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1951/05/08 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第21号
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1951/05/08 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第21号

#1
第013回国会 決算委員会 第21号
昭和二十七年五月八日(木曜日)
   午後一時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岩男 仁藏君
   理事
           溝淵 春次君
           小酒井義男君
   委員
           大矢半次郎君
           郡  祐一君
           瀧井治三郎君
           西山 龜七君
           宮田 重文君
           藤森 眞治君
           森 八三一君
           小林 孝平君
           カニエ邦彦君
           小林 亦治君
           菊田 七平君
           紅露 みつ君
  政府委員
   大蔵省主計局司
   計課長     柳沢 英蔵君
   運輸省大臣官房
   会計課長    辻  章男君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会專門
   員       波江野 繁君
  説明員
   大蔵省主計局司
   計課課長補佐  奧村 義雄君
   大蔵省主計局司
   計課監査第一係
   長       古橋 昌平君
   大蔵省管財局国
   有財産第二課課
   長補佐     原  末一君
   会計検査院事務
   総局検査第三局
   長       小峰 保栄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度政府関係機関收入支
 出決算(内閣提出)(第十二回国会
 継続)
 (大蔵省所管終戰処理費関係艦艇解
 撤に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岩男仁藏君) 只今より委員会を開会いたします。本日は昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算ほか三件を議題として供します。昨日に引続き艦艇解撤に関する件のうち批難事項第四百三十四号を問題に供します。先ず專門員をして説明をさせます。
#3
○專門員(森莊三郎君) 四百三十四号につきまして申上げますが、検査院の検査報告は極めて簡單にほんの三、四行だけ書いてありましてこれだけでは全然その意味が通じません。それで先日配布いたしました別紙にこれだけの事件がその中に含まれているのであるということを一覧表のような形にいたしまして申上げようと思います。
 検査院の批難は役務費などの計算に当りまして過大な予定原価を実費として計上したとか、或いは架空の経費を積算したものとかその他のものがあつたのにこれをそのまま支出したので過大な支出になつている、こういう意味の批難のようであります。それを当局のほうに聞いてみまするとこれには五件ある。その一は熊本財務部におきまして日鮮サルベージ会社に行わなせたものの計算でありますが、これにつきまして賃金の支拂に確かに誤りがあつた。それは早速返納させることにいたしますということでありまするので、その一 熊本財務部というものはいわば消して頂いてもいいわけなのであります。そういたしますと、この検査院の批難の中に架空の経費を積算したというような言葉がありますけれども、この言葉はちよつと見まするとけしからんことをしたというふうに見えますが、それは実はその一だけに関することでありまするから、批難の文章の中からもそれだけは消して頂くほうが結果としてこの事件の審議に余計な紛争を生じなくてよろしいかと思われるのであります。
 その二 大阪財務部関係のもので日立造船所に関するものでありまするが、ここに書きましたのは政府から国会に対する説明書があらかじめ出ております。そこに書いてありまする通りの文字をここの所に写し直しただけであります。これは一般管理費について三十五万円余が配賦超過になつておるというふうに批難されておるが、これはこの前の四百三十二号について言つたと同じようなわけで造船工業原価計算準則に基いて計算した結果、こういう数字が出たのだといい弁解で、要するに昨日の御審議の四百三十二号と道理において変りがない論争のようであります。
 次のその三 東京財務部関係で東日本重工業の横浜造船所関係、これは内容は間接費でありまして五十五万円余りが配賦超過になつているということであるが、これも全然前のものと同じことであるということであります。
 それからそのあとのその四と、その五は政府から国会に対して出された説明書の中には初め洩れておつたのでありまするが、あとになりまして正誤表という形で書類を提出されまして、これだけの正誤表の形でこのその四とその五とを書いて来られたのであります。その四は中国海運局関係で播磨造船所の問題であります。これは労務費、役務費、間接費等合計二百九十九万余円が過大計上であると言われるが、これは本件工事に対する外註費三百九十九万余円を検査をしてその支拂の実額を、(只今外註費と申しましたのは下請に出したという意味なのであります)その下請に出したものを元請金額のそれぞれの費目に分けて加算したこと、及び潜水船とか浮タンク等の使用料を経費の中から除いて、役務費という項目の中に計上したことなどによるのである。間接費については本件工事にかかる経費を一つ一つ個々別々に抜き出して計算したために、造船工業原価計算準則に基く配賦方法による場合に比べると結果としては幾分多額になつたのであります。
 それからその次のその五 第六管区海上保安本部関係で広島の播磨造船所の取扱つたものでありまするが、これは金額は七十九万余円が過大計上であるということでありまして、その説明はこの前のその四 中国海運局の場合と全然同じことであるということにつきましては、昨年以来最近に至るまで当局と会計検査院双方にたびたび御足労をかけましていろいろと聞き合せたり何かいたしましたのでありまするが、それぞれ当局なり会計検査院のほうから御説明下されば却つて間違いがなかろうかと存じます。実はもう手をやいた事件であり半年以上私などが非常に苦心をいたしました。そうしてその間に当局のほうからはたびたびいろいろな詳細な資料を提供されたのでありまするが、結局そんなに長くかかつたというのは検査院がどうもてきぱきした態度をとつてくれなかつた、このことば私といたしましては非常に遺憾に存じているわけであります。従つて内容の調べにつきましては、私から御説明申上げることはございませんですから……。
#4
○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院、それから大蔵省及び運輸省当局において特に説明を要する事項がございますならば御説明願います。
#5
○カニエ邦彦君 今專門員から大体聞いておると、專門員も長日月に亘つていろいろ苦心して真相をつかまえるために苦労した。ところが複雑でこれというはつきりした結論を見出すところの的確な資料がないという結果非常に困つた事件であるというように説明されているのです。従つてこの問題については会計検査院のほうで、何か説明を加えては少しまずいのじやないかというようなものが多少内部にあつてそれで少し控目にされているのじやないかというような実は印象を受けるわけです。そこでそういうことがあり得れば速記を中止してでもやはりざつくばらんにおつしやつて頂きたいと、こういうことを附加えて、一応やはり会計検査院のほうから詳しい御説明を頂きたい。かように思つております。
#6
○委員長(岩男仁藏君) どうですか、速記はつけますか。
#7
○説明員(小峰保栄君) 速記はつけて頂いて結構です。
 今森專門員から私としては非常に意外な御発言があつたのであります。それからカニエさんもどうも何かあるのじやないか、こういうことでございますが、これも又私としては甚だ意外なんです。と申しますのは、この案件は專門員が非常に御苦心になつて半年かかつておわかりにならんというのが私どもわからないのであります。そんなむずかしいものではない。又私どもの説明がまずかつたような御発言がありましたが、これは御要求の通りに実は私も直接参つたのであります。それから私よりももつとよく知つている主任者もちよいよいと説明に上がつております。極く最近もこれは私が御説明を相当長時間に亘りまして申上げているのであります。まだおわかりにならんというのは非常に実は意外で当然おわかり下さつたことと今まで思つておつたわけであります。おわかりにならんというのならばいくらでも御説明申上げますが、事実はその程度のものであります。そうむずかしいものではございません。
 それから何か言いにくいことがあるのではないかというカニエさんの何でございますが、これに関する限り絶対にそういうものはございません。何でも申上げられるものでありまして御質問があればどんなことでも私どもの知つている限りお答えできます。この案件ですが、四百三十四号は政府の弁明を御引用になつて、森先生から政府側の言いたいことはすつかりお話があつたようであります。非常に複雑だ、その一から五まであつて、非常に複雑だというあれでありますが、これは全部関連した案件をまとめたのであります。と申しますのは、実績が、この間からのお話でもうおわかり下さつたと思いますが、実費によつて国が金を拂つてやつたことが建前であります。かかつた実費は拂つてやる、ところがかかつた以上に拂つてあるのが相当にあつたわけでございます。我々が注意しまし七大部分のものは直したのでありまするが、直してないものが四百三十四号に全部まとめてあるわけであります。かかつている以上に金を拂つてしまつたというのがこの四百三十四号に上つているのでありまして、そう違つたものをここへごたごた集めたものではございません。專門員から冒頭に御説明のありました熊本財務部のようなものはその典型的なものであります。未稼働賃金、働かない人間に対する賃金を計上しておつたのを会計検査員で見つけてそれを除かした、これは実費でないことは明らかであります。これもその後に政府の検査報告が出まして、政府でお直しになつてこの検査報告を出す頃は直していなかつたのであります。従つてこの検査報告に載せたのでありまして、專門員のおつしやるようにこれから除いて考えるということは私どもとしてはできないのであります。
 それからその以外のものも一番大きいのはここにございます過大な予定原価を実費として計上したわけであります。これが半分以上を占めておりますが、これは御承知のように原価計算をやる場合には一応前月なり、前々月の実績によりまして今月の予定原価というものを見るわけであります。それによつて伝票を切つて原価というものを一応算定するわけであります。その後の実績がわかりますと、その実績によつて伝票の集積であるところの予定原価を修正するのであります。ところがここに掲げましたものは今の予定原価のままで最後までおいて実績がわかつたときになつてもその修正をしていない。これが大分大きい部分を占めているのであります。私どもの検査の結果、予定原価が大きく実績がそれより小さいから、それを修正したらどうかというふうな御注意をした結果、ほかは大分お直し下さつたのでありますがこの中国海運局その他が直していない、こういう事態であります。それ以外のものも入つておりますが、それは二つ三つありますが典型的なものを申上げますと、工員の給食費、工員が夜間作業などいたしますと食事を支給するというようなことをやります。それでそれは一般に間接費に入れて経理するのが普通なのであります。会社も間接費に入れてそれを経理していたのであります。大蔵省が六十号検査の結果労務費に組替えて、わざわざ間接費にあるものを労務費に組替えて、而も間接費のほうから組替えたのだから、その給與費は労務費のほうに組替えましたから間接費のほうは当然それだけ落さなければならない、それを落していないのであります。これも典型的なものの一つであります。
 それからもう一つ代表的なものは、自家所有の浮力タンクそういうようなものがあります。いろいろな解撤に使う器材であります。この自家所有のものは原価計算の上では帳簿価格を基準にして使用料を拂うというのは、これはもう当時行われておりました原価計算のやり方からいいますと普通のやり方であります。ところが問題の浮力タンクとかいうようなものは帳簿価格が零なのであります。帳簿に載つていない帳簿外物品であります。これは推察になりますが恐らく播磨造船所あたりで昔の海軍の品物をもらつたものだろうと思いますがともかく帳簿に載つておらぬ、こういうようなものがあつたのであります。それで会社もそれの使用料は原価の上には載せていないのであります。私もそれで正しいとこう見ていたのでありますが、六十号検査の結果わざわざ会社が計算していないものの使用料をいろいろなむずかしい計算をされて付加えてあつた、そこまでしなくていいじやないか、こういうようなのがあるのであります。代表的なものを一、二申上げたわけでありますがその程度のものを集めたのであります。一番大きなものは先ほど申上げたように伝票の予定原価を実績よりも余計に見てあつた、予定原価を実績がわかつたあとになつても修正しなかつた。これが一番大きいのでありまして、今申上げましたので大体おわかり下すつたと思いますが、そうむずかしいあれではございません。後ほど御質問がありましたら何でも御説明いたします。先ほど專門員からのお話で、私どもの御説明がまずかつたかと思いますが。おまけにこれは私が御説明の衝に当つたのでありましてその点は重々お詫びいたしますけれども、私どもといたしましてはおわかり下すつたことと、こういうふうに了解しておつた次第であります。
#8
○カニエ邦彦君 一応その事の内容がわかり易い、わかりにくいということより、検査院のほうのここに検査報告で挙げられている書きかたがですね、非常に、極めて簡明な、この問題なんか相当まあ專門員からの御説明を聞いておれば随分長いのだが、ここで見れば僅か行にして二行か三行にしか書いてないのですね。これでは実際わかりにくいと思うのですね。もう少しまあこれは事例を項目的にでも、三、四点挙げられたほうがなお検討し易いのじやないかと思われるのですね。この点はまあ今後検査院としても一応我々のほうに出される報告書の書き方、仕方の問題でありますから、これはまあ今後御検討を一応願つてもらいたいと、こういうふうに思つております。
 そこでこの大蔵省のほうにお尋ねするのですが、伝票のいわゆる予定原価というものがきめられてそれで作業が一応進められた。ところがその作業が終つた、終ると勢い実際の価格がここに明確に現われて来る。そこに現われて来たのになぜ前の予定原価を直さなかつたか。而も直さずにそのまま向うに行つたきりになつて戻りがないのではないかというのが、今の検査院の指摘の要点のように思うのですが、なぜそういうようなものをしたのかという点ですね。みすみす予定原価というものより、実際やつてみて予定原価より上廻ることもたまあれば又それより下廻ることもあるので、それを直さずにやつたということは意識的にやつたのか、或いは相手かたの業者に、まあ相手は国の金だから少しは余計やつておけというような気分でおやりになつておつたのか、或いは全然過失でやつたのかというその点の実情ですね、御説明を願いたいと思います。
#9
○政府委員(柳沢英蔵君) 私は主計課長でございますが、この六十号検査に関しましては、実はあれは大蔵省の管理局でやつておりましたことでございましてそれが実は主計局のほうに引継がれておりまして、私まだ日が浅いものでありまして御説明に間違いがあるといけませんから、実際にその事務に従事しておつた者がおりますので御説明させることをお許し願いたいと思います。
#10
○カニエ邦彦君 今のその報告で政府委員が実際に当時の事情がわからないので、当時の事情に詳しい人に説明を代つてさすということで発言を求められていると思うので、一応委員長から御発言を許されて、そうして一応説明を聞かして頂きたいとかように思つております。
#11
○委員長(岩男仁藏君) 説明員どなたですか……古橋説明員。
#12
○説明員(古橋昌平君) 只今会計検査院の小峰局長からお話がありましたので、大蔵省はこれを検査をいたしまして金額をきめましたのは法律六十号によりまして検査をしたのであります。それで検査をいたします場合に飽くまでも実績ということを建前として検査をいたしておりまして、六十号検査は予定原価で検査をしたのではございません。それで六十号によります検査の場合は大体その書証となるべきものは各種の伝票、それから帳簿、それからものを購入した場合は購入の請求書、或いは受取書、そういうようなものを全部検査いたしまして、それでこれを各労務費、資材費、役務費それから直接経費、間接経費というふうに大体分けましてそれを積上げまして原価を出したのであります。ですから大蔵省でやりましたものは予定原価ではございません。実費を建前として検査して金額を出しております。
 それから給食費の問題が出たのでございますが、大蔵省といたしましては給食費をなぜ労務費に持つて来たかと申しますと、当時食糧事情が大分悪いので職工にそういうものを会社で買わせておる、これはまあ本来は賃金からそういうものを拂うのでありますが、当時の事情として会社でそれを援助しておる。ですからそういうものは当然賃金の一部であるというような見解からこれを経費から持つて参りまして常務費のうちに積算したのであります。ですからこのときに間接費のほうはそれだけ引くべきではないかというお話でございますが、当然そういうように持つて来たものは間接費のほうには計上しておりません。
 それから浮力タンク、機工具というようなものはもう帳簿上は償却済みであるからこれは認めないというようなお話でございましたが、六十号検査をやりました場合、確かに二の艦艇の解撤には沈没しておつた船を引揚げたのでございまして、浮力タンクも勿論使います。それから海上起重機なんかも使います関係でいろいろなそれ揮う工具なんかも使います。そこでこういうように使用いたしましたものに対しましては、即ち役務の提供に対しましては、この提供したいわゆる稼働日数分だけは損料計算をいたしまして大蔵省側が認めてございます。大体以上のようなわけであります。
#13
○カニエ邦彦君 そこで、そうすると当初の予定原価というものでなくて、そうして作業が終つてから六十号検査正よるところのものによつて、そうして今言われたようなあらゆる証ひよう書類の根拠に基いて出したものがこの金額であるから従つてそれは適当であると思うと、こういう御説明のように聞えたのですが、併し検査院では予定原価というものは作業を実施する前にきめられたように先ほど私聞えたのですが、その点はこれに対する金額の決定、いわゆる六十号検査というものによつて初めてその金額の高が出たのか、それとも以前に出しておいた金額が六十号検査によつてやつた結果とたまたま一致したと、こういうことなのか。その点はどういう……。
#14
○説明員(古橋昌平君) お答えいたします。この金額的に差額の出ておりますのは、労務費と役務費と間接費の三点でございます。それで、それ以外の費目につきましては、会計検査院で挙げております金額は大蔵省の検査額と同額にしてございます。それで差額の出ておりますこの三点について御説明申上げますと、労務費につきましては、この大蔵省の検査額の中には外注に出しました、いわゆる下請に出しました労務がこの元請の労務に加算されております。それですからこの下請に出しました労務費を引きますと検査院の金額と同じになります。
 それから役務費で非常にこれは大きく違うのでございますが、役務費だけで二百七十一万七千円の差額があるということになつておりますが、役務費の違うのは只今申上げました浮力タンクでありますとか工具でありますとか燃料費でありますとかというものは検査院は認めない。大蔵省のほうでは適正な対価を計上しておる。
 それから間接費につきましては二十一万四千円の差額が出てございます。で、この間接費の差額が出ました理由は、これは会社といたしますと造船工業原価計算準則によりまして、その月にかかつた間接費の総額を出し、単価を出して、そうして直接工数にかけて間接費を配賦して回収するというやり方であつたのでありますが、大蔵省がやりました場合は、毎月の間接費自体の中にもこの解撤工事に関係のないような経費が入つておるのではないかということを心配いたしまして間接費の内容を克明に洗つて行つたのです。そういたしまして、関係のない間接費は全部切りまして関係のあるものだけを集計して計算したのでございます。そうしますと、当然そういうふうに間接費で関係のないものを落せば少くなるのは当然なんでございますが、それは結果から見ますと、みんな関係がなかつたということで安い経費のものは落して高いものだけはあとへ残つたそれを配賦したために、こういうふうに間接費は単純にプール計算を以て出した金額よりも高くなつてしまつたことになつているのでございます。
#15
○カニエ邦彦君 私の言つているのは、この支拂われた金額というものの高の算定の基礎が、今言われたようないわゆる算定の基礎で出されたものであれば、当然これは作業が終つてそうしてその作業の結果を検査をした結果それがきめられたというのなら理窟はわかりますよ。そうじやない。会計検査院で言つているのは、いわゆる予定原価というものがあらかじめあつて、その予定原価によつてそのまま支拂つている。こういうことなんだから、だから大蔵省としてはそういうような支拂つた金額の数字というものは、作業を終つた六十号検査によつて出た数字なのか。それとも前に一応予定原価というものがあつてその予定原価の価格なのかどつちなのか、こういうことを言つている。
#16
○説明員(古橋昌平君) お答えいたします。大蔵省がやりましたのは、予定原価というものは全然見ませんで工事が終りましたのち六十号で検査をいたしまして一応実費を出しております。
#17
○カニエ邦彦君 そうすると今度は会計検査院のほうに伺うのですが、只今の大蔵省当局の御説明と、あなたのほうの考えとそれで一致しているのかという点、これについて小峰局長に御説明願いたい。
#18
○説明員(小峰保栄君) 今のカニエさんの御質問にお答えいたします。政府の説明員の説明は若干混同した部分があるようでございます。と申しますのは、先ほど材料費とか労務費とか、こういう例を挙げて御説明になつたようでありますが、材料費とか労務費というものは、これは予定を立てる必要はないので、これは倉出しをするとか人間を使うというなら、わかるわけであります。こういうものは伝票が実績になるわけであります。ところが間接費とか役務費とか、こういうものは或る程度の期間を経過しますと、間接費はすぐわかりますが実費がわからない、こういうものは伝票で予定原価を作りましてそうして或る程度期間を経過して実績がわかりますと修正を要するわけであります。修正しませんと実績がわからないのであります。伝票を集計してやるから即ち実費である、こういう御説明がさつきありましたが、材料費や役務費についてはそういう説明は成り立ちますが、少くとも間接費については伝票だけお集めになつたのでは実績がそのまま反映しないのであります。その点を伝票を集めたのだから即ち実費だ、あとで六十号の検査をしたのだから実費に間違いない、こういう御説明はちよつと当らないと私は考えます。
 それから立ちましたついでに申上げますが、この中国海運局の分は播磨造船所であります、播磨造船所の分のうちの六隻の分がここに載つているのでございます。播磨は御承知のように百三十何隻かを解撤しております。この六隻を除いた百数十隻というものが会計検査院の言う通りに直しているのであります。わずか六隻だけを政府ががん張つて直さないのであります。私どもはここで申上げここで批難している通りに百数十隻というものは直つているのでありまして、これは検査院の言う通りだというのでお直しになつた、それをわずか六隻分だけを直さないで今の伝票を集計したのだから即ち実費である、こう言つて間接費なり役務費なりについてもそのままで頑張つておられるのであります。事態はこういうわけでありまして、決して伝票を集めただけでは実費には相成らん、物によつてはなるが、全部が全部伝票を集計したのでは実績にはならん、こういうことになつているわけであります。
#19
○カニエ邦彦君 今言われた大蔵省として大多数の百数十隻のもののいわゆる解撤をしておるにかかわらず、この六隻だけが解撤できないという根拠なり事情を一つ御説明を願いたいと思います。
#20
○説明員(原末一君) 今御質問のありました百何十隻という分につきましてでありますが、これは播磨造船所が軍艦の解撤をやりました中にはまあ我々の間で言いますというと、予算解撤の分とそれから予算解撤でない分との二つに分けて処理しておつたのであります。それであらかじめ予算を以て解撤したものが今の海運局のほうでやられたものでありまして、最初から予算を取らずにやつてしまつて後に予算を取つて直したというのが、いわゆる管財局のほうの関係で処理したということになつております。それでその百何隻というのは、これはいわゆるその管財局の関係の分は別個の取扱いだということでやつておりますので、そういう結果になつたのではなかいと思います。
#21
○カニエ邦彦君 別個にやつたのではなかろうかと思われると言われるのですが、その他のものを解撤して六隻だけがなぜそういうことになつたか、六隻だけがなぜそういうことになつておるか、解撤できないか、その理論的な根拠ですね、それを聞いておるのです。どういう理由で、それはこうこうこういう理由のために、ほかのものはこれは直させたけれども、これだけはこうこうこういう事情があるのだ、こういうことがあるのだからこれはどうしても直せないのだ、この点は直せないというところの理論的根拠は一体何なのか、どういう事情なのか、それが一応我々が説明を聞いて納得の行くものであるかどうかということでないと、判定がつかんのですよ。原因を述べてもらわなければ……。
#22
○説明員(古橋昌平君) 御説明いたします。只今お話がございましたこの六隻だけはなぜ解撤にならないかということでございますが、艦艇解撤を各財務局財務部が全国的にやりまして、会計検査院から御指摘になりました内容の悪いもの或いは間違つておるものというようなほかたくさん質問を頂きまして、直したのでございますが、その金額についてこれは高いから直せとおつしやいましたものは大体二件でございまして、一つは熊谷組が実施いたしました艦艇、船でございますが、これにつきましては検査院の御指摘の通りの船の損料計算をいたしますときに、それの損料計算をすべきやつを損料計算しないで借り上げたというような恰好で計算いたしましたものですから、これは当然自家用でございますから損料計算すべきでございますので、これは御指摘の通りすぐ直しました。
 それからもう一つは神戸の海運局でやりました大滝山丸の問題でありまするが、これも概算契約を確定契約にしてしまつて一応政府がその代価を支拂つてしまつた、それがたまたま六十号検査をやりまして、過拂いであるということが大体わかりまして、これは会計検査院から御指摘もありましたので、これはすぐ金額を変えさしたという、この金額につきましてはその二件のように記憶いたしております。
 それからここで問題になつておりますこの六隻については、会計検査院の御指摘になりました過大計上の分をいろいろこちらで検討いたしましたのですが、労務費につきましては、下諸経費も会計検査院もお認めになつて大体これはもう増額になつたのでございますが、役務費につきましては大蔵省側では認めておるものがあるし、検査院側ではもう全然お認めにならないものがあるというのがその差額の原因でございます。それから間接費は先ほど申上げましたように、この配賦の方法が違つておるために、金額が一致しなかつたというのが原因でございます。
#23
○カニエ邦彦君 そうすると、この大蔵省の積算の基礎というものと、会計検査院の積算のいわゆる基礎というものとの食い違いがある。従つてその六隻については会計検査院は御指摘になつておるけれども、大蔵省としては自分のほうの計算のやり方が正しいのだ、だから直さないのだ、こういうことになるわけなんだが、そう了承していいわけですか。
#24
○説明員(古橋昌平君) 私のほうでやりましたのは、大体誤りがないと実は思つております。
#25
○カニエ邦彦君 会計検査院のほうでは、大蔵省から今お聞きになつた通り、積算のやり方からしまして、六十号検査のときにもこれはまあ正しい数字だということで別に過大に拂つておるわけじやないのだということを言つておられるわけですね。そこで検査院としてはそれは過大であるという一体根拠は何によるのか、それを一遍詳しく御説明願いたい。
#26
○説明員(小峰保栄君) カニエさんに御説明いたします。政府側の説明で途中何かわからなかつたのですが、結局のところ自分たちのやつた計算は間違いない、この結論だけはおつしやつたようであります。私のほうはその御説明を伺いましても、検査院の計算が間違いたとは思わないのであります。と申しますのは、これは先ほど政府側からカニエさんの御質問にお答えがなかつたようでありますが、予定原価、間接費などを伝票に書きまして、そしてそれをそのまま実費として見てしまつた、この点はさつき明確な御説明がなかつたようでありますが、これなどはどう考えましてもあとから実費というものがわかれば修正されるのが即ち実費だと思うのですが、最初に過大な予定原価を見て伝票をつけて、伝票を集積してそれを直した、その伝票を集積したのだから実費だ、こういうような検査方法でやつたということは私どもは納得できないのです。私どもは伝票は伝票として勿論価値はありますが、これは後日間接費などについては当然修正したものが実費であるとこう考えて批難になつたのであります。決して会計検査院が計算の基礎なり何なりに狂いがあつたとは考えておりません。それからさつき百三十隻と申しましたが、正確に申上げますと百四十六隻であります。百四十六隻の中の六隻であります。残りの百四十隻というものは先ほど説明員からお話がありましたように、二十二年度以前に解撤に着手したものであります。いわゆる予算解撤と言つているものであります。二十三年度に予算を取つてから解撤に着手したものはこの六隻であります。それで百四十隻のほうは管財局が担当しておられるわけであります。ところがここにもございますように、六隻が中国海運局であります。同じもので担当が違つたわけであります。この大蔵省の管財局が担当された分については六十号の検査はやつていないのであります。運輸省の担当したいわゆる予算解撤というものについては、六十号の検査をやりました。その結果違いが、大きな違いが出てしまつたわけであります。で六十号検査をやつたところはごとごとくこの中国海運局の六隻と同じような間接費などを予定原価でやつて検査院が注意したにかかわらず突つぱつつておる、これも一つのこの問題を考える上の資料になると思うのであります。例えば横浜の関東海運局の扱いました浦賀ドツクの分などは、検査院の六十号検査をおやりになつたのですが、検査院の言うのが正しいというので、直しておられるのであります。同じ六十号検査をやつて、同じ艦艇解撤でありながら、さつき申上げました一つの会社の分について百四十隻は直したが、六隻は直しておらん。それから又横に行きまして、会社は違うが、同じ六十号検査をやつたという所でも、或る所では検査院の言う通り直し、或る所では直さん、こういう次第なのであります。どうも私どもはどういうあれを伺いましても検査院の言うことが違つておる、不備があるというようには思えない次第であります。
#27
○カニエ邦彦君 私は先ほど政府当局に伺つたのは、予定原価と検査院が言つておる予定原価というものが先に出て、六十号検査をやつた結果、たまたまその数字が一致したのか、或いはそうじやないのかということを聞いておつた。ところが六十号検査において出た金額が支拂つた金額なのであるということであるから、最初に予定原価というようなものはいわゆる予定価格というものを作つておらなんだ、いわゆるこの価格につては六十号検査によつた価格であると了承をしておるのですよ、今でも……、そういう考えでいる。ところがその点は先ほど私が何回も質問しておるわけだが、現在実際検査院の言つているように、予定原価というものが先にあつて、その六十号検査をやつた、こういうことなのであるのか、そうじやないのかということを聞いておるのですが、その点もう一度はつきりちよつと言つておいてもらいたいと思います。
#28
○説明員(古橋昌平君) 大蔵省でやりました六十号検査は、予定原価を構成しております伝票に基いてやつたのではございません。予定原価で出しましたものを、その翌月実績がわかりますので、その出費を対象にいたしまして積算いたしております。
#29
○カニエ邦彦君 そうするとたまたま先に予定原価で出しておつた金額というものと六十号検査をおやりになつた結果の金額というものとが、たまたま数字が同一金額になつた、こういうことですか、それは……。
#30
○説明員(古橋昌平君) 会社の出しております予定原価の金額は大蔵省の六十号で出て来ました金額より遥かに上廻つております、大蔵省の金額は遥に下廻つております。
#31
○カニエ邦彦君 すると予定原価、当初の予定原価よりは遥かに大蔵省の支拂つた価格のほうが下廻つておる。併し下廻つておるか、おらないかということは、これ又別の問題として、その下廻つておるそれ自体が過大なものであるということが、いわゆる適正な価格であるというのか、そこに問題があると思う。従つてそれまでに検査院のほうへ伺うのですが、今政府が説明しておるように、予定原価というものは、ここでやはりあつたことは事実認められた。ところが六十号検査によつて支拂つた金というものは予定原価より遥に下廻つておるものだというものですが、それはその通りで間違いありませんか。
#32
○説明員(小峰保栄君) 今の御質問でありますが、事実相違しておるようであります。具体的な実例で申上げましよう、資料がございますから……。なんでしたら六隻皆申上げてもいいのですが、ちよつとあれですから……。元の駆逐艦の椿というのを申上げます。予定原価六十三万八千円、実際に検査院の検査の結果過大だといつて注意を出したものが四十四万六千円、差額が十九万二千円、それで六十号検査の結果計算されたのが五十一万八千円であります。実績を調べまして会計検査院が、これが正しいと言つて向うへ注意した金が四十四万六千円、そこに若干の食い違いが残つておるわけであります。ほかの軍艦については皆検査院の今例で申上げました四十四万六千円にお直しになつたのであります。ところが椿ほか五隻というものはやはり大蔵省が、最初の会社の配賦額そのものではないかも知れませんが、実績を遥かに上廻つておる金をお認めになつた。こういう結論になつておるのでありまして、実績も一々一艦ごとにわかつておる。その後にわかつたわけでありますが、これと大蔵省の認められた、大蔵省が認められたというとちよつとあれですが、六十号検査の結果、大蔵省が行なつた六十号検査の結果によつて支拂つた金と大分違いがある、こういう事実になつております。
#33
○カニエ邦彦君 そこで運輸省のやつた、海運局のやつた仕事について六十号検査をやつて、大蔵省のやつた仕事については六十号検査をやつてないというように聞えたのだが、その点は大蔵省はどうなんです。それは午前のところでやつたのは検査をしないし、よそのやつたのは検査するということになるのですか、どういうことをやつてるのです。
#34
○説明員(古橋昌平君) お答えいたします。同じ艦艇解撤で、国有財産でやりましたものと、それから当時の管財局でやりましたものと、二つに分れておるのでございます。この分れました理由は、最初予算的にはその解撤費用がなかつたことと、急に司令部のスキヤツピンで軍艦を解体しなければならんということで、その解撤に要する作業費はその発生するスクラツプの金で賄う、いわゆる收支混合の形で当初やつて来たのであります。その収支混合は勿論いけないのでありますが、それが会計検査院の御指摘によりまして、これはもうこういう収支混合はいけない、こういう問題については、これは予算で以て解撤作業費は国が初めから出し、その代りスクラツプよりの発生材の收支は国の歳入に入れなければいかんというので、はつきり二十三年度以後にやりました船は全部予算を計上いたしまして、その予算から工事の代価を拂つておつたのであります。もうすでにそのときまでにやつてしまつた船につきましては、そういう收支混合の形でやつて来たのであります。それを二十五年になりまして精算をしなければならんということで、各財務局が、その分については財務局が契約担当官になりましてこれを精算しております。それ以外の二十三年以降にやりました、いわゆる予算船と言つておりますが、この予算船につきましては大体六十号検査の対象になつたのでございますが、当時この検査を担当いたします各財務局財務部の人員の関係からいたしまして、なかなかこの予算全部について検査をする、或いは在来船についても全部検査をするというようなわけに参らなかつたものでありますので、予算船について主として六十号検査をやりました。そういうふうになつております。
#35
○カニエ邦彦君 結局検査ができなかつたということは、大別していわゆる検査院の公務員の人員の不足のために全部に行き渡らなかつたということが第二の理由であり、第一の理由は混合計算をしておつて、すでにやつてしまつておるからそれでその分についてやれない、要約してこういう二点のように聞えるのですが、検査院が御検査になつた当時さような状況であつて間違いない、こういうことになるわけですか、それはお認めになりますか。
#36
○説明員(小峰保栄君) 第一点が人員の点であります。第二点がもうすでにやつてしまつて計算も一応片が付いたのでやらなかつた、こういう御質問のように伺いましたが、第一点の人員の点はこれは会計検査院からとやかく言う筋合でもございませんので控えますが、第二点の混合経理、この点でございますが、これはほかにたくさん直したのがあるのであります。現に先ほど申上げました百四十六隻のうち百四十隻はもう先ほどおつしやつた混合経理といいますか、一応済んでしまつた、又あとで検査いたしまして、全部検査院の申入によつて直したのであります。当時一応済んだのでこの六隻だけが直せなかつたということは言えないと思います。
#37
○カニエ邦彦君 一応委員長からお諮りを願いたいと思うのですが、本件に関しては先ほど森專門員から説明のあつたように、我々が今までかかつて聞いた範囲おいてもなかなかこれはやはり判定が下しにくい、従つてこれをここで決定的にわかるまでやつておれば、相当時間を要するので、議事進行の上にやはり支障を来たすと思うのです。従つてこの件については、検査院からももつと詳しい資料を提出してもらい、政府からも資料を提出してもらつて、その資料に基いて一応検討をしてそうして判断をせなければ、これはやはりわからないと思うのです。それはなぜかなれば、ただ僅かな違いで我々の判断によつて何できるというものなら別といたしまして、今のお話を聞いておりますと、相当ないわゆる食い違いがあらゆる点においておると思うのです。だから結局私はこれは留保いたしまして先に御進行願いたい、かように思つております。
#38
○委員長(岩男仁藏君) 只今カニエ君の御発言のように、この批難事項第四百三十四号は取計らつて異議がございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(岩男仁藏君) 異議がないと認めます。それではそういうふうに取計らいます。
  ―――――――――――――
#40
○委員長(岩男仁藏君) 次に第四百三十五号を問題に供します。先ず專門員の説明を願います。
#41
○專門員(森莊三郎君) 四百三十五号に関しましては検査報告の中に相当詳しい説明がございます。それを読んで頂きます。便宜のために別紙に一覧表のような形でガリ版刷りにいたしておきましたので、岡田組と神戸の海運局との間で艦艇解撤工事の契約が二十三年の四月に概算契約でできまして、その年の九月にすでに工事は終了してしまつたのであります。そこでこれは認証官である関係と思いますが、財務部の検査を受けなければならないわけであります。同年の十一月に財務部から、十二月中に検査をするということを通知して来たのでありました。それはいわゆる六十号検査というもので、即ち実費の検査をするものだそうであります。ところがどういう都合があつたのか、十二月になりましてこの検査を中止するというふうに通知をして来たのでありました。それですぐ引続いて翌年の一月に海運局では百七十一号の検査と申します、言い換えればマル公によるところの検査というものを行いまして、而もそのときに契約当初、即ち二十三年四月へ遡つてこの契約を確定契約に変更してしまつた、そうしてこの紙にはちよつと順番の書き方がまずうございますが、財務部におきましては二十四年の七月に六十号検査及び百七十一号の検査を実行したというのであります。そうして海運局では、そのことをちよつとここへ目附を書き落しましたが、二十四年の八月に支拂を終つたのであります。ところがその金額が大き過ぎたというので、財務部の検査の結果百万円ばかりは返還をした、それは利潤が重複計算されておつたためだという話なのであります。ところが検査院の検査報告では、金額は何ほどとは書いてありませんが、相当過大な支拂がまだそれ以外になされておる、こういう批難が出て来ておるわけなのでございます。
#42
○委員長(岩男仁藏君) 次に関係当局において特に説明を要する事項がございますならば御説明を願います。
#43
○政府委員(辻章男君) 運輸省の立場から本件につきまして簡単に申上げようと思います。これは今森專門員から詳しく御説明がありましたような経緯なのでございますが、何故にいわゆる法律第六十号に基きます概算契約を確定契約に遡つて切り換えたかという点が海運局といたしまして責任を感ずる次第ですが、これは只今御説明がございましたように、大体工事は二十三年九月に終つたのでございますが、財務局の事務繁忙のために検査を中止するという通知を受けました関係上麦押ができがたい、一方当時におきましては非常に金融が逼迫しておりまして、特にこういうサルベージ関係というところは、もう引揚げればすぐに金をもらうというのが商売の常でございますので、そういたしますると、検査をいつやつてくれるかということが見通しもつかず、業者のほうでも非常に金詰りで困つておるということで、大阪財務局とも相談いたしまして当初に遡つて確定契約をしたような次第でございます。それで勿論それの確定契約をいたしますにつきまして、金額の算定につきましては厳格に伝票を繰りまして算定したのでございます。自家提供によります役務費につきまして、利潤の算定を誤りまして百万余の過拂をいたしたのでございますが、その後に至りまして大阪財務局から六十号の検査をやるという御通知を受けまして、その結果過拂になりました百万余というものは業者から返納さしております。ただ事情はいろいろございますが、契約を当初に遡つて変更したというふうな点につきましては誠に当を得ない処置でございまして、この点甚だ遺憾に思つております。
#44
○委員長(岩男仁藏君) 御質疑のあるかたは一つ御発言を願います。
#45
○カニエ邦彦君 会計検査院からちよつと説明を願いましようか。
#46
○説明員(小峰保栄君) 先ほど專門員から詳しい御説明がありましたので、私として特に補足を要するものもないと思いましたので立たなかつたわけです。結局この批難はほかの取扱が実費主義、あとで実費を精算して支拂うという取扱をしていたのに、これだけ一旦その概算契約で実費主義の建前をとつていながら途中で契約を更改して、前に遡つて、工事が終つてしまつてから前に遡つて確定契約というものに変更した、その結果先ほど政府が御説明されましたように、政府の修正された金額だけでも百五万円というような大きな修正が出るに至つた、こういうような趣旨でありまして、ほかの契約と取扱方を本件に限つて異にしたという点が批難の重点になつておるわけでございます。
#47
○小酒井義男君 揮輪省のほうで契約を変更せられたのは、これだけそういう取扱をせられた主な理由といいますか、こういうものはどうなんでございましようか。
#48
○政府委員(辻章男君) 先ほど申上げましたように、艦艇の解撤関係は相当大きな造船所で、金融力もあるわけでございますが、本件のサルベージ業者といいますのは一般に申しまして、造船業者あたりに比べますと金融等につきましても窮窟な思いをしておりまして、特に当時一般的に非常に金融逼迫の情勢下にあつたものでございますので、仕事ができ上つたのだから早く支拂をしてくれ、ところが業者から見ますればいろいろ事情があるにしろ政府部内で処理ができないから支抑えないというのでは迷惑である。何か余計くれというのではないけれども、早く頂けるものを頂きたいという要請が非常に強うございまして、考えますれば尤もな点もありますので、ついこういう不当な、契約を更改したいということでございます。
#49
○小酒井義男君 会計検査院のほうで、先ほど運輸省側の説明ですと、六十号の検査の結果百万円余り過拂になつておつたからそれだけ返したという話ですが、検査院としての立場からでは百万円という金では余りにもその過拂いの額が少いというふうにお考えになつておるのだと思うのですが、その金額がここに書いてあります資料として出されたプリントの千余万円となつておりますが、このくらいのものをやはり不当だというふうにお考えになつておるのでございましようか。
#50
○説明員(小峰保栄君) 小酒井さんの質問にお答えいたします。これは六十号の検査をする契約、概算契約ということで、ほかの案件は全部へ、ほかの船はやつたわけでございますが、それと同じ方針で計算をいたして行きますと、今おつしやつた千万円、千七十四万円でありますが、これだけ余計になるのであります。このサルベージ業者が自分のところの起重機船を使いまして引上げたという案件は実は少いのでありまして、これなんかは非常に金額としてはかさむのであります。ほかの四百何十隻というのと同じような計算をして参りますと、今御質問が出ました千万円余、こういう差が出るのであります。当時の原価計算というのを嚴格に適用いたしましてやつて参りますとそういう結果になります。
#51
○カニエ邦彦君 そうするとこの件は專門員のほうから詳しく書いてお出しになつた大体この通りだということになるのですか。そうすると会計検査院のほうではこの百万円余の過拂いで、これは岡田組から返してもらつた、返納させた、が併しそのほかにまだ千余万円だけ余分にほかの平均から見てみると儲けておるのではないか、たくさん取つておるのではないか、或いは政府から言わせればそれだけ余計支拂つておるというように聞取れるのですが、さよう聞取つて差支えないのですか。
#52
○説明員(小峰保栄君) カニエさんの今の御質問でありますが、千万円と百万円との差だけは余分に届けておる、こういう点であります。原価計算のやり方、原価計算というのは一定の、これは御承知の通り一定のルールを作りましてそれに当てはめてやつて行くわけであります。これで計算したものと違つていたから儲けたと言えるかどうか、これはちよつと疑問だと思うのであります。一つの仮定の或るルールを作りましてこれが大体一般には当てはまるのであります。それにぴつたりやつて行きますと不当な儲けは與えないようなものができるのであります。或る特定の、稀なものになりますると、それを当てはめて行くと金額的の差が出て来るような事態はこれはあり得ると思うのであります。これがそれであります。そうしてそれでやつた結果が大きな開きが出たので、その会社が本当に儲けた、こういう結論まで飛べるかどうかはちよつとこれは言えないのではないかと思います。
#53
○小酒井義男君 一体説明を開いておりますと、取扱いが契約の更改が当を得なかつたということはこれは私らは認めることができると思うのです。どうも岡田組に対して非常に都合のいいようなふうに契約がされておつてそうして国の支出ということが非常に軽く取扱われておるということはこれはもう否定することのできぬ内容のものだと思うのです。ですから一体これを返えさせるとかどうとかするような余地は今あるのかないのかですね、その点一つ……。
#54
○政府委員(辻章男君) これは他の艦艇解撤の問題と同じように、海運局はこの件以外にもたびたび契約担当者といたしましてあがつておるのでありますが、当時の海運局、運輸省と大蔵省の事務の分担は、法律六十号の契約につきましては大体契約をするところは海運局がいたしましてそれで実際の如何ほど金を支拂うべきかという金額の実体につきましては、すべて大蔵省なり或いは財務局の検査によりまして金を支拂つておつたわけでございます。まあ恐らく海運局が契約担当になりましたということは、造船業者或いは解撤業者を監督する立場にありまして、常時その会社の繁閑、仕事の多い少いというような点もわかつておるというふうなことで契約担当者になつたのだろうと思いますが、そういうことで金額の実態につきましてはむしろこの問題につきましても大蔵当局のほうからお答えするのが妥当かと思うのでございますが、特にこの問題で千万円ほどの金が多い少いという御説でございますが、これの一番の点は自分の起重機船を使つて作業をしたわけでございます。それでその起重機船を今はつきり数字は覚えておりませんが、例えば簿価が十というもので基準にいたしまして、それで或る期間それを使つたによつて幾ら損をしているかという算定の基礎を十という簿価に置きますれば非常に安い原価でいいということになるのでありますが、勿論当時のインフレ下にまだ資産の再評価も行なつておりませんし、実際のそれでは公定価格ということになりますれば、そういうふうな簿価よりもうんと高いものが基準にされてまあやつておるという状態でありまして、その点がこういう金額の当不当というもののキーポイントであると私どもは考えておりますが、これは私ども今他の案件でも伺つておりますと、大蔵省のほかの艦艇解撤関係にもそういう問題があるやに聞いておるわけでありまして、この点一つ大蔵御当局のほうで一括御説明をお願いしたいと思つております。
#55
○カニエ邦彦君 勿論金の高の拂う拂わんということは大蔵当局だと、これはまあ仕事の性質上そうなつておつたかもそれはわからないですが、まあその件はあとで大蔵当局から説明願うとして、海運局のほうでは二十四年の一月に確定契約にこれを変更しておる。而も当初二十三年四月に遡つておる。二十四年にやつた仕事が二十三年の四月当初に概算契約を締結したやつを確定契約に変更するというようなことは、こういう行為は甚だ遺憾であつた、それにはまあいろいろ金融の都合もあつてというような弁解をされておるのですが、事情はともかくとして、こういうことをやるということで、それでこれは非常に……問題はどうなるのかわからないが、法律上公文書を事実にあらざるものを事実に変造するというような行為は、これがたまにはそのままやつて通るというような考えなのか、こういうことをやつたらこれは法的には処分を受けるものであるか、受けないものであるか、こういう点についてのお考えを一つ伺いたいと思います。
#56
○政府委員(辻章男君) 今のカニエ委員からのお説の通り非常に当を得ない事案だという点であります。ただ弁解をもう一度申上げますが、この確定契約と申しますのは法律第百九十号、政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律によりまして、やはり事前に法律六十号によりまする検査と同様の事態、殆んど同様の計算をいたしまして金額を確定する契約でございますので、おつしやる通り公文書をそういうふうに変えます点につきましては誠に当を得ないのでありますが、実質的には損害を與えない、これで法律六十号と同様の金額しか支拂えないということになるのだということでやつた次第でございます。まあ政府の事務処理の能力の不足のために工事ができましてから半年以上も金が支拂えないということも非常に迷惑しておるというようなことで、不当なことをした次第であります。
#57
○カニエ邦彦君 私の言うているのは、私は原因はどうあろうともこうあろうとも、こういうような事実がないことを事実のように公文書を、いやしくも個人の手紙や何かではない、公文書を変造したりしてやるということで、一体やつた当人は処分を受けないでもそれでいいことになつているのは、どういうわけなのか。又法律的には一体どういうことになるのかということを先ず聞いておるのです。そのやられたことが遺憾であるということは、これは何回も御説明されたように陳弁されていた、遺憾であると……、これはわかるのです。併しながらただここでこういうことをときたまやつて、そうして委員会に出て来ると遺憾でございますと、そういうことで済むのかどうか、ということなのです。それは一体どういうことになるのですか。
#58
○政府委員(辻章男君) 当時の責任者には大臣から訓告をいたしておるのでございますが、それ以上の処分はいたしておりません。
#59
○カニエ邦彦君 その訓告というと、いわゆる公務員法に基く第何條によるどういう処分なんです。
#60
○政府委員(辻章男君) それは公務員法に基くものでございませんで、大臣から注意しろという程度のものでございます。
#61
○カニエ邦彦君 ちよつとそういうことだけで、併しいいとすれば、日本の公務員は一応事情があつて公文書をときたまこういう工合にやりくりをやつて事実でないことを事実であつたかのように変造し、或いは偽造してそうしておいて処分にあらざる処分、そういうことで済むということになるならば、私は大変なことになると思うのですね。事情はどうあろうとも、それでは全く国の会計秩序というものは保てないという結果になつてしまうのですね。そういうことで済まされるということになると……。これはあなたに言うよりも、もつといわゆる運輸省の責任者の大臣なり次官なりを喚んで、一応これは言わねばならんことかもわからんが、こういうことでは問題にならない。而もこれを悪く解釈すれば、運輸省の役人とそうして岡田組とが絶えず懇ろになつて、そうしてその結果岡田組に対して便宜を與えた、或いは又巨額な利益を與えしめた。そのためにかような変造の処置を行なつたということに見られても、これは見ようによつては止むを得ないのじやないですか。又或いはこの委員会でこれを徹底的に証人等を喚問して調査をすれば、或いはそういう事実が出て来るかもわからない。こういうようなことについて政府が責任者としてそんな法的な処罰でないような処罰をして過ごしておるというようなことでは非常にけしからん。その点については又後日政府責任者に対して当委員会から何とか意思表示をなされるものと思いますが、併しながら今あなたがおつしやつたこの百七十一号の検査、即ちマル公検査と言いますか、何と言いますか、これが六十号検査と同じような厳格なものでやつたのだからという言葉でありますが、それであればここに出て来るような批難の結果にはなり得ない。そういうことになるはずがないのですよ。それと同じような検査であり、それと同じようにやられたとしたらそういうことにならない。そんなになつて来ない。すでにそのときで終つておるはずなんですよ、完全であれば……。ところがそれがやはりその検査が六十号の検査ほども厳格なものではなかつた。杜撰なものであつたというところに問題がやはり生じて来ておるのじやなかろうか。それはそういう点において若しかそうでないというような御確信があれば、なお重ねて御答弁を願えれば結構だと思うのであります。その点はどうなんです。
#62
○政府委員(辻章男君) この百五万四千七百何がしの差額について内訳を申上げますが、これは労務費の算定違いで千五百円と、それから先ほど申上げました自家提供の起重機船によりまする役務提供に関しましてこれは公定価格で算定したのでございますが、自家提供のものを公定価格で算定すれば公定価格の中にはいわゆる適正基準が含まれているのだ。従つて全体を通して材料費なり、労務費なり、役務費その他の諸経費を合せて或る一定の、これは一割になつておりますが、利潤を見る必要はないということで、自家提供の起重機船に付きまする分の利潤を二重計算いたしましたのが百万円でございます。この点はむしろこれの思い違いと申しますか……、によりまして、利益を二重計算したという恰好になつております。
#63
○小酒井義男君 今カニエ委員からの質問は、何か百万円のあとから是正せられたものの内容のようなんですが、そうでなしに、先ほどからの説明を聞いておりますと、非常に金融難で岡田組が困つておつたということですと、それは支拂の時期の問題であつて金額の多い少いの問題じやないと思うですね、金額を余計拂つたことの説明には私はならんと思うのです。この場合会計検査院が大体約半分の一千万円くらいは余分に拂つておるのだという意見を持つておるのですが、これで少しくらいの金額でなしに、相当大きな金額なんですが、この工事に対して……。そういう点についてやはり相当余分なものが拂われておるということを運輸省としてお認めになるかどうか、この点はどうなんです。
#64
○政府委員(辻章男君) 私が先ほど申上げましたのは、百七十一号の確定契約としました金額とそれから法律六十号に基きまする金額との差額でございまして、今御質問のございました点は、その六十号の検査の中になお千万円が多いのじやないかということでこぎいますが、これは先ほどもちよつと申上げましたが、解撤業者の持つておりました起重機船を使いまして本作業をしたわけでございます。これをこの起重機船によりまする役務の提供を如何に評価するかという点によりまして、約千万円の違いが出て来る。それを我々、私どもが財務局の検査を受けた結果でございますが、それは当時のそういう船の、これは厳格に公定価格ではなかつたわけでございますが、物価地方事務局等に照会いたしましていわゆる当時の適正時価というものを基準にいたしますれば、大体千百万円程度の価値ある役務を提供した、自分の起重機船によりましてやつたという結果に相成るのでございますが、この起重機船のこの中には、勿論使用によりますいわゆる減価償却と申しますか、損耗が入つておるわけでございますが、これを会社の簿価によりますと、当時は資産の再評価もございませず、非常に低いわけでございます。ですから逆に申上げますれば、その船の時価と申しますか、時価として考えるか、或いは簿価で考えるかによりましてその自家船による役務提供というものの形が、金額が非常に変つて来るという点がポイントでございます。私どもの考えといたしましては、財務局のほうも検査の結果それでいいということになつたのでありますが、当時の適正時価でやるべきじやないかというふうに考えております。と申しますのは、若しその自分の起重機船がなかりせば、そういう時価でどこかから傭船して使うしか途がないのでございますので、私どもといたしましては適正ではないかと考えております。
#65
○小酒井義男君 検査院のほうはどうですか、今の問題についてそれを支拂うことの可否についての意見ですね。
#66
○説明員(小峰保栄君) 今政府委員から御説明がありましたがその通りでありまして或る財産を、これは起重機船であります、自家所有の起重機船でありますがを持つていたのでありますが、原価計算の上からはこれは御承知のようにすべて財産は帳簿価格で行くということが一つの大原則であつたのであります。と申しますのは帳簿価格の基準に基きませんと、ちよつとこれも帳簿価格が時価よりも低い、これも低いりとやつて行きますと、非常に收拾つかなくなるわけであります。すべて帳簿価格によつて使用料をきめる。これには自家所有の財産の帳簿価格の償却費を基準として使用料を決定する、これが当時まで戦争中から引続き行われておりました原価計算の一つの大原則だつたわけであります。ほかの艦艇解撤につきましては、この検査院で批難しました若干のものを除いては全部その方式によつているわけであります。これは先ほどもお話が出ましたように、例えばこれを持つていないでほかから借りるということになりますと、当時の市価を拂わなければいけないのであります。そうした場合には、これは当然にその拂つただけの市価が実費の中に入るわけであります。又岡田組が自分の持つている起重機船を解撤に使わないで、国の原価計算の強化される解撤工事に使わないでよそへ貸せば、これは当時の市価に相当する使用料が取れるわけであります。まあ矛盾と言えば大きな矛盾になるわけですが、併しながら御承知のように、法人はすべて一切の財産の経理はこれは帳簿価格でやつております。従つて若し政府がおつしやるような方法をとつて市価をとるということになりますと、そこに莫大もない利益が出てしまうわけであります。帳簿価格はまだ評価増もしておりませんので、非常に低いのであります。非常に古い時代に手に入れた船でありますから、当時は一つも再評価をしておりません。非常に低い財産なのであります。法人の財産、法人の経理ということになりますと、その帳簿に載つている価格しか財産はないわけであります。それを市価が高いからといつて、一般の当時の市価というものを持つて来ますと、ここに莫大もない利益が法人として挙るわけであります。そういうことを防ぐ意味からも、簿価によつて使用料をきめるということが当時は当り前のこととして行われたのであります。たびたび出て参ります昭和二十一年の法律第六十号、これだけしがなかつた、他には……。今私が申上げた簿価主義ということがそう不思議もなく行われていたわけであります。艦艇解撤はすべてこの六十号の基準によるということでやつていたわけでありますが、翌年、昭和二十二年の年末に法律百七十一号というものが出ましてここで公定価格一ぱいまでは認めてもよろしいと、こういう新しい原則ができたわけであります。当時御承知のように闇が滔々として、まあ財政インフレというような時代であつたわけでありますが、闇を防ぐ意味で、闇の頭を切り落してマル公まで下げようと、こういう意味で百七十一号ができたわけでありますが、逆にこういう案件になりますと誠に妙な結果になつてしまつたわけであります。今までは安い簿価を基準にして使用料を拂う、それが裸用船まではよろしい、公定価格一ぱいまではよろしいと、こういうことになつたわけであります。併しそれを一ぱい拂わなければ相成らんと、こういうわけではなかつたのであります。公定価格までは拂つてよろしいと、こういう原則が新らしくできたわけであります。それによつて今までの非常に厳格な実費主義というものが崩れてしまつたという結果になるわけであります。この案件は、両方の非常に激変した法律、これを巧みにまあ馬の乗替えをやつたような感じを受けるのでありますが、昭和二十二年の末に出たばかりの法律をうまく使いまして、半年以上も前に遡つて今の新しい原則に乗替えた、こういう事案なのであります。先ほどカニエさんから変造というようなお話がありましたが、これは決して変造ではありません。堂々と契約の改訂をやつたわけであります。そこで法律上は私どもとしてもこれ以上の批難が実はできない。他のもので非常にうまい乗替えをやつた。その結果支拂に非常に大きな異同が生じた。これが損かどうかということは、先ほど私が申上げたように損と、或いは不当に儲けさしたと、こう言い切るだけのあれは実は私は持てないのであります。
#67
○カニエ邦彦君 大体それでまあわかつて来たのですが、そうするとこの六十号検査を十二月の十三日に中止するということを言つているのですね。中止すると言つているのなら、そのあとに今度は翌年の二十四年度になつてから、七月頃になつて特殊な検査を又やつたということがどうもおかしいじやないか。やらんと言えばやらずにおけばいいのであつて、やらんと一旦言つておいて、公文書を出しておきながら、それを又翌年に、もう雁も鳩も立つてしまつた時分に七月頃にやるということは一体どういうことなんですか、その事情は。
#68
○説明員(奧村義雄君) 今のカニエさんの御質問にお答えいたします。六十号検査は当時二十三年の終り頃でありますが、各財務局財務部から計画を中央に出させまして、その適否を審査いたしまして承認をしておりましたのであります。当時は艦艇解撤の六十号検査を発動するということは、本省としては何ら決定されておりませんので、たまたま神戸の財務部から申請があつたのでありますが、これは本省としてやれば大滝山丸だけの問題ではないのであるということと、その当時進駐軍関係の非常に大きな設備工事、或いは維持管理工場、賠償工場等の撤去作業というような六十号検査を早く発動しなければならんような対象が山ほどありましてそういうものを二十三年の秋頃にはやつてほしいと、そうして大滝山丸の検査でなしに、他の神戸地区における賠償の作業等の検査をやれということを指示したわけであります。それを受けまして、神戸財務部が海運局に対しまして検査を中止したというような通知を出しているわけです。その後予算船につきましては、全国的に六十号検査を実施をするという決定が二十四年度の夏頃に出まして、それにおつかぶせてやればこれも除外するわけには行かないので、やれということを指示したのであります。そういう事情なんです。
#69
○カニエ邦彦君 そうすると結局役所の仕事の都合でこういうことになつたのだ、こういうことですが、そういうことをやられれば、それは一般民間業者という者は非常に迷惑をする結果になつてしまつて、而もその検査の結果、この場合であればもうないものだとして、そうして金をもらつた、金をもらつたあと又検査があつたという結果、仮に返還をせなければならんというようなことになつたのじや全く迷惑千万のことになると思うのですが、その点はやはり大蔵省としても、絶えず民間業者の迷惑にならん点を今後とも留意されることがやはり必要であると、こう思われます。それから支拂に当つて、こういうような場合であれば概算抑をしておいて、そうしてその後六十号検査を終つてから計算をするというような支拂方法がなぜとれなかつたかということですね、全部こういう契約の形態を変更して、確定契約にまで変更して支拂わなければならなかつたか、その点に一つの疑問があるわけですが、その点を一つ……。
#70
○説明員(奧村義雄君) お答えいたします。カニエさんの御説の通りでありまして、実はそういう、今申上げましたような二十三年の終り頃六十号検査を取りやめるというまあ現地での連絡になつておつたのでありますが、中央におきましては、この大滝山丸の契約が、その後精算額が確定したというようなことを何ら知らなかつたわけであります。それでこういう問題になりましたあとでございますが、これはやはり大蔵省といたしましては何も急いで精算額を確定する必要はなかつたろうと思うのでありまして、概算契約のままで一応概算拂の形で最高限九割、九〇%くらいのところを拂つておけばこういう問題は恐らく起らなかつたろうと、これは今になつて私ども残念に思つておる点でございますが、今のような事情であります。
#71
○カニエ邦彦君 そんなことは今になつて残念に思わなくたつて、当時からそんなことはわかつておつたことで、大体こういうようなもので、あとに問題が尾を引くというならば、そういう措置をとられるのが当然であると思う。そこでそういうような概算的な支拂い方をやるということが会計法上一体違法になるのかどうか。小峰局長、そういうことを概算拂いをやるということは会計法違反になるのか、そういう措置をこういう場合はとるほうが適切であるというように考えられるのか、その点はどうなんですか。
#72
○説明員(小峰保栄君) この契約は実は当初概算契約で出発しております。第一回、第二回、第三回、合計で九百万円余り金を先に拂つております。契約を開始するまでの間に……。それをあとで書類を拜見しますと部分拂いと書いてあります。これも私ども実は非常に実に感心したのであります。感心というとおかしいのでありますが、概算拂いと書いてあるとこれは妙なことになるのでありますが、部分拂いという用語を使つております。出来高に対する部分拂い、こういうような用語になつておりまして、概算というような文字は証拠書類の上では出ていないのでありまして、まあ概算拂いということになると、カニエさんのおつしやるよに、一旦概算拂いにしておきましたものをあとで確定契約にすると、概算拂いとは何かという問題が出るのであります。部分拂いということになつております。
#73
○カニエ邦彦君 検査院が言われた、概算拂いという用語を部分拂いでもそれはいいですが、部分拂いであれば、いわゆるそれは出来高拂いである。できたものに対して部分的に拂つて行くというのは理窟がわかるが、できる前に金を拂つておくというのはどういうことなんだね。
#74
○説明員(小峰保栄君) これはできてから拂つておるのであります。と申しますのは、検査報告にも書いてありますが、概算契約を結んだのは二十三年四月であります。工事が完了したのは二十三年の九月であります。尤も完成後に大部分の金が要つたのでありまして、その前に拂いましたのは二回ほどでございますが、これは合計で七百万円ほどであります。二千万円以上の工事に対しまして七百万円、これはもうそのくらいの工事は当然にできておるわけであります。第一回は二十三年の六月十九日、第二回は二十三年七月三十日、九月には工事が完成しております。両方合せまして今申しました七百十九万円、ですからカニエさんのような御疑念は出ないわけであります。
#75
○委員長(岩男仁藏君) それでは速記をとめて。
   〔速記中止〕
#76
○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて。ほかに御質疑はございませんか。……別に御発言もなければ第四百三十五号の質疑は終了したものと認めます。
 次に第四百三十六号から第四百三十八号までを一括して問題に供します。先ず專門員の説明を願います。
#77
○專門員(森莊三郎君) 四百三十六号のほうは、検査院の検査報告によりますると、発生器材についての問題のようでありまして、右は二十一年三月から二十四年三月までの間に前記会社が処分済のもので、その価額は有姿のままの評価額からすでに会社が負担した補修費を控除した額によるべきであるのに、更に将来の補修見込費等を控除して売り渡したため低い価で売つてしまつた結果になつた、こういうふうに書いてございます。当局からの弁明書は、その説明書の五十四ページに相当長く記載されております。御覽を頂けばよくわかることと思いますから、読み上げることは省略いたしたいと思いまするが、別紙に掲げましたような工合に、事件はこんなふうになつているのであります。広島の関係で日立造船外二社、それからもう一つは福岡の関係で佐世保船舶、それから福岡の関係はA、B、Cと、この三件を含んでいるわけなのであります。
 それで先ず最初に広島のほうのことを申上げますると、なぜに補修費を控除したかというのに、その理由は、艦艇解撤最終処理要綱というものを先般お目にかけましたが、あれに基いて一割を引いたのである。それは発生材の……、発生材と申しますると、軍艦を取りこわしてそこから引揚げたものでありまするが、例えば鉄板にいたしましても、鋲が打つてあつたり、穴があいていたり、曲つているものと、いろいろあるので、それを船舶の修繕用に使用するとすれば当然手をかけなければならないから、だからそれだけのものを引いたのだという説明になつているのであります。次に、福岡のほうのAというところを見ますると、これも同一の理由によりまして一割だけは引いた。尤もこの場合には二割を実は引いたのでありまするが、残りの一割というものは、当時九州地方でスクラツプの相場が非常に下つておつて、普通には到底売れなかつたものでありまするから、特に一割を下げたのであるけれども、それは確かに当局の誤りでありました。その惡かつたほうの一割は認めるが、当然修理を加えなければ使えなかつたような材料を使つた場合に一割を引くのは広島の場合と同じ理由によると、こういうふうに言つているのであります。それからBのほうは、この現地の説明というものをそこに差上げましたが、それは昨日も申上げましたように、昨年の夏私が現地へ参りましたときに、福岡の財務局のほうから書いて出されたものでありまして、それをそのまま印刷に付したのでありまするが、かなり長い文章であります。併し一番中心問題になつていまするのは、有姿のまま云々という、その有姿ということの意味が、検査院の解釈と当局の解釈とが少し食い違つているようでありまして、その点について当局では多少の疑問を述べておりまするので、その点そもそも売拂いのときにおける有姿ということの意味は何を指すのかということをはつきりこの席でさせて頂ければ、非常に結構ではないかと思います。それから福岡の最後の問題は、会社の帳簿に庫出価格として書いておりまするその金額は、その中に自分たちが手をかけた補修費が加わつているものでありまするから、庫出価格からその補修費を引いた値というふうにして計算をするのが、これが正当なことで、自分のほうではその通りやつたのだ、ただ会社の帳面のつけ方がまずかつたものであるので、補修費を加えたものを庫出価格のようにつけてしまつたから誤解を招いたのでありますが、経理上の技術のまずかつた点は遺憾でございまするが、事件は正に自分のほうの主張する通りであると、こういうふうに現地では申しておられるのであります。別段それ以上申上げることはこの四百三十六号にはございません。
 それから四百三十七号は、マル公が改正されたあとで売つたのに、マル公改正以前の値で売つたのがいけないのだというような批難でありまするが、当局の弁明は、実は契約はもうそれ以前にできておつたので、ただ手続が遅れたのでマル公改訂後になつてしまつた、手続が遅れただけでありまするが、そこは惡かつたけれども、価格の点においては別に間違いはありません、こういうことなのでございます。
 四百三十八号は別段申上げることはありません。
#78
○委員長(岩男仁藏君) 次に関係当局において特に説明を要するような事項がございますならば、御説明願います。
#79
○説明員(原末一君) 只今森先生からの御説明で、大体その通りでありますが、とにかく広島の財務部におきましてやりましたものと、福岡の財務部においてやりましたものと、同一案件のものがあるのでございまするが、これは当局といたしましては、相当穴のあいたものとか何とかいうような補修をするものについては、一応一〇%引いてもよろしいという通知は出しておつたのでありまするので、更にそれ以上に余計に引いてしまつたということは誠に申訳ないと思つておる次第でございます。
 それから次に発生器材を売拂いましたときに、増価値価格というものを大体向うで差引いたということなんであります。これは例えば十万円のものに対して一万円の補修費を掛け、会社が骨を折つて十三万円なら十三万円に売つた、こうしますると、その売つた価格から補修費だけを差引いて十二万円取つてしまうのでは余り酷じやないか、やはりこれは相当会社側の努力が要るんだから、努力の賜物で二万円だけ増額したのじやないか、こういうような関係から一応引いてしまつた、こういうことなんでございますが、これはほかでは余り例がないような状態でありまして、誠に申訳ないことと存じております。
 それから修繕費の自家流用をいたしました機材器具の問題でございます。これは会社の庫出価格というものが非常に高いものに思われましたことと、それからあの当時の艦艇の解撤によりまして発生しました機材というものは、そのまますぐ持つて行つて修繕船なりに使うというわけには行きませんので、必ず発錆等は掃除しなければならんし、補修もしなければならん、そういうような状態で、必ず何か手を加えられたのじやないかと考えられるわけなんでございますが、会社の帳簿を見ますると、補修費を加えたというものは全然出ていないわけであります。ただ当時の状況から考えまして、当然補修費というものは加えられなければ直接には使えなかつたのだ、そういうような観点から行きまして、一応補修費として見込むのを引いてしまつた、こういうわけでございます。証拠書類も何もないのに引いてしまつたわけでございます。これは誠にどうも申訳ないと考えております。
 それから次の四百三十七号の問題でございますが、これは最初会社と財務部におきまして価格の折衝をやり、まあ大体価格の決定はしたわけでありまするが、何分にも広島の財務局というところは艦艇の解撤が一番多かつたわけであります。相当数量十二万二、三千トンの数量を取扱つておつたわけであります。ところがこれも事務担当者が手不足のために、人間が少なかつたためにだんだん処理が遅れてしまつておつた。そこにマル公が改訂されてしまつたというような結果になりましたので、勢い前にきまつた価格と現在のマル公価格というものがどうも一致しないような結果になりましたので、まあそうかといつて前にきめた価格を、更に新たに価格をきめ直すというようなわけにも行きませんので、一応契約は遅れてしまつたのでありまするが、前のマル公価格で契約をしてしまつた。こういう結果になりましたので、手続その他が非常に遅れたということについては誠に申訳ないと存じております。
 それから最後の東京財務部におきまして東洋サルベージに売拂つた発生材の代金の徴収についてでありまするが、これは当時これと一緒に関連しました解撤作業費というものを支拂わなければならないことになつておりますので、発生材の売拂代金を確保する意味におきまして、作業費を支拂う場合に、若し発生材の収納しなければならないものがあれば、その分だけは一応確保して、そうしてあと残余があれば残余だけ支拂え、こういう通知を出しておつたわけなんであります。それで事務費のほうも十分承知しておつたのでありまするが、会計のほうと事務担当者のほうとの間のちよつとした手違いによりまして、収納代金を考えることなく、そのままぽんと会社のほうに支拂つてしまつた。そうすると会社は丁度又非常に困つておつたような関係だつたものですから、早速使つてしまつたというようなことで、まああとであわてていろいろ交渉しました結果、百万円だけは徴收いたしまして結局ここに載つております三百五十四万八千円何がしというものがまだ現に残つている、こういう状況になつております。それでこれも財務部のほうから法務府に依頼いたしまして、刑事訴訟なりの手続をとつたわけでありまするが、一応昨年の十二月十日に和解が成立いたしまして、十二月の末に五十万円、一月の末に五十万円、二月末に五十万円、三月末に百万円、四月末に残額の百四万八千七百八十一円八十銭、これを支拂うという和解が成立いたしましたのですが、未だに一文も入つていないというような状況でございます。どうも誠に不手際なことをいたして申訳ないと思つております。
#80
○説明員(小峰保栄君) 四百三十六以下の三件でありまするが、これにつきましては、いずれも政府側も今までのように批難に反対もしておられないようでありますから、大体会計検査院の批難の趣旨においては異存はないようでありますので、特に説明はいたしませんが、先ほど政府委員の説明の点で、私が見解を異にする点が二、三ございますから、御参考までに申上げておきます。
 四百三十六は、これは事態は非常に簡明なことで、政府も非常に恐縮されている案件でありますが、これは拂うものは拂つていながら、取るほうは取らなかつた、こういう案件であります。会社がその後経済状態が不如意になつてなかなか取れない、こういう案件でありまして、それ以上は申上げることはないのであります。
 それから四百三十七でありますが、これは契約当時のマル公を適用しないで、一年前の古いマル公、安いマル公を適用した、こういう案件であります。これは先ほど来の專門員なり政府の御説明によりますと、手続がただ遅れただけだ、二十四年三月当時にもう物を渡してしまつたのだ、こういうふうに窺われたのでありますが、事実はそうではございません。これは二十四年三月に会計経理上の措置をして、一応打切りになつたわけであります。当時は又スクラツプの値段が出ておりませんので、そのまま積み上げておつた結果、こういう物を持つて行つてくれというようなことを盛んに言つておつたわけでありますが、その当時業者はこれを要らなかつたというふうになつておつたのであります。その後御承知のようにスクラツプがだんだん値が出て参りまして、それから先になつてからだんだん見込んで、業者が早く確保しようというような気運が非常に強くなつて来たのであります。二十五年三月当時はもうそういう気運が相当に出て来ました。これは当然その当時の新らしい契約で、前からの引継ぎでずつと業者に渡つてしまつたというものではございません。はつきりときめているのであります。これは当然に二十五年三月のマル公を適用すべきだ。マル公の改訂が二十五年の三月にできておりまして、もう二月もたつているのでありますから、当然にこれは新マル公を適用すべきだというふうに考えて批難したのであります。
 それから四百三十六でありますが、これに掛りもしない補修費を見込んで差引いて安く売つた、こういう事案であります。掛つた補修費は六十八万二千円ほど掛つているのでありますが、これを控除したことは会計検査院もこれは認めるのであります。これは当然であります。補修費を加えましてそうして先ほどお話がありました原姿、当時の有姿ができるのであります。その有姿の値段で売るわけですから、これは掛つた補修費を経費として見るのは当然であります。その先になつて或いは掛るかも知れん、こういうようなものを見る必要はないのであります。或いは掛るかも知れんというようなものを見るのが約千百万円ほどあるわけであります。これは経緯を申上げますと、今までの批難では福岡財務部というのが多いのであります。而も会社は佐世保船舶であります。佐世保船舶の経営というものは福岡財務部の指導も悪かつたでありましようが、私ども五十幾つという工場を見たのでありますが、その中で最も悪いほうの工場であります。どうも検査院の検査の結果、ほかと同じような基準でやると減らさなければならないという額が相当出まして、一部は直したのでありますが、それも検査院の検査の結果、減らす埋合せのようなことをやつたというのが真相のようであります。一方で減らす代りにこつちの売拂いを安くしてやつて色を若干でもつけようということは、勿論文書には載つておりませんが、私のところにもたびたび交渉に参りました。それで検査院に最後の文書でよこしたのは、会計検査院の通り、こういうものを引いてはいけないから引かないと言つて来た。私もこういうものを引いてはいけないと大分やかましく言つたのですが、お説の通り引きませんと言つておりながら、その整理は実際やつていないのであります。そして弁明書なり或いは專門員が現地の調査においでになりますと、地方のいいことを随分言つて下さつているのでありますが、真相はそういう次第であります。将来掛るかも知れんというようなものを推定して値段を安くしてあるというのは、これは以てのほかだと思うのであります。
#81
○委員長(岩男仁藏君) 御質疑のあるかたは願います。
#82
○小酒井義男君 今小峰局長から説明を聞いたのでわかつたのですが、四百三十六号を書類によつてみると、結局有姿のままで売るのだ、それまでかかつた修理費は見る、将来かかるものということは、その有姿のままで買う場合に、有姿でということは、将来かかるという費用をこれを考慮に入れて、有姿の価格というものはやはり結論的には私は同じじやないかというふうにとつておつたのですが、今の御説明でよくわかりました。今度四百三十八号の場合ですが、これは東洋サルベージはこの案件によつて別に損害を受けたというわけではないのでございますね。この仕事をやつたために損害を受けて支拂えないというのじやなしに、仕事をやつて利益を上げているが金を納めないのだ、こういうことかということと、これを取る方法というものはあるのかないのかですね。支拂いさせる方法……、一応和解ができておつても約束を履行しないというのですが、それじやそのまま放つておかなければならんものか、又何らかの方法が考えられておるかどうか。
#83
○説明員(小峰保栄君) 四百三十八号でありますが、これは経費として千二百十八万円拂つたのであります。こちらで取るべきものがこの案に出ております四百五十万円だつたのでありますが、四百五十万円というのを取らなかつた、経費の千二百万円はそつくり拂つてしまつた。こういうのでありますが、この千二百万円という経費は、私ども内容を審査いたしまして妥当な、他の会社と同じような標準で積算した経費であります。会計検査のときには大体高く拂つたのをカツトするのが普通でありますが、艦艇解撤の場合はそれだけにとどまりませんで、会社と申しましても個人経営のような小さいものもぼつぼつあつたのであります。経理のやり方も知らんというようなものもぼつぼつ見えたのであります。こういうのは請求してよいのをこれをしないから、こうしなさいと言つて増額したのも相当あるのであります。ここに並べましたような事項は、相当高く拂わせたというものばかり並べてありますが、検査のときには実際そうじやないのでありまして、増額修正ということもやつているのであります。そういうような態度で検査した結果が千二百十八万円で、支拂額は妥当な支拂いだ、こういうふうに考えているのであります。当時差引いて七百数十万円を拂つておけばこれは何のことはなかつたのであります。
 それで今後取れるかどうかという点でありますが、これは東洋サルベージ……こういうことを申上げていいのかわかりませんが、経理状態が面白くないのでありまして、これを売りつけましたときには余り景気がよくなかつたのであります。それで和解もこれは実は私初耳だつたのでありますが、昨年和解が成立したというお話ですが、やつてもやはり取れないのでありまして、これはやはりこうなりますと、民事訴訟一般の差押の方法によるしかないわけであります。それをやつても、これだけのものが取れるかどうかという点はちよつとわからないのじやないかと思います。
#84
○カニエ邦彦君 四百三十八号についてはですね、これはもう今大蔵省に対しては、できるだけ如何なる方法を以てしてでも、ただ單に形式的な和解調停というようなことができたらそれでよいというようなことでなく、やはり徹底的に取るということを強く要望いたしまして、一応これは了承せざるを得ないと思います。
 それから四百三十七についてはですね、これはやはり百五十万円低価であるということも、これも大蔵省も認められておるのでありますから、これについてはまだいささか議論はあると思います。
 それから四百三十六については、これは私は先ほど小峰局長が言われたので言うのではございませんが、実は艦艇解撤の中で見て播磨造船並にこの佐世保船舶というものですね、額も相当大きければ、内容に至つては極めて複雑である、悪質であるという言葉を使つていいか悪いかわからないが、極めて複雑である。そういう意味において四百三十六号は一応留保いたしまして、再検討をやはりする必要がある、かように考えます。
 本日はもう時間も非常に何でございますから、さようなことで一つ……。
#85
○説明員(小峰保栄君) カニエさんの御意見の中に播磨造船も引合いに出されたようでありますが、播磨造船は船材の鋼板の解撤をやりまして、非常に大きな工事をやつたのでありますが、これは経理が非常にいいのであります。ここにたまたま挙つております、先はどいろいろ御覧のありました四百三十四などは、播磨造船が悪いのではないのでありまして、播磨造船の先ほど申上げました百四十六のうち百四十はいい経理をやつております。たまたま六十の検査をやりましたうちで、たつた六つだけが悪いのでありまして、大部分のものは相当よくやつております。それから会計検査院が見つけたことは、納得すればすぐ直してもおります。ここに余り挙つていないのであります。SSKは甚だこういうことを申上げるのはどうかと思いますが、播磨などよりはずつと仕事の量が小さいのでありますが、批難事項で、而も飽くまで解決のつかないものが非常に多い。これは先ほど申上げましたようにSSKの経理が面白くなかつたばかりでなく、むしろこれは福岡財務局のやり方がまずかつた、会計検査院にはあなたのおつしやいます通り直しますと、こういうような答弁をしておきながら、行つてみるとさつぱり直しておらんというのが多いのでありまして、これはSSKの経理だけをあなたがちお責めになるより、官側の指導監督という面がよくなかつたというふうに私どもは了解しておるわけであります。
#86
○カニエ邦彦君 今の局長の御説明、これは非常に貴重な意見として一応拝聴しておきます。併しながら私の言つておるのは本件の艦艇解撤のみを言つておるのではなく、一般スクラツプその他の関係のものも眺めて、全体を眺めてという意味でありますから、さよう御承知を願います。
#87
○委員長(岩男仁藏君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#88
○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて。他だ御質疑はございませんか。別に御発言もなければ本件の質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれで散会いたします。
   午後四時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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