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1947/05/26 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第25号
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1947/05/26 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第25号

#1
第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第25号
昭和二十三年五月二十六日(水曜日)
    午後一時四十五分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君
   理事 河井 榮藏君 理事 荊木 一久君
   理事 小松 勇次君 理事 石田 一松君
   理事 中野 四郎君
      石田 博英君    尾崎 末吉君
      高橋 英吉君    古島 義英君
      明禮輝三郎君    渡邊 良夫君
      佐竹 新市君    前田 種男君
      宇都宮則綱君    小野  孝君
      橋本 金一君    野本 品吉君
      田中 健吉君    中村元治郎君
      北浦圭太郎君    徳田 球一君
 竹中工務店に関する融資問題について出頭した
 証人
      藤田  榮君(議 員)
     竹中藤右衞門君(竹中工務店相談役)
 竹中工務店、清水組その他をめぐる政党献金問
 題について出頭した証人
      飯田 清太君(鈴道工業会專務)
五月二十五日委員本田英作君及び矢野政男君辞任
につき、その補欠として北浦圭太郎君及び小野孝
君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 証人の告発に関する件
 証人出頭要求に関する件
 資料要求に関する件
 竹中工務店に関する融資問題
 竹中工務店、清水組その他をめぐる政党献金問
 題
    ―――――――――――――
#2
○武藤委員長 これより会議を開きま本す。
 まず最初に酒る四月五日及び六日、委員会に証人として出頭いたしました河野一郎、三浦寅之助、磯崎貞序、木村公平の四君の証言に関し、偽証の嫌疑濃厚として、本委員会においてはただちに告発手続凖備中のところ、檢察廳において偽証罪の公訴が提起せられましたため、本委員会といたしましてはもはや告発の必要がなくなりましたので、告発はしないことにいたしたいと存じます。いかがでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
 なお近く五月の中間報告を本会議にいたさなければならないのでありまして、その文案をただいま作成中であります。これは理事会の承認を得ていたすことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○武藤委員長 ではさよう決定します。
 なおただいま調査中の事件に関しまして、左の通り書類の提出を求めたいと思います。
 第一、大分縣知事に対し、昭和二十二年四月一日より昭和二十三年三月三十一日までの大分縣における駐車軍関係工事費の額並びに各請負人の請負額の照会。
 二、福岡縣知事に対しまして同上の書類。
 三、大分縣において請負人が金融機関より金円借入の際、見返りとして工事金受領委任状を提出したる際これを承認したるものの内容並びに工事金の残額を証明したるものの金部。これは大分縣知事に対してであります。
 四、福岡縣理事に対しましても同上。
 五、福岡銀行より昭和二十二年四月一日より昭和二十三年三月三十一日まで進駐軍工事請負人に貸しつけたる金額の照会、これが見返りとして受領したる工事金受領委任状並びに縣知事または大藏省より出したる残額証明書。
 六、大分合同銀行に対しましても同上。
 御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○武藤委員長 ではさよう決定します。
 これより証人の喚問をいたします。
 本日御出頭になりました証人は竹中藤右衛門さん、飯田清太さん、藤田榮さん。
 証言を求める前に各証人に一言申上げます。
 昨年十二月二十三日公布になりました「昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは一般の人については、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて、默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。お手許に差上げてある宣誓書を朗読の上署名捺印願います。
    〔証人藤田榮君各証人を代表して宣誓〕
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
#6
○武藤委員長 それでは竹中さん、飯田さん、藤田さん、そういう順序で伺いますから、竹中さん以外の証人は恐縮ですが、しがらく別室でお待ちを願います。
 竹中さんには御老体のところをたびたび恐縮であります。お掛けになつたままだ結構ですからどうぞ。
#7
○竹中証人 病中でもありますので、お許し願います。
#8
○武藤委員長 それでは伺いますが、前回に御子息錬一さんがお見えになりまして一通り伺つたのでありますけれども、なお多少事柄の違う点もあるかもしれませんから、あらためて伺います。
 昨年十二月初旬におきまして、あなたが相談役をしておられる竹中工務店の税金滯納が約五千万円ありまして、差押えを受けたことがございますか。
#9
○竹中証人 はい。
#10
○武藤委員長 その後この差押えは十二月の下旬になりまして解除になつたようでありますけれども、差押えから解除に至るまでの経過を大体お話願いたいと思います。
#11
○竹中証人 私は竹中工務店の相談人でありますが、そういうこまかいことは実は知らないのであります。と申しますのは私は終戰後日本建設工業会の会長に就任いたしますと同時に、公私の別を明らかにし、かつ老後もつぱら業界のために盡そうという決心のもとに竹中工務店を離脱いたしまして、爾來せがれからはあまり相談を受けない。親父に心配させることもなかろうというのでずつとやつてまいりました。從つて詳しい経過は存じません。ただ税金で麹町署が差押えをしたということは聽いたのであります。その後の経過は先日すでに由良という経理部長が出ましてお答えをしたことと変らないと思います。
#12
○武藤委員長 差押えが十二月の十日でありまして、解除が同月の二十四日のようでありますが、その間に栗栖大藏大臣が大阪に参りましたときに、あなたまたはあなたの店の者が、栗栖さんにどこかでお会いになつたようなことはお聽きになつておりませんか。
#13
○竹中証人 聽いておりません。おそらくそんなことはないと思います。かようなことは大臣に訴えても何らの効果がないことはよく存じております。そういうことはしないと思います。また旅先において栗栖大臣を訪ねるなんというようなことまでするような近しい間でもないと思います。全然そういうことはありますまい。
#14
○武藤委員長 しかし竹中工務店とすれば年末に迫つて東京都から受取ることのできる金を、差押えを受けたので、相当衝撃を受けられた結果、その解除方を大変奔走したような事利はあるのですか、そういうことも一向御存じありませんか。
#15
○竹中証人 そういうことも存じません。それからまた東京都からもろう金は相当の金でありますから、そんなにひどくせがれが私どもにまで心配を特にかけるほどのことはないように思つております。
#16
○武藤委員長 あなたがむすこさんの錬一さんを連れて栗栖大藏大臣のところへ紹介かたがた面会に御一緒に行かれたことがありますか。
#17
○竹中証人 あります。
#18
○武藤委員長 いつごろですか。
#19
○竹中証人 それはたしか十一日かと思います。
#20
○武藤委員長 十二月の十一日ごろですね。
#21
○竹中証人 十一日ごろです。
#22
○武藤委員長 どういう目的で行かれたのですか。
#23
○竹中証人 これはせがれが東京へ参りまして、そういう差押えを受けた。実はこの進駐軍工事費というものがそういうように簡單に押えられるものかどうかということについては、われわれ疑問をもつております。これは緊急措置として政府が労銀なりまた社員の給與なりにぜひ支拂わなければ――その当時の情勢を申しますると、政府の支拂いが非常に遅れたために、各業者ともほとんど労銀の支拂いを停止していた、社員の給與も一、二箇月遅れるのはほとんど通例になつている次第であります。そこで年末にもし支拂いがなければ、おそらく進駐軍の工事はストツプをする状態にまで進んでいたのであります。これは私が工業会の会長として各方面からそういうふうな訴えを聞いておつたのです。そこでせがれについて参りまして、その点は詳しく由良が御説明したと思いますが、突如として東京へ出て來て、麹町税務署に一任をして差押えをするということは、いかにも政府としてはなはだ不親切であることを自分らも痛感をいたしております。しかも店といたしましては、年末にはいくら支拂いをして一月にはこれだけ拂うというようなことを具体的に言つているにかかわらず、こういう差押えをするなどということはけしからぬくらいに実は当時せがれから聽いたのであります。そこで一應納税はやはり國民の義務でありまするし、同時に喜んで納めるように仕向けられるのが当然である。どうもはなはだその措置がわれわれにとつては苛酷であると考えたので一應そういうことを大臣の耳に入れておきたい。こういうせがれの希望もありまして、突如伺つてそういうことが言えるかどうかも疑問でありますから、私がついて参りまして紹介をした。私はその問題につきましては何も――せがれも同樣でありますが、解除をしてくれとか何とかいうことは一切言いません、ただそういう不平を訴えて、こういうことでは今後國民が喜んで納税をするというようなことにならないじやないかというような不平を実は大臣の耳に入れておこうとしたのみであります。当時の氣持を申しますと、先刻も申したように、大臣に頼んで解除ができるとも考えられません。かねてその種の問題はすべて税務署の所管であり、そういうことができるとも考えておりませんから、お頼みもむろんいたしませんが、ただ一應そういう不平を訴えておいたにすぎないのであります。
#24
○武藤委員長 すでに十日を差押えがあつたのでありますけれども、そうしますと、その差押があつたことがわかりまして、それについての不平を訴えに行かれたというわけでありますか。
#25
○竹中証人 そうです。
#26
○武藤委員長 何かそうではなくて政府支拂が年末を控えて大分遅れているから、その支拂方を促進してもらわなければならぬというお話で行かれたのではないですか。
#27
○竹中証人 それはむろんでございますが、同時にやはり主として不平をも訴えたい。こういう氣持で行つたのであります。
#28
○武藤委員長 主としてはどちらですか。
#29
○竹中証人 主としては政府の支拂というものが、わくがおよそきめられるのでありますから、わくの外にはやはり大臣の権能でなければ――一例を申しますと十億というわくがあれば十億というわくの中で支拂われるのであります。これが十一億とか、十二億になるということはやはり大臣の権能でできるのではないかと思います。年末の支拂いはどうかひとつわくを大きくして、業者の苦境を救つてもらいたいというようなことは申し上げておりました。
#30
○武藤委員長 その二つを話しに行かれたわけですね。
#31
○竹中証人 そうです。
#32
○武藤委員長 大臣はこれに対してどういう返事をいたしましたか。
#33
○竹中証人 ただ考慮しましようということで……皆さんのお困りのことはよくわかつておりますから、大いに考慮いたしましようというお言葉にすぎなかつたのであります。
#34
○武藤委員長 具体的には話はないのですね。
#35
○竹中証人 ありません。
#36
○武藤委員長 そのことは長沼管理局長の所管であるから、その方へよく話しておくというような話はございませんか。
#37
○竹中証人 そういうお言葉もあつたかもわかりませんが、そのことはよく存じておるから大いに考慮しましようというようなお言葉がありまして、管理局長に話してと言われたかどうかちよつと記憶がありません。
#38
○武藤委員長 解除の点については何も話はありませんか。
#39
○竹中証人 何も言いません。
#40
○武藤委員長 まああなたは土建業者の仲間では一番頭株でありまして、たとえ個人的な立場とは申しましても、あなたが行かれてそれだけの不平を訴えられて、言わば抗議を申込んだような形なんですから、もう少し大臣から具体的なお話があつてしかるべきだと思うのですが、今あなたのお話を聽いていると、何か地藏さまと話をしているようなわけですね。何も話がないというわけはないと思いますが、何か話をしなければならぬと思うのですが、何とか話があつたのではないですか。
#41
○竹中証人 どういうことですか。
#42
○武藤委員長 差押えのことと支拂いの遅れたということについては……
#43
○竹中証人 差押えの問題については何も話はありません。支拂いの方は考慮しましよう、こういうお話なんです。ただ差押えをせられたのはお氣の毒ですねと言われました。それについて私がさらに切りこんで解除をお願いしようというようなことは私にはできません。
#44
○武藤委員長 とにかくその後解際になつたことはあつたのですね。
#45
○竹中証人 そうです。これは何でしよう、おそらく由良が申し上げたように、麹町税務署へよく話をして、何度も私が聞いているところによりますと、全部を一体差押えるという趣意ではなかつたのですね。その支拂金額の何割かを税金にとつてくださるということで、東京都でこういうことができるからという話をしたら、それは税務署がそういう事実ありや否やといつて確かめに來られたわけです。それで東京都へ行つて調べて來られて、年末にはそういう支拂いがあることがわかつて、理解をなさつてお帰りになつたものと考えておつた。ところがあにはからんや税務署へ行つて支拂いを麹町署としては、一部は何割は税金にとつて、何割は支拂うというようなことは手続上できない。だから全部の差押えをしたのだということらしいのです。とにかく当を失した処置だと実は当時憤慨をしておつたわけです。そこで自分らが行つてその事情を訴えて、確実にこういうふうな支拂いということの了解を得て解際になつたものと心得えております。またその通りに実行したようであります。
#46
○武藤委員長 それでは違う問題につきまして伺いますが、日本建設工業会というのを御存じですか。
#47
○竹中証人 はい。
#48
○武藤委員長 これはどういう目的をもつてつくられた会でありますか。また実際の仕事はどういう仕事をいたしておりますか。役員などはどういう役員がおりますか。お話を願いたい。
#49
○竹中証人 これは終惻後業界も非常に混乱をいたしました。そこで二十年十一月に日本建設工業統制組合というのをつくつた。当時われわれの主務官廳は商工省であつた。何かこれによるべき根拠がなければならぬというので、商工組合法によりまして日本建設工業統制組合をつくつた。しかるにこれはその後法令が廃止になりましたから、日本建設工業会と改めたのです。つまり統制組合という文字を除きまして、工業会といたしたわけであります。当初日本建設工業統制組合の会長に私が選ばれた。そこで先刻申し上げましたように、私は竹中工務店を離脱して、その業務に專念をいたした。ところが二十二年三月一日に今申し上げたように建設工業会と改めて、引続きまた私が会長に選ばれたというわけでありまして、役員の名簿はお手もとにただいま差上げておきましたが、理事並びに監事を含めて四十名だと思いますが、名簿をごらん願いたい。この建設工業会の事業と申しますのは、定款の第一條に掲げてございますが「本会は会長の協力に依り土木建築界に道義を昂揚し其の秩序を保持すると共に廣く知識を内外に求め土木建築技術の進歩及び斯業経営の改善を図り以て新日本の建設の資することを目的とする」というのが建設工業会の性格であります。われわれ当時御承知の通りに一般に道義が頽廃をいたしておる。業界は大いに率先してこの道義を高揚しなければならないというので、まつ先にこれを掲げまして、こういう目的をもつて工業会がスタートしたのであります。それで事業と申しますのは第三章の第十五條に掲げてありますように、一から十に至りますものを行うようにいたしまして、この中で事実やらないこともあります。たとえば「建設工事の一括受託並びに建設工事に関する監督指導」というようなことはいたさなかつたのであります。後にこういうのが引つかかりまして閉鎖機関に指定せられまして、本年の三月一日ついに閉鎖を見たのであります。從いまして日本建設工業会といたしましては約一年間活動をしてまいつたようなわけであります。
#50
○武藤委員長 これは全國の土建業者の全部を会員にしたものですか。
#51
○竹中証人 ほとんど網羅しております。
#52
○武藤委員長 そうすると大体何人くらいになるのですか。
#53
○竹中証人 約三千八百人ばかりになります。
#54
○武藤委員長 先般御子続錬一氏は二千人くらいで、おもなる土建業者であるというようなお話があつたのですが。
#55
○竹中証人 じやそれは誤りであります。よく存じませんためにそういうことを申し上げたものと思います。三千八百人ほどあります。これは総合請負業者というのを網羅しております。小さな請負をする人がありますが、そういうのは総合業者と言い得ないのであります。総合業者というのはある程度の資格をもつたものにいたしております。
#56
○武藤委員長 戰時建設團という昔戰爭中にあつたものとは違うのですか。
#57
○竹中証人 役員なんかも一切違います。全然違います。
#58
○武藤委員長 統制という字をとつただけでそれとほとんど同じものなのですね。
#59
○竹中証人 ほぼ内容はそれなのです。ただ名義を変えたということで、統制ということは除きましたが、内容はほとんど同じでございます。
#60
○武藤委員長 この日本建設工業会の中に鉄道工業会というのがございましたか。
#61
○竹中証人 鉄道建設工業株式会社というのはあります。それから鉄道工業株式会社と二つあります。通称鉄工々々と申しております。
#62
○武藤委員長 この御提出になりました役員名簿の最後の紙の一番左の端に菅原通済と書いてありますが、鉄道工業会長とあるのは、これは鉄道工業株式会社ですか。
#63
○竹中証人 鉄道工業株式会社であります。
#64
○武藤委員長 これも会員であつて、その社長ですか。
#65
○竹中証人 会長でしよう。
#66
○武藤委員長 その会長が菅原通済氏であつて、日本建設工業会の理事をしておつた。そういうことになりますか。
#67
○竹中証人 そういうことになります。
#68
○武藤委員長 この鉄道工業会の役員に芦田均氏がなつておつたというようなことはお聞きになつておりませんか。
#69
○竹中証人 顧問か何かをしておるということはずつと前に聞いたことがある。
#70
○武藤委員長 はつきりしたことは御存じがないのですか。
#71
○竹中証人 知りません。
#72
○武藤委員長 その後おやめになつたようなこともお聽きになつておりませんか。
#73
○竹中証人 顧問が何かをしておられたのは四、五年も前のことではなかろうかと思つております。
#74
○武藤委員長 鉄道工業会というのはどういう仕事をしている会社であるか御存じですか。
#75
○竹中証人 大体先代の菅原恒覧という人は鉄道の請負をいたしておつた。もつとも土木の長老でありまして、それが亡くなつて菅原通済君があとを継いだわけでありますが、やはりずつと鉄道に関する土木事業をいたしておつたように思う。ただ終戰後は進駐軍工事とか、建築の方にも手を染めたように存じております。
#76
○武藤委員長 その事業は相当廣汎なものでありましたのでしようね。
#77
○竹中証人 そうでございます。殊に出身地が東北でありますから、東北方面では相当手廣くやつておつたように存じております。
#78
○武藤委員長 また別の問題について伺いますが、工松産業金融研究会というものを御存じありませんか。
#79
○竹中証人 存じません。
#80
○武藤委員長 何か工藤昭四郎、小池厚之助とか、貞永敬甫とかいう七、八人の諸君が発起人となりまして、栗栖前大藏大臣を顧問として、昭和二十二年八月にその設立をやつたようでありますが、さようの会のあることも御存じありませんか。
#81
○竹中証人 そんなような勧誘状が來たことはあるかもわかりませんが、全然ほかのことは記憶いたしません。
#82
○武藤委員長 俗に一名栗栖後援会と称せられているものではないかと思うのですが、何か御意書を送られてきたというのはこういうものではありませんか。
#83
○竹中証人 趣意書というものはたくさん参りますから、一々記憶はありませんけれども……。これは私には記憶ありません。先刻こういうものをもらつたということを申し上げましたが、どうぞそれは取消していただきたい。
#84
○武藤委員長 栗栖氏の後援を目的として、名儀は別でありますけれども何かできているということも御存じありませんか。
#85
○竹中証人 存じません。
#86
○武藤委員長 昨年の四月の総選挙を前にして、おもなる土建業者が総談をして、政党献金をしようということで金を集めて、自由党、進歩党、社会党、この三大政党に献金をしたというようなことがあつたそうですね。
#87
○竹中証人 あります。
#88
○武藤委員長 あなたのところではいくらしましたか。
#89
○竹中証人 私のところと申しますと工業会をお指しになつておりますか。
#90
○武藤委員長 竹中工務店です。
#91
○竹中証人 竹中工務店は四十万円、工業会はこれに対しましては一銭も出しておりません。言うまでもありませんが、工業会は四千人の人のものでありますから、有志の集まりには参加することは許しません。
#92
○武藤委員長 これを献金しましたのは工業会という立場ではなくして、工業会の会員の中の相当頭株の有志が集まつてしたわけですか。
#93
○竹中証人 そうです。
#94
○武藤委員長 そうすると幾人くらいでありますか。
#95
○竹中証人 くわしいことは今日の証人の、飯田君が存じておりますが、十四、五名であります。
#96
○武藤委員長 十四、五名で、あとから飯田証人からも伺うつもりでありますけれども、大体どういう面々でありますか。
#97
○竹中証人 清水、大体、大成建設、竹中、鹿島、戸田、島藤、佐藤工業、藤田組、鴻池、安藤組……、くわしいことは記憶がございません。
#98
○武藤委員長 これはたれがこういうことを言い出したのですか。
#99
○竹中証人 私であります。
#100
○武藤委員長 あなたですか。
#101
○竹中証人 言い出したということについては、その動機というようなことも申し上げないと……。
#102
○武藤委員長 動機から一つ……。なるべくこの点は詳細にお述べください。
#103
○竹中証人 私もこういうことは詳しく申し上げて、皆さんの疑惑なり、ひいては國民の疑惑を解きたいと思います。
#104
○武藤委員長 それではその動機から詳細に、御記憶のある限りをお述べ願いたい。
#105
○竹中証人 日にちは覚えがありませんが、三月のことであります。私が工業会へ出ておりますと、そこへ二人の代護士が來られました。これは自由党と進歩党の代護士で、業界出身の人であります。この二人が來られて政党に援助を求められた。そういたしますと、後にそれとあまり日を隔てずして社会党の方面からも同様の依聽があつた。そこで私としましては、当時の考え方を申しますと、候補者が個々にいろいろ献金を求めることは、どうもおもしろくない。また政党といえどもある種の援助を求めるのも当然である、政党が健全な発達をしなければ日本の再建も困難であるという氣持もありましたから、私は副会長の宮長平作君、東京支部長たる戸田利兵衞君、それら業界の巨頭としての清水、その他二、三の方に御相談を申し上げて、三大政党から政党に対する援助を求められたが、これをいかにすべきかということを相談いたしたのであります。
 なおここで一言差しはさんでおきたいことは、先刻來献金というお言葉がありましたが、当利私の氣持は献金という考え方はありません。政党を援助するという考え方であります。近來新聞紙上にしきりに政治献金と申しますが、もし政治献金とおつしやるなら、私は否認をしたいと思うくらいであります。政党の援助する、政党の健全なる発達を希うという氣持でありますから、私は今後常に政党援助という言葉を用いますから、どうぞこれはひとつ御承認を願いたいと思います。そこでその席上では、業界の出身者も議会にはすでに二十名も出ているから、ぜひそういう人々のためにも有志が集まつてできるだけ援助をしようじやないかということで、まず一同異議がなかつたのであります。從來は今申し上げるように、とかく個々の援助はその間に非常に弊害が生じております。われわれ政党の援助はどこまでも明るく、いわゆる淨財をまとめて党へ寄附しようじやないかということも当時の氣持でありました。個々の献金はやらぬ、まとめて政党へ援助するということをきめたのであります。それでは大体どのくらい集めたらいいかということであつたので、これもいろいろ協議の結果、あまり多勢に願うこともできまい、殊にこういうことはむりにお願いもできないのだから、喜んで援助する人から淨財を集めようじやないか、それには些細なこともできまいが、相なるべくは三、四百万円集めることに目標をおこうということにきめました。それから、かりにそれだけ集まるとすれば、それをどういうふうに配分すべきかというようなことも相談いたしまして、大体自由、進歩両党へは百五十万円ずつ、残りは社会党へ寄附しよう、こういう申し合せをいたしました、それではひとつ篤志家を集めてそういうことをお願いしようということで、たしか三月の中旬ころと存じますが、竹葉へお集まり願つて、当時十七、八人も集まりましたかと思います。集まつた席上、私は以上のような趣旨を――全部は申しません。ただ政党から援助を求められたが、どうも個個で出すことは弊害があるから、今回はなるべく一つにまとめて、そうして政党へ渡したいと思うから、どうぞ皆さんもひとつ應分の御喜捨を願いたい、いずれ今後は、私は多忙で一々このことに関與できませんから、鉄道工業の飯田清太という人は非常な情熱家で努力家でありますので、この人に万事を任して、これが御相談に伺つて、取り集めその他に当らせるようにしたいと思うという話までいたしたのであります。その席上は、今も申し上げた数名の者が集まつて、金額をどうするとか、政党へこれだけ寄附するなんということは申しません。大勢の席でありまするから、ただこういう趣旨でひとつ金を皆さんから御喜捨を願いたいと思う、それも決してむりにお願いするわけではないから、篤志の方だけお出しを願いたい、こういうことを申したのみで、その席上は終つたのです。そうしますと、その席に先刻お話の菅原通済君がおりまして、これは反対論を唱えました。これはいいことであるが、どうも自分は賛成ができないということでした。理由はそのときには申しませんが、私の推測では先刻申し上げた先代の菅原恒覽という人が例の鉄道省の問題で、ずいぶん長くなんぎをせられたのでありますから、この種の問題には関與したくないということであろうかと私は想像したんです。そういう反対論はあつた。その他にはどうも可否を言う人はほとんどありませんでした。むしろどうもわれわれは個々でそういう寄附をすることはめんどうでもあるし、むしろそういう方法でひとつこの際堂々と政党へ援助した方が結構であるというのが多数の方の説でありました。なお菅原通済君はそのとき飯田清太にそういうことをお命じになることは、自分としては困るということでありました。これはちようどそのときに鉄道工業の專務をいたしておりましたら反対をいたすとともに、そういうことを飯田精太に命ずることは困るというような意見でありましたから、それは君別段会社として飯田君が当るわけではなく、飯田君個人がやるとすればいいではないか、飯田君がとにかく平素から非常に奔走家であるから、これに御苦労願うことが一番都合がいいと思うからいいじやないかということで、それはそうですねと言つて、菅原君はそれを承諾したようでありました。その日その席には一社一人ずつでありましたから、飯田君は來ておりませんでした。つまり会長たる菅原通済君が來ておつたのみであります。そこでその翌日であつたか翌々日であつたか、飯田君に來てもらいました。まあ諸君が君が一番適任なりとして、こういうことをお願いしたというときに、初めて今申し上げた大体金額は三、四百万円、その集まつた金は、こういうように寄贈をしてもらう。要するに集金から党への寄附までも一切ひとつ君に任せるからやつてほしいという依頼をいたしまして、本人もこれを快諾いたしました。爾來各社をまわつて集金をいたしまして、集まり次第それぞれの党へ寄贈をしたということになつております。この詳しいことはどうぞ飯田君からお聽取りを願いたい。要するに日にちは記憶いたしませんけれども、こんなようにそれぞれ寄附をいたしまして受取も持つております。こういうような名刺に受取ようのものを、受領したとか何とかというようなものを示されましたが、私は深くそれを読みもいたしませんでした。大体党の幹事長にお渡しをしたということであるようであります。
#106
○武藤委員長 大体わかりました。そうしますと最初自由党と進歩党から二人の代議士が應援を求めに來られたというお話でありましたけれども、その二人の代議士の名前はたれですか。
#107
○竹中証人 自由党は村上勇君であります。
#108
○武藤委員長 進歩党は……。
#109
○竹中証人 進歩党は逢澤寛君です。
#110
○武藤委員長 それから社会党は。
#111
○竹中証人 社会党は深井武という人が参りました。斌という字は文偏に武という字を書いてあきらと言います。当時深井君は藤田の代りとして――もつとも深井君は始終來ていて懇意であります。藤田氏の使として來たようです。
#112
○武藤委員長 藤田というのは藤田榮君のことですか。
#113
○竹中証人 そうです。
#114
○武藤委員長 深井斌という人も、あなたは前から存じておられましたか。
#115
○竹中証人 深井という人は前から存じております。
#116
○武藤委員長 どういう関係の人ですか。
#117
○竹中証人 これは元三井銀行におつた人で深いことは知りません。もつともこの人は東京に常住いたしておりまして、会合にも始終出ております。
#118
○武藤委員長 自由党の村上勇氏、進歩党の逢澤寛氏などは前もつと御存じの方ですか。
#119
○竹中証人 同業者です。
#120
○武藤委員長 いずれも同業者でよく知つておられる。そうしますとこの三党の三者が來られた趣旨は、もちろん村上、逢澤、藤田そういう三君個人に、浄財を心配してもらいたいというのではなくて、それぞれの属している党に心配をしてもらいたいという……。
#121
○竹中証人 そういう趣旨で、あなた方が党を代表して來られたかというような念は押しませんでしたが、党に相当を援助をしてほしいという言葉でありましたから、もちろん党を代表して來られた。しかも両君とも当時両院の総務をいたしておられたので、念は押しませんでしたが、もちろんそういう意味で、党へという意味です。
#122
○武藤委員長 金額は申しませんでしか、相当だけですか、どのくらいというお話はございませんでしたか。
#123
○竹中証人 ちよつとそれは聽いていいやら惡いやら、私もあまり大きなことを言われても困るしと思いまして、そこはぼんやり受けて、まあ適当に話を聽いたようなつもりでおります。
#124
○武藤委員長 そういうわけで話が始まつて、三月中旬に集まつたのは、木挽町の竹葉ですか。
#125
○竹中証人 そうです。
#126
○武藤委員長 何かそのときにどの社はどのくらいというような割当といつては少し何ですが、そういうことは話に上らなかつたですか。
#127
○竹中証人 そのときは問題にいたしませんでした。そのときは私は昔から寺の和尚が「飲ましておいてさてと言い」というような意味で、うなぎを御馳走しておいて申し上げるんだが、よろしく頼むと言つたのみで、他はその席では一切申しませんでした。
#128
○武藤委員長 しかし概算の三、四百万円という話はなさつたんでしよう。
#129
○竹中証人 それもしなかつたと思います。
#130
○武藤委員長 それもしなかつた…。
#131
○竹中証人 すべて飯田君がまわるから、ひとつよろしく頼むというようなことで、その席ではただ夕飯を一緒にしたというようなことでありました。
#132
○武藤委員長 先ほど來のお話では、ほんとうに浄財を政党援助のために、政党の健全な発達をはかるために醵出をしようという御趣旨だというお話ですが、その際に、こういう大政党に浄財を醵出しておけば、いずれ政権をとることもあるであろうし、土建業者とすれば、工事の請負とか、あるいは工事の査定とか、あるいは金融とか、その他の問題について便宜が得られるであろうというような話はなかつたのですか。
#133
○竹中証人 そんなことはありません。むしろこの寄附をするときでも、たれにいくら渡したとか、何とかいうことは一切言わないように――むろん政党の方でもそれは御存じありますまい。ただ有志が集まつて、浄財を寄贈するという形にすぎません。おそらく名前なども一々政党としても存じますまい。從つてそんな特殊な利権があるとか、何とかいうことは深く考えませんでした。当時は御承知の通り今月と違いまして、道義が頽廃しており、これではどうも政党がしつかりしてくれなければいけないではないか。今度の総選挙にあたつては、三大政党が挙國内閣でもつくつて、大いに日本の再建をはかつてもらいたいと――われわれはなはだ僣越ではありますが、そんな氣持をもつておつた。それでみんなができるだけの援助をしようというだけの話をしたのであります。おそらく利権というようなことを考えておる暇もありません。
#134
○武藤委員長 それから政党に出す金額ですが、自由党、進歩党はそれぞれ百五十万円ずつ、残りは社会党という意味ですか。
#135
○竹中証人 そうです。これはいくら集まるか見当がつかぬもんですから、とにかく四百万円くらい集めて、社会党は百万円くらいと思つておつた。ところが金を集めとてみと、なかなか思うように集まらない。そこでそういう尻が社会党にいつてしまつたようなわけです。
#136
○武藤委員長 それからその後飯田氏がその申合せに從つて金を集め、これを政党に渡されたということでありますけれども、特にその後の集まりにおきまして、どこからどのくらいずつで、合計どのくらい集まつて、そうしてどの党へはいくら、たれに渡した。それからこういうふうに受取をもらつておるとか、さつきちよつと名刺の話がございましたが、そういうやや詳細な報告をしなかつたのですか。
#137
○竹中証人 集まつてそういう報告はしなかつたのです。何しろ工業会はみんなが入れ替り財ち替り集まるから、おそらく私から報告しないで、飯田君がそういうことを各社に報告しておると思つております。
#138
○武藤委員長 その後各党から、あなたのところへ何か援助してもらつて、たいへんありがたいというようなお礼の言葉などがございましたか。
#139
○竹中証人 一言も私は受けません。
#140
○武藤委員長 巷間傳えられるところによりますと、竹中工務店から、西尾末廣氏に対して五十万円ずつ二回にわたつて、百万円を藤田榮氏を通じて献金をしたというようなことはないのですか。
#141
○竹中証人 ありません。何かそんなようなことが新聞記事に出て、あまりに違いがはなだしいので、どういう間違いかと思つておつたのです。大体西尾という方も私は深く存じませんので、そういうことがあるべきはずもむろんありません。
#142
○武藤委員長 そうしますと、そういううわさの出たのは、ただいまお話のありました金のことであろうと思われますか。
#143
○竹中証人 ほかにも、たとえば復興金庫から竹中が金を借りておるという新聞記事が出ている。私どもは復興金庫がどこにあるかさえ知らない。またそういうところで私どもの資金が融通を受けられるということも存じません。全然関係がありません。どうしてこういうデマが出るのか、私は訂正する勇氣も実はありません。一犬嘘を吠えて万犬実を傳うという昔の言葉がありますが、実は私は默殺しておつたのです。
#144
○武藤委員長 なお芦田、栗栖両氏に対しても、竹中氏から相当な献金があつたのではないかというようなことが傳えられておりますが……。
#145
○竹中証人 全然ありません。
#146
○武藤委員長 時の前後は別として、そういうようなこともございませんか。
#147
○竹中証人 全然ありません。
#148
○武藤委員長 栗栖氏から自由党に献金したのは不都合ではないかというようなお叱りの言葉があつたというようなことはありませんか。
#149
○竹中証人 そういうことも全然ありません。もしお叱しりになるならば、私は以上申し上げたような意味のことを申し上げて、堂々と反駁するでありましよう。
 われわれは先ほどから申し上げているように、三大政党に大いに好意を寄せて、ぜひ健全な発達を願いたいと衷心から思つているのであります。
#150
○武藤委員長 昨年の選挙を前にして、土建業者の政党に献金したいきさつにつきましては、大体わかりましたが、かようにいたしまして選挙の際、あるいはその他大きな政党でも結成されるような場合には、從來もかような健全な援助を求められたことがあるのですか。
#151
○竹中証人 その後はありません。
#152
○武藤委員長 その前はいかがですか。
#153
○竹中証人 前にもありません。ありませんという言葉は、私は建築業者でありますから、何もそういう方面に関係がないのであります。鉄道疑嶽などは主として土木業者ですが、土木の方はつい政治と結びつくようなことも多いようであります。私どもといたしましては、その種の問題に從來とも全然関係がありません。たまたま私が会長になりましたがために、こういう問題が出てきたのでありますが、当時私は側近の者から、そんな献金をしてはいけない、あとでどういう累が及ぶかもしれないからと言われたこともあります。しかし私は今回のことは一党に偏してやるのでなく、個人の偏してやるのでもない。政党を援助することがどこが惡いか。その種のことは外國にもあることです。やはり政治あるいは政党に理解をもつということが必要ではないかとまで言つてそういう斡旋をとつたわけであります。それがはからずも累が及んだのであります。
#154
○武藤委員長 しかしどうも昨年各政党からさような申込みがあつた際に、これはけつたいなというようなお断りではなくして、了承せられて割合いと円滑に三、四百万円の金が集まつたようでありまするが、まつたく新しい前例のない申し出にいたしましては、やや円滑に行き過ぎたような感があるのでありますけれども、やはりその前にもこういうことが、――善惡は別ですが、あつたのではないですか。
#155
○竹中証人 それは私は存じません。また私は関與いたしませんから、私の知る限り、私の答えとしては全然知らぬと申し上げなければなりません。それから円滑に進んだという理由は、当時は相当業界も景氣がよかつた。今日はどうもみんな相当莫大な借金を銀行に残して非常に困難をいたしておりますが、当時は多少業界は惠まれた時勢にあつたので、きわめて円滑に集まつた原因はそこにある。
#156
○武藤委員長 諸君、何かお聽きになることがございますか。
#157
○高橋(英)委員 証人は前栗栖藏相の官邸で清水さんとともに、長沼監理局長とお会いになつたことがありますか。
#158
○竹中証人 会つたことはあります。
#159
○高橋(英)委員 夜ですね。そのときに何か大臣から頼まれて、大臣からはどういう話が監理局長にあつて、監理局長はどういう返事をしたか。御記憶があればお述べ願いたい。
#160
○竹中証人 とにかく官邸へは――清水さんは取下金促進委員会の委員長でありますし、私は会長でありますが、たまには東京支部長の戸田君も同行いたします。宮長君も同行いたします。要するに各般の事務当局へは、東京都へも、復興院へもたびたび参りまして、支拂いの督促をいたしておる。しかし事がなかなか運ばないのであります。殊に昨年のたしか一月、二月、三月は政府の支拂いを止めたのです。われわれは当時三箇月間にわたつて政府の支拂いが全然――大臣の方で当時の支拂いを止めたのではないかと思いますが、そういうように政府の支拂いを財政上の都合で全然しない場合もある。だから一方大臣の耳にも入れておかなければならぬというので、清水君と私と今申し上げた連中も一緒に行つたことがあります。そのとき官邸では今の次官とか、その他局長などまで集まつておりまして、そのときに長沼さんにも面接したと思うのであります。後にやはり長沼さんを通じて以上四人の連中が大藏省を訪ねてお頼みしたこともありました。特にその場合にどういうような應答をしたかということは記憶がありません。ただとにかく金を支拂つてもらわなければ困るということを強く訴えたのであります。
#161
○高橋(英)委員 しばしば宮邸へは陳情に行かれたのですね。
#162
○竹中証人 しばしば参りました。
#163
○高橋(英)委員 大臣もむろん業者の窮状はよくわかつておられ、非常に関心をもたれて御心配をいたしておつたわけですね。
#164
○竹中証人 はい、そうです。
#165
○高橋(英)委員 大臣の方からもあなたの方へそういう心配をせられておるので、困つておりはしなかというような電話がかかつたことがありますか。
#166
○竹中証人 いや、そういうことはありません。今おつしやつたようなことはありません。
#167
○高橋(英)委員 そういうことを長沼局長に言われたことがありますか。
#168
○竹中証人 長沼局長へは……。
#169
○高橋(英)委員 いや長沼局長から、大臣から困りはしないか、何とか口を使わなくてもよくはないかという電話がかかつたということを、あなたと清水さんとが行われたときに言われたということを長沼局長がここで証人として言つておるのですが、そういうことを言われたことはありませんか。
#170
○竹中証人 私はそういう記憶はありません。
#171
○高橋(英)委員 言葉はともかくとして、たとえば下品な言葉で言うと、御用聞き、御用を承る、大臣の方からあなたの方へ話があつたというようなことはありませんね。
#172
○竹中証人 私へは電話を一回も頂載したことはありません。
#173
○高橋(英)委員 大臣はどういうわけで、そういうふうにあなた方のことを心配するのでしようか。(笑声)
#174
○竹中証人 それはしかし……。
#175
○高橋(英)委員 進駐軍の工事の方ができないということは大藏省の責任じやなしに、内閣全体も心配するかも知れねけれども、係は違うですね、工事の方の係は大藏省の関係じやないわけですけれども、心配するのは……。
#176
○竹中証人 やはり最後は大藏省が支拂うか、支拂わないか……。
#177
○高橋(英)委員 金の問題はそうですけれども、工事の方の責任はほかの省の責任ですね。だから工事の方を心配するんだつたら、ほかの省の大臣が心配しなければいかぬわけですね。
#178
○竹中証人 これはおそらくほかの省――大藏大臣には復興院の総裁などもたびたび行つて、大藏省の支拂いを大いに促進することに努力しておつたようであります。なおわれわれにしてみますと、金の支拂いを受けないために工事をかりにストツプするという事態が生じましたらゆゆしい大事で、それこそ進駐軍の占領目的に反することになる……。
    〔証人の発言を封じておるじやないか、まるで委員の方ばかり聽いている、もつと証人に言わせ」と呼ぶ者あり〕
#179
○高橋(英)委員 そうすると、今の復興院とか何とか工事の直接の責任者も、大臣あたりも、官邸へしじゆう行かれてすでに問題になつておりましたか。
#180
○竹中証人 官邸へは参りません。役所へしじゆう参りまして、おそらく復興院も全力をあげて大藏省へ支拂いの要求をいたしております。それは各省とも大藏省が最後の関門であるので、その方へ努力を続けられたことは事実と思います。なおしかしわれわれがこれに加わつて一段の督促をしたということであります。それから大藏大臣に官邸でと言われましたけれども、なかなか大臣に会えないのであります。結局やはりあそこへ朝來られるという事実を確めて、その時刻をねらつていくより方法がないですね。
#181
○高橋(英)委員 官邸で長沼局長と会つてから、後に大藏省で長沼局長と会つた際に、官邸であなた方と会見したということについて不愉快なという意味のことを局長から言われたことはないですか。
#182
○竹中証人 どうも記憶がありませんね。
#183
○高橋(英)委員 極端な言葉で具体的にはつきり言うと、長沼局長は怒つておるようなことはなかつたですか。
#184
○竹中証人 つまりわれわれどもが、あまり大臣にやかましてく督促をするので、自然不快に思われたというのではありますまいか。頼みに來るのならおれの方に來いというのではないでしようか。
#185
○高橋(英)委員 その際いわゆる献金問答、援助問答というか、いろいろ大臣に心配してもらつておるので、大臣に対して政治的な献金をしたというような事実は長沼局長にお話したことはありませんか。
#186
○竹中証人 断じてありません。そういうことはないことですから、むろん言うべきことでもありません。
#187
○高橋(英)委員 それからその前後ですね。大藏省へ証人が行つて正式の支拂いの手続の書類を出さずに、支拂督促をせられたようなことがあつて、何か問題の起つたことはありませんか。
#188
○竹中証人 私の知る限りではそれはありません。
#189
○高橋(英)委員 手続の書類を出さずに支拂いの強要というように傳えられておるのですが、そういうことは…。
#190
○竹中証人 そういうことはありません。書類が現場で嚴重なる審査を経まして、それが東京都へ参りまして、東京都がまたこれを審査する。それが今度は復興院、今日の建設院にまいりまして、これがまた書類のそれぞれこまかい檢査をするのでありまして、後にそれが大藏省に参つて、大藏省もまた自分の機関によつてこれを調査するのでありますから、なかなか受けつけてから大藏省へまわるまでの時間が実にかかるのであります。ですからそういう手続を経ずして金が出るなんということは、機構から申しましてもでき得べきはずのことでないのであります。
#191
○高橋(英)委員 話をちよつと伺つて、一、二点お伺いしたいと思うのでありますが、差押えの問題ですが、滯納税金を半分を十二月に拂つて、それから一月に半分は拂うという條件を税務署の方で承知しなかつたというのは、もつと條件がきつかつたわけですか。
#192
○竹中証人 そういうことを御相談しておるにかかわらず、われわれの方は誠意を示すために、東京都でこれだけの年末に支拂いを受けられるということを立証するために、税務署の者と帶伺してこちらに参つたようであります。そうして東京都に行つたこれだけあつたといことはわかつたのでありますから、そのまま帰られるのが当然だとわれわれは考えておつた。しかるに麹町署へ寄つて差押えを委任して帰つたということで、われわれ実に税務署というものは不親切なところだと思つて憤概した次第であります。
#193
○高橋(英)委員 証言によりますと、はなはだ税務署が不親切千万だと思います。税務署の方で困つてそのときには、半額ではいけない。金額で欲しいということを申したのではないですか。
#194
○竹中証人 そうでなくてきわめて簡單に麹町署へ委任をしたというようなことのように考えられます。こういうように支拂いも確実であるから解除して欲しいということで解除になつたものと思います。その手続が納税署の便宜とか何とかをはかる意思がなく、われわれの方にしてみれば進駐軍の工事さえ支拂いを受ければただちに拂えるのだ。こういうことを申してそれを立証するために出てきたのでありますから。
    〔委員長退席小松委員長代理着席〕
#195
○高橋(英)委員 そうすると北税務署の方が考え方が惡かつたのでしようか。
#196
○竹中証人 私は先刻來申しますように、ただ聞きましたのみですから、その種のことはどうぞ由良にでもお尋ねになつたらおわかりになつたと思います。ただ私は聞きましたことだけを申し上げておるだけです。
#197
○高橋(英)委員 それで北税務署の方もそういう関係をよくわかつておつたのでしようね。
#198
○竹中証人 ですから署長はよくわかつておつたわけです。
#199
○高橋(英)委員 支拂いもできる。半分ずつ十二月と一月に分割して、必ず支拂うというあなた方の示された誠意は十分わかつていなければならなかつたはずですね。
#200
○竹中証人 そうです。
#201
○鍛冶委員 先ほど大藏大臣のところに今の社長と行かれたのは十二日というお話でしたが……。
#202
○竹中証人 十二日と記憶しております。
#203
○鍛冶委員 差押えがあるので行つたと言つておられるが、この間社長は、差押えのことは知らなかつたと言つております。あなたは差押えの話もなかつたし、また前後の事情からいつて、御承知なく行かれたのじやありませんか。
#204
○竹中証人 私が麹町署に委任をして差押えるのだということを聞いたのかどうか、その辺ちよつとわかりませんが、とにかく、差押えるのだということを聞きまして不快に思つたというわけであります。
#205
○石田(一)委員 ちよつと伺いますが、先だつても社町には聽いてみたのですが、昨年の選挙の当時に各三大政党の人たちが工業会に対して政党の援助を依頼しておつた。これに対してあなた方業者が、しかもその業者というのは直接政府から支拂いを受ける立場にある業者が、その政府に閣僚を出している政党に援助をするというための金をお出しになるということは、ただいま政党を正しい意味で援助するというような話を聽けば、また、なるほどそうかない思う点もありますが、少くとも直接政府と取引のある業者が、その政府を動かすことのできる力をもつている政党に事業関係とは別であつて、日本國民としての正しい立場から、正しい政党の援助、発達をという意味で金をお出しになるというが、私はあなたの御商賣が御商賣だけに、事業が事業だけに、その金をお出しになることが正しいことだとおつしやつているが、現在でもこれは正しいと思つていらつしやるか。それから今後も政党方面からそういう依頼があれば、正しいと思つていらつしやれば、今後もまたおそらく何百万という金を政党にお出しになることと思います。そうだとすると、こういうことがこうした席上で公然証言される以上、國民は、今まで戰爭前の日本政党は三井、三菱などという大財閥と結んでいた。戰爭後の日本の政党は土建業者あるいは大やみ師と結託して政治資金を得て政治をやつていると、こういうことを言う原因がここにあるのであります。
    〔委員長着席、小松委員長代理退席〕
 この点に関して、これが正しいとあなたが現在お考えになつているとすれば、今後も依頼があればおやりになるかどうか。またこれを今どういうふうにお考えになつているか。先だつて会長は、私がお尋ねしましたら、その当時には何とも思わなかつたが、現在では、やらなければよかつたなあと思つているという御言葉だつたのですが、その点についてあなたはどうお考えになりますか。
#206
○竹中証人 私は正しいことをしたと思つております。ただいまもそう思つております。これは、当時は三井、三菱というものがあつて、そういうところにいろいろ寄附を求めて政党もついていたでありましよう。しかし、こういうものと三井、三菱が結託していくということはおもしろからぬことであります。私どもは政党と無関係で、決して政党に何かの因縁を求めていくとか何とかいうことは一つもありません。面接もいたしません。望むところはありません。こういう淨財ならば政党としても喜んで受入れるはずのものだと思いますし、また私はこれに対して國民から非難を受けることもないと考えている。こういう信念を今もつと変えません。しかしこんなふうにして累を及ぼすようであれば、今後寄附を求められても私はごめんを蒙る。國家のためにお役に立つならば、われわれは余裕のある限り援助するのが当然ではないでしようか。これはむしろ私はあなたにお尋ねしたい。
#207
○石田(一)委員 ただいま私にお尋ねしたいとおつしやいましたが、なるほどそうした意味で政党を援助なさることは、あなたたちは政党とは無関係だと今おつしやいますが、もちろん今あなたの御証言を聽いていると、何らこれによつて求めるところはなかつたという心証も確かにできますが、しかし客観的にみて。政党とは石接無関係だとあなたは断言なさいますけれども、政党いわゆる領袖とは関係がある。それは政党とはなつていないけれども、総理大臣になつております。大藏大臣にそれがなつております。政党の領袖、幹部と密接な関係をもつていて、政党には全然関係がありませんとおつしやられることは、ちよつとあなたの見当違いではないかと考えます。しかし私が申し上げますのは、こうした政府からたくさん支拂いを受けるとか、政府からある利益を得るという業者の方がこうした方面に援助、しかも莫大な援助をなさるということについて、どうしても世間の疑惑を深める。この点についてあなたが正しいとお考えになつているのならば、今こういうような累を及ぼすならば今後はどうかとお考えになるそうですが、しかし正しいと思つていらつしやる以上は今後もそうあるべきではないかと思う。その点についてわれわれも今後警戒すればよい、こういうように思つております。
#208
○竹中証人 先刻來申しましたが、寄附者の名儀なんかは一つも申しておりません。有志ということになつておりますから、竹中がその中にどれだけ寄附しているというようなことはないはずであります。ほんとうにその当時の氣持は、総選挙当時の世情を考えますと、やはりわれわれは三大政党にしつかりしてもらわなければいけない。できる限り――政党を助けてやらないということが政党が伸びないゆえんではないかという純情な氣持でおつたことだけは、どうぞ御推察願つておきます。
#209
○石田(一)委員 委員長。
    〔「もういいじやないか」その他発言する者多し〕
#210
○武藤委員長 ちよつと御注意申し上げますが、討論にわたるようなことは……。
#211
○石田(一)委員 私に質問されたいとおつしやるから……。私はこれは重大な質問だと思つているのです。いろいろの問題が質問されておりますが、私は決して愚問をしているとは思つておりません。その根本問題をついていると思います囲今後ともこれがなされるかどうかということです。それで私聽きたいと思うのですが、そうした正しい意味で政党の発達をお願いになる、その政党は三大政党、ちよつと考えてみると三大政党だけが発達して、あとは……(笑声)そういうような意味も私は考えられるので、要するにただいまの三大政党についての援助をなさつた、そういう意味に私は了解しておきます。
#212
○武藤委員長 ほかにございませんか。それでは済みました。御苦労さまでした。
    ―――――――――――――
#213
○武藤委員長 飯田清太さんですか。
#214
○飯田証人 さようでございます。
#215
○武藤委員長 鉄道工業株式会社の專務ですか。
#216
○飯田証人 さようでございます。
#217
○武藤委員長 鉄道工業株式会社と鉄道工業会というのは違いますか。
#218
○飯田証人 鉄道工業会というのは誤りであります。
#219
○武藤委員長 それでは鉄道工業会というのは全然ないんですね。
#220
○飯田証人 私は鉄道工業株式会社の專務であつて、鉄道工業会に関係ありません。
#221
○武藤委員長 鉄道工業会というものがあることは御存じですか。
#222
○飯田証人 私記憶しておりません。
#223
○武藤委員長 鉄道工業会と俗に言われておりますのは、鉄道工業株式会社のことですか。
#224
○飯田証人 会社の社を落したのじやないか、私はさように思つております。
#225
○武藤委員長 日本建設工業会というのがありますね。竹中さんが会長をしておられた。今閉鎖されておりますが……。
#226
○飯田証人 閉鎖されました。
#227
○武藤委員長 その日本建設工業会の理事に菅原通済氏がなつておりまして、そこの下に鉄道工業会と書いてある。電話は銀座の百二十番、六百九十五番と書いてあるのですが、それは鉄道工業株式会社の間違いですね。
#228
○飯田証人 そうでございます。
#229
○武藤委員長 この鉄道工業株式会社はよほど古い会社ですか。
#230
○飯田証人 明治四十年ごろに創立しています。
#231
○武藤委員長 誰が創立したのですか。
#232
○飯田証人 菅原恒覽が理事長となりまして創立しました。
#233
○武藤委員長 菅原恒覽という人は現社長の父ですね。
#234
○飯田証人 さようでございます。
#235
○武藤委員長 社長は県に菅原通済ですか。
#236
○飯田証人 通済は社長でなくて、会長であります。
#237
○武藤委員長 役員を言つてみてください。
#238
○飯田証人 通済が会長で、私が專務、芥川壽が常務をしております。そのほか取締役として岩瀬彌五郎、内村三郎、三好勇、平山彦三郎、風間武雄、みな重役であります。
#239
○武藤委員長 これはどういう仕事をしておるのですか。
#240
○飯田証人 土木建築の請負業であります。
#241
○武藤委員長 一般のですか。
#242
○飯田証人 さようでございます。
#243
○武藤委員長 鉄道関係というわけではない……。
#244
○飯田証人 一般土木でございます。
#245
○武藤委員長 あなたはいつごろからこの会社の專務になられたのですか。
#246
○飯田証人 昭和十五年でしたかと思います。
#247
○武藤委員長 それから引続いて專務をしておられますか。
#248
○飯田証人 そうであります。
#249
○武藤委員長 菅原通済氏とはどういう御関係ですか。
#250
○飯田証人 私はそこの会社の職員としてはいつておる程度の知合いと申す以外にありません。
#251
○武藤委員長 職員としておはいりになつた。それはいつごろですか。
#252
○飯田証人 大正六年です。
#253
○武藤委員長 それからだんだん昇進されて、先ほどお話のように常務專務になれた……。
#254
○飯田証人 常務、專務となりました。
#255
○武藤委員長 いま大分詳しく竹中藤右衞門氏から伺つたのでありますけれども、昨年の総選挙の際に、おもだつた土建業者が金を集めて、自由党、進歩党及び社会党に献金したというお話でありますけれども、あなたがそのとりまとめることや、これを政党に手渡すことなどにもつぱら携わられたというお話でございますけれども、ひとつその間の事情を詳細に述べていただきたいと思います。
#256
○飯田証人 私は竹中建設工業会の会長からその金を集めて、党に届けることを頼まれましたので、それを実行しました。
#257
○武藤委員長 そこで……
#258
○飯田証人 そこで竹中さんに頼まれた通りみな業者に頼んで歩いてもらつて届けました。
#259
○武藤委員長 どこの業者とどこの業者を頼んで歩いて、どこの業者から幾ら出たということをひとつお話願いたい。
#260
○飯田証人 それは文書でお届けしたいと思います。口頭で申し上げて間違つても困りますから。
#261
○武藤委員長 頭口でお話くださいまして、もし間違いがありましたらば、文書で御訂正を願うということにして、おわかりになる限り本日は頭口でお述べを願いたい。
#262
○飯田証人 私はそれを檢事局にこまかに書いたのを間違いないものとして出しておりますから、できればそれを写してお届けするのが一番間違いないと思うのでございますが、清水さんから四十万円、竹中さんから四十万円、大林さんから四十万円もらつております。その他は大体において二十万円だと思つております。
#263
○武藤委員長 その他という組の名前は……
#264
○飯田証人 組の名前は鹿島さん、そのほかそれぞれ目立つたものからもらつているつもりであります。
#265
○武藤委員長 おもだつたものだけでも……
    〔「十五、六人、あるはずだ」と呼ぶ者あり〕
#266
○飯田証人 大体十五、六人あると思います。今の記憶ではそれは間違いないと思いますが、あとこまかいことは文書で私御報告申し上げたいと思います。檢事局にもそれをはつきりお届けしてありますから……
    〔「わかるところだけでいいじやないか」と呼ぶ者あり〕
#267
○飯田証人 それは私申し上げたつもりであります。おもだつた業者からはみなもらつたつもりであります。
#268
○武藤委員長 おもだつたと言いましても、あなたの方ではおわかりになつておりますが、今委員諸君――私もそうですけれども、おもだつたというのはどれであるかよくわからない。そこでくどく伺つているわけです。ですから、思い出すままを、できるだけ話してください。
#269
○飯田証人 戸田組などからももらつております。その他各所をまわつて歩いていますけれども……
    〔「委員長、証人に注意、証言を拒否している」と呼ぶ者あり〕
#270
○飯田証人 私は拒否するような意思はもつていません。間違つているといけませんから……。
 大体鹿島、戸田、清水、大林というような連中にはみなもらつていると申し上げております。
#271
○石田(博)委員 それはさつきの証言で名前を聽いてあるはずだから、あなたの方の手控の名前をあげて、ここはどうだ、ここはどうだと、一々お聽きになつたらどうですか。
#272
○武藤委員長 それではもうちよつと言いなさい。
#273
○飯田証人 戸田さん、鴻池さんあたりからももらつております。それから大林……
#274
○武藤委員長 鹿島、戸田、鴻池……
#275
○飯田証人 安藤組です。今あまり用意してきていませんから……
    〔「飛島は」と呼ぶ者あり〕
#276
○飯田証人 飛島はもらつていません。
#277
○武藤委員長 藤田は……
#278
○飯田証人 藤田からもらつております。
#279
○武藤委員長 島藤は……
#280
○飯田証人 島藤ももらつております。
#281
○武藤委員長 佐藤工業は……
#282
○飯田証人 佐藤工業ももらつていると思います。
#283
○武藤委員長 大成は……
#284
○飯田証人 大成はもらつておりません。
#285
○武藤委員長 まだいくらでもないですね。
#286
○飯田証人 私はそれをお聽きになるのでしたら、書いてきてお屆けするのでしたが、はつきり記憶ありません。
#287
○武藤委員長 檢事局には出ておりますね。
#288
○飯田証人 出ております。
#289
○武藤委員長 それではそれと同じものを二、三日中にここまでお屆けください。
#290
○飯田証人 承知いたしました。
#291
○武藤委員長 合計いくらになりましたか。
#292
○飯田証人 合計三百五十万円になりました。
#293
○武藤委員長 ちようど三百五十万円ですか。
#294
○飯田証人 そうです。
#295
○武藤委員長 大体の目標はどのくらいというつもりでしたか。
#296
○飯田証人 大体三、四百万円というお話がありましたから、その線に沿つて、竹中さんの御意思によつて動いたつもりであります。
#297
○武藤委員長 そうしてこれを集められたのは、それぞれその会社、組の事務所へあなたが出向いて集められたのですか。
#298
○飯田証人 大体私が飛び歩いたと思つております。
#299
○武藤委員長 大概はその組の組長なり社長なりにお会いになつて話をされたのですか。
#300
○飯田証人 さようでございます。
#301
○武藤委員長 そのときこれはどういう趣旨の金かというような話があつたところはありませんか。
#302
○飯田証人 ありません。藤田さんなどはおれは社会党を希望するがというような意向はありました。けれども藤田さんとしてこうしてくれというような指図はありません。
#303
○武藤委員長 おれは社会党を希望しておるのだというのは、社会党によけいやりたいという意味ですか。
#304
○飯田証人 まあそうだろうと思います。
#305
○武藤委員長 民主党がいいとか、自由党がいいというようなことはありましたか。
#306
○飯田証人 それは雜談でございますから、各人が皆自分で勝手なことを言いました。
#307
○武藤委員長 出すのはぐあいが惡いというような話のあつたところはないですか。
#308
○飯田証人 それは私がもらいに行つて断われたところもあります。
#309
○武藤委員長 それではどこですか。
#310
○飯田証人 今の大成建設は断わられております。
#311
○武藤委員長 それだけですか。
#312
○飯田証人 そうです。
#313
○武藤委員長 菅原通済氏も反対ですね。
#314
○飯田証人 さようです。菅原通済氏は、私がこんな仕事に携わつておつては迷惑だから、しきりによせと言いました。
#315
○武藤委員長 いやそうではなく、政党に金を出すこと自体に反対というのは……。
#316
○飯田証人 通済氏は反対しておりました。
#317
○武藤委員長 どういう理由で……。
#318
○飯田証人 理由は私存じません。
#319
○武藤委員長 とにかく反対ですね。
#320
○飯田証人 そうです、僕は反対だからそんな骨を折ることはやめろとしきりに言つておりました。
#321
○武藤委員長 何か献金しておけば、工事の請負とか、工事金の査定とか、あるいは金融その他について、土建業者に便宜があるから、そうしておこうじやないかというような話ではなかつたのですか。
#322
○飯田証人 それは違います。
#323
○武藤委員長 大体いくら集める予定でしたか。
#324
○飯田証人 今申しましたように三、四百万という見当でありました。
#325
○武藤委員長 そうして三百五十万集まつたので、三百五十万集まるまではどこへも金を持つて行かなかつたのですか。ぽつぽつ集まり次第……。
#326
○飯田証人 いや集まつただけずつ各党にやつたのです。
#327
○武藤委員長 どういうふうに。
#328
○飯田証人 それは竹中さんから政治援助金として屆けてくれるようにというので、その趣旨に則つてやりました。
#329
○武藤委員長 どの党にいくら。
#330
○飯田証人 自由党に百五十万円、民主党に百五十万円、社会党に五十万円、合計三百五十万円、以上です。
#331
○武藤委員長 それだけですね。自由党は一回ですか、数回ですか。
#332
○飯田証人 数回です。各党とも数回にわたつております。
#333
○武藤委員長 何回ですか。
#334
○飯田証人 社会党は一回でしたが、あとの党は三、四回と思います。
#335
○武藤委員長 自由党はだれに渡されたのですか。
#336
○飯田証人 大野幹事長に渡しました。
#337
○武藤委員長 どこで。
#338
○飯田証人 党の幹事長室と思います。
#339
○武藤委員長 いずれもですか。
#340
○飯田証人 さようであります。
#341
○武藤委員長 そうすると三月十四日ごろに四十万円、三月二十九日ごろに四十万円、四月十九日ごろに四十万円、四月二十三日ごろに三十万万円、大体この通りにお届けになつたのですか。
#342
○飯田証人 その日附の記憶はありませんけれども、大体そんなぐあいに分割してお渡ししたように思います。
#343
○武藤委員長 どういう趣旨で大野幹事長に持つて行きましたか。
#344
○飯田証人 私は竹中さんから集めて政党に援助金としてやつてくれと言われましたから、その意味で届けただけで、別の自分の意見などはありませんでした。
#345
○武藤委員長 御意見はなかつたとして、あなたはお使いですから、これはこういう金だというお話はなさつたのでしよう。
#346
○飯田証人 それははつきりしております。
#347
○武藤委員長 どういうふうにお話になりましたか。
#348
○飯田証人 それはわれわれ業者が、各党に御援助したいということでお渡ししました。
#349
○武藤委員長 前もつて竹中氏から、自由党の大野さんあるいはそのほかの人に、この趣旨の金を持つてくるというお話が届いておつたようでありますか。あなたが行つて初めてですか。
#350
○飯田証人 それは多分知つておつたと思いますが、私は竹中さんに頼まれたから、こういう運動をして金を届けるということを言いました。
#351
○武藤委員長 そうしたら大野さんはどういう返事をしましたか。
#352
○飯田証人 それはありがとう、よろしく頼むと言いました。
#353
○武藤委員長 それで初め持つて行つた額が四十万円で、これからどのくらいもつてきますというお話もしましたか。
#354
○飯田証人 それは集まつただけずつお届けするからと言つて、初めから何百万円というようなことは、私は申しませんです。
#355
○武藤委員長 まだあと持つてこいという話でしたか。
#356
○飯田証人 いいえ、持つてこいということではなく、私の方から集めて持つて行くと言つたのです。それは集まり次第で、人から金をもらうのに、いくらなどという確答はできません。
#357
○武藤委員長 何か受取が出ましたか。
#358
○飯田証人 受取はその都度もらつております。それはすべて檢事局に届けてあります。
#359
○武藤委員長 自由党の本部の受取が出ておりますか、幹事長の名前ですか。
#360
○飯田証人 むろん幹事長の名前です。
#361
○武藤委員長 幹事長大野と書いてありましたか。
#362
○飯田証人 それまで記憶しておりませんが、大野幹事長の名前と思つています。
#363
○武藤委員長 党に金を出した……。
#364
○飯田証人 いずれも党です。
#365
○武藤委員長 四回とも受取があつて、受取は原本を檢事局に提出済みである、そういうわけですね。
#366
○飯田証人 さようです。
#367
○武藤委員長 それでは民主党にはどんなふうに持つて行かれましたか。
#368
○飯田証人 民主党も、大体今の大野さんに持つて行つたと同じで、地崎君にそういうことで渡しました。
#369
○武藤委員長 地崎さんとは、地崎宇三郎さんですか。
#370
○飯田証人 そうです。
#371
○武藤委員長 地崎宇三郎さんにお渡しになつたのですね。
#372
○飯田証人 そうです。
#373
○武藤委員長 どこで……。
#374
○飯田証人 電話をかけて、私の会社に來てもらつたこともありますし、地崎君のところへ持つて行つたこともあります。何回自分の宅で渡したかというはつきりした記憶はありません。
#375
○武藤委員長 やはり合計が百五十万円ですか。
#376
○飯田証人 そうです。
#377
○武藤委員長 いずれも地崎さんに渡したのですね。
#378
○飯田証人 さようです。
#379
○武藤委員長 地崎さんから党へ届けてもらう、そういう趣旨ですか。
#380
○飯田証人 そうです。
#381
○武藤委員長 地崎さん個人にお渡しになつたのでありませんね。
#382
○飯田証人 それは党です。
#383
○武藤委員長 地崎さんから受取をもらいましたか。
#384
○飯田証人 もらつております。
#385
○武藤委員長 党から正式に受取が出ておりますか。
#386
○飯田証人 党の名前ははいつていないと思います。
#387
○武藤委員長 何回か渡したようですけれども、最初は党ですが、二回目のときには、前の受取を――党のものを持つてきませんか。
#388
○飯田証人 いいえ私は別に党という名前のはいつているのは記憶にありませんけれども、その都度渡したたびに受取をとつております。
#389
○武藤委員長 地崎さん以外には渡しておりませんね。
#390
○飯田証人 渡しておりません。
#391
○武藤委員長 日附はいずれも選挙の前ですね。
#392
○飯田証人 そうでございます。
#393
○武藤委員長 地崎さんは何と言いましたか。
#394
○飯田証人 それはどうもありがとう。よろしく頼むと言いました。
#395
○武藤委員長 そう言いましたか。じや社会党は。
#396
○飯田証人 社会党は西尾書記長に渡しました。
#397
○武藤委員長 いつごろですか。
#398
○飯田証人 四月の半ばごろと思いますが、はつきりした日はちよつと申し上げかねます。
#399
○武藤委員長 西尾書記長に直接お渡しになりましたか。
#400
○飯田証人 直接渡しました。
#401
○武藤委員長 どこで……。
#402
○飯田証人 私の会社で渡しました。
#403
○武藤委員長 あなたの会社というのは鉄道工業株式会社……。
#404
○飯田証人 さようでございます。
#405
○武藤委員長 その事務所でお渡しになつたのですね。
#406
○飯田証人 さようでございます。
#407
○武藤委員長 これはあなたの方から來てもらいたいという話でもあつたのですか。西尾氏がただやつて來られたのですか。
#408
○飯田証人 それは今申したように竹中さんから各党にあつちこつち言つてあると思います。ですから、私から連絡をとつてそれをおあげした……。
#409
○武藤委員長 電話か何かで連絡をとつたのですね。これは一回ですか。
#410
○飯田証人 一回です。
#411
○武藤委員長 これも西尾氏個人に出したのではなくして、社会党という党にお出しになつたのですね。
#412
○飯田証人 私は党書記長西尾と考えて渡しました。
#413
○武藤委員長 特にこれは党に渡すのであつて、西尾さんにお渡しするのではないということをお断りにはならなかつたのですね。
#414
○飯田証人 私は別に断りません。
#415
○武藤委員長 しかし前後の趣旨からいつて、党にお出しになつたというふうにお考えになつておられるわけですね。
#416
○飯田証人 そうです。
#417
○武藤委員長 受取をとりましたか。
#418
○飯田証人 受取はとりました。
#419
○武藤委員長 これも檢事局に出ていますか。
#420
○飯田証人 そうです。
#421
○武藤委員長 西尾氏は何と言いましたか。
#422
○飯田証人 どうもありがというと言いました。
#423
○武藤委員長 ほかの党にも献金をしておる旨をそれぞれ大野さんなり、西尾さんなり、あるいは地崎さんなりになさいましたか。
#424
○飯田証人 西尾さんには各党に百五十万円やつたが、あんたのところは五十万円だということは言わなかつたですけれども……。
#425
○武藤委員長 金額はおつしやらなくても……。
#426
○飯田証人 各党に業界で集めてやるということは、言つております。
#427
○武藤委員長 土建業界で有志が相談の上で金を集めて各党に献金をしておるんだ。そうして社会党には五十万円差上げることになつておるという話をなさいましたか。
#428
○飯田証人 社会党に五十万円ということは言いました。
#429
○武藤委員長 藤田榮という代護士を御存じですか。
#430
○飯田証人 存じております。
#431
○武藤委員長 どういう関係で御存じですか。
#432
○飯田証人 わずかに一回業界の会合で集まつただけです。
#433
○武藤委員長 一回お会いになつただけですか。
#434
○飯田証人 そうです。
#435
○武藤委員長 何かこの藤田氏を通じて、社会党なり西尾さんなりにこの金をお渡しになつたのではないですか。
#436
○飯田証人 それは藤田さんの店の專務をしております深井君が私のところへ來ましたけれども、別に藤田さんを通じてやるというような記憶はありません。私はじかに渡しております。
#437
○武藤委員長 深井さんというのは深井斌ですか。
#438
○飯田証人 斌と書いてあきらと読むのです。
#439
○武藤委員長 前に三井かどこかに勤めておりましたか。
#440
○飯田証人 そうです。
#441
○武藤委員長 それでは別に藤島さんを通じて、社会党なり西尾さんなりに金を届けたということは、これ以外にはございませんか。
#442
○飯田証人 ありません。
#443
○武藤委員長 何かお渡しになるときに、今後ともひとつ土建業界のことをよろしくお願いしますというようなお話はないのですか。
#444
○飯田証人 そういうことは言わない。
#445
○武藤委員長 ただ持つて行つたわけですか。
#446
○飯田証人 そうです。
#447
○武藤委員長 さようにして金を集め献金しましたその結果を、金を出された有志の方に御報告なさいましたか。
#448
○飯田証人 私は一々まわつて歩いて報告したこともありませんが、竹中会長には報告しました。
#449
○武藤委員長 竹中会長には詳細にお話なつておるのですか。
#450
○飯田証人 どこから金をもらつたということは詳細に話しました。
#451
○武藤委員長 どこからいくら集まつて……。
#452
○飯田証人 いくらになつたということを一應詳細に話しました。
#453
○武藤委員長 特に寄合いをして、こういうふうに集まつて、こういうふうにやつたというようなことを言つたことはないのですか。
#454
○飯田証人 ありません。
#455
○武藤委員長 ただ工業会かどこかでお会いになつたときに個人的にお話になつたことはございますか。
#456
○飯田証人 それは個人的には、もらつてお届けしたよということを言いました。
#457
○武藤委員長 村上勇さんとか逢沢寛さんとかいう人を御存じですか。
#458
○飯田証人 よく知つております。
#459
○武藤委員長 村上さんが自由党から、逢沢さんが進歩党から、金を少し心配してくれんかという話に來られたそうですが、そういうことを御存じですか。
#460
○飯田証人 それは竹中さんのところに行かれたことは聞いております。
#461
○武藤委員長 しかし今度金を持つてくるについては、村上さんとか、あるいは逢沢さんとか深井さんを通じたのではないのですね。
#462
○飯田証人 私は村上さんにも逢沢さんにも、自分が集める役になつて、集めて届けるということは一言も言つておりません。
#463
○武藤委員長 別の問題にもどりまして、芦田均という人があなたの会社の役員をしておりますか。
#464
○飯田証人 今役員をやつておりません。
#465
○武藤委員長 前にはしておりましたか。
#466
○飯田証人 ずつと前には監査役をやつておつた記憶があります。
#467
○武藤委員長 いつごろですか。
#468
○飯田証人 何年前でしようか。大分前ですな。戰爭中です。
#469
○武藤委員長 戰爭中に監査役をやつておられたのですか。
#470
○飯田証人 ええ。
#471
○武藤委員長 何年くらいしておられましたか。
#472
○飯田証人 何年くらしておられましたか、はつきり記憶ありませんが、二、三年くらいやつておりました。
#473
○武藤委員長 どういう事情で監査役に迎えられたのですか。
#474
○飯田証人 私は別に深い理由はないと思いますが、それはただ知人ということだけだと思つております。
#475
○武藤委員長 菅原氏と芦田氏とは非常に別懇であつて、菅原氏は芦田氏を政界の表面に押出したいばかりに、非常に力を入れているという趣旨のことを先般清水組の社長が言つておられましたが、そういう関係があるのですか。
#476
○飯田証人 私は事業面を担当しておりますから、そういうことはわかりません。
#477
○武藤委員長 芦田氏が監査役をおやめになつたのはどういう理由ですか。
#478
○飯田証人 私はよく記憶はありませんが、あるいは厚生大臣になられたためやめられたのかと思います。いつごろかはつきり記憶がありません。
#479
○武藤委員長 おやめになるときに、退職金というようなものを相当額出されましたか。
#480
○飯田証人 一文もやつていないと思います。
#481
○武藤委員長 この鉄道工業株式会社から独自の立場で、芦田氏とか西尾氏とか、その他政党なり、政治家なりに、別に金を出しておることはございませんか。
#482
○飯田証人 ありません。
#483
○武藤委員長 会社の帳簿上、経理上はないのですね。
#484
○飯田証人 経理上の事実もありません。
#485
○武藤委員長 何かお尋ねがありますか。
#486
○中野(四)委員 今のお答えの中で、西尾書記長にお渡しになつたときに、受取はとられたと言われましたが、これは社会党の名前でしたか、西尾君個人の名前でありましたか。
#487
○飯田証人 その場で衆議院議員西尾末廣という名刺に受取つております。
#488
○中野(四)委員 從つて社会党から後に受取は來ませんでしたか。
#489
○飯田証人 來ません。
#490
○中野(四)委員 それは檢事局に出してあるわけですか。
#491
○飯田証人 そうです。
#492
○中野(四)委員 それから重役をやめる際、芦田亀に一文も出していないと言つておられるが、あなたの会社は営利会社で、特に土建会社はそうですが、重役がやめる際に一文も出していないという前例があるのですか。世間一般の通念においては、重役がやめるときには、適当なる慰労金を出すのが通例になつておる。ところがあなたの会社では、芦田君にだけ出さなかつたのか。あるいはあなたのところではそういう前例があつて、重役がやめるときには一文も出さないことになつておるのですか。
#493
○飯田証人 御質問はごもつともですが、芦田さんは私た会社ではあまりお働きになつていないから、何もあげる必要はないと思つておりました。
#494
○中野(四)委員 重役が働きがあるないは別問題として、実間の通念上、営利会社の重役がやめる際には、重役会なり株主総会に諮つて、適当なる謝礼金を出すのがあたりまえになつておることは御承知だと思う。特に芦田さんがあまり働きがなかつたから一文も出さなかつたということは、大体常識上受取りがたいのですが……。
#495
○飯田証人 大体そういう場合には、総合に諮つてやる場合と、重役会議に一任というようなことがあることは御承知の通りであります。しかし今の話は芦田さんに贈つた記憶はありません。
#496
○中野(四)委員 それではあなたの会社で、今までに重役でやめられた方がありますか。
#497
○飯田証人 それはあります。
#498
○中野(四)委員 あつた場合に一文もやらなかつた例はありますか。
#499
○飯田証人 それは適当にいくらか贈つておるのでしよう。
#500
○中野(四)委員 芦田君だけやらなかつてたのですか。
#501
○飯田証人 あるいはそうかもしれません。全部の記憶がありませんからわかりません。
#502
○中野(四)委員 これは大事なことですよ。あなたのおつしやられることを聽いておる側は作常に不審に思う。特に芦田君に働きがなかつたからやらなかつたということは、天下の総理大臣になられるような人物に対して、あなたの人会社の重役をやめる際、一文も慰労金をやらなかつたというのは、懲罰の意味でやらなかつたのですか。あるいは他に含むところがあつてやらなかつたのですか。
#503
○飯田証人 働きがなかつたという言葉は、この際失礼ですから取消さしていただきますが、実際はそういう場合はわれわれの方では現存重役一任ということにしております。どうも私はあまり贈つてないように思つておつたのですが、なお一應調べてみます。
#504
○中野(四)委員 どうも証人があいまいなことを言つておられるので、まことに迷惑ですが、それ以上深入りいたしません。しかし現在政界で活躍しておられる方ですから、とかく疑惑を拂拭する意味においても、明確にされた方がいい。この際監督役をやめる際に金一封を贈つたというのが当然のことであつて、不思議でない。それをやらぬというところにかえつて不思議が起つてくる。
#505
○飯田証人 ごもつともですが、私は重役一任になつたけれども、贈つた記憶がないから、ないと申し上げたのです。それ以上他意はありません。なお確めた上でお手もとまで報告いたします。
#506
○徳田委員 証人の勤めておられる会社の性貸についてお尋ねいたしたいと思いま4。この鉄道工業株式会社というのはどういう仕事をし、どういう事業を経営しておるのですか。
#507
○飯田証人 土木建築請負業です。
#508
○徳田委員 特別鉄道だけの工事を請負うというのではありませんか。
#509
○飯田証人 今日ではそういうことはありません。一般土木建築請負業です。
#510
○徳田委員 それではお尋ねいたしますが、鉄道の工事請負には、会とかデロツクみたいものがあるはずですが、それにおはいりになつていますか。
#511
○飯田証人 私どもの会社、大体において大きな業者は何と申しますか、別に今は会員と申しておりませんが、運輸省の指定請負業者と称して、その一員になつおります。
#512
○徳田委員 それには協会とか、会とかいうものはありませんか。
#513
○飯田証人 以前にはありましたが、今は鉄道に関する協会はありません。
#514
○徳田委員 菅原さんはその方の会長という意味ではありませんか。
#515
○飯田証人 現在はそういうことはありません。
#516
○徳田委員 以前は……。
#517
○飯田証人 以前もそういうことはありません。
#518
○徳田委員 それではその指定請負業者以外は、工事を請負うことはできませんか。
#519
○飯田証人 請負業者にもいろいろ種類がありまして、本省指定業者、局指定請負業者とわかれております。しかしわれわれは本省請負業者なるがゆえに、必ずしも地方の局請負ができないというようなことはありません。
#520
○徳田委員 指定請負業者以外の者がそこへ割込んでいくことがありますか。
#521
○飯田証人 それはその局、その局の指定請負業者で、請負工事を処理していつていると思つております。
#522
○徳田委員 指定請負外の人が割込んでいくことはありませんか。
#523
○飯田証人 それはないでしよう。
#524
○徳田委員 そういう割込むようなことがあれば異例ですか。
#525
○飯田証人 それは運輸省でたれそれたれそれと指名します。
#526
○中野(四)委員 ところが先ほど金を集めた中で、大成建設が叔わられたとおつしやいました。その断わられる理由はどういうわけでしたか。
#527
○飯田証人 それは特別経理会社なるがゆえに断らわれました。
#528
○中野(四)委員 どういうふうなことで……。
#529
○飯田証人 特別経理会社だからといつて……。
#530
○中野(四)委員 それからその次にもう一つ伺いたいのはあなたが各党に分割してやつておられますね、これは分割せずに一ぺんにやつたらどうですか。
#531
○飯田証人 私もそういうぐあいに手数をかけることはいやなのですけれども、金というものはそう簡單に集まるものではありません。それからまた諸公は御体驗でしようが、選挙には金が要るから、集まるまでちよつと待つてくれということはできないのではないかと思います。
#532
○中野(四)委員 あなたのお言葉ではあるが、竹中さんが人を木挽町の竹葉にお集めになつたのは三月です。あなたが最後の金を出されたのは四月ですね。してみるとわずか一箇月間くらいなものです。ばらばら出さなければならぬほど窮迫した状態にあつたのですか。そんなにばらばらやらなければならぬような目的があつたのですか。あなたは選挙の應援をするためにやつたのではないのでしよう。政党の発達を希つて援助するという献金である。してみれば援助という観点に立てば一ぺんにやるので当然ではないか。
#533
○飯田証人 私は人の金をもらつて自分で眺めているというのは愚だと思います。もらつたらさつさと配つてしまうことが安心だと思います。
#534
○中野(四)委員 これはおかしいことを承るものです。あなたが竹中から言いつけられて、一箇月くらいの間に來たものを毎日々々持つて行つてやるのですか。
#535
○飯田証人 そうです。
#536
○中野(四)委員 それほどあなたは親切なのですか。
#537
○飯田証人 そうです、私は親切です。その点は率直に申し上げますが。
#538
○中野(四)委員 そうするとあなたは集まつたたびに持つて行くのですね。今後も集まれば持つて行きますか。
#539
○飯田証人 今後も頼まれればやるかもしれませんけれども、自分から進んで買つて出ることはいたしません。
#540
○中野(四)委員 親切が過ぎるとあくどくなるおそれがある。世間の常識ではわずか十五日か二十日のものはためておいておやりになれば結構である。
#541
○飯田証人 誤解されるということは私の不徳と考えますが、人から預かつたものを手もとに持つておるのは愚だと思いまして、早速お届けいたしましたので他意はございません。御承知願います。
#542
○武藤委員長 ほかにありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#543
○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さんでした。
    ―――――――――――――
#544
○武藤委員長 藤田さんに伺いますが、あなたの会社に深井斌という人がおりますか。
#545
○藤田証人 おります。
#546
○武藤委員長 これはどういう役目ですか。
#547
○藤田証人 藤田組の專務取締役です。
#548
○武藤委員長 この人が社会党の方へ少し金を寄附してもらいたいというような話を、昨年の総選挙の前にあなたの代りとして竹中藤右衞門氏の所へ言いに行つたようなことを御存じありませんか。
#549
○藤田証人 その点については前後のいきさつがありますから、それをお話したいと思います。
 一昨年の九月三十日前後三日間にわたりまして、社会党の第二回党大会がありました。私はその党大会の少し前に社会党に入党しました。大会において会計の細野代議士から会計報告がありまして、当時日本社会党は御承知の百万円基金カンパをやつておりまして、その成績が非常に惡いという報告がありました。百万円基金カンパでわずかに石万円、十万円以下の金しか集まつてないから、党員は党の基金カンパに積極的に協力されたいとの希望があつたのであります。大会が終了しましてから西尾書記長並びに会計の細野君から私に対しまして、書記長からは應分の寄附を党にしてもらいたいという申出がありました。会計の細野君からは、君は大口でひとつ頼みたい、かような依頼が再三あつたように記憶しております。しかし私はこれらの希望に対しては、積極的に党のために金を集めるという氣持には当時ならなかつたのであります。それよりか党内の事情を研究することに急でありました。明けて昨年の一月ごろだつたと記憶しますが、社会党の政務調査会の幹部会がありました当時、教授グループの中から大内兵衞氏や大河内一男氏その他を党の政調会の顧問として推戴する、その懇談会があつたことを記憶しております。私ももちろんその会に出席いたしました。当時社会党の直面しておりましたことは、私自身が痛切に感じたのでありまするが、政務調査会の機構を拡充して、積極的に政策の立案、その実施に対して責任のある政策を立てなければならぬ、これがためには政調の機構を積極的に充実しなければならないと考えたのであります。そこで私自身がこの時において初めて、前から再三依頼されておりました党基金カンパに対し、漠然と社会党に寄附するのではなくして、社会党の政調会を強化しなければならぬと考えまして、積極的に活動することを自分自身で決意をしたのであります。そこで私の側近の藤田組の專務取締役である深井斌君を呼びまして、党は今百万円の基金カンパをやつておるが、成績が非常に惡い。自分が考えるには党一般よりもむしろこの際政調を積極的に強化したいと思うが、自分は政調会の幹部の一人としてこれをやらなければならぬと思うから何分ひとつ考えてくれ、この深井斌君は各方面に非常に知己が多くて、非常に交際の廣い男でありました。これに頼んだのであります。深井君は私の申出に対しまして、それはひとつ本氣になつて考えよう、そうして五十万円もあつたらいいだろうかという話がありました。五十万円あれば結構である、それだけ集められるか、しばらく自分に考えさしてもらいたいという返事があつたのであります。ただいま委員長の御質問は、この深井を通じて竹中氏に社会党に金を出してもらいたいと言つた事実があるかと言われましたが、そのことはこの間の事実を意味するものでありまして、深井君がその後、私に五十万集めると約束をいたしまして、訪ねたところは、あとで結果的にわかつたのでありますが、竹中藤右衞門氏を訪ねたもののごとくであります。そうして当時一月から二月の交りであつたと思いますが、だんだん政情が緊迫しまして、総選挙、議会解散になりました。私は当時廣島に帰つて、選挙戰を鬪つておる際に、四月の中旬であつたと思いますが、深井君から、かねてお話の件は約束を果したから安心を願いたいという信書が参りました。総選挙を終つて東京へ帰りまして、私が知りましたことは、五十万円を西尾書記長が四月の十一日に受取つたということであります。これは私の当初からの考え方としましては、政務調査会の拡充に充てるべきものとして自分は考えておつた。結果は調査会に対し十万円だけがまわつてきた。これは後に森戸氏が文部大臣にはいり、鈴木茂三郎氏が政務調査会長になつた際には、たしか三万円ぐらいの引継ぎが行われたはずであります。かような、一昨年の暮から昨年の総選挙後のいきさつの間において、深井君は私は旨を受けて、今のような情勢のもとに活動したものと考えております。
#550
○武藤委員長 そうしますと、五十万円という金は竹中藤右衞門氏個人がお出しになつたのですか。
#551
○藤田証人 その点につきましては、竹中藤右衞門氏を訪ねましたのは、当時土建統制会の理事長であつたのでありまして、深井君はもちろん個人的なつきあいはありますけれども、從つて最初深井君の氣持では、竹中個人を訪ねたかもしれませんが、とにかく金が出ましたのは、総選挙にあたつて土建業界から各党へ金を出す、それにちようどぶつかつたわけであります。統制会の理事長としての立場で動かれたものと考えております。
#552
○武藤委員長 そうしますと竹中個人ではなくて、日本建設工業会、すなわち土建業者の集りのおもだつた者が、選挙を前にして金を集めて、これを各党に献金をするということの一つとして、この五十万円の献金が行われたのであろうと思う、こういう趣旨でございますか。
#553
○藤田証人 さようであります。
#554
○武藤委員長 それから、先ほど社会党というものと政務調査会というものを、わけてお話になつたようなお言葉でありましたけれども、やはり社会党政務調査会でありまして、政務調査会もまた社会党の一機関であるという御趣旨でありますか。
#555
○藤田証人 その点につきましては、もちろんこれは党費となるべきものであつて、政務調査会が社会党とは別個にという考えではありません。ただ党費として出したものが、希望としては政務調査会の拡充に使わるべきものである、私がかような認識のもとに政調強化のために委頼をしたという事実から、政務調査会にという希望を出したのであります。しかしあくまでも党の中の一機関に対する金を集めるという点については、もちろんさように考えておりました。
#556
○武藤委員長 考えておりません……
#557
○藤田証人 おりました。つまり政務調査会は――はなはだ御質問がはつきりしないのでありますが、もちろんこれは社会党に対する献金ではあるが、しかしそれは社会党内の政務調査会という機関に使つてもらいたい、かような意思から活動したものにほかならないのであります。
#558
○武藤委員長 そうするとやはり社会党に献金をする、しかし希望としては政務調査会の拡充に使つてもらいたい、そういう趣旨でありますね。
#559
○藤田証人 そうです。
#560
○武藤委員長 先ほど何か森戸会長に十万円、鈴木会長にうち三万円を引継がれたというようなことをおつしやいましたけれども、それはどういう趣旨でございますか。
#561
○藤田証人 これは先ほど申しましたことく、五十万渡つた中で、十万が政務調査会にまわつたということであります、これは政務調査会に十万円來たということは、後に政務調査会長の引継ぎがあります際に、それがやはり残つて引継がれておつたという事実を、記憶をたどつて申し上げただけであります。
#562
○武藤委員長 そうしますと、あなたすれば、五十万円の金は社会党の党費として、党に入金したものと考えておられたわけですか。
#563
○藤田証人 さようです。これはもちろん党に寄附したものである、かように考えております。
#564
○武藤委員長 西尾氏個人ではありませんか。
#565
○藤田証人 ありません。
#566
○武藤委員長 西尾氏が直接飯田という人から受取つておられるようでありますけれども、その金をいかように使われたかということについて、あなたはお聽きになつておることがありますか。
#567
○藤田証人 それは五十万円のうちで、十万は政務調査会にまわしたということだけは聞いております。そのほかの金額がいかように使われておるかは存じません。
#568
○武藤委員長 どなたから十万円のことはお聽きになりましたか。
#569
○藤田証人 これは政務調査会において、当時ポピユーラーな問題でありましたが、政務調査会の森戸氏自身もこのことは確認しておりました。政務調査会の幹部は大体これは承知しておつたのであります。
#570
○武藤委員長 その後西尾氏なり、あるいはさつきお話の細野会計なぞにお会いになつたであろうと思いますが、その際に、先般お話の党資金の問題はかようにいたしておきましたというようなお話をなさつたことはございませんか。
#571
○藤田証人 それはありません。ただ細野君が、これは大分後で、昨年の秋ごろだと思いましたが、党への寄附を再び社会党の控室で要求されたことがあると思います。そのときに、自分のはもう済んでおるはずだというぐあいに細野君に言いました。ところが、あれは別口で、党のそれには載つてないんだというような、これは二人の雜談でありますが、そういう話がありました。これ以上には別に、こうこうこういうようにしたということは話しておりません。
#572
○武藤委員長 あれは別口だというお話があつたときには、すでにこの献金が行われて、西尾氏が受取つておらるることを細野氏は知つておられたんでしようね。あなたからしさいにお話をなさつて、それは別ではないかというお話ですが、当時もう知つておりましたか。
#573
○藤田証人 つまり当時例の五十万円献金問題で、「眞相」その他のジヤーナリストが盛んに取上げたあとでありまして、一應細野君は事件の眞相を知つておつたかどうかは私よく承知しませんが、常識的にはそういう問題があつたということはジヤーナリズムの上では明らかになつておつたはずであります。
#574
○武藤委員長 そうしますと、あれは別だと言われたのは、今あなたの言われたジヤーナリズムの上で傳え聞いた話に基いてそういうふうなお言葉があつたと思われますか。
#575
○藤田証人 そうだろうと思います。
#576
○武藤委員長 すでに西野氏からお話があつて、それからそのことに基いて今のようなお話が細野君からあつたのですか。
#577
○藤田証人 それは知りません。西尾氏と細野氏との間の関係は私には全然わかりません。
#578
○武藤委員長 党費にこれが入金しておらないことについて、選挙が済んでからあなたは不審を抱かれることはありませんでしたか。
#579
○藤田証人 党費にそれが大体はいつておるかどうかということは私自身がよくわからなかつたのでありまして、常識としてはもちろん党費にはいつておると最近まで考えておつたのです。その中で十万は政調にまわした。その他の金が一体どこにいつたかということはわかりませんが、これはもちろん党費にはいつたものであると了解しておりました。
#580
○武藤委員長 巷間傳えるところによりますと、あなたがお使いをして竹中工務店から西尾氏に対して五十万円ずつ二回にわたつて合計百万円の政治献金をしておるということでありますが、さようなことはないのですか。
#581
○藤田証人 さような事実は全然ありません。
#582
○武藤委員長 それに類似のこともありませんか。
#583
○藤田証人 ありません。
#584
○武藤委員長 別の問題で、菅原通済氏と芦田均氏との関係を御存じですか。
#585
○藤田証人 これは私は詳しいことは何も知りません。
#586
○武藤委員長 何かお聽きになることがございますか。
#587
○石田(博)委員 ちよつと二、三点伺いたい。当時の西尾書記長はその金があなたの努力によつてできたということを知つておりましたか。
#588
○藤田証人 御質問ですが、私の受けた印象としては、そうでない、つまりこの金は、そうでない、藤田がそういう政調べの寄附を別に基金カンパの一翼としてしなくても、当然各党に了解が得らるべき運命にあつたものだというふうに理解されておるのじやないかと思つております。これはしかし、彼の心証を確認すべき方法はありません。しかしさように私は考えております。
#589
○石田(博)委員 その金の性質は、今度はあなた自身は、あなたが今の深井斌氏ですかにお話にならなければ出なかつた種類の金であるとお思いですか。それとも当然、あなたのお口添えがなくても各党にも出ておつたのですから社会党にも割当てられたものとお考えか、あなたはどうお考えになりますか。
#590
○藤田証人 その点につきましては実は出す方の了解――出し方が、どういうふうに出したかということはここの委員会で先日來やつております。それを読んでおりますと、これは政党の健全なる発達を希つておるというようなことで、私が話さなくとも当然出るべきものではなかつたか、かように考えております。
#591
○石田(博)委員 今一点お伺いしたいのですが、そうすると西尾氏からあとであなたには格別その点については挨拶はなかつたわけですか。
#592
○藤田証人 とり立てて挨拶という挨拶はありません。ただあの政調に十万円まわしたということは、党の本部かどつかで聞いたような記憶もありますが、しかし別にあらためて礼というような形は何もありません。
#593
○石田(博)委員 いま一点お伺いしたいのですが、残余の四十万円の使途について御不審にお感じになつたことはございませんか。
#594
○藤田証人 これは実は今もつてわからないのでありまして、その不審といつても大体党費にはいつておる、かように考えておるだけであります。これは私としては不審と言えば不審ですが、しかしどういうぐあいに使われるかは党の中央執行委員会できめらるべきことであろうと考えて、別に穿鑿いたしておりません。
#595
○石田(博)委員 政治資金を記載して報告しなければならないという法律がございます。そうするとその金が細野君の話によつて党費に記載されていないかも知れないというような疑いが生じてまいつたのであります。そうすると少くともあなたがお使いに深井氏を出しておられて、金を納付させたことになりますと、それが記憶漏れになつておつたり、あるいは使途が明らかになつておらないと、寄附をされた人にも迷惑をかける事態が起らないとも限らない。そこでその点について記載されておるかどうかということは、今となつてはあなたはそれは自分の関知しない話だからとお考えになつておるかも知れませんが、その当時としては少くともその金の斡旋には御努力なされたと御自分でお思いになつた以上、記載されておつたかどうかという点についてお調べになるなりお質になるなりしたことはありませんでしたか。
#596
○藤田証人 それはありません。ただ細野君とのさつきの雜談のような話で、あれは党費に計上されてない。これは私が昨年の秋だつたと思いますが、それまでは実は当然計上されておると考えておりました。細野君がそういうようなことをちよつと漏らしたことが、それはおかしいなというようなことで、まあしかし会計のことはそつちだから、うまくやつてくれという程度で、別に穿鑿したことはありません。
#597
○石田(博)委員 結構です。
#598
○高橋(英)委員 今の五十万円は、藤田さんが斡旋しなくても当然出るものであつたにしても、たれか仲介をしなければならなかつたと思うのですが、たれかほかに仲介をした者があると西尾さんは信じておるのですか。
#599
○藤田証人 それは私にはよくわかりません。
#600
○高橋(英)委員 そうするとやはりあなたが斡旋したということだけは知つておるわけでしよう。
#601
○藤田証人 それも私にはよくわかりません。
#602
○高橋(英)委員 今の十万円政調べまわつたというこの十万円の金が五十万円の金の一部であるということは、どういう関係でわかりますか。
#603
○藤田証人 これは五十万円西尾氏に四月十一日に渡したということは報告を受けた。その中で十万円が政調にまわつたということもわかつたおるわけであります。これは政務調査会で西尾書記長からもらつたということがはつきりしておるわけです。私の直面した事実はそれだけであります。
#604
○高橋(英)委員 その十万円を政調が西尾書記長からもらつたということはわかつておるし、五十万円土建業者から西尾書記長がもらつておる事実もわかつておるのですが、その十万円が五十万円のうちだということがはつきりわからないのですが、大体想像がつきますが、どなたからそれが五十万円の一部だというこうことをお聞きになつつたか。
#605
○藤田証人 それは確かにこの一部だということは別に確認しておりません。ただ時間的に見て西尾書記長が五十万円もつていつた。そうしてわれわれの方では――と言いますのは深井君が最後までこれは政調に対してやつてもらいたいという意向でおつたのであります。それがなければ十万円政調に行くわけはない、かように考えておつたのであります。
#606
○高橋(英)委員 それからその五十万円のほかに、あと五十万円來るように話をしておつたのではないですか。そういう話が成立しておつたのではないですか。
#607
○藤田証人 いや、それは全然私は知りません。
#608
○高橋(英)委員 先ほど竹中氏の言葉の上にも大体四百万円くらい集めて、三百万円のほかは百万円ほど社会党に上げるつもりだつたというようなことをちよつと言つておりまするが、それと傳えられるところでは、あなたの斡旋による五十万円二度という説と相符合するような点があるが、あとから五十万円行つたか行かぬかは別問題として、五十万円の話があつた、今計百万円の話があつたのじやないですか。
#609
○藤田証人 それは私は知りません。
#610
○高橋(英)委員 深井君も知りますまいね。
#611
○藤田証人 知りません。
#612
○石田(一)委員 ちよつと藤田君にお尋ねしますが、あなたはこの問題がこの委員会で取上げられた当時、同僚議員かだれかに、自分自身竹中の方から五十万円ずつ二度にわたつて、西尾書記長におれが渡したのだから、もしこれが委員会の問題になれば、自分で証人に立つて出て、これを証言するというようなことをだれかにお話しになつたことがありますか。
#613
○藤田証人 さような事実はありません。ただそれに関連して申し上げておきたいことは、実は昨年のいわゆる怪文書以來非常にこの問題についてはいろいろ被害をこうむつております。委員会が開かれ、証人に喚問されるということが明らかになつて以來、ジヤーナリストあるいは個人的にいろいろな人が聽きに参りました。これはしかし委員会において宣誓をしてやるべきことであるから、一切その内容は言わない、委員会の席上において眞相を発表するというわけで、その眞相は今申し上げた通りであります。それ以外に今石田君のお話のようなことを私自身から人に言つた事実はありません。
#614
○石田(一)委員 私は決して前のことをとやかく言うのではありませんが、おそらく藤田代議士をこの委員会において召喚して証言を得るというその理由が、たしか高橋委員からここで申し述べられたように私は思うのですが、これは記憶違いかもしれません、あるいは理事会においてこういう話があつたのか、私は確かにこれを聞いております。こういう点に関して一應私は今証人に聽きましたが、委員長もぜひこの速記録をお調べになつて、そういう事実でお喚び出しになつたかどうか、これだけの証言を求めるならば、何も藤田代議士に來てもらつてここで証言をしてもらわなくても、もう少し詳しく今までの証言でわかつておる。一應私は委員長に要求しておきます。
#615
○高橋(英)委員 証人に質問することになつて、証人がまだ帰らぬうちに石田君はああ言いましたから、私は証人が帰られてから後に、石田君に対して釈明かたがた事実の眞相を申し上げたいと思います。
#616
○武藤委員長 証人にお聽きになることはございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#617
○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。
#618
○武藤委員長 それでは速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#619
○武藤委員長 速記を始めてください。中野西郎君。
#620
○中野(四)委員 私はこの際資料の提出を求めたいと思うことと、証人を喚問することを要求したいと思います。それは昭和二十二年三月、四月、五月の旧自由党、今の民主自由党、民主党、社会党、この三党に対する党資金、寄附金等の記録を取受せる必要があると思います。これは元の内務省であり、現在の総理廳管轄のものであると存じますが、これから取寄せていただきたいと思います。さらに証人の喚問を要求したいと思います。その理由は先ほど飯田清太氏あるいは竹中藤右衞門氏より発言のありましたように、その証言によれば、政党の正しい発展を期待して、これを党に寄附したものであるという観点に立つてその金を受取つた当時の事情、献金の使途に関して西尾君あるいは細野三千雄君、大野伴睦君、地崎宇三郎君の四君を喚問されて、証人として陳述を求められる必要があると思うのであります。どうかこの点をお諮りを願いたいと存じます。
#621
○武藤委員長 何か他に申出がございますか。
#622
○石田(一)委員 私はこの前の監理局長の長沼君をもう一度証人として喚問してもらいたい。なぜかと申しますと、長沼監理局長がここで証言したことが、他の証人によつてほとんど否定されておるような陳述がなされておるということであります。私は長沼監理局長が再び証人として喚問されることを要求します。
#623
○武藤委員長 他に申出はありませんる。
#624
○石田(博)委員 ただいま中野君から提言された問題は、全体において異議はありませんが、この場合党費として明らかに記載し届け出てあるものは、これは届出の範囲内においてその使途はすでに手続上、法規上明らかになつておるものであつて、手続がしていない、今の証言と党の届出の間に食違いがある場合に、その食違いがある党の支出責任者なり、受取つた当人をお喚びになればよいと思うのであります。
#625
○中野(四)委員 石田君の御発言ごもつともだと思うのです。この当事者であるいわゆる自由党の石田君は当時記載されておることがよくおわかりでありましようが、局外者であるわれわれは、はたして自由党かあるいは民主党がこれを党費として記載されておるかどうか明確でない。もしその煩を省くために、こういうことになつておるということを自発的に証明せられる何かがあれば結構だと思う。
#626
○石田(博)委員 そうなれば、ただいままで行われました土木関係業者の政党援助金の処置について、党費として記載し、正規の手続をとつておるということを証明する正式の書類を提出した党の責任者は喚ばない、食違いがある場合にはそれを喚ぶという建前をとられて、無用の証人を喚んで簡單なことを証言する必要はないのではないかと思います。
#627
○武藤委員長 中野君に伺いますが、先ほどの証人の喚問を要求せらたのは、各党の支出責任者ですか。
#628
○中野(四)委員 直接受取つた方ですね。たとえば西尾末廣さん、大野伴睦さん、地崎宇三郎さん、特に細野三千雄さんを要求しましたのは、藤田証人の陳述に基くものであつて、その中の十万円が実際には政調会へ行つておるが、あとの四十万円は載つていないというような不審を雜談の中に洩らされたという、この重要な事実に從つて、私は要求したものです。
#629
○武藤委員長 そうしますと、地崎さんのほかに民主党の会計なり、支出責任者なりは要らないのですか。
#630
○中野(四)委員 それはまだ何も聽いておりませんから、出しようがないのです。
#631
○徳田委員 支出責任者の方はこれは党費を全部集めて、その中でどれに使うかわかりませんから、そういうものは必要ないと思います。党費を届出るときは、たれが受取つたつてだれだれからやつたということは届けない。大野君が受取つたつて大野君の名前じやいけない。これはだれそれから寄附したということは千やんと書くことになつておると私は思う。だから地崎君なら地崎君の名前でやるべき性質のものではない。これは届出の帳薄を調べればそれではつきりするから、支出責任者の方はどうでもいい。問題にならぬ、受取つた人が問題である。
#632
○武藤委員長 書類はここにきておる。原本ではありませんけれども…。
#633
○梶川委員 今武藤委員長が持つているのは、もちろん写したものではありますが、それの正確度というものは、私前から見て相当な不審をもつとおるのです。なぜかというとこれは各支部なら支部から集計したもので、従つて途中の間においてどれだけの信用度があるかという問題もあり、それは一つの参考資料にはなりますけれどもそれのみに頼るということは相当危險性を伴うのではないかというふうに考えます。その資料を調査する場合には、理事会なりによつて整理するとかあるいは特別な委員を設けてやるとか、相当愼重な檢討を加えていただきたいということを希望いたします。
#634
○石田(博)委員 意外なことを承るもので、今議題になつております参建関係の政党援助金の取扱の問題について、それが受取つたという届出がしてあるかどうかということは、その書類の信憑力の有無にかかわらず明らかにわかる。それがここに議題になつているのであつて、その他の事項にどれだけの信憑力をもつかどうかということは、あらためて別の議題になすべきだと思う。ここに議題になつているものは、各政党で届出てあるかどうかということが問題である。それを調べるのに、その書類が最大の信憑力をもつている。
#635
○武藤委員長 申し上げます。これは先般取寄せまして、事務員に命じて写しをとつたものであります。原本ではありません。從つてあるいは間違いがないということも言えないのであります。從いましてやはり中野君の言われる原本を取寄せるとすれば、原本の方が間違いないと思います。
 それではこういうことをお諮りします。ほかに証人及び書類の取寄せ等について申出がなければ、ただいま申出のありましたものについて、昭和二十二年三、四、五月度の届けてあるところの自、進、民、社鬼党の資金届出の原簿を取寄せること、それから証人として西尾末廣、細野三千雄、地崎宇三朗、長沼管理局長、大野伴睦、この諸君を喚ぶことについて、この委員会でただちに可否を決しますか、それとも理事会に一任をしますか。
#636
○石田(博)委員 今の長沼を喚ぶ場合は別問題ですが、その他のこの金を受取つた関係者を喚ぶ場合においては、届出の正式書類を見て、ただいま証人の証言し合致する届出をしてある党のその受取者は、あらためて喚ぶ必要がない。その書類を出してあるということ自身が受取つたということを証明している。自分で認めているわけでありますから、その人をわざわざ喚じで、繰返してここで発言せしむる必要はないのであつて、食い違つているものだけをお喚びになればいいと思う。
#637
○高橋(英)委員 証人の喚問ということにつきましては、すでにこの提案をします前において、たくさんの証人の喚問を私は申請している。それからこの審理が進むに従つて必要な証人が出てきましたから、その必要な証人の申請も書面でやつております。それでたとえば長沼管理局長の喚問のごときは私は観迎する次第でありますけれども、この長沼局長を再喚問せられる前に、まず梅林組、社長とか梅林時雄代議士とか、最も関係の深い栗栖前大藏大臣とか、こういう方を一應喚ばれて、速記録を彼此対照してから、長沼局長を喚ぶのが順序だと思います。そういうような関係でこれはいろいろ複雜しているのでありますから、一應各自から持出したところの証人喚問については、理事会において整理統合せられて、順を追つてお喚びになるようにせられたらどうかと思います。
    〔「賛成」「理事園で整理する必要がある」と呼ぶ者あり〕
#638
○武藤委員長 ただいま申し上げましたことについてはほかにございませんか――そうしますと大野伴睦氏を除くことにしてはいかがですか。
  「そんな馬鹿なことはない」と呼び、その他発言する者多し〕
#639
○石田(一)委員 ちよつと私は申し上げます。この証人の問題に関しては今まで証人の喚問を要求されたときに、こういうことはこの委員会でなされてはいかぬ。少くともこの前の委員会で申し上げたように、理事会で決定して事務的にこれを喚問すべきだ。先だつての混乱に陷つたああした喚び出し方はいかぬ。あるいは確証があつたとか、中央公論にどうだというようなことを理由として、今までの証人は喚び出されたのであります。しかしながらこれに対して事実かどうかということはこれから判断するのでありますが、私はこれまでこういうことになるのを恐れてくれぐれも注意したにもかかわらず、今まで喚び出された証人は、この委員会でその理由を翌日の新聞に大々的に報道されたのであります。今後こういう形式でいくのならば、私はこの委員会で新聞に出たこと雜誌に報道されたことについてこの委員会において証人を喚ぶ権利を留保すると申し上げたが、その証人を喚ぶ権利を留保するということは、ここで証人を喚ぶという必要があつたならば、委員々々の権限によつて証人を喚問すればいい、もつとも否決されればそれまでですが……。
#640
○高橋(英)委員 今の石田君の言う間違つたことに対して一々應答するのはどうかと思いますが、本案は何もここで初めて提議して取上げられ、証人を喚ぶことになつたのじやない。理事会にこれを提出して理事会で取上げることに決定し、理事会において順序を追うて喚問するということになつて証人の喚問が決定されたので、絶対に石田君の言われたように、ここで初めて提案して証人の喚問を決定したのではない。その点について申し上げて事実の間違いを是正しておいていただきたい。
#641
○武藤委員長 暫時休憩いたします。
    午後五時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時二十分開議
#642
○武藤委員長 再開いたします。
 それでは二十二年三、四、五月の自由党民主党及び社会党の党費届出の記鉄の提出を求めることにいたします。なお証人として西尾末廣、細野三千雄、地崎宇三郎、大野伴睦、この四名を來る一日午後一時に当委員会に喚問いたすことにいたします。なお取寄せた記録を見まして、もし先ほど飯田清太氏からの入金が、飯田清太氏の言に一致するように記帳してあります場合には、その党の責任者はこれを取調べないことにいたします。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#643
○武藤委員長 さよう決定いたします。
 ではこれにて散会いたします。
    午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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