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1951/03/07 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 外務委員会 第10号
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1951/03/07 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 外務委員会 第10号

#1
第013回国会 外務委員会 第10号
昭和二十七年三月七日(金曜日)
   午後一時五十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           徳川 頼貞君
           吉川末次郎君
   委員
           杉原 荒太君
           團  伊能君
           平林 太一君
           伊達源一郎君
           中山 福藏君
           岡田 宗司君
           加藤シヅエ君
           大隈 信幸君
           兼岩 傳一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡崎 勝男君
  政府委員
   法制意見長官  佐藤 達夫君
   法務府法制意見
   第一局長    高辻 正巳君
   法務府人権擁護
   局長      戸田 正直君
   外務政務次官  石原幹市郎君
   外務省欧米局長 土屋  隼君
  説明員
   外務省欧米局渡
   航課長     松尾 隆男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国際情勢等に関する調査の件
 (モスコーにおける国際経済会議出
 席に関する件)
○参考人の出頭に関する件
  ―――――――――――――
#2
○理事(徳川頼貞君) それでは只今から外務委員会を開会いたします。今日は昨日に引続きまして、国際情勢等に関する調査の中で、モスコーにおける国際経済会議出席に関する件を議題といたします。本件につきまして、すでに昨日参考人の意見を聽取いたしてありますので、今日はこの問題に関する外務省当局、法務府当局の御意見を伺つたのち、各委員の御質疑に移りたいと存じます。なお去る三月四日の委員会で、政府に要求いたしました本件に関する調査資料が只今手許に参つておりますが、追つて各委員諸君に印刷の上配付いたしたいと存じまするが、取りあえず事務局をして朗読をいたさせます。
   〔事務局員朗読〕
  昭和二十七年三月七日
            外務大臣
   参議院議長佐藤尚武殿
   調査報告を求める件
  昭和二十七年三月六日付参総庶第
 八五号貴信をもつてお申越しあつた
 本件に対し、左記の通り回答する
     記
 一、旅券法第十三條第五号及び同法
  第十九條第一項第四号の解釈適用
  問題考慮中
 二、国際経済会議の性格、ソ連の現
  在の一般事情、渡航申請者の適格
  性、身元申請書等諾関係事項に付
  外務省主管局、在外事務所等にお
  いて資料蒐集検討すると共に総司
  令部についても資料提供方を依頼
  している。
 三、資料が十分調い検討を加えた上
  決定を見次第結論を成るべく早く
  出すよう努力しているが、今の段
  階では何日結論が出るという確約
  することは出来ない。
#3
○理事(徳川頼貞君) では只今より政府側の説明を求めたいと存じます。
#4
○政府委員(石原幹市郎君) 只今委員部のほうから朗読がありました通りでございまするが、つまり研究する法條としては旅券法第十三條第五号第十九條第一項第四号の解釈問題並びに旅券法全体の精神を研究しておるわけであります。それから次は只今どういうことを事実の認定について検討しているかということにつきましては、経済会議の性格であるとか、それからソ連の現在の一般事情、それから渡航申請者の適格性、その他を外務省の主管局と、それから在外事務所等におきましてもできる限りの資料を集めたい。又総司令部を通じましてもいろいろな研究をやつておるわけであります。そこでこれらの問題を総合的に全部を勘案して決定して行かなきやならんわけでありまするが、こちらといたしましてはできるだけ結論を早く出したいとは思つておるのでありますが、只今までの集つておりまする資料からだけではまだ最後的の結論を出し得るという段階に至つておりません。今後できるだけ早くやりたい。
 それからこれまでもたびたびここでこの委員会を通じ、或いは衆議院等においてもたびたび話しておるのでありまするが、ソ連圏内にはなお多数の抑留者が残つておる。それらのことについていろいろ情報の提供を求めたり連絡をしておるのでありまするが何らの通信も通報もない。先方が発表しておりまする数字とこちらの数字には余りにも開きが大き過ぎるわけであります。それでなおこの抑留中の者には、いわゆる外務省の職員といいまするか、外交官の身分を持つておつた者も総当数まだ向うにおるのでありまして、こういうことにつきましては誠に遺憾であると思つております。それからこれ又御案内のごとく、引揚問題につきましては、国連におきましても特別委員会まで設定されまして、過般ジユネーヴにおきましてその特別委員会が開かれまして、我がほうからは正式の代表が二名も参加したのでありまするが、この国際会議に際しましてもソ連側は招請状に対する回答すらも来ていない。出席のないことは勿論でありまするが、回答すらも来てないというような事情があるのでございます。それから漁船の問題につきましても、これ又ここでたびたび申上げておるのでありまするが、詳しい数字は資料として添附しておりまするので、それによつて御覽を願いたいと思いまするが、相当数のものが拿捕されまして一部帰つておるものもありまするが、まだ帰らないものが相当ありまして、向うで拿捕されました船員等に対しましては、いろいろ蹴るとか平手打とか相当な暴行等も加えられておるような状況でございまして、又それらの抑留者を訊問するに際しましては、日本の国内情勢であるとか、或いは米軍及び警察予備隊の状況、施設等について重点が置かれていろいろなものを聞かれておる、こういうような状況でございまして、これらの資料等からいろいろ判断いたしまして、果して相手国において旅行者の生命身体、そういうものの保護が完全に行われるかどうかということにつきましても、国の立場として政府といたしましては、これは愼重に研究をしなければいけない問題であると考えて、只今調査研究を続けておるところでございまして、大体本日提出いたしました資料の説明をいたした次第であります。
#5
○岡田宗司君 今の石原君のお話を聞いておるとばかばかしくて話にならん。大体今度のモスコー会議は、捕虜抑留の問題と関係があるかどうか、又漁船拿捕の問題と関係があるかどうか、この点も十分に我々は考慮を拂わなければならん問題なんです。こういうばかげた答えを我々に與えるなんということは一体どういうおつもりなのか、とにかくあなたがたは、帆足君なり宮腰君なりが向うへ行つて又捕虜になるとか、或いはその漁船が拿捕された場合のように、捕まつて身体に危害が加えられる、そういうことを調査研究をしようというのですか。
#6
○政府委員(石原幹市郎君) これは、私は旅券法の考え方は大きく言えば二つの筋があると思うのでありまするが、つまりその旅行者が旅行によつて日本の公共の福祉全体に反するかどうかというような問題が一つの大きな筋だろうと思います。それからもう一つはやはり旅行者の身体、生命、財産の保護が十分行われるか、相手国からも必ず必要な保護を求めることができるかどうかということもこれは旅券法の全体を流れておる一つの大きな筋だろうと思うのでありまして、これがいわゆる十九條第一項第四号に出ておる精神だろうと思うのであります。こういう問題について政府が、殊に外務当局として判断を決定するに当りましては、あらゆる観点から十分な資料で研究しなければならんと思うのであります。
 それから先ほど申上げましたこの資料以外にも千島の一部、歯舞等につきましてこちらからいえば不法占拠のような事情もある。それから又あの方面のいろいろ根室方面からの人々の話等を聞いてみましても、昨日帆足君からはいろいろいい面ばかりの話が縷々ありましたけれども、当局といたしましては、やはりあらゆる観点からいろいろの事情も検討してみなければならんと思うのでありまして、岡田委員が言われるようなばかばかしい限りであるというようなことは、これは我々としてはいささかどうかと思うのであります。
#7
○岡田宗司君 石原次官の冗漫な答弁は私必要としない。で一言ずつでいいからお答え願いたい。
 第一に帆足君が一体捕虜になると思うかどうか、なるならなる、ならないならならないと見込をお答え願いたい。
#8
○政府委員(石原幹市郎君) なるともならないともその確信はありません。ないからいろいろ心配して研究しておるというわけであります。
#9
○岡田宗司君 それではその次にお伺いしますが、漁船が拿捕されてその乗組員が大分ひどい目に会つた。帆足君が漁船の乗組員と同じように向うに抑留されてひどい目に会う可能性があるとお見込ですか。可能性があると思うから調査研究されると思われるが、そういう可能性があると思つておるんですか、なければ研究の必要ない。
#10
○政府委員(石原幹市郎君) これも先ほど申上げたと同じことでありまして、相手の国柄を考えて、あるかも知れないという心配からいろいろ研究しておるわけです。
#11
○岡田宗司君 今度はモスコーでこの会議が開催される。そうしてその開催地であるソ連の政府からは、とにかくそこへ出て来る者はこれは賓客として待遇するという保障が與えられている。その保障が與えられているものを、やはり捕虜になるとか、抑留されてひどい目に合わされる、そういう非常識なことを政府はお考えになつているのか。
#12
○政府委員(石原幹市郎君) これは国から国に対しての保障というような話ではないのでありまして、やはり全体の事情から只今こちらでは研究しておるということを繰返す以外にございません。
#13
○岡田宗司君 調査研究はいつまでかかるかわからない。会議の日附はちやんとはつきりしている、そこで調査研究で引延して実際は発券しない、そういうおつもりですか。
#14
○政府委員(石原幹市郎君) この資料にも出しておりますように十分な検討を加えて、決定次第結論を早く出したいというふうに努力している、ここに書いてある通りであります。
#15
○岡田宗司君 これは日が迫つている。そうして帆足君のほうからも内容証明でその回答を求めている。その点についてあなたのほうでは何ら考慮をしない、事実上握りつぶしてしまう、こういうおつもりですか。
#16
○政府委員(石原幹市郎君) ちよつと失礼ですけれども、只今のもう一回。
#17
○岡田宗司君 日が追つている。その日の追つているのに調査研究中である。そうして事実上は握りつぶしてしまう、そういうおつもりですか。はつきりお言いなさい。
#18
○政府委員(石原幹市郎君) 先ほどから答えておりまするように、いろいろな機関を通じましてできるだけの、まだ或いはいい資料が出て来るかもわかりませんから、そういうことも考えまして、資料の收集に関する研究を続けておる、こういうことであります。
#19
○岡田宗司君 さつきから旅券法十三條の第五号のことを盛んに言うのですが、この旅券法十三條の第五号は「前各号に掲げる者を除く外、外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」、そうして次に「外務大臣は、前項第五号の認定をしようとするときは、あらかじめ法務総裁と協議しなければならない。」こういうことがあるのですが、今の第五号の点について、あなた方は事実認定を行おうとしているわけだが、これに対して何か欧米局長あたりはもう情報がわかつていなければならんはずです。一体それをどうお考えになつているか。
#20
○政府委員(土屋隼君) 情報がわかつていませんので、残念ながら未だに結論に達していないというのが現状であります。
#21
○岡田宗司君 昨日吉田さんが予算委員会で御答弁をなすつて、ソ連が敵国だからという言葉を発せられたように聞いている。そういう意味で非常に身体に危險がある、或いは又そういうような敵国だからやれないのだ、そういうお考えですか。
#22
○政府委員(石原幹市郎君) 総理がどういうふうに言われたか、ちよつと私はその席にいなかつたのでわかりませんが、只今外交関係がないという意味のことを言われたのではないかと思います。これははつきり申上げられません。
#23
○吉川末次郎君 昨日の会合に列席しませんでしたけれども、政府と岡田委員との間に取交わされる言論から、極く常識的に判断しまして、そう気色ばんでやいやい言わなくても、極く常識で判断できる平明な問題じやないかと思うのです。というのは国際経済会議を開催するのについてロシヤが賓客として数名の人に招待状を発している。これは極く常識的に判断して、ロシヤとの関係をいろいろ考慮されても、そう別に捕虜になるというようなこともないでしようし、危害を加えるということもないでしようし、生命の安全を心配しなくちやならんというようなことは起りつこないのですがね。だからやはりパスポートを出されていいんじやないかと思うのですが、それでまあ聞くところによると、昨日ですか、間違つているかも知れませんが、イギリスでも、そのほかの国でもやはり出す。殊にイギリスのイーデン外相も、その問題について言つている意思表示によるというと、政府としてはその会議にイギリス人が列席するということは、余り喜ばんけれども、私人の資格において出ることはとどめることはできないということを言つておるということですが、これはまあ自由党の政府が非常識でない限りは、極めてコンサーヴアテイヴな態度をとられるものとしても、今のイーデン外相のような処置より右にと言いますか、それより行き過ぎたような、パスポートを出さないで、飽くまでも行つちや生命を保証しないというような、少し非常識なような感じがするのですが、併しそれくらいの常識判断は政府としても持つておると思いますが、恐らくはそれ以外に何か原因があるだろうと思うのです。先般の外務委員会で、やはりその筋からの意思によるというような、暗にそういうような意思表示が岡崎国務相からあつたと思われるのですが、それならば話は別なんですが、そういう点はやはりはつきりしまして、そうして政府としては常識的な判断から、パスポートを出す。私人の資格で行かれることをとどめる理由はない。併し他の原因で出さないというふうにお言いになつたほうがいいんじやないかと思いますが、如何でしようか。理論闘争してみたところでこんなつまらんことでやいやい言つておるのはおかしい。コモンセンスで判断すると思いますが。
#24
○政府委員(石原幹市郎君) これは全く今吉川さんの言われたように、この問題についてはいろいろの意見があると思うのであります。その点は我々も率直に認めるので、私も何も少しも気色ばむ必要はないと思つておりますが、勿論私は気色ばむことは嫌いですが、先ほど岡田委員から、何かばかばかしくてそんな話は聞いていられないというようなことを言われたので……。
#25
○岡田宗司君 ばかばかしいさ。
#26
○政府委員(石原幹市郎君) 私も気色ばんでしまつたわけで、それがなんでありましたらお許し願いたいと思います。今お話がありましたが、米国、英国、殊に英国の例などが引例されますけれども、これはやはり日本と英国が、そのまま同じ立場にあるということも言えないと思うのでありまして、英国はソ連とは正常な外交関係にあつて在外公館を持つておる。或いは又今回の未帰還者の問題であるとか、抑留者の問題というものは、これは全然ないのでありまして、英国が送るのだから日本は同じようだから、こうしなければならんのじやないかということは、これは私は言えないと思います。
 それから今、総司令部の意向があつてどうということですが、これは岡崎大臣も明白に、向うのほうからは何らこの問題についての指示とか意見はないということは、これははつきり言われておりまして、ありません。ただ大臣が言われたのは、総司令部等も通じまして、やはりいろいろの調査といいますか、資料を集めておるということを言われたわけであります。これは賛否いろいろの議論がありますが、又一面においては留守家族連盟といいますか、こういう方面から、こういう事態の国に対して、少くとも日本の、正式でないにしろ、会議に人が出て行くということはどういうことかというような、又一面そういう意見があるのであります。政府当局といたしましては、いろいろの材料を、いろいろの国民の声をすべて総合、参考にいたしまして、只今研究いたしておるのでありままして、出発を目睫に控えてまだそこまでに達し得ないということは誠に残念でありますけれども、遺憾ながらまだ十分なる資料が集まらないというところでございまして、先ほど申上げました範囲を出でないのであります。
#27
○吉川末次郎君 それは非常に大形に考えて、調査研究するとか、資料を集めるとかいうことをしないで、あなたのほうの何と言いますか、保守的な見解からしても、大体においてソ連がいわゆるその世界政策としてのピース・オフエンシヴ、平和攻勢の一環としてやるというようなことを大体想像していらつしやるのじやないかと思います。外務省のほうでは。我々も必ずしもそれを否定しないものでありますが、仮に平和攻勢の政策の関連性において、日本からそういう賓客を招いて親善の意を表する、或いはいろいろなインフオーメイシヨンを與えるとか何とかいうようなことをするのが、恐らく向うの目標でしよう、そういう観点からしても。だからして行つた人が囚われの身になるとか、牢屋に入れられるとか、生命の危險にさらされるとか、むしろ反対に御馳走攻めに会うことはあるでしようけれども、そういうことは絶対ないということは常識上考えられることと思うので、調査研究するとか何とか言つて、大形に大政策、日本の政府の自立計画とか、五カ年計画でも立てるかのごとく言うのは、余り言う必要はないと思いますが、どうでしようか。もう一度御答弁願いたいと思います。
#28
○政府委員(石原幹市郎君) これはもう冗漫になつてはいかんと思いまするから、先ほどお答え申上げました通りであります。
#29
○兼岩傳一君 私はこの問題は、政治的な意見の問題を離れて、やはり人間の、国民の旅行の自由という基本的人権をその時の政府がどういうふうに制約されるかという点で、全各会派にとつて私は非常に重要な点であり、そのためにこそ嚴正な見解を以て、法務府関係の責任当局が来ておりまして、いずれその御見解を聞いた上で、更に討論を進めたいと思いますが、併しそういう前提として、やはり私はこの法律解釈、事実認定のうち法律解釈のほうについて、もうちよつと次官から補足して頂きたいと思う。それは十三條の五号、十九條の第一項第四号の解釈問題、考慮中とおつしやいますね。この点をちよつと冗漫にならないように明快に問題点を明らかにして頂きたい。政府はこの二つの條文のその箇所について、どういう問題をどういうふうに考えて、どういうふうに行き悩んでおられるか、荏苒と日が延びておるが、この法律解釈の点を明快にして頂きたい。
#30
○政府委員(石原幹市郎君) あなたのほうからの御要望がどういう点を問題にしておるかということでありましたから、旅券法で問題とすべき、研究すべき條章としては、この十三條の五号、それから十九條第一項の四号が、つまり今回の旅券を下付すべきかどうかということについて研究しなければならん條章であるということを申上げたわけであります。もつと説明しますか。
#31
○兼岩傳一君 どういうふうにですね、先ず十三條の五号については、著しく直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞れありと認められる相当の理由、この点ですね。それにつきましてすでに旅券を出しておられると伝えられる五氏、私どもがすでに手続をされたのじやないかというふうに新聞その他で聞いてあります前農林次官小平氏等々、こういうふうなかたがた、ここにおいでになる帆足氏、こういうふうなことについてこの第十三條の五号についてはどういう点について法律解釈の上から苦心しておられるか、明解にして頂きたい。
#32
○政府委員(石原幹市郎君) これは旅券申請がありまする際には、只今たくさんの旅券申請が出ておりまするが、それを審査するときには、一応やはりこの條項につきまして調べなければならんのでありまして、そういう意味でこの第十三條第一項の第五号を挙げたわけでありまして、それと十九條の二つあるということであります。
#33
○岡田宗司君 今の点ですけれども、ここに旅券課長が来ておられるから。戰後旅券交付の場合に、その第十三條第五号の著るしく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞れがあると認めるに足る相当の理由で旅券を発給しないという事例があつたかどうか、あつたらばそれについて詳細にお伺いしたい。
#34
○政府委員(土屋隼君) 旅券課長が今私に返事をしろということでございますから、代つて返事を申上げますが、今までのところこの條項を適用して旅券を発給した例はございません。
#35
○兼岩傳一君 そこで時間がないそうですが、今あなたに問題にしても、一月近くも苦悶して、おられるようですがどうですか。政府は時日がなかつたのか、なかつたのに新たに今回は非常に愼重審議しておられるが、そのポイントだけを明確にして頂きたい。
#36
○政府委員(石原幹市郎君) 先ほどからたびたび申上げておるように、十三條五号だけを調べておるのじやないのでありまして、十三條と十九條を調べておるということを申上げておるのでありまして、十三條も一応当つてみなければならん條項であるということだけを申上げておきます。
#37
○兼岩傳一君 ここに外務大臣からの報告がありますが、第十三條五号及び同十九條と、ちやんと二つになつておるのであります。我々が聞いたのも、荏苒日を送られては困るのだ、併しながら政府は愼重な調査をしておられるならば調査のポイントを知りたい、こういう質問であり、これに対して明らかにあなたは十三條の五号、私は十九條もお尋しますよ、先ず第一の十三條の五号についてそういう例がない、旅券法が出て以来。それを今回問題にしておるということを明確に答弁になつておられますね。これは明快に答えるべき義務がありますよ、次官として。
#38
○政府委員(石原幹市郎君) 十三條の五号と十九條の一項の両方が考慮中の條項であるということを申上げておるのでありまして、そこでソ連へ旅行をしたいという申請が出て来たのは今回が初めてでありまして、先ほどから申上げておりますように、この資料にもありまするように、会議の性格とか、ソ連の現在の一般の事情であるとか、こういういろいろのことと、それから行く本人と、こういうことを当つてみなければならん、こういうので十三條五号というものもここに挙げておるわけであります。
#39
○岡田宗司君 十三條五号をも大いに研究しておられる。そういたしますというと、この一カ月半ばかりの間にその旅行の申請、この旅券の発給を申請された諸君についていろいろお考えになつているはずだと思う。まさか今日まで何にも考えないはずはないので、そうするというと、その第十三條五号について一体帆足君とか、宮腰君なりその他の諸君がどういう点で、結論は出ないにしても中間的にあなたがたが調べた結果というものもあるだろうと思うのですが、この第五号に関して、そういう諸君のどういう点がこれに触れるのか、その点ちよつとお答え願いたい。若しそれをやつてないとすれば政府は非常な怠慢だということになるのだが、一体一カ月半かかつてどういう調査をしておられるか、その大体の中間報告をして頂きたい。
#40
○政府委員(土屋隼君) 只今旅券の申請は大体一日に平均しまして約五十件ございますので、この五十件につきまして私どもは最善を盡しておりますが、最低に見積りましても二週間かかるというのが大体の現状で、成るたけ早く促進したいと思いまして努力しておりますが、如何せん調査その他必の要もございますし、人員等も必ずしも十分な人手を持つておりません関係上、大体二週間、申請を受取つて我々が受理いたしましてから二週間の日を要するというのが大体の平均でございます。只今問題になつております帆足さんにしましても、その他の今度の会議に御出席のかたがたの申請は、外務省が二月二十六日並びに二十七日に受取りましたもので、今おつしやる一カ月云々の時日は多少これと違つているわけであります。勿論時日が短いといつて出せないということの理由ずけにはならないことは勿論であります。先ほど政務次官から御説明がありましたように、過去六カ年日本はソ連と外交関係がないのであります。今度旅行申請が出て来たものは初めて取扱うわけであります。従つて旅券法は昨年十一月以来発効したのでございますが、この新しい旅券法に照し、最近の国際情勢を睨み合せ、対ソ連との関係を考慮するということは、当然時間を要することではないかと思うのであります。特にこの国際経済会議につきましては、これは政府対政府の招待状ではございません。従つて外交関係のない、そうして在外事務所を持たないソ連の中で行われる民間の試みであるところの国際経済会議というものは、正確な、何というか、何を目的としているか、どういうことに結果がなるのかということを見きわめずして率然として旅券を出すことは、我々としてできないわけであります。そういう関係から時間をとつているということの御了承を頂きたいと思いますし、又何せ全然新らしい問題でございますので、ほかのことにもやや時間をとるということもお許しを頂かねばならないというのが実際の状態であります。
#41
○岡田宗司君 今のお話ですと、第十三條の問題じやないのですな。その点はつきりして頂きたい。只今の御答弁は、私は十三條の五号に関してどういう調査をおやりになつたかということをお伺いしたが、それに対しては何らお返事がなくて、モスクワの経済会議の性質がどうだのこうだのというお返事だつたのです。私は十三條の第五号の法律の面についてお伺いしたのですが、今のあなたのお答えですと、それについは何もまだお調べになつておらんということなのですな。
#42
○政府委員(土屋隼君) 只今申しました国際経済会議の性格を見きわめるという、この研究するということは、私はこの十三條にも関係があると考えます。
 それから調査の内容について、どういうことをしておるのかという返事がないというお話でございましたが、先ほど御質問を頂きました御返事が、只今の御質問の御返事にまさに合つていると考えます。
#43
○兼岩傳一君 私の質問だけは解決させて頂きたい。私は法律の解釈の点を質問しているのです。そうすると、あれですか、次官は十三條の五号のどういう点を問題にしているということは、この公式の委員会の席上で、公式の委員長の許可を得ているように私は聞いているのに、それに対して納得させるところの答弁を拒否されるのですか。
#44
○政府委員(石原幹市郎君) これは只今たまたま岡田委員の質問に関連して政府委員から申上げたのが詳しくその点に触れたわけでありますが、私は何も拒否したわけでも何でもないのであります。
#45
○兼岩傳一君 どういう点を問題にしておられるか。
#46
○政府委員(石原幹市郎君) それは土屋政府委員から答えたところで十分であろうと思います。
#47
○兼岩傳一君 極めて不十分です。あなたは外務政務次官じやないのですか。そんなことが答えられませんか。立法府ですよ、ここは。
#48
○政府委員(石原幹市郎君) じや、先ほど土屋政府委員からもお答え申上げましたが、このソ連に参りまする族行者は今回が初めてでありまするし、又その目的がいわゆる民間の経済会議というようなことでありまするので、そういう議の性格等もいろいろ検討してみなければなりませんし、六年間も国交関係がないのでありまするからそういう点についても十分検討しなければなりません。そういうことを申上げておるのであります。
#49
○兼岩傳一君 質問に対して逸脱、妙な筋違いの答弁をしておられるのですが、この差当りここでは帆足氏、宮腰氏、平野氏それから大阪商大の名和氏、平岡氏それから続いて小平氏その他のこういうかたがたがどうして著しく直接に日本国の利益その他公安を害する行為を行うところの虞れがあると認められて問題を遷延しておられるか、次官の答弁を求めます。
#50
○政府委員(石原幹市郎君) これは先ほどからたびたび申上げておりますように、経済会議の性格如何によりましてはやはり出て行く人、その会議に出席するということについてやはりいろいろ方々に関連する問題が起りはしないかというようなことも一つの研究対象であるということでありまして、今回の問題を十三條五号だけで考えておるということは一回も私は申上げておらないのであります。
#51
○兼岩傳一君 あなたは十九條の一項四号とも関係させたいのですか。それじや十九條一項四号について説明して下さい。
#52
○政府委員(石原幹市郎君) 十九條のこの四号はここにありまするように「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」にはこの旅券を返納させることができるとこうあるのでありまして、返納さすことができるとはつきりわかつているような場合にはこれはもう出さんでもいいじやないかというのが、これが十九條の建前でありまして、そこでソ連に旅行します場合に生命、身体、財産の保護が果して十分あるかどうかということも研究しなければならんのであります。これを先ほどからいろいろ資料等に基いて縷々申上げておるところであります。
#53
○兼岩傳一君 それは出してから言つてもらいたい。出しもしないで返納を命ずることができるという規定を濫用すると、これは法務府からいずれ御意見があることであると思いますが、あなたは明らかに国会が返納を命ずることができるというふうに規定した法律を、勝手にそういうふうに拡大解釈して使うということをいいと考えておられますか。
#54
○政府委員(石原幹市郎君) 私は別にここで法律論をやるわけじやございませんが法律の解釈というものは、ただ字句の書き方だけの解釈だけではいけないと思うのでありまして、法律全体のいろいろの精神からその当時の立法の背景からいろいろのことから解釈しなければならん。ただすぐ返納を命じなければならんというようなことがはつきりしておる際には、これはやはり出さないということも、この十九條の運用の上から私は当然解釈上できることであると考えております。
#55
○兼岩傳一君 どこにそういうことが書いてありますか。
#56
○政府委員(石原幹市郎君) 先ほどから申しておりまするように、法律の解釈というものは、ただ字句だけの解釈でなしに、その法條の精神から解釈するというものが私は一つあると思います。
#57
○兼岩傳一君 私はやはり政府の運用に対して質す必要があると思います。もう一回だけ質しておきたいと思いますが、勿論我々は字句にとらわれるのじやないけれども、字句を通さずして法律を解釈することはできないでしよう。だから字句に明白に違反しておる行為をあなたが主張しておられるという点がほぼはつきりしましたが、そうするとあなたはこの返還の規定をまだ交付もしない先に使つてもいい、こういうふうに考えておられるのですね。
#58
○政府委員(石原幹市郎君) この十九條の解釈は我々はこの條理上当然解釈できるようなこともその筋に副うて解釈すべきではないかという見地から、先ほど申上げたような意見を申上げておるわけであります。
#59
○兼岩傳一君 それではこれに関して一つ意見長官に十九條の五項について一つお尋ねしたいと思います。
#60
○政府委員(佐藤達夫君) 我々のほうに対しては只今の十九條の解釈問題について外務省からお尋ねがありましたから、外務省には今丁度外務次官の答えられたようなことの趣旨を答えたわけであります。これはもう申すまでもなく当然のことだろうと思いますけれども、この十九條は返納と書いてあります。それは結局一旦交付したのちにこういう事態が明らかになつた場合を主として頭に置いて書いてあることは、これはまあ自然のことだろうと思いますけれども、これが発給の前にこの各号列挙のどれかに該当する理由がわかつた場合に、それを一応目の前で渡してそうしてすぐ又返せというような非常識な考え方はこれはとり得ないことは何人もおわかりのことだろうと思います。そういうのは法律の條理解釈として当然事前にそれが明らかである場合にはお渡しする必要がない、これは当然のことだろうと思います。
#61
○岡田宗司君 只今の御意見は私は非常におかしいと思うのですが、とにかくこの旅券法というものは旅券を出すということを建前にして作られたものである。そうして旅券を出してたまたまこういうような問題があとから明らかになる、明らかになつたということが一つの條件なんです。そういたしますと、明らかになつてから返さすというのをここに規定してある。ところが只今の御意見ですと、どうも私は腑に落ちないのは、こういう「身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」ということが明らかになつてないじやないですか。政府は調査研究中である、こう言つておる。そうするとどつちだかわからない。どつちだかわからないということになると、この旅券法からいえば出さなければならんじやないですか。これは一つあなたはつきり御答弁願いたい。
#62
○政府委員(佐藤達夫君) 今の岡田先生のお尋ねは具体的問題にひつからめて明らかであるとかないとかというようなふうに聞えましたが、実は私どものほうは仕事の受持が違うのでありまして、具体的の事実がこれについて、例えば四号に当るとか当らんということは全然抜きにして、ただ十九條を平たく読んだ場合にどういう結論になるか、一遍渡してすぐお返しなさいというようなことは非常識なことになりましようか、どうでしようかという疑問に対して、そんなことはわかりきつておるというお答えをしただけでありまして、具体的問題には全然私ども触れておりません。
#63
○岡田宗司君 私も具体的問題には触れておらん、つまりこれは旅券を出すための法律である、そしてこの旅券を出した後に具体的にこういうことが起つたということによつてこの旅券を返させるということになる。でありますからあなたの言うように、出してすぐその場で以て返せということじやないということはこれは明瞭なんです。だからはつきり今政府の言によると、こういうことがあるのだかないのだかわからない、わからないならば、この旅券法によつて出しておこう、あとでこういう事態が起つたら返さすというならば話がわかるけれども、政府のほうで以てこういう危險があるのだかないのだかわからない、まだ調査中である、こう言つておつて、その場合には旅券はまあこの法律全体からいえば出すのが至当に思われる。こういう危險が確実に起るということを政府で認めてなら返さすこともできるだろうと思いますが、その点具体的な事実でなくして、法律上の解釈としてあなたはそこをどうお考えですか。
#64
○政府委員(佐藤達夫君) これはもう当然事前にわかつておる場合もあるのでありますからして、わかつておる場合は、結局それはしらばくれておいてそうして先ず旅券をお渡しして、お渡ししたその瞬間に明らかになつた、返せという、これは三百代言式なことでありますが、それもできるのであります。又失効の措置をとることもできるのです。そんなことは当然総合して考えますと、事前に明らかなる場合にはその理由によつてこれは出さない。
#65
○岡田宗司君 それは事前にこの危險が明らかだということを前提としてあなたは御論じになつておる。ところが政府のほうでは今度の場合について明らかでない、まだ調査中だ、そうすると明らかでないということになると、どうもあなたの結論と違うようになるのですがどうですか。
#66
○政府委員(佐藤達夫君) ですから明らかでないということで御調査中は実は私はまだ出る幕じやないのであります。その後調査が済んでから本当は質問を頂けばそこではつきりしたお答えができるのであります。質問の時期が早過ぎたということになるかも知れません。(笑声)
#67
○岡田宗司君 ばかげたような話なんで、どうも私は法律はいろいろな場合を想定され作られておるのだから、いろいろな場合について普遍的な解釈をあなたが下すのが当然だからお聽きしておるのであります。これがはつきり確定してからこれにあてはまるかどうかということは、あなたにお聽きしないでもわかる場合もあるし、又大変面倒くさくてあなたのような專門で達識のかたにお聽きしなければならん場合も生ずるかも知れんのですから、私は今こういうものがある以上それについて普遍的な場合を想定してあなたにお伺いしておるので、これが政府によつてはつきり事実が認定されてのちに起つた問題をあなたにお聽きしておるんじやない。
#68
○兼岩傳一君 だからですね、十九條は折角ですから法制意見局長官が、あなたが余り時の政府に忠実過ぎる私は、意見を出されることは非常にあなたの将来のために惜むのですが、(笑声)やはり返納の規定の條項についてのそういう解釈では法律全体に対して国民が信頼を失うことになつて来ると思うのです。自殺的行為だと思うのです、法治国の。この返納の規定をそのように濫用して三百代言式に今政府が、次官のようなああいうやり方で荏苒日を遅らせて期限に間に合わないようにするというようなことは、人権に関連しておりますので人権擁護局長にもう一回まとめて聽くつもりなんですが、返納の規定をそういうふうに使うことは濫用でない、これは正当であるというふうに考えるのでありますか、法の運用上。そうすれば今後こういうことならば、これを法律に適用することになるとあなたを捕縛することもできることになつて来ますよ。これはあなたが国家の祿をはんで国民の税金の上に生活しながら、憲法に保障された旅行の自由を保護するためにこそ意見局があるならいいけれども、私非常に遺憾だと思う。それは何か言い違いじやないかと思うのですが、いいですか、返納の規定をそういうふうに使うことはいいんですか。
#69
○政府委員(佐藤達夫君) これは絶対に大丈夫だと思つております。
#70
○兼岩傳一君 それから次官に立ち返ります。次官の解釈もどうやらそういうふうな解釈らしいから、研究の一つの題目がそういう点にあるということがはつきりしたわけです。それから十三條のほうは一向明らかにならないのですが、十三條について次官が答えられなければ大臣も来ているようだしS
OSを出されてもいいんですが如何ですか、大臣に。
#71
○政府委員(石原幹市郎君) 私先に答えましよう。先ほどから何回も私は繰返しお答えし、土屋政府委員からも答えておるのでありますが、やはり今回初めての旅行でもあるし、それからソ連の国内で行われます国際経済会議というようなものの性格等も十分検討してみなければなりませんから、その会議に出ることによつてどういうふうになるかということもやはり一つの研究題目ではないかということを申上げたのであります。(「やめて下さい」と呼ぶ者あり)そういうことを答えておるわけであります。
#72
○兼岩傳一君 あなた法律の條文を読んでから答えなさい。法律の十三條は禁錮以上の刑に処せられたものがどうとか、死刑、無期がどうとか、今申請を出しておるその人の問題についてあなたはモスクワの治安がどうだとか、ウラル辺がどうだ、そういう顧みて他を言うような愚弄した答弁は困ると思う。だから一つ大臣にお伺いしましよう。あなたは、ここに外務大臣の名において頂いておるのによると、十三條五号について解釈適用問題を考慮中だそうですが、どういう点を考慮しておられるのですか。
#73
○国務大臣(岡崎勝男君) これは主として念のためということであろうと思います。(「念のためなら、もつとよく聞かなければならない」と呼ぶ者あり)
#74
○兼岩傳一君 念のためというのはどういうのですか。
#75
○国務大臣(岡崎勝男君) それは今政務次官が言われたように、政府としてはいろいろの場合にも念のため、これは日本の利益に害がないかどうか、公安に害がないかどうかということは駄目押しにはやつておるのであります。すべて法律を忠実に適用するのは政府の責任でありますから、法律のいろいろな部面についてこれはもう念のために研究しておくということは当然なんですから。
#76
○兼岩傳一君 念のために引延ばされるのは非常に迷惑でして、十三條はそんな漠然と書いてないので、はつきり「追加を受けようとする者が左の各号の一に該当する場合には」受けられない、そうしてその五として今問題になつている、ここで証人として昨日出ておられる帆足君或いは宮腰君、そういうような人が直接日本国の利益又は公安を害する虞れがありと認めるに足りる相当の理由、客観的な理由がなければ私は拒絶できない、そうでなければ憲法の十一條と二十二條の旅行の自由、そういつた一切の自由、基本的自由を蹂躪していると思うのでありますが、このところで人権擁護局長の、大体これ以上問題をむし返さなくとも政府の態度が、法律解釈或いは事実認定等々を理由として基本的人権を明らかに侵しておられると思うのですが、人権擁護局長に御意見を聽きたいと思うのであります。
#77
○政府委員(戸田正直君) 只今お説のように憲法二十二條居住の自由の中には旅行の自由も含んでいると思います。従つてこの憲法に規定された自由がございますことはおつしやる通りであります。従つて今の公共の福祉に反しない限りは、この自由はあくまでも尊重されねばならん。なおこの旅券法でございますが、これは国会において制定された法律でありまして、従つてその旅券法に従つて忠実に執行いたすことも勿論その通りであります。ただ、今の当該の問題でありまする事実がどうかということにつきましては、私どものほうとしてはただちにまだ判断をいたしかねております。旅券法の十三條或いは十九條、これらの法律に抵触しない限りは旅券を発給すべきだというふうに解釈いたしております。
#78
○兼岩傳一君 もう一つお尋ねしておきたい。この振舞の実際の事務を扱つておられる渡航課長自身からちよつと御答弁願いたいのですが、今問題の書類は所管事務をしておられるあなたの手許を離れて、局長なり大臣なりのところへ書類が進達されておつて停滯しておるのですか。あなた自身が、まだ事務的な点が不十分であなた自身のところで書類をあたためておられるのか、その書類はどういうふうに進捗しておるか。事務的な一つあり場所と理由、及び二週間かかるというような、私二十有余年官吏をいたしておりましたが、一体こういう書類が二週間かかるのだということをあたかも既定の事実のような、太陽は西から東に運行するという客観的事実のように言われるが、私はこれは二時間でもできる問題だと思うのですが、事務当局として何が故に二週間もかかるかということと、この事務的な答弁を二つ願いたい。
#79
○説明員(松尾隆男君) 今のモスクワ経済会議にいらつしやるということで旅券を申請されたかの申請書は、先ほど局長からお話がありましたように二十六日に私のほうに頂きました。私のほうは事務当局といたしまして、一応書類の不備の点がないか、そのほかを調べまして、只今私の手許に保管いたしております。それでなぜ二週間かかるかという御質問でございますけれども、これも一般の場合と違いましてソ連に参りますのは今回が初めてのことでございますので、私だけの取扱はできないのでございまして、決裁を得なければならないと思つておるのであります。
#80
○兼岩傳一君 二週間というのは決裁の判こが幾つ要るんですか。誰々の判こをとられるために二週間要るのですか。ただ調査研究のために要るというなら二週間といわずに二十週間要るかもしれません。或いは二年かかるかも知れませんが、そういうことは事務的には、純事務的にみて二週間要るということなんですか。私はそういうことは信じられないのですが、官庁でこういう一つの簡單な明白な事務的なあれをするのに幾つ判こが要るのですか。どういうふうな決裁方法になつて二週間かかるのですか。
#81
○説明員(松尾隆男君) 普通の場合は二週間かからないで出すこともございます。私どもといたしましては成るべく申請者のかたの便宜を図りまして、せいぜい公務員精神に則りまして迅速に処理いたしております。但し繰返して申上げますように、今度のソ連行の問題は事甚だ重大だと私は考えておりまして、それで上司の決裁をお待ちいたしておる次第であります。常に必ずしも二週間を費やすというのではなく、又渡航課長といたしましては、いつも二週間しなければ出さないというものでもございません。
#82
○兼岩傳一君 私はまだたくさんのことをお伺いしたいのでありますが、余り私だけやつてはどうかと思いますので、まだ伺いたいことがたくさんありますけれども、一応政府の回答に基くものにつきましてはこの程度にして他の委員のかたがおられるので御迷惑だと思いますから、これで一応私の質問を打切ります。
#83
○岡田宗司君 これは意見局長官に十三條の五についてお尋ねいたしたいのですが、この「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由」こういうことですが、これはどういうような場合を意味するのですか。
#84
○政府委員(佐藤達夫君) 私はこの文字に現われておる通りだと存じます。
#85
○岡田宗司君 さつきから政府というか、石原次官や欧米局長の話によると、モスクワ会議の性質がどう、或いは開催地がどうだということをお述べになつて、十三條の五を一つ適用しようということを言つておられるにもかかわらず、この点について御本人の、つまり渡航申請されておる御本人がこういう虞れがあるかないかということにつきましての御判定はさつぱりない。これは向うの会議の性質やなんかではなくて、御本人がそういう虞れがあるかどうかということを認定をしなければならない問題だろうと思うのですが、そう解釈していいですか。
#86
○政府委員(佐藤達夫君) それは「認めるに足りる相当の理由がある者」、「者」というのは人間のことでありますから、おつしやる通りであります。
#87
○岡田宗司君 そうするとこの十三條五について先ほどから次官も、それから欧米局長も、人についてのことはさつぱり何ともおつしやつておらない、それでこの会議へ出席するものは「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞がある」ようになるとお認めになつておるのですか。つまり帆足君だの或いは宮腰君がこの会議へ出席すると、急に「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞」が生ずるのですか。そういうふうになる可能性があると考えておられるのですか。念のためにお伺いしたい。
#88
○政府委員(石原幹市郎君) これは先ほどからたびたび言いましたように、又大臣も念のためということを言われたのでありますが、今回のこの旅券法の、発給すべきかどうかということで研究すべき條項を探せばこれとこれであるということを申上げたのでありまして、それで十三條の五についていろいろのお話がありますので伺いたしますが、やはりこういう渡航申請がある場合には、申請者の適格性とか身元申告書というようなものも一応はやはり調べてみなければならんのであります。
 なお先ほどから申上げまするように、その会議の性格その他によりまして、その会議に出席するということによつてどうなるかということもやはり併せ考えてみなければならん問題ではないかと私は考えております。
#89
○岡田宗司君 渡航課長にお伺いしたい、身元申告書が出ておりましてこの第五に該当する疑いがありましたか。
#90
○説明員(松尾隆男君) それは申告書にお書きになつておる限りでは先ずないと私は考えました。
#91
○岡田宗司君 そういたしますと、この五に対してそういう虞れがあるということを判定するのは誰が一体おやりになるのですか。これは渡航課長に先ずお伺いしたい。あなたがおやりになるのですか。
#92
○説明員(松尾隆男君) それは各関係のほかの課にも相談しなければなりませんから、結局外務省全体ということになります。
#93
○岡田宗司君 外務省全体がですね、これをこういう虞れがあるかどうかを判定する、こういうことになつて参りますと、事務的にどういう手続をおとりになるのですか。
#94
○説明員(松尾隆男君) ほかの関係の機関がございますが、それらの方面ともよく聞いてみる必要があると思います。
#95
○岡田宗司君 只今のお話ですと、ほかの関係のところとこうおつしやるのですが、どういうところかそれを挙げて頂いて、そうしてすでにそういう手続をとつておられるかどうかをお伺いしたい。
#96
○説明員(松尾隆男君) 只今はまだ外務省の中だけでやつております。
#97
○岡田宗司君 外務省の中のどこでおやりになるのですか。
#98
○説明員(松尾隆男君) 政務関係を担当しております局であります。
#99
○岡田宗司君 その政務関係を担当しておるところにおいて、この問題についてどういう判定を下されておるか、それをお伺いしたい。
#100
○説明員(松尾隆男君) その点只今研究中でございます。
#101
○岡田宗司君 そうなりますというと、又研究中でお逃げになつておるようですが、とにかく問題は旅券の申請者が、先ほど言われたように、その申請書に記載されてあるところでは、何ら公安を害する行為を行う虞れがないと、とにかく事務当局である渡航課長が認めておる。併しながらソ連へ行くのは初めてであるし、会議の性質上或いはこういう会議に参加すると公安を害する虞れが生ずるかも知れないとこういう危惧を持つておられるようでありますけれども、併しこの点について一つ問題がある。これは明らかにこちら側からすでに行く前において公安を害するという虞れがある者については出す出さないと、こういう規定だと思うのです。而もモスコーの経済会議は他の諸国においてすでに代表を出すということになつております。通常常識的に考えて、こちらで公安を害する虞れも何もない人が、この会議に参加をしたために急に日本国の利益又は公安を害する行為が行われる虞れが生ずるということは常識的に考えられない。そうなつて来ると、この取扱い方は法的に取扱われておるのではなくて、外務省において極めて政治的に取扱われておる、こう考えてよろしいのですか。これは旅券課長が手続上この問題については政治的に取扱われておる、事務的の範囲を少し離れておるものだ、そう解釈してこの申請者の旅券はお取扱いになつていますか。
#102
○説明員(松尾隆男君) 渡航課長といたしましては、そういう決定権はないと思うのでございます。
#103
○岡田宗司君 決定権があるなしじやない。すでにあなたでは事務的に裁定がつかない、而も第五條に形式的には何ら触れておらないとすれば、外務省としてはこの條項について考えるということは、あなたの事務的な手続以外のところで政治的に考慮されておるので、あなたが旅券の発行の手続を未だにとれないでおるのだとそういうふうなことですか。
#104
○政府委員(土屋隼君) 渡航課長がこの身元申請書につきまして今のような判定を下したということは、外務省としては一つの認定を見たことにはなりますが、先ほど申上げましたように、会議の性質如何によつてはおのずから一方的に見た身元申請書だけで決定はできないということは御了解が頂けると思います。そこで問題は国際経済会議の性格を見きわめた上で、それとの腕合せで身元についても問題はない、国際会議にお出になつても問題はないだろうという判定を下すのが私どもの任務なのであります。その関係上会議の性質について未だつまびらかにしていない私どもが、ただ身元証明書だけで判定を下すというわけには行かないのであります。
#105
○吉川末次郎君 議事の進行について申上げたいのですが、大変私個人のことを申上げて恐縮ですが、予算委員を兼ねておりまして、三時から開会になるだろうと思うのです。ところが先般の理事会の結果を委員長から御報告になつて御賛成をお求めになるだろうと思うのですが、私が列席いたしました理事の一人として委員長から何か説明の補助をせよというような仰せがあるわけなんです。で何とか一つして頂けませんでしようか。今の問題はすでに論議が長引くのであれば、ちよつと中断してでもきめて頂きますか、或いは討論が済むようでありましたら、討論でございませんが、いろいろ研究が……、それを切上げて頂くかどつちか一つして頂きたいと思います。
#106
○理事(徳川頼貞君) お諮りいたしますが、如何でございましようか。
#107
○岡田宗司君 まあ大体論議も盡きておるのですから、これ以上論議したところで同じことを繰返すだけなのですが、私どもの希望といたしましては、どう考えても政府は旅券の発給を阻止しておる、而も法律に基くのではなくて政治的理由によつて阻止しておる、これは明らかに旅券法にも違反するし、又憲法に規定してあるところにも違反するように考えられるのです。そこで私どもといたしましては、これは政府が速かに旅券を発給するということをして頂かなければならないかとこう思うのです。委員会におきまして、少くとも政府は三月十日までにモスコーの経済会議に出席渡航のために申請者に対して旅券の交付をするように取計らえ、こういうことをこの委員会として政府に何といいますか申入れてもいいのじやないか、こうまあ考えるわけなのですがね。
#108
○理事(徳川頼貞君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#109
○理事(徳川頼貞君) 速記を始めて下さい。それでは本件に関しましてはこの程度にとどめます。
#110
○理事(徳川頼貞君) 次に先般委員長及び理事打合会で、来る十二日、十三日の両日行政協定に関して参考人として宮沢俊義君、神川彦松君、佐藤功君、大平善梧君、河原唆一郎君、柳井恒夫君、田村幸策君、守屋和郎君の御意見を聽取することがきまつておりますが、御了承頂きたいと思います。
#111
○兼岩傳一君 それは実はここに岡崎国務相が来ておられるし、又これは三時頃になると議院運営委員会が開催されると思うのですが、これが憲法第七十三條による條約であるかどうか、国会の單なる調査事項であるか審議事項であるかという点について、今この問題の取扱について国会として検討中でありますが、それは理事会で御決定になつたことは我々十分に尊重したいと思いますが、そういう点についてはやはり我々も参加して十分国会、運営委員会、憲法との関係で、どういう立場でこういうそれぞれの証人をお選びになつたか、その証人をお選びなつてどういう結論に落着くか。これは非常に私は日本の地位に重大な関係があるので、だから私は理事会の御意思を尊重してお聞きして、この問題については改めて今日の恐らくこれからの議院運営委員会の進行とも睨合せてやらなければならないようなふうに感じますが、そういう点については理事は十分御考慮になつてのあれでしようか。
#112
○吉川末次郎君 先般の理事会では委員長及びその他の理事も集りまして、大体委員長から御報告になりましたようなことがきまつて、形式上当然に委員会の賛意を求めるということにきまつたわけであります。只今兼岩委員からお話になりましたようなことも勿論理事会の話題になりまして、議院運営委員会でもその問題について非常に論議があるということでありますが、それをも睨合せまして勿論こういうことを議院運営委員会がかなりやつていらつしやることを十分承知いたしました上で、すでに行政協定の調査というので先般来議院通常委員会でそのことが問題になります以前から、外務委員会におきまして調査を進めておるのでありますから、従来からの行政協定に関する調査の引続きといたしましてこれを進めて行くということに大体話がきまつたのであります。従いまして兼岩さんがおつしやつておりますような議院運営委員会が、更に今お話になりましたような行政協定の何といいますか、広義における立法形式とでも申しますか、要するに憲法に違反していないかどうか、即ち行政協定の広義における立法形式の合憲性ということにつきまして、議院運営委員会が課題にしていられるのでありますが、その議院運営委員会において新らしい、今推移中の事態と異なれるところの事態が発生し、何らかの異なれる結論が生れるということでありまするならば、そのときになつて現在の行政協定に関するところの本委員会の調査は、又そのときに新らしく考え直すというようなことで皆さんの御賛成が得られたわけでありまして、私はその理事会に加わりましたものの一人といたしまして、このように成るべく御賛成を願いたいと存じます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#113
○兼岩傳一君 了解しました。
#114
○理事(徳川頼貞君) それじや御了解を願つたものと認めてよろしうございますか。……それではそう決定いたします。
#115
○兼岩傳一君 私は先ほどから大臣以下関係政府委員の意見を質しましたが、結果として、私は政治的見解の差があろうとも、政治的見解の差とは日本の復興に対する基本的な態度において意見があるということでありまして、どういう会派に所属しどういう日本の再建方式、従つて政治的見解の差で会派を形成しようとも、私は法律を運用するのに政見政略によつてこの旅券法の運用に、やれ法律解釈だとか、事実認定だとか称して徒らにこれを妨害するということにつきましては、私は参議院の外務委員会として堪えられないところであろうと思いますので、先ほど岡田委員から出ております動議をお取上げになつて、適当に御決定を頂いて、政府の法の運用を監視し、これを正しく是正するというようにお運び願いたいと思います。若し必要であるならば懇談を通してでも一つの結論に到達して、建設的な意義のあるこの問題に対する態度を、一つこの委員会でおきめ願つたならばと思います。と申しますのは單に一旅行の問題ではなくて、今後の世界貿易及び第三次大戰の危機ということにも関連して参りまして、單に口の先ごろ法律論議をするようななまやさしいことではなくて、これを参議院のこの外務委員会で適当に取上げて適当に解決して、政府を督励するようにこれを持つて行くか持つて行かないかということは、私は将来のアジア、日本とアジアの関係、及び全世界の冷い戰争を一層激化するか緩和するかということにも大きく関係して参りますし、イギリス、フランス、アメリカそれぞれ皆出ておるのですから、この辺はどういう御決定になるかは民主的に多数の御意見思によつてきめることでありますが、できれば一つ懇談のような形で建設的結論が得られるように委員長においてお取計らい願いたいと思います。
#116
○理事(徳川頼貞君) それでは如何でしようか、この辺で懇談に入りたいと思いますが。
#117
○加藤シヅエ君 一言だけ簡單なことを伺いたいのですが、今度の場合、旅券法によつて旅券を発行する場合に、占領下にあるわけですけれども、而も旅行先がいわゆる法律的には交戰国関係になつているソ連へ行くという場合には、司令部の許可といつたようなものを必要といたしますかどうか、その点を伺いたいと思います。
#118
○政府委員(土屋隼君) 只今の旅券法は昨年司令部から日本側に渡された問題でありまして、旅券法の建前から世界のどこの国へ行くにしても日本が自主的に旅券を出すという特別な計らいになつております。従つて今回の場合司令部の許可を必要といたしません。ただお話のうちにございましたように、実際上外交関係がないということでありまして、利益代表もいないわけでありますから、国民が旅行する際に当つて、これに対しても安全なる保障ができるかという点については、政府は十分その点からも考えなければならないというのが事実でございます。
#119
○加藤シヅエ君 もう一つちよつと。この旅券を申請しておられるかたの立場からいたしますと、船が十五日に出るそうでございますから、少くとも十日にはイエスなりノーなりどちらにしても当局のほうから御決定をみて頂かなければ非常に不便を来たすわけでございますし、又勢いそういうようなことは人権蹂躪の問題にもからんで来ると思いますので、政府のほうとしては申請者の便宜を考えて、とにかく十日には何とか決定をみるというようなお見通しがつきますでしようか、その点を承りたいと思います。
#120
○政府委員(土屋隼君) 只今のお話は誠に御尤もだと思いますので、私どもも船に乗り合うのに間に合いますように旅券を出すということが私どもの勤めで、できるだけそういう希望に副いたいと思つて従来とも努力しておりますし、今後とも努力する予定であります。ただ今のようにいろいろ問題がございますから、必ずしも十日には御確答申上げますということを、言えるならば言いたいのでありますけれども、現在そういうことを申上げる自信は私にはないのであります。
 又ソ連行き船のことでありますが、帆足さんはすでに旅券申請前に一日に船が来るから、それまでにどうかというお話があつたのであります。これも遺憾ながら当時において今のような、同じような事情から御回答ができなかつたということが事実であつたのであります。ただ船の来るということも帆足さんから聞いておりますので、その点を十分考慮に入れて早く決定したい、こう考えます。
#121
○加藤シヅエ君 もう一つちよつと伺いたいのでありますが、それではその申請書の便宜を図つて、十日とか何とかいう日にちを限つて回答を與えることができないというようなことになりますると、まあ十五日に船が出てしまつて、それからあと一カ月ぐらいたつてからでも、或いは何とか御決定なさつて申請者に対して可否をお知らせになるということもあるわけなんでございますか。
#122
○政府委員(土屋隼君) 極端な場合を申述べますと、そういうことも抽象的には考えられるわけであります。だたこれは勿論先ほどのお話にもございますように常識の問題ですから、我々は成るたけそういう事態を起さないようにできるだけ早めに御通知を申上げるということが一番いいだろうという考えは私ども持つております。
#123
○加藤シヅエ君 ではとにかく常識的に船に間に合うという程度で、イエスなりノーなりやはりはつきりして頂きたいということは、これは申請者として当然なことでございますし、権利でございますし、いたずらにこれを流してしまうというような形に見えるようなことになりますと、この今度の申請者だけでなくて、今後いろいろ又旅券を申請した者が非常に不便をみる立場になりますので、どうかその点御当局で十分に御考慮に入れてはつきりした御決定をお願いしたいと思います。
#124
○平林太一君 この際私からこの問題について極めて簡單に政府に申上げておきたいと思います。私の考えておりますことを申上げますれば、この問題は我が国の今後における動向を内外に表示する極めて大きな問題であるということを非常に考えます。でありますから鋭意愼重なる態度を以て、要は一特定の、或いは一部分の者の利害ということで考えることを避けて、国家全体の見地に立つて間違いのない措置を講ぜられたいということを要望いたしておくものであります。
#125
○理事(徳川頼貞君) 別にほかに。
#126
○伊達源一郎君 先刻岡田さんから御動議が出まして、このことに対する外務委員会の決定的のことをこの場合きめて政府に要望するなりなんなりしたいというような意味のことが提議されたのでありますが、この問題は非常にデリケートな問題であるし、すでに各委員からそれぞれ希望も申されておりますし、外務委員会として今外務省で研究しておる間に、こつちで委員会として決定的な考えを申述べるというようなことは避けて、希望を各人から言つたことを外務省のほうで尊重されて行けばそれでいいのじやないかと思います。決議をしたり動議によつて決定的な態度を外務委員会としてとるようなことは、少し行き過ぎではないかと思いますので、ちよつとあの動議に反対の意見を申します。
#127
○岡田宗司君 私はまだ動議は何にも提出しておりません。その取扱い方を一つ休憩をして懇談しようかと、こう申上げておるので、一つよくお考え願いたい。
#128
○理事(徳川頼貞君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#129
○理事(徳川頼貞君) 速記を始めて下さい。
#130
○大隈信幸君 私は、この問題は理事会において一応御研究になつて、次の委員会で御決定頂きたいと思います。このようにお計らい願いたいと思います。
#131
○理事(徳川頼貞君) 如何でございましようか。今大隈君からのお話のようにこの問題は一応理事会に移して理事に一つ御相談願つて、本日はこの程度で散会したら如何でございましようか……。それでは本日はこれで散会いたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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