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1951/06/10 第13回国会 参議院 参議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第28号
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1951/06/10 第13回国会 参議院

参議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第28号

#1
第013回国会 運輸委員会 第28号
昭和二十七年六月十日(火曜日)
   午後一時四十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     山縣 勝見君
   理事
           高田  寛君
           小泉 秀吉君
   委員
           植竹 春彦君
           仁田 竹一君
           高木 正夫君
           小酒井義男君
          前之園喜一郎君
          深川榮左エ門君
  委員外議員
           石村 幸作君
  衆議院議員
           岡田 五郎君
           關谷 勝利君
  政府委員
   運輸大臣官房観
   光部長     間嶋大治郎君
   運輸省船舶局長 甘利 昂一君
   運輸省海運局長 岡田 修一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡本 忠雄君
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  法制局側
   参     事
   (第三部第二課
   長)      岡崎 庄盛君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○造船法の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
○離島航路整備法案(衆議院送付)
○旅行あつ旋業法案(石村幸作君外六
 名発議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山縣勝見君) それではこれより委員会を開会いたします。
 造船法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○衆議院議員(岡田五郎君) 過般の委員会におきまして、小酒井委員から造船法第十二条の罰則につきまして御質問がございました。その節提案者の坪内代議士から一応御答弁になりましたが、後日におきましてなお十分研究をいたしまして次回において詳細に御答弁申上げます、かような御答弁でございましたので、発言を求めまして補足的に私から説明させて頂きたいと存じます。体刑と罰金刑を併科し得ることにまあいたしました理由は、過般も坪内代議士から御説明申上げた通りでございまするが、多くの経済法規違反の例にありますごとく、犯罪の性質上体刑又は罰金刑のみでは、その制裁の目的到達し得ない場合、即ちこの利得の源泉、利得のもとを絶つ必要がある場合を予期いたしまして、併科し得ることといたしたのでございます。殊に過般も御説明ありましたように、最近の経済立法におきましては、かような処罰の併科ということが大体立法例になつているのでございます。一例を申上げますと、商品取引法だとか、或いは保険業法だとか、或いは食糧管理法だとか、漁業法だとかいうような法律を参照いたして見ましても、本法案と同様に体刑と罰金刑とを併科し得ることになつているような次第であります。
 以上甚だ簡単でございまするが、過般の委員会の坪内代議士の説明に対しまして、補足的に御説明申上げたいと存じます。
#4
○委員長(山縣勝見君) 御質疑のおありのかたは御質疑をお願いいたします。
#5
○小酒井義男君 前回の委員会におきまして、私がこの改正の第三条の二にありますところの、運輸大臣が適合しているかどうかということをきめる場合の方法として、この基準等は造船合理化審議会の諮問に付することが適当でないかという質問をいたしましたに対して発議者のほうからそうした方法をとることがいいと思うという回答がなされているわけなんです。これをそれではどういうふうにしてそうしたことを考えて実行することを方法として発議者のほうでお考えになつているかということについて、発議者及び当局のほうから一つ意見があつたらお述べ願います。
#6
○衆議院議員(岡田五郎君) 今小酒井委員から仰せられました通り、過般の委員会におきまして、提案者といたしましての考え方を御答弁申上げたのであります。本日のお尋ねは、それでは具体的な手続方法という形はどういう形をとるかという御質問かと存じまするので、かような考え方でお答え申上げたいと存ずるのであります。方法といたしましては、造船法に明記いたしまして、造船合理化審議会に運輸大臣が諮問すると、こういう法文の謳い方もあるのであります。又このままにしておきまして、運輸大臣の任意的裁量事項といたしまして、何ら明文に謳わないで、その精神を運輸大臣にくんで頂いて、行なつて頂くという方法もあるのであります。ただ如何なる省令におきましても、法律におきましても、又政令におきましても、明文がない場合においては、ややもいたしまするとまあ官僚の独断と言いまするか、言葉が非常に強くなりまするが、運輸大臣の独断に流れる傾向が杞憂せられる場合もあるのであります。私たち提案者といたしましては、運輸省令その他のいわゆる命令を以ちまして、行政命令と言いますか、行政法規を以ちまして、まあ法規という言葉が少し強過ぎるかも知れませんが、命令を以ちまして明文化し、重要なこれらの事項につきましては、海運造船合理化審議会に諮問することというようなまあ規定を設けられることを期待いたしている次第であります。なおこの点につきましての政府当局の考え方が、果して提案者と同じ意思であるかどうかという点につきまして、政府委員より若し委員の御承諾がありまするならばお述べ願いたい、かように存ずる次第であります。
#7
○政府委員(甘利昂一君) 先ほどの三条の許可に関しましては、今提案者から御説明のありましたように、事重大な事項につきましては運輸大臣が海運造船合理化審議会に諮問いたすようにいたしたいと思います。丁度幸いに旧来の造船合理化審議会が海運造船合理化審議会ということになりましたので、今その省令の改正をやつておりますので、その改正の際にそういうことを織込みたい、こういうように考えております。そこで七月一日から行うようにいたしたいと考えております。
#8
○小酒井義男君 政府のほうで今御答弁があつたわけなんですが、この第三条の二にありますところの問題は、これは合理化審議会の諮問事項とするということをその際に入れるということをですね、今の回答はこれは必ず実行されるという責任を以て御答弁願つていることだと思うのですが、さように了解してよろしいかどうか。
#9
○政府委員(甘利昂一君) 重要事項についてはそうすることにいたします。
#10
○小酒井義男君 更にこの七月一日から再出発するというふうにおつしやつている海運造船合理化審議会、これに対して従来そうした委員会の構成についていろいろと各委員会においても意見があるわけなんですが、例えば海運業の将来の発展と併せてこの造船事業の問題を考えた場合に、これに従事している人が非常に広汎なわけなんで、そうした職域の代表者を審議会の委員として任命して行くということが、私は広汎な意見を聴取して行く上において必要だと思うのですが、そういろ点について当局としてお考えになつている点があれば一つこの際承わつておきたいと思います。
#11
○政府委員(甘利昂一君) 丁度審議会を変えます際に、今まで船主、造船所側の代表者が入つておりましたが、金融界も勿論入りますが、船主のほうの代表のほかに船員なり、それから造船業の代表として経営者のほかに労務者側の代表、そういうかたがたも入れて頂き、もつと広汎なメンバーで組織したいと、こう考えておりますし、今お話の点十分考慮いたしたいと思います。
#12
○委員長(山縣勝見君) 他に御質疑がなければ、質疑はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないようでありまするから、それではこれより討論に入ります。賛否を明らかにしてお述べを願います。
#14
○小泉秀吉君 私は本法案に賛成するものであります。
 独立後におきまする我が国の造船業の消長は、直接海運業との関係におきまして、はた又関連産業等の関係におきましても、誠に重大なる国家的関心事であるに鑑みまして、これが育成助長を図るべきは当然のことでありまするが、国家財政の現状におきまして、直もに積極的にこれが補助政策などを講じがたいから、本法は誠に消極的ではあるが、この程度の整備方策を以て差当り海運、否、造船産業の育成を図ろうというのが本法の目的であります。併しながら本法の運営に当りまして、私は運輸大臣の許可権能というものが、無条件で存在することにいささか疑義を有しておつたのでございますが、先般来の質疑応答並びに只今の提案者並びに政府当局の御発言によりますると、近く改正されるべき造船合理化審議会を以て、そうした独断専行の弊を除くために、本法に規定している重要な事項に対する許可等に対しては、その審議会に諮問をするという御発言を信頼をいたしまして、本法案に賛成をいたす次第でございます。
#15
○委員長(山縣勝見君) その他ございませんか。
#16
○小酒井義男君 只今小泉委員からも言われましたように、いろいろと本日委員会における提案者並びに当局の御答弁というものが、今後の運営に必ず反映させ得る措置をとられるものという確信を得ることができましたので、やはり現在の実情においていろいろな観点からこうした措置をとることは極めて必要であろうと思いますので、本法案の成立に対して賛成の意を表するものであります。
#17
○委員長(山縣勝見君) 他に御発言ございませんか。……別に御発言もないようでありますから、討論はこれを以て終結したものと認めてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#19
○委員長(山縣勝見君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議におきまする委員長の口頭報告その他事後の手続に関しましては、慣例によつて委員長に一任願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないと認めます。なお慣例によりまして、本案を可とされたかたの御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    高田  寛  小泉 秀吉
    植竹 春彦  仁田 竹一
    高木 正夫  小酒井義男
   前之園喜一郎 深川榮左エ門
  ―――――――――――――
#21
○委員長(山縣勝見君) 次に離島航路整備法案を議題といたします。前回に引続きまして御質疑のおありのかたは御質疑願います。なお衆議院において本案の修正案が委員会において可決されております。本会議はまだ通つておりませんが、その修正点について一応発議者から御説明を願いましよう。
#22
○衆議院議員(關谷勝利君) 衆議院の委員会におきまして修正をされました点につきまして、簡単に御説明を申上げたいと存じます。
 この法案におきましては航路補助と利子補給と損失補償の三つが謳われておつたのでありますが、この損失補償を私たちはこの法案に織込みました理由といたしましては、従来開発銀行等におきましても、この離島航路の定期航路に対しまするところの支出が非常に融資が困難である、こういうふうなことを言われておりましたし、見返資金の中からも非常に困難である、そういうことになりまするというと、勢い市中銀行の金融に頼らなければならないと、こういうふうなことになつておりましたので、そういたしまするためには、どういたしましても担保力も余り十分でありませんので、三割程度の国家が損失補償をしなければ、市中金融機関が融資をしないであろうと、そういうふうなことからどうしてもこの損失補償をというので、これへ織込んであつたのであります。ところが先般予算獲得というような議員立法は、予算委員会との協議を要するということで、協議をいたしました際に、衆議院の予算委員長といたしましては、この種の損失補償というような点につきましては、諸種の事情から考えて余り適当ではないと考えるので、異論があるというふうなことに相成つて参りましたので、そういうことになりますると、金融を円滑にやるということができ得ないのではなかろうかということで、予算委員長からもそれに代るべき何らかの方法があるかというようなことで、大蔵当局、安本当局へ強力に申入を行なつてもらつたのであります。その結果大蔵当局におきましても、安本当局におきましても、でき得る限りの金融をするんだと、こういうふうなことがはつきりといたして参つたような次第であります。なお委員会に大蔵当局並びに安定本部の当局者を呼びまして、いろいろ質疑をいたしました際に、開発銀行の枠の中に、この開発銀行のほうへ大蔵省のほうから話してでき得る限りの融資をするようにする、従来は非常にこの開発銀行あたりから出すことが困難であつたが、それは国会のこういうふうな熱意に動かされて、必ず御期待に副うようにするというふうな大蔵当局の確約もありましたし、なお又安本当局へ尋ねましても、同じように融資の方法は必ずやるんだというふうな答弁を得まするし、なお又大蔵当局で握つておりまするところの中小企業の見返資金の枠も、これも又この融資の対象になり得るというふうなことがはつきりわかつて参りましたので、融資は必ず円滑にでき得るものと、こういうふうな確約を得ましたので、それなれば、この損失補償を譲つておりまするこの意味と申しまするか、目的は達成せられたと、こういうふうなことでその損失補償の条項を削除することに相成つたのであります。極めて簡単でありまするが、御報告申上げます。
#23
○前之園喜一郎君 資料を出してもらうように頼んでおきましたが……。
#24
○委員長(山縣勝見君) 資料出ていますか。……只今配付いたします。
#25
○前之園喜一郎君 この法案の中には、先般来質問を継続いたしましたように相当議論の余地があると思うのです。ちなみに最近こういう法律が次々に出る傾向にあるのです。今後国家財政との影響というものを考えなければならないのじやないかと思うわけです。なお又こういう法案が出ましたときに、運営の衝に当られるところの運輸大臣等は、こういう法案に対してどういう考えを持つておられるかということも、一応質しておく必要があろうかと考えるわけであります。そこで次回にできれば大蔵大臣、若し大蔵大臣が都合悪ければ主計局長と運輸大臣の御出席をお願いいたしまして、只今の点について一通り質疑を重ねたい、こういう意見を持つておりまするので、お諮り願つて御決定を願いたいと思います。
#26
○委員長(山縣勝見君) 只今前之園委員から御発言がありましたが、これは委員長において大体本案を上げますまでに、運輸大臣、大蔵大臣、勿論大蔵大臣が差支がありますれば、只今お話の主計局長或いは政務次官を当委員会に出席を求めまして、只今前之園委員のお話の点を質した上で審議をいたしたいと考えております。
#27
○前之園喜一郎君 これは只今海運局からこの前の資料の一部と思われるものを御配付になつたのですが、一応これについて御説明願います。
#28
○委員長(山縣勝見君) 只今前之園委員から御要求が出ましたから、御説明をお願いいたします。
#29
○政府委員(岡田修一君) 只今お配りいたしました資料は、二十六年度に補助金を交付いたしました会社の各航路の欠損の状況と、それに対する補助金の交付額でございます。一番最初に補助の対象になる航路名を記入しておりまして、その次が経営しております会社でございます。その次がその航路の欠損額であります。これは会社から出しておりまするものを、運輸省のほうでいろいろ調査いたしまして、そうしてその欠損の額を査定してきめたものでございます。それに対して補助金を、三〇%の額をその次に交付額として出しているわけでございます。一番最後に出しておりますのは、その航路の収支状況はこういうのだが、会社全体としてはどれだけの損益があるかというものを出しております。そこで先般の本委員会で御質問のありました利益を得ている会社の状況はどうかということでございますが、この表で御覧願いまする通りに、会社全体として益を出しておりまするのは、佐渡航路を経営しております佐渡汽船会社でございます。この会社が前年度二百六十九万九千円、約二百七十万円の利益を出しております。補助航路といたしましては、ここにありまするように千百四十八万円の赤字でございまして、それに対して三百四十六万円を補助しているのでございます。ところがこの会社はこの定期航路のほかに機帆船を相当数持つておりまして、新潟と北海道の間、或いは新潟周辺の機帆船輸送或いは回漕業、こういうものをやつておりまして、それで最後の備考欄に挙げておりますように、千九百万円からの利益を挙げております。で、配当は現在五分いたしている状況でございます。それからその次に利益を挙げておりますのは九州郵船会社でございます。この会社はこの補助を受けております三航路におきましては、千百万円からの赤字でございます。これに対して三百三十五万円の補助金を出しております。併し会社全体としては三十万円の利益を出しております。この利益を出しております主たるものは、この兼営事業として小さい客船を英軍に貸している、その用船料収入がこの兼営事業収入でございます。この会社はこの補助航路のほかにもう二航路ほど航路を営んでおりまするが、その航路は黒字が出ております。その他の二航路とこの兼営事業の収入とを合せて、そのバランスが会社全体として三十万円余りの利益であります。配当はいたしておりません。それから九州郵船、九州商船会社、この会社が同様四百六十万円の利益を挙げております。で、補助航路といたしましては、ここに五つの航路があります。これで千六百十六万円の赤字、それに対して五百九万円の補助であります。この会社もこの航路のほかに他に十航路以上の航路を経営いたしておりまして、その航路が相当黒字になつておりまするのと、この兼営事業収入として挙げておりまするのは、小型客船を他に貸しているというこの用船料収入と、その備考の括弧に書いてありますように、船舶売却代金として二百三十八万円というものがございます。まあこういうものを全部引つくるめた収支が四百六十万円という黒字になつているわけであります。この会社はまあ倍額増資予定もございまするので、配当一割という決算状況でございます。大体その三社が会社全体として利益を出しておりまするが、その他は相当額の赤字を出しておるような次第でございます。
#30
○前之園喜一郎君 只今の大体御説明でわかるようなものですが、私ども要求したいのは、例えば九州郵船、それから黒字を出しておるものもあるわけですから、ずつと九州郵船の航路がこれこれである。そしてどの航路はどれだけの黒字、どの航路はどれだけの赤字と、その他又別に収入があるならばそういうものもずつと同じ所に出してもらいたいというのです。そうして配当しておるならば配当しているというようなふうに一本にまとめて、黒字のものも又は赤字のものもわかりやすいように一つ出して頂きたいわけであります。黒字の分は口頭で御説明になつて、赤字のものだけ表をお出しにならんで、我々検討するのに厄介でありますから、そういうものをもう少し詳細によくわかるように表をお作りになつて次の委員会までに御提出をお願いいたします。
#31
○委員長(山縣勝見君) 前之園委員にちよつと申上げますが、今の要求された資料について、海運局長から申上げたいと言われておりますが、あとでよろしうございますか。
#32
○前之園喜一郎君 あとで……、今の欠損査定額についたは、いろいろ調査をしたと言われるのですが、いろいろ調査したというのはどういう調査をされたのか、これはまあ会社のやり方で、効率的な運営をすれば欠損をしない場合でも、運営が悪ければ欠損をする場合もあるし、又帳簿自体においてもどういう、会計検査院でやつておるような精密な調査をされたのか、これもやる人によつて、やつても内容はおのずから違うだろうと思うのですね。そういうような点をもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。それもできればやつぱりさつき申上げた表に、一緒に一つこういうようなことをやつたのだということを詳しく一つ書いてもらうといいと思うのです。
#33
○政府委員(岡田修一君) 先ほど御要求のありましたこの補助航路以外の各航路の収支状況でございますが、実は私ども各会社から取つておりまするのは補助航路だけでございまして、その他全体として引つくるめてどれだけの収益になつておるかというふうなことでございますと、各航路の収支状況ということになりますと、相当日数がかかりまして、この次の委員会までにはいささか間に合いかねると思います。この欠損査定額の、欠損の査定につきましては、これは会社から出して来ましたものを見まして、その各航路に就航している船の数、それから乗組船員、そういうものからして、実際どれだけの支出が適当であるかというふうなことを一々当りまして、そうして過度の支出をしているところはこちらで適当と思う支出額に査定するというふうなやり方をとつておりまして、その査定の方法につきましては、この次の委員会までに表にして御提出したいと思います。
#34
○前之園喜一郎君 この赤字の数字を出すのに、やはり黒字の内容がよくわからんと出ないのじやないでしようか。例えば一つの事務所の中に、各航路の事務をとつている事務員がたくさんおる。或いは建物も使つておる。その他共通で使つているものも相当にあるわけであります。それらの問題を研究をするに、やはり黒字のものがはつきりわからないと正確なものが出ないのじやないですか。あなたのほうでそういう調査をなさらんというのは少しおかしいと思うのですがね。この次というと二、三日でしようから、この次に間に合わなければその次でも結構です。一つ詳細なものをお出し願つて、私どもに研究の資料を御提供願いたいと思います。
#35
○政府委員(岡田修一君) 只今の点前之園先生の申される通りでございますが、誠に申訳けない次第でございまするけれども、現在そういう方法をとつておりませんで、今お話の船費のごときものにつきましては、全体の総収入とこの各航路の収入と、これを見まして、そして按分して割付けているというふうな方法をとつております。今各航路の収支状況を各地から取るといたしますと、相当辺鄙の地方、又九州、北海道、新潟でございますか、でありまするので、ちよつと相当な時日がかかると思うのです。
#36
○前之園喜一郎君 これは三、四日あればできるでしよう。私どものほうは一番遠いのですが手紙が三日ぐらいで来るし、それは向うにあるのですから、電報でも打つてお取寄せになり、それをあなたのほうで御検討になれは四、五日もあつたら、長くて一週間もあつたらできるのじやないですか。大したことじやないのですからね、それだけは一つお願いしたいと思います。
#37
○委員長(山縣勝見君) ちよつと速記をとめて。
   午後二時三十二分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十分速記開始
#38
○委員長(山縣勝見君) それでは速記を始めて。本件に関しましては、先ほど来前之園委員の御発言もあつて補助の対象になる損益金の査定等によつて更正するために、なお又従来の査定が適正であるかどうかということを合後の審議の参考の上から知りたいという御意見であります。従つてこの問題に対して、できるだけ説明がつくような資料を運輸省において至急に整えて、可能な範囲において整えて頂きたい。ついてはその一つとして、表にありまする会社の、被補助会社のいずれかについて、もつと説明に便利であり又は適格であるものを選んで、そうしてこの損失航路以外の航路がどういうふうな経緯になつているかということの調査を至急に一つするように、最大の努力を運輸当局においてして頂くことにして、本件に関する質疑は次回に続行することにいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(山縣勝見君) それではさようにいたします。
  ―――――――――――――
#40
○委員長(山縣勝見君) それじや次に旅行あつ旋業法案を議題といたします。御質疑のおありのかたは御質疑を願います。
#41
○高田寛君 それじや、まあ提案者に最初にお尋ねいたしたいのですが、まあこの旅行あつ旋業法というものを提出されたこれを拝見すると、旅行斡旋業の取締と監督ということだけがこの法案の内容のように思われるのですが、旅行あつ旋業法を提案されるについて、一面これを監督される代りに一個又これを助成するというような面をお考えにならなかつたのかどうか。又こういう助成をする面はなくて、ただ監督する、取締るという面のものは大体政府提案が通常だと思つているのですが、それをまあ議員提案として出されたその趣旨のところを一つ私に呑込めないのでお尋ねいたしたいと思うのです。
#42
○委員外議員(石村幸作君) お説御尤もでありますが、そもそもこれを議員提案として提出いたしましたのは、御承知の通り旅行が盛んになつて来て外客もますます殖えて来る傾向になつて来た。然るに一方悪質な旅行斡旋業者が依然として跡を絶たない。そこでこの交通業者や旅館業者、そういう関係者が迷惑するだけでなく、旅行をする、つまり例えば一般旅行者、特に学校の団体旅行、こういうふうなものについて非常に迷惑をする跡が絶たなかつたという状態であるのであります。そこでまあ、いわゆる業者、業者と言いますのは交通業者や旅館業者、又個々に一般旅行をする人たちからも、何とかこれが取締をしてもらわなければならつんというような声が長い問続いておつたのであります。そこでこういう法案を議員提出として出したわけでありますが、今御質問の通りこの取締のみであつて、助成の面が欠けている。確かにお説の通りであります。併しこの取締に要するこの法案の実施によりまして、悪質な業者の跡を絶つ。そうするならば自然優良な質のいい斡旋業者の信用も高まり、従つてこれが間接的にやはり一種の助成になる。こんなふうに見ておるわけであります。それで、而つもこの法律を今回出しましたのを契機として、将来何かの機会を捉えてこの法案をもととして、斡旋業界に対する保護助成の途を開かれるならば幸いだと、こう考えております。
   〔委員長退席、理事小泉秀吉君委員長席に着く〕
#43
○高田寛君 それじや次に、これはこの旅行斡旋業者というものが現在どのくらいのまあ数があるのか。それからこの法案によつて登録されるものがどのくらいの数になる見込か。政府のほうでおわかりでしようか。
#44
○委員外議員(石村幸作君) これは全国的にまだ全部の把握ができない状態であります。それは事務所を持ち店舗を持つておる業者だけでなく、例えば鞄だけ持つて、鞄と名刷だけ持つてお客を探して歩くというような、非常に多種多様でありますが、今現在の調べによりますと、大体三百三十六ぐらいを把握しておるわけでありまして、これは邦人を専門にしておるのは三百三十六、それから一般旅行斡旋、つまり外客も扱つておるのが約十五件、こんなふうに承知しております。
#45
○高田寛君 それからこのような旅行斡旋業者は今まで行政措置でいろいろ取締つておられたと思うのですが、これはどの程度まで取締つていたか。又はこれが今度立法化するについては今までの行政措置では悪質業者を淘汰することができないというお見込なのか、その辺の事情を一つ……。これはまあ取締に当つておられた政府のほうにお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(間嶋大治郎君) 旅行業者に対しまする取締に関しましては、曾て戦争中に企業整備の観点から企業許可令といたしまして、旅行斡旋業を法律取締の対象にいたしたことがございますが併し戦後は勿論総動員法の廃止によりまして、この企業許可令が廃止になつたわけであります。そのときは悪質なる業者の取締というよりも、戦争自的遂行のために企業を整備するというふうなことが主眼点であつたようでなります。それが廃止されまして以後は、この旅行斡旋業を業とする法律で取締るというものは全然ないわけであります。ただ旅行斡旋業者が不正行為等をいたしました場合に刑事上、或いは民事上の問題になるというだけでありまして、而も一番我々が見まして困りますことは、不正行為をいたしましても民事上、刑事上の問題は別といたしまして幾度も繰返して旅行斡旋行為ができるわけであります。事実相当悪質な行為をいたしましても、又名前を変えて旅行斡旋業を継続してやつておるというような例もかなりあるのであります。こういつたことが善意の旅行者に非常に大きな迷惑をかけておるというのはこれは事実でございます。これに対しまして運輸省としましても観光事業を主管しておる関係上、十分の関心は持ちまして過去三年来旅行斡旋業の実態調査というものを各都道府県、或いは陸海運局その他を通じまして実態調査を実施いたしたのであります。その結果によりまして適当な指導取締の方策を考えたのでありますが、何分法的な根拠がございませんので、事実上そういつた悪質の業者にかからないようにというふうな啓蒙運動を起す、或いは又学校その他の団体に呼び掛けまして、成るべく堅実な業者を利用するようにと呼び掛けたり、或いは多年の経験のある立派な旅行斡旋業者が積極的にそういつた方面に活動範囲を拡げるようにというふうなことで指導するよりし方がなかつたわけであります。この点につきまして提案者からお話がありました通り、地方の、都道府県、学校、或いは又業者自体からも何らかの法的規制をする必要があるというふうなことを要望して参つておつたような次第でございます。
#47
○高田寛君 この旅行斡旋業者を登録するということによつて実態をつかみ、又監督して行こうということなのでありますが、この登録につきましては、この第六条で「登録を拒否しなければならない。」という、この条項に該当しないものはこれはもう誰でも、個人でも法人でも、それから又組織、経験如何、従業員の素質如何を問わず、誰でも無条件に登録すると、こういうおつもりなのでしようか、この点一つ提案者にお伺いしたいのですが。
#48
○委員外議員(石村幸作君) 原則といたしまして全部登録をして頂く。登録しないものは営業ができない、こういうことにしております。
#49
○高田寛君 つまり登録すれば、この法案によると外客の斡旋に当るものは二十万円、日本人の斡旋に当るものは五万円の登録料を払えば誰でも登録されるということになると、登録されれば今度政府公認というような看板を振りかざしてどこにでも歩き廻るとこうようなことになるわけですが、五万円の供託金を出しさえすれば政府公認の旅行斡旋業者だと言つてほうぼうを歩き廻ると、ただ鞄一つぶら下げて緑に従業員もない、一人で歩き廻るような、そういうものが不当に信用をかち得て、却つて大して信頼に足らないようなものまで、この登録をしたために政府公認という名称を振りかざして不当に信頼させ却つて事を誤るのじやないか、そういう点についてはどうお考えになりましようか。
#50
○委員外議員(石村幸作君) 誰でも登録すればできるはずでありますが、この第六条にございます通り、例えば申請をする以前に「三年の懲役又は禁この刑以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者」とか、こういうふうに過去におきまして不正があつたとかいうようなものは登録させないわけであります。従つてここに一応登録して営業を開始いたしますと、お互いに業者同志もこれを監視いたしまして、そうして不正なことのないように、明朗なこの斡旋業が行われるようにお互いに監視等もいたしておるので、若し一たび不正なことがあれば、そこに罰金刑等の処分もあるのでありまして、又今お話になりましたこの僅か五万円の保証金だけ積めばどんなものでもできると、こういうことにはなつておりますが、ただ保証金のみをたくさん積みますということもどうかと思うのであります。つまり資力の点においては余り大したことはないけれども、その他の経験とか信用、経営者の人物というような点で信頼が置けると、いわゆる善良な、優秀な業者に対しては余りそういうふうな意味で圧迫を加えないほうがいいだろう、こういう点も考えておる次第でございまして、この登録の執行いたすならば、いわゆるこれを看板にして、むしろ悪質なことがあるのじやないかというようなことも提案者としては一応は考えたのでありますが、これはそういうことをやれば必ずこの罰則もあることであります、又業者の目が光る、お互いに光つておる。又その関係の交通、旅館、そういうふうな施設を利用させる、そういう業者等からも常に監視と言いますか、終始注意しておるのでありますから、この登録によつて相当な実績が上ると、こう確信しておるわけであります。
#51
○高田寛君 私の心配しますのは、つまり登録申請してここにいろいろ禁錮以上の刑に処せられない者とか、こういう適格条件がありますが、これに該当しない者は登録を要求すれば、これは登録しなければならん。それで五万円の供託金を出しさえすれば、それで活動できるということになる、そうすると何ら経験も何もない者が登録すると、そうして政府公認の業者だと言つて名刺を振廻してお客を勧誘する。実際修学旅行のお世話にしても、これに頼むと不正はないにしても、経験も何もなくてこれもいろいろ手違いで非常にお客に迷惑をかける、こういうことになりはしないか。登録するにしても条件は非常に寛大であり、供託金なども少い。これで登録というと恐らく政府公認というような名刺を使うだろうと思うのです。それが不当に世間の人の信頼を得て、却つてその旅行の斡旋を依頼するかたに迷惑をかけはしないかということ、こういう点を私心配しているのです。
#52
○委員外議員(石村幸作君) お言葉のうちの外客に対しましては、特にこの邦人を扱うのと分けましたのは、今の御指摘の経験能力、こういう点において特に必要でありますので、外客の斡旋をする業者を別扱いにしたわけでありますし、又保証金もその信用、資力等の、及びその保証の場合等の安全を確保するためにそういう措置をとつたのでありますが、邦人を相手でする業者に対しましては、そこまでやかましくやつておりませんでした。そもそもこれは斡旋業者は自由営業でありまして、余りに圧迫の度を加えることはどうか、そして現在自由にやつておりますので、一応この登録制を布きまして、これによつて全国のこの業界の状態を本当に一応把握をすることが先ず必要だと、こう考えたのであります。
#53
○高田寛君 私の質問のし方が足りなかつたのかも知れないと思うのですが、つまり自由営業ならば自由営業で、お客がよくその業者を見極めて選択をする。併し政府の登録業者ということになると余りその内容を調べずに、その名刺を持つて勧誘すれば、すぐそれに頼む。頼んだところが経験も何もない。従業員も持つていないというようなもので、非常にその旅行もうまく行かないで迷惑すると、これは外人ではありません、日本の修学旅行や何かの場合なんかですが、その点を登録制度ができたために却つて世の中の人が迷惑しやしないかという点を私は心配するのであります。
#54
○政府委員(間嶋大治郎君) 只今御質問の点につきましては、勿論一部の業者の中にはそういつた名前を振りかざして或いは不正行為をやるものも出て来るかと思いますが、その点につきましては、若しこの法律が通過いたしましたならば、政府といたしましては一般旅行者等に対しまして十分この法律の趣旨を徹底させる必要があると思うのであります。ただ登録を受けたということが一〇〇%その業者の信用を保証するゆえんではないことは勿論でございます。登録をしなければ勿論旅行斡旋はできないわけでありますが、修学旅行等身計画する場合にはやはり十分信用のある業者というふうなものを登録業者の中から選ぶというふうなことを十分呼び掛ける必要があると思うのであります。これはまあほかの法律でも、証券業法その他登録制度をとつたものは幾らかございますけれども、そういうものでもやはり同機な問題があると思うのであります。併しそれはそういつた適当な周知方法によりまして、或る程度そういつた弊害は防げるのではないかというふうに私どもは考えておりまして、若しこの法律が通過いたしましたならば十分そういう点には意を用いまして、業者に対してこの法律の内容を周知させると共に、利用者側に対してはなお更よくこの法律の趣旨を徹底さして、登録業者であるが故に過信することのないよう指導して行きたいと考えております。
#55
○高田寛君 まあ今の点はもう少し議論のある点であると思いますが、議論はあと廻しにしまして、もう少し御質問したいと思うのですが、この登録業者の供託金が五万円、或いは外国の旅行者の斡旋をする者は二十万円というようなこの基準は大体どういうところからきめられたものか、その点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#56
○委員外議員(石村幸作君) これは外国のほうを多くしたということは、先ほどお答え申上げましたうちに織込んでおきましたが、つまり外客をまあ重く見たわけであります。そうしてこの外客を扱う業者の資力及び信用、それから補償の場合のことを考えまして、これを確保する意味においてその差をつけたわけであります。そうしてこれの基準と申しますと、外客と邦人との間の基準は二十万円、五万円、この程度を以てと、こういうふうに考えた。即ち五万円もこれもむしろ少いけれども、先ほども申上げました通り、ただ単に保証金をとるだけということでは、この善良である、資力は十分持たないけれども善良な、その善良なる業者を余りに圧迫しないと、こういう程度でありますが、証券業法……実はフランス等の旅行斡旋の構想等も倣つたのでありますが、我が国でも証券業者の信託会社、これにつきましては本店が十万円、それから支店その他の営業所は各五万円、それから信託会社に対しては資本金の十分の一以上、但し百万円を超えないことというような例もございますので、あれこれこれを参照して決定した次第であります。
#57
○高田寛君 まあ営業保証金と言えば、業者が何か損害を与えた場合のための補償金だろうと思うのですが、例えばお客からは料金を取つておいた、それで旅館にその支払をしない場合には旅館が業者に対して要求しても払わん、その場合に保証金というものがものをいうと思う。それで今の物価からいつて五万円ぐらいの保証金で足りるとお考えになるかどうか、その点を一つ御意見、お見込みを伺いたいのです。
#58
○委員外議員(石村幸作君) 一つの例えば不正行為があつて補償をしたという場合でしたら、先ず法人でしたら、五万円の限度でしたら、どうにか償われる、こう考えておるのでありまして、勿論そのうち四万円なら四万円補償としてこれで弁償すると、こういうふうな場合には同時に追加してその五万円に足りるまで補償の義務を負わせる、若しそれを埋め得ないような場合には取消しをする、こういうふうに考えております。
#59
○高田寛君 もう少し質問を続けたいのですが、鉄道、軌道等の運輸事業とか、ハス事業、定期航路事業、航空事業、こういうものが法人の旅行斡旋業を営む場合には登録を要しない。それから一般が旅行斡旋業を営む場合は登録を要するということにしてあるのですが、この法人の場合登録を要しないことにしてある理由はどういう点にあるのでしようか。
#60
○委員外議員(石村幸作君) 運輸業者、これは最初免許を与えますときから、あらかじめ申請者の資力、信用等をよく調査いたしまして、十分なる資格を有するものにのみ与えておることは御存じの通りであります。そこで改めて本法によつて登録をし、又営業保証金等を供託する必要もないと思うのであります。そうしてこの運輸業者がこういう旅行斡旋業を営むということはこれは当然なことと思われるのでありまして、特にこの一般旅行斡旋、即ち外客を扱うものに対してはこの責任者の、又は使用人の過去の業務の経験又は能力等を要件といたしておるのでありますが、一般邦人に対しましては登録を必要としないというのは、以上のような理由であります。
#61
○高田寛君 それなら一つお伺いするのですが、世界一流のトーマス・クツクとか或いはアメリカン・エキスプレスというような世界に信用も資力もあり経験も積んでおるものが、これも近く日本に来て旅行斡旋事業を営むと思いますが、こういうものもやはり登録しなければ営業させませんか。
#62
○委員外議員(石村幸作君) 外国の業者が日本へ支店なり営業所をおく、こういう場合も日本人同様登録を必要とする、こういうことにいたしております。
#63
○高田寛君 今そこの鉄道とか、軌道とか、こういうものは資力もあり信用もあるから登録を必要としない、ただ外人の旅行斡旋をやる場合には、経験も要るのだから登録させるという、そうすると今のようなトマス・クツクのような資力もあり信用も十分であることが世界中に知れ渡つておるような業者、而も外人の旅行斡旋については万全の経験を持つておる業者、こういうものが来る場合になぜ登録させるかということでな。
#64
○政府委員(間嶋大治郎君) 今のお話は御尤もではありますが、運輸事業の場合には一応全部に亙つて例外なく免許又は特許というふうな行為がありますので、その資力、信用というふうなものは十分調査済みで、十分な資格があるということが言えるわけであります。旅行斡旋業者の場合には、勿論その中には一般に又世界的に知れ渡つた業者もありますけれども、併しそういうものをどこで区分するかということは実際問題として非常にこれはむずかしいことだと思うのです。これはほかの登録或いは免許等につきましても、一々調査しなくても世間に知れ渡つた資力もあり信用もあり経験もある業者がありましても、やはり法の建前としては一律にやるべきものではないか。又今お話のようなエキスプレス、或いはトーマス・クツクというふうなものが来ました場合には、勿論その資力、信用或いは能力というふうな点につきましては疑問はないとは存じまするが、併しそういうものであるからということによつて除外例を設けるということは、只今申上げましたように、どこで限界を設けるかということで非常に困難な問題でありますので、私ども政府側といたしましても、一応旅行斡旋業者に登録制度を設ける以上は、一律にやらざるを得ないのじやないかというふうな見解を持つております。
#65
○高田寛君 この登録制度ができると、この登録業者につきましては、政府としていろいろ報告書の提出とか、こういうことが頻繁になるのじやないかと思うのですが、複雑な報告書の提出を要求するということは、今の一般の業者の実態からいつて非常に苦痛であろうと思うのです。一面助成の途はなくて、こういう報告だけいろいろ煩瑣な手数をかけるということは、関係の業者に非常に苦痛を与えるのじやないかと思うのですが、この報告類の徴集については、これは実施の場合に当つて政府当局としてどの程度にお考えになつておられるか、この点一つ承わりたいと思います。
#66
○政府委員(間嶋大治郎君) この法案の二十六条に、運輸大臣が必要と認めるときに報告をさせることができるという規定がございまするが、若しこの法律が通過いたしました場合に、政府側として考えておりますのは、一々業務の実態を報告させるような煩瑣なことはする必要はないと考えております。例えばこの二十六条で見ましても、業者の組織する団体ということがございまするが、こういうものができました場合に、どういう団体ができて、どういう内容のものであるかということを知る必要があると思うのであります。そういつた団体の名前、組織或いはその事業目的というふうなものを一応報告を取る必要があるのじやないかと考えます。或いは又不正な行為をやりました場合に、運輸大臣が取消をすることができるということに相成つておりますが、そういつたような不正行為があつた場合に、一応運輸大臣としては業者の言い分を聞くために報告を徴する必要があるのではないかと思うのです。又料金等につきまして、不当に高い場合にはこれを変更させることができるというふうな規定がございまするが、そういう場合にもその料金の算定基準というふうなものを一応報告してもらうというふうなことが起るのではないかと考えます。そういうふうなものも一応考えられるのじやないかと思うのでありまして、業務に関して一々全部報告させるというようなことは全然必要はないというふうな考え方をいたしております。
#67
○高田寛君 いま一つ、この取締りの内容については、料金というのが大事な点であろうと思いますが、この旅行斡旋事業の料金というものは、これは千差万別で、まあ例えば学生の修学旅行のようなものの場合にはできるだけ安いのがいい。一面又相当贅沢な旅行者、殊に外国から来る旅行者などは万全のサービスを、各方面の十分な斡旋を要求する。そのために料金などは高いのを決していとわないというふうな申込をして来るものもある。こういうようないろいろその関係業者とお客の間の交渉で料金などは千差万別だと思うのですが、こういうものを届出さして、それでこれを取締るということが果して実際上できるものかどうか、又有効な取締ができるかどうかということを私は非常に心配するのですが、この点提案者としてどうお考えですか。
#68
○委員外議員(石村幸作君) これはこの料金の届出でありますが、決して個々の斡旋料を届出るというわけではございませんので、その受取る料金の最高の額又は最高の料率をあらかじめ届出るわけであります。即も団体旅行の主催とか、本人又は団体旅行の請負等の場合のものにつきましてはその最高の料率、それから旅行の手配によつて収受するものについてはその最高料金又は最高料率、こういうのを最高のものを届けておきまして、特に例外に届出た料金よりも遥かに多額の料金を取るような場合が起る、そのときにのみその都度届出をさせる、こういうことに考えております。
#69
○前之園喜一郎君 私は提案者になつておるので提案者に質問するのはちよつと変ですから、政府に一つ運用の面について御意見を極く簡単なこと二、三……、これは大分あるのですが、これを見てみると非常にどうも提案者の一人として恥しい気持がするのですが、細かいことはあとで何かの機会に聞くことにしますが、非常に自につくことだけを一つお聞きしたいと思います。高田先生から非常に適切な御質問があつたのでありますが、成るほど御意見を承わつてみますると、これは全く取締に終止しておるという感じがするのですね。取締法規である。積極的に斡旋業者を援助するとか、指導するとか、或いは教育するとかいうことは法文の中には何にもないわけなんですが、併しこの法文の中に省令を以て定めるというような言葉があるようですが、そういう省令で何か積極面においても考えておられるのか。或いは斡旋業者の教育をするとか、講習会をやるとか、何らかの指導をやるとか、或いは助成するとかいうようなことをお考えになつておるのかどうか。この法律が通過した場合に政府はそういうことをおやりになるのであるかどうかということについて、先ずお尋ねしたいと思います。
#70
○政府委員(間嶋大治郎君) 業者に対する助成の問題につきましては、先ほど提案者からお話がありました通り、一応斡旋業界の実態というものを把握しました上で具体的な対策を考えたいと、こう思つておるのであります。省令自体は、この法律に基く手続をきめるのでありますので、すぐそこへ助成的な内容を盛込むことは勿論できないと思うのでありますが、現在旅行斡旋業界におきましても、この法律自体については、業界として非常に結構で是非できることを要望するというような御意見と同時に、やはり或る程度の助成措置を要望いたしておるのであります。これにつきましては、法律に基かなくても、例えば旅行斡旋業者が一番関係いたしますホテル、旅館等の宿泊業者或いは交通業者との関係におきまして、現在旅行斡旋業界が余り信用がないために不当な取扱を受けておるというふうなことはたびたび陳情もしておるのでありますが、そういうような点、業界の実態が把握でき、又これによりまして不正業者が跡を絶つということになれば、政府当局といたしましても現在旅行斡旋業者と宿泊業者或いは交通業者との間の関係が旅行斡旋業者の側に不当に不利であるというふうなものにつきましては、これを是正さして行きたい、こういうふうに考えております。それにつきまして具体的な意見も大分来てはおりますが、この点につきましては非常に愼重にやる必要もあるのでございまして、いろいろ研究はいたしております。こういう法律ができましたあとの裏付けといたしまして、そういうことも十分やりたいというような考えを持つております。
#71
○前之園喜一郎君 この法律が通過して施行されるについてどのくらいの人員が要るのか、どのくらいの予算を考えておられるのかということをお伺いしたい。
#72
○政府委員(間嶋大治郎君) この法律が若し通りました場合には、必要な経費につきましては、登録業者が大体どの程度あるかということによつて大分違つて来るわけであります。私どもとしましては若し法律が通りましたならば補正予算等で一応要求したいと考えておりますが、本省等におきましては主として、何と申しますか、この法律実施によつて、先ほど申上げました各方面に周知させるための経費、こういうものが主になるのであります。これは大体私どもの考え方では五、六十万円から七、八十万円あれば済むのではないかと、こういうふうに考えます。普通の日本人を相手とする旅行斡旋業者の登録は地方に移譲いたしますので、地方におきましてはこの法律を周知させ、そうしてこの適正な運用を図るということが主たる仕事でございまするので、初年度に或る程度そういう周知の費用が七、八十万円くらいかかるのではないかと、こういうふうに考えます。それから地方は都道府県に大部分の仕事を移譲し、そうして一部を運輸業者が旅行斡旋をいたします場合の料金の問題につきましては、運輸業者にこの仕事を任せる、こういうつもりでおるわけでありますが、これにつきましてはやはりやり方次第でございまするが、理想的にやりました場合に、人件費を一応除きまして考えますと、各府県全部に亙りまして大体二百万円くらいもあればいいのではないか、こういうふうに考えております。併しこれも今申上げました通り、斡旋業者が登録を要求して来るものがそういうふうに各府県全部に亙るかどうかというふうな点でありまして、現在実情から申上げますと、東京、大阪その他の大都市を含む地方に旅行斡旋業者が集中をいたしておりまして、地方には、報告によりますとないような府県もございます。併しこれは店舗を張つておるものは把握ができますが、そうでないものは把握できませんので、私どもといたしましては一応ある、そういう府県におきましても旅行斡旋業者が或る程度存在するということを前提にいたしまして想定いたしました経費はその程度でございます。
#73
○前之園喜一郎君 人はどれくらい要るのですか、これに要する。
#74
○政府委員(間嶋大治郎君) 人の問題につきましては運輸省といたしましては、運輸省に関しましては理想的に申上げれば二名乃至三名の人員を必要とすると考えておりますが、併しこれは実際問題として非常に困難でありますつので、現在の人員を以てやるよりいたし方がないのではないか、見通しとしては、こういうふうに考えております。それから地方につきましては、これも想定でございまするが、今申上げました六大都市等を含む府県その他の旅行斡旋業者が多いと思われるような府県等につきまして一人、東京、大阪等については二人ぐらいあればいいのではないか、そう考えますと全体で特に人を要するという府県は十二、三名程度ではないか、こういうふうに考えます。
#75
○前之園喜一郎君 先ほど高田先生がお聞きになつたところですが、この第二条の中に対価、これは対価は両方から取れるようになつておるのですね、斡旋を依頼した人からも取り、施設を経営する者からも取れるようになつておるようですが、その通りですか。
#76
○委員外議員(石村幸作君) 対価と申しますのは、旅行者から取る手数料だけでなくして、例えば旅館の部屋を予約する世話をする、そういう場合には旅館のほうから、早く申しますと割戻し、こういうのを取つております。これを両方を対価とみなしておりますが、これは両方から取るという意味でなしに、お客さんから取る場合と、旅行者から取る場合と、又旅館等から割戻しで取る場合と二つの様式になつておりますので、その両方を指したわけであります。
#77
○前之園喜一郎君 今提案者から御答弁があつて少しおかしいのですが、私がお伺いしたいのは、賃金を取るとか料金を取るとかということは省令で大体おきめになるだろうと私は思うので、そういうような割合、つまり依頼者から取る場合と、それから施設の経営者から取る場合と、どういうような割合、或いは又どういう比例等で取るような省令をおきめになるつもりかと、こういうことを政府から御答弁を願いたいということだつたのです。
#78
○政府委員(間嶋大治郎君) 対価、即ち料金につきましては、この法律によりますと届出制度に相成つておるわけでありますので、省令でも勿論そういうことはきめないわけでありますが、ただ届出の方法といたしまして省令で様式をきめる必要があると思うのであります。それにつきましては先ほど提案者からお話がありました通りいろいろの場合があるのでありますが、私どもが一応考えておりますのは、日本人を対象として考えまする場合に、一応旅行の種別を普通旅行と修学旅行というふうに分けます。これは通常の場合に修学旅行のほうが安くなつておりますので、先ず普通旅行と修学旅行の二に大別いたします。そうして普通の旅行の内容を、これは団体を主催する場合と、請負する場合と、それから旅行の手配をする場合と、それからもう一つは附添斡旋の場合、こういうふうに四つに分けます。又修学旅行につきましては、請負の場合、手配の場合、附添斡旋の場合、この三つに分けておるのではないか、それから通常の場合において、やはり人数によりまして百人以上、三百人以上というふうに幾らか人数によりまして料率等も異つておりますので、そういつた人数による差別というものも分ける必要があるのではないか、こういうふうな大体考え方で、それぞれにつきまして旅行斡旋の最高料金又は最高料率というものを書き出して頂く。それからもう一方、こういう旅行斡旋によりましては旅行者側から取らずに運輸業者からの割戻しによりまして営業しておるものがありますので、運輸業者からの割戻しにつきましては、ホテル、旅館等から何%、国鉄から何%、地方鉄道、軌道から何%、自動車から何%というふうなことで届出をしてもらうことが適当ではないかというふうに実は考えております。
#79
○前之園喜一郎君 政府委員に今の問題をお伺いいたしたいのですが、この第四条に「事業の計画その他の運輸省令で定める事項を記載した書類を添附しなければならない。」、この運輸省令というものの中で、或いは最高の料金、最低の料金というものを一応考えるというわけではないのですか。
#80
○政府委員(間嶋大治郎君) 只今私が申上げました斡旋料金の届出手続につきましては、これは十二条に書いてありまする「旅行あつ旋業を営む者は、運輸省令で定めるところにより、旅行あつ旋の料金を定め」、これによりまして運輸省令で今申上げましたような料金届出の手続及び内容をきめて行きたい、こういうふうに考えております。今お話になりました第四条につきましては、料金のことではございませんので、添附書類といたしまして主として事業計画に関係のある事項でございまして、例えて申上げますと、旅行斡旋の内容、今申上げました通り旅行につきましてもいろいろ区別をいたしておりますが、こういつた旅行斡旋の内容どういうような旅行斡旋をするかということ、それからその事業の活動区域というようなもの、それから、その他法人につきましては、法人関係のいろいろの謄本、それから財産目録、貸借対照表というふうなもの、役員その他の履歴書その他法人でない組合等につきましては、その組合の契約書というふうなもの、個人につきましてはやはり戸籍抄本、履歴書というふうないろいろ事務的な届出書類がたくさんございますので、そういつた事業計画に関係のあるものと、それから登録を受けるに際して必要な書類というふうなものを主として考えておりますので、運輸省令で定めますものはそういつた書類の記載字句、内容、種別を主としてきめて行つたらいいのではないか、こういうふうに考えております。
#81
○前之園喜一郎君 今の四条に関連して、やはりこの申請書の中に運輸省令で定められた範囲における料金というものを記載した書類を添附しなくてもいいのですか、そういうふうなものは要らないのですか。
#82
○政府委員(間嶋大治郎君) この法律の建前を見ますと、一応四条のほうは登録申請の場合に必要な手続のことを書いてあるのでありますが、別に十二条に旅行斡旋の料金の届出のことが書いてありまして、料金をあらかじめ届出でなければならんということになつておりますので、これから見ますとやはり一応四条と十二条と別に考えまして、四条のほうは登録に必要な関係書類の提出だけでいいのではないか、十二条によりまして事前に料金届出ということが必要になつているように思われます。私どもはそういうふうな考え方をいたしております。
#83
○前之園喜一郎君 もう二点だけお伺いいたします。第四条の所でこの第一項の第二号ですね、「営業所又は代理店の名称及び位置」と、「代理店」という言葉の使い方は非常にまぎらわしいことになるのじやないですか、取扱上。それはまあ御承知のように商法の観念で言うと、やはり独立の商業になるので、あとのほうで「代理店は、営業所とみなす」と第十一条に釈明はしてあるけれども、こういう釈明をするまでもなく、やはり営業所又は出張所、支所というようなふうに明確に書いて置くほうがこれはまぎらわしくなくていいのではないかと私は今気がするわけですがね、代理店ということをここに出すということはおかしいのじやないかと思うのですがどうでしよう。
#84
○法制局参事(岡崎庄盛君) 代理店の問題につきまして法制局のほうからちよつとお答え申上げます。第一点は、旅行斡旋業者の代理店を置きました場合に、その代理店は勿論旅行斡旋業者とは別個の業者でございますけれども、代理店を営むということは、これは旅行斡旋業を代理店がやつているのではなくて、代理店は旅行斡旋の代理業をやるということになりますので、代理店個人は、代理店そのものは全然この法律の対象外になるわけであります。それではこの旅行斡旋業を登録して取締をするという目的から外れるという御趣旨でありましたので、代理店はその旅行斡旋業者の営業所なみに扱うということにしまして、旅行斡旋業者のほうで申請をします場合に、その代理店の名称及び位置を出させるということにしたわけでございます。
#85
○前之園喜一郎君 これはあなたのほうに聞くべき筋合ではないのですが、代理店というものはいわゆる商法上の法律用語であるので、それを事務所とみなすというのはおかしいように思うわけなのですが、一応あなたはどう解釈されるかということを聞いただけなわけなのです。
 それからもう一つ、第六条と十九条の一項の関係について、あなたがたの御意見を一つお聞きしたいと思うのですが、第六条の第一項の一号、「第十九条の規定により旅行あつ旋業の登録を取り消され、その取消の日から二年を経過していない者」、ところでこの第十九条によると、期限を付してあるのですね、第十九条「運輸大臣は旅行あつ旋業を営む者が左の各号の一に該当するときは六箇月以内の期間を定めて業務の停止を命じ、又は登録を取り消すことができる。」、これは期間がきめてあるのですね。それで二ヵ年なんということがここに出て来るのは少しこれはどうも何かの間違いじやなかつたかと思うわけなのですが、やはりやり方としてお困りになるのじやないですか。
#86
○法制局参事(岡崎庄盛君) 今の点につきまして、十九条で「六箇月以内の期間を定め」と申しますのは、業務停止の期間でございまして、登録の取消の期間は別にないわけでございます。
#87
○前之園喜一郎君 十九条のほうで六ヵ月の期間が経過すると、これは前に還つて来るわけでしよう。六ヵ月の期間を経過すれば又営業は復活するということになるわけなんですね。ですから第六条で二ヵ年ということは少しおかしいと思うのですがね。
#88
○法制局参事(岡崎庄盛君) 第六条の第一項におきます「登録を取り消されて」と申しますのは、取消がありますればそれが復活するということはまあないわけでございまして、十九条の六ヵ月の期間というのは、その業務停止の期間でありまして、例えば登録業者につきましては、登録を取消しする場合もありますし、又六ヵ月以内におきまして二ヵ月とか三ヵ月とか限りましてその間の営業停止を命ずるということもできるわけであります。それから登録を受けない交通事業を行うものがやります場合には、これは登録がございませんので、業務の停止だけになります。その業務停止の期間が六ヵ月以内ということになるわけであります。
#89
○前之園喜一郎君 業務停止でしたね、それはそれでいいわけですね。まあその他いろいろありますけれども、あなた方のほうに私のほうが聞くということはこれは筋違いですからその程度にして置きましよう。まあ内輪で何かいろいろとお話をしたいと思います。
#90
○高田寛君 私から一つ伺いたいのですが、第十二条に「旅行あつ旋の料金を定め、」というのがあるが、この料金の内容をいま少しくはつきりと御説明願いたいと思うのですが、この料金というのは、旅行の斡旋を依頼するお客から取るものと、それからさつきの提案者の御説明の中に、旅館などから取るものも対価であるというようなお話があつたのでありますが、この料金の内容を一つ改めてお伺いしたいのですが。
#91
○政府委員(間嶋大治郎君) この法律にございまする十二条の旅行斡旋料金につきましては、御提案者の立案の趣旨を汲みまして私どものほうで考えておりますのは、掛金につきましては、第二条によりましても、旅行者側から取る料金と運輸業者或いは宿泊業者から受ける割戻し或いは手数料とこの二種類あるわけでございますが、こういうふうなものにつきまして、私どもとしましては最高料金又は最高料率の届出をするので十分ではないかと、こういうふうに考えております。そうしてその分け方といたしましては先ほど申上げましたように、一応大区分としては、普通旅行と修学旅行というふうなものに分けまして、それを普通旅行のほうは主催と請負と手配と附添斡旋とこの四種類に分ける、修学旅行のほうは請負と手配と附添斡旋というふうなものに分ちまして、又それぞれにつきまして人数に応じて料金と料率の区分がありますれば、それも書いて頂く、こういうふうに考えております。それから割戻しにつきましては、非常にたくさんのホテル、旅館或いは交通機関からの割戻しがあると思うのでありますが、今私どもが考えておりますのは国有鉄道と地方鉄道、軌道、自動車業、船舶事業、ホテル、旅館その他とまあこの程度に区分する。そうしてそれぞれの業種の最高の割戻し率と、こういうふうなものでいいのじやないかと、一応そういうふうに考えております。なおこの点につきましては、更に業界の実情等も十分よく調べました上できめる必要があると思うのでありますが、まあそういうふうな実は腹案を考えておるような次第でございます。
#92
○高田寛君 そうしますとこの料金というのは、その旅行者のほうから取るだけでなく、運輸機関や又は旅館業者から取る、そうすると例えば修学旅行を世話するときに五百円の宿泊料ということで契約して置いて、実際はその二割の料金を取れば、実際四百円の泊りに実質はなつてしまう。それを政府としてもそういうやり方を認めると、こういうわけですか。
#93
○政府委員(間嶋大治郎君) この十二条によりますと、とにかく届出制度になつておりまするからして、実際問題として両方から取つておれば、両方から取つておるということを届出してもらわなければならんと思うのでありますが、実情を見ますと大部分の場合は一方から取つておる場合が多いのであります。両方から取る場合というのは殆んど私はないと思います。ただ旅館或いは交通業者から払戻しを受けると同時に、一方旅行者側から一人幾らというふうな手数料をまとめて取るというふうなことも行われておるようでありますが、そういつた場合は極めて稀でありまして、実際問題としては一方から取るという場合が非常に多い。例えば手配の場合は、普通まあ旅館等の手配の場合は依頼者から取らずに旅館等から割戻しを受けるというのが普通であります。併し修学旅行等におきましては、今申上げましたように旅館及び交通業者から払戻しを受けると同時に、需用者側から一人幾らというふうな定額で料金を何と申しますか、斡旋の料金と言いますか、というものを取つているような場合も若干見受けられるのであります。ですからこの建前から申しますと、両方から取つておるということであれば、その最高料率或いは最高料金というものを両方とも届出るというふうなことになるのではないかと思います。
#94
○高田寛君 そうすると提案者の御説明は、まあ両方から取るということだと、そうするとこの法律が運用される場合に政府としてはやはり両方から取る、旅館からも一割とか二割とかというその手数料を取るという届出があつても、それは不当だからと言つて直させるという指令はしない、そのまま認めると、こういう御意見ですか。
#95
○政府委員(間嶋大治郎君) この法律によりますと一応届出るということになつておりまして、それが第十二条の第二項で、甚だしく不当なものであるという場合に変更命令を出すことができると、こういうことに実は相成つておるわけであります。若しこの法律が通りました場合に、私どもとしましては、一応そういう料金の届出を受けまして全体として旅行斡旋業界の料金というふうなものの実態を把握するということが一番だと思うのです。それから不当に高いものを出して来るかどうかということは疑問でありますが、私どもとしましては若しそういう問題があればこの法律の趣旨に副つて、運輸大臣が変更命令を出さなきやならんと思いますが、そんなに高いものを恐らく業者も届出することはないのじやないかと思います。むしろそれよりも私はこの料金の届出によりまして、旅行斡旋業の実態というものがよくつかめる、それを基にして私どもは適当な措置で業界が適正な、何と申しますか、料金の点について適正な状態に持つて行くというようなことを今後考えて行かなければいけないのじやないか。ただ変更命令ということを適用する場合は極めて稀な場合しかないと、私どもはそういうふうに実は考えております。この料金届出につきましては、一応先ず実態を把握するということが一番大きな効果ではないか、それに基いて業界全体が適正な方向に動いて行くように行政上の指導というふうなものを今後やつて行くということが肝要ではないか、こういうふうに実は考えております。
#96
○高田寛君 この法律の実体から行くと、料金の問題なんですが、この料金については、私の承知している限りでは、今日までは修学旅行などについては、宿屋が五百円の泊りならば、もう本当に宿直には五百円払わなきやいかん、頭をはねるようなことをやつてはいかんということを一方で常識として考えられている。私も又そう信じております。それにもかかわらず、今のお話によると修学旅行のような場合に、学生のほうからは五百円の宿泊料という計算で旅費を出させて置いて、宿屋のほうからその一割、二割という割戻しを受けるということを認めるような御答弁のあつたことは、誠に私としては心外の至りだと思うのだが、この点はまあ見解の相違というだけでは片付けられない問題だと思うのです。その点をもう少しはつきり私は御見解を承わりたいと思うのですが。
#97
○理事(小泉秀吉君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#98
○理事(小泉秀吉君) それでは速記を始めて。それでは時間も参りましたから本日はこの程度にして更に日を改めて続行するということにいたしたいと思います。本法案の審議は本日はこれを以て中止いたします。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#99
○理事(小泉秀吉君) それでは速記を始めて下さい。丁度今委員長が不在になつておりますけれども、かねて委員長にも申入れておつた通りでありますが、運輸省設置法の一部改正案、現在内閣委員会にかかつておる法律案の中に、海運局に次長を一名、鉄道監督局に次長一名を常設するということに運輸委員の懇談の際にお諮りいたしまして満場一致で申入れをすることにきまりました。よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○理事(小泉秀吉君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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