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1951/05/12 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第20号
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1951/05/12 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第20号

#1
第013回国会 運輸委員会 第20号
昭和二十七年五月十二日(月曜日)
   午後二時二十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月九日委員平井太郎君及び片岡文重
君辞任につき、その補欠として岡田信
次君及び齋武雄君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           岡田 信次君
           高田  寛君
           小泉 秀吉君
   委員
           植竹 春彦君
           一松 政二君
           齋  武雄君
          前之園喜一郎君
          深川榮左エ門君
  政府委員
   文部省大学学術
   局長      稻田 清助君
   運輸省海運局長 岡田 修一君
   運輸省国有鉄道
   部長      細田 吉藏君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       岡本 忠雄君
   常任委員会專門
   員       古谷 善亮君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○一般運輸事情に関する調査の件
 (神戸商船大学設置に関する件)
○木船運送法案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○理事(高田寛君) 只今より運輸委員会を開会いたします。先ず神戸商船大学設置に関する件を議題といたします。文部省から稻田大学学術局長が出席されましたので、本件に関して質疑のおありのかたはどうぞ御発言願います。
#3
○小泉秀吉君 神戸商船大学と言いますか、設置のことにつきまして、この間運輸省のそれに関連した事項について当局に伺いまして、特に運輸大臣からいろいろお話があつて、運輸省に関する限りは私の質問の程度では一応了承したわけなんですが、文部省の御当局の御意見を少し伺つてみたいと思いますが、第一に神戸商船大学を作るということは、これは議員提出であつて、先般最初の運輸大臣としての御意向を伺つたときもはつきりこの席で伺いましたのですが、文部省自体はこの法案が通れば当然この法律によつて学校教育の事業を実行し、又監督をなさるお立場にあるので、そういう意味から私は文部当局に御意見を伺いたいと特に思うのであります。そこで大体この学校を作るために政府は最初相当予算の裏付もないからできないんだというようなことであつて、その後予備金ですか、一億円を支出する、所要経費は私はちよつと数字を忘れましたが、文部当局のほうでははつきり予算をお立てになつたのでおわかりでしようけれども、その国庫から出る一億円のほかの相当大部分の金は地方経費等で御負担になるやに伺つておるのですけれども、御承知のように地方経費と言うても相当現在は財政的に余裕がなかなかないのじやないかとまあ私は拜察するのでありますけれども、若しそういうふうな予定した金が果して来ればこれは結構なんですけれども、来ないようなことがあり得るのじやないかということを私は懸念するのでありますが、そういう点に対して文部当局はどういうふうな御腹案でおられるか、一つこれをお伺いしたい。
 それからもう一つは清水の商船大学が、大学当局から公式には聞きませんが、いろいろな場合に見通しなどを伺うと、清水の商船大学それ自身の設備その他の面において、大学としては今の段階で十分だというふうには認めておらないように聞いておるのです。私より具体的にこうである、ああして欲しいということはここで申上げようとはしませんが、恐らく文部御当局も今の清水の商船大学の程度がいろんな設備その他において、教授陣容というような面からしても、なお且つ拡充する余地があるし、そういう御希望というか、御腹案もあるのじやないかと思うのですけれども、そういうふうな際にやはり清水よりももつと貧弱と言うては少し言葉が何ですけれども、そう十二分の施設ができかねるようなわけで、而も言い直すと中途半端のような商船教育の学校を二つも併立するというようなこと、そのことが、商船大学を設けて優秀な船員を輩出させるという御意向には誠に感服いたしますけれども、結果から言うてむしろ今の段階では二校にするよりも一校を十分拡充するほうが経費の面において、その他のさまざまな要素からむしろ賢明じやないかというような議論も相当あるし、これは過去において運輸省の当局もそういう御意見は持つておつたし、それから運輸省にある商船教育の何か委員会というようなところでもいろいろいきさつはありますけれども、神戸に商船大学を作るというふうなことにおいては、結局はどうなつたか知らぬけれども、相当反対の意見もその途中においてはあつたことは事実なんであります。勿論その委員会には文部当局からも委員として参画しておられることは承知しておりますが、こういう段階において議員提出で来たのですから、文部省はいたし方なく賛成をしたのか、文部省自身もまあいわば積極的に待つてましたというような意味であれを、衆議院は通つてあるのですけれども、協力して行くというか、その点に対する腹蔵のない御見解を承わりたいと思うのであります。
#4
○政府委員(稻田清助君) 只今の御質問の諸点でございまするが、最も第一に根本的な問題として、文部省自身この大学設置を希望していたかどうかという問題でございますが、これにつきましては文部省は二十七年度予算編成に際しまして、大蔵省に神戸商船大学に関します予算を要求いたしたのでございます。で、その前において運輸省当局ともお打合せをいたしましたし、又文部省の強い希望もありましたので、是非作りたいと思つて要求いたしましたけれども、国家財政の関係上遺憾ながら予算が認められなかつたのであります。その後において本年初頭の文部委員会の機会に文部省といたしましては予算が成立いたさなかつた状態でありますので、一年延ばすの止むなき旨を御説明申上げたのであります。その後において文部委員会を中心といたしまして更に熱心に御検討になり、且つ財務当局の同意も得ましたので、かたがたここに議員提出法案ということになつて参りました今日といたしましては、文部省はもとより明年度予算に計画いたしたことであり、これは結構なことであると考えたわけでございます。
 それから次に地方経費の負担についての御懸念についてでございます。これにつきましては、最初から兵庫県当局及び神戸市当局から非常に御熱心な御要望があり、財政負担も辞さないというお話がありました。昨年文部省自身予算要求をいたしておりますときに、神戸市及び兵庫県当局から書面を以て施設費の半額は確かに負担するというお話もあり、その後又本年に入りましてから、知事、市長、それから両地方議会の議長、御連名を以て施設費の半額は地方で負担するというお話がありました。私どもは如何なる財政計画で、或いは如何なる財源を得てということには立入る権能はございませんけれども、責任の御当局がこうして名を連ね、判をついてのお話でありますれば、その責任者を御信頼申上げて、それによつて将来の計画をいたしたいと考えております。
 それからなお清水の大学との関連についてのお話でございますが、もとより清水の大学につきましても、新らしい制度に移りましてから決してまだ十分理想的な内容充実という点ではないことは私どもも遺憾に思つております。ただここに船員教育のために、一定数の船員を要請するという上からいたしまして、それが相当な数になりました場合には、やはり教育的の見地から見ましても一つの大学にのみこれを集中して定員を厖大にいたしまするよりは、適当な大学を別に創設するということが教育的にも意義のあることだと考えております。更に清水の大学につきまして最も根本的な問題は、この建物その他の恒久施設であろうと思います。我々といたしましても、船員教育の重要性からでき得る限り速かに恒久的な施設をいたしたいとは考えておりまするけれども、ここに問題がありまして、清水の商船大学の当局その他のかたがたも越中島の旧校舎に帰りたいという御希望を強く持つております。越中島の校舎は今日警察予備隊が使用いたしておりまするけれども、やがて返還せられるであろうということを我々期待いたしております。それらの問題の帰趨を見まして、これらの恒久施設をいたしたいと思つております。清水の大学といい、新たに設立せられようとする神戸の大学といい、いずれも重要な船員教育の養成機関でございますから、文部省はこの上とも努力いたしまして、充実に努めたい考えでございます。
#5
○小泉秀吉君 更にもう数点お伺いしたいと思いますが、只今のお話ですと、文部御当局は、やはり二十七年度に清水の学校当局が募集人員を現在より殖やそうという意図でお願いをしておつたやに聞き及んでおりますが、これは御承認にならない、そうして今度深江に神戸大学ができて、そこで百二十名ですか募集するというような御腹案のように伺いましたが、結局それは二校を設立するという文部省の御方針で、むしろ二校を作ることが只今の商船船員の教育上、よりよいという御意向のように伺つておるのであります。これは大きいとか小さいとかいう問題は、どちらがいいというようなことを私が意見を述べてみても、要するにこの点は水掛論になるのじやないか。これ以上、文部当局が二校の設立を主張なさつて、そういうことに御同意があるということであれば結構であります。ただ清水の学校は勿論御承知のように元の海務学院が今現に存在しておる、それが来年度からですか、何か研究部みたいなものになるやに伺つておりますが、そうした海務学院的の教育、これは絶対必要だと私は思いますが、併しそういうものは、今の海務学院が使える分校としてありますが、ああいうものを神戸にもなお且つ設置しなければならんという御意向であるかどうか。私は、私見を以てすれば、その辺の程度のものはやはりどこか一カ所でやるほうがいいのだと思いますが、こういう点に対して文部御当局の御意見を伺いたい。
 それからもう一つは、神戸においては運輸省が従来やつておる海技專門学院ですか、いわゆる普通いう再教育というような教育になつておりますが、あの一つの校舎で運輸省の主管する海技專門学院があり、そうして本年度から文部省で主管する商船大学がこの法案が通れば設置される、こういうことになる。それがまあ何年続くのか知らないが、いわゆる再教育だから運輸省の主管でそういう同一校舎の中にあつちへやりくりする、こつちへやりくりして行くというようなふうにしなくても、むしろ商船大学を神戸に運輸省主管のものができるなら、そこでですね、将来はその再教育機関をも一元化してやるというほうが、いろいろな意味においてむしろ順当じやないかというように私は思うのですけれども、そういう点に対する文部御当局の只今の腹案と言いますか、将来に対するお見通し、そういう点をお聞きしたいと思います。
#6
○政府委員(稻田清助君) 最初に、先ほどの御質問についてお答えを落した点をお詫びしながら申上げたいと思います。船員教育審議会の意向はどうであつたかという点であつたようでありますが、私も委員として参加いたしておりますが、審議会におきましては、神戸の現在行われておる再教育の非常に重要なることを強調せられて、それは阻害してはならんというような御趣旨は非常に明らかであつたのでありますけれども、新たにこうした養成の大学を創設するという点においては、今までの御審議ではなかつたように記憶いたしております。
 それから次に海技專門学院のような施設を新たなる神戸商船大学に設置するつもりがあるかどうかというお尋ねでございます。この海技專門学院と申しますものは、申すまでもなく新らしい制度の大学、或いは大学に設けられる大学院と異りまして、これは一種特別な教育制度を存続しておる施設でございます。私どもといたしましては、これを大学院という形にいたすべきであるか、或いは大学院というものが現在の基準から申しますると、余りに学問研究に重点があり過ぎるという点から見まして、こういう船員教育というような問題に関する大学卒業後の教育はむしろ従来の海技專門学院として行なつたほうがいいか、これは目下研究中でございます。又従いまして、新らしい大学に今日こうした卒業者のための教育施設を置くという計画は今日のところ我々は持つていないのでございます。
 それから更に再教育を運輸省において継続して行かれる、大学は文部省で経営する、これを一にしたほうがいいか、或いは分けたほうがいいかという点でございます。私どもといたしましては、教育の一般論といたしましては、養成と再教育というものは同じ運営の下に置かるるのが適当だと考えております。併しながら先ほど申上げましたように、現在神戸で行われておりまする再教育は現在の船員養成の状況から見て非常に重大でもあり、又相当数も多い関係もあり、而も現に職務についておるいわゆる現職教育である点が多いので、そうした船舶とか或いは海員というようなものを所管せられまする運輸省においてお世話願うことが差当りの問題といたしましては、私どもも結構だと考えまして、これらの点につきましては、運輸省とお話合いを付けた次第でございます。
#7
○小泉秀吉君 さように一つお願いいたしますが、その前に先刻の稻田局長のお話では、海技專門学院というふうにおとりのようですが、ただ内容は私の質問と同じようですが名称が違うようで、局長の御発言は海技專門学院でなしに海務学院のことを仰せになつたことと私は了承いたしますが、その点多分局長もそうお思いだと存じますが。それからもう一つは、先刻お話のあつた元の東京高等商船学校の校舎、即ち越中島のあの校舎は只今予備隊が入つておるというお話でありますけれども、あれは最初は進駐軍に接收されておつたのを進駐軍の接收のままで予備隊が入つておつたのだと私は了承しておりますが、あれはお隣りの水産学校と同じように、もうすでに進駐軍のほうからは日本政府に返還されたものかどうか、その点一応お伺いいたします。
#8
○政府委員(稻田清助君) 最初に、私さつき言い間違えましたが、越中島にあるものは海務学院でありまして、神戸の運輸省所管の再教育は海技專門学校、その点を謹んで訂正いたします。
 それから越中島の問題でございますが、お話の通りでございまして、軍が使用いたしておりまする間に進駐軍に接収されたのでございます。その後警察予備隊に使用せしむるという條件の下に国のほうに解除になつたわけでございます。これにつきましては、更に予備隊当局も十分協力という問題をお考えになりまして、今警察予備隊移転という問題につきまして、いろいろ御考慮中と承わつております。
#9
○小泉秀吉君 そうすると、今は警察予備隊が入つておることは確実なんだが、警察予備隊の管轄に文部省の敷地並びに建物はなつておるので、進駐軍のほうの手は離れて日本政府に還つておるのかどうかという点をもう一遍お伺いいたします。
#10
○政府委員(稻田清助君) 日本政府の手に還つております。ただ還すときに警察予備隊に使用せしむるという條件を以て還されたのであります。
#11
○小泉秀吉君 そうしますと、警察予備隊が移転をするというときになれば、水産学校の敷地並びに建物も、高等商船学校の敷地並びに建物も殆んど同様に使用されておるので、半分だけ持つて行く、半分だけ置いて行くということはあり得ないと思いますが、その点は両方の敷地並びに建物は同時に空く時分には空く、塞がる時分には塞がるというようなことになるのかどうか、差支えないかということが一つ。それから水産学校はすでに文部当局並びに関係のかたがたも、今おるところが殆んど完全なる教育に耐えないというようなことは各関係者が全部お認めになつているというようなところであるので、それを警察予備隊でもできるだけ至急に還したいという意向が明確になつている、というようなことを伺つておるのですけれども、商船大学の分校の敷地である、いわゆる元の高等商船学校に属しておつた全部のものもやはりこれはいろいろの意味において水産学校と同じような教育上又教育行政上重要な施設で、一日も早く文部当局のほうに回收すべきだと私は思つておるのであります。そういう点に対する文部省の御熱意並びに今までの経過等に対して、及び将来の見通しに対する文部当局としての御意向を伺いたいと思います。
#12
○政府委員(稻田清助君) 越中島の敷地についてでございまするが、予備隊の使用状況を申しますれば、一部分は予備隊の本部が入つておつて、一部分が予備隊の総隊が入つて、使用の状態は異なつておるのでございますけれども、文部省といたしましては、いずれも学校が使用していた所であるので、一刻も早く学校の使用に返して頂きたいという点を以て両方について予備隊にお願いしております。予備隊関係におきましても、両方が入り得る土地建物を目下研究考慮中であるように承わつております。
#13
○理事(高田寛君) ほかに本件に関する御質問はございませんか……それでは御質問はこれでないと認めます。
  ―――――――――――――
#14
○理事(高田寛君) 次に、木船運送法案を議題といたします。御質疑に先だつて便宜專門員から審議の資料について御報告を申上げます。
#15
○專門員(岡本忠雄君) この法案御審議に関しまして、詳細なる資料を突け求めておつたのでございます。ところが只今参りましたのですが、印刷してお配りする時間がございませんので、本日の御審議に当りまして、この資料の結論的な点を申上げまして御参考にして頂きたいと思います。
 第一に、この機帆船組合の組織でございますが、機帆船組合は中小企業等協同組合法によりまして、各海運局の管内を大体單位としまして地方組織があります。例えば関東地方機帆船組合連合会というがごときものが十分あるわけでございます。その十が更に連合いたしまして、これは組合法によるものでありませんけれども、全国機帆船組合総連合会というものを作りまして、全国組織になつております。それから地方におきましては、各地区に地区組織があります。それは例えば関東地方では五つあり、東海、北陸地方では七つあるというように、地方によつてまちまちになつております。
 第二には、海運局別木船電送事業者の業態でありますが、業態の統計でありますが、この法律案を見ますと、運航と回漕と貸渡とこの三つの業者を含んでおるわけでありますが、このそれぞれにつきまして数を申上げますと、運航業者は全国で一万三千九百七十でございます。それから回漕業者は三千七百八十でございます。それから貸渡業者は三千百三十あります。この法律の適用を受けるものは合計で一万九千八百八十ということになつております。次にこれらの組合が個人か法人かという業態別の区別を申上げますと、個人のものが一万八千五百十二でありまして、九三・二%を占めております。それから法人が千三百六十八で六・八%を占めております。
 それから機帆船の運賃同盟につきまして申上げます。この運賃同盟につきましては、大きなのは西日本地方の機帆船運賃同盟であります。加入者数は百四十二社あります。それから新潟地区に同じ運賃同盟がありますが、これは僅かに三社であります。従いまして問題は西日本に集中しているわけであります。
 それから機帆船の船腹について申上げます。船腹につきましては、昭和十年以来の統計をとつて見ますと、漸次増加いたしまして、昭和二十七年、今年の一月に一万九千四百二隻ありまして、総トン数は六十八万四千八十六トンございます。これは機帆船であります。それから沿岸タンク船は、これもやや増加いたしまして、二十一年の四月に比べますと、今年の一月には七百二十三隻、総トン数四万一千三百五十八トンでございます。
 次に木船の建造実績を調べて見ますと、昭和二十年度から昨年まで、二十六年まで調べて見ますと、竣工隻数が大体二百乃至三百であります。二十六年は二百五隻になつておりますが、二百乃至三百隻が毎年新造されております。トン数で申上げますと、一万トンから大体最高五万トンであります。二十年以来の合計は千五百三十二隻で十五万三千百二トン、これだけが新造されました。
 次に一般機帆船の輸送実績を申上げます。これは昭和二十一年度、年度別で申上げますと、千二百三十万トンであつたものが漸次増加いたしまして、二十五年度におきましては二千九百万トンであります。二十六年度はまだ全部わかつておりませんが、戦前の三千五百万トン乃至三千八百万トンに比較しますと、まだまだその実績は及んでおりません。
 それから次に木船国家使用と貨物運、賃の推移について申上げます。昭和二十三年の六月、これは航路別、貨物別運賃の設定がされたのでありますが、若松阪神間の石炭をとつてみますと、昭和二十三年六月には千百二十五円でありました、それが今年の四月におきましては、一月もそうでありますが、今年は六百六十円であります。それから室蘭・八戸間これも石炭でありますが、それを見ますと、昭和二十三年の六月に千三百十五円であつたものが今年四月は五百五十円であります。従いましてパーセンテージで申上げますと、若松阪神間は二十三年の六月の航路別運賃の設定当時に比較しまして、五九%に当り、室蘭八戸間は四一%に当つております。かように低く抑えられております。
 以上資料の結論を申上げまして、御参考にして頂きたいと思います。
#16
○理事(高田寛君) それでは御質疑のおありのかたは順次御質疑を願います。
#17
○前之園喜一郎君 今の資料を一つ印刷について御配付願いたいと思います。
#18
○專門員(岡本忠雄君) 後でこれは全部詳細に、御参考に差上げます。
#19
○岡田信次君 この木船運送法案で標準運賃制度というのが今度できておりますね、陸上の自動車その他のあれは大体確定運賃制になつているんですが、どうも標準運賃制だと大体告知をして、それを参考にするというようなことにしかならないのですが、もう少し何というか、強力な方法はとれなかつたのですか、その点伺いたいと思います。
#20
○政府委員(岡田修一君) この法案作成に当りまして今御質問のような確定運賃制をとるのが適当でないかという議論が出たわけでございますけれども、只今御議論のありましたように、木船企業というものは非常に弱体企業でありまして、果して確定運賃制度を実施しても、それが実行せられるかどうか、徒らに違反を摘発する煩を繰返すだけになるのではないか、それよりも木船業者に一定の運賃の基準を示して、何が自分たちの受取るべき適正運賃であるかというところを知らしめることによつて運賃の安定を図つて行く、更にそれだけでは運賃の安定の効果がありませんので、その標準運賃を基準にして、余りにひどい運賃ダンピングがある場合にはそれの是正を勧告することができる。勧告して応じない場合に営業の停止その他の措置をとることによつて、運賃の安定を確保するようにしたい。こういうのが業者の実績から見まして、より適切であろうというふうに考えまして、一見微温ではございまするが、かような措置をとつたわけでございます。
#21
○岡田信次君 先ほど專門員の説明によると、九〇%ぐらいが個人経営だとかいうことですが、そうしますと、今度この法律によつて登録制度が布かれて、運航業者一万三千九百ばかりのうち九〇%ぐらいが……、これだとやはり一万以上になると思いますが、非常な煩瑣なことになるのですが、先ほどお話のあつた組合が各地区別にあるというなら、組合を対象として、これを登録するというような簡便な方法はないのですか。
#22
○政府委員(岡田修一君) この組合に強制的に登録するというような制度をとることが、果して今日のまあ一般他の経済政策から見て適当であるかどうかというふうな考えが持たれるわけでございます。で、このような微弱でありまするけれども、非常に重要なる運送事業であり、且つ貴重な貨財を扱つて運送しておりまする事業に対しまして、その事業に対しまして、その事業の何といいますか、事業者であるということを明確にするような措置が必要であるのではないかと、かように考えておるのでございます。陸上で言いますると、この木船運送業に相当する貨物運送事業が免許制にまでされておる事態から考えますると、むしろ登録制のごときものは軽きに失するのじやないかと、かように考えるのでございますが、併しこれ又免許制まで進むことは木船事業の実態に沿わないというので、登録制度にとどめたわけでございます。それからもう一つ、かような登録制度を今新たに取上げました趣旨は、木船事業の実態というものが全くわからない。先ず第一に木船事業を営んでおるかどうかということの確認すら困難である。従つて木船事業全体の状態がどういうことに相成つておるかということもわからない。そういう非常に原始的な事業であり、その実態のわからないものでありまするがために、木船事業に対する諸般の施策というものが全く講じられていないという現状でございまして、今後この木船事業の重要性に応じた各般の施策を実施いたしますがためには、木船事業を事業としての実態を明かにし、且つ権威ずけるべき措置が必要であろう、かように考えまして、登録制をとることにいたしたのであります。
#23
○岡田信次君 もう一点この標準運賃料ですか、これを何と申しますか、船のほうだけの原価計算その他から出しますと、鉄道なり或いは自動車のほうとの関係がきまらないと、徒らに標準運賃を出しても、鉄道に行つちやうとか、自動車に行つちやうとか、全体の混乱を来たすと思うのですが、その辺に対しては今度の標準運賃制をとられる場合に考慮されるわけですか。
#24
○政府委員(岡田修一君) 標準運賃をきめます際には、勿論その船のいわゆる運賃原価というものが基本に相成りまするが、それと同時に、競争関係にある陸上機関の運賃がどういうものであるかということを参酌しなければならないと、かように考えておる次第でございます。
#25
○岡田信次君 一つ岡本專門員のさつきの説明でお伺いしたいのですが、私の聞き違いかも知れないのだけれども、若松大阪間の石炭運賃が千何百円だつたのが四百円になつたとか、或いは室蘭八戸間がやはり千何百円だつたやつが五百円になつたという御説明がありましたね。それは石炭の運ぶ量が殖えたから運賃が下つたのか、その点一つ……。
#26
○政府委員(岡田修一君) 当時の公定運賃は先ほど御披露がありましたような若松阪神間が千百二十五円でございます。併し当時の実情を考えますと、当時は油の規正が非常に多く、油の配給が非常に少かつたがために、機帆船の一カ月における航海回数というものは非常に減じておりました。現在の回転率は私のほうでは二・五航海と見ておりますが、当時の運賃原価計算の基礎になりました航海回数は一・三航海、回転率が少いということはそれだけ原価が高くなつておる。主としてそういう事情に基くものでございます。従いまして現在各般の原価計算運賃を出しました場合に、以前のようなそういう高いものにはならない、大体七百五十円から八百円程度のところに納まるだろう、かようなことになつております。
#27
○前之園喜一郎君 第三條の2と第九條との関係でありますが、第九條に「主たる営業所につき十万円、その他の営業所につき営業所ごとに三万円」という保証金を納めなければならんことになつておりますが、これは十万円とか三万円とかきめられた標準はどこにあるのでしようか。
#28
○政府委員(岡田修一君) 営業保証金は証券取引法に基く証券業者に対する保証金の類を参照いたしております。それでこういう営業保証金を設けた趣旨を申述べますと、往々にして回漕業者の中に悪徳な業者がありまして、機帆船業者の無智に乗じて運賃を横取りする、そういう者があるわけでございます。従いまして、機帆船業を健全に育てて行きまする第一歩は資力、信用ある堅実な回漕業者を育成する、こういうところにある、かように考えまして、そのような程度にいたしたいと思うわけであります。
#29
○前之園喜一郎君 主たる営業所の十万円ということはわかるのですが、その他の営業所、これは或いは出張所みたいなものを言うんだろうと思いますが、その他の営業所というと、どういう範囲のことが考えられるわけですか。
#30
○政府委員(岡田修一君) この趣旨は本店は十万円、それから支店、出張所ごとに十万円とるということは、回漕業者の事業規模から言いましても、少し負担が重過ぎるのではないか、かように考えまして、支店、出張所ごとに三万円、こうした次第であります。そうしてその全体が二十万円を超えないというところで、回漕業者の資産、信用という点を重くみて保証金を積立てまするけれども、それが余りに過重な負担にならないという配慮を拂つておる次第であります。
#31
○前之園喜一郎君 この主たる営業所、いわゆる本店ですが、本店に営業保証金を積ませるということはこれは非常にいいと思うのですが、併し支店ごとに積ませるということはどうなんですかね。
#32
○政府委員(岡田修一君) 支店、出張所を持つておるものはそれだけ事業を広くやつておる、従つてその事業の規模に応じて保証金の額を殖すのが妥当ではないか、かような考えの下にでございます。
#33
○前之園喜一郎君 支店の場合と出張所の場合においてはこれはやはり規模というものは違うんじやないですか、支店或いは出張所……、何かしらどこかで多少の営業をやるとすぐ営業保証金を積まなければならんということになるわけですね。
#34
○政府委員(岡田修一君) 回漕業者の場合には、支店といい、出張所といい、名前だけで規模はそう変りないじやないかと思うのでございますが、そう大きな回漕業者というものはございませんので、恐らく一人か二人の人間を使つてやつておるというようなところではないかと思います。従いまして支店、出張所という区別をする必要もない、かように判断した次第であります。
#35
○前之園喜一郎君 それから第六條の第一項の第一号ですね、一年を経過しないというのは、刑の執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者、これはこのうち執行猶予の期間満了の者はどうなります、この中に入るというお考えですか。それは除いてあるわけですか。
#36
○政府委員(岡田修一君) ここの解釈では、執行猶予期間を満了したのち一年経過した者、だから執行猶予の判決を受けてその猶予期間中は登録を受けられない、かように解釈しております。
#37
○前之園喜一郎君 執行猶予というといつ執行するようになるかもわからん、併し執行猶予が終つてからは一年は必要ないでしよう、これはどうです。これははつきりしておかなければならんです。執行猶予を終了と無罪と同じなんです。刑を受けなかつたのと同じ状態に返るのだから、執行猶予の期間が満了すれば直ちにやれるということじやないとおかしいと思うのですがね。
#38
○政府委員(岡田修一君) 只今の私どもの解釈では執行猶予期間の終つたのち一年、かように考えておるのですが……。
#39
○前之園喜一郎君 それはすべての解釈から言つておかしいと思うのですがね。それは御研究になつたほうがいいですよ。
#40
○政府委員(岡田修一君) 只今の点法務府の検務局のほうとよく相談してみたいと思いますが、実はこれは他に例がございまして、その例を踏襲した次第でございます。
#41
○前之園喜一郎君 それはやはり執行猶予の期間を無事に終つた者がその中には入らないという御解釈も一つと思いますが、なお御研究になつたほうがよかろうと思います。
 それから第六條、先ほどから問題になつておるところなんですが、標準木船運賃又は標準回漕料という中では、品種別にやられるわけなんですかね、どうなんでしよう。或いは等級を設けられるというようなことになるのか……。
#42
○政府委員(岡田修一君) これは航路とそれから品物を指定してやる……。
#43
○前之園喜一郎君 品物を指定して……。
#44
○政府委員(岡田修一君) 例えば若松・大阪間の石炭運賃は幾らが標準である、こういうふうに考えております。
#45
○前之園喜一郎君 それならば大体貨物、これは鉄道輸送の場合には等級別はきまつておる。この場合は何級ぐらいにおかれる積りでありますか。
#46
○政府委員(岡田修一君) 機帆船の対象貨物は主として満船物ですね。石炭とか、木材とか硫化鉱とか、塩とか、こういうロツト物でありまして、従来の貨物運賃の級別とちよつと比較するのは困難であります。従いまして、どれが鉄道のどれに相当するということは申上げかねますが、標準運賃のきめ方は一応例えば若松・大阪間の石炭を運ぶ場合に運賃原価が幾らにつく、それは往航だけでなしに帰りにどういうものを積むか、こういう帰りの運賃收入も或る程度考慮に入れます。それから先ほど来出ておりますような鉄道運賃等の比較をも考えまして折衝したい、かように考えております。
#47
○前之園喜一郎君 満船でない場合、積合せの場合もありますか。
#48
○政府委員(岡田修一君) 勿論積合せもございます。従いましてこれは機帆船だけでなしに、海上汽船の運賃も同様でございますが、鉄道運賃の取り方と非常に違つておりまして、これを直ぐに結び付けて幾らということは非常に困難であります。標準運賃が設定されたものが例えば北海道から東京へ来る木材の運賃とそれから汽船の運賃とがどういうふうになつておるかという比較はとれると思います。これが鉄道の何級の貨物に一致するものかということは困難であります。
#49
○前之園喜一郎君 併し大体において石炭と木材というようなものばかりでなく、あらゆる物資を輸送する、運送するということになるから、あらゆる物資に標準運賃というものが大体において定められておらなければならんことになるのじやないか、特殊なものだけを定めて、その他のものは自由にやれるという趣旨ですか。
#50
○政府委員(岡田修一君) これはすべてのものを網羅するという考えはございません。主要な航路と主要な貨物を取りまして、それについての標準運賃をきめます。この標準運賃は必ずしも強制運賃ではございません。上下自由になるわけであります。余りひどい場合に、それの訂正を勧告するわけであります。従つて細かい航路は、重要な航路並びに貨物に標準運賃が設定されますと、あの航路のあの貨物はこうだからこの枝のほうの運賃はこうだという大体目安も付くわけであります。そういう効果も狙つておるわけであります。
#51
○前之園喜一郎君 それはよくわかりました。それから主要な航路、主要な貨物、主要の航路は別にして主要な貨物ということはどういうものを考えられるのですか、何種類くらい……。
#52
○政府委員(岡田修一君) 今一応考えられますのは、石炭、セメント、硫化鉱、塩、木材、まあこういうふうなものであります。必要に応じてその他の貨物なり航路なりを選定したいと、かように考えております。
#53
○前之園喜一郎君 十六條と十八條との関係があるわけですね。「当該取引が木船運送事業の健全な発達を阻害するおそれがあると認めるとき」ということになつておるのですが、大体先ほどお話のような標準運賃になるのですが、大体幅はどのくらいまで認めるというようなことはないのですか。
#54
○政府委員(岡田修一君) これは法律に書きますと非常にぎごちないものになりますので、その実情によつて判定したいと思つておりまするが、航路によりてはまあ二割以上引下げた場合にはダンピングというようになりますし、又或る航路によつてはほかの運送機関の取つている運賃等から考えて三割程度下つても別にダンピングとはみなさない、そのときの経済情勢、それからほかの運送機関のとつている運賃その他によつて考えて参りたい、かように考えております。
#55
○前之園喜一郎君 先ほどお話のように、区域によつても標準は違うわけですね。例えば九州と平戸では違うということにもなるわけですね。そういうふうな場合に、運輸大臣の諮問によつて運輸審議会がきめるわけですね。きめた標準運賃というものが非常に高いとか安いとかいうような場合に、業者側からこれに対して何らかの申出をするというような規定はないようですが、これは一方的にきめられて、それによらなければならんということになるわけですね。
#56
○政府委員(岡田修一君) この標準運賃をきめまする場合には、運輸審議会は公廳会を開きまして、広く関係業者並びに関係者の意見を聞いてきめるというふうになります。なお実際の措置といたしまして、この法律には書いてありませんけれども、運輸省がそういう標準運賃を設定したいという場合には、事前に荷主官庁である通産省又は農林省とも打合せをするということになつております。それらの荷主官庁は荷主側の意見を十分に聞いて政府側の連絡を十分にとる、こういうふうな措置を講じて、実際面から不当に遊離したような運賃を設定するようなことのないように十分の注意をするつもりであります。
#57
○前之園喜一郎君 無論万全の方法を考えられるでありましよう。併し、実際においてそういう問題が起る、非常に実情に副わないような標準運賃がきめられるというようなことも或いはあるかもわからない。そういう場合には、業者のほうからは法律上の手続によつて改善を求めることはできないのですね、この木船運送法案では……。
#58
○政府委員(岡田修一君) これは強制運賃ではございません。従つて標準運賃から或る程度離れても、別に政府はそれに対して措置をとるわけではございません。非常にまあ実際行われている運賃が安くて勧告に従わない場合にその業者を処分しようとする場合に、更にもう一度関係者の意見を十分聞いてその処分が妥当であるかどうかということを判断するようにして参ります。そういうところで更に業者の意見尊重の途を開いておる次第であります。
#59
○前之園喜一郎君 処分するときには審議会にもう一遍かけられるわけですか、どういう手続をするのですか。
#60
○政府委員(岡田修一君) それは業者が政府の勧告を聞かないで非常に不当な運賃を続けてやろうという場合に、その業者を処分するわけであります。そのときに聴聞会を開くわけであります。
#61
○前之園喜一郎君 第何條にありますか。
#62
○政府委員(岡田修一君) それは二十三條の三号でございます。
#63
○前之園喜一郎君 それは勧告を応諾する旨を回答した場合ですね。
#64
○政府委員(岡田修一君) そういうことでございます。
#65
○前之園喜一郎君 最初からそれを聞かない場合はどうするのですか、政府の勧告は間違つておるというので応諾しない場合はどうなんですか。
#66
○政府委員(岡田修一君) 最初から応諾しないと言いまするか、標準運賃に全然従わなくても結構なのでございます。
#67
○前之園喜一郎君 十八條によつて勧告するのでしよう。勧告をして聞かなかつた場合には処分するということになるのですね。
#68
○政府委員(岡田修一君) そうです。全然聞かなかつた場合にも処分するわけです。
#69
○前之園喜一郎君 それが第何條ですか。
#70
○政府委員(岡田修一君) それが二十三條の三号です。
#71
○前之園喜一郎君 三号は、応諾する旨を回答しながら正当の理由がなくて当該勧告に従わなかつたのでしよう。
#72
○政府委員(岡田修一君) 一号の、この法律の規定に基く処分に違反したとき、全然勧告に従わなかつたときでございます。
#73
○前之園喜一郎君 そうすると、一号と三号との関係はどういうことになるのですか。
#74
○政府委員(岡田修一君) 三号は回答したことによつて一応政府の処分に従つたと、違反じやない、こういう解釈をとつております。
#75
○前之園喜一郎君 これはよく見ると大分無理なところがあるようなので、もう少し研究してみたいと思いますから、私は次に質問を留保いたしたいと思います。
#76
○理事(高田寛君) ほかに御質問はございませんか。
#77
○小泉秀吉君 私は少し逐條について御質問したいと思いますけれども、先ず先刻資料のお話があつたのですが、実態を把握するということが、木船界で今まで把握できないから把握したいというのが一つの要素だというようなお話で、五トン以上の船を全部登録するというようなお話ですが、統計のあれを見ると、五トンから二十トンまでの船が二十五年の六月ですか、大体一万九千七百六艘のうち一万一千五百三十九艘、二十七年度でも多少の差があつてもやはり一万二千内外の船が五トンから二十トンくらいの船だというのですが、こういうふうな二十トン未満の船のような小さいものを登録さして、そうしてその標準運賃その他のことでこの法律が規定するようなふうに実際把握できますか、或いはその違反のことに対しても今の質疑応答でいろいろ伺つているのだが、それをうまい工合に実際法律を上手に運用できますか、又この法律ができると役所としてはどのくらいの人員を殖やすおつもりなのか、そういう点を一応お聞きしておきたい。
#78
○政府委員(岡田修一君) 現在はそういうものに対しまして、油の割当によつて登録しているわけです。この油の統制は七月からなくなりまして、従つてそういうものの実情がこういう措置をとらない限り全然不明になるわけであります。この登録と言いましても、非常に簡単な、できるだけその手続を簡便にしたいというふうに考えておりまして、私どもとしては十分この法の運営については適切を期し得る、かように考えております。先ほど五トンから二十トン未満のものが非常に多いということでございましたが、これは御承知の通り、機帆船には実際積みトンが百トンありますものが十五、六トンに登録されているものが多いのでございます。むしろそういうものが若松・阪神間の石炭輸送の殆んど実態的な要素を成していると言つていいかと思うのでございます。むしろそういうものこそ実態を把握して、将来の木船に対する政策の対象にして行きたい、かように考えておる次第であります。これを実施することにつきまして、どれだけの人員を要するか、今後の大蔵省との問題でございまするけれども、一応私どもは中央で八人程度、地方で三十五、六人程度の人員増加、実際それだけの人間ではできませんが、現在おる人間を極力活用する、増加すべき人間はその程度にとどめるようにしたいと考えております。
#79
○小泉秀吉君 それからこの法案で見るというと、湖水或いは河川というところに航行するものも規制されるようなふうになつておりますが、実際において湖水、河川というような所でこれを適用するような運航状況というのは、どういう所にありますか。
#80
○政府委員(岡田修一君) 利根川あたりの運送について考え得るわけでございます。法律の運用対象としてはそう大きな部分は占めておりません。若し必要が出て来ればそういう所にも適用するように、こういう法律の効果が発揮するような事態が起るのではないかと、かように考えております。
#81
○前之園喜一郎君 一つ御研究を願う意味においてお尋ねしておきたい。これは五トン以上の船の登録をするのですね。これは差押えの対象となる場合はどうなんですか。
#82
○政府委員(岡田修一君) 差押えとは全然関係がございません。
#83
○前之園喜一郎君 いや差押えというのは、裁判所の決定を受けてどこどこの海運局に登録をした、そういう場合に船の登録をしているだけでは対象になりませんか。
#84
○政府委員(岡田修一君) お尋ねの趣旨は、差押えになつておる船を以て運航事業をしておる……。
#85
○前之園喜一郎君 差押えの対象には登録してあるということがならないかということです。御承知のように、大きい船は不動産として取扱われるが、小さい五トンぐらいの船は動産のような取扱をされるわけですね。登録してある場合に差押えの対象にならないかということです。
#86
○政府委員(岡田修一君) これは船の登録ではなしに、その船を以て事業をすることに対する登録でございますから、船の登録ではございません。
#87
○前之園喜一郎君 船の登録ではないから関係はないということになるわけですね。
#88
○小泉秀吉君 第十三條に、その取引により生じた債権に関し、その債権の弁済を受ける権利を有するというようなことで、回漕業者の供託金が大体見返りになるように法律の上で見えますけれども、こういう場合に、大体取引から生ずる債権は十万円以内というお見込みで十万円でいいのか。十万円の基準は先刻前之園さんの質問に対しては、何かはかの基準によつてやはりこれも十万円にするのだというようなお話でありましたが、この取引債権との関係はどうなんですか。一部分でもいいからこうしておけばよいというふうなものなんですか。
#89
○政府委員(岡田修一君) 先ほど申上げましたように、十万円というのは他の例を参照したわけでございますが、又一般海の運賃額から言いましても、大体十万円程度のものがあれば回漕業者に対する運賃債権を確保できるというように見ておる次第であります。例えば若阪の運賃七百円といたしまして、百トン積みとして七万円ということになる次第であります。
#90
○小泉秀吉君 何遍も議論になつたのですが、十六條の標準運賃並びに回漕料というきめ方、大体きめ方は伺つたのですが、その現実にきめる時分には、例えば百円というのが一つのべースになれば、その上下に先刻のお話のように二割、三割というように、所により或いはその場合によつて、二つ或いは三つの標準運賃とか或いは回漕料とかいうものをきめるとおつしやるのか、一つだけ一本に若阪何ぼというようなきめ方になさるのですか、どういうふうな構想なんですか。
#91
○政府委員(岡田修一君) 標準運賃は一本でございます。ですから、若松・大阪間の石炭標準運賃七百五十円なら七百五十円、八百円なら八百円という一本の運賃を営めるわけであります。その標準運賃を基準にしまして、実際の業者は何といいますか、それに三割ぐらい下にきめておこうとか、或いは二割五分丁にきめておこうと、こういうふうなことになりはしないかと思います。或いは非常に運賃が強くなりますと、この標準運賃の一割高くというふうなことになるわけであります。
#92
○小泉秀吉君 この公聽会ですが、公聽会はこれは運輸審議会で公聽会を開くのだろうと思うのですが、公聽会に呼んで来る人、そういう者に対して何か一定の標準みたようなものが運輸省としてあるのですか。或いは運輸審議会自体がそのときに応じた実情から見て全然何らの基準なしにきめるのか、その点をお伺いします。
#93
○政府委員(岡田修一君) 運輸審議会のほうでその利害関係人を選定されると思いまするが、勿論その航路、貨物によつて利害関係人というものは大体はつきりしておりまするから、そういうはつきりした利害関係人の意見は当然聞かれると、かように考えております。
#94
○小泉秀吉君 今度小さい船では乗組員がやつぱり大きな利害関係人になるように思いますが、そういうのは含むつもりなんですか、含まないつもりなんですか。或いはそういうものを含んだ労働組合の代表者、そういう人はこういう場合に公聽会に呼ばれることになりますか、呼ばないことになりますか。
#95
○政府委員(岡田修一君) どうもその船員の意見まで聞くかどうかということはそのときのやつぱり航路、貨物、それからそのときの情勢によるだろうと思いまするが、主として船側の意見は、例えばその地方に回漕業者の組合がありますると回漕業者の組合、それから船主の組合がありまするとその船主の組合の代表者、こういうものの意見によつて船主最後の意見が代表されるとかように考えております。
#96
○小泉秀吉君 提案者の説明を聞いておりますと、この種の木船業者といいますか、いわゆる船主船長というような者が非常に多くて、そういうようなものの経営上この法律で相当増進する、保護するというような強い狙いであるというような御説明があつたのですが、そういう説明からいうと、そして又事実そういう船主船長というようなものがたくさんあるのなら、そういう船主船長というような人は或いは海員組合のメンバーになつたり、或いはほかにそういう船主という人だけで船長会といいますか、そういうのを作ることが、今あるかないか知りませんが、あり得ると思うのです。そういう団体が若しあれば今のお話のような趣旨でやはりそういう者を呼ぶことがあるといいますか、呼ぶというようなことになるのだと私は思いますが、その点について御見解はどうですか。
#97
○政府委員(岡田修一君) 只今お話のような船主船長の団体があつて、その団体が標準運賃をきめようとする場合の航路、貨物について非常に深い関心を持つておられるということでありますと、当然この利害関係人として標準運賃を設定する場合に意見が聞かれるものと、かように考えます。
#98
○小泉秀吉君 この十八條の関連で、必要な措置をとることを勧告するというようなことがあるのですけれども、これは一体実際問題とすれば、勧告を受けるような時分にはもうその勧告されるような人は、すでに何と言いますか現実の犯罪じやないか知らんが、違反の仕事は完了してしまつておることになる。そうするというと、そのこと自体に対してはもう済んでしまつて、将来のことを規制するために必要な措置をとるのだ、そういうようなことになると思うのですが、この点はそういうふうな了解でいいのですか。
#99
○政府委員(岡田修一君) この木船の運賃契約でございまするが、ただ一回限りで契約を終るようなスポツトの契約は、そう大きな意味を持つておりませんが、相当長期に亘つて運送契約をいたすものが非常に安い運賃で引受けるということが、この木船界を撹乱する大きな要素でございます。従つてそういうものに対してこういう勧告をすることに実際問題としてなるのだろうと思いますが、そうといたしますれば、それは将来というよりは、その契約しておりまする長期の運賃契約の是正を勧告する、こういうことになります。
#100
○小泉秀吉君 そうすると、つまり契約をやる、この適正運賃というものを甚だしく破つたというようなことによつてその後の関連する一貫のマーケツトを規制するという意味で勧告をするというのがまあこの法律の狙いで、結局それしかないのだというように了解していいのですね。
#101
○政府委員(岡田修一君) さようでございます。
#102
○小泉秀吉君 私の質疑は大体そんなものです。
#103
○理事(高田寛君) では、まだ前之園委員も次回に質疑を保留されておりますし、本件は今日はこの辺で質疑は一応打切ることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○理事(高田寛君) 速記をとめて。
   午後三時五十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時二十九分速記開始
#105
○理事(高田寛君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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