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1951/05/29 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第25号
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1951/05/29 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第25号

#1
第013回国会 運輸委員会 第25号
昭和二十七年五月二十九日(木曜日)
   午後一時五十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月二十六日委員江田三郎君辞任につ
き、その補欠として椿繁夫君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     山縣 勝見君
   理事
           岡田 信次君
   委員
           仁田 竹一君
           小野  哲君
           高木 正夫君
           小酒井義男君
           齋  武雄君
  委員外議員
          深川榮左エ門君
           石村 幸作君
  衆議院議員
           坪内 八郎君
  政府委員
   運輸大臣官房観
   光部長     間嶋大治郎君
   運輸省船舶局長 甘利 昂一君
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部長 細田 吉藏君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       古谷 善亮君
   常任委員会專門
   員       岡本 忠雄君
  法制局側
   参     事
   (第三部第二課
   長)      岡崎 庄盛君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○造船法の一部を改正する法律案(衆
 議院送付)
○旋行あつ旋業法案(衆議院送付)
○請願及び陳情に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山縣勝見君) これより運輸委員会を開会いたします。
 発議者坪内八郎君より提案理由の御説明をお願いいたします。
 先ず造船法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○衆議院議員(坪内八郎君) 只今上程されました造船法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案理由を説明いたします。
 今日、我が国造船業は戰争によつて崩壊した商船隊の再建に、或いは輸出船の建造による外貨の獲得に目覚ましい業績を挙げていますが、我が国造船業の今日の地位はひとり戰後における造船業者の努力のみでなく、明治中期以来永年に亘つて造船業を培養して来た造船奨励法、製鉄奨励法、関税定率法等による国家の保護政策も又あずかつて力があつたのであります。このように国家が造船業に保護を加えて来たことは、この事業が海運業との関係においても、又関連諸産業との関連においてもその消長が重大な国家的関心事であつたからであります。而も造船業に対するこのような国家的関心は今なお減少せざるのみならず、いよいよその重きを加えていると言わなければならないのであります。即ち現在造船業は日本の存立に欠くことのできない商船隊船腹の供給者であるばかりでなく、二百余種に上る広汎な関連産業に囲繞ざれる一大総合工業であり、造船所の所在する地方においてその経営が地方民生に重大な影響力を持つていることは、すでに数々の実例が示すところであり、又その経営の適否が金融界全般に著しい影響をもたらす点でも軽視できないのであります。
 然るに今次戰争後におきましては、事情かくのごとき造船業に対してさえも財政事情その他の理由から何らの財政的保護政策が行われていないのであります。そして今後といえども造船業に対する財政保護政策の実施については並々ならぬ困難が横たわつていると思われるのであります。一方諸外国を見ますと、米、英、仏等の主要海運国は勿論、イタリー、ドイツ、ベルギー、北欧諸国におきましてもそれぞれ建造補助金の交付、造船融資或いは各種の免税等の措置が講ぜられております。
 このように極めて不均衡な事情にありながら講和発効後は、日本における造船業の経営は国内的にも何らの制限なしに解放されることとなるのでありまして、その結果我が造船業界に収拾することのできない混乱の惹起することも十分予想せられるのであります。
 右のような観点から、この際消極的ではあるが、財政事情その他の事情に拘束せられずになし得るせめてもの方策として、我が造船業に混乱を招来するような資本投下、特に何らの制約なしに国際資本が流入することを防止し、国民経済的な角度からその能力施設に適切な調整を行い得る措置を講じて置く必要を痛感するのであります。
 次に、改正案の内容を簡単に御説明いたします。現在の造船施設の届出制を許可制に改め、なお施設の讓受及び借受についても許可を要するものとしております。ただその対象たる施設は、現行法では総トン数百トン以上又は長さ二十五メートル以上の鋼船の造修施設であつたのでありますが、本改正案ではこの範囲を縮小し、総トン数五百トン又は長さ五十メートル以上の鋼船の造修施設に限定いたしました。
 この法律案の立法精神は飽くまで先に述べたごとく我が国造船業の健全な運営を目的とするいわば一種の保護手段であります。従つて我が国造船業者の企業的創意及び自主的運営を阻む趣旨のものではなく、その運用についても経営上の必要に基いてなそうとする止むを得ない施設の整備、改善を阻止する結果とならないよう嚴に留意すべきものであります。又対象となる施設の範囲も船台、ドックその他若干のもの等、法改正の趣旨を徹底するために必要な最小限度に止め、且つ設備改善又は技術導入の促進を阻害することのないよう許可の対象を限定して行くことが必要と思われるのであります。
 最後に現在の日本の造船能力の実情を具体的に概観し、無秩序な資本投下の不可なることを明らかにしたいと思います。
 現在の造船能力は各造船所の雇用量をベースとする能力で算定すれば、外航船建造については五十八万総トンと推定され、ストライク報告による算定能力も五十七万八千総トンとなつております、従つて我が国の外航船建造能力は平常の状態において五十八万総トン程度と判定して差支えないと思います。これに対して建造量の見通しは大体年間五十万総トンであり、現状では大体バランスがとれております、最も今後の国際情勢如何では需要の増加も考えられますが、民業に転換する旧工廠等の合理的な生存をも図らねばならず、需給のバランスをとつて行くことはなかなか困難であります。従つて外資導入が日本経済全般の復興と発展を促進する契機となることを確信しておりますが、我が国造船業の実情を見れば流入する外資が真に我が国造船業の健全な発達を促進し、日本経済の自立化に貢献するよう調整されることは是非とも必要であると思われるのであります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 何とぞ、愼重御審議の上、速かに御可決あらんことを望みます。
#4
○委員長(山縣勝見君) お諮りをいたしますが、本日は提案理由の御説明のみにとどめて、大綱説明その他説明は次回に譲りたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#5
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(山縣勝見君) それでは次に旅行あつ旋業法案を議題といたします。御質疑のおありのかたは御質疑をお願いいたします。
#7
○小酒井義男君 従来こうした法律がないためにどういうような弊害が起つておるか、一つ御説明を願いたい。
#8
○委員外議員(石村幸作君) 提案理由にも説明申上げました通り、こういう法律がなかつたために、現在国内的にどのくらいの程度の業者が、どういう状態で営業しているかということを大体把握することができない。それから同時にこの業者が、御承知の通り立派な業者を初めとして、カバン一つを持つて碌な事務所もなく、従つて広く信用等も欠けているというような頗る貧弱な業者も混つている。そうしてこういう業者の中には特に頗る悪徳な業者も非常に多かつた。こういう事実は今まで相当あつたのでありまして、そのためにこの被害をこうむるもの、例えば最も甚だしいのは、学校の修学旅行の団体、又例えばこれは修学旅行の団体が全部の企画、案内、斡旋等を業者に頼んだ。そうして金を全部預けてある。その金を持逃げをしたとか、交通業や旅館等に払わずに空小切手を置いて行つたとか、まあそういう例が相当あるのであります。まあそんなところでこれは業者、つまり斡旋業者からも、まじめな斡旋業者からも、こういう法律を是非出してもらいたいという希望があり、又被害者の立場と言いますか、旅行者及び旅館とか、交通業とか、こういうふうな面からも盛んにこういう法律を作つてもらいたいというような声が非常にあつた。まあそういう意味合で今度この法律を作つたのであります。こういうふうなわけであります。
#9
○小酒井義男君 政府のほうで従来こうした斡旋業者の監督取締というようなことは全然やられておらなかつたのか、どうか。
#10
○政府委員(間嶋大治郎君) 従来政府といたしましても、運輸省としては観光事業を主管しておりまする関係上、旅行斡旋業というものに対しましては重大な関心は持つておつたのでございます。併し法的にはこれを取締る根拠は全然ございませんので、或る程度の行政指導というような方法でやつておつたのに過ぎないのであります。その方法といたしましては、甚だ微温的ではありますが、例えばそういつた悪徳業者に引つかからないように、利用者側、例えば学校側によく注意するために、交通公社等を主催せしめまして、関係者を集めて、そしてその実態をよくお話をし、又旅行斡旋業の内容というようなものをよく周知してもらいまして、変な悪徳の旅行業者に引つかからないようにする、そういうふうな方法も一つであります。それから又これは国鉄で戰前にもやりましたことでありますし、又戰後も或る程度実施しておりますが、国鉄を利用する旅行斡旋業者に対しまする運賃割戻の制度というものがございまするが、これに対しまして、国鉄は戰前におきましても、又戰後におきましても認定の制度をとつておるのであります。国鉄としてはやはりしつかりした基礎の堅い旅行斡旋業者が、又立派な旅行斡旋をするようにというふうな見地から、そういつた制度をとつておるのでありますが、これも運用次第では旅行斡旋業の健全な発展には非常に役立つのではないかと思うのでありますが、尤も現在やつておりまする国鉄の割戻しの制度自体が必らずしも全面的に肯定すべきものだとも思いませんが。いずれにしろ、そういつた方法をうまく善用さえすれば、まあ或る程度の業界の発展ということには役立つのではないかと考えておるのであります。それから三年ばかり前から運輸省といたしましては、交通事情が非常によくなりましてから、修学旅行等がまあ非常に盛んになりました。その半面非常に多くの弊害が生じておるということも承知いたしておりましたので、全国の都道府県、陸海運局その他を動員いたしまして、旅行斡旋業者の実態調査というふうなものを実施いたしたのであります。そしてその結果をいろいろの形で発表いたしまして、関係者の認識を深めさせるというふうな方法もとつたことがございますが、いずれにしましても、法的基礎がございませんので、今申しましたような甚だ微温的な指導的な措置しかとれなかつたのであります。この結果最近におきましては、先ほど石村議員からお話がありましたように、業界においても、或いは又利用者側におきましても、或いは又実態を調査いたしました都道府県等からも、何らかの法的措置によりまして、業界の健全なる発展を図る方策をとつてもらいたいというふうな意見が参つておつたような次第でございます。
#11
○仁田竹一君 法案の第二條第一号と二号の字句の配置はいろいろまあ違うようですけれども、内容は余り違つておらないのではないかと思いますが、強いて申しまするならば、最後のほうに「その他旅行に関するサービスを提供する」という文字が入つておるわけなんでありますが、この一号と三号との相違、特にサービスというものは非常に範囲が広いと思いますが、具体的に申しますると、一体どういうふうな意味合の場合が第一号と三号と違うのですか、一応お聞かせ願いたいと思います。
#12
○委員外議員(石村幸作君) 第一号は、この斡旋と申しますのは、予約旅行者の依頼を受けて、予約、例えば部屋をとる、まあそういうふうな斡旋であります。それから三号に言いますのは、これは一口に言えば団体旅行の募集とか、これを依頼を受けて団体旅行を引受ける、こういうので、サービスというのは例えば旅行先の休み所を探して、それを世話するとか、又は神社仏閣の参拝の手続の面倒を見るとか、それから又案内するとか、こういう一般的なもろもろのサービスを意味するのであります。
#13
○仁田竹一君 どうでもいいようなものですが、団体という文字はどつからも見出せませんので、ちよつと解釈に苦しみますが、そうすれば、サービスを提供するということは対価を持たないもののサービス、こういうふうに解釈していいわけですか。
#14
○法制局参事(岡崎庄盛君) 只今の御質問にございました第二條の一号と三号の違いでございますが、実態的には先ほど石村先生から御説明がございましたように、第一号の場合は旅行の手配をしたり、旅行の施設を利用することを予約する、旅館の予約をするというような場合でございまして、第三号の場合は主として団体旅行の請負をする場合を言つているわけなのであります。なおこれをもう少し詳しく申上げますと、第一号の場合は、第三号の場合におきましても利用するというのは書いてございまするが、第一号の場合も利用について対価を得て斡旋するというふうにありまして、第一号の場合に利用する主体はこれは旅行者が直接利用する場合でございます。第三号の場合は、利用するのはこれは斡旋業者が直接利用する。で、旅行者は斡旋業者を通じてそのサービスを受けるということになるわけでありまして、利用の主体が一号と三号では違つて来るということになるわけなんでございます。斡旋とサービスの提供というのはどういうふうに違うかと申しますと、族行あつ旋業法の第二條の最初に、「「旅行あつ旋」とは、」というふうに書いてございますが、この場合旅行斡旋と申しますのは、これは一号、二号、三号全部含めますので、広い意味でございますけれども、第一号の斡旋と申しますのは、これは仲立又は取次という行為を言うわけでありまして、サービスの提供と申しますと、旅行に関するサービスの提供というものが入つて来るわけでありまして、斡旋する行為もサービスを提供する中に入つて参ります。労務の請負とか、労務を提供するということがサービスの提供でございますので、サービスの提供という中には斡旋も入りますけれども、前の三号でサービスの提供と申しますのは、結局運送機関、若しくは宿泊施設を利用して旅行者を運送し、若しくは宿泊させて、それに附随してその他の旅行に対するサービスを提供するということでございますので、結局斡旋業者が団体募集をしますと、自分で一人当り幾らという金をもらいまして、それによつて運賃も斡旋業者が払いますし、宿泊料も斡旋業者が払う、その他のサービスというわけなんです。
#15
○委員長(山縣勝見君) その他に御質疑ございませんか。
#16
○岡田信次君 こういう法律ができて、いい旅行斡旋業者ができると、これを一般国民に周知せしめる、徹底せしめるという何か方法について、どういうふうに当局はお考えですか。
#17
○政府委員(間嶋大治郎君) 若しこの法律が国会を通過いたしまして実施に相成りましたならば、勿論この法律の目的としておりまする旅行斡旋業の健全な発達のためには、旅行斡旋業者、この対象となりまする旅行斡旋業者はもとより、業者側に対しましても十分周知の方法を講じなければならんと思つております。殊に一応政府登録というふうなことになりますと、そういう名前を盛んに旅行斡旋業者が振廻すというふうなことも予想せられるわけであります。勿論過去において一応不正がなかつたかどうかということは調べまして、不正がなかつたということを確認した上で登録することに相成るわけでありますが、併しその政府登録ということが、一〇〇パーセント利用者が信頼できるということの証明には必ずしもならないわけである。この点は特に十分利用者側に認識していてもらう必要があると思うのであります。その方法といたしまして、我々といたしましては、先ず対象となりまする旅行斡旋業者に対しましては、その団体、業者の団体なり、その他の機関を通じまして、法案の内容につきまして十分納得の行くような説明をいたし、又はこの解説というふうなものを作りまして配付する。又これを利用者側に対しましては学校、特に学校方面に対しましてはこの内容をよく説明いたし、又法律の内容のみならず、旅行斡旋の実体というものをよく認識してもらうために適当なる方法で内容の説明というふうなことも是非いたしたいと思つておる次第であります。又これを実施いたしまする場合には、権限の一部を地方の都道府県或いは陸海運局に委任いたすことに相成るわけでありますが、こういつた委任を受けた行政官庁につきましては、この法律の実施に遺憾のないように関係者全部に対しまして、よく納得が行き、又法律の趣旨を誤まらないように、十分適正な運用ができるように説明等をいたすつもりでおります。
#18
○岡田信次君 もう一つお伺いしますが、もぐりの旅行斡旋業者が横行する心配はありませんか。若しありとすれば、その取締りの方法を伺いたい。
#19
○政府委員(間嶋大治郎君) この法律が若し通過いたしましたならば、政府の登録を受けないで営業いたしました場合には、この法律の罰の適用を受けまして、それはもぐりの業者ということに相成るわけでありますが、これをどういうふうにして把握するかということでございまするが、勿論役所の側でこれを一々把握するということは非常に困難であろうとは存じまするが、併し幸い業界におかれましても、この法律運用に関しては十分な関心を持つておられる、そういうふうな方面の御協力も得まして、そういうもぐりの業者が跋扈しているというふうな実情でございますれば十分連絡を願つて、そして我々といたしましては、これを実施いたしまするに際して権限を委任する地方機関等を動員いたしまして、もぐり業者というふうなものが出ないように十分取締りして行くつもりでございます。
#20
○委員長(山縣勝見君) そのほか御質疑ございませんか……。質疑がないようでしたら、なお本件に対しましては質疑を次回にも続行、他に御質疑のおありの委員もおられるようでありますから、次回に譲つて、本件につきましては、審議は本日はこの程度でとどめたいと思います。よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(山縣勝見君) それでは次に請願陳情に移ります。速記を止めて……。
   午後二時二十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時一分速記開始
#22
○委員長(山縣勝見君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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