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1951/07/22 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第34号
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1951/07/22 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第34号

#1
第013回国会 決算委員会 第34号
昭和二十七年七月二十二日(火曜日)
   午前十時五十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
七月九日委員小林亦治君辞任につきそ
の補欠として村尾重雄君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岩男 仁藏君
   理事
           小酒井義男君
   委員
           秋山俊一郎君
           川村 松助君
           古池 信三君
           郡  祐一君
           瀧井治三郎君
           西山 龜七君
           宮田 重文君
           伊藤 保平君
           高木 正夫君
           森 八三一君
           溝口 三郎君
           カニエ邦彦君
           紅露 みつ君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   局次長     山名酒喜男君
   日本国有鉄道理
   事経理局長   高井 軍一君
   日本国有鉄道理
   事施設局長   江藤  智君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度政府関係機関収入支
 出決算(内閣提出)(第十二回国会
 継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岩男仁藏君) 只今より決算委員会を開会いたします。
 昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算ほか二件を議題に供します。本日は日本国有鉄道の分について御審議を頂きます。
 先ず批難事項第六百三十七号より第六百四十六号までを問題に供します。これらについて特に説明を要する点について専門員をして説明いたさせます。
#3
○専門員(森莊三郎君) 六百三十七号及び六百三十八号は収納の処置が緩慢に失するということで御指摘になつているのであります。これもその当時はとにかくも、その後大体片がついておるようであります。次の六百三十九号乃至六百四十三号予納金を徴収せず、反対給付の完了後にも代金納入の著しく遅延しているものというので挙げられてあります。これも当時はとにかくも、今日では大体事は片付いているようであります。その次の六百四十四号から六百四十六号まで、これは徴収決定が未済であるというので挙げられておりまするが、それにつきましてちよつと注意いたしました点は、六百四十四号について当局の弁明を見ますると、連絡駅における施設の共同使用料は、人員の整理があつて遡つて減額されることになつたので、当時は急にはできなかつた、こういう答弁が出ております。これにつきまして検査院側では、そういう事情はよくわかるけれども、例えば全部の精算はとにかくとしても、大体の見当はわかりそうなものだから、概算で計算をして早くとるとかというような方法でもとれそうなものではないかというような御意見のようであります。なおこれが東京鉄道局だけについて問題になつているようでありまするが、全国の他の地方ではどんな状態であつたのかということがちよつと気付いた点であります。それから次の六百四十五号につきましては支払が先ず最初には徴収決定が未済であつた。それが後には徴収の決定がされまして大体これは納まつたようでありまするが、答弁書の中に日本通運株式会社が大部分を占めているので、目下厳重督促中であると書いてありまするが、あのような有名な立派な会社、金に困つているようでもないと思われるような会社に、特にこんなことがありまするのは何か特別な事情でもあつたのかどうかということが気がついたのでございます。ただそれだけを御参考に申上げておきます。大体においてはもうすべての問題は只今としては片はついているのでございます。
#4
○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院及び国有鉄道当局において、特に説明を要する事項がございますならば御説明を願います。
#5
○説明員(山名酒喜男君) 只今専門員のお話の通りでございまして、特別に補充いたすべき事項はございません。
#6
○説明員(高井軍一君) 只今別に私のほうから御指摘になりましたことにつきましてはその通りでありまして、御説明申上げることはありませんが、只今専門員の御指示になりました点につきまして御説明を申上げます。六百四十四号の概算でも取れるじやないかというような点でありますが、これはそういうことも誠に言い得るのでありまして御尤もであります。ただこの定員が非常に減りましたので、例えばこの横浜の駅でありますと、前期のときには九万五千円というものを取つておつたのでありますが、後期におきましては全然取らずにこちらから払うというようなのがありまして、それから又渋谷の駅におきましても、二十四万円前期には取つておりましたが、後期におきましては国鉄より十一万円払つているというような関係、それから又京浜の品川におきましても前期には十万円でありましたのが、後期では五万六千円でありましたか、それだけになつたというような変動が非常にあつたのであります。但しそういう変動があつたのでありますが、そうしたあとで調停をするなりといたしましても概算を取ればよかつたじやないかということにつきましては、そういう点も御指摘の通りだと存じております。
 次の六百四十五号でありますが、後納運賃の延滞償金について、日通が大部分を占めているというのですが、これはここにも申しておりますように、当時は後納運賃が入りましてから遡及いたしまして延滞償金を算定いたしたのであります。その後こうした御注意もありまして、毎月この後納延滞償金を算定するようになりましたので、さように改めました。又日通が大部分を占めている点につきましては、こういう後納運賃の、当時といたしましては殆んど日通であります。従いましてこういうようなのができております。又このできました事由につきましては、当時まではこの駅におきまする積下し作業であります、これを日通をして請負わしめておつたのでありますが、鉄道の合理化のために、国鉄の職員でこれをやるように還元いたしましたので、それが会社関係といたしましては相当な経営上の影響があつたものと考えます。併しそれは別といたしまして、こうした延滞償金につきましてはそうした毎月調定いたしますと共に督促をいたしまして、これも二十六年の三月二日に完了いたしております。
#7
○委員長(岩男仁藏君) 委員のかたの御質疑がございましたならばお願いいたします。
#8
○西山龜七君 先ず六百四十四号の概算払計算、こういうような問題につきましてちよつとこの実情を御説明願いたい、と思いますのは、人間の整理というものがその計算の受払にどういう関係を持つているか、それから計算を受払する期限というものが年に何回というようにきまつているか、きまつておらないか、この点を先ずお尋ねしたいと思います。
#9
○説明員(高井軍一君) 只今御質問のどういうような人員整理関係でそういう変動があるか、どういう工合に具体的になるかというような第一点の御質問だと思うのであります。それは連絡駅におきましては、或る窓口、例えば改札口、これは国鉄で持つております。それからほかの窓口につきましてはこれは会社のほうでやつております。そういうような駅、そこの人員の配置によりまして、実際作業をいたしますものにかかります費用を取扱高で割賦いたしておりますので、それが変りますのと、又いろいろ人員整理をやりますと、今まで国鉄でやつておりましたところを、この窓口を協定いたしまして会社のほうへそれを持たすというような関係で、窓口の変更というようなものもできて参りました。従いまして割賦が変動を来すのであります。それから何回くらい取るかというような御質問でありますが、当時は四月と十月の二期にやつておりました。現在では四月、七月、十月、一月の四期に分けましてこれを精算いたしております。
#10
○西山龜七君 そうしますと今四期に分けておりますものを、四期にその計算をしなかつたというような意味に六百四十四号はなりますが、その点とこの東京急行と鉄道局との問題でありますが、全国的にこういうものはほかにはなかつたのですか、その点……。
#11
○説明員(高井軍一君) 第一点の支払はこれは共同使用契約によりまして後払にいたしております。それから従前は会社のほうからは前払にさせまして、そうして国鉄だけは後払にいたしておつたのであります。只今申上げましたように現在におきましては後払にいたしております。それからその次の全国的にこういう状態があつたではないかというお話につきましては、この時非常に変動いたしておりますので、御質問のように、これはたまたま東京だけでありますが、全国的にもこういうのがあつたのじやないかと今私記憶いたしておりまするが、東京だけではないのじやないかというふうに考えます。
#12
○西山龜七君 そうしますと東京以外のものはどういうようになつておりますか。これは会計検査院がこれだけを取上げておるところを見ますと、ほかは別にそういうことはなかつたのですか。
#13
○説明員(山名酒喜男君) おつしやいますように同じ状態でございますので、全国にかような事例の発生ということは予想しなければなりませんし、私どもといたしましても地方的にございましたけれども、非常に小さな額のものでございますし、現場で注意すればよくはないか。全国的に大きなものとして傾向的なものとして、ここに代表的な事例を出して、あとは国鉄に対する推問によつてその間の経理が是正されるという建前でここに出しましたので、私鉄と国鉄の関係が駅の共同使用の関係が一番濃厚と見られて、金の額も多いというものを挙げました次第でありまして、なお全国のその後の経理につきましてはそれぞれ大体四半期ごとに実地検査をいたしておりまして、あとの始末はみんなついておるようでございます。
#14
○西山龜七君 今の国鉄の説明、会計検査院の御説明は主にこれは乗客の問題ばかりでありますか、荷物の関係も同じような関係があるものですか、その点を鉄道局のほうへお尋ねしてみたいと思います。
#15
○説明員(高井軍一君) 貨物関係につきましても連絡運輸をいたしておりますところにつきましてはそういう連絡料金を精算いたしましても未収になつておるというようなものが相当ございます。これにつきましては極力いろいろ催促をいたしますとか、或いはその他万般の督促をいたしまして回収方を努力をいたしておるのでありますが、残念ながらそうした未収件数が相当あります。現在におきまして私の記憶が間違つておらなければ四億程度というものがあると思つております。
#16
○西山龜七君 その貨物に対しましてもやはり人員の整理如何によりましてこれが歩合が違つて来ますか、これはどういうようなことになつておりますか。
#17
○説明員(高井軍一君) 今私が御説明いたしましたのは貨物の取扱いの問題、取扱いと申しますか、こういう共同的な取扱いの問題ではございませんので、貨物で私鉄と国鉄と連絡運輸をいたしております。私鉄のほうで運賃を収受いたしまして精算いたしますと割賦の関係が起るのであります。そういうところで国鉄の金を向うで収受をしておつて、あとで精算の通知をいたしましたときに払込まなければいけないとか、未納になつておるということを申上げたのでありまして、共同使用関係といたしまして、貨物関係といたしましてはこういうような作業はいたしておりません。これは旅客の共同使用でありまして、貨物関係はそれぞれの個所で取扱つておりますから、こういう取扱いに対する費用という問題は出ておりません。
#18
○西山龜七君 その貨物の連絡等に対して未収になつておりますものは無論精算が遅れましても相手方の私鉄のほうに責任があると思いますが、鉄道局におきましてこの扱い店で未収になつておるものの責任というものは、扱い店が払うことができないような実情にあつた場合にはどういうことになるのですか、この点を……。
#19
○説明員(高井軍一君) 今のは運送店の問題と考えますので、そういうような前提でお考えを申上げますが、国鉄といたしまして後納扱いを承認をいたしますときには銀行保証なり、或いは三十日乃至五十日間の運賃に相当いたしまする預納金なり、或いは保証というものを立てております。併し実際問題といたしましては運送店で非常に困ります問題につきましては、これは社会的ないろいろ影響その他もありますので極力督促をいたし、中には実際の経理上の監査……と申すとおかしいのでありますが、実情をよく調べまして、そうして分割納入をするというようなことをいたしております。そうして又特に成績が悪いものに対しましては、回収がそのほうがしやすいかどうかということを勘案いたしまして後納扱いの停止というようなことをやつております。
#20
○西山龜七君 会計検査院のほうへお尋ねいたしたいと思いますが、今説明がありましたような、どうも確実に回収が思わしくできない、こういうものに対しましても会計検査院がその点までも検査をしておるのでありますか、それはもうそこまでは手は伸びておらんのですか。
#21
○説明員(山名酒喜男君) 只今お話しの、非常に回収が困難である会社の、要するに延滞分についての検査院の検査乃至批難はどの程度やつておるかというお尋ねであろうと思いますが、私どものほうとしましては、検査はやはり厳重にいたしまして、こちらが駅を提供いたしておりますので、向うがそれに対する対価を支払うのが当り前じやないか。ただ会社の経理として金が全然ない。従業員に対する支払いが先で、国鉄に払つておつては会社は潰れてしまうという事態になりますと、先ほど申上げましたように銀行保証の問題もありまするので、銀行のほうへ行つて、銀行がどの程度腰を入れてくれるか、なおそれでも払つてくれんということになると、連絡運輸というものはやめてくれというようなところまで相当厳重に私ども現場の経理事務所について追及し、その銀行のほうの意向も確めておるというようなことまでやつておりまして、なお多少そこらに督促の手が緩いのではないかというように感じましたときにはやはり批難を出しまして、六百三十八号は少しお気の毒でありますが、高知通運の運賃の滞納が毎月二カ月分くらい溜つてしまつていて動かない、それを銀行のほうで相当腰を入れてくれんといつまでも焦付きになつておつたのでは回収はされんのではないかということで、国鉄のほうもこの点については非常に気にされまして、ずつと高知通運或いは関係の銀行との間に折衝を続けておられますので、その後の経理、その後の督促、その後の善後措置というようなものについては私どものほうとしてもまああれ以上のことはできないのじやないかという気持を持つておりまして、相当厳重にいたしておりますが、そうかと言つて会社を潰して通し運輸をやめてしまつて皆に迷惑を及ぼすというところまで激しく行けるかどうかということになりますと、これは一つの鉄道行政になりますので、私どものほうも或る程度の限界、含みを持ちながら相当強くやつておるつもりでございます。
#22
○西山龜七君 そういうような回収がどうも予定通り行かないというものに対しましては、国鉄としては或いは金利とかいうようなものの何か規定がありますか、それはもうそういうことなしにそのままで行くんですか、その点をちよつと……。
#23
○説明員(高井軍一君) 勿論この金利につきましては、ここで六百四十五に延滞償金について怠つているじやないかという御批難がありましたが、延滞償金はとつております。
#24
○小酒井義男君 会計検査院のほうへお尋ねしますが、この六百三十七号から六百四十三号までの問題は現在では解決をしておるというようなふうに専門員のほうから説明があつたのですが、これはやはりその通り解決を全部終つておるというのですか。
#25
○説明員(山名酒喜男君) さようでございます。
#26
○小酒井義男君 それから次に国有鉄道のほうにお伺いいたしたいのですが、国有鉄道の駅舎なんかの共同使用の場合は、これは個々の現地において私はやられていると思うのですが、そうでなく日通と国鉄との施設の貸借の問題、土地、建物、施設、これはそれぞれの局において使用料金等が決定されて行くのか、そうでなしにこの国鉄の中央と日通の中央とによつて全体の契約が進められておるのか、それはどういうふうになつておりますか。
#27
○説明員(江藤智君) お答えいたします。構内の土地、建物を日通その他に貸します場合には鉄道局で個々に扱つております。ただ重要なものにつきましては、局のほうから伺つて参る場合がございますけれども、原則といたしましては局長権限でやつております。
#28
○小酒井義男君 その場合に大体それに対する料金の基準というようなものをきめてやつておられるのか、現地においてそれが増減でき得るような余地が与えてあるのか……。
#29
○説明員(江藤智君) 只今貸しておりますのは土地の場合でございますと土地代として貸しておりますから、土地代はやはり地方々々で周囲の土地との勘案もございまして、その基準によつて貸しておるわけでございます。建物は鉄道の建物を貸しておる場合は非常に少いと思いますけれども、そういう場合でございますと、やはりその建物の経過年数とか、そういうものを勘案いたしまして一定の基準によつて算出した料金で貸しておる、こういう恰好になつております。
#30
○小酒井義男君 現在定められておる料金というものは大体いつ頃、最近改訂された時期はいつ頃になつておるかということと、そうして現在の料金というものが、果して国内の全体のそれらの関係の料金等と比較し、或いはそれを使用し、且つそれによつて挙げ得るところの利益等と比較した場合に、これが是正をする必要を来たしておるようなことはないかどうか、その点についてお答え願いたいと思います。
#31
○説明員(江藤智君) 一般に申しますと、鉄道の土地を貸します場合には、いわゆる公定価格というのが現在ございまして、国鉄といたしましては国の財産を一時鉄道の輸送上の立場から貸すわけでございますから、公定価格を超えまして貸す、例えば構内営業の場合にいたしましても普通駅前の場合ですと相当の権利金も取るであろうと思われるような場合もあるんでございますけれども、権利金を取るわけにも参りません。従つてその地区で定められました最高の公定価格というのがございますから、それによつて貸しております。それから駅の構内の、例えば日通やその他の運送店に貸しますような場合にもやはりその土地の公定価格というものが只今まだ抑えられておりますから、その値段一杯々々で大体貸しております。これは御承知のように過去数度に亘りまして改正されておりますので、その都度上つた場合にはそれに伴つて上げておる、こういうような状態でございます。
#32
○小酒井義男君 現在はいつ改訂された料金であるかということと、それを検討する必要をお感じになつているかどうかという問題をお聞きしたいと思います。
#33
○説明員(江藤智君) 只今私らのほうで最も問題にしておりますのは、又問題にもされておるだろうと思いますのが高架下の問題でございますね。こういう問題につきましてはいわゆる地代だけで貸すことがいいかどうかということが非常に疑問になつて参ります。このほうの研究をしなければいかんと思つておるのでございますが、その他の土地につきましては、主としまして通運業者或いは鉄道のほうの本当の構内営業でございまして、これについては只今の大体料金でいいのではないかというふうに考えております。
#34
○小酒井義男君 会計検査院のほうにお尋ねをいたしますが、ここに批難事項として報告されておる問題は、料金その他の事後におけるところの収入の時期等が遅れているような問題が一つあるわけなんですが、今私が質問をしたような施設その他のこれを貸し与えるための手続きや或いは料金等についての何かお調べになつたことがあるかどうか、その点一つ。
#35
○説明員(山名酒喜男君) おつしやいますように国鉄が民間に対する債権の金額それ自体の問題もありますし、債権で決済になつておりますものをずつと点検いたしまして、債権としての徴収洩れはないだろうか、それから又現実に貸しております駅舎の延べ平米が現実とは違つていないだろうかというような点までずつと亘つておりまして、全国にそういうことについての推問を出した事例もございまして、只今手許にはそれを持つておりませんが、なおこういう点については気を付けておりますが、なお只今の御意見もございますので、一層検査に当りますものによく注意いたしまして、更に徹底するようにいたしたいと思います。
#36
○森八三一君 国鉄のほうにお尋ねするのでございますが、六百四十四、六百四十五との調定が遅れておるという点が第一点批難事項と思いますが、これはどういうわけで遅れたのか。現在の国有鉄道の人員配置の実情ではこの程度の調定が遅れておることは止むを得ない当然のこととして扱われておるのかどうか。
 それから徴収時期は最近は四期に分けているというお話がありましたが、これは四期に分けることによつて一回の徴収金額は小さくはなるでありましようけれども、前段申上げますようなことになれば、結局合計して見ればやはり徴収の期間が遅れておるということと同様になつて行く、こう思うのでありますが、実情はどうなつているのか、このときにどうして遅れたのかということを一つお伺いしたいと思います。
#37
○説明員(高井軍一君) 調定が遅れましたことは、先程申上げましたように、この年には大きい整理がありまして、そうしてこの料金の決定は前期にどれだけかかつた、それから実績がどうであつたかというようなことが料金算定の基準になりますので、大きい変化がありましたので、そこが遅れたのでありまして、こういうようなことはもうあつてはいかないことでありまして、又現在にもありません。六百四十四のようなことはありません。
 それから六百四十五のやり方は、先刻も御説明申上げましたごとく、調定の方法が御指摘のように適切でなかつたと言い得るのじやないかと思つております。すなわち運賃の入りましたときに遡りまして二月なら二月、四十日間なら四十日間の延滞償金をとりましたものが、今度はその月その月で区切つて延滞償金だけはとつたらいいじやないかというような御指示でありまして、現在はそういうふうに延滞償金の算定のしかた、調定のしかたを改めましたので、六百四十五のような状態はもう起きないことを御了承願いたいと思います。
#38
○森八三一君 もう一つお伺いしたいのは、延滞償金というのは一体どういう条件になつておりますのが、その内容を一つ……。
#39
○説明員(高井軍一君) 調定をいたしまして、そうしていつこれを納めてくれという期限があります。それからその期間に入らないものが以降につきまして延滞償金というようなことになるのであります。
#40
○森八三一君 私のお伺いしているのは、そのいつまでに納入すべしという約束の期限を遅れる場合にいわゆる延滞償金が発生する、それはわかりますが、その延滞償金なるものの条件は一体どうなつているのか。
#41
○説明員(高井軍一君) 連絡運輸の場合で例をもつて申上げます。各会社で連絡運輸の荷物なり或いは切符の発売をいたしますと、それを本庁といたしまして審査いたしまして完了いたしますのは翌月の末になります。翌月の末になりまして、それから二十日間の期限を切りまして納入通知書をやります。それで納入が来なかつたときには以降延滞償金というようなことに相成ります。
 それから金利につきましては日歩四銭というものをとつております。
#42
○森八三一君 そういうような日歩四銭といえば、大体国鉄に関連をもつておりまする運輸の会社或いは運送等の仕事に従事をいたしておりまする会社等であれば、いずれも信用のある組織でありますので、業務上の金融についてはもつと低率な金融が受けられる立場に立つておると常識的には想像ができますので、そういうような高利な金を払うということはないのではないかというように一応考えられまするが、それが先刻御説明のように現在でも大体滞納額にして四億程度あるということになりますると、これは非常に大きな問題に考えなければならんと思うのでありまするが、而もそういうような措置を講ずる場合には銀行保証或いは前納金といいましようか、保証金といいますか、そういうような一定額の積金をさせるというようなことまで講ぜられておるということであれば、そう多額なものが長期に亘つて延滞の状況におかれるということは厳密に整理をやつて行けばないのではないか、むしろそうしてあげることのほうが相手方に対しましても高利な延納償金を支払わしめるというようなことは防げるわけであると思いますが、遅れているのは一体どういう理由なんでございますか。
#43
○説明員(高井軍一君) 私鉄でありますと、一方輸送と申しますか、向うからは参りますが、こちらから行く量が非常に少い、又距離の関係その他もありまして、会社関係に国鉄のを借受けしておりますものが非常に多いからこういう状態になるのでありますが、会社の実情といたしましては、いろいろ陸上の自動車と対抗運輸機関との関係とか、成績の不振の問題とか、その他の関係によりまして、そういうのが結局滞納になりますると、資産繰りと申しますか、やり繰り、金繰りの犠牲と申しますか、そういうものになりまして、こうした国鉄に納めるべき金を使わざるを得ないというような状態になつておるのじやないかと考えております。文運送店その他で銀行保証をいたしておりますところにおきましても、銀行保証を取立てることは事実問題として非常にむずかしいのであります。すなわちそういうようなところでありますと、企業の破産するかどうかというような点にも関係いたしまするので、銀行とも話をいたしまして、そうして弁済の方法を講じさすとかいうようなことでやつておるのでありまして、四銭というと非常にこれは罰金的な金利と私共は考えるのでありまして、こういうような償金をとるのは本旨ではないのでありますけれども、やむを得ずこういう工合にいたしまして督促をいたしておるような状態でございます。
#44
○委員長(岩男仁藏君) ほかに御質疑はございませんか。別に御発言もなければ第六百三十七号から第六百四十六号までの質疑は終了したものと認めます。
 次に第六百四十七号から第六百五十一号まで、すなわち工事に関する件を問題に供します。まず特に説明を要する問題について専門員の御説明を願います。
#45
○専門員(森莊三郎君) 検査院の検査報告の百八十八頁の中程に一般的の問題について検査院から指摘されている
 ことがあります。
 その第一はとかく随意契約には請負代価を算定するときに高価に失する例が多い、これは予定価格の作製に当つて労務の歩掛とか資材の歩損とかなどの積算が過大であつたり或いは追加工事費の積算を誤つたりしたことによるものと思われるが、その例が今ここに六百四十七号乃至六百五十一号として大きく取上げられていることなのでありまするが、なおそのほかに附加えて設計の際の基本調査が不十分なため実地の施工が現地に適合しない、又は過大なる施設となつたものもある、或いは設計が遅延した等のために一つの一連の工事を分割施工して不経済になつたものもあり、或いは現場の実績記録の利用の不十分なものもあり、結局これらのために工事費が高くついておる例もある。なお又請負工事の代金の一部を前渡しする場合には、契約上これを明らかにしてその前渡金の利子に相当する金額だけは工事代金を減額すべきものであると思うが、それがよく行われていないという御批難でありまして、但しこの最後の金利の点につきましては、二十五年の十一月以降は是正されておるということであります。
 さて六百四十七号の問題でありまするが、これは検査報告にも非常に詳しく記されております。問題は技術上の問題のように思われるのでありまするが、工事の場所は信濃川の発電設備のためのトンネル工事に関するものでありまするが、非常に大きい、普通のトンネルの倍もあるというような大きいトンネルで、長さにいたしましても十何キロとかいう大変な大仕事なのであります。そこでトンネルを掘りまする場合に、掘つた所を土を支えるために坑木とかそのほか板などをいろいろと使わなければなりませんが、その中で一番大きい問題は坑木であります。それを従来こういう方面の請負師の慣例とでも申しましようか、三回は繰返して使用することができるが、三回使用したあとではもうこれは使えない、ただのものだというふうな考えで従来扱われて来ておる、併しこれはもう少し考え直してみたらどんなものかということが検査院の御意見のように伺われるのであります。つまり次から次へと引続いて仕事をやつておるところでもあるし、殊にこの場所において非常に大きい仕事でありまするので、使つておる坑木などにしても非常に大きい立派な坑木であるから残存価値というものを何割か認めるのが適当であろう、仮に慣例はそういう慣例になつておるとしても、その慣例を墨守するには当らないことであるから、事情が変わればもつともしつかりした頭でもつて新らしい考えで契約をするがよかろうという一つのアドバイスを与えられたもののように伺つております。なおその検査報告の中に実地検査の際に使用済の坑木をトンネルの外のところで板にしたり角材にしたりして加工して使用しておつた例を検査に行つた役人の人が実地に見て来た、こういう例が挙げられているのであります。なお参考のために敦賀線衣掛隧道では請負工事の坑木は使用後四〇%の残存価値が認められている。この標準を信濃川の工事に当てはめて見るならば二千二百万円の計算が違つてくる、こういうふうに言われているのであります。これに対して当局の弁明書を見ますると、坑木は三回転の使用とするのが従来の慣例であるので、又事実多くの場合にそうとしかならないのでそういうふうにやつたのであるが、併し御注意を受けた点については将来十分注意するようにいたしたいというのであります。第二に、製材所で加工しておつたということでありまするが、それは何かの間違いで、現場の者が説明を誤つたか何か行違いがあつたに相違ないと思われる。これは当時その場所で板材或いは角材などが下足しておつたので、急場に間に合わせるために余儀なくその場にあり合わせた坑木をこんなことに使つたのでありまするが、その代りそれを使えばすぐ又それだけのものを請負師が自分の費用で以て補わなければならないので、別にこれがために儲けたとか損をしたということはちつともないはずのものであるということがあります。それから第三に、比較の意味で敦賀線の衣掛隧道の例が出されておりますが、これは工事の延長がたつた二十五メートルに過ぎない、普通に煙突をコンクリートで巻きますときには十二、三メートル内外のものを一つの単位として仕事をやりますから、二十五メートルであるならば坑木は二回転で終つてしまつたわけです。又小さい仕事ですから使用日数も、短かくて腐敗もしない、そんな関係で残存価値を四〇%認めたのでありまして、三回転使つたあとでの残存価値ではない。二回転しか使つていないから残存価値を認めることになつたのであるというような弁明がなされておるのであります。この点につきましてはどういうふうに見るのが適当なものであろうか、よくなお検査院なり当局なりのほうから十分詳しくどうぞ御説明を願いたいと思います。
 それから次に六百四十八号でございまするが、これは場所はやはり前と同じく信濃川の発電工事の所であります。これにつきましては只今御参考に差上げました紙には極めて簡単なことしか書いておきませんでしたので、詳しい数字を掲げて説明して頂きませんと、ちよつと口先で以て簡単に申しただけではわかりにくいかと思いまするので、当局なり検査院のほうから然るべき御説明を願いたいと思います。なお只今委員長のほうから、もうあとの三つを一緒にお出しになりましたのですが、非常にどの一つ一つをとりましても技術上の細かい問題で、数字を一一とり上げなければならないというような問題でございますので、ちよつと一時六百四十七号、四十八号、この二つを一応切つて頂きましたらどうかと思います。
#46
○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院及び国鉄当局において、特に説明を要することがございましたら御説明を願います。
#47
○説明員(山名酒喜男君) 六百四十七号は信濃川の発電工事の際の水路トンネルを掘る場合に使つた坑木とか、角材とか板材とかの、いわゆる架設材の償却をどう見たらよろしかという問題について、私のほうの所見をとり上げたものでありますが、信濃川発電工事は総体として非常に良心的に工事がされておつたのでありますが、こういう問題を批難するのは気の毒だという係官全体が感じを持つておるほど非常によくできておつたのでありますが、坑木についてなお従前通りの考え方でやられておつたのですが、それに私のほうでこういう点が、従前の通りの考え方よりももう一歩進める必要があるのじやないかという注意的な、警告的な意味合いにおいての批難事項でありまして、今までで行きますというと、大体これは検査院といたしましても、普通あり来たりは一回使用した丸太ん棒は三分の一ずつ償却するのが普通の常識であつたわけでありますが、ここでとり上げましたのは、要するに非常に大量の坑木が使われておる、国鉄のほうでは三遍使うとその坑木はただになるという見方でまあ丸太ん棒の経費を計算されておつた。市中でも普通架設工事に使います丸太ん棒というものは、大体三分の一ずつの代金の工費を引受けて償却されておるので、普通の場合三回使えばただになるとの勘定になつておるのですが、それは現場から持帰つたという意味で、三分の一程度の経費を架設材として償却すれば済むのじやないかという意味で言つたわけであります。ところがここで見ますというと、大体同一箇所で繰返し繰返し使われる、大体径一尺くらいの原木になるわけでありますが、三カ月平均でまあ三遍使われることになるわけです。一本大体一カ月支えて三カ月使うと三遍使えるという大体の客観でありますが、これでただになるのですが、坑木は三カ月使つた場合に、はしつこのほうが非常に長く使われたものは腐つて折れてしまう、併し普通の状態で使われるというとはしつこが朽ちたり、はしつこが傷つけられたりして寸が短くなつて来るということと、土圧が非常に強いのでありますし、折れるものもありますが、とにかくはしつこの寸がだん、だん足りなくなつて来るのであります。直径一尺前後の丸太ん棒を挽いて来ると、今度は角材や板材や積材になるじやないか。やはりそこでそういうものを挽いて、必要に迫られて使つておるのでございますから、ここの十一万五千石のうち大体六〇%が丸太ん棒で、残りの四〇%が角材や板材に挽いて使われた計算になつておるのであります。要するに三カ月使われても、物理的に角材や板材に挽くだけの物理的性状が残つておりはしないか。要するに活用できるだけのまだ経済的な価値があるはずだ、この七万石が全部使用価値がなくなつたというので、或いは又経済的な価値がなくなつたというので、全部薪に燃やしたのではないだろう、とにかく現場ではまあ一回くらいのところで、あとの角材等の補充が間に合わないので、丸太ん棒を角材に挽かれたり、或いは板材に挽かれたりしまして使われたものもあるかも知れませんが、とにかく七万石という坑木については、三回使用で物理的な、経済的な価値がゼロになるということはちよつと甘くはないだろうか。現場でもとにかく七万石のものが持ち帰られるとか、或いは薪に挽かれるという状態ではない。とにかくそこで製材所で挽かれておるじやないかということで、国鉄のその点についての第二段の、要するに角材、板材に挽いたものもあるかも知れませんが、それはまだそういう三回転済まないものを挽いたのだ、そういうものもあるだろうと思います。そうかといつて全部が全部三回転使用したらなくなつて、薪にくべてしまつたというわけのものではないだろうというので、私のほうはそこまではまあ言わないで、平均三回使用後残存価値があるものと見なければならん状況ではないか。これは推断が入つておるわけであります。それからあとの衣掛隧道の四〇%の残存価値の問題は、四〇%ということにこだわつておるわけではありませんが、これはまあ仮計算の意味と認めてもいいのですが、丸太ん棒を挽きますというと製材の歩止りが六〇%、ここで使われるものは歩止り四〇%程度の価値はあるのではないかというので、衣掛隧道のほうでは計算されているということで、全部が全部それによるわけに行きませんが、一方にそういうきちんとした一つの見方もとつておられる、三回使用したけれども、丸太ん棒で以て買つて経済的に利用価値があるところまで運搬する金を掛けても、差引四〇%は残るというお勘定をなさつておられる例もあるので、従つて信濃川についてもそういつたような例を参酌して、そこにもう一遍考え直す余地があるのではないかという事案でございまして、四〇%にこだわつたような書き方もございますが、気持はそういうつもりでございます。
#48
○委員長(岩男仁藏君) 国鉄ございませんか。施設局長。
#49
○説明員(江藤智君) 検査院のほうから非常に御親切な御指導を受けたと私は考えまして、十分この点につきましては今後研究いたしたいと思つております。ただ御了解を願いたいと存じますることは、こういう隧道工事で非常に技術的になりますけれども、隧道の中は非常に水分が多うございますし、いろいろな土圧を受けまして、実際に三回も使いますと土砂が混入し、又水分のために三月も、只今検査官の御指摘の三月というのを仮りにとりましても、三月の間に、あの水蒸気に熱のあるようなところで蒸されますというと、表面はそのままの恰好になつておりましても、中の繊維というものが相当に変つて参つております。鍵を打ち、釘を打つと土砂が入りますので、むしろ製材をするということが、中に石ころなんか入つておりますと、高価なのこなんかもこぼれますから、こういうものを製材するということは、実際問題としてはやらないのが当り前なんでございます。従いまして三遍もこういう穴の中で使用いたしまして、変質をしたものを板に挽いて、ほかに流用するということは先ずあり得ないのであります。併しそれだからゼロになるということはないじやないかという御指摘を受ければ正にその通りでございまして、その価格を一体どれぐらいにとるかということになりますというと、実は我々のほうでもそれについて、十分にまだ研究をいたしておらないわけであります。普通の現場でございますと大抵のものはまあ焼いてしまいましたり、その辺の人夫が焚いたりなんかしまして、なくなつたりなんかするのでございますけれども、これほど大きい工事の場合でございましたら、やはりそれをどういうふうに使用するかということを考えまして、残存価格というものを見極めまして今後考えて行きたい、こういうふうに考えております。併し今それじやそれが一〇%だとか、或いは一五%ということは実ははつきり申上げられないというような実情でございます。
#50
○委員長(岩男仁藏君) 次に委員のかたの御質疑を願います。
#51
○西山龜七君 先ず第一にお尋ねいたしたいのは、こういうような請負工事というものは国鉄におきましてはやはり一定の資格者があつて、その一定の人だけに請負させるようになつておりますか、その請負のきめ方をお尋ねしたいと思います。
 第二点におきましては今会計検査院のかたの申されていることを聞き、又国鉄のほうの御説明を聞きまして、私どうも逆な感じがするのであります。国鉄のほうはこういうような工事は専門家でありますので、会計検査院のかたの言われるようなことは百も承知のことであるべきであります。こういうような、会計検査院のような指摘を受けること、より以上のことを知つておられると思うのであります。私はこれは国鉄のほうにおきまして請負をあらゆる方面においてやらす場合に一方の請負では非常に損をした。損をしたからしてこの請負は利益を与えておる、こういうようなものが丁度信濃川みたいなものではないか。それで実際において会計検査院の指摘せられるような六百四十七号なんかにおきましては請負者は相当に利益になつておるが、一方において非常に損があるからして、それを埋めるために特定の請負者にこういうような甘い価格で請負わす、こういうようなことではなかろうか、かように想像せざるを得ないのであります。会計検査院の指摘のことは私は請負当初において鉄道の当局が十二分に検討して、最低価格をきめて請負わすべきものであつて、ここまで会計検査院が、その坑木が二回使えるとか三回使えるとかいうところまで立入らなければいけないということは私は実にいけないと思います。会計検査院のほうは或いはこれはほかの方面の検査と比較してこういうようなことを言われているか、その辺もわかりませんが、何か知らん両当局のお話を聞いているうちに、非常に今申上げましたような感じがいたしますが、請負の制度、それから請負をさす場合に今会計検査院から指摘せられたようなものは十二分に私はこれは全国的にやつておられるからして、それは織込んで最低価格をきめねばいけないものではなかろうかと、かように思いますが、それに対して御説明を願います。
#52
○説明員(江藤智君) お答えいたします。第一点の国鉄の請負制度の問題についてでございますが、国鉄法によりまして公入札制度をとる以前は、いわゆる指定請負人というのを全国的に選定いたしておりまして、そうして主要な工事は随意契約によつておつたわけでございます。それは国鉄の工事は非常に重要でございまして、重い列車を高速度に運転いたしますし、一朝間違いがありました場合の事故が非常に大きいというような事柄から随意契約が認められておりまして、この随意契約もこれは五人以上の指定請負人を選定いたしまして、その最低の人に落すという方法をとつておつたのでございまして、余ほど特別なパテントを持つているとか、或いはそこにすでに工事をやつておりまして引続いて継続的に工事がそこへ出て、ほかの業者が入る余地がないというような場合に限りまして特定の人を指名するというような方法をとつておつたのでございます。ところが昭和二十四年の九月から公入札になりまして今度は誰でもいい、工事をいたしまして誰でもとにかく鉄道工事に入つてもよろしいというような制度を布いて参つたのでありまして、信濃川工事は丁度その途中で請負制度に大変革を来したというような事情になつておるわけであります。ところが公入札というのは非常に公平であるようでございますけれども、何分六万余りの只今登録の業者があるのであります。そういう人たちがこの信濃川のような大工事にとにかく入り得るというような恰好になりましたために、又それに伴う弊害も相当起つて参ります。とにかく叩きあげが起りますとか、或いは無責任な仕事もやる、途中で放り投げるというような危険も起つてくるというような事柄で、我々といたしましてはこれを制限付の公入札、いわゆる建設省の諮問に答えました中央建設業審議会の案によるような、そのやはり能力を調べまして、能力に応じてこれを公入札によつて行なつて行く。又特に必要なといいますか、技術を必要とするようなものにつきましては指名競争によるというような方法にこれを改める必要があるというふうに我々は只今考えておるわけでございます。只今の国鉄の請負制度というものは大体そういうような状態になつております。
 それから第二点につきましては只今そういうような公入札の制度をとつておりますために、むしろ昔でしたら当然随意契約で行かなければいけないというようなものも公入札によりますために、非常にそこの仕事の実施面においては困つているというような状態でありまして、一つの工事で或る建設業者が損をした場合に、次にこれを匿名でそれをカバーしてやろうというような方法は只今はとつておりませんし、又とれないようになつております。
#53
○西山龜七君 会計検査院のほうにお尋ねしてみたいと思うのですが、これはこういうような全国的の工事がやられると思いますが、それには何か基準でもあつてこういうふうにどうも高いとか、或いはこれはどうも不当であるとかいうようなことになつて批難をせられておるのでありますか、又その場合の請負に対してはこれはどうせ坑木の使用方法なんかが甘い、ついては信濃川の工事だけでも二千二百万円高くなる、こういうように個々に検討せられておるのですか、又全国的に何か基準でもあつて検討されておりますか、その点をお伺いいたします。
#54
○説明員(山名酒喜男君) 会計検査院といたしましては、工事は国鉄だけの工事ではございませんで、建設省の工事とか、或いは農林省の工事とかいろいろございますので、工事費の主要部分を占めます材料費とか、労務者の人夫賃とか、その他の諸経費につきましては全国的な、統計的な、機能的な統計資料を持つておりまして、大体この工事には一立米当りセメントは幾ら要るか、木材はどれだけ要るかということの基準が、虎の巻といいますか、そういつたものが私どものほうにございまして、それに照合せて各地々々の事情をみまして、非常に余計かかつておるものについての特殊事情について了解できるものについては了解いたしますし、特殊事情の了解できないものについては了解できないということで質問を発し、それの解明を求めております。そこで本件の信濃川の工事につきましてはこれが全般的に高いということでなくて、その坑木が大量にそこに一塊りに使われておる、持つて帰つたりする必要がなくてそこで消耗してしまつておるという点に目をつけましたことと、もう一つは大体公入札である場合においては見積をいたしましても、要素的に見積をいたしましても、そのボリュームとして見積られたところの価格で請負人が入れるかどうかということはわからない、総体として請負に出したほうの見積というものがそのまま採用されるとは限らない公入札の場合には……。併し随意契約の場合には随意契約に出しましたほうの見積の線で大体金額が落ちて行くというところに目をつけまして、随意契約である場合においては見積の仕方が甘いという場合には、やはり相当突込んで行かなければならないというのでとり上げてみました問題であります。要はそういつた随意契約であるという点と、相当大量のものがその場で消化されておるという点に目をつけてこれを出したわけでございまして、一般的に高いというふうなことから出て来たというよりも、その点に目をつけまして出した問題でございます。
#55
○西山龜七君 そういたしますと国のいろいろ大きな工事なんかを請負入札をする場合に、又国鉄なんかの請負をする場合の基礎といいましようか、その内容、最低価格をきめます内容というものをあらかじめ会計検査院にそれをとつておいて参考とするとかというようなことをやつておられるのですか、それはもうそうでなしに、何か検査の時に見出して初めて批難をするようになつておりますか、その点を……。
#56
○説明員(山名酒喜男君) 請負に出されます前に見積の仕方がいいか悪いかという点で事前点検をいたしますことは、会計検査院といたしましては事前検査ということは職能上やつてはいかん、決算の確認の点から出て参つておる職能でございますのでやりません。併し同じことが繰返されて行われるということは国に対して損害を非常に及ぼすことになりますので、成る事柄に目をつけましてこれは将来慢性的に起る、或いはこれは全国的に瀰漫しやすい事態であると認めました場合におきましては、それを個別的に推問いたしますと共に、他の類型的な事項については再発のないように警告を発することは当然の職能としていたしております。本件につきましては勿論事後検査でございますが、工事が継続して行われておりますので、その後の工事についての見積等につきましては、私のほうの検査の効果が反映することを期待いたしてやつておる次第でございます。
#57
○委員長(岩男仁藏君) 第六百四十七号について他に御質疑はございませんか。別に御発言もなければ第六百四十七号の質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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