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1951/05/27 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第27号
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1951/05/27 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第27号

#1
第013回国会 決算委員会 第27号
昭和二十七年五月二十七日(火曜日)
   午前十時四十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岩男 仁藏君
   理事
           長谷山行毅君
           飯島連次郎君
           小酒井義男君
           棚橋 小虎君
   委員
           瀧井治三郎君
           西山 龜七君
           宮田 重文君
           伊藤 保平君
           森 八三一君
           栗山 良夫君
           カニエ邦彦君
           小林 亦治君
           田中  一君
           菊田 七平君
  政府委員
   通商産業大臣官
   房会計課長   伊藤 繁樹君
   工業技術庁調整
   部長      川上 為治君
   運輸省港湾局長 黒田 靜夫君
   労働大臣官房会
   計課長     飼手 眞吾君
   労働省労働基準
   局長      亀井  光君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   総局次長    山名酒喜男君
   会計検査院検査
   第四局長    大澤  實君
   通商産業省化学
   局アルコール第
   一課長     及川 逸平君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決
 算
○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決
 算
○昭和二十四年度政府関係機関收入支
 出決算
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岩男仁藏君) 只今より決算委員会を開会いたします。
 昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算ほか二件を議題に供します。
 本日は先ず通産省所管の部、即ち批難事項第五百四号から第五百八号までを問題に供します。先ず専門員より特に説明を要する事項がありますならば御説明願います。
#3
○専門員(森莊三郎君) そこにガリ版にして差上げて置きましたが、五百四号は、人夫賃二十万円のところを六十万円ということにして、四十万円だけ付掛けをした、それを臨時職員の俸給とか、庁舎の修繕費などに充てたという事件であります。五百五号と六号とは、職員の不正事件でありまするが、その五百五号のほうは、アルコールを不正に特別に廉価で売渡した。或る場合に工業用のアルコールには他の薬品を混合しまして飲料に供することができないような工合にして、それで特に安く売渡すのでありまするが、それをしないままのものを、したような工合にして売つた。従つて買受人のほうで一はそれを飲料に供することが、しようと思えばできるわけでありまするから、こういう事件が起つて来るわけなのであります。それから五百六号のほうは、俸給などを使い込んだという事件であります。それから次にアルコール専売事業の特別会計に関しまして、検査院のほうから先ず最初に生産計画の見込み違いを当局がやつたので、途中になつてその生産計画を変更した、その結果として不経済な生産方法をとる結果になつたということの指摘が先ず最初に出ておりまして、その次に五百七号は、業者が甚だ不誠意であつたので、つい誤まつてアルコールを政府のほうが高く買上げたという事件であります。最後の五百八号は、検査院の指摘によりますると、アルコール製造の記録が事実と相違しておるということが一点、もう一つは、検査院の見るところによれば、もつと多のアルコールが製造されたはずであるというこの二点を指摘しているのであります。これに対して当局側の答弁では、これはアルコールの発酵の成績が悪かつたので、その成績の悪かつた場合に事実ありのままを書いては甚だ業績がまずく見えるので、外見上その成績をよく見せるために実際の生産量から逆に算盤をして、全体の成績を平均にしたような記録を作つたものであつて、そういう変なことをやつたのは甚だ悪かつたということであります。なお検査院が指摘しておられまする更に多く製造されたはずだと言われるが、それは他のいろいろな記録などを調べて見てもそんな事実はないというふうに弁明しておられる事件であります。これだけでございます。
#4
○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院及び通産省当局において特に説明を要する事項がございますならば、御説明を願います。
 それでは御質疑のあるかたは御発言を願います。
#5
○森八三一君 非常に小さな問題ではありまするが、五百四号の場合において、四十万円を付掛けをして定員外に雇用した職員の給與等に流用した、この場合に不正流用の資金でありますので、被用者に対する給與の所得税等の処理がどうなつておるのか、恐らく不正の金でありますので、源泉控除等の措置は行われておらんのではないかと思います。
#6
○政府委員(伊藤繁樹君) 只今の御質問でございますが、税務署に対しましてその付掛け額に相当する所得税額は納入済でございます。
#7
○森八三一君 源泉でそういう控除の措置が講ぜられ、所得税が税務署に納入されておるとすれば、こういう事件はその当時すでに明確になるべき筋合のように思いますが、その当時発見されなかつたというのはどういうところに基因しておるのか。
#8
○政府委員(伊藤繁樹君) これは実は架空名義によりまして人夫賃を支拂つておることになつておりまして、実一これの発見は税務署にむしろ当りましたところから、逆にこういう事実があつたことが発見せぜられたのでございます。
#9
○カニエ邦彦君 今のちよつと聞き取れなんだが、税金はどういう工合に加理した。
#10
○政府委員(伊藤繁樹君) 支拂つたことにいたしました分の所得税額は、実際支拂いました人夫に対する納税額と同じような恰好において税務署に支拂われたのでございます。
#11
○カニエ邦彦君 そうすると、この空名義の付掛けの四十万円に対しても税金をすでに拂つておるということなんですか。
#12
○政府委員(伊藤繁樹君) さようでございます。
#13
○カニエ邦彦君 そうすると、どうもおかしいじやないか、実際は人夫賃として拂つていないものを帳簿の上で拂つたことにして税金も拂つた、ちよつとおかしいと思わんかな、それはどういうことか。
#14
○政府委員(伊藤繁樹君) 逆に言えば非常に巧妙にやつたということが言えるわけでございますが、納税額といたしましては、我々給與の支拂にはすべて源泉徴收いたしまして、これを役所のほうから税務署のほうに別途納入いたしております。それと全く同じ手続をこの場合についてもとつた、こういうことでございます。
#15
○カニエ邦彦君 その点どうもおかしいように思うね、まあ巧妙というのか何というのかわからんが、いずれにしても事実でないことを事実にして税金を拂つた。併しその後会計検査院が指摘して事実でないということがわかつた、そうすると、そのあとに、前に納めた税金はこれは事実でない架空のいわゆる申請であるから返してくれということに、普通ならばなるべきはずのものだが、そういう措置をしたかどうかということと、それからもう一つは、こういう架空なことをやつて、そういうその申告を……、そうすると、結局そういうようなことをやるということが一体法律に触れるか触れないか、いわゆる会計法違反の以外の法律に触れるか触れんかということだね、それはどうなる。それは一向やつてもかまわん、現行法ではかまわんということになるか。
#16
○政府委員(伊藤繁樹君) こういう事例が会計法上のいわゆる不当支出になることは明瞭でございますが、税法の関係はちよつとはつきりいたしません。
#17
○カニエ邦彦君 これはやはり通産省としても、こういう事故が起つたときにすでに検討されて置かねばいかんということではないかと思います。今のところ税法上の問題についてはと言われるが、国民のいわゆる納税に関する問題は非常に重要なことなんで、これかいささかも基本が崩れたり、間違いかできたりということになれば、これは非常な大問題になり得る、而も役所自身がこういうことをやつて、それで済んでおるということになり得れば、それが一般民間に及ぼす影響はどういうものであるかということ、この場合はまあ国会の中でも特に決算委員会の範囲で議論が行われておるのであつて、一般国民にはそういうことは徹底せないのでありますからいいものの、若しか何かの機会でこういうことが一般国民に流布され、徹底するとでもいうことになつて来たら、国が、政府がそういうことをやつておるんだから、少々の間違いができても、これはもう我々民間はまあいいのじやないかということになつたのでは大変ではないか。これはよくあなたのほうで調べて研究をして、若しかこれが法律に違反しておるということであれば、然るべきように是正せなければならんと思うのです。その点、今ここでそういうことは今日に至るまで研究も何もしておらなんだということであればいたし方かないので、研究してその結果委員会へ、一つこういうことに研究した結果なつた、従つてこういうような方法でこれは合法的に処理をした、或いは訂正をしたということの御報告を書面で願いたい。それからもう一つは、こういうことをなさねばならなんだという止むを得なかつたという具体的な理由について御説明を願いたい。
#18
○政府委員(川上為治君) 地質調査所の北海道の支所につきましては、昭和二十三年八月一日から当時の北海道庁から移管を受けまして発足をいたしたりでありますが、その当時定員が少くとも五十名程度はどうしても要るんじないかというふうに考えていたのでありますけれども、地質調査所全体の定員が比較的少かつた関係からどうして北海道のほうへ割くことができなかつたというような関係にもかかわらず、当時におきましては、石炭の開発の調査とか、或いはその他いろいろな調査の関係がありまして、そこでどうしても定員では十分仕事ができなかたという点が一つの理由になつておりますし、又同時に北海道の歌志内地区地質の調査或いは又留崩地区の地幅の調査、或いは調査資料の整備その他庁舎の修理等の関係からいたしまして当然これは中央の許可なり、大蔵省の許可を受けまして経理すべきものでありますけれども、当時の北海道の支所長さんが北海道庁から参られた人ですまして、中央とのそういう問題についての関係をよく御存じでなかつたために、こういうような問題が起きたではないかと考えられます。この問題につきましては、先ほどお話がありましたように、私どもとしましては誠に遺憾極まる点であると考えておりまして、それからはこちらから、中央から会計につきまする相当のエキスパートを出しまして、今後こういうことが対にないように遺漏なきを期しておる次第でございます。
#19
○カニエ邦彦君 会計検査院では、これはこういう工合にまあ私が質問を申上げた点について、どういうわけでこういうことになつたのか、今当局において言つておる通りか、どういうわけか。
#20
○説明員(大澤實君) この架空拂いをしなければならなくなつた経緯ということは、只今お話がありました点も確かにあると思います。いわゆる定員が切られたために、それだけの職員が正規には使用できないというので、まあ一つ最も、何と言いますか、楽な方法と言いますか、書類を作り上げて、それで金を浮かして給與に充てるという方法をとつた、その原因は確かに人が少かつた点にあると思いますが、併しその場合には先ほどからお話がありましたように、当然正規の措置で人員増員の要求なり予算の要求なりして行うべきであつて、こうした書類の架空名義によりまして金を捻出して、それをそうした経費に充当するということになりましては、会計経理というものがいつまでたつても公明を期し得ない。これは事情はともかく、どうあろうとも、こうした事項は断固として排撃すべきではなかろうか、こういうふうに考えておる次第であります。
#21
○カニエ邦彦君 それから通産省の所員で、この批難事項に上つているものを見ると、五百四号以外のものは殆んどこれはアルコール事業の批難事項だけであつて、殆んど他のものはないという状態ですが、検査院は二十四年度の検査は、人員その他の都合でアルコール、主としてアルコールのみの検査しか行わなかつたかどうか、この面だけ見ておると、何かこうアルコールだけをやつて、ほかはやつていないような感じを受けるのですね、通産省は御承知のように相当まあ大きな省であつて批難がない、他は全部完璧を期しておるというようにはどうも思えないのですね、そこでどういうことなのか、アルコールだけをやつたのか、そともほかはやつたはやつたが、極めてそつと撫でた程度でやつたということになつておるのか、その点の説明を願いたい。
#22
○説明員(大澤實君) 会計検査院で通産省関係の検査を担当しておりますのは三十名少し切れる、二十数名の職員で担当しております。そして検査はアルコール会計ばかりに偏したというわけではなくて、本省及び各地の通産局、それから工業技術庁その他の外一局、試験所なども行なつたのでありますが、重点としましては、アルコール会計を検査の重点といたしたことは確かであります。併しほかのほうを全然ないがしろにしたというわけではなくて、その他に亘つてもできるだけ検査はしたのでありますが、結果として不当な経理として出ましたのがアルコール会計に多かつたということになるのでありまして、そのほかにも工業技術庁或いは中小企業庁その他の補助などの内容に関しましても、一応補助として妥当ではないのじやないかというような線で審議されたのもあつたのでありますが、結局補助金交付当時の事情から見ると、止むを得なかつたのではなかろうかというような結論になりまして、検査報告には掲載せずに終つたという事案もほかに相当あつたわけでございます。
#23
○カニエ邦彦君 それをもう少し具体的だ言うと、通産省、地方のいわゆる通産局、それから中小企業庁或いはその他のいわゆる外局、出先機関とを含めて検査を行わねばならないという対象になる箇所は一体何カ所あつて、そのうち二十四年度は何カ所を行なつたか、これを一遍説明して下さい。
#24
○説明員(大澤實君) 只今の点は具体的な計数になりまして、空覚えには大体のところはわかりますが、具体的な計数をはつきり御説明申上げたほうがいいと思いますので、後日資料を提出たすことにいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。
#25
○カニエ邦彦君 これは私の申上げておるのは、一体二十五人の人間が全国に散らばつているところの通産省のあらゆる出先機関並びにそれらの外局の出先機関等の経理を検査をするのに、どれだけできるかということ、それが果して国の経理検査の上からして十分であるかどうかということですよ。これは一応私はその点がやはり明確にされなければならない。というのは、使うほうのことは非常に最近まあこれは無駄であるか無駄でないか議論は別として、随分多くの或る方面では人を雇い、そして多く人が使われているのですね、肝心のこれだけ厖大な金が使われておつて、その使つたものが適切に且つ有効に使われているかどうかという肝腎の検査するほうの側になつて来ると非常に少い。而もこの二十五人を完全に一体通産省所管を検査するためには、仮にこれが百人いるとしても僅か七十五人だ、七十五人の物件費、人件費が何ぼかかるか、併しその七十五人が動くことにおいて国の歳出のいわゆる節約その他に対してどれだけできるかということを仔細に検討するなれば非常に重要な問題ではなかろうかということ、従つて今ここに現われて来ておる通産省所管の国会に対する報告が、かようなことであるべきはずがないと、常識上考えて……、その点を一応明らかに我々は知りたいということ。なぜかなれば、我々決算委員会は、これだけ厖大な一般会計、特別会計総支出を、これを全部に亘つて見るわけには行かないので、そこで唯一の手先きというか頼りというか、あなた方がやつておられる会計検査院が最もこれは頼りになつておるわけなんだ。その頼りになつておるものが極めて頼りにならんということでは、これは困るのですよだから一応どうなつておるのかということを聞いておる。
#26
○説明員(大澤實君) カニエ委員の仰せの点でありますが、会計検査院としましても、現在の人員、まあ只今通産省が例に出ましたのですが、通産省検査担当は三十名以内ということで決して十分だとは思つておりません。それで結局然らばどうするかということになりますと、この検査の要員というものは、ただ人を増しただけでは、その技術なり或いは人の人格なりという面から、ただ人を増しただけではすぐにはその実効が上らないというので、何とかして早く、何と言いますか、その基幹となる、幹部となるところの職員、つまり実地検査に出まして責任と品位とを持つて、そしてよい判断をなし得る職員、これを一日も速かにたくさん養成することが目下の急務である、こういうように考えまして、昭和二十二年の会計検査院法改正後、逐次人員の増加をお願いしまして、現在全職員千名程度ありますですが、そのうちのいわゆる基幹になる職員を何とかたくさん養成するということに現在主力を注いでおる次第であります。そしてこれが相当まとまりますれば、逐次あと又人員の補充を、予算の要求その他によりまして補充をいたしまして、そしてなお十分な人員を擁して検査を進めたい。要は人員の増加よりも先ず質の向上ではないかということが、この一、二年において一応検討された線でありまして、まあその点は相当実際の効果も上つて来ているのではなかろうかと私自分も考えております。まあ将来の問題としまして、勿論現在のところで十分だとは言えませんので、これを中心といたしまして、その質の向上した職員を中心といたしまして、更に各方面の御努力を願いまして人員の増加を図りたい、こう考えておるのが会計検査院としての現在の動きであります。なお今のところで甚だ頼りがないというようなお叱りも受けましたですが、現在の人員において最善を番して、それからなお且つ充実した、増加した人員を得て更に最善を盡して、そうした御懸念を一日も早く一掃するようにいたしたいと考えております。
#27
○カニエ邦彦君 これは非常に問題が重要な問題でありますから、今ここではそういう議論はいたしません。今言われるように相当な人員を養成しておると言われる、勿論これは会計検査院の職員を直ちにほかから転用したから、それがすぐ間に合うとは決して我々は思つていないのです。併しながら養成しておると言えば、一体現在何人ほど具体的には養成しているかという問題になつて来る。それらに対して決して機能が十二分に発揮できるような措置を講じておられるとは我々は息つていないのです。で、現在でもこれはあなたのほうの所管だけでなくして、全体を眺めて見て、一体会計検査院の業務量に対して実行されておるところの量は約三分の一くらいにしか達していないと思うのです。三分の一は検査をして目が行届いておるが残りの三分の二は野放しになつているというのが現状でなければならんと思う、そんな野放しになつておるものを、一体国会議員が、我々決算を担当しておるものが、その残りは我々の手でというわけにもいかんのですから、従つてこれらについてはどういうような具体的な措置をとつておるかということなので、むしろこれはあなたにお聞きするよりも検査院長に来てもらつて、そうして具体的に説明を聞いて、そうして今後の検査の完璧を期するようにやはりやらなければならん問題だと思うので、この点はまあこのくらいにしてあなたのほうの所管の資料、通産省のみならず、二十四年度におけるところの検査の資料をお出しを願えれば結構だと、こう思つております。
#28
○森八三一君 五百八号でございますが、発酵成績がよくなかつたので、製品から逆算して外見上体裁を作るための生産数量に改竄をしたのだというような説明になつておると思いまするが、発酵成績が不振であつたので、実際の製造はどうなつておつたのかという点をお伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(伊藤繁樹君) 五百八号は、先ほど森さんから御説明がありましたように、二点につきまして検査院が指摘しておるのでございまして、成績がこの工場は非常に不良である。だから場合によつてはもつと実際はできておるのではないかという点が一点でございまして、もう一つは実際のその日その日の製造記録と検査院に提出された製造記録が違つておるではないかと、こういう二点でございます。私どもの考え方といたしましては、実はこの工場はこの期におきまして非常に成績不良でございまして、これは専門的な事項になりますので、私自身もよく存じません。必要があれば専門説明員から御説明を申上げますが、この期におきましては糖化「もろみ」に対して通産時間を非常に長くしてやつて見たという事実がございまして、その結果として成績がよくなるであろうという見通しでそれを行なつたところ、逆に菌糸が非常に長くなりまして、糖化効率を上げることができなかつたということになりまして、成績が非常に不良だつたわけでございます。事実不良でございまして、決して製品がそれ以上余計出たという事実はないのでございまして、これはその当時の製品査定簿なり、或いはアルコール出納簿等と対照いたしまして、この点は十分確認できると我々は考えておるわけでございます。ただこの工場の幹部がその全体としての成績不良はいたし方がないといたしましても、又日によつて非常に成績に良好の場合と不良の場合とが非常に極端であつたということを心配いたしまして、今申しましたように成績から逆算しまして、一そこに虚偽の製造記録を作つて出したということは、このことは事実でございまして、この点はその動機は今申しましたように非常にアン・バランスな成績をカバーしようという動機から出たものでございます。余計出たということはないように考えております。
#30
○森八三一君 一応抽象的な説明では理解はできますが、検査院が形式上の推算から行きますると、二十七キロ程度の九十四度のアルコールがなおよく量的に生産せらるべきはずであるという指摘をされておる。その指摘は恐らくこの検査の当時にも行われたと思いますが、その際に発酵成績が不良であつて、実際の製造の実態はかくかくであるということが詳しく事実について説明されておりますれば、恐らく検査院も理解が付いたのではないかというように思いまするのでありまするが、検査院はそういう点が明確でないので、製品数量の当否を確認することが困難である、こう指摘されておる。その当時検査院は今当局の御説明のように、実際の製造はかくかくであつたという事実を調査されたのかどうか、調査をされても、なおその調査について理解ができなかつたという結果であるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#31
○説明員(大澤實君) この点が結局最も肝腎な記録その一ものが二重帳簿的にできておつたということが発足でありまして、まあ一例を申しますと、「もろみ」のうちの澱粉価が一番アルコールの製出量に影響するわけでありますが、この澱粉価が実際に計つたときに、例えば八%七六あつた、これはまあ裏の記録と言いますか、実際はそれだけあつたという測定がありながら、公式の記録には八%四七しかないという記録をとつておる、そうした例は、一例でありますが、そうしたように実際に測定した澱粉価よりも少い澱粉価で公式記録をとつておる。それが発足でありまして、これはおかしいではないか、なぜそういうことになるのかという点をいろいろと検査の際に突き進んで調べたのでありますが、どうしてそういうことをしたかという具体的な心証が得られない。まあ結局「いも」が悪かつたために実際にアルコールが少かつたのだ、そうならば何もわざわざ実際に記録した「もろみ」の澱粉価を、実際に測定したものを改憲しなくてもいいではなかろうか、実際のままで出して行つて、それが計算上出なかつたことは、結局どこかにそのいわゆる原因のあるところはここにあるということがはつきりすればいいではなかろうかということで押し進んだのでありますが、結局は向うは出なかつたという、こちらとしてもそれ以上出たという勿論何ら証拠はないわけでありまして、ただ実際の裏の記録になつている「もろみ」の澱粉価から計算いたしまして、九州全体の各アルコール工場の平均実績をとりますると、ここに書いてありますように二十七キロ程度のものがもつと余分に出た計算になるじやないかということに落ちるのでありまして、勿論これだけ出たということはこちらも確認しておりませんし、恐らく御説明のように出なかつたというのが事実であろうと思うのですが、出なかつたとすれば、その原因はどこにあるのかということを正式な記録に基いてトレースしておかなければ、次の新らしいアルコールの仕込みその他においてもそれを一つの参考資料とすることはできないではないかということになりまして、結局この案件を掲げましたのは、表題にも書、いてありますように、製造記録がそうした偽りの製造記録を作つておるのはいけない。その結果実際のアルコール製出の過程というものがあいまいにされているのはいけない、こういう点を指摘しておる次第であります。
#32
○政府委員(伊藤繁樹君) 専門事項になりますので、説明員のほうから……。
#33
○説明員(及川逸平君) 私も技術家ではございませんので、詳しい技術な点は申上げられませんけれども、本件の場合におきまして、「いも」の澱粉価を測定いたしまして、それからとれるアルコールの收量というものは、大体におきまして、民間の工場におきましても官営工場におきましてもほぼ一定の水準はあるわけであります。工場の装置その他におきまして、或いは能率その他におきまして、若干の相違はありますけれども、一定の標準というものは勿論ございます。その点から考えて見まして、この五百八号の点を考えて見ますと、この件は私の見るところによりますると、工場がアルコールの製造過程に当つて技術的に或る程度失敗した点があつたのではなかろうか、その失敗の程度が普通の標準よりもちよつとひどかつたために、これの会計検査に当りまして、ちよつと表に出ては困るというような成じがあつたのではなかろうか、従いまして、ありのままに出せば勿論製造技術が下手だという点でお叱りはこうむつたかも知れませんけれども、それじやどうも少し工合が悪いというような点も考えまして、收量を平均、いい場合の収量と悪い場合のやつと平均しまして、トータルとしては低かつたわけでありますけれども、そういう記録を作りまして、それでまあ会計検査院に偽りの報告を出した。その結果会計検査院の御指摘をこうむつて批難事項になつたというふうに私は大体了解しておるわけであります。本当の原因はやはり工場の製造過程における失敗が大きな原因ではなかつたか、それを姑息的な手段によりまして、こういう措置を講じたというふうに私は考えておるわけであります。
#34
○伊藤保平君 それからちよつと関連して会計検査院のほうに伺いますが、最近余りに酒が不足して、例の政府専売のアルコールがややもすれば横流れしておるという風説を聞いたのですが、そういう点においてはお調べになつて何かあつたのですか、何もありませんか。
#35
○説明員(大澤實君) 只今の点はいわゆるアルコールが闇に流れているのではないか、こういうお話、それが具体的な例としましては、二十三年度の検査報告にアルコールの売渡処置が当を得ないとして書かれたのがあるのでありますが、それは結局工業用として売つたアルコール、これは当然通産省の立会の下に変性をしまして、変性済として定価で売ることになつておりますが、その変性の過程がはつきり記録上出て来ない、いわゆる変性のために出張する職員があれば、その出張命令がなければならない。そうしたものの記録がはつきりしていないので、果して変性したかどうか確認できないということを二十三年度の検査報告で一応掲げた次第でありますが、そのときはまだ発見していなかつたのですが、その後発覚いたしましたのが、この五百五号に掲げてあります東京通商産業局の不正行為というのが、そうした一つの例でありまして、これは勿論会計検査院がこのこと自体を発見したわけではありませんですが、同じような事態、つまり変性済だとして工業用に売つたが、実際は変性していないものを売つた。つまり闇で高く売つてその差額を領得した、こういう事件でありまして、こうしたことが当時においてはありはしないだろうかということを十分注意いたしました結果、まあ併し確証を得るに至らなかつたので、二十三年度の検査報告に只今の五百八号とは多少違うのですが、同じように実際の実績を証明する資料が整備されていないのはいけないという趣旨で掲げておるものもある次第であります。なお最近においてそうしたこと、勿論その後調べを怠つておるわけではありませんけれども、最近においては、そうしたことがあつたということはちよつと私は聞いておりません。
#36
○伊藤保平君 それと関連しまして、そういうことが、仮に変性ですか、アルコールの何にあつたとすると、今の製造工程のうちのときも非常に発酵成績が悪いというのは、幾分そういう疑惑があるというようなことも調べられたことはないのですか。
#37
○説明員(大澤實君) それは丁度五百八号のように、作業能率が悪いのはどこか横に出たのではなかろうか、これはなかなか会計検査院の現在の権限と言いますか、それによりますと、どこに流れたかということを抑える方法もありませんので、まあ何かで偶然に探知した事項でもありますれば、その方面から又いろいろと調査の手も進みすのですが、本件、つまり五百八号に限つてそうしたことはなかろうかという勿論一応の懸念は持つたのでありますが、具体的にどうという結論は出なかつた次第であります。
#38
○西山龜七君 今の会計検査院のほうへお尋ねしてみたいと思うのですが、この五百五号を見てみますと、不正の行為が二十二年の五月から二十四年の十一月に初めて発覚して、約二年半これがわからずに経過しておる。五百六号は、十カ月くらいで発覚しておるのでありますが、これは検査院の感覚と言いましようか、その所員の頭の働きの如何によつて発覚が遅れるとかいうことが、これは多分にあると思います。検査院の先ほど御説明になりましたように、質をよくして非常に鋭敏な感覚を持たすということが一番の大事であると思いますが、その点につきまして、検査院としてはどういうような方法でこうような不正を発覚する、その所員の報告によつてのみそれを発覚しておりますか、又検査院におきまして何か基礎的のものがあつて、或いはアルコール工場に、全国に何百という工場があれば、その良心的の工場を基礎にしてこれが本当の基礎である、これによつて標準をとつて、ほかのほうの工場の比例を以てそれに集中して検査をするとか、何とかこの検査院といたしまして所員の質と、それから各工場の比較研究をするような基礎的の組織を持つておるかどうか、この点が私はういうような不正事件の発覚の早くわかる、何年もそれが暇が要ると、こういうような原因の一番大きなものであるかのように思いますが、その点を一つお聞きしたいと思います。
#39
○説明員(大澤實君) 具体的に御指摘になりました五百五号の点でありますが、これはいわゆる工業用アルコールに変性したものとして売つたが、実際は変性しないいわゆる薬用、飲料用アルコールのままで売つて、その差額をとつたというのと、もう一つ専売公社からの拂下申請を偽造してやはり工業用として安く売つたやつを闇に流したことがあるのでありますが、これは結局工業用に売つたのは、変性したということはこれは通産省の職員が立会の上で変性済証明というのを出すことになつておる、それは一応全部書類は整つておるのであります。そこで問題は整つておる書類が果して正しいかどうかということが問題になりまして、先ほど御披露しました二十三年度の検査報告におきましては、その職員の出張命令の記録その他からいつて、どうも変性に立会つておるということは確認できないじやないか、こんなことではいかんじやないかということを指摘した次第でありまして、こうした事項が起きる危険があるということは絶えず注視しておるわけであります。併しながら具体的にどういうそこに不正行為が生じたかということの発見は、これは会計検査院といたしましても、勿論絶えず注意はしておるのでありますが、強制捜査権も附與されていない現在の権限の上から言いますと、不正行為を、それが書類その他の不符合によつて発見して来るものなら比較的わかるのでありますが、何と言いますか、一応全部を整えておるものをなかなか発見は困難だ、でありますから、それに対しては最近におきましては、その取引先ついて好意的にいろいろな調査を依頼しまして、その方面からの調査に基きまして、その取引が真正であつたかどうかを確認するという方法をとつて、その一助としておるわけでありますが、根本といたしましては会計検査院といたしましては、この不正行為を何とかして出ないような制度に持つて行かなければならんのじやなかろうかという点を主眼といたしまして、こうした問題がありますれば、これはどこに欠点があつたか、只今の具体的な例を言いますれば、結局変性済の証明というものが無雑作に、故意に、偽りに出されておつたという点に一番の問題があるのでありまして、これをもつとはつきりと、がつしりとしたところの組織によつて変性済証明を発行するような制度を通産省として講じて頂く必要があるという点を強調するというようにして、何とか同じような不正行為が出ないような方法を検討するという方面を主として考えておる次第であります。なお職員の訓練という点に関しましても、単なるお座なりの書類上の辻褄だけを見るというのでなくて、その取引の実際というものを具体的に詳細に調べて見るという方面に訓練しております。なお全体の調査機構としましては、会計検査院に調査課というものを設けまして、いろいろな各地の物価の変動状況その他の資料を取寄せまして、各職員の検査上の資料というものはできるだけ充実するように図つておる次第であります。
#40
○西山龜七君 それでその調査に行く会計検査院の職員というものは、やはり一カ所にその人がずつと続いて行くとか、或いは何年に一回変るとか、或いは年に何回変るとか、そういうように何かこう職員を交代して検査に行くというような組織になつておりますか、その点はどういうことになつておりますか。
#41
○説明員(大澤實君) 職員は必ずしも固定はしておりませんですが、事務官の大部分は余り動かすと、その職務に習熟することができないので、大体一つの、例えば通産省の検査を担当する課へ配属いたしますると、そこで少くとも三年、五年は固定的にその検査に担当させるということにいたしております。なお大局を観察するところの課長は余り固定しますると見解が一方に偏する危険もあるという点も考慮されまして、二年くらいいたしますると交代いたしまして、新らしい見地からものを考えて行くというようなふうに従来は制度をとつて来ております。
#42
○西山龜七君 それで会計検査院におきまして、こういうような不正事実を見出した、こういうような職員に対して何か功績、その手腕を認めて或いは昇給とか、何とかの奨励というような意味の制度があるものですか、それはそういうことはないものですか。
#43
○説明員(大澤實君) 現在はそうしたことに対して特に内規その他は作つておりません。なお会計検査院の職員といたしましては、そうしたことがあれば、これを調べ上げることがまあいわば本来の職務なのでおりまして、それができないというか、ないのは、むしろそれだけ力が足りないということになるかと思うのですが、まあそれは別といたしまして、現在のところは特にそうした制度はとつておりません。
#44
○カニエ邦彦君 今の西山委員からの質問の要点は、会計検査院がどうも検査を年々しておるにかかわらず、而も長年に亘つて不正を行なつていると、それがちつともわからずにおるというようなことはおかしいじやないか、従つてそういうことでは不正のいわゆる是正ということができないのじやないかと思われる、それについていわゆる会計検査院の仕事の範囲とか、或いは内部のやり方とか、そういうものに何かまずい点がないのかということの大体御質問であろうと思うのです。そこでそれを今ここで大澤局長に、勿論これは聞かんならんのですが、それよりは私はこの問題は相当国の決算の上からいつてこれは重要な問題だと思うのです。そこでこういういわゆる同僚委員の中からそういう疑念が出て来るということについては、これはやはり根本的に国会としても考える必要がある。そこで委員長のほうに一応委員会にお諮りを願つてもらいたいということは、会計検査院の検査院長を呼んで、そうして今まで我々が委員会で調べて来た中から感付いた点で、是正をさせなければならないじやないかと思われる点が随分多いと思うのです。今すでに現に西山委員からもそういうような質問が出ておるんだから、従つてそういう点について検査院の責任者から一応聞くということ、これはまあその委員会の進行の上で委員長が適当に考えてもらつて聞く、そうしてその聞いた結果、やはり是正をさせなければならないという結論に検討した結果委員会が到達したならば、何かの結論を出して、それを政府なら政府或いは検査院なら検査院に対して何らかの形でやはり是正をしてもらわなければいかんと思うのです。これは個々の検査に亘つての問題の重要な点であるので、さように一つお計らいを願いたい、こう思つておるのです。これはもう今言われているように、西山君が今先ほどから言われているように、検査院は飽くまで今の検査院の法規に基いてやつておれば、或る一つの限界があるのですから、従つてこういうものを未然にやはり知るということには、現在の今行われておる経済調査庁の権限の一部をやはり検査院に持つて来るとか、或いは検査院の内部の組織機構に及んでも改善を加えなければ、到底徹底した検査ができないというようなことになりはせないかと思うので、一応今私が申しましたような点で、機会があれば……、機会があればでない、機会を作つて、一応そういう工合の取計らいをしてもらいたい、こう思います。
#45
○飯島連次郎君 只今のカニエ委員の提案は、これは恐らく全部の委員が痛感しておつた事柄であろうと思うので、これはひとり本日の批難事項に限つた問題ではありませんから然るべき機会に一つ委員長から成るべく速かな機会に適当な取計らいをお願いすることに私は賛成いたしますが、そういうふうに一つお進めを願いたいと、こう思うのです。
#46
○委員長(岩男仁藏君) 只今カニエ委員からの御要望がありまして、飯島委員からその促進方についての賛成の御意見がありました。委員長において適当の機会に善処いたしたいと思います。他に御質疑はございませんか。
 ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて……。
 別に御質疑もなければ、第五百四号から第五百八号までの質疑は終了したものと認めます。
  ―――――――――――――
#48
○委員長(岩男仁藏君) 次は、運輸省所管の部、即ち第五百九号を問題に供します。運輸省から御説明願います。
#49
○政府委員(黒田靜夫君) 五百九号議案の、予算の使用当を得ないものとして、これは運輸省の出先機関でございまする港湾建設部が四カ所あるのでございますが、昭和二十四年度におきまして、伏木港ほか七十九の工事の事業費のうちから、本省の港湾技術研究課の研究用の備品とか、機械等の購入、又この研究課が他に移転したときの経費として九百三十万円を支出したほか、建設部におきまして、庁舎とか倉庫或いは職員宿舎の修繕、増改築等の経費として、およそ五百六十万円を支出したのでございますが、これを災害関係公共事業費から支出して、当然支出すべきものでありまするところの公共事業の事務費又は行政部費から支出するのが妥当であるのだが、これは当を得ないという御批難でございます。これにつきましては、港湾技術に関しまして、この技術の基本研究は従来鉄道の技術研究所の第七部に属しておつたのでありますが、二十四年の六月に運輸省の機構改革がございまして、港湾局内に港湾技術課が置かれまして、ここで技術の基本研究をやるようになつたのでありますが、当時の予算がおよそ三百三十万円であり、そのほかに物件費として、およそ百二十万円が計上されたのでありますが、極めて小額で研究を続行しておつたのでございます。一方港湾の事業は、外国貿易の振興を図らねばならない、或いは産業施設を整備して参らねばならない、又国土の開発計画等もやつて行かなくちやいけないというような、いろいろな要請に基きまして、昭和二十四年度におきまする公共事業費は、四十一億余円に達したのでございますが、これらの港湾事業を推進して行きますのに、その基本的な研究をするに当りまして、先ほども申しましたような経費では到底応じ切れないものがありましたので、研究上必要な最小限度の器具、機械の整備をやると共に、この整備を港湾建設部の事業費予算を以て購入して、それぞれの建設部に属しておる港湾工事の基本的な研究を実施して参つたのでございます。なおこの技術研究所は、これまで鉄道技術研究所に属しておつたのでございますが、その庁舎は建設省の土木研究所並びに赤羽分室の一部を借用してやつておつたのでございますが、たびたびの立退きを要求されまして、二十四年度に至りまして、やつと横須賀の久里浜の海軍の潜水学校跡の建物を大蔵省から移管を受けまして、この建物に研究施設を移転する場合に、行政部費が僅かでございましたので、それの運搬で所属機械の運搬費等を各建設部で負担いたしたのでございます。又別途に昭和二十四年度の公共事業費を以て港湾建設部の庁舎とか、或いは倉庫、宿舎等の修理とか、或いは増築を行なつた次第でございますが、これらの建物は戰災をこうむつたばかりでなく、長い間修理することなく放置されておりましたので、港湾工事を施行して行く上から、その修理増築の必要に迫られましたので、止むを得ず工事費からこれを支弁したのでございまして、当初の予算の目的と外れて使用したということは誠に申訳ない次第でございまして、このようなことが検査院のほうから御指摘がありましたので、二度とこのような行為のないように関係者に対しまして十分注意を與え、又嚴重に将来を戒めてやつて参つておる次第でございます。
#50
○カニエ邦彦君 これは検査院のほうにお尋ねするのですが、公共事業費事務費というものが、運輸省ではこの年度になかつたのかどうか、非常に少なかつたのかどうか、問題は先ずそれを一つ。二十四年度における公共事業費関係の経費が非常に足らなんだのかどうかという点ですね。それからもう一つは、足らんわけではなかつたというのか、或いは足らなんだとしても、他のいわゆるいろいろな部面においてこの事業費が非常に、何というかぎりぎりに使われておるかどうかということ、というのは、つまりそのときの状態は、公共事業費の枠としては、かなりふんだんに贅沢に使つておる。贅沢に使つておいて、そうして結局はこちらのほうの片方の予算が割に潤沢にあつた、だからそれをこちらへ使つて来た。返すのも勿体ないから、だからこれを使えという事情になつてこういうことをやつたのか、検査をした検査院側としては、どういうような考え方を持つておるかということなんです。
#51
○説明員(山名酒喜男君) 本件の直接の使途になりました九百万円及び五百万円の問題につきましては、私のほうといたしましても、これの使途の緊要性というものを否認しておるものではありません。ただ本件の問題につきましては、国会の議決を経た予算の枠を尊重すべきこと、並びに枠内の金額において、どうしても緊要な使途のために不足するということになれば、予算の補正を受くべき筋合いではないかという見解の表明でありまして、なお只今御質問のありましたそのほかの一般的の公共事業費の事務費としての使途の内容は、これを入れてなお不十分になるかどうかという御質問でございますが、大体の見解といたしましては、それほど濫費をされておるというふうな見解は持つておりませんで、結局いろいろ戰災そのほかの補修の問題か、或いは又将来を考えて十分不十分であるからというので、将来の事業費を見通しながら、ここで一挙に解決しようというような考え方から出られました予算使途でございまして、当年度といたしまして、多少緩和して翌年度以降に整備するといつたような余裕はあつたのではないかというような考え方をとつておりますが、全体といたしまして国損を発生するような、さような経費の使途とは先ず見ていないのでございます。
#52
○カニエ邦彦君 このこと自体が国損を生じておるとは私も思つていないのです。併しながら、こういういわゆる会計法を紊つたやり方というものの裏に、いろいろ有形無形の形において国損が伴うのです。どうしたつてそれは……。伴えばこそ、ここでやはりやかましく会計経理を紊つてならないということになつておるのですから、だからその点がこういうものの裏にあるのではなかろうかということ、直接これ自体が国損になるとは恐らく考えられないでしよう。それからもう一つは、二十五年度に運輸省所管において予算使途の当を得ないものがあるか、ないか。
#53
○説明員(山名酒喜男君) 二十四年度はこの問題で予算の枠の問題を取上げておりますが、二十五年度におきましては相当たくさんになつておりまして、海上保安庁の燈台の建設工事の問題、それから港湾の工事の効果について審査が不十分なままに工事が行われたもの、又港湾の災害復旧工事について、原形を超過いたしました改良工事を全額国庫負担の災害工事と考えて国庫負担金を超過して支出いたされましたもの及び気象台の不正工事等を数件計上いたしております。
#54
○カニエ邦彦君 今の検査院の二十五年度、まあこれから国会で審議されるのですが、において、そういうよな多くの不当経理の状態を運輸省は出しておる。今運輸省がここで説明したのでは、今後こういうことは再び絶対起きないように嚴重なる通達を出したか何かして嚴に戒めておいたと言つておられるが、今言われたことが実際厳格に行われておれば、二十五年度にそんなばかげたことはできるわけはないのですよ。問題は我々の前でそういうようなことを口から出任せというわけじやなかろうが、まあ言つておられて、そうして二十五年度になると、又次出て来る、二十六年度にも又出て来るというようなことでは、これは何もならんと思う。そこで具体的にはこのときにあなたが今御説明になつた、御答弁になつた一体二度とこういうことはでき得ないという措置は、そのときにどういう工合の措置をしたのか、具体的に……、文書があるならここで文書を朗読してよろしいから説明して下さい。
#55
○政府委員(黒田靜夫君) それぞれ当面の責任者でございます各建設部長に注意を與えております。
#56
○カニエ邦彦君 その注意を與えたその注意の與え方の問題で、そういうことをただ聞いて、右の耳から入つて左の耳へ抜けて、五分間もたてばなくなるというようなやり方なのか、具体的にどうなのかということ、それが右から入つて左へすぐ抜けずに頭の中にちやんとあるようなやり方を、注意の仕方をしたかどうか、具体的にはどうなのか、そこが問題なんです。そういうことが仮にきつちりあなたが今言われておるようにされておれば、二十五年度にはそんな多くの不正は出て来ないはずなんですよ、私に言わすと……。どうもそれがわからんのですね、あのときに注意は厳重にして、二度とこういうことはできないようにおやりになつておいたものが、ちやんと又二十五年度にはそれだけ出て来るということは一体どうなのかということ、それを一遍いわれを聞かしてくれということなんです。どういうことでそういうことになつたのかということ――。
#57
○西山龜七君 関連して……。今カニエ委員が申されたように、私もこの一件だけの処理の方法、この処理の方法が、これを予算を使用するに当りましては、もうずつと全部の部課長に至るまで全部が承認しないと、これはできないと思います。そういうものをやつて、ただ軍に注意だけで済ましたがために二十五年度の文事が出て来ると、かように思われるのでありますが、この予算の使用の当を得ないというようなことに対して、良心的にどういうように考えておられるか、それが実際において注意だけで良心にこれはよくないということにならなければ、今カニエ君が言われたように、二十五年にも二十六年にもだんだんこれはやつたが得であると、こういうようなことに私はなりはしないかと、かように思いますが、その点についてこれは基本的なものだと思いますがどういうように良心にそれを反省しておるか、こういうことをお聞きしたいと思います。
#58
○政府委員(黒田靜夫君) この事件に関する関係責任者の処分につきましては、各建設部の部長と、それから次長が事務の次長と技術の次長がおるのでございますが、四つの建設部を通じまして、それぞれ部長、両次長に先ほど注意と申しましたが訓告をやつております。訓告は人事課のほうからなされておるのでございまして、訓告の文は今
 ここにございませんですが、このような事件は非常に不当であるし遺憾であるから、今後の事務の遂行に当つてかかる事態の発生しないように引締めてやつて行けというようなことを通告しておるのでございまして、勿論二十五年度以降におきましても、かような取扱上当を得ないようなものはできないように良心的に訓告を與えておるのでございます。併し只今お話のありましたように、二十五年度以降におきましても、私どもの関係におきましても、一、二そういう事項が出たのは誠に遺憾に申訳なく存ずる次第でございますが、私どもとしましては、それぞれの当面の責任者に今申上げましたような、こういう不当のことのないように訓告を與えておるような次第でざいます。
#59
○小酒井義男君 本件について会計検査院のほうへ御質問申したいのですが、この予算項目であるところの災害関件公共事業費として、伏木港その他七十九工事の事業費に使われるのが正当であつた予算が、他の目的のために使用せられた、その結果本来の目的であつた工事にどういう影響を與えておるかどうかということをお調べになつておるかどうか。
#60
○説明員(山名酒喜男君) 工事といたしましては、事業費予算のうちからこれだけの千六百万円の金がほかのほうに出ておりますので、本来工事費の中に注ぎ込まれてその工事が部分的にでも進捗するであろうと期待される工事が完成が漸次遅延して行くという事態になるわけでございまして、こういう港湾工事はずつと單年度予算ではございますが、事業の実態から申しますというと、漸次継続的な工事になつておりますので、私のほうから見ますというと、これだけのものの工事費がその中に注ぎ込まれれば、それが少しでも防波堤の一メートルでも延びるとか、或いは凾塊が置かれるとか、ケーソンが置かれるとかいつたような工事が少しでも進捗するではなかろうか、それが漸次工事費がそちらのほうに使われるために遅れて来るという結果が発生するという、これが裏になるわけであります。
#61
○小酒井義男君 この際運輸省としては、大体今検査院の言われたような結果になるということは認められるわけですか。
#62
○政府委員(黒田靜夫君) 今会計検査院のほうからお話になりましたような結果も起きますが、又一面におきまして、この研究費等におきましては、それぞれ港湾工事の基礎的な研究をやりまして、設計施行上能率を図り、或いは経費を軽減するような研究も併せて行なつておるものですから、その意味におきまして、この事業遂行上、一今までこの研究の効果が現われまして、研究が二億円かかるものが、一億九千万円とか、或いは一億八千万というふうに設計施行の面で、この研究結果に基きまして効果を上げ得るというようなこともありますので、遅延する面もございますけれども、そういうような能率的な効果も一面あろうかと考える次第でございます。
#63
○小酒井義男君 併しそういう効果を上げる費用は別の項目で要求をせらるべきものであつて、今のような説明の趣旨であるから、これを使つたということにはならない、やはりこれをこちらに項目以外の仕事に使つたということについては、予算の使用上取扱いのまずかつたということは認めておられるわけですか。
#64
○政府委員(黒田靜夫君) お説の通りでございます。
#65
○カニエ邦彦君 先ほどこの問題についていろいろな人が嚴重な注意とか、或いは訓告をされたというように御説明になりましたが、訓告というと、これは行政上一体どういうような処分になるのか、一応説明を願いたいと思います。
#66
○政府委員(黒田靜夫君) これは運輸省の内部規定できまつておることでございまして、一般の注意と申しますと、責任者を口頭でいろいろ注意を與えるのでございますが、訓告とは文書を以て訓告をするのでございます。
#67
○カニエ邦彦君 内部的にというが、併しそれは一般公務員に対して、我々の言うところのいわゆる処分という部類の範囲ではないということなんですか、我々は処分と言えば処分の規定というのがあるのですよ、順序がずつと……。一番きついのは懲戒免職から以下ずつといろいろ段階があるのです。そういう私たちの言う行政上の処分というものじやないのですか。
#68
○政府委員(黒田靜夫君) これは本人の履歴書に掲載されることになりますので、そういう事実のあつたということは、本人の一つのいわば好ましくない経歴になると存じますので、そういつた意味におきまして、部内と申しますか、この履歴書は運輸省に保管しておりますので、他からいろいろ照会がありました場合には、やはりその履歴書によつていろいろ照会の返答をいたしますので、そういつた意味におきまして、文書の訓告は履歴書に記載されることになるのであります。
#69
○カニエ邦彦君 これはただあなたのほうの運輸省関係だけじやありません。各省に亘つて公務員に対するこういう事案に対する責任者が処罰らしい処罰を受けていない、これは今仰せになりますが、どこどこから照会があれば、いや、こういうことがあつたというようなことを言うというようなことで、果してそれぞれ本人がこたえるかどうか、それによつて二度と再びこういうことを起させないということになるか。ならんということになると、これは非常に疑問だと思うのです。従つて先ほど言つたように、各省に対する委員会としての処罰の問題、これはもう年々言われていることです。こういう点も勿論これは検査院等の意見もやはり一応聞いて見なければならんと思うのですが、とにかくまあこの場合は、こういうことがこの範囲のことで内部的に済まされておるから、だから二十五年度においてでも、あなたのほうの所管のものだけでも相当な不正がやはり出て来ているのですよ。この点をあなた方飽くまでもこれでよいというようなお考えであつたならば、いつになつてもこの不正が絶えるというようなことはないと我々は思うので、二十六年度以降の処分については、これから行われる処分については、特に嚴重なる、委員会が、国会が納得のでき得るような処分をやはりしてもらわなければならないと思う。従つてこういうことは各所で行われている、盛んにやられておりますが、内部監査制度というものがあつて、これは大蔵省にしても、どこでもやつております。併しながら我々はこの内部監査というものにすら非常な疑念を持つておるのですから、ましてやこういうような個々の処分については嚴重なる、本人にこたえるようなやはり処分を行うことが適当ではなかろうかと思われるので、二十六年度以降の処分については嚴重なる措置をとられんことを切に要望いたして置きます。
#70
○委員長(岩男仁藏君) 別に御発言もなければ、第五百九号の質疑は終了したものと認めます。
  ―――――――――――――
#71
○委員長(岩男仁藏君) 次に労働省所管の分、即ち第五百八十号から第六百十三号までを一括して問題に供します。
 先ず専門員から特に説明を要する点がございましたならば御説明を願います。
#72
○専門員(森莊三郎君) 労働省の関係につきましては、労働者災害補償保険特別会計が最初に取上げられてありまして、これについて収支計算をやつて見ると欠損になつておる。それは要するに保険の料率が安過ぎるから、つまり收入が不足だからこうなつておるのである。勿論それ以前に二度までも修正は行なつておられまするが、まだそれでは不足であるから、保険料率の改訂が望ましいという注意が検査院から最初に述べられてあります。そのあとに五百八十号から五百八十七号までの幾つかの件は、労働者災害補償保険につきまして保険料などが徴收不足であつた。それについて一口五万円以上のものだけがここに並べられているのであります。いずれもこれはその後是正されたものばかりであります。当局からの弁明では、何分にも職員が不十分であつて調査不十分なためにこのような結果を生じて誠に申訳がないというふうに説明されております。
 その次に失業保険の特別会計が上げられまして、これ又前のものと全然事情は同様に、保険料の徴收不足を来たしたものが、一件五万円人上のものを上げると左の通りであるということで、これ又すべて是正済であります。それに対する当局からの弁明も、いろいろと注意はいたしておりまするが、職員の不十分なために調査が不十分で、このような結果になつて申訳がないという答弁であります。
 最後に六百号から六百十三号まで、職員の不正行為というのが上げられてありまして、これは保険料などを使込みをしたものであるということでございます。それだけでございます。
#73
○委員長(岩男仁藏君) 次に労働省並びに会計検査院から特に説明を要する事項がありましたならば、御説明を願います。
#74
○カニエ邦彦君 検査院から説明して下さい。
#75
○説明員(大澤實君) 御説明申上げます。
 最初の労働者災害補償保険特別会計の前段に一応記述いたしましたのは、二十四年度の決算を見ますると、ここには二十五億四百余万円の欠損となるとありますが、バランス上、損益計算書上は二十五億千八百余万円の損失になつておりまして、そのうち千三百余万円は従来の積立金を崩したので、結論から言うと、ここに書いてあるように二十五億四百余万円の欠損となつた、こういうことになつておりますが、とにかくこの会計におきまして、二十五億からの欠損を持つておる。この欠損の、その前に収支のバランスでは二億九千万円の收入超過となつておるのに、なぜ欠損が出るのかと申しますと、その最も大きな原因は、いわゆる支拂備金と申しまして、前にも災害があつて二十五年度以降においてその補償をしなければならない、まあいわば一種の未拂金でありますが、それが三十数億あるためにこうした欠損になつておるわけであります。まあ併しこれは当然将来において支拂わなければならないところの経費でありますので、それを見込んで特別会計としては収支のバランスをとらなければならないのではなかろうか、こう考えているのでありますが、実際は二十五億の欠損になつている。そこでこれに対しましては、勿論労働省としましても、別に手を供いているわけではないのでありまして、記述してありますように、二十四年の八月と二十五年四月と、それぞれに余り危険率の多い、つまり収支と支出が相当、バランスのとれない業種、事業種目につきましては、料率を引上げるとかいうような方法をとつてはおられるのでありますが、その引上げ方がまだ足りないのではなかろうかという感じを持つわけであります。併しながら、これは一つの社会保障でありますので、單なる料率の引上げだけで行くのがいいのか、或いはそのほかに何とか一般会計からの補充と言いますか、繰入れと言いますか、そうした方法をとるのがいいのかという点は相当検討の余地はあろうかと思うのでありますが、会計検査院といたしましては、こうした特別会計を運営して行く以上、収支のバランスのとれるような方途を早急に講じられる必要があるのではなかろうか、こういう趣旨でありまして、これは二十五年度におきましても、依然として欠損が続いております。最近の二十六年度の調査はまだはつきりはいたしておりませんが、一応調査して見ますると、二十六年度におきましては、当該年度分だけはほぼ收支のバランスがとれることになつておるように承知いたしておりますが、まだ繰越の欠損というものは依然として残つておる、こういう状態になつておるような事情でございます。なおあとに五百八十号から五百九十九号まで労働者災害補償保険料と失業保険料の徴收不足を来たしたものを掲げてありますが、これは会計検査院におきまして、税務署の資料或いは会計検査院へ提出されております各請負工事などの資料、そうしたものと、職業安定所などに提出されておりますところの各事業主の報告というものとを照合いたしますると、事業主の報告が極めて低めで、過少である、それでそれを指摘いたしまして、それぞれ是正の処置を講じてもらつたものが掲げてある次第であります。
 なお最後の六百号以下に相当な件数の不正行為が掲げられた次第でありますが、これの六百号から六百三号までは失業保険料の徴收に当つているものが、その徴收した失業保険料を領得した、こういう案件でありまして、六百四号のは、庶務課の人間が小切手をほしいままに振出しまして、そうして一般会計の歳出金を領得したと、こういう事件であります。それから次の六百五号の分は、労働者災害保險の保險料を收入したのを領得した。それから六百六号と六百七号及び一つ飛んで六百九号の分は、各失業者に支拂うべき失業保險金の支拂いに当りまして、失業保險金を支拂う場合は受給者資格表とか、或いは離職表というような一定の様式の書類を必要とするのでありますが、それを関係の職員が偽造いたしまして、そして架空の失業保險金を振出さして領得した、こういう事態であります。なお六百八号と六百十号は同じ失業保險金の問題でありますが、これは実際の支拂いに当る人間が実際の支給額に水増しをいたしまして、そうして巧みに主任の所長を欺罔して余分な金を振出さして、それを領得した、こういう事態であります。それから六百十一号は、資金前渡官吏の補助者が、自分のところで保管していた現金を他に貸付けて領得した、こういう事態でありまして、六百十二号、これは労働者災害保險の保險料を納めて来たものを領得した。次の六百十三号は、支拂うべき労働者災害保險の保險金を架空の公務傷害でないものを、業務上の傷害でないものを業務上の傷害であるというようなふうに書類を作成しまして労災の保險金を領得した、こういうような事態でありまして、この多くの不正行為が掲げてありますが、そのうち收入官吏とか、或いは資金前渡官吏とか、こうした責任のある出納の職に当つているものが行なつたという事態は、これはもう何と言いますか、甚だ遺憾であつて、これに対しては勿論会計検査院といたしましても、弁償責任があることを検定いたしまして、それぞれ追及を要求しておるわけでありますが、そのほかの補助者のやつておるというのを内容を検討いたしますると、どうもその資金前渡官吏なり、收入官吏なりという責任のある地位にある人が、補助者に仕事を任せ切つているのではなかろうかというような点が、内容を調べますと、非常に出て来るわけであります。でありますから、会計検査院といたしましても、こうしたことがいつまでも続くようでは非常に国の経理上遺憾である、だからこれは或る程度そうした点において、従来は補助者の仕事に対しては或る程度所長が多忙な地位にあるということを考慮いたしまして、責任の点においては相当考慮も携われていたのでありますが、こうしたものはもうむしろ所長その他責任者ある官吏にそれぞれ弁償責任を負わせるべきではなかろうかというような点を相当考慮いたしまして、昨年の暮におきましても、労働省のほうに、将来におきましてのこの資金前渡官吏なり、收入官吏の自己の責任の遂行ということに対しましては、万遺憾なきを期すように特に文書を以て要求もいたしております。なお会計検査院といたしましても、地方へ検査に赴きましたときに、そうしたことのないかどうかということを、できるだけの努力を拂つて調べている次第であります。
#76
○カニエ邦彦君 五百八十八から五百九十九までの失業保險保險料の徴收不定を来たしたもの、この徴收不足を来たした原因は、会計検査院のほうでお調べになつた観点からどういうようなところにこれは原因があるのですか。
#77
○説明員(大澤實君) 結局はこの保險料の申告納付制度、これがまあ原因……、それが原因だというのは、ちよつと理論が飛躍しているかも知れませんが、申告納付でありますから、まあ事業主としては成るべく低めに申告して納付する、こういうことになりまして、その実態把握はそれぞれその保險料の徴收に当つておられるところの各県の失業保險徴收課と或いは公共職業安定所というようなところで当然その内容を検討されるべきでありましようか、その点においてやはり多少義務が十分に行われていないのがまあ原因ではなかろうか、こういうふうに考えます。
#78
○カニエ邦彦君 そうすると、このそれぞれの出先きのほうでこの事務に当つておられる人たちと、それからこの納めるほうの事業主側との間で、何かこう談合のようなことが暗黙のうちに行われて、こういうようなことが低めに出ておる、これは低いということはわかりつつも、まあそれを見て見ん振りをしておるというようなことがあるようには考えられないですか。
#79
○説明員(大澤實君) 内容を見ますると、今日の賃金ベ―スとしては、こんなことはあり得ないではなかろうかというような低い賃金の申告が出ておるのもあります。併しながら、その裏に何があるかということになりますると、ちよつとそこまでの調べはこちらとしてはいたしかねておるような次第でございます。
#80
○カニエ邦彦君 実はこの会社が、ここに出ております会社ですね、会社事業主が相当大きな規模のものであつて、経理面から立ち行かないという事業主というのは大体いないかと思うのですよ、見て見ると……。而も相当これは地方においては有力なものばかりですね、ずらつと眺めて見ると……。地方の有力なるメンバーだけが一体出て来て、その他の何百何千とある事業主の中で、ほかの細かいものはちよつとも出ていないということ、それは非常におかしいじやないか。そうすると、勢いまあ絶えずこれらの事業主と出先の着たちの平生の附き合いというものも相当やはりこれはあると思わなければならん、細かい事業主になれば、そんなことはとてもできないから、そういうことはやらない。ところが細かいやつは徹頭徹尾これは足らんからと言うて取上げる、大きいやつはまあよかろうというようなことでやつておるということであれば、これは大した問題になつて来ると思うのだ。そういうことがこれはないということは恐らく僕は断言できないのじやないか、検査院としたつて……。それから労働省としても、いや、そんなことは断じてございませんと、ここで明白に言うなら、私がこれからこれを個々に亘つて掘下げて調べて見るから、一遍そういうことが言えるなら言つてもらいたいと思う。恐らくそんなことはどちらも言えないのじやないかと思う、そういうようなことが内部に伏在しておるんじやないか。
#81
○説明員(大澤實君) ここに掲げてありますのは、前文に書いてありますように五万円以上のものを掲げましたのでありまして、会計検査院が検査の結果是正さしたのは、労働者災害補償保險で言いますと八百九十万円、そのうち掲げでありますのが三百八十万田で、あとの五百万円というのは五万円未満のいわば小さな部門であります。同じように失業保險のほうも千百万円のうち掲げてありますのは千万円で、あとの百七十万円ほどは小さな事業主の分であります。併しおつしやる通りに検査院の検査も全部に亙つて行うことはできませんのでどうしても比較的保險料の多いもの、或いはその雇用している従業員の多いものというとろを主として調査いたしておりますので、そうした小さなものに全然ないということは勿論私としても申上げることはできません。
#82
○カニエ邦彦君 とにかくこの点はやはり労働省としても、一応よく嚴重に注意をして、こういうものが年々出て来ないような方法をやはり考えてもらうよりしようがないと思う。これは一応よく検討してもらわなければならん。それから六百号から六百十三号までの不正だが、この不正が全額にしてまあ一千四百余万円、それで補填されたものが百九十万円ほどになつておるのだが、こういう尨大な金が国損になるということでは、これは困ると思う。そこでこういう国損になつた場合においてのこの一千万円なら一千万円に対する最高の責任者、勿論これは監督不行届きによつて生じたことだろうと思う、その監督の責任というものは、一体これは誰が労働省の場合とることになるのですか、官制の上からいつて労働大臣なのか、或いはその労働大臣に責任がなく、その以下のいわゆる課長であるのか、局長であるのか、誰がこれはその責任者ということになるのですか。
#83
○政府委員(亀井光君) 会計法上から申しますと、出納官吏が直接のその金銭につきましての責任を持ちます。併しながら行政上の監督者としての責任は、例えば監督署でございますれば監督署長、基準局でございますれば基準局長というふうなことになるのでございます。
#84
○カニエ邦彦君 私はこれを眺めて見て、取扱う金額もかなり多いのではないか、又個々の個数においても非常にまあ多いという事情もあろうかと思いますが、併しながら、いずれにしても一千万円からの国損が年間に出て来るというようなことがあつたのでは、これはもう手が付けられないと思うのですよ。こういうものに対して、一体具体的にどういうような措置をしてこれを防ごうと思つておるかということですね。
#85
○政府委員(亀井光君) 基準局だけの方針を申上げますと、下央に監察官を置きまして、その監察官が八ブロツクを分担いたしまして、定時に出まして、それぞれ内容の検査をいたします。又地方におきましても、地方の局の労災補償課に地方の監察官がおりまして、これが又監督署のそういう現金の出納或いは保險料の徴收等につきましての監査をいたしております。内部的に一応監査の手を行なつております。又事務的な面から見まして、いろいろ不正の起りやすいような点を防止する意味におきまして、非常に複雑な事務の系統、即ち一人の人ですべての事項を処理し得るような体制でございますると、そこに不正が非常に起りやすいものでございますから、分業的に、できるだけ分業でたくさんの人がお互いに牽制し合うというふうな事務組織をとり、又事務の執行の方法をとつておるわけでございます。更にもら一つは、監督者としての心がまえと申しまするか、そういうふうなことからいたしまして、目下労働基準監督署長の研修を今やつておるわけでございまして、三百三十六人の監督署長の研修も今年の十一月まで計画的に行なつております。これによる監督者としての監督の重点というものをそこで把握してもらうようにいたしたいと思います。又実際の事務に当りますものにつきましても、やはり定期に会計経理の講習会等を開きまして、その不正の未然防止というふうな手も考えております。いろいろな角度からこの不正防止につきましては努力をいたしておりますし、又今後も十分努力いたしたいと考えております。
#86
○小酒井義男君 労働省のほうにお尋ねしますが、この会計検査院の御報告によりますと、保險料と支拂補償費との間に不均衡がある、特に石炭鉱業、沖仲士業、林業等においては甚だしかつたため、過去に保險料率の調整を行なつた経緯もあるが、更に実情に即した保險料率の改訂が望ましいというふうにしてありますが、保險料率の改訂というような問題について労働省として考えておられることがあるかどうかということと、そうしてこれ以外にこうした問題を解決する方法は、保險料率の改訂以外にないかどうかということ。
#87
○政府委員(亀井光君) 労災補償保險が施行されました昭和二十二年当初におきましては、その災害率と申しますか、保險料の算定の基礎になりまするいろいろな災害の発生の件数或いはその強度等につきまする正確な資料がございませんでしたために、当初の保險料率が実際の場合に当嵌めた場合におきまして適切でなかつたことは確かでございます。その後年を経るに従いまして、それらの統計資料も整備されて参りまして、今日まで六回の保險料率の改訂をいたしております。労災保險は御承知と思いまするが、各産業別に料率が定まつて参ります。従いまして毎年丸丸或いは改訂しなければならん性質のものでもあるわけでございまして、それが昭和二十二年、三年、四年頃までは、そういう的確な資料を把握することができませんだつたために、こういう補償費と保險料との不均衡というものがあつたのでございますが、現在におきましては、その点は一応解消したものと考えております。特に昨年以来いわゆるメリツト制をこの制度に布きまして、大きな事業場におきましては、その事業場ごとに災害の程度、即ち具体的に申しますと補償費、その工場の労働者に支拂われた補償費を中心としまして、その事業場の料率を考えて行くというふうな非常に合理的なやり方をとつておりまするので、今後この問題は起り得ないかと思つておるわけでございます。
#88
○委員長(岩男仁藏君) 別に御質疑もなければ、第五百八十号から第六百十三号までは質疑を終了したものと認めます。よつて通産省、運輸省及び労働省所管の質疑は終了いたしました。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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