに対してまだ院議というようなものをきめたことはございません。それだけ申上げます。
#25
○カニエ邦彦君 その点でお伺いしておつたのですが、従来会計検査院がこの軍関係のいわゆる調達費を調査されておつて、相当なやはり是正をし或いは又国費の使途に対しての濫費等もこれによつて制約をされ、或いは是正されておるのが多いと思うのです。ところが今度直接調津になることにおいて今局長が言われたようなことにでもなろうことなら、それこそいわゆる国民の納めた税金が一層どういうことになるかということが大きな問題になろうと思うのですから、その点で従来会計検査院がやつて来られたいわゆる何というか、体験の上からいつてどういうようなことが一体想像できるか、そうなつた場合に、これはもう政治的な今言われたような意味も含めて、ただ單に会計検査という枠内、或いは事務的な面からしては今言われた範囲にしか説明はできないだろうと思われますが、これに対して何らかの形で、やはり一般防衛費として出されるもの或いは分担経費として出されるものに対してでも、日本国の金において支出されたものについてはやはり検査をして行く必要があるというようなお考えがあるのかないのか、その点を一つ伺いたいと思います。
#26
○説明員(小峰保榮君) 日本側の出しまず分担金、これとアメリカ側の出すドルと一緒になつて経理するということは、これはカニエさん御承知の通りであります。いわゆるジヨイント・アカウントというわけでありますが、このアカウントを日本側だけで検査して行くということも今の法律ではできません。これが直接調達、結局アメリカ人が日本の金を経理することになるわけでありますが、これを私どもが検査をして行くということは今のあれではできないわけでありまして、これが或る立法措置を講ずることによつてできることになるでしようか、その点がちよつと問題であります。まあアメリカの会計検査院と一緒になつてやるというわけにもこれも参りませんし、ちよつと将来妙な問題も出て来るということが言えるだろうと思います。
#27
○カニエ邦彦君 併し今この問題は、予算総額の割合から占めるウエイトがかなり多いのですから、従つてこれが……今まででも終戰処理費をかなり会計検査院が検査をして来たにもかかわらず、それがもう今度は検査ができなくなつちやう。いわゆる野放しになつちやうということになつて来たら、これは国民としてやはり関心を持たねばならない問題であるし、かなり重要な問題だと思うのです。決算委員会としては、その面において、だからこれはやはり早急に岡崎国務大臣なり政府当局を呼んで、そういういわゆる相当量の国費がこれからも年々引続いて出ると思うのですから、その点はここではつきりやはり明確にしておく必要があると思うのです。これは場合によつたら委員会として何らかの処置を講ずる必要があるのではなかろうか、こう思われるので、私はそういう重要な意味を持つので、今日は会計検査院なり長官の意見を聞いてみたんで、なおこれはただ長官或いは一会計検査院だけの問題でないので、政府との間で委員会でもう少し議論を戰わして、何らかの結論を出す必要があると思うのです。従つて本件については特に委員長において留保されて、次の機会にでも一つ早急に措置をして頂きたい、こう思つておるのですが、何でしたら適当に委員会で委員長からお諮り願つても結構だと思いますが……。
#28
○委員長(岩男仁藏君) 今カニエ君からの御発言でありますが、直接調達及び間接調達の件について政府の責任者からこれに対する対策を聞いてはどうかということでありますが、どうでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(岩男仁藏君) 別に御異議がないようでありますから、いずれ後日政府の代表者を招いていろいろと検討することにいたしたいと思います。
#30
○カニエ邦彦君 そこで一般的な特別調達庁長官に対する質問はこの程度にいたしまして、次の議事進行を願いたいと思います。
#31
○委員長(岩男仁藏君) それでは批難事項第四百十六号から第四百二十一号までを議題に供します。先ず森專門員から若干の御説明を申上げます。
#32
○專門員(森莊三郎君) 四百十六号から四百三十一号までは物件に関するものでありまして、そのうち先ず最初の四百十六号から四百二十九号までは解除物件と称せられるもの、即ち連合国の軍用施設で不要になつてこちらに返されたものでありますが、それについてこれを売渡す、或いは管理する上に適当でないものとして検査院から指摘されているものがありますので、それにつきまして、検査報告の八十六頁から八十七頁へかけまして若干一般的な説明が挙げてございます。朗読は省略いたしたいと思います。それに対しまして当局のほうからは別の印刷物の説明書第四十八頁に一般的な答弁がありまするので、それを特に御参照を願いたいと思いまするが、なお四百三十号は、「物件売渡代金の徴收処置当を得ないもの」、それから四百三十一号は「物品の購入に当り納入経費を過大に積算したもの」、こういうふうに記されておる事件なのであります。これにつきましては別段改めて附加えて申上げますることはございません。
#33
○委員長(岩男仁藏君) 会計検査院及び特別調達庁等に特に説明を要する事項がございますならこの際御説明を願います。
#34
○説明員(小峰保榮君) 解除物件の案件、その他物件に関する案件につきましては、今專門員の御説明がございましたが、ちよつと私から補足さして頂きたいと思います。
 解除物件でありますが、ここにもございます通り終戰処理費関係で要らなくなつたというので返された物件が六十九万トン、非常な実は量であります。一旦使いまして要らなくなつたというので返されたものでしたら、私ども別にそれに対してとやかく言う筋合ではないのでありますが、併しこのうち四十三万トンというものはまあ買うには買つたが使わないで返されたものであります。六十九万トンのうち約四十三万トン、これは主として建築資材であります。非常に長期の保管で傷んでおりますが、とにかく四十三万トンという莫大なものが、要らなくなつたというので返されたのであります。六十九万トンと一口に言いますが、実は非常な量であります。これはちよつと四トン積トラツクで割つて頂きますと、どのくらいの量か、如何に莫大なものかということがわかりますが、この大きな物が返されまして、国内で非常に安い値で売られたものであります。そこにいろいろな問題が出たわけであります。二十三年度から漸く手を著けられるようになつたのでありますが、二重煙突の問題、これは御承知の通りです。それから二重煙突と並んで批難しました、いわゆる水ドラム罐、九〇%以上水が入つたものを買つた、こういうような件もあつて、二十三年度は非常に大きな問題が出たわけであります。二十四年度はそれの尾を引いておるわけであります。今の水ドラム罐の問題などは四百十七号に載せられております。これは二番目にございます四百十七号、これは一罐約二千円で、当時物の安い時代でございましたが、昭和二十二年頃二千円で買つたものを五円で売つてしまつた、たつだ五円で売つてしまつた、こういうことを揚げておるのでありますが、如何にもひどい、情けないような感じのする案件であります。随意契約で二千円出して買つたものをたつた五円で売つた、これが四百十七号であります。
 それから中でちよつと、今の四百十七号所外に、あとは比較的売り方が惡いというよう案件をずらりと並べてございますが、そのうち四百二十七号、これがちよつと性質が変つておりますので御説明しておきます。四百二十七号は不正の出荷指図書、これを持つて参りまして、銅板を百七十八枚出してしまつた。こういう問題でありますが、部外者と係の者が共謀いたしまして、正規の出荷指図書の用紙を取りまして、払出命令を作つて、そして、倉庫業者をだまして取つてしまつた、こういう案件であります。倉庫業者も一応怪しいということで拒んだのでありますが、結局渡してしまつた。こういうので、倉庫業者に弁償をさせること、になつておりますが、この検査報告を作りました当時にはまだ弁償されてい仇ない、値段にいたしまして百万円以上のものであります。
 それから四百三十号をさつきちよつと御照会がありましたが、これも余りよくないのでありまして、横浜の調達局で鹿島建設に二十三年の十一月から二十四年七月までの間に約千万円の資材を渡して庁舎を造らしたわけであります。そしてその庁舎を借りまして賃借料はきちんきちん毎月こちらから払つております。鹿島建設に対しまして。ところがその千万円のこちらから渡した物品の代金は取つていない。借料と当然相殺していいわけであります。物をやつてそれから使つて庁舎を建てさして、そしてそれを官で借りた。こういうのでありますが、賃借料だけはきちんきちんと払つているのに、こちらから渡した約一千万円というものの代金はさつぱり取つておらん。こういう案件であります。大体ほかのものは同じような売払いがまずいとか代金が安過ぎるとか、そういうようなものをずらり並べましたが、今申上げた案件がちよつと際立つた問題であります。
#35
○政府委員(長岡伊八君) 解除物件の処理の問題につきましていろいろまずいことを引き起しまして誠に恐縮に存じておる次第でございます。
 解除物件は只今小峰局長からもお話がございました通り非常に多量な物が解除になりまして、昨年末までに売払いましたものが九十万五千トンほどございます。これで売上げました金額が三十億円余に相成つております。そういたしまして、この物件を払下げいたしまするにつきましては、我々誠に商売に慣れん者が取扱いましたのと、中途で非常に売却を急がれた事情がございまして、売却に着手いたしますときには軍から容易に許可が得られません。開始いたしますと倉庫料その他の関係で非常に急がれましたので、事務不慣れな者が安く売つたというような事件を引き起した。いずれにいたしましても、如何ような理由がありますにいたしましても、ここに御批難を受けましたような事件を引き起しました。なお先ほどお話の出ましたこの物件払渡しに関与いたしております者のうちから容疑者を出しましたことにつきましては、現在の担当部長といたしましても、長官を補佐いたしております者といたしまして甚だ恐縮に存じておる次第でございます。ただひたすらお詫びを申上げまして、今後の事務に注意いたすほかないのでございます。ただ解除物件は先ほどお話の出ました直接調達ともなりますれば、恐らく今後は解除になるものはあるまいかと存じております。従いまして解除物件のやり方が惡いというので本委員会でお叱りを受けますことも先ずなくなるのではないかとほつといたしております。(笑声)一面又三十億というこれまで歳入を図りましたが、せめても叱られながらも歳入でも図りたいと努めて参りましたが、これも相かなわんことに相成りまするので、この点につきましては又失望もいたしておる次第でございます。只今御指摘に相成りました各件につきましては決して会計検査院の御批難に対しましてかれこれ抗弁がましいことを申上げます気持は毛頭ございません。ただ誠にまずいやり方をいたしましたことについて重ねてお詫びを申上げます。
 ドラム罐の問題につきましては、まあこれは二十三年度の批難のときからたびたび話が出ましたことで、この理由につきましては皆さんにおいてすでにどういうことでこんな問題が起つたのかも御承知下さることと思います。大阪局で申しておりまするのは、当時このドラム罐は古物を急激に集めまして、これに詰めて出しました結果、大阪から送り出しますときには、ほかの局には比較的しつかりした罐を送りましたので大阪局に惡いものが残りました。いいものは相当の値段で売つておりますけれども、平均いたしましてかような安いことになつたということを申しております。これとてもなおなおやり方もあつたことであろうと誠に遺憾に存じておる次第でございます。
 それから四百二十七号につきましては、事態は只今小峰局長からお話がありました通りでございます。この金額だけはすでに回收済みであります。それから関係者を懲戒処分に処したような次第でございます。なお金もすでに收納済みでございます。
#36
○小酒井義男君 只今の御意見ですか、御説明ですか、その中で不慣れな者がやつたのでこういう間違いを起したと言われたのはどの問題のことですか。
#37
○政府委員(長岡伊八君) 実は不慣れの者と申上げましたのは、解除物件全体につきまして売却という、言わばまあ商売みたようなことをいたしますものが官吏がいたしましたので、この意味において申上げましたので、それぞれこれを売却いたしますときには技術者もおりまするし、全然その意味において不慣れな者ということを申上げることはできないと思います。
#38
○小酒井義男君 解除物件を売却される場合には必ず私は手続があると思うのです。ただ当事者だけがやるのじやなしに、責任者がその売却価格が果して妥当なものかどうかという、そうした判断の下にそれを処理される手続があると思うのですが、そういうものはないのですか。
#39
○政府委員(長岡伊八君) これは御承知の通りに特調の事務は横割りになつておりますので、先ずこれを保管して置く者が別にございます。で保管の整理をいたしまして、こういうものを売りに出せということを契約のほうに要求いたしまして、契約の者はこれをいついつか如何ようなものを売却するという公告をいたしまして、でその値段は技術部の技術家がこれを基準によりまして積算をいたしまして、この値段を極秘にいたしておきまして、入札の直前に契約部に出しまして、契約部の者が入札手続を行いまして、値段の折り合いました、予定価格以上でありますものに売却いたして参つた次第であります。
#40
○小酒井義男君 そうしますと、不当に安く売つたという会計検査院の考え方であるにかかわらず、特調としては技術関係が予定しておつたよりも高く売れたと、こういうことになつて行くと、その技術関係の査定というものが非常に不当な安い査定がされておるという結果になると思うのですが、会計検査院の批難を承認されるということになると、特調にそうした方法で払下げをせられたことによる根本的な私は欠陷があるのじやないかと、こういうふうに思うわけなんですが、そういう点はどうなんですか。
#41
○政府委員(長岡伊八君) 勿論この御批難を受けましたものの中には、技術部面といたしましてつまらんミスをいたしておりますものもございますけれども、この批難事項を引き起しましたことは、單に技術家ばかりの責とも申されませんので、非常に売りにくいもの、売れないであろうという見込のもの、なお非常に急いで売らなければならなかつたという関係で取急ぎました関係もございまして、これは只今申上げました通り、技術家ばかりの責任とも申されませんので、各担当者全部がやり損つたと見るのが至当じやないかと存じます。
#42
○小酒井義男君 これは一つ一つ言つておるとなかなか大変なんですが、総括して考えられることは、使えないような品物を買つておるということ、そうして払下げる場合にはそれを極めて惡い條件で、不利な條件で払下げをしておるということに盡きると思うのです。で一々が弁明を求めておると、もう毎日でも決算委員会を開いて特別調達庁に出て頂かんと、追及ができんような問題があると思うのですが、とにかくそれにしても私は注意をしたとか、非常に遺憾であるということに対して、もう少しやはり真劍に考えて、こうした問題の根を絶やすような努力をやはりやられませんと、こういつまでたつても、注意したあとからあとからいろいろな問題ができて来るのですから、この点はやはり非常にこうした財源を負担しておる者の立場というものをもう少しやはり真劍に考えて、そうして予算の使用などを私はやつて頂かんと、もうここで弁明をすればそれで済んでしまつたというようなことじや、非常に無責任じやないかと思うのです。そういう点について将来今のような形で注意をすることによつて、監督の任が経るとお考えになつておるか、もうほかにこうした問題の排除をして行くようなことがほかに考えられないのかどうか、そういうことについて一つ御意見を承わりたい。
#43
○政府委員(長岡伊八君) 決してここでお詫びを申上げましたらそれで済むというような考えを持つておりますわけではございませんので、何とかしてかような事件を引き起しませんように、国損を起さんようにいろいろ担当者を監督なり督励いたしまして努めて参つたのであります。今後もでき得る限りの改善をいたしまして、かような事件の起りませんように努める覚悟でおります。殊に前はなかつたのでございますが、これは解除物件ばかりではございません。全部の仕事につきまして監察制度も、かような事件も考えました結果、監察制度も設けました。今後の問題につきましては更に努力いたしまして、各担当者に十分注意いたさせまして、でき得る限りの力を盡しまして、かような問題の起らんように努めたいと考えておる次第であります。
#44
○藤森眞治君 この四百三十号の説明をもう少し承わりたいのですが、約一千万円の物を鹿島建設にやつて、そうして家賃を一つも取つていない、これは今の価格の見積りが違うとかどうとかという問題でなくて、これは常識で考えて、物をやつておつて家賃を一つも取らないということは、常識では考えられないのですが、これは一体どういうわけでこういうふうなことになつたのですか。
#45
○政府委員(川田三郎君) 第四百三十号は、資材の代金を回收しなかつたということでございます。特調のほうは家賃を払つております。資材を官のほうから支給いたしまして建設をさせ、そこで家が建つて、当然その資材につきまして、その資材代金を業者から徴收しなければならない関係にあります。然るに家が建つて、その賃貸借契約によります代金が、家賃が業者に対して国から払われると、当然その資材をそこから引くべきなんで、今から考えますと、会計検査院の御批難のように、若し資材代金がはつきり計算されないならば、概算でもその家賃を留保すべきであつたと存ずるのであります。ただそれが一面において毎月の家賃は定額になつて、成るほどそれ自体は債務でございます。だから払うということになつたのでございますが、資材のほうの金額の計算がなかなかできなかつた。なぜか、それは業者のほう
 では、こういうものはなかつたとか、こういうものは数量が違うとかいうことで、国の債権額が固まらなかつた事情がございます。それで清算が遅れた。で遅れたままにしておきまして、払うほうは払つたということになるわけでございます。概算的に払うべきものと取上げるべきものとがあつたわけでございますから、それはそれで一定の金額だけでも留保すればよかつたと存ずるのでありますが、それをあえて
 やらなかつたということでございまして、まあ御批難もあつた関係で、取急ぎまして二十六年の三月三十一日、丁度昨年度の年度末に全額歳入に取つてはございますが、甚だ遅れまして、こうした場合今後は只今私が申しましたように、少しでもこちらの権利も主張
 いたしまして、こういう歳入の遅れることのないようにいたすように注意いたします。どうぞ御了承を願いたいと思います。
#46
○藤森眞治君 こういう資材を渡して、何か計算が遅れるということでありますけれども、家が建つた折にはもうすでに精算ができておるはずなのです。精算ができたから家が建つので、家が建つて家賃を払つておる、まだ資材の計算はできていないというようなことは、まあ普通常識で考えられないことですね。どうもその点が呑み込めないところ、がありますね……、じやよろしうございます。
#47
○森八三一君 去年も問題になり、只今も御説明のあつた四百十七号のウオータープルーフイングでありますが、特調の実地調査のときの説明によりますと、横浜と仙台でこのものは使うのだ、それを大阪で購入したということでありまするが、それを京都、名古屋に保管転換をされたというのは一体どういうわけで……、使わん場所へ保管転換をするということはあり得ないと思いますが、これはどういう理由に基いてそういうことをおやりになつたのか、先ずそれをお伺いしたいと思います。
#48
○説明員(小峰保榮君) 私から御説明いたします。
 この大阪の特調でドラム罐入りのウオータープルーフイソグを四万四千罐ほど買つたのでございますが、昭和二十一年から二十二年にかけましてです。これが名古屋の特調ができましたときに、これは名古屋の特別調達局はあとでできたわけでございます。そのときに、大阪の在庫品を大阪と京都と名古屋、これに三分して分けたのでございます。これは非常に機械的な分け方をしたものですから、今森さんおつしやるようにこれをもう当時要らんということははつきりしておつたのですが、大阪に置いておけばまだいいのですが、わざわざありつたけの大阪の在庫品を三つに分けまして、これは比率が全部同じではありませんが、名古屋が一等少なかつたのでありますが、ともかくも持つているものはみんな三つに分けまして、その二つの分を京都と名古屋に分けたのでございます。その関係で、これも要りもしないものを名古屋へわざわざ保管料をかけて送つたのであります。これについては検査院は、実は昭和二十三年でございましたか、批難しております、要りもしないものを送ることはないじやないか……。これなんかも特にさつき御説明ありましたが、いい物を選つて送つたので、大阪に残つたものは惡いもので四円でしか売れなかつた、これも何だかはつきりしない御説明でありますが、要りもしないものを名古屋へ送つたのであります。たまたま新らしく調達局ができました関係で、左庫品を持つておりません。大阪はしこたま持つておつたわけで、それを分けまして名古屋へ送つた。そういう関係でこれが名古屋に分けられたわけで、あとから申しますと誠に妙な話になるわけであります。
#49
○森八三一君 検査院の、要りもしないものを送つたということは、まあ想像でおつしやつておるのだろうと思うのでございますが、特別調達庁が御説明になつておる説明は、横浜と仙台で使うものを大阪で購入した、こういう御説明を調達庁はされておる。会計検査院はあとで使わなかつたのだし、その当時にまあ使わなくなる見込みもあつたのだから、要りもしないものを送つたのだ、こういうことで想像されてのお話でございますけれども、調達庁ははつきりと実地調査に行かれた場合の御説明に、このものは横浜と仙台で使うのだ、それを大阪で購入した、こう説明されておる。その説明が誤りであればいいのです。いいが、そう説明されておる。それが今年の一月の説明なんです。そうすると京都と名古屋に送るべき理由というものはどうしても存在しないと思いますが、運賃をかけて、わざわざ送つたという理由はどこにあるか。名古屋でも使い、京都でも使う見込みがあつたのならば送ることも意味があつたと思います。ただ説明が横浜、仙台で使うのだとおつしやるから、そういう理由は発生しない、なぜそういう運賃をかけて送つたか。それをそういう保管転換をするには機関もあり決裁もあつて行われると思う、そういう決裁はどうして行われるのか、軍に係りがいい加減に倉移ししたというわけはないので、移すには移す理由があつて、その部局の決裁もあつて行われたと思いますが、どうしてそうなつたか、お伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(長岡伊八君) 購入いたします場合には実は只今お話のありました通り横浜と仙台で使われるという予想の下に購入しました。軍の都合によりましてこれが横浜でも仙台でも使われませんために不要になりまして、この売却をいたすことになりました。只今会計検査院からも御指摘がございました通り、保管を分けて譲るという、分けて保管するという結果に相成りましたものであります。
#51
○森八三一君 使用の見込のないものを、調達局ができたから分割して保管をする。運賃をかけて分割して、それで何か益するという見込でもあつたのか、どうなんでございますか。一体それを大阪に置けば保管料が高いから名古屋に置けば安いから、運賃をかけてもそれが有利だという理由があつたとすれば、それは一つの意味はあると思いますが、これは水の入つておる相当の重量がかかるものですから、簡單に動かすわけに行かない。かなり運賃がかかると思う。検査院は運賃にはちつとも触れておりませんが、これは相当運賃を払つたと思う。その運賃がやはり別の経費として支出されて、それも大きな国損を生んであると思うのですか、そういう見込がないものを仙台と横浜で使うのだという目的で大阪で購入をした。それが事実上もう使用されないということになつたから、新らしい局ができたので、それを分割して保官させるなんということは、これは藤森さんからお話の四百三十号以上に常識を外れたことだと思うのです。どうも私ども普通の頭の者では解釈ができないことだと思いますが、なぜそんなことをおやりになつたのか。
#52
○政府委員(長岡伊八君) 誠に御指摘の通りでございまして、初め仙台と横浜で使うであろうという予想でございましたが、その後仙台、横浜では使われないということがわかりましたので、名古屋でもこれは使われるであろうという当時の見込違いをいたしまして送りましたと申上げるよりほかございません。
#53
○森八三一君 その答弁はおかしいの1やないですか。大阪にあつて、もう検査院のお話のように使われみいということがはつきりしてしまつた。その時期に、たまたま新らしい局ができたからそこへ移したということは、使う見込があつたと、こうおつしやるなら話はわかりまするが、その品物自体がもう使用の用に供されないということが判明されたあとで移されておるという点にどうしても私は理解ができません。なぜ移したかということをお聞きしないと……。その問題は幾ら糾明して行きましても、これは恐らく答弁はできんと思いますから、打切りまして、二円二十七銭と予定価格をきめたと言いますが、その二円二十七銭という予定価格をおきめになつた何か記録がありましたら一つ説明願いたい。私の常識によりますれば、仮に検査院指摘の通り穴が空いておつて、もう水は漏れてしまつて、恐らくこれは空き罐になつたと私は想像いたします。若しこいつがまだ現存しておるというようなドラム罐であれば、二円二十七銭という馬鹿げた価格はどう考えてもその当時は想像ができません。それを二円二十七銭と計算されたことは、ああいう穴が空いてしまい、腐蝕しておつて水が漏れて、水はこの場合は薬ですが、その薬が漏れてしまつた、中味がちつともないというものを査定して二円二十七銭という結果になつたのではないかと思いますが、それにいたしましても二円二十七銭という査定は当時の経済状況から申しますれば、スクラツプといたしましても余りにも不当ではないか、二十三年の批難事項のときには、倉庫で払下げをいたしましても直ちに用に供するわけにはいかんので、そのものを更に運搬をして、中の水を空けて、そこで初めて空きドラム罐になるのだ、だから払下げを受けたのは非常に高い運賃をかけて大川の、海岸か川端かどつか知りませんが、そこまで運搬をして、中味を空けてしまつて、初めて空きドラム罐になる、そういう運賃がかかるので五円という安い価格が出たのだと、こういう御説明でございましたが、その御説明通りといたしますれば、ドラム罐はドラム罐として完全なものとは言えんまでも、水の漏らない程度のものであれば相当の価値があつた。二円二十七銭ということはもうその水を空ける必要のないものであつて、水は漏れてしまつておつて、中味はないというのじやないか。そうするとその運賃をかけて云々という二十三年の御説明は合わなくなつて来るということになるのでございますが、一体その実情はどうであつたかということを一つお伺いしておきます。
#54
○政府委員(川田三郎君) どうもこの水ドラム罐は結論的にはもう私も売り方が下手である、安かつたということでございますが、ただどうしてそういう事情があつたかということについて、私技術の担当ではございませんが、聞きました点から御説明いたしますと、只今のようにもう水も溜らないようなものに対してだけならば二円ということも或いはあるかも知らんが、水があつたのはもつと高くていいじやないかという、そういうような計算をやはりいたしました次第です。たくさんのドラム罐の中で約八〇%、一万九千六百罐でございます。その八〇%につきましては水も溜らんものばかりではないですが、水がありましてもあと抜いたところがドラム罐としての使い道に適さないというところで、これは実はその七十二円二十銭の赤でございます。これをやると経費がかかつたあげくは七十二円の持出しになるというものが八〇%あるという計算をしております。それから他の二割に当るほうは一本三百二円だけの値打があるという計算をいたしました。そういう計算は成るほど机上ではできましようが、これを商売として考えた場合に、こういうものをこみにして売つたら一体幾らくらい売れる、ドラム罐を二つに切りまして倉庫の蔵番がやる火鉢にしたところで十円や二十円の値打はあるだろうと私は考えるのであります。それをそういう客観的なことをせずに、これは三百二円である、これはマイナス七十二円である、それを計算してみると、算術で寄せ算してみると一本が五円になる。これも仕方がないという売り方は、苟くもたとえ官吏のやる売買でありましても、如何にも粗雑であつた。こう考えられるのでありまして、今のように二千円したものが初めは一本五円でもいい、こういう考え方で進んだのではないのでございまして、考え方だけはやはり私たち三百二円を計算し、マイナス七十二円を計算しまして、結果はこうなつてしまつた。この辺が如何にもお役所の仕事らしいところでございまして、誠に申訳ないわけであります。
#55
○カニエ邦彦君 この問題は、今森君が言つておられて、答弁はこうでもないああでもないという答弁をしておるが、それは小峰局長も言つておる通り、実はわれわれ聞いておつても、早くこの帳面から消えてなくならんかと思うほど情けないのです。情けないこの一言に盡きると思います。それで簡單にこれは部長がいやどうも済まんとかというようなことでは、これはちよつと済まされないのですよ、こつちのほうは……。そこで今の答弁の範囲を聞いておると、これは実際その本音を出していない、こう僕は考えておるわけであります。それは理窟に合わないから……。そこでこれが検査院でまあお調べになつておれば、検査院からでもいいが、購入したのがあれは昭和何年何月で、そのときに何本を購入したか、その購入した価格はなんぼである、その後それを大阪で調達して倉庫に入れておつて、大阪の倉庫賃が全部でなんぼかかつた、それからそれを運んで来るのに運賃がどれだけかかつて、それを又今度分散するのに運賃をかけておる、そうして分散して、分散した先でも又倉庫賃を多少の期間払つておる、そういうものを引括めてこれはその明細書を一遍前にも出されたのがあるかと思うが、詳しいのをもう一遍出してもらいたい。運賃を引括めるとなんぼになるのですか、原価は二千円ぐらいでしようか。
#56
○説明員(小峰保榮君) 今のカニエ委員の御質問、それから森委員の御質問に対してお答えを申上げます。
 これは去年の検査報告の三百九十八号に価格が出ております。全体で四万四千百罐を購入したのでありまして、価格は八千七百四十九万七千九百九十四円、それに納入輸送諸掛が五千三百三十三万円、それからあと保管料を払つておりますが、全体で以て保管料の支払が二十四年三月分までで千三百五十五万円、こういうことになつております。先ほど漏れてしまつてどうとかいうようなことがありましたが、保管料は完全品並みに払つております。一昨年でございましたか、その現場を売つたやつを見ましたが、決して全部が全部漏つてしまうのではございません。漏るものもある、その程度でございます。漏るものもあるし、打つつけてへこんでおるのがありますが、全部が全部では決してございません。先ほど役人商売ということがございましたが、これは実におかしいのでここに最初の予定額の計算がございますが、六万八千七百円という金をつけてやらなければならん、こういう計算をしておるのでございます。これもまずいというので、いろいろ計算のやり直しをしまして、一個平均二円なんぼという予定価格を作つたのであります。二円二十何銭という予定価格になつておりますが、最初に基本に計算した価格二千二百から二千三百を元にして、そうして運賃諸掛その他幾らというものをだんだん引いて行きますと、残つたのは二円なんぼというような計算になつてしまうのであります。ほかでは競争で売りましたのが百円以上に売れているのであります。二千円かかつたものを百円で売るというのは実に情ないものでありますが、併し五円というのは如何にもひどいのでありまして、(笑声)いろいろなことを当局者は弁明をするようでありますが、どうもどの弁明も私どもとしては承服できないのであります。
 先ほど、森さんがおいでになつたときも、横浜と仙台で使うということをおつしやつたそうでありますが、恐らく何年においでになりましたか、その当時は使わないことは確かであります。こういう使えない代物でありますから、九十何%も水が入つておりまして、ひどいのは私ども分析してもらつた結果九七%も水が入つているのがあるのであります。これではセメント防水剤としての用はなさんわけでありますから、これも先ほどお話のありましたように、わざわざ京都と名古屋へ運賃をかけて送る……、運賃の批難が決算報告に載つていないというお話がありましたが、これも実は昨年細かく批難しております。昨年の四百十六号、この案件で運賃はウオータープールフイングだけではありませんが、大阪にありました資材を名古屋に特調がやりましたときに、大阪五、名古屋四、京都三、五、四、三の比率で機械的に分けてしまつたのであります。これは軍側で新らしい局ができたのだから相当資材を持たなければいかんというようなサゼツシヨンがあつたのでありますが、とにかくこういう使えないものを今のように分けまして、一万一千十七トン、これを大阪から京都と名古屋に分けたのであります。それからその一万一千トンのうち、私ども検査に参りましたら、まるきり使つておらんというのが五千二百トンほどあつたのでありまして、この五千二百トンに対する輸送費が二百七十万円かかつております。全然使わないものを送つてそれの輸送費が二百七十万円、この辺になりますと、実際検査をしていても情なくなるのでありまして、何のために一体こういうことをやるか、その後特調としても大分いろいろな点で整備されておりますが、この時代のやり方はこれは実際どうかと思うのでありまして、輸送費の点も今申した程度には実は調べてあります。
#57
○カニエ邦彦君 それで結局これはドラム罐の、いわゆる水とドラム罐と運賃と倉庫賃と総計大体なんぼになつておりますか。概算で……。
#58
○説明員(小峰保榮君) 一億円ちよつとになります。
#59
○カニエ邦彦君 そうすると、昔の金で一億円、その一億円の金が水になつて消えるというのだ。なくなつてしまう。殆んどなくなつたにひとしい。それで而もその一億円は、片一方では要りもせんものを機械的にあつちにやり、こつちにやつてひねくつて倉庫賃、運賃を払つて行く、一体その一億円の金の裏で何人国民が一家心中をしているかということを考えてもらいたいと思う。そうすると我々国会としては、ああそうですがではちよつとこれは済まされない問題になるのです。そう簡單に行かない。だから私はこれは実にもう情ないことで、これが止むを得ないことで、そうして国民に対して一億円の損を、災害でなくなつたというなら、甚だ遺憾でありますという言葉でこれはしようがない。昔、僕はこれは或る人の話なんですが、中国では遺憾であるということは、その当時の皇帝が、非常に不作で国民に対して物が穫れないというようなときに遺憾であつたとか、不測であつたというようなことを言い出したのが大体源だということを聞いているが、そういうような性質のものじやないのだ。而もその答弁の内容からいつても、どうもそう簡單には僕は行かないと思う。従つてこれはまだまだ私は質問を続けて、私が調査した観点から一応質疑をして行かなければならないと思う。そこでもう時間も一時間になつておるので、この程度にして置いて、あとの機会に引続きやろうと思つておりますので、委員長において適当にやつて下さい。
#60
○委員長(岩男仁藏君) あなたのは四百十七号だけですね。
#61
○カニエ邦彦君 いいえ全部ですよ、四百十七号というのは今他の委員から発言があつて、そうしてこれをぼつぼつやりかけたので、話をしておるので、他のことはまだ話をしていないのです。
#62
○田中一君 私は戰災復興院時代と考えているが、当時の混乱した、占領軍にいわゆる国が調達したということ、その命令を受けるという立場で、恐らくそういう混乱時代に無論不用な物も買わなければならないという事実がたくさんある。或いはそれを売つてよろしいという命令がなければそのまま持つておらなければならないということもあつたと思う。従つて現在までの検査院からいろいろな意味の批難は当然です。これは特調としては主管する公務員としてその責を負わなければならないが、その蔭に或いは贈收賄、不正払下げ、或いは何と言いますか、裏から金をもらつておるという事実がないならば、当時の事情としては、いずれも不用な物も買わなければならなかつたというような客観情勢を考慮して、一応の同情的な見方をしてやらなければならないんじやないか、こう思う。併しながら今カニエ委員が言つておるように、公務員として当然すべきことをしなかつたということは十分批難していい。同時に又その蔭に刑法上の犯罪事実がないかという点ももう少し追及しなければならないと思う。この点は会計検査院はお調べになつたんでしようか。
#63
○説明員(小峰保榮君) その点も十分調べておりますが、そのドラム罐の問題はそういう暗い影はないようであります。如何にもまずい、混乱時代とは言いながら買い方もまずい、それから戰災復興院時代は別として、名古屋に分けたり、五円で売つたということは、如何にもまずいのでありますが、別にその蔭に犯罪があるというようなことは私どもとしては考えておりません。
#64
○田中一君 売却する場合には、結局向う側からこれも要らんから売つてよろしいという許可になつて売つたか、それとも特調が任意に売つてよろしいのか、その点は……。
#65
○政府委員(長岡伊八君) 解除物件が出て参りまして、日本政府に渡されまして、初めは許可のあるまでは売れなかつたのであります。その後売却を始めました当初には相当軍のほうから細かく指示いたされた事例もあります。我々といたしましては、早く売つたほうがいいと思うものもその許可が参りませんので遅れたような次第もありましたので、その後は特調で計画を立てまして売却いたしたものであります。本件につきましては、弁解いたすわけではございませんが、一般の解除物件の売却につきましては非常に急がれました関係で、我々事に当ります者が売り急ぎをいたしましたし、又これでは到底売れないであろう、責任額を果せないだろうということに非常に精神的なあせりを持つておりました。その問題がいろいろなところに現われ参つたことは誠に遺憾に思つております。
#66
○カニエ邦彦君 今検査院の小峰局長から、本件に関しては刑事的ないわゆる事犯は伏在していないように思われるということであるが、これは必ずしも絶対ないということではないと思うので、これは後日やはり調査をして何すれば明らかになると思います。本日はこの程度で……。
#67
○委員長(岩男仁藏君) それでは本日はこれにて散会することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(岩男仁藏君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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